説明

修飾ポリアミド膜

修飾ポリアミド膜ならびにその製造方法および使用方法である。本発明は、ポリアミド膜を所定の修飾剤、例えば、限定するものではないが所定のオキサゾリン系および/またはチアゾリン系の化合物、その誘導体およびポリマー等と接触させることを含む方法を含む多くの態様を包含する。一態様において、ポリアミド膜の表面を、ポリオキサゾリンおよび任意にポリアルキレンオキサイド物質を含む溶液でコートし続いて任意に加熱する。好ましい態様は、改善された性能、例えば所定の種(例えば、塩化ナトリウムおよび/もしくは酸化ホウ素,例えばホウ酸もしくは種々のボレート塩)の拒絶の増大、汚染の低減、抗微生物特性の改善、ならびに/または貯蔵安定性の改善を示すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
(1)発明の分野
本発明は、概略的には、ポリアミド膜に関し、修飾剤(例えば、これらに限定するものではないが、所定のオキサゾリン系および/またはチアゾリン系の化合物、その誘導体およびポリマー等)の適用によってこのような膜を修飾する方法を包含する。
【背景技術】
【0002】
(2)関連技術の説明
ポリアミド膜は、流体の分離を行なうために何十年もの間使用されてきた。このような膜の古典的な例は、FilmTec CorporationのFT−30(商標)膜であり、これは、薄いフィルムのポリアミド層を有するマイクロ多孔質ポリスルホンシートを含む。米国特許第4,277,344号および第5,658,460号(Cadotteら);米国特許第6,878,278号(Mickols);米国特許第6,024,873号(Hirose)および米国特許第4,950,404号(Chau)に記載されるように、ポリアミド層は、多官能アミンモノマーと多官能アシルハライドモノマーとの界面重縮合反応によって得られる。このようなポリアミド膜を修飾する方法は、米国特許第5,876,602号(Jonsら);米国特許第5,755,964号および米国特許第6,280,853号(Mickols);米国特許第4,888,116号;米国特許第4,765,897号;米国特許第4,964,998号(Cadotteら);米国出願公開第2007/0251883号(Niu);米国特許第5,178,766号(Ikedaら)および米国特許第6,913,694号および米国出願公開第2007/0175821号(Kooら)に記載されている。先の文献の各々の全内容は、完全に本明細書に組入れる。ポリアミド膜を修飾するための更に他の方法が、国際公開第WO2007/133362号パンフレット(Mickolsら)に記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の簡単な要約
本発明は、修飾ポリアミド膜ならびにその製造方法および使用方法を包含する。本発明は、ポリアミド膜を所定の修飾剤(例えば、これらに限定するものではないが所定のオキサゾリン系および/またはチアゾリン系の化合物、その誘導体およびポリマー)と接触させることを含む方法を包含する多くの態様を包含する。好ましい態様は、改善された性能、例えば所定の種(例えば、塩化ナトリウムおよび/またはホウ酸)の拒絶の増大、汚染の低減、抗微生物特性の増大、および/または貯蔵安定性の改善を示す。多くの追加的な態様、目的、利点および特徴が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0004】
発明の詳細な説明
本発明は、ポリアミド膜または適用の具体的な種類、構造または形状に特に限定するものではない。すなわち、本発明は、種々の用途,例えば逆浸透(RO)、ナノろ過(NF)、限外ろ過(UF)、およびマイクロろ過(MF)流体分離に用いられる、平坦シート、チューブ状および中空繊維のポリアミド膜に適用可能である。しかし、本発明は、コンポジットポリアミド膜,例えば背景技術の項で前記したようなものを修飾するために特に有用である。これらの種類のコンポジット膜は、一般的に、マイクロ多孔質支持体および「薄フィルム」ポリアミド層を含む平坦シートとして提供される。このようなコンポジットポリアミド膜は、ROおよびNF分離用のらせん巻モジュールに最も一般的に使用される。
【0005】
本開示のポリアミド膜は、多官能アミンモノマーと多官能アシルハライドとを界面で重合させることによって製造でき、ここで各用語は、両者とも、単数種または複数種の、組合せでのアミンまたは組合せでのハライドを、多孔質支持体の少なくとも1つの表面上に使用することを意味することを意図する。本明細書で用いる「ポリアミド」は、アミド結合(−C(O)NH−)が分子鎖に沿って生じるポリマーである。多官能アミンモノマーおよび多官能アシルハライドは、溶液からコーティングステップによって多孔質支持体に与えることができ、一方、多官能アミンモノマーは、水性溶液からコートでき、そして多官能アシルハライドは有機系溶液からコートできる。コーティングステップは「非逐次」(すなわち、特定順序に従わない)であることができるが、好ましくは、多孔質支持体上にまず多官能アミンモノマー、続いて多官能アシルハライドをコートする。コーティングは、コーティング技術の中でも特に、スプレー、フィルムコート、ロール、またはディップタンクの使用を介して実現できる。過剰の溶液は、特に、エアおよび/またはウオーターナイフ、ドライヤーまたはオーブンで支持体から除去できる。
【0006】
多官能アミンモノマーは、1級または2級のアミノ基を有することができ、そして芳香族(例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,3,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール、およびキシリレンジアミン)または脂肪族(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、およびトリス(2−ジアミノエチル)アミン)であることができる。好ましい多官能アミンモノマーの例としては、2つまたは3つのアミノ基を有する1級アミン、例えば、m−フェニレンジアミン、および2つのアミノ基を有する2級脂肪族アミン,例えばピペラジンが挙げられる。多官能アミンモノマーは、多孔質支持体に水性溶液として適用できる。水性溶液は、約0.1〜約20質量パーセント、より好ましくは約0.5〜約6質量パーセントの多官能アミンモノマーを含有できる。多孔質支持体上にコートした時点で、過剰の水性溶液を任意に除去できる。
【0007】
多官能アシルハライドは、好ましくは、非極性溶媒を含む有機系溶液からコートするが、多官能アシルハライドは、蒸気相(例えば、十分な蒸気圧を有する多官能アシルハライドのための)から得ることができる。多官能アシルハライドは、好ましくは本来的に芳香族で、分子当たり少なくとも2つおよび好ましくは3つのアシルハライド基を有するものである。これらのコストがより低く、そして入手性がより高いことに起因し、塩化物は、対応する臭化物またはヨウ化物よりも一般的に好ましい。1つの好ましい多官能アシルハライドは、トリメソイルクロリド(TMC)である。多官能アシルハライドは、有機溶媒中に、約0.01〜10質量パーセント、好ましくは0.05〜3質量パーセントの範囲で溶解でき、そして連続コーティング操作の一部として与えることができる。好適な溶媒は、多官能アシルハライドを溶解できるものであり、そして水と非混和性であるもの,例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびハロゲン化炭化水素,例えばFREONシリーズである。好ましい溶媒としては、オゾン層に対する脅威を有さず、更に、その引火点および可燃性の点で、ルーチン加工を行なうのに十分安全で特別な予防措置を負うことがないものが挙げられる。より高い沸点の炭化水素、すなわち沸点が約90℃超であるもの,例えば8〜14個の炭素原子を有する炭化水素およびその混合物は、5〜7個の炭素原子を有する炭化水素よりも好ましい引火点を有するが、これらは揮発性がより小さい。好ましい有機溶媒は、ISOPAR(商標)(Exxon Chemical Companyから入手可能)である。
【0008】
互いに接触した時点で、多官能アシルハライドと多官能アミンモノマーとが、これらの表面界面で反応してポリアミド膜を形成する。ポリアミド膜が多孔質支持体上に形成される態様において、ポリアミド膜はしばしば、ポリアミド「選別層(discriminating layer)」または「薄フィルム層」という。本明細書で用いる「ポリアミド膜」は、多孔質支持体上に形成されるポリアミド膜および/またはポリアミド選別層を意味することができる。
【0009】
多官能アシルハライドと多官能アミンモノマーとの反応時間は、1秒未満であることができるが、接触時間の範囲は1〜60秒の範囲であり、その後過剰の液体を、エアナイフ、1つまたは複数の水浴、ドライヤー等で任意に除去できる。過剰の水および/または有機溶媒の除去は、高温,例えば約40〜約120℃で乾燥させることにより実現できるが、室温での風乾も使用できる。
【0010】
多孔質支持体は、マイクロ多孔質支持体であることができる。種々の態様において、マイクロ多孔質支持体は、そこで浸透通過を可能にするのに十分なサイズであるが、その上に形成される薄いポリアミド膜が埋めるのを妨げるのに十分には大きくないポアサイズを含むポリマー物質であることができる。例えば、支持体のポアサイズは、1nm〜500nmの範囲であることができる。ポア径が500nmよりも大きいことにより、ポリアミド膜がポア中に垂れ下がり、これによって幾つかの態様で所望される平坦シート構造が妨害される場合がある。多孔質支持体の例としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、および種々のハロゲン化ポリマー,例えばポリフッ化ビニリデンで形成されるものが挙げられる。多孔質支持体は他の物質でも形成できる。幾つかの態様において、多孔質支持体は、25μm〜125μmの範囲の厚みを有することができる。
【0011】
本方法は、一般的に、後述するようにポリアミド膜を「修飾剤」と接触させるステップを含む。該方法は、ポリアミド膜を製造する方法の中に、例えばポリアミド膜自体の実際の形成の間に、統合できる;しかし、好ましい態様においては、本方法は、ポリアミド膜の形成の後に実施する。例えば、一態様において、本方法は、連続膜製造プロセスの一部であり、そしてポリアミドコンポジット膜の形成直後に行なう;一方、他の態様においては、ポリアミド膜を形成し、本方法による処理の前に貯蔵してもよい。「接触」のステップは、修飾剤をポリアミド膜と接触させる任意の手段を広く説明することを意図する。同様に、用語「適用」は、修飾剤を、ポリアミド膜の少なくとも表面部分に接触させる幅広い手段,例えばスプレー、エアナイフ、ロール、スポンジ、コート、ディップ、ブラシまたは任意の他の公知の手段によるものを広く説明することを意図する。1つの好ましい適用技術は、修飾剤の薄いコーティングを、ポリアミド膜の外側表面の少なくとも一部の上にロール接触コーター(当該分野で「キス」コーターということもある)によって適用することである。修飾剤は、好ましくは水系溶液から与えられる。該溶液は、少なくとも0.001質量パーセント、好ましくは少なくとも0.01質量パーセント、およびより好ましくは少なくとも0.1質量パーセントの修飾剤、そして約10質量パーセント未満、およびより好ましくは約1質量パーセント未満の修飾剤を含むことができる。コーティング溶液は、他の構成成分,例えばこれらに限定するものではないが共溶媒、追加的な修飾剤(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、多官能エポキシ物質)、更に、前の製造ステップからの残留「キャリーオーバー」をも含むことができる。好ましい修飾剤コーティングはポリアミド表面の実質的に主要部を被覆する。
【0012】
代替の態様において、修飾剤は、該修飾剤を供給液体(これは膜を通過(接触)する)に例えば膜がモジュールに組み立てられた後で添加することによって、ポリアミド膜に適用できる。この代替の適用技術は、修飾剤がポリマーである態様に対して、より好適である。
【0013】
修飾剤がポリアミド膜の少なくとも表面部分に接触した時点で、得られる膜を好ましくは加熱(例えば対流エアドライヤーまたはオーブンによって)する;しかし、他の加熱手段,例えばIRヒーター、ランプ等を使用してもよい。特に限定するものではないが、このようなドライヤーまたはオーブンの温度は、好ましくは、加工条件,例えばライン速度、膜化学等を最適化するように設計する。幾つかの好ましい態様において、加熱ステップは、ポリアミド膜をオーブンまたは対流エアドライヤーに気温約60〜120℃、およびより好ましくは85〜100℃で数秒間(好ましくは約10〜60秒間)数分以下(そして幾つかの態様においては大幅により長く)通過させることを含む。以下に説明するように、任意であるが好ましい加熱のステップは、修飾剤とポリアミド膜および/または幾つかの態様において存在する他の物質との反応を促進する。
【0014】
修飾剤を「適用」および/または「加熱」するステップは、同時に実施できるが、好ましくは逐次で実施する。更に、適用および/または加熱のステップは複数のサイクル,例えばコーティングに続いて加熱、続いてコーティングおよび加熱を含むことができる。更に、加熱のステップをコーティングのステップの前に用い、特に、ポリアミド層の形成後に残存する残留流体を除去することができる。
【0015】
本発明の修飾剤としては、オキサゾリン系および/またはチアゾリン系の化合物、その誘導体およびポリマーが挙げられる。この分類は、好ましくは、オキサゾリン環および/またはチアゾリン環、特に2−オキサゾリン環および/または2−チアゾリン環を基にする物質を含む。このような環は、種々の置換基を含み、そして重合してマクロモノマー、コポリマーまたはホモポリマーを形成できる−全てを纏めて、特記がない限り本明細書で「ポリマー」という。
【0016】
一態様において、修飾剤は、式(I):
【0017】
【化1】

【0018】
で表される2−オキサゾリン化合物および/または2−チアゾリン化合物から選択される。Yは、酸素(オキサゾリン)および硫黄(チアゾリン)から選択されるが、好ましくは酸素である。R1、R2、R3およびR4は特に限定されない。例として、R1、R2、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよく、そして:水素;ハロゲン;脂肪族,例えばアルキルまたはアルケニル(置換脂肪族,例えばヒドロキシルアルキルまたはヒドロキシルアルケニルを含む);アリール(置換基,例えばヒドロキシル、アルキル、ハロまたはヒドロキシル等を含む置換アリールを含む);アミノ;エステル;ヒドロキシル;およびポリアルキレンオキサイド(例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)のような様々な基から選択でき、そして好ましくはアルコール、エーテル、エポキシドまたはポリアルコール,例えばエチレングリコールを含む。他の好ましい態様において、R1、R2、R3およびR4は独立に水素、アリール基および1〜4個の炭素原子(およびより好ましくは1〜2個の炭素原子)を有するアルキル基から選択される。1つ以上のアルキル基および/またはアリール基が含まれる場合、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも2つが水素であることが好ましい。
【0019】
Zは、特に限定されないが、好ましくは、式Iの環(オキサゾールまたはチアゾール)を開環させ、そして好ましい態様においては重合させる「環活性化」基である。好ましい重合は、以下に記載するカチオン開環および生長(重合)によって進行する。用語「環活性化」基は、カチオン環を脱安定化して開環反応性、および後続の生長を向上させる置換基を含む。理論に拘束されることを望まないが、生長ステップは、重合速度の制御においてより臨界的であると考えられる。よって、好ましい態様において、Zは、「生長基」、すなわち生長を可能にし、そして好ましくは向上させる基から選択される。電子求引性基はカチオン環を脱安定化し、そして1)開環反応性および2)生長を向上させ;一方、電子供与性基は、環を安定化させ、および/または開環反応性を低減させる傾向があると更に考えられる。オキサゾールのために、水素、フェニル、アルキル(例えばメチル、エチル等)等の基は、開環および生長を可能にするのに十分な電子効果を有する。
【0020】
例として、オキサゾリンについての好ましいカチオン開始重合反応スキームを以下に説明する。ここで「MeOT」はメチルトシレートであり、「Me」はメチルである。このカチオン性開環重合について、重合は、2つの主な要因:反応式1における、1種または複数種の2−オキサゾリン塩の形成によるモノマーの求核性;および、反応式2および3において形成される、生長オキサゾリニウム種の開環反応性;により支配される。全体として、重合性は、生長種の反応性によって支配される。
【0021】
反応スキーム1:カチオン性開環および重合
開始:
【0022】
【化2】

【0023】
生長:
【0024】
【化3】

【0025】
このような重合は、式IIの修飾剤を参照して以下に説明するように、修飾剤のポリアミド膜への適用後または適用前に起こることができる。
【0026】
適用できる環活性化基(Z基)としては:水素;ハロゲン;脂肪族,例えばアルキル(例えば1〜20個、しかし好ましくは1〜4個の炭素原子を有する)またはアルケニル;置換脂肪族,例えばヒドロキシルアルキルまたはヒドロキシルアルケニル;アリール;置換基,例えばヒドロキシル、アルキル、ハロまたはヒドロキシルを含む置換アリール;アミノ;ヒドロキシル;およびポリアルキレンオキサイド(例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド)、好ましくはアルコール、エーテル、エポキシドまたはポリアルコール,例えばエチレングリコール末端基等;が挙げられ、そして分子量約2000ダルトン未満、好ましくは約1000ダルトン未満、およびより好ましくは約600ダルトン未満である。用いる場合、ポリアルキレンオキサイド基は、線形、分岐、櫛型、ブラシ型、星型または樹状であることができる。Zがポリアルキレンオキサイド基である幾つかの態様において、PEG化プロセス(以下に説明する)を用いてポリアルキレンオキサイドを修飾剤に(例えば元の環の2番炭素を介して)結合させることができる。
【0027】
他の適用できるZ基としては、向上した抗微生物効果を与える(すなわち、抗微生物特性が増大した修飾膜をもたらす)もの,例えば:アニリン、ベンゼン−1,3−ジアミン、ヒドロキシル、4級アンモニウムおよびポリバイオサイドが挙げられる。
【0028】
Zは、内部連結基(「L」)を、前記の基と元の環の2番炭素との間に含むこともできる。連結基は特に限定されず、そして前記のZ基と元の環の2番炭素との間の共有結合の役割を果たし、式(I−A):
【0029】
【化4】

【0030】
(式中、Z’は、前記したZ基と同じものである)
で示される。
【0031】
適用できる連結基の例としては:アルキル、フェニル、エステル、ケトン、エーテル、酸素、スルフィド、ウレタン、ベータヒドロキシアミン、アミド、アミン、ホスフェート、スルホン、およびチオール、ならびに金属,例えば鉄、鉛、アンチモンおよびリンが挙げられる。
【0032】
コート性を改善するために、Zは、好ましくは、溶解性パラメータが約18J1/2cm-3/2超、好ましくは約20J1/2cm-3/2以上、より好ましくは約22J1/2cm-3/2以上、および幾つかの態様においては24J1/2cm-3/2以上;ならびに約49J1/2cm-3/2以下である修飾剤を与えるかもたらす群から選択される。Zが、溶解性パラメータ18未満の修飾剤をもたらす置換基から選択される場合、修飾剤をポリアミド膜の上に、特に水系コーティング溶液からコートすることが次第に困難になる。溶解性パラメータは広く用いられ、そして文献において報告されている。溶解性パラメータは、実験的に評価できるが、しばしば計算値に基づき、または、実験的に評価される同様の物質の値に基づいて見積もる。溶解性パラメータの使用は、Hildebrandの初期の研究に遡り、これは凝集エネルギー密度、すなわち物質の凝集エネルギーの平方根をそのモル体積で除したものを用いるものである。溶解性パラメータは、一般的に、基本物理パラメータの一連の近似を用いて算出する。最新の取組みは、D.W.Van Krevelen ”Properties of Polymers,Their correlation with chemical structure: their numerical estimation and predictions from additive group contributions,”3rd Ed.,Elsevier,New York,(1990)に記載されている。
【0033】
好ましい態様において、Zは、少なくとも50質量パーセントの水、好ましくは少なくとも75質量パーセントの水、より好ましくは少なくとも90質量パーセントの水、および更により好ましくは少なくとも98質量パーセントの水を含む水系溶液中で可溶性の修飾剤をもたらす基(すなわち「可溶化基」)から選択される。このような水系溶液は、他の成分,例えばアルコール,例えば:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサノール等;界面活性剤、および/または他の添加剤を含むことができる。殆どの態様において、好ましい可溶化基としては:水素、アリール基または1〜20個、しかし好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基およびポリアルキレンオキサイド基が挙げられる。当業者は、修飾剤の総分子量、修飾剤の末端封鎖基の化学的性質、および任意のコモノマー単位の存在が、修飾剤の溶解性に影響する可能性があること、ならびに水系溶液中の任意の与えられる修飾剤の溶解性はルーチン実験によって評価できることを理解するであろう。
【0034】
Y,Z,R1,R2,R3およびR4の選択は互いに独立である。幾つかの好ましい態様において、R1,R2,R3およびR4は、各々水素であり、Yは酸素であり、そしてZは水素、アリール基または1〜20個、しかし好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基,たとえば2−エチルオキサゾリンである。更に別の好ましい一連の態様において、R1,R2,R3およびR4は各々水素であり、Yは酸素であり、そしてZはポリアルキレンオキサイド基(例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)である。ポリアルキレンオキサイド基は、好ましくは、約60未満、およびより好ましくは30未満、および更により好ましくは20未満の、アルキレンオキサイドの繰り返し単位を有し、そして好ましくはヒドロキシル、エポキシドまたはエチレングリコールの末端基を含む。
【0035】
本明細書で用いる語句「同じまたは異なる」は、個別の基,例えばZ,R1,R2等が、互いに独立に(すなわち、個別の化合物の中で、繰り返し単位の中で、および/または別個の化合物もしくはポリマーの間で)選択されることを意味することを意図する。
【0036】
本発明の別の態様において、修飾剤は、式(II)
【0037】
【化5】

【0038】
(式中、R1、R2、R3、R4、YおよびZは式Iに関して定義した通りであり、そしてnは2〜約50,000、好ましくは約50〜約10,000の間の整数である)
で表される繰り返し単位を含むポリマーである。Zは、好ましくは、溶解性パラメータが約18J1/2cm-3/2以上、好ましくは20J1/2cm-3/2以上、より好ましくは22J1/2cm-3/2以上、および幾つかの態様においては24J1/2cm-3/2以上;ならびに約49J1/2cm-3/2以下である修飾剤を与えるかさもなければもたらす基から選択される。幾つかの態様において、Zは、前記した可溶化基である。幾つかの好ましい態様において、R1,R2,R3およびR4は、各々水素であり、Yは酸素であり、そしてZは水素、アリール基、1〜20個、しかし好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、またはポリアルキレンオキサイド基(例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド)であり、好ましくは:アルコール、エーテル、エポキシドまたはポリアルコール,例えばエチレングリコールの末端基から選択される末端封鎖基を含む。
【0039】
ポリマーの末端部分(すなわち、式IIの括弧内部分ではない外側)は特に限定されず、そして好ましくは、ポリマーの総質量のうち、ポリマーの約50質量パーセント未満、より好ましくは約10質量パーセント未満、更により好ましくは約5質量パーセント未満、更により好ましくは約2質量パーセント未満、および幾つかの態様において約1質量パーセント未満を構成する。幾つかの態様において、ポリマーの末端部分は、非反応性であることができ、または単純に重合の残基部分であることができる(例えばアルキルおよび/またはヒドロキシル)。しかし、多くの態様において、末端部分は、ポリアミド膜の化学的部分と化学的に反応性の基を含み、例えばこれと共有結合または水素結合を形成する。このような基の例としては:アルコール、オキサゾリン、チオール、トリル、アミン、アジド、カルボキシ、スチリル、(メタ)アクリレート、アルケニル、およびビニル基を含有する基、ならびに特にエポキシド、エチレングリコール、およびヒドロキシルが挙げられる。例として、式(II−A):
【0040】
【化6】

【0041】
(式中、E1およびE2は、末端封鎖基であり、そしてL1およびL2は連結基である)
について言及する。E1およびE2は同じまたは異なることができるが、E1は、一般的に:水素、アルキル基、p−スチリルアルキル基、m−スチリルアルキル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、1,3−ジアミノベンジル基、アクリルアルキル基およびメタクリルアルキル基、ビニルアルキル基、ビニルエステル基、ビニルエーテル基、およびポリアルキレングリコール基から選択される。E2は、一般的に、ヒドロキシル基、ハロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、ジエタノールアミノ基、p−スチリルアルキルアミノ基、m−スチリルアルキルアミノ基、メタクリレート基、アクリレート基、アクリルアルキルアミノ基、メタクリルアルキルアミノ基、ビニルアルキルアミノ基、ビニルエステルアミノ基、ビニルエーテルアミノ基、およびポリ(アルキレンオキサイド)アミノ基から選択される。好ましい態様において、末端封鎖のうち少なくとも1つは、反応性基,例えばエポキシ、エチレングリコールおよびヒドロキシルから選択されるが、好ましくはエポキシである。E1は、開環開始剤の選択に基づいて選択できる。加えて、E2の官能基は、2−オキサゾリン重合のリビング性により導入でき、一方、2−オキサゾリンのリビングカチオン性生長種は、求核剤(例えばアミン含有基)で末端処理(末端封鎖)される。また、E1およびE2は、種々の重合性ビニル基を含有できる。
【0042】
連結基L1およびL2は特に限定されず、末端封鎖基に共有結合を与える役割を果たす。この作用の役割に加え、これらを選択してポリマーの溶解性、親水性および/または水素結合能力を変えることができる。例えば、L1およびL2のうち一方または両方が、末端封鎖基への単純共有結合、または、末端封鎖基に結合する脂肪族基、アルキルフェニルエステル、エーテル、スルフィド、ウレタン、アミド、アミン、金属、ホスフェート、ポリアルキレンオキサイド基、もしくはポリビニルアルコール基であることができる。好ましい連結基としては、1〜12個の炭素原子を有するエーテル基およびアルキル基が挙げられる。
【0043】
連結基および末端基の組合せの分子量が総ポリマーの10質量パーセントに近づくに従い、得られるポリマーはブロックコポリマーとしてより良好に説明できる。ここで用語「ブロック」は、再出現する繰り返し単位のセグメントを意味する。好ましい態様において、連結基またはブロックは、好ましくは、ポリマーの10質量パーセント以下、より好ましくは5質量パーセント以下、更により好ましくは2質量パーセント以下、および幾つかの態様においては、ポリマーの1質量パーセント以下を含む。例えば、連結基の少なくとも1つがポリアルキレンオキサイドを含む態様において、繰り返しアルキレンオキサイド単位の数は、好ましくは約60未満、より好ましくは30未満、および更により好ましくは20未満である。
【0044】
用語「ポリアルキレンオキサイド基」または「ポリアルキレンオキサイド物質」は、エーテル−アルキル基(ここでアルキル基は、置換されていることができる2〜3個の炭素原子を含む繰り返し単位の骨格を形成する)を含む少なくとも2つの繰り返し単位を有するポリマーまたは基を説明することを意図する。一般的な置換基としては、エポキシ連結基を介して結合するアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシルアルキル、およびアルキル基が挙げられる。具体例としては、エチレンオキサイド繰り返し単位およびプロピレンオキサイド繰り返し単位が挙げられる。例示のために、ポリアルキレンオキサイド基およびポリアルキレンオキサイド物質の好ましい態様は、式(III):
【0045】
【化7】

【0046】
(式中、Xは、炭素原子または化学結合(例えば、繰り返し単位は2つのみ炭素原子を含む)であり;そしてR4は、特に限定されないが、好ましくは、水素、アルキル基(好ましくは1〜4個の炭素原子を有するが、より好ましくは1つの炭素原子を有する)、ヒドロキシル基、および1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキル基から選択される)
に示す繰り返し単位で表すことができる。好ましい例を、式III−A〜III−Dに示す。
【0047】
【化8】

【0048】
好ましいポリアルキレンオキサイド基およびポリアルキレンオキサイド物質の追加的な例は、米国特許第6,280,853号(その全部を組入れる)に記載されるものである。これらの物質は、式IIIの繰り返し単位を、ポリアミド膜の表面上に存在する官能基と反応性の非アクリレート求電子性基から選択される末端部分とともに含む。具体例としては:サクシニミジルエステル、サクシニミジルアミド、サクシニミジルイミド、オキシカルボニルジイミダゾール、アジド、エポキシド、アルデヒド、トレシレート、イソシアネート、スルホン(例えばビニルスルホン)、ニトロフェニルカーボネート、トリクロロフェニルカーボネート、ベンゾトリアゾールカーボネート、グリシジルエーテル、シラン、無水物、アミン、ヒドロキシルおよびチオールを含む基が挙げられる。
【0049】
ポリアルキレンオキサイド末端封鎖またはブロックは、好ましくは、アルコール、エーテル、エポキシドまたはポリアルコール,例えばエチレングリコールから選択される末端基を含む。ポリアルキレンオキサイド末端またはブロックは、線形、分岐、櫛型、ブラシ型、星型または樹状であることができる。
【0050】
更に他の態様において、ポリマーの末端部分は、向上した抗微生物効果を与える(すなわち、抗微生物特性が増大した修飾膜をもたらす)基,例えば:アニリン、ベンゼン−1,3−ジアミン、ヒドロキシル、4級アンモニウムおよびポリバイオサイドから選択できる。
【0051】
式IIの繰り返し単位(および幾つかの態様においては式IIIの繰り返し単位)に加え、本発明のポリマーは追加的な(異なる種類の)繰り返し単位を含む(すなわち、他の種類のモノマーと共重合している)ことができる。しかし、含まれる場合、このようなコモノマーは、本発明の修飾剤ポリマーの約10質量パーセント未満、より好ましくは約5質量パーセント未満、更により好ましくは約2質量パーセント未満、および幾つかの態様においては約1質量パーセント未満を与える。本発明のポリマーは、好ましくは、50質量パーセント以上、より好ましくは90質量パーセント以上、更により好ましくは95質量パーセント以上、更により好ましくは98質量パーセント以上、および幾つかの態様においては99質量パーセント以上の、式(II)で表される繰り返し単位を含む。
【0052】
本発明のポリマーは、式IIを参照して説明されるポリマーと他の物質,例えば式IIIを参照して説明されるポリアルキレンオキサイド物質、または米国特許第6,280,853号(その全部を本明細書に組入れる)に記載されるもの、および/または、米国特許第6,913,694号(その全部を本明細書に組入れる)に記載される多官能エポキシ物質との1種または複数種の反応生成物を含むこともできる。このような多官能エポキシ物質としては、エピクロロヒドリンと多官能ヒドロキシ、アミノおよび/またはアミド化合物,例えば:エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ソルビトール、ハイドロキノン、ビスフェノール、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリアクリルアミド、セルロースおよびその誘導体、キトサン等との反応生成物が挙げられる。
【0053】
式IIを参照して説明されるポリマーと、上記の他の物質との反応生成物は、式IIで表されるポリマーの末端部分の、(式IIIの繰り返し単位を参照して)前記した連結基および末端基による化学修飾を含むことができる。これに代えて、または追加的に、反応生成物は、式IIの繰り返し単位を有するポリマーと他のポリマー,例えば前記の多官能エポキシド物質および式IIIを参照して説明されるポリアルキレンオキサイド物質との間の水素結合および/またはエンタングルメントを含むことができる。このような反応生成物は、ポリマーのブレンド物を含むことができる。例えば、本発明は、ポリオキサゾリンをポリアルキレンオキサイド,例えばポリ(エチレンオキサイド)ジグリシジルエーテル(PEGDE)、および/またはポリグリセリン−ポリグリシジルエーテル物質,例えばDENACOL 512(Nagase Chemtex Corpから入手可能)とともに使用することを包含する。このようなブレンド物は、追加的なポリマー,例えばポリ(ビニルアルコール)を含むことができる。このようなブレンド物は、コーティング前に形成でき、またはポリアミド膜上の逐次コーティングの結果として形成できる。
【0054】
加えて、幾つかの態様において、本発明は、ポリアミド膜を、ブロックポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーと、スチレン、ジビニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、メタクリレート、アクリレート、ビニルアセテート、N−ビニルホルムアミド、およびN−ビニルピロリドンのうち1種以上との反応生成物の内部相を含むエマルションまたはマイクロエマルションと接触させることを包含する。このような態様は、界面活性剤を含むことができる。
【0055】
本発明の修飾剤ポリマーは、種々の公知の方法で製造できる。オキサゾリンおよびポリオキサゾリンの調製、反応および適用は周知であり、”Oxazolines:Their Preparation, Reactions, and Applications”(John A.Frumpによる),Chemical Reviews,Vol.71,No.5,483−505(1971)に記載されている。Huberら、”New hyperbranched poly(ether amide)s via nucleophilic ring opening of 2−oxazoline−containing monomers”Macromolecular Chemical Physics,Vol.200,126−133(1999)も参照のこと。
【0056】
1つの好ましい方法としては、2−オキサゾリンのカチオン性環重合が挙げられる。例として、直鎖ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)および分岐ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を、2−エチル−2−オキサゾリンのカチオン性開環重合(反応スキーム2に示す)によって製造できる。
反応スキーム2:
【0057】
【化9】

【0058】
別の態様において、ポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーは、2−オキサゾリンのカチオン性開環重合、続いてp−ビニルベンジルクロリド(VBC)またはメタ(アクリロイルクロリド)(MAC)による末端封鎖(反応スキーム3に示す)によって製造できる。
反応スキーム3:
【0059】
【化10】

【0060】
(式中、「R」は前記の通り「Z」と同じである。)
【0061】
更に別のポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーは、2−アルキル−2−オキサゾリンの、アルゴン下または窒素下での、クロロメチルスチレンとヨウ化ナトリウムとの混合物を開始剤として用いた開環重合(反応スキーム4に示す)によって製造できる。
反応スキーム4:
【0062】
【化11】

【0063】
(式中、「R」は前記の通り「Z」と同じである。)
【0064】
加えて、2−オキサゾリンの2段階カチオン性開環重合を異なるZ基で用いてブロックポリ(2−オキサゾリン)およびポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーを形成することもきる。ブロックポリ(2−オキサゾリン)およびポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーは、式(IV):
【0065】
【化12】

【0066】
で表される構造を有することができる。
【0067】
Zは同じまたは異なり、式Iを参照して先に定義した通りである。好ましい態様において、Zは、独立に:H、1〜20個の炭素原子(より好ましくは1〜4個の炭素原子)を有するアルキル基、フェニル基、および置換フェニル基から選択されることができる。E3は、H、アルキル基、p−スチリルアルキル基、m−スチリルアルキル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、1,3−ジアミノベンジル基、アクリルアルキル基およびメタクリルアルキル基、ビニルアルキル基、ビニルエステル基、ビニルエーテル基、およびポリアルキレングリコール基から選択される。E4は、ヒドロキシル基、ハロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、ジエタノールアミノ基、p−スチリルアルキルアミノ基、m−スチリルアルキルアミノ基、メタクリレート基、アクリレート基、アクリルアルキルアミノ基、メタクリルアルキルアミノ基、ビニルアルキルアミノ基、ビニルエステルアミノ基、ビニルエーテルアミノ基、およびポリ(アルキレンオキサイド)アミノ基から選択される。
【0068】
幾つかの態様において、E3は、開環開始剤の選択に基づいて選択できる。加えて、E4の官能基は、2−オキサゾリン重合のリビング性によって導入でき、ここで2−オキサゾリンのリビングカチオン性生長種が、求核剤(アミン含有基等)で末端処理(末端封鎖)される。また、E3およびE4は、種々の重合性ビニル基を含有できる。幾つかの態様において、Zは、親水性ポリマーブロック、疎水性ポリマーブロック、または式(IV)の物質における組合せを意味することができる。Zはまたオキサゾリンモノマーの一部を表すことができ、これは他のコモノマーとの懸濁重合のための所望の界面活性特性を与えることができる。
【0069】
幾つかの態様において、ポリアミド膜を修飾する方法は、本明細書で示しそして議論するポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーまたはブロックマクロモノマーを、これ自体またはスチレン、メタクリレート、アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ビニルアセテート、N−ビニルホルムアミドおよびN−ビニルピロリドンのうち1種以上と反応させて分岐、ブロック、グラフト、ブラシおよび櫛型のポリマーを形成することを包含できる。方法は、ポリアミド膜を分岐、ブロック、グラフト、ブラシ、および櫛型のポリマーと接触させることも包含できる。
【0070】
加えて、幾つかの態様において、方法は、ポリアミド膜を、ポリ(2−オキサゾリン)マクロモノマーまたはブロックマクロモノマーと、スチレン、ジビニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、メタクリレート、アクリレート、ビニルアセテート、N−ビニルホルムアミドおよびN−ビニルピロリドンのうち1種以上との反応生成物の内部相を含むエマルションまたはマイクロエマルションと接触させることを包含できる。このような態様は界面活性剤を包含できる。本発明のポリマーは、好ましくは50質量パーセント以上、より好ましくは90質量パーセント以上、更により好ましくは95質量パーセント以上、更により好ましくは98質量パーセント以上、そして幾つかの態様においては、99質量パーセント以上の、式(II)で表される繰り返し単位を含む。
【0071】
幾つかの態様において、式(I)および/または(II)で表される化合物は、PEG化プロセスによって修飾できる。本明細書で用いる「PEG化された」または「PEG化」は、ポリ(アルキレンオキサイド),例えばポリ(エチレンオキサイド)構造を他のより大きい分子に共有結合的に連結させるプロセスを意味する。用語「PEG化」は、グリコール末端封鎖を有するポリエチレンオキサイドポリマーの分類,すなわちポリエチレングリコールすなわち「PEG」に一部基づく。しかし、本発明の目的のために、用語「PEG化」は、より幅広くはポリ(アルキレンオキサイド)の使用(このようなポリマーがグリコール末端基を含むかとは独立に)を意味する。
【0072】
種々の態様において、ポリアミド膜が、2−オキサゾリンおよび2−オキサゾリンの誘導体から選択されるオキサゾリン系修飾物質によって修飾される場合、反応スキーム5,6および7に示すように、ポリ(アルキレンオキサイド)含有化合物と反応させてオキサゾリン末端ポリ(アルキレンオキサイド)マクロモノマーを形成することによってこのようなオキサゾリン系修飾物質をPEG化することができる。
【0073】
反応スキーム5:
【0074】
【化13】

【0075】
反応スキーム6:
【0076】
【化14】

【0077】
反応スキーム7:
【0078】
【化15】

(式中、「R」は前記の通り「Z」と同じであり、そして「PEG」は、エチレンオキサイド繰り返し単位を意味する。
【0079】
反応スキーム5,6および7に示すように、2−オキサゾリンおよび2−オキサゾリンの誘導体は、例えば、2−フェニル−2−オキサゾリンの誘導体、2−(4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)プロパン−1−オール、および/または2−メチル−2−オキサゾリンであることができ、そしてポリ(エチレンオキサイド)含有化合物は、MeO−[−CH2CH2O−]−X(式中、Xはハライド、トシル(Ts)、またはメタンスルホニル(Ms)である)であることができる。
【0080】
更に、反応スキーム5,6および7に示すもの等のマクロモノマーは、反応スキーム1に示すようなカチオン開環様式で重合させて、ペンダントポリ(エチレンオキサイド)側鎖を有するポリ(2−オキサゾリン)を形成することができる。
【0081】
幾つかの態様において、2種以上の2−オキサゾリンの混合物を、モノメトキシ−PEG−トシレートをマクロ開始剤として用いてPEG化して、2種以上の2−オキサゾリンのコポリマーを形成できる。
【0082】
PEG化プロセスは、2−オキサゾリンおよび2−オキサゾリンの誘導体を:モノメトキシ−ポリ(エチレンオキサイド)−トシレートおよびPEG−ビス(トシレート)を含む群から選択されるポリ(エチレンオキサイド)含有化合物と:ジブロックポリ(2−オキサゾリン)−ポリ(エチレングリコール)コポリマーおよび/またはトリブロックポリ(2−オキサゾリン)−ポリ(エチレングリコール)コポリマーから選択されるオキサゾリン系修飾物質に反応させることを包含できる。ジブロックおよびトリブロックコポリマーは、例えば、反応スキーム8および9に示すように形成できる。
【0083】
反応スキーム8:
【0084】
【化16】

【0085】
(式中、「R」は前記の通り「Z」と同じである。)
【0086】
反応スキーム9:
【0087】
【化17】

【0088】
(式中、「R」は前記の通り「Z」と同じである。)
【0089】
本発明のポリマーの好ましい属は、「ポリ(オキサゾリン)」を含む。ここで用語「ポリ(オキサゾリン)」は、オキサゾリン化合物(置換オキサゾリンを含む)に由来するポリマー,すなわち、オキサゾリンを基にする繰り返し単位を含むポリマーを包含する。好ましいポリマーは、分子量約1000ダルトン以上、好ましくは約5000ダルトン以上、およびより好ましくは約50,000ダルトン以上;および約2,000,000ダルトン未満、好ましくは約1,000,000ダルトン未満、およびより好ましくは約600,000ダルトン未満を有する。修飾剤の好ましい分類は、ポリ(2−オキサゾリン)、例えばポリ(2−アルキル−オキサゾリン)(ここでアルキル基は、1〜20個の炭素原子、およびより好ましくは1〜4個の炭素原子を含む)を含む。ポリマーの追加的な好ましい分類としては、前記のポリ(オキサゾリン)(好ましくは、ポリ(2−オキサゾリン));ならびに前記の多官能エポキシ物質および/またはポリ(アルキレンオキサイド)物質(好ましくは分子量約2000ダルトン未満、およびより好ましくは約1000ダルトン未満を有するもの)の1種または複数種の反応生成物が挙げられる。好ましいポリアルキレンオキサイド物質は、ポリ(エチレンオキサイド)ジグリシジルエーテル(PEGDE)および/またはポリグリセリン−ポリグリシジルエーテル物質,例えばDENACOL 512(Nagase Chemtex Corpから入手可能)を含む。ポリ(オキサゾリン)および他の任意のポリマーまたは物質は、反応および続いてコートし、一般的な水性溶液からポリアミド膜の上に組合せおよびコートでき、または逐次コートできる。追加的な溶媒、反応物質および/または他のポリマー(例えば、約1質量%のポリ(ビニルアルコール))もまた、1種または複数種のコーティング溶液中に含むことができる。コーティング溶液は、好ましくは、少なくとも0.001質量パーセント、好ましくは少なくとも0.01質量パーセント、およびより好ましくは少なくとも0.1質量パーセントの本発明の修飾剤、および約10質量パーセント未満、およびより好ましくは約1質量パーセント未満の修飾剤を含む。コートされた時点で、ポリアミド膜を、好ましくは約60〜約120℃の温度で約1秒間超、より好ましくは約10秒間超加熱する。加熱ステップは、コートされた膜を、加熱されたエアドライヤーに、連続操作の一部として通過させることによって実施できる。
【0090】
本発明のポリアミド膜はまた、その表面の少なくとも一部の上に吸湿性ポリマーを含むことができる。このようなポリマーとしては、ポリマー界面活性剤、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸が挙げられる。幾つかの態様において、このようなポリマーは、本発明の修飾剤とブレンドおよび/または反応でき、そして一般的な溶液からポリアミド膜にコートもしくはさもなければ適用でき、または逐次適用できる。
【0091】
理論に拘束されることを望まないが、本発明の修飾剤は本発明の方法によってポリアミド膜に結合するようになると考えられる。例えば、修飾剤が反応性末端基(反応性Z基等),例えばヒドロキシル、エポキシド、イソシアネート、アジド、またはトレスオレートを含む態様であり、このような基はポリアミド膜の未反応アミンおよび/またはカルボン酸基と共有結合を形成すると考えられる。本発明の修飾剤でコートした後に膜を加熱する任意のステップはポリアミド膜との反応を促進すると考えられる。このような加熱はまた、残留水を除去して、修飾剤とポリアミド膜との間の水素結合を招来すると考えられる。他の態様において、コートされた膜を加熱するステップは、式(I)および/または(II)の修飾剤種の間から式(III)で表されるポリマーまたは多官能エポキシ物質への化学反応を招来でき、よって前記のポリアミド膜と結合できるブロックコポリマーを形成できる。追加的または代替の結合機構としては、修飾剤の好ましい態様は、膜のポリアミド物質と物理的に絡み、および/またはこれを浸透すること(例えば、ポリ(アルキレンオキサイド)および/またはポリ(2−オキサゾリン)の長鎖を互いにおよび膜のポリアミド物質と物理的に絡ませることにより)であると考えられる。
【0092】
例:
幾つかの例の膜を準備し、次いで本発明の修飾剤でコートした。例で用いた「非コート」コンポジットポリアミド膜は、標準的なFT−30型コンポジット膜を基にするもの,すなわち、マイクロ多孔質ポリスルホン支持体(不織布バッキングを含む)をメタフェニレンジアミン(MPD)およびトリメソイルクロリド(TMC)の水性溶液でコートすることにより製造されたものであった。本発明は、FT−30型コンポジット膜に限定するものではないし、また本発明は具体的なポリアミド化学物質に限定するものではない。例えば、ポリアミド化学物質は、典型的には、具体的な用途,例えばRO脱塩、RO汽水、およびNFに最適化される。このような膜は全てFT-30化学物質(例えば、MPD&TMC界面重合)を基にすることができるが、構成成分の量および比は、典型的には、特定の用途のための性能を最適化するために変動する。更に、添加剤(米国特許第6,878,278号に記載されるような)をしばしば用いて、具体的な用途のための基本的なポリアミド膜の性能を更に最適化またはカスタマイズする。ポリアミド膜の配合物中に含まれる具体的な化学物質は最終的な膜性能に影響する可能性がある(例えば、フラックス、NaCl通過性等)が、以下の例は、概して基本的なポリアミド膜の形成から独立している本発明のコーティングによってもたらされる相対的な改善を示すことを意図する。
【0093】
例のコンポジットポリアミド膜は、マイクロ多孔質ポリスルホン支持体をMPD(おおよそのMPD濃度5.9質量%)の水性溶液でコートすることにより製造した。次いで、得られる支持体を排水して過剰な水性溶液を除去した。続いて、支持体を、ISOPAR(商標)L(Exxon Corp.)中のトリメソイルクロリド(TMC)溶液(おおよそのTMC濃度0.16質量%)でコートして「薄フィルム」ポリアミド層を、マイクロ多孔質支持体の上に生成した。ポリアミド層の形成後、コンポジット膜を水浴に室温で通過させ、次いで3.5質量%のグリセリンを含む後続の水浴に約100℃で通過させた。次いで膜を対流エアドライヤーに約65℃で約50秒間通過させ、次いで、コンタクトコーターにて、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEOX)(MW500,000)”AQUAZOL”(Polymer Chemistry Innovation,Inc.Phoenix,AZ.から得られる)の水性溶液で、またはポリ(エチレンオキサイド)ジグリシジルエーテル(PEGDE)(MW526)(Sigma−Aldrich Companyから得られる)を有するPEOXでコーティングした。コーティングは、表1で規定する種々の修飾剤濃度で実施した。続いて、コートした膜を、第2の対流エアドライヤーに約65℃で約50秒間通過させて、コンポジット膜のポリアミド層の表面上に薄いコーティングを得た。膜は、膜貫通圧力800psi(約5,520,000パスカル)および約32,000ppmのNaClおよび約28.6ppmのホウ酸を含む水性試験溶液(pH約8で維持したもの)を用いて試験した。続いてこの膜を乾燥状態で約10日間貯蔵し、そして同じ条件下で再試験した。試験の結果を表1に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
特定種(例えばNaCl,ホウ素)の通過の低減に加え、本発明の好ましい態様はまた、改善された貯蔵安定性を示すことができる。コンポジットポリアミド膜は、一般的に乾燥状態で組合せて貯蔵する。再湿潤時に、このような膜はしばしば、フラックスおよび溶質(例えばNaCl)通過性能の顕著な変化を有する。例えば、対照膜のNaCl通過は、乾燥貯蔵の約10日後に0.61%〜0.82%に変化した。明確な対比において、本発明のコーティングでコートされた実験膜のNaCl通過は、比較的変化なく維持された。
【0096】
同様の様式であるが、異なる分子量約50,000〜500,000ダルトンの範囲を有するPEOXコーティングで、追加の例を準備、コートおよび試験した。PEOXの分子量は、得られる膜のNaCl通過およびフラックスに殆ど影響しなかった。
【0097】
特定の種類の膜に限定するものではないが、本発明は、コンポジットポリアミド膜(例えば、ROおよびNF用途において一般的に用いるもの)のための用途に特に好適である。このような膜は、マイクロ多孔質支持体および薄いフィルムのポリアミド層(これは本発明の1種または複数種の修飾剤でコートできる)を含む。
【0098】
本発明の原理は種々の変更および代替の形態に従うことができるが、特定種を例、図面および詳細な説明によって説明してきた。本説明の意図は、発明を説明した特定の態様に限定するものではなく、本開示の精神および範囲の範囲内での全ての変更、均等、および代替を網羅することを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド膜を修飾する方法であって、ポリアミド膜を、式(I)
【化1】

(式中:
1、R2、R3およびR4は各々同一または異なり、そして独立に:水素、ハロゲン、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、およびアリール基から選択され;
Yは、酸素および硫黄から選択され;そして
Zは環活性化基である)
で表される化合物およびそれに由来するポリマーのうち少なくとも1種から選択される物質と接触させるステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の物質を含む溶液を、ポリアミド膜の少なくとも表面部分に適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶液の適用の後にポリアミド膜を加熱するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1、R2、R3およびR4が各々水素であり、そしてYが酸素である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Zが:水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、およびポリアルキレンオキサイド基から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
物質がポリ(オキサゾリン)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
物質がポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ポリアミド膜をポリアルキレンオキサイド物質と接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ポリアミド膜を、ポリ(オキサゾリン)およびポリアルキレンオキサイド物質を含む水系溶液でコートする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ポリアミド膜を、ポリ(オキサゾリン)とポリアルキレンオキサイド物質との反応生成物と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ポリアミド膜を、ポリ(オキサゾリン)と多官能エポキシド物質との反応生成物と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
物質が、式(II)、
【化2】

(式中、nは2〜20,000の整数である)
で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
1、R2、R3およびR4が各々水素であり、Yが酸素であり、そしてnが約50〜10,000の整数である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
Zが:水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、およびポリアルキレンオキサイド基から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
Zが:アニリン、ベンゼン−1,3−ジアミン、ヒドロキシル、4級アンモニウムおよびポリバイオサイドから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ポリマーが、化学反応性の末端基を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
ポリマーが:ヒドロキシル、エポキシ、およびエチレングリコールから選択される末端基を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
ポリアミド表面を含むポリアミド膜であって、該表面の少なくとも一部が、式(II)で表される繰り返し単位を含むポリマー:
【化3】

(式中、
nは、2〜20,000の整数であり;
1、R2、R3およびR4は各々同一または異なり、そして独立に:水素、ハロゲン、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、およびアリール基から選択され;
Yは、酸素および硫黄から選択され;そして
Zは、溶解性パラメータ約18J1/2cm-3/2超を有する該ポリマーを与える基から選択される)
を含むコーティングを含む、膜。
【請求項19】
1、R2、R3およびR4が各々水素であり;Yが酸素であり;そしてnが50〜10,000の整数である、請求項18に記載の膜。
【請求項20】
Zが可溶化基である、請求項18に記載の膜。
【請求項21】
Zが抗菌性基である、請求項18に記載の膜。
【請求項22】
Zが:水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、およびポリアルキレンオキサイド基から選択される、請求項18に記載の膜。
【請求項23】
前記ポリマーがポリ(オキサゾリン)を含む、請求項18に記載の膜。
【請求項24】
前記ポリマーの約10質量パーセント以下が、式(III):
【化4】

(式中、Xは、炭素原子または化学結合であり;そしてR4は:水素、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、および1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキル基から選択される)
で表されるアルキレンオキサイドの繰り返し単位を含む、請求項18に記載の膜。
【請求項25】
前記ポリマーの少なくとも95質量パーセントが、式IIで表される繰り返し単位を含み、そして前記コポリマーの約5質量パーセント以下が、式(III):
【化5】

(式中、Xは、炭素原子または化学結合であり;そしてR4は:水素、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、および1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキル基から選択される)
で表されるアルキレンオキサイドの繰り返し単位を含む、請求項18に記載の膜。
【請求項26】
前記ポリマーが、式IIで表される繰り返し単位を有するポリマーと、式IIIで表される繰り返し単位を有するポリマーとの反応生成物である、請求項18に記載の膜。
【請求項27】
前記コーティングが、ポリ(2−オキサゾリン)およびポリ(アルキレンオキサイド)を含むポリマーブレンドを含む、請求項18に記載の膜。
【請求項28】
前記ポリマーが、式IIで表される繰り返し単位を有するポリマーと多官能エポキシド物質との反応生成物である、請求項18に記載の膜。
【請求項29】
マイクロ多孔質支持体とポリアミド層とを含むコンポジット膜であって、前記ポリアミド層の少なくとも表面部分の上にポリ(オキサゾリン)のコーティングを含むことを特徴とする、膜。

【公表番号】特表2010−517762(P2010−517762A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549176(P2009−549176)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/052548
【国際公開番号】WO2008/097786
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】