説明

保存性の改良された水性懸濁製剤

【課題】高温および低温条件下での長期保管後も良好な懸濁安定性およびハンドリング性が劣化しないで維持された水性懸濁製剤を提供すること。
【解決手段】(a)農薬活性成分、(b)オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、(c)イオン交換水からなり、製造時における製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sに調整され、さらには(d)炭素数6以下の多価アルコールを含有することを特徴とする水性懸濁製剤。より好ましくは、上記(b)オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムの含有量が2〜8重量%であり、(d)炭素数6以下の多価アルコールがプロピレングリコールまたはグリセリンであり、製剤粘度(20℃)が500〜800mPa・sであることを特徴とする水性懸濁製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温および低温条件での長期保管後も懸濁安定性およびハンドリング性にすぐれた水性懸濁製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水性懸濁製剤(フロアブル剤)は、使用時に粉立ちを発生せず、また、引火性や臭いが少ないことから、安全面および環境衛生面で優れた製剤であり、広く一般的に利用されている製剤形態である。しかしながら、製造後の長期保存中に高温・低温条件にさらされることで、水中に分散している農薬活性成分や補助成分からなる分散質が分離・沈降し、包装容器からの排出が困難になるといった問題点がある。このような懸濁製剤の問題解決を目的として以下に例示する多くの研究がなされてきた。
【0003】
特開平6−316502号公報(特許文献1)では、HLBが1〜9の非イオン性界面活性剤およびHLBが10〜20の非イオン性界面活性剤の共存下に、水難溶性の固状生理活性成分を液体媒体中に微粒子状に分散させることにより、懸濁安定性および自己分散性にすぐれた懸濁状組成物が提案されている。
【0004】
特開平9−278602号公報(特許文献2)では、1種又は2種以上の水難溶性農薬原体、ホモポリサッカライド(プルランがより好ましい)、スメクタイト系粘土鉱物質を含有し、より好ましくはヘテロポリサッカライドガム、カルボキシメチルセルロースを併用し、室温での粘度が10〜200mPa・sであることを特徴とする、長期高温保管後の懸濁安定性、水中分散性および散布性にすぐれた水懸濁状農薬製剤が提案されている。
【0005】
しかしながら、水性懸濁製剤の保管温度は高温のみならず低温条件、場合によっては製剤が凍結するほどの低温条件下でも保存されることがあり、上記した特許文献1、2では室温以上での高温保管対策はなされているものの低温保管条件への対策はなされておらず、水性懸濁製剤の安定性維持が充分とは言い難い。
したがって、高温および低温保管条件での長期保管に耐え、良好な懸濁安定性、ハンドリング性を維持した懸濁製剤が求められている。
【0006】
なお、オクテニルコハク酸エステル化デンプンを含有する水性懸濁製剤としては以下に挙げる研究がなされている。
【0007】
特開2007−169217号公報(特許文献3)では、(A)炭素数11以上の分岐アルコール(1価または2価)、(B)乳化・分散剤(ガム類、エステル化加工デンプン、水溶性タンパク質から選ばれる)、(C)展着剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルを除くノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ベタイン型界面活性剤、パラフィン類から選ばれる1種以上であり、好ましくはポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、カチオン界面活性剤およびパラフィン類)からなり、より好ましくは(D)水溶性多糖類を含有することを特徴とする、植物葉面に散布した際に幅広い有効分濃度ですぐれた植物活力効果が得られる粉末状および粉末を水に分散させた植物活力剤が提案されている。
【0008】
しかしながら、特許文献3では、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムは乳化剤として使用され、粉末状の植物活力剤を水に分散させたのみで粘度調整はなされておらず、得られた水性組成物について長期保管後における懸濁安定性やハンドリング性への寄与効果について開示の記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−316502号公報
【特許文献2】特開平9−278602号公報
【特許文献3】特開2007−169217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、高温および低温条件下での長期保管後も懸濁安定性にすぐれ、ハンドリング性の劣化しない水性懸濁製剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、農薬活性成分、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムおよびイオン交換水からなり、製造時における製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sに調整された水性懸濁製剤が高温および低温の長期保管後も懸濁安定性にすぐれ、ハンドリング性も劣化しないことを見出した。さらには、上記水性懸濁製剤において炭素数6以下の多価アルコールを含有することで、長期保管後の懸濁安定性がより改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕(a)農薬活性成分、(b)オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、(c)イオン交換水からなり、製造時における製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sであることを特徴とする水性懸濁製剤。
〔2〕さらに(d)炭素数6以下の多価アルコールを含有することを特徴とする〔1〕に記載の水性懸濁製剤。
〔3〕前記(b)オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムの含有量が2〜8重量%であり、(d)炭素数6以下の多価アルコールがプロピレングリコールまたはグリセリンであり、製剤粘度(20℃)が500〜800mPa・sであることを特徴とする〔2〕に記載の水性懸濁製剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明の水性懸濁製剤は、高温および低温条件下で長期間保管後も良好な懸濁安定性およびハンドリング性を維持するものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の水性懸濁製剤についてより詳細に説明する。
<農薬活性成分について>
本発明で使用可能な農薬活性成分は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤および植物生長調節剤などの一般的に農薬の活性成分として使用されるものであれば特に限定されず、このような農薬活性成分としては次のものが挙げられる。
例えば、殺虫剤として有機リン系(MEP(O,O−ジメチル−O−4−ニトロ−m−トリル−6−メチルピリミジン−4−イルチオホスフェート)、ピリダフェンチオン(O,O−ジエチル−O−(3−オキソ−2−フェニル−2H−ピリダジン−6−イル)ホスホロチオエート)など)、カーバメート系(BPMC(2−セコンダリーブチルフェニル−N−メチルカーバメート)など)、ピレスロイド系(ペルメトリン((R,S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS)−(1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)など)、ベンゾイルヒドラジド系、ネオニコチノイド系、トリアジン系、チオウレア系、オキサダイアジン系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系およびベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤、昆虫成長制御剤(テブフェノジド(2’−tert−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド)、ブプロフェジン(2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジナン−4−オン)など)天然殺虫剤、生物農薬、殺ダニ剤および殺線虫剤などが挙げられる。
【0015】
殺菌剤としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤や、有機リン系(IBP(O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオホスフェート)など)、ベンゾイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系(フルトラニル(α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド)など)、トリアゾール系(テトラコナゾール((±)−2−(2,4-ジクロロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル=1,1,2,2−テトラフルオロエチル=エーテル))、イミベンコナゾール(4−クロロベンジル=N−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)チオアセトイミダート)など)、イミダゾール系、ピペラジン系、メトキシアクリレート系、オキサゾリジンジオン系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系、フタリド系(フサライド(4,5,6,7−テトラクロロフタリド)など)の殺菌剤、抗生物質系殺菌剤(カスガマイシン([5−アミノ−2−メチル−6−(2,3,4,5,6‐ペンタヒドロキシ−シクロへキシロキシ)テトラヒドロピラン−3−イル]アミノ−α−イミノ酢酸)など)、天然物殺菌剤および生物農薬などが挙げられる。
【0016】
除草剤としては、例えば、フェノキシ酸系(MCPAチオエチル(S−エチル=2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)チオアセタート)、MCPBエチル(2−メチル−4−クロロフェノキシ酪酸エチル)など)、カーバメート系、酸アミド系(テニルクロール(2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2’,6’−ジメチルアセトアニリド)、ブタクロール(2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(ブトキシメチル)アセトアニリド)など)、アセトアニリド系、尿素系、スルホニル尿素系、ピリミジルオキシ安息香酸系、トリアジン系(シメトリン(2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン)など)、ダイアジン系、ダイアゾール系(ピラゾレート(4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イル−トルエン−4−スルホネート)など)、ビピリジリウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、イミダゾリノン系、脂肪酸系、有機リン系、アミノ酸系、ジフェニルエーテル系(ビフェノックス(5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル))など)、ニトリル系、シクロヘキサンジオン系、フェニルフタルイミド系、シネオール系、インダンジオン系、ベンゾフラン系、トリアゾロピリミジン系、オキサジノン系、アリルトリアゾリノン系、イソウラゾール系、ピリミジニルチオフタリド系、トリアゾリノン系(イプフェンカルバゾン(1−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,5−ジヒドロ−N−(1−メチルエチル)−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾール−4−カルボキサミド))、無機除草剤、生物農薬などが挙げられる。
植物生長調節剤としては、例えば、エチレン系、オーキシン系、サイトカイニン系、ジベレリン系などが挙げられる。
【0017】
上記農薬活性成分は、1種で用いてもよく、2種以上を併用しても何ら問題ない。
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2005年版」(社団法人 日本植物防疫協会、平成17年10月11日発行)、「SHIBUYA INDEX 9th Edition」(SHIBUYA INDEX研究会、平成13年12月15日発行)、「The Pesticide Manual Eleventh Edition」(British Crop Protection Council 発行)などに記載されている。
【0018】
また、本発明において使用される農薬活性成分としては、本発明と同様の目的を果たし、水性懸濁製剤として適用されるものであるならば、上記以外の従来公知の農薬活性成分も適用することができる。
上記農薬活性成分の添加量は、水性懸濁製剤中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.05〜50重量%である。
【0019】
<オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムについて>
オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムはデンプンと無水オクテニルコハク酸のモノエステル化合物のナトリウム塩であり、分子内に疎水部分(オクテニル基)と親水部分(デンプン部、カルボン酸ナトリウム部分)を併せ持つ構造であるため、水中に溶解すると分散安定化効果を示す。
また、鉱物系増粘剤のような網目構造を形成して懸濁安定性を維持する機構とは異なり、分子中のデンプン構造の存在により水への溶解だけで増粘効果を発現するため経時的な粘度上昇の心配がない。
【0020】
以上のような効果によりオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムは本発明の水性懸濁製剤において分散質の懸垂性維持に寄与する。
なお、コハク酸と塩を形成している金属がアルミニウムイオンやカルシウムイオンであるとオクテニルコハク酸デンプンの水に対する溶解性が顕著に低下し、上記した増粘効果および分散効果を発揮できなくなる。
【0021】
したがって、水への溶解性の面から金属イオンはナトリウムイオンであることが好ましい。
本発明で使用できるオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムの添加量は、水性懸濁製剤中に通常0.1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%である。
添加量が0.1重量%未満になると増粘効果および分散効果が小さくなることにより懸濁安定性が低下し、また、添加量が10重量%を超えると分散効果への影響はなく、増粘効果が増大するのみでハンドリング性の面で問題がある。
【0022】
<イオン交換水について>
本発明の水性懸濁製剤において、増量剤として使用されるイオン交換水はオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムの機能発現に大きく影響する。
オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムは水中に溶解して分散安定化効果や増粘効果を発揮するが、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の硬度成分の共存により不溶性塩を形成し、機能発現が不十分となり懸濁安定性が悪くなる。このため、増量剤としては該イオンの除去処理を施したイオン交換水を使用することが必須である。
【0023】
本発明に使用可能なイオン交換水は井戸水や水道水等の硬度成分を含有する水をイオン交換樹脂に通過させ、電気伝導度計(TOA Electornics社製CM−20E)により測定される電気伝導度が10μS/cm以下とすることにより製造され、また、イオン交換水の添加量は、水性懸濁製剤中に30〜99重量%、好ましくは40〜90重量%である。
【0024】
<炭素数6以下の多価アルコールについて>
本発明の水性懸濁製剤において、炭素数6以下の多価アルコールはオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムの分散安定化効果を向上させる効果を有する。該成分の分子構造は2個以上の水酸基および炭化水素基からなり、2個以上の水酸基は分散質に吸着したオクテニルコハク酸エステル化デンプン分子間で水素結合ネットワークを形成し、炭化水素基はネットワークの接近による分散質の凝集を防ぐ役割を果たす。
【0025】
このため、水酸基が1つでは水素結合が1つしか形成でないことにより、また、炭素数が6以上では炭化水素基のかさ高さにより水素結合が形成できないことからオクテニルコハク酸エステル化デンプン分子間の水素結合ネットワークが形成されず、分散安定化向上への寄与は期待できない。
本発明に使用可能な炭素数6以下の多価アルコールとしては、次のものが挙げられる。
【0026】
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどが挙げられる。
これらのなかで分散安定化効果の向上面で好ましいのはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンであり、さらに好ましいのはプロピレングリコール、グリセリンである。
本発明に使用可能な炭素数6以下の多価アルコールの添加量は、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムとの分散安定化の向上効果を考慮して、水性懸濁製剤中に1〜10重量%、好ましくは4〜7重量%である。
【0027】
<その他補助剤について>
本発明の水性懸濁製剤は、上記した必須成分の他に補助剤として、本発明の効果を失わない程度であれば以下のような成分を添加してもかまわない。
例えば、界面活性剤としては非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。
【0028】
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンエチレンジアミン、ショ糖脂肪酸エステル、などが挙げられる。
【0029】
また、陰イオン系界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸とホルマリンの縮合物またはその塩、アルキルナフタレンスルホン酸とホルマリンの縮合物またはその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルリン酸塩などが挙げられる。
【0030】
なお、陰イオン系界面活性剤のカチオン部分としてはオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムと不溶性の塩を形成するカルシウムイオンやマグネシウムイオン等は不適であり、ナトリウムイオンやアンモニウムイオン等が好ましい。
また、陽イオン系界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
【0031】
また、両性界面活性剤としては、ジアルキルアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなどが挙げられる。
本発明で使用できる界面活性剤としてはこれらの例示に限られるものではなく、1種または2種以上を併用してもかまわない。水性懸濁製剤中の界面活性剤の含有量は0.1〜20重量%が好ましい。
【0032】
補助的な増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、ウエランガム、ラムザンガムなどのヘテロポリサッカライド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル類、トラガントガム、カゼイン、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、結晶セルロース、二酸化ケイ素などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
水性懸濁製剤中の増粘剤の含有量は0.1〜10重量%が好ましい。
【0033】
消泡剤としては、シリコーン系、脂肪酸系物質など、防腐防バイ剤としては、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−m−キシレノール、p−オキシ安息香酸ブチル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなど、pH調整剤としては、塩酸、硫酸、クエン酸、リン酸、炭酸マグネシウムなど、農薬活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などを添加してもよいが、ここに例示した補助剤に限定されるものではない。
【0034】
<製剤粘度について>
本発明の水性懸濁製剤は、製造時における製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sとすることが重要である。高温および低温条件下で長期的に保管した際、製剤粘度が200mPa・sを下回ると顕著な分離が生じることにより懸濁安定性を維持しきれず、ボトル内に分散質である農薬活性成分が残る危険性を有し、また、製剤粘度が1200mPa・sを超えてしまうと懸濁安定性は維持されるものの製剤の粘性が高く、ボトルからの排出が困難となりハンドリング性で問題がある。
したがって、懸濁安定性とハンドリング性のバランスの面から製造時における製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sとすることが必須であり、より好ましくは500〜800mPa・sである。
【0035】
製剤粘度は、主にオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムのおよびイオン交換水の添加量に影響されるため、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムおよびイオン交換水を上記に記載の範囲で添加することにより、調整することができる。
なお、本発明におけるハンドリング性とは水性懸濁製剤の包装容器からの排出性を示し、容器から製剤が排出されやすく、排出後の容器内の製剤残存量が少ない(排出量が多い)ほどハンドリング性が良好となる。
【0036】
<水性懸濁製剤の製造方法>
本発明の水性懸濁製剤の製造方法は特に限定されないが、例えば次の方法によって製造できる。
【0037】
(1)固体農薬活性成分を使用する場合
オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムおよび炭素数6以下の多価アルコールをイオン交換水に添加後、予めJet粉砕機などで微粉砕化した農薬活性成分および必要に応じてその他の補助剤を溶解もしくは分散させて製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、または、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコール、農薬活性成分および必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕することにより製造する方法、あるいは、農薬活性成分、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加後、ガラスビーズ等を用いて湿式粉砕した分散液にオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを添加、混合し製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、もしくは農薬活性成分を有機溶媒に溶解後、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他補助成分をイオン交換水に添加、乳化して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法の何れを採用してもよい。
【0038】
(2)液体農薬活性成分を使用する場合
オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコールおよび農薬活性成分をイオン交換水に添加、乳化後、必要に応じてその他補助剤を添加、混合して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコール、農薬活性成分および必要に応じてその他補助剤をイオン交換水に添加、乳化して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、農薬活性成分、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加後、乳化した液にオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを添加、混合して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法としてもよい。
【0039】
(3)固体及び液体農薬活性成分を併用する場合
液体農薬活性成分および必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加し、乳化液(i)とする。
また、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムおよび炭素数6以下の多価アルコールを予めイオン交換水に溶解させたところに液体農薬活性成分および必要に応じてその他の補助剤を添加し、乳化して用いてもかまわない(乳化液(ii))。
【0040】
この乳化液(i)を用いて製造を行う場合、乳化液(i)に、予めJet粉砕機などで微粉砕化した固体農薬活性成分、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他補助剤を溶解もしくは分散させて製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、また、乳化液(i)に固体農薬活性成分、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕することにより製造する方法、あるいは、固体農薬活性成分、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕した分散液と、予め製造しておいた乳化液(i)または(ii)を混合して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、固体農薬活性成分、炭素数6以下の多価アルコールおよび必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕した分散液と、予め製造しておいた乳化液(i)とオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを混合することにより製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法の何れを採用してもよい。
【0041】
また、乳化液(ii)を用いて製造を行う場合、乳化液(ii)に予めJet粉砕機などで微粉砕化した固体農薬活性成分ならびにその他の補助剤を溶解もしくは分散させて製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法、また、乳化液(ii)に、固体農薬活性成分および必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕することにより製造する方法、あるいは、固体農薬活性成分および必要に応じてその他の補助剤をイオン交換水に添加後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕した分散液と、予め製造しておいた乳化液(ii)を混合して製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sに調整することにより製造する方法の何れを採用してもよい。
【0042】
<水性懸濁製剤の使用形態>
上記方法により製造した水性懸濁製剤は、例えば、原液もしくは水で1.5〜5倍程度に希釈して水田に直接散布する方法、あるいは、原液もしくは水で50〜5000倍程度に希釈した液を、噴霧機などを用いて作物や雑草に茎葉散布する方法、あるいは空中からヘリコプターなどを使用して、原液のまま、または水で2〜100倍程度に希釈して散布する方法で適用できるが、これらに限定されるわけではない。
【実施例】
【0043】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例中の「部」とあるのは、すべて重量部の意味である。
【0044】
[実施例1]
イオン交換水72.6部にカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)1.2部、フサライド(フタリド系殺菌剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム3部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部を添加し、混合する。次に、これら混合物をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製、1.0mmガラスビーズ、充填率80%、周速10m/s)にて湿式粉砕し、得られた分散液にオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム3部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON社製)で混合、溶解することにより製剤粘度530mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0045】
[実施例2]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部(初回添加量は3部とし、以下特記しない場合は同じ。)、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)2部、イオン交換水70.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度620mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0046】
[実施例3]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム3部、1,3−ブタンジオール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)9部、イオン交換水66.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度680mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0047】
[実施例4]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム3部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)1部、イオン交換水74.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度290mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0048】
[実施例5]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水67.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度830mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0049】
[実施例6]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム1.5部(添加量が3部未満の場合は初回に全量添加、以下同じ。)、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水70.1部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度580mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0050】
[実施例7]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム10部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、イオン交換水67.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度960mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0051】
[実施例8] 製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、イオン交換水77.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度550mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0052】
[実施例9]
イオン交換水44.9部にオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部を溶解後、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部を添加し、混合する。次に、これら混合物にテトラコナゾール(トリアゾール系殺菌剤)12部を添加、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて5000rpmで15分間攪拌混合し、得られた分散液にイオン交換水30部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON社製)で混合、溶解することにより製剤粘度770mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0053】
[実施例10]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1.5部、イオン交換水74.4部(初回添加量は44.9部とし、以下実施例9に準拠する場合は同じ。)とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度690mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0054】
[実施例11]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、ヘキシレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水75.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度660mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0055】
[実施例12]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム3.5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水80.4部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度350mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0056】
[実施例13]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)9部、イオン交換水67.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度880mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0057】
[実施例14]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム1部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)8部、イオン交換水73.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度650mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0058】
[実施例15]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム9.5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)1.5部、イオン交換水70.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度970mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0059】
[実施例16] 製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水79.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度550mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0060】
[実施例17]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水78.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度690mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0061】
[実施例18]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1.5部、イオン交換水77.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度600mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0062】
[実施例19]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、1,3−ブタンジオール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1.5部、イオン交換水78.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度570mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0063】
[実施例20]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水82.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度740mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0064】
[実施例21]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水67.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度730mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0065】
[実施例22]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)7部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)3部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、イオン交換水65.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度670mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0066】
[実施例23]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6部、エチレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)3部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、イオン交換水65.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度710mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0067】
[実施例24]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水74.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度540mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0068】
[実施例25]
イオン交換水40.2部にカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、リン酸(補助剤)0.1部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部を添加し、混合する。次に、これら混合物をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製、1.0mmガラスビーズ、充填率80%、周速10m/s)にて湿式粉砕する。得られた分散液にMEP(有機リン系殺虫剤)25部を添加、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて5000rpmで15分間攪拌混合し、得られた分散液にイオン交換水5部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム2部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON社製)で混合、溶解することにより製剤粘度670mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0069】
[実施例26]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水41.2部(初回添加量は40.2部とし、以下実施例25に準拠する場合は同じ。)とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度650mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0070】
[実施例27]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、エチレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水44.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度770mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0071】
[実施例28]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)2部、イオン交換水50.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度420mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0072】
[実施例29]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、イオン交換水45.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度970mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0073】
[実施例30]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム1部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)9部、イオン交換水48.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度680mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0074】
[実施例31]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム9部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)2.5部、イオン交換水45.7部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度900mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0075】
[実施例32]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド(フタリド系殺菌剤)12部、MEP(有機リン系殺虫剤)25部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水54.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度600mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0076】
[実施例33]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水84.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度690mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0077】
[実施例34]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)0.5部、イオン交換水84.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度700mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0078】
[実施例35]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、ヘキシレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)0.5部、イオン交換水84.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度720mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0079】
[実施例36]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、イオン交換水85.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度580mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0080】
[実施例37]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、イオン交換水68.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度660mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0081】
[実施例38]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)7部、イオン交換水68.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度570mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0082】
[実施例39]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4.5部、1,3−ブタンジオール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)7部、イオン交換水68.4部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度620mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0083】
[実施例40]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)2部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)2部、イオン交換水72.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度710mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0084】
[比較例1]
製剤組成をプロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1.5部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)7部、イオン交換水69.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度530mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0085】
[比較例2]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム4部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1.5部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水66.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度720mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0086】
[比較例3]
製剤組成をリン酸デンプン5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1.5部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水68.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度630mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0087】
[比較例4]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム1部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)1.5部、イオン交換水76.1部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度180mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0088】
[比較例5]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)10部、イオン交換水60.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度1320mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0089】
[比較例6]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6.5部、1,2−ドデカンジオール5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、イオン交換水72.1部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度630mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0090】
[比較例7]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)2部、10度硬水71.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度670mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0091】
[比較例8]
製剤組成をプロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1.5部、コロイド性含水珪酸アルミニウム0.8部、カルボキシメチルセルロース0.2部、プルラン2部、イオン交換水73.6部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度700mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0092】
[比較例9]
製剤組成をプロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)11部、イオン交換水64.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度650mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0093】
[比較例10]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム6部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)9部、イオン交換水61.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度550mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0094】
[比較例11]
製剤組成をカルボキシメチルデンプン4部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水66.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度710mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0095】
[比較例12]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム0.5部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、イオン交換水75.4部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度180mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0096】
[比較例13]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)10部、イオン交換水63.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度1310mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0097】
[比較例14]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、オクチレングリコール4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、イオン交換水74.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度590mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0098】
[比較例15]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム6部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、10度硬水71.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度700mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0099】
[比較例16]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)1部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水76.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度550mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0100】
[比較例17]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム7部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)1部、ジアルキルコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、イオン交換水70.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度640mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0101】
[比較例18]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、リン酸デンプン5部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)1部、ジアルキルコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水74.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度590mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0102】
[比較例19]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム0.5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水84.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度140mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0103】
[比較例20]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)7部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)11部、イオン交換水64.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度1400mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0104】
[比較例21]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7.5部、デシレングリコール5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、イオン交換水77.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度710mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0105】
[比較例22]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム4部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)7部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、3度硬水75.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度580mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0106】
[比較例23]
製剤組成をテブフェノジド(昆虫制御抑制剤)10部、エチレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(HLB:15)1部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(HLB:8)1部、コロイド性含水珪酸アルミニウム2部、イオン交換水80.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度560mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0107】
[比較例24]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)7部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)11部、イオン交換水60.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度730mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0108】
[比較例25]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム9部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)7部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)8部、イオン交換水53.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度590mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0109】
[比較例26]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、酢酸デンプン4部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)7部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水60.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度650mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0110】
[比較例27]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム0.5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)7部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、イオン交換水70.4部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度160mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0111】
[比較例28]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)8部、イオン交換水63.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度1350mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0112】
[比較例29]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、1−プロパノール4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、イオン交換水69.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度610mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0113】
[比較例30]
製剤組成をMEP(有機リン系殺虫剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、10度硬水65.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度750mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0114】
[比較例31]
製剤組成をプロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)8部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)8部、イオン交換水40.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度680mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0115】
[比較例32]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム3部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)8部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水39.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度650mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0116】
[比較例33]
製剤組成をカルボキシメチルデンプン4部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)8部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、イオン交換水40.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度540mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0117】
[比較例34]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム1.5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)3部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム1部、イオン交換水52.7部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度170mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0118】
[比較例35]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)3部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)8部、イオン交換水38.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度1360mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0119】
[比較例36]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、エタノール5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、イオン交換水47.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度670mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0120】
[比較例37]
製剤組成をオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、リン酸(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(補助剤)3部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、3度硬水49.2部とした以外は実施例25と同様に製造し、製剤粘度590mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0121】
[比較例38]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)11部、イオン交換水78.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度520mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0122】
[比較例39]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム6部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)10部、イオン交換水72.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度720mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0123】
[比較例40]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、酢酸デンプン3部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)7部、イオン交換水78.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度650mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0124】
[比較例41]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム0.5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)2部、イオン交換水88.4部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度180mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0125】
[比較例42]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム8部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)8部、イオン交換水74.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度1250mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0126】
[比較例43]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、1,2−ドデカンジオール4部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、イオン交換水80.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度640mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0127】
[比較例44]
製剤組成をテニルクロール(酸アミド系除草剤)4部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム3部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)6部、10度硬水81.9部とした以外は実施例1と同様に製造し、製剤粘度510mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0128】
[比較例45]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)6部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)9部、イオン交換水63.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度590mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0129】
[比較例46]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウム5部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)6部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)7部、イオン交換水60.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度730mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0130】
[比較例47]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、ヒドロキシアルキル化デンプン4部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)6部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)4部、イオン交換水64.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度540mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0131】
[比較例48]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム1.5部、グリセリン(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)6部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(補助剤)1部、イオン交換水70.4部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度170mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0132】
[比較例49]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)10部、イオン交換水61.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度1390mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0133】
[比較例50]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム7部、オクチレングリコール5部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル(補助剤)2部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)3部、イオン交換水67.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度670mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0134】
[比較例51]
製剤組成をブタクロール(酸アミド系除草剤)15部、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム5部、プロピレングリコール(炭素数6以下の多価アルコール)6部、ジメチルポリシロキサン(補助剤)0.1部、2%キサンタンガム水溶液(補助剤)5部、3度硬水68.9部とした以外は実施例9と同様に製造し、製剤粘度600mPa・s(20℃)の水性懸濁製剤を得た。
【0135】
次に、試験例により、本発明の水性懸濁製剤の有用性を示す。
本試験は、高温および低温条件下で長期保管後の懸濁安定性(懸垂性の算出および沈降の確認)、ならびにハンドリング性の評価(排出性の算出)を評価する目的で行なった。
【0136】
<製剤粘度の測定>
製造直後の試料製剤(実施例1〜40、比較例1〜51で製造した水性懸濁製剤)の粘度をB型粘度計[(株)トキメック製]を用いてローターNo.2、回転数12r.p.m 、温度20℃ 条件にて測定した。
【0137】
<懸濁安定性試験(懸垂性の算出)>
製造直後の試料製剤(実施例1〜40、比較例1〜51で製造した水性懸濁製剤)450mLを500mL容ポリ瓶に充填し、サイクル条件(1サイクルを50℃15日→室温1日→−15℃15日とし、4サイクル実施)で静置保管した。保管試験後、試料製剤中の懸濁層および全層の高さ(cm)を測定し、懸垂性(%)を下式により算出した。
【0138】
【数1】

【0139】
懸垂性(%)の値が大きいほど水性懸濁製剤の懸濁安定性が良好であると評価できる。
試験結果を表1(実施例)および表2(比較例)に示した。
【0140】
<排出性試験(排出性の算出)>
製造直後の試料製剤(実施例1〜40、比較例1〜51で製造した水性懸濁製剤)450mLを500mL容ポリ瓶に充填し、25℃で1日間静置後に容器の倒立を20回繰り返した後、容器を逆さにし、水性懸濁製剤を排出した。
容器の口より薬剤の滴下間隔が10秒以上になった時を終点とした。
この時点で排出した薬剤の重量をはかり、下式より排出性(%)を算出した。
なお、サイクル条件(1サイクルを50℃15日→室温1日→−15℃15日とし、4サイクル実施)にて静置保管した試料製剤についても本試験を実施し、排出性(%)を評価した。
【0141】
【数2】

【0142】
排出性(%)の値が大きいほど水性懸濁製剤のハンドリング性が良好であると評価できる。
試験結果を表1(実施例)および表2(比較例)に示した。
【0143】
【表1−1】

【0144】
【表1−2】

【0145】
【表2−1】

【0146】
【表2−2】

【0147】
【表2−3】

【0148】
【表2−4】

【0149】
<表の説明>
(1)懸濁安定性について
表1、2の懸垂性試験結果より明らかなように、懸濁安定性はオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム含有の有無および含有量、製剤粘度、炭素数6以下の多価アルコールの含有の有無に影響を受けた。表1、2において、オクテニルコハク酸エステル化デンプンを含有し、製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sの範囲にある実施例1〜40は高温および低温条件での厳しい保管試験後も良好な懸垂性を示した。特に、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを2重量%以上含有し、製剤粘度が500mPa・s以上であり、炭素数6以下の多価アルコールとしてプロピレングリコールまたはグリセリンを含有する実施例1、2、5、7、9、10、13、15、17、18、21、22、25、26、29、31、33、34、37、38はすぐれた懸垂性であった。
【0150】
一方、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しない比較例1、9、16、24、31、38、45、水不溶性のオクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウムおよびオクテニルコハク酸エステル化デンプン以外のデンプン化合物を含有する比較例2、3、10、11、17、18、25、26、32、33、39、40、46、47、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しているものの製剤粘度が200未満である比較例4、12、19、27、34、41、48、炭素数6を超える多価アルコールを含有する比較例6、14、21、43、50、および炭素数6以下の1価アルコールを含有する比較例29、36、イオン交換水の代わりに硬水を使用した比較例7、15、22、30、37、44、51、特許文献1にしたがい製造した比較例23および特許文献2にしたがい製造した比較例8はいずれも懸垂性が劣る結果となった。
【0151】
(2)ハンドリング性について
表1、2の製造時および保管試験後の排出性試験結果より明らかなように、排出性はオクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム含有の有無および製剤粘度に影響をうけた。表1、2において、オクテニルコハク酸エステル化デンプンを含有し、製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sの範囲にある実施例1〜40は製造時および高温および低温条件での厳しい保管試験後も良好な排出性を示し、ハンドリング性の劣化は認められなかった。特に、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを2重量%以上含有し、製剤粘度が800mPa・s以下であり、炭素数6以下の多価アルコールとしてを含有する実施例1〜4、8〜12、16〜28および32〜40は保管試験前後で高い排出性を維持し、良好なハンドリング性を維持した。
【0152】
一方、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しない比較例1、9、16、24、31、38、45、水不溶性のオクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウムおよびオクテニルコハク酸エステル化デンプン以外のデンプン化合物を含有する比較例2、3、10、11、17、18、25、26、32、33、39、40、46、47、イオン交換水の代わりに硬水を使用した比較例7、15、22、30、37、44、51、特許文献1にしたがい製造した比較例23および特許文献2にしたがい製造した比較例8は製造時の排出性は良好であったものの保管後の排出性が悪く、ハンドリング性が劣る結果となった。また、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しているものの製剤粘度(20℃)が1200mPa・sを超える比較例5、13、20、28、35、42、49は排出性に劣化は認められないものの、製造時から既に排出性が悪く、ハンドリング性に問題が残る結果となった。
【0153】
以上より、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有し、製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sの範囲にある実施例1〜40の水性懸濁製剤は、高温および低温条件での長期保管後も良好な懸濁安定性およびハンドリング性を維持し、炭素数6以下の多価アルコールを含有することで懸濁安定性がさらに向上することが判明した。
【0154】
一方、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しない比較例1、9、16、24、31、38、45、水不溶性のオクテニルコハク酸エステル化デンプンアルミニウムおよびオクテニルコハク酸エステル化デンプン以外のデンプン化合物を含有する比較例2、3、10、11、17、18、25、26、32、33、39、40、46、47、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しているものの製剤粘度が200未満である比較例4、12、19、27、34、41、48、イオン交換水の代わりに硬水を使用した比較例7、15、22、30、37、44、51、特許文献1にしたがい製造した比較例23および特許文献2にしたがい製造した比較例8は懸垂性および保管試験後のハンドリング性の面で問題が生じた。また、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムを含有しているものの製剤粘度(20℃)が1200mPa・sを超える比較例5、13、20、28、35、42、49は製造時点でハンドリング性に問題が生じ、炭素数6を超える多価アルコールを含有する比較例6、14、21、43、50、および炭素数6以下の1価アルコールを含有する比較例29、36は懸垂性の面で問題が生じる結果となった。
【0155】
したがって、高温および低温保管という厳しい条件での長期保管後も、良好な懸濁安定性およびハンドリング性の維持には、農薬活性成分、オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、イオン交換水からなり、製剤粘度(20℃)を200〜1200mPa・sの範囲にすることが有効な手段であり、さらには炭素数6以下の多価アルコールを含有し、製剤粘度(20℃)を500〜800mPa・sの範囲にすることがより効果的な手段であることが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)農薬活性成分、(b)オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウム、(c)イオン交換水からなり、製造時における製剤粘度(20℃)が200〜1200mPa・sであることを特徴とする水性懸濁製剤。
【請求項2】
さらに(d)炭素数6以下の多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載の水性懸濁製剤。
【請求項3】
前記(b)オクテニルコハク酸エステル化デンプンナトリウムの含有量が2〜8重量%であり、(d)炭素数6以下の多価アルコールがプロピレングリコールまたはグリセリンであり、製剤粘度(20℃)が500〜800mPa・sであることを特徴とする請求項2に記載の水性懸濁製剤。

【公開番号】特開2012−219054(P2012−219054A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85631(P2011−85631)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】