信号調整を持つバイオセンサシステム
バイオセンサシステムは、被分析物のレドックス反応から生成された出力信号から、被分析物濃度を判定する。バイオセンサシステムは、出力信号から抽出されるか、ゲートアンペロメトリのさらなる複合指数関数により、出力信号から被分析物濃度を判定するための相関を調整する。指数値(R)は、中間出力電流(i)の比率として計算される。複合指数関数(f(C Index))は、重み係数(a)が多変数回帰からの結果である、重み付けされた指数値(a.R)の線形の組み合わせである。複合指数関数は、傾き偏差値&デルタ;Sを判定する。被分析物濃度と出力信号との間の傾き調整された相関を使用し、バイアスに帰すことができる構成要素を包含する出力信号から、改善された正確性および/または精度を有する被分析物濃度を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、全体を引用例として取り込む、2008年12月8日に提出され、「Complex Index Functions」と題する、米国仮出願第61/120,525号の恩典を主張する。
【0002】
背景
バイオセンサシステムは、生物学的流体、例えば、全血、血清、血漿、尿、唾液、間質または細胞内流体の分析を提供する。通常、システムは、テストセンサに接触した試料を分析する、測定装置を包含する。試料は、通例、液体形態であり、生物学的流体であることに加え、生物学的流体の派生物、例えば、抽出物、希釈物、ろ過物または再構成された沈殿物であることができる。バイオセンサシステムによって実施される分析では、生物学的流体中の一つ以上の被分析物、例えば、アルコール、グルコース、尿酸、乳酸塩、コレステロール、ビリルビン、遊離脂肪酸、トリグリセリド、タンパク質、ケトン、フェニルアラニンまたは酵素の存在および/または濃度を判定する。分析は、生理学的異常の診断および処置に有効であることができる。例として、糖尿病の罹患者は、食餌および/または投薬の調整のため、バイオセンサシステムを使用し、全血中のグルコースレベルを判定することができる。
【0003】
バイオセンサシステムは、一つ以上の被分析物を分析するように設計することができ、異なる体積の生物学的流体を使用することができる。いくつかのシステムは、単一滴、例えば、体積として0.25〜15マイクロリットル(μL)の全血を分析することができる。バイオセンサシステムは、卓上型、携帯型等の測定装置を使用して具現化することができる。携帯型測定装置は、手持ち式であり、試料中の一つ以上の被分析物の同定および/または定量化を許可することができる。携帯型測定システムの例は、ニューヨーク州タリータウンのBayer HealthCareのAscensia(登録商標)Breeze(登録商標)およびElite(登録商標)メータを包含する一方、卓上型測定システムの例は、テキサス州オースティンのCH Instrumentsから入手可能なElectrochemical Workstationを包含する。
【0004】
バイオセンサシステムは、光学および/または電気化学的方法を使用し、生物学的流体を分析することができる。いくつかの光学システムでは、光同定可能な種、例えば、被分析物あるいは被分析物と反応した化学的インジケータから形成された反応または生成物と相互作用するか、吸収された光を測定することにより、被分析物濃度を判定する。他の光学システムでは、励起ビームを照射されると、被分析物に応答して化学的インジケータが蛍光発光するか、光を放出する。光は、電気化学的方法からの出力信号として同様に処理することができる、電気出力信号、例えば、電流または電位に変換することができる。いずれの光学システムでも、システムは、光を測定し、試料の被分析物濃度に相関付ける。
【0005】
光吸収光学システムでは、化学的インジケータは、光を吸収する反応生成物を発生させる。化学的インジケータ、例えば、酵素、例えば、ジアホラーゼとともにテトラゾリウムを使用することができる。テトラゾリウムは、通例、被分析物のレドックス反応に応答して、ホルマザン(クロモゲン)を形成する。光源からの入射入力ビームは、試料に向かって誘導される。光源は、レーザ、光放出ダイオード等であることができる。入射ビームは、反応生成物による吸収のために選択された波長を有することができる。入射ビームが試料を通過するにつれ、反応生成物は、入射ビームの一部を吸収し、したがって、入射ビームの強度を減退または低減させる。入射ビームは、試料から反射して戻るか、試料を通じて検出器に伝達されることができる。検出器は、減退された入射ビーム(出力信号)を収集および測定する。反応生成物によって減退された光の量は、試料中の被分析物濃度の示度である。
【0006】
光生成光学システムでは、被分析物のレドックス反応に応答して化学的検出器が蛍光発光するか、光を放出する。検出器は、生成された光(出力信号)を収集および測定する。化学的インジケータによって発生した光の量は、試料中の被分析物濃度の示度である。
【0007】
電気化学的バイオセンサシステムでは、入力信号が試料に適用されたときに、被分析物または被分析物に対応する種の酸化/還元またはレドックス反応により、生成された電気信号から、被分析物濃度を判定する。入力信号は、電位または電流であることができ、定数か、変数か、例えば、DC信号オフセットでAC信号を適用するときには、その組み合わせであることができる。入力信号は、単一のパルスとしてか、複数のパルス、シーケンスまたはサイクルで適用することができる。酵素または同様の種を試料に加え、レドックス反応中における第一の種から第二の種への電子移動を促進することができる。酵素または同様の種は、単一の被分析物と反応し、したがって、生成された出力信号の一部に特異性を提供することができる。メディエータを使用し、酵素の酸化状態を維持することができる。
【0008】
電気化学的バイオセンサシステムは、通例、テストセンサ内の電気導体に接続している電気接触を有する、測定装置を包含する。導体は、導電性材料、例えば、固体金属、金属ペースト、導電性炭素、導電性炭素ペースト、導電性ポリマー等から作製することができる。電気導体は、通常、試料容器内に延伸する作用、対、参照および/または他の電極に接続する。一つ以上の電気導体が試料容器内に延伸し、電極によって提供されない機能性を提供することもできる。
【0009】
測定装置は、電気接触を通じ、テストセンサの電気導体に入力信号を適用する。電気導体は、電極を通じ、試料容器内に存在する試料に入力信号を伝える。被分析物のレドックス反応により、入力信号に応答して電気出力信号が生成される。ストリップからの電気出力信号は、(アンペロメトリまたはボルタンメトリによって生成されるような)電流、(ポテンシオメトリ/ガルバノメトリによって生成されるような)電位または(クーロメトリによって生成されるような)蓄積電荷であることができる。測定装置は、出力信号を測定し、生物学的流体中の一つ以上の被分析物の存在および/または濃度に相関付けるための処理機能を有することができる。
【0010】
クーロメトリでは、試料に電位を適用し、被分析物を完全に酸化または還元する。クーロメトリを使用したバイオセンサシステムは、米国特許第6,120,676号に記載されている。アンペロメトリでは、定数電位(電圧)の電気信号をテストセンサの電気導体に適用する一方、測定される出力信号が電流である。アンペロメトリを使用したバイオセンサシステムは、米国特許第5,620,579号;第5,653,863号;第6,153,069号;および第6,413,411号に記載されている。ボルタンメトリでは、変動する電位を生物学的流体の試料に適用する。ゲートアンペロメトリおよびゲートボルタンメトリでは、それぞれ、国際公開公報第2007/013915号および国際公開公報第2007/040913号に記載されているように、パルス化入力を使用することができる。
【0011】
多くのバイオセンサシステムでは、テストセンサは、生体の外部、内部または部分的に内部で使用するために適応させることができる。生体の外部で使用するときには、生物学的流体の試料をテストセンサ内の試料容器に導入することができる。分析のための試料の導入前、後または中に、テストセンサを測定装置内に置くことができる。生体の内部または部分的に内部のときには、テストセンサを継続的に試料に浸漬させることができるか、試料を断続的にストリップに導入することができる。テストセンサは、試料の体積を部分的に隔離する容器を包含することができるか、試料に対して開放されていることができる。開放されているときには、ストリップは、生物学的流体に接触して置かれた繊維または他の構造の形態を取ることができる。同様に、試料は、分析のため、例えば、連続的なモニタリングのためにストリップを通じて連続的に流動するか、例えば、断続的なモニタリングのために遮断されることができる。
【0012】
バイオセンサシステムは、生物学的流体の分析中、一つまたは複数の誤差を包含する出力信号を提供することができる。例えば、一つ以上の一部または全体的な出力信号が試料の被分析物濃度に非対応であるか、不適切に対応しているときには、これらの誤差が異常な出力信号に反映されることができる。これらの誤差は、一つ以上の寄与因子、例えば、試料の物理的特性、試料の環境的側面、システムの動作状況、妨害物質等からであることができる。試料の物理的特性は、ヘマトクリット(赤血球)濃度等を包含する。試料の環境的側面は、温度等を包含する。
【0013】
バイオセンサシステムの測定性能は、正確性および/または精度に換算して画定される。正確性および/または精度の増大は、システムの測定性能の改善、バイアスの低減を提供する。正確性は、被分析物の参照指示値と比較したセンサシステムの被分析物指示値のバイアスに換算して表現することができ、より大きいバイアス値がより少ない正確性を表す。精度は、平均値に対する複数の被分析物指示値におけるバイアスの拡散または分散に換算して表現することができる。バイアスは、バイオセンサシステムから判定された一つ以上の値と、生物学的流体中の被分析物濃度の一つ以上の許容参照値との間の差である。。したがって、分析における一つ以上の誤差は、結果として、バイオセンサシステムの判定された被分析物濃度のバイアスをもたらす。
【0014】
バイアスは、「絶対バイアス」または「パーセントバイアス」に換算して表現することができる。絶対バイアスは、測定の単位、例えば、mg/dLで表現することができる一方、パーセントバイアスは、参照値にわたる絶対バイアス値の百分率として表現することができる。ISO標準下では、絶対バイアスを使用して、75mg/dLよりも少ないグルコース濃度の誤差を表現する一方、パーセントバイアスを使用して、75mg/dL以上のグルコース濃度の誤差を表現する。用語「混合バイアス」(バイアス/%バイアスとして表現される)は、75mg/dLよりも少ないグルコース濃度の絶対バイアスおよび75mg/dL以上のグルコース濃度のパーセントバイアスを表す。被分析物濃度の許容参照値は、参照機器、例えば、オハイオ州イエロースプリングスのYSI Inc.から入手可能なYSI 2300 STAT PLUS(商標)で得ることができる。
【0015】
ヘマトクリットバイアスは、参照機器で得られた参照グルコース濃度と、相違するヘマトクリットレベルを含有する試料について、バイオセンサシステムから得られた実験グルコース指示値との間の差を指す。参照値とシステムから得られた値との間の差は、特定の全血試料間で変動するヘマトクリットレベルの結果であり、一般的に、下記の式により、百分率として表現することができる:%Hctバイアス=100%×(Gm−Gref)/Gref、ここで、GmおよびGrefは、それぞれ、任意のヘマトクリットレベルについて判定されたグルコースおよび参照グルコース濃度指示値である。%Hctバイアスの絶対値がより大きいほど、試料のさらなるヘマトクリットレベル(%Hct:赤血球体積/試料体積の百分率として表現される)により、判定されたグルコース濃度の正確性および/または精度が低減する。例として、同じグルコース濃度を含有するが、20、40および60%のヘマトクリットレベルを有する全血試料を分析する場合、校正定数(事例として、40%ヘマトクリット含有全血試料の傾きおよび切片)の一つのセットに基づき、三つの異なるグルコース指示値がシステムによって報告される。「ヘマトクリット感度」は、試料のヘマトクリットレベルの変化が分析のためのバイアス値に影響する度合いの表現である。ヘマトクリット感度は、パーセントヘマトクリット当たりの混合バイアスの数値的な値、したがって、%Hct当たりのバイアス/%バイアスとして画定することができる。
【0016】
温度バイアスは、参照温度で得られた被分析物濃度と、同一の試料から異なる実験温度で得られた被分析物濃度との間の差を指す。参照温度で得られた被分析物濃度と、異なる実験温度で得られた被分析物濃度との間の差は、一般的に、下記の式により、百分率として表現することができる:%Tempバイアス=100%×(AmTemp−ARefTemp)/ARefTemp、ここで、AmTempおよびARefTempは、それぞれ、実験および参照温度における試料の被分析物濃度である。%Tempバイアスの絶対値がより大きいほど、さらなる温度差により、異なる実験温度で判定されたグルコース濃度の正確性および/または精度が低減する。「温度感度」は、分析が実施された温度の変化が分析のためのバイアス値に影響する度合いの表現である。温度感度は、温度の度合い当たりの混合バイアスの数値的な値、したがって、%バイアス/℃として画定することができる。温度感度は、温度の度合い当たりの傾き偏差、したがって、ΔS/℃として画定することもできる。
【0017】
多くのバイオセンサシステムは、分析に伴う誤差を補正するための一つ以上の方法を包含する。誤差を持つ分析から得られた濃度値は、不正確であることができる。したがって、これらの分析を補正するための能力は、得られた濃度値の正確性および/または精度を増大させることができる。誤差補正システムは、一つ以上の誤差、例えば、参照温度または参照ヘマトクリット値と異なる試料温度または試料ヘマトクリットレベルを補正することができる。
【0018】
いくつかのバイオセンサシステムは、試料中の異なるヘマトクリット濃度を補正する、誤差補正システムを有する。グルコース測定へのヘマトクリット効果のバイアスを低減させるため、様々な方法および手法が提唱されている。いくつかの方法では、正転および逆転電位パルスからの電流の比率を使用し、ヘマトクリット効果を補正する。ヘマトクリット効果のバイアスを低減させるため、シリカ粒子を使用し、電極表面から赤血球をフィルタリングするか、広い電極間隔をメッシュ層と組み合わせて使用し、テストセンサ中に血を分布させることを包含する、他の方法が提唱されている。
【0019】
いくつかのバイオセンサシステムは、温度を補正する誤差補正システムを有する。そのような誤差補正システムは、通常、機器または試料温度に応答して、判定された被分析物濃度を具体的な参照温度について改変する。多数のバイオセンサシステムは、相関式からの被分析物濃度の計算に先行して、出力信号を補正することにより、温度誤差を補正する。他のバイオセンサシステムは、相関式から計算された被分析物濃度を補正することにより、温度誤差を補正する。一般的に、温度補正の従来の方法では、分析のバイアスにおいて温度誤差が有する全般的な効果ではなく、特定のパラメータにおける温度の効果に注目する。試料温度の誤差検出および/または補正システムを有するバイオセンサシステムは、米国特許第4,431,004号;第4,750,496号;第5,366,609号;第5,395,504号;第5,508,171号;第6,391,645号;および第6,576,117号に記載されている。
【0020】
いくつかのバイオセンサシステムは、干渉および他の寄与因子を補正する誤差補正システムを有する。そのような誤差補正システムは、通常、一つ以上の作用電極試薬が欠如した電極を使用し、作用電極信号からの背景干渉信号の減算を許可する。
【0021】
従来の誤差補正システムは、様々な効果および不都合を併せ持つ一方、どれも理想的ではない。従来のシステムは、通例、具体的な種類の誤差、例として、温度またはヘマトクリットのいずれかを検出し、対処するように誘導される。そのようなシステムは、通常、複数の誤差源について補正する能力を有さない。これらのシステムは、一般的に、特定の試料からの出力信号に基づき、誤差の補正を改変する能力も欠如している。結果的に、従来のバイオセンサシステムは、判定された被分析物濃度値を所望の性能限界の外部に有する、分析結果を提供することができる。
【0022】
それゆえに、改善されたバイオセンサシステム、とりわけ、試料中の被分析物の濃度の一層正確および/または精密な判定を提供することができる、バイオセンサシステムが今なお要望されている。本発明のシステム、装置および方法は、従来のバイオセンサシステムに伴う不都合の少なくとも一つを克服する。
【0023】
概要
本発明は、判定された被分析物濃度にバイアスをかけることができる、一つ以上の誤差に対応する、一つ以上の複合指数関数により、生物学的試料中の被分析物濃度を出力信号から判定するための関連性を調整する、バイオセンサシステムを提供する。一つ以上の誤差パラメータから得られた傾き偏差、ΔS値および正規化された傾き偏差により、バイアスを表すことができる。ΔS値は、誤差パラメータから一つ以上の複合指数関数で判定された傾き偏差を表す。複合指数関数は、重み係数で修正された少なくとも二つの項を包含する。項は、出力信号から抽出されたか、独立した誤差パラメータを包含することができる。
【0024】
試料中の被分析物濃度を判定するための方法では、試料中の被分析物の濃度に対応する出力信号値を生成する。少なくとも一つの誤差パラメータから少なくとも一つのΔS値を判定し、かつ、少なくとも一つの出力信号値を少なくとも一つの参照相関および少なくとも一つのΔS値で補正し、試料中の被分析物濃度を判定する。少なくとも一つのΔS値を予測関数f(predictor)から判定することができる。f(predictor)は、指数関数を包含し、少なくとも一つの誤差パラメータをΔSに関連させる。反応は、電気化学的レドックス反応であることができる。
【0025】
誤差パラメータから複合指数関数を判定するための方法では、試料中の判定された被分析物濃度のパーセントバイアスに対応する、少なくとも一つの誤差パラメータを判定する。参照相関の傾きと、バイアスなしの試料中の被分析物濃度を提供するであろう、出力信号値のラインの仮想的な傾きとの間における傾きの差を表す、少なくとも一つのΔS値に対し、少なくとも一つの複合指数関数により、少なくとも一つの誤差パラメータを関連させる。複合指数関数は、重み係数によって修正された項として取り込まれた、少なくとも一つの誤差パラメータを包含する。
【0026】
複合指数関数に包含するための項を選択するための方法では、複合指数関数に電位を包含するための項として、複数の誤差パラメータを選択する。選択された各項について、第一の除外値を判定する。一つ以上の除外テストを除外値に適用し、複合指数関数から除外する一つ以上の項を同定する。少なくとも一つの項の除外後、残りの項について第二の除外値を判定する。第二の除外値において、一つ以上の除外テスト下の複合指数関数から除外する残りの項が同定されない場合、残りの項は、複合指数関数に包含される。
【0027】
測定装置で使用するため、ヘマトクリット調整されたドナー血液試料から複合指数関数を判定するための方法では、複数の環境的状況において、公知の参照グルコース濃度を有する、ヘマトクリット調整された複数の血液試料の実験グルコース濃度を複数のテストセンサで判定する。参照温度および参照%Hctにおいて判定された公知のグルコース濃度から、複数のテストセンサの参照相関の傾きおよび切片を判定する。複数のドナー血液試料について、参照グルコース濃度を判定する。ヘマトクリット調整された複数の血液試料のグルコース濃度データを、複数のドナー血液試料グルコース濃度データと混合することができる。一つ以上の出力信号値について、データから項を選択する。一つ以上の物理的特性、環境的状況、濃度値等について、項を選択することもできる。任意の係数に加え、項の重み係数を判定する。重み係数および任意の定数に応じ、選択された項の組み合わせから複合指数関数を判定する。
【0028】
試料中の被分析物濃度を判定するためのバイオセンサシステムは、測定装置およびテストセンサを包含する。測定装置は、センサインタフェースおよび記憶媒体に接続されたプロセッサを有する。テストセンサは、センサによって形成された容器に近接する、試料インタフェースを有する。プロセッサは、センサインタフェースから、試料中の被分析物の濃度に対応する出力信号値を判定する。プロセッサは、誤差パラメータから少なくとも一つのΔS値を判定し、記憶媒体内に存在する少なくとも一つのΔS値および少なくとも一つの参照相関で出力信号値を補正する。
【0029】
バイオセンサシステムは、誤差パラメータに応答して、少なくとも一つのΔS値で被分析物濃度と出力信号との間の相関を調整する。プロセッサは、試料インタフェースからの出力信号に応答して、傾き調整された相関から被分析物濃度を判定する。
【0030】
試料中の被分析物濃度を判定するためのもう一つの方法では、試料から一つ以上の出力信号を生成する。一つより多い誤差パラメータに対応する、少なくとも一つの複合指数関数を判定する。少なくとも一つの複合指数関数に応答して、出力信号から試料中の被分析物濃度を判定する。
【0031】
下記の図および詳細な説明を検討すると、当業者には、本発明の他のシステム、方法、特徴および効果が明らかであるか、明らかになる。すべてのそのような追加的なシステム、方法、特徴および効果がこの説明に包含され、本発明の範囲内にあり、下記の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、下記の図面および説明を参照してより良好に理解することができる。図中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を例証することに重点を置いている。
【図1A】試料中の被分析物濃度を判定するための方法を表す。
【図1B】複合指数関数に包含するための項を選択するための方法を表す。
【図1C】測定装置で使用するため、ヘマトクリット調整されたドナー血液試料から複合指数関数を判定するための方法を表す。
【図2】比率パラメータに基づく%バイアスと指数関数との間の相関を図示する。
【図3】Scalと、Shypと、ΔSと、Acorrと、Acalと、ΔAとの間の関係を図示する。
【図4】入力信号が複数のパルスを包含する、ゲートパルスシーケンスを図示する。
【図5A】ΔSとR4/3指数値との相関のグラフを図示する。
【図5B】ΔSと複合指数値との相関のグラフを図示する。
【図6A】21℃の血液試料のΔSとR4/3指数値との相関のグラフを図示する。
【図6B】21℃の血液試料のΔSと複合指数値との相関のグラフを図示する。
【図6C】18℃の血液試料のΔSとR4/3指数値との相関のグラフを図示する。
【図6D】18℃の血液試料のΔSと複合指数値との相関のグラフを図示する。
【図6E】ヘマトクリット感度のグラフを混合バイアス対%Hctとして図示する。
【図6F】非補正および複合指数補正で補正された被分析物濃度について、混合バイアスを参照グルコース濃度に相関付ける、グラフを図示する。
【図7】生物学的流体の試料中の被分析物濃度を判定する、バイオセンサシステムの概略表記を図示する。
【0033】
詳細な説明
バイオセンサシステムは、出力信号の中間信号または他の源から抽出された複合指数関数により、出力信号から生物学的試料中の被分析物濃度を判定するための相関を調整する。被分析物は、光同定可能な種またはレドックス反応に応答して、出力信号を生成することができる。中間信号は、出力信号等の一つ以上の一部であることができる。少なくとも一つの複合指数関数を包含する予測関数は、分析における一つ以上の誤差について、出力信号から被分析物濃度を判定するための相関を調整する。少なくとも一つの複合指数関数を包含する予測関数を使用し、誤差を包含する被分析物濃度を補正することもできる。そのような誤差は、結果として、判定された被分析物濃度のバイアス、したがって、低減した正確性および/または精度をもたらすことができる。複合生物学的試料を分析するときに実質的な恩典を提供する、補正システムに加え、補正システムを使用し、他の種類の分析の測定性能を改善することができる。
【0034】
複合指数関数は、重み係数によって修正された項の組み合わせを包含する。複合指数関数に包含される項は、一つ以上の除外テストで選択することができる。予測関数および/または複合指数関数は、分析における一つ以上の誤差に起因する、被分析物濃度と出力信号との間の相関のバイアス/%バイアスに応じる。一つ以上の誤差パラメータから得られた一つ以上のΔS値により、相関の%バイアスを表すことができる。ΔS値は、一つ以上の誤差パラメータから判定された、被分析物濃度と出力信号との間の相関の傾き偏差を表す。したがって、予測または複合指数関数がより密接にΔS(ΔS=f(CIndex))に相関付けられるほど、分析における誤差の補正で関数がより良好である。
【0035】
傾きまたは傾きの変化に応じた複合指数関数を正規化して、出力信号の変化の統計的効果を低減させ、出力信号の変動の分化を改善し、出力信号、その組み合わせ等の測定を標準化することができる。傾き偏差を正規化することができるため、ΔS/S=f(CIndex)に換算して複合指数関数を表現することもできる。調整された相関は、出力信号から試料中の被分析物濃度を判定するために使用されることができるか、被分析物濃度を補正するために使用されることができ、従来のバイオセンサと比較して改善された測定性能を提供することができる。指数関数およびΔS値を使用した誤差補正のより詳細な処置は、2008年12月6日に提出され、「Slope-Based Compensation」と題する、国際公開公報第2009/108239号に見ることができる。
【0036】
図1Aは、生物学的流体の試料中の被分析物濃度を判定するための方法を表す。102では、生物学的流体の試料中の光同定可能な種または被分析物の酸化/還元(レドックス)反応のいずれかに応答して、バイオセンサシステムが出力信号を生成する。104では、バイオセンサシステムが出力信号を測定する。106では、少なくとも一つの複合指数関数および出力信号を包含する補正式から、被分析物濃度を判定する。110では、被分析物濃度を表示し、将来の参照のために記憶し、および/または追加的な計算のために使用することができる。
【0037】
図1Aの102では、生物学的流体の試料中の光同定可能な種または被分析物の酸化/還元(レドックス)反応に応答して、バイオセンサシステムが出力信号を生成する。光学センサシステム、電気化学的センサシステム等を使用し、出力信号を生成することができる。
【0038】
図1Aの104では、バイオセンサシステムは、試料に適用された入力信号に応答して、例えば、被分析物のレドックス反応から、被分析物によって生成された出力信号を測定する。システムは、連続的または断続的に出力信号を測定することができる。例として、バイオセンサシステムは、ゲートアンペロメトリック入力信号のパルス中に、断続的に出力信号を測定することができ、結果として、各パルス中に複数の電流値が記録される。システムは、出力信号をディスプレイ上に示し、および/または出力信号あるいは出力信号の一部をメモリ装置に記憶することができる。
【0039】
図1Aの106では、少なくとも一つの複合指数関数および出力信号を包含する補正式から、試料の被分析物濃度を判定することができる。複合指数関数は、予測関数の部分を形成することができる。図2は、比率パラメータ(R5/4)に基づく%バイアスと指数関数との間の相関を図示する。比率パラメータR5/4は、7個のパルスを包含するゲートアンペロメトリパルスシーケンスの第4および第5パルスに応答して、被分析物によって生成された電流間の関係を表す。他の比率パラメータおよび指数関数を使用することができる。したがって、分析の出力信号、例えば、ゲートアンペロメトリシーケンスに応答して被分析物によって生成された中間電流から、生物学的流体中の測定された被分析物濃度、例えば、全血中のグルコースの%バイアスを判定または相関付けることができる。
【0040】
%バイアスと予測関数との間の関係は、下記のように表すことができる:
【0041】
【数1】
【0042】
ここで、%バイアスが(ΔA/Aref)*100%に等しく、f(predictor)がa1*f(Index)+a0に等しい。ΔAは、測定または計算された被分析物濃度Acalと参照被分析物濃度Aref(生物学的試料中の公知の被分析物濃度)との間の差である。f(Index)は、単一の誤差パラメータ、誤差パラメータの組み合わせまたは他の値であることができる。したがって、式1に項を代入すると、結果として、%バイアスと指数関数との間に下記の関係がもたらされる:
【0043】
【数2】
【0044】
式2の項を再配置すると、結果として、下記の関係がもたらされる:
【0045】
【数3】
【0046】
補正を下記のように表現することができる:
【0047】
【数4】
【0048】
ここで、Acorrが補正または補正被分析物補正であり、A0が分析からの初期被分析物値である。ΔAを式3から得ることができる一方、式3のArefは、生物学的試料の分析中に入手可能であることができない。しかし、Arefの代用として、分析からの初期被分析物値A0を使用することができる。したがって、下記の関係により、式3を近似することができる:
【0049】
【数5】
【0050】
最後に、式5を式4に代入すると、結果として、下記の関係がもたらされる:
【0051】
【数6】
【0052】
式6から、測定された被分析物濃度と参照被分析物濃度との間の差ΔAは、分析における一つ以上の誤差に起因してバイアスをかけられることができる、初期被分析物値A0に基づいている。したがって、測定された被分析物濃度の補正のベースになる参照点または値がない。本出願および請求項中で提示するこれらおよび他の式は、「=」記号を包含することができる一方、記号を使用し、等価、関係、予想等を表す。
【0053】
一つ以上の誤差パラメータから得られた一つ以上の傾き偏差ΔSにより、被分析物濃度と出力信号との相関における%バイアスを表すこともできる。誤差を含有する出力信号の一部は、出力信号の仮想的な傾きと参照相関の傾きとの間の偏差に反映される。一つ以上の誤差パラメータから、この傾きの偏差を反映する一つ以上のΔS値を判定することにより、分析の測定性能を増大させることができる。一つ以上の誤差パラメータから、分析の一つ以上のΔS値を判定することができる。ΔS値と、一つ以上の誤差パラメータの値との間の関係を指数関数によって記載することができる。参照相関式に加え、指数関数を事前に判定し、バイオセンサシステムに記憶することができる。分析前、中または後に誤差パラメータ値を判定することができる。
【0054】
傾き補正式は、出力信号値を使用し、補正された被分析物濃度を提供する。傾き補正式は、他の値を使用することもできる。傾き補正式は、出力信号と公知の被分析物濃度との間の参照相関を調整することにより、誤差を補正し、補正または補正された被分析物濃度を提供する。
【0055】
傾き補正式は、下記のように表すことができる:
【0056】
【数7】
【0057】
ここで、Acorrが補正された被分析物濃度、iがバイオセンサシステムからの出力信号の値、Intが参照相関式の切片であり、Scalが参照相関式の傾きであり、ΔSがScalと、誤差なしの試料の被分析物濃度を提供する、出力信号値のライン(Shyp)の仮想的な傾きとの間における傾きの偏差を表す。参照相関式のIntおよびScal値は、バイオセンサシステム内のプログラム番号割当(PNA)表、もう一つの探索表等として具現化することができる。少なくとも一つのΔS値および出力信号を包含する、他の傾き補正式を使用することができる。
【0058】
式7は、傾き偏差ΔSを使用して判定された、補正された被分析物濃度の表記であり、ここで、ΔSは、被分析物分析に伴う本質的に総合的な誤差に関連する、本質的に総合的な傾き偏差である。総合的な傾き偏差は、一つ以上の誤差源が原因であることができる。被分析物濃度への実質的に線形の応答を有する、任意の信号で式7を使用することができる。他の信号、例えば、ほぼまたは部分的に線形の信号で式7を使用することができる。ΔSが出力信号の一つ以上の誤差に対応する一方、iは、試料の被分析物濃度に対応しない、誤差を含有する出力信号の一部を表す。したがって、Shyp=Scal+ΔSである。出力信号iとの比較のため、IntおよびScalの一つ以上の値をバイオセンサシステム内に記憶し、試料のAcorrを判定することができる。
【0059】
ΔSの値を試料から実験的に判定し、式7に代入した場合、それらの試料の判定された被分析物濃度におけるバイアスは、十分に補正される。あるいは、ΔSに予測関数を代入した場合、その後、判定された被分析物濃度におけるバイアスを補正するための補正式の能力は、予測関数から生成された値がΔSにどの程度良く相関付けられるかに依存する。式7では、予測関数f(predictor)をΔSに代入することができる。したがって、式7は、下記のように書き換えることができる:
【0060】
【数8】
【0061】
予測関数f(predictor)は、b1*f(CIndex)+b0の一般的な形態を有することができ、ここで、f(CIndex)が複合指数関数であり、他の値または指数をf(CIndex)と組み合わせて使用し、f(predictor)を提供することができる。例として、複合指数関数をb1およびb0値の一つまたは両方と共にか、なしで使用し、予測関数を提供することができる。複数の複合指数関数を混合し、f(predictor)と、したがって、試料の補正された被分析物濃度を提供することができる。
【0062】
ΔSおよび複合指数関数が完璧に相関付けられた理論条件では、b1(傾きを表す)とb0(切片を表す)は、それぞれ、1とゼロである。予測関数がΔSを近似しているときには、b1=1±0.2であれば、b1の代用として理論値である1を使用することができ、好ましくは、b1=1±0.15であれば、b1の代用として1を使用することができ、より好ましくは、b1=1±0.1であれば、b1の代用として1を使用することができる。予測関数がΔSを近似しているときには、b0=0±0.3であれば、b0の代用として理論値であるゼロを使用することができ、好ましくは、b0=0±0.2であれば、b0の代用としてゼロを使用することができ、より好ましくは、b0=0±0.1であれば、b0の代用としてゼロを使用することができる。他の偏差カットオフを使用し、b1、b0または両方の理論値を使用することができるときを判定することができる。b1および/またはb0に理論値1および0を代入することに加え、同一または他の偏差カットオフに基づき、探索表等からの所定値を代入することができる。
【0063】
図1Aの108では、補正された被分析物濃度値を表示、将来の参照のために記憶および/または追加的な計算のために使用することができる。
【0064】
図3は、Scalと、Shypと、ΔSと、Acorrと、Acalと、ΔAとの間の関係を示す。ラインAは、傾きScalを有し、バイオセンサシステムからの電流値の形態をとる出力信号を、試料についてYSIまたは他の参照機器から得た被分析物濃度値に関連させる、参照相関を表す。バイオセンサシステムによる試料の分析中に使用されると、ラインAの参照相関は、不正確および/または不精密な被分析物濃度値を提供することができる、一つ以上の誤差を有する、出力信号電流値を包含することができる。ラインBは、傾きShypを有し、システムから得られた電流値を、参照機器から得られたような試料の被分析物濃度値に関連させる、誤差補正された相関を表す。誤差補正された相関が調整または修正され、一つ以上の誤差が低減または実質的に除去されている。ΔSは、これらの相関ライン間の傾きの差である。ΔAは、非補正または未補正の判定された被分析物濃度値(Acal)と、誤差補正または補正された、判定された被分析物濃度値(Acorr)との間の差である。
【0065】
補正または補正なしでは、特定の出力信号値は、誤差補正されたShypラインよりもScal参照相関ラインから、異なる試料被分析物濃度を提供する。誤差補正されたShypラインから得られたAcorr値は、試料中の被分析物濃度のより正確な値を提供する。したがって、式7は、ΔSを使用し、電流値ScalおよびIntを補正された被分析物濃度値Acorrに転換する。この方式では、ΔSを通じ、パーセントバイアスを式7に結び付けることができる。ΔSのパーセントバイアスへの結び付きを通じ、バイアス分布の中心に向かってパーセントバイアス値を引き寄せることができる。ΔSがバイアスに対応するにつれ、ΔSを変化させると、試料の補正された被分析物濃度に残ったバイアス量に影響する。
【0066】
分析における一つ以上の誤差へのΔSの対応性は、予測関数によって表すことができる。一つ以上の予測関数を判定するには、一つ以上の誤差(ΔScal)に応答した相関式の傾きの偏差は、下記のように、例えば、工場校正中の実験データから判定することができる:
【0067】
【数9】
【0068】
ここで、iがバイオセンサシステムからの出力信号の値であり、Intが参照相関式の切片であり、Arefが例えば、参照機器から得られた試料の参照被分析物濃度であり、Scalが参照相関式、例えば、i=Scal*Aref+Intの傾きである。各参照被分析物濃度で一つ以上のΔScal値を判定することができる。この方途では、複数の公知の被分析物濃度について、バイオセンサシステムおよび応じて判定されたΔScal値から出力信号値を得ることができる。式9からΔScal値を取り、誤差パラメータに相関付けることにより、初期予測関数を判定することができる。
【0069】
予測関数は、被分析物濃度分析における一つ以上の誤差について、測定された被分析物濃度を補正する。一つ以上の予測関数を使用することができる。総合的な傾き偏差ΔSに完璧に相関付けられた予測関数は、被分析物濃度の最終の総合的な誤差補正を提供するであろう。そのような完璧に相関付けられた仮想的な予測関数を使用し、測定された被分析物濃度の総合的な傾き偏差ΔSと、したがって、バイアスとの厳密な原因を把握することが求められることなく、分析におけるすべての誤差を補正することができる。予測関数は、少なくとも一つの指数関数を包含し、一つ以上の指数関数が複合であることができる。好ましくは、予測関数は、少なくとも一つの複合指数関数を包含する。
【0070】
指数関数は、少なくとも一つの誤差パラメータに対応する。指数関数は、誤差パラメータ、例えば、ヘマトクリットまたは温度に相関付けられ、傾き偏差ΔSへのこの誤差パラメータの影響力を表す、計算された数であることができる。したがって、誤差パラメータは、出力信号における一つ以上の誤差に対応する、任意の値であることができる。ΔScalと誤差パラメータとの間のプロットの回帰式として、指数関数を実験的に判定することができる。
【0071】
被分析物の分析からの誤差パラメータ値、例えば、出力信号からの中間信号または被分析物出力信号から独立した源、例えば、熱電対、追加的な電極等からの誤差パラメータ値を使用し、指数関数を判定することができる。したがって、誤差パラメータは、分析の出力信号から直接的または間接的に抽出することができ、および/または出力信号から独立して得ることができる。任意の誤差パラメータを使用し、項、例えば、2008年12月6日に提出され、「Slope-Based Compensation」と題する、国際公開公報第2009/108239号等に記載された項を形成することができる。
【0072】
濃度値の誤差は、参照相関が判定された温度ではない温度で分析を実施することから生じることができるため、温度を誤差パラメータとして考慮することができる。例として、温度は、全血の試料におけるグルコースの酸化および放散と、光学的に活性な分子の放散とに影響する。任意の源、例えば、熱電対、計算された推定値等から、分析のための温度を判定することができる。したがって、f(Index)Tempは、参照温度で判定された参照相関の傾きと、分析が実施された温度における、温度に影響された被分析物濃度を提供するであろう、ラインの仮想的な傾きとの間の傾きの偏差に温度を関連させる。参照相関式を持つバイオセンサシステムでは、温度f(Index)Tempの指数関数を記憶することができる。
【0073】
図4は、入力信号が複数のパルスを包含する、ゲートパルスシーケンスを図示する。パルスの結果である出力信号電流値は、各パルスの上方に図示されている。記録された中間信号電流値は、丸で図示されている。各i値は、入力信号に対応する出力信号の電流値である。i値の添字の第一の数がパルス数を指し示す一方、添字の第二の数は、電流値が記録された出力信号の次数を指し示す。例として、i2,3は、第二のパルスについて記録された第三の電流値を指し示す。
【0074】
先に論じたように、指数関数は、図4に図示したような中間出力信号から抽出された、比率を包含することができる。例として、個々のパルス信号減衰サイクル、例えば、R3=i3,3/i3,1、R4=i4,3/i4,1等の比率内で中間信号値を比較することができる。もう一つの例では、別個のパルス信号減衰サイクル、例えば、R3/2=i3,3/i2,3、R4/3=i4,3/i3,3等の比率間で中間信号値を比較することができる。
【0075】
指数関数は、図4に図示した出力信号から抽出された、比率の組み合わせも包含することができる。一つの例では、指数関数は、比率分の比率、例えば、Ratio3/2=R3/R2、Ratio4/3=R4/R3等を包含することができる。もう一つの例では、指数関数は、指数の組み合わせを包含することができる。例として、組み合わせ指数Index−1は、Index−1=R4/3−Ratio3/2として表すことができる。もう一つの例では、組み合わせ指数Index−2は、Index−2=(R4/3)p−(Ratio3/2)qとして表すことができ、ここで、pおよびqが独立して正数である。
【0076】
重み係数によって修正された項の組み合わせを関数が包含するとき、指数関数は、複合である。組み合わせは、好ましくは、線形の組み合わせであるが、項に重み係数を提供する他の組み合わせ方法を使用することができる。各項は、一つ以上の誤差パラメータを包含することができる。複合指数関数の例は、下記のように表される:
【0077】
【数10】
【0078】
ここで、a1が定数であり、a2〜a10が独立して重み係数であり、Grawが補正なしの試料の判定された被分析物濃度であり、Tempが温度である。各重み係数(a2〜a10)に続いて、それに伴う項がある。
【0079】
式10によって表される複合指数関数には、少なくとも三つの基本的な種類の項:(1)出力信号から抽出された個々の比率指数、例えば、R3/2およびR4/3、(2)出力信号から抽出された比率指数と、温度またはGrawとの間の相互作用項、例えば、(R3/2)(Graw)および(R3/2)(Temp)ならびに(3)温度およびGrawがある。項は、Grawを包含する、誤差パラメータではない値を包含することができる。先に記載したように、組み合わせ指数関数を非限定的に包含する、他の項を使用することもできる。項を適切な値に置き換えると、複合指数関数を解き、複合指数値を提供することができる。複数の項に統計的処理を実施し、一つ以上の定数および重み係数を判定することができる。MINITAB(ペンシルバニア州ステートカレッジのMINTAB, INC.)を包含する、統計的パッケージソフトウェアを使用し、統計的処理を実施することができる。
【0080】
回帰または他の数学的手法により、定数a1を判定することができる。単一の定数を式10に示す一方、定数が要求されず、;1より多いことができ、0に等しいことができる。したがって、一つ以上の定数を複合指数関数に包含するか、しないことができる。予測関数、例えば、例として、式8に対して先に記載したb0定数の形成において、一つ以上の定数を指数関数と混合することもできる。
【0081】
重み係数に1を有する項を使用することができる一方、複合指数関数は、重み係数によって修正された少なくとも二つの項を包含する。重み係数は、1やゼロではない数値的な値である。好ましくは、誤差パラメータを包含する各項が重み係数によって修正される。より好ましくは、複合指数関数の各非定数項が重み係数によって修正される。重み係数は、正または負の値を有することができる。複数の被分析物濃度、異なるヘマトクリットレベル、異なる温度等の組み合わせから収集された実験データの統計的処理を通じ、重み係数を判定することができる。
【0082】
以下の表1は、52人のドナーによるドナー調査の21℃および18℃における毛細管および静脈血試料から、グルコース出力信号(電流)から取られたデータの多変数回帰の結果である、重み係数およびp値を列記する。各ドナーからの各血液試料をグルコースについて二度分析し、データ母集団内の約104個のデータ点を与えた。選択された中間出力信号がパルスから記録されたゲートアンペロメトリック入力信号を使用し、試料を分析した。MINITABバージョン14ソフトウェアを、多変数回帰を実施するように選定されたMulti-Variant Regrssion of Linear Combinations of Multiple Variablesオプションで使用した。他の統計的分析または回帰オプションを使用し、項の重み係数を判定することができる。
【0083】
【表1】
【0084】
結果としての複合指数関数は、下記のように表すことができる:
【0085】
【数11】
【0086】
ここで、ΔSRegAは、ΔScal=(i/Aref)−Scalとして画定され、ここで、例として、式7に関して先に論じたように、ArefがYSI参照機器から得られた参照被分析物濃度値であり、Scalが参照相関式の傾きである、ΔScalを記載する複合指数関数である。ΔSRegA複合指数関数からの出力がΔScal値にどの程度良く応じるかを反映するR2値は、77.2%(R2*100%)であった。したがって、R2値は、複合指数関数とScalとの間の相関を指示した。より大きいR2値は、複合指数がΔScalの記載においてより良好であることを反映する。
【0087】
図1Bは、複合指数関数に包含するための項を選択するための方法を表す。112では、複合指数関数に電位を包含するための項として、複数の誤差パラメータを選択する。生物学的流体の試料中の光同定可能な種に対応するまたは被分析物のレドックス反応からの出力信号から、誤差パラメータを直接的または間接的に抽出することができる。出力信号から独立して、例えば、熱電対から誤差パラメータを得ることもできる。項は、誤差パラメータではない値を包含することができる。114では、一つ以上の数学的手法を使用し、選択された各項の第一の除外値を判定する。数学的手法は、回帰、多変量回帰等を包含することができる。除外値はp値等であることができる。数学的手法は、選択された項に関連する重み係数、定数および他の値を提供することもできる。
【0088】
116では、一つ以上の除外テストを除外値に適用し、複合指数関数から除外する一つ以上の項を同定する。テスト下の少なくとも一つの項を除外する。117では、一つ以上の数学的手法を繰り返し、残りの項の第二の除外値を同定する。118では、第二の除外値において、一つ以上の除外テスト下の複合指数関数から除外する残りの項が同定されない場合、残りの項は、複合指数関数に包含される。120では、第二の除外値において、一つ以上の除外テスト下の複合指数関数から除外する残りの項が同定された場合、117の一つ以上の数学的手法を繰り返し、残りの項の第三の除外値を同定することができる。118のように、これらの残りの項を複合指数関数に包含することができるか、120のように、除外テストにより、除外する一つ以上の項が同定されなくなるまで処理を反復的に繰り返すことができる。
【0089】
上記の表1は、各項のp値も列記する。p値は、項が複合指数関数から除去された場合に、複合指数関数とΔSとの間の相関に影響する確率を示す。例として、項の0.05以上のp値は、複合指数関数から項を除去すると、複合指数関数のΔSへの相関が低減するであろう確率が5%以上であることを意味する。したがって、p値を除外テストの除外値として使用し、複合指数関数から電位を除外するための項を選択することができる。より小さい数値的なp値が除外値として選択されるほど、さらなる項が複合指数関数から除外される。
【0090】
除外テストでp値を除外値として使用するときには、およそ0.01〜およそ0.10の除外p値が好ましく、およそ0.03〜およそ0.07の除外p値の値がより好ましい。p値に基づく除外テストに加え、他の除外テストを使用し、複合指数関数から除外するための電位項を同定することもできる。複合指数関数とΔSとの間の相関に望ましくない方式で影響しない、項を複合指数関数から排除すると、複合指数関数とΔSとの間の所望の相関が許可される。したがって、補正式により、測定性能の所望の改善を達成する一方、より短い分析時間を提供することができる。また、複合指数関数からの望ましくない項の排除を通じ、異なるバイオセンサシステムおよび状況を使用して実施された後続の分析の精度を改善することができる。
【0091】
表1の項に関して、複合指数関数からの電位排除のため、0.05を上回るp値を有する項を選択した。したがって、第一の多変数回帰後、複合指数関数からの排除に適切であることができる項として、項(R3/2)(Graw)、(R4/3)(Graw)、TempおよびGrawを同定した。(R4/3)(Graw)項が最大p値(0.852)を示したため、項を排除し、多変数回帰を繰り返した。多変数回帰のこれおよび第三の反復により、TempおよびGraw項が第二および第三に高いp値を有することを同定した。(R4/3)(Graw)、TempおよびGraw項の排除により、以下の表2に示すように、(R3/2)(Graw)項のp値が0.05の除外値下に入ることが予想外に判定された。したがって、(R3/2)(Graw)項の重み係数が他の重み係数に対して数値的に小さい(0.00799)一方、項は、ΔSに相関付けるための複合指数関数の能力に寄与した。好ましくは、残りの項がテストに合致するまで、除外テストから最も大きい望ましくない逸脱を持つ項の選択および除去の反復的な処理を繰り返す。
【0092】
【表2】
【0093】
(R4/3)(Graw)、TempおよびGraw項の排除後、式11の複合指数関数は、下記のように表すことができる:
【0094】
【数12】
【0095】
ΔSRegB式からの出力がScal値にどの程度良く応じるかを反映するR2値は、77.1%であった。除外テストにより、式11から除去された項の排除は、項が低減される複合指数関数において、ΔSを記載するための能力の有意な変化の原因にならなかった(0.1)。したがって、表1のデータにおける誤差を記載するための式12の複合指数の能力が保持される一方、式11に対する項数の有益な低減が提供された。
【0096】
図5Aは、ΔSとR4/3指数値との相関の表1に関して、先に論じたドナー調査からのデータのグラフである。「cap/21C」データセットは、約21℃の毛細管血試料からの相関データを表し、「ven/18C」データセットは、約18℃の静脈血試料からの相関データを表し、「すべて」データセットは、これらの二つの試料と共に、約18℃の毛細管血試料および約21℃の静脈血試料からの全般的な相関データを表す。図5Bは、式12から得られた複合指数値の関数として、表1のデータについてのΔSの相関の同様のグラフである。全般的な相関(「すべて」)と異なる温度における個々の相関との間の差は、図5AのR4/3比率指数関数(R2=0.64)よりも図5Bの複合指数関数(R2=0.77)の方がはるかに小さい。これらのR2値間の約0.13という差は、数値的に小さいものの、R4/3比率指数関数に対し、ΔSと複合指数関数との間の相関が13%改善したことを表す。結果的に、バイオセンサは、以下の式13として表された単一の予測関数を使用し、21℃および18℃の温度における毛細管および静脈血試料のすべての四つのケースを補正することができる。
【0097】
【数13】
【0098】
式13では、複合指数関数であるΔSRegBは、式12で表されたとおりであり、例として、式8に関して先に記載したように、1.0043および0.1308の値がそれぞれb1およびb0(「すべて」データの図5Bのプロットから)である。
【0099】
ΔSに対応する一つ以上の複合指数関数を使用すると、混合バイアスの標準偏差によって測定されるバイアス拡散を低減させることができる。混合バイアスの標準偏差がより小さいほど、バイアス拡散がより小さく、試料中の被分析物の分析がより正確および/または精密である。分析の測定性能を改善することにおける補正の有効性は、バイアス母集団の標準偏差(SD)の低減に直接的に影響する、ΔSと一つ以上の指数関数との間の相関に直接的に関連する。相関係数R2により、ΔSと一つ以上の指数または予測関数との間の相関を測定することができる。そのため、R2値が高いほど、ΔSと一つ以上の指数または予測関数との間の相関がより良好であり、混合バイアスのSD値の低減がより大きく、補正後のバイアス拡散がより小さい。好ましい複合指数関数は、ΔSとのおよそ0.6以上のR2相関値を有する。より好ましい複合指数関数は、ΔSとのおよそ0.7以上のR2相関値を有する。好ましい指数または予測関数は、データ母集団の混合バイアスについて、5よりも少ないSD値を提供する。複合指数関数を包含する好ましい予測関数は、データ母集団の混合バイアスについて、4よりも少ないSD値を、より好ましくは、データ母集団の混合バイアスについて、3よりも少ないSD値を提供する。
【0100】
標準偏差とバイアス拡散との間の経験的な関係は、以下の表3に観察される。表1に関して先に記載され、21℃および18℃でグルコースについて分析された毛細管血試料について、R4/3+Temp指数および複合指数補正の前後の±10%混合バイアス限界に入った、混合バイアスの平均値、混合バイアスのSDおよび濃度分析(データ母集団)のパーセントを列記している。「R4/3+Temp」という略号を使用し、表4に関してさらに論じるように、R4/3指数関数および温度指数関数で補正を記載する。
【0101】
【表3】
【0102】
補正なしの判定された被分析物濃度(Graw)から計算されたような混合バイアスの平均値は、ゼロバイアスに対し、18℃および21℃データ母集団の両方がマイナスにオフセットされていることを示した。21℃では、混合バイアスの−1.03という平均値は、バイオセンサシステムの誤差内にあると考えられる。しかし、18℃では、混合バイアスの−9.29という平均値は、温度誤差に帰すことができると考えられる。より低い温度の18℃データでは、9という有意により高い数値的な値は、システムからの非補正データが±10混合バイアス限界のより低い境界に集中し、ゼロバイアスの中心から有意に乖離していることを指示した。したがって、データ母集団のおよそ半分は、±10混合バイアス限界の境界の外部にあった。
【0103】
21℃データセットでは、R4/3+Temp指数関数補正は、2単位(6.315−4.23=2.085)を上回る標準偏差の低減を提供した。平均すると、5単位以下の標準偏差により、データのおよそ95%が±10%混合バイアス限界内に、データのおよそ63%が±5%混合バイアス限界内に置かれるため、この2単位を上回る低減は、有意である。したがって、R4/3+Temp指数関数補正は、21℃データのおよそ98%を±10%混合バイアス限界の境界内に、データのおよそ77%を±5%混合バイアス限界の境界内に収めた。
【0104】
R4/3+Temp指数関数補正に対し、複合指数関数補正は、追加的に約0.5単位の標準偏差を低減させた。したがって、複合指数補正は、データのおよそ99%を±10%混合バイアス限界の境界内に、データのおよそ88%を±5%混合バイアス限界の境界内に収めた。このデータでは、R4/3+Temp指数関数補正に対する複合指数補正の改善は、無補正に対してR4/3+Temp指数関数補正で観察されたように大きくない一方、データセットがより少なく集中している(混合バイアスの平均値がより大きい)ときに、摂動に対するシステムの耐性が有意に増大する。
【0105】
摂動耐性は、分析において誤差が存在するときに、システムが正確および/または精密な被分析物濃度値をどの程度良く提供するか、として見なすことができる。10から標準偏差の2倍を差し引き、摂動耐性インジケータ(PRI)を提供することにより、摂動耐性を判定する。表3の21℃データ母集団について、PRIは、R4/3+Temp指数関数補正では1.54(10−2*4.23)であり、複合指数関数補正では2.6(10−2*3.7)である。非補正21℃データが1の数値的な平均値に実質的に集中しているため、R4/3+Temp指数関数補正に対し、複合指数関数補正によって提供されたPRIの約68%の増大により、データの追加的な1パーセントが±10%混合バイアス限界の境界内に移行する。
【0106】
しかし、18℃データについて、混合バイアスの平均値の数値的な増大として観察されたように、未補正データの拡散の原因となる誤差により、システムが摂動されると、複合指数関数補正によって提供される恩典が有意に増大した。摂動された18℃データでは、標準偏差は、R4/3+Temp指数関数補正を通じて2.2単位低減し、複合指数関数補正を通じてさらに約0.5単位低減した。したがって、複合指数関数補正は、R4/3+Temp指数関数補正に対し、両方の温度で標準偏差における約0.5単位のSD低減を提供した。これは、R4/3+Temp指数関数による補正に対し、高いバイアスデータを許容可能範囲内に収めるための促進された能力を有する、複合指数関数補正を生み出す。
【0107】
18℃データのPRI値を判定すると、R4/3+Temp指数関数補正が0.58の値を提供した一方、複合指数関数補正は、1.64の値を提供し、R4/3+Temp指数関数補正を超えて、複合ではPRIが約180%増大した。複合指数関数補正によって提供されたPRIの68%の増大により、密接にグループ化された21℃データの追加的な1%が±10%混合バイアス限界の境界限界内に移行した一方、複合指数関数補正によって提供されたPRIの180%の増大により、数値的により高い平均値の18℃データの3倍相当(3.4%)を超えて±10%混合バイアス限界の境界限界内に移行した。したがって、非補正データの誤差が大きいほど、±10%混合バイアス限界の境界内へのバイアスの低減において、より良好な複合指数関数補正が実施された。
【0108】
複合指数関数補正は、より高い21℃温度では、非補正データ点に対し、±10%混合バイアス限界の境界内のデータ点の百分率として約17%(99.1−84.9/84.9*100%)の増大を、より低い18℃温度では、非補正データ点に対し、±10%混合バイアス限界の境界内のデータ点の百分率として約78%(98.1−55.2/55.2*100%)の増大を提供した。この実質的に集中した未補正データについて、R4/3+Temp指数関数と複合指数関数補正との間の差が大きくなかった一方、より少数の分析が±10%混合バイアス限界の境界の外部にあるであろうがため、複合指数関数補正によって提供された改善は、有意である。バイアス限界の外部の指示値数を低減させることにより、例として、血液グルコースをモニタリングしているときに、患者による正確な治療のため、より多くの得られた指示値を使用することができる。追加的に、患者による分析の破棄および繰り返しの必要を低減させることもできる。
【0109】
図6Aは、ΔSとR4/3指数値との相関について、表1に対して先に論じた21℃の毛細管および静脈血試料のグラフである。図6Bは、同一のデータのΔSと、式12の複合指数値との相関のグラフである。これらのグラフのR2値は、それぞれ、0.5998および0.7268であり、ΔSへのR4/3指数関数の相関に対し、ΔSへの複合指数関数の相関の約21%(0.7269−0.5998/0.5998)の改善を指示した。同様に、図6Cおよび図6Dは、18℃の毛細管および静脈血試料について、R4/3指数値(図6C)および式12からの複合指数値(図6D)のΔSへの相関をプロットする。R4/3および複合指数関数のR2値(それぞれ0.6307および0.7154)の比較は、R4/3指数関数のΔSへの相関に対し、複合指数関数のΔSへの相関の約13.5%(0.7154−0.6307/0.6307)の改善を示す。
【0110】
傾き偏差、ΔSおよび/または関連する複合指数関数を正規化し、被分析物濃度と出力信号との相関における%バイアスを表すことができる。正規化では、傾き偏差、指数もしくは複合指数関数または他のパラメータを変数によって調整(乗除等)して、パラメータの変化の統計的効果を低減させ、パラメータの変動の分化を改善し、パラメータ、その組み合わせ等の測定を標準化する。
【0111】
以下の表4は、判定された未処理グルコース濃度と、R4/3+Temp指数関数補正および項に温度を包含する複合指数関数補正の結果である、補正されたグルコース濃度とを比較する。表1に関して先に論じたドナー調査からのデータについて、データ母集団の混合バイアスの標準偏差(SD)に加え、±10%、±8%および±5%混合バイアス限界内に入るパーセントを判定した。選択された中間出力信号がパルスから記録されたゲートアンペロメトリック入力信号を使用し、試料を分析した。
【0112】
【表4】
【0113】
ΔScal(記録された電流値から観察された)をR4/3と比較することによって判定され、a1およびa0がそれぞれ傾きおよび切片を表す、予測関数f(predictor)=a1*R4/3+a0でR4/3+Temp指数関数補正を実施した。データの温度感度ΔSTも関係を使用して判定した:
【0114】
【数14】
【0115】
ここで、f(Index)Tempは、先に記載したとおりであり、Tが温度であり、c1およびc0がそれぞれ傾きおよび切片を表す。
【0116】
その後、関係を使用して、補正されたグルコース濃度を判定した:
【0117】
【数15】
【0118】
ここで、iがバイオセンサシステムからの出力信号の値であり、Intが参照相関式の切片であり、Gcorrが試料の補正されたグルコース濃度である。
【0119】
YSI参照機器によって判定されたような試料の参照グルコース濃度である、Grefが試料の75デシリットル当たりグルコースmg(mg/dL)よりも少ない場合、関係Gcorr−Grefを通じ、±10%、±8%または±5%混合バイアス限界の境界内に入るデータ点(補正されたグルコース試料濃度)の百分率を判定した。関係100%*(Gcorr−Gref)/Grefを使用し、データ点が75mg/dLを上回るか、等しいときに境界限界内に入る、補正されたグルコース試料濃度の百分率を判定した。
【0120】
先に記載したように、項、定数および重み係数を選択することにより、試料からの中間電流、温度値およびGrawから判定された誤差パラメータで複合指数関数補正を実施した。p値を使用し、複合指数関数f(CIndex)に項を包含するための除外テストを実施した。その後、ΔScalをf(CIndex)と比較し、b1およびb0がそれぞれ傾きおよび切片を表す、ΔScal=b1*f(CIndex)+b0を得た。b1が約1であり、および/またはb0が約ゼロであるとき、f(CIndex)は、これらの修正の一つまたは両方なしでΔSを近似することができる。先のように、R4/3+Temp指数関数補正について、±10%、±8%または±5%混合バイアス限界の境界内に入る、データ点の百分率(各試料の補正されたグルコース濃度)を判定した。
【0121】
最も狭い±5%混合バイアス限界の境界内に入る被分析物濃度の百分率を考慮すると、R4/3+Temp指数関数補正では「すべて」の試料の約72%が境界内に置かれた一方、複合指数関数補正では、試料の約82%が境界内に置かれた。これは、最も狭い±5%混合バイアス限界内に入る、補正された被分析物濃度値の総合的な数が約14%(82−72/72*100)増大したことを表す。両方の方法が温度差の補正を包含したとしても、R4/3+Temp指数関数補正に対し、複合指数関数補正によって提供された測定性能のこの有意な増大が観察された。したがって、±5%混合バイアス限界の測定性能カットオフでは、患者は、複合指数関数補正を使用したグルコースバイオセンサシステムにおいて、R4/3+Temp指数関数補正を使用した同一のグルコースバイオセンサシステムよりも約14%少数の分析を破棄および繰り返すことが求められるであろう。補正が欠如した同一のグルコースバイオセンサシステムは、±5%混合バイアス限界において、グルコース分析の約56%を破棄することを要求し、非補正システムは、事実上、±5%混合バイアス限界の測定性能カットオフを達成するために無効であろう。R4/3+Tempと複合指数関数補正との間で、四つの個々の各データ母集団について、バイアスの標準偏差の有意な減少(平均して〜0.6単位)が観察された。
【0122】
図6Eは、ヘマトクリット感度のグラフを混合バイアス対%Hctとして図示する。非補正の判定されたグルコース濃度に対し、複合指数関数補正は、ヘマトクリット感度をおよそ−1.11(バイアス/%バイアス)/%Hctから、およそ−0.3(バイアス/%バイアス)/%Hctに低減させ、約70%の低減であった。したがって、複合指数関数補正は、ヘマトクリットバイアスによる測定性能の低減に対する分析システムの感受性を実質的に低減した。
【0123】
ΔSに加え、指数関数は、傾き偏差の正規化された形態であるΔS/Sを表すことができる。したがって、ΔS/SをΔSに代入することができる。例として、関係ΔS/ScalまたはS/Scalを通じ、正規化を達成することができる。そのように、参照相関式Scalの傾きにより、式7の傾き偏差ΔSを正規化し、結果として、ΔS/Scalと指数関数との間に補正相関をもたらすことができる。
【0124】
式7では、ΔSをScalで下記のように除す:
【0125】
【数16】
【0126】
ΔS/Scalに、複合指数関数を包含することができる予測関数f(predictor)を代入し、下記のように表すことができる:
【0127】
【数17】
【0128】
式17の予測関数f(predictor)を下記のように式16に代入することができる:
【0129】
【数18】
【0130】
傾き偏差ΔSを解くと、下記の関係が提供される:
【0131】
【数19】
【0132】
Scalによる傾き偏差ΔSの正規化は、Scalの異なる較正から電位効果を実質的に除去することができる。
【0133】
式7の傾き偏差ΔSを乗算により、正規化された傾き関数SNMLで正規化し、結果として、SNMLと複合指数関数との間に補正相関をもたらすこともできる。正規化された傾き関数SNMLは、下記のように表すことができる:
【0134】
【数20】
【0135】
式20を式7に代入し、SNMLを予測関数f(predictor)に置き換えると、下記の関係が提供される:
【0136】
【数21】
【0137】
図1Cは、測定装置での使用のため、ヘマトクリット調整されたドナー血液試料から複合指数関数を判定する方法を表す。122では、複数の環境的状況において、複数のテストセンサにより、公知の参照グルコース濃度を有する、ヘマトクリット調整された複数の血液試料の実験グルコース濃度を判定する。参照機器を使用し、公知の被分析物濃度を判定することができる。123では、参照温度および参照%Hctで判定された公知のグルコース濃度から、複数のテストセンサの参照相関の傾きおよび切片を判定する。124では、複数のドナー血液試料の参照グルコース濃度を判定する。ドナー血液試料は、変動するグルコース濃度およびヘマトクリットレベルを有することができる。複数のドナー血液試料の参照グルコース濃度を参照温度で判定することができる。125では、場合により、ヘマトクリット調整された複数の血液試料グルコース濃度データを複数のドナー血液試料グルコース濃度データと混合する。126では、一つ以上の出力信号値のデータから、項を選択する。一つ以上の物理的特性、環境的状況、濃度値等について、項を選択することもできる。127では、項の重み係数および任意の定数を判定する。128では、複合指数関数に包含するための重み係数および任意の定数に応じ、項を選択する。
【0138】
以下の表5は、毛細管および静脈血試料(およそ106個の試料)と、試料のヘマトクリット含有量をおよそ20〜およそ60%Hctに調整するため、静脈血を添加した試料(およそ60個の試料)とについて、判定されたグルコース濃度データを提供する。したがって、図1Cの122に一般的に記載されるているように、ヘマトクリット調整された血液試料を作成した。表1に関して先に論じたように、ドナー調査から判定された先行する被分析物濃度と違い、表5のグルコース濃度は、グルコースについて分析された血液試料と異なる血液試料から導出された、複合指数関数を使用して判定した。したがって、表5のバイアスを補正するため、測定装置によって具現化された複合指数関数は、異なる試料母集団から先に判定した。除外値を0.05としてp値除外テストを使用し、複合指数関数に包含するための項を選択した。除外後、複合指数関数に残った項は、:R4/3、R5/4、R5/4*Graw、R/54*Temp、R4/3*Temp、R4/3*R5/4、R4/3*R5/4*Graw、R4/3*R5/4*TempおよびTempであった。複合指数関数は、各項の正または負の重み係数および初期定数を包含した。
【0139】
補正式を使用し、一般的な形態を有する血液試料の補正されたグルコース濃度を判定した:
【0140】
【数22】
【0141】
ここで、f(predictor)=b1*f(CIndex)+b0=ΔS/Sであり、傾き偏差の正規化された形態である。
【0142】
予測関数がΔS/Sを近似しているときには、b1=1±0.2であれば、b1の代用として理論値である1を使用することができ、好ましくは、b1=1±0.15であれば、b1の代用として1を使用することができ、より好ましくは、b1=1±0.1であれば、b1の代用として1を使用することができる。予測関数がΔS/Sを近似しているときには、b0=0±0.03であれば、b0の代用として理論値であるゼロを使用することができ、好ましくは、b0=0±0.02であれば、b0の代用としてゼロを使用することができ、より好ましくは、b0=0±0.01であれば、b0の代用としてゼロを使用することができる。他の偏差カットオフを使用し、b1、b0または両方の理論値を使用することができるときを判定することができる。b1および/またはb0に理論値1および0を代入することに加え、同一または他の偏差カットオフに基づき、探索表等からの所定値を代入することができる。
【0143】
このデータ母集団では、b1が1.08であり、b0が0.012であった。したがって、b1を1と推定し、b0を0と推定した。式からb1およびb0を排除すると、下記のような関係が提供される:
【0144】
【数23】
【0145】
したがって、ΔS/Sを表す複合指数関数を使用し、試料のグルコース濃度に対応する出力電流値を試料の補正されたグルコース濃度に変換した。あるいは、複合指数関数と、下記のように一般的な形態を有する式とを使用し、未補正のグルコース濃度値から、補正されたグルコース濃度値を判定することができる:
【0146】
【数24】
【0147】
【表5】
【0148】
人工的に延伸された(30〜50%からおよそ20〜60%まで)ヘマトクリット範囲を包含する試料では、複合指数関数補正は、判定された被分析物濃度の少なくとも96%を±10%混合バイアス限界の境界内に、判定された被分析物濃度のおおよそ94%を±8%混合バイアス限界内に収めた。これは、添加静脈試料のおよそ58%のみが±10%混合バイアス限界の境界内に入った非補正の分析に対し、有意な改善であり、60%を上回る改善(96−58/58*100)であった。未補正濃度値に対し、補正された濃度値では、四つの各データ母集団の混合バイアスの標準偏差も少なくとも1.5単位減少した。非補正の被分析物濃度に対し、補正された被分析物濃度のより大きい正確性および精度は、図6Fのゼロ混合バイアスラインの周辺におけるより密接なグループ化によって示されている。これらの結果は、複合指数関数が異なる試料間で移動可能であり、測定装置での先々の使用のため、実験室で判定することができることを確立する。
【0149】
図7は、生物学的流体の試料中の被分析物濃度を判定する、バイオセンサシステム700の概略表記を図示する。バイオセンサシステム700は、卓上型装置、携帯型または手持ち式装置等を包含する、任意の分析的機器で具現化することができる、測定装置702およびテストセンサ704を包含する。測定装置702およびテストセンサ704は、電気化学的センサシステム、光学センサシステム、その組み合わせ等を具現化するように適応させることができる。バイオセンサシステム700は、少なくとも一つのΔS値により、出力信号から被分析物濃度を判定するための相関を調整する。ΔS調整された相関は、試料の被分析物濃度の判定におけるバイオセンサシステム700の測定性能を改善することができる。バイオセンサシステム700を利用し、グルコース、尿酸、乳酸塩、コレステロール、ビリルビン等の被分析物濃度を包含する、被分析物濃度を判定することができる。具体的な機器構成が示される一方、バイオセンサシステム700は、追加的な構成要素を持つ機器構成を包含する、他の機器構成を有することができる。
【0150】
テストセンサ704は、容器708と、開口712を持つ流路710とを形成している、ベース706を有する。容器708および流路710は、脱気口を持つ蓋で被覆することができる。容器708は、部分的に閉鎖された体積を画定する。容器708は、液体試料を貯留することを補助する組成物、例えば、水膨潤性ポリマーまたは多孔性ポリマーマトリクスを含有することができる。容器708および/または流路710に試薬を堆積させることができる。試薬は、一つ以上の酵素、バインダ、メディエータ等の種を包含することができる。試薬は、光学システムのための化学的インジケータを包含することができる。テストセンサ704は、容器708に近接して配設された試料インタフェース714を有することもできる。試料インタフェース714は、部分的または全面的に容器708を包囲することができる。テストセンサ704は、他の機器構成を有することができる。
【0151】
光学センサシステムでは、試料インタフェース714は、試料を視認するための光学ポータルまたは窓を有する。本質的に透明な材料により、光学ポータルを被覆することができる。試料インタフェースは、容器708の反対側に光学ポータルを有することができる。
【0152】
電気化学的システムでは、試料インタフェース714は、作用電極および対電極に接続された導体を有する。電極は、実質的に同一の平面にあるか、一つより多い平面にあることができる。容器708を形成しているベース706の表面上に電極を配設することができる。電極は、容器708内に延伸または突出することができる。絶縁体層は、導体および/または電極を部分的に被覆することができる。試料インタフェース714は、他の電極および導体を有することができる。
【0153】
測定装置702は、センサインタフェース718およびディスプレイ720に接続された電気回路716を包含する。電気回路716は、信号生成器724、任意の温度センサ726および記憶媒体728に接続されたプロセッサ722を包含する。
【0154】
信号生成器724は、プロセッサ722に応答して、センサインタフェース718に電気入力信号を提供する。光学システムでは、電気入力信号を使用し、センサインタフェース718内の検出器および光源を動作させるか、制御することができる。電気化学的システムでは、センサインタフェース718により、電気入力信号を試料インタフェース714に伝達し、生物学的流体の試料に電気入力信号を適用することができる。電気入力信号は、電位または電流であることができ、定数か、変数か、例えば、DC信号オフセットでAC信号を適用するときには、その組み合わせであることができる。電気入力信号は、単一のパルスとしてか、複数のパルス、シーケンスまたはサイクルで適用することができる。信号生成器724は、生成器−記録器として、センサインタフェースからの出力信号を記録することもできる。
【0155】
任意の温度センサ726は、テストセンサ704の容器内における試料の温度を判定する。試料の温度は、測定されるか、出力信号から計算されるか、周囲温度またはバイオセンサシステムを具現化した装置の温度の測定と同一または同様と仮定されることができる。温度は、サーミスタ、温度計または他の温度感知装置を使用して測定することができる。他の手法を使用し、試料温度を判定することができる。
【0156】
記憶媒体728は、磁気、光学または半導体メモリ、もう一つの記憶装置等であることができる。記憶媒体728は、固定されたメモリ装置、着脱可能なメモリ装置、例えば、メモリカードであるか、遠隔からアクセスされる等であることができる。
【0157】
プロセッサ722は、記憶媒体728に記憶されたコンピュータ読取可能なソフトウェアコードおよびデータを使用し、被分析物の分析およびデータ処置を具現化する。プロセッサ722は、センサインタフェース718におけるテストセンサ704の存在、テストセンサ704への試料の適用、使用者入力等に応答して、被分析物の分析を開始することができる。プロセッサ722は、センサインタフェース718に電気入力信号を提供するように、信号生成器724を誘導する。プロセッサ722は、温度センサ726から試料温度を受信する。プロセッサ722は、センサインタフェース718から出力信号を受信する。試料中の被分析物の反応に応答して、出力信号が生成される。光学システム、電気化学的システム等を使用して、出力信号を生成することができる。プロセッサ722は、先に論じたように相関式を使用し、出力信号から、ΔS補正された被分析物濃度を判定する。被分析物分析の結果をディスプレイ720に出力することができ、記憶媒体728に記憶することができる。
【0158】
被分析物濃度と出力信号との間の相関式は、グラフ的、数学的、その組み合わせ等で表すことができる。相関式は、一つ以上の指数関数を包含することができる。相関式は、記憶媒体728に記憶されたプログラム番号(PNA)表、もう一つの探索表等によって表すことができる。定数および重み係数も記憶媒体728に記憶することができる。記憶媒体728に記憶されたコンピュータ読取可能なソフトウェアコードにより、被分析物分析の具現化に関する命令を提供することができる。コードは、本明細書に記載の機能性を記載または制御する、オブジェクトコードまたは任意の他のコードであることができる。被分析物の分析からのデータは、プロセッサ722における減衰率、K定数、比率、関数等の判定を包含する、一つ以上のデータ処置の対象であることができる。
【0159】
電気化学的システムでは、センサインタフェース718は、テストセンサ704の試料インタフェース714内の導体に接続しているか、電気的に連通している、接触を有する。センサインタフェース718は、信号生成器724からの電気入力信号を、接触を通じ、試料インタフェース714内のコネクタに伝達する。センサインタフェース718は、試料からの出力信号を、接触を通じ、プロセッサ722および/または信号生成器724にも伝達する。
【0160】
光吸収および光生成光学システムでは、センサインタフェース718は、光を収集および測定する検出器を包含する。検出器は、試料インタフェース714内の光学ポータルを通じ、液体センサからの光を受信する。光吸収光学システムでは、センサインタフェース718は、光源、例えば、レーザ、光放出ダイオード等も包含する。入射ビームは、反応生成物による吸収のために選択された波長を有することができる。センサインタフェース718は、試料インタフェース714内の光学ポータルを通じ、光源からの入射ビームを誘導する。検出器は、光学ポータルに対して角度、例えば、45°に位置し、試料から反射して戻った光を受信することができる。検出器は、試料の光源とは他の側において、光学ポータルに近接して配置され、試料を通じて伝達された光を受信することができる。検出器は、もう一つの場所に位置し、反射および/または伝達された光を受信することができる。
【0161】
ディスプレイ720は、アナログまたはデジタルであることができる。ディスプレイ720は、数値的な指示値を示すように適応されたLCD、LED、OLED、真空蛍光または他のディスプレイを包含ことができる。他のディスプレイを使用することもできる。ディスプレイ720は、プロセッサ722に電気的に連通している。例えば、プロセッサ722との無線連通のときには、ディスプレイ720が測定装置702から別個であることができる。あるいは、例えば、測定装置702が遠隔の演算装置、投薬注入ポンプ等と電気的に連通しているときには、測定装置702からディスプレイ720を排除することができる。
【0162】
使用では、液体を開口712に導入することにより、分析のための液体試料を容器708内に移動させる。液体試料は、流路710を通じて流動し、容器708に充填される一方、先に含有されていた空気を追い出す。液体試料は、流路710および/または容器708に堆積された試薬と化学的に反応する。
【0163】
テストセンサ702は、測定装置702に近接して配設されている。近接は、試料インタフェース714がセンサインタフェース718と電気および/または光学連通にある位置を包含する。電気連通は、センサインタフェース718内の接触と試料インタフェース714内の導体との間における、入力および/または出力信号の移動を包含する。光学連通は、試料インタフェース714内の光学ポータルとセンサインタフェース718内の検出器との間における、光の移動を包含する。光学連通は、試料インタフェース714内の光学ポータルとセンサインタフェース718内の光源との間における、光の移動も包含する。
【0164】
プロセッサ722は、温度センサ726から試料温度を受信する。プロセッサ722は、センサインタフェース718への入力信号を提供するように、信号生成器724を誘導する。光学システムでは、センサインタフェース718は、入力信号に応答して、検出器および光源を動作させる。電気化学的システムでは、センサインタフェース718は、試料インタフェース714を通じ、試料への入力信号を提供する。プロセッサ722は、先に論じたように、試料中の被分析物のレドックス反応に応答して生成された、出力信号を受信する。
【0165】
プロセッサ722は、試料の被分析物濃度を判定する。測定装置は、少なくとも一つのΔS値により、被分析物濃度と出力信号との間の相関を調整する。傾き調整された相関および出力信号から、被分析物濃度を判定する。先に記載したように、正規化手法を使用することもできる。
【0166】
本発明の様々な態様を記載した一方、当業者には、本発明の範囲内で他の態様および具現化が可能であることが明らかである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、全体を引用例として取り込む、2008年12月8日に提出され、「Complex Index Functions」と題する、米国仮出願第61/120,525号の恩典を主張する。
【0002】
背景
バイオセンサシステムは、生物学的流体、例えば、全血、血清、血漿、尿、唾液、間質または細胞内流体の分析を提供する。通常、システムは、テストセンサに接触した試料を分析する、測定装置を包含する。試料は、通例、液体形態であり、生物学的流体であることに加え、生物学的流体の派生物、例えば、抽出物、希釈物、ろ過物または再構成された沈殿物であることができる。バイオセンサシステムによって実施される分析では、生物学的流体中の一つ以上の被分析物、例えば、アルコール、グルコース、尿酸、乳酸塩、コレステロール、ビリルビン、遊離脂肪酸、トリグリセリド、タンパク質、ケトン、フェニルアラニンまたは酵素の存在および/または濃度を判定する。分析は、生理学的異常の診断および処置に有効であることができる。例として、糖尿病の罹患者は、食餌および/または投薬の調整のため、バイオセンサシステムを使用し、全血中のグルコースレベルを判定することができる。
【0003】
バイオセンサシステムは、一つ以上の被分析物を分析するように設計することができ、異なる体積の生物学的流体を使用することができる。いくつかのシステムは、単一滴、例えば、体積として0.25〜15マイクロリットル(μL)の全血を分析することができる。バイオセンサシステムは、卓上型、携帯型等の測定装置を使用して具現化することができる。携帯型測定装置は、手持ち式であり、試料中の一つ以上の被分析物の同定および/または定量化を許可することができる。携帯型測定システムの例は、ニューヨーク州タリータウンのBayer HealthCareのAscensia(登録商標)Breeze(登録商標)およびElite(登録商標)メータを包含する一方、卓上型測定システムの例は、テキサス州オースティンのCH Instrumentsから入手可能なElectrochemical Workstationを包含する。
【0004】
バイオセンサシステムは、光学および/または電気化学的方法を使用し、生物学的流体を分析することができる。いくつかの光学システムでは、光同定可能な種、例えば、被分析物あるいは被分析物と反応した化学的インジケータから形成された反応または生成物と相互作用するか、吸収された光を測定することにより、被分析物濃度を判定する。他の光学システムでは、励起ビームを照射されると、被分析物に応答して化学的インジケータが蛍光発光するか、光を放出する。光は、電気化学的方法からの出力信号として同様に処理することができる、電気出力信号、例えば、電流または電位に変換することができる。いずれの光学システムでも、システムは、光を測定し、試料の被分析物濃度に相関付ける。
【0005】
光吸収光学システムでは、化学的インジケータは、光を吸収する反応生成物を発生させる。化学的インジケータ、例えば、酵素、例えば、ジアホラーゼとともにテトラゾリウムを使用することができる。テトラゾリウムは、通例、被分析物のレドックス反応に応答して、ホルマザン(クロモゲン)を形成する。光源からの入射入力ビームは、試料に向かって誘導される。光源は、レーザ、光放出ダイオード等であることができる。入射ビームは、反応生成物による吸収のために選択された波長を有することができる。入射ビームが試料を通過するにつれ、反応生成物は、入射ビームの一部を吸収し、したがって、入射ビームの強度を減退または低減させる。入射ビームは、試料から反射して戻るか、試料を通じて検出器に伝達されることができる。検出器は、減退された入射ビーム(出力信号)を収集および測定する。反応生成物によって減退された光の量は、試料中の被分析物濃度の示度である。
【0006】
光生成光学システムでは、被分析物のレドックス反応に応答して化学的検出器が蛍光発光するか、光を放出する。検出器は、生成された光(出力信号)を収集および測定する。化学的インジケータによって発生した光の量は、試料中の被分析物濃度の示度である。
【0007】
電気化学的バイオセンサシステムでは、入力信号が試料に適用されたときに、被分析物または被分析物に対応する種の酸化/還元またはレドックス反応により、生成された電気信号から、被分析物濃度を判定する。入力信号は、電位または電流であることができ、定数か、変数か、例えば、DC信号オフセットでAC信号を適用するときには、その組み合わせであることができる。入力信号は、単一のパルスとしてか、複数のパルス、シーケンスまたはサイクルで適用することができる。酵素または同様の種を試料に加え、レドックス反応中における第一の種から第二の種への電子移動を促進することができる。酵素または同様の種は、単一の被分析物と反応し、したがって、生成された出力信号の一部に特異性を提供することができる。メディエータを使用し、酵素の酸化状態を維持することができる。
【0008】
電気化学的バイオセンサシステムは、通例、テストセンサ内の電気導体に接続している電気接触を有する、測定装置を包含する。導体は、導電性材料、例えば、固体金属、金属ペースト、導電性炭素、導電性炭素ペースト、導電性ポリマー等から作製することができる。電気導体は、通常、試料容器内に延伸する作用、対、参照および/または他の電極に接続する。一つ以上の電気導体が試料容器内に延伸し、電極によって提供されない機能性を提供することもできる。
【0009】
測定装置は、電気接触を通じ、テストセンサの電気導体に入力信号を適用する。電気導体は、電極を通じ、試料容器内に存在する試料に入力信号を伝える。被分析物のレドックス反応により、入力信号に応答して電気出力信号が生成される。ストリップからの電気出力信号は、(アンペロメトリまたはボルタンメトリによって生成されるような)電流、(ポテンシオメトリ/ガルバノメトリによって生成されるような)電位または(クーロメトリによって生成されるような)蓄積電荷であることができる。測定装置は、出力信号を測定し、生物学的流体中の一つ以上の被分析物の存在および/または濃度に相関付けるための処理機能を有することができる。
【0010】
クーロメトリでは、試料に電位を適用し、被分析物を完全に酸化または還元する。クーロメトリを使用したバイオセンサシステムは、米国特許第6,120,676号に記載されている。アンペロメトリでは、定数電位(電圧)の電気信号をテストセンサの電気導体に適用する一方、測定される出力信号が電流である。アンペロメトリを使用したバイオセンサシステムは、米国特許第5,620,579号;第5,653,863号;第6,153,069号;および第6,413,411号に記載されている。ボルタンメトリでは、変動する電位を生物学的流体の試料に適用する。ゲートアンペロメトリおよびゲートボルタンメトリでは、それぞれ、国際公開公報第2007/013915号および国際公開公報第2007/040913号に記載されているように、パルス化入力を使用することができる。
【0011】
多くのバイオセンサシステムでは、テストセンサは、生体の外部、内部または部分的に内部で使用するために適応させることができる。生体の外部で使用するときには、生物学的流体の試料をテストセンサ内の試料容器に導入することができる。分析のための試料の導入前、後または中に、テストセンサを測定装置内に置くことができる。生体の内部または部分的に内部のときには、テストセンサを継続的に試料に浸漬させることができるか、試料を断続的にストリップに導入することができる。テストセンサは、試料の体積を部分的に隔離する容器を包含することができるか、試料に対して開放されていることができる。開放されているときには、ストリップは、生物学的流体に接触して置かれた繊維または他の構造の形態を取ることができる。同様に、試料は、分析のため、例えば、連続的なモニタリングのためにストリップを通じて連続的に流動するか、例えば、断続的なモニタリングのために遮断されることができる。
【0012】
バイオセンサシステムは、生物学的流体の分析中、一つまたは複数の誤差を包含する出力信号を提供することができる。例えば、一つ以上の一部または全体的な出力信号が試料の被分析物濃度に非対応であるか、不適切に対応しているときには、これらの誤差が異常な出力信号に反映されることができる。これらの誤差は、一つ以上の寄与因子、例えば、試料の物理的特性、試料の環境的側面、システムの動作状況、妨害物質等からであることができる。試料の物理的特性は、ヘマトクリット(赤血球)濃度等を包含する。試料の環境的側面は、温度等を包含する。
【0013】
バイオセンサシステムの測定性能は、正確性および/または精度に換算して画定される。正確性および/または精度の増大は、システムの測定性能の改善、バイアスの低減を提供する。正確性は、被分析物の参照指示値と比較したセンサシステムの被分析物指示値のバイアスに換算して表現することができ、より大きいバイアス値がより少ない正確性を表す。精度は、平均値に対する複数の被分析物指示値におけるバイアスの拡散または分散に換算して表現することができる。バイアスは、バイオセンサシステムから判定された一つ以上の値と、生物学的流体中の被分析物濃度の一つ以上の許容参照値との間の差である。。したがって、分析における一つ以上の誤差は、結果として、バイオセンサシステムの判定された被分析物濃度のバイアスをもたらす。
【0014】
バイアスは、「絶対バイアス」または「パーセントバイアス」に換算して表現することができる。絶対バイアスは、測定の単位、例えば、mg/dLで表現することができる一方、パーセントバイアスは、参照値にわたる絶対バイアス値の百分率として表現することができる。ISO標準下では、絶対バイアスを使用して、75mg/dLよりも少ないグルコース濃度の誤差を表現する一方、パーセントバイアスを使用して、75mg/dL以上のグルコース濃度の誤差を表現する。用語「混合バイアス」(バイアス/%バイアスとして表現される)は、75mg/dLよりも少ないグルコース濃度の絶対バイアスおよび75mg/dL以上のグルコース濃度のパーセントバイアスを表す。被分析物濃度の許容参照値は、参照機器、例えば、オハイオ州イエロースプリングスのYSI Inc.から入手可能なYSI 2300 STAT PLUS(商標)で得ることができる。
【0015】
ヘマトクリットバイアスは、参照機器で得られた参照グルコース濃度と、相違するヘマトクリットレベルを含有する試料について、バイオセンサシステムから得られた実験グルコース指示値との間の差を指す。参照値とシステムから得られた値との間の差は、特定の全血試料間で変動するヘマトクリットレベルの結果であり、一般的に、下記の式により、百分率として表現することができる:%Hctバイアス=100%×(Gm−Gref)/Gref、ここで、GmおよびGrefは、それぞれ、任意のヘマトクリットレベルについて判定されたグルコースおよび参照グルコース濃度指示値である。%Hctバイアスの絶対値がより大きいほど、試料のさらなるヘマトクリットレベル(%Hct:赤血球体積/試料体積の百分率として表現される)により、判定されたグルコース濃度の正確性および/または精度が低減する。例として、同じグルコース濃度を含有するが、20、40および60%のヘマトクリットレベルを有する全血試料を分析する場合、校正定数(事例として、40%ヘマトクリット含有全血試料の傾きおよび切片)の一つのセットに基づき、三つの異なるグルコース指示値がシステムによって報告される。「ヘマトクリット感度」は、試料のヘマトクリットレベルの変化が分析のためのバイアス値に影響する度合いの表現である。ヘマトクリット感度は、パーセントヘマトクリット当たりの混合バイアスの数値的な値、したがって、%Hct当たりのバイアス/%バイアスとして画定することができる。
【0016】
温度バイアスは、参照温度で得られた被分析物濃度と、同一の試料から異なる実験温度で得られた被分析物濃度との間の差を指す。参照温度で得られた被分析物濃度と、異なる実験温度で得られた被分析物濃度との間の差は、一般的に、下記の式により、百分率として表現することができる:%Tempバイアス=100%×(AmTemp−ARefTemp)/ARefTemp、ここで、AmTempおよびARefTempは、それぞれ、実験および参照温度における試料の被分析物濃度である。%Tempバイアスの絶対値がより大きいほど、さらなる温度差により、異なる実験温度で判定されたグルコース濃度の正確性および/または精度が低減する。「温度感度」は、分析が実施された温度の変化が分析のためのバイアス値に影響する度合いの表現である。温度感度は、温度の度合い当たりの混合バイアスの数値的な値、したがって、%バイアス/℃として画定することができる。温度感度は、温度の度合い当たりの傾き偏差、したがって、ΔS/℃として画定することもできる。
【0017】
多くのバイオセンサシステムは、分析に伴う誤差を補正するための一つ以上の方法を包含する。誤差を持つ分析から得られた濃度値は、不正確であることができる。したがって、これらの分析を補正するための能力は、得られた濃度値の正確性および/または精度を増大させることができる。誤差補正システムは、一つ以上の誤差、例えば、参照温度または参照ヘマトクリット値と異なる試料温度または試料ヘマトクリットレベルを補正することができる。
【0018】
いくつかのバイオセンサシステムは、試料中の異なるヘマトクリット濃度を補正する、誤差補正システムを有する。グルコース測定へのヘマトクリット効果のバイアスを低減させるため、様々な方法および手法が提唱されている。いくつかの方法では、正転および逆転電位パルスからの電流の比率を使用し、ヘマトクリット効果を補正する。ヘマトクリット効果のバイアスを低減させるため、シリカ粒子を使用し、電極表面から赤血球をフィルタリングするか、広い電極間隔をメッシュ層と組み合わせて使用し、テストセンサ中に血を分布させることを包含する、他の方法が提唱されている。
【0019】
いくつかのバイオセンサシステムは、温度を補正する誤差補正システムを有する。そのような誤差補正システムは、通常、機器または試料温度に応答して、判定された被分析物濃度を具体的な参照温度について改変する。多数のバイオセンサシステムは、相関式からの被分析物濃度の計算に先行して、出力信号を補正することにより、温度誤差を補正する。他のバイオセンサシステムは、相関式から計算された被分析物濃度を補正することにより、温度誤差を補正する。一般的に、温度補正の従来の方法では、分析のバイアスにおいて温度誤差が有する全般的な効果ではなく、特定のパラメータにおける温度の効果に注目する。試料温度の誤差検出および/または補正システムを有するバイオセンサシステムは、米国特許第4,431,004号;第4,750,496号;第5,366,609号;第5,395,504号;第5,508,171号;第6,391,645号;および第6,576,117号に記載されている。
【0020】
いくつかのバイオセンサシステムは、干渉および他の寄与因子を補正する誤差補正システムを有する。そのような誤差補正システムは、通常、一つ以上の作用電極試薬が欠如した電極を使用し、作用電極信号からの背景干渉信号の減算を許可する。
【0021】
従来の誤差補正システムは、様々な効果および不都合を併せ持つ一方、どれも理想的ではない。従来のシステムは、通例、具体的な種類の誤差、例として、温度またはヘマトクリットのいずれかを検出し、対処するように誘導される。そのようなシステムは、通常、複数の誤差源について補正する能力を有さない。これらのシステムは、一般的に、特定の試料からの出力信号に基づき、誤差の補正を改変する能力も欠如している。結果的に、従来のバイオセンサシステムは、判定された被分析物濃度値を所望の性能限界の外部に有する、分析結果を提供することができる。
【0022】
それゆえに、改善されたバイオセンサシステム、とりわけ、試料中の被分析物の濃度の一層正確および/または精密な判定を提供することができる、バイオセンサシステムが今なお要望されている。本発明のシステム、装置および方法は、従来のバイオセンサシステムに伴う不都合の少なくとも一つを克服する。
【0023】
概要
本発明は、判定された被分析物濃度にバイアスをかけることができる、一つ以上の誤差に対応する、一つ以上の複合指数関数により、生物学的試料中の被分析物濃度を出力信号から判定するための関連性を調整する、バイオセンサシステムを提供する。一つ以上の誤差パラメータから得られた傾き偏差、ΔS値および正規化された傾き偏差により、バイアスを表すことができる。ΔS値は、誤差パラメータから一つ以上の複合指数関数で判定された傾き偏差を表す。複合指数関数は、重み係数で修正された少なくとも二つの項を包含する。項は、出力信号から抽出されたか、独立した誤差パラメータを包含することができる。
【0024】
試料中の被分析物濃度を判定するための方法では、試料中の被分析物の濃度に対応する出力信号値を生成する。少なくとも一つの誤差パラメータから少なくとも一つのΔS値を判定し、かつ、少なくとも一つの出力信号値を少なくとも一つの参照相関および少なくとも一つのΔS値で補正し、試料中の被分析物濃度を判定する。少なくとも一つのΔS値を予測関数f(predictor)から判定することができる。f(predictor)は、指数関数を包含し、少なくとも一つの誤差パラメータをΔSに関連させる。反応は、電気化学的レドックス反応であることができる。
【0025】
誤差パラメータから複合指数関数を判定するための方法では、試料中の判定された被分析物濃度のパーセントバイアスに対応する、少なくとも一つの誤差パラメータを判定する。参照相関の傾きと、バイアスなしの試料中の被分析物濃度を提供するであろう、出力信号値のラインの仮想的な傾きとの間における傾きの差を表す、少なくとも一つのΔS値に対し、少なくとも一つの複合指数関数により、少なくとも一つの誤差パラメータを関連させる。複合指数関数は、重み係数によって修正された項として取り込まれた、少なくとも一つの誤差パラメータを包含する。
【0026】
複合指数関数に包含するための項を選択するための方法では、複合指数関数に電位を包含するための項として、複数の誤差パラメータを選択する。選択された各項について、第一の除外値を判定する。一つ以上の除外テストを除外値に適用し、複合指数関数から除外する一つ以上の項を同定する。少なくとも一つの項の除外後、残りの項について第二の除外値を判定する。第二の除外値において、一つ以上の除外テスト下の複合指数関数から除外する残りの項が同定されない場合、残りの項は、複合指数関数に包含される。
【0027】
測定装置で使用するため、ヘマトクリット調整されたドナー血液試料から複合指数関数を判定するための方法では、複数の環境的状況において、公知の参照グルコース濃度を有する、ヘマトクリット調整された複数の血液試料の実験グルコース濃度を複数のテストセンサで判定する。参照温度および参照%Hctにおいて判定された公知のグルコース濃度から、複数のテストセンサの参照相関の傾きおよび切片を判定する。複数のドナー血液試料について、参照グルコース濃度を判定する。ヘマトクリット調整された複数の血液試料のグルコース濃度データを、複数のドナー血液試料グルコース濃度データと混合することができる。一つ以上の出力信号値について、データから項を選択する。一つ以上の物理的特性、環境的状況、濃度値等について、項を選択することもできる。任意の係数に加え、項の重み係数を判定する。重み係数および任意の定数に応じ、選択された項の組み合わせから複合指数関数を判定する。
【0028】
試料中の被分析物濃度を判定するためのバイオセンサシステムは、測定装置およびテストセンサを包含する。測定装置は、センサインタフェースおよび記憶媒体に接続されたプロセッサを有する。テストセンサは、センサによって形成された容器に近接する、試料インタフェースを有する。プロセッサは、センサインタフェースから、試料中の被分析物の濃度に対応する出力信号値を判定する。プロセッサは、誤差パラメータから少なくとも一つのΔS値を判定し、記憶媒体内に存在する少なくとも一つのΔS値および少なくとも一つの参照相関で出力信号値を補正する。
【0029】
バイオセンサシステムは、誤差パラメータに応答して、少なくとも一つのΔS値で被分析物濃度と出力信号との間の相関を調整する。プロセッサは、試料インタフェースからの出力信号に応答して、傾き調整された相関から被分析物濃度を判定する。
【0030】
試料中の被分析物濃度を判定するためのもう一つの方法では、試料から一つ以上の出力信号を生成する。一つより多い誤差パラメータに対応する、少なくとも一つの複合指数関数を判定する。少なくとも一つの複合指数関数に応答して、出力信号から試料中の被分析物濃度を判定する。
【0031】
下記の図および詳細な説明を検討すると、当業者には、本発明の他のシステム、方法、特徴および効果が明らかであるか、明らかになる。すべてのそのような追加的なシステム、方法、特徴および効果がこの説明に包含され、本発明の範囲内にあり、下記の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、下記の図面および説明を参照してより良好に理解することができる。図中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を例証することに重点を置いている。
【図1A】試料中の被分析物濃度を判定するための方法を表す。
【図1B】複合指数関数に包含するための項を選択するための方法を表す。
【図1C】測定装置で使用するため、ヘマトクリット調整されたドナー血液試料から複合指数関数を判定するための方法を表す。
【図2】比率パラメータに基づく%バイアスと指数関数との間の相関を図示する。
【図3】Scalと、Shypと、ΔSと、Acorrと、Acalと、ΔAとの間の関係を図示する。
【図4】入力信号が複数のパルスを包含する、ゲートパルスシーケンスを図示する。
【図5A】ΔSとR4/3指数値との相関のグラフを図示する。
【図5B】ΔSと複合指数値との相関のグラフを図示する。
【図6A】21℃の血液試料のΔSとR4/3指数値との相関のグラフを図示する。
【図6B】21℃の血液試料のΔSと複合指数値との相関のグラフを図示する。
【図6C】18℃の血液試料のΔSとR4/3指数値との相関のグラフを図示する。
【図6D】18℃の血液試料のΔSと複合指数値との相関のグラフを図示する。
【図6E】ヘマトクリット感度のグラフを混合バイアス対%Hctとして図示する。
【図6F】非補正および複合指数補正で補正された被分析物濃度について、混合バイアスを参照グルコース濃度に相関付ける、グラフを図示する。
【図7】生物学的流体の試料中の被分析物濃度を判定する、バイオセンサシステムの概略表記を図示する。
【0033】
詳細な説明
バイオセンサシステムは、出力信号の中間信号または他の源から抽出された複合指数関数により、出力信号から生物学的試料中の被分析物濃度を判定するための相関を調整する。被分析物は、光同定可能な種またはレドックス反応に応答して、出力信号を生成することができる。中間信号は、出力信号等の一つ以上の一部であることができる。少なくとも一つの複合指数関数を包含する予測関数は、分析における一つ以上の誤差について、出力信号から被分析物濃度を判定するための相関を調整する。少なくとも一つの複合指数関数を包含する予測関数を使用し、誤差を包含する被分析物濃度を補正することもできる。そのような誤差は、結果として、判定された被分析物濃度のバイアス、したがって、低減した正確性および/または精度をもたらすことができる。複合生物学的試料を分析するときに実質的な恩典を提供する、補正システムに加え、補正システムを使用し、他の種類の分析の測定性能を改善することができる。
【0034】
複合指数関数は、重み係数によって修正された項の組み合わせを包含する。複合指数関数に包含される項は、一つ以上の除外テストで選択することができる。予測関数および/または複合指数関数は、分析における一つ以上の誤差に起因する、被分析物濃度と出力信号との間の相関のバイアス/%バイアスに応じる。一つ以上の誤差パラメータから得られた一つ以上のΔS値により、相関の%バイアスを表すことができる。ΔS値は、一つ以上の誤差パラメータから判定された、被分析物濃度と出力信号との間の相関の傾き偏差を表す。したがって、予測または複合指数関数がより密接にΔS(ΔS=f(CIndex))に相関付けられるほど、分析における誤差の補正で関数がより良好である。
【0035】
傾きまたは傾きの変化に応じた複合指数関数を正規化して、出力信号の変化の統計的効果を低減させ、出力信号の変動の分化を改善し、出力信号、その組み合わせ等の測定を標準化することができる。傾き偏差を正規化することができるため、ΔS/S=f(CIndex)に換算して複合指数関数を表現することもできる。調整された相関は、出力信号から試料中の被分析物濃度を判定するために使用されることができるか、被分析物濃度を補正するために使用されることができ、従来のバイオセンサと比較して改善された測定性能を提供することができる。指数関数およびΔS値を使用した誤差補正のより詳細な処置は、2008年12月6日に提出され、「Slope-Based Compensation」と題する、国際公開公報第2009/108239号に見ることができる。
【0036】
図1Aは、生物学的流体の試料中の被分析物濃度を判定するための方法を表す。102では、生物学的流体の試料中の光同定可能な種または被分析物の酸化/還元(レドックス)反応のいずれかに応答して、バイオセンサシステムが出力信号を生成する。104では、バイオセンサシステムが出力信号を測定する。106では、少なくとも一つの複合指数関数および出力信号を包含する補正式から、被分析物濃度を判定する。110では、被分析物濃度を表示し、将来の参照のために記憶し、および/または追加的な計算のために使用することができる。
【0037】
図1Aの102では、生物学的流体の試料中の光同定可能な種または被分析物の酸化/還元(レドックス)反応に応答して、バイオセンサシステムが出力信号を生成する。光学センサシステム、電気化学的センサシステム等を使用し、出力信号を生成することができる。
【0038】
図1Aの104では、バイオセンサシステムは、試料に適用された入力信号に応答して、例えば、被分析物のレドックス反応から、被分析物によって生成された出力信号を測定する。システムは、連続的または断続的に出力信号を測定することができる。例として、バイオセンサシステムは、ゲートアンペロメトリック入力信号のパルス中に、断続的に出力信号を測定することができ、結果として、各パルス中に複数の電流値が記録される。システムは、出力信号をディスプレイ上に示し、および/または出力信号あるいは出力信号の一部をメモリ装置に記憶することができる。
【0039】
図1Aの106では、少なくとも一つの複合指数関数および出力信号を包含する補正式から、試料の被分析物濃度を判定することができる。複合指数関数は、予測関数の部分を形成することができる。図2は、比率パラメータ(R5/4)に基づく%バイアスと指数関数との間の相関を図示する。比率パラメータR5/4は、7個のパルスを包含するゲートアンペロメトリパルスシーケンスの第4および第5パルスに応答して、被分析物によって生成された電流間の関係を表す。他の比率パラメータおよび指数関数を使用することができる。したがって、分析の出力信号、例えば、ゲートアンペロメトリシーケンスに応答して被分析物によって生成された中間電流から、生物学的流体中の測定された被分析物濃度、例えば、全血中のグルコースの%バイアスを判定または相関付けることができる。
【0040】
%バイアスと予測関数との間の関係は、下記のように表すことができる:
【0041】
【数1】
【0042】
ここで、%バイアスが(ΔA/Aref)*100%に等しく、f(predictor)がa1*f(Index)+a0に等しい。ΔAは、測定または計算された被分析物濃度Acalと参照被分析物濃度Aref(生物学的試料中の公知の被分析物濃度)との間の差である。f(Index)は、単一の誤差パラメータ、誤差パラメータの組み合わせまたは他の値であることができる。したがって、式1に項を代入すると、結果として、%バイアスと指数関数との間に下記の関係がもたらされる:
【0043】
【数2】
【0044】
式2の項を再配置すると、結果として、下記の関係がもたらされる:
【0045】
【数3】
【0046】
補正を下記のように表現することができる:
【0047】
【数4】
【0048】
ここで、Acorrが補正または補正被分析物補正であり、A0が分析からの初期被分析物値である。ΔAを式3から得ることができる一方、式3のArefは、生物学的試料の分析中に入手可能であることができない。しかし、Arefの代用として、分析からの初期被分析物値A0を使用することができる。したがって、下記の関係により、式3を近似することができる:
【0049】
【数5】
【0050】
最後に、式5を式4に代入すると、結果として、下記の関係がもたらされる:
【0051】
【数6】
【0052】
式6から、測定された被分析物濃度と参照被分析物濃度との間の差ΔAは、分析における一つ以上の誤差に起因してバイアスをかけられることができる、初期被分析物値A0に基づいている。したがって、測定された被分析物濃度の補正のベースになる参照点または値がない。本出願および請求項中で提示するこれらおよび他の式は、「=」記号を包含することができる一方、記号を使用し、等価、関係、予想等を表す。
【0053】
一つ以上の誤差パラメータから得られた一つ以上の傾き偏差ΔSにより、被分析物濃度と出力信号との相関における%バイアスを表すこともできる。誤差を含有する出力信号の一部は、出力信号の仮想的な傾きと参照相関の傾きとの間の偏差に反映される。一つ以上の誤差パラメータから、この傾きの偏差を反映する一つ以上のΔS値を判定することにより、分析の測定性能を増大させることができる。一つ以上の誤差パラメータから、分析の一つ以上のΔS値を判定することができる。ΔS値と、一つ以上の誤差パラメータの値との間の関係を指数関数によって記載することができる。参照相関式に加え、指数関数を事前に判定し、バイオセンサシステムに記憶することができる。分析前、中または後に誤差パラメータ値を判定することができる。
【0054】
傾き補正式は、出力信号値を使用し、補正された被分析物濃度を提供する。傾き補正式は、他の値を使用することもできる。傾き補正式は、出力信号と公知の被分析物濃度との間の参照相関を調整することにより、誤差を補正し、補正または補正された被分析物濃度を提供する。
【0055】
傾き補正式は、下記のように表すことができる:
【0056】
【数7】
【0057】
ここで、Acorrが補正された被分析物濃度、iがバイオセンサシステムからの出力信号の値、Intが参照相関式の切片であり、Scalが参照相関式の傾きであり、ΔSがScalと、誤差なしの試料の被分析物濃度を提供する、出力信号値のライン(Shyp)の仮想的な傾きとの間における傾きの偏差を表す。参照相関式のIntおよびScal値は、バイオセンサシステム内のプログラム番号割当(PNA)表、もう一つの探索表等として具現化することができる。少なくとも一つのΔS値および出力信号を包含する、他の傾き補正式を使用することができる。
【0058】
式7は、傾き偏差ΔSを使用して判定された、補正された被分析物濃度の表記であり、ここで、ΔSは、被分析物分析に伴う本質的に総合的な誤差に関連する、本質的に総合的な傾き偏差である。総合的な傾き偏差は、一つ以上の誤差源が原因であることができる。被分析物濃度への実質的に線形の応答を有する、任意の信号で式7を使用することができる。他の信号、例えば、ほぼまたは部分的に線形の信号で式7を使用することができる。ΔSが出力信号の一つ以上の誤差に対応する一方、iは、試料の被分析物濃度に対応しない、誤差を含有する出力信号の一部を表す。したがって、Shyp=Scal+ΔSである。出力信号iとの比較のため、IntおよびScalの一つ以上の値をバイオセンサシステム内に記憶し、試料のAcorrを判定することができる。
【0059】
ΔSの値を試料から実験的に判定し、式7に代入した場合、それらの試料の判定された被分析物濃度におけるバイアスは、十分に補正される。あるいは、ΔSに予測関数を代入した場合、その後、判定された被分析物濃度におけるバイアスを補正するための補正式の能力は、予測関数から生成された値がΔSにどの程度良く相関付けられるかに依存する。式7では、予測関数f(predictor)をΔSに代入することができる。したがって、式7は、下記のように書き換えることができる:
【0060】
【数8】
【0061】
予測関数f(predictor)は、b1*f(CIndex)+b0の一般的な形態を有することができ、ここで、f(CIndex)が複合指数関数であり、他の値または指数をf(CIndex)と組み合わせて使用し、f(predictor)を提供することができる。例として、複合指数関数をb1およびb0値の一つまたは両方と共にか、なしで使用し、予測関数を提供することができる。複数の複合指数関数を混合し、f(predictor)と、したがって、試料の補正された被分析物濃度を提供することができる。
【0062】
ΔSおよび複合指数関数が完璧に相関付けられた理論条件では、b1(傾きを表す)とb0(切片を表す)は、それぞれ、1とゼロである。予測関数がΔSを近似しているときには、b1=1±0.2であれば、b1の代用として理論値である1を使用することができ、好ましくは、b1=1±0.15であれば、b1の代用として1を使用することができ、より好ましくは、b1=1±0.1であれば、b1の代用として1を使用することができる。予測関数がΔSを近似しているときには、b0=0±0.3であれば、b0の代用として理論値であるゼロを使用することができ、好ましくは、b0=0±0.2であれば、b0の代用としてゼロを使用することができ、より好ましくは、b0=0±0.1であれば、b0の代用としてゼロを使用することができる。他の偏差カットオフを使用し、b1、b0または両方の理論値を使用することができるときを判定することができる。b1および/またはb0に理論値1および0を代入することに加え、同一または他の偏差カットオフに基づき、探索表等からの所定値を代入することができる。
【0063】
図1Aの108では、補正された被分析物濃度値を表示、将来の参照のために記憶および/または追加的な計算のために使用することができる。
【0064】
図3は、Scalと、Shypと、ΔSと、Acorrと、Acalと、ΔAとの間の関係を示す。ラインAは、傾きScalを有し、バイオセンサシステムからの電流値の形態をとる出力信号を、試料についてYSIまたは他の参照機器から得た被分析物濃度値に関連させる、参照相関を表す。バイオセンサシステムによる試料の分析中に使用されると、ラインAの参照相関は、不正確および/または不精密な被分析物濃度値を提供することができる、一つ以上の誤差を有する、出力信号電流値を包含することができる。ラインBは、傾きShypを有し、システムから得られた電流値を、参照機器から得られたような試料の被分析物濃度値に関連させる、誤差補正された相関を表す。誤差補正された相関が調整または修正され、一つ以上の誤差が低減または実質的に除去されている。ΔSは、これらの相関ライン間の傾きの差である。ΔAは、非補正または未補正の判定された被分析物濃度値(Acal)と、誤差補正または補正された、判定された被分析物濃度値(Acorr)との間の差である。
【0065】
補正または補正なしでは、特定の出力信号値は、誤差補正されたShypラインよりもScal参照相関ラインから、異なる試料被分析物濃度を提供する。誤差補正されたShypラインから得られたAcorr値は、試料中の被分析物濃度のより正確な値を提供する。したがって、式7は、ΔSを使用し、電流値ScalおよびIntを補正された被分析物濃度値Acorrに転換する。この方式では、ΔSを通じ、パーセントバイアスを式7に結び付けることができる。ΔSのパーセントバイアスへの結び付きを通じ、バイアス分布の中心に向かってパーセントバイアス値を引き寄せることができる。ΔSがバイアスに対応するにつれ、ΔSを変化させると、試料の補正された被分析物濃度に残ったバイアス量に影響する。
【0066】
分析における一つ以上の誤差へのΔSの対応性は、予測関数によって表すことができる。一つ以上の予測関数を判定するには、一つ以上の誤差(ΔScal)に応答した相関式の傾きの偏差は、下記のように、例えば、工場校正中の実験データから判定することができる:
【0067】
【数9】
【0068】
ここで、iがバイオセンサシステムからの出力信号の値であり、Intが参照相関式の切片であり、Arefが例えば、参照機器から得られた試料の参照被分析物濃度であり、Scalが参照相関式、例えば、i=Scal*Aref+Intの傾きである。各参照被分析物濃度で一つ以上のΔScal値を判定することができる。この方途では、複数の公知の被分析物濃度について、バイオセンサシステムおよび応じて判定されたΔScal値から出力信号値を得ることができる。式9からΔScal値を取り、誤差パラメータに相関付けることにより、初期予測関数を判定することができる。
【0069】
予測関数は、被分析物濃度分析における一つ以上の誤差について、測定された被分析物濃度を補正する。一つ以上の予測関数を使用することができる。総合的な傾き偏差ΔSに完璧に相関付けられた予測関数は、被分析物濃度の最終の総合的な誤差補正を提供するであろう。そのような完璧に相関付けられた仮想的な予測関数を使用し、測定された被分析物濃度の総合的な傾き偏差ΔSと、したがって、バイアスとの厳密な原因を把握することが求められることなく、分析におけるすべての誤差を補正することができる。予測関数は、少なくとも一つの指数関数を包含し、一つ以上の指数関数が複合であることができる。好ましくは、予測関数は、少なくとも一つの複合指数関数を包含する。
【0070】
指数関数は、少なくとも一つの誤差パラメータに対応する。指数関数は、誤差パラメータ、例えば、ヘマトクリットまたは温度に相関付けられ、傾き偏差ΔSへのこの誤差パラメータの影響力を表す、計算された数であることができる。したがって、誤差パラメータは、出力信号における一つ以上の誤差に対応する、任意の値であることができる。ΔScalと誤差パラメータとの間のプロットの回帰式として、指数関数を実験的に判定することができる。
【0071】
被分析物の分析からの誤差パラメータ値、例えば、出力信号からの中間信号または被分析物出力信号から独立した源、例えば、熱電対、追加的な電極等からの誤差パラメータ値を使用し、指数関数を判定することができる。したがって、誤差パラメータは、分析の出力信号から直接的または間接的に抽出することができ、および/または出力信号から独立して得ることができる。任意の誤差パラメータを使用し、項、例えば、2008年12月6日に提出され、「Slope-Based Compensation」と題する、国際公開公報第2009/108239号等に記載された項を形成することができる。
【0072】
濃度値の誤差は、参照相関が判定された温度ではない温度で分析を実施することから生じることができるため、温度を誤差パラメータとして考慮することができる。例として、温度は、全血の試料におけるグルコースの酸化および放散と、光学的に活性な分子の放散とに影響する。任意の源、例えば、熱電対、計算された推定値等から、分析のための温度を判定することができる。したがって、f(Index)Tempは、参照温度で判定された参照相関の傾きと、分析が実施された温度における、温度に影響された被分析物濃度を提供するであろう、ラインの仮想的な傾きとの間の傾きの偏差に温度を関連させる。参照相関式を持つバイオセンサシステムでは、温度f(Index)Tempの指数関数を記憶することができる。
【0073】
図4は、入力信号が複数のパルスを包含する、ゲートパルスシーケンスを図示する。パルスの結果である出力信号電流値は、各パルスの上方に図示されている。記録された中間信号電流値は、丸で図示されている。各i値は、入力信号に対応する出力信号の電流値である。i値の添字の第一の数がパルス数を指し示す一方、添字の第二の数は、電流値が記録された出力信号の次数を指し示す。例として、i2,3は、第二のパルスについて記録された第三の電流値を指し示す。
【0074】
先に論じたように、指数関数は、図4に図示したような中間出力信号から抽出された、比率を包含することができる。例として、個々のパルス信号減衰サイクル、例えば、R3=i3,3/i3,1、R4=i4,3/i4,1等の比率内で中間信号値を比較することができる。もう一つの例では、別個のパルス信号減衰サイクル、例えば、R3/2=i3,3/i2,3、R4/3=i4,3/i3,3等の比率間で中間信号値を比較することができる。
【0075】
指数関数は、図4に図示した出力信号から抽出された、比率の組み合わせも包含することができる。一つの例では、指数関数は、比率分の比率、例えば、Ratio3/2=R3/R2、Ratio4/3=R4/R3等を包含することができる。もう一つの例では、指数関数は、指数の組み合わせを包含することができる。例として、組み合わせ指数Index−1は、Index−1=R4/3−Ratio3/2として表すことができる。もう一つの例では、組み合わせ指数Index−2は、Index−2=(R4/3)p−(Ratio3/2)qとして表すことができ、ここで、pおよびqが独立して正数である。
【0076】
重み係数によって修正された項の組み合わせを関数が包含するとき、指数関数は、複合である。組み合わせは、好ましくは、線形の組み合わせであるが、項に重み係数を提供する他の組み合わせ方法を使用することができる。各項は、一つ以上の誤差パラメータを包含することができる。複合指数関数の例は、下記のように表される:
【0077】
【数10】
【0078】
ここで、a1が定数であり、a2〜a10が独立して重み係数であり、Grawが補正なしの試料の判定された被分析物濃度であり、Tempが温度である。各重み係数(a2〜a10)に続いて、それに伴う項がある。
【0079】
式10によって表される複合指数関数には、少なくとも三つの基本的な種類の項:(1)出力信号から抽出された個々の比率指数、例えば、R3/2およびR4/3、(2)出力信号から抽出された比率指数と、温度またはGrawとの間の相互作用項、例えば、(R3/2)(Graw)および(R3/2)(Temp)ならびに(3)温度およびGrawがある。項は、Grawを包含する、誤差パラメータではない値を包含することができる。先に記載したように、組み合わせ指数関数を非限定的に包含する、他の項を使用することもできる。項を適切な値に置き換えると、複合指数関数を解き、複合指数値を提供することができる。複数の項に統計的処理を実施し、一つ以上の定数および重み係数を判定することができる。MINITAB(ペンシルバニア州ステートカレッジのMINTAB, INC.)を包含する、統計的パッケージソフトウェアを使用し、統計的処理を実施することができる。
【0080】
回帰または他の数学的手法により、定数a1を判定することができる。単一の定数を式10に示す一方、定数が要求されず、;1より多いことができ、0に等しいことができる。したがって、一つ以上の定数を複合指数関数に包含するか、しないことができる。予測関数、例えば、例として、式8に対して先に記載したb0定数の形成において、一つ以上の定数を指数関数と混合することもできる。
【0081】
重み係数に1を有する項を使用することができる一方、複合指数関数は、重み係数によって修正された少なくとも二つの項を包含する。重み係数は、1やゼロではない数値的な値である。好ましくは、誤差パラメータを包含する各項が重み係数によって修正される。より好ましくは、複合指数関数の各非定数項が重み係数によって修正される。重み係数は、正または負の値を有することができる。複数の被分析物濃度、異なるヘマトクリットレベル、異なる温度等の組み合わせから収集された実験データの統計的処理を通じ、重み係数を判定することができる。
【0082】
以下の表1は、52人のドナーによるドナー調査の21℃および18℃における毛細管および静脈血試料から、グルコース出力信号(電流)から取られたデータの多変数回帰の結果である、重み係数およびp値を列記する。各ドナーからの各血液試料をグルコースについて二度分析し、データ母集団内の約104個のデータ点を与えた。選択された中間出力信号がパルスから記録されたゲートアンペロメトリック入力信号を使用し、試料を分析した。MINITABバージョン14ソフトウェアを、多変数回帰を実施するように選定されたMulti-Variant Regrssion of Linear Combinations of Multiple Variablesオプションで使用した。他の統計的分析または回帰オプションを使用し、項の重み係数を判定することができる。
【0083】
【表1】
【0084】
結果としての複合指数関数は、下記のように表すことができる:
【0085】
【数11】
【0086】
ここで、ΔSRegAは、ΔScal=(i/Aref)−Scalとして画定され、ここで、例として、式7に関して先に論じたように、ArefがYSI参照機器から得られた参照被分析物濃度値であり、Scalが参照相関式の傾きである、ΔScalを記載する複合指数関数である。ΔSRegA複合指数関数からの出力がΔScal値にどの程度良く応じるかを反映するR2値は、77.2%(R2*100%)であった。したがって、R2値は、複合指数関数とScalとの間の相関を指示した。より大きいR2値は、複合指数がΔScalの記載においてより良好であることを反映する。
【0087】
図1Bは、複合指数関数に包含するための項を選択するための方法を表す。112では、複合指数関数に電位を包含するための項として、複数の誤差パラメータを選択する。生物学的流体の試料中の光同定可能な種に対応するまたは被分析物のレドックス反応からの出力信号から、誤差パラメータを直接的または間接的に抽出することができる。出力信号から独立して、例えば、熱電対から誤差パラメータを得ることもできる。項は、誤差パラメータではない値を包含することができる。114では、一つ以上の数学的手法を使用し、選択された各項の第一の除外値を判定する。数学的手法は、回帰、多変量回帰等を包含することができる。除外値はp値等であることができる。数学的手法は、選択された項に関連する重み係数、定数および他の値を提供することもできる。
【0088】
116では、一つ以上の除外テストを除外値に適用し、複合指数関数から除外する一つ以上の項を同定する。テスト下の少なくとも一つの項を除外する。117では、一つ以上の数学的手法を繰り返し、残りの項の第二の除外値を同定する。118では、第二の除外値において、一つ以上の除外テスト下の複合指数関数から除外する残りの項が同定されない場合、残りの項は、複合指数関数に包含される。120では、第二の除外値において、一つ以上の除外テスト下の複合指数関数から除外する残りの項が同定された場合、117の一つ以上の数学的手法を繰り返し、残りの項の第三の除外値を同定することができる。118のように、これらの残りの項を複合指数関数に包含することができるか、120のように、除外テストにより、除外する一つ以上の項が同定されなくなるまで処理を反復的に繰り返すことができる。
【0089】
上記の表1は、各項のp値も列記する。p値は、項が複合指数関数から除去された場合に、複合指数関数とΔSとの間の相関に影響する確率を示す。例として、項の0.05以上のp値は、複合指数関数から項を除去すると、複合指数関数のΔSへの相関が低減するであろう確率が5%以上であることを意味する。したがって、p値を除外テストの除外値として使用し、複合指数関数から電位を除外するための項を選択することができる。より小さい数値的なp値が除外値として選択されるほど、さらなる項が複合指数関数から除外される。
【0090】
除外テストでp値を除外値として使用するときには、およそ0.01〜およそ0.10の除外p値が好ましく、およそ0.03〜およそ0.07の除外p値の値がより好ましい。p値に基づく除外テストに加え、他の除外テストを使用し、複合指数関数から除外するための電位項を同定することもできる。複合指数関数とΔSとの間の相関に望ましくない方式で影響しない、項を複合指数関数から排除すると、複合指数関数とΔSとの間の所望の相関が許可される。したがって、補正式により、測定性能の所望の改善を達成する一方、より短い分析時間を提供することができる。また、複合指数関数からの望ましくない項の排除を通じ、異なるバイオセンサシステムおよび状況を使用して実施された後続の分析の精度を改善することができる。
【0091】
表1の項に関して、複合指数関数からの電位排除のため、0.05を上回るp値を有する項を選択した。したがって、第一の多変数回帰後、複合指数関数からの排除に適切であることができる項として、項(R3/2)(Graw)、(R4/3)(Graw)、TempおよびGrawを同定した。(R4/3)(Graw)項が最大p値(0.852)を示したため、項を排除し、多変数回帰を繰り返した。多変数回帰のこれおよび第三の反復により、TempおよびGraw項が第二および第三に高いp値を有することを同定した。(R4/3)(Graw)、TempおよびGraw項の排除により、以下の表2に示すように、(R3/2)(Graw)項のp値が0.05の除外値下に入ることが予想外に判定された。したがって、(R3/2)(Graw)項の重み係数が他の重み係数に対して数値的に小さい(0.00799)一方、項は、ΔSに相関付けるための複合指数関数の能力に寄与した。好ましくは、残りの項がテストに合致するまで、除外テストから最も大きい望ましくない逸脱を持つ項の選択および除去の反復的な処理を繰り返す。
【0092】
【表2】
【0093】
(R4/3)(Graw)、TempおよびGraw項の排除後、式11の複合指数関数は、下記のように表すことができる:
【0094】
【数12】
【0095】
ΔSRegB式からの出力がScal値にどの程度良く応じるかを反映するR2値は、77.1%であった。除外テストにより、式11から除去された項の排除は、項が低減される複合指数関数において、ΔSを記載するための能力の有意な変化の原因にならなかった(0.1)。したがって、表1のデータにおける誤差を記載するための式12の複合指数の能力が保持される一方、式11に対する項数の有益な低減が提供された。
【0096】
図5Aは、ΔSとR4/3指数値との相関の表1に関して、先に論じたドナー調査からのデータのグラフである。「cap/21C」データセットは、約21℃の毛細管血試料からの相関データを表し、「ven/18C」データセットは、約18℃の静脈血試料からの相関データを表し、「すべて」データセットは、これらの二つの試料と共に、約18℃の毛細管血試料および約21℃の静脈血試料からの全般的な相関データを表す。図5Bは、式12から得られた複合指数値の関数として、表1のデータについてのΔSの相関の同様のグラフである。全般的な相関(「すべて」)と異なる温度における個々の相関との間の差は、図5AのR4/3比率指数関数(R2=0.64)よりも図5Bの複合指数関数(R2=0.77)の方がはるかに小さい。これらのR2値間の約0.13という差は、数値的に小さいものの、R4/3比率指数関数に対し、ΔSと複合指数関数との間の相関が13%改善したことを表す。結果的に、バイオセンサは、以下の式13として表された単一の予測関数を使用し、21℃および18℃の温度における毛細管および静脈血試料のすべての四つのケースを補正することができる。
【0097】
【数13】
【0098】
式13では、複合指数関数であるΔSRegBは、式12で表されたとおりであり、例として、式8に関して先に記載したように、1.0043および0.1308の値がそれぞれb1およびb0(「すべて」データの図5Bのプロットから)である。
【0099】
ΔSに対応する一つ以上の複合指数関数を使用すると、混合バイアスの標準偏差によって測定されるバイアス拡散を低減させることができる。混合バイアスの標準偏差がより小さいほど、バイアス拡散がより小さく、試料中の被分析物の分析がより正確および/または精密である。分析の測定性能を改善することにおける補正の有効性は、バイアス母集団の標準偏差(SD)の低減に直接的に影響する、ΔSと一つ以上の指数関数との間の相関に直接的に関連する。相関係数R2により、ΔSと一つ以上の指数または予測関数との間の相関を測定することができる。そのため、R2値が高いほど、ΔSと一つ以上の指数または予測関数との間の相関がより良好であり、混合バイアスのSD値の低減がより大きく、補正後のバイアス拡散がより小さい。好ましい複合指数関数は、ΔSとのおよそ0.6以上のR2相関値を有する。より好ましい複合指数関数は、ΔSとのおよそ0.7以上のR2相関値を有する。好ましい指数または予測関数は、データ母集団の混合バイアスについて、5よりも少ないSD値を提供する。複合指数関数を包含する好ましい予測関数は、データ母集団の混合バイアスについて、4よりも少ないSD値を、より好ましくは、データ母集団の混合バイアスについて、3よりも少ないSD値を提供する。
【0100】
標準偏差とバイアス拡散との間の経験的な関係は、以下の表3に観察される。表1に関して先に記載され、21℃および18℃でグルコースについて分析された毛細管血試料について、R4/3+Temp指数および複合指数補正の前後の±10%混合バイアス限界に入った、混合バイアスの平均値、混合バイアスのSDおよび濃度分析(データ母集団)のパーセントを列記している。「R4/3+Temp」という略号を使用し、表4に関してさらに論じるように、R4/3指数関数および温度指数関数で補正を記載する。
【0101】
【表3】
【0102】
補正なしの判定された被分析物濃度(Graw)から計算されたような混合バイアスの平均値は、ゼロバイアスに対し、18℃および21℃データ母集団の両方がマイナスにオフセットされていることを示した。21℃では、混合バイアスの−1.03という平均値は、バイオセンサシステムの誤差内にあると考えられる。しかし、18℃では、混合バイアスの−9.29という平均値は、温度誤差に帰すことができると考えられる。より低い温度の18℃データでは、9という有意により高い数値的な値は、システムからの非補正データが±10混合バイアス限界のより低い境界に集中し、ゼロバイアスの中心から有意に乖離していることを指示した。したがって、データ母集団のおよそ半分は、±10混合バイアス限界の境界の外部にあった。
【0103】
21℃データセットでは、R4/3+Temp指数関数補正は、2単位(6.315−4.23=2.085)を上回る標準偏差の低減を提供した。平均すると、5単位以下の標準偏差により、データのおよそ95%が±10%混合バイアス限界内に、データのおよそ63%が±5%混合バイアス限界内に置かれるため、この2単位を上回る低減は、有意である。したがって、R4/3+Temp指数関数補正は、21℃データのおよそ98%を±10%混合バイアス限界の境界内に、データのおよそ77%を±5%混合バイアス限界の境界内に収めた。
【0104】
R4/3+Temp指数関数補正に対し、複合指数関数補正は、追加的に約0.5単位の標準偏差を低減させた。したがって、複合指数補正は、データのおよそ99%を±10%混合バイアス限界の境界内に、データのおよそ88%を±5%混合バイアス限界の境界内に収めた。このデータでは、R4/3+Temp指数関数補正に対する複合指数補正の改善は、無補正に対してR4/3+Temp指数関数補正で観察されたように大きくない一方、データセットがより少なく集中している(混合バイアスの平均値がより大きい)ときに、摂動に対するシステムの耐性が有意に増大する。
【0105】
摂動耐性は、分析において誤差が存在するときに、システムが正確および/または精密な被分析物濃度値をどの程度良く提供するか、として見なすことができる。10から標準偏差の2倍を差し引き、摂動耐性インジケータ(PRI)を提供することにより、摂動耐性を判定する。表3の21℃データ母集団について、PRIは、R4/3+Temp指数関数補正では1.54(10−2*4.23)であり、複合指数関数補正では2.6(10−2*3.7)である。非補正21℃データが1の数値的な平均値に実質的に集中しているため、R4/3+Temp指数関数補正に対し、複合指数関数補正によって提供されたPRIの約68%の増大により、データの追加的な1パーセントが±10%混合バイアス限界の境界内に移行する。
【0106】
しかし、18℃データについて、混合バイアスの平均値の数値的な増大として観察されたように、未補正データの拡散の原因となる誤差により、システムが摂動されると、複合指数関数補正によって提供される恩典が有意に増大した。摂動された18℃データでは、標準偏差は、R4/3+Temp指数関数補正を通じて2.2単位低減し、複合指数関数補正を通じてさらに約0.5単位低減した。したがって、複合指数関数補正は、R4/3+Temp指数関数補正に対し、両方の温度で標準偏差における約0.5単位のSD低減を提供した。これは、R4/3+Temp指数関数による補正に対し、高いバイアスデータを許容可能範囲内に収めるための促進された能力を有する、複合指数関数補正を生み出す。
【0107】
18℃データのPRI値を判定すると、R4/3+Temp指数関数補正が0.58の値を提供した一方、複合指数関数補正は、1.64の値を提供し、R4/3+Temp指数関数補正を超えて、複合ではPRIが約180%増大した。複合指数関数補正によって提供されたPRIの68%の増大により、密接にグループ化された21℃データの追加的な1%が±10%混合バイアス限界の境界限界内に移行した一方、複合指数関数補正によって提供されたPRIの180%の増大により、数値的により高い平均値の18℃データの3倍相当(3.4%)を超えて±10%混合バイアス限界の境界限界内に移行した。したがって、非補正データの誤差が大きいほど、±10%混合バイアス限界の境界内へのバイアスの低減において、より良好な複合指数関数補正が実施された。
【0108】
複合指数関数補正は、より高い21℃温度では、非補正データ点に対し、±10%混合バイアス限界の境界内のデータ点の百分率として約17%(99.1−84.9/84.9*100%)の増大を、より低い18℃温度では、非補正データ点に対し、±10%混合バイアス限界の境界内のデータ点の百分率として約78%(98.1−55.2/55.2*100%)の増大を提供した。この実質的に集中した未補正データについて、R4/3+Temp指数関数と複合指数関数補正との間の差が大きくなかった一方、より少数の分析が±10%混合バイアス限界の境界の外部にあるであろうがため、複合指数関数補正によって提供された改善は、有意である。バイアス限界の外部の指示値数を低減させることにより、例として、血液グルコースをモニタリングしているときに、患者による正確な治療のため、より多くの得られた指示値を使用することができる。追加的に、患者による分析の破棄および繰り返しの必要を低減させることもできる。
【0109】
図6Aは、ΔSとR4/3指数値との相関について、表1に対して先に論じた21℃の毛細管および静脈血試料のグラフである。図6Bは、同一のデータのΔSと、式12の複合指数値との相関のグラフである。これらのグラフのR2値は、それぞれ、0.5998および0.7268であり、ΔSへのR4/3指数関数の相関に対し、ΔSへの複合指数関数の相関の約21%(0.7269−0.5998/0.5998)の改善を指示した。同様に、図6Cおよび図6Dは、18℃の毛細管および静脈血試料について、R4/3指数値(図6C)および式12からの複合指数値(図6D)のΔSへの相関をプロットする。R4/3および複合指数関数のR2値(それぞれ0.6307および0.7154)の比較は、R4/3指数関数のΔSへの相関に対し、複合指数関数のΔSへの相関の約13.5%(0.7154−0.6307/0.6307)の改善を示す。
【0110】
傾き偏差、ΔSおよび/または関連する複合指数関数を正規化し、被分析物濃度と出力信号との相関における%バイアスを表すことができる。正規化では、傾き偏差、指数もしくは複合指数関数または他のパラメータを変数によって調整(乗除等)して、パラメータの変化の統計的効果を低減させ、パラメータの変動の分化を改善し、パラメータ、その組み合わせ等の測定を標準化する。
【0111】
以下の表4は、判定された未処理グルコース濃度と、R4/3+Temp指数関数補正および項に温度を包含する複合指数関数補正の結果である、補正されたグルコース濃度とを比較する。表1に関して先に論じたドナー調査からのデータについて、データ母集団の混合バイアスの標準偏差(SD)に加え、±10%、±8%および±5%混合バイアス限界内に入るパーセントを判定した。選択された中間出力信号がパルスから記録されたゲートアンペロメトリック入力信号を使用し、試料を分析した。
【0112】
【表4】
【0113】
ΔScal(記録された電流値から観察された)をR4/3と比較することによって判定され、a1およびa0がそれぞれ傾きおよび切片を表す、予測関数f(predictor)=a1*R4/3+a0でR4/3+Temp指数関数補正を実施した。データの温度感度ΔSTも関係を使用して判定した:
【0114】
【数14】
【0115】
ここで、f(Index)Tempは、先に記載したとおりであり、Tが温度であり、c1およびc0がそれぞれ傾きおよび切片を表す。
【0116】
その後、関係を使用して、補正されたグルコース濃度を判定した:
【0117】
【数15】
【0118】
ここで、iがバイオセンサシステムからの出力信号の値であり、Intが参照相関式の切片であり、Gcorrが試料の補正されたグルコース濃度である。
【0119】
YSI参照機器によって判定されたような試料の参照グルコース濃度である、Grefが試料の75デシリットル当たりグルコースmg(mg/dL)よりも少ない場合、関係Gcorr−Grefを通じ、±10%、±8%または±5%混合バイアス限界の境界内に入るデータ点(補正されたグルコース試料濃度)の百分率を判定した。関係100%*(Gcorr−Gref)/Grefを使用し、データ点が75mg/dLを上回るか、等しいときに境界限界内に入る、補正されたグルコース試料濃度の百分率を判定した。
【0120】
先に記載したように、項、定数および重み係数を選択することにより、試料からの中間電流、温度値およびGrawから判定された誤差パラメータで複合指数関数補正を実施した。p値を使用し、複合指数関数f(CIndex)に項を包含するための除外テストを実施した。その後、ΔScalをf(CIndex)と比較し、b1およびb0がそれぞれ傾きおよび切片を表す、ΔScal=b1*f(CIndex)+b0を得た。b1が約1であり、および/またはb0が約ゼロであるとき、f(CIndex)は、これらの修正の一つまたは両方なしでΔSを近似することができる。先のように、R4/3+Temp指数関数補正について、±10%、±8%または±5%混合バイアス限界の境界内に入る、データ点の百分率(各試料の補正されたグルコース濃度)を判定した。
【0121】
最も狭い±5%混合バイアス限界の境界内に入る被分析物濃度の百分率を考慮すると、R4/3+Temp指数関数補正では「すべて」の試料の約72%が境界内に置かれた一方、複合指数関数補正では、試料の約82%が境界内に置かれた。これは、最も狭い±5%混合バイアス限界内に入る、補正された被分析物濃度値の総合的な数が約14%(82−72/72*100)増大したことを表す。両方の方法が温度差の補正を包含したとしても、R4/3+Temp指数関数補正に対し、複合指数関数補正によって提供された測定性能のこの有意な増大が観察された。したがって、±5%混合バイアス限界の測定性能カットオフでは、患者は、複合指数関数補正を使用したグルコースバイオセンサシステムにおいて、R4/3+Temp指数関数補正を使用した同一のグルコースバイオセンサシステムよりも約14%少数の分析を破棄および繰り返すことが求められるであろう。補正が欠如した同一のグルコースバイオセンサシステムは、±5%混合バイアス限界において、グルコース分析の約56%を破棄することを要求し、非補正システムは、事実上、±5%混合バイアス限界の測定性能カットオフを達成するために無効であろう。R4/3+Tempと複合指数関数補正との間で、四つの個々の各データ母集団について、バイアスの標準偏差の有意な減少(平均して〜0.6単位)が観察された。
【0122】
図6Eは、ヘマトクリット感度のグラフを混合バイアス対%Hctとして図示する。非補正の判定されたグルコース濃度に対し、複合指数関数補正は、ヘマトクリット感度をおよそ−1.11(バイアス/%バイアス)/%Hctから、およそ−0.3(バイアス/%バイアス)/%Hctに低減させ、約70%の低減であった。したがって、複合指数関数補正は、ヘマトクリットバイアスによる測定性能の低減に対する分析システムの感受性を実質的に低減した。
【0123】
ΔSに加え、指数関数は、傾き偏差の正規化された形態であるΔS/Sを表すことができる。したがって、ΔS/SをΔSに代入することができる。例として、関係ΔS/ScalまたはS/Scalを通じ、正規化を達成することができる。そのように、参照相関式Scalの傾きにより、式7の傾き偏差ΔSを正規化し、結果として、ΔS/Scalと指数関数との間に補正相関をもたらすことができる。
【0124】
式7では、ΔSをScalで下記のように除す:
【0125】
【数16】
【0126】
ΔS/Scalに、複合指数関数を包含することができる予測関数f(predictor)を代入し、下記のように表すことができる:
【0127】
【数17】
【0128】
式17の予測関数f(predictor)を下記のように式16に代入することができる:
【0129】
【数18】
【0130】
傾き偏差ΔSを解くと、下記の関係が提供される:
【0131】
【数19】
【0132】
Scalによる傾き偏差ΔSの正規化は、Scalの異なる較正から電位効果を実質的に除去することができる。
【0133】
式7の傾き偏差ΔSを乗算により、正規化された傾き関数SNMLで正規化し、結果として、SNMLと複合指数関数との間に補正相関をもたらすこともできる。正規化された傾き関数SNMLは、下記のように表すことができる:
【0134】
【数20】
【0135】
式20を式7に代入し、SNMLを予測関数f(predictor)に置き換えると、下記の関係が提供される:
【0136】
【数21】
【0137】
図1Cは、測定装置での使用のため、ヘマトクリット調整されたドナー血液試料から複合指数関数を判定する方法を表す。122では、複数の環境的状況において、複数のテストセンサにより、公知の参照グルコース濃度を有する、ヘマトクリット調整された複数の血液試料の実験グルコース濃度を判定する。参照機器を使用し、公知の被分析物濃度を判定することができる。123では、参照温度および参照%Hctで判定された公知のグルコース濃度から、複数のテストセンサの参照相関の傾きおよび切片を判定する。124では、複数のドナー血液試料の参照グルコース濃度を判定する。ドナー血液試料は、変動するグルコース濃度およびヘマトクリットレベルを有することができる。複数のドナー血液試料の参照グルコース濃度を参照温度で判定することができる。125では、場合により、ヘマトクリット調整された複数の血液試料グルコース濃度データを複数のドナー血液試料グルコース濃度データと混合する。126では、一つ以上の出力信号値のデータから、項を選択する。一つ以上の物理的特性、環境的状況、濃度値等について、項を選択することもできる。127では、項の重み係数および任意の定数を判定する。128では、複合指数関数に包含するための重み係数および任意の定数に応じ、項を選択する。
【0138】
以下の表5は、毛細管および静脈血試料(およそ106個の試料)と、試料のヘマトクリット含有量をおよそ20〜およそ60%Hctに調整するため、静脈血を添加した試料(およそ60個の試料)とについて、判定されたグルコース濃度データを提供する。したがって、図1Cの122に一般的に記載されるているように、ヘマトクリット調整された血液試料を作成した。表1に関して先に論じたように、ドナー調査から判定された先行する被分析物濃度と違い、表5のグルコース濃度は、グルコースについて分析された血液試料と異なる血液試料から導出された、複合指数関数を使用して判定した。したがって、表5のバイアスを補正するため、測定装置によって具現化された複合指数関数は、異なる試料母集団から先に判定した。除外値を0.05としてp値除外テストを使用し、複合指数関数に包含するための項を選択した。除外後、複合指数関数に残った項は、:R4/3、R5/4、R5/4*Graw、R/54*Temp、R4/3*Temp、R4/3*R5/4、R4/3*R5/4*Graw、R4/3*R5/4*TempおよびTempであった。複合指数関数は、各項の正または負の重み係数および初期定数を包含した。
【0139】
補正式を使用し、一般的な形態を有する血液試料の補正されたグルコース濃度を判定した:
【0140】
【数22】
【0141】
ここで、f(predictor)=b1*f(CIndex)+b0=ΔS/Sであり、傾き偏差の正規化された形態である。
【0142】
予測関数がΔS/Sを近似しているときには、b1=1±0.2であれば、b1の代用として理論値である1を使用することができ、好ましくは、b1=1±0.15であれば、b1の代用として1を使用することができ、より好ましくは、b1=1±0.1であれば、b1の代用として1を使用することができる。予測関数がΔS/Sを近似しているときには、b0=0±0.03であれば、b0の代用として理論値であるゼロを使用することができ、好ましくは、b0=0±0.02であれば、b0の代用としてゼロを使用することができ、より好ましくは、b0=0±0.01であれば、b0の代用としてゼロを使用することができる。他の偏差カットオフを使用し、b1、b0または両方の理論値を使用することができるときを判定することができる。b1および/またはb0に理論値1および0を代入することに加え、同一または他の偏差カットオフに基づき、探索表等からの所定値を代入することができる。
【0143】
このデータ母集団では、b1が1.08であり、b0が0.012であった。したがって、b1を1と推定し、b0を0と推定した。式からb1およびb0を排除すると、下記のような関係が提供される:
【0144】
【数23】
【0145】
したがって、ΔS/Sを表す複合指数関数を使用し、試料のグルコース濃度に対応する出力電流値を試料の補正されたグルコース濃度に変換した。あるいは、複合指数関数と、下記のように一般的な形態を有する式とを使用し、未補正のグルコース濃度値から、補正されたグルコース濃度値を判定することができる:
【0146】
【数24】
【0147】
【表5】
【0148】
人工的に延伸された(30〜50%からおよそ20〜60%まで)ヘマトクリット範囲を包含する試料では、複合指数関数補正は、判定された被分析物濃度の少なくとも96%を±10%混合バイアス限界の境界内に、判定された被分析物濃度のおおよそ94%を±8%混合バイアス限界内に収めた。これは、添加静脈試料のおよそ58%のみが±10%混合バイアス限界の境界内に入った非補正の分析に対し、有意な改善であり、60%を上回る改善(96−58/58*100)であった。未補正濃度値に対し、補正された濃度値では、四つの各データ母集団の混合バイアスの標準偏差も少なくとも1.5単位減少した。非補正の被分析物濃度に対し、補正された被分析物濃度のより大きい正確性および精度は、図6Fのゼロ混合バイアスラインの周辺におけるより密接なグループ化によって示されている。これらの結果は、複合指数関数が異なる試料間で移動可能であり、測定装置での先々の使用のため、実験室で判定することができることを確立する。
【0149】
図7は、生物学的流体の試料中の被分析物濃度を判定する、バイオセンサシステム700の概略表記を図示する。バイオセンサシステム700は、卓上型装置、携帯型または手持ち式装置等を包含する、任意の分析的機器で具現化することができる、測定装置702およびテストセンサ704を包含する。測定装置702およびテストセンサ704は、電気化学的センサシステム、光学センサシステム、その組み合わせ等を具現化するように適応させることができる。バイオセンサシステム700は、少なくとも一つのΔS値により、出力信号から被分析物濃度を判定するための相関を調整する。ΔS調整された相関は、試料の被分析物濃度の判定におけるバイオセンサシステム700の測定性能を改善することができる。バイオセンサシステム700を利用し、グルコース、尿酸、乳酸塩、コレステロール、ビリルビン等の被分析物濃度を包含する、被分析物濃度を判定することができる。具体的な機器構成が示される一方、バイオセンサシステム700は、追加的な構成要素を持つ機器構成を包含する、他の機器構成を有することができる。
【0150】
テストセンサ704は、容器708と、開口712を持つ流路710とを形成している、ベース706を有する。容器708および流路710は、脱気口を持つ蓋で被覆することができる。容器708は、部分的に閉鎖された体積を画定する。容器708は、液体試料を貯留することを補助する組成物、例えば、水膨潤性ポリマーまたは多孔性ポリマーマトリクスを含有することができる。容器708および/または流路710に試薬を堆積させることができる。試薬は、一つ以上の酵素、バインダ、メディエータ等の種を包含することができる。試薬は、光学システムのための化学的インジケータを包含することができる。テストセンサ704は、容器708に近接して配設された試料インタフェース714を有することもできる。試料インタフェース714は、部分的または全面的に容器708を包囲することができる。テストセンサ704は、他の機器構成を有することができる。
【0151】
光学センサシステムでは、試料インタフェース714は、試料を視認するための光学ポータルまたは窓を有する。本質的に透明な材料により、光学ポータルを被覆することができる。試料インタフェースは、容器708の反対側に光学ポータルを有することができる。
【0152】
電気化学的システムでは、試料インタフェース714は、作用電極および対電極に接続された導体を有する。電極は、実質的に同一の平面にあるか、一つより多い平面にあることができる。容器708を形成しているベース706の表面上に電極を配設することができる。電極は、容器708内に延伸または突出することができる。絶縁体層は、導体および/または電極を部分的に被覆することができる。試料インタフェース714は、他の電極および導体を有することができる。
【0153】
測定装置702は、センサインタフェース718およびディスプレイ720に接続された電気回路716を包含する。電気回路716は、信号生成器724、任意の温度センサ726および記憶媒体728に接続されたプロセッサ722を包含する。
【0154】
信号生成器724は、プロセッサ722に応答して、センサインタフェース718に電気入力信号を提供する。光学システムでは、電気入力信号を使用し、センサインタフェース718内の検出器および光源を動作させるか、制御することができる。電気化学的システムでは、センサインタフェース718により、電気入力信号を試料インタフェース714に伝達し、生物学的流体の試料に電気入力信号を適用することができる。電気入力信号は、電位または電流であることができ、定数か、変数か、例えば、DC信号オフセットでAC信号を適用するときには、その組み合わせであることができる。電気入力信号は、単一のパルスとしてか、複数のパルス、シーケンスまたはサイクルで適用することができる。信号生成器724は、生成器−記録器として、センサインタフェースからの出力信号を記録することもできる。
【0155】
任意の温度センサ726は、テストセンサ704の容器内における試料の温度を判定する。試料の温度は、測定されるか、出力信号から計算されるか、周囲温度またはバイオセンサシステムを具現化した装置の温度の測定と同一または同様と仮定されることができる。温度は、サーミスタ、温度計または他の温度感知装置を使用して測定することができる。他の手法を使用し、試料温度を判定することができる。
【0156】
記憶媒体728は、磁気、光学または半導体メモリ、もう一つの記憶装置等であることができる。記憶媒体728は、固定されたメモリ装置、着脱可能なメモリ装置、例えば、メモリカードであるか、遠隔からアクセスされる等であることができる。
【0157】
プロセッサ722は、記憶媒体728に記憶されたコンピュータ読取可能なソフトウェアコードおよびデータを使用し、被分析物の分析およびデータ処置を具現化する。プロセッサ722は、センサインタフェース718におけるテストセンサ704の存在、テストセンサ704への試料の適用、使用者入力等に応答して、被分析物の分析を開始することができる。プロセッサ722は、センサインタフェース718に電気入力信号を提供するように、信号生成器724を誘導する。プロセッサ722は、温度センサ726から試料温度を受信する。プロセッサ722は、センサインタフェース718から出力信号を受信する。試料中の被分析物の反応に応答して、出力信号が生成される。光学システム、電気化学的システム等を使用して、出力信号を生成することができる。プロセッサ722は、先に論じたように相関式を使用し、出力信号から、ΔS補正された被分析物濃度を判定する。被分析物分析の結果をディスプレイ720に出力することができ、記憶媒体728に記憶することができる。
【0158】
被分析物濃度と出力信号との間の相関式は、グラフ的、数学的、その組み合わせ等で表すことができる。相関式は、一つ以上の指数関数を包含することができる。相関式は、記憶媒体728に記憶されたプログラム番号(PNA)表、もう一つの探索表等によって表すことができる。定数および重み係数も記憶媒体728に記憶することができる。記憶媒体728に記憶されたコンピュータ読取可能なソフトウェアコードにより、被分析物分析の具現化に関する命令を提供することができる。コードは、本明細書に記載の機能性を記載または制御する、オブジェクトコードまたは任意の他のコードであることができる。被分析物の分析からのデータは、プロセッサ722における減衰率、K定数、比率、関数等の判定を包含する、一つ以上のデータ処置の対象であることができる。
【0159】
電気化学的システムでは、センサインタフェース718は、テストセンサ704の試料インタフェース714内の導体に接続しているか、電気的に連通している、接触を有する。センサインタフェース718は、信号生成器724からの電気入力信号を、接触を通じ、試料インタフェース714内のコネクタに伝達する。センサインタフェース718は、試料からの出力信号を、接触を通じ、プロセッサ722および/または信号生成器724にも伝達する。
【0160】
光吸収および光生成光学システムでは、センサインタフェース718は、光を収集および測定する検出器を包含する。検出器は、試料インタフェース714内の光学ポータルを通じ、液体センサからの光を受信する。光吸収光学システムでは、センサインタフェース718は、光源、例えば、レーザ、光放出ダイオード等も包含する。入射ビームは、反応生成物による吸収のために選択された波長を有することができる。センサインタフェース718は、試料インタフェース714内の光学ポータルを通じ、光源からの入射ビームを誘導する。検出器は、光学ポータルに対して角度、例えば、45°に位置し、試料から反射して戻った光を受信することができる。検出器は、試料の光源とは他の側において、光学ポータルに近接して配置され、試料を通じて伝達された光を受信することができる。検出器は、もう一つの場所に位置し、反射および/または伝達された光を受信することができる。
【0161】
ディスプレイ720は、アナログまたはデジタルであることができる。ディスプレイ720は、数値的な指示値を示すように適応されたLCD、LED、OLED、真空蛍光または他のディスプレイを包含ことができる。他のディスプレイを使用することもできる。ディスプレイ720は、プロセッサ722に電気的に連通している。例えば、プロセッサ722との無線連通のときには、ディスプレイ720が測定装置702から別個であることができる。あるいは、例えば、測定装置702が遠隔の演算装置、投薬注入ポンプ等と電気的に連通しているときには、測定装置702からディスプレイ720を排除することができる。
【0162】
使用では、液体を開口712に導入することにより、分析のための液体試料を容器708内に移動させる。液体試料は、流路710を通じて流動し、容器708に充填される一方、先に含有されていた空気を追い出す。液体試料は、流路710および/または容器708に堆積された試薬と化学的に反応する。
【0163】
テストセンサ702は、測定装置702に近接して配設されている。近接は、試料インタフェース714がセンサインタフェース718と電気および/または光学連通にある位置を包含する。電気連通は、センサインタフェース718内の接触と試料インタフェース714内の導体との間における、入力および/または出力信号の移動を包含する。光学連通は、試料インタフェース714内の光学ポータルとセンサインタフェース718内の検出器との間における、光の移動を包含する。光学連通は、試料インタフェース714内の光学ポータルとセンサインタフェース718内の光源との間における、光の移動も包含する。
【0164】
プロセッサ722は、温度センサ726から試料温度を受信する。プロセッサ722は、センサインタフェース718への入力信号を提供するように、信号生成器724を誘導する。光学システムでは、センサインタフェース718は、入力信号に応答して、検出器および光源を動作させる。電気化学的システムでは、センサインタフェース718は、試料インタフェース714を通じ、試料への入力信号を提供する。プロセッサ722は、先に論じたように、試料中の被分析物のレドックス反応に応答して生成された、出力信号を受信する。
【0165】
プロセッサ722は、試料の被分析物濃度を判定する。測定装置は、少なくとも一つのΔS値により、被分析物濃度と出力信号との間の相関を調整する。傾き調整された相関および出力信号から、被分析物濃度を判定する。先に記載したように、正規化手法を使用することもできる。
【0166】
本発明の様々な態様を記載した一方、当業者には、本発明の範囲内で他の態様および具現化が可能であることが明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の被分析物濃度を判定するための方法であって、
試料中の被分析物の濃度に対応する、少なくとも一つの出力信号値を生成する工程と、
少なくとも二つの項を包含し、少なくとも二つの各項が重み係数によって修正される、少なくとも一つの複合指数関数から、少なくとも一つのΔS値を判定する工程と、
少なくとも一つの参照相関および少なくとも一つのΔS値により、少なくとも一つの出力信号値を補正する工程と、
少なくとも一つの出力信号値から試料中の被分析物濃度を判定する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
判定された被分析物濃度のパーセントバイアスがΔSと実質的に線形の関係にあり、判定された被分析物濃度のパーセントバイアスを電流に関連させる式によって補正を行う、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つの参照相関が参照機器によって事前に決定されている、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
補正が、
Acorr=(i−Int)/(Scal+f(predictor))、
のように表され、ここで、Acorrが判定された被分析物濃度であり、iが試料中の被分析物の濃度に対応する少なくとも一つの出力信号値であり、Intが参照相関の切片であり、Scalが参照相関であり、f(predictor)が複合指数関数を包含する予測関数であり、ここで、少なくとも一つのΔS値が、参照相関の傾きと、バイアスなしの試料の被分析物濃度を提供するであろう、出力信号値のラインの仮想的な傾きとの間における傾きの差を表す、請求項1、2または3記載の方法。
【請求項5】
複合指数関数がさらに、ゼロに等しくない少なくとも一つの定数を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも二つの項の一つが試料の未処理被分析物濃度値を包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
少なくとも二つの項の一つが温度を包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
少なくとも二つの項の一つが試料の%Hctに対応する誤差パラメータを包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
中間出力信号値および出力信号以外の値から、独立して選択された、誤差パラメータを少なくとも二つの各項が包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
誤差パラメータが少なくとも一つの出力信号値の修正の原因となる誤差寄与因子に対応する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
誤差パラメータが異なる誤差寄与因子に独立して対応し、少なくとも0.3のΔScalとのR2相関を有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
複合指数関数から判定された少なくとも一つのΔS値が、少なくとも0.6のΔScalとのR2相関を有する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
試料中の被分析物濃度を判定する工程がさらに、複数の試料から被分析物濃度を判定する工程を含み、複数の試料について判定された被分析物濃度に対して、複合指数関数が複数の試料の混合バイアスについて5よりも少ない標準偏差値を提供する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
複数の試料の判定された被分析物濃度が、±10%、±8%または±5%混合バイアス限界内に入る、請求項13記載の方法。
【請求項15】
さらに、
異なる誤差パラメータが複合指数関数および第二の複合指数関数によって変形され、少なくとも二つのΔS値を提供する、第二の複合指数関数;または
異なる誤差パラメータが複合指数関数および指数関数によって変形され、少なくとも二つのΔS値を提供する、指数関数
を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
さらに、正規化が参照相関式の傾きに応答するか、正規化された傾き関数に応答する、少なくとも一つのΔS値を正規化する工程を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
少なくとも二つの項が少なくとも一つの除外テストによって選択されている、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
試料中の被分析物濃度を判定するためのバイオセンサシステムであって、
ストリップによって形成された容器に近接する試料インタフェースを有する、テストセンサと、
試料インタフェースと電気的に通信するセンサインタフェースに接続されたプロセッサであって、記憶媒体と電気的に通信するプロセッサを有する、測定装置と、
を含み、
ここで、プロセッサが試料中の被分析物の濃度に対応する、センサインタフェースからの出力信号値を判定し、
ここで、重み係数によって修正された少なくとも二つの各項を包含する、少なくとも一つの複合指数関数から、プロセッサが少なくとも一つのΔS値を判定し、
ここで、記憶媒体内に存在する少なくとも一つのΔS値および少なくとも一つの参照相関により、プロセッサが出力信号値を補正する、
システム。
【請求項19】
測定装置が携帯型である、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
判定された被分析物濃度のパーセントバイアスとΔSとの間で実質的に線形の関係を有するように、テストセンサが配置および設定されている、請求項17または19記載のシステム。
【請求項21】
参照機器で事前に判定された少なくとも一つの参照相関を記憶媒体が記憶する、請求項18〜20のいずれか一項記載のシステム。
【請求項22】
プロセッサがさらに、少なくとも一つの参照相関の切片と、複合指数関数を包含する予測関数とにより、出力信号値を補正し、少なくとも一つのΔS値が参照相関の傾きと、バイアスなしの試料の被分析物濃度を提供するであろう、出力信号値のラインの仮想的な傾きとの間における傾きの差を表す、請求項18〜21のいずれか一項記載のシステム。
【請求項23】
複合指数関数がさらに、ゼロに等しくない少なくとも一つの定数を含む、請求項18〜22のいずれか一項記載のシステム。
【請求項24】
少なくとも二つの項の一つが試料の未処理の被分析物濃度値を包含する、請求項18〜23のいずれか一項記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも二つの項の一つが温度を包含する、請求項18〜24のいずれか一項記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも二つの項の一つが試料の%Hctに対応する誤差パラメータを包含する、請求項18〜25のいずれか一項記載のシステム。
【請求項27】
中間出力信号値および出力信号以外の値から、独立して選択された、誤差パラメータを少なくとも二つの各項が包含する、請求項18〜26のいずれか一項記載のシステム。
【請求項28】
少なくとも一つの出力信号値の修正の原因となる誤差寄与因子に、誤差パラメータが対応する、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
誤差パラメータが異なる誤差寄与因子に独立して対応し、少なくとも0.3のΔScalとのR2相関を有する、請求項27記載のシステム。
【請求項30】
プロセッサにより、複合指数関数から判定された、少なくとも一つのΔS値が少なくとも0.6のΔScalとのR2相関を有する、請求項18〜29のいずれか一項記載のシステム。
【請求項31】
プロセッサがさらに、複数の試料から被分析物濃度を判定し、
複合指数関数が、複数の試料について判定された被分析物濃度に対して、複数の試料の混合バイアスについて5よりも少ない標準偏差値を提供する、請求項18〜30のいずれか一項記載のシステム。
【請求項32】
プロセッサにより判定された複数の試料の被分析物濃度が、±10%、±8%または±5%の混合バイアス限界内に入る、請求項31記載のシステム。
【請求項33】
プロセッサが少なくとも一つのΔS値を正規化し、正規化が参照相関式の傾きに応答するか、正規化された傾き関数に応答している、請求項18〜32のいずれか一項記載のシステム。
【請求項34】
少なくとも二つの項が少なくとも一つの除外テストによって選択されている、請求項18〜33のいずれか一項記載のシステム。
【請求項35】
本明細書において開示されている一切の新規な特徴。
【請求項1】
試料中の被分析物濃度を判定するための方法であって、
試料中の被分析物の濃度に対応する、少なくとも一つの出力信号値を生成する工程と、
少なくとも二つの項を包含し、少なくとも二つの各項が重み係数によって修正される、少なくとも一つの複合指数関数から、少なくとも一つのΔS値を判定する工程と、
少なくとも一つの参照相関および少なくとも一つのΔS値により、少なくとも一つの出力信号値を補正する工程と、
少なくとも一つの出力信号値から試料中の被分析物濃度を判定する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
判定された被分析物濃度のパーセントバイアスがΔSと実質的に線形の関係にあり、判定された被分析物濃度のパーセントバイアスを電流に関連させる式によって補正を行う、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つの参照相関が参照機器によって事前に決定されている、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
補正が、
Acorr=(i−Int)/(Scal+f(predictor))、
のように表され、ここで、Acorrが判定された被分析物濃度であり、iが試料中の被分析物の濃度に対応する少なくとも一つの出力信号値であり、Intが参照相関の切片であり、Scalが参照相関であり、f(predictor)が複合指数関数を包含する予測関数であり、ここで、少なくとも一つのΔS値が、参照相関の傾きと、バイアスなしの試料の被分析物濃度を提供するであろう、出力信号値のラインの仮想的な傾きとの間における傾きの差を表す、請求項1、2または3記載の方法。
【請求項5】
複合指数関数がさらに、ゼロに等しくない少なくとも一つの定数を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも二つの項の一つが試料の未処理被分析物濃度値を包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
少なくとも二つの項の一つが温度を包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
少なくとも二つの項の一つが試料の%Hctに対応する誤差パラメータを包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
中間出力信号値および出力信号以外の値から、独立して選択された、誤差パラメータを少なくとも二つの各項が包含する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
誤差パラメータが少なくとも一つの出力信号値の修正の原因となる誤差寄与因子に対応する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
誤差パラメータが異なる誤差寄与因子に独立して対応し、少なくとも0.3のΔScalとのR2相関を有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
複合指数関数から判定された少なくとも一つのΔS値が、少なくとも0.6のΔScalとのR2相関を有する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
試料中の被分析物濃度を判定する工程がさらに、複数の試料から被分析物濃度を判定する工程を含み、複数の試料について判定された被分析物濃度に対して、複合指数関数が複数の試料の混合バイアスについて5よりも少ない標準偏差値を提供する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
複数の試料の判定された被分析物濃度が、±10%、±8%または±5%混合バイアス限界内に入る、請求項13記載の方法。
【請求項15】
さらに、
異なる誤差パラメータが複合指数関数および第二の複合指数関数によって変形され、少なくとも二つのΔS値を提供する、第二の複合指数関数;または
異なる誤差パラメータが複合指数関数および指数関数によって変形され、少なくとも二つのΔS値を提供する、指数関数
を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
さらに、正規化が参照相関式の傾きに応答するか、正規化された傾き関数に応答する、少なくとも一つのΔS値を正規化する工程を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
少なくとも二つの項が少なくとも一つの除外テストによって選択されている、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
試料中の被分析物濃度を判定するためのバイオセンサシステムであって、
ストリップによって形成された容器に近接する試料インタフェースを有する、テストセンサと、
試料インタフェースと電気的に通信するセンサインタフェースに接続されたプロセッサであって、記憶媒体と電気的に通信するプロセッサを有する、測定装置と、
を含み、
ここで、プロセッサが試料中の被分析物の濃度に対応する、センサインタフェースからの出力信号値を判定し、
ここで、重み係数によって修正された少なくとも二つの各項を包含する、少なくとも一つの複合指数関数から、プロセッサが少なくとも一つのΔS値を判定し、
ここで、記憶媒体内に存在する少なくとも一つのΔS値および少なくとも一つの参照相関により、プロセッサが出力信号値を補正する、
システム。
【請求項19】
測定装置が携帯型である、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
判定された被分析物濃度のパーセントバイアスとΔSとの間で実質的に線形の関係を有するように、テストセンサが配置および設定されている、請求項17または19記載のシステム。
【請求項21】
参照機器で事前に判定された少なくとも一つの参照相関を記憶媒体が記憶する、請求項18〜20のいずれか一項記載のシステム。
【請求項22】
プロセッサがさらに、少なくとも一つの参照相関の切片と、複合指数関数を包含する予測関数とにより、出力信号値を補正し、少なくとも一つのΔS値が参照相関の傾きと、バイアスなしの試料の被分析物濃度を提供するであろう、出力信号値のラインの仮想的な傾きとの間における傾きの差を表す、請求項18〜21のいずれか一項記載のシステム。
【請求項23】
複合指数関数がさらに、ゼロに等しくない少なくとも一つの定数を含む、請求項18〜22のいずれか一項記載のシステム。
【請求項24】
少なくとも二つの項の一つが試料の未処理の被分析物濃度値を包含する、請求項18〜23のいずれか一項記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも二つの項の一つが温度を包含する、請求項18〜24のいずれか一項記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも二つの項の一つが試料の%Hctに対応する誤差パラメータを包含する、請求項18〜25のいずれか一項記載のシステム。
【請求項27】
中間出力信号値および出力信号以外の値から、独立して選択された、誤差パラメータを少なくとも二つの各項が包含する、請求項18〜26のいずれか一項記載のシステム。
【請求項28】
少なくとも一つの出力信号値の修正の原因となる誤差寄与因子に、誤差パラメータが対応する、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
誤差パラメータが異なる誤差寄与因子に独立して対応し、少なくとも0.3のΔScalとのR2相関を有する、請求項27記載のシステム。
【請求項30】
プロセッサにより、複合指数関数から判定された、少なくとも一つのΔS値が少なくとも0.6のΔScalとのR2相関を有する、請求項18〜29のいずれか一項記載のシステム。
【請求項31】
プロセッサがさらに、複数の試料から被分析物濃度を判定し、
複合指数関数が、複数の試料について判定された被分析物濃度に対して、複数の試料の混合バイアスについて5よりも少ない標準偏差値を提供する、請求項18〜30のいずれか一項記載のシステム。
【請求項32】
プロセッサにより判定された複数の試料の被分析物濃度が、±10%、±8%または±5%の混合バイアス限界内に入る、請求項31記載のシステム。
【請求項33】
プロセッサが少なくとも一つのΔS値を正規化し、正規化が参照相関式の傾きに応答するか、正規化された傾き関数に応答している、請求項18〜32のいずれか一項記載のシステム。
【請求項34】
少なくとも二つの項が少なくとも一つの除外テストによって選択されている、請求項18〜33のいずれか一項記載のシステム。
【請求項35】
本明細書において開示されている一切の新規な特徴。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【公表番号】特表2012−511160(P2012−511160A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540829(P2011−540829)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/067150
【国際公開番号】WO2010/077660
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507021757)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (33)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/067150
【国際公開番号】WO2010/077660
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507021757)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (33)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC
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