説明

便座装置

【課題】小規模な改造で容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能な便座装置を提供する。
【解決手段】便座装置1は、洋風水洗式の便器9に固定される本体10と、本体10に揺動可能に設けられ、下方に揺動して人が着座可能な便座20と、本体10又は便座20に揺動可能に設けられ、下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋39とを備える。
便座20に固定されて便器9に当接する便座用裏脚23及び便蓋30に固定されて便座20に当接する便蓋用裏脚33は、発光するように構成されている。
具体的には、便座用裏脚23は透光材料からなり、便座用裏脚23内を照射可能な光源24a、24bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図8及び図9に従来の便座装置が開示されている。この便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、本体に揺動可能に設けられ、下方に揺動して人が着座可能な便座と、本体又は便座に揺動可能に設けられ、下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備える。
【0003】
本体、便座又は便蓋は、内部透視構造であるスケルトン構造とされ、内部に光源としてのLEDが埋設されている。
【0004】
このような構成である従来の便座装置は、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮することに加え、スケルトン構造とされた本体、便座又は便蓋がLEDの発光により光って、良好な美観を呈する。
【0005】
【特許文献1】特開2001−120448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の便座装置は、既存の一般的な便座装置に対して本体、便座又は便蓋をスケルトン構造としなければならないことから、製造コストが増加する傾向にある。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、小規模な改造で容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能な便座装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座に固定されて前記便器に当接する便座用裏脚及び前記便蓋に固定されて該便座に当接する便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材は、発光するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
このような構成である本発明の便座装置は、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮する。
【0010】
そして、この便座装置は、便座用裏脚及び便便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材が発光することにより良好な美観を呈する。この際、この便座装置は、便座用裏脚及び便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材に小規模な改造を施すだけでよく、従来の便座装置のように、便座又は便蓋をスケルトン構造とする必要がないことから、製造コストの上昇を抑制できる。
【0011】
したがって、本発明の便座装置は、小規模な改造で容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0012】
便座用裏脚及び便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材が発光する構成としては、例えば、便座用裏脚及び便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材に光源が露出するように配設して、光源の発する光が直接視認されるようにしてもよい。
【0013】
光源は、少なくとも可視光を発するものであればよく、可視光とともに、赤外線又は紫外線を発するものであってもよい。また、光源は、LED等の小型のものが好ましく、1つに限定されない。
【0014】
本発明の便座装置において、前記部材は、透光材料からなる透光部材と、該透光部材内を照射可能な光源とを有し得る。この場合、この便座装置は、便座用裏脚及び便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材を全体的に光らせることができ、一層良好な美観を呈することができる。
【0015】
本発明の便座装置において、前記部材は、透光材料からなる透光部材と、該透光部材と一体をなし、前記便座又は前記便蓋に固定される基部と、該基部に設けられ、該透光部材内を照射可能な光源とを有し得る。この場合、透光部材内を照射可能な光源を便座又は便蓋に固定される基部に設けて、外部から目立たなくするとともに、透光部材を全体的に光らせることができるので、一層良好な外観を呈することができる。
【0016】
透光部材を構成する材料としては、ABS樹脂、アクリル樹脂、その他の透明樹脂材料や、透明なシリコンゴム、エラストマー等の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。また、透光部材が透光性を有する乳白色であってもよい。そうであれば、光源からの光が拡散されて透光部材の全体が淡く光るため良好な外観を呈することができる。便座用裏脚及び便蓋用裏脚が本来の機能を良好に発揮するためには、透光部材は、硬質材料よりも軟質材料又は弾性変形可能な材料からなることが好ましい。
【0017】
本発明の便座装置において、前記透光部材には蓄光材又は蛍光材が含まれ得る。この場合、透光部材は、光源を発光させないときでも、蓄光材又は蛍光材によって発光するので、省電力化を図りつつ、良好な外観を呈することができる。
【0018】
本発明の便座装置において、前記部材は、前記光源における光軸の延長線上に該光源からの光を該部材の周面に案内する光反射部材を有し得る。この場合、光源から光軸の延長線上に向けて発せられた光を光反射部材により反射させて、外側に露出する部材の周面に案内することができるので、一層美観が向上する。
【0019】
本発明の便座装置において、前記光反射部材は、前記透光部材に埋設され、少なくとも一方向の垂直断面形状が前記光源側を頂点とした三角形状であり、該光源から照射された光を斜面で反射させて前記部材の周面に案内するものであり得る。この場合、簡易な構造で部材の周面に光源から発せられた光を案内することができるので、製造が容易となり、製造コストの上昇を抑制可能である。
光反射部材の形状としては、円錐形状、多角錐形状、三角柱形状等を採用することができる。三角柱形状の光反射部材の場合には、便座用裏足又は便蓋用裏足の長手方向に沿って透光部材に埋設し、複数個の光源を三角柱形状の光反射部材の上方に配置してもよい。
【0020】
この光反射部材としては、斜面が鏡面である金属製のものやプリズム等を採用することができる。光反射部材の全体が透光部材に埋設されていてもよく、一部分が埋設されていてもよい。
【0021】
また、光反射部材は、斜面を空洞部によって形成しているものであり得る。この場合、光源から発せられた光は、アクリル樹脂等の透明材料により形成された光反射部材内を通過し、空洞部の斜面で部材の周面に向けて反射する。このため、空洞部の斜面の角度を調整するのみで光を全反射させることが可能となり、反射面の表面処理をする必要が無いため、製造が容易となり、製造コストの上昇を抑制可能である。また、光源から発せられた光の全てを周面に反射させることになるため、部材の周面が一層明るく光り、良好な外観を呈することができる。さらに、透光部材の周面を良好に光らせつつ、厚みを増してクッション性を向上させることが可能である。
【0022】
本発明の便座装置において、前記透光部材には、前記部材の周面を除いた外面に光反射層が形成され得る。この場合、光源から発せられた光の一部が部材の周面を除いた外面に形成された光反射層によって反射されるので、より効果的に周面全体を光らせることができる。
【0023】
本発明の便座装置において、前記光反射層は前記透光部材に塗布又はめっきにより形成され得る。この場合、光反射層を透光部材に容易に形成することができる。
【0024】
本発明の便座装置において、前記部材の周面は光拡散処理され得る。この場合、光源から発せられた光の一部が部材の周面で拡散されるので、優れた美観を呈することができる。
【0025】
本発明の便座装置において、前記光源の一部は紫外線照射用光源であり、前記便蓋が閉じた状態で該紫外線照射用光源が発光するように構成され得る。この場合、紫外線照射用光源から紫外線が便器や床面等に向けて照射されることにより、便器や床面等の表面で殺菌作用を生じさせることができるので、便器や床面等を清潔な状態に維持し易くなる。
【0026】
光源への給電の方法は、どのようなものでもよく、例えば、本体から配線を介して給電してもよい。
【0027】
本発明の便座装置において、前記光源は電磁誘導によって給電されるものであり得る。この場合、本体から光源まで配線を直接引き回す必要がなくなるので、便座又は便蓋の開閉機構を簡易なものとすることができる。
【0028】
光源が電磁誘導によって給電されるものである場合において、前記便蓋用裏脚が有する前記光源は前記便座内の暖房用ヒータによって給電されるものであり得る。この場合、暖房用ヒータを光源への給電用配線としても兼用することができるので、装置の簡略化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0030】
図1〜図4に示すように、実施例1の便座装置1は、洋風水洗式の便器9に固定される本体10と、本体10に揺動可能に設けられ、下方に揺動して人が着座可能な便座20と、本体10又は便座20に揺動可能に設けられ、下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋30とを備える。
【0031】
より詳しくは、本体10は、便器9の後方に設置される水洗タンク(図示しない)を覆うタンクカバー11とタンクカバー11の前面下方に設けられた便座便蓋軸支部12とを有する。
【0032】
便座20は、中央に開口21を有し、後方に一対の便座支持部22を有している。便座支持部22は、便座便蓋軸支部12の両側面に向けて突出するように形成され、便座便蓋軸支部12に揺動可能に軸支されている。図3に示すように、便座20の裏面側には、開口21を囲むように、4個の便座用裏脚23が固定されている。
【0033】
便蓋30は、閉じた状態で便座20の全体を上方から覆う形状とされ、後方に一対の便蓋支持部32を有している。便蓋支持部32も、便座支持部22と同様に便座便蓋軸支部12の両側面に向けて突出するように形成され、便座便蓋支持部12に揺動可能に軸支されている。図2に示すように、便蓋30の裏面側には、2個の便蓋用裏脚33が固定されている。
【0034】
便座用裏脚23は、図5に示すように、透光材料である透明シリコンゴムからなる略直方体であり、便座20が下方に揺動した状態で便器9の上縁に当接するように便座20に固定されている。便座用裏脚23の上面側には、LEDからなる光源24a、24bが先端側の発光部分を便座用裏脚23内に位置させ、光軸を垂直下方に向けるようにして設けられている。光源24a、24bのうち、中央側の光源24aは、紫外線を照射可能なUV−LEDである。光源24a、24bは、光源用配線(図示しない)によって本体10に内蔵された電源回路(図示しない)と電気的に接続されている。このため、光源24a、24bは、本体10の電源回路から給電されることにより発光して便座用裏脚23内を照射可能とされている。なお、光源用配線は、便座20の揺動を妨げないように、便座便蓋軸支部12及び便座支持部22の内部を経由して配設されている。また、光源用配線は、便座20の内部に配設される暖房用ヒータ29の一部と兼用されている。
【0035】
便蓋用裏脚33は、不透光材料であるウレタンゴムからなる略直方体であり、便蓋30が下方に揺動した状態で便座20の上縁に当接するように便蓋30に固定されている。便蓋用裏脚33の中央側に向く側面には、LEDからなる光源34aが先端側の発光部分を便蓋用裏脚33外に露出させ、光軸を中央側に向けるようにして設けられている。また、便蓋用裏脚33の外周側に向く側面には、LEDからなる光源34bが先端側の発光部分を便蓋用裏脚33外に露出させ、光軸を外周側に向けるようにして設けられている。光源34a、34bは、便座20内に設けられた1次コイル16a及び便蓋用裏脚33内に埋設された2次コイル16bによって本体10に内蔵された電源回路(図示しない)から電磁誘導により非接触給電可能とされている。このため、便蓋30及び便座20を共に閉じて、又は共に開いて、便蓋30を便座20に重ねた状態とした場合に、光源34a、34bは、本体10の電源回路から非接触給電されることにより発光して便蓋用裏脚33の周囲に直接光を照射可能とされている。なお、1次コイル16aは、便座20の内部に配設される暖房用ヒータ29の一部と兼用されている。
【0036】
便蓋30の中央側裏面には、反射層30aが形成されており、光源34aが中央側に向けて発する光を反射可能とされている。
【0037】
このような構成である実施例1の便座装置1は、便器9に固定されて便座20及び便蓋30としての機能を発揮する。
【0038】
そして、この便座装置1は、便座20及び/又は便蓋30が開いた状態又は閉じた状態において、便座用裏脚23及び便蓋用裏脚33が同時に、又は別々に発光することにより良好な美観を呈する。この際、この便座装置1は、便座用裏脚23及び便蓋用裏脚33を図5に示す構成のものに付け替える等の小規模な改造を施すだけでよく、従来の便座装置のように、便座又は便蓋をスケルトン構造とする必要がなくなっていることから、製造コストの上昇を抑制できている。
【0039】
したがって、実施例1の便座装置1は、小規模な改造で容易に発光による良好な美観を呈することができており、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0040】
また、この便座装置1において、便座用裏脚23は透光材料からなり、便座用裏脚23内を照射可能な光源24a、24bが設けられていることから、便座用裏脚23を全体的に光らせることができ、一層良好な美観を呈することができている。
【0041】
さらに、この便座装置1において、光源24aは紫外線を照射可能なUV−LEDであり、便蓋30が閉じた状態でも、紫外線を照射するように構成されている。このため、光源24aから便器や床面等に向けて照射される紫外線によって、便器9や床面等の表面で殺菌作用を生じさせることができるので、便器9や床面等を清潔な状態に維持し易くなっている。なお、便器9の表面や床面等に光触媒を塗布することにより紫外線による殺菌作用をより効果的に生じさせることができる。
【0042】
また、この便座装置1において、便蓋用裏脚33が有する光源34a、34bは、一次コイル16a及び二次コイル16bにより電磁誘導によって給電されるものである。このため、この便座装置1は、本体10から光源34a、34bまで配線を直接引き回す必要がなくなっているので、便蓋30の開閉機構を簡易なものとすることができている。
【0043】
さらに、この便座装置1において、一次コイル16aは便座20内の暖房用ヒータ29の一部と兼用されており、光源34a、34bは暖房用ヒータ29によって給電されるものであることから、装置の簡略化が可能となっている。
【0044】
なお、実施例1の便座装置1において、便座用裏脚23及び/又は便蓋用裏脚33に蓄光材又は蛍光材が含まれていてもよい。この場合には、便座用裏脚23及び/又は便蓋用裏脚33は、光源24a、24b、34a、34bを発光させないときでも、蓄光材又は蛍光材によって発光するので、省電力化を図りつつ、良好な外観を呈することができる。
【実施例2】
【0045】
実施例2の便座装置2は、実施例1の便座装置1における便座用裏脚23の代わりに、図6に示す便座用裏脚223を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0046】
便座用裏脚223は、便座20に固定される基部226をもち、透光材料である透明シリコンゴムからなる透光部材225と、基部226に設けられ、透光部材225内を照射可能なLEDからなる光源224とを有している。
【0047】
透光部材225は、基部226を除く部分である露出部227をもち、基部226の背面226a及び側面226b並びに露出部227の背面227aには光反射層228aが塗布又はめっきにより形成されている。また、露出部227の当接面227b(便器9の上面に当接する面)にも光反射層228bが塗布又はめっきにより形成されている。さらに、露出部227の周面227cは微細な凹凸が形成されることにより、光拡散処理されている。
【0048】
光源224は、露出部227の内部に埋設される感圧スイッチ240を有している。感圧スイッチ240は、ON状態となるための負荷が適当に設定される。そして、感圧スイッチ240は、例えば、便座20を閉じて、便座20の自重が便座用裏脚223に負荷されることによりON状態となって、光源224を発光させたり、便座20に人が着座することによりON状態となって、光源224を発光させたりすることが可能となっている。また、感圧スイッチ240は、OFF状態のときに光源224を発光させてもよい。さらに、感圧スイッチ240は、光源224が複数個である場合に、その一部を発光させるように制御して、省エネ化を図ってもよい。なお、光源224は、所望の方向に向けて効果的に光を照射可能なように、特定の方向に傾斜した状態とされている。また、必要に応じて、基部226に複数個の光源224を設けてもよい。
【0049】
このような構成である実施例2の便座装置2も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0050】
また、この便座装置2において、便座用裏脚223は、便座20に固定される基部226をもち、透光材料からなる透光部材225と、基部226に設けられ、透光部材225内を照射可能な光源224とを有している。このため、この便座装置2は、光源224を便座20に固定される基部226に設けて、外部から目立たなくするとともに、透光部材225を全体的に光らせることができているので、一層良好な外観を呈することができている。
【0051】
さらに、この便座装置2において、透光部材225は基部226を除く部分である露出部227をもち、基部226の背面226a及び側面226b並びに露出部227の背面227aには光反射層228aが形成されている。このため、光源224から発せられた光の一部が光反射層228aによって反射されるので、より効果的に露出部227全体を光らせることができている。
【0052】
また、この便座装置2において、露出部227の当接面227bにも光反射層228bが形成されている。このため、光源224から発せられた光の一部が光反射層228bによっても反射されるので、より効果的に露出部227の周面227cを光らせることができている。
【0053】
さらに、この便座装置2において、露出部227の周面227cは微小な凹凸が形成されることにより光拡散処理されている。このため、光源224から発せられた光の一部が露出部227の周面227cで拡散されるので、優れた美観を呈することができている。
【0054】
また、この便座装置2において、光反射層228a、228bは透光部材225に塗布又はめっきにより形成されているので、光反射層228a、228bを透光部材225に容易に形成することができている。
【実施例3】
【0055】
実施例3の便座装置3は、実施例2の便座装置2における光源224の代わりに、図7に示す光源324を採用し、さらに光反射部材350を採用している。その他の構成は、実施例2の便座装置2と同様であるので、説明は省く。
【0056】
便座用裏脚223は、光軸を垂直下方に向けるようにして、基部226に設けられ、透光部材225内を照射可能なLEDからなる光源324を有している。また、便座用裏脚223は、光源324における光軸の延長線上に位置するように透光部材225に埋設された円錐形状の光反射部材350を有している。光反射部材350は、光源324から垂直下方に照射された光を円錐の斜面で反射させて露出部227の周面227cに案内することが可能とされている。また、光反射部材350は、円錐形状のものに限らず、光源324側を頂点に透光部材25に埋設された多角錐形状のもの、三角柱形状のものでもよい。三角柱形状の光反射部材の場合には、便座用裏足223の長手方向に沿って透光部材25に埋設し、複数個の光源324を三角柱形状の光反射部材の上方に配置してもよい。
【0057】
このような構成である実施例3の便座装置3も、実施例1、2の便座装置1、2と同様の作用効果を奏することができている。
【0058】
また、この便座装置3において、便座用裏脚223が光反射部材350を有していることから、光源324から光軸の延長線上に向けて発せられた光を光反射部材350により反射させて、露出部227の周面227cに案内することができているので、一層美観が向上している。
【実施例4】
【0059】
実施例4の便座装置4は、図8に示す光反射部材450を有する便座用裏足423を採用している。
【0060】
便座用裏足423は、便座20に固定される一対の突出部426、426をもち、透光材料である透明シリコンゴムからなる透光部材425と、透光部材425に埋設された光反射部材450と、光反射部材450に設けられ、透光部材425内を照射可能なLEDからなる光源424とを有している。
【0061】
透光部材425は、突出部426、426を除く部分である露出部427をもち、露出部427の周面427cは微小な凹凸が形成されることにより光拡散処理されている。突出部426、426は、円柱状であり、先端側には、便座20に挿入されて便座20に係合するための係合凸部460が形成されている。
【0062】
光反射部材450は、透明なアクリルからなる円柱の下方先端部を円錐形状の空洞部450aにし、上方後端部に光源424であるLEDを挿入し固定するための円筒部450bを有する。円錐形状の傾斜面は、光源424からの光が露出部427の周面427cに向けて全反射される角度に設計されている。光源424は光反射部材450の円筒部450bに挿入され、円筒部450bの上方後端部をシリコンでコーキングして固定されているため、光源424からの光は設計通りに傾斜面で入反射されて露出部427の周面427cに案内される。また、図示しないが、露出部427の背面247aや当接面427bに光反射層を形成してもよい。
【0063】
このような構成である実施例4の便座装置4も、実施例1〜3の便座装置1〜3と同様の作用効果を奏することができている。
【0064】
また、この便座装置4は、光源424からの光を容易に全反射させて便座用裏足423の周面427に案内することができるので、一層明るく光り、良好な外観を呈する事ができる。さらに、この便座用裏足423は、露出部427の周面427cを良好に光らせつつ、厚みを増してクッション性を向上させることが可能である。
【実施例5】
【0065】
実施例5の便座装置5は、実施例1の便座装置1における便座用裏脚23の代わりに、図9に示す便座用裏脚523を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0066】
便座用裏脚523は、便座20に固定される基部526をもち、透光材料である透明シリコンゴムからなる透光部材525と、基部526に設けられ、透光部材525内を照射可能なLEDからなる光源524a、524bとを有している。
【0067】
基部526は、便座20に挿入される一対の突出部526e、526fからなる。突出部526e、526fは円柱状であり、先端側には、便座20に挿入されて便座20に係合するための係合凸部560が形成されている。各突出部526e、526f内には、光源524a、524bが夫々埋設されている。なお、光源524a、524bは、所望の方向に向けて効果的に光を照射可能なように、特定の方向に傾斜した状態とされている。
【0068】
透光部材525は基部526を除く部分である露出部527をもち、基部526の周面526b並びに露出部527の背面527aには光反射層528が塗布又はめっきにより形成されている。
【0069】
このような構成である実施例5の便座装置5も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0070】
また、この便座装置5において、基部526は便座20に挿入される突出部526e、526fからなり、突出部526e、526f内に光源524a、524bが埋設されている。このため、光源524a、524bを外部から視認し難くすることができている。それとともに、便座用裏脚523を嵩張らないようにすることもできている。このため、この便座装置5は、便座用裏脚523の本来の機能を損ねることなく、良好な外観を呈することができている。
【0071】
以上において、本発明を実施例1〜5に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜5に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0072】
例えば、実施例2の便座装置2において、便座用裏脚223の向きを図3に示す向きから、図10に示すように、開口21を囲む円周21aに沿う向きに変更してもよい。この場合、図6に示す光源234も、円周21aに沿う向きに傾斜させて、照射範囲に変化を生じさせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は便座装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施例1の便座装置の斜視図である(便座及び便蓋が閉じた状態)。
【図2】実施例1の便座装置の斜視図である(便蓋が開いた状態)。
【図3】実施例1の便座装置の斜視図である(便座及び便蓋が開いた状態)。
【図4】実施例1の便座装置の側面図である(便座及び便蓋が閉じた状態)。
【図5】実施例1の便座装置に係り、図4のV−V断面を示す要部拡大断面図である。
【図6】実施例2の便座装置に係り、図4のV−V断面を示す要部拡大断面図である。
【図7】実施例3の便座装置に係り、図4のV−V断面を示す要部拡大断面図である。
【図8】実施例4の便座装置に係り、図4のV−V断面を示す要部拡大断面図である。
【図9】実施例5の便座装置に係り、図4のV−V断面を示す要部拡大断面図である。
【図10】実施例2の便座装置の変形例を示す斜視図である(便蓋が開いた状態)。
【符号の説明】
【0075】
1、2、3、4、5…便座装置
9…便器
10…本体
20…便座
30…便蓋
23、223、423、523…便座用裏脚
33…便蓋用裏脚
24a、24b、34a、34b、224、324、424、524a、524b…光源(24a…紫外線照射用光源)
225、425、525…透光部材
226、426…基部
526e、526f…突出部
227、427、527…露出部
226a…基部の背面
226b、526b…基部の側面
227a、427a、527a…露出部の背面
227b、427b…露出部の当接面
227c、427c…露出部の周面
228a、228b、528…光反射層
350、450…光反射部材
16a…1次コイル
16b…2次コイル
29…暖房用ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座に固定されて前記便器に当接する便座用裏脚及び前記便蓋に固定されて該便座に当接する便蓋用裏脚の少なくとも一方の部材は、発光するように構成されていることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記部材は、透光材料からなる透光部材と、該透光部材内を照射可能な光源とを有している請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記部材は、透光材料からなる透光部材と、該透光部材と一体をなし、前記便座又は前記便蓋に固定される基部と、該基部に設けられ、該透光部材内を照射可能な光源とを有している請求項1記載の便座装置。
【請求項4】
前記透光材料には蓄光材料又は蛍光材料が含まれている請求項2又は3記載の便座装置。
【請求項5】
前記部材は、前記光源における光軸の延長線上に該光源からの光を該部材の周面に案内する光反射部材を有している請求項2乃至4のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項6】
前記光反射部材は、前記透光部材に埋設され、少なくとも一方向の垂直断面形状が前記光源側を頂点とした三角形状であり、該光源から照射された光を斜面で反射させて前記部材の周面に案内するものである請求項5記載の便座装置。
【請求項7】
前記光反射部材は、前記斜面を空洞部によって形成しているものである請求項6記載の便座装置。
【請求項8】
前記透光部材には、前記部材の周面を除いた外面に光反射層が形成されている請求項2乃至7のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項9】
前記光反射層は前記透光部材に塗布又はめっきにより形成されている請求項8記載の便座装置。
【請求項10】
前記部材の周面は光拡散処理されている請求項1乃至9のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項11】
前記光源の一部は紫外線照射用光源であり、前記便蓋が閉じた状態で該紫外線照射用光源が発光するように構成されている請求項2乃至10のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項12】
前記光源は電磁誘導によって給電されるものである請求項2乃至11のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項13】
前記便蓋用裏脚が有する前記光源は前記便座内の暖房用ヒータによって給電されるものである請求項12記載の便座装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate