説明

信号の送信を調整する方法及びデバイス

【課題】ホーム基地局のセルに位置しかつそのホーム基地局に関連付けられていない移動端末が、その基地局から同期信号も制御信号も受信することができないことを回避する方法を提供する。
【解決手段】ホーム基地局は基地局のセルに配置され、ホーム基地局は第1のトラッキングエリアに属し、基地局は、移動機が存在すると想定される第2のトラッキングエリアに属する。基地局及びホーム基地局は、第3のトラッキングエリアを識別する信号を、無線インターフェースを通じて転送し、第3のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して、信号が移動端末から受信されたか否かを確認し、信号が移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入り、ホーム基地局によって転送される信号の送信を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信を調整する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線セルラー通信ネットワークは、大規模に展開されているが、依然として、無線セルラー通信ネットワークの基地局によってカバーされていない幾つかのエリアが存在する。基地局は、所与の計画に従って事業者によって展開される。
【0003】
例えば、基地局及び/又は移動端末によって放射された信号が減衰されすぎる場合には、無線セルラー通信ネットワークへのアクセスは、可能でない場合もあるし、高すぎる送信電力又は低すぎるスペクトル効率(すなわち、建物内に位置する移動端末にとって多すぎるシステムリソース)を要する場合もある。
【0004】
特定の基地局(ホーム基地局若しくはフェムト基地局若しくはピコ基地局又は中継器のように、必ずしも事業者によって展開されるとは限らず、したがって、所与の計画に従うとは限らないもの)が、建物及び基地局オフロード(base station offload)内でカバレッジエリアを提供するために、建物内に設置される場合がある。中継器は、屋外のカバレッジ拡張をもたらすこともできる。
【0005】
ホーム基地局又はフェムト基地局は、限られたカバレッジエリアを提供する。
【0006】
継続的なカバレッジエリアサイズの縮小及びスペクトル効率の増加に起因して、セル間干渉が主要な問題になっている。セル間干渉調整(ICIC)技法は、セル間干渉問題を緩和することを目的としている。従来、移動端末は、該移動端末が現在サービングされている基地局に、該移動端末が近隣の(neighbouring)基地局及び/又はホーム基地局から受けている干渉を報告する。基地局は、効率的なICICを可能にするために相互間でメッセージも交換する。しかしながら、基地局間メッセージには、基地局間のリンクの確立が必要とされる。基地局とホーム基地局との間又はホーム基地局間の同じリンクは、場合によっては確立することができない。
【0007】
ホーム基地局の大量の展開によって、基地局と、該基地局のカバレッジエリア内に配置された全てのホーム基地局との間にそのようなリンクを有することが妨げられる。リンクが存在する場合であっても、これらのリンク上のメッセージの量は、コアネットワークに過度の負担をかけないように可能な限り少なくしなければならない。これらのホーム基地局は、基地局と強く干渉する場合があり、カバレッジホールを生み出す場合さえある。
【0008】
ホーム基地局は、限られた数の移動端末が、そのそれぞれのリソースを通じて無線セルラー通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。ホーム基地局を通じて無線セルラー通信ネットワークのリソースにアクセスすることを許可される移動端末は、ホーム基地局の所有者によって、ネットワークによって、又はそれらの組合せによって、決定することができる。
【0009】
ここで、所有者とは、一般的な意味に理解されなければならない。所有者は、ホーム基地局の主なユーザーのみの場合もあるし、所有者は、ホーム基地局を賃借している人の場合もあるし、所有者は、所有者の自宅又はオフィスにホーム基地局を収容している人の場合もある。
【0010】
例えば、ホーム基地局の所有者及びその家族の移動端末のみが、該ホーム基地局を通じて無線セルラー通信ネットワークにアクセスすることができる。これらの移動端末は、ホーム基地局に関連付けられている。これらの移動端末は、識別子のリスト(例えば、ホーム基地局の限定加入者グループ(Closed Subscriber Group)(CSG)と呼ばれるもの)に従って識別される。
【0011】
基地局は、多数の移動端末が、そのそれぞれのリソースを通じて無線セルラー通信ネットワークにアクセスすることを可能にする。基地局を通じてネットワークのリソースにアクセスすることを許可される移動端末は、無線セルラー通信ネットワークの事業者が決定することができる。
【0012】
ホーム基地局を通じた無線セルラー通信ネットワークのリソースへのアクセスの許可は、ホーム基地局、無線セルラー通信ネットワークのコアネットワークデバイス、または移動端末が決定することができる。移動端末がホーム基地局に関連付けられていない場合、すなわち、そのホーム基地局の識別子がその移動端末のCSGリストに含まれていない場合には、移動端末は、単独で、そのホーム基地局によって転送された信号に応答しないことを決定することができる。
【0013】
基地局のセルは、通常、ホーム基地局のセルよりもはるかに大きい。
【0014】
建物内では、ホーム基地局がそのセル(単数又は複数)内で信号を放射すると、ホーム基地局によって放射された信号は、基地局(ただし、その基地局のセルのうち1つがそのホーム基地局の単数又は複数のセルをカバーするもの)によって放射された信号と干渉する場合がある。
【0015】
この干渉レベルは、アイドルモードにありかつホーム基地局の1つのセルに位置する移動端末が、基地局からの同期信号も制御信号も受信することができないほど大きい場合がある。
【0016】
その状況は、移動端末がホーム基地局のCSGに属していないとき又はホーム基地局が移動端末のCSGリストに属していないときに問題を生じる。
【0017】
接続を自律的に開始するために無線セルラー通信ネットワークへの接続を試みるとき又は呼び出し(paging)の後に、移動端末は、ホーム基地局のCSGに属していないのでホーム基地局によって拒絶され、高すぎる干渉のために基地局を接続することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/105135号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、ホーム基地局のセルに位置しかつそのホーム基地局に関連付けられていない移動端末が、その基地局から同期信号も制御信号も受信することができないことを回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
そのため、本発明は、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信を調整する方法であって、
前記ホーム基地局は基地局のセルに配置され、
前記ホーム基地局は第1のトラッキングエリアに属し、
前記基地局は、移動機が存在すると想定される第2のトラッキングエリアに属する
方法において、
前記方法は、前記ホーム基地局によって実行される複数のステップとして、
‐前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアと異なりかつ前記基地局及び前記ホーム基地局が属しない第3のトラッキングエリアを識別する信号を、前記無線インターフェースを通じて転送するステップと、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して、信号が前記移動端末から受信されたか否かを確認するステップと、
‐前記信号が前記移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入るステップと、
を含むことを特徴とする方法に関する。
【0021】
本発明は、無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信を調整するデバイスであって、
前記ホーム基地局は基地局のセルに配置され、
前記ホーム基地局は第1のトラッキングエリアに属し、
前記基地局は、移動機が存在すると想定される第2のトラッキングエリアに属する
デバイスにおいて、
前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信を調整する前記デバイスは、前記ホーム基地局に含まれ、
前記デバイスは、
‐前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアと異なりかつ前記基地局及び前記ホーム基地局が属しない第3のトラッキングエリアを識別する信号を、前記無線インターフェースを通じて転送する手段と、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して、信号が前記移動端末から受信されたか否かを確認する手段と、
‐前記信号が前記移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入る手段と、
を備えることを特徴とするデバイスにも関する。
【0022】
したがって、第3のトラッキングエリアを識別する信号を送信することによって、ホーム基地局は、トラッキングエリア更新手順を実行するために、アイドルモードでそのホーム基地局のカバレッジエリアに入りつつある移動端末が、第3のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して信号を送信することを強制的なものにする。
【0023】
トラッキングエリアはセルの集合である。移動端末がトラッキングエリアに位置していることがわかっている場合、該トラッキングエリアの全てのセルにおいて呼び出し信号を送信することによって移動端末に到達することができる。移動端末は、セルサーチ及びシステム情報復号を通じて、新しいトラッキングエリアに移動したことを検出すると、トラッキングエリア更新手順を通じて無線セルラー通信ネットワークに知らせなければならない。
【0024】
したがって、トラッキングエリア更新手順によって、無線セルラー通信ネットワークにおいてアイドルモードにある移動端末を突き止めることが可能になる。
【0025】
実際に、アイドルモードにある移動端末は、基地局にもホーム基地局にも接続されておらず、信号を定期的に転送しない。したがって、アイドルモードにある移動端末を容易に突き止めることは不可能であり、本発明は、既存の手順(例えば3GPP LTE(第3世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション)仕様書のもの)を通じてこれを可能にする。
【0026】
さらに、移動端末がアイドルモードでなくなり無線セルラー通信ネットワークに接続する必要がある場合において、移動端末がホーム基地局に関連付けられていないときに、ホーム基地局のカバレッジ下であっても、セル間干渉手順に入ることによって、アイドルモードにある移動端末の検出後、移動端末と基地局との間の信頼できる通信を確保することが可能になる。
【0027】
さらに、ホーム基地局に関連付けられていない移動端末がホーム基地局カバレッジエリアに入るときのみセル間干渉手順に入ることによって、残りの時間分、ホーム基地局に対して性能の改善が保証される(そうでなければ、ホーム基地局におけるセル間干渉手順がホーム基地局の性能を低減するからである)。
【0028】
特定の特徴によれば、前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアは異なるトラッキングエリアであるか、又は前記第2のトラッキングエリア及び前記第3のトラッキングエリアは同一である。
【0029】
したがって、移動端末が関連付けられているホーム基地局のカバレッジ下に該移動端末が位置していないとき、多くのホーム基地局を通じて移動端末に呼び出しメッセージを送信する必要はない。
【0030】
実際に、2つの異なるトラッキングエリアを有することによって、基地局のみを通じて、又はホーム基地局のみを通じて、呼び出しを送信することができる。
【0031】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、前記移動端末MTが前記信号をいずれのリソースで転送しなければならないのかを示す情報を、前記無線インターフェースを通じて更に転送する。
【0032】
したがって、ホーム基地局において、第3のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して移動端末から受信された信号を、第1のトラッキングエリア及び/又は第2のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して他の移動端末から送信された他の信号と区別することが可能である。第1のトラッキングエリア、第2のトラッキングエリア及び第3のトラッキングエリアに対応する互いに異なるリソースを示すことは、可能でありかつ有益である。
【0033】
特定の特徴によれば、複数のホーム基地局が前記基地局の前記セルに配置され、前記第3のトラッキングエリアを識別する信号は、少なくとも2つのホーム基地局によって転送される。
【0034】
したがって、第3のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して移動端末から受信される信号と同じものを、幾つかのホーム基地局において受信することができ、セル間干渉手順は、必要な場合には幾つかのホーム基地局において同時に開始することができる。
【0035】
これによって、移動端末が遭遇する干渉は、単一のホーム基地局がセル間干渉手順に入る場合と比較して更に低減される。
【0036】
これによって、基地局のセルに配置された幾つかのホーム基地局のカバレッジエリア間の移動性を容易にすることもできる。
【0037】
最後に、異なるホーム基地局から同じ信号を送信することによって、各ホーム基地局における送信電力の低減、及びこれらの信号によって他のホーム基地局の信号に対し引き起こされる干渉の低減を促進することができる。
【0038】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局が前記干渉調整手順に入ると、前記ホーム基地局は、前記第3のトラッキングエリアを識別する信号の、前記無線インターフェースを通じた前記転送を中断する。
【0039】
したがって、第3のトラッキングエリアを識別する信号によって、他のホーム基地局によって転送される信号に対し引き起こされる干渉は、それらの信号の送信がもはや必要とされないときに回避される。
【0040】
実際に、ホーム基地局がセル間干渉手順中である限り、アイドルモードにある移動端末の検出はもはや必要とされず、関連した信号の転送は必要とされない。
【0041】
特定の特徴によれば、前記第3のトラッキングエリアを識別する信号の前記転送が中断されると、前記ホーム基地局は、
‐前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアと異なる1つのトラッキングエリアを識別する信号に応答して、信号が1つの移動端末から受信されたか否かを確認し、
‐前記信号が1つの移動端末から受信された場合には、前記セル間干渉調整手順を解除する。
【0042】
したがって、セル間干渉手順がもはや必要とされないとき、すなわち、そのセル間干渉手順が対象としているアイドルモードにある移動端末がホーム基地局のカバレッジエリアを去るときは、セル間干渉手順を解除することができる。
【0043】
これが起こると、移動端末は、近隣の(neighbouring)ホーム基地局によって転送された信号に応答して、第1のトラッキングエリア及び第2のトラッキングエリアと異なる1つのトラッキングエリアを識別する信号を転送する。
【0044】
したがって、この信号を用いると、ホーム基地局は、移動端末がそのホーム基地局のカバレッジエリアを去るものと仮定することができる。
【0045】
特定の特徴によれば、ホーム基地局は、前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して前記移動端末から受信された前記信号の受信電力を測定し、前記セル間干渉調整手順に前記入ることは、前記測定された受信電力に従って更に決定される。
【0046】
したがって、ホーム基地局は、移動端末の性能に実質的な影響を与える場合にのみセル間干渉手順に入る。実際に、移動端末によって転送される信号が常に同じ電力で転送されるときは、受信信号電力が小さいほど、ホーム基地局によって移動端末に対し引き起こされる干渉は小さくなる。
【0047】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、該ホーム基地局と前記基地局の前記セルに配置された他のホーム基地局とをリンクするネットワークを通じて、該ホーム基地局が前記セル間干渉調整手順に入ることを示すメッセージを前記他のホーム基地局に転送する。
【0048】
したがって、セル間干渉手順がもはや必要とされないとき、すなわち、そのセル間干渉手順が対象としているアイドルモードにある移動端末がそのホーム基地局のカバレッジエリアを去るときは、セル間干渉手順を解除することができる。
【0049】
ホーム基地局は、近隣のホーム基地局から信号を受信すると、移動端末がホーム基地局のカバレッジエリアを去るものと仮定することができる。
【0050】
さらに、このメッセージが或る移動端末識別情報を含む場合、ホーム基地局のこの仮定は、より一層正確なものとなることができる。
【0051】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、
‐前記他のホーム基地局のうちの1つから、該他のホーム基地局が前記セル間干渉調整手順に入ることを示すメッセージを受信し、
‐前記メッセージが前記他のホーム基地局から受信されると、前記セル間干渉調整手順を解除する。
【0052】
したがって、セル間干渉手順がもはや必要とされないとき、すなわち、そのセル間干渉手順が対象としているアイドルモードにある移動端末がそのホーム基地局のカバレッジエリアを去るときは、セル間干渉手順は解除される。
【0053】
ホーム基地局は、近隣のホーム基地局から信号を受信すると、移動端末がホーム基地局のカバレッジエリアを去るものと仮定することができる。
【0054】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局は、前記セル間干渉調整手順を解除する前に、1つの移動端末が前記基地局と通信しているか否かを検出するために、該ホーム基地局と通信することを認可されていない移動端末によって転送されたアップリンク信号の電力を監視する。
【0055】
したがって、セル間干渉手順は、基地局と通信している移動端末によってまだ必要とされているときは解除されない。これらの移動端末は、基地局に信号を定期的に送信するので、ホーム基地局によって容易に検出することができる。移動端末が検出されたときにセル間干渉手順を解除しないことによって、これらの移動端末について呼の廃棄(call dropping)を行うことが回避される。
【0056】
特定の特徴によれば、前記ホーム基地局が前記干渉調整手順に入ると、前記ホーム基地局は、所定の継続時間後に前記セル間干渉調整手順を解除する。
【0057】
したがって、セル間干渉調整手順が解除されるとき、ホーム基地局のカバレッジ下に存在しかつそのホーム基地局に関連付けられていない各移動端末は、基地局から信号をもはや受信しない。
【0058】
したがって、上述の各移動端末は、トラッキングエリア更新を実行しなければならず、第3のトラッキングエリアを識別する信号に応答してRACH信号を送信しなければならない。少なくとも1つのそのような移動端末が存在する場合、ホーム基地局は、該移動端末のRACH信号を受信し、セル間干渉調整手順に再び入ることができる。そうでない場合、これは、セル間干渉手順が当分の間必要とされておらず、ホーム基地局がセル間干渉手順に留まる必要がないことを意味する。所定の継続時間後のこの検査によって、セル間干渉手順に不必要に留まることが回避され、ホーム基地局の性能改善が可能になる。
【0059】
特定の特徴によれば、前記セル間干渉調整手順が解除されると、前記ホーム基地局は、
‐前記第1のトラッキングエリア及び第2のトラッキングエリアと異なりかつ前記基地局及び前記ホーム基地局が属しない前記第3のトラッキングエリアを識別する信号を、前記無線インターフェースを通じて転送し、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して信号が前記移動端末から受信されたか否かを確認し、
‐前記信号が前記移動端末から応答して受信された場合には、前記セル間干渉調整手順に入る。
【0060】
したがって、第3のトラッキングエリアを識別する信号の転送が、ホーム基地局がセル間干渉手順に入ったときに停止された場合には、この転送は、セル間干渉手順が解除されたときに再開することができる。したがって、ホーム基地局のカバレッジ下に存在しかつホーム基地局に関連付けられていない移動端末は、基地局から信号をもはや受信しないが、第3のトラッキングエリアを識別する信号は依然として受信する。したがって、移動端末は、トラッキングエリア更新を実行することができ、ホーム基地局におけるセル間干渉手順をトリガーするために、第3のトラッキングエリアを識別する信号に応答してRACH信号を送信することができる。
【0061】
更に別の態様によれば、本発明は、プログラム可能デバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムがプログラム可能デバイスにおいて実行されると、本発明による方法のステップを実施する命令又はコード部を含む、コンピュータープログラムに関する。
【0062】
コンピュータープログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上記で述べたものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0063】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになる。該説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1a】本発明の第1の実現態様及び第2の実現態様による、本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表す図である。
【図1b】本発明の第3の実現態様による、本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表す図である。
【図2】本発明が実施されるホーム基地局のアーキテクチャを表す図である。
【図3】本発明の第1の実現態様による、ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
【図4】本発明の第2の実現態様による、ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
【図5】本発明の第3の実現態様による、ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムを開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1aは、本発明の第1の実現態様及び第2の実現態様による、本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表している。
【0066】
図1aには、無線セルラー通信ネットワークの1つの基地局BS及び複数のホーム基地局HBS1〜HBS4が示されている。
【0067】
1つの基地局BS及び4つのホーム基地局HBS1〜HBS4しか示されていないが、より多くの(more important)数の基地局BS及び/又はホーム基地局HBSが存在する場合にも本発明が機能することを理解することができる。
【0068】
基地局BSは、例えば、該基地局BSのセルCEに位置する各移動端末にサービングする無線セルラー通信ネットワークの基地局である。
【0069】
明確にするために、図1aには、2つの移動端末MT1及びMT2しか示されていない。
【0070】
例えば、移動端末MT1は、ホーム基地局HBS1のセルCEH1に位置し、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に移動しつつある。
【0071】
例えば、移動端末MT2は、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に位置し、ホーム基地局HBS1のセルCEH1に移動しつつある。
【0072】
ホーム基地局HBS1〜HBS4は、フェムト基地局若しくはピコ基地局又は中継器とも呼ばれる。例えば、中継器は、基地局BSとの無線リンクを介して無線セルラー通信ネットワークに接続されるホーム基地局HBSである。
【0073】
各ホーム基地局HBS1〜HBS4は、例えば、住宅内に配置され、該ホーム基地局HBS1〜HBS4に関連付けられた移動端末MTが無線セルラー通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。
【0074】
例えば、ホーム基地局HBS1〜HBS4は同じ建物内に配置される。
【0075】
例えば、ホーム基地局HBSが移動端末MTの所有者のものである場合や、ホーム基地局HBSが移動端末MTの所有者の家族若しくは友人のものである場合には、ホーム基地局HBSと移動端末MTとは関連付けられる。
【0076】
移動端末MTが基地局BS又はホーム基地局HBSによってサービングされているとき、その移動端末MTは、基地局BS又はホーム基地局HBSを通じて遠隔の通信デバイスとの通信を受信又は確立又は継続することができる。
【0077】
移動端末MTがホーム基地局HBSに関連付けられているとき、移動端末MTはホーム基地局HBSのCSGに属するか、又はホーム基地局HBSは移動端末MTのCSGリストに属する。
【0078】
基地局BSは、エリアCEに位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。基地局BSは、セルCEに位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0079】
図1aの例では、基地局BSは1つのセルCEしか有しない。本発明は、基地局BSが複数のセルを有する場合にも適用可能である。その場合、本発明は、基地局BSのセルごとに独立して適用される。
【0080】
図1bの例では、各ホーム基地局HBSは、1つのセルCEHしか有しない。本発明は、1つ又は複数のホーム基地局HBSが複数のセルを有する場合にも適用可能である。その場合、本発明は、各ホーム基地局HBSのセルごとに独立して適用される。
【0081】
ホーム基地局HBS1は、セルCEH1に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS1は、セルCEH1に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0082】
ホーム基地局HBS2は、セルCEH2に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS2は、セルCEH2に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0083】
ホーム基地局HBS3は、セルCEH3に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS3は、セルCEH3に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0084】
ホーム基地局HBS4は、セルCEH4に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS4は、セルCEH4に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0085】
ホーム基地局HBSは、基地局BSのセルCEに含まれる。
【0086】
ホーム基地局HBSはセルCE内に配置されているので、ホーム基地局HBSの各セルCEH内の干渉レベルは高く、各セルCEHに位置する移動端末は、基地局BSによって転送された信号を受信することができない場合がある。
【0087】
移動端末MT1は、ホーム基地局HBS1のセルCEH1に位置する。移動端末MT1は、アイドルモードにあり、ホーム基地局HBS1及びHBS4に関連付けられていない。
【0088】
移動端末MT2は、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に位置する。移動端末MT2は、アイドルモードにあり、ホーム基地局HBS1及びHBS4に関連付けられていない。
【0089】
移動端末は、遠隔の通信デバイスと通信を行っていないとき、アイドルモードにある。
【0090】
本発明の第1の実現態様及び第2の実現態様によれば、ホーム基地局HBS1〜HBS4は、通信ネットワークを通じて互いに接続されていない。
【0091】
移動端末MT1又はMT2が、接続を自律的に開始するために、又は呼び出しの後に、無線セルラー通信ネットワークへの接続を試みるとき、移動端末MT1又はMT2はホーム基地局HBS1又はHBS4に関連付けられていないので、ホーム基地局HBS1又はHBS4によって拒絶され、高すぎる干渉のために基地局BSに接続することができない。
【0092】
本発明によれば、ホーム基地局HBSは、
‐第3のトラッキングエリア(第1のトラッキングエリア及び第2のトラッキングエリアとは異なるトラッキングエリア。基地局及びホーム基地局は、この第3のトラッキングエリアに属しない)を識別する信号を、無線インターフェースを通じて転送し、
‐第3のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して、信号が移動端末から受信されたか否かを確認し、
‐信号が移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入る。
【0093】
図1bは、本発明の第3の実現態様による、本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表している。
【0094】
図1bには、無線セルラー通信ネットワークの1つの基地局BS及び複数のホーム基地局HBS1〜HBS4が示されている。
【0095】
1つの基地局BS及び4つのホーム基地局HBS1〜HBS4しか示されていないが、より多くの数の基地局BS及び/又はホーム基地局HBSが存在する場合にも本発明が機能することを理解することができる。
【0096】
基地局BSは、例えば、該基地局BSのセルCEに位置する移動端末にサービングする無線セルラー通信ネットワークの基地局である。
【0097】
明確にするために、図1bには、2つの移動端末MT1及びMT2しか示されていない。
【0098】
例えば、移動端末MT1は、ホーム基地局HBS1のセルCEH1に位置し、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に移動しつつある。
【0099】
例えば、移動端末MT2は、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に位置し、ホーム基地局HBS1のセルCEH1に移動しつつある。
【0100】
ホーム基地局HBS1〜HBS4は、フェムト基地局若しくはピコ基地局又は中継器とも呼ばれる。例えば、中継器は、基地局BSとの無線リンクを介して無線セルラー通信ネットワークに接続されるホーム基地局HBSである。
【0101】
各ホーム基地局HBS1〜HBS4は、例えば、住宅内に配置され、該ホーム基地局HBSに関連付けられた移動端末MTが無線セルラー通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。
【0102】
例えば、ホーム基地局HBS1〜HBS4は同じ建物内に配置される。
【0103】
例えば、ホーム基地局HBSが移動端末MTの所有者のものである場合や、ホーム基地局HBSが移動端末MTの所有者の家族若しくは友人のものである場合には、ホーム基地局HBSと移動端末MTとは関連付けられる。
【0104】
移動端末MTが基地局BS又はホーム基地局HBSによってサービングされているとき、その移動端末MTは、基地局BS又はホーム基地局HBSを通じて遠隔の通信デバイスとの通信を受信又は確立又は継続することができる。
【0105】
移動端末MTがホーム基地局HBSに関連付けられているとき、移動端末MTはホーム基地局HBSのCSGに属するか、又はホーム基地局HBSは移動端末MTのCSGリストに属する。
【0106】
基地局BSは、エリアCEに位置する移動端末MT1及びMT2によって転送された信号を受信することができる。基地局BSは、セルCEに位置する移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。図1bの例では、基地局BSは1つのセルCEしか有しない。
【0107】
本発明は、基地局BSが複数のセルを有する場合にも適用可能である。その場合、本発明は、基地局BSのセルごとに独立して適用される。
【0108】
図1bの例では、各ホーム基地局HBSは、1つのセルCEHしか有しない。本発明は、1つ又は複数のホーム基地局HBSが複数のセルを有する場合にも適用可能である。その場合、本発明は、各ホーム基地局HBSのセルごとに独立して適用される。
【0109】
ホーム基地局HBS1は、セルCEH1に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS1は、セルCEH1に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0110】
ホーム基地局HBS2は、セルCEH2に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS2は、セルCEH2に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0111】
ホーム基地局HBS3は、セルCEH3に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS3は、セルCEH3に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0112】
ホーム基地局HBS4は、セルCEH4に位置する各移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。ホーム基地局HBS4は、セルCEH4に位置する各移動端末MTが受信して処理することができる信号を転送する。
【0113】
ホーム基地局HBSは、基地局BSのセルCEに含まれる。
【0114】
ホーム基地局HBSはセルCE内に配置されているので、ホーム基地局HBSの各セルCEH内の干渉レベルは高く、各セルCEHに位置する各移動端末は、基地局BSによって転送された信号を受信することができない場合がある。
【0115】
移動端末MT1は、ホーム基地局HBS1のセルCEH1に位置する。移動端末MT1は、アイドルモードにあり、ホーム基地局HBS1及びHBS4に関連付けられていない。
【0116】
移動端末MT2は、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に位置する。移動端末MT2は、アイドルモードにあり、ホーム基地局HBS1及びHBS4に関連付けられていない。
【0117】
本発明の第3の実現態様によれば、ホーム基地局HBS1〜HBS4は、通信ネットワークNTを通じて互いに接続されている。通信ネットワークNTは、無線セルラー通信ネットワークの一部であってもよく、無線セルラー通信ネットワークとは異なるものであってもよい。
【0118】
通信ネットワークNTは、例えば、インターネットネットワーク若しくはISDN(統合サービスデジタルネットワーク)ネットワークであるか、又はホーム基地局HBS等をリンクする無線リンクからなる。
【0119】
移動端末MT1又はMT2が、接続を自律的に開始するために、又は呼び出しの後に、無線セルラー通信ネットワークへの接続を試みるとき、移動端末MT1又はMT2は、ホーム基地局HBS1又はHBS4に関連付けられていないのでホーム基地局HBS1又はHBS4によって拒絶され、高すぎる干渉のために基地局BSに接続することができない。
【0120】
本発明によれば、ホーム基地局は、
‐第3のトラッキングエリア(第1のトラッキングエリア及び第2のトラッキングエリアとは異なるトラッキングエリア。基地局及びホーム基地局は、この第3のトラッキングエリアに属しない)を識別する信号を、無線インターフェースを通じて転送し、
‐第3のトラッキングエリアを識別する転送された信号に応答して、信号が移動端末から受信されたか否かを確認し、
‐ホーム基地局がセル間干渉調整手順に入りつつあることを、基地局のセルに配置された他のホーム基地局に通知し、
‐信号が移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入る。
【0121】
図2は、本発明が実施されるホーム基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0122】
ホーム基地局HBSは、例えば、バス201によって互いに接続される構成要素に基づくアーキテクチャと、図3又は図4又は図5に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とを有する。
【0123】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202と、ランダムアクセスメモリRAM203と、無線インターフェース205と、ネットワークインターフェース206とにリンクする。
【0124】
メモリ203は、変数を収容するように意図されたレジスタと、図3又は図4又は図5に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令とを含む。
【0125】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206の動作と無線インターフェース205の動作とを制御する。
【0126】
読み出し専用メモリ202は、図3又は図4又は図5に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。これらの命令は、ホーム基地局HBSに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0127】
ホーム基地局HBSは、ネットワークインターフェース206を通じて無線セルラー通信ネットワークの通信ネットワークに接続され、また、第3の実現態様によれば、ネットワークNT(無線セルラー通信ネットワークに含まれる場合も含まれない場合もある)に接続される。
【0128】
例えば、ネットワークインターフェース206は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェースである。
【0129】
ネットワークインターフェース206を通じて、ホーム基地局HBSは、進行中の通信を転送することができる。
【0130】
本発明の第3の実現態様によれば、ホーム基地局HBSは、基地局BSを介して又は介さずに、他のホーム基地局へメッセージを転送することができ又は他のホーム基地局からメッセージを受信することができる。ホーム基地局HBSどうしの間のリンクは、例えばX2リンクと呼ばれる。
【0131】
ネットワークNTは、一変形形態では、無線ネットワークとすることができる。その場合、メッセージは、無線インターフェース205を通じて転送される。ネットワークNTの一部は通信ネットワークに含まれる場合があり、その場合ネットワークNTの他の部分は無線である。
【0132】
無線インターフェース205及びネットワークインターフェース206は、ホーム基地局HBSのリソースであり、移動端末が遠隔の通信デバイスとの通信を確立又は受信するときに無線セルラー通信ネットワークにアクセスするために、移動端末によって用いられる。
【0133】
図3は、本発明の第1の実現態様による、ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0134】
本アルゴリズムは、ホーム基地局HBS1〜HBS4それぞれによって実行される。
【0135】
本アルゴリズムは、ホーム基地局HBS1によって実行されるときのものが開示される。
【0136】
ステップS300において、ホーム基地局HBSのプロセッサ200は、ICIC手順を中断するように無線インターフェース205に指令する。
【0137】
ICIC手順の間、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信できるようにするために、ダウンリンクのフレーム又はサブフレームを定期的に転送する代わりに、フレーム若しくはサブフレームのうちの幾つかは転送されないか若しくはミュートされ、かつ/又は、無線インターフェース205によって転送される信号の送信電力は低減される。
【0138】
次のステップS301において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0139】
ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、ホーム基地局HBS2〜HBS4のうちの少なくとも1つのトラッキングエリアと異なる場合もあるし、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、ホーム基地局HBS2〜HBS4それぞれのトラッキングエリアと同じ場合もある。
【0140】
ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、基地局BSのトラッキングエリアと異なる場合もあるし、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、基地局BSのトラッキングエリアと同じ場合もある。
【0141】
次のステップS302において、プロセッサ200は、基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しない別のトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0142】
転送される信号は、トラッキングエリアを識別するのに必要な信号であるが、移動端末がランダムアクセス信号(RACH信号)を送信するための信号でもある。転送される信号は、例えば、同期信号、基準信号、システム情報、制御チャネル(ただしシステム情報を検出するのに制御シグナリングが必要とされる場合)である。
【0143】
移動端末MTは、該移動端末MTが位置すると想定されるトラッキングエリアと異なるトラッキングエリアを識別する信号を受信すると、それに応答してRACH信号を送信する。
【0144】
ステップS302において転送された信号は、移動端末MTが、ステップS302において転送された信号に応答していずれのリソースでRACH信号を転送しなければならないのかを示す情報を含む。リソースは、移動端末MTによって用いられる時間リソース及び/又は周波数リソース及び/又は符号リソースとすることができる。
【0145】
ここで、以下のことに留意しなければならない:示されたリソースは、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号の転送に応答するために該ホーム基地局HBS1が示す可能性のあるリソースとは異なり、また、基地局BSが、該基地局BSのトラッキングエリアを識別する信号の転送に応答するために示す可能性のあるリソースとも異なる。
【0146】
同期を危うくしないようにするために、ステップS302において転送される信号は、ステップS301において転送された信号から時間をシフトさせることができる。
【0147】
次のステップS303において、プロセッサ200は、示されたリソース上で信号を監視するように無線インターフェース205に指令する。
【0148】
次のステップS304において、プロセッサ200は、RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェース205によって受信されたか否かを確認する。
【0149】
RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェースによって受信された場合、プロセッサ200はステップS305に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS301に戻る。
【0150】
ステップS305において、プロセッサ200は、ICIC手順を開始するように無線インターフェース205に指令する。
【0151】
ICIC手順の間、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信できるようにするために、ダウンリンクのフレーム又はサブフレームを定期的に転送する代わりに、フレーム若しくはサブフレームのうちの幾つかは転送されないか若しくはミュートされ、かつ/又は、無線インターフェース205によって転送される信号の送信電力は低減される。
【0152】
次のステップS306において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0153】
次のステップS307において、プロセッサ200は、基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しないトラッキングエリアを識別する信号の転送を中断するように無線インターフェース205に指令する。
【0154】
次のステップS308において、プロセッサ200は、ステップS302において示されたリソース上で信号を監視するように無線インターフェース205に指令する。
【0155】
次のステップS309において、プロセッサ200は、RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェース205によって受信されたか否かを確認する。
【0156】
RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェースによって受信された場合、プロセッサ200はステップS310に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS306に戻る。
【0157】
RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェースによって受信された場合、これは、別のホーム基地局HBSによって転送された信号であって基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しないトラッキングを識別するものを、移動端末MTが受信したことを意味する。
【0158】
そのような場合は、移動端末MTがホーム基地局HBS1のセルCEH1を去りつつあり、近隣の(neighbour)ホーム基地局HBSのセルに入るときに起こる。
【0159】
例えば、移動端末MT1は、ホーム基地局HBS1のセルCEH1を去りつつあり、ホーム基地局HBS4のセルCEH4に入る。
【0160】
RACH信号がステップS309において検出されない限り、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信することができるようにするためにICIC手順が起動される。
【0161】
ステップS310において、プロセッサ200は、ステップS300からステップS304へ、ステップS305へ、そしてステップS309への切り替えの周期性(periodicity)が低すぎるか否かを確認する。
【0162】
例えば、ステップS300からステップS304へ、ステップS305へ、そしてステップS309への切り替えの周期性が1秒未満である場合、周期性は低すぎるとみなされる。
【0163】
そのような場合は、移動端末がホーム基地局HBS1のセルと近隣のホーム基地局のセルとの間の境界に位置するとき、別の移動端末MTが近隣のホーム基地局のセルに入りつつあるときに起こる。
【0164】
例えば、移動端末MT1は、セルCEH1とセルCEH4との境界に位置し、ホーム基地局HBS1及びHBS4によって転送された信号に応答する。セル間干渉調整手順は、セルCEH1において進行中である。
【0165】
移動端末MT2がホーム基地局HBS4のカバレッジ下で、しかもホーム基地局HBS1の近くに現れると、移動端末MT2は、ホーム基地局HBS1及びHBS4の双方によって受信されるRACH信号を送信する。ホーム基地局HBS1はセル間干渉調整手順を解除し、ホーム基地局HBS4はセル間干渉調整手順に入る。一方、移動端末MT1は、ICICがホーム基地局HBS1においてオフに切り替えられたことに起因して、基地局BSによって転送された信号をもはや受信しない。したがって、移動端末MT1はRACH信号を送信し、ホーム基地局HBS1はセル間干渉調整手順に入り、ホーム基地局HBS4はセル間干渉調整手順を解除する。移動端末MT2は、基地局BSによって転送された信号をもはや受信せず、RACH信号を送信する。ホーム基地局HBS1はセル間干渉調整手順を解除し、ホーム基地局HBS4はセル間干渉調整手順に入る。以下同様のことが行われる。
【0166】
ステップS300からステップS304へ、ステップS305へ、そしてステップS309への切り替えの周期性が低すぎる場合、プロセッサ200はステップS306に戻る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS300に戻る。
【0167】
ここで、プロセッサ200は、1つの移動端末MTが基地局BSと現在通信しているか否かを検出するために、ステップS300に戻る前に、ホーム基地局HBS1のCSGに属しないか又は移動端末のCSGリストにホーム基地局HBS1を有しない各移動端末によって転送されたアップリンク信号の電力を監視するように、無線インターフェース205に指令することができることに留意しなければならない。
【0168】
プロセッサ200は、1つの移動端末MTが基地局BSと通信している限り、ステップS300に戻るのを待つ。
【0169】
ここで、ステップS310において実行される周期性の確認は、本発明の第3の実現態様においても実施することができることに留意しなければならない。
【0170】
図4は、本発明の第2の実現態様による、ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0171】
本アルゴリズムは、ホーム基地局HBS1〜HBS4それぞれによって実行される。
【0172】
本アルゴリズムは、ホーム基地局HBS1によって実行されるときのものが開示される。
【0173】
ステップS400において、ホーム基地局HBS1のプロセッサ200は、ICIC手順を中断するように無線インターフェース205に指令する。
【0174】
ICIC手順の間、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信できるようにするために、ダウンリンクのフレーム又はサブフレームを定期的に転送する代わりに、フレーム若しくはサブフレームのうちの幾つかは転送されないか若しくはミュートされ、かつ/又は、無線インターフェース205によって転送される信号の送信電力は低減される。
【0175】
次のステップS401において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0176】
ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、ホーム基地局HBS2〜HBS4のうちの少なくとも1つのトラッキングエリアと異なる場合もあるし、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、各ホーム基地局HBS2〜HBS4のトラッキングエリアと同じ場合もある。
【0177】
ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、基地局BSのトラッキングエリアと異なる場合もあるし、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、基地局BSのトラッキングエリアと同じ場合もある。
【0178】
次のステップS402において、プロセッサ200は、基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しない別のトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0179】
転送される信号は、トラッキングエリアを識別するのに必要な信号であるが、移動端末がランダムアクセス信号(RACH信号)を送信するための信号でもある。転送される信号は、例えば、同期信号、基準信号、システム情報、制御チャネル(ただしシステム情報を検出するのに制御シグナリングが必要とされる場合)である。
【0180】
移動端末MTは、該移動端末MTが位置すると想定されるトラッキングエリアと異なるトラッキングエリアを識別する信号を受信すると、それに応答してRACH信号を送信する。
【0181】
ステップS402において転送された信号は、移動端末MTが、ステップS402において転送された信号に応答していずれのリソースでRACH信号を転送しなければならないのかを示す情報を含む。リソースは、移動端末MTによって用いられる時間リソース及び/又は周波数リソース及び/又は符号リソースとすることができる。
【0182】
ここで、次のことに留意しなければならない:示されたリソースは、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号の転送に応答するために該ホーム基地局HBS1が示す可能性のあるソースとは異なり、また、基地局BSが属するトラッキングエリアを識別する信号の転送に応答するために該基地局BSが示す可能性のあるリソースとも異なる。
【0183】
同期を危うくしないようにするために、ステップS402において転送される信号は、ステップS401において転送された信号から時間をシフトさせることができる。
【0184】
次のステップS403において、プロセッサ200は、示されたリソース上で信号を監視するように無線インターフェース205に指令する。
【0185】
次のステップS404において、プロセッサ200は、RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェース205によって受信されたか否かを確認する。
【0186】
RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェースによって受信された場合、プロセッサ200はステップS405に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS401に戻る。
【0187】
ステップS405において、プロセッサ200は、ICIC手順を開始するように無線インターフェース205に指令し、タイマーTを起動する。
【0188】
ICIC手順の間、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信できるようにするために、ダウンリンクのフレーム又はサブフレームを定期的に転送する代わりに、フレーム若しくはサブフレームのうちの幾つかは転送されないか若しくはミュートされ、かつ/又は、無線インターフェース205によって転送される信号の送信電力は低減される。
【0189】
次のステップS406において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0190】
次のステップS407において、プロセッサ200は、基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しないトラッキングエリアを識別する信号の転送を中断するように無線インターフェース205に指令する。
【0191】
ステップS408において、プロセッサ200は、ステップS405において起動されたタイマーTが経過したか(elapsed)否かを確かめる。
【0192】
ステップS405において起動されたタイマーTが経過していない場合、プロセッサ200はステップS406に戻る。経過している場合、プロセッサ200はステップS400に戻る。
【0193】
ここで、本発明の第1の実現態様及び第3の実現態様では、所定の継続時間の後のICIC手順の中断も適用することができることに留意しなければならない。
【0194】
ここで、プロセッサ200は、1つの移動端末が基地局BSと現在通信しているか否かを検出するために、ステップS400に戻る前に、ホーム基地局HBS1のCSGに属しないか又は各移動端末のCSGリストにホーム基地局HBS1を有しない各移動端末によって転送されたアップリンク信号の電力を監視するように無線インターフェース205に指令することができることに留意しなければならない。
【0195】
プロセッサ200は、1つの移動端末MTが基地局BSと通信している限り、ステップS400に戻るのを待つ。
【0196】
図5は、本発明の第3の実現態様による、ホーム基地局によって実行されるアルゴリズムを開示している。
【0197】
本アルゴリズムは、ホーム基地局HBS1〜HBS4それぞれによって実行される。
【0198】
本アルゴリズムは、ホーム基地局HBS1によって実行されるときのものが開示される。
【0199】
ステップS500において、ホーム基地局HBS1のプロセッサ200は、ICIC手順を中断するように無線インターフェース205に指令する。
【0200】
ICIC手順の間、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信できるようにするために、ダウンリンクのフレーム又はサブフレームを定期的に転送する代わりに、フレーム若しくはサブフレームのうちの幾つかは転送されないか若しくはミュートされ、かつ/又は、無線インターフェース205によって転送される信号の送信電力は低減される。
【0201】
次のステップS501において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1のトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0202】
ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、ホーム基地局HBS2〜HBS4のうちの少なくとも1つのトラッキングエリアと異なる場合もあるし、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、各ホーム基地局HBS2〜HBS4のトラッキングエリアと同じ場合もある。
【0203】
ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、基地局BSのトラッキングエリアと異なる場合もあるし、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアは、基地局BSのトラッキングエリアと同じ場合もある。
【0204】
次のステップS502において、プロセッサ200は、基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しない別のトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0205】
転送される信号は、トラッキングエリアを識別するのに必要な信号であるが、移動端末がランダムアクセス信号(RACH信号)を送信するための信号でもある。転送される信号は、例えば、同期信号、基準信号、システム情報、制御チャネル(ただしシステム情報を検出するのに制御シグナリングが必要とされる場合)である。
【0206】
移動端末MTは、該移動端末MTが位置すると想定されるトラッキングエリアと異なるトラッキングエリアを識別する信号を受信すると、それに応答してRACH信号を送信する。
【0207】
ステップS502において転送された信号は、移動端末MTがいずれのリソースでRACH信号を転送しなければならないのかを示す情報を含む。リソースは、移動端末MTによって用いられる時間リソース及び/又は周波数リソース及び/又は符号リソースとすることができる。
【0208】
ここで、次のことに留意しなければならない:示されたリソースは、ホーム基地局HBS1が属するトラッキングエリアを識別する信号の転送に応答するために該ホーム基地局HBS1が示す可能性のあるリソースとは異なり、また、基地局BSが属するトラッキングエリアを識別する信号の転送に応答するために該基地局BSが示す可能性のあるリソースとも異なる。
【0209】
同期を危うくしないようにするために、ステップS502において転送される信号は、ステップS501において転送された信号から時間をシフトさせることができる。
【0210】
次のステップS503において、プロセッサ200は、示されたリソース上で信号を監視するように無線インターフェース205に指令する。
【0211】
次のステップS504において、プロセッサ200は、RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェース205によって受信されたか否かを確認する。
【0212】
RACH信号が、示されたリソース上で無線インターフェースによって受信された場合、プロセッサ200はステップS505に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS501に戻る。
【0213】
ステップS505において、プロセッサ200は、受信されたRACH信号の電力が所定の値よりも大きいか否かを確認する。
【0214】
受信されたRACH信号の電力が所定の値よりも大きい場合、これは、移動端末MTがホーム基地局HBS1に近いことを意味する。すなわち、ホーム基地局HBS1によって移動端末MTに対し引き起こされる干渉のレベルが高いこと、及び移動端末MTが基地局BSによって提供される信号を受信することができないことを意味する。これは、開ループ電力制御が移動端末によってRACH信号に対し適用されない場合に特に当てはまる。この場合、プロセッサ200はステップS506に移動する。
【0215】
受信されたRACH信号の電力が、所定の値よりも大きくない場合、プロセッサ200はステップS501に戻る。
【0216】
ここで、次のことに留意しなければならない:一実現変形形態では(好ましくは、開ループ電力制御が移動端末によってRACH信号に対し適用されるときに)、プロセッサ200は、受信されたRACH信号の電力が所定の値よりも大きいか否かを確認する代わりに、近隣のホーム基地局によって受信されたRACH信号の電力値をネットワークNTを通じて受信し、ホーム基地局HBS1によって受信された受信RACH信号の電力が、近隣のホーム基地局HBS2〜HBS4によって受信されたRACH信号の電力値と比較してどれくらい高いのかを確認する。例えば、プロセッサ200は、受信されたRACH信号の電力が、最も高いほうから所定数の受信RACH信号電力のうちの1つであるか否かを確認し、又は、最も高い受信RACH信号電力から所定のデシベル数内にあるか否かを確認する。
【0217】
一変形形態では、ステップS505は、本発明の第3の実現態様では実行されない。その変形形態では、受信されたRACH信号の電力が所定の値よりも大きい場合、プロセッサ200はステップS504からステップS506に移動する。
【0218】
ここで、ステップS505において開示されたRACH受信電力の確認は、本発明の第1の実現態様及び第2の実現態様においても実行することができることに留意しなければならない。
【0219】
ステップS506において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1がICIC手順を開始することを示すメッセージを、近隣のホーム基地局HBS2〜HBS4にネットワークNTを通じて転送することを指令する。
【0220】
このメッセージは、ICIC手順中にホーム基地局HBS1によって用いられる電力パターン並びに/又は時間及び/若しくは周波数パターンを示す情報を更に含むことができる。
【0221】
このメッセージは、セル間干渉調整手順の開始をトリガーした移動端末(すなわちステップS503において受信されたRACH信号を転送した移動端末)の移動端末識別情報を更に含むことができる。
【0222】
ステップS507において、プロセッサ200は、ICIC手順を開始するように無線インターフェース205に指令する。
【0223】
ICIC手順の間、ダウンリンクのフレーム又はサブフレームを定期的に転送する代わりに、移動端末MTが基地局BSによって転送された信号を受信することを可能にするために、フレーム若しくはサブフレームのうちの幾つかは転送されず、かつ/又は無線インターフェース205によって転送される信号の送信電力は低減される。
【0224】
次のステップS508において、プロセッサ200は、ホーム基地局HBS1のトラッキングエリアを識別する信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0225】
次のステップS509において、プロセッサ200は、基地局BS及びホーム基地局HBS1が属しないトラッキングエリアを識別する信号の転送を中断するように無線インターフェース205に指令する。
【0226】
次のステップS510において、プロセッサは、メッセージがネットワークインターフェース206を通じて1つの近隣のホーム基地局HBSから受信されたか否かを確認する。このメッセージは、近隣のホーム基地局HBSがICIC手順を開始することを示す。
【0227】
1つの近隣のホーム基地局がICIC手順を開始した場合、移動端末MTがホーム基地局HBS1のセルを去ったことを示す可能性がある。
【0228】
1つの近隣のホーム基地局がICIC手順を開始した場合、プロセッサ200はステップS500に戻る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS508に戻る。
【0229】
受信されたメッセージが、ICIC手順をトリガーした移動端末の移動端末識別情報を含む場合、ホーム基地局HBS1は、移動端末識別情報のうちの1つが、該ホーム基地局HBS1がそのセルCEH1に現在存在するとみなす移動端末の1つに対応するか否かを確認することができる。1つの近隣のホーム基地局が、ICIC手順を開始し、ホーム基地局HBS1がそのカバレッジエリアに現在存在するとみなす移動端末の1つに対応する移動端末識別情報を含むメッセージを送信した場合、プロセッサ200はステップS500に戻る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS508に戻る。
【0230】
ここで、次のことに留意しなければならない:プロセッサ200は、1つの移動端末MTが基地局BSと現在通信しているか否かを検出するために、ステップS500に戻る前に、ホーム基地局HBS1のCSGに属しないか又は移動端末のCSGリストにホーム基地局HBS1を有しない該移動端末によって転送されたアップリンク信号の電力を監視するように無線インターフェース205に指令することができ、移動端末MTが基地局BSと通信している限り、ステップS500に戻るのを待つ。
【0231】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信を調整する方法であって、
前記ホーム基地局は基地局のセルに配置され、
前記ホーム基地局は第1のトラッキングエリアに属し、
前記基地局は、移動機が存在すると想定される第2のトラッキングエリアに属する
方法において、
前記方法は、前記ホーム基地局によって実行される複数のステップとして、
‐前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアと異なりかつ前記基地局及び前記ホーム基地局が属しない第3のトラッキングエリアを識別する信号を、前記無線インターフェースを通じて転送するステップと、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して、信号が前記移動端末から受信されたか否かを確認するステップと、
‐前記信号が前記移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入るステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアは、異なるトラッキングエリアであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホーム基地局は、前記移動端末MTが前記信号をいずれのリソースで転送しなければならないのかを示す情報を、前記無線インターフェースを通じて更に転送することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複数のホーム基地局が前記基地局の前記セルに配置されることを特徴とし、
前記第3のトラッキングエリアを識別する信号は、少なくとも2つのホーム基地局によって転送されることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記ホーム基地局が前記干渉調整手順に入ると実行される更なるステップであって、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する信号の、前記無線インターフェースを通じた前記転送を中断するステップ、
を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記第3のトラッキングエリアを識別する信号の前記転送が中断されると実行される更なる複数のステップとして、
‐前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアと異なる1つのトラッキングエリアを識別する信号に応答して、信号が1つの移動端末から受信されたか否かを確認するステップと、
‐前記信号が1つの移動端末から受信された場合には、前記セル間干渉調整手順を解除するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して前記移動端末から受信された前記信号の受信電力を測定する更なるステップを含むことを特徴とし、
前記セル間干渉調整手順に前記入ることは、前記測定された受信電力に従って更に決定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記ホーム基地局と前記基地局の前記セルに配置された他のホーム基地局とをリンクするネットワークを通じて、前記ホーム基地局が前記セル間干渉調整手順に入ることを示すメッセージを前記他のホーム基地局に転送する更なるステップを含むことを特徴とする、請求項1〜5及び7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
‐前記他のホーム基地局のうちの1つから、前記他のホーム基地局が前記セル間干渉調整手順に入ることを示すメッセージを受信する更なるステップと、
‐前記メッセージが前記他のホーム基地局から受信されると、前記セル間干渉調整手順を解除する更なるステップと、
を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ホーム基地局は、1つの移動端末が前記基地局と通信しているか否かを検出するために、前記セル間干渉調整手順を解除する前に、前記ホーム基地局と通信することを認可されていない移動端末によって転送されたアップリンク信号の電力を監視することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記ホーム基地局が前記干渉調整手順に入ると実行される更なるステップであって、所定の継続時間後に前記セル間干渉調整手順を解除するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記セル間干渉調整手順が解除されると、前記ホーム基地局は、
‐前記第1のトラッキングエリア及び第2のトラッキングエリアと異なりかつ前記基地局及び前記ホーム基地局が属しない前記第3のトラッキングエリアを識別する信号を、前記無線インターフェースを通じて転送するステップと、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して信号が前記移動端末から受信されたか否かを確認するステップと、
‐前記信号が前記移動端末から応答して受信された場合には、前記セル間干渉調整手順に入るステップと、
を実行することを特徴とする、請求項6、9又は11に記載の方法。
【請求項13】
無線インターフェースを通じてホーム基地局によって転送される信号の送信を調整するデバイスであって、
前記ホーム基地局は基地局のセルに配置され、
前記ホーム基地局は第1のトラッキングエリアに属し、
前記基地局は、移動機が存在すると想定される第2のトラッキングエリアに属する
デバイスにおいて、
前記ホーム基地局によって転送される前記信号の前記送信を調整する前記デバイスは、前記ホーム基地局に含まれ、
前記デバイスは、
‐前記第1のトラッキングエリア及び前記第2のトラッキングエリアと異なりかつ前記基地局及び前記ホーム基地局が属しない第3のトラッキングエリアを識別する信号を、前記無線インターフェースを通じて転送する手段と、
‐前記第3のトラッキングエリアを識別する前記転送された信号に応答して、信号が前記移動端末から受信されたか否かを確認する手段と、
‐前記信号が前記移動端末から応答して受信された場合には、セル間干渉調整手順に入る手段と、
を備えることを特徴とするデバイス。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−31166(P2013−31166A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−149478(P2012−149478)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】