保護被膜を含有する金属部品

TiOFまたはヒドロキシフッ化チタニルを含有する被膜を含む金属部品、特に、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼およびステンレス鋼から製造された部品が記載されている。被膜は腐食を防ぐ。ゲル形態のオキシフッ化チタンおよびヒドロキシフッ化チタニル、ならびに特定の粒径を有する微粒子Ti0.850.55(OH)1.11.2も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシフッ化チタン(titanium oxyfluoride)またはヒドロキシフッ化チタニル(titanyl hydroxyfluoride)を含む保護被膜を含有する、金属、特に、アルミニウム、鉄、鋼およびステンレス鋼から製造された部品に関する。さらに本発明は、式TiOFを有するオキシフッ化チタニル(titanyl oxyfluoride)、およびヒドロキシフッ化チタニル、特に式Ti0.850.55(OH)1.11.2を有する化合物に関し、これらは、その特定の化合物のゲル形態または微粉化粒子形態にある。
【背景技術】
【0002】
化成処理被膜(conversion coating)の適用は、腐食を考慮して金属表面を改善するために有用な方法である。例えば、フッ化物の存在下でリン酸クロムによって、フッ化物の存在下でリン酸亜鉛によって、あるいはリン酸鉄によって、金属で製造された部品、例えばアルミニウムまたは鋼で製造された部品を処理することはよく知られている。アルミニウムを腐食から保護する被膜が形成される。使用される化合物に応じて、フッ化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リン酸クロム、クロム酸クロム、フッ化クロミルまたは酸化アルミニウム被膜が形成される。クロム化合物の毒性のために代替法が探し出され、ヘキサフルオロジルコニウム酸またはヘキサフルオロチタン酸が処理剤として適用された。これは(非特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】P.Gillis de Lange,Powder Coatings,Chemistry and Technology,Wiley & Sons,第2版(1991年),332〜339頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、保護被膜を含有する金属部品と、クロム化合物を用いることなく金属に保護用化成処理被膜を適用するための有利な方法とを提供することである。本発明のもう1つの目的は、保護被膜中の活性成分として適切なチタン化合物を提供することである。本発明のもう1つの目的は、特定のヒドロキシフッ化チタニル、すなわちTi0.850.55(OH)1.11.2(この式において、添字は±0.03の範囲で可変である)を製造するために技術的に実現可能な方法を提供することである。本発明のもう1つの目的は、オキシフッ化チタンまたはヒドロキシフッ化チタニルをゲル形態で提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらおよびその他の目的は、特許請求の範囲に記載されるような本発明によって達成される。
【0006】
本発明によると、金属部品が提供され、その少なくとも一部は、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物を含む被膜を含有する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
「オキシフッ化チタン」または「オキシフッ化チタン化合物」という用語は、チタン、酸素、およびフッ化物からなる化合物を示す。「ヒドロキシフッ化チタニル」という用語は、チタン、酸素、フッ素および水素からなる化合物を示し、これらはOH基を有する。
【0008】
一実施形態によると、被膜は、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物からなる。
【0009】
1つの好ましい実施形態によると、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物は、微粉化形態、特に20μm以下の粒径で含有される。好ましくは、二次粒子径は、本質的に10μm以下である。特に好ましくは、本質的に7μm以下である。一般に、二次粒子径は、本質的に700nm以上である。もちろん、生成物は、ほんのわずかな量の大き過ぎるまたは小さ過ぎる二次粒子を含有し得る。「本質的に」という用語は、二次粒子径を考慮して、生成物の10重量%以下が上記の粒径下限よりも小さい粒子によって構成され、生成物の10重量%以下が上記の粒径上限よりも大きい粒子によって構成されることを示す。
【0010】
一次粒子径は、好ましくは、ナノ範囲内にある。これは、生成物中の粒子の一次粒子径が好ましくは500ナノメートル以下であり、特に好ましくは400nm以下であることを意味する。
【0011】
微粒子生成物は、金属表面に非常によく接着する。
【0012】
このような小さい粒径を有する二次粒子は、例えば、大規模なボールミル粉砕によって得ることができる。特定のヒドロキシフッ化チタニル化合物、Ti0.850.55(OH)1.11.2の微粉化粒子を得るための特定の方法は、以下に記載される。
【0013】
別の実施形態によると、チタン化合物は被膜中にゲル形態で含有される。ゲル形態のオキシフッ化チタン化合物の製造方法は、後で記載される。
【0014】
一実施形態では、オキシフッ化チタン、TiOFが適用される。TiOFは、TiFまたはチタンアルコキシドの部分加水分解によって調製することができる。
【0015】
別の実施形態では、ヒドロキシフッ化チタニル原子(titanyl hydroxyfluorides atoms)が含有される。これらの化合物中の水素は、ヒドロキシル基に含有される。一般に、これらの化合物はヒドロキシオキシフッ化チタンであり、式Ti(OH)で表すことができる。化合物は非化学量論的でよく、従って、a、b、cおよびdは必ずしも整数とは限らず、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である。一般に、ヒドロキシフッ化チタニルは塩酸溶液形態の塩化チタニル(TiOCl)から製造することができ、この溶液にフッ化水素酸が添加される。ゲル形態の化合物をもたらす代替の方法は、HF水によるチタンアルコラートの加水分解に関係する。いずれの方法も以下に詳細に記載されるであろう。
【0016】
例えば、式Ti0.90.6(OH)1.61.8のReO型化合物、またはMat.Res.Soc.Symp.Proc.第891巻,0891−EE07−04.1においてNicolas Peninらによって記載されるようなアナターゼ型(Anatas−type)Ti0.91.6(OH)0.20.2などのあらゆるヒドロキシフッ化チタニルが含有され得る。HTB(六方晶タングステンブロンズ型)で結晶化し、やはりPeninらにより記載されるTi0.850.55(OH)1.11.2の適用、およびゲル形態のTiFおよびTi0.850.55(OH)1.11.2の適用が好ましい。これらの化合物を調製するための技術的に実現可能な方法は、後で詳細に記載されるであろう。
【0017】
少なくとも部分的に被覆される金属部品は、主に、任意の金属または金属合金であり得る。好ましくは、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼またはステンレス鋼から製造される。
【0018】
金属部品は、主に、どんな形態でも有することができる。例えば、金属部品を含有する任意の商品の部品であり得る。例えば、熱交換器の部品、またはアルミニウムもしくはアルミニウム合金(アルミニウム−マグネシウム合金など)で製造された建築部品であり得る。所望される場合には、金属部品は、オキシフッ化チタンまたはオキシヒドロキシフッ化チタン粒子で被覆する前に、例えば塩基、酸、脱脂剤または水除去剤による清浄化ステップを受けてもよい。所望される場合には、表面を研磨または摩耗、サンディング、研削することができ、あるいは化学機械研磨法によって処理することさえできる。
【0019】
以下において、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物を含有する金属部品がどのようにして製造され得るかについて説明される。
【0020】
オキシフッ化チタニルおよび一般式Ti(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)のヒドロキシフッ化チタニルからなる群から選択されるチタン化合物を含有する被膜によって金属部品を被覆するステップを含む、腐食からの保護が改善された金属部品の製造方法。本方法は、好ましくは、オキシフッ化チタニルおよび一般式Ti(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)のヒドロキシフッ化チタニルからなる群から選択されるチタン化合物を適用する。好ましくは、金属部品は、アルミニウム、アルミニウム鋼またはステンレス鋼から製造される。チタン化合物は、被覆ステップにおいて、ゲル形態または微粉化粒子形態で適用される。
【0021】
本方法では、HTB構造(六方晶タングステンブロンズ)で結晶化されるTi0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)、TiOF、Ti0.90.6(OH)1.61.8、およびTi0.91.6(OH)0.20.2からなる群から選択されるチタン化合物を適用するのが好ましい。より好ましくは、HTB構造(六方晶タングステンブロンズ)で結晶化されるTi0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)、Ti0.90.6(OH)1.61.8、およびTi0.91.6(OH)0.20.2からなる群から選択されるチタン化合が適用される。
【0022】
本質的に100〜700nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜5μmの範囲の二次粒子径を有する粒子から構成されるか、あるいはゲル形態であるTi0.850.55(OH)1.11.2は、本製造方法において特に好ましい。
【0023】
一実施形態によると、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物は、乾燥粉末として適用される。例えば、粉末は、スプレーガンによって静電的に適用することができる。所望される場合には、被覆された部品は、被膜の接着性を改善するために、例えば110℃以下の温度に加熱され得る。
【0024】
別の実施形態によると、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物は、湿った組成物の形態で適用される。湿った組成物は、オキシフッ化チタン化合物、ヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物と、溶媒、好ましくは有機溶媒、例えば、エーテル、ケトン、アルコール、ニトリル、ホルムアミド、または酸性度の低い他のプロトン性または非プロトン性有機溶媒、例えばアルコールとを含有する。ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、アセトン、メチルブチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、およびN,N−ジエチルホルムアミドが特に適している。二塩基性または三塩基性アルコール、例えば、エチレングリコールまたはグリセリン、あるいはエーテルアルコール、例えば、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコール、またはジメチルジエチレングリコールも適している。所望される場合には、オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの混合物は、ゲルとして溶媒中に含有され得る。例えば噴霧、塗布によって、または部品を組成物中に浸漬させることによって、組成物を金属部品に適用した後、被覆された部品は溶媒を除去するために乾燥される。オキシフッ化チタン化合物またはヒドロキシフッ化チタニル化合物またはこれらの合物の被膜が形成される。
【0025】
チタン化合物の濃度に依存して、粘度が低いので結果として生じるゲルが注入可能であり、金属表面上に塗布、噴霧または印刷され得るか、あるいは金属部品がゲル中に浸漬され得る。粘度はより高くてもよい。ゲルはもう注入できないので、固体と考えることすら可能である。多くの場合、10〜15重量%のチタン化合物の含量は、ゲルを固体にするのに十分である。所望される場合には、溶媒を添加することができ、それにより粘度が低下され、そして、得られるゲル溶液を上記のように適用することができる。所望される場合には、チタン化合物は、結合剤と一緒に、例えばポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタンおよびブチルゴムからなる群から選択される結合剤と一緒に適用することができる。
【0026】
例えば、アルミニウム部品のろう付け(brazing)の後に、化成処理被膜を適用することが可能である。アルミニウム部品のろう付けは、重要な技術分野である。例えば、熱交換器は、接合すべきアルミニウム部品、例えばフィン、熱輸送剤のためのラインなどを組み立て、組み立てた部品をろう付けすることによって製造される。この分野の専門家には知られているように、信頼性のある接合を達成するためにはんだ(例えば、アルミニウムケイ素合金)またははんだ前駆体(例えば、ケイ素、銅またはゲルマニウム)が適用される。ろう付けステップでは、接合すべきアルミニウム部品の表面から酸化アルミニウムを除去する(そうしないと、信頼性のある接合の形成を阻止し得る)ために融解剤(fluxing agent)が適用される。よく知られている非腐食性融剤はフルオロアルミン酸カリウムであり、Solvay Fluor GmbHから商標名NOCOLOK(登録商標)で入手可能である。
【0027】
一実施形態によると、式TiOFのオキシフッ化チタンが適用される。好ましくは、微粉化粒子の形態で適用される。「微粉化粒子」という用語は、ここでも、生成物の二次粒子径が本質的に20μm以下であることを意味し、「本質的に」という用語は、ここでは、粒子の最大10重量%が20μmよりも大きい粒径を有することを意味する。好ましい粒径は、微粉化粒子について上述したものと一致する。
【0028】
あるいは、別の好ましい実施形態では、オキシフッ化チタンはゲル形態で適用される。リオゲル(lyogel)または有機ゲルとして適用されてもよく、これは、有機キャリア中に微細に分散した無機化合物を含むことを意味する。あるいは、オキシフッ化チタンはキセロゲルのような乾燥粒子の形態で使用されてもよい。これは、ゲル構造を変化させることなく有機溶媒を除去することによって生成されたことを意味する。
【0029】
別の実施形態によると、本発明の方法においてヒドロキシフッ化チタニルが適用される。例えば、上記のような、式Ti0.90.6(OH)1.61.8のReO型化合物、またはアナターゼ型Ti0.91.6(OH)0.20.2などの式Ti(OH)のヒドロキシフッ化チタニルはどれも適切である。HTB(六方晶タングステンブロンズ型)で結晶化するTi0.850.55(OH)1.11.2の適用が好ましい。この化合物は、特にアルコール中で、適切な懸濁液を形成することが分かった。従って、この化合物は、その適用中の取り扱いが簡単である。さらに、この実施形態では、Ti0.850.55(OH)1.11.2をゲル形態で適用することが好ましい。
【0030】
ヒドロキシフッ化チタニルを微粉化粒子形態またはゲル形態で適用することは特に好ましい。
【0031】
本発明の別の態様は、TiOFおよび式Ti(OH)のヒドロキシフッ化チタニル化合物に関する。化合物は非化学量論的でよく、従って、a、b、cおよびdは必ずしも整数とは限らず、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8であり、ゲル、好ましくは有機溶媒中のリオゲルの形態、またはキセロゲルの形態である。好ましいヒドロキシフッ化チタニル化合物は、式Ti0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)を有する。
【0032】
ゲル形態のTiOFおよび式Ti(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)、特にTi0.850.55(OH)1.11.2のゲル形態のヒドロキシフッ化チタニル化合物は、溶媒中でチタンテトラアルコキシドおよびHFから調製することができる。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはi−プロポキシ基を有するチタン化合物を出発材料として使用することができる。チタンアルコキシドに対するHFの比率は、好ましくは、1:1以上である。好ましくは、3:1以下である。アルコキシドに対するHFのモル比が1.6:1までの場合に、Ti0.850.55(OH)1.11.2が形成されることが観察された。比率がより高い場合、特に2:1以上の場合には、主にTiOFが形成されるか、あるいはTiOFだけも形成される。
【0033】
酸性度の低いプロトン性もしくは非プロトン性極性有機溶媒、例えばアルコール、または非プロトン性有機溶媒、例えばエーテルまたはケトンが非常に適している。メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールおよびメチルエチルケトンが非常に適している。HFは、好ましくは、水溶液の形態で導入され、この溶液は、好ましくは、20〜70重量%のHFを含有する。加水分解反応は好ましくは30℃以上の温度で行われ、反応温度は、好ましくは、溶媒の沸点以下である。特に好ましくは、100℃以下である。反応を終了させるためには、2時間あるいはさらにそれよりも長くかかることもある。形成されたゲルは乾燥されるか、あるいはゲルを含有する反応混合物が、本発明の被覆方法において適用される。場合により、反応混合物は希釈または濃縮され得る。溶媒およびあらゆる蒸発可能な成分が除去されると、キセロゲルが得られる。
【0034】
化成処理被膜としての適用を考慮すると、調製中に得られたゲル溶液を直接適用することが好ましい。HFを含有するべきではなく、そうでなければ、HFは腐食性であり得るので適用前に除去されなければならない。例えば、HFは蒸留によって除去することができる(その沸点は20℃である)。キセロゲルは乾燥形態で適用することもできるし、あるいは、例えば、上記の溶媒の1つにまたはそれらの混合物中に再懸濁させることもできる。所望される場合には、キセロゲルは、微粉化された粉末を提供する前に、ボールミル粉砕をすることができる。
【0035】
また、本発明は、本質的に100〜700nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜5μmの範囲の二次粒子径を有する、HTB形態で結晶化された式Ti0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)のヒドロキシフッ化チタニルも提供する。
【0036】
好ましいのは、本質的に100〜300nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜2μmの範囲の二次粒子径を有する、請求項18のヒドロキシフッ化チタニルである。
【0037】
本発明の別の態様は、Ti0.850.55(OH)1.11.2を調製するための技術的に実現可能な方法に関する。
【0038】
Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製方法は、塩酸溶液の形態の塩化チタニル(TiOCl)が提供されて、この溶液にフッ化水素酸が添加されるステップを含むが、ただし、塩化チタニルに対するHFのモル比は2以下である。化合物は、HTB構造(六方晶タングステンブロンズ)で結晶化する。
【0039】
好ましい実施形態では、塩化チタニルに対するHFの比率は1.6以下である。塩化チタニルに対するHFの比率は、好ましくは、1.3以上であり、非常に好ましい範囲は1.4〜1.5:1である。
【0040】
反応の間の圧力は、好ましくは10バール(絶対圧)以下であり、より好ましくは3バール(絶対圧)以下であり、非常に好ましくは2バール(絶対圧)以下であり、特に好ましくは1.5バール(絶対圧)以下である。圧力は、さらに1バール(絶対圧)よりも低くてもよく、例えば0.8バール(絶対圧)でもよい。好ましくは、圧力は、0.9バール(絶対圧)以上である。好ましい実施形態では、反応は、周囲圧力で実施される。「周囲圧力」という用語は、好ましくは、0.9〜1.1バール(絶対圧)の間の圧力を示し、多くの場合、約1バール(絶対圧)である。
【0041】
塩酸中の塩化チタニルの形態におけるチタンの濃度は、好ましくは5重量%よりも高い。好ましくは、25重量%以下である。非常に好ましくは、10〜20重量%の範囲である。塩酸中のHClの濃度は、好ましくは、30重量%以上である。好ましくは、50重量%以下である。より好ましくは、35〜45重量%の範囲であり、特に好ましくは38〜42重量%の範囲である。HFは、好ましくは、水溶液の形態で添加される。多くの場合、HFの濃度の下限は20重量%であり、好ましくは30重量%である。上限は多くの場合70重量%であり、好ましくは60重量%である。
【0042】
フッ化水素酸は、ゆっくりと添加するのが好ましい。フッ化水素酸は、例えば1時間に塩化チタニル1モルあたりHF0.5〜10モルの速度で、塩化チタニルに添加することができる。好ましくは、フッ化水素酸は、1時間に塩化チタニル1モルあたりHF1〜7モルの速度で、塩化チタニル溶液に添加される。激しい混合を提供することが有利である。これは、以下で説明される。また、液滴の形態でHF溶液に入ることも有利であり得る。
【0043】
HFの添加中、温度上昇が観察される。これは、HFの希釈により放出される熱によって引き起こされると考えられる。フッ化水素酸の添加が完了したら、好ましくは、反応混合物は後反応段階を受ける。後反応段階は、適用される場合には、好ましくは少なくとも30分間継続される。非常に好ましくは、少なくとも2時間継続される。後反応段階は1日以上適用されてもよいが、好ましくは、10時間以内である。非常に好ましい範囲は2〜8時間であり、さらにより好ましくは、2〜6時間である。この後反応段階の間、反応混合物の温度は、好ましくは、70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜90℃の範囲に保持される。
【0044】
微粉化粒子を有する生成物を適用するのが好ましく、従ってそれを製造するのが好ましい。「微粉化粒子」という用語は、生成物の二次粒子径が本質的に20μm以下であることを意味する。好ましくは、二次粒子径は、本質的に10μm以下である。特に好ましくは、本質的に7μm以下である。一般に、二次粒子径は、本質的に700nm以上である。もちろん、生成物は、ほんのわずかな量の大き過ぎるまたは小さ過ぎる二次粒子を含有し得る。「本質的に」という用語は、二次粒子径を考慮して、生成物の10重量%以下が上記の粒径下限よりも小さい粒子によって構成され、生成物の10重量%以下が上記の粒径上限よりも大きい粒子によって構成されることを示す。
【0045】
一次粒子径は、好ましくは、ナノ範囲内にある。これは、生成物中の粒子の一次粒子径が好ましくは500ナノメートル以下であり、特に好ましくは400nm以下であることを意味する。ナノスケールの一次粒子径を有する粒子、例えば、100〜300nmの範囲の一次粒子および好ましいより小さい微粉化範囲、例えば1〜2μmの範囲の二次粒子を有する粒子を得るために、沈殿中に力を加えて、粒子を粉砕するか、あるいは凝集を低減する。反応混合物は、好ましくは、例えば攪拌器を用いて攪拌され、特に好ましくは、例えば、高速、例えば100rpmよりも高速、好ましくは300rpmよりも高速、特に500rpmよりも高速、さらにより好ましくは1000rpmよりも高速で操作される攪拌器を適用することによって激しく攪拌される。多くの場合、2000rpmよりも高速で回転する攪拌器が有利である。回転速度の上限は、攪拌器によって決定される。好ましくは、通常10.000rpmが上限である。多くの場合、1000rpm〜6000rpmでの攪拌が有利である。この攪拌は、好ましくは、HF溶液の添加中、後反応段階中、またはその両方において適用することができる。反応は、ローター固定子の原理に従ってローターの高速(数千回転/分)で動作する混合器中で実施され得ると考えられる。反応および後反応段階は、溶解器中で実施することができる。溶解器は通常分散ディスクを含み、分散ディスクは歯が付いていることが多く、高速で回転することにより混合物を放射状に加速する。反応自体が、例えば、溶解器中で実施される場合、所望される小さい一次粒子径および所望される小さい二次粒子径を有する粒子が得られる。
【0046】
生成物は、反応中に沈殿する。次に反応混合物の含水量が除去される。例えば、ろ過、デカンテーション、遠心分離、および/または加熱(例えば、オーブン内での乾燥)によって水の一部を除去することが好ましい。次に、残留水は、好ましくは、加熱(例えば、オーブン内で、場合により真空の適用下で)によって除去される。好ましくは、生成物は、特に好ましくは70〜110℃、好ましくは80〜100℃の範囲の温度でオーブン乾燥される。
【0047】
REM画像では、この方法で本質的に100nm〜300nmの間の範囲の一次粒子径を有する粒子を得ることができ、いくらかの粒子は100nm未満の粒径も有すると示される。二次粒子径は、本質的に、1〜2μmの範囲内にある。
【0048】
Ti0.850.55(OH)1.11.2は、通常、本質的に100nm〜700nmの間の一次粒子径を有する粒子、および本質的に1〜5μmの範囲の粒径を有する凝集体(二次粒子)の形態において、ほぼ定量的な収率で得られる。二次粒子径は、粉砕力または凝集防止力のパワーに依存してより小さいこともあり得る。従って、上記のような高速攪拌によって、生成物は、本質的に100nm〜300nmの間の一次粒子径を有する粒子および本質的に1〜2μmの範囲の粒径を有する凝集体(二次粒子)の形態で得られる。「本質的に」という用語は、ここでは、生成物の80重量%以上、好ましくは90重量%以上が所与の粒径範囲内の粒子によって構成されることを意味する。
【0049】
沈殿物は、さらに処理することなく乾燥させることができる。好ましくは、後反応段階の後に蒸留水で洗浄される。水または蒸留水中に再懸濁させてから乾燥させることもできる。
【0050】
乾燥させた生成物は、ミル粉砕操作、例えばボールミルにおいて粉砕することができる。これは、所望されない凝集体を破壊するのに役立つ。
【0051】
所望される場合には、反応中、後反応段階中、または再分散中に、分散剤を添加することができる。
【0052】
本発明のTi0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)の調製方法は、工業規模において、非常に簡単な方法で実施することができる。好ましい実施形態では、圧力は印加されず、方法は非常に安全とされ、さらなる利点は、その実施形態では耐圧装置が必要とされないことである。マイクロ波処理は必要ない。
【0053】
本質的に100〜300nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜2μmの範囲の二次粒子径を有するTi0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)は新規であり、これも本発明の態様である。ここで、「本質的に」という用語は、粒子の10重量%以下が、それぞれ所与の下限以下である一次粒子径または二次粒子径を有することを意味する。「本質的に」という用語は、ここでは、粒子の10重量%以下が、それぞれ所与の上限以上である一次粒子径または二次粒子径を有することを意味する。
【0054】
生成物は、乾燥形態で融剤と一緒に、ペーストとして、または懸濁液として適用することができる。生成物は有機溶媒中、特にアルコール中、例えばイソプロパノール中で非常に安定な懸濁液を形成することが分かった。Ti0.850.55(OH)1.11.2を含む懸濁液は、本発明のもう1つの実施形態である。
【0055】
本発明の方法に従って調製される化合物は、記載されるように、腐食から保護するために金属上、特にアルミニウム上に被膜を適用するために使用することができる。
【0056】
以下の実施例は本発明をさらに説明するものとし、限定することは意図されない。
【実施例】
【0057】
A)ヒドロキシフッ化チタニルの調製
反応は、以下のように記載することができる。
TiOCl + yHF+xHO → Ti(OH) + 2HCl
%は常に重量%を示す。
【0058】
実施例1:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製
204mlのTiOClのHCl(38〜42%)溶液(15%のTi)をウォータージャケット付(water−jacked)ポリプロピレンビーカーに入れた。ビーカーの内容物を磁気攪拌器によって攪拌した。容器を外部加熱し、溶液中の温度をPt−100温度計でモニターした。溶液中のチタンの当量は1モルであった。56gの50%HF溶液(1.4モルのHF)を液滴状でゆっくりと添加した。この段階で、49℃への温度上昇が記録された。温度を85℃まで上昇させ、5時間攪拌した。冷却した後、沈殿した塊を90℃でオーブン乾燥させた。
【0059】
XRD測定によって、化合物Ti0.850.55(OH)1.11.2の結晶相を同定した。元素分析は、43.7%Ti、22.3%F、1.00%Clであり、100重量%までの残りはOおよびHであった。粒子は1〜5μmの間の直径を示した。
【0060】
実施例2:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製、47℃への温度上昇および水による沈殿物の洗浄
204mlのTiOClのHCl(38〜42%)溶液(15%のTi)をウォータージャケット付ポリプロピレンビーカーに入れた。ビーカーの内容物を磁気攪拌器によって攪拌した。容器を外部ヒーターにより加熱し、溶液中の温度をPt−100温度計でモニターした。溶液中のチタンの当量は1モルであった。56gの50%HF溶液(1.4モルのHF)を後者の溶液に液滴状でゆっくりと添加した。この段階で、47℃への温度上昇が記録された。後反応段階において温度を85℃まで上昇させ、混合物を5時間攪拌した。冷却した後、沈殿した塊を水で洗浄し、遠心分離およびデカンテーションにより分離した。後者のステップを3回繰り返した。次に、得られた塊を90℃でオーブン乾燥させた。
【0061】
XRD測定によって、化合物Ti0.850.55(OH)1.11.2の結晶相を同定した。元素分析は、45.1%Ti、25.3%F、0.2%Clであった。実施例1と同様に、電子顕微鏡法(SEM)によって様相を評価した。凝集体は、1〜5μmの間の直径を示し、一次粒子径は300〜700nmの間であった。
【0062】
実施例3:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製、後反応段階における5000rpmでの攪拌
408mlのTiOClのHCl(38〜42%)溶液(15%のTi)をウォータージャケット付ポリプロピレンビーカーに入れた。ビーカーの内容物を高速混合器によって攪拌した。容器を外部ヒーターによって加熱し、溶液中の温度をPt−100温度計でモニターした。溶液中のチタンの当量は2モルであった。この溶液に、混合物を500rpmの速度で攪拌しながら120gの50%HF溶液(3モルのHF)を液滴状でゆっくりと添加した。この段階で、44℃への温度上昇が記録された。後反応段階において温度を85℃まで上昇させ、混合物を5000rpmで6時間攪拌した。冷却した後、沈殿した塊を水中に再懸濁させ、攪拌し、遠心分離およびデカンテーションにより分離した。得られた固体を90℃でオーブン乾燥させた。
【0063】
XRD測定によって、化合物Ti0.850.55(OH)1.11.2の結晶相を同定した。元素分析は、43.3%Ti、24.6%F、0.37%Clであった。電子顕微鏡法(SEM)によって様相を評価した。凝集体は、1〜2μmの間の直径の球形を有する。一次粒子は100〜300nmの直径を有する。
【0064】
B)ゲル形態のオキシフッ化チタンおよびヒドロキシフッ化チタニルの調製
反応は、以下のように記載することができる。
Ti(OR) + 2HF + yHO → Ti(O)F + 2ROH
Ti(OR) + xHF + yHO → Ti(O)(OH) + 2ROH
【0065】
実施例4:TiOFゲルの調製
出発材料:
HF水、濃度50重量% 14.1g
Ti(O−i−プロピル) 52.5g
イソプロパノール(「IPA」) 300ml
Ti:Fのモル比=1:2
【0066】
攪拌器および還流冷却器を備えた三つ口丸底フラスコ内にチタンイソプロパノラート(titanium isopropanolate)を秤量し、200mlのイソプロパノールと混合した。室温でフラスコを窒素によりスィープして、反応混合物を攪拌しながら、14.1gのHF水および100mlのIPAの混合物を液滴状で添加した。混合物の添加が終了したら、フラスコの内容物を70℃に加熱した。形成されたあらゆる蒸気を冷却器で凝縮させフラスコに戻した。3.5時間後に、わずかな濁りを観察することができた。リオゲルが形成された。
【0067】
TiOFキセロゲルは、イソプロパノールおよびその他のあらゆる揮発性成分を除去することによって単離することができる。
【0068】
リオゲルを金属表面に直接塗布し、それに続く乾燥ステップにより被覆金属部品を提供することができる(実施例11を参照)。
【0069】
あるいは、キセロゲルを溶媒、例えばイソプロパノールまたはメチルエチルケトン中に懸濁させ、金属表面に塗布することもできる。この場合も、それに続く乾燥ステップにより、保護被膜を有する金属部品が提供される。
【0070】
実施例5:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製
出発材料:
HF水、濃度57重量% 9.9g
Ti(O−i−プロピル) 50g
メチルエチルケトン(「MEK」) 300ml
Ti:Fのモル比=1:1.6
【0071】
チタンイソプロパノラートを、実施例4の三つ口フラスコ中で、200mlのMEKと混合した。室温において、9.9gのHF水および100mlのMEKの混合物を液滴状で添加した。HF溶液の添加が終了したら、反応混合物を70℃で3.5時間攪拌した。
【0072】
周囲温度まで冷却した後、わずかな軟凝集を観察することができた。
【0073】
得られたTi0.850.55(OH)1.11.2リオゲルは、溶媒の除去によって単離することができる。
【0074】
実施例6:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製
出発材料:
HF水、濃度42重量% 7.2g
Ti(O−i−プロピル) 30g
メチルエチルケトン(「MEK」) 100ml
Ti:Fのモル比=1:1.6
【0075】
チタンイソプロパノラートを、実施例4の三つ口フラスコ中で、80mlのMEKと混合した。室温において、7.2gのHF水および20mlのMEKの混合物を液滴状で添加した。HF溶液の添加が終了したら、反応混合物を70℃で3.5時間攪拌した。
【0076】
周囲温度まで冷却した後、わずかな軟凝集を観察することができた。ゲル溶液は使用可能な状態である。
【0077】
得られたTi0.850.55(OH)1.11.2リオゲルは、溶媒の除去によってキセロゲルの形態で単離することができる。
【0078】
実施例7:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製
出発材料:
HF水、濃度40重量% 2g
Ti(O−エチル) 10g
メチルエチルケトン(「MEK」) 30g(20g+10g)
Nuosperse(登録商標)2008 0.4g(0.3g+0.1g)
Ti:Fのモル比=1:1
【0079】
チタンエタノラートを、ビーカー中で、20gのMEK、および0.3gのNuosperse(登録商標)2008、顔料界面活性剤(変性オレイルアルコール)(Elementis Specialties Netherlands B.Vから入手可能)と混合した。室温において、2gのHF水、10gのMEKおよび0.1gのNuosperse(登録商標)2008の混合物を液滴状で添加した。HF溶液の添加が終了する直前に、反応混合物は白色になり、凝固した。得られたゲルを100℃で一晩乾燥させた。
【0080】
実施例8:Ti0.850.55(OH)1.11.2の調製
出発材料:
HF水、濃度57重量% 8g
Ti(O−n−ブチル) 40g
メチルエチルケトン(「MEK」) 250ml
Ti:Fのモル比=1:1.6
【0081】
チタンイソプロパノラートを、実施例4の三つ口フラスコ中で、200mlのMEKと混合した。室温において、8gのHF水および50mlのMEKの混合物を液滴状で添加した。HF溶液の添加が終了したら、反応混合物を70℃で2時間攪拌した。透明なゲルが形成された。
【0082】
ゲルを直接使用して被覆部品を提供することもできるし、あるいは乾燥により溶媒を除去し、キセロゲルをその適用前に再懸濁させることもできる。
【0083】
実施例9:Ti0.850.55(OH)1.11.2を含む被膜を有するアルミニウム部品の製造
実施例3で得られたTi0.850.55(OH)1.11.2をメチルエチルケトン中に分散させる。分散液をアルミニウムクーポンの表面に塗布する。次にクーポンを70℃のオーブン中で乾燥させる。冷却した後、Ti0.850.55(OH)1.11.2の被膜で被覆されたクーポンが得られる。
【0084】
実施例10:Ti0.850.55(OH)1.11.2を含む被膜を有するアルミニウム部品の製造
実施例8のキセロゲルの一部をボールミル内で粉砕し、次にMEK中に懸濁させ、アルミニウムアングルの表面に塗布する。次にクーポンをオーブンに移し、溶媒を除去する。冷却した後、Ti0.850.55(OH)1.11.2を含む被膜で被覆されたアルミニウムクーポンが得られる。
【0085】
実施例11:TiOFを含む被膜を有するアルミニウム部品の製造
実施例4で得られたイソプロパノール中のTiOFゲルの溶液の一部をアルミニウムアングルの表面に塗布する。次にクーポンをオーブンに移し、溶媒を除去する。冷却した後、TiOFを含む被膜で被覆されたアルミニウムクーポンが得られる。
【0086】
実施例12:Ti0.850.55(OH)1.11.2を含む被膜を有するアルミニウム部品の製造
実施例8で得られたゲル生成物の一部を直接使用して、アルミニウムアングルの表面に塗布する。次にクーポンをオーブンに移し、MEK溶媒を除去する。冷却した後、Ti0.850.55(OH)1.11.2を含む被膜で被覆されたアルミニウムクーポンが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシフッ化チタニルと、一般式Ti(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)のヒドロキシフッ化チタニルとからなる群から選択されるチタン化合物を含有する被膜を含む、腐食からの保護が改善された金属部品。
【請求項2】
前記チタン化合物が、一般式Ti(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)のヒドロキシフッ化チタニルからなる群から選択される請求項1に記載の金属部品。
【請求項3】
アルミニウム、アルミニウム鋼またはステンレス鋼から製造される請求項1に記載の金属部品。
【請求項4】
前記チタン化合物が、ゲル形態または微粉化粒子形態で前記被膜中に含有される請求項1に記載の金属部品。
【請求項5】
前記チタン化合物が、HTB構造(六方晶タングステンブロンズ)で結晶化されたTi0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)、Ti0.90.6(OH)1.61.8、およびTi0.91.6(OH)0.20.2からなる群から選択される請求項1に記載の金属部品。
【請求項6】
前記チタン化合物が、Ti0.850.55(OH)1.11.2である請求項5に記載の金属部品。
【請求項7】
前記Ti0.850.55(OH)1.11.2がゲル形態で存在するか、あるいは本質的に100〜700nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜5μmの範囲の二次粒子径を有する粒子から構成される、請求項6に記載の金属部品。
【請求項8】
本質的に100〜700nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜5μmの範囲の二次粒子径を有する、HTB形態で結晶化された、式Ti0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は±0.03の範囲で可変である)のヒドロキシフッ化チタニル。
【請求項9】
本質的に100〜300nmの範囲の一次粒子径および本質的に1〜2μmの範囲の二次粒子径を有する、請求項9に記載のヒドロキシフッ化チタニル。
【請求項10】
一塩基性または二塩基性アルコール、特にC1〜C4一塩基性アルコール中、ケトン中、またはエーテル中のTi0.850.55(OH)1.11.2の懸濁液。
【請求項11】
TiOFおよびTi(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)からなる群から選択される、ゲル形態のチタン化合物。
【請求項12】
TiOFまたはTi0.850.55(OH)1.11.2である、請求項11に記載のチタン化合物。
【請求項13】
HTB構造(六方晶タングステンブロンズ)で結晶化するTi0.850.55(OH)1.11.2(式中、添字は、±0.03の範囲で可変である)の調製のための方法であって、塩化チタニルの塩酸溶液を提供し、この溶液にフッ化水素酸を添加するが、ただし、塩化チタニルに対するHFのモル比が2以下である方法。
【請求項14】
TiOFおよびTi(OH)(式中、aは0.8〜1.2であり、bは0.5〜1.7であり、cは0.2〜1.7であり、およびdは0.2〜1.8である)からなる群から選択されるゲル形態のチタン化合物の調製のための方法であって、有機溶媒中でチタンテトラアルコキシドがHF水と反応される方法。
【請求項15】
前記溶媒が、エーテル、ケトン、アルコール、ニトリル、およびホルムアミドからなる群から選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記チタンアルコキシドが、チタンテトラエタノラート、チタンテトラキス−イソプロパノラート、チタンテトラキス−n−プロパノラートおよびチタンテトラキス−n−ブタノラートからなる群から選択される請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2012−512329(P2012−512329A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541374(P2011−541374)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067043
【国際公開番号】WO2010/069906
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(592165314)ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【氏名又は名称原語表記】Solvay Fluor GmbH
【住所又は居所原語表記】Hans−Boeckler−Allee 20,D−30173 Hannover,Germany
【Fターム(参考)】