説明

信号伝送回路、スイッチング素子駆動回路及び電力変換装置

【課題】送信側の異常、ノイズの混入など送信側動作状態の安否を随時に確認することができるとともに、スイッチング時の基準電位の変動による誤動作ついても確実に防止する。
【解決手段】送信信号に基づいて正論理と負論理の相補信号を出力する相補信号駆動回路と、この相補信号をそれぞれ独立したチャンネルで伝送する相補信号伝送路と、相補信号伝送路の信号を受信して、両者の排他的論理和に基づいて、両者が相補信号であるか否かを判定する相補信号判定回路を設け、相補信号判定回路の出力信号と送信信号との論理積を受信信号とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号伝送回路及びこの信号伝送回路を使用した、電力変換装置に用いられる絶縁伝送回路、半導体スイッチング素子の駆動回路及びインバータ装置などからなる電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータなどの電力変換装置において、負荷を駆動するための電力用スイッチング素子は、主電源端子間に直列に接続されている。
図8に一例を示す。
低い側の電力用スイッチング素子S1(以下、下アームスイッチング素子と称する。)と、高い側の電力用スイッチング素子S2(以下、上アームスイッチング素子と称する)は、それぞれ下アームスイッチング素子の入力信号、及び上アームスイッチング素子の入力信号により駆動されるドライバ105、106によりオンオフされるもので、これらのスイッチング素子の中点107に負荷108が接続されている。
【0003】
このような装置においては、上下アームのオン/オフの状態により、下アームスイッチング素子S1の基準電位は基本的には変動しないが、上アームスイッチング素子S2の基準電位は変動し、電位的に浮動の状態になってしまう。
このような装置においては、負荷108に、非常に高電圧のHVが印加されているため、下アームスイッチング素子1及び上アームスイッチング素子2の基準電位は、電位的に浮動の状態にし、鉄道車両に搭載された場合等において高電圧の感電等を確実に防止する必要がある。
そこで、基準電位が浮動電位となる上アームスイッチング素子S2を駆動するための入力信号は、いずれかの箇所で電気的に絶縁する必要がある。すなわち、基準電位が浮動電位となる下アームスイッチング素子S1及び上アームスイッチング素子S2を駆動するための入力信号は、いずれかの箇所で電気的に絶縁する必要がある。
このように、高耐圧の絶縁が要求される鉄道車両等においては、下記特許文献1にみられるように、パルストランスやフォトカプラなどの絶縁素子が用いられていた。
なお、この文献に示されているように、従来のスイッチング素子駆動のための絶縁手段は、1アーム当たり1チャネルで構成されている。
【0004】
また、こうしたインバータなどの電力変換装置においては、各スイッチング素子への制御信号を伝送する伝送回路など信号系のエラーにより上下アームスイッチング素子S1、S2の同時オンを防ぐ必要があり、上下アームスイッチング素子S1、S2の駆動指令信号が、送信側や伝送回路などの異常やノイズの影響を受けることなく、相補的なものか否か、常時正確に安否を確認する必要がある。
【0005】
なお、下記特許文献2には、データ信号とクロック信号の多重化を目的に、データ信号とクロック信号の排他的論理和を採った信号を差動化して送信し、受信側では、差動受信した差動出力の排他的論理和を採ってクロック信号とデータ信号を分離することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−270548号公報
【特許文献2】特開2009−186502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年では、上述した入力信号の絶縁に磁気結合や容量結合を用いたアイソレータICなどが製品化され、鉄道車両向けや風力発電向けの電力変換装置への適用が進められている。磁気結合や容量結合を用いたアイソレータICでは、絶縁の1次側と2次側との間に寄生容量が存在するために、スイッチング時の基準電位の変動、いわゆるdV/dtに起因する誤動作が問題となってくる。磁気結合や容量結合を用いたアイソレータICではdV/dt耐量が数10kV/μs程度しかないため、例えば、100kV/μsを超えるような高いdV/dt耐量を要求される分野では利用できない。
【0008】
しかし、従来は、上記特許文献1にみられるように、1アーム当たり1チャネルの絶縁手段を用いていたが、上述の磁気結合や容量結合を用いたアイソレータICを採用すれば、ワンパッケージ内に複数のチャネルを搭載することが非常に容易に実現することができる。
そこで、本発明では、上述のようなアイソレータICなどを活用することにより、例えば、駆動制御信号の2チャンネル化が大きなコストアップを招くことなく実現できることに着目し、例えば駆動制御信号のような1つの送信号に対し2チャンネルを用いて、駆動信号を正論理と負論理の相補信号で伝送し、受信側で、正論理と負論理の排他的論理和を採ることで、受信信号に異常が無いか、また、ノイズ混入など、送信側動作状態の安否を随時に確認することができるとともに、スイッチング時の基準電位の変動による誤動作ついても確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記の課題を解決するため、受信した正論理と負論理が相補信号であれば、駆動制御信号が正常に受信されたものとして、スイッチング素子をオン状態に制御し、また、相補信号ではなく双方が同レベルの信号であれば、何らかの異常があると判断して、スイッチング素子への制御信号を遮断する。より具体的には、本発明の信号伝送回路は次のように構成される。
(1)送信信号に基づいて、正論理と負論理の相補信号を出力する相補信号駆動回路と、前記相補信号をそれぞれ独立したチャンネルで伝送する相補信号伝送路と、相補信号伝送路と、前記相補信号伝送路の信号を受信して、両者の排他的論理和に基づいて、両者が相補信号であるか否かを判定する相補信号判定回路と、前記相補信号伝送路の少なくともいずれかの信号を受信して信号を判定する受信回路を有する信号伝送回路において、前記相補信号判定回路の出力信号と前記受信回路の出力送信信号との論理積を受信信号とする。
【0010】
(2)上記の信号伝送回路において、前記相補信号駆動回路の前段に、相補信号の双方とイネーブル信号との論理積を出力する論理積回路を設け、ディセーブル時には前記相補信号駆動回路双方の出力が同一レベルの信号を出力する。
【0011】
(3)上記の信号伝送回路において、送信信号に基づいて、差動信号伝送線路に差動信号を出力する差動信号出力回路と、前記差動信号伝送線からの差動信号を、それぞれ正負逆転して入力されるとともに、入力電位差が所定以上の場合動作する一対の比較回路と、
前記一対の比較回路の出力信号の排他的論理和を出力する排他的論理和回路と、前記一対の比較回路のいずれかの信号と前記排他的論理和回路の出力の論理積を受信信号とする。
【0012】
(4)上記の信号伝送回路において、前記排他的論理和回路の後段に、グリッジをマスクするための時定数を備えたローパスフィルタを設け、該ローパスフィルタの出力信号と前記一対の比較回路のいずれかの信号との論理積を受信信号とする。
【0013】
また、本発明の駆動回路は次のように構成される。
(5)駆動制御信号の入力側と駆動制御信号の出力側がアイソレータICにより絶縁されている駆動回路において、前記送信信号として駆動制御信号が前記アイソレータICに到るまでの信号伝送回路に、上記(1)ないし(3)の信号伝送回路を用いた。
【0014】
さらに本発明の電力変換装置は、次のように構成される。
(6)主電源端子間に直列に接続された下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子と、前記下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子のそれぞれをオン/オフを制御する駆動回路基板と、該駆動回路基板に駆動制御信号を伝送する上位論理制御部を有する電力変換装置において、前記上位論理制御部から前記駆動回路基板に入力した下アームスイッチング素子駆動用信号と、上アームスイッチング素子駆動用信号との排他的論理和に基づいて、前記下アームスイッチング素子駆動用信号と前記上アームスイッチング素子駆動用信号との関係が相補信号であるか否かを判定する排他的論理和回路を有し、前記排他的論理和回路の出力と前記下アームスイッチング素子駆動用信号あるいは上アームスイッチング素子との論理積により、前記下アームスイッチング素子あるいは上アームスイッチング素子のそれぞれをオンに制御するようにした。
【0015】
(7)また上記の電力変換装置において、前記下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子の対が複数あり、それぞれの対について、各アームスイッチング素子のオン/オフを制御する駆動回路基板と該駆動回路基板に駆動制御信号を伝送する上位論理制御部との間にインターフェース基板を設け、前記上位論理部から各対の下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子を制御する複数の駆動制御信号を、パラレル信号からシリアル信号へ変換するパラレル/シリアル変換手段を介して前記インターフェース基板に伝送するとともに、シリアル信号からパラレル信号へ変換するシリアル/パラレル変換手段を備えたインターフェース基板により、各対のスイッチング素子を制御する駆動制御信号に分割し、前記駆駆動基板に伝送するようにした。
【発明の効果】
【0016】
本発明の信号伝送回路によれば、正論理と負論理の相補信号を独立したチャンネルで伝送する相補信号伝送路を設け、受信側で両者の排他的論理和に基づいて送信側が正常であるか、あるいは伝送路にノイズが混入したことなどを確実に検出することができ、さらに、スイッチング時の基準電位の変動による誤動作ついても確実に防止できる。
【0017】
また、本発明の駆動回路によれば、アイソレータICに到るまでの信号伝送回路に上述の異常が生じた場合、これを確実に検出して誤動作を防止することができ、しかも、下アームスイッチング素子駆動用信号と、上アームスイッチング素子駆動用信号が同時にオンとなるような異常を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1の信号伝送回路の構成図である。
【図2】図1の信号伝送回路の動作波形のイメージ図である。
【図3】本発明の実施例2の信号伝送回路の構成図である。
【図4】本発明の実施例3の同時オン防止機能のゲート駆動回路の概念図である。
【図5】本発明の実施例4の絶縁手段を対で設けた信号伝送回路の構成図である
【図6】従来の3相インバータ駆動回路のブロック図である。
【図7】本発明の実施例5に示す3相インバータ駆動回路のブロック図である。
【図8】従来の電力変換器の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を使用して詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[実施例1]
図1に本発明の第1の実施例である信号伝送回路を示す。信号Aは送信信号で、反転回路1〜4により構成される相補信号発生回路11により、正論理信号Cと負論理信号Dとからなる相補信号を生成する。20は伝送線路であり、コモンモードノイズの影響を受け難くするためにツイストすることが望ましい。
受信側では、反転回路5、6でそれぞれ正論理と負論理を受信して反転信号を出力する。10は相補信号か否かを判定する相補信号判定回路で、例えば、排他的論理和回路により構成できる。
すなわち、相補信号判定回路10は、反転回路5、6を介して、正論理出力と負論理出力とを入力し、これらが相補信号か否かを判定し、相補信号ならば“Hi”を同相信号ならば“Lo”を出力する。この信号は送信側が正常に動作しているか、若しくは、伝送路や受信回路に不具合が無いかを判断する安否信号として活用できる。
【0021】
ところで、送信信号の遷移時には正論理と負論理とが同一の信号を出力する期間が存在する。
このような遷移時のわずかなグリッジをマスクするための所望の時定数を持ったLPF(ローパスフィルタ)を出力段に設けると信号遷移時のグリッジをマスクできる。これにより正論理出力と相補信号判定回路出力との論理積をとることで正常に伝送された信号を再生でき信頼性を確保することができる。
なお、送信側のディセーブルや、伝送線路に異常がある場合は、相補信号判定回路の出力は“Lo”レベルとなり、信号伝送が正常でないと判断できる。この場合は、制御対象がフェールセーフに動作するように制御する。
【0022】
図2に、図1の信号伝送回路におけるA点〜Gの実施例1における信号変化(HiからLoあるいはLoからHi)を時系列で表した。
A点は、例えば、インバータ等の電力変換装置を制御するための制御信号として、図2Aに示されるような信号が入力されており、B点には、反転回路1によりAを反転させた信号が入力される。同様に、C点には反転回路3により再度反転され、結局A点と同じ位相の信号が出力される。
【0023】
一方D点には、反転回路1、2、4を介することにより、A点に対し反転した位相の信号が出力される。C点、D点の信号は、ツイストされた伝送線路20をそれぞれ反転回路5、6に入力される。
ここで、伝送線路20に異常がない場合は、例えば、反転回路5及び6の排他的論理和を出力する相補信号判定回路10の出力は、図2Eに示されるように、C点の信号及びD点の信号が、同時にHiまたはLoになった瞬間のみLoとなるが、LPFにより、この瞬時のLoは、除外されるので、反転回路5及び7を介したF点の信号との論理積が、AND回路8から出力される。AND回路8からの出力は、結局A点の信号と同位相のものとなり、電力変換装置等の制御信号として使用される。
【0024】
ところが、例えば、伝送線路20のいずれかの箇所で、ノイズが取り込まれ、本来Loを継続すべき期間に所定期間以上のHiが出力され、反転位相にあるべきC点とD点の出力が、所定期間以上ともにHiになり、相補信号判定回路10が出力する排他的論理和が所定期間以上Loになってしまう。
また、送信側に異常が発生したり、ツイストされた伝送線路20のいずれかの線路に断線等が生じた場合、Lo出力を所定期間以上継続するため、その間、他の伝送線路20がLoとなったとき、同様に、相補信号判定回路10が出力する排他的論理和が所定期間以上Loになる。
そうなると、E点のLPFの出力がLoに、AND回路8の出力がLoとなり、電力変換装置等の制御信号がLoとなり、遮断される。
【0025】
[実施例2]
図3に本発明の第2の実施例である信号伝送回路を示す。信号Aは送信信号で、差動信号出力回路31により、差動信号伝送線路20dに差動信号を出力する。受信側には、所定レベル以上の入力電位差があったときのみ動作するよう、入力にオフセットを設けた差動受信回路32a及び32bを対で設けて受信する。
対の差動受信回路32aは正論理を出力し、32bは負論理を出力し、それぞれの入力端子は、差動信号伝送線路20dの一方の伝送線路と他方の伝送回路を、+入力端子、−入力端子を逆転して、いわゆる、たすき掛けで接続されている。
【0026】
10は前記対の差動受信回路32a、32bの出力が相補信号か否かを判定する相補信号判定回路で、実施例1と同様に、送信側が正常に動作しているか、若しくは、伝送路や受信回路に不具合が無いかを判断する安否信号として活用できる。
なお、この実施例においても、送信信号の遷移時には正論理と負論理とが同一の信号を出力する期間が存在する。そこで、このような遷移時のわずかなグリッジをマスクするための所望の時定数を持ったLPF(ローパスフィルタ)を出力段に設けると信号遷移時のグリッジをマスクできる。これにより正論理出力と相補信号判定回路出力との論理積を採ることで正常に伝送された信号を再生でき信頼性を確保することができる。
【0027】
[実施例3]
図4に本発明の第3の実施例である信号伝送回路を示す。この実施例は、上下アームの駆動制御信号の排他的論理和を用いて、駆動基板側で上下アームの同時オンを防止する機能に関するものである。A_Uは上アーム駆動指令信号、A_Lは下アーム駆動指令信号、51a、51bは伝送線路20を介して駆動回路部に信号を送信するための駆動回路である。
上下アームの駆動指令信号が駆動基板側で相補信号であるか否かを排他的論理和回路50で判定する。
【0028】
この排他的論理和回路50は駆動指令の切り替わり時には“Lo”レベルが出力されるが、後段のパルスストレッチ回路54により、所望のデッドタイムになるように“Lo”パルスの幅を伸長するAND回路53a、53bにより、各アームの駆動指令信号との論理積を採って各アームの駆動制御信号G_U、G_Lを生成する。
本実施例により、信号伝送中のノイズ等の原因で上下アーム駆動切り替え時のデッドタイムが短くなっても、駆動回路基板側で所望の時間以上のデッドタイムを確保することが可能になる。
【0029】
[実施例4]
図5に本発明の第4の実施例である絶縁信号伝送回路を示す。この実施例は、実施例1をベースにしており、相違点のみを説明する。
相補信号発生回路11は、その出力段にAND回路41、42を設けており、イネーブル信号(EN)により出力を制御し、ディセーブル時は双方を“Lo”に制御する。
この実施例の伝送線路20の代わりにデジタル信号の絶縁手段であるデジタルアイソレータ61、62を設けて、絶縁をとる。相補信号判定回路10により、受信した相補信号が正常か否かを判断し、異常であればAND回路8により出力Gを“Lo”に制御する。
本発明によりデジタルアイソレータ部のコモンモードノイズによる誤動作に伴う誤オン(誤ってオンに制御する)を防止することができる。
【0030】
[実施例5]
図6に従来の3相インバータのゲート駆動のトポロジーを示す。上位論理制御部70と3相(U、V、W)の上下各アームの駆動指令信号は、光ファイバによる伝送路20で各アームのゲートドライバ(71a〜71f)に接続されている。図7に本発明の3相インバータのゲート駆動のトポロジーを示す。上位論理制御部76と各アームのゲートドライバ(72a〜72f)との間にはインターフェース基板75を設ける。上位論理制御部76からの各アームの駆動指令信号はパラレル/シリアル変換回路73によりシリアル信号に変換され、インターフェース基板75のシリアル/パラレル変換回路74に伝送線路22を介して伝送される。シリアル/パラレル変換回路74によりパラレル信号変換された各アームの駆動指令信号をインターフェース基板75から各アームのゲートドライバ(72a〜72f)に絶縁伝送路23を介して伝送する。
本実施例の伝送路22には実施例1に示した信号伝送回路を用いることで信号伝送の信頼性を向上することができる。また、前記絶縁伝送路には実施例4に示した絶縁伝送手段を用いることで信号伝送の信頼性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、正論理と負論理の相補信号を独立したチャンネルで伝送する相補信号伝送路を設け、受信側で両者の排他的論理和に基づいて送信側が正常であるか、あるいは伝送路にノイズが混入したことなどを確実に検出することができるので、例えば、アイソレータIC等を利用すれば、大幅なコストアップを招くことなく、電力変換装置等様々な分野において、信号伝送の信頼性を抜本的に高める手段として広く利用されることが期待できる。
【符号の説明】
【0032】
1〜7:反転回路(NOT回路)
8、41、42:論理積回路
10:排他的論理和回路
31:差動駆動回路
32:オフセット付差動受信回路
61、62:アイソレータ
70、76:上位論理制御部
71、72:ドライバ
75:インターフェース回路
73、74:シリアル/パラレル変換回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号に基づいて正論理と負論理の相補信号を出力する相補信号駆動回路と、
前記相補信号をそれぞれ独立したチャンネルで伝送する相補信号伝送路と、
前記相補信号伝送路の信号を受信して、両者の排他的論理和に基づいて、両者が相補信号であるか否かを判定する相補信号判定回路と、
前記相補信号判定回路の出力信号と前記送信信号との論理積を受信信号とすることを特徴とする信号伝送回路。
【請求項2】
請求項1に記載の信号伝送回路において、
前記相補信号駆動回路の前段に、相補信号の双方とイネーブル信号との論理積を出力する論理積回路を設け、ディセーブル時には前記相補信号駆動回路双方の出力が同一レベルの信号を出力することを特徴とする信号伝送回路。
【請求項3】
送信信号に基づいて、差動信号伝送線路に差動信号を出力する差動信号出力回路と、
前記差動信号伝送線からの差動信号を、それぞれ正負逆転して入力されるとともに、入力電位差が所定以上の場合動作する一対の比較回路と、
前記一対の比較回路の出力信号の排他的論理和を出力する排他的論理和回路と、
前記一対の比較回路のいずれかの信号と前記排他的論理和回路の出力の論理積を受信信号とする信号伝送回路。
【請求項4】
前記排他的論理和回路の後段に、グリッジをマスクするための時定数を備えたローパスフィルタを設け、該ローパスフィルタの出力信号と前記一対の比較回路のいずれかの信号との論理積を受信信号とすることを特徴とする請求項1または3に記載の信号伝送回路。
【請求項5】
駆動制御信号の入力側と駆動制御信号の出力側がアイソレータICにより絶縁されている駆動回路において、
前記送信信号として駆動制御信号が前記アイソレータICに到るまでの信号伝送回路に、請求項1ないし3に記載の信号伝送回路を用いたことを特徴とする駆動回路。
【請求項6】
主電源端子間に直列に接続された下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子と、前記下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子のそれぞれをオン/オフを制御する駆動回路基板と、該駆動回路基板に駆動制御信号を伝送する上位論理制御部を有する電力変換装置において、
前記上位論理制御部から前記駆動回路基板に入力した下アームスイッチング素子駆動用信号と、上アームスイッチング素子駆動用信号との排他的論理和に基づいて、前記下アームスイッチング素子駆動用信号と前記上アームスイッチング素子駆動用信号との関係が相補信号であるか否かを判定する排他的論理和回路を有し、前記排他的論理和回路の出力と前記下アームスイッチング素子駆動用信号あるいは上アームスイッチング素子との論理積により、前記下アームスイッチング素子あるいは上アームスイッチング素子のそれぞれをオンに制御することを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項6記載の電力変換装置において、
前記下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子の対が複数あり、それぞれの対について、各アームスイッチング素子のオン/オフを制御する駆動回路基板と該駆動回路基板に駆動制御信号を伝送する上位論理制御部との間にインターフェース基板を設け、前記上位論理部から各対の下アームスイッチング素子及び上アームスイッチング素子を制御する複数の駆動制御信号を、パラレル信号からシリアル信号へ変換するパラレル/シリアル変換手段を介して前記インターフェース基板に伝送するとともに、シリアル信号からパラレル信号へ変換するシリアル/パラレル変換手段を備えたインターフェース基板により、各対のスイッチング素子を制御する駆動制御信号に分割し、前記駆駆動基板に伝送することを特徴とする電力変換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−80156(P2012−80156A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220470(P2010−220470)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】