説明

修正可能な布地構造を組み込んだ衣料品

物理的な刺激にさらされたときに変化する少なくとも1つの特性を有する布地を含む衣料品が開示される。布地は、物理的な刺激にさらされたときに寸法が変化する糸で形成された修正可能な構造を有する。糸は、物理的な刺激にさらされていないときに第1の組の寸法を有し、かつ糸は、物理的な刺激にさらされたときに第2の組の寸法を有する。布地の構造は、糸が第1の組の寸法から第2の組の寸法に変化して布地の特性を変化させるように、布地を物理的な刺激にさらすことによって修正される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、衣服に関する。本発明は、特に、布地の特性を修正するために、布地の特性が変化するか、さもなくば水の存在のような物理的な刺激によって修正される構造を有する布地を組み込んだ衣料品に関する。本発明は、たとえば、運動時の使用を目的とする衣料品に適用される。
【背景技術】
【0002】
背景技術の説明
運動時に使用するように設計された衣料品は一般に、使用者の成績および快適感を向上させる特性を示す。たとえば、衣服には、比較的体にぴったりとして、それによって風圧抵抗を最小限に抑えるより低いプロファイルを使用者に与える弾性布地を組み込むことができる。衣服は、使用者から水分をはじき、皮膚に隣接して蓄積する汗の量を少なくする布地で形成することもできる。さらに、衣服には、特定の環境条件向けに特に選択された材料を組み込むことができる。
【0003】
衣服に組み込まれた布地の特性は一般に、衣服の使用が意図される特定の活動に基づいて選択される。風圧抵抗を最小限に抑える布地は、たとえば、速度が第一の関心である活動に適している可能性がある。同様に、皮膚に隣接して蓄積する汗の量を少なくする布地は、一般的に比較的激しい動きを伴う運動に最も適切である可能性がある。したがって、布地は、特定の運動に従事する使用者の成績または快適感を向上させるように選択することができる。
【0004】
布地は、柔軟性、細かさ、高い長さ/太さ比を特徴とする繊維、フィラメント、または糸による任意の製造品として定義することができる。布地は通常、2つの範疇に分類される。第1の範疇は、接着、融合、またはインターロッキングによって繊維の網から直接製造され、不織布およびフェルトを構築する布地を含む。第2の範疇は、糸の機械的操作によって形成され、それによって織布を製造する布地を含む。
【0005】
糸は、第2の範疇の布地を形成するのに利用される原材料であり、少なくとも1本のフィラメントまたは複数の繊維で形成される実質的な長さおよび比較的小さい断面を有する組立体として定義することができる。繊維は、比較的短い長さを有し、布地に使用するのに適した長さの糸を製造するには紡糸または撚糸のプロセスを必要とする。繊維の一般的な例は綿および羊毛である。しかし、フィラメントは、不定の長さを有し、単に他のフィラメントと組み合わせて、布地に使用するのに適した糸を製造することができる。現代のフィラメントは、レイヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリルのような複数の合成材料を含み、絹は主要な天然の例外である。糸は、単一のフィラメントで形成することも、まとめられた複数の個々のフィラメントで形成することもできる。糸は、いくつかの異なる材料で形成された別個のフィラメントを含んでもよく、または糸は、それぞれ2つ以上の異なる材料で形成されたフィラメントを含んでよい。同様の概念は、繊維で形成される糸にも適用される。したがって、糸は、一般に上記の定義に合致する様々な形態を有することができる。
【0006】
糸を機械的に操作して布地を形成する様々な技術には編成(interweaving)、撚り合せ(intertwining)および撚糸(twisting)、ならびにインタールーピング(interlooping)が含まれる。編成は、互いに実質的に直角に交差し編み合わされた2本の糸の交差である。編成に使用される糸は従来、経糸および緯糸と呼ばれる。撚り合せおよび撚糸は、糸が互いに撚り合わされて布地を形成する編み(braiding)や結び(knotting)などの手順を包含する。インタールーピングは、互いにかみ合わされたループ(intermeshed loop)の複数の列を形成する段階を含み、編み(knitting)は最も一般的なインタールーピング方法である。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明は、物理的な刺激にさらされたときに変化する少なくとも1つの特性を有する布地を含む衣料品である。布地は、物理的な刺激にさらされたときに寸法変化を示す糸で形成された修正可能な構造を有する。糸は、物理的な刺激にさらされていないときに第1の組の寸法を有し、かつ糸は、物理的な刺激にさらされたときに第2の組の寸法を有する。布地の構造は、糸が第1の組の寸法から第2の組の寸法に変化し、布地の特性を変化させるように布地を物理的な刺激にさらすことによって修正される。糸は、水にさらされたときに寸法変化を示す材料で形成することができる。したがって、物理的な刺激は水であってよい。いくつかの態様では、物理的な刺激は、たとえば熱、光、または移動する空気であってもよい。
【0008】
布地は、糸が布地の開口部を規定する編成プロセスによって形成することができる。開口部は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1の面積を有し、かつ開口部は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2の面積を有する。開口部の面積は、たとえば布地の浸透性を決定することができる。したがって、第1の面積が第2の面積よりも大きいとき、布地の浸透性は物理的な刺激にさらされたときに低くなる。さらに、第1の面積が第2の面積よりも小さいとき、布地の浸透性は、物理的な刺激にさらされたときに高くなる。いくつかの態様では、糸は波形形態を有し、物理的な刺激にさらされたときに浸透性を高くすることができる。
【0009】
布地の実質的な部分を糸で形成することができる。または、糸の第1の部分は、物理的な刺激にさらされたときに寸法変化を示してよく、糸の第2の部分は、物理的な刺激にさらされたときに寸法が安定したままであってよい。
【0010】
布地は、インタールーピング・プロセスによって形成することもできる。いくつかの態様では、糸は布地の開口部を規定する。開口部は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1の面積を有することができ、かつ開口部は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2の面積を有し、それによって布地の浸透性に影響を及ぼすことができる。他の態様では、布地の構造は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1のテクスチャを有することができ、かつ布地の構造は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2のテクスチャを有することができる。第1のテクスチャは、たとえば、第2のテクスチャよりも滑らかであってよく、第2のテクスチャは、布地の表面から外側に延びる複数の節を含んでよい。
【0011】
本発明を特徴付ける新規性の利点および特徴は、特に添付の特許請求の範囲で指摘されている。しかし、新規性の利点および特徴をよりよく理解するために、本発明に関する様々な態様および概念を説明、および図示する以下の説明および添付の図面を参照することができる。
【0012】
以上の「発明の概要」の項と以下の「発明の詳細な説明」の項は、添付の図面と一緒に読んだときによりよく理解されよう。
【0013】
発明の詳細な説明
はじめに
【0014】
以下の議論および添付の図は、本発明による衣料品10を開示するものである。衣服10は、図1では、従来の半袖シャツの一般的な形態を有するように示されている。しかし、当業者には、たとえば、長袖シャツ、帽子、コート、ジャケット、パンツ、下着、手袋、靴下、靴を含む様々な形態を有する衣料品に、以下の材料で開示される様々な布地を組み込めることが認識されよう。したがって、衣服10に関する以下の議論および添付の図に開示される様々な概念を、様々な衣服形態に関して利用することができる。
【0015】
衣服10の主要要素には、胴部11および2つの腕部12aおよび12bが含まれる。胴部11は使用者の胴に相当し、したがって、着用時に胴を覆う。同様に、腕部12aおよび12bはそれぞれ、使用者の右腕および左腕に相当し、着用時に腕を覆う。衣服10は、したがって、従来の長袖シャツの一般的な形態を有している。しかし、従来の長袖シャツと異なり、衣服10は、物理的な刺激によって修正され、それによって布地の特性を変化させる構造を有する布地で少なくとも部分的に形成されている。たとえば、布地の浸透性またはテクスチャは、水、温度の上昇、または移動する空気(すなわち、風)にさらされたときに変化することができる。したがって、布地の構造は、異なる特性を有する衣服10を提供するように修正することができる。以下に、物理的な刺激によって布地または衣服10の特性を変化させる構造を有する様々な布地を開示する。
【0016】
第1の布地構造
布地20の、衣服10に適した部分が図2および3に開示されている。布地20は、複数の緯糸21および複数の経糸22を含む編成された材料の構造を有している。布地20は、したがって、糸21および22を互いに実質的に直角に交差させ編成する段階を含む編成プロセスによって糸21および22を機械的に操作することによって形成することができる。糸21および22を互いに実質的に直角に交差させ編成するプロセスは、様々な糸21および22の間に配置された複数の個別の開口部23を形成する。
【0017】
糸21および22はそれぞれ、特定の物理的な刺激にさらされたときに寸法変化を示す1本または複数のフィラメントまたは繊維で形成されている。言い換えれば、糸21および22の寸法(すなわち、たとえば長さや太さ)は、布地20が物理的な刺激の存在下にあるときに変化する。糸21および22の寸法変化は、布地20の構造に影響を与える。特に、糸21および22の寸法変化は、布地20の構造を修正し、それによって布地20の特性を変化させる。したがって、布地20を物理的な刺激にさらすことは、布地20の特性を変化させ、それによって衣服10の特性を変化させる効果を有する。
【0018】
次に、布地20を物理的な刺激にさらすことが布地20の特性にどのように影響を与えるかについて論じる。図2を参照すると、布地20が、糸21および22が物理的な刺激にさらされていない非曝露状態で示されている。しかし、図3を参照すると、布地20は、糸21および22が物理的な刺激にさらされた曝露状態で示されている。非曝露状態では、糸21および22は、各開口部23の面積が比較的広くなるように比較的細い太さを有する寸法を有する。しかし、曝露状態では、糸21および22は、より太い太さを有し、これにより各開口部23の面積が狭くなる。すなわち、糸21および22を物理的な刺激にさらすことにより、糸21および22の太さが太くなり、各開口部23の面積が狭くなり、布地20の構造が修正される。
【0019】
布地20の構造を修正すると(すなわち、開口部23の面積が狭くなると)、布地20の特性が変化する。非曝露状態では、各開口部23は比較的大きい。しかし、曝露状態では、開口部23の面積が狭くなり、たとえば水や、光や、移動する空気に対する布地20の全体的な浸透性が低くなる。すなわち、曝露状態では各開口部23の面積がより狭いため、水、光、および移動する空気が布地20を通じて浸透するかさもなくば布地20を通じて広がることが困難になる。したがって、布地20を物理的な刺激にさらすと、布地20の浸透性特性が変化し、それによって衣服10の浸透性特性が変化する。
【0020】
たとえば水の存在(液体状態であるか気体状態であるかを問わない)や、温度の上昇や、移動する空気を含む、様々な物理的な刺激によって糸21および22の寸法変化を生じさせることができる。水に関しては、多数の材料が、水を吸収して膨張するか、またはさもなくば寸法を変化させる傾向を示す。寸法変化は、液体の水に対する浸漬または接触により比較的急速に生じ得る。さらに、寸法変化は、たとえば75%を超える相対湿度を有する空気に長時間さらされることにより比較的ゆっくりと生じ得る。布地20、特に糸21および22は、水のような物理的な刺激の存在下で寸法が変化する傾向を示すこれらの材料のうちの1つまたは複数で形成することができる。さらに、糸21および22は、温度上昇または移動する空気により寸法が変化する材料で形成することができる。
【0021】
上述の糸21および22は、水の存在下で寸法が変化する様々な材料で形成することができる。たとえば、糸21および22のフィラメントまたは繊維の少なくとも一部は、日本の帝人ファイバー株式会社によって製造されている様々な吸湿性ポリエステル材料などの吸湿性ポリエステル材料で形成することができる。いくつかの態様では、糸21および22は75デニール、72フィラメントのセミダル(semi-dull)テクスチャのポリエステル糸であってよく、糸21および22の繊維またはフィラメント内容に適した構成には、(i)70%の概ね非吸収性のポリエステルおよび30%の吸湿性ポリエステル、(ii)76%の概ね非吸収性のポリエステルおよび24%の吸湿性ポリエステル、(iii)80%の概ね非吸収性のポリエステルおよび20%の吸湿性ポリエステル、または(iv)84%のカチオン染着可能な概ね非吸収性でもあるポリエステルおよび16%の吸湿性ポリエステルが含まれる。したがって、吸湿性ポリエステルで形成された繊維またはフィラメントの割合は、本発明の範囲内でかなり変化させることができ、いくつかの態様では5%から100%の範囲であってもよい。上記の各例では、非吸収性またはさもなくば寸法が安定したポリエステル繊維またはフィラメントが吸湿性ポリエステル繊維またはフィラメントと組み合わされる。レイヨン、ナイロン、ポリアクリルのような他の非吸収性ポリマー繊維またはフィラメントを使用することもできる。さらに、糸21および22に絹、綿、または羊毛を使用することもできる。したがって、様々な糸21および22に広範囲の材料が適している。
【0022】
布地20を衣料品10に組み込むと、使用者を特定の環境条件から保護するか、さもなくば隔離するのに使用することができる。上述のように、糸21および22に寸法変化を生じさせる1つの物理的な刺激は、雨などの水である。雨や他の水供給源(すなわち、物理的な刺激)が存在しないとき、布地20は非曝露状態であり、空気が衣服10に自由に出入りし、それによって使用者を冷却するのを可能にする比較的高い浸透性を示す。顕著な量の水が衣服10に接触し、それによって布地20が曝露状態になると、布地20は、水が布地20を貫通して移動するのを抑制する比較的低い浸透性を示す。より具体的には、衣服10に接触する雨の形態の水によって、開口部23の面積が狭くなり、衣服10に進入する水の量が制限される。熱の存在下で寸法が変化する材料で糸21および22を形成すると、日光または他の熱源によって、面積が狭くなり、衣服10に入る太陽放射の量が制限される。さらに、風の形態の移動する空気は、開口部23の面積を狭くし、衣服10を通過する空気の量を制限することができる。したがって、1つまたは複数の物理的な刺激の存在下で寸法が変化する糸21および22で布地20を形成することを利用して、雨、日光、風のような特定の環境条件から使用者を効果的に隔離することができる。
【0023】
上記の議論に基づいて、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する様々な糸21および22で布地20を形成することができる。糸21および22の寸法が変化することによって、布地20の構造が修正され、それによって布地20の特性の変化が誘導される。衣服10に組み込むと、物理的な刺激にさらされたときの布地20の特性の変化を利用して、雨、日光、風のような特定の環境条件から使用者を隔離することができる。したがって、布地20は、変化する環境条件に効果的に適合され、衣服10を着用する使用者の快適感を向上させる。
【0024】
第2の布地構造
布地20に関しては、糸21と糸22はどちらも、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する材料で少なくとも部分的に形成されている。しかし、いくつかの態様では、物理的な刺激の存在下で寸法が有意な程度には変化しない材料で様々な糸を全体的に形成することができる。すなわち、衣服10の布地を形成する糸の一部を、物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で形成することができる。
【0025】
様々な開口部33を形成する、複数の緯糸31a、複数の他の緯糸31b、複数の経糸32a、および複数の他の経糸32bを含む布地30が図4および5に示されている。糸31aおよび32aは、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する材料で形成されているが、糸31bおよび32bは、物理的な刺激により有意には影響されない寸法が安定で形成されている。
【0026】
次に、布地30を物理的な刺激にさらすことが布地30の特性にどのように影響を及ぼすかについて論じる。図4を参照すると、布地30は、糸31a、31b、32a、および32bが物理的な刺激にさらされていない非曝露状態で示されている。しかし、図5を参照すると、布地30は、糸31a、31b、32a、および32bが物理的な刺激にさらされている曝露状態で示されている。非曝露状態では、糸31a、31b、32a、および32bのそれぞれは、各開口部33の面積が比較的広くなるように比較的細い太さを含む寸法を有する。しかし、曝露状態では、糸31aおよび32aは、より太い太さを有し、各開口部33の面積が狭くなっている。すなわち、糸31aおよび32aを物理的な刺激にさらすと、糸31aおよび32aの太さが太くなり、各開口部33の面積が狭くなり、かつ布地30の構造が修正される。上述のように、糸31bおよび32bは、物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で形成されている。したがって、31aおよび32bは、物理的な刺激にさらされたときに寸法が変化しない。
【0027】
布地30の構造を修正すると(すなわち、開口部33の面積が狭くなると)、布地30の特性が変化する。非曝露状態では、各開口部33は比較的大きい。しかし、曝露状態では、開口部33の面積が狭くなり、たとえば水や、光や、移動する空気に対する布地30の全体的な浸透性が低くなる。すなわち、曝露状態では各開口部33の面積がより狭いため、水、光、および移動する空気が布地30を通じて浸透するのが困難になる。したがって、布地30を物理的な刺激にさらすと、布地30の浸透特性が変化する。衣服10中の布地20を布地30で置き換えると仮定すると、布地30を物理的な刺激にさらすことを利用して、衣服10の浸透特性を効果的に変化させることができる。
【0028】
物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で糸31bおよび32bを形成することの利点は、布地30の寸法安定性に関する。糸31bおよび32bは、物理的な刺激にさらされたときに寸法が有意には変化しない布地30で網を形成している。糸31aおよび32aは寸法が変化するが、糸31bおよび32bの寸法は安定したままである(すなわち、最初の寸法である)。したがって、糸31bおよび32bを利用して、糸31aおよび32aの寸法変化にかかわらず、布地30の形状および寸法を確実に保持することができる。
【0029】
第3の布地構造
衣服10の少なくとも一部を形成する布地の、他の考えられる形態が図6および7に開示されており、複数の緯糸41および複数の他の経糸42が様々な開口部43を形成している。緯糸41は、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する材料で形成されているが、経糸42は、物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で形成されている。したがって、緯糸41は、物理的な刺激にさらされたときに寸法が実質的に変化しない。
【0030】
布地40を物理的な刺激にさらすと、布地40の構造が修正され、それによって布地40の特性が影響を受ける。図6を参照すると、布地40は、糸41および42が物理的な刺激にさらされていない非曝露状態で示されている。しかし、図7を参照すると、布地40は、糸41および42が物理的な刺激にさらされている曝露状態で示されている。布地20および30と同様に、糸41および42を物理的な刺激にさらすと、糸41の太さが太くなり、各開口部43の面積が狭くなり、布地40の構造が修正される。布地40の構造を修正すると(すなわち、開口部43の面積が狭くなると)、布地40の特性が変化する。非曝露状態では、各開口部33は比較的大きい。しかし、曝露状態では、開口部33の面積が狭くなり、たとえば水や、光や、移動する空気に対する布地30の全体的な浸透性が低くなる。衣服10中の布地20を布地40で置き換えると仮定すると、布地40を物理的な刺激にさらすことを利用して、衣服10の浸透特性を効果的に変化させることができる。布地30と同様に、物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で経糸42を形成すると、緯糸41の寸法変化にかかわらず、布地40の形状および寸法が確実に保持される。
【0031】
第4の布地構造
布地20、30、および40の形態を利用して使用者を特定の環境条件から保護するかまたはその他の方法で隔離することができる。上述のように、様々な糸の寸法が変化すると、糸同士の間の開口部の面積が狭くなる。面積が狭くなると、布地20、30、および40の浸透性が低くなり、それによって衣服10に進入する雨、日光、または風を少なくすることができる。しかし、状況によっては、衣服10を形成する布地の浸透性を高めることが望ましい場合がある。たとえば、浸透性の向上を利用して、衣服10を形成する布地を通過する空気流量を増加させ、使用者からの汗の除去を改善することができる。
【0032】
複数の緯糸51、複数の経糸52a、および複数の経糸52bを含む編成された材料の構造を有する布地50が図8および9に示されている。布地50は、したがって、緯糸51を糸52aおよび52bに実質的に直角に交差させ編成する段階を含む編成プロセスによって、糸51、52a、および52bを機械的に操作することによって形成することができる。緯糸51を糸52aおよび52bに実質的に直角に交差させ編成するプロセスは、複数の別個の開口部53を形成する。
【0033】
糸52aは、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する材料で形成されているが、糸51および52bは、物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で形成されている。さらに、経糸52aは波形または他の波状形態を有するが、糸51および52bは比較的直線的である。
【0034】
次に、布地50を物理的な刺激にさらすことが布地50の特性にどのように影響を及ぼすかについて論じる。図8を参照すると、布地50は、糸51、52a、および52bが物理的な刺激にさらされていない非曝露状態で示されている。しかし、図9を参照すると、布地50は、糸51、52a、および52bが物理的な刺激にさらされている曝露状態で示されている。非曝露状態では、糸51、52a、および52bは、各開口部53の面積が比較的狭くなるように比較的細い太さを含む寸法を有する。しかし、曝露状態では、経糸52a は、より太い太さおよびより顕著な波形を有し、各開口部53の面積が広くなっている。すなわち、糸51、52a、および52bを物理的な刺激にさらすと、経糸52aの太さが増大すると共に波形が顕著になり、各開口部53の面積が広くなり、布地50の構造が修正される。
【0035】
布地50の構造を修正すると(すなわち、開口部53の面積が広くなると)、布地50の特性が変化する。非曝露状態では、各開口部53は比較的小さい。しかし、曝露状態では、各開口部53の面積が広くなり、たとえば水、光、および移動する空気に対する布地50の全体的な浸透性が高くなる。すなわち、曝露状態では、各開口部53の面積が広くなり、水、光、および移動する空気が布地50を貫通するのが容易になる。したがって、布地50を物理的な刺激にさらすと、布地50の浸透特性が向上し、それによって衣服10の浸透特性が改善される。
【0036】
布地50を衣服10に組み込むと、たとえば、使用者を冷却し使用者から汗を除去するのに使用することができる。したがって、上記の議論に基づいて、物理的な刺激の存在下で寸法および波形の程度が変化する様々な経糸52aで布地50を形成することができる。経糸52aの寸法変化によって布地50の構造が修正され、それによって布地50の特性が変化する。布地50を衣服10に組み込むと、物理的な刺激にさらされたときの布地50の特性の変化を利用して使用者を冷却しかつ使用者から汗を除去することができる。したがって、布地50は、使用者の変化する汗レベルに適合され、衣服10を着用する使用者の快適感を向上させる。
【0037】
第5の布地構造
布地20、30、40、および50はそれぞれ、緯糸および経糸を互いに実質的に直角に交差させ編成する段階を含む編成プロセスによって形成されている。使用者の変化する汗レベルに適合され、したがって、使用者の快適感を向上させる布地を、糸を機械的に操作する他の方法によって形成することもできる。図10および11を参照すると、インタールーピング・プロセスによって形成された布地60が示されている。インタールーピングは、互いにかみ合わされたループの複数の列を形成する段階を含み、織りはインタールーピングの最も一般的な方法である。布地60は、糸61で形成された複数のコース(course)(すなわち、編みサイクル中に隣接する針によって製造されるニードル・ループの行)および複数のウェール(wale)(連続する編みサイクルで同じ針によって製造される互いにかみ合わされたニードル・ループの列)を含んでいる。
【0038】
糸61は、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する材料で形成されている。特に、物理的な刺激の存在下で糸61の寸法(すなわち、たとえば長さや太さ)を大きくすることができる。糸61は、物理的な刺激にさらされると、長さと太さの両方が寸法変化する。太さが増大すると各開口部62の面積が狭くなったように見えるが、それに伴って長さが増大するため、糸61の様々な部分が顕著に分離され、実際には各開口部63の面積が広くなる。すなわち、太さの増大は、厚さの増大よりも開口部63の面積に対する影響が大きく、それによって、各開口部63の全体的な面積が広くなる。したがって、物理的な刺激にさらすと、布地60の浸透性を高くすることができる。
【0039】
次に、布地60を物理的な刺激にさらすことが布地60の特性にどのように影響を及ぼすかについて詳しく論じる。図10を参照すると、布地60は、糸61が物理的な刺激にさらされていない非曝露状態で示されている。しかし、図11を参照すると、布地60は、糸61が物理的な刺激にさらされている曝露状態で示されている。非曝露状態では、各開口部63の面積は比較的狭い。しかし、曝露状態では、糸61 は、より太い太さおよびより長い長さを有している。上述のように、長さが増大すると太さが増大し、各開口部63の全体的な面積が広くなる。すなわち、糸60を物理的な刺激にさらすと、糸60の長さが増大し、各開口部63の面積が広くなり、布地60の構造が修正される。
【0040】
布地60の構造を修正すると(すなわち、開口部63の面積が広くなると)、布地60の特性が変化する。非曝露状態では、各開口部63は比較的小さい。しかし、曝露状態では、各開口部63の面積が広くなり、たとえば水、光、および移動する空気に対する布地60の全体的な浸透性が高くなる。すなわち、曝露状態では、各開口部63の面積が広くなり、水、光、および移動する空気が布地60を貫通するのが容易になる。したがって、布地60を物理的な刺激にさらすと、布地60の浸透特性が向上し、それによって衣服10の浸透特性が改善される。
【0041】
布地60を衣服10に組み込むと、たとえば、使用者を冷却し使用者から汗を除去するのに使用することができる。したがって、上記の議論に基づいて、物理的な刺激の存在下で寸法および波形の程度が変化する様々な糸61で布地60を形成することができる。糸61の寸法変化によって布地60の構造が修正され、それによって布地60の特性が変化する。布地60を衣服10に組み込むと、物理的な刺激にさらされたときの布地60の特性の変化を利用して使用者を冷却しかつ使用者から汗を除去することができる。したがって、布地60は、使用者の変化する汗レベルに適合され、衣服10を着用する使用者の快適感を向上させる。
【0042】
第6の布地構造
布地を形成する様々な糸間の開口部の面積を増減させることは、布地の構造を修正して布地の特性(すなわち、浸透性)を変化させる一方法である。いくつかの態様では、布地の特性を変化させるように布地のテクスチャを修正することができる。図12〜15を参照すると、布地70が示されている。布地70は、インタールーピング・プロセスによって糸71および糸72で形成されている。以下に詳しく説明するように、布地70のテクスチャは、比較的な滑らかな状態から、使用者と布地70とを分離する複数の節を有する状態にまで変化する。節73は、実際上布地70を使用者から離して保持し、布地70と使用者との間を空気が流れるのを可能にし、それによって汗の除去を向上させる。布地70を形成する際、糸71および72は、円形編みプロセスによって、二重編み構造を有する布地70を形成するように機械的に操作される。いくつかの態様では、3本以上の糸を使用して布地70を形成することができる。二重編み構造だけでなく様々な他の編み構造を使用することができる。
【0043】
糸71は、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する材料で形成されているが、糸72は、物理的な刺激により有意に影響されない寸法が安定した糸で形成されている。したがって、糸71は、物理的な刺激にさらされたときに寸法が効果的に変化する。糸71は、糸72によって形成される構造を貫通して延び、主として布地70の一方の側に位置している。すなわち、糸71の位置は布地70の一方の側に集中している。物理的な刺激にさらされたときに、糸71は寸法が変化し、一方、糸72は寸法が安定したままである。糸71の寸法は、物理的な刺激にさらされたときに増大し、布地70の一方の側に複数の節73を形成する。すなわち、糸71の集中領域は、物理的な刺激にさらされたときに膨張し、節73を形成する。
【0044】
図12および13を参照すると、布地70が、糸71および72が物理的な刺激にさらされていない非曝露状態で示されている。しかし、図14および15を参照すると、布地70は、糸71および72が物理的な刺激にさらされている曝露状態で示されている。非曝露状態では、布地70は、比較的滑らかなテクスチャを有している。しかし、曝露状態では、布地70に複数の節73が存在するためにテクスチャが増大している。すなわち、糸71を物理的な刺激にさらすと、布地70の一方の側に節73が形成され、布地70のテクスチャが増大し、布地70の構造が修正される。
【0045】
布地70の構造を修正すると、布地70の特性が変化する。非曝露状態では、布地70は比較的滑らかであり、使用者に密に接触する。しかし、曝露状態では、節73が形成されることによって布地70のテクスチャが増大し、使用者と布地70が分離する。すなわち、節73は、布地70を効果的に使用者から離して保持し、空気が布地70と使用者との間を流れるのを可能にし、それによって汗が除去される速度を速める。布地70を物理的な刺激にさらすと、布地70のテクスチャが増大し、それによって衣服10のテクスチャ特性が向上する。したがって、布地70は、使用者の変化する発汗レベルに効果的に適合され、衣服10を着用する使用者の快適感を向上させる。
【0046】
結論
上記の議論に基づいて、物理的な刺激の存在下で寸法が変化する糸で様々な布地を形成することができる。糸の寸法変化によって布地の構造が修正され、それによって布地の特性が変化する。布地を衣料品に組み込むと、物理的な刺激にさらされたときの布地の特性の変化を利用して、使用者を特定の環境条件から隔離するか、または使用者の変化する発汗レベルに適合させることができる。したがって、本発明は、衣服を着用する使用者の快適感を向上させるように効果的に適合される布地に関する。
【0047】
本発明は、様々な態様を参照して上記、および添付の図面に開示されている。しかし、開示によって満たされる目的は、本発明に関する様々な特徴および概念の例を与えることであり、本発明の範囲を制限することではない。当業者には、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく上述の態様に多数の変形および修正を施せることが認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による第1の布地構造を組み込んだ衣料品の平面図である。
【図2】非曝露状態の第1の布地構造の一部の平面図である。
【図3】曝露状態の第1の布地構造の、上記部分の平面図である。
【図4】非曝露状態の第2の布地構造の一部の平面図である。
【図5】曝露状態の第2の布地構造の、上記部分の平面図である。
【図6】非曝露状態の第3の布地構造の一部の平面図である。
【図7】曝露状態の第3の布地構造の、上記部分の平面図である。
【図8】非曝露状態の第4の布地構造の一部の平面図である。
【図9】曝露状態の第4の布地構造の、上記部分の平面図である。
【図10】非曝露状態の第5の布地構造の一部の平面図である。
【図11】曝露状態の第5の布地構造の、上記部分の平面図である。
【図12】非曝露状態の第6の布地構造の一部の平面図である。
【図13】非曝露状態の第6の布地構造の、より大きな部分の概略平面図である。
【図14】曝露状態の第6の布地構造の上記部分の平面図である。
【図15】曝露状態の第6の布地構造の、より大きな部分の概略平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的な刺激にさらされたときに変化する少なくとも1つの特性を有する布地を含む衣料品であって、布地は、物理的な刺激にさらされたときに寸法変化する糸で形成された修正可能な構造を有し、糸は、物理的な刺激にさらされていないときに第1の組の寸法を有し、かつ糸は、物理的な刺激にさらされたときに第2の組の寸法を有し、布地の構造は、糸が第1の組の寸法から第2の組の寸法に変化して布地の特性を変化させるように布地を物理的な刺激にさらすことによって修正される、衣料品。
【請求項2】
物理的な刺激は水である、請求項1記載の衣料品。
【請求項3】
第1の組の寸法は第2の組の寸法よりも小さい、請求項1記載の衣料品。
【請求項4】
布地は編成(interweaving)プロセスによって形成される、請求項1記載の衣料品。
【請求項5】
糸は布地において開口部を規定し、開口部は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1の面積を有し、かつ開口部は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2の面積を有する、請求項4記載の衣料品。
【請求項6】
布地の特性は布地の浸透性である、請求項5記載の衣料品。
【請求項7】
第1の面積は第2の面積よりも広く、糸が物理的な刺激にさらされたときに布地の浸透性を低くする、請求項6記載の衣料品。
【請求項8】
第1の面積は第2の面積よりも狭く、糸が物理的な刺激にさらされたときに布地の浸透性を高くする、請求項6記載の衣料品。
【請求項9】
糸の少なくとも一部は波形形態(undulating configuration)を有する、請求項8記載の衣料品。
【請求項10】
布地の実質的な部分は糸で形成される、請求項4記載の衣料品。
【請求項11】
糸の第1の部分は、物理的な刺激にさらされたときに寸法変化し、糸の第2の部分は、物理的な刺激にさらされたときに寸法が安定したままである、請求項4記載の衣料品。
【請求項12】
糸の第1の部分は緯糸および経糸の両方であり、糸の第2の部分は緯糸および経糸の両方である、請求項11記載の衣料品。
【請求項13】
糸の第1の部分は緯糸および経糸の一方であり、糸の第2の部分は緯糸および経糸の他方である、請求項11記載の衣料品。
【請求項14】
布地はインタールーピング(interlooping)・プロセスによって形成される、請求項1記載の衣料品。
【請求項15】
糸は布地の開口部を規定し、開口部は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1の面積を有し、開口部は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2の面積を有する、請求項14記載の衣料品。
【請求項16】
第1の面積は第2の面積よりも狭く、糸が物理的な刺激にさらされたときに布地の浸透性を高くする、請求項1記載の衣料品。
【請求項17】
布地の構造は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1のテクスチャ(texture)を有し、かつ布地の構造は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2のテクスチャを有する、請求項1記載の衣料品。
【請求項18】
第1のテクスチャは第2のテクスチャよりも滑らかである、請求項17記載の衣料品。
【請求項19】
第2のテクスチャは、布地の表面から外側に延びる複数の節を含む、請求項17記載の衣料品。
【請求項20】
物理的な刺激にさらされたときに変化する浸透性を有する布地を含む衣料品であって、布地は、物理的な刺激にさらされたときに寸法変化する糸同士の間に規定された複数の開口部を有し、糸は、物理的な刺激にさらされていないときに第1の組の寸法を有し、かつ糸は、物理的な刺激にさらされたときに第2の組の寸法を有し、布地の構造は、糸が第1の組の寸法から第2の組の寸法に変化して布地の浸透性を変化させるように布地を物理的な刺激にさらすことによって修正される、衣料品。
【請求項21】
物理的な刺激は水である、請求項20記載の衣料品。
【請求項22】
布地は編成プロセスによって形成される、請求項20記載の衣料品。
【請求項23】
糸が物理的な刺激にさらされたとき、開口部の面積が狭くなり布地の浸透性が低くなる、請求項22記載の衣料品。
【請求項24】
糸が物理的な刺激にさらされたとき、開口部の面積が広くなり布地の浸透性が高くなる、請求項22記載の衣料品。
【請求項25】
糸の少なくとも一部は波形形態を有する、請求項24記載の衣料品。
【請求項26】
布地の実質的な部分は糸で形成される、請求項20記載の衣料品。
【請求項27】
糸の第1の部分は、物理的な刺激にさらされたときに寸法変化し、糸の第2の部分は、物理的な刺激にさらされたときに寸法が安定したままである、請求項20記載の衣料品。
【請求項28】
布地はインタールーピング・プロセスによって形成される、請求項20記載の衣料品。
【請求項29】
布地は、糸が物理的な刺激にさらされていないときに第1のテクスチャを有し、かつ布地は、糸が物理的な刺激にさらされたときに第2のテクスチャを有する、請求項20記載の衣料品。
【請求項30】
第1のテクスチャは第2のテクスチャよりも滑らかである、請求項29記載の衣料品。
【請求項31】
第2のテクスチャは、布地の表面から外側に延びる複数の節を含む、請求項29記載の衣料品。
【請求項32】
布地が以下を含む、編成された布地で少なくとも部分的に形成された衣料品:
水にさらされたときに寸法変化する第1の糸;および
水にさらされたときに寸法が実質的に安定している第2の糸、
ここで、布地は、第1の糸および第2の糸を機械的に操作することによって形成され、布地は、水にさらされていないときに第1の構造を有し、かつ布地は、水にさらされたときに、第1の糸の寸法変化のために第2の構造を有する。
【請求項33】
第1の糸の寸法変化は第1の糸の寸法を大きくする、請求項32記載の衣料品。
【請求項34】
第1の糸および第2の糸は布地の開口部を規定し、開口部は、第1の糸および第2の糸が水にさらされていないときに第1の面積を有し、かつ開口部は、第1の糸および第2の糸が水にさらされて布地の構造が修正されたときに第2の面積を有する、請求項32記載の衣料品。
【請求項35】
第1の面積は第2の面積よりも広く、第1の糸および第2の糸が水にさらされたときに布地の浸透性を低くする、請求項34記載の衣料品。
【請求項36】
第1の面積は第2の面積よりも狭く、第1の糸および第2の糸が水にさらされたときに布地の浸透性を高くする、請求項34記載の衣料品。
【請求項37】
糸の少なくとも一部は波形形態を有する、請求項36記載の衣料品。
【請求項38】
第1の糸は緯糸および経糸の両方であり、第2の糸は緯糸および経糸の両方である、請求項32記載の衣料品。
【請求項39】
第1の糸は緯糸および経糸の一方であり、第2の糸は緯糸および経糸の他方である、請求項32記載の衣料品。
【請求項40】
インタールーピングされた(interlooped)布地で少なくとも部分的に形成された衣料品であって、布地は、水にさらされたときに寸法変化する糸を含み、糸は、水にさらされていないときに第1の組の寸法を有し、かつ糸は、水にさらされたときに第2の組の寸法を有し、布地の構造は、糸が第1の組の寸法から第2の組の寸法に変化して布地の浸透性を変化させるように布地を水にさらすことによって修正される、衣料品。
【請求項41】
糸は布地の開口部を形成し、開口部は、糸が水にさらされていないときに第1の面積を有し、かつ開口部は、糸が水にさらされて布地の構造が修正されたときに第2の面積を有する、請求項40記載の衣料品。
【請求項42】
第1の面積は第2の面積よりも狭く、糸が水にさらされたときに布地の浸透性を高くする、請求項41記載の衣料品。
【請求項43】
布地の構造は、糸が水にさらされていないときに第1のテクスチャを有し、かつ布地の構造は、糸が水にさらされて布地の構造が修正されたときに第2のテクスチャを有する、請求項40記載の衣料品。
【請求項44】
第1のテクスチャは第2のテクスチャよりも滑らかである、請求項43記載の衣料品。
【請求項45】
第2のテクスチャは、布地の表面から外側に延びる複数の節を含む、請求項43記載の衣料品。
【請求項46】
布地が以下を含む、インタールーピングされた布地で少なくとも部分的に形成された衣料品:
水にさらされたときに寸法変化し、水にさらされていないときに第1の組の寸法を有し、水にさらされたときに第2の組の寸法を有する第1の糸;および
水にさらされたときに寸法が実質的に安定している第2の糸、
ここで、布地は、第1の表面およびそれと反対側の第2の表面を有し、第1の糸は、第1の表面に実質的に集中しており、布地の構造は、第1の糸が第1の組の寸法から第2の組の寸法に変化して第1の表面上に複数の節を形成するように布地を水にさらすことによって修正される。
【請求項47】
第1の糸および第2の糸は、二重編み構造を形成するように機械的に操作される、請求項46記載の衣料品。
【請求項48】
第2の布地は、布地の表面から外側に延びる複数の節を含む、請求項46記載の衣料品。
【請求項49】
節は、第1の表面上の布地にテクスチャを与える、請求項46記載の衣料品。
【請求項50】
布地が以下を含む、編成された布地で少なくとも部分的に形成された衣料品:
水にさらされたときに寸法変化が増大する第1の糸;および
水にさらされたときに寸法が実質的に安定している第2の糸、
ここで、布地は、糸同士の間に複数の開口部を形成するように糸を機械的に操作することによって形成され、開口部は、糸が水にさらされていないときに第1の面積を有し、かつ開口部は、糸が水にさらされたときに、第1の糸の寸法変化のために第2の面積を有し、第2の面積は第1の面積よりも広く、布地の浸透性を高くする。
【請求項51】
糸の少なくとも一部は波形形態を有する、請求項50記載の衣料品。
【請求項52】
第1の糸は緯糸および経糸の両方であり、第2の糸は緯糸および経糸の両方である、請求項50記載の衣料品。
【請求項53】
第1の糸は緯糸と経糸の一方であり、第2の糸は緯糸と経糸の他方である、請求項50記載の衣料品。
【請求項54】
以下の段階を含む、布地から衣料品を製造する方法:
水にさらされたときに第1の吸水度および第1の寸法変化度を有する第1の糸を選択する段階;
水にさらされたときに第2の吸水度および第2の寸法変化度を有する第2の糸を選択する段階;
水にさらされたときに第1の構造から第2の構造に修正されて布地の特性を変化させる構造を有する布地を形成するように、第1の糸および第2の糸を機械的に操作する段階。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−529643(P2007−529643A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503911(P2007−503911)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/005191
【国際公開番号】WO2005/095692
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】