説明

便秘改善薬

【課題】プランタゴ・オバタを含有しながら、良好な水分散性、膨潤性と凝集抑制効果を有し、服用に優れスムーズな排便を促す便秘改善薬の提供。
【解決手段】本発明は、(A)プランタゴ・オバタ、(B)センナ又はその抽出物、並びに(C)サンキライ又はその抽出物及びカスカラサグラダ又はその抽出物から選ばれる1種又は2種を含有することを特徴とする便秘改善薬を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランタゴ・オバタを多量含有し服用性に優れた便秘改善薬に関する。
【背景技術】
【0002】
プランタゴ・オバタは、オオバコ属(Plantaginaceae)オオバコ科(Plantago)の多年草であり、別名サイリウム、イザゴールとも呼ばれている。日本では便秘薬の他、食用にも利用されている。プランタゴ・オバタは、水分を吸収すると膨らむ性質(非特許文献1)があるため、便の量を増やしたり、腸のぜん動運動を促し、便通を良くする効果がある。しかし、プランタゴ・オバタは膨潤性と共に強い凝集性を有するため、ダマが生じやすく、均一に分散させることは困難であった。プランタゴ・オバタの水分散性を向上させる手段として、糖類の添加により表面を改質する方法(特許文献1)や、油脂中に分散させる方法(特許文献2)、水溶性高分子及びケイ酸化合物を添加させる方法(特許文献3)、酸化マグネシウム等を添加する方法(特許文献4)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを添加する方法(特許文献5)などが知られている。
【0003】
またプランタゴ・オバタを含有する便秘改善薬はいくつか上市されており、その剤形は服用性を考慮して顆粒剤がほとんどである。また、便秘は消化器症状だけではなく、肌荒れやニキビ、腹部膨満感などを伴う場合がある。このような事由から、医薬品としてのプランタゴ・オバタ含有製剤には、便秘又は便秘に伴う諸症状の改善を目的に、複数の生薬を配合した商品が多く上市されている。
【0004】
生薬を複数配合した造粒物の問題点として、崩壊性が悪いことが知られている。特に押し出し造粒法では、スクリーン孔径が小さいと圧密により生薬が強い結合性を有するため、崩壊剤を増量しても造粒物の崩壊性が不十分な場合がある。これを改善する手段として、造粒時に糖アルコールを添加する方法(特許文献6)などが知られている。
また、これらの顆粒剤には、基剤としてだけではなく分散性や崩壊性の向上等を目的に、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコールのいずれか、または両方が配合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平4−30925号公報
【特許文献2】特公平6−72106号公報
【特許文献3】特開2001−220352号公報
【特許文献4】特開2001−199894号公報
【特許文献5】特開2010−106008号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】(非特許文献1)Alternative Medline Review,7(2),155-159(2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、プランタゴ・オバタを配合した便秘改善薬は、プランタゴ・オバタが腸内で水分を吸収して膨潤する性質を利用するものであることから、その1日服用量は1200mg以上と多量であること、他の生薬、多量の崩壊剤、結合剤、賦形剤等を配合すれば崩壊性、造粒性などは改善されるが1日服用量がさらに多くなってしまうとともにプランタゴ・オバタの水分吸収による膨潤性が低下してしまうという問題がある。
従って、本発明の課題は、プランタゴ・オバタを含有しながら、良好な水分散性、膨潤性と凝集抑制効果を有し、服用に優れスムーズな排便を促す便秘改善薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、プランタゴ・オバタとセンナ又はその抽出物に加えて、サンキライ又はその抽出物及び/又はカスカラサグラダ又はその抽出物を配合すれば、全く意外にも少ない賦形剤量で、崩壊剤、崩壊補助剤、結合剤等をほとんど配合しなくても、有効成分が速やかに分散し、優れた膨潤性が長時間維持される結果、優れた服用性と排便促進効果を有する便秘改善薬が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、(A)プランタゴ・オバタ、(B)センナ又はその抽出物、並びに(C)サンキライ又はその抽出物及びカスカラサグラダ又はその抽出物から選ばれる1種又は2種を含有することを特徴とする便秘改善薬を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、良好な水分散性と持続的な膨潤力を有し、スムーズな排便を促すだけでなく、添加剤の配合量を減らすことで服用性と経済性を向上させた便秘改善薬を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】試験例1で行った水分散性・膨潤力試験の結果を示す図面である。
【図2】試験例1で行った水分散性・膨潤力試験をもとに算出した、膨潤力試験開始から0.5時間経過後の実施例1との比較(実施例1を100%とした)を示す図面である。
【図3】試験例1で行った水分散性・膨潤力試験をもとに算出した、膨潤力試験開始から6時間経過後の実施例1との比較(実施例1を100%とした)を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の便秘改善薬は、(A)プランタゴ・オバタ(成分(A))、及び(B)センナ又はその抽出物(成分(B))に加えて、(C)サンキライ又はその抽出物及びカスカラサグラダ又はその抽出物から選ばれる1種又は2種(成分(C))を含有することを特徴とする。
【0013】
(A)プランタゴ・オバタは、膨潤性しゃ下成分(サイリウムガム)を含む限り種子、茎、葉、根等、使用部位は限定しないが、膨潤性から種子が好ましい。また種子を使用する場合は、種子全体、種皮のみのいずれを用いてもよいが、膨潤性の点から種皮又は種皮末がより好ましい。プランタゴ・オバタは、水分を吸収して膨潤することにより腸壁を物理的に刺激すると共に、便量を増やすことでしゃ下作用をもたらすことから、成分(A)の含有量はこの効果を損なわない量であれば特に限定されるものではないが、本発明の便秘治療薬に1日あたりの服用量が500〜9000mg、好ましくは1000〜5000mg、さらに好ましくは3000mg以上、特に好ましくは3000〜4400mgとなるようにする。
【0014】
(B)センナは、Cassia angustifolia M. Vahl、Cassia acutifolia Delile等の学名をもつジャケツイバラ科の植物である。大腸刺激性しゃ下成分であるセンノシドを含む限り果実、葉、茎、根等のあらゆる部分又はその抽出物を使用することができるが、葉又はその抽出物を使用することが好ましい。ここでセンナ抽出物としては、水又はアルコール等の有機溶媒抽出物が好ましい。また、センノシド単体を用いてもよい。センノシド(化学名:Dihydro-dirheinanthrone glucose、分子式:C423820、分子量:862.74)は、アントラキノン系誘導体で10−10’の光学異性体のセンノシドAとセンノシドBが存在する。大腸の細菌叢で代謝され、この代謝物が腸管粘膜やアウエルバッハ叢を刺激し、大腸の蠕動運動を活発にし、排便を促進する作用を有する。本発明において、センノシドA又はセンノシドBのいずれか、その混合物又はそれらを含有する抽出物を使用することができる。また、塩の形態でも使用することができ、特にカルシウム塩が好ましい。成分(B)の含有量は、本発明の便秘治療薬に1日あたりの服用量が100〜3000mg、好ましくは200〜2000mgとなるようにする。センノシド単体として配合する場合は、1日あたりの服用量が1〜48mg、好ましくは2.5〜48mgとなるようにする。
【0015】
(C)サンキライは、サルトリイバラ科(Smilacaceae)シオデ属(Smilax)サンキライ(Smilax glabra)の植物で、肌荒れ、吹き出物に効果があることが知られている。便秘により、肌荒れや吹き出物が生じることから、プランタゴ・オバタにサンキライ又はその抽出物を配合することにより、本発明の便秘改善薬はより優れたものとなる。ここでサンキライ抽出物としては、サンキライの水又はアルコール等の有機溶媒抽出物が好ましい。サンキライ又はその抽出物の含有量は、本発明の便秘治療薬に1日あたりの服用量が原生薬換算で160〜3500mg、好ましくは170〜1400mgとなるようにする。
【0016】
(C)カスカラサグラダは、Rhamnus purshizna De Candolleの学名をもつクロウメモドキ科の植物である。腸蠕動促進作用を有するカンサンスラノールを含む限り葉、根、皮等、使用部位に特に制限はないが、樹皮の抽出物を用いるのが好ましい。ここでカスカラサグラダ抽出物としては、カスカラサグラダの水又はアルコール等の有機溶媒抽出物が好ましい。また、カサンスラノール単体を用いても良い。カサンスラノールは、カスカラサグラダ皮中の有効配糖体で大腸に作用し周期的な蠕動運動の促進と、内容物の移行を妨げる分節運動抑制の組合せで結腸内容移送を促進する。腸蠕動運動の低下している弛緩性便秘に適したカスカラサグラダ又はその抽出物を配合することにより、本発明の便秘改善薬はより優れたものとなる。カスカラサグラダ又はその抽出物の含有量は、本発明の便秘治療薬に1日あたりの服用量が原生薬換算で15〜5000mg、好ましくは40〜3125mgとなるようにする。カサンスラノール単体として配合する場合は、1日あたりの服用量が1〜48mg、好ましくは2.5〜48mgとなるようにする。
【0017】
本発明の便秘改善薬においては、成分(A)がプランタゴ・オバタ種皮又はプランタゴ・オバタ種皮末であり、成分(B)が、センノシド又はその塩であり、成分(C)が、サンキライ抽出物及び/又はカスカラサグラダ抽出物であるのが、服用性、速やかな水分散性及び持続的な膨潤性の点で好ましい。それらの成分の含有比率は、成分(A)1質量部に対し、成分(B)を0.011〜20質量部(より好ましくは0.02〜3.0質量部)、サンキライ又はその抽出物を0〜23.3質量部(より好ましくは0.032〜3.5質量部)、カスカラサグラダ又はその抽出物を0.0017〜33.3質量部(より好ましくは0.003〜1.0質量部)であるのが、服用性、速やかな水分散性及び持続的な膨潤性の点から好ましい。
【0018】
本発明の便秘改善薬には、前記成分以外に便秘の症状を改善する他の成分、及び通常医薬品製造に使用される製剤用添加剤を配合することができる。ただし、本発明の便秘改善薬においては、服用量を少なくして服用性を良好にする点、及びプランタゴ・オバタの水分散性及び膨潤性を確保する点から、添加剤の含有量は少ないことが好ましい。本発明においては、全く意外にも成分(C)を配合することにより、少ない添加剤の含有量で顆粒が製造でき、かつ得られた顆粒の水分散性及び膨潤性が良好であることを見出した。かかる観点から、本発明の便秘改善薬の成分(A)〜(C)以外の製剤用添加剤(香料及び矯味剤を除く)の含有量は、合計で5〜18質量%が好ましく、特に5〜15質量%が好ましい。成分(A)〜(C)の含有量は合計で80質量%以上であるのが好ましい。
【0019】
そのような添加剤としては、乳糖、結晶セルロース、白糖、デンプン、デキストリン等が好ましく、特に乳糖が好ましい。通常、顆粒の製造に用いられる結合剤、崩壊剤、崩壊助剤の配合は特に必要はない。ただし、香料及び矯味剤を5質量%以下含有してもよい。
【0020】
本発明の便秘改善薬の剤形は、細粒剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤等の経口固形製剤であれば特に制限されないが、特に顆粒剤とすることが好ましい。顆粒剤の場合には、総量に対し、乳糖を5〜15質量%、成分(A)、(B)及び(C)を合計で80質量%以上とするのが服用性、速やかな水分散性及び持続的な膨潤性の点で好ましい。
【0021】
顆粒剤の製造法は、湿式造粒とするのが好ましい。すなわち、成分(A)〜(C)及び乳糖等を混合し、当該混合物100質量部に対し800〜1600質量部、好ましくは1000〜1500質量部の水又は含水アルコールを加えて練合し、造粒装置により造粒する。ここで含水アルコールのアルコール濃度は0〜20%が好ましい。その後、整粒し乾燥すればよい。
【0022】
造粒装置としては、高速攪拌型造粒機、転動流動造粒機、流動層造粒機等を用いることができる。本発明においては、押し出し造粒が好ましい。その際、押出し造粒時のスクリーン孔径については、0.5mm以下の小さいものであっても、本発明便秘改善薬の崩壊性、膨潤性が劣ることはない。しかしあまり小さいものを選択すると、押し出し時にスクリーンに高い負荷が生じ、破損することがある。また、あまり大きいスクリーンを選択すると顆粒が大きくなり、服用性や製剤加工性などが劣ることから、スクリーン孔径は0.4mm〜1.5mmであることが望ましい。また、整粒時のスクリーン孔径は、1mm〜5mmであることが望ましい。
【0023】
本発明品の便秘改善薬は分割服用しても良い。1日1〜3回、空腹時に服用することで便秘や便秘に伴う諸症状を改善することができる。
【0024】
本発明の便秘改善薬は、賦形剤等の含有量が少ない(成分(A)〜(C)の合計が80質量%以上)にもかかわらず、速やかな水分散性と持続的な膨潤性を有することから、優れた排便促進効果と服用性を有する。すなわち、プランタゴ・オバタは、膨潤することで腸壁を刺激し排便を促す作用を有することから、よりスムーズに排便を促すためには、服用後、腸管に達するまでの少なくとも約5〜6時間は、高い膨潤容量を保っておくことが必要である。しかし、従来のプランタゴ・オバタに生薬等を配合した便秘改善薬は、強い凝集性と自重により、一度膨潤した後に、少しずつ膨潤容量が低下していくため、この点の改善が望まれていた。これに対し、本発明の便秘改善薬は、プランタゴ・オバタと他の生薬を配合した医薬に比べて速やかな水分散性と持続的な膨潤性を有する。
【実施例】
【0025】
以下、実施例及び試験例により本発明を詳細に説明する。ただし、これらにより本発明は何ら制約されるものでない。
【0026】
実施例1〜3及び比較例1〜4
下記表1の処方(1日分)に従い、次に示す製造方法にて各便秘改善薬を製造した。
【0027】
【表1】

【0028】
実施例1は以下の方法で製造した。
プランタゴ・オバタ種皮末1000gに、センノシドカルシウム27.8g、カスカラサグラダエキス83.3gと乳糖88.9gを加え、固形分が合計で1200gとなるようにした。攪拌混合造粒機にて均一に混合後、結合液を1500mL添加し、3分間練合した。
得られた練合物を用い押し出し造粒を行い、整粒した後に乾燥させ、乾燥後香料を混合し顆粒を得た。結合液の溶媒は、水又は含水アルコールである。
なお、実施例2はカスカラサグラダエキスの配合量が少なくなる分、乳糖を増量し、固形分の合計を1200gとした。また実施例3はカスカラサグラダエキスの代わりにサンキライを、比較例1はチンピ、比較例2はシャクヤクを、比較例3はカンゾウ、比較例4はショウキョウを配合する以外は、実施例1と同様にして製造した。
【0029】
(試験例)
実施例で製造した各便秘改善薬(実施例1〜3及び比較例1〜3)について、水分散性・膨潤力試験と服用感試験を行った。その結果を図1〜3及び表2に示す。
【0030】
試験例1(水分散性・膨潤力試験)
便秘改善薬を1.35g(プランタゴ・オバタとして1g相当)量りとり、それぞれ200mLのメスシリンダーに入れた。これに精製水200mLを静かに注ぎ、1分間振り混ぜて静置した。その後30分後、60分後、及び90分後にプランタゴ・オバタの膨潤容量を読み取った後に、同様に振り混ぜて静置した。試験開始から90分以降は膨潤容量を読み取るのみとし、2時間後からは1時間おきに、6時間経過時まで1時間おきに膨潤容量を計測した。水分散性に優れた固形製剤であれば、試験開始後に速やかに崩壊・分散し、膨潤すると考えられることから、水分散性は試験開始から30分経過時の膨潤力をもって評価した。また、凝集性の評価は、試験開始から30分経過時の膨潤力だけではなく、一定時間経過後の膨潤力がどの程度保たれているかも重要であると考え、便秘改善薬を服用してから腸管に到着するまでの時間として、試験開始から6時間経過時の膨潤力で評価した。
実施例1、2、3は、試験開始から30分ですみやかに膨潤するのに対し、比較例はいずれも実施例3の半分以下の膨潤容量であった。また、最も膨潤力が高かった2時間経過時においても、比較例はいずれも実施例1の50〜60%程度の膨潤容量であった(図1)。
【0031】
試験開始から0.5時間経過後の膨潤力の比較(水分散性の評価)
各便秘改善薬の分散性を検証するために、試験開始から0.5時間経過時の実施例1の膨潤容量を100%とし、他と比較した。
【0032】
(数1)
*水分散性=試験開始から0.5時間経過後の各実施例または比較例の膨潤容量
/試験開始から0.5時間経過後の実施例1の膨潤容量
【0033】
比較例の水分散性がいずれも実施例1と比較して18%〜23%であったのに対し、実施例3は実施例1と比較して150%であった。また、カスカラサグラダの配合量が実施例1の約1/5量である実施例2については、水分散性は実施例1の約44%であったが、それでも比較例1〜4の約2倍量の水分散性を有していることから、実施例1〜3は、比較例1〜4と比較して水分散性に優れ、すみやかに膨潤することが分かった(図2)。
【0034】
試験開始から6時間経過後の膨潤力の比較(凝集性の評価)
各便秘改善薬の膨潤力が、試験開始から6時間経過時に、どのくらい維持されているかを検証した。試験開始から6時間経過した実施例1の膨潤容量を100%とし、他と比較した。膨潤力の継続率が高いほど凝集性は低く、また膨潤力の継続率が低いほど凝集性は高いとした。
【0035】
(数2)
*膨潤力の継続率=試験開始から6時間経過後の各実施例または比較例の膨潤容量
/ 試験開始から6時間経過後の実施例1の膨潤容量
【0036】
実施例2、3とも、実施例1と比較して凝集性は80%〜100%超であり、実施例1と同様の膨潤力を保っていた。比較例の凝集性はいずれも50%以下であり、実施例と比較例では2倍の差が生じた(図3)。よって、凝集性の低い実施例1〜3は、より腸壁を効率的に刺激し、排便をスムーズに促すことができる。
【0037】
試験例2(服用感試験)
日常的に便秘であると自覚している12名を対象に服用感試験を行った。実施例1又は3を1日3回に分けて、それぞれコップ1〜2杯の水又はぬるま湯と一緒に3日間ずつ服用させた。服用後、服用のしやすさと便秘の改善度、総合的な満足度についてアンケート用紙に記入させた。尚、実施例1の服用感試験を実施後、実施例3の服用感試験までに2週間以上あけ、実施例1の服用が実施例3に影響を及ぼさないように配慮した。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
以上の結果から、本発明の便秘改善薬は、服用感及び便秘改善効果のいずれも優れており、満足度の高いものであった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の便秘改善薬は、便秘や便秘に伴う諸症状の改善に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)プランタゴ・オバタ、(B)センナ又はその抽出物、並びに(C)サンキライ又はその抽出物及びカスカラサグラダ又はその抽出物から選ばれる1種又は2種を含有することを特徴とする便秘改善薬。
【請求項2】
剤形が、顆粒剤である請求項1記載の便秘改善薬。
【請求項3】
成分(A)が、プランタゴ・オバタ種皮又はプランタゴ・オバタ種皮末であり、成分(B)が、センノシド又はその塩であり、成分(C)が、サンキライ抽出物及び/又はカスカラサグラダ抽出物である請求項1又は2記載の便秘改善薬。
【請求項4】
成分(A)1質量部に対し、成分(B)を0.011〜6質量部、サンキライ又はその抽出物を0.053〜7質量部、カスカラサグラダ又はその抽出物を0.0017〜10質量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載の便秘改善薬。
【請求項5】
総量に対し、製剤用添加剤(香料及び矯味剤を除く)を5〜18質量%、成分(A)、(B)及び(C)を合計で80質量%以上含有する請求項1〜4のいずれかに記載の便秘改善薬。
【請求項6】
湿式造粒により製造されるものである請求項2〜5のいずれかに記載の便秘改善薬。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−79199(P2013−79199A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218600(P2011−218600)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000108339)ゼリア新薬工業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】