保守装置、保守方法および保守プログラム
【課題】ネットワーク接続されていない環境下においても、CEが保守対象装置の設定情報と統計情報との比較による保守作業を少ない負荷で実行する。
【解決手段】通信部は、ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに統計グラフ画像を取得する。読取部は、ネットワーク接続されていない保守対象装置の設定情報を格納した記録媒体を読み取る。統計グラフパターン判定部は、記憶部を参照し、適合する統計グラフパターンを判定する。統計グラフ画像読込部は、統計グラフパターンに対応する統計グラフ画像を記憶部から読込む。分析結果画像表示部は、統計グラフ画像に対して設定値の位置を表す設定値表示画像を設定項目ごとの設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する。
【解決手段】通信部は、ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに統計グラフ画像を取得する。読取部は、ネットワーク接続されていない保守対象装置の設定情報を格納した記録媒体を読み取る。統計グラフパターン判定部は、記憶部を参照し、適合する統計グラフパターンを判定する。統計グラフ画像読込部は、統計グラフパターンに対応する統計グラフ画像を記憶部から読込む。分析結果画像表示部は、統計グラフ画像に対して設定値の位置を表す設定値表示画像を設定項目ごとの設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置などのMFP(Multifunction Peripheral)の保守装置、保守方法および保守プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置などのMFPには、CE(Customer Engineer)のみが設定を行うことができる項目が多数存在する。これらの項目はMFPの動作に直接影響を及ぼすものであり、設定を変更することで不具合を解消することもできるが、逆に動作を不安定にしたりすることもある。
【0003】
また、通常CEは顧客の使用状況や機体の特性に合わせ設定を行うが、設定項目があまりに多岐にわたるため、あるいは、複数の設定項目が要因となって問題を引き起こすことがあるために、適切な設定を行うことが困難なことがある。このような場合には、市場にある他の機体の情報、特にその統計情報が参考になることがある。
【0004】
その一方、統計情報を参照しながら自分のデータ(設定値)と比較する場合は、文書や表による表示よりもグラフや図による表示の方がより直感的で分かり易い。このため、統計情報をMFPのコントロールパネルに表示させる手法が知られている。
【0005】
しかし、複数の機体に係るデータを解析して統計情報を計算し、更にグラフに落とし込むには多くのデータと計算が必要であり、CEが持参することが想定されるノートPCやスマートフォンなどの端末ではパフォーマンスの低下を引き起こしかねない。
【0006】
そこで、多くの場合、統計計算はサーバ側で行い、その結果のみをノートPCなどにダウンロードする手法がとられる。例えばMFPが搭載するブラウザからインターネットを通じて閲覧する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−116671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、MFPは、セキュリティなどの問題によりインターネットに接続されていないことも多い。また、CEの保有するノートPCは拠点(サービスセンターなど)ではインターネットに接続できるものの、客先(MFP設置場所)ではインターネットに接続できない場合も多い。
【0009】
このような場合には、サーバで統計計算を行った後グラフや図を作成するのに必要なデータのみを拠点であらかじめダウンロードしておく方法が考えられるが、それでもノートPC内でグラフを作成し、表示するには多くの計算を行う必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、ネットワーク接続されていない環境下においても、CEが保守対象装置の設定情報と統計情報との比較による保守作業を少ない負荷で実行可能な保守装置、保守方法および保守プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る保守装置は、通信部、記憶部、読取部、統計グラフパターン判定部、統計グラフ画像読込部および分析結果画像表示部を備えることを特徴とする。
【0012】
通信部は、ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報をモデル名および設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する。記憶部は、通信部で取得された統計グラフパターンおよび統計グラフ画像を関連付けて記憶する。読取部は、ネットワーク接続されていない保守対象装置の設定情報を格納した記録媒体を読み取る。統計グラフパターン判定部は、読取部で読み取った設定情報に含まれる設定項目およびモデル名をキーとして記憶部を参照し、適合する統計グラフパターンを設定項目およびモデル名の組合せごとに判定する。統計グラフ画像読込部は、統計グラフパターン判定部で判定された統計グラフパターンに対応する統計グラフ画像を記憶部から読込む。分析結果画像表示部は、統計グラフ画像読込部で読込まれた統計グラフ画像に対して設定値の位置を表す設定値表示画像を設定項目ごとの設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る保守装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】図1に示す保守装置と画像形成装置との関係の一例を示す図。
【図3】画像形成装置と分析サーバとの関係の一例を示す図。
【図4】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される機体情報用テーブルT1の具体例を示す図。
【図5】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶されるエラー情報テーブルT2の具体例を示す図。
【図6】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶されるデータベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3の具体例を示す図。
【図7】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される機体設定リストT4の具体例を示す図。
【図8】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5の具体例を示す図。
【図9】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の具体例を示す図。
【図10】図1に示す統計グラフ画像データベースに記憶される統計グラフ画像の具体例を示す図。
【図11】図1に示す保守装置の初期画面D1の具体例を示す図。
【図12】図1に示す保守装置における画面遷移の具体例を示す図。
【図13】図1に示す保守装置の機体情報の取得画面D2の具体例を示す図。
【図14】図1に示す保守装置のサーバへ接続画面D3の具体例を示す図。
【図15】図1に示す保守装置の機体情報の分析画面D4の具体例を示す図。
【図16】図1に示す保守装置の動作の概要の具体例を示すフローチャート。
【図17】図11に示す初期画面D1において『機体情報の取得』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャート。
【図18】図17に示す『機体情報の取得』において実行される『データの取得処理』の具体例を示すフローチャート。
【図19】図18に示す『データの取得処理』の後に実行される『エラー情報の挿入処理』の具体例を示すフローチャート。
【図20】図11に示す初期画面D1において『機体情報の分析』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャート。
【図21】図20に示す『機体情報の分析』の後に実行される『統計データの表示処理』の具体例を示すフローチャート。
【図22】図21のS604乃至S606に示す画像合成方法を具体的に説明する図。
【図23】図11に示す初期画面D1において『サーバへ接続』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャート。
【図24】図23のS712に示す『統計データのダウンロード処理』の具体例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る保守装置10の全体構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の保守装置10は、CPU等の演算部11と、メモリ等の主記憶部12と、HDD(Hard Disc Drive)やメモリ等の補助記憶部13と、ディスプレイ等の表示装置18に表示させるための画像情報を生成し供給する表示装置接続部14と、マウス、キーボード等の入力装置19とのインターフェースである入力装置接続部15と、USB(Universal Serial Bus)メモリ20等の外部記憶媒体のインターフェースである読取部16と、インターネット等のネットワークに接続して通信を行う通信部17を有している。
【0015】
ただし、保守装置10は、サービスマンが機体設置先へ持ち運ぶことを前提としているため、サービスマンが持ち運びできる形態、例えば、ノートパソコンまたは同等の形態となっていることが望ましい。
【0016】
図2は、図1に示す保守装置10と画像形成装置Mとの関係の一例を示す図である。ここでは、画像形成装置Mの設定情報等の情報は、LAN等のネットワークを介してオンラインで保守装置10等へ供給されるのではなく、USB(Universal Serial Bus)メモリ20等の着脱可能な記録媒体を介してオフライン状態(インターネット等の通信回線に接続されていない状態)で保守装置10等へ供給される場合を想定している。これは、現在の市場において、オフライン状態の画像形成装置等が、未だ相当数存在しており、また、インターネット等の通信回線には接続されていてもセキュリティの問題から、機体情報を提供していない機体も多いことを考慮したものである。
【0017】
図3は、画像形成装置Mと分析サーバSとの関係の一例を示す説明図である。ここでは、画像形成装置Mは、ネットワークNにより接続された状態では、分析サーバSにより設定値を自動的に収集され、分析サーバS側で蓄積されることによって、分析サーバSにおいて統計データが更新されていくことが示されている。尚、サービスマンが保守作業を完了後にサービスセンタに帰り、保守装置10を分析サーバSにネットワークNを介して接続すると、上述した図2の作業によって保守装置10内に収集された設定情報が自動的に収集され、図3の場合と同様に分析サーバS側で蓄積される。
【0018】
また、保守装置10の補助記憶部13には、画像形成装置M用の保守アプリケーション131、画像形成装置Mの保守アプリケーション用データベース132および統計グラフ画像データベース133が格納されている。
【0019】
保守アプリケーション131は、画面遷移制御アプリケーション131A、機体情報取得アプリケーション131B、機体情報分析アプリケーション131Cおよびサーバ接続アプリケーション131D等を含んでいる。これらのアプリケーションは、演算部11によって補助記憶部13から主記憶部12上に展開され、それぞれ実行される。
【0020】
画面遷移制御アプリケーション131Aは、ユーザからの要求に応じて初期画面D1からの画面遷移を制御すると共に、画面上での操作に応じて各種のアプリケーションを呼び出すプログラムである。
【0021】
機体情報取得アプリケーション131Bは、USBメモリ20などの記録媒体が接続された際に、記録媒体に記録されている設定情報を読取部16で取得し、保守アプリケーション用データベース132に格納するプログラムである。
【0022】
機体情報分析アプリケーション131Cは、機体情報取得アプリケーション131Bによって保守アプリケーション用データベース132に格納された設定情報の分析を行うプログラムである。具体的には、機体情報分析アプリケーション131Cは、以下の三つのステップを実行ステップの中に含んでいる。
【0023】
1.統計グラフパターン判定ステップ
読取部16で読み取った設定情報に含まれる設定項目およびモデル名をキーとして補助記憶部13(保守アプリケーション用データベース132)を参照し、適合する統計グラフパターンを設定項目およびモデル名の組合せごとに判定する。
2.統計グラフ画像読込ステップ
統計グラフパターン判定ステップで判定された統計グラフパターンに対応する統計グラフ画像を補助記憶部13(統計グラフ画像データベース133)から読込む。
3.分析結果画像表示ステップ
統計グラフ画像読込ステップで読込まれた統計グラフ画像に対して設定値の位置を表す設定値表示画像を設定項目ごとの設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する。
【0024】
サーバ接続アプリケーション131Dは、ユーザからの要求に応じて通信部17と分析サーバSとの接続を確立し、保守装置10内に格納されている機体の設定情報を分析サーバSへアップロード、あるいは、分析サーバSから統計情報を分析サーバSから保守対象とする機体についての統計情報(統計グラフパターンおよび統計グラフ画像など)をダウンロードして保守アプリケーション用データベース132に格納するプログラムである。
【0025】
また、図1に示される保守アプリケーション用データベース132は、例えば、機体情報用テーブルT1、エラー情報テーブルT2、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3、設定値情報テーブルT4、設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6により構成されている。以下、各テーブルについて詳細に説明する。
【0026】
図4は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶される機体情報用テーブルT1の具体例を示す図である。ここでは、機体情報用テーブルT1は、一台一台の機体に固有の識別番号であって分析サーバSにより与えられるグローバルID、機体情報用テーブルT1内の整理番号であるローカルID、一台一台の機体に固有の識別番号でありメーカーから与えられるシリアル番号、その機種を特定するモデル名をカラムとして構成されている。
【0027】
図5は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶されるエラー情報テーブルT2の具体例を示す図である。ここでは、エラー情報テーブルT2は、一台一台の機体に固有の識別番号であり分析サーバSにより与えられるグローバルID、機体情報用テーブルT1内の整理番号であるローカルID、一台一台の機体に固有の識別番号でありメーカーから与えられるシリアル番号、その機種を特定するモデル名、その機体の駆動している時間である駆動時間、その機体が印刷した延べ印刷枚数または1日の印刷枚数である印刷枚数、その機体において用紙等がジャムを起こした発生回数を記録しているJam発生回数のカラムによって構成されている。
【0028】
図6は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶されるデータベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3の具体例を示す図である。ここでは、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3は、DB(データベース)カラム名と、ログデータタイトルのカラムによって構成されている。駆動時間は、実行時間または実動時間に対応し、印刷枚数は、プリント枚数またはプリントカウンタに対応している。
【0029】
図7は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶される設定値情報テーブルT4の具体例を示す図である。ここでは、設定値情報テーブルT4は、設定値情報テーブルT4内の整理番号であるローカルID、その機種を特定するモデル名、評価の対象となる画像形成装置の設定項目、この設定項目に設定された値である設定値のカラムによって構成されている。読取部16が、USBメモリ20から保守対象装置の設定値を読み取ると、設定値情報テーブルT4は逐次更新される。
【0030】
図8は、図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5の具体例を示す図である。ここでは、設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5は、 機種を特定するモデル名、 評価の対象となる画像形成装置の設定項目、分析サーバS側で同一のモデル名かつ、同一の設定項目に係る設定値について予め統計分析して得られた統計グラフパターン、統計分析によって得られた設定値の最大値および最小値のカラムによって構成されている。このように、市場における多数の機体の設定情報を収集した高性能な分析サーバS側で予め統計分析を行っておき、設定値のおおまかな分布パターンを統計グラフパターンとして分析サーバS側で予め定義しておくことで、処理能力の低い保守装置10上でもオフライン環境下で簡易な統計分析が可能となっている。
【0031】
図9は、図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の具体例を示す図である。ここでは、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6は、 統計グラフパターン、 統計グラフ画像名のカラムによって構成されている。
【0032】
図10は、図1に示す統計グラフ画像データベース133に記憶される統計グラフ画像の具体例を示す図である。ここでは、分析サーバSから保守装置10にダウンロードされる統計グラフ画像が4種類だけ示されているが、統計グラフ画像の種類はこれらに限定されない。すなわち、折れ線グラフや棒グラフなどで表された更に詳細なグラフを任意の数だけ追加可能である。
【0033】
なお、上述した本発明の一実施形態の構成は、あくまで一例であり、実際の実装はこの構成に限るものではない。例えば、保守アプリケーション用データベース132は、単一のテーブルによって構成されても、複数のテーブルから(リレーショナルデータモデルに基づいて)構成されても、csvファイルなど保守アプリケーション用データベース132の代替となるもので構成されてもよい。
【0034】
また、シリアル番号とモデル名を主キーとすることで、分析サーバSを含めた管理下にある画像形成装置を自社製品・他社製品にかかわらず、一意に決定することができる。このほかの組み合わせとしては、シリアル番号とメーカー名などが可能である。
【0035】
≪保守装置の操作画面≫
次に、保守装置10の操作画面について説明する。図11は、図1に示す保守装置10の初期画面D1の具体例を示す図である。ここでは、初期画面D1には、“機体情報の取得”ボタン50、“機体情報の分析”ボタン51、“サーバへ接続”ボタン52にそれぞれ対応付けられた4つメニューが用意され、ユーザはこの中から実行したいメニューを入力装置19を操作して選択する。操作情報は、入力装置接続部15を通して保守装置10へ入力される。また、“終了”ボタンが押下されると初期画面D1が閉じられ、処理が終了する。なお、ここでいう『機体』とは画像形成装置Mを指し、画像形成装置Mは複合機、プリンタ、スキャナ、ファックス等により成っている。
【0036】
図12は、図1に示す保守装置10における画面遷移の具体例を示す図である。同図に示されるように、保守装置10は、初期画面D1から遷移する複数の操作画面を有している。ここでは、初期画面D1からは機体情報の取得画面D2、サーバへ接続画面D3へ、機体情報の分析画面D4へとそれぞれ遷移でき、遷移先から戻れることが示されている。
【0037】
図13は、図1に示す保守装置10の機体情報の取得画面D2の具体例を示す図である。ここでは、機体のデータを格納した外部記録装置を指定する“ドライブ選択”コンボボックス54と、どの機体のデータを保守アプリケーション用データベース132に入力するかを指定させる“機体選択”リスト55と、“初期画面D1に戻る”ボタン56を備える。
【0038】
図14は、図1に示す保守装置10の分析サーバSへ接続画面D3の具体例を示す図である。この画面においては、“サーバへ接続”ボタン61、“統計データ取得”ボタン62があり、ボタンが押下されるとそれぞれの処理を実行する。また、“初期画面D1へ戻る”ボタン63が押下されると初期画面D1へ遷移する。
【0039】
図15は、図1に示す保守装置10の機体情報の分析画面D4の具体例を示す図である。この画面においては、“表示”ボタン72が押下されると機体選択”コンボボックス71のリストで選択された機体(CEの保守対象装置)の各設定項目の設定値と統計データとの比較結果を分析結果表示部73に図表で提示する。また、“初期画面D1へ戻る”ボタン74が入力されると初期画面D1へ遷移する。表示できる機体が複数ある場合は、“機体選択”コンボボックス71のリストから再度選択することで切替表示が可能である。
【0040】
≪保守装置全体の動作≫
以下、本実施形態の保守装置10の動作について、図16乃至図24を用いて詳細に説明する。図16は、保守装置10の動作の概要の具体例を示すフローチャートである。
S101において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1を表示装置接続部14を介して表示装置18に表示し、ユーザの入力装置19からの入力を待つ。
【0041】
S102において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“機体情報の取得”ボタン50が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“機体情報の取得”ボタン50が押下されたと判定した場合(S102:YES)は、機体情報取得アプリケーション131Bを起動し、“機体情報の取得”を実行する(後述する図17)。これに対し、初期画面D1において、“機体情報の取得”ボタン50が押下されていないと判定した場合(S102:NO)は、S103へ進む。
【0042】
S103において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“機体情報の分析”ボタン51が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“機体情報の分析”ボタン51が押下されたと判定した場合(S103:YES)は、機体情報分析アプリケーション131Cを起動し、“機体情報の分析”を実行する(後述する図20)。これに対し、初期画面D1において、“機体情報の分析”ボタン51が押下されていないと判定した場合(S103:NO)は、S104へ進む。
【0043】
S104において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“サーバへ接続”ボタン52が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“サーバへ接続”ボタン52が押下されたと判定した場合(S104:YES)は、サーバ接続アプリケーション131Dを起動し、“サーバへ接続”を実行する(後述する図23)。これに対し、初期画面D1において、“サーバへ接続”ボタン52が押下されていないと判定した場合(S104:NO)は、S102へ戻る。
【0044】
S105において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“終了”ボタンが押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“終了”ボタンが押下されたと判定した場合(S105:YES)は、初期画面D1を閉じ、処理を終了する。これに対し、初期画面D1において、“終了”ボタンが押下されていないと判定した場合(S105:NO)は、S105へ戻る。
【0045】
≪機体情報の取得≫
図17は、機体情報の取得』を説明するフローチャートである。この処理は、ユーザが図11に示す初期画面D1において“機体情報の取得”ボタン50を押下した場合(図16のS12:YES)に画面遷移制御アプリケーション131Aから機体情報取得アプリケーション131Bが起動されることで実行される。
【0046】
S201において、機体情報取得アプリケーション131Bは、機体情報の取得画面D2を表示する。
S202において、機体情報取得アプリケーション131Bは、機体情報の取得画面D2において“初期画面へ戻る”ボタン56が押下されたか否かを判定する。ここで、“初期画面へ戻る”ボタン56が押下されたと判定した場合(S202:YES)、画面遷移制御アプリケーション131Aを起動し、初期画面D1へ戻る。これに対し、“初期画面へ戻る”ボタン56が押下されていないと判定した場合(S202:NO)は、機体情報取得アプリケーション131Bは、“ドライブ選択”コンボボックス54で外部記録装置を指定させると共に、読取部16にUSBメモリ等の外部記録装置の接続を促し(S203)、外部記録装置が接続されるとS204へ進む。
【0047】
S204において、機体情報取得アプリケーション131Bは、外部記録装置の中に保守アプリケーション用データベース132に追加できるデータがあるか否かを判定する。データは機体ごとに取り出せるように格納されており、データ取得は各機体のデータごとに行う。ここで、追加できるデータが存在すると判定した場合(S204:YES)は、機体情報取得アプリケーション131Bは、データ取得できるデータをもつ機体のシリアル番号とモデル名を機体選択リスト55へ追加し(S205)、S207へ進む。これに対し、追加できるデータが存在しないと判定した場合(S204:NO)は、S206へ進む。
【0048】
S206において、機体情報取得アプリケーション131Bは、取得できるデータがないことをポップアップ表示すると、初期画面D1へ戻る。
S207において、機体情報取得アプリケーション131Bは、取得できるデータが他にも存在するか否かを判定する。ここで、取得できるデータが他にも存在すると判定した場合(S207:YES)は、S205へ戻り、取得できるデータが存在する間は同様の処理を繰り返す。これに対し、取得できるデータが他には存在しないと判定した場合(S207:NO)は、機体情報の取得画面D2に取得リスト(機体選択リスト55)を提示し(S208)、S209へ進む。
【0049】
S209において、機体情報取得アプリケーション131Bは、機体情報の取得画面D2の取得リスト(機体選択リスト55)において“取り込む”ボタンが押下され、取得データが選択されたか否かを判定する。ここで、取得データが選択されたと判定した場合(S209:YES)は、機体情報取得アプリケーション131Bは、図18を用いて後述するデータ取得処理へ進む。これに対し、取得データが選択されていないと判定した場合(S209:NOは、選択されるまで待機状態が維持される。
【0050】
[データの取得処理]
図18は、図17に示す『機体情報の取得』において実行される『データの取得処理』の具体例を示すフローチャートである。この処理は、上述のように取得したいデータが決定(図17のS207:YES)されると開始される。
【0051】
S301において、機体情報取得アプリケーション131Bは、選択された機体のシリアル番号、モデル名、エラー情報を取得する。具体的には、機体情報取得アプリケーション131Bは、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3を用い、機体間の誤差を吸収しながらエラー情報を取得する。エラー情報はモデルやメーカーによって異なることが想定されるものの、データの規格化も進んでおり、ある程度の情報は各機体共通で取得できるものと思われる。そこで、より多くの情報を取得するため、ここではデータベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3を用いている。なお、エラー情報とはシリアル番号、モデル名以外のデータを指し、駆動時間や印刷枚数などエラーとは直接関係のないデータも含まれる可能性がある。また、エラー情報はタイトル(データの種類)とデータ(値)で構成されるものとする。
【0052】
S302において、機体情報取得アプリケーション131Bは、S301で取得されたシリアル番号およびモデル名をもとに、保守アプリケーション用データベース132内の機体情報用テーブルT1を走査する。
【0053】
S303において、機体情報取得アプリケーション131Bは、取得したデータと同じ機体のデータが存在するか否か判定する。ここで、取得したデータと保守アプリケーション用データベース132内のデータそれぞれのシリアル番号とモデル名をキーとして走査した結果、この2項目が取得するデータと保守アプリケーション用データベース132内のデータで一致するものが存在すると判定した場合(S303:YES)は、これを上記“同じ機体”と判定し、下記“同じ機体が存在する場合”の処理を行うべくS304へ進む。これに対し、一致するものが存在しないと判定した場合(S303:NO)は、下記“同じ機体が存在しない場合”の処理を行うべくS309へ進む。
【0054】
S304において、機体情報取得アプリケーション131Bは、グローバルIDおよびローカルIDを取得し、S301で取得したデータに既存のデータと同じグローバルIDおよびローカルIDを発行する。そして、既存のレコードを削除(S305)した後、新たなレコードを作成し(S306)、取得するレコードのローカルID、グローバルID、シリアル番号、モデル名を機体情報用テーブルT1へ挿入し(S307、S308)、後述する図19のエラー情報の挿入処理へ進む。
【0055】
S309において、機体情報取得アプリケーション131Bは、同じ機体のデータが存在しないことから、新たにローカルIDを発行する。このとき、ローカルIDは、データベース内で重複することがないように決定する。例えば、ローカルIDは正の整数値を取り、新たにローカルIDが発行される場合そのローカルIDは、発行したローカルIDのうち最大のものに+1とする。この手法ではローカルIDは発行するたびに1ずつ増えていくことになり、ローカルIDが重複することは無い。そして、機体情報用テーブルT1に新たなレコードを作成後(S310)、取得するデータのローカルID、シリアル番号、モデル名を挿入し(S311、S308)、後述する図19のエラー情報の挿入処理へ進む。
【0056】
[エラー情報の挿入処理]
図19は、図18に示す『データの取得処理』の後に実行される『エラー情報の挿入処理』の具体例を示すフローチャートである。この処理は、上述のように既存データの有無の判定とレコード操作が完了した後に開始される。
【0057】
S401において、機体情報取得アプリケーション131Bは、エラー情報の中でチェックしていないデータが存在するか否かを判定する。これは、エラー情報の配列の長さに対する自身の位置などから判断する。ここで、チェックしていないデータが存在すると判定した場合(S401:YES)は、そのデータのタイトルを取得(チェック)し(S402)、S403へ進む。これに対し、チェックしていないデータが存在しないと判定した場合(S402:NO)は、エラー情報のチェックを終了し、初期画面D1へ戻る。
【0058】
S403において、機体情報取得アプリケーション131Bは、S402で取得したタイトルがエラー情報テーブルT2のカラム名に存在するタイトルと同一か否かを判定する。ここで、取得したタイトルがエラー情報テーブルT2のカラム名に存在するタイトルと同一と判定した場合(S403:YES)は、S407へ進む。これに対し、取得したタイトルがエラー情報テーブルT2のカラム名に存在するタイトルと同一でないと判定した場合(S403:NO)は、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3を参照し(S404)、S405へ進む。
【0059】
S405において、機体情報取得アプリケーション131Bは、対応テーブルT3に当該タイトルが存在するか否かを判定する。ここで、対応テーブルT3にタイトルが存在すると判定した場合(S405:YES)は、データの挿入先を対応するカラムに変更(S58)し、S407へ進む。これに対し、対応テーブルにタイトルが存在しないと判定した場合(S405:NO)は、S401に戻る。なお、上記対応テーブルには保守アプリケーション用データベース132のカラム名と、それに対応するエラー情報のタイトルが記録されており、これを参照することでエラー情報のタイトルの違いを修正することができる。
【0060】
S407において、機体情報取得アプリケーション131Bは、データの型がデータ挿入先のカラムのデータ型と一致するか否かを判定する。ここで、データの型がデータ挿入先のカラムのデータ型と一致すると判定した場合(S407:YES)は、データを挿入して(S409)、S401へ戻り、再度チェックしていないデータが存在するかどうかの判定を行う。これに対し、データの型がデータ挿入先のカラムのデータ型と一致しないと判定した場合(S407:NO)は、取得したデータをデータ挿入先のカラムのデータ型に変換(S408)した後に、データを挿入する(S409)。そして、S401に戻り、再度チェックしていないデータが存在するか否かの判定を行う。
【0061】
≪機体情報の分析≫
図20は、図11に示す初期画面D1において『機体情報の分析』を選択した場合の保守装置10の動作の具体例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが初期画面D1において“機体情報の分析”ボタン51を押下した場合(図16のS103:YES)に画面遷移制御アプリケーション131Aから機体情報分析アプリケーション131Cが起動されることで実行される。
【0062】
S501において、機体情報分析アプリケーション131Cは、図15に示すような機体情報の分析画面D4を表示する。
S502において、機体情報分析アプリケーション131Cは、保守アプリケーション用データベース132内の機体情報用テーブルT1を走査する。
【0063】
S503において、機体情報分析アプリケーション131Cは、分析可能なデータが存在するか否かを判定する。ここで、分析可能なデータが1件以上あると判定した場合(S503:YES)は、S504へ進む。これに対し、分析可能なデータは存在しないと判定した場合(S503:NO)は、S505へ進む。
【0064】
S504において、機体情報分析アプリケーション131Cは、分析可能なデータの機体を表示し、S506へ進む。
S505において、機体情報分析アプリケーション131Cは、分析できるデータがないことをポップアップで機体情報の分析画面D4に表示し、初期画面D1へ戻る。
【0065】
S506において、機体情報分析アプリケーション131Cは、機体情報の分析画面D4において“表示”ボタン72が押下され、分析する機体が選択されたか否かを判定する。ここで、“分析する機体が選択されたと判定した場合(S506:YES)は、後述する統計データ表示処理(図21)へ進む。これに対し、“分析する機体が選択されていないと判定した場合(S506:NO)は、選択されるまで待機状態が維持される。
【0066】
[統計データの表示処理]
図21は、図20に示す『機体情報の分析』の後に実行される『統計データの表示処理』の具体例を示すフローチャートである。この処理は、機体情報の分析画面D4において分析対象の機体を選択(図20:S506:YES)することで開始される。
【0067】
S601において、機体情報分析アプリケーション131Cは、選択された機体の設定情報に含まれるモデル名と設定項目をキーにして設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5を検索し、対象のレコードがあれば設定項目についての統計グラフパターンを取得する。
S602において、機体情報分析アプリケーション131Cは、S601で取得した統計グラフパターンをキーとして統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6から統計グラフ画像を取得する。
【0068】
S603において、機体情報分析アプリケーション131Cは、機体のローカルIDおよび設定項目をキーとして設定値情報テーブルT4から設定値を、モデル名および設定項目をキーとして設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5から統計データを表示する設定項目の設定値の最大値および最小値をそれぞれ取得する。
S604において、機体情報分析アプリケーション131Cは、S603で取得した設定項目の設定値、最大値および最小値に基づいて統計グラフ画像中の基準点の座標を決定する。
【0069】
S605において、機体情報分析アプリケーション131Cは、S604で決定した設定項目の設定値の座標と基準点の座標に基づいて設定値表示画像と統計グラフ画像を合成する。
S606において、機体情報分析アプリケーション131Cは、設定値表示画像の合成位置に合わせて注釈用画像を合成する。
【0070】
図22は、図21のS604乃至S606に示す画像合成方法を具体的に説明する図である。ここでは、取得した統計グラフ画像が横向きの折れ線グラフの画像、設定値表示画像および注釈表示画像が横向きの画像であり、統計グラフ画像のx軸が台数、y軸が設定値を表している(図22(a))。また、統計グラフ画像の左下の点Pが設定値の最小値に対応する原点であり、その座標は(0,0)である。また、統計グラフ画像の一辺の長さが1であるとき、設定値の最大値に対応する点Qの座標は(0,1)である。そして、設定値表示用画像を付す際の画像開始点A(x1,y1)の座標は(0,(((設定値)−(最小値))/((最大値)−(最小値))))、画像終了点B(x2,y2)の座標は設定値表示用画像の横幅wを考慮して(x1+w,y1)と算出される。また、注釈表示画像が設定値表示用画像の終了点B(x2,y2)の隣に距離gを空けて表示する場合、注釈表示画像の画像開始点C(x3,y3)の座標は(x2+g,y2)と算出される(図22(b)。
【0071】
そして、各画像について算出された座標に基づいて3つの画像を重ね合わせ、分析結果表示画像が完成する(図22(c))。尚、統計グラフ画像1(図9)上に設定項目の値を記す方法は上記のような複数の画像の合成に限らない。例えば、統計グラフ画像のコピーを直接編集する方法でも良いし、予め統計グラフ画像、設定値表示用画像および注釈用画像を合成した画像を幾つか用意しておき、読込んでも良い。また、設定値表示用画像および注釈表示用画像は全設定値に対して共通のものでよいが、設定値ごとに用意しても良い。
【0072】
S607において、機体情報分析アプリケーション131Cは、合成した統計グラフ画像を機体情報の分析画面D4の分析結果表示部73中に表示する。
【0073】
S608において、機体情報分析アプリケーション131Cは、全ての設定項目の表示が完了したか否かを判定する。ここで、全ての設定項目の表示が完了したと判定した場合(S608:YES)は、S609へ進む。これに対し、全ての設定項目の表示が完了していないと判定した場合(S608:NO)は、S603へ戻り、完了するまで同様の処理を繰り返す。
【0074】
S609において、機体情報分析アプリケーション131Cは、機体情報の分析画面D4において初期画面へ戻るボタン74が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面へ戻るボタン74が押下されたと判定した場合(S609:YES)は、初期画面D1へ戻る。これに対し、初期画面へ戻るボタン74が押下されていないと判定した場合(S609:NO)は、待機状態を維持する。
【0075】
≪サーバへ接続≫
図23は、図11に示す初期画面D1において『サーバへ接続』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが初期画面D1において“サーバへ接続”ボタン52を押下した場合(図16のS104:YES)に画面遷移制御アプリケーション131Aからサーバ接続アプリケーション131Dが起動されることで実行される。
【0076】
S701において、サーバ接続アプリケーション131Dは、サーバSへ接続画面D3を表示する。
S702において、サーバ接続アプリケーション131Dは、サーバへ接続画面D3において“サーバへ接続”ボタン61が選択されたか否かを判定する。ここで、“サーバへ接続”ボタン61が選択されたと判定した場合(S702:YES)は、S702へ進む。これに対し、“サーバへ接続”ボタン61が選択されていないと判定した場合(S702:NO)は、S710へ進む。
【0077】
S703において、サーバ接続アプリケーション131Dは、通信部17を通して、データ収集用の分析サーバSへアクセスできることを確認する。ここで、分析サーバSに接続できると判定した場合(S703:YES)は、サーバ接続アプリケーション131Dは、保守アプリケーション用データベース132内の機体情報用テーブルT1を検索し(S704)、S705へ進む。これに対し、分析サーバSに接続できないと判定した場合(S703:NO)は、S705へ進む。
【0078】
S705において、サーバ接続アプリケーション131Dは、サーバに接続できないことをポップアップでサーバへ接続画面D3へ表示し、初期画面D1へ戻る。
【0079】
S706において、サーバ接続アプリケーション131Dは、グローバルIDがまだ割り振られていないデータが存在するか否かを判定する。ここで、グローバルIDがまだ割り振られていないデータが存在すると判定した場合(S706:YES)は、S707へ進む。これに対し、当該データが存在しないと判定した場合(S706:NO)は、S709へ進む。
【0080】
S707において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSへシリアル番号とモデル名をアップロードするとともに、グローバルIDの発行を要求する。このS707においては、アプリケーション自身にIDが振られている場合、あるいは、MACアドレスなど何らかの方法で分析サーバSが分析サーバSにアクセスしているアプリケーションを識別できる場合、サーバ接続アプリケーション131Dは、シリアル番号とモデル名をアップロードする代わりに、ローカルID(とアプリケーションを認識するための情報)をアップロードすることでもグローバルIDを要求することができる。
【0081】
しかし、同一機体を複数のサービスマンが訪問した場合などを考慮すると、シリアル番号とモデル名など、アプリケーションに依存せず機体を特定できる情報をアップロードすることが好ましい。
【0082】
S708において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSからグローバルIDが発行されたら、それを受信して、グローバルIDカラムへ挿入し、S704へ戻る。
【0083】
S709において、サーバ接続アプリケーション131Dは、全ての機体にグローバルIDが振られたら、アップロードしていない機体が存在するか否かを判定する。ここで、アップロードしていない機体が残っていると判定した場合(S709:YES)は、グローバルIDとエラー情報をサーバSへアップロードし(S710)、S709へ戻る。これに対し、アップロードしていない機体が残っていないと判定した場合(S709:NO)は、初期画面D1へ戻る。
【0084】
尚、上述のS710において、サーバ接続アプリケーション131Dは、エラー情報のほかに、機体の設定情報も保守アプリケーション用データベース132に取り込むことができる。「機体の設定」とは、例えばスキャン位置の調整、用紙の上下左右のマージン調整、モータの速度調整などの、画像形成装置の動作に関わる設定項目である。あるいは、ファームウェアのバージョンのような、機体の状態を表す項目も含む。ユーザは、機体の利用頻度や用途に合わせて、これらの設定値を工場出荷時の状態から変更することができる。
【0085】
このとき、誤って意図していない設定値に設定してしまったり、あまり一般的でない設定値に設定したりしてしまうことがある。どのような値でも設定として反映されてしまった以上、これ自体はエラーとはいえず、設定した当人は気付きにくい。しかし、その状態で動作させ続けることで、設定値の組合せによっては結果として、潜在的に機体がエラーを引き起こす可能性が高まっていく。本実施形態では、このような設定値については、後述する統計データパターンとの比較によって対処する。
【0086】
S711において、サーバ接続アプリケーション131Dは、“統計データを取得”ボタン62が選択されたか否かを判定する。ここで、“統計データを取得”ボタン62が選択されたと判定した場合(S711:YES)は、統計データのダウンロード処理を行い(S712)、S702へ戻る。統計データのダウンロード処理の詳細については図24を用いて後述する。これに対し、“統計データを取得”ボタン62が選択されていないと判定した場合(S711:NO)は、S713へ進む。
【0087】
S713において、サーバ接続アプリケーション131Dは、“初期画面へ戻る”ボタン63が選択されたか否かを判定する。ここで、“初期画面へ戻る”ボタン63が選択されたと判定した場合(S713:YES)は、初期画面D1へ戻る。これに対し、“初期画面へ戻る”ボタン63が選択されていないと判定した場合(S713:NO)は、S702へ戻る。
【0088】
[統計データのダウンロード取得処理]
図24は、図23のS712に示す『統計データのダウンロード処理』の具体例を示すフローチャートである。
【0089】
S801において、サーバ接続アプリケーション131Dは、通信部17を介して分析サーバSに対して設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の最新データのダウンロードを要求する。
S802において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSからダウンロードの許可が得られると、通信部17を介して設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の最新データをダウンロードし、保守アプリケーション用データベース132を更新する。
【0090】
S803において、サーバ接続アプリケーション131Dは、通信部17を介して分析サーバSに対して最新の統計グラフ画像データのダウンロードを要求する。
S804において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSからダウンロードの許可が得られると、通信部17を介して統計グラフ画像データをダウンロードし、統計グラフ画像データベース133を更新すると、処理を終了する。
【0091】
このように、本実施形態によれば、市場における多数の機体の設定情報を収集した高性能な分析サーバS側で予め統計分析を行っておき、設定値のおおまかな分布パターンを統計グラフパターンとして分析サーバS側で予め定義しておくことで、これをオンライン接続時に保守装置10内に分析サーバSからダウンロードできる。このため、保守装置10の処理能力が低く、保守作業の場所がオフライン環境下であっても、その場で簡易、かつ、必要十分な統計分析が可能となる。
【0092】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
10…保守装置
11…演算部
12…主記憶部
13…補助記憶部
14…表示装置接続部
15…入力装置接続部
16…読取部
17…通信部
18…表示装置
19…入力装置
131…保守アプリケーション
131A…画面遷移制御アプリケーション
131B…機体情報退避アプリケーション
131C…機体情報分析アプリケーション
131D…サーバ接続アプリケーション
132…保守アプリケーション用データベース
133…統計グラフ画像データベース
M…画像形成装置
N…ネットワーク
S…分析サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置などのMFP(Multifunction Peripheral)の保守装置、保守方法および保守プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置などのMFPには、CE(Customer Engineer)のみが設定を行うことができる項目が多数存在する。これらの項目はMFPの動作に直接影響を及ぼすものであり、設定を変更することで不具合を解消することもできるが、逆に動作を不安定にしたりすることもある。
【0003】
また、通常CEは顧客の使用状況や機体の特性に合わせ設定を行うが、設定項目があまりに多岐にわたるため、あるいは、複数の設定項目が要因となって問題を引き起こすことがあるために、適切な設定を行うことが困難なことがある。このような場合には、市場にある他の機体の情報、特にその統計情報が参考になることがある。
【0004】
その一方、統計情報を参照しながら自分のデータ(設定値)と比較する場合は、文書や表による表示よりもグラフや図による表示の方がより直感的で分かり易い。このため、統計情報をMFPのコントロールパネルに表示させる手法が知られている。
【0005】
しかし、複数の機体に係るデータを解析して統計情報を計算し、更にグラフに落とし込むには多くのデータと計算が必要であり、CEが持参することが想定されるノートPCやスマートフォンなどの端末ではパフォーマンスの低下を引き起こしかねない。
【0006】
そこで、多くの場合、統計計算はサーバ側で行い、その結果のみをノートPCなどにダウンロードする手法がとられる。例えばMFPが搭載するブラウザからインターネットを通じて閲覧する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−116671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、MFPは、セキュリティなどの問題によりインターネットに接続されていないことも多い。また、CEの保有するノートPCは拠点(サービスセンターなど)ではインターネットに接続できるものの、客先(MFP設置場所)ではインターネットに接続できない場合も多い。
【0009】
このような場合には、サーバで統計計算を行った後グラフや図を作成するのに必要なデータのみを拠点であらかじめダウンロードしておく方法が考えられるが、それでもノートPC内でグラフを作成し、表示するには多くの計算を行う必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、ネットワーク接続されていない環境下においても、CEが保守対象装置の設定情報と統計情報との比較による保守作業を少ない負荷で実行可能な保守装置、保守方法および保守プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る保守装置は、通信部、記憶部、読取部、統計グラフパターン判定部、統計グラフ画像読込部および分析結果画像表示部を備えることを特徴とする。
【0012】
通信部は、ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報をモデル名および設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する。記憶部は、通信部で取得された統計グラフパターンおよび統計グラフ画像を関連付けて記憶する。読取部は、ネットワーク接続されていない保守対象装置の設定情報を格納した記録媒体を読み取る。統計グラフパターン判定部は、読取部で読み取った設定情報に含まれる設定項目およびモデル名をキーとして記憶部を参照し、適合する統計グラフパターンを設定項目およびモデル名の組合せごとに判定する。統計グラフ画像読込部は、統計グラフパターン判定部で判定された統計グラフパターンに対応する統計グラフ画像を記憶部から読込む。分析結果画像表示部は、統計グラフ画像読込部で読込まれた統計グラフ画像に対して設定値の位置を表す設定値表示画像を設定項目ごとの設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る保守装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】図1に示す保守装置と画像形成装置との関係の一例を示す図。
【図3】画像形成装置と分析サーバとの関係の一例を示す図。
【図4】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される機体情報用テーブルT1の具体例を示す図。
【図5】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶されるエラー情報テーブルT2の具体例を示す図。
【図6】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶されるデータベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3の具体例を示す図。
【図7】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される機体設定リストT4の具体例を示す図。
【図8】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5の具体例を示す図。
【図9】図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の具体例を示す図。
【図10】図1に示す統計グラフ画像データベースに記憶される統計グラフ画像の具体例を示す図。
【図11】図1に示す保守装置の初期画面D1の具体例を示す図。
【図12】図1に示す保守装置における画面遷移の具体例を示す図。
【図13】図1に示す保守装置の機体情報の取得画面D2の具体例を示す図。
【図14】図1に示す保守装置のサーバへ接続画面D3の具体例を示す図。
【図15】図1に示す保守装置の機体情報の分析画面D4の具体例を示す図。
【図16】図1に示す保守装置の動作の概要の具体例を示すフローチャート。
【図17】図11に示す初期画面D1において『機体情報の取得』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャート。
【図18】図17に示す『機体情報の取得』において実行される『データの取得処理』の具体例を示すフローチャート。
【図19】図18に示す『データの取得処理』の後に実行される『エラー情報の挿入処理』の具体例を示すフローチャート。
【図20】図11に示す初期画面D1において『機体情報の分析』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャート。
【図21】図20に示す『機体情報の分析』の後に実行される『統計データの表示処理』の具体例を示すフローチャート。
【図22】図21のS604乃至S606に示す画像合成方法を具体的に説明する図。
【図23】図11に示す初期画面D1において『サーバへ接続』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャート。
【図24】図23のS712に示す『統計データのダウンロード処理』の具体例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る保守装置10の全体構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の保守装置10は、CPU等の演算部11と、メモリ等の主記憶部12と、HDD(Hard Disc Drive)やメモリ等の補助記憶部13と、ディスプレイ等の表示装置18に表示させるための画像情報を生成し供給する表示装置接続部14と、マウス、キーボード等の入力装置19とのインターフェースである入力装置接続部15と、USB(Universal Serial Bus)メモリ20等の外部記憶媒体のインターフェースである読取部16と、インターネット等のネットワークに接続して通信を行う通信部17を有している。
【0015】
ただし、保守装置10は、サービスマンが機体設置先へ持ち運ぶことを前提としているため、サービスマンが持ち運びできる形態、例えば、ノートパソコンまたは同等の形態となっていることが望ましい。
【0016】
図2は、図1に示す保守装置10と画像形成装置Mとの関係の一例を示す図である。ここでは、画像形成装置Mの設定情報等の情報は、LAN等のネットワークを介してオンラインで保守装置10等へ供給されるのではなく、USB(Universal Serial Bus)メモリ20等の着脱可能な記録媒体を介してオフライン状態(インターネット等の通信回線に接続されていない状態)で保守装置10等へ供給される場合を想定している。これは、現在の市場において、オフライン状態の画像形成装置等が、未だ相当数存在しており、また、インターネット等の通信回線には接続されていてもセキュリティの問題から、機体情報を提供していない機体も多いことを考慮したものである。
【0017】
図3は、画像形成装置Mと分析サーバSとの関係の一例を示す説明図である。ここでは、画像形成装置Mは、ネットワークNにより接続された状態では、分析サーバSにより設定値を自動的に収集され、分析サーバS側で蓄積されることによって、分析サーバSにおいて統計データが更新されていくことが示されている。尚、サービスマンが保守作業を完了後にサービスセンタに帰り、保守装置10を分析サーバSにネットワークNを介して接続すると、上述した図2の作業によって保守装置10内に収集された設定情報が自動的に収集され、図3の場合と同様に分析サーバS側で蓄積される。
【0018】
また、保守装置10の補助記憶部13には、画像形成装置M用の保守アプリケーション131、画像形成装置Mの保守アプリケーション用データベース132および統計グラフ画像データベース133が格納されている。
【0019】
保守アプリケーション131は、画面遷移制御アプリケーション131A、機体情報取得アプリケーション131B、機体情報分析アプリケーション131Cおよびサーバ接続アプリケーション131D等を含んでいる。これらのアプリケーションは、演算部11によって補助記憶部13から主記憶部12上に展開され、それぞれ実行される。
【0020】
画面遷移制御アプリケーション131Aは、ユーザからの要求に応じて初期画面D1からの画面遷移を制御すると共に、画面上での操作に応じて各種のアプリケーションを呼び出すプログラムである。
【0021】
機体情報取得アプリケーション131Bは、USBメモリ20などの記録媒体が接続された際に、記録媒体に記録されている設定情報を読取部16で取得し、保守アプリケーション用データベース132に格納するプログラムである。
【0022】
機体情報分析アプリケーション131Cは、機体情報取得アプリケーション131Bによって保守アプリケーション用データベース132に格納された設定情報の分析を行うプログラムである。具体的には、機体情報分析アプリケーション131Cは、以下の三つのステップを実行ステップの中に含んでいる。
【0023】
1.統計グラフパターン判定ステップ
読取部16で読み取った設定情報に含まれる設定項目およびモデル名をキーとして補助記憶部13(保守アプリケーション用データベース132)を参照し、適合する統計グラフパターンを設定項目およびモデル名の組合せごとに判定する。
2.統計グラフ画像読込ステップ
統計グラフパターン判定ステップで判定された統計グラフパターンに対応する統計グラフ画像を補助記憶部13(統計グラフ画像データベース133)から読込む。
3.分析結果画像表示ステップ
統計グラフ画像読込ステップで読込まれた統計グラフ画像に対して設定値の位置を表す設定値表示画像を設定項目ごとの設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する。
【0024】
サーバ接続アプリケーション131Dは、ユーザからの要求に応じて通信部17と分析サーバSとの接続を確立し、保守装置10内に格納されている機体の設定情報を分析サーバSへアップロード、あるいは、分析サーバSから統計情報を分析サーバSから保守対象とする機体についての統計情報(統計グラフパターンおよび統計グラフ画像など)をダウンロードして保守アプリケーション用データベース132に格納するプログラムである。
【0025】
また、図1に示される保守アプリケーション用データベース132は、例えば、機体情報用テーブルT1、エラー情報テーブルT2、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3、設定値情報テーブルT4、設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6により構成されている。以下、各テーブルについて詳細に説明する。
【0026】
図4は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶される機体情報用テーブルT1の具体例を示す図である。ここでは、機体情報用テーブルT1は、一台一台の機体に固有の識別番号であって分析サーバSにより与えられるグローバルID、機体情報用テーブルT1内の整理番号であるローカルID、一台一台の機体に固有の識別番号でありメーカーから与えられるシリアル番号、その機種を特定するモデル名をカラムとして構成されている。
【0027】
図5は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶されるエラー情報テーブルT2の具体例を示す図である。ここでは、エラー情報テーブルT2は、一台一台の機体に固有の識別番号であり分析サーバSにより与えられるグローバルID、機体情報用テーブルT1内の整理番号であるローカルID、一台一台の機体に固有の識別番号でありメーカーから与えられるシリアル番号、その機種を特定するモデル名、その機体の駆動している時間である駆動時間、その機体が印刷した延べ印刷枚数または1日の印刷枚数である印刷枚数、その機体において用紙等がジャムを起こした発生回数を記録しているJam発生回数のカラムによって構成されている。
【0028】
図6は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶されるデータベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3の具体例を示す図である。ここでは、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3は、DB(データベース)カラム名と、ログデータタイトルのカラムによって構成されている。駆動時間は、実行時間または実動時間に対応し、印刷枚数は、プリント枚数またはプリントカウンタに対応している。
【0029】
図7は、図1に示す保守アプリケーション用データベース132に記憶される設定値情報テーブルT4の具体例を示す図である。ここでは、設定値情報テーブルT4は、設定値情報テーブルT4内の整理番号であるローカルID、その機種を特定するモデル名、評価の対象となる画像形成装置の設定項目、この設定項目に設定された値である設定値のカラムによって構成されている。読取部16が、USBメモリ20から保守対象装置の設定値を読み取ると、設定値情報テーブルT4は逐次更新される。
【0030】
図8は、図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5の具体例を示す図である。ここでは、設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5は、 機種を特定するモデル名、 評価の対象となる画像形成装置の設定項目、分析サーバS側で同一のモデル名かつ、同一の設定項目に係る設定値について予め統計分析して得られた統計グラフパターン、統計分析によって得られた設定値の最大値および最小値のカラムによって構成されている。このように、市場における多数の機体の設定情報を収集した高性能な分析サーバS側で予め統計分析を行っておき、設定値のおおまかな分布パターンを統計グラフパターンとして分析サーバS側で予め定義しておくことで、処理能力の低い保守装置10上でもオフライン環境下で簡易な統計分析が可能となっている。
【0031】
図9は、図1に示す保守アプリケーション用データベースに記憶される統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の具体例を示す図である。ここでは、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6は、 統計グラフパターン、 統計グラフ画像名のカラムによって構成されている。
【0032】
図10は、図1に示す統計グラフ画像データベース133に記憶される統計グラフ画像の具体例を示す図である。ここでは、分析サーバSから保守装置10にダウンロードされる統計グラフ画像が4種類だけ示されているが、統計グラフ画像の種類はこれらに限定されない。すなわち、折れ線グラフや棒グラフなどで表された更に詳細なグラフを任意の数だけ追加可能である。
【0033】
なお、上述した本発明の一実施形態の構成は、あくまで一例であり、実際の実装はこの構成に限るものではない。例えば、保守アプリケーション用データベース132は、単一のテーブルによって構成されても、複数のテーブルから(リレーショナルデータモデルに基づいて)構成されても、csvファイルなど保守アプリケーション用データベース132の代替となるもので構成されてもよい。
【0034】
また、シリアル番号とモデル名を主キーとすることで、分析サーバSを含めた管理下にある画像形成装置を自社製品・他社製品にかかわらず、一意に決定することができる。このほかの組み合わせとしては、シリアル番号とメーカー名などが可能である。
【0035】
≪保守装置の操作画面≫
次に、保守装置10の操作画面について説明する。図11は、図1に示す保守装置10の初期画面D1の具体例を示す図である。ここでは、初期画面D1には、“機体情報の取得”ボタン50、“機体情報の分析”ボタン51、“サーバへ接続”ボタン52にそれぞれ対応付けられた4つメニューが用意され、ユーザはこの中から実行したいメニューを入力装置19を操作して選択する。操作情報は、入力装置接続部15を通して保守装置10へ入力される。また、“終了”ボタンが押下されると初期画面D1が閉じられ、処理が終了する。なお、ここでいう『機体』とは画像形成装置Mを指し、画像形成装置Mは複合機、プリンタ、スキャナ、ファックス等により成っている。
【0036】
図12は、図1に示す保守装置10における画面遷移の具体例を示す図である。同図に示されるように、保守装置10は、初期画面D1から遷移する複数の操作画面を有している。ここでは、初期画面D1からは機体情報の取得画面D2、サーバへ接続画面D3へ、機体情報の分析画面D4へとそれぞれ遷移でき、遷移先から戻れることが示されている。
【0037】
図13は、図1に示す保守装置10の機体情報の取得画面D2の具体例を示す図である。ここでは、機体のデータを格納した外部記録装置を指定する“ドライブ選択”コンボボックス54と、どの機体のデータを保守アプリケーション用データベース132に入力するかを指定させる“機体選択”リスト55と、“初期画面D1に戻る”ボタン56を備える。
【0038】
図14は、図1に示す保守装置10の分析サーバSへ接続画面D3の具体例を示す図である。この画面においては、“サーバへ接続”ボタン61、“統計データ取得”ボタン62があり、ボタンが押下されるとそれぞれの処理を実行する。また、“初期画面D1へ戻る”ボタン63が押下されると初期画面D1へ遷移する。
【0039】
図15は、図1に示す保守装置10の機体情報の分析画面D4の具体例を示す図である。この画面においては、“表示”ボタン72が押下されると機体選択”コンボボックス71のリストで選択された機体(CEの保守対象装置)の各設定項目の設定値と統計データとの比較結果を分析結果表示部73に図表で提示する。また、“初期画面D1へ戻る”ボタン74が入力されると初期画面D1へ遷移する。表示できる機体が複数ある場合は、“機体選択”コンボボックス71のリストから再度選択することで切替表示が可能である。
【0040】
≪保守装置全体の動作≫
以下、本実施形態の保守装置10の動作について、図16乃至図24を用いて詳細に説明する。図16は、保守装置10の動作の概要の具体例を示すフローチャートである。
S101において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1を表示装置接続部14を介して表示装置18に表示し、ユーザの入力装置19からの入力を待つ。
【0041】
S102において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“機体情報の取得”ボタン50が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“機体情報の取得”ボタン50が押下されたと判定した場合(S102:YES)は、機体情報取得アプリケーション131Bを起動し、“機体情報の取得”を実行する(後述する図17)。これに対し、初期画面D1において、“機体情報の取得”ボタン50が押下されていないと判定した場合(S102:NO)は、S103へ進む。
【0042】
S103において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“機体情報の分析”ボタン51が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“機体情報の分析”ボタン51が押下されたと判定した場合(S103:YES)は、機体情報分析アプリケーション131Cを起動し、“機体情報の分析”を実行する(後述する図20)。これに対し、初期画面D1において、“機体情報の分析”ボタン51が押下されていないと判定した場合(S103:NO)は、S104へ進む。
【0043】
S104において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“サーバへ接続”ボタン52が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“サーバへ接続”ボタン52が押下されたと判定した場合(S104:YES)は、サーバ接続アプリケーション131Dを起動し、“サーバへ接続”を実行する(後述する図23)。これに対し、初期画面D1において、“サーバへ接続”ボタン52が押下されていないと判定した場合(S104:NO)は、S102へ戻る。
【0044】
S105において、画面遷移制御アプリケーション131Aは、初期画面D1において、“終了”ボタンが押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面D1において、“終了”ボタンが押下されたと判定した場合(S105:YES)は、初期画面D1を閉じ、処理を終了する。これに対し、初期画面D1において、“終了”ボタンが押下されていないと判定した場合(S105:NO)は、S105へ戻る。
【0045】
≪機体情報の取得≫
図17は、機体情報の取得』を説明するフローチャートである。この処理は、ユーザが図11に示す初期画面D1において“機体情報の取得”ボタン50を押下した場合(図16のS12:YES)に画面遷移制御アプリケーション131Aから機体情報取得アプリケーション131Bが起動されることで実行される。
【0046】
S201において、機体情報取得アプリケーション131Bは、機体情報の取得画面D2を表示する。
S202において、機体情報取得アプリケーション131Bは、機体情報の取得画面D2において“初期画面へ戻る”ボタン56が押下されたか否かを判定する。ここで、“初期画面へ戻る”ボタン56が押下されたと判定した場合(S202:YES)、画面遷移制御アプリケーション131Aを起動し、初期画面D1へ戻る。これに対し、“初期画面へ戻る”ボタン56が押下されていないと判定した場合(S202:NO)は、機体情報取得アプリケーション131Bは、“ドライブ選択”コンボボックス54で外部記録装置を指定させると共に、読取部16にUSBメモリ等の外部記録装置の接続を促し(S203)、外部記録装置が接続されるとS204へ進む。
【0047】
S204において、機体情報取得アプリケーション131Bは、外部記録装置の中に保守アプリケーション用データベース132に追加できるデータがあるか否かを判定する。データは機体ごとに取り出せるように格納されており、データ取得は各機体のデータごとに行う。ここで、追加できるデータが存在すると判定した場合(S204:YES)は、機体情報取得アプリケーション131Bは、データ取得できるデータをもつ機体のシリアル番号とモデル名を機体選択リスト55へ追加し(S205)、S207へ進む。これに対し、追加できるデータが存在しないと判定した場合(S204:NO)は、S206へ進む。
【0048】
S206において、機体情報取得アプリケーション131Bは、取得できるデータがないことをポップアップ表示すると、初期画面D1へ戻る。
S207において、機体情報取得アプリケーション131Bは、取得できるデータが他にも存在するか否かを判定する。ここで、取得できるデータが他にも存在すると判定した場合(S207:YES)は、S205へ戻り、取得できるデータが存在する間は同様の処理を繰り返す。これに対し、取得できるデータが他には存在しないと判定した場合(S207:NO)は、機体情報の取得画面D2に取得リスト(機体選択リスト55)を提示し(S208)、S209へ進む。
【0049】
S209において、機体情報取得アプリケーション131Bは、機体情報の取得画面D2の取得リスト(機体選択リスト55)において“取り込む”ボタンが押下され、取得データが選択されたか否かを判定する。ここで、取得データが選択されたと判定した場合(S209:YES)は、機体情報取得アプリケーション131Bは、図18を用いて後述するデータ取得処理へ進む。これに対し、取得データが選択されていないと判定した場合(S209:NOは、選択されるまで待機状態が維持される。
【0050】
[データの取得処理]
図18は、図17に示す『機体情報の取得』において実行される『データの取得処理』の具体例を示すフローチャートである。この処理は、上述のように取得したいデータが決定(図17のS207:YES)されると開始される。
【0051】
S301において、機体情報取得アプリケーション131Bは、選択された機体のシリアル番号、モデル名、エラー情報を取得する。具体的には、機体情報取得アプリケーション131Bは、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3を用い、機体間の誤差を吸収しながらエラー情報を取得する。エラー情報はモデルやメーカーによって異なることが想定されるものの、データの規格化も進んでおり、ある程度の情報は各機体共通で取得できるものと思われる。そこで、より多くの情報を取得するため、ここではデータベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3を用いている。なお、エラー情報とはシリアル番号、モデル名以外のデータを指し、駆動時間や印刷枚数などエラーとは直接関係のないデータも含まれる可能性がある。また、エラー情報はタイトル(データの種類)とデータ(値)で構成されるものとする。
【0052】
S302において、機体情報取得アプリケーション131Bは、S301で取得されたシリアル番号およびモデル名をもとに、保守アプリケーション用データベース132内の機体情報用テーブルT1を走査する。
【0053】
S303において、機体情報取得アプリケーション131Bは、取得したデータと同じ機体のデータが存在するか否か判定する。ここで、取得したデータと保守アプリケーション用データベース132内のデータそれぞれのシリアル番号とモデル名をキーとして走査した結果、この2項目が取得するデータと保守アプリケーション用データベース132内のデータで一致するものが存在すると判定した場合(S303:YES)は、これを上記“同じ機体”と判定し、下記“同じ機体が存在する場合”の処理を行うべくS304へ進む。これに対し、一致するものが存在しないと判定した場合(S303:NO)は、下記“同じ機体が存在しない場合”の処理を行うべくS309へ進む。
【0054】
S304において、機体情報取得アプリケーション131Bは、グローバルIDおよびローカルIDを取得し、S301で取得したデータに既存のデータと同じグローバルIDおよびローカルIDを発行する。そして、既存のレコードを削除(S305)した後、新たなレコードを作成し(S306)、取得するレコードのローカルID、グローバルID、シリアル番号、モデル名を機体情報用テーブルT1へ挿入し(S307、S308)、後述する図19のエラー情報の挿入処理へ進む。
【0055】
S309において、機体情報取得アプリケーション131Bは、同じ機体のデータが存在しないことから、新たにローカルIDを発行する。このとき、ローカルIDは、データベース内で重複することがないように決定する。例えば、ローカルIDは正の整数値を取り、新たにローカルIDが発行される場合そのローカルIDは、発行したローカルIDのうち最大のものに+1とする。この手法ではローカルIDは発行するたびに1ずつ増えていくことになり、ローカルIDが重複することは無い。そして、機体情報用テーブルT1に新たなレコードを作成後(S310)、取得するデータのローカルID、シリアル番号、モデル名を挿入し(S311、S308)、後述する図19のエラー情報の挿入処理へ進む。
【0056】
[エラー情報の挿入処理]
図19は、図18に示す『データの取得処理』の後に実行される『エラー情報の挿入処理』の具体例を示すフローチャートである。この処理は、上述のように既存データの有無の判定とレコード操作が完了した後に開始される。
【0057】
S401において、機体情報取得アプリケーション131Bは、エラー情報の中でチェックしていないデータが存在するか否かを判定する。これは、エラー情報の配列の長さに対する自身の位置などから判断する。ここで、チェックしていないデータが存在すると判定した場合(S401:YES)は、そのデータのタイトルを取得(チェック)し(S402)、S403へ進む。これに対し、チェックしていないデータが存在しないと判定した場合(S402:NO)は、エラー情報のチェックを終了し、初期画面D1へ戻る。
【0058】
S403において、機体情報取得アプリケーション131Bは、S402で取得したタイトルがエラー情報テーブルT2のカラム名に存在するタイトルと同一か否かを判定する。ここで、取得したタイトルがエラー情報テーブルT2のカラム名に存在するタイトルと同一と判定した場合(S403:YES)は、S407へ進む。これに対し、取得したタイトルがエラー情報テーブルT2のカラム名に存在するタイトルと同一でないと判定した場合(S403:NO)は、データベースカラム名・ログデータタイトル対応テーブルT3を参照し(S404)、S405へ進む。
【0059】
S405において、機体情報取得アプリケーション131Bは、対応テーブルT3に当該タイトルが存在するか否かを判定する。ここで、対応テーブルT3にタイトルが存在すると判定した場合(S405:YES)は、データの挿入先を対応するカラムに変更(S58)し、S407へ進む。これに対し、対応テーブルにタイトルが存在しないと判定した場合(S405:NO)は、S401に戻る。なお、上記対応テーブルには保守アプリケーション用データベース132のカラム名と、それに対応するエラー情報のタイトルが記録されており、これを参照することでエラー情報のタイトルの違いを修正することができる。
【0060】
S407において、機体情報取得アプリケーション131Bは、データの型がデータ挿入先のカラムのデータ型と一致するか否かを判定する。ここで、データの型がデータ挿入先のカラムのデータ型と一致すると判定した場合(S407:YES)は、データを挿入して(S409)、S401へ戻り、再度チェックしていないデータが存在するかどうかの判定を行う。これに対し、データの型がデータ挿入先のカラムのデータ型と一致しないと判定した場合(S407:NO)は、取得したデータをデータ挿入先のカラムのデータ型に変換(S408)した後に、データを挿入する(S409)。そして、S401に戻り、再度チェックしていないデータが存在するか否かの判定を行う。
【0061】
≪機体情報の分析≫
図20は、図11に示す初期画面D1において『機体情報の分析』を選択した場合の保守装置10の動作の具体例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが初期画面D1において“機体情報の分析”ボタン51を押下した場合(図16のS103:YES)に画面遷移制御アプリケーション131Aから機体情報分析アプリケーション131Cが起動されることで実行される。
【0062】
S501において、機体情報分析アプリケーション131Cは、図15に示すような機体情報の分析画面D4を表示する。
S502において、機体情報分析アプリケーション131Cは、保守アプリケーション用データベース132内の機体情報用テーブルT1を走査する。
【0063】
S503において、機体情報分析アプリケーション131Cは、分析可能なデータが存在するか否かを判定する。ここで、分析可能なデータが1件以上あると判定した場合(S503:YES)は、S504へ進む。これに対し、分析可能なデータは存在しないと判定した場合(S503:NO)は、S505へ進む。
【0064】
S504において、機体情報分析アプリケーション131Cは、分析可能なデータの機体を表示し、S506へ進む。
S505において、機体情報分析アプリケーション131Cは、分析できるデータがないことをポップアップで機体情報の分析画面D4に表示し、初期画面D1へ戻る。
【0065】
S506において、機体情報分析アプリケーション131Cは、機体情報の分析画面D4において“表示”ボタン72が押下され、分析する機体が選択されたか否かを判定する。ここで、“分析する機体が選択されたと判定した場合(S506:YES)は、後述する統計データ表示処理(図21)へ進む。これに対し、“分析する機体が選択されていないと判定した場合(S506:NO)は、選択されるまで待機状態が維持される。
【0066】
[統計データの表示処理]
図21は、図20に示す『機体情報の分析』の後に実行される『統計データの表示処理』の具体例を示すフローチャートである。この処理は、機体情報の分析画面D4において分析対象の機体を選択(図20:S506:YES)することで開始される。
【0067】
S601において、機体情報分析アプリケーション131Cは、選択された機体の設定情報に含まれるモデル名と設定項目をキーにして設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5を検索し、対象のレコードがあれば設定項目についての統計グラフパターンを取得する。
S602において、機体情報分析アプリケーション131Cは、S601で取得した統計グラフパターンをキーとして統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6から統計グラフ画像を取得する。
【0068】
S603において、機体情報分析アプリケーション131Cは、機体のローカルIDおよび設定項目をキーとして設定値情報テーブルT4から設定値を、モデル名および設定項目をキーとして設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5から統計データを表示する設定項目の設定値の最大値および最小値をそれぞれ取得する。
S604において、機体情報分析アプリケーション131Cは、S603で取得した設定項目の設定値、最大値および最小値に基づいて統計グラフ画像中の基準点の座標を決定する。
【0069】
S605において、機体情報分析アプリケーション131Cは、S604で決定した設定項目の設定値の座標と基準点の座標に基づいて設定値表示画像と統計グラフ画像を合成する。
S606において、機体情報分析アプリケーション131Cは、設定値表示画像の合成位置に合わせて注釈用画像を合成する。
【0070】
図22は、図21のS604乃至S606に示す画像合成方法を具体的に説明する図である。ここでは、取得した統計グラフ画像が横向きの折れ線グラフの画像、設定値表示画像および注釈表示画像が横向きの画像であり、統計グラフ画像のx軸が台数、y軸が設定値を表している(図22(a))。また、統計グラフ画像の左下の点Pが設定値の最小値に対応する原点であり、その座標は(0,0)である。また、統計グラフ画像の一辺の長さが1であるとき、設定値の最大値に対応する点Qの座標は(0,1)である。そして、設定値表示用画像を付す際の画像開始点A(x1,y1)の座標は(0,(((設定値)−(最小値))/((最大値)−(最小値))))、画像終了点B(x2,y2)の座標は設定値表示用画像の横幅wを考慮して(x1+w,y1)と算出される。また、注釈表示画像が設定値表示用画像の終了点B(x2,y2)の隣に距離gを空けて表示する場合、注釈表示画像の画像開始点C(x3,y3)の座標は(x2+g,y2)と算出される(図22(b)。
【0071】
そして、各画像について算出された座標に基づいて3つの画像を重ね合わせ、分析結果表示画像が完成する(図22(c))。尚、統計グラフ画像1(図9)上に設定項目の値を記す方法は上記のような複数の画像の合成に限らない。例えば、統計グラフ画像のコピーを直接編集する方法でも良いし、予め統計グラフ画像、設定値表示用画像および注釈用画像を合成した画像を幾つか用意しておき、読込んでも良い。また、設定値表示用画像および注釈表示用画像は全設定値に対して共通のものでよいが、設定値ごとに用意しても良い。
【0072】
S607において、機体情報分析アプリケーション131Cは、合成した統計グラフ画像を機体情報の分析画面D4の分析結果表示部73中に表示する。
【0073】
S608において、機体情報分析アプリケーション131Cは、全ての設定項目の表示が完了したか否かを判定する。ここで、全ての設定項目の表示が完了したと判定した場合(S608:YES)は、S609へ進む。これに対し、全ての設定項目の表示が完了していないと判定した場合(S608:NO)は、S603へ戻り、完了するまで同様の処理を繰り返す。
【0074】
S609において、機体情報分析アプリケーション131Cは、機体情報の分析画面D4において初期画面へ戻るボタン74が押下されたか否かを判定する。ここで、初期画面へ戻るボタン74が押下されたと判定した場合(S609:YES)は、初期画面D1へ戻る。これに対し、初期画面へ戻るボタン74が押下されていないと判定した場合(S609:NO)は、待機状態を維持する。
【0075】
≪サーバへ接続≫
図23は、図11に示す初期画面D1において『サーバへ接続』を選択した場合の保守装置の動作の具体例を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが初期画面D1において“サーバへ接続”ボタン52を押下した場合(図16のS104:YES)に画面遷移制御アプリケーション131Aからサーバ接続アプリケーション131Dが起動されることで実行される。
【0076】
S701において、サーバ接続アプリケーション131Dは、サーバSへ接続画面D3を表示する。
S702において、サーバ接続アプリケーション131Dは、サーバへ接続画面D3において“サーバへ接続”ボタン61が選択されたか否かを判定する。ここで、“サーバへ接続”ボタン61が選択されたと判定した場合(S702:YES)は、S702へ進む。これに対し、“サーバへ接続”ボタン61が選択されていないと判定した場合(S702:NO)は、S710へ進む。
【0077】
S703において、サーバ接続アプリケーション131Dは、通信部17を通して、データ収集用の分析サーバSへアクセスできることを確認する。ここで、分析サーバSに接続できると判定した場合(S703:YES)は、サーバ接続アプリケーション131Dは、保守アプリケーション用データベース132内の機体情報用テーブルT1を検索し(S704)、S705へ進む。これに対し、分析サーバSに接続できないと判定した場合(S703:NO)は、S705へ進む。
【0078】
S705において、サーバ接続アプリケーション131Dは、サーバに接続できないことをポップアップでサーバへ接続画面D3へ表示し、初期画面D1へ戻る。
【0079】
S706において、サーバ接続アプリケーション131Dは、グローバルIDがまだ割り振られていないデータが存在するか否かを判定する。ここで、グローバルIDがまだ割り振られていないデータが存在すると判定した場合(S706:YES)は、S707へ進む。これに対し、当該データが存在しないと判定した場合(S706:NO)は、S709へ進む。
【0080】
S707において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSへシリアル番号とモデル名をアップロードするとともに、グローバルIDの発行を要求する。このS707においては、アプリケーション自身にIDが振られている場合、あるいは、MACアドレスなど何らかの方法で分析サーバSが分析サーバSにアクセスしているアプリケーションを識別できる場合、サーバ接続アプリケーション131Dは、シリアル番号とモデル名をアップロードする代わりに、ローカルID(とアプリケーションを認識するための情報)をアップロードすることでもグローバルIDを要求することができる。
【0081】
しかし、同一機体を複数のサービスマンが訪問した場合などを考慮すると、シリアル番号とモデル名など、アプリケーションに依存せず機体を特定できる情報をアップロードすることが好ましい。
【0082】
S708において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSからグローバルIDが発行されたら、それを受信して、グローバルIDカラムへ挿入し、S704へ戻る。
【0083】
S709において、サーバ接続アプリケーション131Dは、全ての機体にグローバルIDが振られたら、アップロードしていない機体が存在するか否かを判定する。ここで、アップロードしていない機体が残っていると判定した場合(S709:YES)は、グローバルIDとエラー情報をサーバSへアップロードし(S710)、S709へ戻る。これに対し、アップロードしていない機体が残っていないと判定した場合(S709:NO)は、初期画面D1へ戻る。
【0084】
尚、上述のS710において、サーバ接続アプリケーション131Dは、エラー情報のほかに、機体の設定情報も保守アプリケーション用データベース132に取り込むことができる。「機体の設定」とは、例えばスキャン位置の調整、用紙の上下左右のマージン調整、モータの速度調整などの、画像形成装置の動作に関わる設定項目である。あるいは、ファームウェアのバージョンのような、機体の状態を表す項目も含む。ユーザは、機体の利用頻度や用途に合わせて、これらの設定値を工場出荷時の状態から変更することができる。
【0085】
このとき、誤って意図していない設定値に設定してしまったり、あまり一般的でない設定値に設定したりしてしまうことがある。どのような値でも設定として反映されてしまった以上、これ自体はエラーとはいえず、設定した当人は気付きにくい。しかし、その状態で動作させ続けることで、設定値の組合せによっては結果として、潜在的に機体がエラーを引き起こす可能性が高まっていく。本実施形態では、このような設定値については、後述する統計データパターンとの比較によって対処する。
【0086】
S711において、サーバ接続アプリケーション131Dは、“統計データを取得”ボタン62が選択されたか否かを判定する。ここで、“統計データを取得”ボタン62が選択されたと判定した場合(S711:YES)は、統計データのダウンロード処理を行い(S712)、S702へ戻る。統計データのダウンロード処理の詳細については図24を用いて後述する。これに対し、“統計データを取得”ボタン62が選択されていないと判定した場合(S711:NO)は、S713へ進む。
【0087】
S713において、サーバ接続アプリケーション131Dは、“初期画面へ戻る”ボタン63が選択されたか否かを判定する。ここで、“初期画面へ戻る”ボタン63が選択されたと判定した場合(S713:YES)は、初期画面D1へ戻る。これに対し、“初期画面へ戻る”ボタン63が選択されていないと判定した場合(S713:NO)は、S702へ戻る。
【0088】
[統計データのダウンロード取得処理]
図24は、図23のS712に示す『統計データのダウンロード処理』の具体例を示すフローチャートである。
【0089】
S801において、サーバ接続アプリケーション131Dは、通信部17を介して分析サーバSに対して設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の最新データのダウンロードを要求する。
S802において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSからダウンロードの許可が得られると、通信部17を介して設定項目・統計グラフパターン対応テーブルT5、統計グラフパターン・グラフ画像対応テーブルT6の最新データをダウンロードし、保守アプリケーション用データベース132を更新する。
【0090】
S803において、サーバ接続アプリケーション131Dは、通信部17を介して分析サーバSに対して最新の統計グラフ画像データのダウンロードを要求する。
S804において、サーバ接続アプリケーション131Dは、分析サーバSからダウンロードの許可が得られると、通信部17を介して統計グラフ画像データをダウンロードし、統計グラフ画像データベース133を更新すると、処理を終了する。
【0091】
このように、本実施形態によれば、市場における多数の機体の設定情報を収集した高性能な分析サーバS側で予め統計分析を行っておき、設定値のおおまかな分布パターンを統計グラフパターンとして分析サーバS側で予め定義しておくことで、これをオンライン接続時に保守装置10内に分析サーバSからダウンロードできる。このため、保守装置10の処理能力が低く、保守作業の場所がオフライン環境下であっても、その場で簡易、かつ、必要十分な統計分析が可能となる。
【0092】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
10…保守装置
11…演算部
12…主記憶部
13…補助記憶部
14…表示装置接続部
15…入力装置接続部
16…読取部
17…通信部
18…表示装置
19…入力装置
131…保守アプリケーション
131A…画面遷移制御アプリケーション
131B…機体情報退避アプリケーション
131C…機体情報分析アプリケーション
131D…サーバ接続アプリケーション
132…保守アプリケーション用データベース
133…統計グラフ画像データベース
M…画像形成装置
N…ネットワーク
S…分析サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を前記モデル名および前記設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに前記統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する通信部と、
前記通信部で取得された前記統計グラフパターンおよび前記統計グラフ画像を関連付けて記憶する記憶部と、
ネットワーク接続されていない保守対象装置の前記設定情報を格納した記録媒体を読み取る読取部と、
前記読取部で読み取った前記設定情報に含まれる前記設定項目および前記モデル名をキーとして前記記憶部を参照し、適合する前記統計グラフパターンを前記設定項目および前記モデル名の組合せごとに判定する統計グラフパターン判定部と、
前記統計グラフパターン判定部で判定された前記統計グラフパターンに対応する前記統計グラフ画像を前記記憶部から読込む統計グラフ画像読込部と、
前記統計グラフ画像読込部で読込まれた前記統計グラフ画像に対して前記設定値の位置を表す設定値表示画像を前記設定項目ごとの前記設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する分析結果画像表示部と、
を備えることを特徴とする保守装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶部に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示部は、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記統計グラフ画像と前記設定値表示画像を重ね合わせる画像合成を行って前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項1記載の保守装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶部に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示部は、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記座標位置に基づいて前記統計グラフ画像の一部に前記設定値表示画像を直接的に書込んで前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項1記載の保守装置。
【請求項4】
前記読取部で読み取られる前記記録媒体は、USBメモリであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の保守装置。
【請求項5】
ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を前記モデル名および前記設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに前記統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する通信ステップと、
前記通信ステップで取得された前記統計グラフパターンおよび前記統計グラフ画像を関連付けて記憶装置内に記憶する記憶ステップと、
ネットワーク接続されていない保守対象装置の前記設定情報を格納した記録媒体を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップで読み取った前記設定情報に含まれる前記設定項目および前記モデル名をキーとして前記記憶装置を参照し、適合する前記統計グラフパターンを前記設定項目および前記モデル名の組合せごとに判定する統計グラフパターン判定ステップと、
前記統計グラフパターン判定ステップで判定された前記統計グラフパターンに対応する前記統計グラフ画像を前記記憶装置から読込む統計グラフ画像読込ステップと、
前記統計グラフ画像読込ステップで読込まれた前記統計グラフ画像に対して前記設定値の位置を表す設定値表示画像を前記設定項目ごとの前記設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する分析結果画像表示ステップと、
を有することを特徴とする保守方法。
【請求項6】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記統計グラフ画像と前記設定値表示画像を重ね合わせる画像合成を行って前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項5記載の保守方法。
【請求項7】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記座標位置に基づいて前記統計グラフ画像の一部に前記設定値表示画像を直接的に書込んで前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項5記載の保守方法。
【請求項8】
前記読取ステップで読み取られる前記記録媒体は、USBメモリであることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項記載の保守方法。
【請求項9】
ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を前記モデル名および前記設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに前記統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する通信ステップと、
前記通信ステップで取得された前記統計グラフパターンおよび前記統計グラフ画像を関連付けて記憶装置内に記憶する記憶ステップと、
ネットワーク接続されていない保守対象装置の前記設定情報を格納した記録媒体を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップで読み取った前記設定情報に含まれる前記設定項目および前記モデル名をキーとして前記記憶装置を参照し、適合する前記統計グラフパターンを前記設定項目および前記モデル名の組合せごとに判定する統計グラフパターン判定ステップと、
前記統計グラフパターン判定ステップで判定された前記統計グラフパターンに対応する前記統計グラフ画像を前記記憶装置から読込む統計グラフ画像読込ステップと、
前記統計グラフ画像読込ステップで読込まれた前記統計グラフ画像に対して前記設定値の位置を表す設定値表示画像を前記設定項目ごとの前記設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する分析結果画像表示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする保守プログラム。
【請求項10】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記統計グラフ画像と前記設定値表示画像を重ね合わせる画像合成を行って前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項9記載の保守プログラム。
【請求項11】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記座標位置に基づいて前記統計グラフ画像の一部に前記設定値表示画像を直接的に書込んで前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項9記載の保守プログラム。
【請求項12】
前記読取ステップで読み取られる前記記録媒体は、USBメモリであることを特徴とする請求項9乃至請求項10のいずれか一項記載の保守プログラム。
【請求項1】
ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を前記モデル名および前記設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに前記統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する通信部と、
前記通信部で取得された前記統計グラフパターンおよび前記統計グラフ画像を関連付けて記憶する記憶部と、
ネットワーク接続されていない保守対象装置の前記設定情報を格納した記録媒体を読み取る読取部と、
前記読取部で読み取った前記設定情報に含まれる前記設定項目および前記モデル名をキーとして前記記憶部を参照し、適合する前記統計グラフパターンを前記設定項目および前記モデル名の組合せごとに判定する統計グラフパターン判定部と、
前記統計グラフパターン判定部で判定された前記統計グラフパターンに対応する前記統計グラフ画像を前記記憶部から読込む統計グラフ画像読込部と、
前記統計グラフ画像読込部で読込まれた前記統計グラフ画像に対して前記設定値の位置を表す設定値表示画像を前記設定項目ごとの前記設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する分析結果画像表示部と、
を備えることを特徴とする保守装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶部に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示部は、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記統計グラフ画像と前記設定値表示画像を重ね合わせる画像合成を行って前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項1記載の保守装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶部に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示部は、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記座標位置に基づいて前記統計グラフ画像の一部に前記設定値表示画像を直接的に書込んで前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項1記載の保守装置。
【請求項4】
前記読取部で読み取られる前記記録媒体は、USBメモリであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の保守装置。
【請求項5】
ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を前記モデル名および前記設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに前記統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する通信ステップと、
前記通信ステップで取得された前記統計グラフパターンおよび前記統計グラフ画像を関連付けて記憶装置内に記憶する記憶ステップと、
ネットワーク接続されていない保守対象装置の前記設定情報を格納した記録媒体を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップで読み取った前記設定情報に含まれる前記設定項目および前記モデル名をキーとして前記記憶装置を参照し、適合する前記統計グラフパターンを前記設定項目および前記モデル名の組合せごとに判定する統計グラフパターン判定ステップと、
前記統計グラフパターン判定ステップで判定された前記統計グラフパターンに対応する前記統計グラフ画像を前記記憶装置から読込む統計グラフ画像読込ステップと、
前記統計グラフ画像読込ステップで読込まれた前記統計グラフ画像に対して前記設定値の位置を表す設定値表示画像を前記設定項目ごとの前記設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する分析結果画像表示ステップと、
を有することを特徴とする保守方法。
【請求項6】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記統計グラフ画像と前記設定値表示画像を重ね合わせる画像合成を行って前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項5記載の保守方法。
【請求項7】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記座標位置に基づいて前記統計グラフ画像の一部に前記設定値表示画像を直接的に書込んで前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項5記載の保守方法。
【請求項8】
前記読取ステップで読み取られる前記記録媒体は、USBメモリであることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項記載の保守方法。
【請求項9】
ネットワーク接続されたサーバから、保守作業を実施済みの機体のシリアル番号、モデル名、設定項目および設定値を含む設定情報を前記モデル名および前記設定項目の組合せごとに統計分析して予め定義された統計グラフパターン並びに前記統計グラフパターンを表す統計グラフ画像を取得する通信ステップと、
前記通信ステップで取得された前記統計グラフパターンおよび前記統計グラフ画像を関連付けて記憶装置内に記憶する記憶ステップと、
ネットワーク接続されていない保守対象装置の前記設定情報を格納した記録媒体を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップで読み取った前記設定情報に含まれる前記設定項目および前記モデル名をキーとして前記記憶装置を参照し、適合する前記統計グラフパターンを前記設定項目および前記モデル名の組合せごとに判定する統計グラフパターン判定ステップと、
前記統計グラフパターン判定ステップで判定された前記統計グラフパターンに対応する前記統計グラフ画像を前記記憶装置から読込む統計グラフ画像読込ステップと、
前記統計グラフ画像読込ステップで読込まれた前記統計グラフ画像に対して前記設定値の位置を表す設定値表示画像を前記設定項目ごとの前記設定値に応じた座標位置で付加した分析結果画像を表示する分析結果画像表示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする保守プログラム。
【請求項10】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記統計グラフ画像と前記設定値表示画像を重ね合わせる画像合成を行って前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項9記載の保守プログラム。
【請求項11】
前記通信ステップにおいては、前記サーバから前記統計グラフパターンと前記設定項目の組合せごとに前記設定値の最大値および最小値を取得して前記記憶装置に格納し、かつ、
前記分析結果画像表示ステップにおいては、前記最大値および前記最小値に基づいて前記統計グラフ画像中の基準点における座標を決定すると共に、前記保守対象装置の前記設定値に対応する前記座標位置を決定し、前記座標位置に基づいて前記統計グラフ画像の一部に前記設定値表示画像を直接的に書込んで前記分析結果画像を作成することを特徴とする請求項9記載の保守プログラム。
【請求項12】
前記読取ステップで読み取られる前記記録媒体は、USBメモリであることを特徴とする請求項9乃至請求項10のいずれか一項記載の保守プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−70149(P2013−70149A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205903(P2011−205903)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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