説明

信号処理装置及び信号処理システム

【課題】時間や手間がかかることなく、光ケーブルを容易に接続させたり取り外したりすることができるとともに、伝送損失を抑制でき、且つ、ユーザの目に優しいメディアコンバーターを提供する。
【解決手段】メディアコンバーター40の筐体側面41aには、コネクタ挿入部43が凹状に形成されており、そのコネクタ挿入部43には、信号が入出力される入出力部45が形成されている。また、コネクタ挿入部43の開口44には、コンバーター用蓋47が開閉自在に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置及び信号処理システムに関し、特に、光ケーブルの端部に取り付けられたコネクタが接続され、コネクタを介して入力された信号を処理して出力する信号処理装置及びその信号処理装置を有する信号処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムの開発により、光ケーブル内に光を伝達させて信号を送受信する場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、光ケーブルの一端部にコネクタが接続されたコネクタ付き光ケーブルが開示されている。このコネクタ付き光ケーブルは、シース内に一対のテンションメンバと光ファイバとを有する光ケーブルと、フェルールとテンションメンバが固定される固定部とを有するコネクタとを備えている。そして、光ケーブルの一端部の光ファイバは、シースより分離されてフェルールに接続されている。また、光ケーブルの一端部のテンションメンバは、分離されて分離テンション部分を形成しており、その分離されたテンションメンバは、固定部に固定され、光ケーブルにおける分離テンション部分の根元部近傍にシースの分離の進行を防ぐ破断規制部材が設けられている。これにより、光ケーブルの引っ張り強度が十分であり、光ケーブルの一対の分離テンション部分と露出心線とに分離した分離領域は適度に設定された長さを維持し、ブーツを伴った分離部分の外観を良好に維持できる、と記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、コネクタのロック部分に取り付けられた着脱可能なスリーブホルダを通線用工具と着脱可能な状態で接続した牽引端を有する光ファイバケーブルが開示されている。これにより、ケーブルを通線する場合に、ケーブル構成材料を破損することなく通線できる、と記載されている。
【0005】
このようなコネクタ付き光ケーブルを用いれば、メディアコンバーターなどの信号処理装置の入出力部に光ケーブルのコネクタ(接続部)を接続することができ、その結果、光ケーブル内を送信された信号を信号処理装置に入力したり、信号処理装置からの出力信号を送信させて別の装置に入力させたりすることができる。
【特許文献1】特開2003−287652号公報
【特許文献2】特開2003−322727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メディアコンバーターでは、入出力部は、コンバーター内部に配置されている場合が多い。そのため、入出力部にコネクタを接続させる際、及び入出力部からコネクタを取り外す際には、コンバーター筐体を開けてその作業を行う。よって、その作業は、時間や手間がかかる。時間や手間を省くためには、入出力部は、筐体側面に設けられていることが好ましい。
【0007】
一方、入出力部が筐体側面に設けられると、入出力部に空気中の粉塵などが付着する虞があり、その結果、伝送損失が招来される。また、メディアコンバーターとコネクタとの接続が緩ければ、伝送されている光がその接続箇所から漏れてしまい、その漏れ光がユーザなどの目に入る虞があり、危険である。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、時間や手間がかかることなく光ケーブルを容易に接続させたり取り外したりすることができるとともに、入出力部への粉塵の付着を防止でき、且つ、利用者にとって安全な信号処理装置及び信号処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の信号処理装置は、光ケーブルの端部に取り付けられたコネクタが接続され、コネクタを介して入力された信号を処理して出力する。そして、信号処理装置は、信号を処理する信号処理部を取り囲む筐体と、コネクタが挿入可能となるように筐体側面に形成され、内部に信号が入出力される入出力部を有する挿入部と、挿入部の開口に開閉自在に取り付けられた装置用蓋とを備えている。
【0010】
上記の構成では、装置用蓋が、挿入部の開口に開閉自在に設けられている。そのため、装置用蓋を開けて光ケーブルを接続でき、光ケーブルを取り外した後には装置用蓋を閉じることができる。よって、筐体を取り外すことなく、光ケーブルを信号処理装置に接続させたり、その接続を解除させることができる。これにより、手間や時間が掛かることなく、光ケーブルを信号処理装置に接続させたり、その接続を解除することができる。
【0011】
また、光ケーブルとの接続が解除されているときには、装置用蓋を閉じておくことができる。そのため、入出力部に空気中の粉塵が付着する虞を低くすることができる。
【0012】
また、入出力部が挿入部内に形成されているため、信号処理装置と光ファイバとの接続があまく、その結果、接続箇所から光が漏れたとしても、その漏れ光がユーザなどの目に入ってしまう虞は低い。よって、ユーザにとって安全である。
【0013】
本発明の信号処理装置では、装置用蓋は、コネクタが挿入部に挿入されるときに開かれ、コネクタが挿入部から取り出されるときに閉じられるように構成されていることが好ましい。
【0014】
後述の好ましい実施形態では、挿入部は、筐体側面に形成された凹部である。また、別の好ましい実施形態では、入出力部は、筐体側面に形成され、挿入部は、筐体側面に形成された筒である。
【0015】
また、本発明の信号処理装置では、装置筐体には、光ケーブルの一部を固定する固定具が設けられていることが好ましい。このような構成により、光ケーブルの折曲を防止できるため、伝送損失の発生や光ケーブルの接続解除を防止できる。
【0016】
また、本発明の信号処理装置は、メディアコンバーターであることが好ましい。
【0017】
本発明の信号処理システムは、本発明の信号処理装置と、光ケーブルとを備えている。
光ケーブルは、信号を伝送するケーブル部と、ケーブル部の端部に取り付けられたコネクタと、コネクタの表面に形成され、信号処理装置の入出力部と信号の送受信を行う送受信部と、送受信部が覆われる閉位置と送受信部が露出される開位置とに開閉自在に設けられたケーブル用蓋とを有する。
【0018】
上記の構成では、本発明の信号処理装置を備えているため、本発明の信号処理装置と略同一の効果を奏する。
【0019】
その上、光ケーブルは、ケーブル用蓋を備えているため、コネクタに空気中の粉塵が付着することを防止することができる。その結果、さらに、伝送損失を抑制することができる。
【0020】
また、本発明の信号処理システムでは、光ケーブルのケーブル用蓋は、信号処理装置に接続されるときに開位置に配置され、信号処理装置との接続が解除されたときに閉位置に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、時間や手間がかかることなく光ケーブルを容易に接続させたり取り外したりすることができるとともに、入出力部への粉塵の付着を防止でき、且つ、利用者にとって安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0023】
《発明の実施形態1》
実施形態1では、メディアコンバーターを信号処理装置の例として挙げて、図1乃至図5を用いて、信号処理システム100の構成、光ケーブル10の構成、メディアコンバーター40の構成及びメディアコンバーター40に光ケーブル10を接続する方法を示す。なお、図1は、信号処理システム100の構成を示す斜視図である。図2は、光ケーブル用蓋16が開位置にあるときの光ケーブル10の斜視図であり、図3は、光ケーブル用蓋16が閉位置にあるときの光ケーブル10の斜視図である。図4は、図2におけるIV−IV線での断面図である。図5は、メディアコンバーター40の挿入部の拡大図である。
【0024】
まず、信号処理システム100の構成を示す。
【0025】
信号処理システム100は、図1に示すように、光ケーブル10とメディアコンバーター40とを備え、光ケーブル10のコネクタ13がメディアコンバーター40のコネクタ挿入部(挿入部)43に挿入されて構成されている。そして、光ケーブル10のケーブル部11の一部は、メディアコンバーター40の筐体側面41aに取り付けられた固定具42に固定されている。
【0026】
次に、光ケーブル10の構成を示す。
【0027】
光ケーブル10は、図2及び図3に示すように、ケーブル部11と、コネクタ13と、送受信部15と、コネクタ嵌合部14と、ケーブル用蓋16とで構成されている。
【0028】
ケーブル部11は、図4に示すドロップケーブルであり、1本の光ファイバ2と、2本のテンションメンバ3,3と、共通被覆4とで構成されている。テンションメンバ3,3は、各々、光ファイバ2から所定距離隔てた上下に配置され、ケーブル部11における張力を保つ。共通被覆4は、光ファイバ2とテンションメンバ3,3との外周に施されている。
【0029】
コネクタ13は、ケーブル部11の一端部に取り付けられており、略四角柱状であり、メディアコンバーター40の入出力部45と接続されるように構成されている。
【0030】
送受信部15は、メディアコンバーター40の入出力部45に嵌合されるコネクタの面(以下、「コネクタ端面」という。)13aから突設されており、光ケーブル10内を伝送された光がメディアコンバーター40へ送信されたり、メディアコンバーター40からの出力光を受信するように構成されている。
【0031】
コネクタ嵌合部14は、コネクタ収容部14aと、ケーブル嵌合部14bとを有している。コネクタ収容部14aは、コネクタ13の一部が収容可能に形成されており、ケーブル嵌合部14bは、ケーブル部11が嵌合可能に形成されている。
【0032】
光ケーブル用蓋16は、図3に示すように、蝶番部18,18を介してコネクタ収容部14aの上面の端部と連結されている。また、光ケーブル用蓋16の内面は、図2に示すように、弾性体19,19を介してコネクタ嵌合部14に連結されている。これにより、光ケーブル用蓋16は、弾性体19,19に抗して、蝶番部18,18を回動軸として開かれて送受信部15を露出し、弾性体19,19の復元力に従って、蝶番部18,18を回動軸として閉じられて送受信部15を覆うように構成されている。
【0033】
続いて、メディアコンバーター40の構成を示す。
【0034】
メディアコンバーター40は、図1及び図5に示すように、筐体41と固定具42とコネクタ挿入部43と入出力部45とコンバーター用蓋(装置用蓋)47とを備えている。
【0035】
筐体41は、信号処理部40aやそれ以外の電気回路などを保護するための外箱であり、固定具42は、図1に示すように、螺子(不図示)などにより筐体側面に固定されており、光ケーブル10のケーブル部11の一部が筐体側面41aに固定されるように構成されている。
【0036】
コネクタ挿入部43は、筐体側面41aに、光ケーブル10のコネクタ13が挿入可能な大きさの凹状に形成されている。
【0037】
入出力部45は、コネクタ挿入部43の開口44に対向する面に光ケーブル10の送受信部15と嵌合可能に形成されており、メディアコンバーター40からの光を出力したり、光ケーブル10内を伝送された光を入力するように構成されている。
【0038】
コンバーター用蓋47は、開口44と略同形に形成されている。その上辺部47aは、蝶番部48,48を介してコネクタ挿入部43の開口周縁上部44aに取り付けられている。また、その内壁面は、弾性体49,49を介して、コネクタ挿入部43の内壁上面に連結されている。これにより、コンバーター用蓋47は、弾性体49,49に抗して、蝶番部48,48を回動軸としてコネクタ挿入部43の内部へ回動されて開かれ、弾性体49,49の復元力に従って、蝶番部48,48を回動軸としてコネクタ挿入部43の開口44を閉じるように構成されている。
【0039】
続いて、光ケーブル10をメディアコンバーター40に接続する方法、及びメディアコンバーター40から取り外す方法を示す。
【0040】
接続する際には、まず、光ケーブル10の光ケーブル用蓋16を開く。具体的には、弾性体19,19に抗して、蝶番部18,18を回動軸として光ケーブル用蓋16を回動させ、送受信部15を露出させる。
【0041】
次に、コネクタ端面13aをコンバーター用蓋47に当接させる。すると、コンバーター用蓋47は、弾性体49,49に抗して、蝶番部48,48を回動軸としてコネクタ挿入部43の内部へ回動される。そして、入出力部45に送受信部15を嵌合させ、固定具42に光ケーブル10のケーブル部11の一部を固定する。これにより、光ケーブル10内を伝送された信号がメディアコンバーター40に入力可能となり、また、メディアコンバーター40で処理された信号が出力可能となる。
【0042】
取り外す際には、固定具42からケーブル部11を取り外す。その後、入出力部45と送受信部15との接続を解除し、コネクタ挿入部43からコネクタ13を取り出す。すると、コンバーター用蓋47は、弾性体49,49の復元力に従って、コネクタ挿入部43の開口44を塞ぎ、光ケーブル用蓋16は、弾性体19,19の復元力に従って、送受信部15を覆う位置に戻る。
【0043】
ここで、メディアコンバーター40と比較するため、従来のメディアコンバーターの構成を示す。
【0044】
従来のメディアコンバーターは、筐体と入出力部とを備えており、入出力部は筐体の内部にある。そのため、従来のメディアコンバーターに光ケーブルを接続する際には、筐体を取り外す必要があった。従って、従来のメディアコンバータに光ケーブルを接続するためには、時間及び手間がかかるとともに、専門知識も必要であった。
【0045】
一方、本実施形態におけるメディアコンバーター40では、入出力部45は、コネクタ挿入部43の一側面に形成されており、コネクタ挿入部43は、光ケーブル10のコネクタ13が挿入可能な大きさに形成されている。そのため、従来のメディアコンバータと異なり、光ケーブル10を接続したり取り外したりする際には、筐体41を取りはずすなどの時間及び手間を掛けることなく、簡便に行うことができる。また、筐体41を取り外す必要がないため、専門知識を持っていない人間でも、メディアコンバーター40に光ケーブル10を接続したり、その接続を解除したりすることができる。
【0046】
また、入出力部45は、光ケーブル10が接続されていないときには、コンバーター用蓋47で覆われている。よって、空気中の粉塵などが、入出力部45に付着する虞は極めて低く、その結果、付着した粉塵などによる乱反射に起因する伝送損失を抑制することができる。
【0047】
また、入出力部45は、コネクタ挿入部43内で光ケーブル10の送受信部15と接続される。そのため、光ケーブル10との接続があまく、その結果、伝送された光が漏れてしまった場合であっても、漏れ光がユーザなどの目に入る危険性は低い。よって、メディアコンバーター40は、ユーザや作業員にとって優しい。
【0048】
また、コンバーター用蓋47の内面は、弾性体49,49を介してコネクタ挿入部43の内壁上面に連結されている。そのため、コンバーター用蓋47は、光ファイバ10のコネクタ13がコネクタ挿入部43に挿入されることにより、弾性体49,49に抗して開かれ、コネクタ13がコネクタ挿入部43から取り出されることにより、弾性体49,49の復元力に従って閉じられる。すなわち、コンバーター用蓋47は、自動的に閉じられるように構成されている。
【0049】
また、筐体側面41aには、固定具42が取り付けられている。そのため、光ファイバ2の折曲を防止できるとともに、接続中に光ケーブル10が外れてしまうことを防止できる。
【0050】
本実施形態における信号処理システム100は、上述のメディアコンバーター40を備えているため、上述の効果と略同様の効果を示す。それに加え、光ケーブル10が光ケーブル用蓋16を備えているため、送受信部15においても、空気中の粉塵の付着を防止することができる。また、光ケーブル用蓋16は、弾性体19,19を介してコネクタ嵌合部14と連結されているため、コネクタ13をコネクタ挿入部43から取り出すことにより閉じられる。すなわち、光ケーブル用蓋16は、自動的に元の位置に戻る。
【0051】
なお、メディアコンバーター40のコンバーター用蓋47の構成は、以下の第1及び第2の変形例に示す構成であってもよい。
【0052】
(第1の変形例)
図6を用いて、第1の変形例におけるメディアコンバーター140のコンバーター用蓋147の構成を示す。図6は、本変形例におけるコンバーター用蓋147の斜視図である。
【0053】
メディアコンバーター140の筐体側面141aには、上記実施形態1と同様、コネクタ挿入部43が形成されており、コネクタ挿入部43の開口44には、コンバーター用蓋147が取り付けられている。
【0054】
コンバーター用蓋147は、図6に示すように、上側蓋部146と下側蓋部148とで構成されている。上側蓋部146の上辺部146aは、蝶番部142,142を介してコネクタ挿入部43の開口周縁上部44aに取り付けられ、その内面は、弾性体49,49を介してコネクタ挿入部43の内壁上面に連結されている。同様に、下側蓋部148の上辺部148aは、蝶番部142,142を介してコネクタ挿入部43の開口周縁下部44bに取り付けられ、その内面は、弾性体49,49を介してコネクタ挿入部43の内壁上面に連結されている。これにより、上側蓋部146は、蝶番部142,142を回動軸として、弾性体49,49に抗してコネクタ挿入部43の内部に回動可能に形成され、下側蓋部148は、蝶番部142,142を回動軸として、弾性体49,49の復元力に従ってコネクタ挿入部43の内部に回動可能に形成されている。
【0055】
メディアコンバーター140に上記実施形態1の光ケーブル10を接続する際には、光ケーブル用蓋16を開いてから、コネクタ端面13aをコンバーター用蓋147に当接させて、コネクタ13をコネクタ挿入部43に挿入させる。すると、上側蓋部146は、弾性体49,49に抗して、蝶番部142,142を回動軸としてコネクタ挿入部43の内部へ回動され、下側蓋部148は、弾性体49,49に抗して、蝶番部142,142を回動軸としてコネクタ挿入部43の内部へ回動される。その後、入出力部(不図示)と送受信部15とを接続する。
【0056】
メディアコンバーター140から上記実施形態1の光ケーブル10を取り外す際には、入出力部と送受信部15との接続を解除して、コネクタ挿入部43からコネクタ13を取り外す。すると、上側及び下側蓋部146,148は、各々、弾性体49,49,…の復元力に従って、元の位置に戻る。
【0057】
以上より、本変形例は、上記実施形態1と略同一の効果を奏する。
【0058】
(第2の変形例)
図7を用いて、第2の変形例におけるメディアコンバーター240のコンバーター用蓋247の構成を示す。図7は、本変形例におけるコンバーター用蓋247の斜視図である。
【0059】
メディアコンバーター240の筐体側面241aには、上記実施形態1と同様、コネクタ挿入部43が形成されており、コネクタ挿入部43の開口44には、コンバーター用蓋247が取り付けられている。
【0060】
コンバーター用蓋247の上辺部247aは、図7に示すように、蝶番部248,248を介してコネクタ挿入部43の開口周縁上部44aに連結されている。すなわち、コンバーター用蓋247は、蝶番部248,248を回動中心として、コネクタ挿入部43の外部に回動可能に構成されている。
【0061】
メディアコンバーター240に上記実施形態1の光ケーブル10を接続する際には、光ケーブル用蓋16を開いてから、蝶番部248,248を回動中心としてコンバーター用蓋247をコネクタ挿入部43の外側へ回動させる。そして、コネクタ13をコネクタ挿入部43に挿入して、入出力部(不図示)と送受信部15とを接続する。
【0062】
メディアコンバーター240から光ケーブル10を取り外す際には、入出力部(不図示)と送受信部15との接続を解除して、コネクタ13をコネクタ挿入部43から抜き出す。そして、蝶番部248,248を回動中心としてコンバーター用蓋247を回動させる。そして、光ケーブル用蓋16を閉じる。
【0063】
以上より、本変形例は、上記実施形態1と略同一の効果を奏する。
【0064】
《発明の実施形態2》
実施形態2では、図8及び9を用いて、光ケーブル20の構成とメディアコンバーター50の構成と光ケーブル20をメディアコンバーター50に接続させる方法とを示す。図8は、光ケーブル20の縦断面図であり、図9は、メディアコンバーター50の一部の断面図である。
【0065】
信号処理システムは、上記実施形態1における信号処理システムと略同一であり、図8に示す光ケーブル20と図9に示すメディアコンバーター50とで構成されている。
【0066】
光ケーブル20は、図8に示すように、上記実施形態1に記載の光ケーブル用蓋16の代わりに、筒状の保護部27を備えている。保護部27は、コネクタ13の側面の外側に配置され、ケーブル長手方向に伸縮自在な伸縮部材で形成されている。
【0067】
メディアコンバーター50は、上記実施形態1に記載のメディアコンバーター40と同様、筐体51とコネクタ挿入部53と入出力部55とコンバーター用蓋57とを備えているが、筐体51及びコンバーター用蓋57の構成を上記実施形態1と異にする。
【0068】
筐体51は、コネクタ挿入部53の開口(不図示)上方の内壁面に、収容部52を備えている。収容部52は、コンバーター用蓋57が開かれたときに、そのコンバーター用蓋57を収容するように形成されている。
【0069】
コンバーター用蓋57は、コネクタ挿入部53の開口と略同形に形成されており、その下部表面には、突起部57aが形成されている。
【0070】
メディアコンバーター50に光ケーブル20を接続する際には、まず、保護部27を長手方向に伸縮させて、送受信部15を露出させる。
【0071】
次に、突起部57aを持って、コンバーター用蓋57を上方へ移動させ、収容部52に収容させる。そして、入出力部55に送受信部15を嵌合させる。
【0072】
一方、メディアコンバーター50から光ケーブル20を取り外す際には、入出力部55と送受信部15との接続を解除し、コネクタ挿入部53からコネクタ13を取り出す。すると、コンバーター用蓋57は、重力に従って元の位置に戻る。そして、保護部27を長手方向に延長させる。
【0073】
本実施形態は、上記実施形態1と同様の効果を奏する。
【0074】
なお、勿論、収容部52は、コネクタ挿入部53の開口下方の内壁面、開口の左方の内壁面または、開口の右方向の内壁面に形成されていてもよい。すなわち、メディアコンバーターに光ケーブルを接続する際に、コンバーター用蓋57は、下方へ移動するように構成されていてもよく、左方に移動するように構成されていてもよく、右方へ移動するように構成されていてもよい。
【0075】
《発明の実施形態3》
実施形態3では、図10及び11を用いて、光ケーブル30の構成とメディアコンバーター60の構成と光ケーブル30をメディアコンバーター60に接続させる方法とを示す。図10は、光ケーブル30の縦断面図であり、図11は、メディアコンバーター60の一部の断面図である。
【0076】
信号処理システムは、上記実施形態1における信号処理システムと略同一であり、図10に示す光ケーブル30と図11に示すメディアコンバーター60とで構成されている。
【0077】
光ケーブル30は、上記実施形態1に記載の光ケーブル10と、光ケーブル用蓋37の構成を異にする。光ケーブル用蓋37は、樹脂製であり、図10に示すように、送受信部15のみを覆うように形成されており、コード38を介してコネクタ13に連結されている。
【0078】
メディアコンバーター60は、上記実施形態1に記載のメディアコンバーター40と、入出力部65、コネクタ挿入部63及びコンバーター用蓋67の構成を異にする。
【0079】
入出力部65は、筐体側面61a上に形成されている。
【0080】
コネクタ挿入部63は、入出力部65を囲むように形成された筒である。
【0081】
コンバーター用蓋67は、コネクタ挿入部63の開口に嵌合可能に形成されており、コード68を介して筐体側面61aに連結されている。
【0082】
接続する際には、光ケーブル用蓋37を取り外した後、コンバーター用蓋67を取り外してコネクタ13をコネクタ挿入部63に挿入させる。そして、入出力部65に送受信部15を嵌合させる。一方、取り外す際には、入出力部65と送受信部15との接続を解除した後、コネクタ13をコネクタ挿入部63から取り外す。そして、コンバーター用蓋67でコネクタ挿入部63の開口を蓋するとともに、光ケーブル用蓋37で送受信部15を蓋する。
【0083】
本実施形態は、上記実施形態1と同様の効果を奏する。
【0084】
また、光ケーブル用蓋37は、コード38を介して、ケーブル部11、または、コネクタ13に連結されている。そのため、取り外した蓋を紛失する虞はない。
【0085】
また、入出力部65は、筐体側面61aに形成されている一方、筒状のコネクタ挿入部63により保護されているため、通信用の光が外部に漏れる虞は極めて低い。そのため、上記実施形態1から3のような、コネクタ挿入部43が筐体側面31aに凹部状に形成されている場合と同様、通信損失を低く抑えることができる。
【0086】
なお、光ケーブル用蓋37は、コード38を介してケーブル部11に連結されていてもよい。
【0087】
《その他の実施形態》
本発明は、以下のような構成としてもよい。
【0088】
上記実施形態1に記載の光ケーブル10を上記実施形態2または3に記載のメディアコンバーター50,60に接続させてもよいし、上記実施形態2に記載の光ケーブル20を上記実施形態1または3に記載のメディアコンバーター40,60に接続させてもよいし、上記実施形態3に記載の光ケーブル30を上記実施形態1または2に記載のメディアコンバーター40,50に接続させてもよい。光ケーブルとメディアコンバーターとの組み合わせは、特に、限定されない。
【0089】
コンバータ用蓋47,57は、閉位置と開位置とに開閉可能に形成されていればよい。また、弾性体49,49がなくても本願の課題を解決することができるが、弾性体49,49を備えていると、コンバーター用蓋47,57を閉位置に戻す手間を省くことができるため、好ましい。
【0090】
同様に、光ケーブル用蓋16は、閉位置と開位置とに開閉可能に形成されていればよい。また、弾性体19,19がなくても本願の課題を解決することができるが、弾性体19,19を備えていると、光ケーブル用蓋16を閉位置に戻す手間を省くことができるため好ましい。
【0091】
ケーブル部11はドロップケーブルであるとしたが、光ケーブルの構成は特に限定されない。
【0092】
固定具42の形状は、特に限定されず、例えば、筐体側面に取り付けられたフック状部材であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上説明したように、本発明は、メディアコンバータ及びそのメディアコンバーターを備えた信号処理システムについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施形態1における信号処理システム100を示す斜視図である。
【図2】実施形態1における光ケーブル10のケーブル用蓋16が開いているときの斜視図である。
【図3】実施形態1における光ケーブル10のケーブル用蓋16が閉じているときの斜視図である。
【図4】図2に示すIV−IV線断面における断面図である。
【図5】実施形態1におけるメディアコンバーター40のコネクタ挿入部43の拡大斜視図である。
【図6】実施形態1の第1変形例におけるメディアコンバーター140のコネクタ挿入部43の拡大斜視図である。
【図7】実施形態1の第2変形例におけるメディアコンバーター240のコネクタ挿入部43の拡大斜視図である。
【図8】実施形態2における光ケーブル20の縦断面図である。
【図9】実施形態2におけるメディアコンバーター50のコネクタ挿入部53の拡大斜視図である。
【図10】実施形態3における光ケーブル30の縦断面図である。
【図11】実施形態3におけるメディアコンバーター60のコネクタ挿入部63の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
10,20,30 光ケーブル
11 ケーブル部
13 コネクタ
15 送受信部
16 ケーブル用蓋
40,50,60 メディアコンバーター(信号処理装置)
41,51,61 筐体
41a,51a,61a 筐体側面
43,53,63 コネクタ挿入部(挿入部)
44 開口
45,55,65 入出力部
47,57,67,147,247 コンバーター用蓋(装置用蓋)
100 信号処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブルの端部に取り付けられたコネクタが接続され、該コネクタを介して入力された信号を処理して出力する信号処理装置であって、
前記信号を処理する信号処理部を取り囲む筐体と、
前記コネクタが挿入可能となるように筐体側面に形成され、内部に前記信号が入出力される入出力部を有する挿入部と、
前記挿入部の開口に開閉自在に取り付けられた装置用蓋と
を備えていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号処理装置であって、
前記装置用蓋は、前記コネクタが前記挿入部に挿入されるときに開かれ、前記コネクタが前記挿入部から取り出されるときに閉じられるように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の信号処理装置において、
前記挿入部は、前記筐体側面に形成された凹部であることを特徴とする信号処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の信号処理装置において、
前記入出力部は、前記筐体側面に形成され、
前記挿入部は、前記筐体側面に形成された筒であることを特徴とする信号処理装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一つに記載の信号処理装置において、
前記装置筐体には、前記光ケーブルの一部を固定する固定具が設けられていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一つに記載の信号処理装置において、
メディアコンバーターであることを特徴とする信号処理装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一つに記載の信号処理装置と、光ケーブルとを備えている信号処理システムであって、
前記光ケーブルは、
信号を伝送するケーブル部と、
前記ケーブル部の端部に取り付けられたコネクタと、
前記コネクタの表面に形成され、前記信号処理装置の前記入出力部と信号の送受信を行う送受信部と、
前記送受信部が覆われる閉位置と該送受信部が露出される開位置とに開閉自在に設けられたケーブル用蓋とを有することを特徴とする信号処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の信号処理システムにおいて、
前記光ケーブルの前記ケーブル用蓋は、前記信号処理装置に接続されるときに前記開位置に配置され、該信号処理装置との接続が解除されたときに前記閉位置に配置されることを特徴とする信号処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−94151(P2007−94151A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−285165(P2005−285165)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】