説明

修理ノズル

本発明は、修理ノズルに関しており、該修理ノズル(10、20)は、自動車部門において使用できる接着剤及び/又は封止剤(115)を、関連するカートリッジ銃(100)を用いて、該接着剤及び/又は封止剤を含むカートリッジ(113)から、放出する修理ノズル(10、20)であって、カートリッジ(113)に対して修理ノズル(10、20)を取り外し可能に固定するための手段と、カートリッジ銃(100)に静止させるための突出カラー(16、26)とを備えている、近位生成物供給端部(11、21)を有し、且つ接着剤及び/又は封止剤のビードを放出するための細長孔状開口(13、23)を備えている、遠位生成物放出端部(12、22)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部門における構造物のための接着剤及び/又は封止剤のビードを、生成するための、特に再作成し且つ修復するための、ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車部門の大量生産において、そのようなビードは、塗布ロボットによって自動的に塗布されている。ビードは、板金部、又は雑音や温度に対する絶縁体を接着するのに役立つか、封止のために用いられる。ロボットノズルは、大量生産の間に不良ロボットノズルによる塗布ロボットの失敗を防止するために、一般に金属で作られており、長い耐用年数を持っているに違いない。例えば、自動車部門における不良構造物を再作成し且つ修復するための、接着剤及び/又は封止剤の次の塗布は、特に事故が発生した後では、ロボットノズルを用いた既知のやり方では不可能である。補修部品市場は、特にほとんどの自動車販売店において、それらの処理において必要な塗布ロボットを持っていない。加えて、特別な塗布のための特別なロボットノズルを購入することは、まさに、ロボットノズルの高いコストのため、補修部品市場にとって、特に修理市場においては、賢明なことではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえに、本発明の目的は、大量生産された構造物を修復又は再生するために、自動車部門における接着剤及び/又は封止剤を放出する、補修部品市場のため、特に修理市場のための、ノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この本発明は、請求項1の特徴によって達成される。
【0005】
本発明の都合の良い構成は、下位請求項に示されている。
【0006】
本発明の背後にある基本概念は、自動車部門において使用できる接着剤及び/又は封止剤を、関連するカートリッジ銃を用いて、カートリッジ及び/又は筒状袋又は膜袋から、放出する修理ノズルの使用である。カートリッジ銃は、例えば、カートリッジにノズルを取り外し可能に固定する手段と、カートリッジ銃及び/又はカートリッジ自体に静止させるための突出カラーとを備えた、近位生成物供給端部と、接着剤及び/又は封止剤のビードを放出するための細長孔状開口を備えている、遠位生成物放出端部とを、有するようなカートリッジ銃である。
【0007】
用いられる接着剤及び/又は封止剤は、好ましくは、特に自動車部門における大量生産で通常用いられる、高粘度の接着剤及び/又は封止剤である。これらの接着剤及び/又は封止剤は、カートリッジの中に含まれている。これらのカートリッジは、例えば、プラスチック材料又はアルミニウム材料からなっている。概して、カートリッジは、筒状体、カートリッジ内に含まれている接着剤及び/又は封止剤を出すための一端部に設けられるピストンと、接着剤及び/又は封止剤を放出するための反対側の端部に設けられる開口と、を備えている。ピストンは、接着剤及び/又は封止剤が放出されるように、カートリッジの内側に力を加えることによって変位する。言うまでもなく、当業者に知られている特に筒状袋として知られている、同様の適当な容器、を用いることができる。後者の筒状袋の場合、既知の補助器具の使用は、本発明に係るノズルを固定するのに適当であり、ノズルの取り外し可能な固定のための手段は、筒状袋に係合するのではなく、むしろ補助器具に係合するようになっている。
【0008】
例えば、筒状袋及び/又はカートリッジ銃のような放出用の銃は、特に空気圧の銃であり、接着剤及び/又は封止剤は、空気圧システムによりノズルを通じてカートリッジから放出される。これらの銃は、特に、本発明に係る修理ノズルの使用に適している。というのは、多くの自動車販売店において、圧搾空気が入手でき、ユーザーに接着剤及び/又は封止剤の省電力の放出を可能にさせる。特に使用に適しているのは、国際特許出願PCT/EP2006/004600号に記載されるような、低粘度材料を糊のように放出するための特殊な圧搾空気銃である。カートリッジ銃に関する態様に関する限り、明示された引用に対して参照が行われても良く、明示された引用の開示内容は、この点で、本特許出願の開示を補足する。当業者に知られている純粋に機械的に作動するカートリッジ銃を用いることも、可能である。ここで、例えば、圧搾空気が利用可能ではない領域における使用は、適当である。しかし、空気圧で作動するカートリッジ銃の使用が好ましい。というのは、特に、自動車部門において、高度に糊のような接着剤及び/又は封止剤がしばしば塗布されており、純粋に機械的に作動する銃よりも高い圧搾圧力を生み出すことができる、特別な空気圧のカートリッジ銃の使用が、特に適している。
【0009】
修理ノズルは、好ましくは、プラスチックから作られる。好ましくは、修理ノズルは、使い捨ての製品である。接着剤及び/又は封止剤の放出の後、ノズルは、このように処分される。この場合、ノズルの洗浄は行われず、労働時間が回避され、且つ接着剤及び/又は封止剤を除去するための更なる補助装置や洗浄用物質なしで、行うことができる。ノズルをカートリッジに対して取り外し可能に固定する手段は、好ましくは、近位生成物供給端に設けられている。特に、それは、ネジ領域であってもよく、該ネジ領域は、ノズルをカートリッジに固定するために、カートリッジの対応する対応するネジ領域に係合する。加えて、突出カラーは、好ましくは、修理ノズルをカートリッジ銃に支持する近位生成物供給端の領域に設けられている。修理ノズルを使用するために、後者は、好ましくは、前記接続手段を通じてカートリッジに固定され、カートリッジと一緒にカートリッジ銃の中に挿入される。この場合、修理ノズルは、少なくとも遠位端において、カートリッジ銃の開口の外側に突出する。修理ノズルの開口が、近位端で、開口を画定するカートリッジ銃の部分にあるように、開口の寸法が決定されている。このため、開口は、好ましくは、修理ノズルのカラーよりも小さい。カートリッジから接着剤及び/又は封止剤を放出するために、後者が、カートリッジ銃を通じて圧力にさらされるとき、修理ノズルを有するカートリッジは、修理ノズルの遠位生成物放出端の方向に、押される。修理ノズルの突出カラーの結果として、修理ノズルがカートリッジ銃に寄り掛かるようになり、修理ノズルを有するカートリッジの変位が妨げられ、接着剤及び/又は封止剤が修理ノズルを通じて放出されるようになる。
【0010】
修理ノズルは、接着剤及び/又は封止剤のビードを放出するために、遠位生成物放出端に細長孔状開口を備えている。この細長孔状開口は、広いビードを塗布するのに特に有利であると分かっており、回路基板が接着剤及び/又は封止剤を用いて広い領域で塗られ、優れた接着及び/又は封止効果が達成されるようになっている。好ましくは、接着剤及び/又は封止剤は、修理ノズルを用いて、大きな隙間のある寸法を有する領域には塗布されず、細長孔状開口の使用が特に適するようになっている。本発明に係る修理ノズルを用いて自動車部門において塗布されるビードは、板金部を接着するのに、又は雑音や温度の絶縁に、又は音や振動を吸収するのに役立つか、封止のために用いられる。
【0011】
本発明に係る修理ノズルの使用は、多くの利点をもたらす。特に、自動車部門における大量生産という背景において、自動的に生産される構造物は、例えば、補修部品市場及び特に修理市場における修理の場合に、自動車販売店によって、再作成され又は修復される。そのような構造物に対する事故損害は、特にこの方法で修理されるであろう。塗布ロボットの使用は、構造物を生産するために接着剤及び/又は封止剤を塗布するための大量生産において必要であるが、省略されても良い。本発明に係る修理ノズルを用いることによって、自動車部門において標準として用いられており、大量生産において自動的に塗布される、接着剤及び/又は封止剤は、その後、特に修理の場合に、例えば自動車販売店のような、補修部品市場において塗布される。修理ノズルの細長孔状開口は、更なる利点を有している。細長孔状の設計は、特定の接着剤及び/又は封止剤のビードが放出されることを許容する。ビードは、細長孔状開口のため、その高さとの関連で相対的に幅が広い。ビードは、綺麗に寸法が整えられた波打つ平らなビードであり、すなわち、ビードの幅及び/又は高さ及び/又は外観は、独自に生産されるような、接着剤及び/又は封止剤のビードの設計に対応しており、これまではロボットの塗布によってのみ実現されていた。修理ノズルを通って放出される接着剤及び/又は封止剤のビードを用いた、プロセスにおいて、更に、スプレーのしすぎはない。このため、出願人は、接着剤及び/又は封止剤のビードを、鋭く、すり切れない端部を用いて得ている。更に、細長孔状開口は、連続的なフィルムを示す接着及び/又は封止領域を提供するのに用いられ、このため改善された接着又は封止を提供する。
【0012】
修理ノズルを用いることの更なる利点は、近位生成物供給端から遠位生成物放出端まで修理ノズルを通って放出される接着剤及び/又は封止剤を運ぶための生成物経路、及び遠位生成物放出端に形成される端部キャップを備えており、細長孔状開口を備えており、端部キャップは、ノズルの遠位方向において湾曲している。この形状は、特に有利であることが分かっている。生成物経路は、好ましくは、近位生成物供給端から遠位生成物放出端に向けて先細りであり、生成物経路内における接着剤及び/又は封止剤の流速を増大させる。わずかな先細りは、生成物経路の内壁に対する摩擦により、接着剤及び/又は封止剤によって得られる圧力低下を補償するのにも適している。近位生成物供給端の方向において湾曲している端部キャップを有する修理ノズルを備えることは、特に、単純な修理ノズルの製造を可能にする。特に、射出成形工程を用いてプラスチックから製造される修理ノズルを離型することは、湾曲した端部キャップによって著しく単純化される。更に、湾曲した端部キャップを有する修理ノズルは、優れた流動特性を示し、修理ノズル内の接着剤及び/又は封止剤によって得られる圧力低下が減少するようになっている。ノズル形状は、特に塗布に適しており、接着剤及び/又は封止剤のビードに適合しない寸法は、製造されない。例えば、特殊な修理ノズルが用いられており、そこで修理ノズルは、放出される接着剤及び/又は封止剤のための及び/又は特例の使用のための作成済みの細長孔状開口を備えている。そのような修理ノズルを用いることによって、ユーザーは、放出される接着剤及び/又は封止剤のための及び/又は特例の使用のための正確な細長孔状開口を、全ての場合において、提供される。
【0013】
遠位生成物放出端で湾曲した端部キャップを使用することの更なる利点は、湾曲した端部キャップの湾曲の頂上部に広がっている細長孔状開口を備えることである。ここでは、湾曲の頂上部は、湾曲した端部キャップの点であって、端部キャップが修理ノズルの遠位方向において最も遠くに突出している点を意味すると理解されるべきである。湾曲の頂上部に広がっている細長孔状開口の拡張は、特に、流れの観点から有利である。接着剤及び/又は封止剤が放出されるとき、細長孔状開口のために、所々で横方向にも放出される。このため、ユーザーは、湾曲した端部キャップなしで遠位生成物放出端の領域において修理ノズルの寸法よりも純粋に広い生成物ビードを得る。
【0014】
湾曲した端部キャップを有する修理ノズルの別案として、修理ノズルは、生成物供給端から生成物放出端に接着剤及び/又は封止剤を運ぶための生成物経路、生成物経路に形成され且つ細長孔状開口を有する端部領域を備えても良い。端部領域は、遠位方向に台形状に広がっており、台形状端部領域の底面は、遠位生成物放出端に配置されている。ここで、生成物経路は、好ましくは、近位生成物供給端から遠位生成物放出端の方向に先細りになっている。これは、生成物経路内の接着剤及び/又は封止剤の流速を増大させるため、生成物経路の内壁に対して摩擦により、接着剤及び/又は封止剤によって得られる圧力損失を補償するためである。好ましくは、台形状端部領域は、遠位生成物放出端において中空であり、台形状端部領域の底面は、遠位生成物放出端における細長孔状開口を形成している。言うまでもなく、細長孔状開口は、底面の部分にのみによって形成されても良い。この構成の端部領域を備える場合、修理ノズルは、極めて広い接着剤及び/又は封止剤のビードを放出するために、特に広い細長孔状開口を備えても良い。端部領域の台形状設計は、更なる利点を持っている。台形状端部領域がもはや遠位方向にここまで広がらないような方法で、端部領域の一部を除去することによって、台形状端部領域はユーザーにより寸法を変えるように切断することが可能である。端部領域の台形状設計のため、端部領域の遠位領域を切除することは、端部領域の底面の大きさにおける減少に関係する。上述の中空端部領域の場合、大きさを変更するための上述の切除は、そのとき底面に広がっている細長孔状開口の大きさの減少を招く。大きさを変更するために一旦端部領域が切除されると、底面は新しい。このように、ユーザーは修理ノズルを提供され、細長孔状開口は、大きさを変更するために端部領域を切除することによって、放出される接着剤及び/又は封止剤の生成物ビードに適合される。この目的を達成するために、印及び/又は記入及び/又は好ましくは切除を補助するための切断線が、修理ノズルに、特に端部領域に設けられている。切断線で、端部領域の部分が、特別な細長孔状開口を得るために、ユーザーによって切除される。特に自動車部門にとって、端部領域の台形状設計は、特別な利点を証明している。ここで、端部領域は、細長孔状開口のために、1cmと12cmとの間の幅が確立されるような方法で、寸法を変更するように切除される。そのような領域を伴った、多目的修理ノズルが提供され、該多目的修理ノズルは、特に自動車部門において最も一般的なビード幅をカバーし、多目的修理ノズルが有する共通の構造は、修復され且つ再作成される。
【0015】
生成物経路を有するノズルを提供する更なる利点は、少なくとも所々における、生成物経路の回転対称の配置である。ここで、回転軸は、近位生成物供給端から遠位生成物放出端に伸びている。
【0016】
少なくとも所々における、生成物経路の回転対称の配置の更なる利点は、生成物経路の回転軸に広がる細長孔状開口の供給である。
【0017】
更なる利点は、自動車部門における構造物を修復するための修理システムを提供することである。修理システムは、修理ノズル、カートリッジ銃、及び接着剤及び/又は封止剤を含むカートリッジを備えている。修理ノズルは、近位生成物供給端及び遠位生成物放出端を備えている。近位生成物供給端に、接着剤及び/又は封止剤を含むカートリッジに固定するための手段が備えられている。突出カラーは、カートリッジから接着剤及び/又は封止剤を放出するために、カートリッジ銃及び/又はカートリッジそれ自体に静止させるために設けられている。細長孔状開口が、遠位生成物放出端に設けられている。修理システムは、自動車部門における構造物を修復し及び/又は再作成するための接着剤及び/又は封止剤のビードを与えるためのものである。このようなシステムを用いて、ユーザーは、例えば塗布ロボットを用いることなく、自動的に大量生産された構造物を、再作成し及び/又は修復できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明に係る、湾曲端部領域を有する修理ノズルの斜視図を示している。
【図2】図2は、本発明に係る、台形端部領域を有する修理ノズルの別実施形態の斜視図を示している。
【図3】図3は、カートリッジ銃、カートリッジ、及び図2の修理ノズルを有する修理システムの一部断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、図面を参照する例を用いて、以下に詳細に説明されている。
【0020】
図1は、本発明に係る修理ノズル10を示しており、修理ノズル10は、自動車部門において用いられる、カートリッジからの接着剤及び/又は封止剤を、放出するために用いられる。カートリッジは、図示されておらず、図示されぬ、関連するカートリッジ銃を用いて、接着剤及び/又は封止剤を含んでいる。修理ノズル10は、近位生成物供給端部11と、基板上に接着剤及び/又は封止剤を放出するための遠位生成物放出端部12とを備えている。近位生成物供給端部11で、修理ノズル10をカートリッジに取り外し可能に固定できる。近位生成物供給端部11に、少なくとも所々において回転軸15の周りで実質的に回転対称である生成物経路14が、設けられている。生成物経路14は、近位生成物供給端部11と遠位生成物放出端部12との間における、接着剤及び/又は封止剤のための接続を、構成している。生成物経路14は、図示されぬ雌ネジを備えており、修理ノズル10が、対応する雄ネジを有するカートリッジに固定できるようになっている。接着剤及び/又は封止剤を放出するために、端部キャップ17が遠位生成物放出端部12に設けられており、端部キャップ17は、接着剤及び/又は封止剤を放出するための細長孔状開口13を備えている。端部キャップ17は、修理ノズル10の遠位方向で湾曲しており、細長孔状開口13は、湾曲した端部キャップ17の湾曲の頂上部に広がっている。その上、典型的な本実施形態では、回転軸15は、細長孔状開口13を通って伸びている。細長孔状開口13を用いて、接着剤及び/又は封止剤のビードを放出でき、放出されるビードは、基板上に塗布幅と比べて小さな塗布高さを有している。このことは、自動車部門における部品の接着にとって特に大幅な利点を持っている。というのは、基板の可能な最大領域に、十分な接着及び/又は封止の効果を達成するために、接着剤及び/又は封止剤が供給されるべきであり、接着剤及び/又は封止剤の層の厚さは、できる限り小さくするべきである。その上、湾曲した端部キャップ17を用いることによって、且つ端部キャップ17の湾曲の頂上部に広がる細長孔状開口13の輪郭により、比較的広いビードの放出を確実に行うことができる。というのは、接着剤及び/又は封止剤が細長孔状開口13の端部領域だけでなく、一部分において回転軸15に対する半径方向外側に、放出されるためである。更に、近位生成物供給端部11にカラー16が設けられており、カラー16は、回転軸15に対する半径方向外側に突出し、カートリッジ銃及び/又はカートリッジ自体に対して、修理ノズル10を支持するのに役立っている。
【0021】
図2は、近位生成物供給端部21及び遠位生成物放出端部22を有する修理ノズル20の別実施形態を示している。遠位生成物放出端部22で修理ノズル20は、生成物経路24を備えており、生成物経路24は、回転軸25の周りで回転対称である。台形端部領域27は、遠位生成物放出端部22の方向で生成物経路24に隣接しており、台形端部領域27は、細長孔状開口23を備えている。台形端部領域27は、底面28が遠位生成物放出端部22に配置されるように、構成されている。細長孔状開口23は、台形端部領域の底面28に広がっている。更に、近位生成物供給端部21にカラー26が設けられており、カラー26は、回転軸15に対する半径方向外側に突出し、カートリッジ銃に対して、修理ノズル10を支持するのに役立っている。台形端部領域27は、底面28と平行な平面上に配置される複数の切断線29を備えている。これらの切断線29は、マークを構成しており、そのマークでユーザーが台形端部領域27の一部を切断できる。台形端部領域27のため、遠位生成物放出端部22で切断された部分は、底面28の寸法を減少させる。したがって、台形端部領域27の切断された部分は、底面28の寸法を減少させることによって、底面28に広がっている細長孔状開口23の寸法の減少をも招く。このように、台形端部領域27の部分を切断することによって、ユーザーは、細長孔状開口23の寸法が放出される接着剤及び/又は封止剤に、又は望ましいビードの寸法に、適合するように、細長孔状開口23の寸法を変更できる。
【0022】
図3に示される、自動車部門における構造物を再作成し且つ修復するための修理システムは、図2に示される台形修理ノズル20、カートリッジ銃100、及び接着剤及び/又は封止剤115を含んでいるカートリッジ113を備えている。言うまでもなく、別の修理ノズル20、例えば、生成物放出端部に形成され且つ細長孔状開口を備えた端部キャップを有する、図1に示された修理ノズルが用いられても良い。この端部キャップは、ノズルの遠位方向において湾曲している。
【0023】
カートリッジ銃100は、ハンドル101を備えており、ハンドル101は、ユーザーがカートリッジ銃100を操作し管理することを可能にしている。この目的のために、ハンドル101は、握り領域106を備えており、握り領域106は、ユーザーに、このシステムを用いて作業するときに信頼できる把持を与えるように、滑り止め手段を備えるか又は人間工学的な形状を有している。ハンドル101は、取付台領域104を備えており、取付台領域104において受入ユニット103がハンドル101に結合している。受入ユニット103は、中空の筒形状を有しており、放出される接着剤及び/又は封止剤115で満たされるカートリッジ113を受け入れるのに役立つ。生成物は、受入ユニット103の放出端部110で放出される。この目的のため、測定装置102がハンドル101に設けられており、測定装置102を用いて、ユーザーは、カートリッジ113に含まれている接着剤及び/又は封止剤115の放出を調節できる。典型的な本実施形態では、カートリッジ銃100は、空気圧により作動しており、接着剤及び/又は封止剤115の放出は、圧搾空気の使用によって可能になっている。この目的のために、圧搾空気ポート107がハンドル101に設けられている。ユーザーは、圧力媒体、例えば圧縮器を、圧搾空気ポート107に接続できる。圧力は、ハンドル101に固定された圧力調整器108により調整される。ハンドル101に設けられた圧力計109を用いて、ユーザーは、カートリッジ銃100に掛かっており且つ圧力調整器108によって調整される圧力を、読み取ることができる。接着剤及び/又は封止剤115の放出のための圧力を調整するために、測定ユニット102は、作動レバー105を用いて操作でき、作動レバー105はハンドル101に取り付けられており、ハンドル101に向かって旋回できる。カートリッジ113内に位置する接着剤及び/又は封止剤115の放出は、作動レバー105の旋回の程度及び圧力調整器108で設定された圧力によって、調整される。受入ユニット103内に、接着剤及び/又は封止剤115を放出するために、図示されぬ推進要素が設けられている。推進要素は、受入ユニット103の内部で変位できる。推進要素に圧力を加えることによって、後者は変位され、且つ、後者は、受入ユニット103の放出端部110の方に、受入ユニット103内に配置され、放出される接着剤及び/又は封止剤115を有するカートリッジ113を押す。受入ユニット103は、放出端部110に閉鎖キャップ111を備えている。典型的な本実施形態では、この閉鎖キャップ111は、円筒状の受入ユニット103にネジ山を通じて結合しており、中空円筒状の受入ユニット103と同軸に整列された開口112を備えている。この開口112を通じて、接着剤及び/又は封止剤115は、受入ユニット103に位置しているカートリッジ113から放出される。加えて、典型的な本実施形態において、台形修理ノズル20が用いられているシステムにおける開口112は、開口112が閉鎖キャップ111に対して半径方向外側に広がる細長孔を備えるように、構成されている。台形修理ノズル20が取り付けられるところで、閉鎖キャップ111が、受入ユニット103に取り付けられるように、修理ノズル20の台形端部領域27を越えて押し込まれるように、細長孔の大きさが決まっている。
【0024】
作業を開始するシステムを用意するために、修理ノズル20は、カートリッジ113に結合されている。この目的のために、カートリッジ113は、雄ネジ114を備えており、雄ネジ114は、修理ノズル20の生成物経路24上の対応する雌ねじに係合できる。このシステムを用いた作業を開始するために、カートリッジ113は、修理ノズル20が受入ユニット103の外側に突出するように、受入ユニット103内の空洞内に導入される。その後、閉鎖キャップ111は、修理ノズル20の台形端部領域27を越えて押し込まれ、上述したネジ固定により、受入ユニット103に接続される。修理ノズル20が取り付けられたときに、生成物経路24を有する修理ノズル20は、受入ユニット103の外側に開口111を通って突出している。接着剤及び/又は封止剤115を放出するために、図示されぬ推進要素に圧力を加えることによって、カートリッジ113は、放出端部110の方に押されて、閉鎖キャップ111に対して静止する。修理ノズル20の確実な保持を確かにするため、カラー26が設けられている。前記カラーは、閉鎖キャップ111内の開口112よりも大きくなっており、導入された圧力に起因するカートリッジ113の移動及びこれにより修理ノズル20の移動が発生した場合、修理ノズル20が閉鎖キャップ111に対して静止することが確実となっている。前記静止の配置のため、加えられる圧力は、修理ノズル20と一緒にカートリッジ113を移動させることはなく、むしろ、カートリッジ113の内側の推進要素を移動させ、接着剤及び/又は封止剤115が、カートリッジ113の外側に押されて、修理ノズル20の生成物経路24に入り、最終的に細長孔状開口23を通って放出されるようになっている。接着剤及び/又は封止剤115のための望ましいビードの幅を調節するために、ユーザーは、台形端部領域27上の切断線29によって予め決定され、且つ再作成される構造物及び/又は接着剤及び/又は封止剤115に対応する、修理ノズル20の領域を除去できる。このようにして、端部領域27の台形の設計により、開口23は、台形端部領域27からユーザーが除去すればするほど小さくなるようになっている。本システムを用いて、接着剤及び/又は封止剤115の非常に広い幅のビードが、細長孔状開口23を有する修理ノズル20の使用により、放出できる。ここで、ビードの高さはできる限り小さく保たれている。このように、できる限り広い基板上のぬれ領域に適用されるビードは、自動車部門において自動的に生産される構造物の、優れた接着性結合及び/又は封止を可能とし、再作成及び/又は修復を可能とする。
【符号の説明】
【0025】
10 修理ノズル
11 生成物供給端
12 生成物放出端
13 開口
14 生成物経路
15 回転軸
16 カラー
17 端部キャップ
20 修理ノズル
21 生成物供給端
22 生成物放出端
23 開口
24 生成物経路
25 回転軸
26 カラー
27 台形状端部領域
28 底面
29 切断線
100 カートリッジ銃
101 ハンドル
102 測定手段
103 受入ユニット
104 取付台領域
105 作動レバー
106 握り領域
107 圧搾空気接続部
108 圧力調整器
109 圧力計
110 放出端部
111 閉鎖キャップ
112 開口
113 カートリッジ
114 雄ネジ
115 接着剤及び/又は封止剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車部門において使用できる接着剤及び/又は封止剤(115)を、関連するカートリッジ銃(100)を用いて、該接着剤及び/又は封止剤を含むカートリッジ(113)から、放出する修理ノズル(10、20)であって、
カートリッジ(113)に対して修理ノズル(10、20)を取り外し可能に固定するための手段と、カートリッジ銃(100)に静止させるための突出カラー(16、26)とを備えている、近位生成物供給端部(11、21)を有し、且つ
接着剤及び/又は封止剤のビードを放出するための細長孔状開口(13、23)を備えている、遠位生成物放出端部(12、22)を有している、修理ノズル(10、20)。
【請求項2】
接着剤及び/又は封止剤(115)を生成物供給端部(11、21)から生成物放出端部(12、22)まで運ぶ、生成物経路(14、24)が備えられており、
細長孔状開口(13、23)を備える端部キャップ(17)が、生成物放出端部(12)に形成されており、修理ノズル(10、20)の遠位方向において湾曲している、請求項1に記載の修理ノズル(10、20)。
【請求項3】
細長孔状開口(13、23)は、湾曲した端部キャップ(17)の湾曲の頂上部に広がっている、請求項2に記載の修理ノズル(10、20)。
【請求項4】
接着剤及び/又は封止剤(115)を生成物供給端部(11、21)から生成物放出端部(12、22)まで運ぶ、生成物経路(14、24)が備えられており、
細長孔状開口(13、23)を備える端部領域(27)が、生成物放出端部(12)に形成されており、遠位方向において台形状に広がっており、台形端部領域(27)の底面(28)が遠位生成物放出端部(12)に配置されている、請求項1に記載の修理ノズル(10、20)。
【請求項5】
生成物経路(14、24)は、少なくとも所々において回転軸(15、25)の周りに回転対称となるように構成されている、請求項2から4のいずれか1つに記載の修理ノズル(10、20)。
【請求項6】
細長孔状開口(13、23)は、生成物経路(14、24)の回転軸(15、25)に広がっている、請求項5に記載の修理ノズル(10、20)。
【請求項7】
自動車部門における構造物を修復するための、修理ノズル(10、20)、カートリッジ銃(100)、及び接着剤及び/又は封止剤(115)を含むカートリッジ(113)からなっている、修理システムであって、
修理ノズル(10、20)は、近位生成物供給端部(11、21)及び遠位生成物放出端部(12、22)を備えており、
近位生成物供給端部(11、21)において、接着剤及び/又は封止剤(115)を含むカートリッジ(113)に固定するための手段が備えられており、
カートリッジ(113)から接着剤及び/又は封止剤(115)を放出するカートリッジ銃(100)に静止させるための、突出カラー(16、26)が備えられており、
自動車部門における構造物を修復する接着剤及び/又は封止剤のビードを与えるための、細長孔状開口(13、23)が、遠位生成物放出端部(12、22)に備えられている、修理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−501836(P2012−501836A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526439(P2011−526439)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059461
【国際公開番号】WO2010/028900
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】