説明

信号伝送システムおよび信号伝送方法

【課題】 伝送線路による信号伝送を行う伝送システムであって小型化が実現可能な信号伝送システムを実現する。
【解決手段】 誘電体層(1a)上の同一面内に配置された信号用号導体(2p1、2n1)と誘電体層(1a)を挟んで対向して配置された信号用導体(2p2、2n2)とを備えた伝送線路(201)において、誘電体層(1a)を挟んで対向する信号用導体同士が異なる極性同士の電圧となるよう差動信号源(3)から差動信号を伝送線路に出力し、上記4つの信号用導体により差動信号を伝送線路(201)を同一方向に信号伝送させることにより、伝送される差動信号により誘電体層(1a)の中央部に電気壁と等価とみなせる電界分布を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動伝送線路を用いた伝送システムおよび信号伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速データや高周波信号の伝送では、誘電体層の一方の片面に接地(GND)導体を実装しもう一方の片面に信号用導体を実装した伝送線路、いわゆるマイクロストリップ線路、による伝送、あるいは接地(GND)と信号用導体を同じ面に実装したコプレーナ線路による伝送が一般的に行なわれている。また、2つの信号用導体でペアを構成して正相信号用および逆相信号用とした差動線路による伝送も一般的に使用されている。
【0003】
このような伝送線路による信号伝送では、線路寸法(線路幅)といった各種機械的な寸法と、特性インピーダンスなどの電気的特性とが相互に関係している。配線幅や配線厚と特性インピーダンスの間の相互関係を表す近似式が、各種の伝送線路構造に対し求められている。(例えば非特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】フジクラ技報、第109号、27頁〜30頁、2005年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、誘電体層の厚みは例えば材料や標準的な仕様などから、伝送線路の特性インピーダンスは例えばLDVS(Low Voltage Differencial Signaling)といった信号伝送規格により、予め制限されることが多い。
【0006】
従って、従来の伝送線路による伝送では、誘電体層の厚みと特性インピーダンスが指定されると、線路寸法(線路幅)が上記相互関係によって決まってしまい、平面的に大幅な小型化を行なうこと困難であるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、差動伝送線路を用いて電気回路間の信号伝送を行う信号伝送システムであって、小型化が可能な信号伝送システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る伝送システムは、誘電体層を挟んで対向する位置に2つずつ配置された4つの信号用導体を備えた伝送線路に対し、誘電体層を挟んで対向する信号導体同士が異なる位相の信号となるように差動信号を出力し、伝送線路を伝送する差動信号により、前記誘電体層の厚み方向の中央を横切る面内において電気壁とみなすことが可能な電界分布を形成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、差動信号の伝送において電気壁は、仮想接地(GND)面として考えることができるので、誘電体の厚みは、上記特性インピーダンスの計算の近似式から等価的に半分となる。
従って従来の誘電体層の厚みと特性インピーダンスを実現する場合、線路幅等の線路寸法はおよそ半分でよいため、伝送線路の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における伝送システムの構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1における伝送システムの伝送線路の平面図および断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における伝送システムの差動信号出力部と伝送線路との接続を示す概念図である。
【図4】本発明の実施の形態2における伝送システムの差動信号出力部と伝送線路との接続を示すである。
【図5】本発明の実施の形態3における伝送システムの差動信号出力部と伝送線路との接続を示すである。
【図6】本発明の実施の形態4における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
【図7】本発明の実施の形態5における伝送システムの差動出力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
【図8】本発明の実施の形態6における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
【図9】本発明の実施の形態7における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
【図10】本発明の実施の形態8における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
なお、以下の各実施の形態における説明および各図において、同一ないしは同様の構成部分には同一ないしは同様の符号を付する。また、本発明の要旨の説明に不要な詳細な構成および従来技術等についてはその説明の一部を省略する。
【0013】
また、各図は、伝送システムの構成、構造、機能、動作を分かりやすく示すためのものであり、本発明の伝送システムの実装においては、図に記載した特定の装置構成および装置名称に依存しない。また、各部の配置関係、および数は図に記載の構成や分割範囲に限定されない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態1における伝送システムの構成を示す概念図、図2は、伝送システムの伝送線路の平面図および断面図である。
図1において、100は第1回路、101は差動信号出力部、200は伝送線路を設けた基板、201は伝送線路、300は第2回路、301は差動信号入力部を、pは差動信号の正相信号、nは差動信号の逆相信号を、矢印は差動信号の伝送方向を、図2において、1aは誘電体層、2は信号用導体を示す。
【0015】
図2において、断面図(B)は、平面図(A)の伝送線路に沿った任意または所定の位置(図中I−Iと記載。)における断面を示している。
また、伝送線路201の信号入力端部側および信号出力端部側を便宜的に規定するために(in)または(out)を付している。
【0016】
第1回路100は、正相信号pおよび逆相信号nから構成される差動信号を、差動信号出力部101から出力する。なお、第1回路100は、差動信号出力部101が出力する差動信号の種類、信号レベル、送信タイミング等を制御する制御手段を含む場合、あるいは、第1回路の前段にある回路などにおいて別途制御手段を有し第1回路自体は第1回路に入力された情報または信号に従って出力し、とくに制御はしない場合など、各種形態が可能である。
【0017】
また、第1回路100から第2回路への信号伝送は、同一装置内の回路間、同一基板内の回路間、異なる装置間の回路間、異なる基板間の回路間など、各種の回路間伝送の形態に適用が可能である。
【0018】
差動信号出力部101は、基板200の一部または全部を構成する伝送線路201に電気的に接続され、正相信号pおよび逆相信号nを伝送線路201に出力する。
【0019】
なお、図1においては第1回路100、差動出力部101、第2回路300、差動信号入力部301は基板200と分離しているが、基板200内に第1回路、第2回路、配線、部品、他の伝送線路等を実装するなど各種の配置形態が可能である。
また、本実施の形態では単層基板を想定するが、多層基板中の特定の層に適用するなど各種基板構造が可能である。
【0020】
伝送線路201は、差動信号の正相信号pおよび逆相信号nを伝送するための4つの信号用導体2が、誘電体層1aの1つの面上と、誘電体層を挟んで対向する面上とに、2つずつ平行または略平行に延在して帯状に配置される。また、異なる面に配置された信号用導体2同士は、誘電体層1a挟んで対向する位置に配置される。
図2では、説明を分かりやすくするため、伝送線路201の例として、信号用導体2の断面が長方形で、平面形状が帯状である場合を示している。
【0021】
第2回路300は、信号伝送先の回路であり、伝送線路201により伝送された差動信号が第2回路300の差動入力部301に入力される。なお、第2回路300または差動信号入力部301は、第1回路100または差動信号出力部101と、対照的な機能や回路構成である必要はない。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態1における伝送システムの差動信号出力部と伝送線路の信号用導体2の入力端部との接続を示す概念図である。
なお、接続関係を分かりやすくするため、各信号用導体を区別して記載している。
【0023】
図において、2p1、2n1、2p2、2n2が図2の各信号用導体に対応する信号用導体、3が差動信号出力部101の差動信号源を示す。ここで、2p1は、誘電体層1aの第1の面上に配置され正相信号が伝送される信号用導体2、2n1は、2p1と同じ面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。2n2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2p1に対向する主面に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2、2p2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2n1に対向する面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。
また、図中の伝送線路201の断面は、図2に示した断面と同様の構造であるが、伝送線路201の入力端部における断面であることを示すため、各信号用導体の符号に(in)を付している。
【0024】
差動信号源3は、入力した信号INを差動信号として出力する。
差動信号源3の正相信号出力は、2つに分岐されて正相信号用導体2p1(in)および2p2(in)に、また、逆相信号出力は、2つに分岐されて逆相信号用導体2n1(in)および2n2(in)に、各々接続される。
なお、説明を分かりやすくするため、差動信号源3の出力端から各信号用導体の入力端部までの長さは全て等長であるとする。即ち、信号の伝送時間差はないものとする。
【0025】
次に差動信号の伝送動作について説明する。
差動信号源3から正相信号および逆相信号を出力すると、正相信号は2つに分岐されて、信号用導体2p1と2p2に同一または相似な正相信号が出力される。同様に、逆相信号は2つに分岐されて、信号用導体2n1と2n2に同一または相似な逆相信号が出力される。そして、これら4本の信号用導体p1、2p2、2n1、2n2と誘電体層1aとから構成された伝送線路201により、第1回路100から第2回路300へ差動信号が伝送される。
【0026】
伝送された作動信号は、信号用導体の出力端部から作動信号入力部301へ入力される。
このとき、伝送線路201の任意の断面において、誘電体層1aを挟んで対向する位置に配置された2つの信号用導体、2p1と2n2は、常に逆相の信号が伝送されている状態となるので、信号用導体2p1と2n2の間で電気力線が誘電体層1aを貫くような電界分布となる。信号用導体2p2と2n1の間でも同様に電気力線(電界分布)が形成される。
【0027】
各信号用導体に出力される信号の波形やタイミング等が理想的な場合、誘電体層1aの厚み方向の中央において誘電体層1aを水平に切る面内では電気力線が面を垂直に貫くので、その面はいわゆる電気壁10となる。
電気壁10が形成されている面は、差動信号伝送において仮想的な接地(GND)面とみなすことができる。
【0028】
これは、配線幅等の機械的寸法と伝送線路の特性インピーダンスとの関係を表す近似式から、同じ厚みの誘電体層1aの1つの面上全体に地導体(GND)を配置し、誘電体層1aを挟んで対抗する面上に正相信号用導体および逆相信号用導体を配置する従来一般的に用いられている差動マイクロストリップ線路と比較して、誘電体の厚みが仮想的に半分となったことに相当することが分かる。
【0029】
以上のように、本実施の形態では、信号伝送元である第1の回路100から信号伝送先である第2の回路300に対し差動信号を伝送する場合に、伝送線路の4つの信号用導体の、誘電体層1aを挟んで対向して配置された信号用導体同士に互いに逆相の信号を出力し、差動信号を伝送線路201を伝送させることにより、誘電体内部において等価的に電気壁の条件を満足するような電界分布を形成するようにしている。
【0030】
従って、電気壁が差動信号伝送における仮想接地面として動作する結果、誘電体の厚みが等価的に半分となり、従来の線路構造と同じインピーダンスのままで、必要な配線幅等の寸法を同様に半分程度にすることができ、基板200における差動伝送線路201が占める面積を削減することが可能となる。
【0031】
なお、図3において、信号用導体の入力端部における伝送線路の差動入力インピーダンスは、信号用導体の入力端部における信号分岐の差動出力インピーダンスと整合していることが望ましい。
【0032】
同様に、差動信号源3の差動出力インピーダンスは、差動信号源34の出力端における信号分岐の差動入力インピーダンスと整合していることが望ましい。
各部においてインピーダンス整合がより達成されることにより、各部における信号の反射がより低減されるので、伝送される信号の歪の発生や伝送エラーが低減できる。
【0033】
また、本実施の形態では、図3において、分岐された差動信号出力が信号用導体の断面に電気的に接続されているが、概念図であり、図2に示した信号用導体の入力端部であればよい。
【0034】
また、差動信号の分岐部分の実装形態としては、基板200上に別途形成した線路や独立した配線により形成するなど、各種の実装形態が可能である。
【0035】
また、本実施の形態では、差動信号源3の出力を分岐する具体的な形態について説明を省略したが、例えば誘電体層1aを貫通するように設けたビアホール(またはスルーホール。図示しない)により分岐させ、誘電体層1aの両側の入力端部に信号を入力させるようにしてもよい。
【0036】
この場合、差動信号用導体に入力される分岐後の信号の間でタイミング差が生ずる可能性がある。その場合、例えば差動信号源3と伝送線路の入力端部間の分岐部分の長さを信号用導体によって変えるといった遅延補正手段を設けてタイミング差を吸収するなど、伝送システムの設計時にタイミングを考慮するようにしてもよい。
実施の形態2.
【0037】
以下に、本発明の実施の形態2について図4を用いて説明する。なお、以下では上記実施の形態1との差異を中心に説明する。
【0038】
図4は、本発明の実施の形態2における伝送システムの差動信号出力部と伝送線路との接続を示すである。
実施の形態1の図3と異なる点は、誘電体層1aの両面に配置された各信号用導体2p1、2p2、2n1、2n2を、複数の誘電体層1bおよび1cでそれぞれ覆われることにより、伝送線路201の各信号用導体2が全体として誘電体内に埋め込まれる構成となっている点である。
【0039】
誘電体層1b、1cとしては、例えばソルダーレジスト、誘電体層1aと同じ材質を用いることが可能である。ここで、ソルダーレジスト(SR)とは、プリント配線板(PWB)の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となる塗料である。
なお、誘電損失低減という観点からは、誘電体層1bおよび1cの材料は、誘電体1aより誘電損失の低い材料を用いることが望ましい。
【0040】
差動信号の伝送動作については、実施の形態1と同様である。
【0041】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。さらに、誘電体内に埋め込まれている構成となっているので、信号用導体の腐食を防止できる。
【0042】
なお、本実施の形態では、誘電体層1b、1cの厚みが均一ではないが、均一な厚みで誘電体層1b、1cを形成してもよい。その場合、誘電体層1b、1cの厚みは同じことが望ましい。
実施の形態3.
【0043】
図5は、本発明の実施の形態3における伝送システムの差動信号出力部と伝送線路との接続を示すである。
実施の形態2の図2および図3では、誘電体層1bの、誘電体層1bを挟んで誘電体層1a対向する面上、および、誘電体層1cの、誘電体層1cを挟んで誘電体層1aと接する面と対向する面上には特に何も存在しないが、本実施の形態では、誘電体層1bの、誘電体層1bを挟んで誘電体層1a対向する面上に接地用導体20aを、誘電体層1cの、誘電体層1cを挟んで誘電体層1aと接する面と対向する面上に接地用導体20bをそれぞれ配置している。
差動信号の伝送動作については、実施の形態1と同様である。
【0044】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。さらに1cの外側に接地用導体20bを配置しているので、接地用地導体20aおよび20bにより、不要放射の抑制や外来ノイズへの耐性が向上するといった効果が期待できる。
実施の形態4.
【0045】
図6は、本発明の実施の形態4における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
なお、本実施の形態における伝送システムの全体的な構成および動作は、上記実施の形態1(図1参照)と同様であるので、以下では差異を中心に説明する。
なお、接続関係を分かりやすくするため、各信号用導体を区別して記載している。
【0046】
図において、2p1、2n1、2p2、2n2が図2の各信号用導体に対応する信号用導体、3a、3bは差動信号源、INa、INbは各差動信号源の入力を示す。
即ち、差動信号出力部101は複数の差動信号出力を有する。図では2つの差動信号出力が示され、1つの差動信号出力を有する差動信号源を2つ用いて差動信号出力部101を構成している。
【0047】
ここで、2p1は、誘電体層1aの第1の面上に配置され正相信号が伝送される信号用導体2、2n1は、2p1と同じ面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。2n2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2p1に対向する主面に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2、2p2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2n1に対向する面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。
また、図中の伝送線路201の断面は、図2に示した断面と同様の構造であるが、伝送線路201の入力端部における断面であることを示すため、各信号用導体の符号に(in)を付している。
【0048】
説明を分かりやすくするため、ここでは、差動信号源3a、3bは同一特性を有する場合を例に説明する。また第1の差動信号源3aと第2の差動信号源3bは同じ信号波形を出力するものとする。
【0049】
また、図において、各差動信号源3a、3bの出力端から各信号用導体の入力端部までの長さが異なるが、概念図であり、ここでは全て等長であるとする。
【0050】
差動信号源3aの入力信号INaは、差動信号に変換されて出力される。差動信号源3aの正相信号出力は信号導体2p1の入力端部に、一方、逆相信号出力は信号導体2n2の入力端部に、各々出力される。同様に、差動信号源3bの入力信号INbは差動信号に変換された後、正相信号出力は信号導体2p2の入力端部に、逆相信号出力は信号導体2n1の入力端部に各々出力される。
【0051】
なお、各差動信号源と信号用導体との間を接続する実装形態としては、例えば、(1)基板200の同一面内に2つの差動信号源3a、3bを並べて配置し、等しい長さの配線で各信号用導体へ接続する(但し、誘電体層1aを貫通するビアホールを用いる場合は、それによる遅延を考慮した設計を行う。)、(2)基板の両面に各々差動信号源を並べて配置し、そこから等長の配線で伝送線路へ接続する、(3)1つの実装パッケージに封入され2つの差動出力を持つ差動信号源用ICを使用し上記(1)と同様に接続する、など各種方法が可能である。
【0052】
差動信号の伝送動作については、実施の形態1と同様である。
【0053】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。また、差動信号出力の分岐を必要としないので設計が容易になる。
【0054】
なお、実施の形態1と同様に、各接続部分においてインピーダンス整合がなされることが望ましい。インピーダンス整合がなされることにより、各部における信号の反射がより低減されるので、伝送される信号の歪の発生や伝送エラーが低減できる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、差動信号源の入力側の回路について図示していないが、両信号源の入力側において、両差動信号源に同じ信号が出力されるための機構、例えば(1)1つの信号源の信号を分岐する、(2)2つの同期した信号源の信号を使用する、など各種方法が可能である。
【0056】
また、本実施の形態では、差動ドライバの特性を同一または略同一としているが、必ずしも同一または略同一である必要はなく、本発明の効果を奏するように差動信号を出力可能であればよい。
【0057】
また、本実施の形態では、各差動信号出力から各信号用導体の入力端部までの長さを全て等長であると仮定しているが、タイミング補正用の遅延手段を設けるなどしてもよい。
【0058】
また、第1の差動信号源3aからの信号出力と第2の差動信号源3bからの信号出力との間で、差動信号の出力タイミングに差がある場合に、第1の差動信号出力から第1の差動信号出力に接続される導体の入力端部までの信号伝送時間と、第2の差動信号出力から記第2の差動信号源に接続される導体の入力端部までの信号伝送時間と、の差により前各信号入力端部において信号が同一または略同一タイミングで出力されるようにしてもよい。
実施の形態5.
【0059】
図7は、本発明の実施の形態5における伝送システムの差動出力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
なお、本実施の形態における伝送システムの全体的な構成および動作は、上記実施の形態1(図1参照)と同様であるので、以下では差異を中心に説明する。
【0060】
実施の形態4と異なる点は、各差動信号源3a、3bの信号出力と各信号用導体との間の接続関係が異なっているという点である。
なお、接続関係を分かりやすくするため、各信号用導体を区別して記載している。
【0061】
図において、2p1、2n1、2p2、2n2が図2の各信号用導体に対応する信号用導体、3が差動信号出力部101の差動信号源を示す。ここで、2p1は、誘電体層1aの第1の面上に配置され正相信号が伝送される信号用導体2、2n1は、2p1と同じ面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。2n2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2p1に対向する主面に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2、2p2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2n1に対向する面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。
また、図中の伝送線路201の断面は、図2に示した断面と同様の構造であるが、伝送線路201の入力端部における断面であることを示すため、各信号用導体の符号に(in)を付している。
【0062】
差動信号源3aの正相信号出力は信号用導体2p1の入力端部に、一方、逆相信号出力は信号導体2n1の入力端部に、各々印加される。同様に、差動信号源3bの正相信号出力は信号導体2p2の入力端部に、逆相信号出力は信号導体2n1の入力端部に各々印加される。
第1の差動信号源3aと第2の差動信号源3bは同じ信号波形を出力するものとする。
【0063】
差動信号の伝送動作については、実施の形態1と同様である。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。また、差動信号出力の分岐を必要としないので設計が容易になる。
【0065】
なお、実施の形態4と同様に、各差動信号源と信号用導体の間の接続方法としては、各種方法が可能である。また、実施の形態4に記載の変形例と同様に、各種の変形が可能である。
実施の形態6.
【0066】
図8は、本発明の実施の形態6における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
なお、本実施の形態における伝送システムの全体的な構成および動作は、実施の形態1(図1参照)と同様であるので、以下では差異を中心に説明する。
【0067】
図において、2p1、2n1、2p2、2n2が図2の各信号用導体に対応する信号用導体、4は差動信号入力部301の差動受信回路、OUTは差動受信回路4の出力を示す。
【0068】
ここで、2p1は、誘電体層1aの第1の面上に配置され正相信号が伝送される信号用導体2、2n1は、2p1と同じ面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。2n2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2p1に対向する主面に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2、2p2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2n1に対向する面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。
【0069】
なお、図中の伝送線路201の断面は、図2に示した断面と同様の構造であるが、伝送線路201の出力端部における断面であることを示すため、各信号用導体の符号に(out)を付している。
【0070】
上記各実施の形態と異なる点は、差動受信回路4が1つの差動信号入力を有し、差動信号入力の正相信号入力を分岐して信号用導体2p1、2p2に接続し、逆相信号入力を分岐して信号用導体2n1、2n2に接続している点である。
【0071】
信号用導体の入力端部への差動信号の出力方法および差動信号の伝送動作については、上記各実施の形態のいずれかと同様である。
【0072】
信号用導体の入力端部に出力された差動信号は、4本の信号用導体により伝送されて信号用導体の出力端部(out)に達し、差動受信回路4により1つの差動信号として受信されて、出力信号OUTが出力される。
【0073】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0074】
なお、図に示した各接続部分においてインピーダンス整合がなされることが望ましい。インピーダンス整合がなされることにより、各部における信号の反射がより低減されるので、伝送される信号の歪の発生や伝送エラーが低減できる。
また、上記各実施の形態に記載した接続委方法やタイミング補正などの各種変形が、本実施の形態においても同様に適用可能である。
実施の形態7.
【0075】
図9は、本発明の実施の形態7における伝送システムの差動信号入力部301と伝送線路201の接続を示す概念図である。
なお、本実施の形態における伝送システムの全体的な構成および動作は、実施の形態61同様であるので、以下では差異を中心に説明する。
【0076】
図において、2p1、2n1、2p2、2n2が図2の各信号用導体に対応する信号用導体、4aは第1の差動受信回路、4bは第2の差動受信回路、OUTa、OUTbは各差動受信回路の出力を示す。
【0077】
ここで、2p1は、誘電体層1aの第1の面上に配置され正相信号が伝送される信号用導体2、2n1は、2p1と同じ面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。2n2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2p1に対向する主面に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2、2p2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2n1に対向する面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。
なお、図中の伝送線路201の断面は、図2に示した断面と同様の構造であるが、伝送線路201の出力端部における断面であることを示すため、各信号用導体の符号に(out)を付している。
【0078】
実施の形態6の図8と異なる点は、第2回路300の差動信号入力部301に複数の差動信号入力を有するという点である。
図9では、2つの差動信号入力として、1つの差動信号入力を有する差動受信回路を2つ用いて差動信号入力部301を構成している。
また、差動受信回路4aの正相信号入力は信号用導体2p1に、逆相信号入力は信号用導体2n2に接続されている。同様に、差動受信回路4bの正相信号入力は信号用導体2p2に、逆相信号入力を信号用導体2n1に接続されている。
【0079】
信号用導体の入力端部への差動信号の出力方法および差動信号の伝送動作については、実施の形態1ないし実施の形態5のいずれかと同様である。また、差動受信回路における信号用導体からの差動信号の受信の動作については実施の形態6と同様である。
【0080】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。また、差動信号入力の分岐を必要としないので設計が容易になる。
【0081】
なお、図に示した各接続部分においてインピーダンス整合がなされることが望ましい。インピーダンス整合がなされることにより、各部における信号の反射がより低減されるので、伝送される信号の歪の発生や伝送エラーが低減できる。
【0082】
また、本実施の形態では、差動受信回路の特性を同一または略同一としているが、必ずしも同一または略同一である必要はなく、本発明の効果を奏するように差動信号を出力可能であればよい。
【0083】
また、上記各実施の形態に記載した接続委方法やタイミング補正などの各種変形が、本実施の形態においても同様に適用可能である。
実施の形態8.
【0084】
図10は、本発明の実施の形態8における伝送システムの差動入力部と伝送線路の接続を示す概念図である。
なお、本実施の形態における伝送システムの全体的な構成および動作は、実施の形態1と同様であるので、以下では差異を中心に説明する。
【0085】
図において、2p1、2n1、2p2、2n2が図2の各信号用導体に対応する信号用導体、4aは第1の差動受信回路、4bは第2の差動受信回路、OUTa、OUTbは各差動受信回路の出力を示す。
【0086】
ここで、2p1は、誘電体層1aの第1の面上に配置され正相信号が伝送される信号用導体2、2n1は、2p1と同じ面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。2n2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2p1に対向する主面に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2、2p2は、誘電体層1aを挟んで信号導体2n1に対向する面上に配置され逆相信号が伝送される信号用導体2である。
【0087】
なお、図中の伝送線路201の断面は、図2に示した断面と同様の構造であるが、伝送線路201の出力端部における断面であることを示すため、各信号用導体の符号に(out)を付している。
【0088】
実施の形態7の図9と異なる点は、2つの差動信号入力と4つの信号用導体との接続関係が異なっている点である。
【0089】
差動受信回路4aの正相信号入力は信号用導体2p1に、逆相信号入力は信号用導体2n1に接続されている。同様に、差動受信回路4bの正相信号入力は信号用導体2p2に、逆相信号入力を信号用導体2n2に接続されている。
【0090】
信号用導体の入力端部への差動信号の出力方法および差動信号の伝送動作については、実施の形態1ないし実施の形態5のいずれかと同様である。また、差動受信回路における信号用導体からの差動信号の受信の動作については実施の形態6と同様である。
【0091】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様な効果が得られる。また、差動信号入力の分岐を必要としないので設計が容易になる。
【0092】
なお、上記各実施の形態では、各信号用導体の断面形状が同じ四角形であるが、他の形状にしてもよく、4角形に限定されない。
また、上記各実施の形態では、誘電体層1aを挟んで形成された各信号用導体は全て同一の厚みあるが、必ずしも同一である必要はない。
また、上記各実施の形態では、伝送線路201の信号用導体の厚みが平面的に一定であることを想定しているが、必ずしも一定である必要はない。
【0093】
また、上記各実施の形態では、理想的な電気壁の条件を満足する電界分布を形成する場合について説明しているが、近似的又は実質的に、電気壁あるいは仮想接地(GND)面とみなせる電界分布が形成されればよい。
【0094】
また、上記各実施の形態では、各信号用導体の平面的な形状として、図2に示すように幅が一定の長方形を想定しているが、必ずしも一定である必要はない。信号用導体の幅を変化させ、例えば伝送路フィルタやインピーダンス変成器を構成するといった変形が可能である。
【0095】
また、上記各実施の形態では、差動信号源から信号用導体に対して差動信号のみが出力されている場合を説明しているが、正相信号出力と逆相信号出力とに同相信号成分が含まれてもよい。この場合、誘電体層1aを挟んで対抗して配置された信号用導体の入力端部において、接地(GND)電位を基準とした電圧が逆極性であることが望ましい。
【0096】
また、第1の回路100、差動出力部101、第2の回路300、差動入力部301は、各々その全てが電気的な回路である必要はなく、信号を入力または出力するものであればよく、等価的に電気回路に置き換え可能なものであってもよい。
【0097】
また、上記各実施の形態では、第1回路から第2回路への一方向の差動信号伝送が行われる場合についてのみ説明しているが、時間分割による双方向の信号伝送を行うようにしてもよい。この場合、第1回路および第2回路の各々において、差動出力部と差動入力部を備えるようにし、伝送線路201に差動出力部と差動入力部を並列接続して切替えて信号伝送動作をさせるようにしてもよい。
【0098】
さらに、上記各実施の形態は例示であり、上記各実施の形態の組合せを含め、当該技術分野の通常の知識をもつ者により本発明の技術的思想を外れない範囲内で各部の配置、位置関係、動作条件など種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0099】
1a、1b、1c 誘電体層
2、2p1、2p2、2n1、2n2信号用導体
3、3a、3b 差動信号源
4、4a、4b 差動受信回路
20a、20b 接地用導体
100 第1回路
101 差動号出力部
200 基板
201 伝送線路
300 第2回路
301 差動入力部
p 差動信号の正相信号
n 差動信号の逆相信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、前記誘電体層の第1の面の面上に略平行に延在する第1および第2の信号用導体、前記誘電体層を挟んで前記第1の面と対向する第2の面の面上において前記第1の信号用導体と対向する位置に延在する第3の信号用導体、前記誘電体層を挟んで前記第1の面と対向する第2の面の面上において前記第2の信号用導体と対向する位置に延在する第4の信号用導体、を含む伝送線路と、
前記第1ないし第4の信号用導体の入力側端部と電気的に接続され、前記第1および第4の信号用導体に正相信号を、前記第2および前記第3の信号用導体に逆相信号を、各々出力する第1の回路と、
前記第1ないし第4の信号用導体の出力側端部と電気的に接続された第2の回路と、
を備え、
前記第1の回路は、前記第1および前記第4の信号用導体の入力側端部において波形が同一又は相似な前記正相信号を出力するとともに、前記第2および前記第3の信号用導体の入力側端部において波形が同一又は相似な前記逆相信号を出力し、
前記第1および前記第4の信号用導体に出力された前記正相信号と、前記第2および前記第3の信号用導体に出力された前記逆相信号とによる差動信号が、前記第2の回路に入力され、
前記差動信号により、前記誘電体層の厚み方向の中央または略中央を横切る面において電気壁と等価な電界分布を形成することを特徴とする信号伝送システム。
【請求項2】
前記電気壁と等価な電界分布を形成する面は、前記伝送線路における前記差動信号の伝送において仮想接地面となることを特徴とする請求項1に記載の信号伝送システム。
【請求項3】
前記第1ないし第4の信号用導体は、前記誘電体層を挟んで対称または略対称な平面形状で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号伝送システム。
【請求項4】
前記伝送線路は、複数の誘電体層をさらに含み、
前記誘電体層と前記複数の誘電体層により、前記第1ないし前記第4の導体が全体として誘電体層に埋め込まれた構造となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の信号伝送システム。
【請求項5】
前記伝送線路は、前記構造の第1の面および前記第1の面と対向する第2の面の各々の面上に接地用導体をさらに配置することを特徴とする請求項4に記載の信号伝送線路システム。
【請求項6】
前記第1の回路は1の差動信号を出力する差動信号出力部を備え、
前記1の差動信号のうち正相信号を分岐して前記第1および前記第4の信号用導体に出力し、前記1の差動信号のうち逆相信号を分岐して前記第2および前記第3の信号用導体に出力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項7】
前記第1の回路は第1および第2の差動信号を出力する差動信号出力部を備え、
前記第1の差動信号を前記第1および第3の導体に出力し、前記第2の差動信号を前記第2および第4の導体に出力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項8】
前記第1の回路は第1および第2の差動信号を出力する差動信号出力部を備え、
前記第1の差動信号を前記第1および第2の信号用導体に出力し、前記第2の差動信号を前記第3および第4の信号用導体に出力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項9】
前記第1ないし第4の信号用導体の信号入力側端部において、前記第1の回路の差動出力インピーダンスと前記伝送線路の差動インピーダンスとが整合状態にあることを特徴とする請求項6ないし請求項8に記載の信号伝送システム。
【請求項10】
前記第2の回路は1の差動信号を入力する差動信号入力部を備え、
前記1の差動信号のうち正相信号を分岐して前記第1および前記第4の信号用導体の出力側端部から入力し、
前記1の差動信号のうち逆相信号を分岐して前記第2および前記第3の信号用導体の出力側端部から入力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項11】
前記第2の回路は、第1および第2の差動信号を入力する差動信号入力部を備え、
前記差動信号入力部は、前記第1の差動信号を前記第1および第3の信号用導体から入力し、前記第2の差動信号を前記第2および第4の信号用導体から入力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項12】
前記第2の回路は、第1および第2の差動信号を入力する差動信号入力部を備え、
前記差動信号入力部は、前記第1の差動信号を前記第1および第2の信号用導体から入力し、前記第2の差動信号を前記第3および第4の信号用導体から入力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項13】
前記第1ないし前記第4の信号出力端部において、前記第2の回路の差動入力インピーダンスと前記伝送線路の差動出力インピーダンスとが整合状態にあることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項14】
前記第1および第2の差動信号は、信号出力タイミングが同一または略同一であることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項15】
前記第1の差動信号と前記第2の差動信号との間で前記差動信号出力部から出力される差動信号の出力タイミングに差があり、
前記差動信号出力部から前記第1の差動信号出力に接続される導体の入力側端部までの前記第1の差動信号の信号伝送時間と、前記差動信号出力部から前記第2の差動信号源に接続される導体の入力側端部までの前記第2の差動信号の信号伝送時間と、の差により前記出力タイミングの差を補正することを特徴とする7ないし請求項9のいずれかに記載の信号伝送システム。
【請求項16】
誘電体層、前記誘電体層の第1の面の面上に略平行に延在する第1および第2の信号用導体、前記誘電体層を挟んで前記第1の面と対向する第2の面の面上において前記第1の信号用導体と対向する位置に延在する第3の信号用導体、前記誘電体層を挟んで前記第1の面と対向する第2の面の面上において前記第2の信号用導体と対向する位置に延在する第4の信号用導体、を含む伝送線路と、
前記第1ないし第4の信号用導体の入力側端部と電気的に接続され、前記第1および第4の信号用導体に正相信号を、前記第2および前記第3の信号用導体に逆相信号を、各々出力する第1の回路と、
前記第1ないし第4の信号用導体の出力側端部と電気的に接続された第2の回路と、
を備えた伝送システムにおける信号伝送方法であって、
前記第1の回路は、前記第1および前記第4の信号用導体の入力側端部において波形が同一又は相似な前記正相信号を出力するとともに、前記第2および前記第3の信号用導体の入力側端部において波形が同一又は相似な前記逆相信号を出力するステップと、
前記第1および前記第4の信号用導体に出力された前記正相信号と、前記第2および前記第3の信号用導体に出力された前記逆相信号とにより伝送される差動信号を、前記第2の回路に入力するステップと、
を含み、
前記差動信号により、前記誘電体層の厚み方向の中央または略中央を横切る面において電気壁と等価な電界分布を形成することを特徴とする信号伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−216891(P2012−216891A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78913(P2011−78913)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】