説明

保険料算出システム、保険料算出装置及びプログラム

【課題】ソースコードの修正を行うこと無く保険料計算式の追加、変更、削除を可能とする技術を提供する。
【解決手段】実施形態の保険料算出システムは、記憶装置と、端末装置と、処理部とを有する。記憶装置は、保険料を算出する計算式と、画面上に表示される項目であって保険料を算出する計算式で用いられる入力項目および計算結果の出力項目とを定義したデータが記憶される。端末装置は、保険商品に関する入力項目および出力項目を画面上に表示し、入力項目の欄に入力される値を取得する。処理部は、端末装置で取得された各入力項目とその値とを受信し、保険商品に対応する計算式を記憶装置から取得し、計算式に、入力項目の値を代入して保険商品の保険料を計算し、計算結果である各出力項目とその値とを端末装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、保険商品の保険料を算出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業分野の保険商品は商品数が多く、また新規保険商品の提供や既存商品の改訂、法改正により対応商品が日々増加している。
【0003】
関連技術として、以下の文献が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−149208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
保険システムに不可欠な保険料計算ロジック(保険料計算式)は、保険商品の数に応じて増加し、新規保険商品が提供される場合、これに伴いソースコードの追加修正作業が発生し、プログラム対応工数が増加する。また、既存商品の改訂や法改正がある場合、同時期に保険料計算ロジックの変更を行う必要があり、その都度ソースコードの修正作業が発生する。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ソースコードの修正を行うこと無く保険料計算式の追加、変更、削除を可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の保険料算出システムは、記憶装置と、端末装置と、処理部とを有する。記憶装置は、保険料を算出する計算式と、画面上に表示される項目であって保険料を算出する計算式で用いられる入力項目および計算結果の出力項目とを定義したデータが記憶される。端末装置は、保険商品に関する入力項目および出力項目を画面上に表示し、入力項目の欄に入力される値を取得する。処理部は、端末装置で取得された各入力項目とその値とを受信し、保険商品に対応する計算式を記憶装置から取得し、計算式に、入力項目の値を代入して保険商品の保険料を計算し、計算結果である各出力項目とその値とを端末装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態の保険料算出システムの構成例を示す図である。
【図2】実施形態の保険料算出システムの構成ブロックの一例を示す図である。
【図3】実施形態の端末装置が表示する画面イメージの一例を示す図である。
【図4】実施形態の計算項目情報の一例を示す図である。
【図5】実施形態の計算式情報の一例を示す図である。
【図6】実施形態のマスタデータの一例を示す図である。
【図7】実施形態の保険料算出システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
保険料の算出について、商品毎に計算式や当該計算式で使用される引数、係数に違いはあるものの、算出の基本的な流れや操作には共通点がある。本実施形態では、この共通点については汎用化した仕組みを構築し、計算式や引数、係数についてはデータとして保持させることで、商品ごとに異なる保険料計算をソースコードの修正無し(プログラミングレス)で実現する。本実施形態の保険料算出システムは、以下の各情報をデータとして保持させ、必要に応じて該当するデータを取得して商品に対応した保険料を算出する。
・画面上に表示される、保険料を算出する計算式で用いられる入力項目、および画面上に表示される、計算結果の出力項目を定義したデータ(計算項目情報)
・保険料計算式が記述されたデータ(計算式情報)
・保険料計算式で用いる係数などのデータ(マスタデータ)
【0010】
以下、本実施形態につき図面を参照して説明する。
【0011】
図1に本実施形態の保険料算出システムの構成例を示す。保険料算出システム300は、保険料算出サーバ100、端末装置200を有するクライアント/サーバシステムである。保険料算出サーバ100は、現存するサーバ(コンピュータ)と同等のハードウェア構成であり、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置(不図示)を有し、主記憶装置やROM(Read Only Memory)、およびHDD(Hard disk drive)等の補助記憶装置によって構成される記憶部2(記憶装置)を有する。また保険料算出サーバ100は、各保険料算出処理で共通している基幹処理を実行する保険料計算エンジン1を有する。尚、基幹処理を司るサーバ、データの保持を司るサーバ等の複数サーバの構成であっても保険料算出サーバ100と同等の処理を行うことができる。
【0012】
端末装置200は、現存するPC(Personal computer)と同等のハードウェア構成であり、演算処理装置、主記憶装置、ROM、補助記憶装置を有し、またユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウス、ユーザに入力欄や算出される保険料を表示するモニターを有する。
【0013】
保険料算出サーバ100と端末装置200とは、LAN(Local Area Network)によって互いにデータの送受信が可能である。
【0014】
図2は、保険料算出サーバ100の内部構成に着目した機能ブロックの一例を示す図である。保険料計算エンジン1は、処理制御部11、商品情報生成部12、計算処理部13、入出力処理部14A、14Bを有する。これら各ユニットの具体的処理や動作については後述する。また保険料計算エンジン1内の各ユニットは、演算処理装置が、事前に記憶部2に記憶されている保険料算出プログラムを演算実行することで実現される。
【0015】
記憶部2には、計算項目情報21、計算式情報22、マスタデータ23の各種情報が記憶されている。
【0016】
図3は、端末装置200のモニター上で表示される画面イメージの一例であり、新規契約が発生したときにオペレータや契約担当者等の使用者に対して表示される画面イメージである。端末装置200は、保険商品に関する項目であって使用者が入力する項目(以下、画面入力項目)を、画面イメージの上段に表示する。画面入力項目の欄にユーザが値を入力し、「計算」ボタンB1を押下することで、端末装置200は、下段に配置される計算結果の項目(画面出力項目)の欄に保険料の計算結果を表示する。
【0017】
画面入力項目には、商品を一意に識別する情報である「商品コード」、当該保険によるリスクの種別を示す「リスク区分」、保険料計算に際して必要な値(保険タイプや特約有無の情報、免責金額等、さまざまな種別があるが、ここでは簡略化のため「入力項目1」、「入力項目2」としている)、保険料支払いの分割回数を示す「分割回数」がある。「商品コード」、「リスク区分」は、プルダウンメニューとなっており、「入力項目1」、「入力項目2」、「分割回数」の欄は、ユーザによって任意に値が入力される。また画面出力項目には、「対人保険料」、「対物保険料」、「年間保険料」があり、保険料算出サーバ100によって算出される各計算結果が該当欄に表示される。
【0018】
次に、図4〜図6を用いて記憶部2に記憶されている各情報について説明する。尚、これらのデータはあくまで一例である。
【0019】
図4に計算項目情報の一例を示す。本実施形態で使用する計算項目情報21はxml形式の情報であり、商品コードごとに記憶部2に記憶される。計算項目情報21のinputSetタグ内には、図3で示す画面上に表示される項目であって計算に必要な入力項目が設定されており、outputSetタグ内には、図3で示す画面上に表示される項目であって、保険料算出サーバ100での計算結果である出力項目が設定されている。また計算項目情報21のselectSetタグ内には、計算式で用いられる係数に関する情報(マスタデータ情報)が設定されている。画面入力項目、画面出力項目内それぞれで設定されている各項目は、項目名(name)、当該項目のデータタイプ(dataType)のセットで定義されており、またマスタデータ情報には、係数を導出するための各種定義が設定されている。
【0020】
この計算項目情報は、商品コードによって一意に特定される。図4で示す計算項目情報21は、商品コードが「001」(productCode=”001”)である場合の計算項目情報であり、他の商品コード用の計算項目情報も記憶部2に記憶されている。また不図示であるが、契約者の個人情報等の項目が計算項目情報内に設定されてもよい。
【0021】
図5は、計算式情報の一例を示す図である。本実施形態で使用する計算式情報22もxml形式のデータであり、保険料を算出するための計算式が記述されているデータである。
【0022】
計算式情報には、階層レベル(item level)やタイプ(item type)、画面出力項目の名前(name)や当該項目のデータタイプ(dataType)、計算式(formula)、当該計算式で用いられる引数名や引数のデータタイプ(subitem type)が設定される。
【0023】
計算式には、四則演算記号以外にも、最大値選択関数MAX()、最小値選択関数MIN()、剰余演算関数MOD()、対数演算関数LOG()、自然対数演算関数LN()の各種関数を用いることができ、また演算順位を変更する括弧記号や指数を示す記号(^)等の演算記号も用いることができる。また、「対人保険料」の計算式に示すように、関数内にさらに演算式や関数を用いることもできる。
【0024】
図6にマスタデータの一例を示す。マスタデータは、保険料を算出する際に使用される係数のデータであり、記憶部2に記憶されている。また本実施形態のマスタデータ23は、カンマ区切りのCSV形式である。1つのマスタデータは、図6(A)に示す定義データ(本例では割引マスタ23A)、および図6(B)に示す設定値データ(本例では割引データ23B)によって構成されており、「リスク区分」の値に応じて「割引」の値が導出される実装となっている。
【0025】
次に、保険料算出システム300の動作例を図7を参照しつつ説明する。
【0026】
まず使用者は、端末装置200を用いて図3に示す各画面入力項目に値を入力し、計算ボタンB1を押下する。端末装置200は、計算ボタンB1の押下をトリガとして、画面入力項目の名前および値が対応づいたデータを保険料算出サーバ100の処理制御部11に対し送信する(S1)。
【0027】
処理制御部11は、実行指示を商品情報生成部12に送信するとともに、受信した画面入力項目名および値を送信する(S2)。商品情報生成部12は、受信したデータから商品コードの値を抽出し、入出力処理部14Aに商品コードの値(本例では「001」)を送信する(S3)。入出力処理部14Aは、受信した商品コードに対応する計算項目情報を記憶部2から取得し(S4、S5)、商品情報生成部12に取得した計算項目情報を送信する(S6)。本例では商品コードが001であるため、入出力処理部14Aは「ProductCode」が001である計算項目情報21を取得して商品情報生成部12に送信する。
【0028】
商品情報生成部12は、ステップS2で受信した画面入力項目の名前と、計算項目情報のnameタグで定義されている項目とを照らし合わせながら、画面入力項目の値が計算項目情報21で設定されているデータタイプに合致するかをチェックする(S7)。合致する場合は計算項目情報21を処理制御部11へ送信し、合致しない場合は不一致であることを示すデータを処理制御部11へ送信する(S8)。
【0029】
処理制御部11は、不一致であることを示すデータを受信した場合、再入力の要求情報を端末装置200へ送信する(S9)。再入力の要求情報を受信した端末装置200は、入力値に不備がある旨のメッセージをモニター上に表示し、使用者に再度入力するよう促す。
【0030】
処理制御部11が計算項目情報を取得した場合(すなわち型が合致している場合)、処理制御部11は、ステップS1で受信した画面入力項目名および値、ステップS8で受信した計算項目情報(ここでは計算項目情報21)を計算処理部13に送信するとともに、実行指示を計算処理部13に行う(S10)。
【0031】
計算処理部13は、受信した画面入力項目から商品コードの値(ここでは「001」)を抽出し、入出力処理部14Bに送信する(S11)。
【0032】
入出力処理部14Bは、以下の手順で計算式情報、マスタデータを記憶部2から取得し(S12、S13)、取得した計算式情報、マスタデータを計算処理部13へ送信する(S14)。本例では、図5で示す計算式情報および図6で示す割引マスタ23A、割引データ23Bが取得され、送信される。
1.商品コードの値(001)に基づき、「ProductCode」が001である計算項目情報21を特定し、取得する。
2.計算項目情報21のoutputSetタグ内のうち、nameタグで囲まれた値を抽出し(本例では「年間保険料」、「対人保険料」、「対物保険料」が抽出される)、抽出した値と同一の値がnameタグ内で定義されている計算式情報を特定し、取得する。ここでは、「年間保険料」、「対人保険料」、「対物保険料」がnameタグ内で定義されている計算式情報22が特定され、取得される。
3.計算項目情報21内で設定されているマスタデータ情報内の「masterDefine」、「masterData」の各タグで囲まれた値を取得し(本例では「割引マスタ」、「割引データ」が取得される)、当該値がファイル名となっているCSVファイルを取得する。ここでは、図6に示す割引マスタ23A、割引データ23Bが取得される。
【0033】
計算処理部13は、画面入力項目の名前とその値、計算項目情報21、計算式情報22、割引マスタ23A、割引データ23Bを用いて画面出力項目の値を算出する(S15)。具体的な算出方法は以下の順となる。
1.計算処理部13は、計算式情報22内の階層レベル(item level)が1であるアイテム情報(itemタグで囲まれた範囲の情報)を抽出する。ここでは、nameタグが「年間保険料」であるアイテム情報が抽出される。
2.計算処理部13は、当該アイテム情報内の引数情報(subItem)の名前、データタイプを抽出し、当該階層のみで計算結果を算出できるかを判定する。ここでは「対人保険料」、「対物保険料」、「分割回数」の各引数情報の名前、およびデータタイプが抽出される。引数のデータタイプが「input」の引数は、使用者が入力した画面入力項目の値がそのまま採用される。ここでは「分割回数」が相当し、画面入力項目の「分割回数」の項目に対応付けられた値がそのまま採用される。一方引数のデータタイプが「calculate」のものは、画面入力項目では無く次の階層の計算式によって算出される値となる。ここでは「対人保険料」、「対物保険料」が相当する。本例では、階層レベル1のみでは算出結果を得ることができないため、処理は次の階層である階層レベル2に移る。すなわち、nameタグが「対人保険料」、「対物保険料」のアイテム情報についての処理となる。
3.計算処理部13は、nameタグが「対人保険料」のアイテム情報内で設定されている引数情報(subItem)の名前、データタイプを抽出する。ここでは「入力項目1」、「入力項目2」、「割引」が抽出される。「入力項目1」、「入力項目2」のデータタイプは「input」であるため、計算処理部13は、使用者によって入力された画面入力項目の値をそのまま採用する。
4.一方、引数のデータタイプが「select」である「割引」は、マスタデータ23を用いて値が導出される。計算処理部13は、割引マスタ23A、割引データ23Bを用いて以下の手順で「割引」の値を導き出す。
(4−1)割引マスタ23Aには第1カラム目に「リスク区分」、第2カラム目に「割引」が定義されている。計算処理部13は、第1カラム目に「リスク区分」が定義されているため、これに基づき、図3の画面上の「リスク区分」に対して使用者が入力した値「A01−01」を取得する。
(4−2)次に計算処理部13は、第1カラム目が「A01−01」となっているレコードを割引データ23Bから検索し、該当するレコードの第2カラム目の値を取得する。本例では「0.9」の値が取得され、この値が「割引」の値となる。尚、割引マスタ23Aで定義されている「割引」の項目と、割引データ23Bで定義されている「0.9」の値とは、各CSVファイル内で第2カラム目に定義されていることで対応関係が構成されている。
5.計算処理部13は、「割引」の値である「0.9」と、使用者によって入力された「入力項目1」、「入力項目2」の各値とを「formula」タグで設定されている計算式に代入し、「対人保険料」の値を算出する。尚、計算記号や関数に対しての文字列解析の手法は、従前の技術に基づく。
6.同様の処理で、階層レベル2の「対物保険料」も算出される(詳細は省略する)。
7.計算処理部13は、階層レベル2の演算が終了した後に階層レベル1のアイテム情報に処理を戻し、「formula」タグ内で設定されている算出式に「対人保険料」、「対物保険料」、「分割回数」の各引数に値を代入して「年間保険料」を算出する。
【0034】
図7の説明に戻る。計算処理部13は、ステップS15で上記処理を行い、「対人保険料」、「対物保険料」、「年間保険料」の値を算出し、画面出力項目の名前(「対人保険料」、「対物保険料」、「年間保険料」)と算出した値とを対応付けて処理制御部11へ送信する(S16)。処理制御部11は、計算結果として画面出力項目の名前および値を端末装置200へ送信する(S17)。
【0035】
端末装置200は、画面出力項目の名前および値を取得し、画面出力項目の欄に取得された値を表示する。
【0036】
上記のステップS12、13では、商品コードに基づき計算項目情報21が取得され、計算項目情報21内の画面出力項目(outputSetタグ内の情報)が参照されることで計算式情報22が取得されることとしたが、例えば計算式情報の各アイテム情報内に直接商品コードを記述し定義することで、商品コードから直接計算式情報が取得される実装も可能である。いずれの実装も、商品コードに基づき計算式情報が特定され、取得される。
【0037】
本実施形態では、XML形式やCSV形式のデータを用いているが、態様を限定するものではなく、データベース等が用いられてもよい。また、これらの各情報は、開発者のみならず保険会社のシステム管理者等によって追加、更新、削除が可能となる。新規商品の追加や商品の提供中止、改定、法改正が発生した際、開発者のみならず使用者もデータの追加、更新、削除をテキストエディタや規定のデータベース参照ツールを用いることで対応することができる。
【0038】
端末装置200は、タブレットPCや携帯電話機等の携帯端末機であってもよい。また保険料算出サーバ100は、保険料計算装置として提供されてもよい。また本実施形態では端末装置200と保険料算出サーバ100との通信手段をLANとしたが、態様を限定するものではなく、通信手段は有線、無線のいずれであってもよい。
【0039】
また上記例では、保険料計算システム300は、端末装置200と保険料算出サーバ100との構成であるとして説明したが、端末装置200と保険料算出サーバ100とで実現される各機能は、1つのコンピュータ内でも実現可能であり、このコンピュータを保険料算出装置として提供することも可能である。この場合、保険料算出装置は、インターフェイス部を有し、当該インターフェイス部は、モニター、キーボード、マウスやこれらハードウェアの動作を制御するドライバ回路、ドライバプログラムによって構成される。
【0040】
保険料計算エンジン1内の各ユニットは、上記の態様に限定されない。例えば、商品情報生成部12と入出力処理部14Aとを合わせて1つのユニットとしてもよく、計算処理部13と入出力処理部14Bとを合わせて1つのユニットとしてもよい。また記憶部2に記憶されている各情報の構成も、上記の態様に限定されない。商品コードに応じて、使用される各項目の情報や計算式、引数、係数等が導出される構成であればよい。例えば計算式情報は、アイテム情報ごとに個別にファイルが作成されてもよい。
【0041】
処理部は、保険料計算エンジン1に対応し、受信部、送信部は、処理制御部11に対応する。
【0042】
上述の実施形態の各処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実現することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、実施形態に係る各処理を遂行する情報処理装置として動作することが可能である。例えば、補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに実施形態に係る各処理を動作させることができる。
【0043】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに適用することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてコンピュータにダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0044】
本実施形態では、保険料を算出する計算式がソースコード内部では無く記憶装置にデータとして記憶される態様について説明し、この態様によって、使用者は、ソースコードを修正すること無く容易に計算式を追加、更新、削除することができる。本実施形態の態様によって、新しい保険商品の導入、既存商品の改訂、法改正がある場合は、例えば新たに商品コードの値を設け、対応する計算項目情報や計算式情報を作成し、また必要に応じてマスタデータを修正することのみで対処することができる。
【0045】
以上、この実施形態で説明した態様により、生産性や保守性が向上し、コーディング作業の負荷を低減させることができる。また保険料計算ロジックの変更作業を簡便化することができる。
【0046】
なお、本発明の実施形態を説明したが、当該実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 保険料計算エンジン、2 記憶部、11 処理制御部、12 商品情報生成部、13 計算処理部、14A、14B 入出力処理部、21 計算項目情報、22 計算式情報、23 マスタデータ、100 保険料算出サーバ、200 端末装置、300 保険料算出システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険料を算出する計算式と、画面上に表示される項目であって前記保険料を算出する計算式で用いられる入力項目および計算結果の出力項目が保険商品ごとに定義されたデータとが記憶される記憶装置と、
前記保険商品に関する入力項目および出力項目を画面上に表示し、前記入力項目の欄に入力される値を取得する端末装置と、
前記端末装置で取得された各入力項目とその値とを受信し、前記保険商品に対応する計算式を前記記憶装置から取得し、該計算式に、前記入力項目の値を代入して該保険商品の保険料を計算し、計算結果である各出力項目とその値とを前記端末装置に送信する処理部と
を有する保険料計算システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記計算式である第1計算式内に前記入力項目以外の項目が引数として設定されている場合、前記記憶装置に記憶されている、前記第1計算式とは異なる計算式を用いて前記入力項目以外の値を算出し、該算出値を前記第1計算式内の該当する項目に代入することで、前記保険料を算出する、請求項1に記載の保険料計算システム。
【請求項3】
前記処理部は、前記計算式内に前記入力項目以外の項目が引数として設定されている場合、前記記憶装置に記憶されている、前記入力項目以外の項目と値とが対応付けられたデータに基づき前記入力項目以外の項目の値を導出し、該導出した値を前記計算式内の該当する項目に代入することで、保険料を算出する、請求項1または2に記載の保険料計算システム。
【請求項4】
前記入力項目には、保険商品を一意に識別する識別情報があり、前記処理部は、前記識別情報に基づき、入力項目および出力項目が定義されたデータを特定し、特定したデータ内で定義されている出力項目に基づき計算式を特定し、該計算式を取得する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保険料計算システム。
【請求項5】
保険料を算出する計算式と、画面上に表示される項目であって前記保険料を算出する計算式で用いられる入力項目および計算結果の出力項目が保険商品ごとに定義されたデータとが記憶される記憶装置と、
保険商品に関する入力項目および出力項目を画面上に表示して前記入力項目の欄に入力される値を取得する端末装置から、各入力項目とその値とを受信する受信部と、
前記保険商品に対応する計算式を前記記憶装置から取得し、該計算式に、前記入力項目の値を代入して該保険商品の保険料を計算する計算処理部と、
前記計算処理部による計算結果である各出力項目とその値とを前記端末装置に送信する送信部と
を有する保険料計算装置。
【請求項6】
保険商品に関する入力項目および出力項目を画面上に表示して前記入力項目の欄に入力される値を取得する端末装置から、前記入力項目とその値とを受信する受信部と、
保険料を算出する計算式と、画面上に表示される項目であって前記保険料を算出する計算式で用いられる入力項目および計算結果の出力項目が保険商品ごとに定義されたデータとが記憶される記憶装置から、前記保険商品に対応する計算式を取得し、該計算式に、前記入力項目の値を代入して該保険商品の保険料を計算する計算処理部と、
前記計算処理部による計算結果である各出力項目とその値とを前記端末装置に送信する送信部と
を有する保険料計算装置。
【請求項7】
保険料を算出する計算式と、画面上に表示される項目であって前記保険料を算出する計算式で用いられる入力項目および計算結果の出力項目が保険商品ごとに定義されたデータとが記憶される記憶装置から、データを取得するコンピュータに、
保険商品に関する入力項目および出力項目を画面上に表示して前記入力項目の欄に入力される値を取得する端末装置から、各入力項目とその値とを受信させ、
前記記憶装置から、前記受信した保険商品に対応する計算式を取得させ、
該計算式に、前記入力項目の値を代入して該保険商品の保険料を計算させ、
前記計算の結果である各出力項目とその値とを前記端末装置に送信させる
ための保険料算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−65077(P2013−65077A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201960(P2011−201960)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【出願人】(391016358)東芝情報システム株式会社 (149)