説明

保健指導支援計画作成システム

【課題】保健指導対象者が継続的に保健指導を受けられるようにし、保健指導実績の向上を図ることができる保健指導支援計画作成システムを提供する。
【解決手段】保健指導者が操作する端末装置108と通信接続されると共に、保健指導対象者109の保健指導結果情報及び保健指導支援計画情報を管理する保健指導計画サーバ装置107を備えた保健指導支援計画作成システム101であって、保健指導支援計画作成システム101は、保健指導者が、支援計画選定情報を端末装置108に入力すると、保健指導計画サーバ装置107を参照して、保健指導対象者が過去に保健指導を受けた記録があるか、記録が途中脱落の履歴であるかどうか判定する手段と、途中脱落の履歴であると判定された場合、判定に基づき支援計画選定情報の行動レベルを修正すると共に、脱落までの期間を算出し、集中した支援が必要と想定する期間である実施期間コードを設定する手段等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保健指導者が保健指導対象者に対して生活習慣の改善計画策定にあたり実施する、保健指導の支援計画の作成を行う保健指導支援計画作成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
厚生労働省は平成20年度からの医療費適正化計画(5ヵ年計画)にて、生活習慣病有病者・予備群を25%削減させるといった削減目標を掲げ、平成20年4月から「高齢者医療確保法律」に基づき、健康保険組合等の公的医療保険者には70歳〜74歳の加入者(被保険者)に対して、糖尿病、メタボリックシンドローム等の生活習慣病に対する健診の受診(特定健康診査)と、特定健康診査の結果により健康保持に努める必要がある者への保健指導(特定保健指導)を行うことが義務付けられている。
【0003】
特定保健指導は、特定健康診査の結果に基づいた階層化により情報提供、動機付け支援、積極的支援の3区分に階層化され、「動機付け支援」、「積極的支援」と診断された受診者に対して、健康増進を目的としたアフターフォローを行う。
【0004】
動機付け支援では、医師等の面接を一回行い、生活習慣改善の動機付けを目的とした支援計画の作成及び保健指導を実施する。また、積極的支援では、医師等の初回面接にて支援計画を作成し、3〜6ヶ月の電話、Eメール等による継続的な生活習慣改善の、より個別具体的な指導を実施する。この保健指導プログラムに準じた適正な保健指導の実施を支援し、保健指導対象者、保健指導実施機関、医療保険者などの各者にメリットをもたらす保健指導システムが提案されている。
【0005】
本発明に関連する公知技術文献として、例えば、特許文献1があげられる。特許文献1では、保健指導対象者が自らの意志に基づき改善目標、及び、これを達成するための改善計画を作成するのを支援する生活習慣改善計画作成支援システム(プログラム)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−211134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
保健指導者は、保健指導対象者の健診測定値の異常の改善を図るため、保健指導者と保健指導対象者が面接において対話しながら、健診結果や保健指導者の経験などに基づき、支援計画を作成する。この支援計画においては、保健指導対象者の意志に基づく行動目標及び行動計画の作成が必要であることと同時に、行動目標に向けた継続的な取り組みを実施させるための支援計画(支援方法や実施日程)の考慮が重要である。
【0008】
また、前記の特定保健指導の階層の一つである積極的支援では、支援形態に応じて設定された支援ポイントにて、通算180ポイント以上(支援形態A=160ポイント以上、支援形態B=20ポイント以上)の実施が必要など、適性且つ効果的な保健指導のために様々な規則が設定されており、医療保険者としては、ルールに即した適正な支援計画とその実績が求められている。
【0009】
しかし、保健指導支援計画作成においては、保健指導対象者個々人の過去の実績に応じた支援方法の考慮がなされていない、保健指導者の知識や経験の差による支援方法のバラつきなどの理由に起因して、保健指導の実施途中の脱落の発生、保健指導の効果が得られないなど、安定した保健指導の実績が上げられない場合が考えられる。
【0010】
以上の現状に鑑み、本発明は、保健指導者の知識や経験に依存しない保健指導支援計画作成の標準化、及び、保健指導対象者に応じた保健指導支援計画の選定を可能とすることで、保健指導対象者が脱落することなく継続的に効果的な保健指導を受けられるようにし、保健指導実績の向上を図ることができる保健指導支援計画作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、保健指導者が操作する端末装置と通信接続されると共に、保健指導対象者の保健指導結果情報、及び、保健指導者が作成した保健指導支援計画情報を管理する保健指導計画サーバ装置を備えた保健指導支援計画作成システムであって、
前記保健指導支援計画作成システムは、
保健指導者が、保健指導対象者に対して実施した初回面接結果に基づいた保健指導支援計画を選定するための支援計画選定情報を前記端末装置に入力すると、前記支援計画選定情報に基づき初期値を設定した保健指導結果情報を作成して前記保健指導計画サーバ装置に登録する手段と、
前記保健指導計画サーバ装置を参照して、前記保健指導結果情報に係る保健指導対象者が過去に保健指導を受けた記録があるか判定する手段と、
過去の保健指導記録が存在すると判定された場合、前記保健指導記録が途中脱落の履歴であるかどうか判定する手段と、
途中脱落の履歴であると判定された場合、判定に基づき前記保健指導計画サーバ装置に入力された前記支援計画選定情報の、前記保健指導対象者の保健指導への取り組みの姿勢により階層化されたコードである行動レベルを修正すると共に、脱落までの期間を算出し、算出された期間に応じて、集中した支援が必要と想定する期間である実施期間コードを設定する手段と、
入力した前記支援計画選定情報、もしくは修正された支援計画選定情報に基づいて、保健指導計画サーバ装置に該当する保健指導支援計画情報が存在するかを判定する手段と、
該当する保健指導支援計画情報が存在すると判定された場合、該当する保健指導支援計画情報の候補を、実施人数に対する脱落人数の割合の値である脱落率の昇順で表示する手段と、
保健指導支援計画情報が存在しないと判定された場合、保健指導支援計画の作成が必要である旨の通知を前記端末装置に送信する手段と、
前記通知に促され、保健指導者により新規に作成された保健指導支援計画情報を前記保健指導計画サーバ装置に登録する手段と、
表示された前記保健指導支援計画情報の候補情報から選定した保健指導支援計画情報、又は、新規に作成され登録された前記保健指導支援計画情報を保健指導対象者の当年度の計画として、保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報内の計画コードとして設定し、一方、当該計画コードの保健指導支援計画情報に於ける実施人数及び脱落率を更新する手段とを備えたことを特徴とする保健指導支援計画作成システムを提供するものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記保健指導支援計画作成システムは、
保健指導者が、保健指導対象者に対して実施した保健指導結果情報を端末装置に入力すると、入力された保健指導結果情報から、保健指導が完了したかを判定する手段と、
保健指導が完了と判定されなかった場合、入力された保健指導結果情報から、保健指導が途中脱落かを判定する手段と、
保健指導が途中脱落と判定された場合、保健指導結果情報に基づき、該当する計画コードにおける保健指導支援計画情報の脱落人数、脱落率を更新する手段と、
保健指導が完了と判定された場合、又は、保健指導が途中脱落と判定されなかった場合は、入力された保健指導結果情報に基づいて、保健指導計画サーバ装置に格納される保健指導結果情報を更新し、併せて、前記保健指導結果情報内の、最終利用日から所定期間後の年月日に設定される脱落期限日を更新する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の保健指導支援計画作成システムを提供するものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記保健指導支援計画作成システムは、
保健指導者が端末装置にて、任意に入力した年月日における、途中脱落の可能性のある保健指導対象者の抽出指示を行なうと、指定された年月日について、前記保健指導計画サーバ装置に格納された保健指導結果情報の脱落期限日を超過し、さらに保健指導対象者の保健指導の状況を示すコードであるステータスが「継続中」である保健指導対象者の保健指導結果情報を抽出する手段と、
抽出した保健指導対象者の保健指導結果情報を表示する手段と、
保健指導者が勧奨等を行なった結果、継続の意志がある保健指導対象者について、支援計画の再設定が必要な保健指導対象者を選定すると、選定された保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報から、指導期間、指導開始日から残りの実施期間、所定の支援形態として加算されるポイント数の合計から残りのポイント数を算出する手段と、
算出した情報により、前記保健指導計画サーバ装置に該当する保健指導支援計画情報が存在するかを判定する手段と、
保健指導支援計画情報が存在すると判定された場合、該当する支援計画情報の候補を脱落率の昇順で表示する手段と、
保健指導支援計画情報が存在しないと判定された場合、保健指導支援計画の作成が必要である旨の通知を前記端末装置に送信する手段と、
前記通知に促され、保健指導者により新規に作成された保健指導支援計画情報を前記保健指導計画サーバ装置に登録する手段と、
表示された前記保健指導支援計画情報の候補情報から選定した保健指導支援計画情報、又は、新規に作成され登録された前記保健指導支援計画情報を保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報内の計画コードへ再設定し、保健指導対象者と調整した次回実施日を設定し、ステータスを「中断中」に設定し、一方、当該計画コードの保健指導支援計画情報に於ける実施人数及び脱落率を更新する手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の保健指導支援計画作成システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の保健指導支援計画作成システムによれば、次のような効果がある。
保健指導者の知識や経験に依存しない保健指導支援計画作成の標準化、及び、保健指導対象者に応じた保健指導支援計画の選定を可能とすることで、保健指導対象者が脱落することなく継続的に効果的な保健指導を受けられるようにし、保健指導実績の向上を図ることができる保健指導支援計画作成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の保健指導支援計画作成システムの一実施の形態例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の保健指導計画サーバ装置に格納される保健指導対象者管理情報の一例を示すデータ構成図である。
【図3】本発明の保健指導計画サーバ装置に格納される保健指導支援計画情報の一例を示すデータ構成図である。
【図4】本発明の保健指導計画サーバ装置に格納される保健指導結果情報の一例を示すデータ構成図である。
【図5】本発明の保健指導支援計画作成システムで保健指導者が保健指導対象者に対する保健指導支援計画を登録する際のフローチャートである。
【図6】本発明の保健指導支援計画作成システムで保健指導者が継続支援中の保健指導対象者の保健指導の結果を入力して保健指導結果情報、支援計画情報の更新を行なう際のフローチャートである。
【図7】本発明の保健指導支援計画作成システムで保健指導者が脱落期限日を超過している保健指導対象者の支援計画情報の再設定を行なう際のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
尚、上記保健指導支援計画作成システム、端末装置、及び、保健指導計画サーバ装置は、コンピュータであり、上記各手段は、コンピュータのCPUが必要なコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより実現される手段であり、そのフローチャート図が図5〜図7である。
【0017】
以下、本発明を適用した保健指導支援計画作成システムの一実施例の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態例を示すシステム構成図であり、保健指導計画サーバ装置107を備えた保健指導支援計画作成システム101から構成され、この保健指導支援計画作成システム101は、保健指導者が操作するために保健指導機関に設置されている端末装置108が接続されている。
保健指導支援計画作成システム101の保健指導計画サーバ装置107には、例えば保健指導対象者109を管理する情報や、保健指導対象者109がこれまでに受けた保健指導結果の情報や、保健指導者が作成した保健指導支援計画情報等の保健指導情報が管理されている。
【0018】
また、保健指導支援計画作成システム101は、保健指導計画サーバ装置107と、保健指導機関に設置された端末装置108から保健指導支援計画の取得要求及び保健指導結果の登録要求を受け付ける指導情報入力部102と、要求された保健指導対象者109の管理情報、保健指導結果情報、及び、保健指導支援計画情報を取得する検索処理部103と、保健指導対象者109の保健指導結果に基づいて、ポイント数、指導期間などの算出を実行する算出処理部104と、取得した指導計画情報を表示する情報表示部106と、保健指導計画サーバ装置107に管理されている情報の登録・更新・削除を行なう更新処理部105を備えている。
保健指導機関に設置された端末装置108は、保健指導支援計画作成システム101を利用して、保健指導支援の計画候補の検索及び選定、保健指導対象者情報の登録、保健指導結果の更新、保健指導支援計画の作成・更新を行なうことができる。
【0019】
図2は、保健指導計画サーバ装置107に格納される保健指導支援計画作成システム101で取り扱う、保健指導対象者管理情報の一例を示す図である。
図に示すように、対象者コード201、対象者名202、性別203、生年月日204の各エリアデータから構成され、更新ごとに各項目が登録される。
このうち、対象者コード201によって、対象者名202、性別203、生年月日204を特定できるようになっている。
対象者コード201は保健指導対象者を一意に識別するコード、対象者名202は保健指導対象者名、性別203は保健指導対象者の性別、生年月日204は保健指導対象者の生年月日であり、情報更新部106により各項目が登録される。
過去年度分も含め、保健指導対象者情報を管理する。
【0020】
図3は、保健指導計画サーバ装置107に格納される保健指導支援計画作成システム101で取り扱う、保健指導支援計画情報の一例を示す図である。
図に示すように、計画コード301、指導期間302、ポイントA303、ポイントB304、行動レベル305、実施期間コード306、計画内容307、実施人数308、脱落人数309、脱落率310の各エリアデータから構成され、更新ごとに各項目が登録される。
【0021】
このうち、計画コード301によって、指導期間302、ポイントA303、ポイントB304、行動レベル305、実施期間コード306、計画内容307、実施人数308、脱落人数309、脱落率310を特定できるようになっている。
計画コード301は保健指導支援計画を一意に識別するコード、指導期間302は該当の保健指導計画が完了するまでに要する期間、ポイントA303は厚生労働省が定めるところの支援形態Aとして加算されるポイント数、ポイントB304は支援形態Aとは異なる支援形態Bとして加算されるポイント数、行動レベル305は保健指導対象者109の保健指導への取り組みの姿勢により階層化されたコード、実施期間コード306は指導期間の中でどこの期間に集中して支援を行なうかのコード、計画内容307は電話、メールの回数、時間、獲得ポイント数、実施間隔などの具体的な支援方法の内容、実施人数308は計画コード301の保健指導支援計画を使用した保健指導対象者数、脱落人数309は保健指導を中止した保健指導対象者数、脱落率310は実施人数308に対する脱落人数309の割合の値であり、情報更新部106により各項目が登録される。
【0022】
尚、脱落人数309に関しては、脱落の理由が治療開始や引越しなどの止むを得ない事情を除いた、保健指導の継続の意思が無くなった場合などの個人的な都合にて脱落した人数であり、この判断は保健指導者にて行う。
【0023】
行動レベル305は、保健指導対象者が保健指導にどの程度の取り組みの姿勢があるかを示すコードであり、特定保健指導にて使用される行動変容ステージに対応して、初回面接時点での姿勢を低いものから順に「1」から「5」の5段階でコードを設定する。
実施期間コード306は、指導期間のどこの期間に集中した支援を行なうかを示すコードであり、平均的に行う場合は「0」、前半に集中する場合は「1」、後半に集中する場合は「2」を設定する。
【0024】
図4は、保健指導計画サーバ装置107に格納される保健指導支援計画作成システム101で取り扱う、保健指導結果情報の一例を示す図である。
図に示すように、対象者コード401、年度402、行動レベル403、計画コード404、ポイントA合計405、ポイントB合計406、ステータス407、指導開始日408、最終利用日409、次回実施日410、脱落期限日411、脱落認定日412、脱落理由413の各エリアデータから構成され、更新ごとに各項目が登録される。
このうち、対象者コード401及び年度402によって、該当年度における、行動レベル403、計画コード404、ポイントA合計405、ポイントB合計406、ステータス407、指導開始日408、最終利用日409、次回実施日410、脱落期限日411、脱落認定日412、脱落理由413を特定できるようになっている。
【0025】
対象者コード401は保健指導対象者を一意に識別するコード、年度402は保健指導を実施した該当年度、行動レベル403は保健指導への取り組みの姿勢により階層化されたコード、計画コード404は適用されている支援計画の計画コード、ポイントA合計405は実施済みのポイントAの合計値、ポイントB合計406は実施済みのポイントBの合計値、ステータス407は保健指導対象者の保健指導の状況を示すコード、指導開始日408は保健指導が開始された年月日、最終利用日409は最後に保健指導を受けた年月日、次回実施日410は次回の保健指導を受ける予定の年月日、脱落期限日411は最終利用日から2ヶ月後の年月日、脱落認定日412は脱落が確定した年月日、脱落理由413は脱落の際の主な原因であり、情報更新部106により各項目が登録される。
行動レベル403については、行動レベル305と同内容の階層にて設定を行なう。また、ステータス407については、保健指導が継続中の場合は「0」、完了の場合は「1」、脱落の場合は「2」、中断中の場合は「3」を設定する。
【0026】
以上で、本実施形態に係る保健指導支援計画作成システム101の構成、機能についての説明を終了し、以下、本実施形態に係る保健指導支援計画作成システム101の動作について説明する。
図5は、保健指導者が端末装置108で、初回の保健指導の面接結果を入力し、保健指導者が保健指導対象者に対する保健指導支援計画を登録する際のフローチャートである。
保健指導者は端末装置108にて、保健指導対象者に対して実施した初回面接結果に基づいた支援計画を選定するための支援計画選定情報を、保健指導支援計画作成システム101に入力する。入力する項目は、指導期間302、ポイントA303、ポイントB304、対象者コード401、年度402、行動レベル403、指導開始日408、次回実施日410である。対象者コードが不明の場合は、対象者名202、性別203、生年月日204を入力し、対象者コード201を抽出する(ステップ501)。
【0027】
保健指導支援計画作成システム101は、入力された対象者コード401、年度402、行動レベル403、指導開始日408、次回実施日410に加えて、初期値として、ポイントA合計405を「0」、ポイントB合計406を「0」、ステータス407を「0」、最終利用日409に指導開始日408、脱落期限日411に指導開始日408の2ヶ月を加えた年月日を保健指導結果情報として登録する(ステップ502)。
保健指導対象者が過去に保健指導を受けた実績があるかを判定する。即ち、保健指導計画サーバ装置107を参照して、保健指導計画サーバ装置107に対象者コード401、年度402が当年度以前の情報として存在した場合、過去の記録が存在すると判定する(ステップ503)。
過去の記録が存在すると判定されれば、途中脱落の履歴であるかどうか判定する。ステータス407の値が「2」である場合、途中脱落の履歴が存在すると判定する(ステップ504)。
【0028】
途中脱落の履歴が存在すると判定されれば、ステップ501にて入力された行動レベル403を修正する。行動レベル403の段階が「2」以上であれば、1段階下のレベルを設定する。また、指導期間302、指導開始日408、脱落認定日412より脱落までの期間を算出し、算出された期間に応じて、集中した支援が必要と想定する期間である実施期間コード306を設定する(ステップ505)。
ステップ501で入力した支援計画選定情報、もしくはステップ505にて修正した情報に基づいて、保健指導計画サーバ装置107に該当する保健指導支援計画情報が存在するかを判定する。指導期間302、ポイントA303、ポイントB304、行動レベル305、実施期間コード306が同一の情報が存在すれば、支援計画情報が存在すると判定する(ステップ506)。
【0029】
保健指導支援計画情報が存在すると判定された場合、該当する保健指導支援計画情報の候補を脱落率310の昇順で情報表示部106にて表示する(ステップ507)。
保健指導支援計画情報が存在しないと判定された場合、保健指導者へ保健指導支援計画の作成が必要であると通知する。例えば端末装置108の画面上に「支援計画候補が存在しないため、支援計画を作成してください。」といったメッセージを表示する。ここで通知に促された保健指導者により新規に作成された保健指導支援計画情報を保健指導計画サーバ装置107に登録する(ステップ508)。
【0030】
ステップ507で表示された情報から選定した、もしくはステップ508にて登録した保健指導支援計画情報を保健指導対象者109の当年度の計画として、その計画コード301を保健指導対象者109の当年度の保健指導結果内の計画コード404へ設定する。そして、当該計画コード301の保健指導支援計画情報に於ける実施人数308及び脱落率310を更新する(ステップ509)。
【0031】
図6は、保健指導者が端末装置108にて、継続支援中の保健指導の結果を入力して保健指導結果情報、支援計画情報の更新を行なう際のフローチャートである。
保健指導者は端末装置108にて、保健指導対象者に対して実施した保健指導結果の情報を、保健指導支援計画作成システム101に入力する。入力する保健指導結果情報の項目は、対象者コード401、年度402、ポイントA合計405、ポイントB合計406、ステータス407、最終利用日409、次回実施日410である。また、保健指導の脱落の場合には前記情報に加えて、脱落認定日412、脱落理由413を入力する(ステップ601)。
【0032】
保健指導支援計画作成システム101は、入力された保健指導結果から、保健指導が完了したか(ステータス407が「1」であるか)を判定する(ステップ602)。
保健指導が完了と判定されなかった場合、入力された保健指導結果から、途中脱落か(ステータス407が「2」であるか)を判定する(ステップ603)。
保健指導が途中脱落と判定された場合、保健指導結果情報の対象者コード401、年度402から使用している計画コード404を抽出し、該当する計画コード301の保健指導支援計画情報における、脱落人数309、脱落率310を更新する(ステップ604)。
保健指導が完了と判定された場合、又は、保健指導が途中脱落と判定されなかった場合は、ステップ601にて入力された保健指導結果に基づいて、保健指導結果情報を更新する。併せて、保健指導が途中脱落と判定されなかった場合は、最終利用日409から2ヶ月後の年月日として、脱落期限日411を更新する。尚、保健指導が完了と判定された場合は、脱落期限日411を空欄にする。(ステップ605)。
【0033】
図7は、保健指導者が端末装置108にて、脱落期限日を超過している保健指導対象者の支援計画情報の再設定を行なう際のフローチャートである。
保健指導者は端末装置108にて、任意に入力した年月日における、途中脱落の可能性のある保健指導対象者の抽出指示を行なう(ステップ701)。
保健指導支援計画作成システム101は、指定された年月日について、保健指導結果情報の脱落期限日411を超過し、さらにステータス407が継続中「0」である保健指導対象者の情報を抽出する(ステップ702)。
ステップ702にて抽出した保健指導対象者の情報を、情報表示部106にて表示する(ステップ703)。
【0034】
保健指導者が勧奨等を行なった結果、継続の意志がある保健指導対象者について、支援計画の再設定が必要な保健指導対象者を選定する(ステップ704)。
ステップ704にて選定された、保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報から、指導期間302、指導開始日408から残りの実施期間、ポイントA合計405とポイントB合計406から残りのポイントA、ポイントBを算出し、保健指導支援計画の抽出情報とする(ステップ705)。
ステップ705で算出した情報により、保健指導計画サーバ装置107に該当する保健指導支援計画情報が存在するかを判定する。指導期間302、ポイントA303、ポイントB304が同一の情報が存在すれば、支援計画情報が存在すると判定する。尚、保健指導者の任意の指定により、行動レベル305、実施期間コード306の抽出条件への追加も可能とする(ステップ706)。
【0035】
保健指導支援計画情報が存在すると判定された場合、該当する保健指導支援計画情報の候補を脱落率310の昇順で情報表示部106にて表示する(ステップ707)。
保健指導支援計画情報が存在しないと判定されれば、保健指導者へ保健指導支援計画の作成が必要であると通知する。例えば端末装置108の画面上に「支援計画候補が存在しないため、支援計画を作成してください。」といったメッセージを表示する。ここで通知に促された保健指導者により新規に作成された保健指導支援計画情報を保健指導計画サーバ装置107に登録する(ステップ708)。
【0036】
ステップ707で表示された保健指導支援計画情報から選定した保健指導支援計画情報、もしくはステップ708にて新規に登録した保健指導支援計画情報を保健指導対象者109の当年度の計画として再設定する。即ち、計画コード301を、保健指導対象者109の当年度の保健指導結果内の計画コード404へ設定し、保健指導対象者と調整した次回実施日410を設定し、ステータス407へ「3」(「中断中」)を設定する。そして、当該計画コード301の保健指導支援計画情報に於ける実施人数308及び脱落率310を更新する(ステップ709)。
尚、ここでは例として、途中脱落候補者の支援計画の再設定を行なっているが、ステップ703以降の処理については、保健指導遅延等の理由により、保健指導者が任意に保健指導対象者を抽出し、支援計画の再設定を行なうことも可能とする。
【符号の説明】
【0037】
101 保健指導支援計画作成システム
107 保健指導計画サーバ装置
108 端末装置
109 保健指導対象者
301,404 計画コード
302 指導期間
305,403 行動レベル
306 実施期間コード
308 実施人数
309 脱落人数
310 脱落率
407 ステータス
408 指導開始日
409 最終利用日
410 次回実施日
411 脱落期限日

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保健指導者が操作する端末装置と通信接続されると共に、保健指導対象者の保健指導結果情報、及び、保健指導者が作成した保健指導支援計画情報を管理する保健指導計画サーバ装置を備えた保健指導支援計画作成システムであって、
前記保健指導支援計画作成システムは、
保健指導者が、保健指導対象者に対して実施した初回面接結果に基づいた保健指導支援計画を選定するための支援計画選定情報を前記端末装置に入力すると、前記支援計画選定情報に基づき初期値を設定した保健指導結果情報を作成して前記保健指導計画サーバ装置に登録する手段と、
前記保健指導計画サーバ装置を参照して、前記保健指導結果情報に係る保健指導対象者が過去に保健指導を受けた記録があるか判定する手段と、
過去の保健指導記録が存在すると判定された場合、前記保健指導記録が途中脱落の履歴であるかどうか判定する手段と、
途中脱落の履歴であると判定された場合、判定に基づき前記保健指導計画サーバ装置に入力された前記支援計画選定情報の、前記保健指導対象者の保健指導への取り組みの姿勢により階層化されたコードである行動レベルを修正すると共に、脱落までの期間を算出し、算出された期間に応じて、集中した支援が必要と想定する期間である実施期間コードを設定する手段と、
入力した前記支援計画選定情報、もしくは修正された支援計画選定情報に基づいて、保健指導計画サーバ装置に該当する保健指導支援計画情報が存在するかを判定する手段と、
該当する保健指導支援計画情報が存在すると判定された場合、該当する保健指導支援計画情報の候補を、実施人数に対する脱落人数の割合の値である脱落率の昇順で表示する手段と、
保健指導支援計画情報が存在しないと判定された場合、保健指導支援計画の作成が必要である旨の通知を前記端末装置に送信する手段と、
前記通知に促され、保健指導者により新規に作成された保健指導支援計画情報を前記保健指導計画サーバ装置に登録する手段と、
表示された前記保健指導支援計画情報の候補情報から選定した保健指導支援計画情報、又は、新規に作成され登録された前記保健指導支援計画情報を保健指導対象者の当年度の計画として、保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報内の計画コードとして設定し、一方、当該計画コードの保健指導支援計画情報に対して実施人数及び脱落率を更新する手段とを備えたことを特徴とする保健指導支援計画作成システム。
【請求項2】
前記保健指導支援計画作成システムは、
保健指導者が、保健指導対象者に対して実施した保健指導結果情報を端末装置に入力すると、入力された保健指導結果情報から、保健指導が完了したかを判定する手段と、
保健指導が完了と判定されなかった場合、入力された保健指導結果情報から、保健指導が途中脱落かを判定する手段と、
保健指導が途中脱落と判定された場合、保健指導結果情報に基づき、該当する計画コードにおける保健指導支援計画情報の脱落人数、脱落率を更新する手段と、
保健指導が完了と判定された場合、又は、保健指導が途中脱落と判定されなかった場合は、入力された保健指導結果情報に基づいて、保健指導計画サーバ装置に格納される保健指導結果情報を更新し、併せて、前記保健指導結果情報内の、最終利用日から所定期間後の年月日に設定される脱落期限日を更新する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の保健指導支援計画作成システム。
【請求項3】
前記保健指導支援計画作成システムは、
保健指導者が端末装置にて、任意に入力した年月日における、途中脱落の可能性のある保健指導対象者の抽出指示を行なうと、指定された年月日について、前記保健指導計画サーバ装置に格納された保健指導結果情報の脱落期限日を超過し、さらに保健指導対象者の保健指導の状況を示すコードであるステータスが「継続中」である保健指導対象者の保健指導結果情報を抽出する手段と、
抽出した保健指導対象者の保健指導結果情報を表示する手段と、
保健指導者が勧奨等を行なった結果、継続の意志がある保健指導対象者について、支援計画の再設定が必要な保健指導対象者を選定すると、選定された保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報から、指導期間、指導開始日から残りの実施期間、所定の支援形態として加算されるポイント数の合計から残りのポイント数を算出する手段と、
算出した情報により、前記保健指導計画サーバ装置に該当する保健指導支援計画情報が存在するかを判定する手段と、
保健指導支援計画情報が存在すると判定された場合、該当する支援計画情報の候補を脱落率の昇順で表示する手段と、
保健指導支援計画情報が存在しないと判定された場合、保健指導支援計画の作成が必要である旨の通知を前記端末装置に送信する手段と、
前記通知に促され、保健指導者により新規に作成された保健指導支援計画情報を前記保健指導計画サーバ装置に登録する手段と、
表示された前記保健指導支援計画情報の候補情報から選定した保健指導支援計画情報、又は、新規に作成され登録された前記保健指導支援計画情報を保健指導対象者の当年度の保健指導結果情報内の計画コードへ再設定し、保健指導対象者と調整した次回実施日を設定し、ステータスを「中断中」に設定し、一方、当該計画コードの保健指導支援計画情報に対して実施人数及び脱落率を更新する手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の保健指導支援計画作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−64065(P2012−64065A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208692(P2010−208692)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)