説明

保湿用の化粧料セット

【課題】 過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などに有用な処置方法を提供する。
【解決手段】 下記に示す抱水性のダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル等の液状油性成分を、マイクロエマルション剤形の粘度1000〜4000mPsの液状化粧料に含有させる。別途、1)セラミドと2)ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(グルコシルエチルアクリレート)等のポリマー又はコポリマーを、マイクロエマルション剤形の粘度5000〜15000mPsの液状化粧料に含有させる。これらの化粧料をセットとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料のセットに関し、更に詳細には、環境ストレスに対抗しうる保護機能を有する化粧料のセットに好適な化粧料のセットに関する。
【背景技術】
【0002】
通常化粧料は、単品のみの使用で化粧料としての効果を奏することは、少なく、数品を一つのセットとして用いることが多い。これは第一には、化粧料の含有成分の種類が多く、一つの剤形に全てを含有させることが困難であること、第二に、皮膚への適用に際して含有成分の組合せで順序効果のあるものが存し、適用順序を規定する必要があること、第三に、個人ごとの皮膚生理機能の差が存し、一つの化粧料での対応が困難であり、数種の組合せによって対応する必要があることの3つの理由による。これらの中では、第一の理由と第三の理由が特に重大で、これらを組み合わせた化粧料のセットとその選択方法に関する技術が種々開発されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)基礎化粧料に於いては、この様な化粧料セットは、化粧水、スペシャルケア的な美容液、乳液及びクリームの4ステップを基本とし、肌性などの個人特性に合わせて、各ステップ1〜3種の化粧料を用意するようなセット仕立てになっているのが通常である。しかしながら、肌の生理機能を整えるための、基礎化粧料に於いては、化粧料のセット組みに際して、その果たすべき機能に重点を置き、その機能の実現を目的に商品構成を揃えることは殆ど為されておらず、特に真皮から表皮、角層に至るまでの皮膚組織に油性保護膜を構築し、油性保護膜による保湿をはかる機能を具現化するためのセット組みは為されていなかった。又、真皮から表皮、角層に至るまでの皮膚組織に構築された、油性保護膜という概念も化粧料分野に於いては存しなかったし、近年、深刻な問題となっている、過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などの処置に、この様な油性保護膜の構築が有用であることは全く知られていなかった。
【0003】
本発明の化粧料セットが、対象とする過重なストレスによる肌荒れ、乾燥についてであるが、過重なストレスが、皮膚機能を損なうことは既に知られており、かかる皮膚機能の損失を、ストレスを緩和することにより改善するための種々の有効成分が開発されている。(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8を参照)しかしながら、この様な成分のみでは、実際に損なわれた機能が回復するまでは、皮膚の状態は損傷されたままの状態であり、刺激による炎症反応を起こしやすく、これが改悪原因ともなるので、その効果を奏するまでにかなりの時間が必要であった。その意味、前記の対処では十分とは言い難い面が存した。
【0004】
他方、次に示す(1)〜(3)の化粧料を構成要素とする化粧料セットは知られていなかったし、この様な化粧料セットを構成する化粧料を順次使用することにより、過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などの処置に有用であることも全く知られていなかった。
(1)下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度1000〜4000mPsの液状化粧料。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル
(2)1)セラミドと2)次に示すポリマー又はコポリマーを含有するマイクロエマルション剤形の粘度5000〜15000mPsの液状化粧料。
(ポリマー又はコポリマー)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(グルコシルエチルアクリレート)
(3)1)ワセリンと2)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとを含有する水中油乳化剤形のクリーム
【0005】
【特許文献1】特開2002−000344号公報
【特許文献2】特開2001−233723号公報
【特許文献3】特開2001−139425号公報
【特許文献4】特開2004−339113号公報
【特許文献5】特開2004−238297号公報
【特許文献6】特開2004−75619号公報
【特許文献7】特開2004−51637号公報
【特許文献8】特開2003−81868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などに有用な処置方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などに有用な処置方法を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、化粧料セットを構成する化粧料を順次使用することにより、過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などに有用な処置が施せることを見出し、発明を完成させるに至った。
(1)下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度1000〜4000mPsの液状化粧料。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル
(2)1)セラミドと2)次に示すポリマー又はコポリマーを含有するマイクロエマルション剤形の粘度5000〜15000mPsの液状化粧料。
(ポリマー又はコポリマー)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(グルコシルエチルアクリレート)
(3)1)ワセリンと2)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとを含有する水中油乳化剤形のクリーム
即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1>次の(1)〜(3)の3種の化粧料を構成として有する化粧料セット。
(1)下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度1000〜4000mPsの液状化粧料。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル
(2)1)セラミドと2)次に示すポリマー又はコポリマーを含有するマイクロエマルション剤形の粘度5000〜15000mPsの液状化粧料。
(ポリマー又はコポリマー)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(グルコシルエチルアクリレート)
(3)1)ワセリンと2)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとを含有する水中油乳化剤形のクリーム
<2>使用態様が、洗顔後に前記請求項1における(1)の化粧料を塗布し、しかる後に、(2)の化粧料を塗布し、最後に(3)の化粧料を塗布する工程で使用されることを特徴とする、<1>に記載の化粧料セット。
<3>更に、(1)〜(3)の化粧料に、ホホバ油、米胚芽油及び月見草油が含有されていることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の化粧料セット。
<4>前記(1)の化粧料における抱水性の液状油性成分がPCAオレイン酸グリセリルであることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の化粧料セット。
<5>前記(2)の化粧料におけるセラミドが、セラミドタイプ2であることを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載の化粧料セット。
<6>前記(2)の化粧料におけるポリマー又はコポリマーが、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであることを特徴とする、<1>〜<5>何れか1項に記載の化粧料セット。
<7><1>〜<6>何れか1項に記載の化粧料セットの使用において、油性成分の保湿膜を表皮に形成し、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完することを目的とすることを特徴とする、<1>〜<6>何れか1項に記載の化粧料セット。
<8>前記環境ストレスが、過度の心理的ストレス、過度の寝不足、労働におけるジェンダーストレス、過度のエアコンディショニングによるものであることを特徴とする、<7>に記載の化粧料セット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、過重なストレスの付加に起因する、肌荒れ、乾燥などに有効な処置が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<1>本発明の化粧料セットを構成する、粘度5000〜15000mPsの液状化粧料
本発明の化粧料セットは、下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度1000〜4000mPsの液状化粧料を、必須の構成要素として含有することを特徴とする。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル
【0010】
ここで、ダイマー酸とダイマージオールのエステルを構成する、ダイマー酸は不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、かかるダイマー酸には、例えばユニケマ社製のPRIPOL1006、同1009、同1015、同1025等の様に市販されているものも存する。本発明の化粧料の必須成分である、ダイマー酸とダイマージオールとのエステルを構成する、この様なダイマー酸ユニットの内で特に好ましいものは、リノール酸をダイマー化したダイマージリノール酸である。
【0011】
ダイマー酸とダイマージオールとのエステルを構成する、もう一方のダイマージオールは、ダイマー酸に、接触還元触媒の存在下、水素添加を行い、カルボキシル基を水酸基に変換した化合物であり、このようなダイマージオールとしては、ユニケマ社のPRIPOL2033等の様な市販品も存する。特に好ましいダイマー酸としては前記ダイマージリノール酸を還元して得られるダイマージリノレイルアルコールである。
【0012】
前記ダイマー酸と前記ダイマージオールとを常法に従いエステル化することにより、本発明の化粧料の必須成分である、ダイマー酸とダイマージオールのエステルは製造することが出来る。この様なダイマー酸とダイマージオールのエステルの中で特に好ましいものは、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルであり、この様な構造のものには既に市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することも出来る。ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルの市販品としては、日本精化株式会社製の「ラスプランDD−DA7」が好ましく例示できる。
【0013】
N−アシルグルタミン酸のジエステルとしては、アシル基が炭素数10〜18のものであって、ジエステルを構成するアルキル基又はアルケニル基は、炭素数6〜30のものが好ましく、具体的には、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチル/コレステリル)が特に好ましく例示できる。
【0014】
(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリルとしては、前記脂肪酸が炭素数12〜24のものが好ましく、具体的にはラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、オレイン酸残基、イソステアリン酸残基のものが好ましい。特に好ましいものはオレイン酸残基である。この様な(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリルには市販品も存し、かかる市販品を購入して利用することが出来る。好ましい市販品としては、太陽化学株式会社製のアミグリP30V((ピロリドンカルボン酸/オレイン酸)グリセリル)が好ましく例示できる。
【0015】
本発明の化粧料セットを構成する液状化粧料に於いて、かかる抱水性の液状油性成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかる成分は肌内部に「うるおいを抱える膜」を形成させる効果を有する。この様な効果を奏するためには、かかる成分の量は、化粧料全量に対して、総量で0.005〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%である。更に、肌内部に到達する必要性もあることから、製剤設計としては、肌内部に浸透しやすい剤形とすることが好ましく、具体的には、粘度1000〜4000mPsのマイクロエマルション製剤とすることが好ましい。ここで、マイクロエマルション製剤としては、ミセルの平均粒子径が1μm以下の半透明を呈する形態のミセルの存在形態を意味する。この様なマイクロエマルションは、予め、油相と水相の一部をマイクロフルイダイザーや、エクストルーダー、高圧ホモジナイザーなどの高負荷混合装置で混合することにより製造することが出来る。高率から勘案すれば、マイクロフルイダイザーを用いてマイクロエマルションを製造することが特に好ましい。
【0016】
<2>本発明の化粧料セットを構成する、粘度5000〜15000mPsの液状化粧料
本発明の化粧料セットは、1)セラミドと2)次に示すポリマー又はコポリマーを含有するマイクロエマルション剤形の粘度5000〜15000mPsの液状化粧料を必須構成要素として含有することを特徴とする。
(ポリマー又はコポリマー)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(グルコシルエチルアクリレート)
【0017】
セラミドとしては、通常化粧料で使用されているセラミドはタイプ1〜7の7種類が存するが、これらの何れもが使用可能である。特に好ましいセラミドはセラミドタイプ2乃至はセラミドタイプ3である。セラミドには既に化粧料原料として市販されているものが存し、かかる市販品を購入して利用することが出来る。この様な市販品として好ましいものは、高砂香料工業株式会社より販売されている、「セラミドTIC001」(セラミドタイプ2)である。かかる化粧料に於いて、セラミドは唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。この成分は後記のポリマー乃至はコポリマーとともに働いて、角層および角層細胞間の結合、バリア機能を強化し、丈夫な肌にする。又、先に肌内部に浸透した抱水性の液状油性成分が皮膚表面に散逸するのを防ぐ作用も有する。この様な効果を奏するためには、かかる化粧料に於いて、セラミドは、総量で化粧料全量に対して、0.005〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%含有することが好ましい。
【0018】
この化粧料で使用されるポリマー乃至はコポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン及びポリ(グルコシルエチルアクリレート)から選ばれる1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。これらはフリー体で含有させることも出来るし、一部乃至は全部を塩の形に誘導して含有させることも出来る。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。この様なポリマーやコポリマーの中には、既に化粧料用の原料として市販されているものも存し、この様な原料を購入して利用することも出来る。この様な市販のポリマーの内、好ましいものとしては、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであるリピジュアHM(日本油脂株式会社製)、ブチルメタクリレート・メタクリロイルホスホリルコリン・コポリマーであるリピジュアPMB(日本油脂株式会社製)、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレートであるリピジュアNR(日本油脂株式会社製)、ポリグルコシルエチルメタクリレートである、ポリゲマ(Poly-GEMA;大日精化株式会社製)、ポリメタクリロイルリジンである、PMリジン(岐阜シェラック株式会社製)などが例示できる。前記化粧料に於いては、かかるポリマー乃至はコポリマーは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかるポリマー乃至はコポリマーは、前記セラミドとともに作用して角層および角層細胞間の結合、バリア機能を強化し、丈夫な肌にする。又、先に肌内部に浸透した抱水性の液状油性成分が皮膚表面に散逸するのを防ぐ作用も有する。この様な作用を奏するため、前記化粧料における、この様なポリマー乃至はコポリマーの好ましい含有量は、総量で化粧料全量に対して、0.005〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%である。
【0019】
<3>本発明の化粧料セットを構成する水中油乳化剤形のクリーム
本発明の化粧料セットは、1)ワセリンと2)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとを含有する水中油乳化剤形のクリームを必須の構成要素とする。ここで、ワセリンは、日本薬局方で規定されているような、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用されているものであれば特段の限定は受けず使用することが出来る。ワセリンは閉塞性の高い、半固体状の炭化水素であり、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとともに働いて、<1>の化粧料により構築した、肌内部の「うるおいを抱える膜」とその皮膚上部に<2>の化粧料が強化した角層および角層細胞間の結合、バリア構造の更に上部に閉塞性のエモリエント膜を形成する。この三層構造のエモリエント膜により、水分の経皮的散逸を防ぎ、肌荒れを改善し、肌荒れが起こったり、悪化するのを予防する効果を発揮する。この様な効果を奏するためには、ワセリンはかかる化粧料全量に対して、1〜20質量%含有することが好ましく、より好ましくは5〜10質量%である。又、かかる成分が皮膚上で閉塞膜構造を構築するためにはクリームであることが好ましく、かかるクリームとしては11.3mmφのアタッチメントで20〜60gの硬度を呈することが好ましい。
【0020】
前記化粧料の必須成分である(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーは、既に化粧料原料として市販されているものが存し、かかる市販品を購入し利用することが出来る。この様な市販品としては、信越シリコーン株式会社から販売されている、「シリコーンKSG−16」が好適に例示できる。かかる成分はワセリンとともに働き、<1>の化粧料により構築した、肌内部の「うるおいを抱える膜」とその皮膚上部に<2>の化粧料が強化した角層および角層細胞間の結合、バリア構造の更に上部に閉塞性のエモリエント膜を形成する。この三層構造のエモリエント膜により、水分の経皮的散逸を防ぎ、肌荒れを改善し、肌荒れが起こったり、悪化するのを予防する効果を発揮する。この様な効果を奏するためには、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーは、化粧料全量に対し、0.5〜10質量%含有することが好ましく、より好ましくは、1〜5質量%である。これらの三種の化粧料は何れも、前記の必須成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、米胚芽油、月見草油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの成分の内、特に好ましい形態は、三種の化粧料がともにホホバ油、米胚芽油及び月見草油を含有する形態である。これはこの三種の油性成分の組合せが、三種の化粧料の必須構成要素と相溶性が高く、かかる成分を含有することにより、三層のエモリエント膜構造が上下強固に連結されるためである。この様な形態になるためには、ホホバ油、米胚芽油及び月見草油は等量乃至はこの三種の内で最も少ない成分の倍量をそれぞれ0.05〜5質量%含有することが好ましい。含有においてはマイクロエマルションの形態で含有することが好ましい。
【0021】
かかる成分を常法によって処理することにより、本発明の化粧料セットを構成する3種の化粧料を製造することが出来る。斯くして得られた3種の化粧料は、三種の化粧料を一セットとし、洗顔後、先ず<1>の化粧料で皮膚を処置し、しかる後に<2>の化粧料で処置し、最後に<3>の化粧料で処置する方法で用いることが好ましい。この様な使用態様により、前記三層のエモリエント膜構造が皮膚に構築できる。
【0022】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0023】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料セットを構成する<1>の化粧料を製造した。
即ち、イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの1質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハに加え、可溶化したハの99質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、攪拌冷却して粘度1250mPsの液状化粧料を得た。このものの乳化粒子の大きさは平均粒径が0.8μmであった。
【0024】
(イ)
水 16.4質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
(ロ)
ピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリル 1 質量%
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル 1 質量%
ホホバ油 1 質量%
米胚芽油 1 質量%
月見草油 1 質量%
スクワラン 60 質量%
ベヘン酸 5 質量%
ステアリン酸 5 質量%
(ハ)
水 84.5質量部
エタノール 8 質量部
グリセリン 2.5質量部
1,3−ブタンジオール 3 質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量部
(アクリル酸/アクリル酸アルキル)コポリマー 0.1質量部
(「カーボポール1382」グッドリッチ社製)
フェノキシエタノール 0.5質量部
【0025】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料セットを構成する<2>の化粧料を製造した。
即ち、イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの10質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハに加え、可溶化したハの90質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、粘度7500mPsの化粧料<2>を得た。
【0026】
(イ)
水 56.1質量%
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
「カーボポール1382」 0.6質量%
「リピジュアHM」 0.1質量%
(ロ)
「セラミドTIC」 0.1質量%
ステアリン酸PEG150 6 質量%
ホホバ油 0.1質量%
米胚芽油 0.1質量%
月見草油 0.1質量%
スクワラン 3 質量%
(グリセリン/オキシブチレン)コポリマーステアリル3 質量%
オクタン酸セチル 3 質量%
パラフィン 2 質量%
セタノール 1 質量%
水酸化レシチン 0.6質量%
ベヘニルアルコール 0.3質量%
δ−トコフェロール 0.3質量%
シクロメチコン 8 質量%
ジメチコン 7 質量%
(ハ)
1,3−ブタンジオール 12 質量部
グリセリン 6 質量部
ポリエチレングリコール 6 質量部
「カーボポール1382」 0.1質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量部
フェノキシエタノール 0.5質量部
水 64.8質量部
【0027】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料セットを構成する<3>の化粧料を製造した。
即ち、イ、ロ、ハの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、更に、ハを加え、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これをマイクロフルイダイザーで2回パスさせて、クリーム状(硬度40g(11.3mmφ))の化粧料<3>を得た。
(イ)
グリセリン 20 質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
フェノキシエタノール 0.6質量%
水 24 質量%
(ロ)
ワセリン 4 質量%
ホホバ油 0.1質量%
米胚芽油 0.1質量%
月見草油 0.1質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 3 質量%
シクロメチコン 6 質量%
トリオクタン酸グリセリル 20 質量%
蜜ロウ 3 質量%
ステアリン酸PEG−25 2 質量%
グリセリルモノステアレート 1.5質量%
ステアリン酸PEG−150 0.5質量%
ソルビタンセスキステアレート 1 質量%
(ハ)
水酸化カリウム 0.1質量%
水 9.7質量%
【0028】
化粧料<1>〜<3>をセットに組んで本発明の化粧料セット1を得た。同時に化粧料<1>のピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリルをダイマージリノール酸ダイマージリノレイルに置換した比較例<1−1>、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルをピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリルに置換した比較例<1−2>、化粧料<2>の「リピジュアHM」を「セラミドTIC」に置換した比較例<2−1>、「セラミドTIC」を「リピジュアHM」に置換した比較例<2−2>、化粧料<3>のワセリンを(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーに置換した比較例<3−1>、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーをワセリンに置換した比較例<3−2>も同様に作成した。これらの組合せ効果をラウリル硫酸ナトリウム5%水溶液で損傷した皮膚のTEWLの変化を測定して調べた。損傷はラウリル硫酸ナトリウムを3時間貼付し行った。貼付後部位を温水を含浸した脱脂綿で拭い、ラウリル硫酸ナトリウムを除去し、10分静置した後にTEWLをテヴァメーター(インテグラルコーポレーション製)で測定した。測定後3種の化粧料で順次処理し、再びTEWLを計測した。計測後クレンジング料、洗顔料で化粧料を除去し、TEWLの値が元に戻っているのを確認し、同様に他の化粧料セットの評価を行った。結果を表1に示す。これより、この様なセットにすることにより優れた水分バリア機能が付与できることが判る。
【0029】
【表1】

【実施例2】
【0030】
化粧料<1>の抱水性油性成分の種類を変え、化粧料<1−2>を作成し、化粧料<2>、化粧料<3>とともに実施例1の手技で評価した。
【0031】
化粧料<1−2>
イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの1質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハに加え、可溶化したハの99質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、攪拌冷却して粘度1350mPsの液状化粧料を得た。このものの乳化粒子の大きさは平均粒径が0.9μmであった。
(イ)
水 16.4質量%
水酸化カリウム 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
(ロ)
ピロリドンカルボン酸オレイン酸グリセリル 1 質量%
N−ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチル/コレステリル)1 質量%
ホホバ油 1 質量%
米胚芽油 1 質量%
月見草油 1 質量%
スクワラン 60 質量%
ベヘン酸 5 質量%
ステアリン酸 5 質量%
(ハ)
水 84.5質量部
エタノール 8 質量部
グリセリン 2.5質量部
1,3−ブタンジオール 3 質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量部
(アクリル酸/アクリル酸アルキル)コポリマー 0.1質量部
(「カーボポール1382」グッドリッチ社製)
フェノキシエタノール 0.5質量部
【0032】
【表2】

【実施例3】
【0033】
化粧料<2>のポリマー・コポリマーの種類を変え、化粧料<2−2>、<2−3>、<2−4>を作成し、化粧料<1>、化粧料<3>とともに実施例1の手技で評価した。
【0034】
化粧料<2−2>
イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの10質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハに加え、可溶化したハの90質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、粘度6500mPsの化粧料<2ー2>を得た。
(イ)
水 56.1質量%
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
「カーボポール1382」 0.6質量%
「PMリジン」 0.1質量%
(ロ)
「セラミドTIC」 0.1質量%
ステアリン酸PEG150 6 質量%
ホホバ油 0.1質量%
米胚芽油 0.1質量%
月見草油 0.1質量%
スクワラン 3 質量%
(グリセリン/オキシブチレン)コポリマーステアリル3 質量%
オクタン酸セチル 3 質量%
パラフィン 2 質量%
セタノール 1 質量%
水酸化レシチン 0.6質量%
ベヘニルアルコール 0.3質量%
δ−トコフェロール 0.3質量%
シクロメチコン 8 質量%
ジメチコン 7 質量%
(ハ)
1,3−ブタンジオール 12 質量部
グリセリン 6 質量部
ポリエチレングリコール 6 質量部
「カーボポール1382」 0.1質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量部
フェノキシエタノール 0.5質量部
水 64.8質量部
【0035】
化粧料<2−3>
イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの10質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハに加え、可溶化したハの90質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、粘度7000mPsの化粧料<2ー3>を得た。
(イ)
水 56.1質量%
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
「カーボポール1382」 0.6質量%
「p−GEMA」 0.1質量%
(ロ)
「セラミドTIC」 0.1質量%
ステアリン酸PEG150 6 質量%
ホホバ油 0.1質量%
米胚芽油 0.1質量%
月見草油 0.1質量%
スクワラン 3 質量%
(グリセリン/オキシブチレン)コポリマーステアリル3 質量%
オクタン酸セチル 3 質量%
パラフィン 2 質量%
セタノール 1 質量%
水酸化レシチン 0.6質量%
ベヘニルアルコール 0.3質量%
δ−トコフェロール 0.3質量%
シクロメチコン 8 質量%
ジメチコン 7 質量%
(ハ)
1,3−ブタンジオール 12 質量部
グリセリン 6 質量部
ポリエチレングリコール 6 質量部
「カーボポール1382」 0.1質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量部
フェノキシエタノール 0.5質量部
水 64.8質量部
【0036】
化粧料<2−3>
イ、ロの成分を80℃に加温し、相溶させ、ロに徐々にイを加え乳化し、攪拌冷却し中間仕掛品のエマルションを作成した。これの10質量部を80℃に加熱し、攪拌可溶化したハに加え、可溶化したハの90質量部に加え、マイクロフルイダイザーで2回パスさせて、粘度7500mPsの化粧料<2ー3>を得た。
(イ)
水 56.1質量%
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量%
1,3−ブタンジオール 8 質量%
「カーボポール1382」 0.6質量%
「リピジュアPMB」 0.1質量%
(ロ)
「セラミドTIC」 0.1質量%
ステアリン酸PEG150 6 質量%
ホホバ油 0.1質量%
米胚芽油 0.1質量%
月見草油 0.1質量%
スクワラン 3 質量%
(グリセリン/オキシブチレン)コポリマーステアリル3 質量%
オクタン酸セチル 3 質量%
パラフィン 2 質量%
セタノール 1 質量%
水酸化レシチン 0.6質量%
ベヘニルアルコール 0.3質量%
δ−トコフェロール 0.3質量%
シクロメチコン 8 質量%
ジメチコン 7 質量%
(ハ)
1,3−ブタンジオール 12 質量部
グリセリン 6 質量部
ポリエチレングリコール 6 質量部
「カーボポール1382」 0.1質量部
10%水酸化カリウム水溶液 0.6質量部
フェノキシエタノール 0.5質量部
水 64.8質量部
【0037】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、エモリエントのための化粧料シリーズに応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(1)〜(3)の3種の化粧料を構成として有する化粧料セット。
(1)下記に示す抱水性の液状油性成分を含有するマイクロエマルション剤形の粘度1000〜4000mPsの液状化粧料。
(抱水性の液状油性成分)
ダイマー酸とダイマージオールとのエステル、N−アシルグルタミン酸のジエステル、(ピロリドンカルボン酸/脂肪酸)グリセリル
(2)1)セラミドと2)次に示すポリマー又はコポリマーを含有するマイクロエマルション剤形の粘度5000〜15000mPsの液状化粧料。
(ポリマー又はコポリマー)
ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(グルコシルエチルアクリレート)
(3)1)ワセリンと2)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとを含有する水中油乳化剤形のクリーム
【請求項2】
使用態様が、洗顔後に前記請求項1における(1)の化粧料を塗布し、しかる後に、(2)の化粧料を塗布し、最後に(3)の化粧料を塗布する工程で使用されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料セット。
【請求項3】
更に、(1)〜(3)の化粧料に、ホホバ油、米胚芽油及び月見草油が含有されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料セット。
【請求項4】
前記(1)の化粧料における抱水性の液状油性成分がPCAオレイン酸グリセリルであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料セット。
【請求項5】
前記(2)の化粧料におけるセラミドが、セラミドタイプ2であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料セット。
【請求項6】
前記(2)の化粧料におけるポリマー又はコポリマーが、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料セット。
【請求項7】
請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料セットの使用において、油性成分の保湿膜を表皮に形成し、環境ストレスの過負荷による皮膚の保湿機能の低下を補完することを目的とすることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料セット。
【請求項8】
前記環境ストレスが、過度の心理的ストレス、過度の寝不足、労働におけるジェンダーストレス、過度のエアコンディショニングによるものであることを特徴とする、請求項7に記載の化粧料セット。

【公開番号】特開2007−99654(P2007−99654A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−289903(P2005−289903)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】