修正液ペン
【目的】 筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行でき且つ、筆記具同様の使用感触が得られしかも安価に製造できる筆記具タイプの修正液ペンを提供する。
【構成】 本発明の修正液ペンは、軸筒1の先端部11と首部材2の嵌合部22の嵌着構造を、第二嵌合部11bに設けた環状凸起1bと外郭部22aに設けた環状凹溝2bが係合した際、第一嵌合部11aと内筒部22bが且つ、第二嵌合部に外郭部に設けた環状ビード2aが径方向で圧入嵌合すると共に、第一嵌合部の先端面1aに段部22cに設けた突当ビード2cが圧接させてある。又、ボールホルダー7のボールハウス7bと連通孔7dの連結段差を小さくすると共に先端縁を丸め且つ、首部材のコイルスプリング8の支持部2fに切割溝2gを設けてある。更に、軸本体Eの首部222に被冠させたキャップ5の側面に操作体9を設け首部の傾斜部2hに当接するようにそれぞれ構成してある。
【構成】 本発明の修正液ペンは、軸筒1の先端部11と首部材2の嵌合部22の嵌着構造を、第二嵌合部11bに設けた環状凸起1bと外郭部22aに設けた環状凹溝2bが係合した際、第一嵌合部11aと内筒部22bが且つ、第二嵌合部に外郭部に設けた環状ビード2aが径方向で圧入嵌合すると共に、第一嵌合部の先端面1aに段部22cに設けた突当ビード2cが圧接させてある。又、ボールホルダー7のボールハウス7bと連通孔7dの連結段差を小さくすると共に先端縁を丸め且つ、首部材のコイルスプリング8の支持部2fに切割溝2gを設けてある。更に、軸本体Eの首部222に被冠させたキャップ5の側面に操作体9を設け首部の傾斜部2hに当接するようにそれぞれ構成してある。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤にチタン白などの隠蔽材を分散させた修正液を、可撓性を有する軸本体に収蔵し、軸本体を指先で押圧してそのペン先部より修正液を吐出させて用いる修正液ペンで且つ、筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行できる筆記具タイプの修正液ペンに関する。
【0002】
【従来の技術】誤記部分を隠蔽するために修正液を塗布することに用いられてきた修正具は、現在では修正液も白色以外の色種が出現し単に誤記訂正用としての機能だけでなく、塗布具として又は筆記具としてその用途は使用者によって拡大し、その需要も大きく増大してきている。その変遷過程での修正具は当初はボトルタイプの机上用品で、修正液容器にキャップの内側にキャップと一体化した棒先に刷毛を取り付けたシンプルなものであったが、容器を倒しても液こぼれの心配のない又、キャップを締め忘れて修正液を硬化させることのない可撓性を有する容器のその先端に塗布先部を設け、容器を指先で押圧して塗布先部から修正液を吐出させて用いるものに移行し更に、キャップ内や塗布先部に固形化した修正液を使用の都度清掃するわずらわしさを解消するため、塗布先部からの修正液の乾燥を防止する構造に関する数多くの発明・考案がなされることになる。
【0003】実公昭62−29103号などはその一例で、図6の如く、可撓性を有する軸筒1を液収容部111と該液収容部より小径で先端で開口する先端部11に形成して、塗布液3と攪拌用部材4を収蔵すると共に、首部材2の先端部と弁機構を構成する塗布体66と、該塗布体を先端に向け弾発するコイルスプリング8の受部10aを有し、塗布体66が摺動し且つ塗布液が流通するに充分な大きさの中心孔10cと、軸筒先端部11の先端面1aと首部材段部22cとの間で挾圧される鍔部10bを有する筒体10を介して、首部材2の嵌合部22を軸筒先端部11に嵌着させて成る軸本体Eの首部222にキャップ5が着脱可能に被冠された構造を示すものである。
【0004】その後、先記したように修正具に対する用途が拡大するに及んで、使用者のニーズに適合させるべく例えば、修正線巾を一定にできて文字書きも可能な塗布媒体にボールを用いた修正具について数々の提案がなされるようになる。実開平5−80791号もその一例である。
【0005】実開平5−80791号は図7の如く、軸筒1を液収容部111と該液収容部より小径で先端で開口する先端部11に形成して、塗布液3と攪拌用部材4を収蔵し、他方、首部材2の先端孔2dに、ボール6より僅かに大径の内径を有する細管の先端縁7aを内向きにかしめてボールを抱持するようにしたボールホルダー7を嵌着させて、先端面をボールに当接し後端部でコイルスプリング8の弾発力を受けてボールを押圧する押圧部材88により、該ボールの一部をボールホルダーの先端縁から外方に突出させ更に、コイルスプリングの後端を受部10aで支承する筒体10を首部材の内孔に嵌着させ、上記の軸筒先端部11に首部材の嵌合部22を固着させて軸本体Eに形成する際、筒体鍔部10bを軸筒先端部の先端面1aと首部材の嵌合部から内孔に連結する段部22cで挾圧するように構成すると共に、当該軸本体Eの首部222にキャップ5を着脱可能に被冠させた構造を示すものである。
【0006】先例として示した実公昭62−29103号は又、可撓性を有する軸筒を用いてペン先部から吐出する修正液の量を、軸筒を指先で押圧する力で加減するタイプとして知られているが、一方、実開平7−24470号のように軸本体の首部にキャップを嵌着する際、キャップ内空気が加圧されると同時的に軸筒内に加圧された空気が侵入して軸筒内が高圧に維持され、紙面等にペン先部を押し当てると修正液は自動的に吐出されるタイプがあることも知られている。以上、概略ながらその変遷過程に触れてきたが、実用面においてそれぞれに一長一短があり又、その性能面,機能面からみて未だ完成の域に達していないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】使用者の広範な用途のそのすべてに適合する性能,機能を付与することの困難性はあるものの、本発明は、使用者の現実のニーズに応えて、筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行できる筆記具タイプの修正液ペンにあって、軸本体の軸筒と首部材の結合による当該結合部の気密性と堅牢性に又、誤記部の消去や文字や描線の筆記でスムーズな液の吐出と共に滑らかな使用感触を得る性能面を更に、使用時に迅速,簡便に軸本体からキャップの離脱ができる機能面の改善を意図するものである。
【0008】修正液は有機溶剤を用いるので、軸筒と首部材の結合については従来から気密性に配慮がなされており、その多くは図6,図7の従来例で示したように、結合部の軸筒先端部の先端面1aと首部材嵌合部の段部22cとの間に挾圧される形で筒体10の鍔部10bを配するか、同目的による弾性のあるパッキン材を用いるものであり又、軸筒と首部材の結合の堅牢性という観点からは、結合する軸筒先端部と首部材嵌合部にそれぞれネジ山を設け螺合する手段が一般的だが、軸筒をブロー成形するものについては材質的に充分な結合強度が得られないので、特に強度を要求するものにあっては接着剤を併用して固着化する煩わしさがあり更に、結合部の形状が円筒形を呈することになるので、デザイン面での制約が伴う不利がある。
【0009】又、塗布媒体にボールを用いる構成のものにあって例えば、実開平7−24470号のようにボールホルダーがボールペンチップ同様にボールハウス内にボール座を有するタイプでは、ボール周辺で液詰まり現象が起き易く、軸筒を押圧して液の吐出を促進し、ペン先部の清掃が可能なタイプはすぐに復帰できるが、軸筒内の空気を加圧状態に保ち自動的に液を吐出させるタイプは復帰にしばしば手間取るので、軸本体の首部とキャップの気密保持には格別な配慮が伴うものである。又、ボールを抱持するボールホルダーの先端縁は肉厚が薄く、ボールが先端縁より内部に没する図7に示した実開平5−80791号のようなタイプでは、ボール径が小さく修正線巾を細くすればする程先端縁の紙当り感触が悪くなるばかりか、修正液が平滑に修正部に塗布することができない。
【0010】更に、軸本体の首部に被冠するキャップの嵌着力は、ペン先部における修正液の乾燥防止の観点から、通常の筆記具に用いるキャップの嵌合力より強目に設定されており、その着脱には相当の力を必要とするので、嵌める時には不完全な嵌め方を又、引き抜きの際には真直ぐ引っ張れずこじりあけるような不快な操作が伴うことが多い。本発明の修正液ペンはキャップにクリップを設け、衣服のポケットに差して携行できる筆記具タイプを指向するので、首部とキャップの嵌着はより強固を期さなければならない。
【0011】
【課題を解決するための手段と実施の形態】本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、ボールをボールホルダーの先端縁を内向きにかしめて抱持すると共に、ボール後端をコイルスプリングで直接又は押圧部材を介して押圧し、該ボールの一部をボールホルダーの先端縁から外方に突出するように構成したペン先部材を、首部材の先端孔内に配設すると共に、該首部材の嵌合部を、修正液と攪拌用部材を収蔵した可撓性を有する軸筒の先端部に嵌着させた軸本体の更に、その首部にキャップを被冠させて成る修正液ペンをその前提技術とし、それぞれの解決すべき課題についてその解決手段と実施の形態を以下に記述する。
【0012】まず、軸本体の軸筒と首部材の結合による当該結合部の気密性と堅牢性の改善に当っては、軸筒の先端部を、先端面で開口する円筒形の第一嵌合部と、該第一嵌合部と液収容部の間に第一嵌合部より大径で液収容部より小径の横断面形状が円あるいは偏平状の楕円形等で且つその外側面に環状凸起を設けた第二嵌合部に形成し、他方、首部材の嵌合部を、当該軸筒先端部の第二嵌合部に嵌着する内壁面が第二嵌合部と同形で且つ環状凸起に係合する環状凹溝と該環状凹溝より先端寄り位置に第二嵌合部外径より小径の軸心に向かって突起した環状ビードを設けた外郭部と、第一嵌合部に圧入嵌合する第一嵌合部内径より大径の内筒部に形成し更に、該内筒部が外郭部と連結する段部に環状に突起させた突当ビードを設けて、軸筒第二嵌合部の環状凸起に首部材外郭部の環状凹溝が係合した状態において、首部材後端面と軸筒の肩部との間に所要の間隙部を設けて、軸筒第二嵌合部に首部材外郭部の環状ビードが嵌合し且つ軸筒第一嵌合部の先端面が首部材段部の突当ビードに圧接するように構成することをもって当課題解決のための手段とするものである。
【0013】これにより、軸筒の第二嵌合部と首部材外郭部に設けた環状ビードが強く嵌合して軸本体と首部の径方向のガタ付きが無くなり更に、軸筒先端部の先端面に首部材の段部に設けた突当ビードが圧接して軸方向のガタ付きも無くなり、軸本体の首部に過激な外力が加えられても嵌合部にゆるみが生じない気密性を充分満足させ且つ堅牢性の高い結合状態を現出させたものである。
【0014】次に、誤記部の消去や文字や描線の筆記でスムーズな修正液の吐出と共に、滑らかな使用感触を得る改善に当っては、塗布媒体であるボールを抱持するボールホルダーを先端から後端に向けボールが先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径のボールハウスと、後部孔に貫通するボール径より僅かに小径の連通孔に形成し、ボールをボールハウス内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨により先端縁に丸め加工を施す手段により、又、/および上記の首部材の先端孔に連通してペン先部材のコイルスプリングを支承する支持部を該首部材の内筒部内に突出して設けると共に、突出した支持部に修正液が流通する切割溝を設けることをもって当課題解決のための手段とするものである。
【0015】これにより、ボールホルダー内にあってボールハウスと連通孔の連結段差が小さく形成されるのでボール周辺の液詰まり現象が無く加えて、コイルスプリングの支持部も切割溝から自由に修正液が流通するので、軸筒の押圧力の微妙な加減にも修正液の吐出がスムーズに対応でき更に、ボールホルダー先端縁の丸め加工を行なうバレル研磨においては、ボールはボールホルダーの先端縁から充分埋没できる状態にあるので、ボール自体が強く研磨石と触れ合うことが避けられるので、ボールに変形を起こすことなく先端縁を程良く丸めることができ、依って滑らかな使用感触が得られることになる。
【0016】更に、使用時に迅速,簡便に軸本体の首部からキャップを離脱させる機能面の改善に当っては、キャップの側面に、軸心に向け押圧することによりキャップが嵌合する軸本体の首部に形成された傾斜部又は段部に当接して摺動し首部との嵌合を解除する操作体を設けることをもって当課題解決のための手段とするものである。
【0017】これにより、軸本体の首部からキャップを引き抜いて離脱させることをせずとも、当該操作体への押圧操作により首部の傾斜部又は段部に当接した操作体が軸心方向に向かって摺動し、頑強な首部とキャップの嵌合も、迅速且つ簡便に離脱が可能となったものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例を示した図面を基に詳説する。なお、先記の先行技術例の説明に用いた部材および部位を示す符号と同じものについては同符号を用いて説明する。
【0019】図1は本発明の実施例である修正液ペンを側面外観図(a)と(a)図のA−A線で断面した縦断面図を(b)図で示したものである。すなわち、本発明の修正液ペンは修正液3と攪拌用部材4を収蔵した軸筒1の先端部11に、ペン先部材のボール6を抱持したボールホルダー7と該ボールを押圧するコイルスプリング8をその先端孔2d内に配設した首部材2の嵌合部22を、互いに嵌合させた軸本体Eの首部222に、その側面に押圧手段を有する操作体9を設けたキャップ5を被冠して構成したものである。
【0020】軸筒1は図2に示す如く、その液収容部111の外観は自由な形状が得られるものであるが実施例は楕円形で押圧部1dに若干の窪みとその周囲に溝を設け押圧力の微妙な加減ができるように配慮してある。その先端部11は、先端面1aで開口する円筒形の第一嵌合部11aと、該第一嵌合部と液収容部の間に第一嵌合部より大径で液収容部より小径の横断面形状が偏平状の楕円形(図2(a)参照)で外側面に環状凸起1bを設けた第二嵌合部11bに形成し、当該先端部から液収容部へは第二嵌合部に対し略垂直状の肩部1cで連結し中空に形成してあり、可撓性を有する例えばナイロン6等の樹脂材料を用いブロー成形により成形される。
【0021】首部材2は図3に示す如く、ペン先部材を配設する先端孔2dを有し、軸筒1の先端部11に嵌合する後端面2eで開口する嵌合部22を、軸筒第二嵌合部11bに嵌着する内壁面が第二嵌合部と同形の楕円形で且つ環状凸起1bに係合する環状凹溝2bと該環状凹溝より先端寄り位置に第二嵌合部外径より小径の軸心に向かって突起した環状ビード2aを設けた外郭部22aと、軸筒の第一嵌合部11aに圧入嵌合する第一嵌合部内径より大径の内筒部22bに形成すると共に、該内筒部が外郭部と連結する段部22cに環状に突起させた突当ビード2cを設け更に、先端孔2dに連通してペン先部材のコイルスプリング8を支承する支持部2fを内筒部内に突出して設け、該支持部には内筒部に面した外側面と先端孔に通ずる軸心方向に延びる切割溝2g(図3(b)参照)が設けてある。なお、コイルスプリング8の弾発力の程度によって支持部の強度に不安があれば支持部と内筒部内壁間に、その補強としてリブ2m(図3(b)参照)を設けておくこともできる。
【0022】そして、首部材2の外周面には、後述するキャップ5との係脱手段に関係する先端嵌合部2kと後方嵌合部2jおよびキャップと一体的に設けられた操作体9が押圧操作により摺動する傾斜部2hがそれぞれ設けてある。
【0023】又、首部材2の嵌合部22は環状凹溝2bと環状ビード2aが成形上無理抜き状態に設定され且つ精巧な形状を得たい部分であるため又、その外周面もキャップ5との係脱手段を設けてあるので、樹脂材料の選択が重要であり例えばPBT樹脂を選択する。
【0024】本発明の修正液ペンは、筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行できる筆記具タイプの修正液ペンを指向しているので、携行時に遭遇する悪条件にも抗し得る、軸筒1と首部材2の強固な結合関係が求められる。例えば、胸ポケットに差しておいた筆記具を手に取るとキャップのみで軸本体はポケットに残っていたというケースはしばしばあることで、筆記具が万年筆やマーカーのような低粘度のインキを用いたものでは衣服をインキで汚してしまう結果になる。更にひどくなると、キャップと軸本体の嵌合関係が不具合となったり、クリップが破損したり、軸部の接続部が破損するケースに遭遇する。原因の一つとしてすぐ頭に浮かぶのは満員の通勤電車がある。修正液ペンは有機溶剤を用いる修正液の特殊性もあり、結合部の堅牢性と気密性に対する信頼性は欠くことのできない要件である。
【0025】本発明の実施例の軸筒1と首部材2の嵌合部は図4に示す如く、軸筒第二嵌合部11bの環状凸起1bに首部材外郭部22aの環状凹溝2bが係合した状態において、首部材後端面2eと軸筒の肩部1cとの間に所要の間隙部Qを設けて、軸筒第一嵌合部11aに首部材内筒部22bが又、軸筒第二嵌合部11bに首部材外郭部22aの環状ビード2aが径方向で嵌合し且つ軸筒第一嵌合部11aの先端面1aが首部材段部22cの突当ビード2cに圧接するように構成されている。
【0026】軸筒1と首部材2の嵌合による軸本体Eの結合部は上記の構成により、軸筒の第二嵌合部11bと首部材外郭部22aに設けた環状ビード2aが強く嵌合して軸筒と首部材の径方向のガタ付きが無く且つ、軸筒先端部11の先端面1aに首部材段部22cに設けた突当ビード2cが圧接して軸方向のガタ付きも無く、加えて首部材後端面2eと軸筒の肩部1cとの間に所要の間隙部Qを設けてあるので、軸本体の結合部に過激な外力が加えられて仮りに結合部に曲がり生じたとしても、軸筒と首部材との嵌合部に直接的に外力が作用することなく従って、嵌合部にゆるみが生じることもなく、気密性を充分満足させ且つ堅牢性の高い結合状態を現出させ得たものである。なお、間隙部Qの必要な大きさは軸筒と首部材の大きさおよび形状により異なるものであって、首部材後端面2eと軸筒肩部1cが外力により接触すると梃子の作用でこじり力となり、これが嵌合部に伝わって嵌合状態を劣化させることになるので、外力が加わっても接触することの無い間隙部に形成することが肝要である。
【0027】従来例にみるように、気密性を確保するために首部材と軸筒の間に両者に挾圧される形で鍔部を有する筒体又はこれに代わる弾性ある材料によるパッキンを用いていたが、径方向並びに軸方向のガタ付きを無にする考えに至らなかったため、経時と共に結合機能が劣化して気密性に影響がでる不安が内在していた。本発明は、これ等筒体もしくはパッキンを首部材2と軸筒1間に介在させることなく、気密性の確保という観点については、弾力性ある材質(ナイロン6)の軸筒第一嵌合部11aに首部材内筒部22bを圧入嵌合し且つ軸筒第二嵌合部11bに首部材外郭部22aに設けた環状ビード2aを圧嵌して、径方向においてダブルに嵌合させることにより、その保証を得ると共に部品数を減少させ構造を簡素化させる効果をもたらすものである。
【0028】本発明は修正液の塗布媒体にボールを採用し、誤記部の消去や文字や描線の筆記に滑らかな使用感触が得られるよう、首部材2の先端孔2dに配設するペン先部材のボール6とボールホルダー7の関係において又、コイルスプリング8を支承する首部材の支持部2fについてそれぞれ改善を試みるものである。すなわち、図5に示すボールホルダー7は金属線材を用い、後端より先端に向け後部孔7cを穿設し、他方先端部外径を先端縁7aが所要肉厚となるようテーパー状に削肉し且つ、先端から後端に向けボール6が先端縁から充分埋没する深さのボールより僅かに大径のボールハウス7bと、後部孔に貫通するボールより僅かに小径の連通孔7dを穿設し更に、ボールをボールハウス内に装填して先端縁をかしめ加工した後、バレル研磨により先端縁7aに丸め加工を施してある。
【0029】又、ボールホルダー7に金属パイプを用いて良いことは勿論であるが要は、ボールハウス7bと連通孔7dの連結段差を小さくして、修正液3の顔料が堆積して起こるボール周辺の液詰まり現象を回避し更に、ボール6とボールホルダーを一体化してボールを単独に扱う組立時の困難性を回避すると共に、先端縁7aの丸め加工のバレル研磨において研磨石でボールを変形させないための配慮をしたことである。なお、先端縁の丸め形状を理想形にするにはかしめ角度の異なる2回かしめを行なうと良いが、実施例では80゜と最先端かしめ角を120゜(図示せず)で行ない、滑らかな使用感触が得られたものである。
【0030】更に、ボールホルダーの先端縁かしめ加工時に後部孔からロッドを挿入してボールを所定位置で支持しボールに圧接するかしめを行なうか、かしめ加工後後部孔方向からボールをハンマーロッドでハンマーリングして、先端縁内壁面をボールと同形の球面に形成(図示せず)することも、ボール周辺の液の乾燥防止に有効な手段である。
【0031】滑らかな使用感触を現出する要素となるものは、すでに記述したボールホルダー先端縁7aの丸め加工も重要であるが、ペン先より修正液3のスムーズな吐出が得られなければ無用の長物化してしまう。そこで、先記したボールホルダー7のボールハウス7bと連通孔7dの連結段差を小さくしてボール周辺の液詰まり現象を回避することが又、首部材2の先端孔2dに連通してペン先部材のコイルスプリング8を支承する支持部2fを内筒部22b内に突出して設けると共に、突出した支持部に修正液が流通する切割溝2g(図3(b)参照)を設けて、軸筒1から首部材の先端孔内に配設したペン先部材に至る修正液のスムーズな流通状態を確保することが重要になる。
【0032】これにより、修正液3は軸筒1の液収容部111より首部材2の内筒部22bに無理なく流動し更に、内筒部内に突出して設けられたコイルスプリング8の支持部2fの切割溝2gに浸入しペン先部に流入する。逆に、ペン先部を上向きにするとボール6はコイルスプリングによってボールホルダー先端縁7aの内壁面に当接して弁を閉じる形になり、ボール周辺の液を保持するものの、毛管力の弱い径大となる部分の液は自重できれいに液収容部に逆流する。従って、先記したボールホルダー先端縁の内壁面がボールと同形の球面に形成されていることもまた重要で、これによりボール周辺の液を乾燥させずに保持し、使用時のスムーズな液の吐出が得られ滑らかな使用感触が現出する。
【0033】更に本発明は、使用時に迅速,簡便に軸本体Eの首部222からキャップ5を離脱させる機能を付加するもので、図1に示したキャップ5と操作体9の関係はその一実施例である。キャップ5は頂部に内キャップを形成し首部222の先端と嵌合しペン先部を被覆して外気の流入を遮断し且つ、操作体9の固定部と嵌合して操作体を一体的に保持している。キャップにはその側面の左右対称位置に、操作体の固定部から左右に張り出した押圧部を内部から外方に突出して配する窓孔が設けてあり、開口する後端部に首部との嵌合部が設けてある(要部以外の部位を示す符号は省略してある。)。
【0034】軸本体Eの首部222に被冠されたキャップ5は、操作体9の固定部と首部先端嵌合部2kが又、開口後端部に設けた嵌合部と首部後方嵌合部2jでかなり強固に嵌着しており、軸本体と首部を持って単純に引き抜こうとしても相当な力を必要とするものである。これは先記のとおりポケット内での離脱が衣服を汚すトラブルにつながるからに他ならない。そこで本発明は、キャップの側面に軸心に向け押圧することにより首部に形成された傾斜部2hに当接して摺動し、軸本体の首部との嵌合を解除する操作体9を設けたもので、これにより頑強な首部とキャップの嵌合を迅速,簡便に離脱することを可能にしたものである。
【0035】キャップ5と操作体9の関係は上記の実施例に限るものでなく、例えば首部材2の傾斜部2hが段部を形成し、操作体9の押圧部に首部材の段部を摺動する傾斜部を形成(図示せず)したり、操作体を別体で設けることなくキャップと一体で形成(図示せず)しても良い。以上のようにキャップの側面に突出した操作体を押圧することで首部からの離脱が果たせるので、片手操作でキャップを軸本体から離脱させることもでき他方の手を自由に使える便利性をも付加したことになる。
【0036】
【発明の効果】以上のとおり本発明は、軸筒に首部材を直接嵌着して軸本体を構成する部品数の少ない簡易な構造で且つ、有機溶剤を用いる修正液を収蔵しても気密性に優れ嵌合部の堅牢性が保証され又、ボール周辺に液詰まり現象がなく液収容部からペン先までスムーズに液が流通して、軸本体への微妙な押圧力の加減に順応してペン先部から液が吐出し誤記部の訂正や文字,描線の筆記等に滑らかな使用感触が得られ更に、使用に際しては片手操作でも簡単に軸本体からキャップが離脱できる便利な機能を付加するもので、筆記具同様安心して衣服のポケットに差して携行でき且つ、筆記具同様の使用感触が得られしかも安価に製造できる筆記具タイプの修正液ペンが提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である修正液ペンの説明図である。図1(a)は側面外観図であり、図1(b)は図(a)のA−A線で断面した縦断面図である。
【図2】実施例の軸筒の説明図である。図2(a)は先端部を見た上面図である。図2(b)は一部を省略し先端部を縦断面した平面図である。
【図3】実施例の首部材の説明図である。図3(a)は拡大縦断面図であり、図3(b)は図(a)のB−B矢視線で断面した横断面図である。
【図4】実施例の軸筒と首部材の嵌合関係を示す一部切欠拡大縦断面図である。
【図5】実施例のペン先部のボールホルダーとボールとの関係を示す拡大縦断面図である。
【図6】従来例を示す縦断面図である。
【図7】従来例の説明図である。図7(a)はキャップのみ断面した修正ペンの外観図であり、図7(b)は先端部のみを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒
1a 先端面
1b 環状凸起
1c 肩部
11 先端部
11a 第一嵌合部
11b 第二嵌合部
111 液収容部
2 首部材
2a 環状ビード
2b 環状凹溝
2c 突当ビード
2d 先端孔
2e 後端面
2f 支持部
2g 切割溝
2h 傾斜部
22 嵌合部
22a 外郭部
22b 内筒部
22c 段部
222 首部
3 修正液
4 攪拌用部材
5 キャップ
6 ボール
7 ボールホルダー
7a 先端縁
7b ボールハウス
7c 後部孔
7d 連通孔
8 コイルスプリング
9 操作体
E 軸本体
Q 間隙部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤にチタン白などの隠蔽材を分散させた修正液を、可撓性を有する軸本体に収蔵し、軸本体を指先で押圧してそのペン先部より修正液を吐出させて用いる修正液ペンで且つ、筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行できる筆記具タイプの修正液ペンに関する。
【0002】
【従来の技術】誤記部分を隠蔽するために修正液を塗布することに用いられてきた修正具は、現在では修正液も白色以外の色種が出現し単に誤記訂正用としての機能だけでなく、塗布具として又は筆記具としてその用途は使用者によって拡大し、その需要も大きく増大してきている。その変遷過程での修正具は当初はボトルタイプの机上用品で、修正液容器にキャップの内側にキャップと一体化した棒先に刷毛を取り付けたシンプルなものであったが、容器を倒しても液こぼれの心配のない又、キャップを締め忘れて修正液を硬化させることのない可撓性を有する容器のその先端に塗布先部を設け、容器を指先で押圧して塗布先部から修正液を吐出させて用いるものに移行し更に、キャップ内や塗布先部に固形化した修正液を使用の都度清掃するわずらわしさを解消するため、塗布先部からの修正液の乾燥を防止する構造に関する数多くの発明・考案がなされることになる。
【0003】実公昭62−29103号などはその一例で、図6の如く、可撓性を有する軸筒1を液収容部111と該液収容部より小径で先端で開口する先端部11に形成して、塗布液3と攪拌用部材4を収蔵すると共に、首部材2の先端部と弁機構を構成する塗布体66と、該塗布体を先端に向け弾発するコイルスプリング8の受部10aを有し、塗布体66が摺動し且つ塗布液が流通するに充分な大きさの中心孔10cと、軸筒先端部11の先端面1aと首部材段部22cとの間で挾圧される鍔部10bを有する筒体10を介して、首部材2の嵌合部22を軸筒先端部11に嵌着させて成る軸本体Eの首部222にキャップ5が着脱可能に被冠された構造を示すものである。
【0004】その後、先記したように修正具に対する用途が拡大するに及んで、使用者のニーズに適合させるべく例えば、修正線巾を一定にできて文字書きも可能な塗布媒体にボールを用いた修正具について数々の提案がなされるようになる。実開平5−80791号もその一例である。
【0005】実開平5−80791号は図7の如く、軸筒1を液収容部111と該液収容部より小径で先端で開口する先端部11に形成して、塗布液3と攪拌用部材4を収蔵し、他方、首部材2の先端孔2dに、ボール6より僅かに大径の内径を有する細管の先端縁7aを内向きにかしめてボールを抱持するようにしたボールホルダー7を嵌着させて、先端面をボールに当接し後端部でコイルスプリング8の弾発力を受けてボールを押圧する押圧部材88により、該ボールの一部をボールホルダーの先端縁から外方に突出させ更に、コイルスプリングの後端を受部10aで支承する筒体10を首部材の内孔に嵌着させ、上記の軸筒先端部11に首部材の嵌合部22を固着させて軸本体Eに形成する際、筒体鍔部10bを軸筒先端部の先端面1aと首部材の嵌合部から内孔に連結する段部22cで挾圧するように構成すると共に、当該軸本体Eの首部222にキャップ5を着脱可能に被冠させた構造を示すものである。
【0006】先例として示した実公昭62−29103号は又、可撓性を有する軸筒を用いてペン先部から吐出する修正液の量を、軸筒を指先で押圧する力で加減するタイプとして知られているが、一方、実開平7−24470号のように軸本体の首部にキャップを嵌着する際、キャップ内空気が加圧されると同時的に軸筒内に加圧された空気が侵入して軸筒内が高圧に維持され、紙面等にペン先部を押し当てると修正液は自動的に吐出されるタイプがあることも知られている。以上、概略ながらその変遷過程に触れてきたが、実用面においてそれぞれに一長一短があり又、その性能面,機能面からみて未だ完成の域に達していないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】使用者の広範な用途のそのすべてに適合する性能,機能を付与することの困難性はあるものの、本発明は、使用者の現実のニーズに応えて、筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行できる筆記具タイプの修正液ペンにあって、軸本体の軸筒と首部材の結合による当該結合部の気密性と堅牢性に又、誤記部の消去や文字や描線の筆記でスムーズな液の吐出と共に滑らかな使用感触を得る性能面を更に、使用時に迅速,簡便に軸本体からキャップの離脱ができる機能面の改善を意図するものである。
【0008】修正液は有機溶剤を用いるので、軸筒と首部材の結合については従来から気密性に配慮がなされており、その多くは図6,図7の従来例で示したように、結合部の軸筒先端部の先端面1aと首部材嵌合部の段部22cとの間に挾圧される形で筒体10の鍔部10bを配するか、同目的による弾性のあるパッキン材を用いるものであり又、軸筒と首部材の結合の堅牢性という観点からは、結合する軸筒先端部と首部材嵌合部にそれぞれネジ山を設け螺合する手段が一般的だが、軸筒をブロー成形するものについては材質的に充分な結合強度が得られないので、特に強度を要求するものにあっては接着剤を併用して固着化する煩わしさがあり更に、結合部の形状が円筒形を呈することになるので、デザイン面での制約が伴う不利がある。
【0009】又、塗布媒体にボールを用いる構成のものにあって例えば、実開平7−24470号のようにボールホルダーがボールペンチップ同様にボールハウス内にボール座を有するタイプでは、ボール周辺で液詰まり現象が起き易く、軸筒を押圧して液の吐出を促進し、ペン先部の清掃が可能なタイプはすぐに復帰できるが、軸筒内の空気を加圧状態に保ち自動的に液を吐出させるタイプは復帰にしばしば手間取るので、軸本体の首部とキャップの気密保持には格別な配慮が伴うものである。又、ボールを抱持するボールホルダーの先端縁は肉厚が薄く、ボールが先端縁より内部に没する図7に示した実開平5−80791号のようなタイプでは、ボール径が小さく修正線巾を細くすればする程先端縁の紙当り感触が悪くなるばかりか、修正液が平滑に修正部に塗布することができない。
【0010】更に、軸本体の首部に被冠するキャップの嵌着力は、ペン先部における修正液の乾燥防止の観点から、通常の筆記具に用いるキャップの嵌合力より強目に設定されており、その着脱には相当の力を必要とするので、嵌める時には不完全な嵌め方を又、引き抜きの際には真直ぐ引っ張れずこじりあけるような不快な操作が伴うことが多い。本発明の修正液ペンはキャップにクリップを設け、衣服のポケットに差して携行できる筆記具タイプを指向するので、首部とキャップの嵌着はより強固を期さなければならない。
【0011】
【課題を解決するための手段と実施の形態】本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、ボールをボールホルダーの先端縁を内向きにかしめて抱持すると共に、ボール後端をコイルスプリングで直接又は押圧部材を介して押圧し、該ボールの一部をボールホルダーの先端縁から外方に突出するように構成したペン先部材を、首部材の先端孔内に配設すると共に、該首部材の嵌合部を、修正液と攪拌用部材を収蔵した可撓性を有する軸筒の先端部に嵌着させた軸本体の更に、その首部にキャップを被冠させて成る修正液ペンをその前提技術とし、それぞれの解決すべき課題についてその解決手段と実施の形態を以下に記述する。
【0012】まず、軸本体の軸筒と首部材の結合による当該結合部の気密性と堅牢性の改善に当っては、軸筒の先端部を、先端面で開口する円筒形の第一嵌合部と、該第一嵌合部と液収容部の間に第一嵌合部より大径で液収容部より小径の横断面形状が円あるいは偏平状の楕円形等で且つその外側面に環状凸起を設けた第二嵌合部に形成し、他方、首部材の嵌合部を、当該軸筒先端部の第二嵌合部に嵌着する内壁面が第二嵌合部と同形で且つ環状凸起に係合する環状凹溝と該環状凹溝より先端寄り位置に第二嵌合部外径より小径の軸心に向かって突起した環状ビードを設けた外郭部と、第一嵌合部に圧入嵌合する第一嵌合部内径より大径の内筒部に形成し更に、該内筒部が外郭部と連結する段部に環状に突起させた突当ビードを設けて、軸筒第二嵌合部の環状凸起に首部材外郭部の環状凹溝が係合した状態において、首部材後端面と軸筒の肩部との間に所要の間隙部を設けて、軸筒第二嵌合部に首部材外郭部の環状ビードが嵌合し且つ軸筒第一嵌合部の先端面が首部材段部の突当ビードに圧接するように構成することをもって当課題解決のための手段とするものである。
【0013】これにより、軸筒の第二嵌合部と首部材外郭部に設けた環状ビードが強く嵌合して軸本体と首部の径方向のガタ付きが無くなり更に、軸筒先端部の先端面に首部材の段部に設けた突当ビードが圧接して軸方向のガタ付きも無くなり、軸本体の首部に過激な外力が加えられても嵌合部にゆるみが生じない気密性を充分満足させ且つ堅牢性の高い結合状態を現出させたものである。
【0014】次に、誤記部の消去や文字や描線の筆記でスムーズな修正液の吐出と共に、滑らかな使用感触を得る改善に当っては、塗布媒体であるボールを抱持するボールホルダーを先端から後端に向けボールが先端縁から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径のボールハウスと、後部孔に貫通するボール径より僅かに小径の連通孔に形成し、ボールをボールハウス内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨により先端縁に丸め加工を施す手段により、又、/および上記の首部材の先端孔に連通してペン先部材のコイルスプリングを支承する支持部を該首部材の内筒部内に突出して設けると共に、突出した支持部に修正液が流通する切割溝を設けることをもって当課題解決のための手段とするものである。
【0015】これにより、ボールホルダー内にあってボールハウスと連通孔の連結段差が小さく形成されるのでボール周辺の液詰まり現象が無く加えて、コイルスプリングの支持部も切割溝から自由に修正液が流通するので、軸筒の押圧力の微妙な加減にも修正液の吐出がスムーズに対応でき更に、ボールホルダー先端縁の丸め加工を行なうバレル研磨においては、ボールはボールホルダーの先端縁から充分埋没できる状態にあるので、ボール自体が強く研磨石と触れ合うことが避けられるので、ボールに変形を起こすことなく先端縁を程良く丸めることができ、依って滑らかな使用感触が得られることになる。
【0016】更に、使用時に迅速,簡便に軸本体の首部からキャップを離脱させる機能面の改善に当っては、キャップの側面に、軸心に向け押圧することによりキャップが嵌合する軸本体の首部に形成された傾斜部又は段部に当接して摺動し首部との嵌合を解除する操作体を設けることをもって当課題解決のための手段とするものである。
【0017】これにより、軸本体の首部からキャップを引き抜いて離脱させることをせずとも、当該操作体への押圧操作により首部の傾斜部又は段部に当接した操作体が軸心方向に向かって摺動し、頑強な首部とキャップの嵌合も、迅速且つ簡便に離脱が可能となったものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施の形態を実施例を示した図面を基に詳説する。なお、先記の先行技術例の説明に用いた部材および部位を示す符号と同じものについては同符号を用いて説明する。
【0019】図1は本発明の実施例である修正液ペンを側面外観図(a)と(a)図のA−A線で断面した縦断面図を(b)図で示したものである。すなわち、本発明の修正液ペンは修正液3と攪拌用部材4を収蔵した軸筒1の先端部11に、ペン先部材のボール6を抱持したボールホルダー7と該ボールを押圧するコイルスプリング8をその先端孔2d内に配設した首部材2の嵌合部22を、互いに嵌合させた軸本体Eの首部222に、その側面に押圧手段を有する操作体9を設けたキャップ5を被冠して構成したものである。
【0020】軸筒1は図2に示す如く、その液収容部111の外観は自由な形状が得られるものであるが実施例は楕円形で押圧部1dに若干の窪みとその周囲に溝を設け押圧力の微妙な加減ができるように配慮してある。その先端部11は、先端面1aで開口する円筒形の第一嵌合部11aと、該第一嵌合部と液収容部の間に第一嵌合部より大径で液収容部より小径の横断面形状が偏平状の楕円形(図2(a)参照)で外側面に環状凸起1bを設けた第二嵌合部11bに形成し、当該先端部から液収容部へは第二嵌合部に対し略垂直状の肩部1cで連結し中空に形成してあり、可撓性を有する例えばナイロン6等の樹脂材料を用いブロー成形により成形される。
【0021】首部材2は図3に示す如く、ペン先部材を配設する先端孔2dを有し、軸筒1の先端部11に嵌合する後端面2eで開口する嵌合部22を、軸筒第二嵌合部11bに嵌着する内壁面が第二嵌合部と同形の楕円形で且つ環状凸起1bに係合する環状凹溝2bと該環状凹溝より先端寄り位置に第二嵌合部外径より小径の軸心に向かって突起した環状ビード2aを設けた外郭部22aと、軸筒の第一嵌合部11aに圧入嵌合する第一嵌合部内径より大径の内筒部22bに形成すると共に、該内筒部が外郭部と連結する段部22cに環状に突起させた突当ビード2cを設け更に、先端孔2dに連通してペン先部材のコイルスプリング8を支承する支持部2fを内筒部内に突出して設け、該支持部には内筒部に面した外側面と先端孔に通ずる軸心方向に延びる切割溝2g(図3(b)参照)が設けてある。なお、コイルスプリング8の弾発力の程度によって支持部の強度に不安があれば支持部と内筒部内壁間に、その補強としてリブ2m(図3(b)参照)を設けておくこともできる。
【0022】そして、首部材2の外周面には、後述するキャップ5との係脱手段に関係する先端嵌合部2kと後方嵌合部2jおよびキャップと一体的に設けられた操作体9が押圧操作により摺動する傾斜部2hがそれぞれ設けてある。
【0023】又、首部材2の嵌合部22は環状凹溝2bと環状ビード2aが成形上無理抜き状態に設定され且つ精巧な形状を得たい部分であるため又、その外周面もキャップ5との係脱手段を設けてあるので、樹脂材料の選択が重要であり例えばPBT樹脂を選択する。
【0024】本発明の修正液ペンは、筆記具と同様に衣服のポケット等に差して携行できる筆記具タイプの修正液ペンを指向しているので、携行時に遭遇する悪条件にも抗し得る、軸筒1と首部材2の強固な結合関係が求められる。例えば、胸ポケットに差しておいた筆記具を手に取るとキャップのみで軸本体はポケットに残っていたというケースはしばしばあることで、筆記具が万年筆やマーカーのような低粘度のインキを用いたものでは衣服をインキで汚してしまう結果になる。更にひどくなると、キャップと軸本体の嵌合関係が不具合となったり、クリップが破損したり、軸部の接続部が破損するケースに遭遇する。原因の一つとしてすぐ頭に浮かぶのは満員の通勤電車がある。修正液ペンは有機溶剤を用いる修正液の特殊性もあり、結合部の堅牢性と気密性に対する信頼性は欠くことのできない要件である。
【0025】本発明の実施例の軸筒1と首部材2の嵌合部は図4に示す如く、軸筒第二嵌合部11bの環状凸起1bに首部材外郭部22aの環状凹溝2bが係合した状態において、首部材後端面2eと軸筒の肩部1cとの間に所要の間隙部Qを設けて、軸筒第一嵌合部11aに首部材内筒部22bが又、軸筒第二嵌合部11bに首部材外郭部22aの環状ビード2aが径方向で嵌合し且つ軸筒第一嵌合部11aの先端面1aが首部材段部22cの突当ビード2cに圧接するように構成されている。
【0026】軸筒1と首部材2の嵌合による軸本体Eの結合部は上記の構成により、軸筒の第二嵌合部11bと首部材外郭部22aに設けた環状ビード2aが強く嵌合して軸筒と首部材の径方向のガタ付きが無く且つ、軸筒先端部11の先端面1aに首部材段部22cに設けた突当ビード2cが圧接して軸方向のガタ付きも無く、加えて首部材後端面2eと軸筒の肩部1cとの間に所要の間隙部Qを設けてあるので、軸本体の結合部に過激な外力が加えられて仮りに結合部に曲がり生じたとしても、軸筒と首部材との嵌合部に直接的に外力が作用することなく従って、嵌合部にゆるみが生じることもなく、気密性を充分満足させ且つ堅牢性の高い結合状態を現出させ得たものである。なお、間隙部Qの必要な大きさは軸筒と首部材の大きさおよび形状により異なるものであって、首部材後端面2eと軸筒肩部1cが外力により接触すると梃子の作用でこじり力となり、これが嵌合部に伝わって嵌合状態を劣化させることになるので、外力が加わっても接触することの無い間隙部に形成することが肝要である。
【0027】従来例にみるように、気密性を確保するために首部材と軸筒の間に両者に挾圧される形で鍔部を有する筒体又はこれに代わる弾性ある材料によるパッキンを用いていたが、径方向並びに軸方向のガタ付きを無にする考えに至らなかったため、経時と共に結合機能が劣化して気密性に影響がでる不安が内在していた。本発明は、これ等筒体もしくはパッキンを首部材2と軸筒1間に介在させることなく、気密性の確保という観点については、弾力性ある材質(ナイロン6)の軸筒第一嵌合部11aに首部材内筒部22bを圧入嵌合し且つ軸筒第二嵌合部11bに首部材外郭部22aに設けた環状ビード2aを圧嵌して、径方向においてダブルに嵌合させることにより、その保証を得ると共に部品数を減少させ構造を簡素化させる効果をもたらすものである。
【0028】本発明は修正液の塗布媒体にボールを採用し、誤記部の消去や文字や描線の筆記に滑らかな使用感触が得られるよう、首部材2の先端孔2dに配設するペン先部材のボール6とボールホルダー7の関係において又、コイルスプリング8を支承する首部材の支持部2fについてそれぞれ改善を試みるものである。すなわち、図5に示すボールホルダー7は金属線材を用い、後端より先端に向け後部孔7cを穿設し、他方先端部外径を先端縁7aが所要肉厚となるようテーパー状に削肉し且つ、先端から後端に向けボール6が先端縁から充分埋没する深さのボールより僅かに大径のボールハウス7bと、後部孔に貫通するボールより僅かに小径の連通孔7dを穿設し更に、ボールをボールハウス内に装填して先端縁をかしめ加工した後、バレル研磨により先端縁7aに丸め加工を施してある。
【0029】又、ボールホルダー7に金属パイプを用いて良いことは勿論であるが要は、ボールハウス7bと連通孔7dの連結段差を小さくして、修正液3の顔料が堆積して起こるボール周辺の液詰まり現象を回避し更に、ボール6とボールホルダーを一体化してボールを単独に扱う組立時の困難性を回避すると共に、先端縁7aの丸め加工のバレル研磨において研磨石でボールを変形させないための配慮をしたことである。なお、先端縁の丸め形状を理想形にするにはかしめ角度の異なる2回かしめを行なうと良いが、実施例では80゜と最先端かしめ角を120゜(図示せず)で行ない、滑らかな使用感触が得られたものである。
【0030】更に、ボールホルダーの先端縁かしめ加工時に後部孔からロッドを挿入してボールを所定位置で支持しボールに圧接するかしめを行なうか、かしめ加工後後部孔方向からボールをハンマーロッドでハンマーリングして、先端縁内壁面をボールと同形の球面に形成(図示せず)することも、ボール周辺の液の乾燥防止に有効な手段である。
【0031】滑らかな使用感触を現出する要素となるものは、すでに記述したボールホルダー先端縁7aの丸め加工も重要であるが、ペン先より修正液3のスムーズな吐出が得られなければ無用の長物化してしまう。そこで、先記したボールホルダー7のボールハウス7bと連通孔7dの連結段差を小さくしてボール周辺の液詰まり現象を回避することが又、首部材2の先端孔2dに連通してペン先部材のコイルスプリング8を支承する支持部2fを内筒部22b内に突出して設けると共に、突出した支持部に修正液が流通する切割溝2g(図3(b)参照)を設けて、軸筒1から首部材の先端孔内に配設したペン先部材に至る修正液のスムーズな流通状態を確保することが重要になる。
【0032】これにより、修正液3は軸筒1の液収容部111より首部材2の内筒部22bに無理なく流動し更に、内筒部内に突出して設けられたコイルスプリング8の支持部2fの切割溝2gに浸入しペン先部に流入する。逆に、ペン先部を上向きにするとボール6はコイルスプリングによってボールホルダー先端縁7aの内壁面に当接して弁を閉じる形になり、ボール周辺の液を保持するものの、毛管力の弱い径大となる部分の液は自重できれいに液収容部に逆流する。従って、先記したボールホルダー先端縁の内壁面がボールと同形の球面に形成されていることもまた重要で、これによりボール周辺の液を乾燥させずに保持し、使用時のスムーズな液の吐出が得られ滑らかな使用感触が現出する。
【0033】更に本発明は、使用時に迅速,簡便に軸本体Eの首部222からキャップ5を離脱させる機能を付加するもので、図1に示したキャップ5と操作体9の関係はその一実施例である。キャップ5は頂部に内キャップを形成し首部222の先端と嵌合しペン先部を被覆して外気の流入を遮断し且つ、操作体9の固定部と嵌合して操作体を一体的に保持している。キャップにはその側面の左右対称位置に、操作体の固定部から左右に張り出した押圧部を内部から外方に突出して配する窓孔が設けてあり、開口する後端部に首部との嵌合部が設けてある(要部以外の部位を示す符号は省略してある。)。
【0034】軸本体Eの首部222に被冠されたキャップ5は、操作体9の固定部と首部先端嵌合部2kが又、開口後端部に設けた嵌合部と首部後方嵌合部2jでかなり強固に嵌着しており、軸本体と首部を持って単純に引き抜こうとしても相当な力を必要とするものである。これは先記のとおりポケット内での離脱が衣服を汚すトラブルにつながるからに他ならない。そこで本発明は、キャップの側面に軸心に向け押圧することにより首部に形成された傾斜部2hに当接して摺動し、軸本体の首部との嵌合を解除する操作体9を設けたもので、これにより頑強な首部とキャップの嵌合を迅速,簡便に離脱することを可能にしたものである。
【0035】キャップ5と操作体9の関係は上記の実施例に限るものでなく、例えば首部材2の傾斜部2hが段部を形成し、操作体9の押圧部に首部材の段部を摺動する傾斜部を形成(図示せず)したり、操作体を別体で設けることなくキャップと一体で形成(図示せず)しても良い。以上のようにキャップの側面に突出した操作体を押圧することで首部からの離脱が果たせるので、片手操作でキャップを軸本体から離脱させることもでき他方の手を自由に使える便利性をも付加したことになる。
【0036】
【発明の効果】以上のとおり本発明は、軸筒に首部材を直接嵌着して軸本体を構成する部品数の少ない簡易な構造で且つ、有機溶剤を用いる修正液を収蔵しても気密性に優れ嵌合部の堅牢性が保証され又、ボール周辺に液詰まり現象がなく液収容部からペン先までスムーズに液が流通して、軸本体への微妙な押圧力の加減に順応してペン先部から液が吐出し誤記部の訂正や文字,描線の筆記等に滑らかな使用感触が得られ更に、使用に際しては片手操作でも簡単に軸本体からキャップが離脱できる便利な機能を付加するもので、筆記具同様安心して衣服のポケットに差して携行でき且つ、筆記具同様の使用感触が得られしかも安価に製造できる筆記具タイプの修正液ペンが提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である修正液ペンの説明図である。図1(a)は側面外観図であり、図1(b)は図(a)のA−A線で断面した縦断面図である。
【図2】実施例の軸筒の説明図である。図2(a)は先端部を見た上面図である。図2(b)は一部を省略し先端部を縦断面した平面図である。
【図3】実施例の首部材の説明図である。図3(a)は拡大縦断面図であり、図3(b)は図(a)のB−B矢視線で断面した横断面図である。
【図4】実施例の軸筒と首部材の嵌合関係を示す一部切欠拡大縦断面図である。
【図5】実施例のペン先部のボールホルダーとボールとの関係を示す拡大縦断面図である。
【図6】従来例を示す縦断面図である。
【図7】従来例の説明図である。図7(a)はキャップのみ断面した修正ペンの外観図であり、図7(b)は先端部のみを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒
1a 先端面
1b 環状凸起
1c 肩部
11 先端部
11a 第一嵌合部
11b 第二嵌合部
111 液収容部
2 首部材
2a 環状ビード
2b 環状凹溝
2c 突当ビード
2d 先端孔
2e 後端面
2f 支持部
2g 切割溝
2h 傾斜部
22 嵌合部
22a 外郭部
22b 内筒部
22c 段部
222 首部
3 修正液
4 攪拌用部材
5 キャップ
6 ボール
7 ボールホルダー
7a 先端縁
7b ボールハウス
7c 後部孔
7d 連通孔
8 コイルスプリング
9 操作体
E 軸本体
Q 間隙部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボールをボールホルダーの先端縁を内向きにかしめて抱持すると共に、ボール後端をコイルスプリングで直接又は押圧部材を介して押圧し、該ボールの一部をボールホルダーの先端縁から外方に突出するように構成したペン先部材を、首部材の先端孔内に配設すると共に、該首部材の嵌合部を、修正液と攪拌用部材を収蔵した可撓性を有する軸筒の先端部に嵌着させた軸本体の更に、その首部にキャップを被冠させて成る修正液ペンにおいて、前記軸筒(1)の先端部(11)を、先端面(1a)で開口する円筒形の第一嵌合部(11a)と、該第一嵌合部と液収容部(111)の間に第一嵌合部より大径で液収容部より小径の横断面形状が円あるいは偏平状の楕円形等で且つ、その外側面に環状凸起(1b)を設けた第二嵌合部(11b)に形成し、他方前記首部材(2)の嵌合部(22)を、当該軸筒先端部(11)の第二嵌合部(11b)に嵌着する内壁面が第二嵌合部と同形で且つ環状凸起(1b)に係合する環状凹溝(2b)と該環状凹溝より先端寄り位置に第二嵌合部外径より小径の軸心に向かって突起した環状ビード(2a)を設けた外郭部(22a)と、第一嵌合部(11a)に圧入嵌合する第一嵌合部内径より大径の内筒部(22b)に形成し更に、該内筒部が外郭部と連結する段部(22c)に環状に突起させた突当ビード(2c)を設けて、軸筒第二嵌合部(11b)の環状凸起(1b)に首部材外郭部(22a)の環状凹溝(2b)が係合した状態において、首部材後端面(2e)と軸筒の肩部(1c)との間に所要の間隙部(Q)を設けて、軸筒第二嵌合部(11b)に首部材外郭部(22a)の環状ビード(2a)が嵌合し且つ軸筒第一嵌合部(11a)の先端面(1a)が首部材段部(22c)の突当ビード(2c)に圧接するように構成したことを特徴とする修正液ペン。
【請求項2】 前記ペン先部材のボールとボールホルダーの構成にあって、ボールホルダー(7)を先端から後端に向けボール(6)が先端縁(7a)から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径のボールハウス(7b)と、後部孔(7c)に貫通するボール径より僅かに小径の連通孔(7d)に形成し、ボールをボールハウス内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨により先端縁(7a)に丸め加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の修正液ペン。
【請求項3】 上記の首部材(2)にあって、その先端孔(2d)に連通してペン先部材のコイルスプリング(8)を支承する支持部(2f)を該首部材(2)の内筒部(22b)内に突出して設けると共に、突出した支持部(2f)に修正液(3)が流通する切割溝(2g)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の修正液ペン。
【請求項4】 軸本体の首部から引き抜くことにより離脱する嵌合構造を有する前記キャップ(5)にあって、その側面に、軸心に向け押圧することによりキャップが嵌合する軸本体(E)の首部(222)に形成された傾斜部(2h)又は段部に当接して摺動し首部との嵌合を解除する操作体(9)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の修正液ペン。
【請求項1】 ボールをボールホルダーの先端縁を内向きにかしめて抱持すると共に、ボール後端をコイルスプリングで直接又は押圧部材を介して押圧し、該ボールの一部をボールホルダーの先端縁から外方に突出するように構成したペン先部材を、首部材の先端孔内に配設すると共に、該首部材の嵌合部を、修正液と攪拌用部材を収蔵した可撓性を有する軸筒の先端部に嵌着させた軸本体の更に、その首部にキャップを被冠させて成る修正液ペンにおいて、前記軸筒(1)の先端部(11)を、先端面(1a)で開口する円筒形の第一嵌合部(11a)と、該第一嵌合部と液収容部(111)の間に第一嵌合部より大径で液収容部より小径の横断面形状が円あるいは偏平状の楕円形等で且つ、その外側面に環状凸起(1b)を設けた第二嵌合部(11b)に形成し、他方前記首部材(2)の嵌合部(22)を、当該軸筒先端部(11)の第二嵌合部(11b)に嵌着する内壁面が第二嵌合部と同形で且つ環状凸起(1b)に係合する環状凹溝(2b)と該環状凹溝より先端寄り位置に第二嵌合部外径より小径の軸心に向かって突起した環状ビード(2a)を設けた外郭部(22a)と、第一嵌合部(11a)に圧入嵌合する第一嵌合部内径より大径の内筒部(22b)に形成し更に、該内筒部が外郭部と連結する段部(22c)に環状に突起させた突当ビード(2c)を設けて、軸筒第二嵌合部(11b)の環状凸起(1b)に首部材外郭部(22a)の環状凹溝(2b)が係合した状態において、首部材後端面(2e)と軸筒の肩部(1c)との間に所要の間隙部(Q)を設けて、軸筒第二嵌合部(11b)に首部材外郭部(22a)の環状ビード(2a)が嵌合し且つ軸筒第一嵌合部(11a)の先端面(1a)が首部材段部(22c)の突当ビード(2c)に圧接するように構成したことを特徴とする修正液ペン。
【請求項2】 前記ペン先部材のボールとボールホルダーの構成にあって、ボールホルダー(7)を先端から後端に向けボール(6)が先端縁(7a)から充分埋没する深さのボール径より僅かに大径のボールハウス(7b)と、後部孔(7c)に貫通するボール径より僅かに小径の連通孔(7d)に形成し、ボールをボールハウス内に装填して先端縁を内向きにかしめ加工した後、バレル研磨により先端縁(7a)に丸め加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の修正液ペン。
【請求項3】 上記の首部材(2)にあって、その先端孔(2d)に連通してペン先部材のコイルスプリング(8)を支承する支持部(2f)を該首部材(2)の内筒部(22b)内に突出して設けると共に、突出した支持部(2f)に修正液(3)が流通する切割溝(2g)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の修正液ペン。
【請求項4】 軸本体の首部から引き抜くことにより離脱する嵌合構造を有する前記キャップ(5)にあって、その側面に、軸心に向け押圧することによりキャップが嵌合する軸本体(E)の首部(222)に形成された傾斜部(2h)又は段部に当接して摺動し首部との嵌合を解除する操作体(9)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の修正液ペン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開平9−290598
【公開日】平成9年(1997)11月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−128982
【出願日】平成8年(1996)4月25日
【出願人】(000005027)株式会社パイロット (6)
【公開日】平成9年(1997)11月11日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)4月25日
【出願人】(000005027)株式会社パイロット (6)
[ Back to top ]