説明

保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物

【課題】 皮膚外用剤や機能性経口組成物などの分野に幅広く応用が可能な保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤を提供する。
【解決手段】 アヤメ科フリージア属植物の球根の抽出物を含有する保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤、及び機能性経口組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アヤメ科フリージア属植物(Freesia属)の球根またはその抽出物を含有する保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚にうるおいを与える保湿成分を提供するために、様々な有効成分の配合検討がなされてきた。また、加齢、疾患、ストレス、紫外線などによるシワ、シミ、皮膚の弾力低下といった皮膚症状の要因として、乾燥、細胞機能機能低下、紫外線によるメラニン産生や色素沈着、真皮マトリックス成分の減少や変性、紫外線等による細胞の酸化障害などが挙げられる。このような皮膚症状を防止・改善するために、様々な有効成分の検索及び配合検討がなされてきた。特に天然由来成分は、様々な薬理作用や美容効果を有することが知られ、これまでにも数多くの植物や菌類などの抽出物の皮膚外用剤、経口組成物への応用が検討されてきた。
【0003】
例えば、皮膚の保湿効果と安全性に優れた保湿剤として柑橘類の外皮を減圧蒸留することにより得られる蒸留画分である細胞水(特許文献1参照)等が、皮膚の老化防止、改善作用を有する皮膚外用剤を得るために、真皮線維芽細胞の賦活あるいは増殖促進作用を有する成分としてウリ科植物果実搾汁液より分離して得られる液体(特許文献2参照)等が、または表皮角化細胞の賦活あるいは増殖促進作用を有する成分としてタイソウ抽出物(特許文献3参照)等が開示されている。美白剤としては、チロシナーゼ活性阻害作用を有する成分として藤茶抽出物(特許文献4参照)やメラニン産生抑制作用を有する成分として発芽ブロッコリー由来成分(特許文献5参照)等、抗炎症剤としてはヒアルロニダーゼ阻害作用を有する成分としてシラタマカズラ(特許文献6参照)等がそれぞれすでに知られている。また、抗酸化剤としては、酸化水素の消去作用を有する成分としてアヤメ科植物のエッセンス(特許文献7参照)やラジカル消去作用を有する成分として単細胞化させたフリージアの花(特許文献8参照)等がこれまでにも知られているが、フリージアの球根から得られる成分についてはこれまで知られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2009−196898号公報
【特許文献2】特開2004−51492号公報
【特許文献3】特開2006−316028号公報
【特許文献4】特開2002−370962号公報
【特許文献5】特開2003−155221号公報
【特許文献6】特開2006−36713号公報
【特許文献7】特開平13−131046号公報
【特許文献8】特開平10−072335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、これまでに様々な天然由来成分が応用されている。しかし、天然由来成分の中には、未だその効果が知られていないものも数多く存在し、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用を有する有効成分の開発が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、天然由来の種々の成分について検討を行った結果、従来はその効果が知られていなかったアヤメ科フリージア属植物の球根またはその抽出物に優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用が存在することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、アヤメ科フリージア属植物より選ばれる少なくとも1種の植物の球根またはその抽出物を含有する保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アヤメ科フリージア属植物より選ばれる1種または2種以上の植物の球根またはその抽出物を配合することにより、優れた効果を有する保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いるフリージア属(Freesia)植物は、アヤメ科に属する単子球根植物で、多年生の球茎植物である。原種であるフリージア(Freesia refracta)やフリージア・アームストロンギ(Freesia armstrongii)等の他、多くの栽培品種が知られている。
【0010】
本発明は、フリージア属植物であれば特に限定されないが、本発明の効果の点から、適当なものとして、フリージア及びその栽培品種から選択される一種又は二種以上の植物が挙げられる。
【0011】
これらフリージア属植物を使用する際は、球根を用いる。
【0012】
抽出の際は、植物の球根を生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。
【0013】
抽出は、任意の抽出溶媒に所定時間浸漬して行うことができる。抽出溶媒は、必要に応じて加熱してもよい。あるいは、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、攪拌したり抽出溶媒中でホモジナイズしたりしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0014】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができる。これらは、単独で用いられる他、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種または2種以上の超臨界液体や亜臨界液体を用いてもよい。
【0015】
フリージア属植物の球根の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、一定期間そのまま静置して熟成させて用いてもよいし、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもできる。あるいは、これらの生理作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理や、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。フリージア属植物の球根の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0016】
フリージア属植物の球根またはその抽出物は、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用を有し、保湿剤、抗老化剤、抗酸化剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚外用剤及び機能性経口組成物として利用することができる。
【0017】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を有効成分とする保湿剤は、優れたヒト真皮線維芽細胞ヒアルロン酸産生促進作用を有し、優れた保湿効果を発揮する。
【0018】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を有効成分とする抗老化剤は、優れたヒト真皮線維芽細胞の細胞賦活作用、ヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用及びヒト表皮角化細胞賦活作用を有し、老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0019】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を有効成分とする抗酸化剤は、優れたDPPHラジカル消去作用、及びSOD様活性作用を有し、優れた抗酸化効果を発揮する。
【0020】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を有効成分とする美白剤は、優れたヒト表皮メラニン細胞チロシナーゼ活性阻害作用、及びB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用を有し、優れた美白効果を発揮する。
【0021】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を有効成分とする抗炎症剤は、優れたヒアルロニダーゼ阻害作用を有し、優れた抗炎症効果を発揮する。
【0022】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を含有する皮膚外用剤は、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用などを発揮する。
【0023】
フリージア属植物の球根またはその抽出物を含有する機能性経口組成物は、優れた保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用などを発揮する。
【0024】
これらの各剤は、フリージア属植物の球根またはその抽出物を有効成分として含む限り、その形態及びその他成分の配合の有無等については、なんら制限されない。形態については、液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等の任意の形態を、その用途等に応じて選択でき、その形態とするために必要なビヒクル(賦形剤)、溶剤、その他の一般的な添加剤(酸化防止剤、着色剤、分散剤等)を任意に含むことができる。
【0025】
ここで、皮膚外用剤とは、化粧料、医薬部外品、外用医薬品等の、皮膚または毛髪に外用される全ての外用組成物を意味している。機能性経口組成物についても、医薬品、食品、飲料等の種類を問わず、経口により摂取される全ての組成物を意味する。
【0026】
皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することもできる。
【0027】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。
【0028】
機能性経口組成物の形態も任意であり、特に限定されることはない。具体的には、飲料を含む一般食品;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の健康食品(サプリメント)または機能性食品;錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エキス等の経口医薬品などが例示できる。
【0029】
皮膚外用剤または機能性経口組成物には、フリージア属植物の球根またはその抽出物の他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料及び洗浄料等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、アルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤、抗老化剤、美白剤、抗酸化剤及び痩身剤あるいはフリージア属植物以外の植物またはその抽出物との併用も可能である。
【0030】
飲食品等の経口組成物の場合も、経口用として通常用いられる各種成分との組み合わせにおいて、特に限定されるものはない。
【0031】
フリージア属植物の球根またはその抽出物の皮膚外用剤または機能性経口組成物への配合量は、種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して、固形分換算で、0.0001〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.01〜5質量%であり、一層好ましくは0.1〜5質量%である。
【実施例】
【0032】
以下にフリージア属植物の球根抽出物の調製例、保湿効果、抗老化効果、抗酸化効果、美白効果、抗炎症効果を評価するための試験方法、皮膚外用剤、機能性食品としての処方例についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0033】
[抽出物1:エタノール抽出物]
フリージアの球根を乾燥させて粉砕し、サンプル質量の20倍量の50容量%エタノールを加えて室温にて攪拌しながら3時間抽出した後、濾過により不溶物を取り除いた。減圧濃縮後、凍結乾燥を行って抽出物を得た。
【0034】
[抽出物2:熱水抽出物]
フリージアの球根を乾燥させて粉砕し、サンプル質量の20倍量の精製水を加えてオートクレーブにて20分間、120度に加温して抽出した。温度の高い状態を保って吸引濾過により不溶物を取り除いた後、凍結乾燥を行って抽出物を得た。
【0035】
上記抽出物を用いて、フリージア(部位:球根)の保湿効果・抗老化効果・抗酸化効果・美白効果・抗炎症効果の評価を行った。なお各評価結果に記載した**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満(P<0.01)を表したものである。
【0036】
<保湿効果(ヒアルロン酸産生促進作用)>
フリージアの球根抽出物のヒト真皮線維芽細胞ヒアルロン酸産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物1を用いた。
【0037】
正常ヒト真皮繊維芽細胞を1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表1に示す各濃度となるように抽出物1を添加した0.5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに3日間培養した。ヒアルロン酸の測定には生化学バイオビジネス社製ヒアルロン酸測定キットを使用した。PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにて各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのヒアルロン酸産生量を求めた。評価結果を試料無添加のコントロールにおける単位タンパク量当りのヒアルロン酸産生量を100とした相対値にて表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1より明らかなように、フリージアの球根抽出物を添加した培地では、有意なヒト真皮線維芽細胞ヒアルロン酸産生促進作用が認められ、優れた保湿効果を発揮する。
【0040】
<抗老化効果(ヒト真皮線維芽細胞賦活作用)>
フリージアの球根抽出物のヒト真皮線維芽細胞賦活作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物2を用いた。
【0041】
正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表2に示す各濃度となるように抽出物2を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。次に400μg/mLとなるよう培地にて調整したMTT試薬を、上清を除いた細胞に添加し、約2時間培養した。最後に2−プロパノールにて生じたフォルマザンを抽出し、550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmの吸光度を測定し、両測定値の差を用いて細胞賦活作用を評価した。評価では、サンプル培養液の他に、コントロールとして1質量%FBS添加DMEM培地を、ポジティブコントロールとして5質量%FBS添加DMEM培地を用いた。評価結果を、試料無添加のコントロールにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
表2より明らかなように、フリージアの球根抽出物を添加した培地では、有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。
【0044】
<抗老化効果(ヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用)>
フリージアの球根抽出物のヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物2を用いた。
【0045】
正常ヒト真皮繊維芽細胞を1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表3に示す各濃度となるように抽出物2を添加した0.5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに24時間培養した。培養上清中に分泌されたタイプIコラーゲンの定量にはELISA法を用い、最後は標識されたペルオキシダーゼに対し2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)及び過酸化水素を添加し反応させた後、405nmの吸光度を測定した。PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにて各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのタイプIコラーゲン産生量を求めた。評価結果を試料無添加のコントロールにおける単位タンパク量当りのタイプIコラーゲン産生量を100とした時の相対値にて表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
表3より明らかなように、フリージアの球根抽出物を添加した培地では、有意なヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用が認められた。
【0048】
<抗老化効果(ヒト表皮角化細胞賦活作用)>
フリージアの球根抽出物のヒト表皮角化細胞賦活作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物2を用いた。
【0049】
正常ヒト表皮角化細胞NHEKを1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはHumedia−KG2培地(クラボウ社製のNHEK増殖培地)を用いた。24時間培養後、表4に示す各濃度となるように抽出物2を添加したKG2培地に交換し、さらに24時間培養した。次に100μg/mLとなるよう培地にて調整したMTT試薬を、上清を除いた細胞に添加し、約1時間培養した。最後に2−プロパノールにて生じたフォルマザンを抽出し、550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmの吸光度を測定し、両測定値の差を用いて細胞賦活作用を評価した。評価結果を試料無添加のコントロールにおける細胞賦活作用を100とした時の相対値にて表4に示す。
【0050】
【表4】

【0051】
表4より明らかなように、フリージアの球根抽出物を添加した培地では、有意な表皮角化細胞賦活作用が認められた。
【0052】
表2〜4に示したとおり、フリージアの球根抽出物は、ヒト真皮線維芽細胞賦活作用、ヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用、及びヒト表皮角化細胞賦活作用を示すことから、優れた抗老化効果を発揮する。
【0053】
<抗酸化効果(DPPHラジカル消去作用)>
フリージアの球根抽出物のDPPHラジカル消去作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物1を用いた。
【0054】
抽出物1を、50質量%エタノールにて表5に示す各濃度に調製したサンプル溶液100μLに、0.2mMの1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)エタノール溶液100μLを添加し、よく混合した後、室温、暗所にて10分静置し、DPPHラジカルに由来する516nmの吸光度を測定した。試料無添加時の吸光度を(A)、試料添加時の吸光度を(B)とした時、DPPHラジカル消去率は次式に定義される。
消去率={1−(B)/(A)}×100
評価結果を表5に示す。
【0055】
【表5】

【0056】
表5より明らかなように、フリージアの球根抽出物には有意なDPPHラジカル消去作用が認められた。
【0057】
<抗酸化効果(スーパーオキサイドアニオン消去作用)>
フリージアの球根抽出物のSOD様活性の評価(スーパーオキサイドアニオン消去作用の評価)を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物1を用いた。
【0058】
抽出物1を、HANK’S(+)溶液にて表6に示す各濃度に調製したサンプル溶液25μLに、0.25mMのWST−1、及び1mMヒポキサンチンを含むHANK’S(+)溶液75μLを添加した。さらに、キサンチンオキシダーゼ25μL(0.0075Units)を添加し、37℃にて15分間反応後、450nmの吸光度を測定した。試料無添加時の吸光度を(A)、試料添加時の吸光度を(B)とした時、スーパーオキサイドアニオン消去率は次式に定義される。
消去率(%)={1−(B)/(A)}×100
評価結果を表6に示す。
【0059】
【表6】

【0060】
表6より明らかなように、フリージアの球根抽出物には有意なSOD様活性(スーパーオキサイドアニオン消去作用)が認められた。
【0061】
表5、6に示したとおり、フリージアの球根抽出物は、DPPHラジカル消去作用、及びSOD様活性(スーパーオキサイドアニオン消去作用)を示すことから、優れた抗酸化効果を発揮する。
【0062】
<美白効果(チロシナーゼ活性阻害作用)>
フリージアの球根抽出物のヒト表皮メラニン細胞チロシナーゼ活性阻害作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物2を用いた。
【0063】
正常ヒト表皮メラニン細胞を1ウェル当り3.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはMedium 254Sを用いた。24時間培養後、表7に示す各濃度となるように抽出物2を添加したMedium 254Sに交換し、さらに48時間培養した。次に1質量%Triton−Xを含有するリン酸緩衝液75μLに交換し、細胞を完全に溶解させ、内50μLを粗酵素液として使用した。粗酵素液に基質となる50μLの0.05質量%L−ドーパ含有リン酸緩衝液を加え、37℃で2時間静置した。基質添加直後と反応終了時の405nmの吸光度を測定し、生成されたドーパメラニン量は両測定値の差を次式に導入して求めた。
生成されたドーパメラニン量={(反応後405nm値−反応前405nm値)−2.166}/5.238
また、PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにて各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのドーパメラニン生成量を求めた。評価結果を試料無添加のコントロールにおける単位タンパク量当りのドーパメラニン生成量と比較し、表7に示す。
【0064】
【表7】

【0065】
表7より明らかなように、フリージアの球根抽出物を添加した培地では、有意なチロシナーゼ活性阻害作用が認められた。
【0066】
<美白効果(メラニン産生抑制作用)>
フリージアの球根抽出物のB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物2を用いた。
【0067】
B16マウスメラノーマ細胞(B16F0細胞)を1ディッシュ当り18000個となるように90mmディッシュに播種した。播種培地には5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間培養後、表8に示す各濃度となるように抽出物2を添加した5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに5日間培養した。培養終了後、トリプシン処理にて細胞をはがし、1.5mLマイクロチューブに移して遠心操作して細胞沈殿物を得た。得られた沈殿物は下記判定表を基にその黒化状況を肉眼判定した。評価ではネガティブコントロールに5質量%FBS添加DMEM培地、ポジティブコントロールに50mM乳酸ナトリウムを含有する5質量%FBS添加DMEM培地を用いた。これらの目視判定結果は判定5、及び判定1とし、サンプル判定の指標とした。目視判定は表9に示す通り、5段階評価した。また同時に、沈殿物に組織溶解剤(商品名Solvable)を添加して煮沸し、室温に戻して分光光度計(HITACHI製分光光度計U−3010)により500nmの吸光度を測定し、総メラニン量を求めた。評価結果を表8に示す。
【0068】
【表8】

【0069】
【表9】

【0070】
表8より明らかなように、フリージアの球根抽出物を添加した培地では、有意なB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用が認められた。
【0071】
表7、8に示したとおり、フリージアの球根抽出物は、優れたチロシナーゼ活性阻害作用、及びB16マウスメラノーマ細胞メラニン産生抑制作用を示すことから、優れた美白効果を発揮する。
【0072】
<抗炎症効果(ヒアルロニダーゼ阻害作用)>
フリージアの球根抽出物のヒアルロニダーゼ阻害効果作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、抽出物1を用いた。
【0073】
ヒアルロン酸カリウム塩(ヒト臍の緒由来)を0.9mg/mLになるよう0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、基質溶液とした。ヒアルロニダーゼ(ウシ精巣由来)を5300unit/mLとなるよう0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、酵素溶液とした。抽出物2を緩衝液にて表10に示す各濃度に調製したサンプル溶液0.1mL及び酵素溶液0.03mLを試験管にとり、37℃で20分間反応させた。次に活性化剤を0.06mL加え、37℃で20分間反応させた。さらに基質溶液を0.15mL加え、37℃で1時間反応させた。0.4NのNaOHを0.06mL加え、反応停止後すぐに氷冷し、ホウ酸緩衝液(pH9.1)を0.06mL添加し、3分間煮沸後さらに氷冷した。p−DABA溶液を2.0mL添加し、37℃で20分間反応させた後、反応溶液を96ウェルマイクロプレートに移し、585nmにおける吸光度を測定した。コントロールには、試料無添加の緩衝溶液を用いた。ヒアルロニダーゼの活性が阻害されると分解産物であるN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)が減少し、p−DABAによる吸光度が低くなる。ヒアルロニダーゼ阻害作用は次式に定義される。阻害率(%)=(コントロール吸光度−サンプル吸光度)/コントロール吸光度×100
評価結果を表10に示す。
【0074】
【表10】

【0075】
表10より明らかなように、フリージアの球根抽出物には、有意なヒアルロニダーゼ阻害作用が認められ、優れた抗炎症効果を発揮する。
【0076】
続いて、上記各調製方法で得られたフリージアの球根抽出物を配合した皮膚外用剤及び機能性経口組成物の処方例を示す。
【0077】
[実施例1]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)抽出物1 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0078】
[実施例2]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)抽出物2 1.0
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。さらに(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0079】
[実施例3]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)抽出物1 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0080】
[実施例4]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)抽出物2 3.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)を加え、均一に混合する。
【0081】
[実施例5]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)抽出物2 0.5
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
【0082】
[実施例6]クレンジング料
(1)スクワラン 81.0(質量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)抽出物1 4.0
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)を加え、均一に混合する。
【0083】
[実施例7]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(質量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 25.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 100とする残部
(8)抽出物2 0.1
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合攪拌する。冷却後40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0084】
[実施例8]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.2(質量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 100とする残部
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)抽出物1 3.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0085】
[実施例9]乳液状ファンデーション
(1)メチルポリシロキサン 2.0(質量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 0.7
(7)1,3−ブチレングリコール 8.0
(8)キサンタンガム 0.1
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 100とする残部
(11)酸化チタン 9.0
(12)タルク 7.4
(13)ベンガラ 0.5
(14)黄酸化鉄 1.1
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)香料 0.1
(17)抽出物2 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。冷却後40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0086】
[実施例10]油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 34.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)抽出物1 3.0
(11)精製水 100とする残部
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを攪拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0087】
[実施例11]パック
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 17.0
(4)グリセリン 9.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)抽出物2 1.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却する。40℃にて(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0088】
[実施例12]入浴剤
(1)香料 0.3(質量%)
(2)抽出物1 3.0
(3)炭酸水素ナトリウム 50.0
(4)硫酸ナトリウム 46.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0089】
[実施例13]ヘアーワックス
(1)ステアリン酸 3.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)セチルアルコール 3.0
(4)高重合メチルポリシロキサン 2.0
(5)メチルポリシロキサン 5.0
(6)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)1,3−ブチレングリコール 7.5
(9)アルギニン 0.7
(10)精製水 100とする残部
(11)抽出物2 2.0
(12)香料 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0090】
[実施例14]ヘアートニック
(1)エタノール 50.0(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)抽出物1 3.0
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合、均一化する。
【0091】
[実施例15]錠剤
(1)コーンスターチ 44.0(質量%)
(2)結晶セルロース 100とする残部
(3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0
(4)無水ケイ酸 0.5
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5
(6)抽出物1 5.0
製法:(1)〜(6)を均一に混合し、打錠機にて圧縮成型して、1錠200mgの錠剤を得る。
【0092】
[実施例16]散剤
(1)ケイ酸アルミン酸マグネシウム 95.3(質量%)
(2)カルボキシメチルセルロースカルシウム 100とする残部
(3)抽出物1 4.0
製法:(1)〜(3)の粉体を混合後、粉砕機にて粉砕し、均一に分散する。
【0093】
[実施例17]キャンデー
(1)白糖 60.0(質量%)
(2)水飴 100とする残部
(3)抽出物1 5.0
(4)香料 適量
製法:(1)と(2)を加熱混合・均一化した後冷却し、70℃にて成分(3)と(4)を添加し、混合均一化した後成型する。
【0094】
[実施例18]ドリンク剤
(1)アミノエチルスルホン酸 1000mg
(2)硝酸チアミン 10mg
(3)リン酸リボフラビンナトリウム 5mg
(4)塩酸ピリドキシン 10mg
(5)無水カフェイン 50mg
(6)クエン酸 250mg
(7)D−ソルビトール液 8mg
(8)抽出物1 1000mg
(9)香料 微量
(10)精製水 100mLとする残部
製法:(1)〜(9)を順次(10)に添加し、均一化する。
【0095】
実施例1〜実施例14に示した皮膚外用剤は、保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用を有する組成物であった。また実施例15〜実施例18に示した機能性経口組成物は保湿作用、抗老化作用、抗酸化作用、美白作用、抗炎症作用を有する組成物であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする保湿剤。
【請求項2】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする抗老化剤。
【請求項3】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項4】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする美白剤。
【請求項5】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする抗炎症剤。
【請求項6】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする皮膚外用剤。
【請求項7】
アヤメ科フリージア属(Freesia属)植物の球根の抽出物を有効成分とする機能性経口組成物。

【公開番号】特開2011−157299(P2011−157299A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19866(P2010−19866)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】