説明

保湿剤並びにこれを含有する化粧品又は外用剤

【課題】
低湿度下においても高い保湿性能を有し、べたつき感やぬめり感のない官能特性に優れた化粧品又は外用剤を提供する。
【解決手段】
トリグリセリンの濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%以上であり、且つトリグリセリン及びテトラグリセリンの各々の濃度が10重量%〜70重量%の範囲であるポリグリセリンからなる保湿剤を配合した化粧品又は外用剤を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のポリグリセリンからなる保湿剤、並びにこれを含有する化粧品又は外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品や外用剤には、皮膚や毛髪等の人体の保湿、又は製品自体の水分保留剤としてグリセリンを初め、プロピレングリコールやソルビトールといった多価アルコールが広く使われている。しかしながら、これらの多価アルコールを含有させた化粧品及び外用剤は、塗布したときのべたつき感やぬめり感が消費者に好まれない場合があったり、また環境の湿度が極めて低い状況における保湿効果については十分な効果が得られず、特許文献1に記載の様にヒアルロン酸ナトリウム等の高分子保湿剤を併用する方法や、特許文献2の様に乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子を併用する等の方法で改善が試みられていた。しかし何れも効果が十分でなかったり、またヒアルロン酸ナトリウム等は非常に高価であったり、天然保湿因子は電解質である為、乳化を阻害する等の作用から乳化化粧料への配合に制限がある等、低湿度下でも高い保湿性能を有し、官能特性に優れた保湿剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−209635号
【特許文献2】特開2006−348000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、低湿度下においても高い保湿性能を有し、べたつき感やぬめり感のない官能特性に優れた保湿剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、トリグリセリン濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%以上であり、且つトリグリセリン及びテトラグリセリンの各々の濃度が10重量%〜70重量%の範囲であるポリグリセリンからなる保湿剤が、高い保湿性能と優れた官能特性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は、トリグリセリンの濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%以上であり、且つトリグリセリン及びテトラグリセリンの各々の濃度が10重量%〜70重量%の範囲であるポリグリセリンからなる保湿剤及びそれを配合する化粧品又は外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の保湿剤は、低湿度下においても高い保湿性能を有し、べたつき感やぬめり感のない官能特性に優れた保湿剤を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の保湿剤である、トリグリセリンの濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%以上であり、且つトリグリセリン及びテトラグリセリンの各々の濃度が10重量%〜70重量%の範囲であるポリグリセリンは、グリセリンの脱水縮合反応、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリセリンハロヒドリン等のグリセリン類縁物質を用いての合成、あるいは合成グリセリンのグリセリン蒸留残分からの回収等によって得られるが、なかでも一般的である、グリセリンに少量のアルカリ触媒を加えて200℃以上の高温に加熱し、生成する水を除去しながら重縮合させる方法によって得られる。反応は逐次的な分子間脱水反応により、順次高重合体が生成し、未反応グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等の複雑な混合組成物となる。これより、未反応のグリセリン、及びジグリセリンを蒸留除去したり、更にそのポリグリセリンを蒸留し、その留分を採取する等の方法で目的とする組成のポリグリセリンを得る。
【0009】
組成分析は、ポリグリセリン試料を約0.5g、及び内部標準物質としてパルミチン酸メチル(一級試薬;キシダ化学)を約0.05g精秤し、ピリジン(特級試薬;キシダ化学)約1.8mlにこれらを溶解させ、次いでこの溶液20μlに対してTMS−HT(試薬;東京化成工業)を0.2ml注入し、温浴にて反応後に上澄み液1μlを下記の分析に供すること等で判定できる。
【0010】
ガスクロマトグラフ:GC−14B(島津製作所製)
カラム:OV−1(GLサイエンス製、内径3mm、長さ1.5m)
カラム温度:100℃〜350℃(昇温速度10℃/min)
キャリアーガス:窒素(50ml/min)
注入部温度:350℃
検出器温度:350℃
検出器:FID
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の特定のポリグリセリンからなる保湿剤は、トリグリセリンの濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%以上である。トリグリセリン濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%未満では、低湿度下での保湿性が十分ではなく、官能面でもぬめり感を生じやすい。また、トリグリセリンとテトラグリセリンの各々の濃度は10〜70重量%であることが、保湿性とべたつき感やぬめり感のない良好な官能とを兼ね備える上で必要である。ジグリセリン以下の濃度は、好ましくは30重量%以下であり、更に好ましくは15重量%以下の濃度である。ジグリセリン以下の濃度が30重量%以下の場合は使用感が更に向上し、特に15重量%以下である場合は使用感が非常に優れたものとなるため好ましい。逆にヘキサグリセリンやペンタグリセリン等の重合度が高いポリグリセリンの濃度が高い場合には、保湿力は向上するものの塗布後のべたつき感が強くなる。
【0013】
本発明の保湿剤は、化粧品又は外用剤に好ましくは0.5〜50.0重量%、更に好ましくは1.0〜40重量%含有させる。0.5重量%未満では十分な保湿性が発揮できず、逆に50.0重量%を超えて含有させた場合には、塗布後にべたつき感やぬめり感を生じる為官能面上好ましくない。
【0014】
本発明の保湿剤を含有する化粧品としては、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、クレンジングリキット、洗顔クリーム、洗顔フォーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、スキンクリーム、スキンジェル、乳液、化粧水、パック、美容液、アフターシェービングローション等のスキンケア化粧品、日焼け止め料、ボディシャンプー、石鹸、ボディローション、ボディクリーム、浴用剤、ハンドクリーム等のボディケア化粧品、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ほほ紅、おしろい、眉墨等のメイク化粧品、ヘアシャンプー、ヘアリンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、染毛料、整髪料等の毛髪化粧品等、また外用剤として各種軟膏や、育毛剤、歯磨き剤、消毒剤等の医薬品及び医薬部外品等に、製品の形態によらず適用できる。
【0015】
また、発明の効果を損なわない範囲で通常の化粧品及び外用剤に使用される成分、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、パラフィン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、アボガド油、アマニ油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、ラッカセイ油、ローズヒップ油、ツバキ油、サザンカ油、ナタネ油、ハトムギ油、ホホバ油、水添ホホバ油、ヤシ硬化油、チョウジ油、ラベンダー油、ローズマリー油、テレビン油、ユーカリ油等の植物油脂類、オレンジラフィー油、牛脂、馬油、タートル油、ミンク油、卵黄油、ラノリン等の動物油類、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ライスワックス、ラノリンワックス、セラック等が挙げられる。また、炭化水素系のワックス類としては、例えば、固形パラフィン、セレシン、オゾケライト、エチレン・プロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、イボタロウ、モクロウ等のロウ類、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、オレイン酸、ステアリン酸、セバシン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヒドロキシステアリン酸、サフラワー油脂肪酸、コメヌカ脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ脂肪酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、キミルアルコール、β−グルカン、コレステロール、シトステロール、ジヒドロコレステロール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール類、アボカド油脂肪酸エチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、安息香酸アルキル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸フィトステリル、オクタン酸アルキル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ジステアリン酸グリコール、(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリルリチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ブチル、セチルイソオクタネート、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸ジアルキル、ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ペラルゴン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ヘプタン酸ステアリル等のエステル油類、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコーン被膜形成剤、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、シメチコン、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーンオイル類、エリスリトール、グリセリン、キシリトール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン、ポリプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリグリセリン、マルチトール、マンニトール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、アラビアガム、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カラギーナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルローススナトリウム、カンテン、キサンタンガム、グアーガム、クインスシードガム、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(ビニルピロリドン/VA)コポリマー、ジェランガム、シクロデキストリン、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、セルロース誘導体、タマリンドガム、デキストリン脂肪酸エステル、デンプン類、デンプンリン酸Na、トラガントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ローカストビーンガム、ロジン酸ペンタエリスリット、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキル、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、メタクリロイルエチルジメチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等の増粘・被膜形成剤類、フッ素変性オルガノポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ポリシリコーンー15、オクトクレリン、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤類、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、又それらに金属石鹸、シリカ、シリコン等で表面処理を施した紫外線散乱剤類、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石鹸、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤類、酢酸ベタイン型両性活性剤、イミダゾリン型両性活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性活性剤、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン型両性活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性活性剤類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン性界面活性剤、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質等のレシチン誘導体類、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バリウム等の体質顔料、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、ナイロン
パウダー、ポリエチレン末等の合成高分子粉末、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の有機顔料粉体、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホフホン酸塩、ポリリン酸塩、グルコン酸等のキレート剤類、安息香酸塩、感光素、パラベン類、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐剤類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸塩誘導体等の美白剤、ビタミン類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、香料、精油、pH調整剤等を配合する事が出来る。
【実施例】
【0016】
以下、実施例及び比較例により発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0017】
<実施例1>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、ジグリセリン以下が約3%、トリグリセリンが約15%、テトラグリセリンが約65%、ヘキサグリセリン以上が約6%であるポリグリセリンからなる保湿剤を得た。
【0018】
<実施例2>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、ジグリセリン以下が約3%、トリグリセリンが約43%、テトラグリセリンが約28%、ヘキサグリセリン以上が約12%であるポリグリセリンからなる保湿剤を得た。
【0019】
<実施例3>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、ジグリセリン以下が約24%、トリグリセリンが約37%、テトラグリセリンが約16%、ヘキサグリセリン以上が約13%であるポリグリセリンからなる保湿剤を得た。
【0020】
<比較例1>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、ジグリセリン以下が約8%、トリグリセリンが約10%、テトラグリセリンが約21%、ヘキサグリセリン以上が約31%であるポリグリセリンを得た。
【0021】
<比較例2>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、ジグリセリン以下がほぼ0%、トリグリセリンが約4%、テトラグリセリンが約17%、ヘキサグリセリン以上が約79%であるポリグリセリンを得た。
【0022】
<比較例3>
温度計、攪拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ジグリセリン以下が約30%、トリグリセリンが約10%、テトラグリセリンが約21%、ヘキサグリセリン以上が約31%であるポリグリセリンを得た。
【0023】
<比較例4>
グリセリン(化粧品用濃グリセリン;阪本薬品工業)
【0024】
<比較例5>
ジグリセリン(ジグリセリン801;阪本薬品工業)
【0025】
<比較例6>
テトラグリセリン(ポリグリセリン#310;阪本薬品工業)
【0026】
<比較例7>
プロピレングリコール(一級試薬;キシダ化学)
【0027】
<比較例8>
ソルビトール(ソルビット W−70;東和化成)
【0028】
[保湿性評価]
実施例及び比較例の各組成物の10%水溶液20gを入れた、容量50mlのガラス瓶をデシケーターに入れ、その減少重量から以下の評価基準により保湿性を評価した。その結果を表1に示す。
(評価基準)
◎: 8mg/cm・hr未満
○: 9mg/cm・hr未満
△:10mg/cm・hr未満
×:10mg/cm・hr以上
【0029】
[官能評価]
実施例及び比較例の各組成物の10%水溶液を健常女性パネラー20名の内椀部に塗布させ、塗布後のべたつき感及びぬめり感、しっとり感について、官能評価させた。尚、各評価項目を5点満点とし、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
(評価基準)
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0030】
【表1】

【0031】
実施例の保湿剤は、全評価項目について十分なものであった。一方、比較例の組成物については、評価項目のいずれかの項目で不充分な評価結果であった。
【0032】
又、下記に示す配合実施例及び配合比較例の化粧品、又は皮膚外用剤を調製し、健常女性パネラー20名に使用させ、使用後のべたつき感及びぬめり感、しっとり感について、前記と同様な評価基準により官能評価させた。その結果を表2に示す。
【0033】
[化粧水]
(配合実施例1、配合比較例1〜2)
実施例1の保湿剤(配合実施例1)、又は比較例1の組成物(配合比較例1)、又は
比較例5の組成物(配合比較例2) :10.0%
POE(60)硬化ヒマシ油 : 0.1%
クエン酸 : 0.1%
クエン酸ナトリウム : 0.3%
メチルパラベン : 0.2%
エタノール : 3.0%
精製水 : 残 余
(配合実施例2)
実施例1の保湿剤 : 0.5%
POE(60)硬化ヒマシ油 : 0.1%
クエン酸 : 0.1%
クエン酸ナトリウム : 0.3%
メチルパラベン : 0.2%
エタノール : 3.0%
精製水 : 残 余
(配合比較例3)
比較例7(プロピレングリコール) :10.00%
POE(60)硬化ヒマシ油 : 0.10%
クエン酸 : 0.10%
クエン酸ナトリウム : 0.30%
メチルパラベン : 0.20%
エタノール : 3.00%
ヒアルロン酸ナトリウム : 0.05%
精製水 : 残 余
各成分を撹拌混合し溶解させ、化粧水を得た。
【0034】
[クリーム]
(配合実施例3、配合比較例4〜5)
A相
硬化油 : 2.5%
ワセリン : 5.0%
モノオレイン酸デカグリセリル : 2.0%
ステアリン酸 : 3.5%
モノステアリン酸グリセリン : 2.0%
トリ−2エチルヘキサン酸グリセリル : 5.0%
B相
実施例2の保湿剤(配合実施例3)、又は比較例2の組成物(配合比較例4)、又は
比較例6の組成物(配合比較例5) : 5.0%
10%−水酸化カリウム水溶液 : 1.0%
メチルパラベン : 0.2%
精製水 : 残 余
(配合比較例6)
A相
硬化油 : 2.5%
ワセリン : 5.0%
モノオレイン酸デカグリセリル : 2.0%
ステアリン酸 : 3.5%
モノステアリン酸グリセリン : 2.0%
トリ−2エチルヘキサン酸グリセリル : 5.0%
B相
比較例8(ソルビトール) : 5.0%
10%−水酸化カリウム水溶液 : 1.0%
ピロリドンカルボン酸Na : 3.0%
メチルパラベン : 0.2%
精製水 : 残 余
A相を80℃にて溶解し、これに80℃に加温したB相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してクリームを得た。
【0035】
[ファンデーション]
(配合実施例4、配合比較例7)
A相
縮合リシノレイン酸ポリグリセリル : 0.20%
モノイソステアリン酸ジグリセリル : 1.20%
2−エチルヘキサン酸セチル : 3.00%
環状ジメチルポリシロキサン :10.00%
架橋型ジメチルポリシロキサン : 1.50%
顔料 :12.50%
モノラウリン酸デカグリセリル : 0.10%
B相
実施例3の保湿剤(配合実施例4)又は比較例3の組成物(配合比較例7)
: 4.00%
ベントナイト : 0.75%
クエン酸 : 0.01%
精製水 : 残 余
B相を80℃にて溶解し、これに80℃に加温したA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してファンデーションを得た。
【0036】
[コンディショナー]
(配合実施例5、配合比較例8)
A相
実施例2の保湿剤(配合実施例5)又は比較例4の組成物(配合比較例8)
: 3.0%
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(63%): 0.7%
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(80%) : 0.6%
ステアリルアルコール : 2.5%
新油型モノステアリン酸グリセリン : 0.5%
B相
ヒドロキシエチルセルロース : 0.5%
精製水 : 残 余
A相を80℃にて溶解し、これに80℃に加温したB相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してコンディショナーを得た。
【0037】
[軟膏基剤]
(配合実施例6、配合比較例9)
A相
流動パラフィン :18.0%
ワセリン :10.0%
セチルアルコール : 5.0%
B相
実施例2の保湿剤(配合実施例6)又は比較例4の組成物(配合比較例9)
:40.0%
モノイソステアリン酸デカグリセリル : 3.0%
ラウリル硫酸ナトリウム : 1.0%
精製水 : 残 余
A相を80℃にて溶解し、これに80℃に加温したB相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却して軟膏基剤を得た。
【0038】
【表2】

【0039】
配合実施例の化粧品及び外用剤は、全評価項目について十分なものであった。一方、配合比較例については、評価項目のいずれかの項目で不充分な評価結果であった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の保湿剤を化粧品又は皮膚外用剤に配合することにより、低湿度下においても高い保湿性能を有し、べたつき感やぬめり感のない官能特性に優れた化粧品又は外用剤を提供することが出来、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、クレンジングリキット、洗顔クリーム、洗顔フォーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、スキンクリーム、スキンジェル、乳液、化粧水、パック、美容液、アフターシェービングローション等のスキンケア化粧品、日焼け止め料、ボディシャンプー、石鹸、ボディローション、ボディクリーム、浴用剤、ハンドクリーム等のボディケア化粧品、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ほほ紅、おしろい、眉墨等のメイク化粧品、ヘアシャンプー、ヘアリンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、染毛料、整髪料等の毛髪化粧品等、また外用剤として各種軟膏や、育毛剤、歯磨き剤、消毒剤等の医薬品及び医薬部外品等、幅広い用途に利用が可能なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリグリセリンの濃度とテトラグリセリンの濃度の合計が50重量%以上であり、且つトリグリセリン及びテトラグリセリンの各々の濃度が10重量%〜70重量%の範囲であるポリグリセリンからなる保湿剤。
【請求項2】
請求項1記載の保湿剤を含有する化粧品又は外用剤。

【公開番号】特開2012−62297(P2012−62297A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209949(P2010−209949)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】