説明

保守方法

【課題】搬送チェーンの間に配置された架台を有する設備において、架台の下に配置された装置の保守を安全かつ簡単に行うための方法を提供する。
【解決手段】設備100は、2列に配置された搬送チェーン12、14を有するコンベア10と、搬送チェーン12、14の間に配置された架台26と、架台26の下に配置された装置40とを有する。この保守方法は、昇降機58を有しコンベアによって搬送可能に構成された作業補助機50を架台26が配置されている第1位置Aまでコンベア10で搬送し、作業補助機50の昇降機58によって架台26を持ち上げ、作業補助機50を第1位置Aとは異なる第2位置Bまでコンベア10で搬送し、架台26の移動によって形成された開口70を利用して装置40を保守し、作業補助機50を第2位置Bから第1位置Aまでコンベア10で搬送し、作業補助機50の昇降機58によって架台26を元の位置まで降ろす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守方法に係り、特に、2列に配置された搬送チェーンを有するコンベアと、該搬送チェーンの間に配置された架台と、該架台の下に配置された装置とを有する設備において該装置を保守する保守方法に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的大きな物品を搬送するコンベアでは、2列に配置された搬送チェーンの間に、作業者が移動したりコンベアを保守したりするために、架台が配置されうる。このような構成では、架台の下に配置された装置を保守する場合にその架台を移動させて装置へのアクセス用の開口を形成する必要がある。
【特許文献1】特開平7−232801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大型の架台が備えられた設備では、架台を移動させる作業を複数人で行う必要があったし、架台を落下させてしまう危険性もあった。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、搬送チェーンの間に配置された架台を有する設備において、架台の下に配置された装置の保守を安全かつ簡単に行うための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、2列に配置された搬送チェーンを有するコンベアと、前記搬送チェーンの間に配置された架台と、前記架台の下に配置された装置とを有する設備において前記装置を保守する保守方法に関し、前記保守方法は、昇降機を有し前記コンベアによって搬送可能に構成された作業補助機を前記架台が配置されている第1位置まで前記コンベアで搬送し、前記作業補助機の前記昇降機によって前記架台を持ち上げ、前記作業補助機を前記第1位置とは異なる第2位置まで前記コンベアで搬送し、前記架台の移動によって形成された開口を利用して前記装置を保守し、前記作業補助機を前記第2位置から前記第1位置まで前記コンベアで搬送し、前記作業補助機の前記昇降機によって前記架台を元の位置まで降ろす、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の保守方法によれば、搬送チェーンの間に配置された架台を有する設備において、架台の下に配置された装置の保守を安全かつ簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0008】
図1は、本発明の好適な実施形態の保守方法が実施される設備の構成を例示的に示す図である。設備100は、例えば、物品等を保管するための自動倉庫として構成されうる。自動倉庫では、物品を所定の場所に保管したり、それを取り出したりする。設備100は、2列に配置された搬送チェーン12、14を有するコンベア10と、搬送チェーン12、14の間に配置された架台22、24、26、28、30と、架台26の下に配置された装置40とを有する。架台22、24、26、28、30は、例えば、支持部材32によって支持されうる。架台22、24、26、28、30は、作業者が移動したり、コンベア10又はその周辺の装置を保守したりするための作業用の足場として使用されうる。
【0009】
設備100には、作業補助機50が備えられている。作業補助機50は、例えば、搬送チェーン12、14の上に載る下部枠52、54と、下部枠52、54に連結された支持枠56と、支持枠56に取り付けられた昇降機58とを有し、コンベア10によって搬送可能に構成されている。昇降機58は、例えば、ホイストを含み、手動又は自動で架台を昇降するように構成されうる。図2に示す例では、架台26が4本の鎖60で吊り上げられている。
【0010】
本発明の好適な実施形態は、上記のように構成された設備100において装置40を保守する保守方法を提供する。ここでは、架台22、24、26、28、30のうち架台26の下に位置する装置40を保守するものとする。本発明の好適な実施形態の保守方法は、作業補助機50を架台26が配置されている第1位置Aまでコンベア10で搬送し、次いで、作業補助機50の昇降機58によって架台26を持ち上げ、次いで、図2に示すように、作業補助機50を第1位置Aとは異なる第2位置Bまでコンベア10で搬送し、次いで、架台26の移動によって形成された開口70を利用して装置40を保守し、次いで、作業補助機50を第2位置Bから第1位置Aまでコンベア10で搬送し、次いで、作業補助機50の昇降機58によって架台26を元の位置(即ち、支持部材32の上)まで降ろす。
【0011】
ここで、作業補助機50の搬送は、典型的には、コンベア10の自動制御システムによって制御される。自動制御システムは、例えば、装置40の保守時は、装置40の上に配置された架台26を第2位置Bに移動させ、装置40の保守の終了後に架台26を第2位置Bから第1位置Aに移動させるようにプログラムされうる。
【0012】
本発明の好適な実施形態によれば、コンベア10によって搬送可能な作業補助機50の昇降機58によって架台を吊り上げて、その状態でコンベア10によって作業補助機50を搬送する。これによって架台が移動して保守対象の装置を保守するための開口が形成される。よって、架台を落下させる可能性が最小化されるとともに、架台の移動のための作業を一人又は少人数で簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な実施形態の保守方法が実施される設備の構成を例示的に示す図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の保守方法が実施される設備の構成を例示的に示す図である。
【符号の説明】
【0014】
10 コンベア
12、14 搬送チェーン
22、24、26、28、30 架台
32 支持部材
40 装置
50 作業補助機
52、54 下部枠
56 支持枠
58 昇降機
60 鎖
70 開口
A 第1位置
B 第2位置
100 設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2列に配置された搬送チェーンを有するコンベアと、前記搬送チェーンの間に配置された架台と、前記架台の下に配置された装置とを有する設備において前記装置を保守する保守方法であって、
昇降機を有し前記コンベアによって搬送可能に構成された作業補助機を前記架台が配置されている第1位置まで前記コンベアで搬送し、
前記作業補助機の前記昇降機によって前記架台を持ち上げ、
前記作業補助機を前記第1位置とは異なる第2位置まで前記コンベアで搬送し、
前記架台の移動によって形成された開口を利用して前記装置を保守し、
前記作業補助機を前記第2位置から前記第1位置まで前記コンベアで搬送し、
前記作業補助機の前記昇降機によって前記架台を元の位置まで降ろす、
ことを特徴とする保守方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−23780(P2009−23780A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187564(P2007−187564)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)