説明

信号処理装置、レーダ装置、信号処理方法、および信号処理プログラム

【課題】スキャン相関によって物標のエコーが弱まることを防止する信号処理装置を提供する。
【解決手段】信号処理部17は、物標検出部16が物標を検知した地点に対応するスキャン相関後のエコー信号のレベルを調整する。具体的には、物標検出部16が物標を検知した各地点を中心としてガウス関数に基づく特性でレベル調整を行う。物標が検出された地点では、強いエコー信号が検出されていることになるため、その地点のエコー信号をレベル調整(強調)することで、高速で移動する物標のエコー信号がスキャン相関によって弱まったとしても、高いレベルで出力することができる。また、ガウス関数に基づく特性でレベル調整を行うため、ある地点だけ極端にエコー信号が強調されてしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エコー信号に種々の処理を行う信号処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーダ装置等においては、物標の画像(エコー画像)を画面表示する際に、同じ位置に連続して生じないエコー(シークラッタ等)を抑圧し、物標のエコーを強調するスキャン相関処理を行っていた(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−352212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、物標の移動速度が速い場合、所定のスキャンにおいてある位置に検出された物標のエコーが、次のスキャンでは前回スキャンの位置から遠く離れた位置にて検出されることがある。この場合、同じ位置における相関は低くなるため、スキャン相関処理によって、かえって物標のエコーが弱められてしまうことになる。
【0005】
そこで、この発明は、スキャン相関によって物標のエコーが弱まることを防止する信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の信号処理装置は、エコー信号入力部と、エコー信号レベル検出部と、物標検出部と、相関処理部と、レベル調整部と、を備えている。エコー信号入力部は、電磁波を所定領域に発射して物標で反射されたエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号が入力される。エコー信号検出部は、所定領域内にある各地点からのエコー信号のそれぞれのレベルを検出する。物標検出部は、エコー信号のレベルに基づいて物標を検出する。相関処理部は、複数スキャンのスキャン相関処理を行う。レベル調整部は、スキャン相関処理後のエコー信号のレベルを調整する。ここで、レベル調整部は、物標検出部が物標を検知した地点に対応するエコー信号のレベルを調整する。物標が検出された地点では、強いエコー信号が検出されていることになるため、その地点のエコー信号をレベル調整(強調)することで、高速で移動する物標のエコー信号がスキャン相関によって弱まったとしても、高いレベルで出力することができる。
【0007】
また、レベル調整部は、物標検出部が物標を検知した地点に近接する地点のエコー信号を含めてレベル調整を行う態様も可能である。具体的には、物標検出部が物標を検知した各地点を中心としてガウス関数に基づく特性でレベル調整を行う。これにより、ある地点だけ極端にエコー信号が強調されてしまうことを防止することができる。
【0008】
さらに、レベル調整部は、各地点で算出するガウス関数の特性を合成したレベル調整量でレベル調整を行うことが望ましい。この場合、近接した地点で連続して物標が検知されると、より強い強調処理がなされることになる。物標の大きさが大きいほどエコー信号は強くなるため、より物標の大きさをこの考慮した強調処理がなされることになる。
【0009】
また、物標検出部は、地点毎に物標の有無を検出し、レベル調整部は、物標の検出の有無の地点毎のパターンが所定のパターンに該当した場合にレベル調整を行うことが望ましい。例えば、注目地点のレベルについて、物標が存在する程度のレベルを有していたとしても、隣接する地点のレベルが非常に低い場合、物標が存在しないとする。
【0010】
また、パターン毎にレベル調整量を変更する態様であってもよい。例えば、注目地点よりもアンテナに近い隣接地点のレベルが低く、逆に注目地点よりもアンテナに遠い隣接地点のレベルが高い場合、物標の端部と推定することができるため、強調を弱めに設定する。
【発明の効果】
【0011】
この発明の信号処理装置によれば、スキャン相関によって物標のエコーが弱まることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】バッファに保持される物標検出結果を示した図である。
【図3】物標検出結果と強調制御信号の関係を示す図である。
【図4】強調制御信号とレベル調整量の関係を示す図である。
【図5】レベル調整の例を示す図である。
【図6】信号切り替え処理を行った場合の信号例を示した図である。
【図7】レーダ装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】レベル調整の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(A)は、本発明の信号処理装置を内蔵したレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置は、例えば船舶に設置され、自船の周囲に電磁波を送受信し、他船等の物標を探知する装置である。
【0014】
図1(A)において、レーダ装置は、アンテナ11、受信部12、A/D変換器13、スイープメモリ14、相関処理部15、物標検出部16、信号処理部17、画像処理部18、および表示器19を備えている。
【0015】
アンテナ11は、自船の周囲の各方位に電磁波を送信し、エコー信号を受信する。受信部12は、アンテナ11で受信したエコー信号のレベルに応じた値をA/D変換器13に出力する。A/D変換器13は、入力されたアナログ値のエコー信号をデジタル変換し、スイープメモリ14に出力する。
【0016】
スイープメモリ14は、1スキャン分(自船の周り360度分)の測定データを記憶する。各測定データは、極座標系の各地点(方位および距離)と対応付けられたサンプルデータとして記憶される。
【0017】
相関処理部15は、スイープメモリ14から入力される最新のサンプルデータと、同じ地点の過去(1スキャン前)のサンプルデータとの相関を求め、新たなサンプルデータとして出力するスキャン相関処理を行う。スキャン相関処理は、例えば、各地点におけるサンプルデータを重み付け加算する処理である。
【0018】
物標検出部16は、スイープメモリ14から入力されるサンプルデータに基づいて各地点の物標の有無を検出する。物標検出部16は、各サンプルデータの値が所定の閾値を超える場合に物標が存在すると判定し、2値の判定結果(閾値を超える場合に1、閾値以下である場合に0)を出力する。
【0019】
なお、閾値は、自船(アンテナ)からの距離に応じて変更することが望ましい。特に、注目地点のサンプルデータのレベル、注目地点に近接する地点のうち自船に近い地点のレベル、および現時点で設定されている閾値の大小関係の結果に基づいて、注目地点の閾値を更新しながら物標検出処理を行うことが望ましい。
【0020】
信号処理部17は、スキャン相関処理後のサンプルデータのレベル調整処理(強調処理)を行う。
【0021】
画像処理部18は、信号処理部17の出力するレベル調整後のサンプルデータを入力し、自船の位置を原点とした直交座標系に変換し、表示器19に出力する。この直交座標系に変換されたサンプルデータが表示器19の各画素輝度値となる。したがって、表示器19には、エコー信号のレベルに応じた輝度を有する画像が表示される。
【0022】
ここで、物標の移動速度が速い場合、スキャン毎の物標の位置が大きく変化するため、スキャン相関処理において同じ地点の重み付け加算を行うと、スキャン相関後のサンプルデータのレベルが低下する場合がある。そこで、本実施形態では、物標検出部16において物標を検出した場合、検出した地点のスキャン相関後のサンプルデータを、信号処理部17においてレベル調整することで、高速移動する物標のエコー信号がスキャン相関によって弱まることを防止するものである。
【0023】
以下、物標検出部16および信号処理部17の処理について具体的に説明する。図1(B)は、信号処理部17の具体的な構成を示す機能ブロック図である。信号処理部17は、機能的に、バッファ171、バッファ172、強調制御決定部173、およびレベル調整部174を備えている。これら構成部は、ハードウェアで実現してもよいし、ソフトウェア(コンピュータにより実行されるプログラム)で実現してもよい。
【0024】
バッファ171は、相関処理部15から出力されるサンプルデータを所定サンプル数だけ保持する。保持されるサンプル数は、レベル調整処理に必要なスイープ数(例えば5本程度)でよく、全スイープ分を保持する必要はない。
【0025】
バッファ172は、物標検出部16の物標検出結果を所定サンプル数だけ保持する。保持するサンプル数は、バッファ171と同数である。上述のように、物標検出部16は、各サンプルデータの値が、閾値を超える場合に1、閾値以下である場合に0の結果を出力するため、バッファ172には、図2に示すような複数スイープ(5スイープ)分の各距離の検出結果が保持される。
【0026】
強調制御決定部173は、バッファ172に保持されている検出結果を読み出し、読み出した検出結果に基づいて、レベル調整部174における強調処理を実行するか否かを示す信号(強調制御信号)を出力する。具体的には、強調制御決定部173は、図2に示すように、注目サンプルデータを含む前後5スイープ分の同じ距離の検出結果が所定の条件を満たした場合に強調処理を実行するよう指示する強調制御信号(強調制御信号Y=1とする。)をレベル調整部174に出力し、条件を満たしていない場合には強調処理を実行しないよう指示する強調制御信号(強調制御信号Y=0とする。)をレベル調整部174に出力する。
【0027】
図3は、物標検出結果と強調制御信号の関係を示す図である。強調制御決定部173は、読み出した5スイープ分の同じ距離の検出結果で同図に示すテーブルを参照することで、強調制御信号を変更する。例えば、注目スイープnと、2スイープ前(n−2)、1スイープ前(n−1)、1スイープ後(n+1)、および2スイープ後(n+2)の全ての検出結果が0(物標が存在しない結果)である場合、強調処理を実行しない強調制御信号Y=0を出力する。また、例えば注目スイープnと、スイープn+1の検出結果が1(物標が存在する結果)であり、他のスイープの検出結果が0(物標が存在しない結果)である場合、強調処理を実行する強調制御信号Y=1を出力する。ただし、例えば注目スイープnだけの検出結果が1(物標が存在する結果)である場合等は、干渉やノイズ等で突発的に高レベルのエコー信号が検出されたものとして、強調処理を実行しない強調制御信号Y=0を出力する。
【0028】
そして、レベル調整部174は、強調制御信号Y=1が入力された地点のサンプルデータのレベル調整を行う。ここで、レベル調整部174は、強調制御信号Y=1が入力された地点だけでなく、近接する地点のサンプルデータも含めてレベル調整を行う。
【0029】
図4は、強調制御信号とレベル調整量の関係を示す図である。図4(A)は、強調制御決定部173における強調制御信号、同図(B)は、レベル調整部174におけるレベル調整量(ゲイン)の例を示す図である。なお、図4(A)および同図(B)においては、説明のために注目スイープnのみ強調制御信号が1である場合のゲインの例を示すが、図3に示したように、注目スイープnのみが1である場合等は、強調処理を実行しないことが望ましい。
【0030】
レベル調整部174は、図4(A)および同図(B)に示すように、強調制御信号Y=1が入力された地点を中心としてガウス関数に基づく特性でレベル調整を行う。すなわち、レベル調整部174は、強調制御信号Y=1が入力された地点を中心としてゲインを最も高くし、この中心地点から離れるにしたがって徐々にゲインを下げる特性とする。これにより、ある地点だけ極端にエコー信号が強調されてしまうことを防止する。ただし、ガウス関数に限らず、強調制御信号Y=1が入力された地点を中心として、中心地点から離れるにしたがって滑らかにゲインが低下するような特性であればどの様な特性であってもよい。
【0031】
図4においては、1地点のみ強調制御信号Y=1であった例を示したが、最終的には、各地点で算出したガウス関数の特性を合成したレベル調整量でレベル調整を行うことが望ましい。図5は、レベル調整の例を示す図である。まず、同図(A)のようなサンプルデータ(入力信号の閾値を超える成分)が入力されたとして説明する。この例では、高速で移動する比較的大きい物標と、比較的小さい物標のエコー信号が入力されたものとする。
【0032】
この場合、強調制御決定部173は、同図(B)に示すように、閾値を超える成分が入力された地点について強調制御信号Y=1を出力する。同図(B)では、高速移動する比較的大きい物標に対応する5つの地点で連続して閾値を超える成分が入力され、比較的小さい物標に対応する1つの地点で強調制御信号Y=1を出力したものとして説明する。
【0033】
この場合、レベル調整部174は、同図(C)に示すように、強調制御信号Y=1が入力された各地点を中心としてガウス分布に基づくゲイン特性を算出する。そして、同図(D)に示すように、各地点で算出されたゲイン特性を合成し、最終的なゲイン特性を求める。すると、同図(E)に示すように、高速移動する比較的大きい物標については、スキャン相関後のエコー信号のレベルが低下しているが、同図(D)に示したように、合成した最終的なゲイン特性は、近接する5地点のゲインを合成したゲインでレベル調整がなされるため、強い強調処理がなされることになり、同図(F)に示すような強いエコー信号として出力されることになる。また、比較的小さい物標については、スキャン相関によってほとんどノイズレベル程度までエコー信号が弱められているが、レベル調整がなされた結果、物標が存在すると認識できるエコー画像が表示できる程度までエコー信号が強められている。
【0034】
このように、本実施形態のレベル調整では、近接した地点で連続して物標が検知されると、より強い強調処理がなされることになる。物標の大きさが大きいほどエコー信号は強くなるため、より物標の大きさをこの考慮した強調処理がなされることになる。
【0035】
なお、例えば、図6に示すように、強調制御信号が入力された地点だけスキャン相関前の入力エコー信号(ダイレクトパス信号と称する。)に切り替えて出力する態様も考えられるが、この場合、強調制御信号が入力された地点だけ異なる信号(極端に高レベルのエコー信号)が出力されるため、ある地点だけが強調されたエコー信号が出力されることになってしまう。しかし、本実施形態のレベル調整では、ガウス分布に応じたゲイン特性でレベル調整を行うため、ある地点だけ極端にエコー信号が強調されてしまうことを防止することができる。また、図6(A)に示すように、比較的小さい物標については、閾値を超える成分のレベルが低いため、同図(D)に示すように、切り替えるとしてもノイズ成分よりも低レベルの信号成分となってしまうため、強調することができない。この点、本実施形態のレベル調整では、閾値を超える成分の絶対的なレベルではなく、近接した地点で連続して検出されるにしたがってより強い強調を行う態様であるため、小さい物標についても強調することが可能である。
【0036】
図7は、レーダ装置の動作を示すフローチャートである。レーダ装置は、アンテナ11からエコー信号を入力する(s11)。入力したエコー信号は、受信部12でレベル検出処理がなされ、スイープメモリ14にサンプルデータとして記憶される(s12)。
【0037】
物標検出部16は、スイープメモリ14からサンプルデータを入力し、各サンプルデータの値が所定の閾値を超えるか否かによって、各地点の物標の有無を検出する(s13)。相関処理部15は、スイープメモリ14から最新のサンプルデータと過去のサンプルデータとの相関を求めるスキャン相関処理を行う(s14)。例えば、図5(A)に示したようなエコー信号(閾値を超える成分)が入力されたとすると、スキャン相関処理によって、図5(E)に示すようなエコー信号に変化する。この例では、高速で移動する比較的大きい物標についてはエコー信号のレベルが低下し、比較的小さい物標については、スキャン相関によってほとんどノイズレベル程度までエコー信号が弱められている。
【0038】
そして、強調制御決定部173は、複数スイープ(5スイープ)分の各距離の検出結果に基づいて、図5(B)に示したようにに強調制御信号を出力する(s15)。上述したように、強調制御決定部73は、注目サンプルデータを含む前後5スイープ分の同じ距離の検出結果を用いて、図3に示した様なテーブルを参照し、強調処理を実行するよう指示する強調制御信号Y=1、強調処理を実行しないよう指示する強調制御信号Y=0をレベル調整部174に出力する。
【0039】
レベル調整部174は、図5(C)に示したように、強調制御信号Y=1が入力された地点を中心としてガウス分布に基づくゲイン特性を算出する(s16)。さらに図5(D)に示したように、各地点で算出されたゲイン特性を合成し、最終的なゲイン特性を求める(s17)。そして、レベル調整部174は、強調処理を実行し(s18)、図5(F)に示したような強いエコー信号として出力される。
【0040】
図8(A)は、スキャン相関前のエコー信号に基づいてエコー画像を表示した場合のエコー画像の模式図である。同図(B)は、スキャン相関処理後のエコー信号に基づいてエコー画像を表示した場合のエコー画像の模式図である。同図(C)は、本実施形態のレベル調整を行った場合のエコー画像の模式図である。同図(B)に示すように、スキャン相関処理では、ノイズ等のランダムな成分が抑圧され、物標のエコーは強調されるが、中央に示す高速移動する物標(例えば30ノット程度で移動する高速船)については、エコー信号が弱められてしまう。しかし、同図(C)に示すように、レベル調整を行った結果、高速移動する物標のエコーについても他の物標と同様に強調されることとなっている。
【0041】
なお、上記実施形態では、強調制御信号Y=1が入力された各地点のレベル調整量(ゲイン)の算出値は同じとして説明したが、注目サンプルデータを含む前後5スイープ分の検出結果のパターン毎にレベル調整量を変更する態様であってもよい。例えば、5スイープ分の強調制御信号がすべて1(物標が存在する結果)である場合、比較的強い強調処理を行う。一方で、注目地点よりもアンテナに近い隣接地点のレベルが低く、逆に注目地点よりもアンテナに遠い隣接地点のレベルが高い場合(n−2が0、n−1が0、nが1、n+1が1、n+2が1である場合等)、物標の端部と推定することができるため、強調を弱めに設定する。
【符号の説明】
【0042】
11…アンテナ
12…受信部
13…A/D変換器
14…スイープメモリ
15…相関処理部
16…物標検出部
17…信号処理部
18…画像処理部
19…表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を所定領域に発射して物標で反射されたエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号が入力されるエコー信号入力部と、
前記所定領域内にある各地点からの前記エコー信号のそれぞれのレベルを検出するエコー信号レベル検出部と、
前記エコー信号のレベルに基づいて物標を検出する物標検出部と、
複数スキャンのスキャン相関処理を行う相関処理部と、
前記スキャン相関処理後のエコー信号のレベルを調整するレベル調整部と、
を備えた信号処理装置であって、
前記レベル調整部は、前記物標検出部が物標を検知した地点に対応するエコー信号のレベルを調整することを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号処理装置において、
前記レベル調整部は、前記物標検出部が物標を検知した地点に近接する地点のエコー信号を含めてレベル調整を行うことを特徴とする信号処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の信号処理装置において、
前記レベル調整部は、前記物標検出部が物標を検知した地点を中心としてガウス関数に基づく特性でレベル調整を行うことを特徴とする信号処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の信号処理装置において、
前記レベル調整部は、各地点を中心として算出したガウス関数に基づく特性を合成したレベル調整量でレベル調整を行うことを特徴とする信号処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の信号処理装置において、
前記物標検出部は、前記地点毎に物標の有無を検出し、
前記レベル調整部は、前記物標の検出の有無の地点毎のパターンが所定のパターンに該当した場合に前記レベル調整を行うことを特徴とする信号処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の信号処理装置において、
前記レベル調整部は、パターン毎にレベル調整量を変更することを特徴とする信号処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の信号処理装置において、
前記物標検出部は、前記エコー信号のレベルが所定の閾値を超える場合に物標が存在すると検出することを特徴とする信号処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の信号処理装置において、
前記物標検出部は、前記アンテナからの距離に応じて前記閾値を設定することを特徴とする信号処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8にいずれかに記載の信号処理装置と、
方位毎に電磁波を発射し、エコー信号を受信しながら回転するアンテナと、
前記レベル調整部がレベルを調整した後のエコー信号に基づいてエコー画像を表示するエコー画像表示手段と、を備えたレーダ装置。
【請求項10】
電磁波を所定領域に発射して物標で反射されたエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号が入力されるエコー信号入力ステップと、
前記所定領域内にある各地点からの前記エコー信号のそれぞれのレベルを検出するエコー信号レベル検出ステップと、
前記エコー信号のレベルに基づいて物標を検出する物標検出ステップと、
複数スキャンのスキャン相関処理を行う相関処理ステップと、
前記スキャン相関処理後のエコー信号のレベルを調整するレベル調整ステップと、
を備えた信号処理方法であって、
前記レベル調整ステップは、前記物標検出ステップで物標を検知した地点に対応するエコー信号のレベルを調整することを特徴とする信号処理方法。
【請求項11】
電磁波を所定領域に発射して物標で反射されたエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号が入力されるエコー信号入力ステップと、
前記所定領域内にある各地点からの前記エコー信号のそれぞれのレベルを検出するエコー信号レベル検出ステップと、
前記エコー信号のレベルに基づいて物標を検出する物標検出ステップと、
複数スキャンのスキャン相関処理を行う相関処理ステップと、
前記スキャン相関処理後のエコー信号のレベルを調整するレベル調整ステップと、
をコンピュータに実行させる信号処理プログラムであって、
前記レベル調整ステップは、前記物標検出ステップで物標を検知した地点に対応するエコー信号のレベルを調整することを特徴とする信号処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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