説明

修理ノズル

本発明は、自動車分野で使用することのできる粘性材料(315)を、前記材料を蓄える容器(313)から、近位生成物供給端部(101、201)を有する関連する放出銃(300)を用いて、放出するための修理ノズル(100、200)に関しており、該修理ノズル(100、200)は、修理ノズル(100、200)を容器(313)上に着脱可能に固定するための手段(114、211)と、修理ノズル(100、200)と容器(313)との間にシーリング機能をもたらすための少なくとも1つのシール要素(109、115、209、212)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車分野における、異なる表面構造を有する、特に接着剤及び/又は封止剤の材料ビーズを生成、特に再生および再形成および修復するためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車分野の大量生産において、このようなビーズは、塗布ロボットにより自動的に塗布される。該ビーズは、シート状金属パーツを接着接合するように、または、防音または断熱として作用し、あるいはシーリングとして使用される。使用される塗布ノズルまたはロボットノズルは、大量生産中の、欠陥のある塗布ノズルによる、塗布ロボットの故障を防ぐために、一般に、金属で製造され、および耐用年数が長くなければならない。例えば、自動車分野において、特に、事故後に、そのような構造を再生または再形成するための、接着剤及び/又は封止剤の後からの塗布は、塗布ノズルを用いた既知の塗布方法では不可能である。アフターマーケット、特にほとんどの自動車工場は、自由に使える必須の塗布ロボットを持っていない。また、その用途のために特定の塗布ノズルを購入することも、アフターマーケット、特に修理市場にとっては、高コストの塗布ノズルにより実用的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、アフターマーケット用、および特に修理市場用の、大量生産によって形成された構造を再生または修復するために、自動車分野における粘性材料を放出するためのノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、クレーム1の特徴によって実現される。
【0005】
本発明の有利な実施形態は、従属クレームによって示されている。
【0006】
本発明の基本的なアイデアは、関連する放出銃を用いて、自動車分野で使用可能な粘性材料を、粘性材料を収容できる例えば、カートリッジまたはチューブ状ポーチあるいはフィルム状ポーチ等の容器から放出する修理ノズルを用いることである。その修理ノズルは、その容器に修理ノズルを着脱可能に固定するための手段を具備する近位生成物供給端部と、その修理ノズルと容器との間にシーリング機能をもたらすための少なくとも1つのシール要素とを具備する。
【0007】
使用される粘性材料は、粘性または高粘性あるいはペースト状とすることも可能である、特に、自動車分野におけるアフターマーケット及び/又は大量生産において既知の接着剤及び/又は封止剤及び/又はノイズ減衰及び/又は振動減衰材料とすることができる。これらの材料は、容器に収容される。具体的には、例えば、プラスチック材料またはアルミニウムで形成できる既知のカートリッジが、使用される容器として考えられる。そのカートリッジは、通常、円筒形本体と、そのカートリッジに収容された接着剤及び/又は封止剤を押出すために、一方の端部に設けられている可動ピストンと、該粘性材料の放出のために、反対側の端部に設けられているアウトレット開口部とを具備する。そのピストンは、粘性材料を放出できるように、力の衝突によってそのカートリッジの内部で変位される。「容器」という一般用語は、当業者には既知の同様の適当な容器の使用、具体的には、既知のフィルム状ポーチ及び/又はチューブ状ポーチの使用を包含するように理解すべきである。
【0008】
使用に適した放出銃は、具体的にはカートリッジ銃である。空気圧作動ガンを用いることが好適であり、この場合、粘性材料は、空気圧装置を用いて、ノズルを介してその容器から放出することができる。これらのガンは、ほとんどの自動車工場で圧縮空気が入手可能であり、それによって、ユーザは、少ない努力で粘性材料の放出を実行できるため、本発明による修理ノズルとの使用に特に適している。国際特許出願PCT/EP2006/004600に記載されているような、粘性・低粘性の材料を噴出するための特別な圧縮空気ガンを用いることが特に適切である。そのカートリッジ銃に関連する観点に関しては、上述した引用文献を参照することができ、それらの開示内容は、この点で、本特許出願の開示を補完する。また、当業者には既知の全体的に機械的に作動するガンの使用も考えられる。それらは、例えば、圧縮空気が利用できない分野での用途に適している。しかし、自動車分野においては特に、多くの場合、接着剤及び/又は封止剤等の高粘性材料が塗布され、そのため、純粋に機械的に作動するガンよりも高い押出し圧力を生成できる特別な空気圧式ガンの使用が特に適しているため、空気圧式で作動するカートリッジ銃の使用が好適である。
【0009】
その修理ノズルは、好ましくは、プラスチックから製造される。その修理ノズルは、好ましくは、使い捨て生成物である。そのため、そのノズルは、粘性材料の放出の後に廃棄される。この場合、そのノズルのクリーニングのための対策は何もされておらず、その結果、作業時間を低減することができ、また、材料の残留物を除去するための追加的な補助剤および洗剤を省くことができる。その容器にそのノズルを着脱可能に固定するための手段は、好ましくは、近位生成物供給端部に設けられる。この固定手段は、具体的には、そのノズルをそのカートリッジ上に固定するために、その容器の対応するねじ山の付いた領域と係合することのできるねじ山の付いた領域とすることができる。その修理ノズルを、粘性材料のための容器としてのフィルム状ポーチ及び/又はチューブ状ポーチと共に用いる場合、好ましくは、上述した手段を用いて、そのノズルの着脱可能な固定を可能にする領域を具備する、現在の技術において既知の適切なアダプタまたはアタッチメントが利用される。ねじ山付きの領域を有するノズルの使用の関連では、特に、対応するねじ山付きの領域を具備するアダプタが考えられる。
【0010】
また、その修理ノズルをその容器に固定するために、その近位生成物供給端部の領域に突出カラーを設けることができる。例えば、粘性材料を放出するために、その修理ノズルを基材(substrate)に配置したときに、その修理ノズルに力が作用すると、その突出カラーによって、その修理ノズルがその容器に固定され、その結果、特に、その修理ノズルに作用する力によって生じる、その修理ノズル及び/又は容器に対するダメージ、及び/又はその容器に固定される修理ノズルの緩みを回避することができる。いくつかの放出銃を用いて、そのカラーはさらに、その修理ノズルをその放出銃に固定するように機能することができる。このため、その修理ノズルは、前記接続手段によってその容器に接続され、およびその容器と共にその放出銃に取付けられる。その修理ノズルは、好ましくは、その遠位端が少なくともその放出銃の開口部から出る状態で突出している。その開口部は、その修理ノズルのカラーを、その近位端において、その開口部の範囲を定めるその放出銃の部材に固定できるような寸法になっている。そのため、その開口部は、好ましくは、その修理ノズルのカラーよりも小さい。そして、その容器から粘性材料を放出するために、その放出銃によってその容器に圧力を加えると、該粘性材料は、その修理ノズルと共に、その修理ノズルの遠位生成物放出端部の方向に加圧される。その修理ノズルの突出カラーは、その修理ノズルのそのカートリッジ銃への固定を生じさせ、その結果、そのカートリッジおよびノズルのずれが防止され、また、該粘性材料をその修理ノズルを介して、放出することができる。
【0011】
その修理ノズルは、その修理ノズルと容器との間にシーリング機能をもたらすための少なくとも1つのシール要素をさらに具備する。このシール要素を用いると、特に、その修理ノズルを介した材料の放出時に、放出すべき材料が、その修理ノズルとその容器との間には、具体的には、2つのコンポーネント間の着脱可能な固定の領域内からは噴出してこない。放出される材料のためには、特に、少なくとも1つのこのようなシール要素の使用が必要である。これらの材料、具体的には、接着剤、封止剤及び/又はノイズ減衰及び/又は振動減衰材料は、一般に、粘性及び/又は高粘性である。そのノズルを介した材料の放出は、相当量の力及び/又は圧力の印加を伴って行われるため、その修理ノズルと容器との間の非常に小さな隙間であっても、好ましくない材料の噴出を生じる可能性がある。噴出したこの材料は、もはや目的通りに使用することができず、その放出銃、作業環境またはユーザ自身を汚染し、及び/又は危険にさらす可能性がある。また、この種の材料の好ましくない噴出は、特に、塗布結果、すなわち、放出されたビードの形成に悪い影響を及ぼす可能性のある、そのノズル内での圧力損失をもたらす可能性もある。
【0012】
その修理ノズルの近位端に設けられ、その修理ノズルをその容器に固定する際に、シーリングが可能になるようにその容器に接触するシーリングリング(sealing ring)の利用が、特に、シール要素として適している。当然、さらなるアプローチも可能である。具体的には、別法として、または追加的に、着脱可能に固定するための手段は、シール要素として機能することができ、およびシーリング機能を含むことができる。着脱可能に固定するための手段としての、上述したねじ山の付いた領域の利用は、この関連において特にあり得る。シーリング機能は、特に、最小限の公差で、ねじ山のターンの正確な構造と、その容器の対応するねじ山への厳密な適応とによって、そのねじ山自体の範囲内で既に実現することが可能である。従って、その修理ノズルのねじ山領域は、その修理ノズル容器への取付け時に、そのねじ山のターンが、その容器の対応するねじ山のフランクに密接に支持されるように構成されるということによる精密な構造のため、その修理ノズルと容器との間の固定接続は、セルフシーリング(self-sealing)である。そのため、放出される材料の噴出を防ぐことができる。さらに、その修理ノズルのその容器からのはずれを困難にするであろう、そのねじ山への材料の浸入も防ぐことができる。好ましくない材料の無駄遣い、および作業手段及び/又は作業環境及び/又はユーザ自身の汚染は、そのシーリング機能によって回避することができる。
【0013】
本発明による修理ノズルの利用は、多くの効果をもたらす。具体的には、自動車分野における大量生産の関連で自動的に形成されている表面構造を、アフターマーケットにおいて、特に、修理市場において、例えば、修理する場合に、自動車工場で再成または再形成することができる。このような表面構造に対する事故による損傷は、特にこのようにして修理することができる。粘性材料、例えば、接着剤及び/又は封止剤を放出して、その表面構造を形成するために、大量生産において必要な塗布ロボットの使用は、省くことができる。従って、本発明による修理ノズルを用いることにより、自動車分野で標準的に使用され、および大量生産において自動的に塗布される粘性材料を、特に、修理する場合に、例えば、アフターマーケットにおいて自動車工場で、後から塗布することができる。
【0014】
さらなる効果は、その修理ノズルが、材料ビードを放出するために、遠位生成物放出端部に、スリット状の終端開口部を備えているということである。このスリット状終端開口部は、幅広ビーズを塗布する場合に特に有利であることが分かっており、その基材は、広い領域にわたって、放出される材料で被覆される。放出すべき材料の選択により、特に、優れた接着及び/又はシーリング効果及び/又はノイズ減衰及び/又は振動減衰効果を得ることができる。好ましくは、その修理ノズルは、大きなギャップ寸法のない基材に粘性材料を放出するのに用いられ、その結果、スリット状終端開口部の利用が特に適切となる。自動車分野において、本発明による修理ノズルを介して塗布されたビーズは、特に、シート状金属パーツの接着接合のために、音響的影響または温度の影響に対する防音・耐熱として、あるいはシーリングとして機能する。その材料ビーズは、そのスリット状終端開口部のため、その高さに対して比較的幅広である。そのビードは、明確に決められた寸法からなる波状平坦ビードであり、すなわち、そのビードの幅及び/又は高さ及び/又は外観は、これまで、ロボットによる塗布のみによって実現されていた、元の機器製造業者の接着剤及び/又は封止剤ビードのデザインに対応する。その修理ノズルによって放出された材料ビードにより、重ね塗りは必要ない。従って、ユーザは、でこぼこの縁部よりもシャープな材料ビードを得る。さらに、そのスリット状終端開口部は、連続膜を呈し、それによって、それぞれの改善された接着接合シールをもたらす素材面を形成するのに用いることができる。
【0015】
さらなる効果は、スリット状終端開口部と協働して、その修理ノズルと容器との間のシーリング機能をもたらすためのシール要素を具備するロボットノズルの利用によって得られる。そのスリット状終端開口部は、実質的により大きな終端領域を包含する従来のノズル開口部とは対照的に、そのノズルの内部に圧力の増加を引き起こし、また、同じ力及び/又は同じ印加圧力の場合、放出すべき材料の、より大容量のフローを可能にする。従って、その修理ノズルの高い内部圧力のため、非常に小さな欠陥または隙間でさえ、不適当な材料放出を生じさせる可能性があるため、スリット状終端開口部を有する修理ノズルを用いる場合、その修理ノズルに1つ以上のシール要素を備えることが特に有用であり、かつ有利である。
【0016】
その修理ノズルの生成物供給開口部の領域内の近位生成物供給端部にシール要素を用い、そのシール要素が、近位方向に拡がっているシーリングリップリング(sealing lip ring)として構成されていることが特に有利であることが分かっている。そのシーリングリップリングは、好ましくは、その生成物供給開口部の周りに環状に拡がっている。そのシーリングリップリングは、近位に拡がっているため、その修理ノズルの容器への固定時に、その容器の方向へ突出する。好ましくは、そのシーリングリップリングは、その修理ノズルが固定され、それに伴って、その修理ノズルと容器との間にシーリングがもたらされる際に、その容器に接触するように拡がっている。
【0017】
さらなる効果は、その生成物供給端部からその生成物放出端部へ材料を運ぶための生成物導管を好ましくは包囲するジャケット領域を備えた修理ノズルであって、その固定手段を補強するために、及び/又はその修理ノズルのその容器への固定を促進するために、少なくともその固定手段の領域内におけるそのジャケット領域に、突出リブが設けられている修理ノズルの構造である。そのジャケット面でのリブの利用は、特に、ねじ山領域を有する修理ノズルを用いる場合に有利である。そのリブは、そのねじ山の変形を防ぎ、およびその修理ノズルのための堅固性を与えることにより、そのねじ山の付いた領域の補強を可能にする。特に、材料塗布中に、その修理ノズルに力が印加されたときの、そのねじ山の破壊を避けることが可能である。そのねじ山が、シール要素として構成されている場合、そのリブは、その堅固化の結果として、シーリング機能をさらに高める。組立て状態でのその修理ノズルと容器との間のシーリング機能を保証できるため、大きな力及び/又は圧力が印加された場合でも、そのねじ山の変形は起こらない。さらなる効果は、その修理ノズルの容器への固定を促進することである。そのリブは、例えば、ねじ山が接続技術として利用される場合に、その修理ノズルを回すことによってその修理ノズルを固定するための、ユーザのための良好な把持性を与える。
【0018】
さらなる効果は、特に、その材料の放出時に、その修理ノズルの案内機能を縁部に沿って促進するための、そのジャケット領域へのガイド突出部の形成である。そのガイド突出部は、好ましくは、その修理ノズルの出力遠位端に設けられている。その突出は、この関連において、そのノズル上に一体形成することができる。スリット状終端開口部を有する修理ノズルを用いる場合、そのガイド突出部はさらに、その修理ノズルを容器に固定する際に、ユーザが、そのスリットの方向性を見つけるのに利用することができる。スリット状終端開口部の視認は、もはや必要ではない。
【0019】
さらなる効果は、その修理ノズルを容器に固定するための、その近位生成物供給端部へのカラーの形成である。そのようなカラーの利用は、特に、その修理ノズルに作用する力をその容器に伝達できるようにし、また、その修理ノズルへのダメージを回避できるようにする。
【0020】
さらなる効果は、その修理ノズルと容器の簡単な組立てを可能にするための、その修理ノズルの近位端における、その生成物供給開口部の範囲を定める領域の傾斜構造である。ここでは、その容器のその生成物供給開口部への導入を促進するために、その生成物供給開口部の領域内に、近位方向への漏斗状の開口が設けられるように、その生成物供給開口部の範囲を定める、そのジャケット面の内面に傾きを設けることが考えられる。
【0021】
この文脈における修理ノズルの利用のさらなる効果は、その修理ノズルには、放出される材料を、その生成物供給端部からその生成物放出端部へ運ぶために、生成物導管が備えられ、およびそのスリット状終端開口部を包囲し、かつその生成物放出端部上に一体形成されている端部キャップであって、そのノズルの遠位方向に凸状になっている端部キャップが備えられているということである。この形状は、特に有利であることが分かっている。その生成物導管は、好ましくは、その生成物導管内での材料の流速を増加させるために、その近位生成物供給端部から、その遠位生成物放出端部に向かって先細りになっている。また、わずかな先細り形状も、その生成物導管の内壁との摩擦による、その材料の圧力の低下を補償するのに適している。その遠位生成物放出端部の方向に凸状の端部キャップを、その修理ノズルに備えると、特に、その修理ノズルの簡単な生産が可能になる。具体的には、射出成形を用いて、プラスチックから形成された修理ノズルの型外しは、凸状の端部キャップによって実質的に簡単化される。加えて、凸状の端部キャップを有する修理ノズルは、優れた流量特性を呈しているため、その修理ノズル内の材料の圧力低下を小さくすることができる。このノズル形状は、特に、その材料ビーズのサイズ適合を行う必要のない用途に適している。例えば、放出される材料のために、及び/又は特別な利用事例のために事前形成されているスリット状終端開口部を備えることのできる特別な修理ノズルが用いられる。この種の修理ノズルは、放出される材料のための的確な終端開口部を、及び/又は的確な利用事例を、どの場面においてもユーザに提供することができ、そのため、エラーを回避することができる。
【0022】
その遠位生成物放出端部に凸状端部キャップを用いることのさらなる効果は、その凸状端部キャップの凸状頂部を横切るスリット状終端開口部が設けられていることである。この「凸状頂部」は、ここでは、その端部キャップが、そこで、その修理ノズルの遠位方向に最も遠く突出している箇所として理解すべきである。その凸状頂部を横切るスリット状終端開口部の伸長は、流れ作業(flow engineering)の観点から特に有利である。材料が放出される際、その材料は、そのスリット状終端開口部の凸性により、横方向にも局所的に放出され、その結果、ユーザは、凸状の端部キャップを要することなく、その遠位生成物放出端部の領域において、その修理ノズルの直径のみよりも幅広の材料ビードを得る。
【0023】
その修理ノズルに凸状端部キャップを備えることに対する代替例として、その修理ノズルは、その生成物供給端部からその生成物放出端部へ材料を運ぶための生成物導管と、そのスリット状終端開口部を包囲し、かつ遠位方向に台形状に伸びるジャケット領域であって、その台形状のジャケット領域の基部が、その遠位生成物放出端部に配置されているジャケット領域とを備えることも可能である。その修理ノズルは、その修理ノズルの近位領域において、第1の領域が、その台形状のジャケット領域によって、その修理ノズルの遠位領域に隣接することができる、遠位方向にわずかに先細りになっている生成物導管を具備することができるように、2つの領域に分けることができる。その生成物導管の先細りは、ここでもまた、その生成物導管内部の材料の流速を増加させ、及び/又はその生成物導管の内壁との摩擦によるその材料の圧力の低下を補償する。その台形状に構成されたジャケット領域は、その遠位生成物放出端部におけるその台形状ジャケット領域の基部が、スリット状終端開口部を形成するように、その遠位生成物放出端部において、好ましくは中空である。そのスリット状終端開口部は、当然、その基部の部材のみで構成することも可能である。この構造のジャケット領域を用いると、特に幅広のスリット状終端開口部は、非常に幅広の材料ビーズを放出できるように製造することができる。そのジャケット領域の台形構造は、さらなる利点を有する。その台形状ジャケット領域は、その台形状ジャケット領域がこれ以上遠位方向に伸びないように、そのジャケット領域の部材を分離することにより、ユーザによってあるサイズにカットされることが考えられる。そのジャケット領域の台形状のデザインにより、そのジャケット領域の遠位領域の分離は、そのジャケット領域の基部のサイズの低減をもたらす。上述した中空のジャケット領域の場合、上述したあるサイズへのカットは、そのスリット状終端開口部のサイズの低減につながり、その開口部は、一旦、そのジャケット領域があるサイズにカットされると新しくなるその基部を越えて伸びることになる。従って、ユーザには、そのジャケット領域をあるサイズにカットすることにより、そのスリット状終端開口部を、放出される材料ビードに適応させることができる修理ノズルが提供される。この目的のために、マーク及び/又は刻印及び/又は好適な分離補助部、例えば、切断ラインを、その修理ノズルに、および特にジャケット領域に設けることができ、その切断ラインにおいて、そのジャケット領域の部材は、特定のスリット状ノズルオリフィスを得るために、ユーザが切断することができる。特に自動車分野の場合、そのジャケット領域の台形構造は、特に有利であることが分かっており、そのため、そのジャケット領域は、1cm〜12cmの幅を、そのスリット状終端開口部のために設定することができるようなサイズにカットすることができる。このような領域を用いて、特に自動車分野におけるほとんどの一般的なビードをカバーし、また、通常の構造を再生及び/又は再形成することのできる万能的に使用可能な修理ノズルを提供することができる。
【0024】
そのノズルに生成物導管を備えることのさらなる効果は、その生成物導管の少なくとも局所的に回転可能な対称構造であり、その回転軸は、その近位生成物供給端部から遠位生成物放出端部まで伸びている。
【0025】
その生成物導管の少なくとも局所的に回転可能な対称構造のさらなる効果は、その生成物導管の回転軸を越えて伸びるスリット状終端開口部の装備である。
【0026】
さらなる効果は、修理ノズルと、放出銃と、放出される材料を収容できる容器とで構成された、自動車分野における構造を再生するための修理システムの装備であり、その修理ノズルは、近位生成物供給端部を備えており、該近位生成物供給端部に、放出される材料を収容できる容器に取付けるための手段が設けられており、その修理ノズルと容器との間のシーリング機能を可能にするために、少なくとも1つのシール要素が設けられている。この種のシステムを用いて、ユーザは、例えば、塗布ロボットに頼ることなく、大量生産によって自動的に製造される構造を再生及び/又は再形成することができる。
【0027】
この種の修理システムの利用に関連するさらなる効果は、その修理ノズルは、遠位生成物放出端部を備えており、材料ビードを放出するために、スリット状終端開口部が、その遠位生成物放出端部に設けられているということである。このスリット状終端開口部は、特に、幅広のビーズを塗布するのに有利であることが分かっており、その基材は、広範な領域にわたって、放出される材料で被覆されている。また、そのスリット状終端開口部を介して、連続薄膜を呈し、それによって、改善された接着接合またはシールを実現できる金属面を設けることも可能である。
【0028】
本発明は、図面を参照して、例証として以下に詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明による、シール要素を有する修理ノズルの斜視図である。
【図2】図2は、図1の修理ノズルの側面図である。
【図3】図3は、図2の修理ノズルの線A−Aの断面図である。
【図4】図4は、図3の修理ノズルの側断面図の詳細Bを示す。
【図5】図5は、放出銃と、容器と、図1の修理ノズルとを有する修理システムの部分側断面図である。
【図6】図6は、図5の修理システムの詳細Cを示す。
【図7】図7は、本発明による、シール要素を有する修理ノズルの代替的な実施形態の側断面図である。
【0030】
図1は、関連するカートリッジ銃(図示せず)を用いて、自動車分野で使用可能な粘性材料、例えば、接着剤、封止剤及び/又はノイズ減衰材料及び/又は振動減衰材料を、それらの材料を収容できる容器(図示せず)から放出するのに用いられる本発明による修理ノズル100の斜視図である。修理ノズル100は、近位生成物供給端部101であって、その近位端を用いて、修理ノズル100を容器に着脱可能に固定することができる近位生成物供給端部と、その材料を基材に供給するための遠位生成物放出端部102とを具備する。近位生成物供給端部101には、回転軸106周りで実質的に対称的に回転可能であり、および近位生成物供給端部101と遠位生成物放出端部102との間の、放出される材料のための接続部となる生成物導管によって隣接結合される、生成物供給開口部が設けられている。その生成物導管は、修理ノズル100のスリーブ状でわずかに円錐テーパ上のジャケット領域104によって囲まれている。近位生成物供給端部101には、回転軸106に対して径方向外側へ突出し、修理ノズル100の容器への固定を可能にするカラー107が設けられている。特に、材料が放出される際に修理ノズル100に作用する力に関連して、修理ノズル100は、カラー107によって、取付けられる容器に固定される。カラー107は、このようにして力の伝達のために機能し、また、固定性を与えることにより、材料を放出している間の修理ノズル100の潜在的な破壊を防ぐ。近位方向に伸びているシーリングリップリング(この図では明確ではない)は、シール要素としてカラー107上に一体形成されている。ジャケット領域104は、その近位端に、ねじ山付きのスリーブ113を具備している。ねじ山付きのスリーブ113は、修理ノズル100を容器に固定するための、隠れている内部ねじ山を包囲している。軸方向に伸びている突出組立補助部110は、ねじ山付きスリーブ133の周りに設けられている。組立補助部110は、修理ノズル100をその内部ねじ山を介して容器に固定する際のユーザのための良好な把持性を与える。組立補助部110のうちのいくつかと隣接しており、および回転軸106に対して軸方向で、ジャケット領域104の外面に伸びている多数の突出リブ111は、特に、修理ノズル100およびその内部ねじ山を補強し、かつ安定化するために、ジャケット領域104上に設けられている。特に、材料を放出している間に、修理ノズル100に作用する力の関連で、リブ111は、堅固化の効果の結果として、修理ノズル100の破壊およびねじ山114の破壊を防ぐことができる。ジャケット領域104は、その遠位端に、ガイド突出部112を具備している。この突出部は、ジャケット領域104から突出し、および回転軸106に対して軸方向に伸びている。ガイド突出部112は、特に、その材料が放出される際の、修理ノズル100の縁部に沿った案内機能を与え、および正確な材料の放出を促進する。
【0031】
その材料は、遠位生成物放出端部102の端部キャップ108に設けられているスリット状終端開口部103を通って放出される。端部キャップ108は、修理ノズル100の遠位方向に凸状になっており、また、スリット状終端開口部103は、凸状端部キャップ108の凸状頂部を横切って伸びている。また、本発明の例示的実施形態において、回転軸106は、スリット状終端開口部103を通って伸びている。その基材上の適合幅と比較して低い適合高さを有する材料ビーズは、スリット状終端開口部103を用いて放出することができる。このことは、例えば、十分な接着効果及び/又はシーリング効果を実現するために、その基材の可能な限り大きな領域に、放出される材料を供給すべきであり、その一方で、その材料の厚さは、できる限り薄く保たなければならないため、特に、自動車分野におけるコンポーネントの接着接合に関連して、非常に有利である。より幅広の材料ビードの放出は、凸状端部キャップの利用によって、および放出される材料は、スリット状終端開口部103のジャケット領域において、回転軸106に関して軸方向だけではなく、回転軸106に関して部分的に径方向外側にも放出することができるため、スリット状終端開口部103は、端部キャップ108の凸状頂部を横切って伸びているという事実によって保証することができる。
【0032】
図2は、図1の修理ノズル100の側面図である。ねじ山付きスリーブ113として具体化され、残りのジャケット領域104と比較して、拡大されている周辺部を有するジャケット領域104の領域は、近位生成物供給端部101に具体化されている。ねじ山付きスリーブ113は、突出組立補助部110を具備する。ジャケット領域104上で、遠位方向で軸方向に伸びている補強リブ111は、1つの組立補助部110上に一体形成されている。追加的な補強リブ111は、修理ノズル100の他方の側に設けられており、この図では隠れている。カラー107は、ねじ山付きスリーブ113の近位端に一体形成されている。近位生成物供給端部101における修理ノズル100の近位終端は、突出シーリングリップリング109によって形成されている。また、ジャケット領域104から突出し、および遠位方向で、凸状端部キャップ108内に局所的に突出しているガイド突出部112も見えている。
【0033】
図3は、図2の修理ノズルの線A−Aの側断面図である。修理ノズル100は、回転軸106に関して、少なくとも局所的に対称的に回転可能である生成物導管105を具備する。生成物導管105は、放出される材料のための、近位生成物供給端部101と遠位生成物放出端部102との間の接続部となっている。従って、生成物導管105は、生成物供給開口部116を、凸状端部キャップ108上のスリット状終端開口部103に接続する。生成物導管105は、生成物導管105内の材料の流速を増加させるために、及び/又は生成物導管105の内壁との摩擦によるその材料の圧力の低下を補償するために、近位生成物供給端部101から、遠位生成物放出端部102に向かって先細りになっている。生成物導管105は、修理ノズル100のスリーブ状ジャケット領域104によって囲まれている。ジャケット領域104は、補強リブ111を具備し、および近位生成物供給端部101に、内部ねじ山114を備えており、修理ノズル100は、そのねじ山を用いて、対応する外部ねじ山を有する容器に固定または取付けることができる。内部ねじ山114は、シーリング領域115によって、そのねじ山の内部にシーリング機能が実現されるように、容器の対応する外部ねじ山のサイズのために設計されている精密なねじ山である。従って、修理ノズル100と容器との間の固定接続は、修理ノズル100の内部ねじ山114が、修理ノズル100の容器への取付け時に、そのねじ山のターンが、その容器の対応するねじ山のフランクに密接に支持されるように構成されているという事実による精密な構造の結果として、セルフシーリングである。使用されるその容器の外部ねじ山は、一般に標準化されており、および規定のサイズを有しているため、特に、最小限の可能な公差を伴う、内部ねじ山114のねじ山のターンの精密な実施形態、およびその容器の対応するねじ山に対する精密な適合の結果として、シーリング機能は既に、そのねじ山の範囲内で実現することができる。従って、その修理ノズルの内部ねじ山114は、シーリング領域115と共に、修理ノズル100の第1のシール要素を形成する。放出すべき材料の好ましくない、または有害な噴出を回避することができ、またさらに、修理ノズル100のその容器からの取外しを困難にするであろう、そのねじ山への材料の浸入を回避することができる。
【0034】
内部ねじ山114の第1のシール要素としての構造の関連で、その組立補助部(この図には示されていない)及び/又は補強リブ111は、その堅固性の結果として、そのシーリング機能をさらに高める。大きな力及び/又は圧力が作用した場合でも、内部ねじ山114の変形はほとんど生じず、そのため、取付け状態での、修理ノズル100とその容器との間のシーリング機能を保証することができる。その組立補助部及び/又は補強リブ111のさらなる利点は、修理ノズル100のその容器への固定の単純化である。その組立補助部及び/又は補強リブ111は、例えば、容器の対応する外部ねじ山の、修理ノズル100の内部ねじ山114へのねじ込み時に、修理ノズル100を固定するための良好な把持性をユーザに提供する。
【0035】
また、さらなるシール要素として、シーリングリップリング109が、近位生成物供給端部101の領域内に設けられている。前記リングは、生成物供給開口部116を環状に囲み、および近位方向に伸びている。その近位方向への伸長のため、シーリングリップリング109は、修理ノズル100が容器に固定される際に、その容器の方へ突出する。そのシーリングリップリング109の伸長は、修理ノズル100の固定時に、そのリングがその容器に接触し、それに伴って、修理ノズル100とその容器との間にシーリングがもたらされるように構成されている。当然、修理ノズル100が、記載されているシール要素のうちの一つだけを具備することも考えられる。
【0036】
図4は、図3の修理ノズル100の側断面の詳細Bを示す。その断面図から明らかなように、シーリングリップリング109は、同じ長さの2つの辺を有する直角三角形を形成することができ、その直角の頂点は近位方向に向いている。シーリングリップリング109は、カラー107に一体形成されている。しかし、シーリングリップリング109は、独立したコンポーネントとすることもでき、及び/又はその修理ノズルの異なる部材に接続することもできる。また、例えば、シーリング効果の向上を実現するために、その修理ノズルとは異なる材料でシーリングリップリング109を製造することも可能である。シーリングリップリング109は、生成物供給開口部116を環状に包囲する。本発明の例示的な実施形態において、ジャケット領域104のカラー107および内壁の相互に当接する外面で構成された、生成物供給開口部116を画定する境界領域は、傾斜している。生成物供給開口部116を画定するその修理ノズルの近位端における、その領域の傾斜した実施形態は、その修理ノズルの容器への容易な取付けを可能にする。その傾斜は、その容器の生成物供給開口部116への導入を促進するための、生成物供給開口部116の領域において近位方向に開いた漏斗形状を利用可能にする。
【0037】
図5に示す、自動車分野における構造を再生及び/又は再形成するための修理システムは、図1に示す修理ノズル100と、放出銃またはカートリッジ銃300と、放出される材料315、例えば、接着剤及び/又は封止剤とで構成されている。この場合、カートリッジは、容器313として利用される。そのカートリッジは、実質的に円筒形の本体と、一方の端部に設けられたそのカートリッジ内に収容された材料を押し出すための可動ピストンと、反対側の端部に設けられたその材料を放出するための吐出開口部を有する基部面とを具備する。その吐出開口部は、そのカートリッジの円筒形本体に関して同軸に配置されているが、より小さな直径を有する中空円筒形アタッチメントを利用可能にする。そのアタッチメントには、修理ノズル100の内部ねじ山と係合することができる外部ねじ山が備えられている。
【0038】
カートリッジ銃300は、カートリッジ銃300を操作し、およびガイドする能力をユーザに与えるハンドル301を具備する。このため、ハンドル301は、そのシステムを用いて作業するときの確実な把持をユーザに提供するために、滑り止め手段を備えることのできる、または、人間工学的形状を有することのできるグリップ領域306を含む。ハンドル301には、収容ユニット303がそこでハンドル301に接続される支持領域304が備えられている。収容ユニット303は、中空円筒形状を有し、および放出される材料315で満たされた容器313を収容するように機能する。生成物の放出は、収容ユニット303の放出端部310で行われる。このため、ハンドル301には、ユーザが、それを用いて、容器313に収容されている材料315の放出を調節することができる計量装置が設けられている。この例示的な実施形態は、空気圧で作動するカートリッジ銃300を意味し、材料315の放出は、圧縮空気の利用によって可能になる。このため、圧縮空気コネクタ307がハンドル301に設けられている。ユーザは、圧力媒体、例えば、コンプレッサをこの圧縮空気コネクタに接続することができる。圧力調節器308は、圧力を調節するために、ハンドル301に取付けられている。ハンドル301に設けられた圧力計309を用いると、ユーザは、カートリッジ銃300に存在し、および圧力調節器308を介して設定された圧力を読取ることができる。放出すべき材料315の塗布のための圧力を調節するために、計量ユニット302は、ハンドル301に取付けられ、およびハンドル301の方向に旋回できる作動レバー305を介して操作することができる。容器313内に存在する材料315の放出は、作動ハンドル305の旋回する程度により、および圧力調節器308に設定された空気圧力によって調節することができる。材料315を放出するために、収容ユニット302内で移動できる前進要素(図示せず)が収容ユニット303内に設けられている。その前進要素に圧力が作用すると、その前進要素が移動して、収容ユニット303内に配置され、および放出すべき材料315を有する容器313を、収容ユニット303の放出端部310に向かって押す。収容ユニット303は、放出端部310に閉鎖キャップ311を具備する。この例示的な実施形態において、この閉鎖キャップ311は、ねじ山を介して円筒形収容ユニット303に接続されており、および収容ユニット303の中空円筒形状と同軸に位置合わせされる開口部312を具備する。材料315は、この開口部312を通って、収容ユニット303内にある容器313から放出することができる。
【0039】
そのシステムに、作業を開始するように準備させるために、修理ノズル100は、容器313に接続されている。容器313は、この目的のために、修理ノズル100の対応する内部ねじ山に係合することができる外部ねじ山314を具備する。そのシステムを用いて作業するために、容器313は、修理ノズル100が収容ユニット303から突出するように、収容ユニット313のキャビティ内に導入される。そして、閉鎖キャップ311が、修理ノズル100上を滑動されて、上述したねじ接続によって収容ユニット303に接続される。この取付け状態において、修理ノズル100は、開口部311を通って収容ユニット313から突出している。材料315を放出するための前進要素(図示せず)への圧力の作用の結果として、容器313は、放出端部310の方向へ押されて、閉鎖キャップ311を支持することになる。この支持のために、作用する圧力は、修理ノズル100と一緒に容器313を移動させず、その代わりに、その前進要素が容器313内を移動し、その結果、放出すべき材料315は、容器313から押し出され、修理ノズル100の生成物導管内に進んで、最終的に、スリット状終端開口部103を通って放出することができる。
【0040】
図6は、図5の修理システムの詳細図Cを示し、この場合、修理ノズル100は、放出される材料315を収容できる容器313に取付けられている。このため、修理ノズル100の内部ねじ山114は、その容器の対応する外部ねじ山に係合している。この取付け状態において、修理ノズル100のシーリングリップリング109は、容器313の端部領域316に隣接対向して位置している。この例示的な実施形態において、2つのねじ山領域114、314の相互回転は、シーリングリップリング109が、容器313の端部領域316に局所的に押込まれ、及び/又は入り、その結果、端部領域316上の生産に関連する表面凹凸に関しても、確実なシーリングを保証できるように行われる。しかし、シーリングリング109は、例えば、柔軟に構成することもでき、および例えば、シーリングリップリング109の変形によって、端部領域316に入ることなく、シーリング機能が生じるように、外部ねじ山315にねじ込まれることにより、その容器の端部領域316に適合させることができる。この例示的な実施形態において、容器313に対する修理ノズル100のシーリングは、2つのシール要素によって、すなわち、一方においては、その修理ノズルの高精度の内部ねじ山114を設けて、それにより、シーリング領域115を形成することによるねじ山付き領域114、314を介して、他方においては、カートリッジ313の端部領域316に対するシーリング機能を可能にする突出シーリングリップリング109を介して行われる。
【0041】
図7は、近位生成物供給端部201および遠位生成物放出端部202を有し、かつ生成物導管205を有する修理ノズル200の代替的な実施形態を示す。生成物導管205は、近位生成物供給端部201における生成物供給開口部216を、遠位生成物放出端部202におけるスリット状終端開口部203に接続する。生成物導管205は、修理ノズル200の近位領域においては、実質的に回転軸206の周りで対称的に回転可能であり、また、遠位生成物放出端部202においては、スリット状終端開口部203を具備する台形状ジャケット領域204によって囲まれている。台形状ジャケット領域204は、基部208が、遠位生成物放出端部202に配置されるように構成されている。スリット状終端開口部203は、台形状ジャケット領域204の基部208を越えて拡がっている。また、近位生成物供給端部201には、回転軸206に関して径方向外側へ突出し、修理ノズル200を容器に固定するように機能するカラー207も設けられている。台形状ジャケット領域204は、その表面に、基部208と平行に設けられた多数の切除補助部214を具備する。それらの切除補助部214は、ユーザが、そこで台形状ジャケット領域204の部分を切除することのできるマークを表す。ジャケット領域204の台形形状のため、遠位生成物放出端部202で一部を切除することは、基部208のサイズの低減を伴う。また、それに伴って、基部208のサイズの低減により、台形状ジャケット領域204の一部の切除は、基部208を越えて拡がるスリット状終端開口部203のサイズも低減する。それにより、ユーザは、放出される材料を、または、所望の材料ビードのサイズを前記開口部に適合させるために、台形状ジャケット領域204の部分を切除することにより、スリット状終端開口部203のサイズを変えることができる。
【0042】
ジャケット領域204は、補強リブ(図示せず)を具備し、また、修理ノズル200を、それを用いて、対応する外部ねじ山を有する容器に取付けることができる内部ねじ山211を、近位生成物供給端部201に備えている。内部ねじ山211は、上述したように、精密なねじ山であり、シーリング領域212によって第1のシール要素を形成する。また、追加的なシール要素として、シーリングリップリング209が、近位生成物供給端部201の領域に設けられている。前記リングは、生成物供給開口部216を環状に包囲し、および近位方向に伸びている。その近位方向への伸長の結果として、修理ノズル200が容器に固定される際、シーリングリップリング209は、その容器の方向に突出する。シーリングリップリング209の伸長は、修理ノズル200が固定されたときに、その容器に接触し、それによって、修理ノズル200とその容器との間にシーリングを生じさせるように構成されている。また、当然、修理ノズル200が、記載されているシール要素のうちの一つだけを具備することも考えられる。
【符号の説明】
【0043】
100 修理ノズル
101 生成物供給端部
102 生成物放出端部
103 終端開口部
104 ジャケット領域
105 生成物導管
106 回転軸
107 カラー
108 端部キャップ
109 シーリングリップリング
110 組立補助部
111 補強リブ
112 ガイド突出部
113 ねじ山付きスリーブ
114 内部ねじ山
115 シーリング領域
116 生成物供給開口部
117 傾斜
200 修理ノズル
201 生成物供給端部
202 生成物放出端部
203 終端開口部
204 台形状ジャケット領域
205 生成物導管
206 回転軸
207 カラー
208 基部
209 シーリングリップリング
210 ねじ山付きスリーブ
211 内部ねじ山
212 シーリング領域
214 切除補助部
216 生成物供給開口部
300 カートリッジ銃
301 ハンドル
302 計量装置
303 収容ユニット
304 支持領域
305 作動レバー
306 グリップ領域
307 圧縮空気コネクタ
308 圧力調節器
309 圧力計
310 放出端部
311 閉鎖キャップ
312 開口部
313 カートリッジ
314 外部ねじ山
315 粘性材料
316 端部領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車分野で使用可能な粘性材料(315)を、該粘性材料を収容できる容器(313)から、近位生成物供給端部(101、201)を有する関連する放出銃(300)を用いて、放出するための修理ノズル(100、200)であって、
修理ノズル(100、200)を容器(313)に着脱可能に固定するための手段(114、211)と、修理ノズル(100、200)と容器(313)との間にシーリング機能をもたらすための少なくとも1つのシール要素(109、115、209、212)とを備えている、修理ノズル(100、200)。
【請求項2】
遠位生成物放出端部(102、202)が設けられており、該遠位生成物放出端部は、材料ビードを放出するために、スリット状終端開口部(103、203)を備えている、請求項1に記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項3】
少なくとも1つのシール要素(109、209)が、生成物供給開口部(116、216)の近位生成物供給端部(101、201)に設けられると共に、近位方向に伸びるシーリングリップリング(109、209)として構成されている、請求項1又は請求項2に記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項4】
固定手段(114、211)を補強するための、及び/又は修理ノズル(100、200)の容器(313)への固定を促進するための、突出リブ(110、111)が、少なくとも固定手段(114、211)の領域内にあるジャケット領域(104、204)に設けられている、先行する請求項のいずれか1つに記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項5】
修理ノズル(100、200)の案内機能を縁部に沿って促進するために、ガイド突出部(112)がジャケット領域(104、204)上で一体形成されている、先行する請求項のいずれか1つに記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項6】
修理ノズル(100、200)を容器(313)に固定するためのカラー(107、207)が、近位生成物供給端部(101、201)上で一体形成されている、先行する請求項のいずれか1つに記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項7】
生成物供給開口部(116、216)を画定する領域は、容器(313)と修理ノズル(100、200)との簡単な組立てを可能にするために、傾けられている、先行する請求項のいずれか1つに記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項8】
生成物供給端部(101)から生成物放出端部(102)へ粘性材料(315)を運ぶために、生成物導管(105)が設けられており、およびスリット状終端開口部(103)を有する端部キャップ(108)が、生成物放出端部(102)上で一体形成されており、前記キャップは、修理ノズル(100)の遠位方向で凸状になっている、先行する請求項のいずれか1つに記載の修理ノズル(100)。
【請求項9】
スリット状終端開口部(103)は、凸状端部キャップ(108)の凸状頂部を越えて伸びている、請求項8に記載の修理ノズル(100)。
【請求項10】
生成物供給端部(201)から生成物放出端部(202)へ粘性材料(315)を運ぶために、生成物導管(205)が設けられており、スリット状終端開口部(203)を有するジャケット領域(204)が設けられており、該領域は、遠位方向に台形状に伸びており、台形状ジャケット領域(204)の基部(208)は、遠位生成物放出端部(202)に配置されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の修理ノズル(200)。
【請求項11】
生成物導管(105、205)は、少なくとも局所的に、回転軸(106、206)周りで対称的に回転可能に構成されている、先行する請求項のいずれか1つに記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項12】
スリット状終端開口部(103、203)は、生成物導管(105、205)の回転軸(106、206)を越えて伸びている、請求項11に記載の修理ノズル(100、200)。
【請求項13】
修理ノズル(100、200)と、放出銃(300)と、粘性材料(315)を収容する容器(313)とで構成された、自動車分野における構造を再形成するための修理システムであって、
修理ノズル(100、200)は、近位生成物供給端部(101、201)だけでなく、修理ノズル(100、200)を容器(313)に着脱可能に固定する手段(114、211)や、修理ノズル(100、200)と容器(313)との間にシーリング機能をもたらすための少なくとも1つのシール要素(109、115、209、212)を備えている、修理システム。
【請求項14】
遠位生成物放出端部(102、202)が設けられており、該遠位生成物放出端部は、材料ビードを放出するためのスリット状終端開口部(103、203)を備えている、請求項13に記載の修理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−519069(P2012−519069A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552331(P2011−552331)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065945
【国際公開番号】WO2010/099840
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】