保冷機能付き枕
【課題】載置された頭部が動かない場合でも、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することのできる保冷機能付き枕を提供する。
【解決手段】枕本体10の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材20に熱が伝わるとともに、その熱が金属繊維群21を介して保冷部材20における広い範囲に伝わり、保冷部材20における広い範囲において金属繊維群21から潜熱蓄熱材22に効率良く熱が伝わるので、載置された頭部が移動しない場合でも、頭部近傍の潜熱蓄熱材22だけではなく保冷部材20における広い範囲の潜熱蓄熱材22に頭部の熱が伝わり、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【解決手段】枕本体10の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材20に熱が伝わるとともに、その熱が金属繊維群21を介して保冷部材20における広い範囲に伝わり、保冷部材20における広い範囲において金属繊維群21から潜熱蓄熱材22に効率良く熱が伝わるので、載置された頭部が移動しない場合でも、頭部近傍の潜熱蓄熱材22だけではなく保冷部材20における広い範囲の潜熱蓄熱材22に頭部の熱が伝わり、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の頭部を保冷可能な保冷機能付き枕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の保冷機能付き枕としては、相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な粒状の潜熱蓄熱材と、潜熱蓄熱材を収容する袋部材とを備え、袋部材上に使用者の頭部を支持するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平3−39021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記保冷機能付き枕では、袋部材上に頭部が載置され、頭部近傍の潜熱蓄熱材に熱が伝わると、潜熱蓄熱材が相変化する所定温度に維持され、頭部を保冷するようになっている。
【0004】
しかしながら、相変化を利用した潜熱蓄熱材は金属等のように熱伝導性に優れた材料ではないので、載置された頭部が動かない場合は、頭部近傍の潜熱蓄熱材のみが相変化し、その他の部分の潜熱蓄熱材には熱が伝わり難いので、袋部材内の潜熱蓄熱材の潜熱を効率良く利用することができず、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができないという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、載置された頭部が動かない場合でも、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することのできる保冷機能付き枕を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の保冷機能付き枕は前記目的を達成するために、使用者の頭部を支持する枕本体と、枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、前記保冷部材に、金属繊維群と、金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けている。
【0007】
これにより、枕本体の上面側に保冷部材を設けていることから、枕本体の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材に熱が伝わる。また、保冷部材に金属繊維群を設けたことから、頭部近傍の保冷部材に伝わった熱が金属繊維群を介して保冷部材における広い範囲に伝わる。さらに、保冷部材に金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられた潜熱蓄熱材を設けたことから、保冷部材における広い範囲において金属繊維群から潜熱蓄熱材に効率良く熱が伝わる。
【0008】
また、本発明の保冷機能付き枕は、使用者の頭部を支持する枕本体と、枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、前記保冷部材に、金属製網状部材と、金属製網状部材の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けている。
【0009】
これにより、枕本体の上面側に保冷部材を設けていることから、枕本体の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材に熱が伝わる。また、保冷部材に金属製網状部材を設けたことから、頭部近傍の保冷部材に伝わった熱が金属製網状部材を介して保冷部材における広い範囲に伝わる。さらに、保冷部材に金属製網状部材の隙間に入り込むように設けられた潜熱蓄熱材を設けたことから、保冷部材における広い範囲において金属製網状部材から潜熱蓄熱材に効率良く熱が伝わる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、枕本体の上面に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材に熱が伝わるとともに、その熱が金属繊維群または金属製網状部材を介して保冷部材における広い範囲に伝わり、保冷部材における広い範囲において金属繊維群または金属製網状部材から潜熱蓄熱材に効率良く熱が伝わるので、載置された頭部が移動しない場合でも、頭部近傍の潜熱蓄熱材だけではなく保冷部材における広い範囲の潜熱蓄熱材に頭部の熱が伝わり、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1乃至図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1は保冷機能付き枕の斜視図、図2は保冷機能付き枕の側面断面図、図3は保冷機能付き枕の平面図、図4は金属繊維群の斜視図、図5は粉体の各粉粒の断面図である。以下の文章中における方向の説明は図1乃至図4に示した方向に準ずる。また、前後方向は使用者丈方向と一致しており、左右方向は使用者幅方向と一致している。
【0012】
この保冷機能付き枕は、使用者の頭部を支持するための枕本体10と、枕本体10の上面側に設けられた保冷部材20とを備えている。
【0013】
枕本体10は、ウレタンフォーム等の弾性を有する海綿状部材、籾殻、そば殻、プラスチック製のビーズ等から成るクッション部材11と、クッション部材11を収容するカバー部材12とを有する。カバー部材12は周知の天然繊維や合成繊維から成る布材を用いて形成され、枕本体10の上面側に位置するポケット12aを備えている。ポケット12aは使用者幅方向に延びるように形成され、カバー部材12の使用者幅方向の端部に設けられたファスナー12bによって開閉するようになっている。
【0014】
保冷部材20は、金属繊維群21と、金属繊維群21の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材22と、金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容する収容部材としての袋部材23とを有する。
【0015】
金属繊維群21は、コイル切削法、びびり振動切削法、収束伸線法、ワイヤ切削法などの周知の方法によって成形され、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅等の周知の金属材料から成る。
【0016】
潜熱蓄熱材22は粉体から成り、粉体の各粉粒22aは、例えば略25℃で固相から液相に相変化するコア材22bと、コア材22bを収容するカプセル部材22cとを有する(図5参照)。コア材22bとしては、塩化マグネシウム・6水塩、酢酸ナトリウム・3水塩、硝酸マグネシウム・2水塩等の無機化合物系のものや、パラフィンやステアリン酸等の有機化合物系のものが挙げられる。カプセル部材22cはメラミン、ナイロン等のプラスチック材料から成り、コア材22bを覆うように形成されている。潜熱蓄熱材22の例としては、三菱製紙株式会社製のサーモメモリー(登録商標)や、三木理研工業株式会社製のリケンレジン等が挙げられる。
【0017】
袋部材23は金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容可能に形成され、特に潜熱蓄熱材22の各粉粒22aを収容可能に形成されている。袋部材23を形成する材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の可撓性を有するプラスチック製シートや、金属製フィルムや、表面に金属が蒸着されたプラスチック製のフィルムが挙げられる。袋部材23は前述のシートやフィルムを1枚または複数枚用いて金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容している。金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22の収容は、袋部材23内に金属繊維群21を収容した後、潜熱蓄熱材22を袋部材23内に充填し、袋部材23に適度な振動を加える。これにより、金属繊維群21の各金属繊維同士の隙間に粉体である潜熱蓄熱材22が入り込む。尚、袋部材23内を複数の室に分割するとともに、各室をそれぞれ使用者幅方向に延びるように形成し、各室内にそれぞれ金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容することも可能である。
【0018】
保冷部材20は枕本体10のカバー部材12におけるポケット12a内に収容される。これにより、保冷部材20が枕本体10の上面側に配置される。また、ポケット12a内に収容された保冷部材20は、枕本体10の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離L1だけ離れた位置且つ使用者丈方向の上端から所定距離L2だけ離れた位置に使用者幅方向に延びるように配置される(図1及び図3参照)。これにより、使用者の肩近傍が無用に保冷されることがない。前記所定距離L1は30mm以上100mm以下であることが好ましく、30mm未満の場合は、使用者の肩付近を無用に保冷する傾向があり、100mmを超える場合は、保冷部材20と頭部とが接する接触面積が小さくなり、後述する頭部の保冷効果が低減する傾向がある。前記所定距離L2は30mm以上100mm以下であることが好ましく、30mm未満である場合は、保冷部材20の体積が大きくなる傾向があり、製造コストの低減を図る上で有利ではなく、100mmを超える場合は、保冷部材20と頭部とが接する接触面積が小さくなり、後述する頭部の保冷効果が低減する傾向がある。
【0019】
また、枕本体10のカバー部材12におけるポケット12a内には、芳香剤を収容した芳香剤収容部材としての芳香剤袋30も配置される。芳香剤袋30は天然繊維や合成繊維から成る布材を用いて形成されている。このため、収容している芳香剤の香りを外部に放出可能である。また、芳香剤の例としては、樹木やハーブ等の植物を乾燥して成る乾燥樹葉や、前記植物から抽出された油を含ませたゲル状物質、粒状物質、粉状物質や、その他周知の様々な芳香剤を使用することが可能である。
【0020】
以上のように構成された保冷機能付き枕は例えばベッドや布団に載置され、使用者の頭部を支持するために用いられる。また、保冷部材20によって使用者の頭部を保冷するようになっている。
【0021】
例えば、保冷機能付き枕を外気温が20℃の場所に放置しておくと、保冷部材20の潜熱蓄熱材22も20℃となり、潜熱蓄熱材22のコア材22bが固相となる。この状態で、保冷機能付き枕に使用者の頭部が載置されると、枕本体10の上面側に保冷部材20が設けられていることから、頭部近傍の保冷部材20に熱が伝わる。ここで、保冷部材20に金属繊維群21を設けたことから、頭部近傍の保冷部材20に伝わった熱が金属繊維群21を介して保冷部材20における広い範囲に伝わる。また、潜熱蓄熱材22が金属繊維群21の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられていることから、保冷部材20における広い範囲において金属繊維群21から潜熱蓄熱材22に効率良く熱が伝わる。
【0022】
このように、本実施形態によれば、枕本体10の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材20に熱が伝わるとともに、その熱が金属繊維群21を介して保冷部材20における広い範囲に伝わり、保冷部材20における広い範囲において金属繊維群21から潜熱蓄熱材22に効率良く熱が伝わるので、載置された頭部が移動しない場合でも、頭部近傍の潜熱蓄熱材22だけではなく保冷部材20における広い範囲の潜熱蓄熱材22に頭部の熱が伝わり、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【0023】
また、頭部が載置されていない部分において保冷部材20が冷却され、その冷熱が金属繊維群21を介して頭部近傍の潜熱蓄熱材22に伝わるので、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持する上で極めて有利である。
【0024】
また、枕本体10の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離L1だけ離れた位置、且つ、使用者丈方向の上端から所定距離L2だけ離れた位置に、使用者幅方向に延びるように保冷部材20を設けたので、使用者の肩近傍が無用に保冷されることがない。
【0025】
また、保冷部材20の潜熱蓄熱材22を粉体から構成したので、潜熱蓄熱材22を金属繊維群21における各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、製造を容易にして製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
【0026】
また、枕本体10のポケット部12a内に芳香剤を収容している芳香剤袋30を設け、芳香剤袋30は収容している芳香剤の香りを外部に放出可能であることから、保冷機能付き枕の近傍に芳香剤の香りを漂わせることができる。
【0027】
また、潜熱蓄熱材22のコア材22bを略25℃で相変化するように構成したので、25℃よりも低い外気温において使用する場合に、使用者の頭部を効率的に保冷することができる。
【0028】
尚、本実施形態では、潜熱蓄熱材22のコア材22bを、略25℃で相変化するように構成したものを示したが、外気温に応じて他の温度で相変化するように構成することも可能である。
【0029】
また、本実施形態では、芳香剤袋30をカバー部材12のポケット12a内に配置するようにしたものを示したが、芳香剤袋30を枕本体10の他の部分に配置することも可能である。また、芳香剤袋30の代わりにプラスチック等から成る芳香剤収容部材を用いることも可能である。
【0030】
尚、本実施形態では、潜熱蓄熱材22を粉体から構成したものを示したが、潜熱蓄熱材22を粉体が分散している液体またはゲル状体から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒22aは前述の構成を有している。このため、潜熱蓄熱材22を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、製造を容易にして製造コストの低減を図る上で極めて有利である。また、潜熱蓄熱材22が粉体から構成されている場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0031】
さらに、潜熱蓄熱材22を粉体が所定形状に固められて成る粒状体から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒22aは前述の構成を有しており、粒状体の各粒40の粒径は数百μm〜十数mmとなる(図6参照)。また、プラスチックや金属から成る筒状部材50a内に粉体を挿入して固めるとともに、粉体が挿入された筒状部材50aを所定の長さに切断することにより、粒状体を構成する各粒50を形成することも可能である(図7参照)。これらの場合でも、潜熱蓄熱材22を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、潜熱蓄熱材22が粉体から構成されている場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0032】
また、潜熱蓄熱材22を少なくとも一部の繊維が粉体を有する合成繊維群または天然繊維群から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒22aは前述の構成を有している。また、合成繊維群または天然繊維群の各繊維60を単繊維から形成することも可能であり、各繊維60を複数の単繊維を撚り合わせて成る糸状に形成することも可能である。合成繊維群の各繊維60の例としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられ、天然繊維群の各繊維60の例としては、綿、麻、シルク、羊毛等が挙げられる。潜熱蓄熱材22が合成繊維群から成る場合は、各繊維60を成形する前の樹脂に粉体を練り込んだ後、各繊維60を構成する単繊維を成形することにより、各繊維60内に粉体の各粉粒22aが設けられる(図8参照)。また、潜熱蓄熱材22が天然繊維群から成る場合は、各繊維60の表面に接着剤等によって粉体を付着させることにより、各繊維60の表面に粉体の各粉粒22aが設けられる(図9参照)。潜熱蓄熱材22が合成繊維群から成る場合は、各繊維60の表面に接着剤等によって粉体を付着させることも可能である。図8及び図9は各繊維60が複数の単繊維を撚り合わせて糸状に形成されている場合を示すものである。
【0033】
尚、本実施形態では、保冷部材20が枕本体10のカバー部材12のポケット12aに収容されるようにしたものを示した。これに対し、保冷部材20を枕本体10のカバー部材12の上面に載置するとともに、保冷部材20及び枕本体10を枕カバー等によって覆うことも可能である。この場合でも、保冷部材20は枕本体10の上面側に設けられるので、保冷部材20がポケット12aに収容される場合と同様の作用効果を達成することが可能である。
【0034】
また、本実施形態では、金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22が袋部材23に収容されて成る保冷部材20を設けたものを示した。これに対し、金属繊維群21に潜熱蓄熱材22が接着剤等によって付着している場合や、潜熱蓄熱材22が図8及び図9に示すような一部の繊維が粉体を有する合成繊維群または天然繊維群から構成されている場合は、袋部材23を省くことも可能である。この場合でも、袋部材23を設けた場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0035】
尚、本実施形態では、保冷部材20に金属繊維群21を設けたものを示したが、金属繊維群21の代わりに金属製網状部材70(図10参照)を設け、金属製網状部材70を鉄、アルミニウム、ステンレス、銅等の周知の金属材料から形成することも可能である。この場合でも、金属製網状部材70は金属繊維群21と同等の機能を有することから、金属繊維群21を設けた場合と同等の作用効果を達成することができる。
【0036】
また、本実施形態では、枕本体10上に頭部が載置されるようにしたものを示したが、枕本体10を枕カバー等によって覆うことも可能である。
【0037】
尚、本実施形態では、金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を袋部材23に収容するものを示したが、袋部材23の代わりに金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容可能な他の構成のものを使用することも可能である。
【0038】
また、本実施形態では、枕本体10の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離L1だけ離れた位置、且つ、使用者丈方向の上端から所定距離L2だけ離れた位置に使用者幅方向に延びるように保冷部材20を設けたものを示した。これに対し、枕本体10の上面側の前面に亘って保冷部材20を設けることも可能であり、枕本体10の上面側の他の所定位置に保冷部材20を設けることも可能である。また、これらの場合でも、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態を示す保冷機能付き枕の斜視図
【図2】保冷機能付き枕の側面断面図
【図3】保冷機能付き枕の平面図
【図4】金属繊維群の斜視図
【図5】粉体の各粉粒の断面図
【図6】本実施形態の第1変形例を示す粒状体の各粒の概略図
【図7】本実施形態の第2変形例を示す粒状体の各粒の概略図
【図8】本実施形態の第3変形例を示す繊維の斜視図
【図9】本実施形態の第3変形例を示す繊維の斜視図
【図10】本実施形態の第4変形例を示す金属製網状部材の斜視図
【符号の説明】
【0040】
10…枕本体、11…クッション部材、12…カバー部材、12a…ポケット、12b…ファスナー、20…保冷部材、21…金属繊維群、22…潜熱蓄熱材、22a…粉粒、23…袋部材、30…芳香剤袋、40…粒、50…粒、60…繊維、70…金属製網状部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の頭部を保冷可能な保冷機能付き枕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の保冷機能付き枕としては、相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な粒状の潜熱蓄熱材と、潜熱蓄熱材を収容する袋部材とを備え、袋部材上に使用者の頭部を支持するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平3−39021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記保冷機能付き枕では、袋部材上に頭部が載置され、頭部近傍の潜熱蓄熱材に熱が伝わると、潜熱蓄熱材が相変化する所定温度に維持され、頭部を保冷するようになっている。
【0004】
しかしながら、相変化を利用した潜熱蓄熱材は金属等のように熱伝導性に優れた材料ではないので、載置された頭部が動かない場合は、頭部近傍の潜熱蓄熱材のみが相変化し、その他の部分の潜熱蓄熱材には熱が伝わり難いので、袋部材内の潜熱蓄熱材の潜熱を効率良く利用することができず、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができないという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、載置された頭部が動かない場合でも、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することのできる保冷機能付き枕を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の保冷機能付き枕は前記目的を達成するために、使用者の頭部を支持する枕本体と、枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、前記保冷部材に、金属繊維群と、金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けている。
【0007】
これにより、枕本体の上面側に保冷部材を設けていることから、枕本体の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材に熱が伝わる。また、保冷部材に金属繊維群を設けたことから、頭部近傍の保冷部材に伝わった熱が金属繊維群を介して保冷部材における広い範囲に伝わる。さらに、保冷部材に金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられた潜熱蓄熱材を設けたことから、保冷部材における広い範囲において金属繊維群から潜熱蓄熱材に効率良く熱が伝わる。
【0008】
また、本発明の保冷機能付き枕は、使用者の頭部を支持する枕本体と、枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、前記保冷部材に、金属製網状部材と、金属製網状部材の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けている。
【0009】
これにより、枕本体の上面側に保冷部材を設けていることから、枕本体の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材に熱が伝わる。また、保冷部材に金属製網状部材を設けたことから、頭部近傍の保冷部材に伝わった熱が金属製網状部材を介して保冷部材における広い範囲に伝わる。さらに、保冷部材に金属製網状部材の隙間に入り込むように設けられた潜熱蓄熱材を設けたことから、保冷部材における広い範囲において金属製網状部材から潜熱蓄熱材に効率良く熱が伝わる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、枕本体の上面に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材に熱が伝わるとともに、その熱が金属繊維群または金属製網状部材を介して保冷部材における広い範囲に伝わり、保冷部材における広い範囲において金属繊維群または金属製網状部材から潜熱蓄熱材に効率良く熱が伝わるので、載置された頭部が移動しない場合でも、頭部近傍の潜熱蓄熱材だけではなく保冷部材における広い範囲の潜熱蓄熱材に頭部の熱が伝わり、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1乃至図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1は保冷機能付き枕の斜視図、図2は保冷機能付き枕の側面断面図、図3は保冷機能付き枕の平面図、図4は金属繊維群の斜視図、図5は粉体の各粉粒の断面図である。以下の文章中における方向の説明は図1乃至図4に示した方向に準ずる。また、前後方向は使用者丈方向と一致しており、左右方向は使用者幅方向と一致している。
【0012】
この保冷機能付き枕は、使用者の頭部を支持するための枕本体10と、枕本体10の上面側に設けられた保冷部材20とを備えている。
【0013】
枕本体10は、ウレタンフォーム等の弾性を有する海綿状部材、籾殻、そば殻、プラスチック製のビーズ等から成るクッション部材11と、クッション部材11を収容するカバー部材12とを有する。カバー部材12は周知の天然繊維や合成繊維から成る布材を用いて形成され、枕本体10の上面側に位置するポケット12aを備えている。ポケット12aは使用者幅方向に延びるように形成され、カバー部材12の使用者幅方向の端部に設けられたファスナー12bによって開閉するようになっている。
【0014】
保冷部材20は、金属繊維群21と、金属繊維群21の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材22と、金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容する収容部材としての袋部材23とを有する。
【0015】
金属繊維群21は、コイル切削法、びびり振動切削法、収束伸線法、ワイヤ切削法などの周知の方法によって成形され、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅等の周知の金属材料から成る。
【0016】
潜熱蓄熱材22は粉体から成り、粉体の各粉粒22aは、例えば略25℃で固相から液相に相変化するコア材22bと、コア材22bを収容するカプセル部材22cとを有する(図5参照)。コア材22bとしては、塩化マグネシウム・6水塩、酢酸ナトリウム・3水塩、硝酸マグネシウム・2水塩等の無機化合物系のものや、パラフィンやステアリン酸等の有機化合物系のものが挙げられる。カプセル部材22cはメラミン、ナイロン等のプラスチック材料から成り、コア材22bを覆うように形成されている。潜熱蓄熱材22の例としては、三菱製紙株式会社製のサーモメモリー(登録商標)や、三木理研工業株式会社製のリケンレジン等が挙げられる。
【0017】
袋部材23は金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容可能に形成され、特に潜熱蓄熱材22の各粉粒22aを収容可能に形成されている。袋部材23を形成する材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の可撓性を有するプラスチック製シートや、金属製フィルムや、表面に金属が蒸着されたプラスチック製のフィルムが挙げられる。袋部材23は前述のシートやフィルムを1枚または複数枚用いて金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容している。金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22の収容は、袋部材23内に金属繊維群21を収容した後、潜熱蓄熱材22を袋部材23内に充填し、袋部材23に適度な振動を加える。これにより、金属繊維群21の各金属繊維同士の隙間に粉体である潜熱蓄熱材22が入り込む。尚、袋部材23内を複数の室に分割するとともに、各室をそれぞれ使用者幅方向に延びるように形成し、各室内にそれぞれ金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容することも可能である。
【0018】
保冷部材20は枕本体10のカバー部材12におけるポケット12a内に収容される。これにより、保冷部材20が枕本体10の上面側に配置される。また、ポケット12a内に収容された保冷部材20は、枕本体10の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離L1だけ離れた位置且つ使用者丈方向の上端から所定距離L2だけ離れた位置に使用者幅方向に延びるように配置される(図1及び図3参照)。これにより、使用者の肩近傍が無用に保冷されることがない。前記所定距離L1は30mm以上100mm以下であることが好ましく、30mm未満の場合は、使用者の肩付近を無用に保冷する傾向があり、100mmを超える場合は、保冷部材20と頭部とが接する接触面積が小さくなり、後述する頭部の保冷効果が低減する傾向がある。前記所定距離L2は30mm以上100mm以下であることが好ましく、30mm未満である場合は、保冷部材20の体積が大きくなる傾向があり、製造コストの低減を図る上で有利ではなく、100mmを超える場合は、保冷部材20と頭部とが接する接触面積が小さくなり、後述する頭部の保冷効果が低減する傾向がある。
【0019】
また、枕本体10のカバー部材12におけるポケット12a内には、芳香剤を収容した芳香剤収容部材としての芳香剤袋30も配置される。芳香剤袋30は天然繊維や合成繊維から成る布材を用いて形成されている。このため、収容している芳香剤の香りを外部に放出可能である。また、芳香剤の例としては、樹木やハーブ等の植物を乾燥して成る乾燥樹葉や、前記植物から抽出された油を含ませたゲル状物質、粒状物質、粉状物質や、その他周知の様々な芳香剤を使用することが可能である。
【0020】
以上のように構成された保冷機能付き枕は例えばベッドや布団に載置され、使用者の頭部を支持するために用いられる。また、保冷部材20によって使用者の頭部を保冷するようになっている。
【0021】
例えば、保冷機能付き枕を外気温が20℃の場所に放置しておくと、保冷部材20の潜熱蓄熱材22も20℃となり、潜熱蓄熱材22のコア材22bが固相となる。この状態で、保冷機能付き枕に使用者の頭部が載置されると、枕本体10の上面側に保冷部材20が設けられていることから、頭部近傍の保冷部材20に熱が伝わる。ここで、保冷部材20に金属繊維群21を設けたことから、頭部近傍の保冷部材20に伝わった熱が金属繊維群21を介して保冷部材20における広い範囲に伝わる。また、潜熱蓄熱材22が金属繊維群21の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられていることから、保冷部材20における広い範囲において金属繊維群21から潜熱蓄熱材22に効率良く熱が伝わる。
【0022】
このように、本実施形態によれば、枕本体10の上面側に頭部が載置されると、頭部近傍の保冷部材20に熱が伝わるとともに、その熱が金属繊維群21を介して保冷部材20における広い範囲に伝わり、保冷部材20における広い範囲において金属繊維群21から潜熱蓄熱材22に効率良く熱が伝わるので、載置された頭部が移動しない場合でも、頭部近傍の潜熱蓄熱材22だけではなく保冷部材20における広い範囲の潜熱蓄熱材22に頭部の熱が伝わり、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【0023】
また、頭部が載置されていない部分において保冷部材20が冷却され、その冷熱が金属繊維群21を介して頭部近傍の潜熱蓄熱材22に伝わるので、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持する上で極めて有利である。
【0024】
また、枕本体10の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離L1だけ離れた位置、且つ、使用者丈方向の上端から所定距離L2だけ離れた位置に、使用者幅方向に延びるように保冷部材20を設けたので、使用者の肩近傍が無用に保冷されることがない。
【0025】
また、保冷部材20の潜熱蓄熱材22を粉体から構成したので、潜熱蓄熱材22を金属繊維群21における各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、製造を容易にして製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
【0026】
また、枕本体10のポケット部12a内に芳香剤を収容している芳香剤袋30を設け、芳香剤袋30は収容している芳香剤の香りを外部に放出可能であることから、保冷機能付き枕の近傍に芳香剤の香りを漂わせることができる。
【0027】
また、潜熱蓄熱材22のコア材22bを略25℃で相変化するように構成したので、25℃よりも低い外気温において使用する場合に、使用者の頭部を効率的に保冷することができる。
【0028】
尚、本実施形態では、潜熱蓄熱材22のコア材22bを、略25℃で相変化するように構成したものを示したが、外気温に応じて他の温度で相変化するように構成することも可能である。
【0029】
また、本実施形態では、芳香剤袋30をカバー部材12のポケット12a内に配置するようにしたものを示したが、芳香剤袋30を枕本体10の他の部分に配置することも可能である。また、芳香剤袋30の代わりにプラスチック等から成る芳香剤収容部材を用いることも可能である。
【0030】
尚、本実施形態では、潜熱蓄熱材22を粉体から構成したものを示したが、潜熱蓄熱材22を粉体が分散している液体またはゲル状体から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒22aは前述の構成を有している。このため、潜熱蓄熱材22を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、製造を容易にして製造コストの低減を図る上で極めて有利である。また、潜熱蓄熱材22が粉体から構成されている場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0031】
さらに、潜熱蓄熱材22を粉体が所定形状に固められて成る粒状体から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒22aは前述の構成を有しており、粒状体の各粒40の粒径は数百μm〜十数mmとなる(図6参照)。また、プラスチックや金属から成る筒状部材50a内に粉体を挿入して固めるとともに、粉体が挿入された筒状部材50aを所定の長さに切断することにより、粒状体を構成する各粒50を形成することも可能である(図7参照)。これらの場合でも、潜熱蓄熱材22を各金属繊維同士の隙間に容易に入り込ませることができ、潜熱蓄熱材22が粉体から構成されている場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0032】
また、潜熱蓄熱材22を少なくとも一部の繊維が粉体を有する合成繊維群または天然繊維群から構成することも可能である。この場合、粉体の各粉粒22aは前述の構成を有している。また、合成繊維群または天然繊維群の各繊維60を単繊維から形成することも可能であり、各繊維60を複数の単繊維を撚り合わせて成る糸状に形成することも可能である。合成繊維群の各繊維60の例としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられ、天然繊維群の各繊維60の例としては、綿、麻、シルク、羊毛等が挙げられる。潜熱蓄熱材22が合成繊維群から成る場合は、各繊維60を成形する前の樹脂に粉体を練り込んだ後、各繊維60を構成する単繊維を成形することにより、各繊維60内に粉体の各粉粒22aが設けられる(図8参照)。また、潜熱蓄熱材22が天然繊維群から成る場合は、各繊維60の表面に接着剤等によって粉体を付着させることにより、各繊維60の表面に粉体の各粉粒22aが設けられる(図9参照)。潜熱蓄熱材22が合成繊維群から成る場合は、各繊維60の表面に接着剤等によって粉体を付着させることも可能である。図8及び図9は各繊維60が複数の単繊維を撚り合わせて糸状に形成されている場合を示すものである。
【0033】
尚、本実施形態では、保冷部材20が枕本体10のカバー部材12のポケット12aに収容されるようにしたものを示した。これに対し、保冷部材20を枕本体10のカバー部材12の上面に載置するとともに、保冷部材20及び枕本体10を枕カバー等によって覆うことも可能である。この場合でも、保冷部材20は枕本体10の上面側に設けられるので、保冷部材20がポケット12aに収容される場合と同様の作用効果を達成することが可能である。
【0034】
また、本実施形態では、金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22が袋部材23に収容されて成る保冷部材20を設けたものを示した。これに対し、金属繊維群21に潜熱蓄熱材22が接着剤等によって付着している場合や、潜熱蓄熱材22が図8及び図9に示すような一部の繊維が粉体を有する合成繊維群または天然繊維群から構成されている場合は、袋部材23を省くことも可能である。この場合でも、袋部材23を設けた場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0035】
尚、本実施形態では、保冷部材20に金属繊維群21を設けたものを示したが、金属繊維群21の代わりに金属製網状部材70(図10参照)を設け、金属製網状部材70を鉄、アルミニウム、ステンレス、銅等の周知の金属材料から形成することも可能である。この場合でも、金属製網状部材70は金属繊維群21と同等の機能を有することから、金属繊維群21を設けた場合と同等の作用効果を達成することができる。
【0036】
また、本実施形態では、枕本体10上に頭部が載置されるようにしたものを示したが、枕本体10を枕カバー等によって覆うことも可能である。
【0037】
尚、本実施形態では、金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を袋部材23に収容するものを示したが、袋部材23の代わりに金属繊維群21及び潜熱蓄熱材22を収容可能な他の構成のものを使用することも可能である。
【0038】
また、本実施形態では、枕本体10の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離L1だけ離れた位置、且つ、使用者丈方向の上端から所定距離L2だけ離れた位置に使用者幅方向に延びるように保冷部材20を設けたものを示した。これに対し、枕本体10の上面側の前面に亘って保冷部材20を設けることも可能であり、枕本体10の上面側の他の所定位置に保冷部材20を設けることも可能である。また、これらの場合でも、頭部の保冷効果を長時間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態を示す保冷機能付き枕の斜視図
【図2】保冷機能付き枕の側面断面図
【図3】保冷機能付き枕の平面図
【図4】金属繊維群の斜視図
【図5】粉体の各粉粒の断面図
【図6】本実施形態の第1変形例を示す粒状体の各粒の概略図
【図7】本実施形態の第2変形例を示す粒状体の各粒の概略図
【図8】本実施形態の第3変形例を示す繊維の斜視図
【図9】本実施形態の第3変形例を示す繊維の斜視図
【図10】本実施形態の第4変形例を示す金属製網状部材の斜視図
【符号の説明】
【0040】
10…枕本体、11…クッション部材、12…カバー部材、12a…ポケット、12b…ファスナー、20…保冷部材、21…金属繊維群、22…潜熱蓄熱材、22a…粉粒、23…袋部材、30…芳香剤袋、40…粒、50…粒、60…繊維、70…金属製網状部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭部を支持する枕本体と、
枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、
前記保冷部材に、金属繊維群と、金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けた
ことを特徴とする保冷機能付き枕。
【請求項2】
前記保冷部材に金属繊維群及び潜熱蓄熱材を収容する収容部材を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の保冷機能付き枕。
【請求項3】
使用者の頭部を支持する枕本体と、
枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、
前記保冷部材に、金属製網状部材と、金属製網状部材の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けた
ことを特徴とする保冷機能付き枕。
【請求項4】
前記保冷部材に金属製網状部材及び潜熱蓄熱材を収容する収容部材を設けた
ことを特徴とする請求項3記載の保冷機能付き枕。
【請求項5】
前記保冷部材を、枕本体の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離だけ離れた位置且つ使用者丈方向の上端から所定距離だけ離れた位置に使用者幅方向に延びるように設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の保冷機能付き枕。
【請求項6】
前記潜熱蓄熱材を粉体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項7】
前記潜熱蓄熱材を粉体が分散している液体またはゲル状体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項8】
前記潜熱蓄熱材を粉体が所定形状に固められて成る粒状体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項9】
前記潜熱蓄熱材を少なくとも一部の繊維が粉体を有する合成繊維群または天然繊維群から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項10】
芳香剤を収容するとともに収容した芳香剤の香りを外部に放出可能な芳香剤収容部材を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の保冷機能付き枕。
【請求項1】
使用者の頭部を支持する枕本体と、
枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、
前記保冷部材に、金属繊維群と、金属繊維群の各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けた
ことを特徴とする保冷機能付き枕。
【請求項2】
前記保冷部材に金属繊維群及び潜熱蓄熱材を収容する収容部材を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の保冷機能付き枕。
【請求項3】
使用者の頭部を支持する枕本体と、
枕本体の上面側に設けられた保冷部材とを備え、
前記保冷部材に、金属製網状部材と、金属製網状部材の隙間に入り込むように設けられるとともに相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱可能な潜熱蓄熱材とを設けた
ことを特徴とする保冷機能付き枕。
【請求項4】
前記保冷部材に金属製網状部材及び潜熱蓄熱材を収容する収容部材を設けた
ことを特徴とする請求項3記載の保冷機能付き枕。
【請求項5】
前記保冷部材を、枕本体の上面側における使用者丈方向の下端から所定距離だけ離れた位置且つ使用者丈方向の上端から所定距離だけ離れた位置に使用者幅方向に延びるように設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の保冷機能付き枕。
【請求項6】
前記潜熱蓄熱材を粉体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項7】
前記潜熱蓄熱材を粉体が分散している液体またはゲル状体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項8】
前記潜熱蓄熱材を粉体が所定形状に固められて成る粒状体から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項9】
前記潜熱蓄熱材を少なくとも一部の繊維が粉体を有する合成繊維群または天然繊維群から構成し、
粉体の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の保冷機能付き枕。
【請求項10】
芳香剤を収容するとともに収容した芳香剤の香りを外部に放出可能な芳香剤収容部材を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の保冷機能付き枕。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−289705(P2008−289705A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139064(P2007−139064)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(505278931)株式会社まるや (10)
【出願人】(300054631)有限会社エフ・テイ・イノベーション (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(505278931)株式会社まるや (10)
【出願人】(300054631)有限会社エフ・テイ・イノベーション (14)
【Fターム(参考)】
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