説明

保守作業支援システム及びその方法

【課題】本体装置障害の切り分け、部品の手配、拠点への連絡を自動化する。
【解決手段】ICタグ11が構成部品10を自己診断して得た情報に、本体装置1の装置名及びシステム名を含む情報及び本体装置1の顧客コード及び顧客名を含む情報を付加した情報を生成し、受信装置30が、生成した情報をネットワーク100を経由して障害受付サーバ40に送信し、障害受付サーバ40が、受信した情報を基に、構成部品10の在庫数及び配送方法を含む情報を格納した部品情報データベース41、本体装置1及び構成部品10の障害に関する情報を格納した障害情報データベース42及び顧客情報データベース43から該当する情報を検索し、この検索で得た情報を基に保守作業を支援する障害受付データを生成し、障害受付データを、受付配信サーバ50が、保守作業に係る対応保守拠点に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ、コンピュータ関連機器、ロボット、自動車及び工作機械等の装置での障害検出単位の構成部品毎にそれぞれの部品の情報を含んだICタグ及びそのICタグに書き込みを行うことができるICタグライタを装着し、そのICタグに書き込まれた情報を読み取ることで、構成部品毎に障害を把握し、装置の保守作業を行うことができる保守作業支援システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保守対象である本体装置に障害が発生した場合、利用者は保守会社に電話をかけ保守会社からの問診を受ける。その際、保守会社はできるだけ詳細な情報を収集し、その情報をもとに必要な保守部品を用意して現地へ赴くが、問診での情報収集が不十分であったり不正確であったりすると、保守会社の保守員は現地で再度情報を収集し、保守部品を手配し直し、障害復旧に時間を要してしまうことが多い。
【0003】
障害の原因を特定する切り分け作業において、障害内容、または装置によって原因の特定が難しい場合があり、大幅に時間がかかってしまうことがある。それだけでなく、対応する保守員の知識、技術、経験によっても切り分け作業時間の差が発生してしまう。
【0004】
一方で、本体装置によっては部品の消耗や劣化が発生するため、交換時期が決められているものがある。また、障害が発生する前には、その原因となる兆候が見られることがあるが、本体装置自体は客先にあるため、その兆候を見ることはできない。そのため、障害が発生してから対応するだけでなく、部品交換時期や兆候をリアルタイムに把握することができれば、障害を未然に防止することが可能である。
【0005】
部品自らが故障であると通知することができれば、障害の内容、本体装置、対応者に関らず対応時間を短縮することができる。近年、自己診断機能を備える部品もあるが、回路基板など限定的なものである。
【0006】
又、本体装置の構成部品においても、現状バーコードが主流であり、バーコードの形状の固定による添付スペースの制限がある点、格納できるデータ量が少ない点、バーコードでは情報の書き込み、リアルタイムな情報の更新を行うことができない点、読み取りは個々に接触する必要がある点などから、本体装置の内部構成やバージョン等に関しては管理上の限界があった。
【0007】
そこで、以下に示すような、ICチップを有するICタグを用いた故障診断システム及び故障診断方法が存在する。
【特許文献1】特開2005−293345号公報
【特許文献2】特開2005−222291号公報
【特許文献3】特開2005−182619号公報
【特許文献4】特開2007−114999号公報
【特許文献5】特開2006−107236号公報
【特許文献6】特開2006−178803号公報
【特許文献7】特開2007−264815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1における故障診断システムおよび故障診断方法では、ICタグの通信が金属の影響を受けるという問題がある。また、請求事項でICタグは交換部品単位(ユニット)に取り付けるとありながら、最良の実施の形態ではICタグを部品(ユニット)とは独立させており、単なる外部記憶装置として使っているにすぎない。
【0009】
特許文献2は、実際に故障した装置のICタグを端末で処理し、障害解析を表示、それを見てから部品の手配等を行う必要があり、客先へ行く前に障害内容がわからない、部品が届けられるまでの時間がかかるという問題があった。
【0010】
特許文献3は、装置本体に1つのICタグを装着し、そこに部品、レビジョン情報を持たせるもので、故障が発生した場合、その装置を修理受付窓口にて読み取ることで、ネットワークを用い、サーバ等と通信を行っている。そのため、部品単位での障害の把握に難があり、かつ情報の読み取り等が自動化されていないという問題点がある。
【0011】
特許文献4は、部品ごとにICタグを装着しているが、このICタグに蓄積された情報を外部に取り出すための通信手段がなく、故障が発生した場合、保守員の携帯端末から故障情報を読み取る必要があり、作業の自動化及び対応の迅速さという点で問題がある。
【0012】
又、特許文献5、特許文献6及び特許文献7は、部品にICタグを装着し、故障を報知するというもので、故障発生後の保守に要する部品の手配等の修理に係る作業ついて具体的に考慮されていないという問題点がある。
【0013】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、本体装置の障害の切り分け、部品の手配、拠点への連絡を自動化する保守作業支援システム及びその方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の課題を解決するため、本発明に係る保守作業支援システムは、本体装置に備わる構成部品にICタグを装着し、該ICタグが記録した前記構成部品の情報を前記本体装置の保守作業に活用する保守作業支援システムにおいて、前記構成部品のそれぞれに装着され、前記ICタグが前記構成部品を自己診断して得た情報を、前記ICタグに書き込むICタグライタと、前記ICタグに書き込まれた情報を読み取り、該読み取った情報に前記本体装置の装置名及びシステム名を含む情報を付加した構成部品・本体装置情報を生成するICタグ読取装置と、前記ICタグ読取装置から前記構成部品・本体装置情報を受信し、該受信した情報に前記本体装置の顧客コード及び顧客名を含む情報を付加した構成部品・本体装置・顧客情報を生成する受信装置と、前記構成部品のバージョン、前記構成部品の在庫数及び前記構成部品の配送方法を含む情報を格納した部品情報データベースと、前記本体装置及び前記構成部品の障害に関する事例の情報を格納した障害情報データベースと、前記本体装置のユーザの情報を格納した顧客情報データベースと、前記受信装置から前記構成部品・本体装置・顧客情報を受信し、該受信した情報を基に前記部品情報データベース、前記障害情報データベース及び前記顧客情報データベースから該当する情報を検索し、該検索で得た情報を基に保守作業を支援する障害受付データを生成する障害受付サーバと、前記障害受付データを格納する受付情報データベースと、前記受付情報データベースに格納されている前記障害受付データを、保守作業に係る対応保守拠点に送信する受付配信サーバと、を備えることを特徴とする。
【0015】
上述の課題を解決するため、本発明に係る保守作業支援方法は、本体装置に備わる構成部品にICタグを装着し、該ICタグが記録した前記構成部品の情報を前記本体装置の保守作業に活用する保守作業支援方法において、前記ICタグが前記構成部品を自己診断して得た情報を、ICタグライタが前記ICタグに書き込む手順と、ICタグ読取装置が、前記ICタグに書き込まれた情報を読み取り、該読み取った情報に前記本体装置の装置名及びシステム名を含む情報を付加した構成部品・本体装置情報を生成する手順と、受信装置が、前記ICタグ読取装置から前記構成部品・本体装置情報を受信し、該受信した情報に前記本体装置の顧客コード及び顧客名を含む情報を付加した構成部品・本体装置・顧客情報を生成する手順と、前記受信装置が、ネットワークを経由して前記構成部品・本体装置・顧客情報を障害受付サーバに送信する手順と、前記障害受付サーバが、前記構成部品・本体装置・顧客情報を基に、前記構成部品の在庫数及び前記構成部品の配送方法を含む情報を格納した部品情報データベース、前記本体装置及び前記構成部品の障害に関する事例の情報を格納した障害情報データベース及び前記本体装置のユーザの情報を格納した顧客情報データベースから該当する情報を検索する手順と、前記障害受付サーバが、前記検索で得た情報を基に保守作業を支援する障害受付データを生成する手順と、前記障害受付サーバが、前記障害受付データを受付情報データベースに格納する手順と、前記受付情報データベースに格納されている前記障害受付データを、受付配信サーバが、保守作業に係る対応保守拠点に送信する手順と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
ICタグが前記構成部品を自己診断して得た情報に、本体装置及び顧客情報を付加した情報を生成し、生成した情報に基づいて、障害受付サーバが、構成部品の在庫数及び前記構成部品の配送方法を含む情報を格納した部品情報データベース、本体装置及び構成部品の障害に関する事例の情報を格納した障害情報データベース及び本体装置のユーザの情報を格納した顧客情報データベースから該当する情報を検索して、保守作業を支援する障害受付データを生成し、この障害受付データを、受付配信サーバが、保守作業に係る対応保守拠点に送信することにより、本体装置障害の切り分け、部品の手配、拠点への連絡を自動化する保守作業支援システム及びその方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る保守作業支援システムの全体を示す構成図である。
【0018】
図1を参照すると、本実施の形態に係る保守作業支援システムは、保守作業の対象である本体装置1と、受信装置30と、障害受付サーバ40と、受付配信サーバ50と、を備える。
【0019】
ここで、本体装置1は各構成部品10が組み合わされたものである。各構成部品10には、各構成部品10の情報及び後述する自己診断の結果を保存するために、ICタグ11がそれぞれ装着されている。
【0020】
ICタグ11は、装着されている構成部品に係る情報を保持するのみならず、その構成部品10によっては自己診断も行う。本体装置1の稼働により、構成部品10の消耗又は劣化が考えられるからである。この自己診断の結果は、ICタグライタ12によって、その自己診断を行ったICタグ11自身に書き込まれる。
【0021】
又、構成部品10がメカや可動部の場合は、ICタグ11の他に、赤外線、温度又は振動などの動作を検知するセンサ13が装着されており、これらのセンサ13が計測した情報も、ICタグライタ12によって、センサ13が装着されている構成部品10に係るICタグ11に書き込まれる。
【0022】
本体装置1には、ICタグ11の情報を読み取り、障害の特定及び管理を行うICタグ読取装置20が搭載されている。このICタグ読取装置20は、装置の構成部品10の情報を構成部品・本体装置情報として、図2に示すように本体装置の構造に従って階層構造化して保持している。
【0023】
受信装置30は、ICタグ読取装置20から本体装置1と構成部品10とに係る構成部品・本体装置情報を受け取り、図6における顧客コード301等の顧客の情報を添付して構成部品・本体装置・顧客情報を生成し、この情報を保守会社へインターネット等のネットワーク100を使用して送信するものである。また、受信装置30は、受信した構成部品・本体装置情報から本体装置1の稼働状況及び構成部品10毎の障害の有無を把握し、それらの情報を図3のように表示する。
【0024】
障害受付サーバ40は、ネットワーク100を経由して受信装置30から受信した情報を基に部品情報データベース41と、本体装置及び構成部品の障害に関する事例の情報を格納した障害情報データベース42と、顧客情報データベース43と、から該当する情報を検索し、この検索結果から1つの障害受付データを完成させる。
【0025】
更に、障害受付サーバ40は、この障害受付データを受付情報データベース44へ登録する。
【0026】
受付配信サーバ50は受付情報データベース44に登録されたデータから、故障した構成部品10の手配及びお客様対応拠点(サービスセンター等の対応保守拠点)への連絡を行うものである。
【0027】
次に、図面を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。ここで、図4は、ICタグ11に書き込まれる情報の一例を示す図である。
【0028】
図4に示すように、ICタグ11には、構成部品10に係る部品名111、部品コード112、バージョン情報113、製造年月日114、交換期間115、故障の有無を示す故障フラグ116、部品メーカーのメーカー固有情報117、稼働開始日118、修理履歴119、ファームウェア120、構成部品10の関連部品121及び関連部品のバージョン情報122等が記録される。
【0029】
本体装置1のICタグ読取装置20は、図4に示したICタグ11に記録されている情報を定期的に読み取り、この読み取った情報へ更に本体装置1の装置名201、システム名202、製造号機203、管理コード204、機種区分コード205、起動フラグ206、稼働日207、起動時間208、OS209及び保証期間210を含む情報を図5に示したように付加した構成部品・本体装置情報を生成し、この情報を受信装置30へ送信する。
【0030】
受信装置30は、ICタグ読取装置20から受信した構成部品・本体装置情報に受信装置30が保持している顧客コード301、顧客名302、郵便番号303,住所304、電話番号305、部署名306、担当者名307、契約情報308及び担当営業・SE309の情報を付加してネットワーク100を使用して保守会社の障害受付サーバ40へ送信する。
【0031】
次に構成部品10において、ICタグ11が定期的に行っている自己診断について図面を用いて詳細に説明する。ここで、図7の左は、構成部品10においてICタグ11が定期的に行っている自己診断及びICタグライタ12の書き込みに係るフローチャートである。
【0032】
この図7左において、まずICタグ11は、装着されている構成部品10が正常稼動しているかどうかのチェックを行う(ステップS11)。このチェックでは、回路基板、周辺装置は既存のPOST(Power On Self Test)やRAS機能などの自己診断機能を使用し、メカ、ギアなどの可動部分に関しては、動作を検出するセンサ13を装着することで正常動作かどうか判別できるようにする。
【0033】
続くステップS12では、その自己診断の結果が正常な場合(YES)、手順をステップS11以前に戻す。一方で、構成部品10が故障と判断される場合(NO)、ICタグライタ12は、その情報を構成部品10のICタグ11の故障フラグ116に書き込む(ステップS13)。
【0034】
その後、構成部品10がリトライ可能か否かがステップS14で判断され、リトライが可能な場合(YES)、手順をステップS11以前に戻して再度の自己診断を行う。一方で、リトライが不可能な場合は(NO)、自己診断に係る一連の処理を終了する。
【0035】
次に、ICタグ読取装置20でのICタグ読み取りの処理について図面を用いて詳細に説明する。ここで、図7中央は、ICタグ読取装置20でのICタグ読み取りの処理に係るフローチャートである。
【0036】
まず、本体装置1が稼動している間、ICタグ読取装置20は各構成部品10のICタグ11を定期的に読み取る(ステップS21)。
【0037】
続くステップS22では、ステップS21で読み取った情報の故障フラグ116がONになっているか否かがチェックされ、ONの場合(YES)、ステップS23において、障害を特定する障害切り分け処理が行われる。ステップS23では、関連部品のICタグ11も読み取り、障害の切り分け、判別が行なわれる。一方で、故障フラグ116がONになっていない場合(NO)、手順はステップS21以前に戻される。
【0038】
その後、ステップS24において、図5に示したように、ICタグ読取装置20の持つ本体装置1の装置名201等の情報を、ICタグ11が読み取った情報に付加した構成部品・本体装置情報を、受信装置30へ送信する。その際に、故障フラグがONになっている構成部品及びこの構成部品の関連部品について障害切り分け、判別を行った結果も送信する。これは、部品同士が連動して複数箇所が同時に故障している可能性があるためである。
【0039】
次に、受信装置30での処理について図面を用いて詳細に説明する。ここで、図7右は、受信装置30での処理に係るフローチャートである。
【0040】
まず、受信装置30は、図7右で(A)として示したように、ICタグ読取装置20が送信した故障フラグONを含む情報を受け取ると、自身がネットワーク100に接続されているか否かをチェックし(ステップS31)、ネットワーク100に接続されている場合(YES)、図6に示したように、受信装置30が保持している顧客コード301等を含む情報を、ICタグ読取装置20から受信した情報に付加して構成部品・本体装置・顧客情報を生成し、この情報を保守会社の障害受付サーバ40へネットワーク100を使用して送信する(ステップS32)。
【0041】
ステップS32での情報の送信後、受信装置30は、自身が持つディスプレイに現在の本体装置1の稼働状況を表示して、一連の処理を終了する(ステップS33)。
【0042】
一方で、ステップS31において、受信装置30がネットワーク100に接続されていないことが判明した場合(NO)、受信装置30は、自身が持つディスプレイに現在の稼働状況を表示して、一連の処理を終了する(ステップS33)。これにより、非ネットワーク接続時には、利用者は保守会社に電話し、表示された障害IDを教えるだけで正確に障害情報を伝えることができる。
【0043】
その後、障害受付サーバ40は、受信装置30が送信した情報のうち、顧客コード301と電話番号305をキーとして顧客情報データベース43を照会し、顧客名、住所、担当者名、電話番号、対応保守拠点コード及び対応保守拠点名を含む情報を取得する。
【0044】
又、装置名201、製造号機203、部品コード112、バージョン情報122から障害情報データベース42を参照し、本体装置及び構成部品の障害に関する事例が存在するかどうかを検索する。
【0045】
事例が存在した場合、その事例から該当する装置名、現象、対策、部品名及び部品コードを取得する。一方で、事例が存在しない場合は、受信装置30から送信された部品コード112をそのまま使用する。
【0046】
その後、部品コード112及びバージョン情報113から部品情報データベース41を参照し、その部品の適切なバージョン、在庫数、配送方法を取得する。この各データベースから取得した情報を障害受付データとして受付情報データベース44へ書き込む。
【0047】
受付情報データベース44へ情報が書き込まれると、受付配信サーバ50が、対応保守拠点コードへ情報を送信する。
【0048】
以上説明したように、本発明に係る保守作業支援システム及びその方法によれば、できる限り詳細な情報を得る必要がある問診においても、利用者の装置知識の有無や問診時間の長短関係なく自動的に正確な情報を得ることができ、非ネットワーク接続時でも、受信装置30に表示されている内容を伝えるだけで、利用者の知識、経験に関らず正確な情報を得ることができる。
【0049】
又、自動で故障部品が特定できているため、保守員の知識、技術、経験に左右されることなく、出動前から被疑部品を特定することができる。
【0050】
更に、ほぼリアルタイムに装置状態を確認するため、消耗部品の交換時期や障害の兆候が確認できた場合には、装置が停止する前に対応することが可能である。保守員が障害対応等で客先へ来た際には、受信装置の表示を見ることで、他の装置の状況も一目で確認することができる。
【0051】
他にもICタグおよびICチップは非接触である点や、形状が自由であるため部品ごとに装着ができる点、格納情報を書き換えることができる点などから、装置の内部構成、バージョン等も管理することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、緊急時に早急な連絡、通報が必要な機器の保守業務に適しており、あらゆる場面での装備品の準備、日常生活や学校の時間割の漏れ、忘れ防止、工場における工具、部品の準備忘れ、作業後の道具紛失防止、装置組み立て時の作業手順漏れ、忘れ防止、店舗での商品在庫管理及び万引き防止等の場合に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る保守作業支援システムの全体の構成を示す図である。
【図2】ICタグ読取装置が情報を階層構造化して保持する状態を示す図である。
【図3】受信装置が表示する本体装置の稼働状況及び障害の情報の一例を示す図である。
【図4】ICタグに書き込まれる情報の一例を示す図である。
【図5】ICタグ読取装置が受信装置に送信する構成部品・本体装置情報の一例を示す図である。
【図6】受信装置が障害受付サーバへ送信する構成部品・本体装置・顧客情報の一例を示す図である。
【図7】ICタグが定期的に行っている自己診断、ICタグライタによる書き込み、ICタグ読取装置でのICタグ読み取りの処理及び受信装置での処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 本体装置
10 構成部品
11 ICタグ
12 ICタグライタ
20 ICタグ読取装置
13 センサ
30 受信装置
40 障害受付サーバ
41 部品情報データベース
42 障害情報データベース
43 顧客情報データベース
44 受付情報データベース
50 受付配信データベース
100 ネットワーク
111 部品名
112 部品コード
113 バージョン情報
114 製造年月日
115 交換期間
116 故障フラグ
117 メーカー固有情報
118 稼働開始日
119 修理履歴
120 ファームウェア
121 関連部品
122 バージョン情報
201 装置名
202システム名
203 製造号機
204 管理コード
205 機種区分コード
206 起動フラグ
207 稼働日
208 起動時間
209 OS
210 保証期間
301 顧客コード
302 顧客名
303 郵便番号
304 住所
305 電話番号
306 部署名
307 担当者名
308 契約情報
309 担当営業・SE

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体装置に備わる構成部品にICタグを装着し、該ICタグが記録した前記構成部品の情報を前記本体装置の保守作業に活用する保守作業支援システムにおいて、
前記構成部品のそれぞれに装着され、前記ICタグが前記構成部品を自己診断して得た情報を、前記ICタグに書き込むICタグライタと、
前記ICタグに書き込まれた情報を読み取り、該読み取った情報に前記本体装置の装置名及びシステム名を含む情報を付加した構成部品・本体装置情報を生成するICタグ読取装置と、
前記ICタグ読取装置から前記構成部品・本体装置情報を受信し、該受信した情報に前記本体装置の顧客コード及び顧客名を含む情報を付加した構成部品・本体装置・顧客情報を生成する受信装置と、
前記構成部品のバージョン、前記構成部品の在庫数及び前記構成部品の配送方法を含む情報を格納した部品情報データベースと、
前記本体装置及び前記構成部品の障害に関する事例の情報を格納した障害情報データベースと、
前記本体装置のユーザの情報を格納した顧客情報データベースと、
前記受信装置から前記構成部品・本体装置・顧客情報を受信し、該受信した情報を基に前記部品情報データベース、前記障害情報データベース及び前記顧客情報データベースから該当する情報を検索し、該検索で得た情報を基に保守作業を支援する障害受付データを生成する障害受付サーバと、
前記障害受付データを格納する受付情報データベースと、
前記受付情報データベースに格納されている前記障害受付データを、保守作業に係る対応保守拠点に送信する受付配信サーバと、
を備えることを特徴とする保守作業支援システム。
【請求項2】
前記受信装置は、前記本体装置の顧客コード及び顧客名を含む情報を予め保持することを特徴とする請求項1に記載の保守作業支援システム。
【請求項3】
前記受信装置は、前記構成部品・本体装置情報から前記本体装置の稼働状況及び前記構成部品毎の障害の有無を把握し、該把握した前記本体装置の稼働状況及び前記構成部品毎の障害の有無を表示する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の保守作業支援システム。
【請求項4】
前記受信装置及び前記障害受付サーバはネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項5】
前記障害受付データは、前記本体装置の顧客名、その住所、その電話番号、その担当者名、前記対応保守拠点、前記本体装置の装置名、前記本体装置の障害の現象、その対策、保守を要する部品名、その部品コード、その部品の適切なバージョン、その部品の在庫数及びその部品の配送方法に係る情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項6】
前記ICタグライタは、前記ICタグによる前記構成部品の自己診断の結果が正常でない場合に、前記ICタグが前記構成部品を自己診断して得た情報を前記ICタグに書き込み、該書き込みにおいて前記自己診断の結果が正常でない前記構成部品の故障フラグをONにすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項7】
前記ICタグ読取装置は、前記故障フラグがONになっている前記構成部品及び前記構成部品に関連する部品について、障害を特定する障害切り分けを行い、該障害切り分けの結果を前記構成部品・本体装置情報に付加して前記受信装置に送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項8】
前記ICタグ読取装置は、前記構成部品・本体装置情報を、前記本体装置の構造に従って、階層構造化して保持することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項9】
前記構成部品が可動部分を有する場合は、前記ICタグの他に、赤外線センサ、温度センサ及び振動センサを含むセンサの少なくともいずれか1つを更に前記構成部品に装着し、
前記ICタグライタは、前記センサが計測した情報も前記ICタグに書き込むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項10】
前記ICタグは、パッシブ型の無線通信方式のRFID(Radio frequency identification)であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項11】
前記構成部品が前記ICタグに給電可能な場合、前記ICタグはアクティブ型を採用することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の保守作業支援システム。
【請求項12】
本体装置に備わる構成部品にICタグを装着し、該ICタグが記録した前記構成部品の情報を前記本体装置の保守作業に活用する保守作業支援方法において、
前記ICタグが前記構成部品を自己診断して得た情報を、ICタグライタが前記ICタグに書き込む手順と、
ICタグ読取装置が、前記ICタグに書き込まれた情報を読み取り、該読み取った情報に前記本体装置の装置名及びシステム名を含む情報を付加した構成部品・本体装置情報を生成する手順と、
受信装置が、前記ICタグ読取装置から前記構成部品・本体装置情報を受信し、該受信した情報に前記本体装置の顧客コード及び顧客名を含む情報を付加した構成部品・本体装置・顧客情報を生成する手順と、
前記受信装置が、ネットワークを経由して前記構成部品・本体装置・顧客情報を障害受付サーバに送信する手順と、
前記障害受付サーバが、前記構成部品・本体装置・顧客情報を基に、前記構成部品の在庫数及び前記構成部品の配送方法を含む情報を格納した部品情報データベース、前記本体装置及び前記構成部品の障害に関する事例の情報を格納した障害情報データベース及び前記本体装置のユーザの情報を格納した顧客情報データベースから該当する情報を検索する手順と、
前記障害受付サーバが、前記検索で得た情報を基に保守作業を支援する障害受付データを生成する手順と、
前記障害受付サーバが、前記障害受付データを受付情報データベースに格納する手順と、
前記受付情報データベースに格納されている前記障害受付データを、受付配信サーバが、保守作業に係る対応保守拠点に送信する手順と、
を備えることを特徴とする保守作業支援方法。
【請求項13】
前記構成部品・本体装置・顧客情報を生成する手順は、前記受信装置が予め保持している前記本体装置の顧客コード及び顧客名を含む情報を、前記構成部品・本体装置情報に付加することを特徴とする請求項12に記載の保守作業支援方法。
【請求項14】
前記構成部品・本体装置・顧客情報を生成する手順は、
前記構成部品・本体装置情報から前記本体装置の稼働状況及び前記構成部品毎の障害の有無を把握する手順と、
該把握した前記本体装置の稼働状況及び前記構成部品毎の障害の有無を表示する手順と、
を更に備えることを特徴とする請求項12又は13に記載の保守作業支援方法。
【請求項15】
前記障害受付データは、前記本体装置の顧客名、その住所、その電話番号、その担当者名、前記対応保守拠点、前記本体装置の装置名、前記本体装置の障害の現象、その対策、保守を要する部品名、その部品コード、その部品の適切なバージョン、その部品の在庫数及びその部品の配送方法に係る情報を含むことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。
【請求項16】
前記ICタグが前記構成部品を前記自己診断して得た情報を、ICタグライタが前記ICタグに書き込む手順は、前記自己診断の結果が正常でない場合に行われ、かつ、前記ICタグに書き込む情報は前記自己診断の結果が正常でない前記構成部品について故障フラグをONにすることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。
【請求項17】
前記構成部品・本体装置情報を生成する手順は、前記ICタグ読取装置が、前記故障フラグがONになっている前記構成部品及び前記構成部品に関連する部品について、障害を特定する障害切り分けを行い、該障害切り分けの結果を前記構成部品・本体装置情報に含めることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。
【請求項18】
前記構成部品・本体装置情報を生成する手順は、前記ICタグ読取装置が、前記本体装置の構造に従って、前記構成部品・本体装置情報を階層構造化することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。
【請求項19】
前記構成部品の障害の有無を示す故障フラグを含む情報を、前記ICタグライタが前記ICタグに書き込む手順は、前記構成部品が可動部分を有する場合、前記ICタグの他に、赤外線センサ、温度センサ及び振動センサを含むセンサの少なくともいずれか1つが計測した情報も、前記ICタグに書き込むことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。
【請求項20】
前記ICタグは、パッシブ型の無線通信方式のRFID(Radio frequency identification)であることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。
【請求項21】
前記構成部品が前記ICタグに給電可能な場合、前記ICタグはアクティブ型を採用することを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の保守作業支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−252085(P2009−252085A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101451(P2008−101451)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】