説明

便座装置

【課題】
より座り心地の優れた便座装置を提供すること。
【解決手段】
内部に空洞58が設けられ、剛体であるベース部材50と、使用者が着座する部分であって、ベース部材50の材料よりも軟質の材料で形成され、ベース部材50のうち少なくとも上面52aを被覆し、使用者の着座にともなって弾性変形可能な被覆部材40と、を備える便座4であって、被複部材40のうち使用者の着座する着座面41aには、凹部分11と凸部分12で構成される凹凸模様10が形成され、凹部分11が着座面41aの外縁41cと内縁41dとを連通している構成としたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の便座装置が、後述の特許文献1に記載されている。この便座装置は、発泡密度の異なる複数の多孔質材料で構成した表面層(被覆部材)と、この表面層より硬質材料で形成された底板(ベース部材)とで構成される。表面層は、使用者が着座する部分であって、底板を被覆するように設けられている。表面層は、使用者の着座にともなって弾性的に変形する。
【特許文献1】特開2003−310481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のものでは、表面層のうち使用者の着座する着座面が平滑な面となっているので、使用者の着座状態においては、使用者の臀部と着座面との間の接触領域における通気性が良くない。特に、夏場や梅雨時等で長時間着座すると、使用者の臀部や大腿等の皮膚から生じた汗等で着座面がべとつき、使用者が不快感を覚え、座り心地が良いものとは言い難かった。
【0004】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、より座り心地の優れた便座装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明にて講じた技術的手段は、請求項1に記載の様に、内部に空洞が設けられ、剛体であるベース部材と、使用者が着座する部分であって、前記ベース部材の材料よりも軟質の材料で形成され、前記ベース部材のうち少なくとも上面を被覆し、使用者の着座にともなって弾性変形可能な被覆部材と、を備える便座装置であって、前記被複部材のうち使用者の着座する着座面には、凹部分と凸部分で構成される凹凸模様が形成され、前記凹部分が前記着座面の外縁と内縁とを連通している構成としたことである。
【0006】
好ましくは、請求項2に記載の様に、前記凹部分の隅と前記凸部分の角にアールがつけられていると良い。
【0007】
好ましくは、請求項3に記載の様に、前記凹凸模様においては互いに異なる幅を持った前記凹部分が混在していると良い。
【0008】
好ましくは、請求項4に記載の様に、前記凹凸模様においては互いに異なる深さを持った前記凹部分が混在していると良い。
【0009】
好ましくは、請求項5に記載の様に、前記凹凸模様においては前記凹部分が互いに交差していると良い。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、被複部材のうち使用者の着座する着座面には凹凸模様が形成され、凹凸模様における凹部分が着座面の外縁と内縁とを連通している。この構造では、使用者の着座時に、使用者の臀部(皮膚)と着座面が完全に密着することがなく、使用者の臀部と着座面との間に、着座面の外縁と内縁とを連通する空間が形成される。空気の流れを可能とするこの空間によって、使用者の臀部と着座面との間の接触領域における通気性が向上する。これにより、皮膚からの発汗等に伴う着座面のべとつき感が減少して、より座り心地の優れた便座装置を実現できる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、着座面の凹凸模様において、凹部分の隅と凸部分の角にアールがつけられているので、布等で拭き取り清掃を行う場合においても拭き残し等が起きにくく清掃性がよい。これにより、使用者の利便性がより高まる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、使用者の臀部と着座面との間に形成される空間において、着座面での部位ごとに空気の流れやすさを変化させることができ、さらに座り心地が向上する。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、使用者の臀部と着座面との間に形成される空間において、着座面での部位ごとに空気の流れやすさを変化させることができ、さらに座り心地が向上する。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、使用者の臀部と着座面との間に形成される空間内をより空気が流れやすくなり、通気性がさらに向上し、さらに座り心地の優れた便座装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を基に説明する。
【0016】
図1乃至図3において、1は便器、2は人体局部洗浄装置で、21は後部装置収納部、21aは後部装置収納部の上カバー、21bは後部装置収納部の下カバーである。3は便蓋、4は便座で、後部装置収納部21に回動自在に取り付けられる。
【0017】
図4において、後部装置収納部21の下カバー21bには、便座4の電気制御を行う電気制御基板ユニット211、温水洗浄ノズル212、温水供給系ユニット213、着座検知手段214が設けられる。
【0018】
図5において、便座4(便座装置)は、被覆部材40と、被覆部材40が装着されるベース部材50から構成されている。被覆部材40は、平面部41と、側面部42と、平面部41の下面に複数個設けられた突起部43とから成っている。被覆部材40は、使用者が着座する部分であって、ベース部材50の材料よりも軟質な材料(発泡樹脂等)で形成される。被覆部材40は、ベース部材50のうち少なくとも上面52aを被覆し、使用者の着座にともなって弾性変形可能である。
【0019】
ベース部材50は、剛体であって、樹脂製の上方部材52、下方部材51が組み合わされた構成で、内部に空洞58が設けられている。空洞58内には、加熱用電気ヒータ56が設けられる。加熱用電気ヒータ56は、上方部材52の裏面に両面テープ等で固定されている。加熱用電気ヒータ56にはコード状のヒータ線561が配設されている。そして、上方部材52の上面52aには、被覆部材40の複数個の突起部43に対応した位置に複数個の嵌合穴523が形成されている。これら突起部43と嵌合穴523は、略左右対称に円弧状または馬蹄形状に複数個配置されている。特に、便座4の中央開口部57の周辺領域の後半分は、しばしば使用者の臀部や大腿部が当接する箇所で、着座や離座を繰り返すことにより、装着された被覆部材40がベース部材50から浮き上がったりして離れやすい部位であるので、この領域に装着固定用の突起部43と嵌合穴523を対応させて適宜配置することは重要である。
【0020】
また、加熱用電気ヒータ56のヒータ線561は、上述の複数個の嵌合穴523を避けて嵌合穴523の裏側に形成された円筒形状部527の外周にできるだけ近接するように配設されている。これにより、ベース部材50の嵌合穴523とこれに嵌合される被覆部材40の突起部43とで形成される固定嵌合部の加熱用電気ヒータ56による表面温度が他の部分に比べて低下する割合を最小限にしている。しかも、これらの臀部が接触する領域は、冬場において加熱用電気ヒータ56による加温が必要な領域でもあり、被覆部材40の浮き防止固定機構とできるだけ均一な加熱の双方の機能が必要な領域であり、本構造によって成立させることができる。
【0021】
図6及び図7において、ベース部材50は、上方部材52と下方部材51が組み合わされた構成で、その内部には加熱用電気ヒータ56のヒータ線561が熱伝達用のアルミシート562に固着した状態で上方部材52の下面に接着されている。また、下方部材51とヒータ線561の間には断熱材55が装着され、ヒータ線561による下面方向への放熱を防いでいる。さらに、被覆部材40はベース部材50の上方部材52の表面(上面52a及び側面52b)の形状に対応して平面部41と側面部42が装着され、平面部41の突起部43が対応する上方部材52の嵌合穴523に嵌合され、またさらに側面部42の両側の下面部には小突起42a、42bが対応する上方部材52の両側の下面部にある凹部521a、521bと嵌合することで、被覆部材40が上方部材52の表面から浮き上がることを防止している。被覆部材40の平面部41には、使用者が着座する着座面41aと、上方部材52の上面52aと接触する接触面41bが設けられる。被覆部材40の平面部41において、接触面41bは着座面41aの裏側に設けられる。被覆部材40の着座面41aの詳細な構造については後述する。
【0022】
図8において、ベース部材50の上方部材52の中央部下面から垂下したボス上部522と下方部材51の対応するボス下部511が締結ネジ53で下方部材51を貫通する構造で、両部材を締結している。
【0023】
また、締結ネジ53の締結箇所には、その位置に合わせてゴム脚54が下方部材51の下面側から装着され、締結ネジ53を覆っているので、外側からは締結ネジ53が見えないようになっている。このことはベース部材50の外観性を向上させている。さらにゴム脚54は2個の組み付け用突起部541を持ち、下方部材51の対応する2個のゴム脚嵌合穴512を貫通して水密固定されている。
【0024】
また、図示はしていないが、ベース部材50の上方部材52と下方部材51の内周、外周の組み合わせ部分には、水密性のあるワイヤー状パッキンが配設されており、ベース部材50の全体的な水密性を保持している。
【0025】
図9において、被覆部材40の平面部41の下面(接触面41b)に設けられた突起部43は、その断面が6角形や8角形等の多角形を成しており、角43aを有している。
【0026】
ベース部材50の上方部材52には、被覆部材40の平面部41の突起部43に対応する嵌合穴523が構成され、突起部43の角43aに対応した隅523aが設けられており、突起部43の外形寸法は、嵌合穴523の対応する穴寸法より適宜大きく設定してある。これにより突起部43は嵌合穴523に圧入状態で嵌合され、使用者の着座及び離座の繰り返しや、被覆部材40の平面部41及び側面部42の表面を雑巾などで拭き取り清掃する場合等に浮き上がりやズレが発生しないようになっている。なお、突起部43と嵌合穴523は、必ずしも対応する形状でなくてもよい。
【0027】
また図示はしないが、これらの突起部43は被覆部材40の平面部41や側面部42と同一の材料である必要はなく、例えば図9に示す形状と同一であっても、部分的に材質をゴム質等から成る、被覆部材40よりも剛性の高い弾性体としても良い。このようにすることで、被覆部材40のベース部材50への装着安定性が増すことになる。
【0028】
図10において、被覆部材40の平面部41の下面(接触面41b)に設けられた突起部43は、その断面が複数条のスプライン形状を成しており、凸条43aと凹条43bを有している。
【0029】
ベース部材50の上方部材52には、被覆部材40の平面部41の突起部43に対応する嵌合穴523が構成され、突起部43の有する複数条のスプライン形状に対応した穴の外形状の凹部523a及び凸部523bが形成されている。
【0030】
さらに、嵌合穴523のスプライン形状寸法よりも、突起部43のスプライン形状寸法が適宜大きく設定してあるので、これにより突起部43は嵌合穴523に圧入状態で嵌合され、使用者の着座及び離座の繰り返しや、平面部41及び側面部42の表面を雑巾などで拭き取り清掃する場合等に、浮き上がりやズレが発生しないようになっている。なお、突起部43と嵌合穴523は、必ずしも対応する形状でなくてもよい。
【0031】
また、図9と同様に(図示はしない)、これらの突起部43は被覆部材40の平面部41や側面部42と同一の材料である必要はなく、例えば図10に示す形状と同一であっても、部分的に材質をゴム質等から成る、被覆部材40よりも剛性の高い弾性体としてもよい。このようにすることで、同様に被覆部材40のベース部材50への装着安定性が増すことになる。
【0032】
以上の実施形態によれば、軟質材で構成された被覆部材40を、剛性のある樹脂からなるベース部材50に装着する場合に、使用者の着座時に臀部や大腿部が接触する着座領域の全面において、複数個の固定箇所を設けているので、着座と離座の繰り返しや、通常の雑巾などによる表面清掃で被覆部材40が浮き上がったりずれたりすることが起きにくく、被覆部材40の装着状態が安定する。
【0033】
また、被覆部材40のベース部材50への装着固定において、固定用の突起部43及び嵌合穴523の断面形状が多角形もしくは複数条のスプライン形状であるので、摩擦等に基づく嵌合力が大きくなっているので、十分な緊迫力が得られ、被覆部材40の浮き上がりやズレがなく被覆部材40の装着状態が安定し、被覆部材40のベース部材50に対する位置がより確実に保持される。
【0034】
また、被覆部材40を安定してベース部材50に装着嵌合させるために、使用者が実際に着座姿勢で臀部や大腿部を密着させる領域に複数箇所の嵌合固定部を設け、またそれらの嵌合固定部のボス形状部を避けるように加熱用電気ヒータ56を伝熱ができるだけ均一になるよう配設しているので、温度の集中や部分的低下に伴う不快感が極めて少ない。
【0035】
さらに、被覆部材40の突出部43がベース部材50の嵌合穴523に着脱自在に嵌合され、被覆部材40のベース部材50に対する位置が突出部43と嵌合穴523との間で作用する摩擦力によって保持されるので、例えば清掃時において、被覆部材40を丸洗いしたい時などには、上述した摩擦力以上の大きさである上向きの力を被覆部材40に加えれば、被覆部材40をベース部材50から簡単に取り外すことができるので、使用者にとっての利便性がより高くなる。
【0036】
さらに、使用者の着座に係る力や、表面清掃に係る力など、比較的小さな力が被覆部材40に繰り返し加わっても、被覆部材40のベース部材50に対する位置ずれが起きたり、被覆部材40がベース部材50から上方に浮き上がったりすることがなく、使用者にとっての利便性がより高くなる。
【0037】
さらに、使用者の着座にともなって被覆部材40が弾性変形可能なので、使用者にとっては良好な座り心地が確保される。
【0038】
さらに、被覆部材40の突出部43が部分的に剛性の高い弾性体(材料)で形成されると、被覆部材40のベース部材50への装着安定性がさらに増す。また、被覆部材40の着脱にともなって被覆部材40の突起部43が剛体であるベース部材50の嵌合穴523に繰り返し嵌合されたとしても、被覆部材40の突起部43がへたりにくく、被覆部材40の耐久性の観点でより好ましい。
【0039】
さらに、ベース部材50が剛体であって、ベース部材50の空洞58内に加熱用電気ヒータ56が設けられるので、使用者が被覆部材40の着座面41aに繰り返し着座したとしても、着座に係る荷重が加熱用電気ヒータ56に作用することがなく、加熱用電気ヒータ56の変形の心配がなく、加熱用電気ヒータ56の耐久性の観点でより好ましい。
【0040】
次に、被覆部材40の着座面41aの詳細な構造について、図11及び図12を参照して説明する。
【0041】
図11は被覆部材40の着座面41aの構造を示す図である。図11(a)は着座面41aの概略図、図11(b)は図11(a)におけるD示部分の拡大図、図11(c)は図11(b)におけるE−E線に沿う断面図である。
【0042】
被覆部材40の着座面41aには、凹凸模様10が形成されている。凹凸模様10は、凹部分11と凸部分12で構成される。凹部分11は、着座面41aの外縁41cと内縁41dとを連通し、外縁41cと内縁41dとの間で延在する溝を形成している。凹部分11は、網の目状に形成され、互いに交差している。凹凸模様10において、凹部分11の隅11aと凸部分12の角12aにはアールがつけられており、これらの部分がなめらかな曲面で構成されている。本実施形態では、凹部分11の幅や深さ、凸部分12の幅や深さは一様である。
【0043】
このような構造によれば、使用者の着座時に、使用者の臀部(皮膚)と着座面41aが完全に密着してしまうことがなく、使用者の臀部と着座面41aとの間に、着座面41aの外縁41cと内縁41dとを連通する空間が形成される。空気の流れを許容するこの空間によって、使用者の臀部と着座面41aとの間の接触領域における通気性が大きく向上する。これにより、夏場や梅雨時のような湿度が比較的高い場合において、室温が低めである為に便座の暖房も必要とされるような環境下において、長時間の着座であっても使用者の発汗等による着座面41aのべとつきが発生しにくく、より座り心地の優れた快適な便座装置4を実現できる。
【0044】
また、着座面41aの凹凸模様10において、凹部分11の隅11aと凸部分12の角12aにアールがつけられているので、布等で拭き取り清掃を行う場合においても拭き残し等が起きにくい。これにより、着座面41aの清掃がしやすく、使用者の利便性がより高まる。
【0045】
また、凹部分11が互いに交差しているので、使用者の臀部と着座面41aとの間に形成される空間内をより空気が流れやすくなり、通気性がさらに向上し、さらに座り心地の優れた便座装置4を実現できる。
【0046】
なお、上述の凹凸模様10においては、凹部分11の幅や深さが互いに異なるものであっても良い。この場合、使用者の臀部と着座面41aとの間に形成される空間において、着座面41aでの部位ごとに空気の流れやすさを変化させることができ、さらに座り心地が向上する。
【0047】
図12は着座面41aの他の実施形態を示す図である。図12(a)は図11(a)におけるD示部分の拡大図、図12(b)は図12(a)におけるF−F線に沿う断面図である。
【0048】
被覆部材40の着座面41aには、凹凸模様60が形成されている。凹凸模様60は、凹部分61,62と凸部分63で構成される。凹部分61と凹部分62は互いに幅・深さが異なっており、幅・深さとも凹部分61が凹部分62よりも大きい。凹部分61,61間で、凹部分62が凸部分63を交互に挟むように配置されている。凹部分61,62は互いに平行に配置されている。凹部分61,62は、着座面41aの外縁41cと内縁41dとを連通し、外縁41cと内縁41dとの間で延在する溝を形成している。さらに、凹凸模様60には、凹部分64が設けられている。凹部分64は、幅・深さが凹部分61と同等で、凹部分61と交差するように配置されている。凹部分64は、凹部分61,62と連係して着座面41aの外縁41cと内縁41dとを連通し、外縁41cと内縁41dとの間で延在する溝を形成している。凹凸模様60において、互いに異なる幅・深さを持った凹部分61,62,64が混在している。凹凸模様60において、凹部分61の隅61a、凹部分62の隅62a、凹部分64の隅64a、及び凸部分63の角63aにはいずれもアールがつけられており、これらの部分がなめらかな曲面で構成されている。
【0049】
このような構造によれば、図11で示す構造と同様、使用者の着座時に、使用者の臀部(皮膚)と着座面41aが完全に密着してしまうことがなく、使用者の臀部と着座面41aとの間に、着座面41aの外縁41cと内縁41dとを連通する空間が形成される。空気の流れを許容するこの空間によって、使用者の臀部と着座面41aとの間の接触領域における通気性が大きく向上する。これにより、夏場や梅雨時のような湿度が比較的高い場合において、室温が低めである為に便座の暖房も必要とされるような環境下において、長時間の着座であっても使用者の発汗等による着座面41aのべとつきが発生しにくく、より座り心地の優れた快適な便座装置4を実現できる。
【0050】
また、着座面41aの凹凸模様60において、凹部分61の隅61a、凹部分62の隅62a、凹部分64の隅64a、及び凸部分63の角63aにはいずれもアールがつけられているので、布等で拭き取り清掃を行う場合においても拭き残し等が起きにくい。これにより、着座面41aの清掃がしやすく、使用者の利便性がより高まる。
【0051】
また、凹部分61と凹部分64が互いに交差しているので、使用者の臀部と着座面41aとの間に形成される空間内をより空気が流れやすくなり、通気性がさらに向上し、さらに座り心地の優れた便座装置4を実現できる。
【0052】
また、凹凸模様60においては、互いに異なる幅・深さを持った凹部分61,62,64が混在しているので、使用者の臀部と着座面41aとの間に形成される空間において、着座面41aでの部位ごとに空気の流れやすさを変化させることができ、さらに座り心地が向上する。
【0053】
なお、図11に示す構造においては凸部分12の幅や高さが互いに異なるものであってもよく、同様に、図12に示す構造においては凸部分63の幅や高さが互いに異なるものであってもよい。この場合、使用者の着座状態において、使用者の臀部と着座面41aとの間で作用する面圧を部分的に変えることになるので、使用者の臀部に対するマッサージ効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る便座4を備えた一般的なトイレ装置の図。
【図2】本発明に係る便座4を備えた一般的なトイレ装置の図。
【図3】本発明に係る便座4を備えた一般的なトイレ装置の図。
【図4】本発明に係る便座4を備えた一般的なトイレ装置の図。
【図5】便座4の分解斜視図。
【図6】図4におけるA−A線に沿う断面図。
【図7】図4におけるB−B線に沿う断面図。
【図8】図4におけるC−C線に沿う断面図。
【図9】被覆部材40とベース部材50との嵌合部を示す図。
【図10】被覆部材40とベース部材50との嵌合部を示す図。
【図11】被覆部材40の着座面41aの構造を示す図。
【図12】着座面41aの他の実施形態を示す図。
【符号の説明】
【0055】
4 便座(便座装置)
10 凹凸模様
11 凹部分
11a 隅
12 凸部分
12a 角
40 被覆部材
41a 着座面
41c 外縁
41d 内縁
50 ベース部材
52a 上面
58 空洞
60 凹凸模様
61,62,64 凹部分
61a,62a,64a 隅
63 凸部分
63a 角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞が設けられ、剛体であるベース部材と、
使用者が着座する部分であって、前記ベース部材の材料よりも軟質の材料で形成され、前記ベース部材のうち少なくとも上面を被覆し、使用者の着座にともなって弾性変形可能な被覆部材と、
を備える便座装置であって、
前記被複部材のうち使用者の着座する着座面には、凹部分と凸部分で構成される凹凸模様が形成され、前記凹部分が前記着座面の外縁と内縁とを連通していることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記凹部分の隅と前記凸部分の角にアールがつけられていることを特徴とする請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
前記凹凸模様においては互いに異なる幅を持った前記凹部分が混在していることを特徴とする請求項1に記載の便座装置。
【請求項4】
前記凹凸模様においては互いに異なる深さを持った前記凹部分が混在していることを特徴とする請求項1に記載の便座装置。
【請求項5】
前記凹凸模様においては前記凹部分が互いに交差していることを特徴とする請求項1に記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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