説明

信号処理装置および方法

【課題】プローブの移動量算出の精度を向上することができるようにする。
【解決手段】Aアレイ振動子は、従来のアレイ振動子に相当する1次元アレイ振動子である。Bアレイ振動子およびCアレイ振動子は、Aアレイ振動子の各振動子の配列方向と、Bアレイ振動子およびCアレイ振動子の各振動子の配列方向とが直交するように、Aアレイ振動子の短辺側の両端(図中左右両端)に接続されている。本開示は、例えば、超音波画像を撮影するプローブからの信号から、超音波画像を生成し、表示する信号処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号処理装置および方法に関し、特に、プローブの移動量算出の精度を向上することができるようにした信号処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像の撮影を行う超音波診断装置において、プローブの動きを検出することは、コンピュータ支援診断、組織形状や性状の測定、パノラマ画像生成、または3D再構成などの処理などにおいて、重要な役割を果たしている。
【0003】
プローブの動きの検出については、例えば、特許文献1において、2次元プローブで2つの走査面を構成し、プローブの動き検出と3次元動き再構成を行う方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2においては、互いに直交する1次元アレイ振動子によって、超音波プローブを形成し、超音波プローブの動き追跡を行う方法が提案されている。具体的には、それぞれのアレイプローブの配列方向を、それぞれx軸、z軸とし、ビーム方向をyとして、x軸、z軸方向の移動量を画像から計算して合成ベクトルを求めることで、xz平面の移動ベクトルが求められる。さらに、残りのどちらかの面において、y軸方向の移動量を算出すれば、結果、3次元の移動ベクトルを求めることができる。
【0005】
特許文献2に記載の方法は、組織(被写体)の動きを追跡する方法として定義されているが、この方法では、xz平面でのy軸の回転を検出することが困難である。
【0006】
なお、x軸およびz軸に関しては、それぞれの走査面における動きを、平面のアフィンパラメータ算出により検出することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−185333号公報
【特許文献2】特開2010−227603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、上述したいずれの従来の方法も、組織の3次元移動ベクトルの算出を目的としており、y軸の回転には対応していなかった。
【0009】
組織の場合、体内で検出可能な回転運動を起こすことは考えづらい。しかしながら、必要であるのは、プローブの動きベクトルを算出することであり、体表面でプローブが回転することは、十分に考えられる。よって、プローブの動き算出においてy軸の回転を検出することは、重要な処理である。
【0010】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、プローブの移動量算出の精度を向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一側面の信号処理装置は、第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子とを有するプローブと、前記プローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号を処理する信号処理部とを備える。
【0012】
前記第1のアレイ振動子に1次元配列される振動子の数は、前記第2のアレイ振動子に1次元配列される振動子の数より多い。
【0013】
前記第2のアレイ振動子は、前記第1のアレイ振動子の両端に設けられる。
【0014】
前記第2の走査面は、前記第1の走査面に直交している。
【0015】
前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部をさらに備えることができる。
【0016】
前記信号処理パラメータは、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の周波数である。
【0017】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の周波数を、前記第1のアレイ振動子への信号の周波数と異なる周波数となるように、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の周波数を制御することができる。
【0018】
前記信号処理パラメータは、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の送出タイミングである。
【0019】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子において、前記第1のアレイ振動子に1次元配列される振動子のうち信号が送出されている振動子に対して、離れて位置する振動子に対して信号を送出するように、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の送出タイミングを制御する。
【0020】
前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子への信号の送出方法である。
【0021】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の送出を平面波で行うように、前記第2のアレイ振動子への信号の送出方法を制御することができる。
【0022】
前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子への信号の送出のオン/オフである。
【0023】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の送出をオフするように、前記第2のアレイ振動子への信号の送出のオン/オフを制御することができる。
【0024】
前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子の被写体に接触する側には、前記第1のアレイ振動子の配列方向に交差する方向に対してビームフォーカスするためのレンズ形状の層が設けられ、前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子に対する前記レンズ形状の層による遅延量であり、前記制御部は、前記遅延量に基づき、前記第2のアレイ振動子への信号の送信タイミングを制御することができる。
【0025】
前記信号処理部により信号処理された信号を用いて、前記プローブの移動量を算出する移動量算出部をさらに備えることができる。
【0026】
前記プローブの移動量は、前記第1のアレイ振動子を構成する振動子が1次元配列される面における移動量と、前記面に直交する軸の回転角である。
【0027】
前記移動量算出部は、前記信号処理部により信号処理された信号を用いて画像を再構成し、画像マッチングすることで、前記プローブの移動量を算出することができる。
【0028】
前記移動量算出部は、前記画像マッチングとして、前記第1の走査面上における、前記第2の走査面とそれぞれの交点での移動量を算出することにより、前記プローブの移動量を算出することができる。
【0029】
前記移動量算出部は、前記信号処理部により信号処理された信号を用いて、各信号の位相変化量を算出することで、前記プローブの移動量を算出することができる。
【0030】
本開示の一側面の信号処理方法は、第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子とを有するプローブを備える信号処理装置が、前記プローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号を処理する。
【0031】
本開示の一側面においては、第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子とを有するプローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号が処理される。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、プローブの移動量算出の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来のプローブの構成例を示すブロック図である。
【図2】本技術を適用したプローブの構成例を示す図である。
【図3】アレイ振動子の画像面を説明する図である。
【図4】本技術を適用した超音波画像診断装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】超音波画像診断装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図6】プローブ内の音響レンズについて説明する図である。
【図7】音響レンズのx軸方向への影響を説明する図である。
【図8】音響レンズのz軸方向への影響を説明する図である。
【図9】超音波画像診断装置におけるプローブの移動量の算出を説明する図である。
【図10】本技術の2次元アレイプローブへの適用を説明する図である。
【図11】超音波画像診断装置の超音波信号処理を説明するフローチャートである。
【図12】プローブの移動量算出処理を説明するフローチャートである。
【図13】プローブの各アレイ振動子についての送信タイミングの制御を説明する図である。
【図14】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(プローブ)
2.第2の実施の形態(超音波画像診断装置)
3.第3の実施の形態(BF制御処理)
4.第4の実施の形態(コンピュータ)
【0035】
<第1の実施の形態>
[従来のプローブの構成例]
本技術のプローブの説明に先立ち、本技術と比較するため、図1を参照して、従来のプローブについて説明する。
【0036】
図1に示されるプローブ11は、例えば、1次元アレイのリニアプローブである。プローブ11は、被写体(生体;例えば、皮膚)などに押しつけられる部位であり、被写体と接する側に、複数の振動子が配列されるアレイ振動子21を備えている。振動子は、超音波のトランスデューサであり、直方体に形成されている。すなわち、アレイ振動子21は、複数の振動子が、各振動子の短辺がプローブ11の長辺11Lに沿うように並んで(配列して)構成されている。
【0037】
図1の例において、y軸は、アレイ振動子21(プローブ11の短辺11S)における中心から出力される超音波のメインローブ(主極)の方向を示している。また、x軸は、プローブ11の長辺11Lに沿った方向(振動子の配列方向)であって、プローブ11のリニア走査方向を示している。なお、図示されていないが、z軸は、プローブ11の短辺11Sに沿った方向(配列方向に直交する直交方向)を示している。これ以降の図においても、x軸、y軸、およびz軸は、図1における定義と同じ定義で用いられる。
【0038】
また、プローブ11の下側(y軸の正方向側)は、被写体と接する側であり、プローブ11の下側には、走査線L1乃至Lnからなる走査面22が示されている。
【0039】
プローブ11においては、図中左の走査線L1を作るために、例えば、アレイ振動子21の左から1番目乃至8番目の振動子からの超音波ビームB1が打ち出される。リニア走査方向順に次の走査線L2を作るために、例えば、アレイ振動子21の左から2番目乃至9番目の振動子からの超音波ビームB2が打ち出される。リニア走査方向順に次の走査線L3を作るために、例えば、アレイ振動子21の左から3番目乃至10番目の振動子からの超音波ビームB2が打ち出される。
【0040】
そして、打ち出された超音波ビームB1が被写体に反射した反射波を、1番目乃至8番目の振動子が受けて、信号処理することで、走査線L1が生成される。打ち出されたビームB2が被写体に反射した反射波を、2番目乃至9番目の振動子が受けて、信号処理することで、走査線L2が生成される。打ち出されたビームB3が被写体に反射した反射波を、3番目乃至10番目の振動子が受けて、信号処理することで、走査線L3が生成される。
【0041】
このようにして、リニア走査方向順に、超音波ビームが打ち出される振動子であって、反射波を受ける振動子が、少しずつずれていくことで、プローブ11においては、走査線L1乃至Lnからなる走査面22において画像を再構成することができる。
【0042】
なお、図1の例においては、アレイ振動子21に配列される13の振動子が示されているが、模式的に示したものであり、アレイ振動子21は、例えば、64個、96個、または128個の振動子で構成されることが多い。
【0043】
また、図1の例においては、プローブ11が、リニアプローブで構成される例を説明したが、これから説明する本技術は、リニアプローブに限定されず、1次元アレイのプローブであれば、コンベックスやセクタプローブで構成することもできる。
【0044】
[本技術のプローブの構成例]
図2は、本技術を適用したプローブの構成例を示す図である。
【0045】
図2に示されるプローブ51は、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、Cアレイ振動子63を含むように構成される。なお、図2の例においては、プローブ51を構成するアレイ振動子のみしか示されていないが、これらのアレイ振動子は、基本的に、上述した図1のプローブ11と同じ筐体内に設けられる。
【0046】
Aアレイ振動子61は、図1のアレイ振動子21に相当する1次元アレイ振動子である。Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63は、Aアレイ振動子61の各振動子の配列方向と、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63の各振動子の配列方向とが直交するように、Aアレイ振動子61の短辺側の両端(図中左右両端)に接続されている。
【0047】
すなわち、Aアレイ振動子61の各振動子は、図1のプローブ11におけるアレイ振動子21と同様に、プローブ51の長辺51Lに沿って配列している。これに対して、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63の各振動子は、プローブ51の短辺51Sに沿って配列している。
【0048】
このように、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63が、プローブ51の回転の接線方向に配向するように設けられるので、後述する動き検出と回転検出とを容易行うことができる。
【0049】
ここで、プローブ51の長辺51Lの長さは、(Bアレイ振動子62の各振動子の長辺の長さ)+(Aアレイ振動子61の配列方向の長さ)+(Cアレイ振動子63の各振動子の長辺の長さ)を含む長さとなる。プローブ51の短辺51Sの長さは、(Aアレイ振動子61の各振動子の長辺の長さ)、並びに(Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63の配列方向の長さ)を含む長さとなる。
【0050】
また、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63の配列方向の長さは、Aアレイ振動子61の配列方向の長さよりも短い。各アレイ振動子を構成する振動子の形状は基本的に同じとされる。すなわち、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63に配列される振動子数(n)は、Aアレイ振動子61に配列される振動子数(m)よりも少ない。
【0051】
このように、Bアレイ振動子62とCアレイ振動子63は、配列数およびプローブ11に設置される向きが異なるだけであり、その他の構成は、Aアレイ振動子61と基本的に同様である。
【0052】
なお、図2の例において、Bアレイ振動子62とCアレイ振動子63に配列される振動子数が同じnである場合が示されているが、Bアレイ振動子62とCアレイ振動子63に配列される振動子数は、Aアレイ振動子61の数より少なければ、異なる数であってもよい。
【0053】
また、プローブ51を構成する振動子の種類、物性、目止材など物理的な構成や特性に関しては、限定されない。
【0054】
以上のように構成されるプローブ51においては、図3に示されるように、3つの走査面において画像を再構成することが可能である。
【0055】
[アレイ振動子の画像面の例]
図3は、各アレイ振動子の画像面を示す図である。
【0056】
図3の例においては、図中、右方向が、x軸の正方向であり、上方向がz軸の正方向であり、左下手前方向が、y軸の正方向である。そして、プローブ51の長辺51Lに沿った方向(Aアレイ振動子61の配列方向)のx軸と、プローブ51の短辺51Sに沿った方向(Bアレイ振動子62、Cアレイ振動子63の配列方向)のz軸とからなるzx平面に垂直に、A平面71、B平面72、およびC平面73が示されている。
【0057】
すなわち、A平面71は、Aアレイ振動子61に配列される振動子の長辺の中心に位置し、xy平面に対して平行な走査面であって、zx平面に対して垂直な走査面に再構成される画像面である。
【0058】
B平面72は、Bアレイ振動子62に配列される振動子の長辺の中心に位置し、yz平面に対して平行な走査面であって、zx平面に対して垂直な走査面に再構成される画像面である。
【0059】
C平面73は、Cアレイ振動子63に配列される振動子の長辺の中心に位置し、yz平面に対して平行な走査面であって、xz平面に対して垂直な走査面に再構成される画像面である。
【0060】
すなわち、B平面72およびC平面73は、互いに平行な平面であり、A平面71に対してそれぞれ垂直な平面である。
【0061】
以上のように、プローブ51においては、B平面72およびC平面73が、互いに平行な平面となり、A平面71に対してそれぞれ垂直な平面となるように、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63が設けられている。
【0062】
なお、このように3つの走査面ができるように構成されるプローブ51を、以下、3プレーンプローブとも称する。
【0063】
<第2の実施の形態>
[超音波画像診断装置の構成例]
次に、図2乃至図3を参照して上述したプローブ51を備える超音波画像診断装置について説明する。
【0064】
図4は、本技術を適用した信号処理装置としての、超音波画像診断装置の構成例を示すブロック図である。
【0065】
図4に示される超音波画像診断装置81は、図2乃至図3を参照して上述したプローブ51を備え、超音波を用いて被写体の内部の画像(すなわち、超音波画像)を撮影し、表示する装置である。超音波画像診断装置81は、例えば、医療用として患者の身体の内部や胎児などの撮影に用いられたり、工業用として製品の内部の断面などの撮影に用いられたりする。
【0066】
超音波画像診断装置81は、プローブ51、T/Rスイッチ91、送信BF(ビームフォーミング)部92、受信BF部93、BF制御部94、信号処理部95、および表示部96を含むように構成されている。
【0067】
プローブ51は、図2乃至図3を参照して上述したように、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63を含むように構成されている。
【0068】
Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63は、それぞれ、T/Rスイッチ91からの超音波信号に基づいて、被写体に対して超音波ビームを送出する。また、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63は、それぞれ、被写体からの反射波を受信し、受信した信号を、T/Rスイッチ91に供給する。
【0069】
T/Rスイッチ91は、超音波信号の送信と受信とを切り替えるスイッチである。T/Rスイッチ91は、送信BF部92からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、またはCアレイ振動子63に供給する。T/Rスイッチ91は、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、またはCアレイ振動子63からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93に供給する。
【0070】
送信BF部92は、BF制御部94からの制御のもと、超音波信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91に供給する。
【0071】
受信BF部93は、T/Rスイッチ91から受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後の信号を、信号処理部95に供給する。
【0072】
受信ビームフォーミング処理とは、具体的には、測定領域内の対象点からプローブ51内の各振動子までの距離に基づいて、各振動子の受信波の各々を遅延させた各信号を加算する処理(以下、整相加算処理と適宜称する)によって受信波の位相をそろえ、測定領域内の対象点からの反射波の強度を示す反射波検出信号(以下、RF信号と称する)を生成する処理である。
【0073】
BF制御部94は、送信BF部92による送信ビームフォーミング処理および受信BF部93による受信ビームフォーミング処理を制御する。
【0074】
なお、送信ビームフォーミング処理で生成される超音波信号は、各アレイ振動子からのビーム送出タイミング(動作させる振動子や振動子数)、送出周波数、および送出方法などのパラメータを一意に決定するものである。
【0075】
換言するに、送信BF部92は、各アレイ振動子からのビーム送出タイミング(動作させる振動子や振動子数)、送出周波数、および送出方法などのパラメータを一意に決め、決めたパラメータの組み合わせで、超音波信号を生成する。
【0076】
したがって、BF制御部94は、送信BF部92の送信ビームフォーミング処理を制御することで、各アレイ振動子からのビーム送出タイミング(動作させる振動子や振動子数)、送出周波数、および送出方法などの信号処理のパラメータを制御(変更)する。
【0077】
BF制御部94は、受信BF部93による受信ビームフォーミング処理を行う際の、例えば、受信フォーカスの点数、およびRF信号のサンプリング周波数などの信号処理のパラメータを制御する。なお、BF制御部94による信号処理のパラメータ制御方法については、後述される。
【0078】
また、図4に示されるプローブ51においては、図1を参照して上述した従来のプローブ11と同様の1次元アレイプローブとして使用することも可能である。その場合、BF制御部94は、送信BF部92を制御し、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63に向けた送信ビームフォーミングを禁止させる。
【0079】
これにより、T/Rスイッチ91も、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63に信号を伝達しない。したがって、図示せぬ出力超音波および内部信号処理(D/A変換など)が、通常の1次元プローブとして行われ、従来のプローブ11と互換性を保つことができる。すなわち、ここでいう互換性とは、使用者が、プローブ51を、従来のプローブ11と同じように使用しても、操作性や性能に違いがないことを意味する。
【0080】
信号処理部95は、受信BF部93により生成されたRF信号の処理を行い、主に画像化のための処理を行い、画像化された信号(すなわち、画像信号)を、表示部96に供給する。
【0081】
表示部96は、信号処理部95から供給された画像信号に対応する画像を表示する。
【0082】
なお、図4の例においては、本技術に直接関連のない機能ブロックは省略されている。
【0083】
[超音波画像診断装置の詳細な構成例]
図5は、図4の超音波画像診断装置のさらに詳細な構成例を示している。なお、図5の例において、送信BF部92−1乃至92−3には、同じハッチが付されている。これは、それらが送信BF部92に含まれることを示している。また、同様に、受信BF部93−1乃至93−3には、同じハッチが付されている。これは、それらが受信BF部93に含まれることを示している。
【0084】
すなわち、図5の例において、T/Rスイッチ91は、T/Rスイッチ91−1乃至91−3を含むように構成されている。送信BF部92は、送信BF部92−1乃至92−3を含むように構成されている。受信BF部93は、受信BF部93−1乃至93−3を含むように構成されている。信号処理部95は、RF信号処理部95−1、画像変換処理部95−2、および画像処理部95−3を含むように構成されている。
【0085】
T/Rスイッチ91−1、送信BF部92−1、および受信BF部93−1は、Bアレイ振動子62に対応している。すなわち、T/Rスイッチ91−1は、送信BF部92−1からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、Bアレイ振動子62に供給する。T/Rスイッチ91−1は、Bアレイ振動子62からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93−1に供給する。
【0086】
送信BF部92−1は、BF制御部94からの制御のもと、Bアレイ振動子62から送出される超音波ビームの信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91−1に供給する。受信BF部93−1は、T/Rスイッチ91−1からのBアレイ振動子62が受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後のRF信号を、RF信号処理部95−1に供給する。
【0087】
T/Rスイッチ91−2、送信BF部92−2、および受信BF部93−2は、Aアレイ振動子61に対応している。すなわち、T/Rスイッチ91−2は、送信BF部92−2からの超音波信号をを受信し、受信した超音波信号を、Aアレイ振動子61に供給する。T/Rスイッチ91−2は、Aアレイ振動子61からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93−2に供給する。
【0088】
送信BF部92−2は、BF制御部94からの制御のもと、Aアレイ振動子61から送出される超音波ビームの信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91−2に供給する。受信BF部93−2は、T/Rスイッチ91−2からのAアレイ振動子61が受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後のRF信号を、RF信号処理部95−1に供給する。
【0089】
T/Rスイッチ91−2、送信BF部92−2、および受信BF部93−2は、Aアレイ振動子61に対応している。すなわち、T/Rスイッチ91−2は、送信BF部92−2からの超音波信号をを受信し、受信した超音波信号を、Aアレイ振動子61に供給する。T/Rスイッチ91−2は、Aアレイ振動子61からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93−2に供給する。
【0090】
送信BF部92−3は、BF制御部94からの制御のもと、Cアレイ振動子63から送出される超音波ビームの信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91−3に供給する。受信BF部93−3は、T/Rスイッチ91−3からのCアレイ振動子63が受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後のRF信号を、RF信号処理部95−1に供給する。
【0091】
RF信号処理部95−1は、受信BF部93−1乃至93−3からのRF信号に対して、信号処理を行い、信号処理されたRF信号を、画像変換処理部95−2に供給する。画像変換処理部95−2は、RF信号処理部95−1からのRF信号を、画像信号に変換する処理を行う。画像変換処理部95−2は、変換された画像信号を、画像処理部95−3に供給する。
【0092】
画像処理部95−3は、画像変換処理部95−2からの画像信号を用いて、信号処理を行う。画像処理部95−3は、信号処理の1つの処理として、プローブ51の移動量を算出することで、プローブ51の移動量と回転角を求める。画像処理部95−3は、求まったプローブ51の移動量と回転角を参照して、例えば、画像のスイッチングによるパノラマ化(広視野角化)や、ボリュームデータ化を行って、超音波画像を生成し、生成した超音波画像を、表示部96に供給する。
【0093】
[プローブ内の音響レンズ]
図6は、プローブ51内におけるAアレイ振動子61の被写体に接触する側の内部構造を示している。なお、図6の例においては、図中、上方向がy軸の正方向であり、プローブ51が被写体に接触する側である。また、図中、右方向がx軸の正方向であり、斜め左方向がz軸の正方向である。
【0094】
図6に示されるAアレイ振動子61の上側、すなわち、被写体に接触する側には、音響整合層101が積層され、音響整合層101上には、音響レンズ102が積層されている。また、Aアレイ振動子61の下には、パッキング材103が設けられている。すなわち、Aアレイ振動子61は、パッキング材103上に積層されている。
【0095】
音響レンズ102は、プローブ51の短辺51Sに沿って、光を集約するようなレンズ形状となっており、その形状により、Aアレイ振動子61における、プローブ51の短辺51Sに沿った方向(z軸方向)のビームフォーカスを実現している。そして、音響レンズは、プローブ51において、Aアレイ振動子61の左右両端に設けられるBアレイ振動子62およびCアレイ振動子63(点線)に対しても、このレンズ形状をそのままx軸の正負の方向に延長するように形成されている。
【0096】
例えば、図6に示されるプローブ51の短辺51Sの中心において、図中上から下に(xy平面で)切った断面における音響レンズ102の形状は、図7に示されるように、平坦な長方形で表わされる。
【0097】
このため、Aアレイ振動子61のx軸方向のビームフォーミングにおいては、Aアレイ振動子61から放たれた合成波面111Aは、図7に示される合成波面111Bとして、形を変えずに音響レンズ102から出力される。したがって、このような場合、音響レンズ102の効果は、無視することが可能である。
【0098】
これに対して、例えば、図6に示されるプローブ51の長辺51Lのいずれかの位置ににおいて、図中上から下に(yz平面で)切った断面における音響レンズ102は、図8に示されるように、レンズ形状になっている。このため、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63のz軸方向のビームフォーミングにおいて、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63から放たれた合成波面113Aは、図8に示される合成波面113Bのように、音響レンズ102の影響を受けてしまう。すなわち、合成波面113Bは、音響レンズ102のレンズ効果でRがきつくなるほうへ変化し、図7の合成波面111Bの場合の焦点112より近傍で焦点114を結んでしまう。
【0099】
したがって、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63からのビーム送出の際には、音響レンズ102の効果を踏まえた上で、ビームフォーミングのための遅延量計算などを行う必要がある。とは言え、ビームフォーミングのための遅延量計算において、この違いを加味しておくことが必要なだけであり、実際の遅延量計算の処理量の増大や処理速度の低下につながることはない。
【0100】
[プローブの移動量算出処理の例]
一般的にある平面の平面上の座標変換を考えた場合、平行移動(x方向、y方向、スケーリング、および回転(y軸中心)の自由度がある。人体の体表上を動くプローブ51の接地面と、人体の体表上を平面と捉えた場合、スケーリングは考える必要がないため、実際には、平行移動(x方向、z方向)と回転(y軸中心)のみがわかればよい。
【0101】
平行移動のパラメータを算出する場合、最低1点の動き(Δx、Δz)を知っていればよいが、回転角を算出する場合、最低2点の動きを知る必要がある。上述したように、特許文献2に記載の直交する2平面をもとにした検出方法では、対応点1つの移動量しか求めることができなかった。
【0102】
これに対して、プローブ51においては、図9に示されるように、A平面71、B平面72、およびC平面73が、体表上に2つの交点(交点ABおよび交点AC)ができるように配置されている。
【0103】
図9は、例えば、図3のA平面71、B平面72、およびC平面73をy軸方向から見たときの配置例を表している。図9の例においては、A平面71に対して、B平面72およびC平面73が直交し、zx平面上に、A平面71およびB平面72の交点AB、並びに、A平面71およびC平面73の交点ACができるように配置されている。
【0104】
したがって、画像処理部95−3は、zx平面上における交点ABおよび交点ACの移動量を算出することができ、これにより、y軸中心の回転角を算出することができる。
【0105】
なお、図9の例においては、望ましくは、A平面71と、B平面72およびC平面73とが直交している例が示されているが、直交が必須ではなく、A平面71と、B平面72およびC平面73とが交差していれば(平行でさえなければ)よい。また、B平面72とC平面73とが平行であるが、平行でなくてもよい。
【0106】
画像処理部95−3は、各走査面で再構成された画像(Bモード画像ともいう)を用いて、プローブ51の移動量を推定する。このプローブ51の移動量の推定方法は、画像の動き検出方法と基本的に同様である。すなわち、ある時間tと、次のフレームt+Δtとにおいて、それぞれ再構成された画像間で、特徴点のマッチングやブロックマッチングなどの手法を用いて画像面全体の画像面上での交点ABおよび交点ACの移動量が算出される。
【0107】
超音波画像は、プローブ51の物理的特徴量(振動子ピッチ、開口径など)、超音波の物理的特徴量(周波数、音速など)、受信後の信号処理(AD変換の周波数など)によって定義される。したがって、画像上の移動量(ピクセル数)を実際の体内の移動量(mmなどの距離単位)に容易に変換が可能である。
【0108】
再構成画像は、A平面71の場合、xy平面となり、B平面72およびC平面73の場合、yz平面となるが、得られた移動量のうち、y方向の移動量は、その後の座標変換パラメータ算出においては使用されない。すなわち、図9に示される交点ABについて(xt,zbt)および(xt+Δt,zbt+Δt)、交点ACについて(xt,zct)および(xt+Δt,zct+Δt)がそれぞれ求められる。
【0109】
これらの関係を、ヘルマート変換式に当てはめ、展開していくことで、プローブ51の移動量(x0,z0)および回転角θを求めることができる。ヘルマート変換式は、次の式(1)で表わされる。

x' = x cosθ - z sinθ + x0
z' = x sinθ + z cosθ + z0
・・・(1)
【0110】
なお、上述した移動量の算出方法は、図10に示されるような2次元配列された振動子からなる2次元アレイプローブを使用している場合にも適用することができる。図10に示される各格子が振動子を表している。
【0111】
2次元アレイプローブに適用する場合には、本開示の3つの走査平面を有するプローブ51のように、A平面71、B平面72、C平面73を、それぞれ配置する方法でもよいし、B平面72とC平面73との間に、点線で示されるD平面121を追加してもよい。
【0112】
また、B平面72、C平面73、D平面121は、それぞれA平面71とxz平面で直交していることが望ましいが、A平面71と平行でさえなければ、上述した移動量の算出方法を適用することができる。また、図10の例において、B平面72、C平面73、D平面121の位置関係は、一例であり、図10の通りである必要はない。例えば、B平面72、C平面73が検出範囲の両端にあることが望ましいが、必須ではない。
【0113】
以上のように、第1の実施の形態で上述したプローブ51と、第2の実施の形態で上述した超音波画像診断装置81によるプローブ51についての信号処理方法によって、プローブ51の動き(移動パラメータ)を算出することが可能となる。
【0114】
なお、上記説明においては、画像を再構成した後、画像マッチングで移動量を求める方法を説明したが、画像を再構成する前のRF信号の段階で、RF信号の信号処理により移動量を求め、それを基にプローブ51の移動量を算出することも可能である。この場合、RF信号処理部95−1がその算出処理を行い、移動量(この場合、位相変化量)が算出される。
【0115】
[超音波画像診断装置による処理]
次に、図11のフローチャートを参照して、超音波画像診断装置81の超音波信号処理について説明する。
【0116】
ステップS21において、送信BF部92は、BF制御部94からの制御のもと、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63に対して、送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91に供給する。
【0117】
すなわち、送信BF部92−1は、BF制御部94からの制御のもと、Bアレイ振動子62から送出される超音波ビームの信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91−1に供給する。T/Rスイッチ91−1は、送信BF部92−1からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、Bアレイ振動子62に供給する。
【0118】
送信BF部92−2は、BF制御部94からの制御のもと、Aアレイ振動子61から送出される超音波ビームの信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91−2に供給する。T/Rスイッチ91−2は、送信BF部92−2からの超音波信号をを受信し、受信した超音波信号を、Aアレイ振動子61に供給する。
【0119】
送信BF部92−3は、BF制御部94からの制御のもと、Cアレイ振動子63から送出される超音波ビームの信号(波形)を生成する処理である送信ビームフォーミング処理を行い、送信ビームフォーミング処理後の信号を、T/Rスイッチ91−3に供給する。T/Rスイッチ91−3は、送信BF部92−3からの超音波信号をを受信し、受信した超音波信号を、Cアレイ振動子63に供給する。
【0120】
ステップS22において、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63は、それぞれ、T/Rスイッチ91からの超音波信号に基づいて、被写体に対して超音波ビームを送出する。
【0121】
ステップS23において、T/Rスイッチ91は、例えば、内蔵するスイッチの位置を送信BF部92側から受信BF部93側に切り替えることにより送受信を切り替える。
【0122】
すなわち、T/Rスイッチ91−1は、例えば、内蔵するスイッチの位置を送信BF部92−1側から受信BF部93−1側に切り替えることにより送受信を切り替える。T/Rスイッチ91−2は、例えば、内蔵するスイッチの位置を送信BF部92−2側から受信BF部93−2側に切り替えることにより送受信を切り替える。T/Rスイッチ91−3は、例えば、内蔵するスイッチの位置を送信BF部92−3側から受信BF部93−3側に切り替えることにより送受信を切り替える。
【0123】
ステップS24において、Aアレイ振動子61、Bアレイ振動子62、およびCアレイ振動子63は、ステップS22において送信された超音波ビームに対応する反射波を受信する。
【0124】
すなわち、Bアレイ振動子62は、受信した反射波に対応する超音波信号を、T/Rスイッチ91−1に供給する。T/Rスイッチ91−1は、Bアレイ振動子62からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93−1に供給する。Aアレイ振動子61は、受信した反射波に対応する超音波信号を、T/Rスイッチ91−2に供給する。T/Rスイッチ91−2は、Aアレイ振動子61からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93−2に供給する。Cアレイ振動子63は、受信した反射波に対応する超音波信号を、T/Rスイッチ91−3に供給する。T/Rスイッチ91−3は、Cアレイ振動子63からの超音波信号を受信し、受信した超音波信号を、受信BF部93−3に供給する。
【0125】
ステップS25において、受信BF部93は、T/Rスイッチ91から受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後の信号を、信号処理部95に供給する。
【0126】
すなわち、受信BF部93−1は、T/Rスイッチ91−1からのBアレイ振動子62が受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後のRF信号を、信号処理部95に供給する。受信BF部93−2は、T/Rスイッチ91−2からのAアレイ振動子61が受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後のRF信号を、信号処理部95に供給する。受信BF部93−3は、T/Rスイッチ91−3からのCアレイ振動子63が受信した信号に対して、BF制御部94からの制御のもと、受信ビームフォーミング処理を行い、受信ビームフォーミング処理後のRF信号を、信号処理部95に供給する。
【0127】
ステップS26において、信号処理部95は、受信ビームフォーミング処理後のRF信号の信号処理を行う。すなわち、RF信号処理部95−1は、受信BF部93−1乃至93−3からのRF信号に対して、信号処理を行い、信号処理されたRF信号を、画像変換処理部95−2に供給する。画像変換処理部95−2は、RF信号処理部95−1からのRF信号を、画像信号に変換する処理を行う。画像変換処理部95−2は、変換された画像信号を、画像処理部95−3に供給する。
【0128】
画像処理部95−3は、画像変換処理部95−2からの画像信号を用いて、信号処理の1つとして、プローブ51の移動量の算出処理を行う。このプローブ51の信号処理の1つの処理としての移動量算出処理は、図12を参照して後述される。
【0129】
プローブ51の移動量の算出処理により、プローブ51のzx平面における移動量とy軸の回転角が算出される。ステップS27において、画像処理部95−3は、ステップS26において算出された移動量と回転角を参照して、画像のスイッチングによるパノラマ化(広視野角化)や、ボリュームデータ化を行って、超音波画像を生成する。生成された超音波画像は、表示部96に供給される。
【0130】
ステップS28において、表示部96は、ステップS27において生成された超音波画像を表示する。
【0131】
[プローブの移動量算出処理]
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のステップS26における信号処理の1つの処理としてのプローブの移動量算出処理について説明する。
【0132】
ステップS51において、画像処理部95−3は、A平面71、B平面72、およびC平面73、それぞれの直前の画像と現在の画像を用いて動き推定を行う。すなわち、画像処理部95−3は、時間tと、次のフレームt+Δtとにおいて、それぞれ再構成された画像間で、特徴点のマッチングやブロックマッチングなどの手法を用いて画像面全体の画像面上での交点ABおよび交点ACの移動量を算出する。
【0133】
ステップS52において、画像処理部95−3は、画像上の交点ABと交点ACの座標を、実際の生体内での対応点の座標に変換する。
【0134】
ステップS53において、画像処理部95−3は、式(1)で示されるヘルマート変換式より、プローブ51の移動量(x0,z0)および回転角θを算出する。すなわち、画像処理部95−3は、変換された座標を、式(1)で示されるヘルマート変換に当てはめ、展開していくことで、プローブ51の移動量(x0,z0)および回転角θを求める。
【0135】
以上のように、3つの走査面を有する3プレーンプローブであるプローブ51と、超音波画像診断装置81によるプローブ51についての信号処理方法によって、プローブ51の動き(移動パラメータ)を算出することが可能となる。
【0136】
<第3の実施の形態>
[BF制御方法の例]
ところで、超音波画像診断装置81においては、B平面72およびC平面73を駆動させず、A平面71のみ駆動させる、つまり、プローブ51を、現状の1次元アレイプローブとして使用することも可能である。したがって、プローブ51は、現状の1次元アレイプローブとして使用される場合と、B平面72およびC平面73を駆動させて3プレーンプローブとして使用される場合とがある。
【0137】
このような2つの場合において、画像診断的に異なる結果をもたらすような画質の違いが生じることは望ましくない。
【0138】
一般的に、アレイプローブの電子スキャンを考えた場合、振動子数が増えることは、そのままフレームレートの低下につながる。すなわち、B平面72とC平面73をスキャンするということは、A平面71のフレームレートが犠牲になるということである。
【0139】
超音波画像診断装置81において、画像診断に用いるのは、あくまでも、A平面71の画像のみである。B平面72とC平面73は、図9を参照して上述したように、プローブ51の移動量を算出するために用いられる画像である。したがって、移動量が充分な精度で得られるなら、B平面72とC平面73についての主観的画質は問われない。
【0140】
そこで、以上の考え方をベースに、超音波画像診断装置81のBF制御部94においては、A平面71、B平面72、およびC平面73に送出される信号またはそれらの平面から受信される超音波信号の信号処理パラメータが制御される。
【0141】
具体的には、BF制御部94は、プローブ51を、3プレーンプローブとして使用するにあたり、BF送信部またはBF受信部で用いられる超音波信号の信号処理パラメータである、送出タイミング、送出周波数、およびビームフォーミングの制御を行う。
【0142】
まず、信号処理パラメータの第1の制御方法として、送出タイミングの制御について説明する。BF制御部94は、A平面71のスキャン動作を妨げることなく、同期してB平面72およびC平面73のスキャン動作を行う。
【0143】
BF制御部94は、A平面71のスキャン動作が行われているのと反対端の平面をスキャンさせる。すなわち、BF制御部94は、物理的に遠い振動子を同時に駆動させる。例えば、プローブ51が、図13に示される構造を有しており、スキャン動作の開口径が3素子であるとする。
【0144】
図13の例に示されるように、Aアレイ振動子61は、左から右の順に、0乃至8が付された振動子を含むように構成されている。また、Aアレイ振動子61の左に設けられるBアレイ素子62は、上から下に、9乃至12が付された振動子を含むように構成されている。Aアレイ振動子61の右に設けられるCアレイ振動子63は、上から下に、13乃至12が付された振動子を含むように構成されている。なお、実際には、各アレイ振動子は、図13に示される数以上の振動子を含むように構成される。
【0145】
このような構成の場合、BF制御部94は、Aアレイ振動子61の−1(図示せぬ)、0、1が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Cアレイ振動子63の13および14が付された振動子からビームが出るように制御する。
【0146】
BF制御部94は、Aアレイ振動子61の0、1、2が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Cアレイ振動子63の14および15が付された振動子からビームが出るように制御する。BF制御部94は、Aアレイ振動子61の1、2、3が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Cアレイ振動子63の15および16が付された振動子からビームが出るように制御する。BF制御部94は、Aアレイ振動子61の2、3、4が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Cアレイ振動子63の16および17(図示せぬ)が付された振動子からビームが出るように制御する。
【0147】
次に、BF制御部94は、Aアレイ振動子61の3、4、5が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Bアレイ振動子62の9および10が付された振動子からビームが出るように制御する。BF制御部94は、Aアレイ振動子61の4、5、6が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Bアレイ振動子62の10および11が付された振動子からビームが出るように制御する。BF制御部94は、Aアレイ振動子61の5、6、7が付された振動子から、ビームが出ているとき、同じタイミングで、Bアレイ振動子62の11および12が付された振動子からビームが出るように制御する。
【0148】
以上のように、物理的に遠いアレイ振動子を同時に駆動させることにより、相互の干渉を抑えて、かつ、Aアレイ振動子61からの再構成画像のフレームレートを下げることが防止される。
【0149】
次に、信号処理パラメータの第2の制御方法として、送出周波数の制御について説明する。Aアレイ振動子61については、A平面71について画像化された画像が用いられて画像診断が行われるため、診断目的に合致した周波数で超音波信号が送出される必要がある。なお、この周波数は、到達深度や、フレームレートに影響する。
【0150】
一方で、Aアレイ振動子61の左右端に配置されているBアレイ振動子62およびCアレイ振動子63については、画像化は行われる。しかしながら、B平面72について画像化された画像、およびC平面73について画像化された画像は、移動量算出のみに用いられ、画像診断には使われない。したがって、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63から送出される超音波信号の周波数は、ある程度、自由に設定することが可能である。
【0151】
具体的には、例えば、Aアレイ振動子61についての送信周波数帯域が、7.5MHz乃至10MHzであるとすると、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63についての送信周波数帯域は、10MHzより高く設定することで、周波数の混信を防ぐことができる。なお、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63についての送信周波数帯域を、7.5MHzより低く設定してもよい。この場合も、周波数の混信を防ぐことができる。
【0152】
さらに、信号処理パラメータの第3の制御方法として、ビームフォーミングの制御について説明する。BF制御部94は、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63については、ビームの送出を平面波で行う。すなわち、Aアレイ振動子61については、通常のように、電子スキャンを行った手法が採用されるが、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63については、電子スキャンを行わない手法が採用される。
【0153】
これにより、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63からのビーム送出回数が抑えられるため、上述した第1の制御方法での距離による信号分離がより有効に働くようになる。
【0154】
なお、上述した信号処理パラメータの第1乃至第3の制御方法のうち、最も有効とされる方法は、第2の制御方法であるが、信号処理パラメータの第1乃至第3の制御方法をすべて制御するようにしてもよい。すなわち、上述した様々なパラメータを複合的に制御することにより、A平面71への画質の影響を抑える働きと、B平面72およびC平面73での移動量算出の精度向上に対して高い効果を得ることができる。
【0155】
なお、第1乃至第3の制御方法のすべての使用、または、1つずつの使用に限らず、第1乃至第3の制御方法のうち、いずれか2つを使用するようにしてもよい。
【0156】
以上のように、本技術によれば、従来の2次元プローブよりも全体の素子数を抑えることができるので、製造コストおよび信号処理コストを下げることができる。
【0157】
例えば、128素子の1次元プローブと、同等の画質を2次元プローブで実現することを考えると、128素子×128素子が必要となる。一方、本技術の場合、配列方向と直交する直交方向の素子数、すなわち、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63の素子数を、例えば、16とすると、128+16+16素子で実現可能である。
【0158】
ちなみに、16素子を直交方向に並べた1.5次元プローブを考えた場合の素子数は、128×16素子となる。振動子材料の加工なども考慮にいれると、1.5次元プローブや2次元プローブを製作する場合と比較して、本技術の場合のハードウエアのコストは、素子数以上に差が大きい。すなわち、本技術の場合、ハードウエアのコストは、低価格に抑えることができる。
【0159】
また、本技術によれば、通常の1次元プローブと殆ど変らない使用感で、2軸移動および1軸回転の変位を計測することが可能である。Aアレイ振動子61を少なめの素子数(例えば、96素子)で構成すれば、プローブ51の外観は、素子数の多い1次元アレイプローブ(例えば、128素子)そのものである。したがって、プローブ51において、Bアレイ振動子62およびCアレイ振動子63からビームを出さずに通常の画像診断を行う場合などは、従来と比して、その操作性に対して違和感がない。
【0160】
同様に、変位を測定する場合も、プローブの持ち替えなどは必要ない。実際、2次元プローブを1次元プローブとして使用することは少なく、この点を踏まえても、本技術の場合、コストの点で有利である。
【0161】
さらに、本技術によれば、フレームレートの低下を最小限に抑えることができる。すなわち、ビームの周波数や送受信を制御することで、A平面71の画質に影響を与えることなく、A平面71に交差する平面である、B平面72およびC平面73の画像を生成することができる。これにより、たとえ、B平面72やC平面73を用いた動作を行っていたとしても、通常のBモード画像による画像診断と同じ状況が再現可能である。
【0162】
また、本技術によれば、プローブ51の動きが精度よく検出される。これにより、位置提示やパノラマなどのアプリケーションの精度を向上させることができる。
【0163】
すなわち、プローブの位置情報を正確に把握する主な目的の1つは、画像のスイッチングによるパノラマ化(広視野角化)や、ボリュームデータ化である。
【0164】
従来の1次元プローブを使った方法では、長軸方向(x方向)の移動に対するスイッチングには、精度を出すことができたが、短軸方向(z方向)への拡張は困難であった。また、ボリュームデータ作成のためのプローブ接地面を軸に傾けるような手法も実用化されているが、このときの角度は固定(ある秒数でどの程度振ってくださいと指示がある)であったり、角度センサを取り付けた特殊システムを利用していた。
【0165】
角度センサを使った方式では、ある程度正確にボリューム再現が可能であるが、プローブの接地面は動かないため、表皮近くのボリュームは作成することができなかった。
【0166】
本技術によれば、プローブの動きが精度よく検出されるので、画像のスイッチングによるパノラマ化(広視野角化)や、ボリュームデータ化を、より正確に行うことができる。
【0167】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0168】
<第4の実施の形態>
[コンピュータの構成例]
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0169】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403は、バス404により相互に接続されている。
【0170】
バス404には、さらに、入出力インタフェース405が接続されている。入出力インタフェース405には、入力部406、出力部407、記憶部408、通信部409、およびドライブ410が接続されている。
【0171】
入力部406は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部407は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部408は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部409は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ410は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア411を駆動する。
【0172】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU401が、例えば、記憶部408に記憶されているプログラムを入出力インタフェース405及びバス404を介してRAM403にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0173】
コンピュータ(CPU401)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア411に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0174】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア411をドライブ410に装着することにより、入出力インタフェース405を介して、記憶部408にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部409で受信し、記憶部408にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM402や記憶部408に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0175】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0176】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、ブロック、手段などにより構成される全体的な装置を意味するものである。
【0177】
なお、本開示における実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0178】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有するであれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例また修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0179】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、
前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子と
を有するプローブと、
前記プローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号を処理する信号処理部と
を備える信号処理装置。
(2) 前記第1のアレイ振動子に1次元配列される振動子の数は、前記第2のアレイ振動子に1次元配列される振動子の数より多い
前記(1)に記載の信号処理装置。
(3) 前記第2のアレイ振動子は、前記第1のアレイ振動子の両端に設けられる
前記(1)または(2)に記載の信号処理装置。
(4) 前記第2の走査面は、前記第1の走査面に直交している
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の信号処理装置。
(5) 前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部を
さらに備える前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の信号処理装置。
(6) 前記信号処理パラメータは、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の周波数である
前記(5)に記載の信号処理装置。
(7) 前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の周波数を、前記第1のアレイ振動子への信号の周波数と異なる周波数となるように、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の周波数を制御する
前記(6)に記載の信号処理装置。
(8) 前記信号処理パラメータは、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の送出タイミングである
前記(5)に記載の信号処理装置。
(9) 前記制御部は、前記第2のアレイ振動子において、前記第1のアレイ振動子に1次元配列される振動子のうち信号が送出されている振動子に対して、離れて位置する振動子に対して信号を送出するように、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の送出タイミングを制御する
前記(8)に記載の信号処理装置。
(10) 前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子への信号の送出方法である
前記(9)に記載の信号処理装置。
(11) 前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の送出を平面波で行うように、前記第2のアレイ振動子への信号の送出方法を制御する
前記(10)に記載の信号処理装置。
(12) 前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子への信号の送出のオン/オフである
前記(5)に記載の信号処理装置。
(13) 前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の送出をオフするように、前記第2のアレイ振動子への信号の送出のオン/オフを制御する
前記(12)に記載の信号処理装置。
(14) 前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子の被写体に接触する側には、前記第1のアレイ振動子の配列方向に交差する方向に対してビームフォーカスするためのレンズ形状の層が設けられ、
前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子に対する前記レンズ形状の層による遅延量であり、
前記制御部は、前記遅延量に基づき、前記第2のアレイ振動子への信号の送信タイミングを制御する
前記(5)に記載の信号処理装置。
(15) 前記信号処理部により信号処理された信号を用いて、前記プローブの移動量を算出する移動量算出部を
さらに備える前記(1)乃至(14)のいずれかに記載の信号処理装置。
(16) 前記プローブの移動量は、前記第1のアレイ振動子を構成する振動子が1次元配列される面における移動量と、前記面に直交する軸の回転角である
前記(15)に記載の信号処理装置。
(17) 前記移動量算出部は、前記信号処理部により信号処理された信号を用いて画像を再構成し、画像マッチングすることで、前記プローブの移動量を算出する
前記(15)に記載の信号処理装置。
(18) 前記移動量算出部は、前記画像マッチングとして、前記第1の走査面上における、前記第2の走査面とそれぞれの交点での移動量を算出することにより、前記プローブの移動量を算出する
前記(17)に記載の信号処理装置。
(19) 前記移動量算出部は、前記信号処理部により信号処理された信号を用いて、各信号の位相変化量を算出することで、前記プローブの移動量を算出する
前記(15)に記載の信号処理装置。
(20) 第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、
前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子と
を有するプローブを備える信号処理装置が、
前記プローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号を処理する
信号処理方法。
【符号の説明】
【0180】
51 プローブ, 61 Aアレイ振動子, 62 Bアレイ振動子, 63 Cアレイ振動子, 71 A平面, 72 B平面, 73 C平面, 81 超音波画像診断装置, 91,91−1乃至91−3 T/Rスイッチ, 92,92−1乃至92−3 送信BF部, 93,93−1乃至93−3 受信BF部, 94 BF制御部, 95 信号処理部, 95−1 RF信号処理部, 95−2 画像変換処理部, 95−3 画像処理部, 96 表示部, 101 音響整合層, 102 音響レンズ, 103 パッキング材, 111A,111B 合成波面, 112 焦点, 113A,113B 合成波面, 114 焦点, 121 D平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、
前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子と
を有するプローブと、
前記プローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号を処理する信号処理部と
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記第1のアレイ振動子に1次元配列される振動子の数は、前記第2のアレイ振動子に1次元配列される振動子の数より多い
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記第2のアレイ振動子は、前記第1のアレイ振動子の両端に設けられる
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記第2の走査面は、前記第1の走査面に直交している
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部を
さらに備える請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記信号処理パラメータは、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の周波数である
請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の周波数を、前記第1のアレイ振動子への信号の周波数と異なる周波数となるように、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の周波数を制御する
請求項6に記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記信号処理パラメータは、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の送出タイミングである
請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子において、前記第1のアレイ振動子に1次元配列される振動子のうち信号が送出されている振動子に対して、離れて位置する振動子に対して信号を送出するように、前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子への信号の送出タイミングを制御する
請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項10】
前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子への信号の送出方法である
請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の送出を平面波で行うように、前記第2のアレイ振動子への信号の送出方法を制御する
請求項10に記載の信号処理装置。
【請求項12】
前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子への信号の送出のオン/オフである
請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第2のアレイ振動子への信号の送出をオフするように、前記第2のアレイ振動子への信号の送出のオン/オフを制御する
請求項12に記載の信号処理装置。
【請求項14】
前記第1のアレイ振動子および前記第2のアレイ振動子の被写体に接触する側には、前記第1のアレイ振動子の配列方向に交差する方向に対してビームフォーカスするためのレンズ形状の層が設けられ、
前記信号処理パラメータは、前記第2のアレイ振動子に対する前記レンズ形状の層による遅延量であり、
前記制御部は、前記遅延量に基づき、前記第2のアレイ振動子への信号の送信タイミングを制御する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項15】
前記信号処理部により信号処理された信号を用いて、前記プローブの移動量を算出する移動量算出部を
さらに備える請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項16】
前記プローブの移動量は、前記第1のアレイ振動子を構成する振動子が1次元配列される面における移動量と、前記面に直交する軸の回転角である
請求項15に記載の信号処理装置。
【請求項17】
前記移動量算出部は、前記信号処理部により信号処理された信号を用いて画像を再構成し、画像マッチングすることで、前記プローブの移動量を算出する
請求項15に記載の信号処理装置。
【請求項18】
前記移動量算出部は、前記画像マッチングとして、前記第1の走査面上における、前記第2の走査面とそれぞれの交点での移動量を算出することにより、前記プローブの移動量を算出する
請求項17に記載の信号処理装置。
【請求項19】
前記移動量算出部は、前記信号処理部により信号処理された信号を用いて、各信号の位相変化量を算出することで、前記プローブの移動量を算出する
請求項15に記載の信号処理装置。
【請求項20】
第1の走査面を有する第1のアレイ振動子と、
前記第1の走査面と交わる第2の走査面をそれぞれ有する複数の第2のアレイ振動子と
を有するプローブを備える信号処理装置が、
前記プローブから受信する信号または前記プローブへ送信する信号を処理する
信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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