説明

保護カバーおよびそれを備える電子機器

【課題】高い耐衝撃性、良好な感触性、防水性および薄型化、保護カバーの低コスト化を図った電子機器の保護カバーを提供する。
【解決手段】電子機器本体を保護する保護カバー2であって、電子機器本体の片面に取り付けるトレイ形状のカバー10と、カバー10の外面から内面を連続して覆う弾性部20とを備え、カバー10には、その内面に、当該内面から突出若しくは窪むようにカバー10と一体形成される閉ループ状の防水部13と、カバー10の厚さ方向に貫通する1または2以上の貫通孔14とを有し、弾性部20をカバー10よりも柔軟性に富む材料から構成し、弾性部20によって、カバー10の外面の一部若しくは全部を覆うと共に貫通孔14から内面につながり防水部13の表面の一部若しくは全部を覆う保護カバー2に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器本体を保護するための保護カバーおよびそれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のワイヤレス通信の発達に伴い、外出先にて手軽に通信可能な電子機器を使用する人々が増加している。その結果、電子機器を床や路面に落下させ、あるいは壁や車両にぶつける機会も増加している。電子機器は、精密機械であるため、衝撃に弱く、高額であるほど故障すればその損失は大きい。このため、電子機器の外側に取り付け、電子機器を衝撃から守るための保護カバーを利用する人も少なくない。保護カバーには、例えば、比較的硬質な樹脂や金属、あるいは柔軟性に富むエラストマーから構成されるものが知られている。その中でも、電子機器への装着性および電子機器への衝撃緩和性に優れる硬質樹脂製の保護カバーが多く利用されている。
【0003】
一方、最近の電子機器には、雨天や浴室内でも使用でき、水の中に落とした場合でも故障しないレベルの防水性が求められている。電子機器の内部への浸水を防止する箇所は、操作キーの周囲、バッテリー収納部など、数多く存在する。防水性の電子機器の一例として、電子機器自体の薄型化を維持しつつ防水性を高めるため、電子機器のバッテリー収納部周辺に溝を形成し、その溝に挿入する環状の突出部の側面にエラストマーを固着した蓋を備える電子機器が知られている(例えば、特許文献1を参照)。かかる電子機器は、蓋と環状の突出部とを一体成形しているため、蓋と突出部とをそれぞれ別体で製造して接着する場合と比して、電子機器の薄型化を達成できるというメリットを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4424445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬質樹脂等の硬質材のみから成る保護カバーには、それを装着した電子機器を落下した際に、保護カバー自体が破損するという課題、あるいは電子機器への衝撃の緩和が未だ十分ではないという課題がある。加えて、保護カバーの手触り感にも改善の余地がある。本発明者は、かかる課題を解決すべく、保護カバーの少なくとも外面にエラストマーの層を形成することを考えた。
【0006】
一方、保護カバーを防水用の蓋と別に設けると、保護カバーを装着した状態の電子機器の総厚が大きくなるという問題が生じる。このため、防水用の蓋を兼ねた保護カバーが好ましい。しかし、保護カバーの外面側にエラストマーの層を形成し、それと別の工程にて内面側に防水用のエラストマー部材を形成すると、製造工程が増え、保護カバーのコストアップを招くという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような要求および問題に鑑みてなされたものであって、高い耐衝撃性、良好な感触性、防水性および電子機器の薄型化を実現し、かつ低コスト化を図ることのできる保護カバーおよびそれを備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一形態は、電子機器本体を保護する保護カバーであって、電子機器本体の片面に取り付けるトレイ形状のカバーと、カバーの外面から内面を連続して覆う弾性部とを備え、カバーには、その内面に、内面から突出若しくは窪むようにカバーと一体形成される閉ループ状の防水部と、カバーの厚さ方向に貫通する1または2以上の貫通孔とを有し、弾性部をカバーよりも柔軟性に富む材料から構成し、弾性部がカバーの外面の一部若しくは全部を覆うと共に貫通孔から内面につながり防水部の表面の一部若しくは全部を覆う保護カバーである。
【0009】
また、本発明の別の形態は、さらに、2以上の貫通孔が防水部に沿って配置されている保護カバーである。
【0010】
また、本発明の別の形態は、さらに、貫通孔を、カバーの内面側に開口すると共に貫通孔の開口面積より大きな開口面積を有する凹部に連通し、その凹部を、凹部と防水部との最短距離が防水部を覆う弾性部の厚さ以下となる位置に、防水部と近接して形成した保護カバーである。
【0011】
また、本発明の別の形態は、さらに、弾性部がカバーの開口端の端面を覆う保護カバーである。
【0012】
また、本発明の別の形態は、さらに、防水部およびそれを覆う弾性部が電子機器本体に形成されるバッテリー収納部をシールする保護カバーである。
【0013】
また、本発明の別の形態は、さらに、防水部、それを覆う弾性部および貫通孔を2組以上設け、各組をカバーの内面に、同心状に重ねてあるいは独立して配置した保護カバーである。
【0014】
本発明の一形態は、上記いずれかの保護カバーを備える電子機器である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器の高い耐衝撃性、良好な感触性、防水性および薄型化と、保護カバーの低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一部分解斜視図を示す。
【図2】図2は、図1に示す保護カバーを電子機器本体と対向する側から見た斜視図を示す。
【図3】図3は、図1に示す保護カバーを構成するカバーの斜視図を示す。
【図4】図4は、図2に示す保護カバーのA−A線断面斜視図およびその一部(B,C,D)の拡大図を示す。
【図5】図5は、図3に示すカバーの内面側から見た斜視図、その一部(E)の拡大図および当該一部(E)に弾性部を被覆した状態の拡大図を示す。
【図6】図6は、図2に示す保護カバーの第一変形例の斜視図を示す。
【図7】図7は、図2に示す保護カバーの第二変形例の斜視図を示す。
【図8】図8は、図2に示す保護カバーの第三変形例の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る保護カバーおよびそれを備える電子機器の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態では、電子機器として携帯通信端末を例に挙げて説明するが、電子機器はそれに限定されず、携帯型音楽再生装置、小型テレビ受像器などでも良い。
【0018】
1.保護カバーおよびそれを備える電子機器の形態
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の一部分解斜視図を示す。
【0019】
この実施の形態に係る電子機器1は、保護カバー2と、電子機器本体3とから構成されている。保護カバー2は、電子機器本体3の裏面に装着可能に構成されている。電子機器本体3は、その裏面から外方向に突出する略円形のカメラ4と、バッテリー収納部5とを備える。バッテリー収納部5は、バッテリー6を着脱可能に、電子機器本体3の裏面を開口して形成されている。電子機器本体3は、バッテリー収納部5の外周囲に、閉ループ形状にて、電子機器本体3の内部方向に窪む溝7を備える。また、電子機器本体3は、その外周囲に、裏面より内部方向に窪む段差端面8を備える。段差端面8は、保護カバー2の開口端の端面と対向する位置と形状にて構成されている。
【0020】
保護カバー2は、電子機器本体3の裏面に取り付けるカバー10と、カバー10の外面、すなわち電子機器本体3と反対側の面の全部を少なくとも覆う弾性部20とを備える。図1およびそれ以降の図において、ドットで装飾している部分は、弾性部20である。また、カバー10は、電子機器本体3のカメラ4を露出する位置と大きさにて、略円形の貫通領域11を好適に備える。
【0021】
カバー10は、樹脂、金属、セラミックスあるいはガラスから好適に製造できる。カバー10を樹脂にて製造する場合、樹脂として、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS)樹脂などを好適に用いることができる。カバー10に、無機フィラーあるいは有機フィラーを分散させても良い。弾性部20は、カバー10よりも柔軟性に富む材料から成る。弾性部20は、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、天然ゴム等から好適に製造でき、特に、熱硬化性エラストマーの一種であり、シリコーンゴムに代表されるシリコーン系エラストマーを好適に用いることができる。また、弾性部20を熱可塑性エラストマーにて製造する場合には、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマーを好適に用いることができる。弾性部20に、無機フィラーあるいは有機フィラーを分散させても良い。
【0022】
図2は、図1に示す保護カバーを電子機器本体と対向する側から見た斜視図を示す。図3は、図1に示す保護カバーを構成するカバーの斜視図を示す。
【0023】
図3に示すように、カバー10は、少なくとも1つの側面を有するトレイ形状を有する。この実施の形態では、カバー10は、矩形の底面と、その4方向に連接する側面12とを備える。ただし、カバー10は、1〜3方向に側面3を備える形状でも良い。また、カバー10が円形、三角形あるいは5角形以上の多角形の底面を備える場合には、その側方の一部または全部の方向に側面12を備えるようにできる。
【0024】
図2に示すように、保護カバー2は、その内面に、四角い環状の防水部13を一体形成する。防水部13は、電子機器本体3の溝7に挿入可能な位置および大きさにて電子機器本体3側に突出する閉ループ状の突出部である。カバー10は、カバー10の厚さ方向に貫通する合計18個の貫通孔14を備える。18個の貫通孔14は、防水部13の内周囲に沿って配置されている。弾性部20は、カバー10の外面から貫通孔14を通って防水部13の内側面、端面および外側面を覆う。このため、カバー10に弾性部20を形成した状態において、貫通孔14は、弾性部20によって閉塞している。弾性部20は、貫通領域11の内周面からカバー10の内面に少し延出する領域までを覆っている。このため、カメラ4と電子機器本体3との境界部分の隙間からの浸水を有効に防ぐことができる。また、貫通孔14の直径は、カバー10を覆う弾性部20の厚さ以下とする方が好ましい。ここで、「直径」とは、貫通孔14の底面と平行の断面が円形以外の形状である場合には、同じ面積の円に換算したときの直径を意味する。貫通孔14の直径を、カバー10を覆う弾性部20の厚さより大きくすると、弾性部20の形成工程において、貫通孔14上方の外面にへこみが生じやすく、保護カバー2の外観を損なう可能性が高くなるからである。例えば、貫通孔14の直径をφ0.3〜1.5mmとする場合には、弾性部20の厚さを貫通孔14の直径以上にするとの前提で0.5〜2.0mmとするのが好ましい。また、その場合、カバー10の厚さは、0.5〜2.5mmとするのが好ましい。
【0025】
図4は、図2に示す保護カバーのA−A線断面斜視図およびその一部(B,C,D)の拡大図を示す。図4中の領域Bは、貫通孔14を横切る位置の断面であり、図4中の領域Cは、貫通孔14以外の箇所を横切る位置の断面である。図5は、図3に示すカバーの内面側から見た斜視図、その一部(E)の拡大図および当該一部(E)に弾性部を被覆した状態の拡大図を示す。
【0026】
図4中の領域Bの拡大図および図5中の領域Eの拡大図に示すように、貫通孔14は、カバー10の内面側に開口すると共に貫通孔14の開口面積より大きな開口面積を有する凹部15に連通する。凹部15は、凹部15と防水部13との最短距離を、防水部13を覆う弾性部20の厚さ以下とする位置に、防水部13と近接して形成されている。この実施の形態では、凹部15の側面と防水部13の側面とが略面一となっている。すなわち、上記最短距離はほぼゼロである。凹部15を形成することにより、弾性部20形成用の液状組成物がカバー10の外面側から貫通孔14を通って防水部13の表面を覆う際に、当該液状組成物が途中で詰まる危険性を低減できる。また、凹部15と防水部13との距離を、防水部13を覆う弾性部20の厚さより短くしているので、液状組成物が凹部15から防水部13へとスムーズに流れやすくなる。凹部15から防水部13までの距離を短くするほど、液状組成物が途中で途切れるリスクが低くなる。防水部13を覆う弾性部20は、好適に、防水部13の外側の位置において、外側に突出するリブ21を有する。このため、溝7の外側面で確実に浸水を防止でき、バッテリー収納部5の防水性をより高めることができる。
【0027】
図4中の領域Dの拡大図に示すように、弾性部20は、カバー10の開口端の端面16を覆う。このため、保護カバー2を電子機器本体3に装着した状態において、端面16および防水部13の2箇所にて、バッテリー収納部5の防水を図ることができる。
【0028】
2.保護カバーの製造方法
上述の保護カバー2は、例えば、次の要領にて製造可能である。以下、カバー10の材料としてPC樹脂を、弾性部20の材料としてシリコーンゴムをそれぞれ用いる例にて説明する。まず、PC樹脂にて、防水部13と一体形成されたカバー10を成形する。成形方法としては、PC樹脂が熱可塑性樹脂であるため、金型内に溶融状態のPC樹脂を射出して成形する射出成形を好適に用いることができる。その他の成形方法として、軟化した状態のPC樹脂製の薄板を金型にセットし、真空成形、圧空成形、真空/圧空成形を行っても良い。カバー10の成形後、別の金型にカバー10をセットして、カバー10の外面側から、未加硫状態のシリコーンゴム用組成物を流し込む。シリコーンゴム用組成物は、貫通領域11の内側から流しても良く、またカバー10の外側の位置から流しても良い。当該シリコーンゴム用組成物は、金型とカバー10との隙間を充填するように、カバー10の外面から、貫通孔14を通って、カバー10の内面の防水部13の表面へと流れる。なお、逆に、シリコーンゴム用組成物を、カバー10の内面の防水部13から、貫通孔14を通って、カバー10の外面へと流れるようにしても良い。その後、金型を加熱して、シリコーンゴム組成物を硬化する。次に、金型を開き、保護カバー2を取り出す。
【0029】
このように、カバー10の製造後、一回の工程にて、カバー10の外面と内面への弾性部20の成形が可能となるので、より低コストにて保護カバー2を製造できる。また、カバー10の外面と内面の防水部13とを単一の弾性部20にて覆っているので、構成部数の削減とそれに伴って取扱いも容易になる。また、カバー10は、防水部13を一体形成したものであるため、電子機器1の総厚を低減し、薄型化を図ることができる。カバー10の外面を覆う弾性部20は、保護カバー10の耐衝撃性、防傷性、滑り止め性能を向上させ、さらには感触性を高めるのに寄与する。また、カバー10内面の防水部13を覆う弾性部20は、バッテリー収納部5への浸水を有効に防止できる。
【0030】
3.その他の実施の形態
以上、本発明の好適な実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示される形態にて変更実施可能である。
【0031】
図6は、図2に示す保護カバーの第一変形例の斜視図を示す。図7は、図2に示す保護カバーの第二変形例の斜視図を示す。
【0032】
第一変形例に係る保護カバー2aは、その内面において、防水部13の内側に、別の防水部33を備える。防水部33の内周囲には、防水部33に沿って、カバー10の厚さ方向に貫通する貫通孔34が設けられている。防水部33は、その表面に、カバー10の外面から貫通孔34を通ってつながる弾性部20を備える。このように、同心状に2つの防水部13,33およびそれらの表面を覆う弾性部20を備えることにより、バッテリー収納部5への多重の防水壁を形成することができる。
【0033】
また、第二変形例に係る保護カバー2bは、防水部13とは独立して、防水部43を備える。防水部43の内周囲には、防水部43に沿って、カバー10の厚さ方向に貫通する貫通孔44が設けられている。防水部43は、その表面に、カバー10の外面から貫通孔44を通ってつながる弾性部20を備える。このように、バッテリー収納部5以外に防水を必要とする領域が存在する場合には、その領域を囲うように防水部43を形成し、その表面を弾性部20にて覆うこともできる。
【0034】
図8は、図2に示す保護カバーの第三変形例の斜視図を示す。
【0035】
図8に示すように、保護カバー2cの弾性部20は、カバー10の外面の全部ではなく、外面の一部のみを覆っていても良い。
【0036】
防水部13,33,43は、いずれもカバー10の内面から電子機器本体3側に向かって突出するが、カバー10の内部に向かって窪む形状であっても良い。その場合、防水部の凹面に弾性部20を被覆すると共に、図1に示す溝7の位置に、保護カバー2に向かって突出する環状の突出部を形成すると良い。また、弾性部20は、防水部13,33,43の表面全部ではなく、防水部13,33,43の先端面のみ、側面のみというように、防水部13,33,43の表面の一部を覆っていても良い。また、貫通孔14,34,44を、防水部13,33,43の外周囲に設けても良い。さらに、貫通孔14,34,44は、必ずしも、防水部13,33,43に沿って設けることを要しない。また、凹部15は、必ずしも要しない。また、凹部15を設ける場合において、弾性部20を構成する材料の流れやすさによっては、凹部15と防水部13との距離を、防水部13を覆う弾性部20の厚さより長くしても良い。また、弾性部20は、カバー10の開口端の端面16を必ずしも覆うことを要しない。防水部13およびそれを覆う弾性部20は、必ずしも、バッテリー収納部5をシールするものでなくても良い。例えば、防水部13およびそれを覆う弾性部20は、バッテリーではなく、記録用のディスクやCPU等の防水を図る手段であっても良い。
【0037】
上述の各実施の形態に含まれる複数の構成は、互いに任意に組み合わせることもできる。例えば、(a)貫通孔14,34,44を防水部13,33,43にそれぞれ沿って配置する構成、(b)貫通孔14,34,44を、カバー10の内面側に開口すると共に貫通孔14,34,44の開口面積より大きな開口面積を有する凹部15に連通し、凹部15を、凹部15と防水部13,33,43との最短距離を、防水部13,33,43を覆う弾性部20の厚さ以下とする位置に、防水部13,33,43と近接して形成する構成、(c)弾性部20にてカバー10の開口端の端面16を覆う構成、(d)防水部13,33,43およびそれを覆う弾性部20が電子機器本体3に形成されるバッテリー収納部5をシールする構成、防水部13,33,43、それを覆う弾性部20および貫通孔14,34,44を2組以上設け、各組をカバー10の内面に、同心状に重ねてあるいは独立して配置する構成の内、少なくとも1または2以上を任意に組み合わせて、保護カバーおよびそれを備える電子機器を製造しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、例えば、防水性の電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 電子機器
2 保護カバー
3 電子機器本体
5 バッテリー収納部
10 カバー
13,33,43 防水部
14,34,44 貫通孔
15 凹部
16 端面
20 弾性部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体を保護する保護カバーであって、
電子機器本体の片面に取り付けるトレイ形状のカバーと、
当該カバーの外面から内面を連続して覆う弾性部と、
を備え、
上記カバーは、
その内面に、当該内面から突出若しくは窪むように上記カバーと一体形成される閉ループ状の防水部と、
上記カバーの厚さ方向に貫通する1または2以上の貫通孔と、
を有し、
上記弾性部は、
上記カバーよりも柔軟性に富む材料から成り、上記カバーの外面の一部若しくは全部を覆うと共に上記貫通孔から上記内面につながり上記防水部の表面の一部若しくは全部を覆うことを特徴とする保護カバー。
【請求項2】
2以上の前記貫通孔が前記防水部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の保護カバー。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記カバーの前記内面側に開口すると共に前記貫通孔の開口面積より大きな開口面積を有する凹部に連通し、
当該凹部は、当該凹部と前記防水部との最短距離を、前記防水部を覆う前記弾性部の厚さ以下とする位置に、前記防水部と近接して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保護カバー。
【請求項4】
前記弾性部は、さらに、前記カバーの開口端の端面を覆うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保護カバー
【請求項5】
前記防水部およびそれを覆う前記弾性部は、前記電子機器本体に形成されるバッテリー収納部をシールすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の保護カバー。
【請求項6】
前記防水部、それを覆う前記弾性部および前記貫通孔を2組以上設け、各組を前記カバーの前記内面に、同心状に重ねてあるいは独立して配置していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の保護カバー。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の保護カバーを備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45850(P2013−45850A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181793(P2011−181793)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】