説明

保湿不織布およびその製造方法

【課題】保湿不織布表面に凹凸を形成することにより、ふんわり感、柔らかさなどの肌ざわりや、吸水性、保水性を含めた拭き取り性を向上し、肌への保湿感を高める。
【解決手段】不織布原紙の重量に対して水溶性成分を1%以上含有する保湿不織布であって、当該保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率が0.5%以上である保湿不織布で、保湿不織布表面に高低差100μm以上の凹凸があるものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保湿成分を含有させることで保湿性を付与し、さらに表面に凹凸を有する保湿不織布およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットペーパーなど衛生用紙製品にエンボスによって凹凸模様を施し、嵩や吸水性を高めた製品がある。また、不織布の表面に凹凸を形成させる技術として熱可塑性繊維を配合し熱融着して凹凸模様を形成する処理が存在する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−104629
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
保湿不織布製品は、基布となる不織布に保湿成分を含有させた製品であり、含有する保湿成分によって基布の不織布より嵩が低下し、保水性も低下する。また、保湿成分との親和性や保湿成分によるしっとり感を高めるために不織布に親水性の繊維であるパルプ繊維を配合することが好ましいが、上記特許文献1に記載されたようなスパンレース法など水を用いる加工方法では繊維間に水素結合が形成され、嵩が低下したり、肌ざわりが硬くなることがあった。
【0004】
そこで、本発明は、保湿不織布表面に凹凸を形成することにより、保湿成分の含有による欠点を解消し、ふんわり感、柔らかさなどの肌ざわりや、吸水性、保水性を含めた拭き取り性を向上し、肌への保湿感を高めようとするものである。
【0005】
さらに、本発明は、簡易で作業性に優れた表面に凹凸を有する保湿不織布の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる保湿不織布は、不織布原紙の重量に対して水溶性成分を1%以上含有し、当該保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率が0.5%以上である保湿不織布で、保湿不織布表面に高低差100μm以上の凹凸があるものとしている。
【0007】
本発明でいう保湿不織布とは保湿成分を含有する不織布である。水溶性成分とは保湿不織布を60℃の蒸留水で洗浄したときに流失する成分(脱落繊維は除く)とする。水溶性成分には、保湿成分、保湿成分が大気と平衡状態にあるときに保持する水分、親油性物質を界面活性剤で可溶化や乳化するなどして水溶解性や水分散性とした成分などが含まれる。
【0008】
水溶性成分含有量は、不織布原紙の重量に対して1〜250%、好ましくは5〜150%、更に好ましくは10〜100%である。水溶性成分含有量は不織布原紙に塗布する保湿液の塗工量によりコントロールすることができる。水溶性成分含有量が1%より少ないと不織布が硬く感じられる。250%より多いとべたつき感がある。保湿不織布に柔らかさ、サラッとした滑らかな肌触りの良さを求める場合には10〜50%が最も好ましい。保湿不織布にしっとり感や肌への保湿効果を求める場合には50〜100%が最も好ましい。
【0009】
保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率は好ましくは0.5〜40%、更に好ましくは1.0〜20%である。保湿不織布に柔らかさ、サラッとした滑らかな肌触りの良さを求める場合には1.0〜3.0%が最も好ましい。保湿不織布にしっとり感や肌への保湿効果を求める場合には3.0〜10%が最も好ましい。平衡水分率増加率が0.5%以下であると、保湿不織布の柔らかさ、しっとり感等の特性の発現が不十分となる。平衡水分率増加率が40%以上であるとベタツキ感が強くなり好ましくない。
【0010】
保湿不織布表面の凹凸は高低差100μm以上、好ましくは200μm以上、更に好ましくは300μm以上である。保湿不織布表面に凹凸があると、嵩高になり、ふんわりとした触感の保湿不織布になる。更に嵩高になることにより吸水性、保水性が向上する。表面に凹凸がある保湿不織布を肌の汚れを拭くワイパーとして使用すると、表面の凸部分による汚れを掻き取る効果と、表面の凹部分による汚れを保持する効果により、汚れの拭き取り性が向上する。同時に表面の凸部分は肌にしっかりと接触するために、保湿不織布に含まれる保湿液が肌に転写しやすくなり、肌の保湿感も向上する。保湿不織布表面の凹凸が高低差100μm以下であると、これらの効果が得られにくい。ただし、保湿不織布表面の凹凸に、保湿不織布表面の毛羽立ちは含まない。
【0011】
保湿不織布表面に凹凸を形成する手段としては、エンボス法のように保湿不織布に部分的に繊維が押しつぶされた部分を作り凹凸を形成する手段と、水流交絡法を利用した製造方法のように保湿不織布に部分的に繊維の数が少ない部分を作り凹凸を形成する手段がある。本発明においてはどちらの手段を用いても良い。
【0012】
本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布は、保湿不織布表面の凹凸がドット状であり、単位面積あたりの個数が0.6〜50個/cmであるものとしている。単位面積あたりのドットの個数は0.6〜50個/cm、好ましくは1〜30個/cm、更に好ましくは3〜20個/cmである。単位面積あたりのドットの個数が0.6個/cmより少ないと、表面の凹凸によるふんわり感や、汚れの拭き取り性向上、肌の保湿感の向上などの効果が得られにくい。単位面積あたりのドットの個数が50個/cmより多いと、保湿不織布表面の凹凸が不明瞭になり、やはり上記の効果が得られにくい。
【0013】
さらに、本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布は、保湿不織布表面の凹凸がストライプ状であり、ストライプ間のピッチが1.1mm以上であるものとしている。ストライプ間のピッチは1.1mm以上、好ましくは2〜15mm、更に好ましくは3〜10mmである。ストライプ間のピッチが1.1mm以下である場合にはやはり上記のような効果が得られにくい。
さらに、本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布は、保湿不織布表面にメッシュ状の凹凸があり、メッシュサイズが2〜23メッシュであるものとしている。メッシュサイズは2〜23メッシュ、好ましくは5〜20メッシュである。メッシュの間隔が2メッシュより大きい場合、あるいは23メッシュより小さい場合は、保湿不織布に嵩がでにくいため、ふんわり感、吸水性、保水性、汚れの拭き取り性、保湿感などが向上する効果が得られにくい。
【0014】
さらに、本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布は、保湿不織布表面の凹凸の凹部が貫通孔になっており、貫通孔の短径が100μm以上であるものとしている。貫通孔の短径とは、貫通孔が楕円形であった場合の短径の長さを意味している。貫通孔が長方形であった場合には短辺の長さを意味する。凹部が貫通孔になっていると、凹凸が明瞭になり、汚れの拭き取り性が特に向上する。
【0015】
保湿不織布表面に凹凸を形成する手段であり、保湿不織布に部分的に繊維が押しつぶされた部分を作り凹凸を形成する製造方法として、保湿不織布表面の凹凸がエンボス加工により形成されたものとしている。
【0016】
さらに、本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布の製造方法は、保湿不織布表面の凹凸が湿潤状態でのエンボス加工により形成されたものとしている。保湿不織布の原紙として好ましいパルプ入りの不織布においては、湿潤状態にすることでパルプ繊維間の水素結合がゆるみ、変形しやすくなる。この状態でエンボス加工すると、保湿不織布表面に明瞭に凹凸が形成される。ただし、湿潤状態で放置すると凹凸がつぶれやすいので速やかに乾燥させることが好ましい。乾燥させることでパルプ繊維間に新たに水素結合が形成され、凹凸がつぶれたり、変形したりしにくくなる。
【0017】
エンボスの形状として、ドット状、ストライプ状、メッシュ状の形状を挙げているが、その他の幾何学的形状、文字、イラストなどの形状であっても良い。そうすることで意匠性を高めることができる。
【0018】
エンボス加工は保湿加工の前に行っても、後に行ってもよい。ただし、エンボス加工した不織布に保湿加工するとエンボスによる凹凸が不鮮明になりやすいので保湿加工後にエンボス加工を行うことが好ましい。保湿加工した直後にエンボス加工を行い、速やかに乾燥すると湿潤状態でのエンボス加工と同様の効果が得られるのでさらに好ましい。その際に使用する保湿液の水分率を保湿液の平衡水分率より1〜40%高くなるように設定しておくと最も好ましい。
【0019】
保湿不織布表面に凹凸を形成する手段であり、保湿不織布に部分的に繊維の数が少ない部分を作り凹凸を形成する製造方法として、スパンレース不織布の製造時に水流交絡処理時に模様をつけ、その後に保湿加工を行う方法としている。
【0020】
本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布の製造方法は、不織布がスパンレース法により製造された不織布であり、水流交絡処理時に使用する搬送ベルトのメッシュが2〜23メッシュである。この条件を満たす搬送ベルトを使用して水流交絡処理を行うと、搬送ベルトを構成するワイヤーの凸部に相当する位置において高圧柱状流により不織布を構成する繊維がはじかれて凹部が形成されることにより、搬送ベルトと同じメッシュサイズのメッシュ状不織布を製造することができる。高圧柱状流の水圧が十分高い場合にはその位置に貫通孔が形成される。搬送ベルトのメッシュは2〜23メッシュ、好ましくは5〜20メッシュである。2メッシュよりも搬送ベルトのメッシュ間隔が大きくなると水流交絡処理時に繊維が水と一緒に流れてしまう。この製造法で作製した不織布に保湿加工を行うと、保湿不織布表面にメッシュ状の凹凸があり、メッシュサイズが2〜23メッシュである保湿不織布が得られる。
【0021】
本発明にかかる保湿不織布表面に凹凸を有する保湿不織布の製造方法は、不織布がスパンレース法により製造された不織布であり、水流交絡処理時に使用するノズルピッチが1.1mm以上である。この製造方法により作製した不織布に保湿加工を行うと、保湿不織布表面の凹凸がストライプ状であり、ストライプ間のピッチが1.1mm以上である保湿不織布が得られる。水流交絡処理時に使用するノズルピッチは1.1mm以上、好ましくは2〜15mm、更に好ましくは3〜10mmである。
【0022】
水流交絡処理におけるノズルピッチは通常は0.5〜1.0mmである。スパンレース不織布製造時に0.5〜1.0mmのノズルピッチの水流交絡ノズルを使用して、不織布を作製し、最後に、1.1mm以上のノズルピッチの水流交絡ノズルを使用して、強く水流交絡処理を行う製造法が好ましい。そうすることにより、1.1mm以上のノズルピッチの水流交絡ノズルからでる高圧柱状流が当たった部分が、不織布流れ方向に連続的な凹部分を形成する。これにより、1.1mm以上のノズルピッチと同じ間隔のストライプ状の凹凸を有する不織布を製造することができる。ストライプ状凹凸を明瞭に形成するためには23メッシュ以上、好ましくは50メッシュ以上のメッシュナンバーの搬送ベルトを使用することが好ましい。このストライプ状凹凸がある不織布に保湿加工を行うと、保湿不織布表面にストライプ状凹凸がある保湿不織布が得られる。
【0023】
また、水流交絡処理時に、水流交絡ノズルと不織布の間にパターンシリンダーを配置して、不織布表面に凹凸を形成してもよい。パターンシリンダーの模様の形状はドット状、ストライプ状、メッシュ状であってもよい。その他の幾何学模様、文字、イラストであってもよい。その場合には意匠性を高めることができる。このような模様状の凹凸のある不織布を保湿加工すると模様状の凹凸のある保湿不織布が得られる。
【0024】
水溶性成分を担持させる前の不織布、すなわち、不織布原紙の製造は、通常の不織布製造技術を採用することができる。
【0025】
具体的には、スパンレース法、スパンボンド法、湿式法、エアーレイド法、ケミカルボンド法、メルトブロー法などが挙げられる。これらの製造法を組み合わせて製造することもできる。
【0026】
水流交絡処理により不織布表面に凹凸を形成する場合にはスパンレース法が必須であるが、エンボス法により不織布表面に凹凸を形成する場合においてもスパンレース法が好ましい製造技術である。なかでもパルプやレーヨンなどのセルロース系繊維を含有するスパンレース不織布は吸水性がよく、しっとり感が増すためより好ましい。
【0027】
不織布原紙の目付を20〜100g/m2 に設定できる。目の周りなど細かい部分を拭く用途など、しなやかさ、ドレープ性などが重視される場合は好ましくは30〜60g/m2 、さらに好ましくは40〜50g/m2 である。一方、体全体を拭く用途など大きな吸水量、強度などが重視される場合は40〜100g/m2 、さらに好ましくは50〜80g/m2 である。
【0028】
水溶性成分は不織布原紙に保湿液を塗工することにより不織布に担持させることができる。保湿液は保湿成分、水、油類、油類を保湿液に分散させるための界面活性剤などを含むことができる。保湿液中の水分量を保湿液の平衡水分率付近に調整した状態で塗工すると、塗工後の乾燥や調湿工程を省略することができ、経済的である。
【0029】
保湿成分とは水分の保持能力が高い物質で、その具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビット、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール、マルチトール、還元澱粉加水分解物、果糖、ブドウ糖、オリゴ糖、トレハロース、グリシンベタイン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、乳酸、乳酸塩、尿素などが挙げられる。
【0030】
グリセリンは、吸湿力、コスト、安全性の面で好適である。また、ソルビトールは、グリセリンより吸湿力は低いが、一旦取り込んだ水分を保持する能力が高く、グリセリンと併用することにより環境湿度の変化に伴う保湿不織布の水分の変化を緩衝する効果が得られる。
【0031】
油類の具体例としては、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素類、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、大豆油、やし油、牛脂、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリンなどの油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチルなどのエステル油類が挙げられる。
【0032】
油類が多くなれば、肌への転移性に優れたものとなる。
【0033】
保湿不織布に含まれる水分は、保湿成分や不織布原紙の吸湿力により保持されている水分である。すなわち保湿不織布が置かれている環境の空気中に含まれる水分と平衡状態にある水分である。ウェットティシュのような不織布重量に対し200%以上の水分を含み、乾燥を防止する包装が必須である製品とは本質的に異なる。ただし、衛生的に保つ目的や、よりしっとり感が高い状態を保つ目的のために、密封した包装をすることや、さらには水分率が高い状態または低い状態で包装することもできる。この包装された保湿不織布の水分率は、23℃における平衡水分率+40%以下であることが好ましく、23℃における平衡水分率+20%以下であることがさらに好ましく、23℃における平衡水分率+10%以下であることが最も好ましい。
【0034】
保湿液の不織布原紙への塗工方法はグラビア塗工、スプレー塗工、ダイ塗工、ディッピング法など通常の塗工方法から選ぶことができる。片面塗工だけでもよいが、不織布の表裏の肌触りを揃えるためには両面塗工が好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明にかかる保湿不織布は、保湿不織布表面に凹凸を付与することにより、ふんわり感、柔らかさなどの肌ざわりを向上させることができ、同時に吸水性、保水性、拭き取り性、肌への保湿感を高めることができるものとなった。
【0036】
さらに、本発明にかかる保湿不織布の製造方法は、機械的な加工を行うことによって、保湿成分を含有することで低下していた嵩や保水性などの特性の改善が見られるものであり、簡易で作業性に優れたものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明にかかる保湿不織布およびその製造方法を実施例に基づいて詳細に説明する。
〔実施例1−1〜1−2、比較例1〕
(不織布の製造)
針葉樹クラフトパルプ(キャンフォー社製ハウサンド400)をパルパーで離解し、円網式抄紙機により坪量約30g/m2 のパルプ紙を作製した。レーヨン繊維(1.1dtex38mm)を2台のカード機で解繊し、目付約10g/m2 の1対の繊維ウェブを作製した。上記のパルプ紙を1対の繊維ウェブの間に挟み、搬送ベルトに供給した。搬送ベルトの走行経路に配置されたウォータージェット処理装置で交絡一体化処理を行い、目付52.4g/m2 のパルプ入りスパンレース不織布を得た。ウォータージェット処理は孔径80μm、1mmピッチのノズルを使用し、水圧4.5MPaで処理した。
【0038】
(保湿加工)
こうして得られた不織布に保湿加工を施した。不織布にスプレー塗工法により、保湿液を塗布した。風乾、調湿後、保湿不織布の目付を測定すると74.4g/m2 であった。この保湿不織布の水溶性成分含有量は41.9%、平衡水分率増加量は3.0%であった。
【0039】
(保湿成分)
保湿液は、グリセリン60重量%、ソルビトール10重量%、デカグリセリンモノステアリン酸エステル1重量%、流動パラフィン5重量%、ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタンモノステアレート1重量%、ソルビタンモノステアレート0.4重量%、水22.6重量%の配合処方とした。
【0040】
(実施例1−1)ドット状エンボス加工(ドライ)
保湿不織布をエンボスロール(スチール/ラバー)で加圧しエンボス加工を行った。エンボス形状はドット状で、エンボスの直径は1mm、単位面積あたりの個数が10個/cmであった。加工は有限会社吉永鉄工製PAPER MACHINEを使用して行い、加工条件は、エアー圧:0.5MPa、加工速度:2m/min、加工温度:60℃とした。
【0041】
(実施例1−2)ドット状エンボス加工(ウェット)
保湿不織布にスプレーにより水分を保湿不織布重量に対し20重量%添加した後、エンボスロール(スチール/ラバー)で加圧しエンボス加工を行った。エンボス形状はドット状で、エンボスの直径は1mm、単位面積あたりの個数が10個/cmであった。加工は有限会社吉永鉄工製PAPER MACHINEを使用して行い、加工条件は、エアー圧:0.5MPa、加工速度:2m/min、加工温度:60℃とした。
【0042】
(比較例1)
保湿加工のみを行った不織布とした。
【0043】
実施例1−1、1−2、比較例1の性能試験の結果および官能試験の結果を表1に示した。なお、前記実施例、比較例の性能試験および官能試験は、以下に述べるようにして行った。
【0044】
【表1】

【0045】
<評価>
実施例1−1、1−2と比較例1とでは同量の保湿成分を含有しているが、実施例1−1、1−2の方が比較例1に比べ、以下の点で優れている。
1)剛軟度/目付(たて)が低下し、柔らかさが向上している。
2)KES 圧縮のT0、Tmともに増加し、厚みが増加している。
3)保水率が上がっている。
4)官能試験においては、ふんわり感が上がり、柔らかく感じている。また、肌の保湿感も向上し、保湿液の転移性が上がっている。
5)表面の凹凸により拭き取り性が向上している。
【0046】
〔実施例2−1〜2−4、比較例2〕
(不織布の製造)
針葉樹クラフトパルプ(キャンフォー社製ハウサンド400)をパルパーで離解し、円網式抄紙機により坪量約30g/m2 のパルプ紙を作製した。レーヨン繊維(1.1dtex38mm)を50重量%、PET繊維(1.1dtex38mm)を50重量%配合した繊維を2台のカード機で解繊し、目付約10g/m2 の1対の繊維ウェブを作製した。上記のパルプ紙を1対の繊維ウェブの間に挟み、搬送ベルトに供給した。搬送ベルトの走行経路に配置されたウォータージェット処理装置で交絡一体化処理を行い、目付50.2g/m2 のパルプ入りスパンレース不織布を得た。ウォータージェット処理は孔径80μm、1mmピッチのノズルを使用し、水圧4.5MPaで処理した。
【0047】
(保湿加工)
こうして得られた不織布に保湿加工を施した。不織布にスプレー塗工法により、保湿液を塗布した。風乾、調湿後、保湿不織布の目付を測定すると71.6g/m2 であった。この保湿不織布の水溶性成分含有量は42.7%、平衡水分率増加量は4.1%であった。保湿液は、実施例1と同じ保湿液を使用した。
【0048】
(実施例2−1)ドット状エンボス加工(ドライ)
保湿不織布をエンボスロール(スチール/ラバー)で加圧しエンボス加工を行った。エンボス形状はドット状で、エンボスの直径は1mm、単位面積あたりの個数が10個/cmであった。加工は有限会社吉永鉄工製PAPER MACHINEを使用して行い、加工条件は、エアー圧:0.5MPa、加工速度:2m/min、加工温度:60℃とした。
【0049】
(実施例2−2)ドット状エンボス加工(ウェット)
保湿不織布にスプレーにより水分を保湿不織布重量に対し20重量%添加した後、エンボスロール(スチール/ラバー)で加圧しエンボス加工を行った。エンボス形状はドット状で、エンボスの直径は1mm、単位面積あたりの個数が10個/cmであった。加工は有限会社吉永鉄工製PAPER MACHINEを使用して行い、加工条件は、エアー圧:0.5MPa、加工速度:2m/min、加工温度:60℃とした。
【0050】
(実施例2−3)ストライプ状エンボス加工(ドライ)
保湿不織布をストライプ形状エンボス型2枚の間にはさみ、平型プレス装置でプレス加工して、ストライプ形状のエンボス加工を行った。ストライプ形状エンボス型はピッチが4mm、深さが2mmであり、保湿不織布の横方向にストライプ形状ができるように配置した。加工条件は、プレス圧:5MPa、プレス時間:60秒、加工温度:60℃とした。
【0051】
(実施例2−4)ストライプ状エンボス加工(ウェット)
保湿不織布にスプレーにより水分を保湿不織布重量に対し20重量%添加した後、実施例2−3と同様のストライプ形状のエンボス加工を行った。加工条件は、プレス圧:5MPa、プレス時間:60秒、加工温度:60℃とした。
【0052】
(比較例2)
保湿加工のみを行った不織布とした。
【0053】
実施例2−1、2−2、2−3、2−4、比較例2の性能試験の結果および官能試験の結果を表2に示した。なお、前記実施例、比較例の性能試験および官能試験は、実施例1と同様にして行った。
【0054】
【表2】

【0055】
<評価>
実施例2−1〜2−4と比較例2とでは同量の保湿成分を含有しているが、実施例2−1〜2−4の方が比較例2に比べ、以下の点で優れている。
1)剛軟度/目付(たて、よこ)が低下し、柔らかさが向上している。
2)KES 圧縮のT0が増加、厚みが増加している。
3)保水率が上がっている。
4)官能試験においては、ふんわり感が上がり、柔らかく感じている。また、肌の保湿感も向上し、保湿液の転移性が上がっている。
5)表面の凹凸により拭き取り性が向上している。
【0056】
〔実施例3、比較例3〕
(実施例3)
(不織布の製造)
針葉樹クラフトパルプ(キャンフォー社製ハウサンド400)をパルパーで離解し、円網式抄紙機により坪量約20g/m2 のパルプ紙を作製した。レーヨン繊維(1.7dtex38mm)を2台のカード機で解繊し、目付約10g/m2 の1対の繊維ウェブを作製した。上記のパルプ紙を1対の繊維ウェブの間に挟み、20メッシュの搬送ベルトに供給した。搬送ベルトの走行経路に配置されたウォータージェット処理装置で交絡一体化処理を行い、目付38.6g/m2 のパルプ入りスパンレース不織布を得た。この不織布には20メッシュの搬送ベルトの網目に対応して、貫通孔のあいた20メッシュのメッシュ状不織布となった。ウォータージェット処理は孔径80μm、0.5mmピッチのノズルを使用し、水圧4.0MPaで処理した。
【0057】
(保湿加工)
こうして得られたメッシュ状不織布にグラビア塗工法により、保湿液を塗布し、風乾、調湿して貫通孔のあいたメッシュ状凹凸のある保湿不織布を得た。保湿不織布の目付を測定すると48.5g/m2 であった。この保湿不織布の水溶性成分含有量は25.7%、平衡水分率増加量は2.5%であった。保湿液は、実施例1と同じ保湿液を使用した。
【0058】
(比較例3)
実施例3において、ウォータージェット処理時の搬送ベルトのメッシュサイズを50メッシュにした以外は同様に作製した。搬送ベルトのメッシュサイズを50メッシュにすると明瞭な貫通孔や不織布表面の凹凸は形成されなかった。不織布の目付は37.0g/m2 、保湿不織布の目付は45.7g/m2、水溶性成分含有量は23.5%、平衡水分率増加量は2.5%であった。
【0059】
実施例3、比較例3の性能試験の結果および官能試験の結果を表3に示した。なお、前記実施例、比較例の性能試験および官能試験は、実施例1と同様にして行った。
【0060】
【表3】

【0061】
<評価>
実施例3と比較例3とでは同量の保湿成分を含有しているが、実施例3の方が比較例3に比べ、以下の点で優れている。
1)剛軟度/目付(たて、よこ)が低下し、柔らかさが向上している。
2)KES 圧縮のT0、Tmともに増加し、厚みが増加している。
3)保水率が上がっている。
4)官能試験においては、ふんわり感が上がり、柔らかく感じている。
また、肌の保湿感も向上し、保湿液の転移性が上がっている。
5)表面の凹凸により拭き取り性が向上している。
【0062】
〔実施例4、比較例4〕
(実施例4)
(不織布の入手)
三昭紙業株式会社製KP8340を使用して試験を行った。KP8340はパルプとレーヨン繊維からなるスパンレース不織布で、メッシュ状になっている。メッシュサイズは8メッシュ、貫通孔の短径は512μm、不織布の目付は41.9g/m2 であった。
【0063】
(保湿加工)
こうして得られたメッシュ状不織布にグラビア塗工法により、保湿液を塗布し、風乾、調湿して貫通孔のあるメッシュ状保湿不織布を得た。保湿不織布の目付を測定すると60.3g/m2 であった。この保湿不織布の水溶性成分含有量は43.9%、平衡水分率増加量は3.1%であった。保湿液は、実施例1と同じ保湿液を使用した。
【0064】
(比較例4)
実施例4で使用したKP8340の代わりに、KP9340を使用した以外は実施例4と同様に作製した。
【0065】
KP9340もパルプとレーヨン繊維からなるスパンレース不織布であるが不織布表面はフラットである。不織布の目付は40.4g/m2 、保湿不織布の目付は57.9g/m2、水溶性成分含有量は43.3%、平衡水分率増加量は3.1%であった。
【0066】
実施例4、比較例4の性能試験の結果および官能試験の結果を表4に示した。なお、前記実施例、比較例の性能試験および官能試験は、実施例1と同様にして行った。
【0067】
【表4】

【0068】
<評価>
実施例4と比較例4とでは同量の保湿成分を含有しているが、実施例4の方が比較例4に比べ、以下の点で優れている。
1)剛軟度/目付(たて)が低く、柔らかい。
2)KES 圧縮のT0、Tmともに高く、厚い。
3)保水率が高い。
4)官能試験においては、しっとり感、ふんわり感の評価が高い。
また、肌の保湿感も高く、保湿液の転移性が高い。
5)表面の凹凸により拭き取り性高い。
【0069】
<性能試験>
サンプルはJIS P8111(紙、板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態)に従って23℃、50%RHの環境で調湿して試験を行った。
(目付)
JIS L1913(一般短繊維不織布試験方法)単位面積あたりの質量を目付とした。
【0070】
(水溶性成分含有率)
以下の手順により測定した。
【0071】
100mm×100mmの大きさに裁断したサンプル5枚を標準状態(23℃、50%)で調湿したあとの重量を測定する(その重量をAとする。すなわち、A=(不織布繊維の重量)+(不織布繊維の平衡水分重量)+(保湿成分重量)+(保湿成分の平衡水分重量)となる)。そのサンプルを60℃の蒸留水2L中で攪拌しながら10分間洗浄し、サンプルの水を充分に切る(脱落繊維があるときはろ紙を用いてろ過し、得られた脱落繊維を不織布サンプルと同様に操作して不織布サンプルの重量Bに加える)。105℃の熱風乾燥器を用いて3時間乾燥させ、再び標準状態(23℃、50%)で調湿して重量を測定する(その重量をBとする。すなわち、B=(不織布繊維の重量)+(不織布繊維の平衡水分重量)となる)。このとき次式により水溶性成分含有率を計算する。
水溶性成分含有率(%)=(A−B)÷B×100
【0072】
(平衡水分率)
JIS P8127(紙及び板紙−水分試験方法−乾燥器による方法)を参考に、以下の手順により測定した。
【0073】
100mm×100mmの大きさに裁断したサンプル5枚を標準状態(23℃、50%)で調湿したあとの重量を測定する(その重量をAとする)。そのサンプルを秤量瓶(筒型で胴径60mm、高さ80mmの大きさの秤量瓶を使用)に入れふたを閉じて重量を測定する(その重量をBとする)。秤量瓶のふたを開けて105℃の熱風乾燥機を用いて3時間乾燥させ、秤量瓶のふたを閉めてデシケーター中で、23℃になるまで冷却したあとの重量を測定する(その重量をCとする)。このとき次式により平衡水分率を計算する。
平衡水分率(%)=(B−C)÷A×100
【0074】
(平衡水分率増加率)
上記の方法で、保湿不織布の平衡水分率と保湿不織布から水溶性成分を除去した際の不織布(保湿加工前の不織布)の平衡水分率を測定し、その差を取って平衡水分率増加率とした。
平衡水分率増加率(%)=(保湿不織布の平衡水分率)−(保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率)
【0075】
(凹凸の高低差)
大きさあるいはピッチが2mm以下の凹凸については株式会社KEYENCE製3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800の3D計測機能を用いて計測した。倍率は30倍で計測した。
【0076】
大きさあるいはピッチが2mm以上のものについては、カトーテック株式会社ハンディー圧縮試験機G5を用いて測定した。測定条件はSENS:1、スピードレンジ:0.002cm/sec、DEF感度:2、取り込み間隔:0.1sec、加圧板面積:0.5cm(解析ソフトの設定値)とし、直径1mmの圧縮端子を取り付けて測定を行い、凸部分と凹部分のT0の差を凹凸の高低差とした。
【0077】
(メッシュ状不織布の貫通孔の短径の計測)
株式会社KEYENCE製3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800の計測機能を用いて計測した。
【0078】
(KES 圧縮試験)
カトーテック株式会社KES FB3圧縮試験機により標準高感度条件で荷重0.5gf/cm2 における厚みT0、荷重10gf/cm2 における厚みTmを測定した。
【0079】
(KES 純曲げ試験)
カトーテック株式会社KES FB2純曲げ試験機により測定した。試料幅200mm、標準高感度条件で測定した。
【0080】
(剛軟度)
JIS L1096(一般織物試験方法)剛軟性 E法(ハンドルOメーター法)に従って測定した。ただし、サンプルサイズを100mm×100mmとし、サンプルの中央位置で測定した。スリット幅は10mmとした。
【0081】
(保水率)
保水率は次の方法で測定した。
【0082】
100mm×100mmの大きさに裁断したサンプルを標準状態(23℃、50%)で調湿したあとの重量を測定する(その重量をAとする)。そのサンプルをバットに入れた蒸留水の中に60秒間浸漬した後、傾斜角度30°の金網上に60秒間放置し、すばやくはかりにのせて重量を測定する(その重量をBとする)。このとき次式により保水率を計算する。
保水率=(B−A)÷A
【0083】
<官能試験>
パネラー10名が、各試料を手で触り、以下の項目を評価した。
(柔らかさ)
大変に柔らかい:4点、柔らかい:3点、やや柔らかい:2点、柔らかくない:1点
パネラー10名の評価点を集計した合計点について、以下の表記を行った。
36〜40点:◎、26〜35点:○、16〜25点:△、10〜15点:×
【0084】
以下の評価項目についても同様にして合計点を求め、同様の表記を行った。
【0085】
(滑らかさ)
大変に滑らか:4点、滑らか:3点、やや滑らか:2点、滑らかでない:1点
【0086】
(しっとり感)
大変にしっとり:4点、しっとり:3点、ややしっとり:2点、しっとりしていない: 1点
【0087】
(ふんわり感)
大変にふんわり:4点、ふんわり:3点、ややふんわり:2点、ふんわりしてない:1点
【0088】
(凹凸の明瞭さ)
大変に明瞭:4点、明瞭:3点、やや明瞭:2点、明瞭でない:1点
【0089】
(肌の保湿性)
手を水で洗ったあと各試料で手を拭いたとき、肌に感じる潤いを評価した。
肌に潤いを強く感じる:4点、肌に潤いを感じる:3点、肌に潤いをやや感じる:2点、肌に潤いを感じない:1点
【0090】
(汚れの拭き取り性)
目の周りの汚れを目に刺激を与えないように拭く場面を想定して実験を行った。手のひらの中央に目を想定した直径1cmの円をマジックで描き、手のひら全面にケチャップを塗った。円の中のケチャップには触れないように注意しながら、円の外側のケチャップを試料で拭ったときの拭き取りやすさを評価した。
非常に拭き取り性が良い:4点、拭き取り性が良い:3点、拭き取り性がやや良い:2点、拭き取り性が悪い:1点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布原紙の重量に対して水溶性成分を1%以上含有する保湿不織布であって、当該保湿不織布の平衡水分率と当該保湿不織布から水溶性成分を除去した際の平衡水分率とを比較した場合の平衡水分率増加率が0.5%以上である保湿不織布で、保湿不織布表面に高低差100μm以上の凹凸があることを特徴とする保湿不織布。
【請求項2】
保湿不織布表面の凹凸がドット状であり、単位面積あたりの個数が0.6〜50個/cmであることを特徴とする請求項1に記載の保湿不織布。
【請求項3】
保湿不織布表面の凹凸がストライプ状であり、ストライプ間のピッチが1.1mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の保湿不織布。
【請求項4】
保湿不織布表面にメッシュ状の凹凸があり、メッシュサイズが2〜23メッシュであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保湿不織布。
【請求項5】
保湿不織布表面の凹凸の凹部が貫通孔になっており、貫通孔の短径が100μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保湿不織布。
【請求項6】
保湿不織布表面の凹凸がエンボス加工により形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保湿不織布の製造方法。
【請求項7】
保湿不織布表面の凹凸が湿潤状態でエンボス加工することにより形成されたことを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかに保湿不織布の製造方法。
【請求項8】
不織布がスパンレース法により製造された不織布であり、該不織布の水流交絡処理時に不織布表面に凹凸を形成し、その後に保湿加工を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保湿不織布の製造方法。
【請求項9】
前記水流交絡処理時に使用する搬送ベルトのメッシュが2〜23メッシュであることを特徴とする請求項8に記載の保湿不織布の製造方法。
【請求項10】
前記水流交絡処理時に使用するノズルピッチが1.1mm以上であることを特徴とする請求項8または9に記載の保湿不織布の製造方法。




【公開番号】特開2008−208492(P2008−208492A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47878(P2007−47878)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)【国等の委託研究の成果に係る記載事項】国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度、経済産業省、地域新生コンソーシアム研究開発事業、産業再生法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(591039425)高知県 (51)
【出願人】(592002776)河野製紙株式会社 (10)
【出願人】(599051007)三昭紙業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】