修羅設置方法
【課題】周囲の環境や滑道を形成すべき滑道予定線に合わせて、容易かつ迅速に修羅部材を搬送可能な修羅設置方法を提供する。
【解決手段】2本の中空状のクロスロープ1A,1Bの内、一方のクロスロープ1Aの一端部に他方のクロスロープ1Bの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方のクロスロープ1Bの他端部に一方のクロスロープ1Aの一端部側の先端を挿入して、接続・分離自在な連結部20を構成し、複数本のクロスロープ1A,1Bを順次連結部20にて接続して搬送ロープ2を形成し、搬送ロープ2を低位置Sから高位置Jにわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道を形成するための修羅部材70を低位置Sから牽引して高位置Jまで搬送するように構成し、さらに、接続する複数本のクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを順次変更させてゆく。
【解決手段】2本の中空状のクロスロープ1A,1Bの内、一方のクロスロープ1Aの一端部に他方のクロスロープ1Bの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方のクロスロープ1Bの他端部に一方のクロスロープ1Aの一端部側の先端を挿入して、接続・分離自在な連結部20を構成し、複数本のクロスロープ1A,1Bを順次連結部20にて接続して搬送ロープ2を形成し、搬送ロープ2を低位置Sから高位置Jにわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道を形成するための修羅部材70を低位置Sから牽引して高位置Jまで搬送するように構成し、さらに、接続する複数本のクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを順次変更させてゆく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修羅設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木や竹等を伐採した伐採材を所定の位置まで滑走させる滑道を形成するために、多数の樋状修羅部材を接続する修羅設置方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−136409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような修羅部材は、設置される場所が多数の樹木が繁っている山間部の斜面であるため、トラック等の車で運搬することができず、人の手によって運ばれて設置されていた。そのため、多大な労力と手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、周囲の環境や滑道を形成すべき滑道予定線に合わせて、容易かつ迅速に修羅部材を搬送可能な修羅設置方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の修羅設置方法は、2本の中空状のクロスロープの内、一方の上記クロスロープの一端部に他方の上記クロスロープの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープの上記他端部に一方の上記クロスロープの一端部側の先端を挿入して、接続・分離自在な連結部を構成し、複数本の上記クロスロープを順次上記連結部にて接続して搬送ロープを形成し、上記搬送ロープを低位置から高位置にわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道を形成するための修羅部材を上記低位置から牽引して上記高位置まで搬送するように構成し、さらに、接続する複数本の上記クロスロープの本数を増減させて、上記搬送ロープが懸架される架設ルートを順次変更させてゆく方法である。
また、上記搬送ロープを、回転駆動する回転ドラムに複数回巻設して、上記搬送ロープを引込みつつ送り出すようにして、上記低位置と上記高位置の間を周回駆動させる方法である。
【0007】
また、上記修羅部材の内、予めY字状に形成した合流部形成用の分岐修羅部材を、滑道予定線の中間位置に配設し、下流側から上流側に向かって分岐させて上記滑道を枝状に延伸させてゆく方法である。
また、上記修羅部材の内、予め上流側拡幅状に形成したテーパ型修羅部材を、湾曲滑道予定部に複数配設し、下流側の上記テーパ型修羅部材の幅広上流端部に、上流側の上記テーパ型修羅部材の幅狭下流端部を、嵌め込み、上記滑道にカーブ部を形成する方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送ロープを容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境や、滑道を形成すべき滑道予定線に柔軟に対応させて変更できる。つまり、修羅部材を搬送するルートを容易かつ柔軟に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部側面図である。
【図2】実施の一形態を示す平面図である。
【図3】差込治具の一例を示す側面図である。
【図4】クロスロープの一例を示す側面図である。
【図5】差込治具の使用状態を説明する側面図である。
【図6】連結部を説明する側面図である。
【図7】連結部を説明する側面図である。
【図8】連結部を説明する側面図である。
【図9】連結部を説明する側面図である。
【図10】連結部を説明する側面図である。
【図11】連結部を説明する側面図である。
【図12】連結部を説明する側面図である。
【図13】引掛部の一例を示す側面図である。
【図14】引掛部を説明する側面図である。
【図15】架設部の一例を説明する側面図である。
【図16】滑車の使用状態を説明する側面図である。
【図17】滑車の使用状態を説明する底面図である。
【図18】滑道の一例を示す斜視図である。
【図19】滑道の一例を示す要部平面図である。
【図20】テーパ型修羅部材の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図21】分岐修羅部材の一例を示す平面図である。
【図22】分岐修羅部材の他例を示す平面図である。
【図23】投入口用修羅部材の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
【図24】作用説明図である。
【図25】作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明の修羅設置方法は、図18に示すように、伐採材等の滑走対象物Wを滑走させるたに、山間部等の斜面に設置される樋状の滑道60を形成する方法である。
図1及び図2に示すように、滑道60を形成するための修羅部材70の搬送開始位置となる低位置Sから搬送すべき位置である高位置Jにわたって、修羅部材70を牽引する搬送ロープ2を架設する。
【0011】
搬送ロープ2は、複数本の中空状のクロスロープ1,1から成り、周回駆動される前に、複数本のクロスロープ1,1の内、一方のクロスロープ1(1A)と他方のクロスロープ1(1B)を連結部20にて順次接続して形成する。
【0012】
ここで、連結部20の形成方法は、図4に示すように、2本のクロスロープ1,1の内、一方のクロスロープ1Aの一端部11の先端12と、他方のクロスロープ1Bの他端部13の先端14を、接近させて配設する。各先端12,14に粘着テープ等を巻着しほつれを防止する。
クロスロープ1は、多数本の合成繊維から成るストランド10を、2本(束)1組として、その組を交互に重ね合わせて(組み込んで)中空状(円筒網袋状)に形成した、六つ打ち、又は、八つ打ち、或いは12打ち合成繊維ロープとも呼ばれるものとする。例えば、シーアンカー、ブイロープ、定置網等に使用される。合成繊維は、例えば、ポリアシド系ナイロン、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン等である。なお、十分な強度を得るために、本発明は、12本(束)のストランド10から成るクロスロープ1(12打ち合成繊維ロープ)とするのが好ましい。なお、クロスロープ1(1A,1B)を以下「ロープ」と呼ぶ場合もある。
【0013】
図5に示すように、他方のロープ1Bの他端部13側の先端14を、棒状の挿入治具8に接続する。
挿入治具8は、現場に持ち込まれる前に、予め、軽量・小型な携帯自在に形成され、図3及び図5に示すように、半球状の先端丸型の先端部81と、先端部81から基端部84に向かってストレート状の導入部(ガイド部)82と、導入部82の直径から次第に拡径して基端部84と接するテーパ部83と、を有する形状に形成されている。基端部84は導入部82より大径に形成され、基端面84a側に開口すると共にロープ1が差し込まれる保持孔85を形成している。また、保持孔85は、ロープ1の自然状態乃至ラジアル方向圧縮縮径状態の直径より小さな寸法の内径寸法で形成されている。また、保持孔85に、ロープ1の差込量を規制する当り用の底面85aを形成している。また、基端部84及びテーパ部82を半割り状にするスリット86を形成している。
図5に示すように、例えば、他方のロープ1Bの先端14を保持孔85に差し込むと、スリット86によって保持孔85が拡径すると共に復元力(バネ力)によって、他方のロープ1Bの先端14及び他端部13をコレットのように挟持状に保持して抜けを防止する。
【0014】
図6に於て、一方のロープ1Aの一端部11を、長手方向に圧縮して蛇腹状に内径を拡径すると共に、ストランド10とストランド10の間の織目(編目)を広げる。ロープ1Bと接続した挿入治具8の先端部81及び導入部82を、長手一方向N1に、拡径したロープ1Aの一端部11に挿入する。こうすることで、一方のロープ1Aの先端12をほぐして(ストランド10毎に分けて)、先端開口部を形成して他方のロープ1Bを挿入する必要がなくなり作業性が向上する。
【0015】
図7に示すように、一方のロープ1Aの一端部11に、挿入治具8の基端部84と共に他方のロープ1Bの先端14を挿入する。テーパ部83によって、一方のロープ1Aの一端部11が拡径してスムーズに基端部84が挿入される。
図8に示すように、挿入治具8及び他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11を、挿入した長手方向反対側のストランド10とストランド10の編目から引き抜くように挿通させる。
【0016】
図9に示すように、他方のロープ1Bの先端14から挿入治具8を取り外す。そして、他方のロープ1Bを長手他方向N2に引き戻し、他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11に収納させる。
図10に示すように、他方のロープ1Bの先端14を内有する一方のロープ1Aの一端部11を、長手方向に引っ張る。すると、一方のロープ1Aが縮径し、他方のロープ1Bの先端14を締め付けて摩擦力を増加させると共に、一方のロープ1Aのストランド10と他方のロープ1Bのストランド10が互いに係止して(かみ合って)抜けが防止される。
【0017】
そして、図11に示すように、一方のロープ1Aの先端12と挿入治具8を接続し、他方のロープ1Bの他端部13を拡径させ、上述のように挿入治具8を操作して、他方のロープ1Bの他端部13に、一方のロープ1Aの先端12を収納させて、他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に引っ張る。
すると、図12に示すように、一方のロープ1Aの先端12が他方のロープ1Bの他端部13に接続し、他方のロープ1Bの先端14が一方のロープ1Aの一端部11に接続された、連結部20が形成される。このようにして形成された連結部20は、接続金具等が不要で、長手方向の引っ張り力に強く、太さも連結部20の中央部20aでロープ2本程度と成り、後述の滑車3及び回転ドラム5との間で引っ掛かり等の不具合が防止される。
【0018】
また、一方のロープ1Aの一端部11を長手方向に圧縮すれば、一方のロープ1Aの内径が拡径して、スムーズに他方のロープ1Bの先端14が引き抜かれる。また、他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に圧縮すれば、他方のロープ1Bの内径が拡径して、スムーズに一方のロープ1Aの先端12が引き抜かれ、容易に連結部20の接続は解除される。
上述のように接続・分離自在な連結部20を構成し、複数本のクロスロープを順次連結部20にて接続して搬送ロープ2を形成する。
【0019】
また、図13に示すように、搬送ロープ2に修羅部材70が掛けられる引掛部21を形成する。
図14に示すように、可撓性を有する紐体7の一端7aと他端7bを、所定の間隔をもって、クロスロープ1の軸心略直交方向からストランド10とストランド10の間を挿通させ、クロスロープ1を挿通した一端7a側部と他端7b側部を、図13に示すように、結束して、垂下状の吊り輪を形成する。
このように、紐体7を用いることで後述の回転ドラム5との間で引っ掛かり等の不具合が防止される。また、フック部材79で引っ掛けるだけで連結でき、作業性を向上させている。また、クロスロープ1と紐体7を工具なしで接続でき、引掛部21を容易に増減できる。また、引掛部21と引掛部21のピッチ寸法を容易に変更できる。
【0020】
また、図1及び図2に示すように、搬送ロープ2を周回駆動させるための回転ドラム5と、搬送ロープ2に適度な張り(テンション)を付与するためのウインチ(巻取り機)6と、パワーシャベル等の建設機械や林内作業車等のエンジンや油圧モータ又は電気モータ等の駆動源Eと、回転ドラム5とウインチ6を夫々操作可能な操作部9と、をトラック等の運搬車両が侵入可能な搬送開始位置となる低位置Sに配設している。駆動源Eと回転ドラム5とウインチ6と操作部9は、具体的には履帯を有する自走可能なパワーショベル等の建設機械や林内作業車等に設ける。
【0021】
また、回転ドラム5に、搬送ロープ2を2回(2巻)以上巻き付ける。
また、低位置Sから高位置Jにわたって、滑道60を形成すべき場所の近傍に配設搬送ロープ2を懸架させるための架設部30を形成する。
また、回転ドラム5及びウインチ6の間に回転ドラム5の引込み方向と、ウインチ6の引っ張り方向を同方向とする折り返し用の滑車3(3B)を有する架設部30を形成する。
また、閉ループ状の搬送ロープ2に、ウインチ6で張りを付与するためのテンション用の滑車3(3A)を有する架設部30を形成する。
【0022】
図15に示すように、架設部30を、低位置Sや高位置Jに存在する樹木や竹等又は打設した杭等から成る支柱部31と、支柱部31に巻設され可撓性の帯状乃至紐状体を有する締め付けベルト等の締結部材32と、搬送ロープ2が懸架される回転体(プーリ)39を有する滑車3と、で構成する。
【0023】
図15(a)に示すように、滑車3を、締結部材32によって支柱部31に水平軸心La廻りに揺動自在に取着する。搬送ロープ2にテンションが付与されていない自然状態では、支柱部31に締結部材32を介して垂下状とし、搬送ロープ2にテンションが付与されると、図15(b)に示すように、回転体39側が上方へ揺動し、回転体39の回転軸心L3が鉛直状に回転可能にするように取着する。なお、鉛直状とは、水平面に対して、60度乃至120度の範囲を言う。
【0024】
滑車3は、架設現場に持ち込まれる前に、予め、軽量・小型で持ち運び自在に形成され、図16と図17に示すように、回転体39の円周凹溝39dから搬送ロープ2が下方に脱落するのを防止する底壁部39aを形成している。底壁部39aを、回転軸心L3周りに所定の間隔で上下方向に開口する切欠部39bを形成したスプロケット状(歯車状)に形成している。言い換えると、回転体39の底面側に、搬送ロープ2が下方に脱落するのを防止する係止突片39cを回転軸心L3周りに所定の間隔に形成している。
つまり、搬送ロープ2の引掛部21が回転体39に懸架される際に、吊り輪状の紐体7が、切欠部39b(係止突片39cと係止突片39cの間)から垂れ下がり、回転体39に引っ掛かることなく、垂下状態が保持され、搬送ロープ2のスムーズな周回駆動を可能に形成している。
【0025】
また、修羅部材70は、図19に示すように、滑道60に合流部63を形成するための分岐修羅部材70Aと、滑道60にストレート部64又はカーブ部62を形成するためのテーパ型修羅部材70Bと、滑道60にローラ78付の投入口部61を形成するための投入口用修羅部材70Cと、に、予め(搬送開始位置へ搬入する前に)、複数種類形成している。なお、図19に示す一点鎖線は、形成すべき滑道60の中心線を滑道予定線90として示したものである。
【0026】
図19及び図20に示すように、テーパ型修羅部材70Bは、下流端幅寸法Xbより上流端幅寸法Xaを大きく設定し上流拡幅状とし、幅広上流端部71と幅狭下流端部72とを形成している。
【0027】
図19と図21と図22に示すように、分岐修羅部材70Aは、平面視Y字状に形成する。上流から下流へ略直線状の本線部75と、本線部75の軸心75aから所定の傾き角度θをもって下流側から斜め上流方向に延伸する平面視傾斜状の副線部76と、を形成する。傾き角度θは、90度未満であって、副線部76から滑走対象物Wが滑走してきた際にスムーズに幅狭下流端部72へ流れるように、45度未満とするのがより好ましい。また、本線部75及び副線部76は、上流端幅寸法Xaを下流端幅寸法Xbより大きく設定して上流拡幅状とし、幅広上流端部71と幅狭下流端部72とを形成している。
【0028】
図19及び図23に示すように、投入口用修羅部材70Cは、底部(地面側)に、滑走方向に直交する水平軸心周りに回転自在なローラ78を並設する。下流端幅寸法Xbより上流端幅寸法Xcを大きく設定して上流拡幅状とし、幅広上流端部71と幅狭下流端部72とを形成している。なお、投入口用修羅部材70Cの上流端幅寸法Xcは、分岐修羅部材70A及びテーパ型修羅部材70Bの上流端幅寸法Xaより大きく設定し、滑走対象物Wを容易にローラ78上に載置可能としている。
【0029】
また、図23(b)に示すように、投入口用修羅部材70Cの側壁77を下流側から上流側に向かって低くなるように側面視傾斜状に形成する。
また、投入口用修羅部材70Cの幅狭下流端部72を、テーパ型修羅部材70Bの幅広上流端部71に載置した際に、投入口用修羅部材70Cの側壁77の下流側が、テーパ型修羅部材70Bの側壁77の上流側より上方(空側)に突出しないように形成し、滑走対象物Wを容易に載置可能としている。また、ローラ78によって、滑走対象物Wに勢いを付与することができ、スムーズな滑走を可能にしている。
【0030】
また、下流側修羅部材70の幅広上流端部71に、上流側の修羅部材70の幅狭下流端部72を、載置して嵌め込んだ際に、図示省略するが両部材が相互に位置ズレしないように、着脱自在に連結可能な接合部、又は、接続部材を設けている。
また、修羅部材70の材質としては、塩化ビニル、プラスチック、FRP、ジュラルミン、ステンレス、鉄等である。
また、分岐修羅部材70Aとテーパ型修羅部材70Bの上流端幅寸法Xaを同寸法とし、分岐修羅部材70Aとテーパ型修羅部材70Bと投入口用修羅部材70Cの下流端幅寸法Xbを同寸法とするのが好ましい。
【0031】
次に、図25(d)に示すような滑道60を形成する場合を例に説明する。
図24及び図25に於て、形成すべき滑道60の中心線を滑道予定線90として一点鎖線で示す。滑道予定線90は、形成される滑道60の投入口部61が対応し滑道予定線90の上流端位置に配設される投入口予定部91と、形成される滑道60のカーブ部62と対応する湾曲滑道予定部92と、形成される滑道60の合流部63と対応し滑道予定線90の中間位置に配設される合流予定部93と、形成される滑道60のストレート部64と対応する直線滑道予定部94と、を有している。
【0032】
図24(a)に示すように、低位置Sに多数の修羅部材70、回転ドラム5、ウインチ6、駆動源E、操作部9、テンション用滑車3(3A)、折り返し用滑車3(3B)を、配設する。また、低位置Sから高位置Jにわたって、滑道予定線90の下流側から所定の中間位置の近傍に、複数の架設部30を設置する。修羅部材70が牽引される往路側が滑道予定線90に沿って接近するように架設部30を設けるのが望ましい。
【0033】
図24(b)に示すように、回転ドラム5、ウインチ6、架設部30を介して搬送ロープ2を、低位置Sから高位置Jにわたって閉ループ状に懸架(張架)し、ウインチ6にて張りを付与し、回転ドラム5を水平軸心周りに回転駆動させ、搬送ロープ2を引込みつつ送り出して、閉ループ状の搬送ロープ2を周回駆動させる。図1及び図13に示すように修羅部材70と連結したフック部材79を搬送ロープ2の吊り輪状の引掛部21に順次係止させて、修羅部材70を牽引する。
【0034】
図24(c)に示すように、直線滑道予定部94に複数のテーパ型修羅部材70Bを下流側から順次直線状に配設して連結し、滑道予定線90の中間位置にある合流予定部93に分岐修羅部材70Aを配設して連結する。この最も下流位置に形成される合流部63より下流側にあるストレート部64は、滑道60の完成後に各投入口部61から投入された滑走対象物Wが低位置S側の1箇所(集材所)に滑走対象物Wを導く主流部65である。
【0035】
そして、図24(c)、図25(a)、図25(b)、図25(c)、図25(d)と順次示すように、分岐修羅部材70Aを配設した位置から枝分かれして上流側に延伸する滑道予定線90の近傍に新たな架設部30を順次設ける。
また、搬送ロープ2を、増設した架設部30に懸架可能に調節する。搬送ロープ2の連結部20の一方のロープ1Aの一端部11及び他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に圧縮させ、各先端12,14を引き抜いて接続を解除する。そして、図24(b)から図24(c)そして図25(a)に示すように変更する場合は、クロスロープ1の本数を追加して順次連結部20を形成することで、所望長さに延長した搬送ロープ2を形成し閉ループ状に懸架させる。また、図25(b)から図25(c)そして図25(d)に示すように変更する場合は、クロスロープ1の本数を減少させて、搬送ロープ2を短縮させる。つまり、滑道予定線90に合わせて搬送ロープ2を延長又は短縮すると共に架設部30を増減させ、架設ルート(修羅部材70の搬送ルート)を順次変更させて、修羅部材70を搬送する。
【0036】
搬送した修羅部材70を、滑道60が下流側から上流側に向かって分岐し枝状に延伸するように順次配設して連結する。直線滑道予定部94にテーパ型修羅部材70Bを下流側から上流側に直線状に配設して連結する。また、合流予定部93に分岐修羅部材70Aを配設して分岐部(合流部63)を形成する。分岐部からさらに上流側に向かって、ストレート部64や別の合流部63を複数形成する。また、投入口予定部91に投入口用修羅部材70Cを配設して投入口部61を複数形成する。また湾曲滑道予定部92に複数のテーパ型修羅部材70Bを円弧状に配設して連結しカーブ部62を形成する。
【0037】
図19に示すように、修羅部材70同士の連結は、下流側の修羅部材70の幅広上流端部71に、上流側の修羅部材70の幅狭下流端部72を、載置して嵌め込む。また、湾曲滑道予定部92に於ては、下流側のテーパ型修羅部材70Bと上流側のテーパ型修羅部材70Bを平面視ヘの字状に連結し、複数のテーパ型修羅部材70Bで円弧状に連結しカーブ部62を形成する。
【0038】
また、修羅部材70の搬送開始位置側に、回転ドラム5やウインチ6、駆動源E、操作部9を配置し、架設ルートを変更する必要のある高位置J側には、搬送ロープ2を駆動させる機械やテンションを負荷する機械等を配設しないので、架設ルートの変更を容易にしている。また、架設部30は、滑車3を締結部材32で支柱部31に結束させるだけなので、取付・取り外し(増減)が容易に行われ、架設ルートが迅速に変更される。
【0039】
図25(d)及び図18に示すように、完成した滑道60は、合流部63やカーブ部62を有し、木々を避けるように枝状に配設される。そして、滑走対象物Wは高位置Jの様々な箇所から低位置S内1箇所の集材所に効率良く集められる。また、滑道60の使用後は、修羅部材70に分解し、滑道60の近傍に架設ルートを設けて、搬送ロープ2で牽引して搬出する。
【0040】
なお、本発明は設計変更可能であって、図7に於て、一方のロープ1Aの一端部11内に、挿入治具8と共に他方のロープ1Bの先端14を収納した後、挿入治具8のみを引き抜いて、他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11内に残存させて接続しても良い。なお、低位置Sとは搬送すべき修羅部材70が集積され搬送すべき場所より低い場所であれば良い。高位置Jとは搬送すべき修羅部材70が集積されている場所よりも高い場所である。
【0041】
以上のように、本発明の修羅設置方法は、2本の中空状のクロスロープ1A,1Bの内、一方のクロスロープ1Aの一端部11に他方のクロスロープ1Bの他端部13側の先端14を挿入し、かつ、他方のクロスロープ1Bの他端部13に一方のクロスロープ1Aの一端部11側の先端12を挿入して、接続・分離自在な連結部20を構成し、複数本のクロスロープ1A,1Bを順次連結部20にて接続して搬送ロープ2を形成し、搬送ロープ2を低位置Sから高位置Jにわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道60を形成するための修羅部材70を低位置Sから牽引して高位置Jまで搬送するように構成し、さらに、接続する複数本のクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを順次変更させてゆくので、搬送ロープ2を現場にて容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境に柔軟に対応させて自由に変更できる。油圧カッター等の大型で駆動源が必要となるような切断機械や、連結用の接続金具が必要なく、複雑に編み込むアイスプライスを形成せずに、迅速かつ安価に搬送ロープ2を延長・短縮作業を行うことができる。人の手によって修羅部材70を搬送する必要がなく、修羅部材70をステンレス等の重い金属や様々な形状にしても容易かつ迅速に搬送できる。
【0042】
また、搬送ロープ2を、回転駆動する回転ドラム5に複数回巻設して、搬送ロープ2を引込みつつ送り出すようにして、低位置Sと高位置Jの間を周回駆動させるので、滑りを防止して回転ドラム5の回転力を確実に搬送ロープ2に伝達でき、エネルギー効率良く周回駆動させることができる。搬送ロープ2を閉ループ状に形成でき架設作業を容易に行うことができる。
【0043】
また、修羅部材70の内、予めY字状に形成した合流部形成用の分岐修羅部材70Aを、滑道予定線90の中間位置に配設し、下流側から上流側に向かって分岐させて滑道60を枝状に延伸させてゆくので、枝状の滑道60を容易に形成できる。現場に存在する木々や石等の障害物を避けて滑道60を形成できる。複数箇所からの滑走対象物Wを1箇所に集積させるように滑走させることが可能な効率の良い滑道60を形成できる。
【0044】
また、上記修羅部材70の内、予め上流側拡幅状に形成したテーパ型修羅部材70Bを、湾曲滑道予定部92に複数配設し、下流側のテーパ型修羅部材70Bの幅広上流端部71に、上流側のテーパ型修羅部材70Bの幅狭下流端部72を、嵌め込み、滑道60にカーブ部62を形成するので、斜面に存在する木々や石等の障害物を避けて滑道60を形成できる。滑道60を周囲の地形等の環境に柔軟に対応させて形成できる。
【符号の説明】
【0045】
1A クロスロープ
1B クロスロープ
2 搬送ロープ
5 回転ドラム
11 一端部
12 先端
13 他端部
14 先端
20 連結部
60 滑道
62 カーブ部
70 修羅部材
70A 分岐修羅部材
70B テーパ型修羅部材
71 幅広上流端部
72 幅狭下流端部
90 滑道予定線
92 湾曲滑道予定部
J 高位置
S 低位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、修羅設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木や竹等を伐採した伐採材を所定の位置まで滑走させる滑道を形成するために、多数の樋状修羅部材を接続する修羅設置方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−136409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような修羅部材は、設置される場所が多数の樹木が繁っている山間部の斜面であるため、トラック等の車で運搬することができず、人の手によって運ばれて設置されていた。そのため、多大な労力と手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、周囲の環境や滑道を形成すべき滑道予定線に合わせて、容易かつ迅速に修羅部材を搬送可能な修羅設置方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の修羅設置方法は、2本の中空状のクロスロープの内、一方の上記クロスロープの一端部に他方の上記クロスロープの他端部側の先端を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープの上記他端部に一方の上記クロスロープの一端部側の先端を挿入して、接続・分離自在な連結部を構成し、複数本の上記クロスロープを順次上記連結部にて接続して搬送ロープを形成し、上記搬送ロープを低位置から高位置にわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道を形成するための修羅部材を上記低位置から牽引して上記高位置まで搬送するように構成し、さらに、接続する複数本の上記クロスロープの本数を増減させて、上記搬送ロープが懸架される架設ルートを順次変更させてゆく方法である。
また、上記搬送ロープを、回転駆動する回転ドラムに複数回巻設して、上記搬送ロープを引込みつつ送り出すようにして、上記低位置と上記高位置の間を周回駆動させる方法である。
【0007】
また、上記修羅部材の内、予めY字状に形成した合流部形成用の分岐修羅部材を、滑道予定線の中間位置に配設し、下流側から上流側に向かって分岐させて上記滑道を枝状に延伸させてゆく方法である。
また、上記修羅部材の内、予め上流側拡幅状に形成したテーパ型修羅部材を、湾曲滑道予定部に複数配設し、下流側の上記テーパ型修羅部材の幅広上流端部に、上流側の上記テーパ型修羅部材の幅狭下流端部を、嵌め込み、上記滑道にカーブ部を形成する方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送ロープを容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境や、滑道を形成すべき滑道予定線に柔軟に対応させて変更できる。つまり、修羅部材を搬送するルートを容易かつ柔軟に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部側面図である。
【図2】実施の一形態を示す平面図である。
【図3】差込治具の一例を示す側面図である。
【図4】クロスロープの一例を示す側面図である。
【図5】差込治具の使用状態を説明する側面図である。
【図6】連結部を説明する側面図である。
【図7】連結部を説明する側面図である。
【図8】連結部を説明する側面図である。
【図9】連結部を説明する側面図である。
【図10】連結部を説明する側面図である。
【図11】連結部を説明する側面図である。
【図12】連結部を説明する側面図である。
【図13】引掛部の一例を示す側面図である。
【図14】引掛部を説明する側面図である。
【図15】架設部の一例を説明する側面図である。
【図16】滑車の使用状態を説明する側面図である。
【図17】滑車の使用状態を説明する底面図である。
【図18】滑道の一例を示す斜視図である。
【図19】滑道の一例を示す要部平面図である。
【図20】テーパ型修羅部材の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図21】分岐修羅部材の一例を示す平面図である。
【図22】分岐修羅部材の他例を示す平面図である。
【図23】投入口用修羅部材の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
【図24】作用説明図である。
【図25】作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明の修羅設置方法は、図18に示すように、伐採材等の滑走対象物Wを滑走させるたに、山間部等の斜面に設置される樋状の滑道60を形成する方法である。
図1及び図2に示すように、滑道60を形成するための修羅部材70の搬送開始位置となる低位置Sから搬送すべき位置である高位置Jにわたって、修羅部材70を牽引する搬送ロープ2を架設する。
【0011】
搬送ロープ2は、複数本の中空状のクロスロープ1,1から成り、周回駆動される前に、複数本のクロスロープ1,1の内、一方のクロスロープ1(1A)と他方のクロスロープ1(1B)を連結部20にて順次接続して形成する。
【0012】
ここで、連結部20の形成方法は、図4に示すように、2本のクロスロープ1,1の内、一方のクロスロープ1Aの一端部11の先端12と、他方のクロスロープ1Bの他端部13の先端14を、接近させて配設する。各先端12,14に粘着テープ等を巻着しほつれを防止する。
クロスロープ1は、多数本の合成繊維から成るストランド10を、2本(束)1組として、その組を交互に重ね合わせて(組み込んで)中空状(円筒網袋状)に形成した、六つ打ち、又は、八つ打ち、或いは12打ち合成繊維ロープとも呼ばれるものとする。例えば、シーアンカー、ブイロープ、定置網等に使用される。合成繊維は、例えば、ポリアシド系ナイロン、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン等である。なお、十分な強度を得るために、本発明は、12本(束)のストランド10から成るクロスロープ1(12打ち合成繊維ロープ)とするのが好ましい。なお、クロスロープ1(1A,1B)を以下「ロープ」と呼ぶ場合もある。
【0013】
図5に示すように、他方のロープ1Bの他端部13側の先端14を、棒状の挿入治具8に接続する。
挿入治具8は、現場に持ち込まれる前に、予め、軽量・小型な携帯自在に形成され、図3及び図5に示すように、半球状の先端丸型の先端部81と、先端部81から基端部84に向かってストレート状の導入部(ガイド部)82と、導入部82の直径から次第に拡径して基端部84と接するテーパ部83と、を有する形状に形成されている。基端部84は導入部82より大径に形成され、基端面84a側に開口すると共にロープ1が差し込まれる保持孔85を形成している。また、保持孔85は、ロープ1の自然状態乃至ラジアル方向圧縮縮径状態の直径より小さな寸法の内径寸法で形成されている。また、保持孔85に、ロープ1の差込量を規制する当り用の底面85aを形成している。また、基端部84及びテーパ部82を半割り状にするスリット86を形成している。
図5に示すように、例えば、他方のロープ1Bの先端14を保持孔85に差し込むと、スリット86によって保持孔85が拡径すると共に復元力(バネ力)によって、他方のロープ1Bの先端14及び他端部13をコレットのように挟持状に保持して抜けを防止する。
【0014】
図6に於て、一方のロープ1Aの一端部11を、長手方向に圧縮して蛇腹状に内径を拡径すると共に、ストランド10とストランド10の間の織目(編目)を広げる。ロープ1Bと接続した挿入治具8の先端部81及び導入部82を、長手一方向N1に、拡径したロープ1Aの一端部11に挿入する。こうすることで、一方のロープ1Aの先端12をほぐして(ストランド10毎に分けて)、先端開口部を形成して他方のロープ1Bを挿入する必要がなくなり作業性が向上する。
【0015】
図7に示すように、一方のロープ1Aの一端部11に、挿入治具8の基端部84と共に他方のロープ1Bの先端14を挿入する。テーパ部83によって、一方のロープ1Aの一端部11が拡径してスムーズに基端部84が挿入される。
図8に示すように、挿入治具8及び他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11を、挿入した長手方向反対側のストランド10とストランド10の編目から引き抜くように挿通させる。
【0016】
図9に示すように、他方のロープ1Bの先端14から挿入治具8を取り外す。そして、他方のロープ1Bを長手他方向N2に引き戻し、他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11に収納させる。
図10に示すように、他方のロープ1Bの先端14を内有する一方のロープ1Aの一端部11を、長手方向に引っ張る。すると、一方のロープ1Aが縮径し、他方のロープ1Bの先端14を締め付けて摩擦力を増加させると共に、一方のロープ1Aのストランド10と他方のロープ1Bのストランド10が互いに係止して(かみ合って)抜けが防止される。
【0017】
そして、図11に示すように、一方のロープ1Aの先端12と挿入治具8を接続し、他方のロープ1Bの他端部13を拡径させ、上述のように挿入治具8を操作して、他方のロープ1Bの他端部13に、一方のロープ1Aの先端12を収納させて、他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に引っ張る。
すると、図12に示すように、一方のロープ1Aの先端12が他方のロープ1Bの他端部13に接続し、他方のロープ1Bの先端14が一方のロープ1Aの一端部11に接続された、連結部20が形成される。このようにして形成された連結部20は、接続金具等が不要で、長手方向の引っ張り力に強く、太さも連結部20の中央部20aでロープ2本程度と成り、後述の滑車3及び回転ドラム5との間で引っ掛かり等の不具合が防止される。
【0018】
また、一方のロープ1Aの一端部11を長手方向に圧縮すれば、一方のロープ1Aの内径が拡径して、スムーズに他方のロープ1Bの先端14が引き抜かれる。また、他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に圧縮すれば、他方のロープ1Bの内径が拡径して、スムーズに一方のロープ1Aの先端12が引き抜かれ、容易に連結部20の接続は解除される。
上述のように接続・分離自在な連結部20を構成し、複数本のクロスロープを順次連結部20にて接続して搬送ロープ2を形成する。
【0019】
また、図13に示すように、搬送ロープ2に修羅部材70が掛けられる引掛部21を形成する。
図14に示すように、可撓性を有する紐体7の一端7aと他端7bを、所定の間隔をもって、クロスロープ1の軸心略直交方向からストランド10とストランド10の間を挿通させ、クロスロープ1を挿通した一端7a側部と他端7b側部を、図13に示すように、結束して、垂下状の吊り輪を形成する。
このように、紐体7を用いることで後述の回転ドラム5との間で引っ掛かり等の不具合が防止される。また、フック部材79で引っ掛けるだけで連結でき、作業性を向上させている。また、クロスロープ1と紐体7を工具なしで接続でき、引掛部21を容易に増減できる。また、引掛部21と引掛部21のピッチ寸法を容易に変更できる。
【0020】
また、図1及び図2に示すように、搬送ロープ2を周回駆動させるための回転ドラム5と、搬送ロープ2に適度な張り(テンション)を付与するためのウインチ(巻取り機)6と、パワーシャベル等の建設機械や林内作業車等のエンジンや油圧モータ又は電気モータ等の駆動源Eと、回転ドラム5とウインチ6を夫々操作可能な操作部9と、をトラック等の運搬車両が侵入可能な搬送開始位置となる低位置Sに配設している。駆動源Eと回転ドラム5とウインチ6と操作部9は、具体的には履帯を有する自走可能なパワーショベル等の建設機械や林内作業車等に設ける。
【0021】
また、回転ドラム5に、搬送ロープ2を2回(2巻)以上巻き付ける。
また、低位置Sから高位置Jにわたって、滑道60を形成すべき場所の近傍に配設搬送ロープ2を懸架させるための架設部30を形成する。
また、回転ドラム5及びウインチ6の間に回転ドラム5の引込み方向と、ウインチ6の引っ張り方向を同方向とする折り返し用の滑車3(3B)を有する架設部30を形成する。
また、閉ループ状の搬送ロープ2に、ウインチ6で張りを付与するためのテンション用の滑車3(3A)を有する架設部30を形成する。
【0022】
図15に示すように、架設部30を、低位置Sや高位置Jに存在する樹木や竹等又は打設した杭等から成る支柱部31と、支柱部31に巻設され可撓性の帯状乃至紐状体を有する締め付けベルト等の締結部材32と、搬送ロープ2が懸架される回転体(プーリ)39を有する滑車3と、で構成する。
【0023】
図15(a)に示すように、滑車3を、締結部材32によって支柱部31に水平軸心La廻りに揺動自在に取着する。搬送ロープ2にテンションが付与されていない自然状態では、支柱部31に締結部材32を介して垂下状とし、搬送ロープ2にテンションが付与されると、図15(b)に示すように、回転体39側が上方へ揺動し、回転体39の回転軸心L3が鉛直状に回転可能にするように取着する。なお、鉛直状とは、水平面に対して、60度乃至120度の範囲を言う。
【0024】
滑車3は、架設現場に持ち込まれる前に、予め、軽量・小型で持ち運び自在に形成され、図16と図17に示すように、回転体39の円周凹溝39dから搬送ロープ2が下方に脱落するのを防止する底壁部39aを形成している。底壁部39aを、回転軸心L3周りに所定の間隔で上下方向に開口する切欠部39bを形成したスプロケット状(歯車状)に形成している。言い換えると、回転体39の底面側に、搬送ロープ2が下方に脱落するのを防止する係止突片39cを回転軸心L3周りに所定の間隔に形成している。
つまり、搬送ロープ2の引掛部21が回転体39に懸架される際に、吊り輪状の紐体7が、切欠部39b(係止突片39cと係止突片39cの間)から垂れ下がり、回転体39に引っ掛かることなく、垂下状態が保持され、搬送ロープ2のスムーズな周回駆動を可能に形成している。
【0025】
また、修羅部材70は、図19に示すように、滑道60に合流部63を形成するための分岐修羅部材70Aと、滑道60にストレート部64又はカーブ部62を形成するためのテーパ型修羅部材70Bと、滑道60にローラ78付の投入口部61を形成するための投入口用修羅部材70Cと、に、予め(搬送開始位置へ搬入する前に)、複数種類形成している。なお、図19に示す一点鎖線は、形成すべき滑道60の中心線を滑道予定線90として示したものである。
【0026】
図19及び図20に示すように、テーパ型修羅部材70Bは、下流端幅寸法Xbより上流端幅寸法Xaを大きく設定し上流拡幅状とし、幅広上流端部71と幅狭下流端部72とを形成している。
【0027】
図19と図21と図22に示すように、分岐修羅部材70Aは、平面視Y字状に形成する。上流から下流へ略直線状の本線部75と、本線部75の軸心75aから所定の傾き角度θをもって下流側から斜め上流方向に延伸する平面視傾斜状の副線部76と、を形成する。傾き角度θは、90度未満であって、副線部76から滑走対象物Wが滑走してきた際にスムーズに幅狭下流端部72へ流れるように、45度未満とするのがより好ましい。また、本線部75及び副線部76は、上流端幅寸法Xaを下流端幅寸法Xbより大きく設定して上流拡幅状とし、幅広上流端部71と幅狭下流端部72とを形成している。
【0028】
図19及び図23に示すように、投入口用修羅部材70Cは、底部(地面側)に、滑走方向に直交する水平軸心周りに回転自在なローラ78を並設する。下流端幅寸法Xbより上流端幅寸法Xcを大きく設定して上流拡幅状とし、幅広上流端部71と幅狭下流端部72とを形成している。なお、投入口用修羅部材70Cの上流端幅寸法Xcは、分岐修羅部材70A及びテーパ型修羅部材70Bの上流端幅寸法Xaより大きく設定し、滑走対象物Wを容易にローラ78上に載置可能としている。
【0029】
また、図23(b)に示すように、投入口用修羅部材70Cの側壁77を下流側から上流側に向かって低くなるように側面視傾斜状に形成する。
また、投入口用修羅部材70Cの幅狭下流端部72を、テーパ型修羅部材70Bの幅広上流端部71に載置した際に、投入口用修羅部材70Cの側壁77の下流側が、テーパ型修羅部材70Bの側壁77の上流側より上方(空側)に突出しないように形成し、滑走対象物Wを容易に載置可能としている。また、ローラ78によって、滑走対象物Wに勢いを付与することができ、スムーズな滑走を可能にしている。
【0030】
また、下流側修羅部材70の幅広上流端部71に、上流側の修羅部材70の幅狭下流端部72を、載置して嵌め込んだ際に、図示省略するが両部材が相互に位置ズレしないように、着脱自在に連結可能な接合部、又は、接続部材を設けている。
また、修羅部材70の材質としては、塩化ビニル、プラスチック、FRP、ジュラルミン、ステンレス、鉄等である。
また、分岐修羅部材70Aとテーパ型修羅部材70Bの上流端幅寸法Xaを同寸法とし、分岐修羅部材70Aとテーパ型修羅部材70Bと投入口用修羅部材70Cの下流端幅寸法Xbを同寸法とするのが好ましい。
【0031】
次に、図25(d)に示すような滑道60を形成する場合を例に説明する。
図24及び図25に於て、形成すべき滑道60の中心線を滑道予定線90として一点鎖線で示す。滑道予定線90は、形成される滑道60の投入口部61が対応し滑道予定線90の上流端位置に配設される投入口予定部91と、形成される滑道60のカーブ部62と対応する湾曲滑道予定部92と、形成される滑道60の合流部63と対応し滑道予定線90の中間位置に配設される合流予定部93と、形成される滑道60のストレート部64と対応する直線滑道予定部94と、を有している。
【0032】
図24(a)に示すように、低位置Sに多数の修羅部材70、回転ドラム5、ウインチ6、駆動源E、操作部9、テンション用滑車3(3A)、折り返し用滑車3(3B)を、配設する。また、低位置Sから高位置Jにわたって、滑道予定線90の下流側から所定の中間位置の近傍に、複数の架設部30を設置する。修羅部材70が牽引される往路側が滑道予定線90に沿って接近するように架設部30を設けるのが望ましい。
【0033】
図24(b)に示すように、回転ドラム5、ウインチ6、架設部30を介して搬送ロープ2を、低位置Sから高位置Jにわたって閉ループ状に懸架(張架)し、ウインチ6にて張りを付与し、回転ドラム5を水平軸心周りに回転駆動させ、搬送ロープ2を引込みつつ送り出して、閉ループ状の搬送ロープ2を周回駆動させる。図1及び図13に示すように修羅部材70と連結したフック部材79を搬送ロープ2の吊り輪状の引掛部21に順次係止させて、修羅部材70を牽引する。
【0034】
図24(c)に示すように、直線滑道予定部94に複数のテーパ型修羅部材70Bを下流側から順次直線状に配設して連結し、滑道予定線90の中間位置にある合流予定部93に分岐修羅部材70Aを配設して連結する。この最も下流位置に形成される合流部63より下流側にあるストレート部64は、滑道60の完成後に各投入口部61から投入された滑走対象物Wが低位置S側の1箇所(集材所)に滑走対象物Wを導く主流部65である。
【0035】
そして、図24(c)、図25(a)、図25(b)、図25(c)、図25(d)と順次示すように、分岐修羅部材70Aを配設した位置から枝分かれして上流側に延伸する滑道予定線90の近傍に新たな架設部30を順次設ける。
また、搬送ロープ2を、増設した架設部30に懸架可能に調節する。搬送ロープ2の連結部20の一方のロープ1Aの一端部11及び他方のロープ1Bの他端部13を長手方向に圧縮させ、各先端12,14を引き抜いて接続を解除する。そして、図24(b)から図24(c)そして図25(a)に示すように変更する場合は、クロスロープ1の本数を追加して順次連結部20を形成することで、所望長さに延長した搬送ロープ2を形成し閉ループ状に懸架させる。また、図25(b)から図25(c)そして図25(d)に示すように変更する場合は、クロスロープ1の本数を減少させて、搬送ロープ2を短縮させる。つまり、滑道予定線90に合わせて搬送ロープ2を延長又は短縮すると共に架設部30を増減させ、架設ルート(修羅部材70の搬送ルート)を順次変更させて、修羅部材70を搬送する。
【0036】
搬送した修羅部材70を、滑道60が下流側から上流側に向かって分岐し枝状に延伸するように順次配設して連結する。直線滑道予定部94にテーパ型修羅部材70Bを下流側から上流側に直線状に配設して連結する。また、合流予定部93に分岐修羅部材70Aを配設して分岐部(合流部63)を形成する。分岐部からさらに上流側に向かって、ストレート部64や別の合流部63を複数形成する。また、投入口予定部91に投入口用修羅部材70Cを配設して投入口部61を複数形成する。また湾曲滑道予定部92に複数のテーパ型修羅部材70Bを円弧状に配設して連結しカーブ部62を形成する。
【0037】
図19に示すように、修羅部材70同士の連結は、下流側の修羅部材70の幅広上流端部71に、上流側の修羅部材70の幅狭下流端部72を、載置して嵌め込む。また、湾曲滑道予定部92に於ては、下流側のテーパ型修羅部材70Bと上流側のテーパ型修羅部材70Bを平面視ヘの字状に連結し、複数のテーパ型修羅部材70Bで円弧状に連結しカーブ部62を形成する。
【0038】
また、修羅部材70の搬送開始位置側に、回転ドラム5やウインチ6、駆動源E、操作部9を配置し、架設ルートを変更する必要のある高位置J側には、搬送ロープ2を駆動させる機械やテンションを負荷する機械等を配設しないので、架設ルートの変更を容易にしている。また、架設部30は、滑車3を締結部材32で支柱部31に結束させるだけなので、取付・取り外し(増減)が容易に行われ、架設ルートが迅速に変更される。
【0039】
図25(d)及び図18に示すように、完成した滑道60は、合流部63やカーブ部62を有し、木々を避けるように枝状に配設される。そして、滑走対象物Wは高位置Jの様々な箇所から低位置S内1箇所の集材所に効率良く集められる。また、滑道60の使用後は、修羅部材70に分解し、滑道60の近傍に架設ルートを設けて、搬送ロープ2で牽引して搬出する。
【0040】
なお、本発明は設計変更可能であって、図7に於て、一方のロープ1Aの一端部11内に、挿入治具8と共に他方のロープ1Bの先端14を収納した後、挿入治具8のみを引き抜いて、他方のロープ1Bの先端14を、一方のロープ1Aの一端部11内に残存させて接続しても良い。なお、低位置Sとは搬送すべき修羅部材70が集積され搬送すべき場所より低い場所であれば良い。高位置Jとは搬送すべき修羅部材70が集積されている場所よりも高い場所である。
【0041】
以上のように、本発明の修羅設置方法は、2本の中空状のクロスロープ1A,1Bの内、一方のクロスロープ1Aの一端部11に他方のクロスロープ1Bの他端部13側の先端14を挿入し、かつ、他方のクロスロープ1Bの他端部13に一方のクロスロープ1Aの一端部11側の先端12を挿入して、接続・分離自在な連結部20を構成し、複数本のクロスロープ1A,1Bを順次連結部20にて接続して搬送ロープ2を形成し、搬送ロープ2を低位置Sから高位置Jにわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道60を形成するための修羅部材70を低位置Sから牽引して高位置Jまで搬送するように構成し、さらに、接続する複数本のクロスロープ1A,1Bの本数を増減させて、搬送ロープ2が懸架される架設ルートを順次変更させてゆくので、搬送ロープ2を現場にて容易に延長又は短縮できる。架設ルートを地形等の周囲の環境に柔軟に対応させて自由に変更できる。油圧カッター等の大型で駆動源が必要となるような切断機械や、連結用の接続金具が必要なく、複雑に編み込むアイスプライスを形成せずに、迅速かつ安価に搬送ロープ2を延長・短縮作業を行うことができる。人の手によって修羅部材70を搬送する必要がなく、修羅部材70をステンレス等の重い金属や様々な形状にしても容易かつ迅速に搬送できる。
【0042】
また、搬送ロープ2を、回転駆動する回転ドラム5に複数回巻設して、搬送ロープ2を引込みつつ送り出すようにして、低位置Sと高位置Jの間を周回駆動させるので、滑りを防止して回転ドラム5の回転力を確実に搬送ロープ2に伝達でき、エネルギー効率良く周回駆動させることができる。搬送ロープ2を閉ループ状に形成でき架設作業を容易に行うことができる。
【0043】
また、修羅部材70の内、予めY字状に形成した合流部形成用の分岐修羅部材70Aを、滑道予定線90の中間位置に配設し、下流側から上流側に向かって分岐させて滑道60を枝状に延伸させてゆくので、枝状の滑道60を容易に形成できる。現場に存在する木々や石等の障害物を避けて滑道60を形成できる。複数箇所からの滑走対象物Wを1箇所に集積させるように滑走させることが可能な効率の良い滑道60を形成できる。
【0044】
また、上記修羅部材70の内、予め上流側拡幅状に形成したテーパ型修羅部材70Bを、湾曲滑道予定部92に複数配設し、下流側のテーパ型修羅部材70Bの幅広上流端部71に、上流側のテーパ型修羅部材70Bの幅狭下流端部72を、嵌め込み、滑道60にカーブ部62を形成するので、斜面に存在する木々や石等の障害物を避けて滑道60を形成できる。滑道60を周囲の地形等の環境に柔軟に対応させて形成できる。
【符号の説明】
【0045】
1A クロスロープ
1B クロスロープ
2 搬送ロープ
5 回転ドラム
11 一端部
12 先端
13 他端部
14 先端
20 連結部
60 滑道
62 カーブ部
70 修羅部材
70A 分岐修羅部材
70B テーパ型修羅部材
71 幅広上流端部
72 幅狭下流端部
90 滑道予定線
92 湾曲滑道予定部
J 高位置
S 低位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の中空状のクロスロープ(1A)(1B)の内、一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)に他方の上記クロスロープ(1B)の他端部(13)側の先端(14)を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープ(1B)の上記他端部(13)に一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)側の先端(12)を挿入して、接続・分離自在な連結部(20)を構成し、
複数本の上記クロスロープ(1A)(1B)を順次上記連結部(20)にて接続して搬送ロープ(2)を形成し、
上記搬送ロープ(2)を低位置(S)から高位置(J)にわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道(60)を形成するための修羅部材(70)を上記低位置(S)から牽引して上記高位置(J)まで搬送するように構成し、
さらに、接続する複数本の上記クロスロープ(1A)(1B)の本数を増減させて、上記搬送ロープ(2)が懸架される架設ルートを順次変更させてゆくことを特徴とする修羅設置方法。
【請求項2】
上記搬送ロープ(2)を、回転駆動する回転ドラム(5)に複数回巻設して、上記搬送ロープ(2)を引込みつつ送り出すようにして、上記低位置(S)と上記高位置(J)の間を周回駆動させる請求項1記載の修羅設置方法。
【請求項3】
上記修羅部材(70)の内、予めY字状に形成した合流部形成用の分岐修羅部材(70A)を、滑道予定線(90)の中間位置に配設し、下流側から上流側に向かって分岐させて上記滑道(60)を枝状に延伸させてゆく請求項1又は2記載の修羅設置方法。
【請求項4】
上記修羅部材(70)の内、予め上流側拡幅状に形成したテーパ型修羅部材(70B)を、湾曲滑道予定部(92)に複数配設し、
下流側の上記テーパ型修羅部材(70B)の幅広上流端部(71)に、上流側の上記テーパ型修羅部材(70B)の幅狭下流端部(72)を、嵌め込み、上記滑道(60)にカーブ部(62)を形成する請求項1,2又は3記載の修羅設置方法。
【請求項1】
2本の中空状のクロスロープ(1A)(1B)の内、一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)に他方の上記クロスロープ(1B)の他端部(13)側の先端(14)を挿入し、かつ、他方の上記クロスロープ(1B)の上記他端部(13)に一方の上記クロスロープ(1A)の一端部(11)側の先端(12)を挿入して、接続・分離自在な連結部(20)を構成し、
複数本の上記クロスロープ(1A)(1B)を順次上記連結部(20)にて接続して搬送ロープ(2)を形成し、
上記搬送ロープ(2)を低位置(S)から高位置(J)にわたって閉ループ状に懸架して周回駆動させ、滑道(60)を形成するための修羅部材(70)を上記低位置(S)から牽引して上記高位置(J)まで搬送するように構成し、
さらに、接続する複数本の上記クロスロープ(1A)(1B)の本数を増減させて、上記搬送ロープ(2)が懸架される架設ルートを順次変更させてゆくことを特徴とする修羅設置方法。
【請求項2】
上記搬送ロープ(2)を、回転駆動する回転ドラム(5)に複数回巻設して、上記搬送ロープ(2)を引込みつつ送り出すようにして、上記低位置(S)と上記高位置(J)の間を周回駆動させる請求項1記載の修羅設置方法。
【請求項3】
上記修羅部材(70)の内、予めY字状に形成した合流部形成用の分岐修羅部材(70A)を、滑道予定線(90)の中間位置に配設し、下流側から上流側に向かって分岐させて上記滑道(60)を枝状に延伸させてゆく請求項1又は2記載の修羅設置方法。
【請求項4】
上記修羅部材(70)の内、予め上流側拡幅状に形成したテーパ型修羅部材(70B)を、湾曲滑道予定部(92)に複数配設し、
下流側の上記テーパ型修羅部材(70B)の幅広上流端部(71)に、上流側の上記テーパ型修羅部材(70B)の幅狭下流端部(72)を、嵌め込み、上記滑道(60)にカーブ部(62)を形成する請求項1,2又は3記載の修羅設置方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−17194(P2012−17194A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156421(P2010−156421)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(510157535)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(510157535)
【Fターム(参考)】
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