説明

信号送信装置及び画像形成システム

【課題】画像形成装置が省電力状態へ移行中である場合にも、速やかに画像形成装置を起動させる。
【解決手段】信号をインクジェット印刷装置2へ送信する入出力インタフェース部11と、インクジェット印刷装置2の状態を要求する信号を入出力インタフェース部11に送信させる状態取得部12と、状態取得部12により要求した信号に対する応答に基づいて、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定部13と、判定部13により、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたと判定された場合、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号を入出力インタフェース部11に送信させる起動制御部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と接続され、各種信号を画像形成装置へ送信する信号送信装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、国内外において、環境保護のため温室効果ガスの削減活動が推進されており、より一層、省エネルギーへの取組が必要とされている。
【0003】
そのため、画像形成装置においても、消費電力を低減するための様々な技術が開発されており、例えば、使用していない時間に消費する電力(待機電力)を低減化するために、消費電力を低く抑える省電力状態の設定が可能な画像形成装置も普及している。
【0004】
また、特許文献1には、省電力状態が設定されている画像形成装置に対して、起動パケットを画像形成装置に送信することにより、画像形成装置は画像形成が可能な状態(画像形成可能状態、稼動状態)に復帰させる画像形成システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−217983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成システムでは、省電力状態が設定されている画像形成装置に対して、起動パケットを画像形成装置に送信するが、省電力状態への移行中は、この起動パケットを受け付けることができず、起動パケットは破棄されてしまう。そのため、省電力状態への移行が完了した頃を見計らって、改めて起動パケットを送信する必要があり、画像形成装置を起動させるまでに相当の時間を要するという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置が省電力状態へ移行中である場合にも、速やかに画像形成装置を起動させる信号送信装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る信号送信装置の第1の特徴は、画像を形成する画像形成装置と接続され、前記画像形成装置へ信号を送信する信号送信装置であって、前記信号を前記画像形成装置へ送信する送信手段と、前記画像形成装置の状態を要求する信号を前記送信手段に送信させる状態取得手段と、前記状態取得手段により要求した信号に対する応答に基づいて、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された場合、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させる起動制御手段と、を備えたことにある。
【0009】
本発明に係る信号送信装置の第2の特徴は、前記起動制御手段は、前記判定手段により前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定されるまで、前記状態取得手段及び前記判定手段に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された後、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させることにある。
【0010】
本発明に係る画像形成システムの第1の特徴は、印刷ジョブに基づいて画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置と接続され、前記画像形成装置へ信号を送信する信号送信装置とを備えた画像形成システムであって、前記信号送信装置は、前記信号を前記画像形成装置へ送信する送信手段と、前記画像形成装置の状態を要求する信号を前記送信手段に送信させる状態取得手段と、前記状態取得手段により要求した信号に対する応答に基づいて、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された場合、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させる起動制御手段と、を有し、前記画像形成装置は、前記省電力状態の設定が要求された場合に、前記省電力状態の移行の準備が完了すると、前記信号として前記送信手段から前記印刷ジョブが送信されたか否かを判定する印刷ジョブ判定手段と、前記印刷ジョブ判定手段により、印刷ジョブが送信されたと判定された場合、前記省電力状態の設定を中止し、印刷ジョブが送信されていないと判定された場合、前記省電力状態の設定を開始する省電力設定手段と、を有することにある。
【0011】
本発明に係る画像形成システムの第2の特徴は、前記起動制御手段は、前記判定手段により前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定されるまで、前記状態取得手段及び前記判定手段に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された後、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させることにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る信号送信装置の第1の特徴によれば、状態取得手段により要求した信号に対する応答に基づいて、画像形成装置が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定手段と、判定手段により、画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された場合、画像形成装置を起動させるための信号を送信手段に送信させる起動制御手段と、を備えたので、画像形成装置が省電力状態へ移行中である場合にも、速やかに画像形成装置を起動させることができる。
【0013】
本発明に係る信号送信装置の第2の特徴によれば、判定手段により画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定されるまで、状態取得手段及び判定手段に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された後、画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させるので、より迅速に画像形成装置を起動させることができる。
【0014】
本発明に係る画像形成システムの第1の特徴によれば、省電力状態の設定が要求された場合に、省電力状態の移行の準備が完了すると、信号として送信手段から印刷ジョブが送信されたか否かを判定する印刷ジョブ判定手段と、印刷ジョブ判定手段により、印刷ジョブが送信されたと判定された場合、省電力状態の設定を中止し、印刷ジョブが送信されていないと判定された場合、省電力状態の設定を開始する省電力設定手段と、を有する画像形成装置を備えたので、省電力状態への移行を開始する前に、印刷ジョブが送信された場合、省電力状態への移行を停止し、通常復帰状態へ遷移するので、より短時間で印刷を開始することができる。
【0015】
本発明に係る画像形成システムの第2の特徴によれば、判定手段により画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定されるまで、状態取得手段及び判定手段に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された後、画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させるので、より迅速に画像形成装置を起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成システムの構成を示した構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である画像形成システムのインクジェット印刷装置の装置状態を説明した遷移図である。
【図3】本発明の一実施形態である画像形成システムの信号送信装置における起動処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態である画像形成システムのインクジェット印刷装置における省電力移行処理の処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
本発明の一実施形態では、印刷ジョブに基づいて所定の印刷媒体に印刷を行うインクジェット印刷装置と接続され、印刷ジョブや各種信号をインクジェット印刷装置へ送信する信号送信装置を例に挙げて説明する。
【0019】
<画像形成システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態である画像形成システムの構成を示した構成図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成システム10は、信号送信装置1と、画像の読み取りや印刷を行う画像形成装置であるインクジェット印刷装置2とを備えている。
【0021】
インクジェット印刷装置2は、入出力インタフェース部21と、印刷ジョブ判定部22と、電力状態設定部23と、印刷制御部24と、印刷部25と、ハードディスク26と、メモリ27と、操作部30とを備えている。
【0022】
入出力インタフェース部21は、信号送信装置1と接続するための接続インタフェースであり、インクジェット印刷装置2の状態を送信するよう要求する信号や、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号や、印刷ジョブなどの各種信号を受信したり、インクジェット印刷装置2の状態を信号送信装置1へ送信したりする。
【0023】
印刷ジョブ判定部22は、操作部30の操作により、省電力状態の設定が要求された場合に、省電力状態の移行の準備が完了すると、信号として信号送信装置1から印刷ジョブが送信されたか否かを判定する。
【0024】
電力状態設定部23は、印刷ジョブ判定部22により、印刷ジョブが送信されたと判定された場合、省電力状態の設定を中止し、印刷ジョブが送信されていないと判定された場合、省電力状態の設定を開始する。
【0025】
印刷制御部24は、利用者の操作に基づいて生成された印刷ジョブ又は信号送信装置1から供給された印刷ジョブに基づいて、印刷部25に印刷させる。
【0026】
印刷部25は、印刷制御部24から供給される印刷ジョブに基づいて、インクジェットヘッド(図示しない)からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の合計4色のインクを吐出することにより、所定の寸法に切断された印刷媒体に対してカラー印刷を行う。
【0027】
ハードディスク26は、印刷制御部24が実行する各種制御プログラム等を記憶している。
【0028】
メモリ27は、印刷ジョブや、印刷制御部24が各種処理を実行する上で必要なデータ等を記憶する。
【0029】
操作部30は、表示/入力パネル(図示しない)と、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、利用者操作に基づく操作信号を入出力インタフェース部21に供給する。
【0030】
操作部30の表示/入力パネルは、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、エラー表示画面などの各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。利用者は、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、表示画面上に表示された省電力状態の設定を要求するためのボタンなど各種ボタンの押下操作を行うことができる。
【0031】
信号送信装置1は、入出力インタフェース部11と、状態取得部12と、判定部13と、起動制御部14と、記憶部15とを備えている。
【0032】
入出力インタフェース部11は、インクジェット印刷装置2と接続するための接続インタフェースであり、インクジェット印刷装置2の状態を送信するよう要求する信号や、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号や、インクジェット印刷装置2に印刷させるための印刷ジョブなどの各種信号をインクジェット印刷装置2へ送信する。また、入出力インタフェース部11は、インクジェット印刷装置2の状態を受信する。
【0033】
状態取得部12は、インクジェット印刷装置2の状態を要求する信号を入出力インタフェース部11に送信させ、この信号の応答として、入出力インタフェース部11が受信したインクジェット印刷装置2の状態を取得する。
【0034】
判定部13は、状態取得部12により要求した信号に対する応答、即ち、状態取得部12が取得したインクジェット印刷装置2の状態に基づいて、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたか否かを判定する。
【0035】
起動制御部14は、判定部13により、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたと判定された場合、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号を入出力インタフェース部11に送信させる。具体的には、起動制御部14は、判定部13によりインクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたと判定されるまで、状態取得部12及び判定部13に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたと判定された後、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号を入出力インタフェース部11に送信させる。
【0036】
記憶部15は、例えば、ハードディスク等で構成され、印刷ジョブ等を記憶する。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態である画像形成システム10のインクジェット印刷装置2の装置状態を説明した遷移図である。
【0038】
図2に示すように、インクジェット印刷装置2は、通常状態101、省電力移行準備状態102、省電力移行状態103、省電力状態104、及び通常復帰状態105の5つの状態がある。
【0039】
通常状態101とは、印刷動作が可能な状態である。
【0040】
省電力移行準備状態102は、省電力状態104への移行の開始準備を行っている状態である。
【0041】
省電力移行状態103とは、省電力状態104への移行中の状態である。省電力移行状態103において、信号送信装置1から、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号が送信された場合、この信号は破棄される。
【0042】
省電力状態104とは、一般的には、サスペンドともいわれ、ACPI (Advanced Configuration and Power Interface)により規定されたS3のシステム状態に相当する。省電力状態104は、消費電力を低減させた状態であり、印刷部25や、ハードディスク26等への電力の供給を停止する一方、作業内容をメモリ27に書き込み、メモリ27への通電と再起動に必要な電流のみ流れている。省電力状態104において、信号送信装置1から、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号が送信された場合、この信号に基づいて、入出力インタフェース部11が印刷制御部24を起動させ、順次、インクジェット印刷装置2が備える各構成機器を起動する。
【0043】
また、省電力状態104において、信号送信装置1から、インクジェット印刷装置2の状態を要求する信号が送信された場合、この信号は破棄される。
【0044】
通常復帰状態105とは、通常状態101への復帰を行っている状態である。
【0045】
<信号送信装置1の作用>
本発明の一実施形態である画像形成システム10の信号送信装置1の作用について説明する。
【0046】
本発明の一実施形態である画像形成システム10の信号送信装置1は、主に、起動処理を実行し、信号送信装置1に接続されたインクジェット印刷装置2は、省電力移行処理を実行する。そのため、各々の処理について以下に詳細に説明する。
【0047】
≪起動処理≫
図3は、本発明の一実施形態である画像形成システム10の信号送信装置1における起動処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0048】
図3に示すように、起動制御部14は、印刷開始が要求されたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、ユーザにより印刷を要求する操作された場合、印刷開始が要求されたと判定する。
【0049】
ステップS101において、印刷開始が要求されたと判定された場合(YESの場合)、装置状態を要求する(ステップS103)。具体的には、信号送信装置1の状態取得部12が、インクジェット印刷装置2の状態を要求する信号を入出力インタフェース部11に送信させる。
【0050】
次に、判定部13は、装置状態が取得できたか否かを判定する(ステップS105)具体的には、判定部13は、ステップS103において送信したインクジェット印刷装置2の状態を要求する信号に対して応答があった場合、装置状態が取得できたと判定する。
【0051】
ステップS105において、装置状態が取得できたと判定された場合(YESの場合)、装置状態が通常状態か否かを判定する(ステップS107)。具体的には、判定部13は、インクジェット印刷装置2からの応答に基づいて、インクジェット印刷装置2が、図2に示した通常状態101、省電力移行準備状態102、省電力移行状態103、省電力状態104、及び通常復帰状態105のうちいずれの状態であるかを判定する。
【0052】
ステップS107において、装置状態が通常状態101であると判定された場合(YESの場合)、起動制御部14は、記憶部15に記憶されたデータに基づいて、印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブをインクジェット印刷装置2へ送信する(ステップS109)。
【0053】
一方、ステップS107において、装置状態が通常状態101ではない、即ち、省電力移行準備状態102、省電力移行状態103、省電力状態104、又は通常復帰状態105のいずれかであると判定された場合(NOの場合)、処理をステップS103に移行する。
【0054】
これにより、省電力移行準備状態102、省電力移行状態103、又は通常復帰状態105のいずれかである場合には、ステップS103〜S107の処理をループすることになる。
【0055】
一方、ステップS105において、装置状態が取得できなかった、即ち、インクジェット印刷装置2からの応答がなかったと判定された場合(NOの場合)、判定部13は、インクジェット印刷装置2が省電力状態104であると判定し、起動制御部14は、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号である起動信号を入出力インタフェース部11に送信させる(ステップS111)。
【0056】
そして、状態取得部12は、起動信号が送信されてから所定時間が経過すると(ステップS113)、装置状態を要求する(ステップS115)。具体的には、信号送信装置1の状態取得部12が、インクジェット印刷装置2の状態を要求する信号を入出力インタフェース部11に送信させる。
【0057】
次に、判定部13は、装置状態が取得できたか否かを判定する(ステップS117)。具体的には、判定部13は、ステップS115において送信したインクジェット印刷装置2の状態を要求する信号に対して応答があった場合、装置状態が取得できたと判定する。
【0058】
ステップS117において、装置状態が取得できたと判定された場合(YESの場合)、装置状態が通常状態か否かを判定する(ステップS119)。具体的には、判定部13は、インクジェット印刷装置2からの応答に基づいて、インクジェット印刷装置2が、通常状態101、省電力移行準備状態102、省電力移行状態103、省電力状態104、及び通常復帰状態105のうちいずれの状態であるかを判定する。
【0059】
ステップS119において、装置状態が通常状態101ではない、即ち、省電力移行準備状態102、省電力移行状態103、省電力状態104、又は通常復帰状態105のいずれかであると判定された場合(NOの場合)、操作部30の表示/入力パネルにエラーを表示させる(ステップS121)。
【0060】
以上のように、本発明の一実施形態である画像形成システム10の信号送信装置1によれば、インクジェット印刷装置2の状態を要求する信号を入出力インタフェース部11に送信させる状態取得部12と、状態取得部12により要求した信号に対する応答に基づいて、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定部13と、判定部13により、インクジェット印刷装置2が省電力状態に設定されたと判定された場合、インクジェット印刷装置2を起動させるための信号を入出力インタフェース部11に送信させる起動制御部14とを備えるので、印刷開始が要求された際、インクジェット印刷装置2が省電力状態へ移行中である場合に、速やかにインクジェット印刷装置2を起動させ、印刷を開始させることができる。
【0061】
≪省電力移行処理≫
図4は、本発明の一実施形態である画像形成システム10のインクジェット印刷装置2における省電力移行処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0062】
図4に示すように、省電力状態への移行が要求されたか否かが判定される(ステップS201)。具体的には、操作部30の表示/入力パネルに表示された省電力状態を要求するためのボタンが押下操作されると、省電力状態への移行が要求されたと判定される。
【0063】
ステップS201において、省電力状態への移行が要求されたと判定された場合(YESの場合)、印刷ジョブ判定部22は、実行中の印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップS203)。
【0064】
ステップS203において、実行中の印刷ジョブがあると判定された場合(YESの場合)、印刷制御部24は、実行中の印刷ジョブに基づいて、印刷を継続する(ステップS205)。
【0065】
一方、ステップS203において、実行中の印刷ジョブがないと判定された場合(NOの場合)、電力状態設定部23は、省電力状態への移行準備を開始する(ステップS207)。これにより、インクジェット印刷装置2は、図2に示した省電力移行準備状態102に遷移する。
【0066】
次に、電力状態設定部23は、省電力状態への移行の準備が完了したか否かを判定する(ステップS209)。
【0067】
ステップS209において、省電力状態への移行の準備が完了したと判定された場合(YESの場合)、印刷ジョブ判定部22は、信号送信装置1から受信中である印刷ジョブがあるか否かを判定する(ステップS211)。
【0068】
ステップS211において、信号送信装置1から受信中である印刷ジョブがないと判定された場合(NOの場合)、電力状態設定部23は、省電力状態への移行処理を開始する(ステップS213)。これにより、インクジェット印刷装置2は、図2に示した省電力移行状態103に遷移し、移行が完了すると、省電力状態104に遷移する。
【0069】
一方、ステップS211において、信号送信装置1から受信中である印刷ジョブがあると判定された場合(YESの場合)、電力状態設定部23は、通常状態への復帰処理を開始する(ステップS215)。これにより、インクジェット印刷装置2は、図2に示した通常復帰状態105に遷移する。
【0070】
次に、電力状態設定部23は、通常状態への復帰が完了したか否かを判定する(ステップS217)。具体的には、電力状態設定部23は、図2に示した通常復帰状態105から通常状態101へ遷移したか否かを判定する。
【0071】
ステップS217において、通常状態への復帰が完了したと判定された場合(YESの場合)、印刷制御部24は、受信した印刷ジョブに基づいて、印刷を実行する(ステップS219)。
【0072】
以上のように、本発明の一実施形態である画像形成システム10のインクジェット印刷装置2によれば、省電力状態の設定が要求された場合に、省電力状態の移行の準備が完了すると、信号送信装置1から印刷ジョブが送信されたか否かを判定する印刷ジョブ判定部22と、印刷ジョブ判定部22により、印刷ジョブが送信されたと判定された場合、省電力状態の設定を中止し、印刷ジョブが送信されていないと判定された場合、省電力状態の設定を開始する電力状態設定部23とを有するので、省電力状態への移行を開始する前に、印刷ジョブが送信された場合、省電力状態への移行を停止し、通常復帰状態へ遷移するので、より短時間で印刷を開始することができる。
【0073】
また、本発明の一実施形態である信号送信装置1は、インクジェットヘッドから4色のインクを吐出することにより、所定の寸法に切断された印刷媒体に対してカラー印刷を行うインクジェット方式のプリンタであるインクジェット印刷装置2と接続される構成を例に挙げて説明したが、接続先のプリンタは、これに限らず、レーザ方式、又は孔版印刷方式等の印刷装置であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…信号送信装置
2…インクジェット印刷装置
10…画像形成システム
11…入出力インタフェース
12…状態取得部
13…判定部
14…起動制御部
15…記憶部
21…入出力インタフェース部
22…印刷ジョブ判定部
23…電力状態設定部
24…印刷制御部
25…印刷部
26…ハードディスク
27…メモリ
30…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置と接続され、前記画像形成装置へ信号を送信する信号送信装置であって、
前記信号を前記画像形成装置へ送信する送信手段と、
前記画像形成装置の状態を要求する信号を前記送信手段に送信させる状態取得手段と、
前記状態取得手段により要求した信号に対する応答に基づいて、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された場合、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させる起動制御手段と、
を備えたことを特徴とする信号送信装置。
【請求項2】
前記起動制御手段は、
前記判定手段により前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定されるまで、前記状態取得手段及び前記判定手段に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された後、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させる
ことを特徴とする請求項1記載の信号送信装置。
【請求項3】
印刷ジョブに基づいて画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置と接続され、前記画像形成装置へ信号を送信する信号送信装置とを備えた画像形成システムであって、
前記信号送信装置は、
前記信号を前記画像形成装置へ送信する送信手段と、
前記画像形成装置の状態を要求する信号を前記送信手段に送信させる状態取得手段と、
前記状態取得手段により要求した信号に対する応答に基づいて、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された場合、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させる起動制御手段と、
を有し、
前記画像形成装置は、
前記省電力状態の設定が要求された場合に、前記省電力状態の移行の準備が完了すると、前記信号として前記送信手段から前記印刷ジョブが送信されたか否かを判定する印刷ジョブ判定手段と、
前記印刷ジョブ判定手段により、印刷ジョブが送信されたと判定された場合、前記省電力状態の設定を中止し、印刷ジョブが送信されていないと判定された場合、前記省電力状態の設定を開始する省電力設定手段と、を有する
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記起動制御手段は、
前記判定手段により前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定されるまで、前記状態取得手段及び前記判定手段に、それぞれ繰り返し送信及び判定させ、前記画像形成装置が省電力状態に設定されたと判定された後、前記画像形成装置を起動させるための信号を前記送信手段に送信させる
ことを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−89098(P2013−89098A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230288(P2011−230288)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】