説明

保護モジュールとその組立方法

【課題】 保護回路又は/及び保護部品を有する保護装置を、電池や小型機器類等の取付対象物に対してより簡単に接合一体化することができる保護モジュールを提供すること。
【解決手段】 絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が少なくとも一対の接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記各接合手段は前記保護装置と取付対象物との一方に設けられた受入部と他方に設けられた突起片とからなり、各突起片は対応する受入部に係止又は圧入されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置を、電池や小型機器類等の取付対象物に取り付けた保護モジュールとその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前述のような保護回路や保護部品を有する保護装置は、電池(特に二次電池)や小型機器(小型電子電気機器)を保護するためこれらに取り付けて保護モジュール(単一的なパック)とし、携帯電話機やパソコンその他の電子機器に組み込んで使用される。
例えば、最近所定値以上の温度により回路を遮断する保護装置(サーマルプロテクタ)を、以下の構成により電池である取付対象物と一体化した電池パックとしての保護モジュールが提案されている(後記特許文献1)。
【0003】
図17で示すように、対象物(リチウムイオン電池その他の充電可能な二次電池)8の上端面(取付面)には樹脂成形部82が一体化されている。樹脂成形部82内には、第1端子8b及び第2端子8cを含むプロテクタ8aが一体的に保持され、第1端子8bは対象物8の一方の極に、第2端子8cは他方の極にそれぞれ接続されている。
樹脂成形部82内の上部には水平に回路基板83が保持され、この回路基板83は一方のリード板84を介してプロテクタ8aの第2端子8c側に接続されている。回路基板83には、対象物8の保護回路を構成するための各電子部品85が搭載されているほか、樹脂成形部82へ外部に向かって形成した窓穴により複数の端子部86が形成され、これらの端子部86は、電池パックを携帯電話機その他の機器類に組み込むときに当該機器類の端子が接続される。
樹脂成形部82は、例えば前記の各部品を図示の状態に組み立てた後、これらを金型の成形室に仮止めし、樹脂を流し込んで電池8と一体化する。
【特許文献1】特開2003−282047号公報
【0004】
前記パッ電池クを構成するには、プロテクタの製造(一体化組立)⇒プロテクタ8a,各リード板84,回路基板83及び電子部品85との相互接続⇒サーマルプロテクタ8aと対象物8との接続、これらの各部品と対象物8との樹脂成形による一体化、の工程を必要とする。このように工程数が多く、また、樹脂成形部を不可欠とするので製造コストが嵩むという問題があった。
なお、本発明に係る保護モジュールの保護装置は、保護回路又は/及び保護部品を有するが、保護回路とは、複数の電子部品を必要に応じて保護回路の部品として電圧や電流などを制御する保護回路を構成したものを言い、保護部品とは、温度ヒューズ、PTC素子、サーマルプロテクタのような電流を遮断する部品を言う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、保護回路又は/及び保護部品を有する保護装置を、電池や小型機器類等の取付対象物に対してより簡単に接合一体化することができ、より低コストで提供することができる保護モジュールを提供することにある。
本発明の他の課題は、保護モジュールをより効率的に組み立てることができる組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の保護モジュールは、絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が少なくとも一対の接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記各接合手段は前記保護装置と取付対象物との一方に設けられた受入部と他方に設けられた突起片とからなり、各突起片は対応する受入部に係止又は圧入されていることを最も主要な特徴としている。
【0007】
本発明に係る第2の保護モジュールは、絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記接合手段は、前記取付対象物の取付面側に設けられて前記保護装置を収容する収容部と、当該収容部の周縁部に設けられた少なくとも一対の相対する押え板からなり、前記保護装置は前記各押え板で押えられた状態で前記収容部内に固定されていることを最も主要な特徴としている。
【0008】
本発明に係る第3の保護モジュールは、絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流、又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記各接合手段は、前記取付対象物の取付面に設けられた少なくとも一対の相対する取付板からなり、前記保護装置は前記取付板相互の間に挟まれた状態で、かつ、各取付板の頂部に形成された鉤状部により前記取付面ヘ押えた状態で固定したことを最も主要な特徴としている。
【0009】
本発明に係る保護モジュールの組立方法は、取付面に一対の電極を有する取付対象物の前記取付面に、絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置を取り付けるに当たり、あらかじめ前記取付面と前記保護装置の中の一方又は双方に機械的な接合手段を設け、当該接合手段により前記取付面へ前記保護装置を取り付けると同時に、前記各電極へ前記保護部品の対応する端子部を電気的に接続させることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る第1の保護モジュールは、各接合手段が前記保護装置と取付対象物との一方に設けられた受入部と他方に設けられた突起片とからなり、各突起片を対応する受入部に係止又は圧入することのより、保護装置と取付対象物とを極めて簡単に一体化することができ、より低コストで提供することができる。
【0011】
本発明に係る第2の保護モジュールは、取付対象物の収容部に保護装置を収容し、押え板で前記保護装置を押えることにより、当該保護装置と取付対象物とを極めて簡単に一体化することができるので、より低コストで提供することができる。
【0012】
本発明に係る第3の保護モジュールは、保護装置を取付板相互の間に側方から挿入することにより、当該保護装置と取付対象物とを極めて簡単に一体化することができるので、より低コストで提供することができる。
【0013】
本発明に係る保護モジュールの組立方法は、保護装置を取付対象物と一体化すると同時に両者の電気的接続を行うので、非常に効率的に保護モジュールを組み立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1〜図16を参照しながら、本発明に係る保護モジュールの実施形態を詳細に説明する。
第1実施形態
図1の(a)図は本発明に係る第1実施形態の保護モジュールの平面図、同(b)図は図1の保護モジュールの部分断面図である。
【0015】
保護装置1aは、絶縁性の樹脂からなるケース状の保持体1と、それぞれ当該保持体1に保持された保護部品2と、各種電子部品を必要に応じて保護回路の部品として使用し回路を構成した保護回路2aとを備えている。保護部品2は設置位置の温度が所定値以上に達したときに回路を遮断する部品であり、保護回路2aは所定値以上の電圧、電流を検出して回路を遮断するように設計された回路である。
保持体1は、本体10と当該本体10に密閉状の接合された蓋体11とから構成されている。保持体1の平面輪郭は取付対象物3の取付け面の平面輪郭と適合するように構成されている。
保持体1内には、一端部上面に固定接点20が接続又はクラッドされている板状の固定片200と、先端部に前記固定接点20と接触する可動接点21を有し、ばね性をもった板状の可動片210と、所定の作動温度で反転作動する熱応動素子(バイメタル)22と、固定片200に対して接触接続しているPTC素子(定温発素子、この実施形態では正特性サーミスタ)23とが封入されている。
【0016】
固定接点20と可動接点21は、可動片210のばね作用により所定の圧力で接触しており、熱応動素子22が反転作動することにより可動片210が反転して可動接点21が固定接点20から離反するように構成されている。
本体10と蓋体11の間には、可動片210が離反作動したときにその先端部が突き当たるように、先端の受部が曲げ下げられた金属製(例えばリン青銅,Cu−Be合金等の板)受け板24が組み込まれている。この受け板24は、可動片210が離反動作したときに過剰に変形することを防止するとともに、接点が離反した状態において可動片210の先端部が蓋体11の材質の溶融温度以上に過熱した場合でも、蓋体11の当該部分が溶融して可動片210先端部が蓋体11に固着するのを防止するように作用する。なお、この受け板24は前述のように設置することが望ましいが、前記の固着防止効果が得られる限り異なる配置も可能であり、保護装置の設計によっては、省略することもできる。
【0017】
板状の固定片200は本体10の底部へ埋め込み状に設けられ、その一端部には本体10から延び出した端子部201が一体に形成されている。
この端子部201は、蓋体11の穴110内に納まる状態に円筒ソケット状の端子202が接合され、保護装置1aを二次電池である取付対象物3に取り付けて電池パックである保護モジュールを構成する際、取付対象物3の一方の電極(この例では負極)30に溶接又は半田付けされたピン状の端子300を介して、前記電極30に接続される。
【0018】
熱応動素子22は、反転作動部分がやや凸球面状又は凸円弧状になるように成形されており、反転作動時に他の部材と緩衝しない限度ででき得る限り広い平面積を有するように設計されている。
可動片210は、基端側の被固定部211が保持体1の本体10と蓋体11に挟まれた状態で固定されており、被固定部211はリード板212を介して後述の回路基板25と接続されている。
【0019】
固定片200には、熱応動素子22の反転中心部、又はその近傍の直下に近接するように、前述のPTC素子23の下面側電極が接触状態で接続されている。したがって、熱応動素子22は、周囲温度がその作動温度以上に上昇して反転すると、可動片210を押し上げ、両接点20,21が開くとともに、熱応動素子22がPTC素子23に所定の圧力で接触し、熱応動素子22の端部が可動片210の下向きの突起部に接触することにより、固定片200と可動片210とがPTC素子23及び熱応動素子22を介して電気的に接続する。
この実施形態では、保持体1の本体10の内底面に固定片200の上面が現われるようにPTC素子23とほぼ適合する平面形状の受入穴100を形成し、この受入穴100へPTC素子23を収容している。また、PTC素子23がより一層安定した状態で固定片200の上面へ接触するように、固定片200の受入穴100から露出する部分に突起状台座をプレスにより成形し、この各突起状台座にPTC素子23の裏面側電極を接触させている。この突起状台座は中心から等距離で90度間隔に4個設けるのが望ましい。
【0020】
蓋体11の上部には水平な回路基板25が埋め込み状に保持されており、この回路基板25には、例えば右半部部分の下面に保護回路2aを構成する電子部品(電子部品を含む電子部品から構成された電子部品)27,27,27等が半田付けされており、左半部部分の上面には外面に面するように外部端子250,250,250が設けられている。
回路基板25の右端部下面には円筒ソケット状の端子部26が、蓋体11の孔111内に納まった状態で溶接又は半田付けされており、この端子部26は保護装置1aを取付対象物3に取り付けて両者を一体化した際、対象物3の取付面に設けられた電極(正極)31に直立状に溶接又は半田付けされたピン状の端子310を介して当該電極31と接続される。
【0021】
保護装置1aを取付対象物3に取り付けて両者を一体化するための機械的な接合手段4,5は、蓋体11の両端部に垂直に形成された段付きの孔からなる受入部40,50と、対応する受入部40,50へ圧入されるように対象物3の取付面に溶接又は半田付けされた突起片41,51とからそれぞれ構成されている。
段付きの受入部40,50の段部はそれらの内部の片側の一側部に上向きに形成されており、他方それらに対応する突起片41,51には、先端部に対応する受入部40,50の段部に係止される鉤状部が形成されている。
各突起片41,51はアルミニウム合金を成形ないし加工したものであるが、板金を曲げ加工したものでも差し支えない。
【0022】
回路基板25の下面の所要部分にリード板212、各電子部品27及び端子部26を取り付けるとともに、所要部の上面に各端子部250を設け、これらの必要な部品が設けられた回路基板25は、耐熱性を有する絶縁性の樹脂により蓋体11と一体的にインサート成形する。
他方、固定接点20が取り付けられた固定片200は、同様に耐熱性を有する絶縁性の樹脂により本体10へ一体にインサート成形する。
前述のインサート成形後、可動片210の被固定部211をリード板212の下面へ溶接し、本体10と蓋体11の間に受け板24を挟み、本体10の収容空間にPTC素子23及び熱応動素子22を図示のように配置し、本体10と蓋体11とを超音波接合法により接合し、保護装置1aを製造する。
【0023】
前記のように本体10を蓋体11とを超音波接合する際の組合せを容易にするため、本体10,蓋体11,可動片210及び受け板24等には、図示しない位置決め手段が形成されている。
保持体1の本体10と蓋体11は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)その他の耐熱性に優れた樹脂を材質として成形される。特に電池である取付対象物3と一体化して電池パックである保護モジュールを構成する場合には、200℃以上の耐熱性を有する液晶ポリマーを使用するのが好ましい。
【0024】
前記のように保護装置1aを製造する一方、対象物3の取付面に各突起片41,51を取り付けるとともに、電極30,31へ端子300,310をそれぞれ取り付け、各突起片41,51とそれに対応する受入部40,50とを上下方向に一致させ、その状態で保護装置1aを対象物に押し付け、圧入する。そうすると、各受入部40,50の段部へ対応する突起片41,51の鉤状部が係止され、端子300,310が図示の状態で対応する端子部201,26と接続する。
【0025】
第1実施形態の保護モジュールは、携帯電話機、パソコンその他の電子機器等の機器に組み込んで使用され、機器へ組み込まれた状態では、外部端子250ヘ当該機器のプローブが接続される。
保護モジュールを含む回路内の電流等が正常である場合は、接点20,21は閉じられていて両接点間に電流が流れる。電圧の異常値等は保護回路2aによって検出され、電流が遮断される。
保護回路2aの検出不良などにより当該保護回路2aで電流を遮断できなかった場合であって、過電流その他の原因で保持体1内の温度が熱応動素子22の作動温度以上に上昇すると、熱応動素子22のスナップ動作により上方へ凹球面状(皿状)に反るように反転する。この反転作動により可動片210先端部が受け板24に突き当たるまで押し上げられ、これにより可動接点21を固定接点20から離反させ、接点間の電流を遮断する。
熱応動素子22が反転作動すると、当該熱応動素子22が可動片210を押し上げて当該可動片210と接触する。また、同時に、PTC素子23へ所定の圧力で接触して当該PTC素子23を固定片200に押し付け、固定片200と可動片210が電気的に接続し、回路内にわずかに電流が流れることによりPTC素子23が定温発熱し、接点20,21間の電流を遮断し続ける。
【0026】
第1実施形態の保護モジュールは、保護装置1aを取付対象物3の取付面ヘ所定の圧力で押し付けると、ワンタッチで保護装置1aと対象物3とが一体化する。したがって、極めて低コストで保護モジュールを提供することができる。
また、保護装置1aと対象物3との機械的な接合と電気的な接続とが同時に行われるので、組立がより効率的である。
【0027】
第2実施形態
図2は本発明に係る保護モジュールの第2実施形態を示す部分断面図である。
この実施形態の保護モジュールは、一方の接合手段4の突起片41が導電性材料であって電極31に取り付けられた端子310を兼ねており、受入部40の段部側の内面には回路基板25と溶接された端子部26が設けられている。したがって、突起片41を受入部40ヘ圧入すると、突起片41の鉤状部が受入部40の段部に係止されると同時に、突起片41と端子部26が強く接触して電極31と端子部26とが電気的に接続する。
【0028】
他方の接合手段5の突起片51は、対象物3の取付面に突出した電極30の上に直立するように溶接又は半田付けされており、蓋体11の対応部分に段付きの孔からなる受入部50が形成されている。そして、受入部50へ突起片51を圧入すると、突起片51の鉤状部が受入部50内の段部に係止され、同時に、蓋体11の下面112により第1の保護部品2の端子部201が押圧され、当該端子部201が電極30の上面ヘ強く押し付けられた状態で接続される。
符号6は補助的な接合手段としての接合テープで、場合によりこのようなテープを用いても良い。
【0029】
第2実施形態の保護モジュールは、一方の接合手段4が電極31と端子部26との接続部分を兼ねており、他方の接合手段5が電極30と端子部201との接続を強化しているので、第1実施形態の保護モジュールに比べてより低コストで製造することができる。
第2実施形態の保護モジュールの他の構成や作用効果は、第1実施形態の保護モジュールと同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0030】
第3実施形態
図3は本発明に係る保護モジュールの第2実施形態を示す部分断面図である。
保持体1の蓋体11の上部に位置し、かつ、互いに被接触状態で外部に面するように電極251,252と外部端子253が蓋体11と一体にインサート成形されている。インサート成形に先立ち、電極251にはリード板212を、外部端子253には端子部26をそれぞれ溶接する。前記インサート成形後、電極251,252相互を複数の電子部品27により半田付けにより並列的に接続し、これらの電子部品27により第2の保護部品(電池保護回路)2aを構成する。
第2実施形態と同様な構成の保護回路からなる第1の保護部品2の可動片210は、その被固定部211がリード板212に溶接されて電極251と接続されている。電極251,252及び外部端子253には保護回路が組み込まれた機器のプローブ(図示しない)が接続され、これらのプローブを通じて可動片210は端子部26と電気的に接続している。
【0031】
第3実施形態の保護モジュールは、第2実施形態の保護モジュールと比較すると、後者の回路基板25が後者の電極251,252及び外部端子253と置換されている点のみで相違しており、第3実施形態の保護モジュールの他の構成や作用効果は、第2実施実施形態と同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0032】
第4実施形態
図4は本発明に係る保護モジュールの第4実施形態を示す部分断面図である。
この実施形態の保護モジュールは、第1の保護部品2の可動片210が熱応動素子22を兼ねている点を除けば、他の構成や作用効果は第3実施形態の保護モジュールと同様であるので、それらの説明は省略する。
【0033】
第5実施形態
図5は本発明に係る保護モジュールの第5実施形態を示す部分断面図である。
この実施形態の保護モジュールは、回路基板25の下面に保護回路2aを構成する電子部品を含む複数の電子部品27を半田付けし、当該基板25の上面に外部端子250,250,250を設け、当該基板25の片端部に端子部26を溶接し、当該基板25の一つの外部端子250と接続するように端子部201を溶接している。
このように各部品を設けた回路基板25を、第2実施形態の保護モジュールと同様な受入部40,50を形成するように、絶縁性の樹脂により保持体1と一体にインサート成形して、保護部品を有さず、保護回路2aのみを有する保護装置1aを構成している。
第2実施形態と同様に、電極30と31にそれぞれ直立する突起片41,51を溶接又は半田付けし、第2実施形態とほぼ同様な要領で各接合手段4,5により保護装置1aを対象物3の取付け面へ一体化するように取付ける。
この実施形態の保護モジュールは、第1の保護部品が設置されていない点を除けば、第2実施形態の保護モジュールの構成や作用効果と同様なのでそれらの説明は省略する。
【0034】
第6実施形態
図6は本発明に係る保護モジュールの第6実施形態を示す部分断面図である。
この実施形態の保護モジュールは、保持体1の中央下面側に収容部12を有する絶縁性の保持体1を、絶縁性樹脂により、保護回路2aを構成する複数の電子部品から構成される電子部品27、各外部端子250、端子部26及びリード板212を有する回路基板25と一体にインサート成形している。
保持体1の収容部12には、端子部201とリード板213を有する温度ヒューズ又はPTC素子、または、熱応動素子(バイメタル)を利用したサーマルプロテクタからなる保護部品28を収容し、保護部品28のリード板213を回路基板25側のリード板212ヘ溶接して接続している。
その他の構成は第5実施形態の保護モジュールとほぼ同様である。
【0035】
この実施形態の保護モジュールは、保護回路2aが作動せず、保護部品28の設置空間が所定の温度以上に上昇すると、例えば保護部品28が温度ヒューズである場合には当該温度ヒューズが電流を遮断する。また、保護部品28がPTC素子である場合には、過電流により当該素子が定温発熱して電流を極めて小さくするから、電流はほぼ遮断状態に近くなり、機器の過熱等が防止される。また、保護部品28が熱応動素子を利用したサーマルプロテクタである場合には、過電流により当該熱応同素子が所定温度以上になると反転し、それにより、固定接点と可動接点を離反させるから、電流は遮断状態になる。
この実施形態の保護モジュールの他の作用効果は、第5実施形態の保護モジュールとほぼ同様である。
【0036】
第7実施形態
図7の(a)図は、図1の実施形態の一方の接合手段の一つの変形形態を示す部分拡大断面図である。
一方の接合手段4の受入部40は、保持体1に形成された鉛直状で断面円形の孔又は穴であり、当該受入部40と対応するように取付対象物3の取付面に鉛直に取り付けられた突起片41は、周方向に対して弾性により膨縮するピン状の突起であって前記受入部40に圧入されている。
この実施形態では、ピン状の突起片41の外周部に弾性を有する複数の舌片410を下向きに形成することにより、周方向ヘ弾性的に膨縮するように構成されている。
【0037】
第8実施形態
図7の(b)図は、図1の実施形態の一方の接合手段の他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
保持体1に形成された受入部40は接合側の反対側に座ぐり状部400を有する孔であり、当該受入部40と対応するように対象物3の取付面に鉛直に取り付けられた突起片41は、ピン状の突起であって、前記受入部40に挿入後頂部をカシメて当該カシメ部411を前記座ぐり状部400に強く係止させている。
【0038】
第9実施形態
図7の(c)図は、図1の実施形態の一方の接合手段の他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
保持体1に形成された受入部40は(b)図の形態のものと同様であり、受入部40と対応する突起片41は取付面に固定されたナット部412と当該ナット部412にねじ込まれたボルト部413とから構成され、前記ボルト部413の頭部を前記座ぐり状部400の底部へ締付け状に係止している。
【0039】
第10実施形態
図7の(d)図は、図1の実施形態の一方の接合手段のさらに他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
保持体1に形成された受入部40は互いに逆方向を向く段部を有する孔であり、取付対象物3の取付面に取り付けられた突起片41は、前記受入部40に挿入されて接合側の反対側に向く段部に係止される鉤状部を有している。そして、当該突起片41と受入部40の他の内側面との間へ先端に鉤状部を有する楔状片42を圧入し、受入部40内の接合側に向く段部に楔状片42の鉤状部を係止させることにより、突起片41の受入部40からの脱出を不能にしている。
【0040】
第11実施形態
図8の(a)図は、図1の実施形態の一方の電極と端子部との接続状態の変形形態を示す部分拡大断面図である。
保持体1を成形する際に、組立時に電極30の上方に位置するようにソケット状の端子202が一体となるようにインサート成形し、端子202の下端部を端子部201に形成されている貫通孔の周縁上部に溶接などにより接合する。したがって、端子202は保持体1の穴110内部にフィットして収まった状態になる。
他方、対象物3の取付面から突出している電極30の上面には、外周に複数の舌片301を下向きに形成して周方向に対して膨縮する弾性をもたせたピン状の端子300を取り付けている。
したがって、保護装置1aを取付対象物3と一体化するとき、端子202に電極30の端子300が圧入され、端子部201が端子202及び300を介して電極30と確実に電気的に接続される。
【0041】
第12実施形態
図8の(b)図は、図1の実施形態の一方の電極と端子部との接続状態の他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
端子部201へ電極30に向かって突出する凸部203を形成する一方、保持体1の当該部分には下向きの凸部13を形成し、保護装置1aを取付対象物3と一体化したとき、端子部201の凸部203が保持体1の凸部13により電極30の上面ヘ強く押し付けられるように構成したものである。
【0042】
第13実施形態
図9の(a)図は、図1の実施形態の他方の電極と端子部との接続状態の変形形態を示す部分拡大断面図である。
取付対象物3の電極31の上面には、外周に複数の舌片311を下向きに設けて周方向に対して膨縮する弾性を有するピン状の端子310を直立状に取り付けている。一方、回路基板25の下面には円筒でソケット状の端子部26を溶接又は半田付けにより接続し、この接続状態で回路基板25と保持体1とをインサート成形している。したがって、ソケット状の端子部26は、保持体1の孔111内にフィットした状態で収まる。
このような構成により、保護装置1aを対象物3と接合して一体化するとき、電極31の端子310が端子部26に圧入され、端子部26が端子310を介して電極31と確実に電気的に接続される。
【0043】
第14実施形態
図9の(b)図は、図1の実施形態の他方の電極と端子部との接続状態の他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
対象物3の電極31には、コンタクトプローブからなる端子310が直立状に取り付けられており、他方保持体1の対応する位置には、底面から回路基板25に達するように孔111が成形され、この孔111の上端部には回路基板25に設けられ端子部26が位置している。この構成により、保護装置1aを対象物3の取付面と一体化したとき、端子310の先端部が端子部26と接触するから、端子部26と電極31は端子310を介して電気的に接続する。
【0044】
第15実施形態
図9の(c)図は、図1の実施形態の他方の電極と端子部との接続状態のさらに他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
取付対象物3の電極31の上面には、周方向に対して膨縮する弾性を有するピン状(プレスフィット構造)の端子310を直立状に取り付けている。一方、回路基板25の下面には円筒でソケット状の端子部26を溶接又は半田付けにより接続し、この接続状態で回路基板25と保持体1とをインサート成形している。したがって、ソケット状の端子部26は、保持体1の孔111内にフィットした状態で収まっている。
このような構成により、保護装置1aを対象物3と接合して一体化するとき、電極30の端子310が端子部26に圧入され、端子部26が端子311を介して電極31と確実に電気的に接続される。
【0045】
第16実施形態〜第19実施形態
図10の(a)図〜(d)図は、図2,図5及び図6の実施形態の端子部と電極との接続部を兼ねた接合手段のそれぞれ変形形態を示す部分拡大断面図である。
これらの図の接合手段の基本構成は、図7の(a)図〜(d)図の接合手段とほとんど同じであるので、両者の異なる構成部分についてのみ説明する。すなわち、図10の(a),(b),(c),(d)の各図において、それぞれの接合手段4の突起片41は対象物3の電極31へ直立状に取り付けられていて、各電極31の端子310を兼ねている。
他方、各接合手段4の受入部40は、それらの内面にそれぞれ回路基板25ヘ溶接又は半田付けされた端子部26が装着されている。
したがって、保護装置1aを対象物3と一体化するように接合したとき、各電極31は端子である各突起片41を介して端子部26と電気的に接続する。
【0046】
第20実施形態
図11の(a)図は、図2〜図6の実施形態の他方の接合手段の変形形態を示す部分拡大断面図である。
接合手段5の受入部50は、保持体1に成形された鉛直状で断面円形の孔又は穴であり、当該受入部50と対応するように取付対象物3の電極30へ取り付けられた突起片51は、周方向に対して弾性により膨縮するピン状の突起であって、端子部201を貫通した状態で前記受入部50に圧入されている。
この実施形態では、ピン状の突起片51の外周部に弾性を有する複数の舌片510を下向きに形成することにより、周方向ヘ弾性的に膨縮するように構成されている。
端子部201と保持体1の対応部分には下向きの凸部203,13がそれぞれ形成されており、接合手段5により保護装置1aが対象物3と一体的に接合されたとき、端子部201の凸部203が、保持体1の凸部13により下方の電極30の上面ヘ強く押し付けられるように構成されている。
【0047】
第21実施形態
図11の(b)図は、図2〜図6の実施形態の他方の接合手段の他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
保持体1に形成された受入部50は接合側の反対側に座ぐり状部500を有する孔であり、当該受入部50と対応するように対象物3の電極30へ鉛直に取り付けられた突起片51は、ピン状の突起であって、端子部201を貫通した状態で前記受入部50に挿入後頂部をカシメて当該カシメ部511を前記座ぐり状部500に強く係止させている。
保護装置1aが対象物3ヘ一体的に接合されると同時に、端子部201ヘ下向きに形成された凸部203が保持体1の下面112により電極30の上面ヘ強く押し付けられる。
【0048】
第22実施形態
図11の(c)図は、図2〜図6の実施形態の他方の接合手段のさらに他の変形形態を示す部分拡大断面図である。
保持体1に形成された受入部50は(b)図の形態のものと同様であり、受入部50と対応する突起片51は取付面に固定されたナット部512と当該ナット部512にねじ込まれたボルト部513とから構成され、前記ボルト部513の頭部を前記座ぐり状部500へ締付け状に係止している。
保護装置1aが対象物3ヘ一体的に接合されると同時に、端子部201ヘ下向きに形成された凸部203が保持体1の下面112により電極30の上面ヘ強く押し付けられる。
なお、他の接合手段5には、図7の(d)図のような形態のものを採用することができる。
【0049】
第23実施形態
図12は主として接合手段のさらに他の形態を示す部分分解斜視図である。
保護装置1aの構成は、例えば図1の実施形態の保護装置1aから各接合手段4,5を除いたものとほぼ同様である。
取付対象物3の取付面側には接合手段7が形成されている。接合手段7は、対象物3の取付面に保護装置1aが嵌め込み状に収容される収容部70と、当該収容部70の周縁部に一体に形成された二つの対の押え板71,71,71,71とから構成されている。
保護装置1aは、収容部70内へ嵌め込み状に収容された後、各押え板71を曲げて当該各押え板71により収容部70内に押えられた状態で固定される。
以上のように、保護装置1a対象物3とを極めて簡単に一体化することができる。
なお前記収容部70と各押え板71は、取付対象物3の金属製の外装板と一体に形成したものであるが、対象物3外装板とは別に加工して取付面側に取り付けても実施することができる。
【0050】
第24実施形態
図13の(a)図は主として接合手段のさらに他の形態を示す部分断面図、同(b)図は(a)図の矢印A−Aに沿う部分断面図である。
対象物3の取付面には、周縁部に立ち上がる相対する一対の取付板72,72からなる接合手段7aが設けられている。各取付板72の頂部には、相対するようにやや深めに(90度よりも曲げ角がやや小さくなるように)曲げ加工された鉤状部73がそれぞれ形成されている。
保護装置1aは、両側上部が各鉤状部73の下に入る状態で、取付板72,72の間に図13の(a)図の左側から右方向へ差し込む要領で取付対象物3の取付面に取り付けられる。保護装置1aを前述のように取付板72相互の間に差し込むとき、保持体1の下面に設けられた長さ方向に沿うトンネル状部113により、保護装置1aと対象物の取付面から突出した電極30は干渉しないようになっている。
また、対象物3の取付面と一致するまで保護装置1aを両取付板72の間に挿入した状態では、各端子部201,26は(a)図のようにそれぞれ対応する電極30,31の上面ヘ弾性により押し付けられた状態で接触する。この状態で保護装置1aは、取付板72,72で挟まれかつ各鉤状部73によって押えられた状態で取付面に固定される。
以上のように、保護装置1aは取付板72相互の間に挿入するだけで対象物3と一体化するから、保護装置1aはワンタッチで極めて簡単に取り付けることができる。
【0051】
第25実施形態
図14は主として接合手段のさらに他の形態を示す部分分解斜視図である。
この実施形態は第24実施形態とほぼ同様であるが、保護装置1aの両側部に各取付板72の鉤状部が案内するスリット74を形成し、保護装置1aを取付板72相互の間に押し込むときに、前記スリット74がガイドの役割を果たして両者の一体化作業がより円滑になり、かつ、両者1a,3をより強く一体化できるようにしたものである。
【0052】
第26実施形態
図15は本発明に係る保護モジュールの第26実施形態を示す分解断面図であり、各部品をあらかじめ構成しておき、それらを機械的に一体化するように構成したものである。
図15のように取付対象物3の取付面において、片端部には一方の接合手段4の突起片41を溶接又は半田付けし、中央部の電極30の表面には他方の接合手段5の突起片51を溶接又は半田付けする。
回路基板25には、一半部下面に保護部品(電池保護回路)2aを構成する複数の電子部品27を半田付けするとともに、他半部上面に複数の外部端子250を形成し、当該部分の下面にそれぞれコンタクトプローブからなるリード214と端子部26を半田付けし、中央部に孔254を形成する。
ヶース状の保持体1の本体10と蓋体11はそれぞれ絶縁性の樹脂により独立に成形されており、回路基板25や本体10を受け入れる収容空間19を有する蓋体11には各受入部40,50を構成する段付きの孔と、回路基板25の各外部端子250を露出させる窓孔18が形成されている。
保持体1の本体10には、蓋体11の受入部50の形成部分を通す中央の孔16、孔16に通ずる収容部12、リード214及び端子部26を通す孔14,15、及び回路基板25の電子部品27を収容する収容部17が形成されている。
温度ヒューズ又はPTC素子、又は熱応動素子を利用したサーマルプロテクタからなる保護部品28には、突起片51が通る孔204を有する端子部201と、リード板213を接続し、リード板213を保護部品28の上方に曲げる。
【0053】
蓋体11の受入部40,51と取付対象物3の各突起片41,51、回路基板25の端子部26,リード214,各電子部品27等と、本体10の各孔14,15,収容部17等とがそれぞれ合う状態で、取付対象物3、接合テープ6,6、保護部品28、本体10、回路基板25及び蓋体11を順に重ね、蓋体11を取付対象物3に対して所定の力で押し付けることにより図16のように各部を一体化し、簡単に保護モジュールを構成することができる。
一体化された状態では、各接合手段4,5の受入部40,50にはそれぞれ対応する突起片41,51が係止され、収容部17内には各電子部品27が、収容部12には保護部品28がそれぞれ収まり、端子部201と電極30、端子部26と電極31及びリード214と保護部品28とがそれぞれ接続する。
第26実施形態の保護モジュールの他の作用効果は、第6実施形態(図6)の保護モジュールと同様である。
【0054】
なお、本発明において、保護回路又は/及び保護部品を有する保護装置と取付対象物との電気的接続は、前記実施形態に開示した範囲内のものであれば、端子の取り合せと保護回路と保護部品の接続の簡単な変更により、保護部品と接続を図っているものを、保護回路と接続を図るように変更することができる。
また、この保護装置と取付対象物との間で、機械的な接合と電気的な接続とが行われるほか、保護装置と取付対象物が十分密着するため両者間の熱伝達も良好になる。さらに、図2その他の実施形態における接合テープ6が保護装置と取付対象物の間の熱伝達を阻害する場合は、接合テープなどを省くかあるいは接合テープに熱伝導性の良い金属テープなどを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
前記実施形態では、保護装置1aを携帯電話機の二次電池である取付対象物に取り付ける例を主として説明したが、他の小型機器を対象物とすることができるほか、本発明に係る保護モジュールは、携帯電話機のみならずノートパソコンや携帯用電子端末、電子機器類の電気回路における保護手段として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第1実施形態を示す概略平面図、(b)図は(a)図の保護モジュールの部分断面図である。
【図2】本発明に係る保護モジュールの第2実施形態を示す部分断面図である。
【図3】本発明に係る保護モジュールの第3実施形態を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る保護モジュールの第4実施形態を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る保護モジュールの第5実施形態を示す部分断面図である。
【図6】本発明に係る保護モジュールの第6実施形態を示す部分断面図である。
【図7】図7の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第7実施形態を示す部分拡大断面図、(b)図は第8実施形態を示す部分拡大断面図、(c)図は第9実施形態を示す部分拡大断面図、(d)図は第10実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図8】図8の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第11実施形態を示す部分拡大断面図、(b)図は第12実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図9】図9の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第13実施形態を示す部分拡大断面図、(b)図は第14実施形態を示す部分拡大断面図、(c)図は第15実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図10】図10の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第16実施形態を示す部分拡大断面図、(b)図は第17実施形態を示す部分拡大断面図、(c)図は第18実施形態を示す部分拡大断面図、(d)図は第19実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図11】図11の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第20実施形態を示す部分拡大断面図、(b)図は第21実施形態を示す部分拡大断面図、(c)図は第22実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図12】本発明に係る保護モジュールの第23実施形態を示す部分斜視図である。
【図13】図13の(a)図は本発明に係る保護モジュールの第24実施形態を示す部分断面図、(b)図は(a)図の矢印A−Aに沿う部分断面図である。
【図14】本発明に係る保護モジュールの第25実施形態を示す部分斜視図である。
【図15】本発明に係る保護モジュールの第26実施形態を示す部分分解断面図である。
【図16】図15の保護モジュールの組立状態の部分断面図である。
【図17】図17の(a)図は従来の保護モジュールの部分断面図、(b)図は(a)図の保護モジュールの部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 保持体
1a 保護装置
10 本体
11 蓋体
100 受入穴
110 穴
111 孔
12 収容部
13 凸部
14,15,16 孔
17 収容部
18 窓孔
19 収容空間
112 下面
2 第1の保護部品
2a 第2の保護部品
20 固定接点
200 固定片
201 端子部
202 端子
203 凸部
21 可動接点
210 可動片
211 被固定部
212,213 リード板
214 リード
22 熱応動素子
23 PTC素子
24 受け板
25 回路基板
250,253 外部端子
251,252 電極
254 孔
26 端子部
27 電子部品(保護回路を構成する複数の電子部品から構成される電子部品)
28保護部品
3 取付対象物
30,31 電極
300,310 端子
301,311 舌片
4,5 接合手段
40,50 受入部
400,500 座ぐり状部
41,51 突起片
410,510 舌片
411,511 カシメ部
412,512 ナット部
413,513 ボルト部
42 楔状片
6 接合テープ
7,7a 接合手段
70 収容部
71 押え板
72 取付板
73 鉤状部
74 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が少なくとも一対の接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記各接合手段は前記保護装置と取付対象物との一方に設けられた受入部と他方に設けられた突起片とからなり、各突起片は対応する受入部に係止又は圧入されていることを特徴とする、保護モジュール。
【請求項2】
絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記接合手段は、前記取付対象物の取付面側に設けられて前記保護装置を収容する収容部と、当該収容部の周縁部に設けられた少なくとも一対の相対する押え板からなり、前記保護装置は前記各押え板で押えられた状態で前記収容部内に固定されていることを特徴とする、保護モジュール。
【請求項3】
絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置と、当該保護装置が接合手段によって取付面に取り付けられた取付対象物とを備え、前記各接合手段は、前記取付対象物の取付面に設けられた、少なくとも一対の相対する取付板からなり、前記保護装置は前記取付板相互の間に挟まれた状態で、かつ、各取付板の頂部に形成された鉤状部により前記取付面ヘ押えられた状態で固定されていることを特徴とする、保護モジュール。
【請求項4】
前記保護装置の保持体の両側部には、前記取付板の鉤状部が案内されるスリットが形成されている、請求項3に記載の保護モジュール。
【請求項5】
前記取付対象物の取付面は一対の電極を有し、前記保護装置の保護回路又は/及び保護部品は、前記取付面への当該保護装置の接合と同時に前記各電極に接続される各端子部を有し、前記各受入部は前記取付面に対して鉛直状となるように保護装置の前記保持体に設けられ、前記各突起片は取付対象物の前記取付面に設けられている、請求項1に記載の保護モジュール。
【請求項6】
前記受入部の少なくとも一方は接合側の反対側に向く段部を内面片側に有する段付きの孔であり、当該受入部と対応する突起片は当該受入部に挿入又は圧入されて前記段部に係止される鉤状部を有する、請求項5に記載の保護モジュール。
【請求項7】
前記受入部の少なくとも一方は断面円形の孔又は穴であり、当該受入部と対応する突起片は周方向に対して弾性により膨縮するピン状の突起であって前記対応する受入部に圧入されている、請求項5に記載の保護モジュール。
【請求項8】
前記受入部の少なくとも一方は接合側の反対側に座ぐり状部を有する孔であり、当該受入部と対応する突起片はピン状の突起であって、前記対応する受入部に挿入後頂部をカシメて当該カシメ部が前記座ぐり状部に係止されている、請求項5に記載の保護モジュール。
【請求項9】
前記受入部の少なくとも一方は接合側の反対側に座ぐり状部を有する孔であり、当該受入部と対応する突起片は前記取付面に固定されたナット部と当該ナット部にねじ込まれたボルト部とから構成され、前記ボルト部の頭部が前記座ぐり状部に係止されている、請求項5に記載の保護モジュール。
【請求項10】
前記受入部の少なくとも一方は内面両側部に互いに逆方向を向く段部を有する孔であり、当該受入部と対応する突起片は当該受入部に挿入されて接合側の反対側に向く段部に係止される鉤状部を有し、当該突起片と受入部の他の内側面との間に接合側に向く段部に係止される鉤状部を有する楔状片が圧入されている、請求項5に記載の保護モジュール。(図7のd図)
【請求項11】
前記保持体はケースであって本体と蓋体とからなり、前記受入部は蓋体に形成されている請求項5〜10のいずれかに記載の保護モジュール。
【請求項12】
前記本体と蓋体は前記保護回路又は/及び保護部品とともに一体的に接合されている、請求項11に記載の保護モジュール。
【請求項13】
前記本体と、前記保護回路又は/及び保護部品は、前記蓋体の受入部に前記突起片を係止又は圧入することにより、当該蓋体及び前記取付対象物と一体化されている、請求項11に記載の保護モジュール。
【請求項14】
前記取付対象物の取付面は一対の電極を有し、前記保護装置の保護回路又は/及び保護部品は、前記取付面への当該保護装置の取付と同時に前記各電極に接続される各端子部を有する、請求項2〜4に記載の保護モジュール。
【請求項15】
少なくとも一方の電極にはピン状の端子が直立状に取り付けられ、当該端子は、保護装置の前記保持体に当該端子と対応するように形成された孔又は穴の内面へソケット状に設けられた端子部ヘ接触するように挿入ないし圧入されている、請求項5〜14のいずれかに記載の保護モジュール。
【請求項16】
前記ピン状の端子は周方向に対して弾性による膨縮性を有し、当該端子は対応するソケット状の端子部へ圧入されている、請求項15に記載の保護モジュール。
【請求項17】
少なくとも一方の電極にはコンタクトプローブからなる端子が直立状に取り付けられ、当該端子の先端部はプロテクタの前記保持体に当該端子と対応して形成された穴の奥部へ面するように配置された端子部に接続している、請求項5〜14のいずれかに記載の保護モジュール。(図9のb図)
【請求項18】
前記保護回路及び/又は保護部品の少なくとも一方の端子部はコンタクトプローブその他のピン状であって、当該端子部の先端はそれに対応する電極と接触している、請求項5〜14のいずれかに記載の保護モジュール。
【請求項19】
少なくとも一方の端子部は対応する電極へ押し付けられている、請求項5〜14のいずれかに記載の保護モジュール。
【請求項20】
少なくとも一方の突起片は一方の電極へ直立状に取り付けられて端子を兼ねており、当該突起片が係止又は圧入される受入部の内面には前記保護回路又は/及び保護回路の一方の端子部が当該突起片と接触する状態に取り付けられている、請求項5〜10のいずれかに記載の保護モジュール。
【請求項21】
前記取付対象物の取付面は一対の電極を有し、前記保護装置の保護回路又は/及び保護部品は、前記取付面への当該保護装置の接合と同時に前記各電極に接続される各端子部を有し、各端子部は対応する電極へ押し付けられた状態で接続されている、請求項3又は4に記載の保護モジュール。
【請求項22】
前記取付対象物が電池であり、前記保護装置の平面形状は前記取付対象物の端部の取付面の平面形状とほぼ適合している、請求項5〜21のいずれかに記載の保護モジュール。
【請求項23】
前記保護装置の保護部品が所定以上の温度で回路を遮断する部品である、請求項22に記載の保護モジュール。
【請求項24】
前記保護装置の保護回路は回路基板に搭載されている、請求項22に記載の保護モジュール。
【請求項25】
前記保護装置の保護部品は、PTC素子又は温度ヒューズ若しくは熱応動素子を用いたサーマルプロテクタを含む、請求項23に記載の保護モジュール。
【請求項26】
取付面に一対の電極を有する取付対象物の前記取付面に、絶縁性の保持体に所定値以上の過充電、過放電、過電流,又は/及び過熱により回路を遮断する保護回路又は/及び保護部品を保持させた保護装置を取り付けるに当たり、あらかじめ前記取付面と前記保護装置の中の一方又は双方に機械的な接合手段を設け、当該接合手段により前記取付面へ前記保護装置を取り付けると同時に、前記各電極へ前記保護回路又は/及び保護部品の対応する端子部を電気的に接続させることを特徴とする、保護モジュールの組立方法。
する、保護モジュールの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−4783(P2006−4783A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180335(P2004−180335)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(592181602)古河精密金属工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】