説明

係員操作型のくじ精算装置

【課題】
本発明は、お客様の判断結果に対し忠実に処理を行う為のお客様意思確認方法及びシステムを提供することにある。
【解決手段】
当落付き証票発売/精算端末機の処理手順において、お客様に判断いただく選択肢をお客様向けの表示機に表示し(ステップ108)、お客様に判断いただいた結果をお客様自身がキーボードやタッチパネルといった入力手段を用いて直接入力する(ステップ109)方法及びシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当落付き証票発売/精算端末機等に関する。
【背景技術】
【0002】
数字選択式宝くじやスポーツ振興くじなど、端末装置を使った取引が行われている。一般的に、取引業務を行う端末機はお店の中に置いてあり、その操作は売場の販売員(係員)のみ許されている。販売員は、お客様(顧客)からの発売や精算の要求に従い端末機を使用して業務を行い、お客様に対するサービスを提供する。
【0003】
端末機を使用した業務の中で、お客様に判断いただいた上でその結果を端末入力する必要が生じる業務がある。しかし、端末機の操作は売場の販売員にのみ許されているため、販売員がお客様に対し口頭で確認を行い、その結果に応じて販売員が端末機を操作している。
【0004】
【特許文献1】特開2003-345938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法においては、次のような問題がある。お客様判断が必要な項目に対し、口頭で確認し、その結果を販売員が入力している。ここで、販売員がお客様判断結果を聞き間違えたり端末の操作を誤るなどして、お客様の判断結果と異なる結果を端末に入力する場合がある。これは、お客様の判断結果に反する処理を実施したこととなる。その場合、その操作の取消ややり直す必要があるが、取り扱う対象が証票である為、安易に操作取消や操作のやり直しを実施できない場合があり、お客様に対して影響を及ぼすといった問題があった。
【0006】
本発明の目的は、お客様の判断結果に対し忠実に処理を行う為のお客様意思確認方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、当落付き証票発売/精算端末機の処理手順において、お客様判断に応じた端末入力操作が必要な場合、お客様の判断結果をお客様自身で直接端末機に伝達する方法及びシステムを提供する。例えば、お客様に判断いただく選択肢をお客様向けの表示機に表示し、お客様に判断いただいた結果をお客様自身がキーボードやタッチパネルといった入力手段を用いて直接入力する方法及びシステムである。
【発明の効果】
【0008】
このように、お客様自身が直接判断結果を入力することで、販売員を介することにより発生する伝達ミス等を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明を数字選択式宝くじ発券端末機で発券済みくじ券の当せん確認及び当せん金支払に適用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0010】
図2は、本発明に係る端末機とセンタサーバとのオンラインシステムを示すブロック図である。図2において、端末機201は、文字・図形・くじ券に関する内容を符号化したバーコード・くじ券毎のトランザクション単位で採番されるコードNo.・くじ券のセキュリティに関わる情報・マークカード等の帳票類に記載された申込内容等の情報を読み取る読取部202と、申込内容に従いくじ券の印字及び排出を行うくじ券出力部203と、業務内容を明細として印字し排出するレシート出力部204と、処理したくじ券の枚数や金額の演算を行うカウンタ205と、販売員によって業務内容をキーボード・ポインティングデバイス・タッチパネルを用いて入力する販売員入力部206と、業務内容を販売員に対してCRTディスプレイや液晶方式を用いて表示する販売員出力部207と、取引内容をお客様に対してCRTディスプレイや液晶方式を用いて表示するお客様出力部208と、お客様によって判断結果をキーボードやポインティングデバイスやタッチパネルを用いて入力するお客様入力部209と、端末機とセンタサーバ間の通信を行う通信装置210と、これら機器からのデータの取り出し・記録・検査及びこれらの機器の動作を制御し、内部に格納されたプログラムに従って上記各機器の動作を制御する制御装置211から構成される。センタサーバ212は、端末機201にて発券したくじ券の情報及び当せんしたくじ券の情報を保持する記憶装置213と、センタサーバと端末機間の通信を行う通信装置214と、制御装置215から構成される。記憶装置213には、くじ券毎のトランザクションごとに採番されるユニークなコードNo.216と、申込内容217と、抽せん結果218と、支払済フラグ219の記憶領域が設けられている。また、端末機201とセンタサーバ212は、ネットワーク220を介して接続される。
次に、図1のフローチャートを用いて、図2の各部の動作を説明する。
【0011】
業務の手順は、まず販売員が当せん確認及び当せん金支払業務を行う対象となるくじ券をお客様から預かり、端末機201に挿入する(ステップ101)。端末機201は、くじ券が正しい媒体であるかなどセキュリティの観点から媒体確認を行い(ステップ102)、くじ券に記録されている情報を読取部202を使って読み取り、読み取ったくじ券のコードNo.を販売員出力部207へ表示する(ステップ103)。読み取ったコードNo.を通信装置210及びネットワーク220を介してセンタサーバ212へ送信する(ステップ104)。センタサーバ212の通信装置214が端末機201からのデータ受信を検知すると、制御装置215が記憶装置213内の記憶装置213内のコードNo.216領域を探索し、受信したコードNo.と同一番号の検索を行う。制御装置215は検索したコードNo.に応じた申込内容217及び抽せん結果218を端末機へ送信する。そのデータを受信した端末機201は、受信した申込内容を販売員出力部207へ表示する(ステップ105)。受信した抽せん結果218の内容を制御装置211が判断し、当せんだった場合は、ステップ107へ移る(ステップ106)。「当せん」である旨を販売員出力部207及びお客様出力部208に表示したうえで(ステップ107)、当せん金を支払うか支払わないかの選択を依頼する旨の画面表示を、販売員出力部207及びお客様出力部208に表示する(ステップ108)。
【0012】
図3にステップ108においてお客様出力部208に表示する画面例301を示す。ここで、お客様自身に、判断結果に従いお客様入力部209より直接入力していただく(ステップ109)。ただし、障害をお持ちのお客様などお客様入力部209に対して操作できない方を考慮し、販売員入力部206からも同様の選択が出来る機能を有す。ステップ109の結果、「支払う」を判断した場合、支払を行う旨をセンタサーバ212へ通知する。通知を受信したセンタサーバ212は、記憶領域213にある支払済フラグ219を「未支払」から「支払済」に更新し、更新完了した旨を端末機201に通知する(ステップ110)。端末機201は、当せん枚数(支払)カウントに1を加え、当せん枚数(支払)を販売員出力部207及びお客様出力部208に表示する(ステップ111)。ここまでの流れで1枚のくじ券に対する処理が確定したことになり、販売員出力部207及びお客様出力部208の表示内容を一旦消去し、合計金額を表示する(ステップ112)。ここで、続けて業務を行うかを判断し(ステップ113)、業務を行わない場合はステップ114を行い、業務を行う場合はステップ101のくじ券の挿入から繰り返す。ステップ113で業務を行わないと判断した場合は、これまで取引した結果である合計金額を販売員出力部207及びお客様出力部208へ表示するとともに、レシート出力部204より明細票を出力し(ステップ114)、各枚数カウントをクリアした上で取引終了となる。レシートには、お客様自身で判断して/入力したことを印字しておくと後日のトラブルを防止できる。また、ステップ106で、ステップ105で受信した抽せん結果を制御装置211が判断した結果、はずれだった場合は、はずれた旨を販売員出力部207及びお客様出力部208に表示する(ステップ115)。端末機201は、はずれ枚数カウントに1を加え、はずれ枚数を販売員出力部207及びお客様出力部208に表示し(ステップ116)、ステップ112に移る。また、ステップ109で、ステップ108の結果から、支払わないと判断した場合は、当せん枚数(未払)カウントに1を加え、当せん枚数(未払)を販売員出力部207及びお客様出力部208に表示し(ステップ117)、ステップ112に移る。
【0013】
上述の実施の形態において、ステップ109にお客様自身に判断結果を直接入力していただく機能を設けたが、これは次の理由による。従来は入力部が販売員側だけにしか無かった為、お客様判断が必要な場合は販売員が口頭による確認を行い、伝え聞いた内容に従って販売員が判断結果を入力していた。その為、販売員の聞き違い等による誤った判断の入力を行う場合があった。判断結果をお客様自身で直接入力いただくことで、販売員の誤った端末操作が発生するという問題は解消される。
【0014】
また、本実施例では数字選択式宝くじにおける当せん確認及び当せん金支払を行った場合の処理手順を例にとったが、当せん確認に限らず、お客様確認が必要な項目に関しては適用可能である。
【0015】
上記述べたように、お客様判断が必要な項目に関し、お客様に判断結果を直接入力する手段を設けるように構成することで、販売員の誤った判断入力操作に対する取消作業などでお客様に影響を及ぼすといった問題の発生を未然に防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を実施する最良の形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る端末機とセンタサーバとのオンラインシステムを示すブロック図である。
【図3】図1のステップ109で、図2の販売員出力部207に出力する画面例である。
【符号の説明】
【0017】
201…端末機
208…お客様出力部
209…お客様入力部
212…センタサーバ
220…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係員操作型のくじ精算装置であって、
顧客へくじの当落情報を表示する表示手段と、
顧客からくじの支払可否の入力を受ける入力手段とを有する。
【請求項2】
請求項1の係員操作型のくじ精算装置であって、
さらに前記入力手段で受けた支払可否の入力結果をレシートに印字するレシート印字手段を有する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−11764(P2006−11764A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187227(P2004−187227)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】