説明

信号ライン用のガイドシステム、温度及びあるいは濃度測定用の装置及び使用

【課題】 信号ライン用のガイドシステム、温度及びあるいは濃度測定用の装置及び使用を提供することである。
【解決手段】 浸漬センサ1の浸漬端が溶融物容器3の横方向スクリーン2を貫いて溶融スチール4に浸漬される。浸漬センサ1の浸漬端位置には、酸化アルミニューム及びグラファイトの混合物から作製した外部保護シースが含まれる。冷却材の配合物が空気供給ライン6と水供給ライン7とを通して混合物として供給管8に導入される。混合物はこの供給管8を通して送られ、ガイドシステム9の、冷却材チャンバを画定する外側壁に配置した入口10を通して送られる。使用済みの冷却材は出口11を通してガイドシステム9から排出され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信号ラインのためのガイドシステム、このガイドシステムを収納する温度及びあるいは濃度測定用の装置並びにその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのシステムは、例えば日本国特許第09−280960号に開示される如く既知のものである。この日本国特許には、溶融金属中での測定を実施するための光ファイバ用のガイドチューブが記載され、光ファイバが空冷されることが記載される。米国特許第5,853,656号には、浸炭炉用のキャリヤ配列構成が開示され、このキャリヤ配列構成の各パーツが空冷あるいは水冷されることが記載される。
【0003】
【特許文献1】日本国特許第09−280960号明細書
【特許文献2】米国特許第5,853,656号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
信号ライン用のガイドシステム、温度及びあるいは濃度測定用の装置及び使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
信号ライン用のガイドシステムは、これを特に、高温あるいは腐食性の環境下、例えば、溶融鉄あるいは溶融鋼のような溶融金属中で用いる場合は、例えばテスト信号のような信号の受信及び送信が妨害されないよう効果的に冷却する必要がある。
本発明によれば、冷却材を案内するために特に好適なガイドシステムであって、信号ラインを内部を貫かせて案内するガイドチューブと、ガイドチューブを横方向において包囲する冷却システムにして、少なくとも1つの冷却材チャンバと、冷却材用の少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と、を含み、冷却材チャンバが管状構造を有し且つその少なくとも一方の端部フェース位置がシールによって密閉シール端とされた冷却システムとを含むガイドシステムが提供される。詳しくは、ガイドチューブは前記端部フェースのシールを貫いて案内され得、あるいはシール位置あるいは冷却材チャンバ位置で終端させ得、信号ラインをシールを貫いて案内させ得る。
【0006】
好ましくはスチール製の別のチューブが前記管状構造の冷却材チャンバ内でガイドチューブに沿って案内され、この別のチューブに入口(あるいは出口)が設けられ、出口(あるいは入口)が冷却材チャンバの壁に設けられる。前記別のチューブの、前記冷却材チャンバの密閉シール端に面する端部が少なくとも1つのオリフィスを有していることが特に好ましい。前記別のチューブは、そのケーシングにおいて少なくとも1つのオリフィスを有することが更に有益であり、有益には、この別のチューブの周囲方向及びあるいは長手方向に好ましくは一様に配置した複数のオリフィスを有している。冷却材のターゲットガイダンスはこの別の(追加の)チューブにより最適に調整され得る。
好都合には、冷却材チャンバ内に空気と水、及びあるいは蒸気の混合物が配置される。このタイプの冷却材の冷却中の効率は極めて高い。同じく好都合には、信号ラインが電力線あるいは光ファイバとして構成される。
【0007】
本発明によれば、特に溶融金属の温度及びあるいは濃度を測定するための、測定端部を有する装置であって、前記ガイドシステムを前記測定端部位置に配置した装置が提供される。本装置は、その測定端部あるいはガイドシステムのシール端部位置に熱電対、電気化学的測定用セル及びあるいは光ファイバの一端を配置するような構成のものとすることが好ましい。
本発明に従えば、装置を、溶融金属、特には溶融鉄、溶融鋳鉄あるいは溶融スチールの温度及びあるいは濃度を測定するために使用することができる。好都合には前記装置は浸漬センサとして用いられる。
本発明に従えば、上述したガイドシステムの冷却材として、上記及びあるいは、空気及び水の混合物が使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
浸漬センサ1の浸漬端が、溶融物容器3の横方向スクリーン2を貫いて溶融スチール4に浸漬される。浸漬センサ1の浸漬端位置には、酸化アルミニューム及びグラファイトの混合物から作製した外部保護シースが含まれる。溶融スチール4の上部はスラグ層5となっている。冷却材の配合物が空気供給ライン6と水供給ライン7とを通して混合物として供給管8に導入される。混合物はこの供給管8を通して送られ、ガイドシステム9の、冷却材チャンバを画定する外側壁に配置した入口10を通して送られる。使用済みの冷却材は出口11を通してガイドシステム9から排出され得る。
【0009】
明瞭化のために、ガイドシステムを通して案内される信号ラインと、この信号ラインの、溶融物に浸漬させる前記浸漬端から測定用デバイスに至る部分は図示されない。然し乍ら、このタイプの配列構成は従来から既知のものであり、当業者にも一般に知られたものである。
【0010】
信号ラインとしては光ファイバが使用される。浸漬センサの全長は3メートル以上である。ガイドシステムに4バールの圧力下に空気が供給され、毎分2000リットルがこのガイドシステムを通して流動される。水量は特定用途の関数として変化し得、毎分約1リットルである。水はベンチュリポンプ(あるいは別のタイプのポンプ、例えば電気ポンプ)を使用し、空気流れによってガイドシステム中に引き込むので、空気流れが停止すると測定用デバイスには流入しない。このプロセスでは水は微小な液滴へと破壊されるので装置内部には蒸気が創出される。溶融スチール(約1500℃〜1700℃以上)における測定を実施する場合、浸漬センサ内の温度は空気流れのみによって約300℃(浸漬1分間計測)に維持され得る。水が供給されると浸漬センサ内部の温度は即座に約130℃となる。この温度は約13分間の全浸漬時間に渡り維持され得る。浸漬センサ内の温度はスループットを変化させることにより制御可能である.然し乍ら、前記温度を100℃以下とするのは意味がない。なぜなら、100℃未満の温度では自由水が形成される恐れがあるからである。
【0011】
図2にはガイドシステムの詳細が示される。ガイドシステムは全長が3メートル以上であり得、その入口10あるいは出口11は浸漬端から3メートル以上の位置にあり得る。ステンレス鋼製のガイドチューブ12がガイドシステムの中央を貫いて案内される。ガイドチューブ12内には光ファイバ(図示せず)が配列される。ガイドチューブ12は、耐熱材製のストッパ13の内部で終端され、浸漬端位置でガイドシステムをシールする。光ファイバは、溶融スチールと直接接触し、完全放射体原理によって溶融金属からの放射を吸収し、吸収した放射を測定及び評価システムに送るよう、ストッパ13内部を可能な限り小さいオリフィスを通して案内されることが好都合である。
【0012】
冷却材は、入口10を通してガイドシステム9内に送られた後、ガイドチューブ12を同中心状態で包囲する更に別のチューブ14を通して、ガイドチューブ12の比較的接近する周囲に沿って搬送される。前記別のチューブは特殊鋼からも形成され得る。チューブ14はストッパ13の上部で終端し、かくして、冷却材はチューブ14の下方のオリフィス15を出た後、ガイドシステム9の内部を出口11に向けて案内され、この出口11を通してガイドシステムから排出される。チューブ14は、このチューブ14の周囲方向及び長手方向に各一様に配置した複数のオリフィス17(図3)を含んでいる。従って、冷却材はずっと効率的に搬送され得る。オリフィス17の直径及び数はホットゾーンの長さ、言い換えると溶融スチール4内への浸漬深さと、スラグ層5の深さとに依存する。オリフィス17の前記直径を約1〜4mmとし、前記数を2〜6(もっと多くしても良い)とした場合、良好な冷却キャパシティが提供される。図3の矢印は冷却材の流れ方向を示す。
【0013】
ガイドシステム9の内部の、スチール製のストッパ13はスチール製の反らせ要素16を有し、この反らせ要素16が、チューブ14を出る冷却材流れを変向させ且つ冷却材チャンバのチューブ14及び壁9間の空間内に搬送する。ストッパ13はガイドシステム9に溶接される。反らせ要素16は同時に、ガイドチューブ12を固定し、ガイドチューブ12とストッパ13との間に、ガイドチューブ12内への水の侵入を防止する密閉されたシール連結部を形成する。反らせ要素16の材料は、溶融スチールの温度に対する耐熱性を有し、また、光ファイバの通路のための小さいオリフィスが浸漬端位置に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】溶融スチールにおける測定のための装置の、測定中における配列構成状況を例示する概略図である。
【図2】ガイドシステムの断面図である。
【図3】ガイドチューブを包囲するチューブを備えたガイドシステムの詳細図である。
【符号の説明】
【0015】
1 浸漬センサ
3 溶融物容器
2 横方向スクリーン
4 溶融スチール
5 スラグ層
6 空気供給ライン
7 水供給ライン
8 供給管
9 ガイドシステム
10 入口
11 出口
12 ガイドチューブ
13 ストッパ
14 チューブ
15、17 オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号ラインのためのガイドシステムであって、
信号ラインを内部を貫かせて案内するガイドチューブ(12)と、ガイドチューブ(12)を横方向において包囲する冷却システムにして、少なくとも1つの冷却材チャンバと、冷却材用の、少なくとも1つの入口(10)及び少なくとも1つの出口(11)と、を含み、
前記冷却材チャンバが管状構造を有し且つ少なくとも1つの端部フェース位置においてシール(13)によって密封シールされたガイドシステム。
【請求項2】
ガイドチューブ(12)が端部フェースのシール(13)を貫いて案内される請求項1のガイドシステム。
【請求項3】
ガイドチューブ(12)がシール(13)の内部あるいは冷却材チャンバ内で終端され、信号ラインがシール(13)を貫いて案内される
請求項1のガイドシステム。
【請求項4】
更に別のチューブ(14)がスチール製のものとして好ましく構成され、該チューブ(14)が、冷却材チャンバ内でガイドチューブ(12)の周囲に配列され、チューブ(14)には入口(10)が配置され、冷却材チャンバの壁には出口(11)が配置される請求項1〜3の何れかのガイドシステム。
【請求項5】
チューブ(14)の、冷却材チャンバのシールされた端部に面する端部が少なくとも1つのオリフィスを含んでいる請求項4のガイドシステム。
【請求項6】
チューブ(14)がそのケーシングにおいて少なくとも1つのオリフィスを有している請求項4のガイドシステム。
【請求項7】
チューブ(14)が、該チューブ(14)の周囲方向及びあるいは長手方向において好ましく一様に配置した複数のオリフィス(17)を含んでいる請求項6のガイドシステム。
【請求項8】
空気と水との混合物及びあるいは流れが冷却材チャンバ内に配置される請求項1〜7の何れかのガイドシステム。
【請求項9】
信号ラインが電力線あるいは光ファイバとして構成される請求項1〜8の何れかのガイドシステム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載のガイドシステムに記載のガイドシステム(9)を測定端部位置に配列してなる温度及びあるいは濃度測定用の装置。
【請求項11】
熱電対と、電気化学的測定用セル及びあるいは光ファイバの端部とを測定端部位置に配置した請求項10の装置。
【請求項12】
溶融金属、特に溶融鉄、溶融鋳鉄あるいは溶融スチールにおける温度及びあるいは濃度を測定するための請求項10あるいは11の装置の使用。
【請求項13】
浸漬センサ(1)としての請求項12の装置の使用。
【請求項14】
請求項1〜9の何れかの装置のガイドシステム(9)内の冷却材としての蒸気及びあるいは空気及び水の混合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−30201(P2006−30201A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205454(P2005−205454)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(598083577)ヘレーウス エレクトロ−ナイト インターナシヨナル エヌ ヴイ (37)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Electro−Nite International N.V.
【住所又は居所原語表記】Centrum Zuid 1105, B−3530 Houthalen,Belgium
【Fターム(参考)】