説明

保守装置及び液滴吐出装置

【課題】長期間安定してノズル32が設けられた面のワイパー1の清掃効果を得る。
【解決手段】印刷を行なう液滴吐出装置60のヘッド31の保守装置10は、付着物を拭き取るワイパー1と、ワイパー1の付着物を吸収する吸収部21、22と、ワイパー1を移動させる樹脂ベルト4と、を備え、樹脂ベルト4によるワイパー1の移動する軌道は、ワイパー1が吸収部21、22に複数回接触する軌道である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保守装置及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはノズル面を払拭する払拭部材に付着した液体を拭き取る液体拭き取り部が設けられた液体噴射装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−95704号公報(2006年4月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では払拭部材の清掃が十分ではなく、払拭部材によるノズル面の清掃効率が低下するという問題がある。
【0005】
特に乾燥による増粘が発生しやすいインクの場合、ノズル面を払拭するワイパー及びワイパーを清掃する部材に増粘したインクが固着しやすい。特許文献1に記載の装置では、残留したインクが固着しやすく所望の効率でワイパーを清掃できない。長時間にわたる大量印刷を行なうプリンタでは、特に顕著に清掃効率が低くなる。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、より長期間安定してノズルが設けられた面における拭き取り部の清掃効果を得ることができる保守装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る保守装置は、ヘッドに設けられたノズルから液滴を吐出することで被記録媒体に印刷を行なう液滴吐出装置の上記ヘッドの保守装置であって、ヘッドの表面であってノズルが設けられた面上の付着物を拭き取る拭き取り部と、上記拭き取り部の付着物を吸収する吸収部と、上記拭き取り部を移動させる移動機構と、を備え、上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、上記拭き取り部が上記吸収部に複数回接触する軌道であることを特徴としている。
【0008】
拭き取り部が吸収部に複数回接触することで、拭き取り部の付着物を吸収部が除去する効率が向上する。よって、より長期間拭き取り部を清潔に保つことができ、ヘッドのノズルが設けられた面の清掃効率もより長期間保つことができる。よって、長期間安定してノズルが設けられた面の拭き取り部の清掃効果を得ることができる。
【0009】
本発明に係る保守装置では、上記吸収部を支持する吸収部支持部と、上記吸収部支持部に支持される上記吸収部を取り替える吸収部取り替え機構と、をさらに備えていることがより好ましい。
【0010】
拭き取り部が吸収部に接触することで汚染された当該吸収部を、新しい吸収部に取り替えることができる。よって、より長期間、安定した吸収部による拭き取り部の付着物の除去効果を得ることができ、ひいては、より長期間、安定した拭き取り部による清掃効果を得ることができる。
【0011】
本発明に係る保守装置では、上記吸収部取り替え機構による上記吸収部の取り替えを制御する吸収部取り替え機構制御手段をさらに備え、上記吸収部取り替え機構制御手段は、上記吸収部支持部に支持された上記吸収部に上記拭き取り部が予め定められた回数接触した後に、上記吸収部を取り替えるものであることがより好ましい。
【0012】
予め定められた回数接触した後に新しい吸収部に取り替えることによって、より長期間、安定した吸収部による拭き取り部の付着物の除去効果を得ることができ、ひいては、より長期間、安定した拭き取り部による清掃効果を得ることができる。
【0013】
本発明に係る保守装置では、上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、上記拭き取り部が少なくとも異なる2以上の方向から上記吸収部に接触する軌道であることがより好ましい。
【0014】
異なる2以上の方向から吸収部に拭き取り部を接触させることで、拭き取り部の様々な方向に付着した付着物を吸収部に吸収させることができる。そのため、吸収部による拭き取り部の付着物の除去効果を向上させ、ひいては拭き取り部による清掃効果をより向上させることができる。
【0015】
本発明に係る保守装置では、上記吸収部支持部を複数備え、上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、それぞれの上記吸収部支持部が支持する吸収部に少なくとも1回ずつ接触する軌道であることがより好ましい。
【0016】
複数の吸収部を設け、それぞれに少なくとも1回ずつ付着物を吸着させることによって、吸収部による付着物の除去効果を向上させることができる。また、複数の吸収部を設けることによって、簡単に拭き取り部を吸収部に複数回接触させることができ、保守装置の構造を単純にすることができる。
【0017】
本発明に係る保守装置では、上記吸収部支持部は上記吸収部に上記付着物を溶解する溶剤を供給するものであることがより好ましい。
【0018】
溶剤を吸収部に供給することによって、吸収部による拭き取り部の付着物の除去効率をより向上させることができる。
【0019】
本発明に係る保守装置では、上記吸収部は、シート状部材の一部であって、上記吸収部支持部に支持された部位であり、上記吸収部取り替え機構は、上記シート状部材を送ることによって、上記吸収部支持部に支持された部位を変更するものであることがより好ましい。
【0020】
簡単な構造によって、汚染されて除去効率が低下した吸収部を新しい吸収部と取り替えることができる。
【0021】
本発明に係る保守装置は、上記吸収部は、シート状部材の一部であって、上記吸収部支持部に支持された部位であり、上記吸収部取り替え機構は、上記シート状部材を送ることによって、上記吸収部支持部に支持された部位を変更するものであり、上記吸収部取り替え機構が一回に送るシート状部材の長さは、上記吸収部支持部に支持された部位の長さ以下であり、上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、複数の上記吸収部支持部に支持された上記吸収部のうち、はじめて複数の上記吸収部支持部のうちのいずれかに支持されてから経過した時間が最も長い上記吸収部に最初に上記拭き取り部が接触する軌道であることが好ましい。
【0022】
吸収部取り替え機構が一回に送るシート状部材の長さは、吸収部支持部に支持された部位の長さ以下であり、全ての吸収部はシート状部材の一部である。そのため、吸収部を取り替えることによって、いずれかの吸収部支持部に支持された部位の少なくとも一部は、再度別の吸収部支持部に支持されて吸収部として使用される。付着物が付着した吸収部の全てを更新すると付着物による汚染が低度である部位まで更新されてしまいコストが高くなるが、上記の構成によれば、一度吸収部として使用したシート状部材も、汚染が軽度である箇所は再度吸収部として使用することができる。よって、シート状部材の使用量を抑制することができ、コストを削減することができる。
【0023】
さらに、吸収部支持部に支持されてからもっとも長い時間が経過した吸収部が最初に拭き取り部に接触するため、拭き取り部との接触回数がより多い吸収部が拭き取り部に最初に接触し、拭き取り部との接触回数がより少ない吸収部が拭き取り部に次に接触する。よって、最も汚染が進んでいる吸収部に最初にある程度の付着物を吸収させた後に、汚染の進んでいない吸収部で拭き取り部を清掃することができ、清掃効率が向上する。
【0024】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の保守装置を備えている。
【0025】
上記保守装置を備えることによって、より長期間安定してノズルが設けられた面における拭き取り部の清掃効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係る保守装置は、より長期間安定してノズルが設けられた面の拭き取り部の清掃効果を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態である液滴吐出装置60の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態である保守装置10の構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態である液滴吐出装置60のキャリッジ30が、矢印X1方向に往復運動し、メディア100上を走査していることを示す図である。
【図4】ワイパー1及びワイパー支持部2がワイピング前の配置場所に移動したことを示す図である。
【図5】矢印X2方向にキャリッジが移動し、保守装置10上にて停止していることを示す図である。
【図6】ワイパー1が、Z1方向に移動してワイピングを行った後、Z2方向に移動してワイパー清掃部20によりワイパー1の清掃がなされることを示す図である。
【図7】ワイパー支持部2が矢印Y4方向に往復運動することで、ワイパー1が吸収部21、22に清掃されていることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔液滴吐出装置60の構成〕
まず、本発明に係る液滴吐出装置の一実施形態である液滴吐出装置60の構成について図1を用いて説明する。図1は、液滴吐出装置60の構成を模式的に示す図である。
【0029】
図1に示すように、液滴吐出装置60は保守装置10、キャリッジ30、フラッシング用ステーション40及びガイド機構50を備えている。また、液滴吐出装置60は、メディア(被記録媒体)100に対して、インク(液滴)を吐出し、図、文字等を印刷するための装置である。
【0030】
保守装置10は、ワイパー1を用いて後述するヘッド31のノズル32が設けられた面(フェイス)上の付着部を拭き取る(ワイピング)ための装置である。また、保守装置10は、ヘッド31の清掃によりワイパー1に付着した付着物をワイパー清掃部20に吸収させて、ワイパー1を清掃する。なお、保守装置10の詳しい構成については、後述する。
【0031】
キャリッジ30は、ヘッド31を搭載している。ヘッド31は、インクを格納し、かつメディア100に対して、インクを吐出するためのものである。また、ヘッド31のメディア100に対向する面には、複数のノズル32が設けられている。ヘッド31は、ガイド機構50に支持されているキャリッジ30が矢印X方向に往復運動してメディア100上を走査しているときに、印刷する図形等の情報に応じてノズル32からメディア100にインクを吐出する。
【0032】
フラッシング用ステーション40は、フラッシングを行なうための場所であり、保守装置10に隣接して設けられている。ヘッド31はフラッシング用ステーション40上まで移動した後にフラッシングを行い、ノズル32の清掃が行なわれる。ここで、「フラッシング」とは、ヘッドが備える振動素子(図示せず;例えば圧電素子等)によってノズルに連通するインク貯留室に振動を与えることによって、ノズルからインクを吐出して、ノズル内の混色したインクを吐出することをいう。
【0033】
ガイド機構50は、キャリッジ30を支持しており、キャリッジ30の移動範囲を規定するものである。キャリッジ30がメディア100上を走査しているときは、ガイド機構
50に沿って、矢印X方向に往復運動している。また、キャリッジ30は、ヘッド31の面上をワイピングする必要が生じたときは、保守装置10上に移動し、フラッシングが必要なときは、フラッシング用ステーション40上に移動する。
【0034】
〔保守装置10の構成〕
次に、本発明に係る保守装置の一実施形態について図2〜7を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態である保守装置10の構成を模式的に示す図である。
【0035】
保守装置10は、ワイパー(拭き取り部)1、ワイパー支持部2、面状部材3、樹脂ベルト(移動機構)4及びワイパー清掃部20を備えている。
【0036】
ワイパー1は、ノズル32が設けられたヘッド31の表面に接触した状態のまま移動することによって、当該表面上の付着物を拭き取るための部材である。ワイパー支持部2は、ワイパー1を支持し、ワイパー1を移動させるための部材である。さらに、ワイパー支持部2には、軸部が貫通して設けられている。
【0037】
なお、ワイパー1はヘッド31の表面を傷つけない柔軟性を有するもの、例えば、樹脂によって形成されているものが好ましい。ワイパーの材質としては、ヘッドを傷つけない程度の弾性を有し、ある程度の耐薬品性を有する材料が好ましい。例えば、天然ゴムや合成ゴムなどが挙げられる。
【0038】
面状部材3は、樹脂ベルト4を覆うように配置されており、当該面状部材3には、2列の溝が設けられている。上記溝は、ワイパー1を移動させる方向に沿って設けられており、さらに対向する面状部材3の間にワイパー支持部2が位置している。そして、ワイパー支持部2に設けられている軸部の両端はそれぞれ対面する面状部材3の溝に嵌合しており、当該溝に沿って、ワイパー支持部2は移動する。また、面状部材3の溝はワイパー支持部2の移動範囲及び移動方法を規定している。
【0039】
樹脂ベルト4はワイパー支持部2を移動させるための移動機構である。樹脂ベルト4上には、溝に嵌合している軸部の両端が載置されている。樹脂ベルト4を稼動させることによって、軸部が樹脂ベルト4に乗って運ばれ、ワイパー支持部2は溝に沿って移動する。
【0040】
ワイパー清掃部20は、ワイピングによりワイパー1に付着した付着物を除去するための清掃部材であり、面状部材3上に設けられている。以下、ワイパー清掃部20について、詳細に説明する。
【0041】
ワイパー清掃部20は、吸収部21、22、吸収部支持部23、24、吸収部材(シート状部材)25、溶剤供給部26、吸収部取り替え機構27及び吸収部取り替え機構制御部(吸収部取り替え機構制御手段)28を備えている。
【0042】
吸収部21、22は、ワイピング後のワイパー1と接触することにより、ワイパー1に付着した付着物を除去する。吸収部支持部23、24は、それぞれ吸収部21、22を支持するための部材である。なお、吸収部はいくつ設けてもよく、本実施形態のように2つには限定されない。また、吸収部の個数に合わせて吸収部支持部の個数も変化する。ここで、「吸収部」とは、後述する吸収部材25の一部であり、吸収部支持部に支持されている部位を指している。
【0043】
複数の吸収部を設けることによって、より除去効率を向上させることができる。また、簡単に拭き取り部を吸収部に複数回接触させることができ、保守装置10の構造を単純にすることができる。
【0044】
吸収部材25は、シート状の部材であって、吸収部21、22は、吸収部材25の一部である。吸収部材25としては、シート状の部材であれば、布、紙、スポンジ等の任意の部材を使用することができる。
【0045】
溶剤供給部26は、吸収部21、22に付着物を溶解する溶剤を供給するために、吸収部支持部23、24にそれぞれ設けられている。吸収部支持部23、24、溶剤供給部26から供給された溶剤を吸収部21、22に供給する。これにより、吸収部21、22によるワイパー1の付着物の除去効率をより向上させることができる。なお、揮発性を有する溶剤を使用する場合には、揮発する量を抑えるために、ワイパー1に接触する吸収部21、22にのみ溶剤を供給し、ワイパー1に接触しない吸収部材25には供給しないことがより好ましい。
【0046】
ワイピング後のワイパー1が接触する吸収部21、22に溶剤が適宜含浸されている状態が好ましいため、溶剤供給部26から吸収部支持部23、24を介して溶剤が吸収部21、22に添加されている。例えば、吸収部支持部23、24に穴を開けることで溶剤供給部26から吸収部21、22にそれぞれ溶剤を供給してもよい。
【0047】
また、キャリッジ30にヒーター等の熱源を設けている場合であっても、上記のように、ワイパー1が接触する吸収部21、22のみに溶剤が含浸されていることによって、熱源による溶剤の揮発を抑えることができる。
【0048】
吸収部取り替え機構27は、ワイパー1が吸収部21、22に接触することで汚染された当該吸収部を新しい吸収部21、22に取り替えることができる。具体的にはシート状の吸収部材25を送ることによって、吸収部21、22を取り替える。よって、汚染されて除去効率が低下した吸収部21、22にワイパー1が接触することはなく、より長期間、より安定した清掃効果を得ることができる。
【0049】
また、本形態において、吸収部取り替え機構27は、吸収部材25を送ることによって、吸収部支持部23、24に支持された吸収部21、22の部位を変更することができる。つまり、簡単な構造によって、汚染されて除去効率が低下した吸収部を新しい吸収部と取り替えることができる。
【0050】
吸収部取り替え機構制御部28は、吸収部21、22にワイパー1が予め定められた回数接触した後に、吸収部21、22を取り替えるように吸収部取り替え機構27を制御している。つまり、汚染されて除去効率が著しく低下する前の接触回数を予め定められた回数に設定することによって、除去効率が著しく低下する前に、新しい吸収部に取り替えることができる。
【0051】
さらに、吸収部材25が送られることによって、取り替えられる吸収部材25がなくなったことを知らせるセンサーをワイパー清掃部20に設けてもよい。また、新しい吸収部材の設置は、吸収部材を取り替える機構をワイパー清掃部20内に設けて行なってもよく、また手動によって行なってもよい。
【0052】
次に、図2〜7を用いて、ヘッド31の表面をワイピングしてから、ワイパー1をワイパー清掃部20によって清掃するまでの液滴吐出装置60の動作について説明する。図3は、本発明の一実施形態である液滴吐出装置60のキャリッジ30が、矢印X1方向に往復運動し、メディア100上を走査していることを示す図である。図3に示すようにキャリッジ30がメディア100上を走査している間は、図2に示すようにワイパー1及びワイパー支持部2はワイパー清掃部20の下で待機している。
【0053】
次に、図4は、ワイパー1及びワイパー支持部2がワイピング前の配置場所に移動したことを示す図であり、図5は、矢印X2方向にキャリッジ30が移動し、保守装置10上にて停止していることを示す図である。キャリッジ30は、予め定めておいた回数走査した後、又はヘッド31にインクなどの付着物が一定量付着していることを検出すること等によりヘッド31の面上を清掃する必要が生じたときは、保守装置10上に移動する。また、ワイパー支持部2は、キャリッジ30を保守装置10上に移動する前に、矢印Y1方向に移動し、保守装置10の左端に待機する。
【0054】
なお、ワイピングの前にパージ動作を行ってもよい。ここで「パージ」とは、ヘッドを振動させずに、ヘッドにインクを供給する際の供給圧を上げることでノズルからインクを吐出して、ノズルを清掃することをいう。供給圧は、例えば、大気圧以上に上げることによって、パージが適切に行われる。またパージを行なう場合には、保守装置10内に、パージによって吐出されるインクを回収する部材を設けてもよい。
【0055】
図6は、ワイパー1が、Z1方向に移動してワイピングを行なった後、Z2方向に移動してワイパー清掃部20によりワイパー1が清掃されることを示す図である。また、キャリッジ30は、保守装置10上まで移動すると、ワイパー支持部2とワイパー清掃部20との間に位置することになる。
【0056】
まず、ワイパー支持部2は、樹脂ベルト4の稼動によって、矢印Y’2方向に移動する。これにより、ワイパー支持部2が位置(a)に到達したとき、ワイパー1がフェイスに接触する。このとき、ワイパー1は矢印Z1方向に移動しつつ、ワイピングを行なう。そして、ワイパー支持部2が位置(b)に到達したとき、ワイピングは終了する。ワイピングを行なうことによって、ノズル32が設けられた面に付着していた付着物は、ワイパー1によって拭き取られて当該面が清掃されるとともに、ワイパー1に当該付着物が付着する。なお、ワイパー支持部2は位置(a)から位置(b)の間を往復運動し、ワイピングを行なってもよい。
【0057】
また、面状部材3に形成されている2列の溝の幅(2列の溝の高低差)は常に一致している必要はなく、図6等のように、2列の溝の幅が広い箇所と狭い箇所とがあってもよい。なお、図2、6の場合には、上側の溝に嵌合した軸部を樹脂ベルト4に載置させており、図4の場合には、下側の溝に嵌合した軸部を樹脂ベルト4に接触させている。つまり、樹脂ベルト4を稼動することによって、ワイパー支持部2を溝に沿って移動させる際に、溝の幅が異なることによって、ワイパー1が起き上がったり傾いたりする。なお、軸部を樹脂ベルト4に固定する方法は特に限定されないが、下側の溝(直線状の溝)に嵌合した軸部を樹脂ベルト4に固定し、上側の溝に嵌合した軸部は樹脂ベルト4に固定しないことが好ましい。直線状の溝に嵌合した軸部に樹脂ベルト4を固定することによって、ワイパー1の角度が変化しても樹脂ベルト4の軌道を一定にすることができ、搬送トルク及び搬送速度への影響を抑制することができる。ワイパー1が起き上がったときにフェイスをワイピングする位置又は吸収部21、22に押し付けることができる位置となるように幅を調整すればよい。このように幅を調整するだけでワイパー1の高さを調節できるため、装置の構成が簡易となる。
【0058】
ワイピングが終了した後において、キャリッジ30はフラッシング用ステーション40上までガイド機構50に沿って移動し、フラッシングを行なってもよい。フラッシングが終了した後、キャリッジ30はメディア100上まで移動し、矢印X1方向に往復運動しつつメディア100にインクを吐出し、印刷を再開する。
【0059】
次に、ワイピングを終了した後のワイパー支持部2は矢印Y’2方向に更に移動し、ワイパー清掃部20の手前まで移動する。次に、ワイパー支持部2は矢印Y’3方向に移動し、ワイパー1が吸収部21、22に接触する。これにより、ワイパー1に付着した付着物はワイパー清掃部20の吸収部21、22によって吸収される。このとき、ワイパー1は矢印Z2方向に移動し、まず吸収部21に接触する。そして、ワイパー1上の付着物の多くが吸収部21に吸収され、さらに、ワイパー1を矢印Z2方向に移動させることによって、吸収部22に接触する。そして、吸収部21に吸収されなかった付着物が吸収部22に吸収される。このように、樹脂ベルト4によるワイパー1及びワイパー支持部2の移動の軌道は、複数の吸収部21、22に少なくとも一回ずつ接触する軌道である。このような軌道にすることによって、より効率よくワイパー1に付着したインクを清掃できる。
【0060】
また、ここで、吸収部21は吸収部22より先にローラーから送られ、吸収部支持部に支持される。つまり、吸収部21は吸収部支持部24に支持された後、さらに送られて吸収部支持部23に支持されている。従って、吸収部21及び22のうち、吸収部支持部に支持されてから最も長い時間が経過した吸収部21に最初にワイパー1が接触する。そして、吸収部21よりもワイパー1に接触した回数が少ない吸収部22にワイパー1が接触する。なお、後述のように、吸収部支持部23、24によって支持されている吸収部21、22の長さ以下の長さで吸収部材25は送られるので、一旦付着物の吸収に使用された吸収部22は、必ず、再度、別の吸収部支持部23にて支持されることになる。よって、吸収部材の使用量を抑えることができコストを削減できる。
【0061】
次に、ワイパー1を矢印Y4方向に往復運動させて、吸収部21、22にワイパー1を複数回接触させている。なお、図7は、ワイパー支持部2が矢印Y4方向に往復運動することで、ワイパー1が吸収部21、22に清掃されていることを示す図である。ワイパー1が吸収部21、22に複数回接触することで、ワイパー1の付着物の除去効率が向上する。
【0062】
また、このように、樹脂ベルト4によるワイパー1及びワイパー支持部2の移動の軌道を、異なる2以上の方向からワイパー1が吸収部21、22に接触する起動とすることによって、複数の方向からワイパー1を清掃することができる。例えば本実施形態のように吸収部21、22に対してワイパー1を往復させながら接触させることで、ワイパー1の表及び裏の両面を清掃できる。よって、より長期間ワイパー1を清潔に保つことができ、フェイスの清掃効率もより長期間保つことができる。本発明において、拭き取り部の汚染は拭き取り部によるフェイスの拭き取り方向に依存する。そのため、フェイスを往復運動する拭き取り部の移動経路上に拭き取り部の清掃部(本実施形態のワイパー清掃部20)を配置すれば、拭き取り部を往復運動することによって、上記拭き取り方向の相違する付着物をそれぞれ吸収部に押し付けることができ、汚染された拭き取り部を効果的に清掃することができる。
【0063】
また、往復運動させて、吸収部に拭き取り部を複数回接触させた場合には、複数の吸収部を設ける場合と比較して、本発明に係る保守装置を小型化することができる。なお、拭き取り部支持部の往復運動は簡単な制御で行なうことができる。
【0064】
なお、樹脂ベルト4などの移動機構による拭き取り部の移動する軌道は、当該拭き取り部が異なる3方向以上の方向から吸収部に接触する軌道であってもよい。3方向以上の方向から吸収部に接触する軌道にするためには、ワイパー支持部2の軌道を一直線的ではなく、平面的又は立体的な軌道にすればよい。また、吸収部を複数設けているときは、図6のように、移動機構による拭き取り部の移動する軌道は、それぞれの吸収部に少なくとも1回ずつ接触する軌道であることがより好ましい。
【0065】
図6において、樹脂ベルト4などの移動機構によるワイパー1の軌道は一直線上になっており、当該一直線上に、ワイピングされるヘッド31及びワイパー清掃部20が位置している。また、ワイピングする際にも樹脂ベルト4以外の駆動機構を必要としない。そのため、本発明の一実施形態に係る保守装置10は簡易な構造で構成することができる。
【0066】
吸収部21、22とワイパー1とが所定の回数接触したとき、ワイパー清掃部20によるワイパー1の清掃は終了する。ワイパー1の清掃が終了すると、ワイパー支持部2は図2の待機場所に配置される。再度ワイピングが必要になったときにはこれまで説明した動作を繰り返す。
【0067】
次に、吸収部取り替え機構27によって新しい吸収部に取り替えられることについて説明する。
【0068】
ワイパー1が予め定められた回数、吸収部21、22に接触した場合には、吸収部取り替え機構制御手段28が吸収部取り替え機構27を制御することによって、新しい吸収部21、22に取り替えられる。図2において、吸収部取り替え機構27を稼動させた場合に、吸収部取り替え機構27は吸収部材25を送り出す。そして、吸収部支持部23、24に支持された吸収部材25の部位が変更され、新しい吸収部材25の部位が吸収部21、22となり、吸収部支持部23、24に支持される。このとき、吸収部取り替え機構27が一回に送る吸収部材25の長さによっては、吸収部支持部24に支持された部位が、再度吸収部支持部23に支持され得る。
【0069】
例えば、吸収部取り替え機構27が一回に送る吸収部材25の長さが、吸収部支持部23に支持された部位の長さ以下であれば、数回吸収部材25が送られると、吸収部支持部24に支持された部位の少なくとも一部は、再度吸収部支持部23に支持されて吸収部21として使用される。このとき、一度吸収部22として使用した部位を再度吸収部21として使用することができるため、吸収部材25の使用量を抑制することができ、コストを削減することができる。
【0070】
また、吸収部21として使用されていた吸収部材25の部位は、取り替えられた後は吸収部としては使用せずに、廃棄される。
【0071】
吸収部支持部24に支持されていた吸収部材25の部位が吸収部21として最初にワイパー1に接触するため、ワイパー1との接触回数がより多い吸収部21がワイパー1に最初に接触し、ワイパー1との接触回数がより少ない吸収部22がワイパー1に次に接触する。よって、ワイパーと吸収部21との最初の接触により、ワイパー1に付着した付着物を効率的に除去することができる。
【0072】
なお、本実施形態においては、吸収部及び吸収部支持部を2つ設けているが、これに限定されない。つまり、吸収部及び吸収部支持部は1つであっても、ワイパー1が複数回接触することができればよく、吸収部及び吸収部支持部は3つ以上であってもよい。吸収部等が3つ以上ある場合には、拭き取り部の清掃において、拭き取り部が最初に接触する吸収部が吸収部支持部に支持されてからもっとも長い時間が経過した吸収部となり、拭き取り部が最後に接触する吸収部が吸収部支持部に支持されてからもっとも短い時間が経過した吸収部となる。つまり、最初に接触する吸収部は、他の吸収部と比較して、今までに拭き取り部に接触した回数が多いため、他の吸収部よりも付着物により汚染されていることになり、最初にこの吸収部に接触することによって、拭き取り部に付着した付着物を効率的に除去することができる。
【0073】
また、図7のようにワイパー1及びワイパー支持部2を往復運動させるときは、吸収部22だけにワイパー1が繰り返し接触するようにしてもよい。この場合、最初に接触する吸収部21は付着物が多く吸収され、より汚染されていることから、吸収した汚れが往復運動によって再度ワイパー1に付着することを防止するためである。なお、吸収部が3つ以上ある場合であっても、拭き取り部が最初に接触する吸収部以外の吸収部の間を拭き取り部が往復運動すればよい。
【0074】
〔付記事項〕
本発明に係る一実施形態である保守装置10は、ヘッド31に設けられたノズル32からインクを吐出することでメディア100に印刷を行なう液滴吐出装置60のヘッド31の保守装置10であって、ヘッド31の表面であってノズル32が設けられた面上の付着物を拭き取るワイパー1と、ワイパー1の付着物を吸収する吸収部21、22と、ワイパー1を移動させる樹脂ベルト4と、を備え、上記移動機構によるワイパー1の移動する軌道は、ワイパー1が吸収部21、22に複数回接触する軌道であることを特徴としている。
【0075】
ワイパー1が吸収部21、22に複数回接触することで、ワイパー1の付着物を吸収部21、22が除去する効率が向上する。よって、より長期間ワイパー1を清潔に保つことができ、ヘッド31のノズル32が設けられた面の清掃効率もより長期間保つことができる。よって、長期間安定してノズル32が設けられた面のワイパー1の清掃効果を得ることができる。
【0076】
保守装置10では、吸収部21、22を支持する吸収部支持部23、24と、吸収部支持部23、24に支持される吸収部21、22を取り替える吸収部取り替え機構27と、をさらに備えていることがより好ましい。
【0077】
ワイパー1が吸収部21、22に接触することで汚染された吸収部21、22を、新しい吸収部に取り替えることができる。よって、より長期間、安定した吸収部21、22によるワイパー1の付着物の除去効果を得ることができ、ひいては、より長期間、安定したワイパー1による清掃効果を得ることができる。
【0078】
保守装置10では、吸収部取り替え機構27による吸収部21、22の取り替えを制御する吸収部取り替え機構制御手段28をさらに備え、吸収部取り替え機構制御手段28は、吸収部支持部23、24に支持された吸収部21、22にワイパー1が予め定められた回数接触した後に、吸収部21、22を取り替えるものであることがより好ましい。
【0079】
予め定められた回数接触した後に、新しい吸収部に取り替えることによって、より長期間、安定した吸収部21、22によるワイパー1の付着物の除去効果を得ることができ、ひいては、より長期間、安定したワイパー1による清掃効果を得ることができる。
【0080】
保守装置10では、樹脂ベルト4によるワイパー1の移動する軌道は、ワイパー1が少なくとも異なる2以上の方向から吸収部21、22に接触する軌道であることがより好ましい。
【0081】
異なる2以上の方向から吸収部21、22にワイパー1を接触させることで、ワイパー1の様々な方向に付着した付着物を吸収部21、22に吸収させることができる。そのため、吸収部21、22によるワイパー1の付着物の除去効果を向上させ、ひいてはワイピングによる清掃効果をより向上させることができる。
【0082】
保守装置10では、吸収部支持部23、24を複数備え、樹脂ベルト4によるワイパー1の移動する軌道は、それぞれの吸収部支持部23、24が支持する吸収部21、22に少なくとも1回ずつ接触する軌道であることがより好ましい。
【0083】
複数の吸収部21、22を設け、それぞれに少なくとも1回ずつ付着物を吸着させることによって、吸収部21、22によるワイパー1の付着物の除去効果を向上させることができる。また、複数の吸収部21、22を設けることによって、簡単にワイパー1を吸収部21、22に複数回接触させることができ、保守装置10の構造を単純にすることができる。
【0084】
保守装置10では、吸収部支持部23、24は吸収部21、22に上記付着物を溶解する溶剤を供給するものであることがより好ましい。
【0085】
溶剤を吸収部21、22に供給することによって、吸収部21、22によるワイパー1の付着物の除去効率をより高めることができる。
【0086】
保守装置10では、吸収部21、22は、吸収部材25の一部であって、吸収部支持部23、24に支持された部位であり、吸収部取り替え機構27は、吸収部材25を送ることによって、吸収部支持部23、24に支持された部位を変更するものであることがより好ましい。
【0087】
簡単な構造によって、汚染されて除去効率が低下した吸収部21、22を新しい吸収部と取り替えることができる。
【0088】
保守装置10では、吸収部21、22は、吸収部材25の一部であって、吸収部支持部23、24に支持された部位であり、吸収部取り替え機構27は、吸収部材25を送ることによって、吸収部支持部23、24に支持された部位を変更するものであり、吸収部取り替え機構27が一回に送る吸収部材25の長さは、吸収部支持部23、24に支持された部位の長さ以下であり、樹脂ベルト4によるワイパー1の移動する軌道は、複数の吸収部支持部23、24に支持された吸収部21、22のうち、はじめて複数の吸収部支持部23、24のうちのいずれかに支持されてから経過した時間が最も長い方の吸収部である吸収部21に最初にワイパー1が接触する軌道であることが好ましい。
【0089】
吸収部取り替え機構27が一回に送る吸収部材25の長さは、吸収部支持部23、24に支持された部位の長さ以下であり、全ての吸収部21、22は、吸収部材25の一部である。なお、本実施形態では吸収部21、22の長さ(吸収部支持部23、24で支持されている部位の長さ)は同じであるが、異なる場合は、上記一回に送る吸収部材25の長さは、いずれか短い方の長さとなる。このように吸収部を取り替えることによって、例えば、吸収部支持部24に支持された吸収部22の部位の少なくとも一部は、再度別の吸収部支持部23に支持されて吸収部21として使用される。つまり、一度吸収部22として使用した吸収部材25を再度吸収部21として使用することができるため、吸収部材25の使用量を抑制することができ、コストを削減することができる。
【0090】
さらに、吸収部支持部に支持されてからもっとも長い時間が経過した吸収部である吸収部21が最初にワイパー1に接触するため、ワイパー1との接触回数がより多い吸収部21がワイパー1に最初に接触し、ワイパー1との接触回数がより少ない吸収部22がワイパー1に次に接触する。最も汚染が進んでいる吸収部に最初にある程度の付着物を吸収させた後に、汚染の進んでいない吸収部で拭き取り部を清掃することができ、清掃効率が向上する。
【0091】
本発明に係る液滴吐出装置60は、上記の保守装置10を備えている。
【0092】
保守装置10を備えることによって、長期間安定してノズル32が設けられた面におけるワイパー1の清掃効果を得ることができる。
【0093】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る保守装置は、インクジェットプリンタ等に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 ワイパー(拭き取り部)
2 ワイパー支持部
3 面状部材
4 樹脂ベルト(移動機構)
10 保守装置
20 ワイパー清掃部
21、22 吸収部
23、24 吸収部支持部
25 吸収部材(シート状部材)
26 溶剤供給部
27 吸収部取り替え機構
28 吸収部取り替え機構制御手段
30 キャリッジ
31 ヘッド
32 ノズル
40 フラッシング用ステーション
50 ガイド機構
60 液滴吐出装置
100 メディア(被記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドに設けられたノズルから液滴を吐出することで被記録媒体に印刷を行なう液滴吐出装置の上記ヘッドの保守装置であって、
ヘッドの表面であってノズルが設けられた面上の付着物を拭き取る拭き取り部と、
上記拭き取り部の付着物を吸収する吸収部と、
上記拭き取り部を移動させる移動機構と、を備え、
上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、上記拭き取り部が上記吸収部に複数回接触する軌道であることを特徴とする保守装置。
【請求項2】
上記吸収部を支持する吸収部支持部と、
上記吸収部支持部に支持される上記吸収部を取り替える吸収部取り替え機構と、をさらに備える請求項1に記載の保守装置。
【請求項3】
上記吸収部取り替え機構による上記吸収部の取り替えを制御する吸収部取り替え機構制御手段をさらに備え、
上記吸収部取り替え機構制御手段は、上記吸収部支持部に支持された上記吸収部に上記拭き取り部が予め定められた回数接触した後に、上記吸収部を取り替えるものであることを特徴とする請求項2に記載の保守装置。
【請求項4】
上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、上記拭き取り部が少なくとも異なる2以上の方向から上記吸収部に接触する軌道であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保守装置。
【請求項5】
上記吸収部支持部を複数備え、
上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、それぞれの上記吸収部支持部が支持する吸収部に少なくとも1回ずつ接触する軌道であることを特徴とする請求項2又は3に記載の保守装置。
【請求項6】
上記吸収部支持部は上記吸収部に上記付着物を溶解する溶剤を供給するものであることを特徴とする請求項2、3又は5に記載の保守装置。
【請求項7】
上記吸収部は、シート状部材の一部であって、上記吸収部支持部に支持された部位であり、
上記吸収部取り替え機構は、上記シート状部材を送ることによって、上記吸収部支持部に支持された部位を変更するものであることを特徴とする請求項2、3、5又は6に記載の保守装置。
【請求項8】
上記吸収部は、シート状部材の一部であって、上記吸収部支持部に支持された部位であり、
上記吸収部取り替え機構は、上記シート状部材を送ることによって、上記吸収部支持部に支持された部位を変更するものであり、
上記吸収部取り替え機構が一回に送るシート状部材の長さは、上記吸収部支持部に支持された部位の長さ以下であり、
上記移動機構による上記拭き取り部の移動する軌道は、複数の上記吸収部支持部に支持された上記吸収部のうち、はじめて複数の上記吸収部支持部のうちのいずれかに支持されてから経過した時間が最も長い上記吸収部に最初に上記拭き取り部が接触する軌道であることを特徴とする請求項5に記載の保守装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の保守装置を備える液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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