説明

修飾リジン模倣化合物

抗不整脈活性および望ましいバイオアベイラビリティ特性などの有益な薬理活性を有するリジン模倣化合物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の内容は、抗不整脈活性および望ましいバイオアベイラビリティ特性などの有益な薬理活性を有するリジン模倣体に関する。本発明の内容はさらに、それらの化合物を含む医薬組成物およびそれらの化合物および組成物の使用ならびに製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞間伝達が、細胞恒常性、増殖および分化にとって必要不可欠であるという認識が高まっている。それらの伝達は、ギャップ結合により円滑に行なわれると考えられる。これらの構造は、細胞を結合し、「クロストーク」を生じるための経路となる。(一般に、Sperelakis N.,eds.,Cell Interactions and Gap Junctions,CRC Press,Inc.(1989)を参照)。ギャップ結合間のクロストークは、「ギャップ結合による細胞間伝達」(GJIC)と称される。
【0003】
一般的に、ギャップ結合は、2つの隣接細胞の細胞質を直接結合する、何百から何千の緊密なチャンネル群を含有する細胞膜の特異領域である。ギャップ結合チャンネルは、2つの隣接細胞のいずれかにより提供される、2つのヘミチャンネル、あるいはコネクソンから構成される。それぞれのコネクソンは、コネキシンと呼ばれる6つのタンパク質から構成される。
【0004】
中心において、電気的刺激の伝導がギャップ結合を通して生じる。異常GJICは、心疾患を含む、種々の病状に関係する。例えば、特異心室コネキシンをコード化するCx43遺伝子を有するヘテロ変異型マウスは、自発性心室性不整脈を発症し、突然心臓死に至ることが明らかにされている。(Guerrero et al.,J.Clin.Invest.,99,19911998(1997))。ヘテロ変異型マウスが有するCx43の発現減少は、虚血中に起こる心室性不整脈発症の増加に直接関係する。(Lerner et al.,Circulation,101,547552(2000))。その他の研究結果では、虚血心、冬眠心臓、あるいは肥大心臓において、Cx43の発現減少および変異分布が観察された。(Kaprelian et al.,Circulation,97,651660(1998);Peters et al.,Circulation,88,864875(1993);Saffitz et al.,Cardiovasc.Res.,42,309317(1999)).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
抗不整脈ペプチドAAP(Aonuma et al.,Chem.Pharm.Bull.(Tokyo),28,3332−3339(1980))、AAP10(Dhein et al.,Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol.,350,174−184(1994);Muller et al.,Eur.J.Pharmacol.,327,65−72(1997))、およびHP5(米国特許第4,775,743号に開示)を含み、GJICに影響する一部のペプチドが確認されている。しかしながら、これらのペプチドは、低安定性、短半減期、および経口性バイオアベイラビリティの欠如など、望ましくない特性を呈する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
広く一般的に、本発明の内容は、抗不整脈活性および望ましいバイオアベイラビリティ特性などの有益な薬理活性を有するリジン模倣体に関する。本発明の内容は、式Iに概して示される化合物、
【化1】


式I
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを提供し、式中、Yは、オキソR、NXR、あるいはNRであり、kは、0、1、あるいは2であり、Xは、Hあるいはリジン模倣体であり、X′は、OR、NR、あるいはリジン模倣体であり、RはH、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、あるいはアミノ酸側鎖であって、さらにRおよびRは上記に記載される通りである。
【0007】
本発明に記載の化合物の具体例は、式IIあるいは式IIIの4−アミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(4−アミノプロリン,4Amp)類似物、
【化2】

II III
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを含み、式中、A、B、E、k、R、R、R、Y′、ZおよびZ′は本明細書に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一態様において、本発明は、式Iで示される化合物、
【化3】


ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、
Yは、OX、OR、NXR、およびNRから選択され、
kは、0、1、あるいは2であり、
Xは、Hあるいはリジン模倣体であり、
X′は、OR、NR、およびリジン模倣体から選択され、
は、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、およびアミノ酸側鎖から選択され、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、S(O)、およびS(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、およびC(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、および任意に置換された5〜20員環ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され、
それぞれの発生において、Qは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、CF、OCF、NO、OR、SR、S、S(O)R、S(O)、S(O)OH、S(O)NR、NRS(O)、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、およびNからそれぞれ独立して選択されるが、
a) Yは、OXあるいはNXRでり、XはHであり、X’はリジン模倣体であり、
b) Yは、ORあるいはNRでり、X’はリジン模倣体であり、
c) 化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸あるいは1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする。
【0009】
本発明の一部の実施形態は、これらの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを含み、式中、Yは、OXあるいはNXRであり、X′は、ORあるいはNRであり、Xは、リジン模倣体であり、このリジン模倣体は、以下から選択され、
【化4】


式中、
Z’は、H、(CH−C620アリール、(CH−5〜20員環ヘテロアリール、C(O)(CH−C620アリール、C(O)(CH−5〜20員環ヘテロアリール、(CHC(O)−C620アリール、(CHC(O)−5〜20員環ヘテロアリール、S(O)(CH−C620アリール、およびS(O)(CH−5〜20員環ヘテロアリールから選択され、該C620アリールおよび5〜20員環ヘテロアリールのそれぞれは、任意に1〜5Q基で置換され、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
mは、0、1、あるいは2であり、
Q、RおよびRは、上記の通り定義される。
【0010】
別の実施形態において、Yは、OR、NR、OXあるいはNXRでり、XはHであり、X’はリジン模倣体であり、このリジン模倣体は以下から選択され、
【化5】


式中、
Z’は、H、(CH−C620アリール、(CH−5〜20員環ヘテロアリール、C(O)(CH−C620アリール、C(O)(CH−5〜20員環ヘテロアリール、(CHC(O)−C620アリール、(CHC(O)−5〜20員環ヘテロアリール、S(O)(CH−C620アリール、およびS(O)(CH−5〜20員環ヘテロアリールから選択され、該C620アリールおよび5〜20員環ヘテロアリールのそれぞれは、任意に1〜5Q基で置換され、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
mは、0、1、あるいは2であり、
Eは、C(O)OR、C(O)NR、およびカルボン酸バイオ等量体から選択され、
Q、R、R、RおよびRは、上記の通り定義される。

これらの実施形態の一部の実施例において、EはC(O)OHである。別の実施例において、Eは、C(O)NRである(例、C(O)NHRあるいはC(O)NH)。
【0011】
本発明のいずれの化合物において、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであってもよく、mは0であってもよい。例えば、Z′は、ベンゾイルであってもよい。
【0012】
本発明の化合物の一部の実施形態において、RはHである。別の実施形態において、Rはアミノ酸側鎖である。Rの好適なアミノ酸側鎖の例は、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、および2,6−ジアミノピメリン酸の側鎖を含むが、これに限定されない。
【0013】
一部の実施形態において、kは0であり、その他の実施形態において、kは1である。
本発明の特定化合物は、式I(a)−I(p)に示される構造を有し、式中、X′はOR(例、OH)あるいはNR(例、NH)であり、YはOR(例、OH)あるいはNR(例、NH)であり、EはC(O)ORあるいはC(O)NRであり、さらに、R、R、R、R、R、RおよびZ′は、以下に記載される通りに定義される。
【化6】

【化7】

【0014】
本発明の特定化合物は、以下の式I(q)−I(x)に示される構造を有し、式中、R、R、E、およびそれぞれRおよびZ′(これらは同一であっても、異なっていてもよい)は、以下に記載される通りに定義される。
【化8】


【化9】


【化10】

【0015】
一部の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、X′は、ORあるいはNR(例、OHあるいはNH)であり、YはNXRであり、Xは、
【化11】


であり、Z′、k、R、R、R3およびRは、上記の通り定義される。これらの化合物の一実施例において、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、3−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸、{[4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸、{[4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸、2−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−スクシンアミド酸、2−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−フェニル−プロピオン酸、2−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−4−メチル−ペンタン酸、6−アミノ−2−(4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボキシアミド)ヘキサン酸、[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−酢酸、{[4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸、{[4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
特定の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、X′は、ORあるいはNR(例、OHあるいはNH)であり、YはNXRであり、Xは、
【化12】


であり、Z′、k、R、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの化合物の一部の実施例において、Z′は、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、3−アミノ−5−ベンゾイルアミノ−ベンゾイルアミノ)−酢酸、(3−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ベンゾイルアミノ)−酢酸、(3−アミノ−5−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ベンゾイルアミノ)−酢酸、(3,5−ジアミノ−ベンゾイルアミノ)−酢酸、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0016】
一部の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、X′は、ORあるいはNR(例、OHあるいはNH)であり、YはNXRであり、Xは、
【化13】


であり、Z′、k、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの化合物の一部の実施例において、Z′は、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、[(1−ベンゾイル−イミダゾリジン−2−カルボニル)−アミノ]酢酸、{[1−(4−ニトロ−ベンゾイル)−イミダゾリジン−2−カルボニル]−アミノ}酢酸、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0017】
特定の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、X′は、ORあるいはNR(例、OHあるいはNH)であり、YはNXRであり、Xは、
【化14】


であり、Z′、k、R、R、R3およびRは、上記の通り定義される。これらの化合物の一部の実施例において、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、[2−アミノ−3−(4−ベンゾイルアミノ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−酢酸、2−{2−アミノ−3−[4−(4−メトキシベンズアミド)フェニル]プロパンアミド}酢酸、2−{2−アミノ−3−[4−(4−ニトロベンズアミド)フェニル]プロパンアミド}酢酸、2−{2−アミノ−3−[4−(4−メチルベンズアミド)フェニル]プロパンアミド}酢酸、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0018】
一部の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、X′は、ORあるいはNR(例、OHあるいはNH)であり、YはNXRであり、Xは、
【化15】


であり、Z′、k、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの化合物の一部の実施例において、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、[(4−アミノ−1−ベンゾイル−ピペリジン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0019】
特定の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、YはORあるいはNXRであり、Xは、
【化16】


であり、Z′、k、E、R、R、R3およびRは、上記の通り定義されるが、但し、化合物は1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする。これらの実施形態の一部の実施例において、YはOHあるいはNHである。一部の化合物において、Eは、C(O)OR(例、C(O)OH)あるいはC(O)NR(例、C(O)NHRあるいはC(O)NH)である。一部の化合物において、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される(但し、化合物は1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸でないことを条件とする)。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチリル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノ−4−メチル−ペンタノイル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸、4−ベンゾイルアミノ−1−(2,6−ジアミノ−ヘキサノイル)−ピペリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸、1−(3−アミノ−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸、1−[2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオニル]−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸、4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ピペリジン−2−カルボン酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0020】
一部の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、YはORあるいはNXRであり、Xは、
【化17】


であり、Z′、k、E、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの実施形態の一部の実施例において、YはOHあるいはNHである。一部の化合物において、Eは、C(O)OR(例、C(O)OH)あるいはC(O)NR(例、C(O)NHRあるいはC(O)NH)である。一部の化合物において、Z′は、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチロイル)−3−ベンゾイル−イミダゾリジン−2−カルボン酸、1−ベンゾイル−3−(2−ヒドロキシ−アセチル)−イミダゾリジン−2−カルボン酸アミド、1−ベンゾイル−3−(2−ヒドロキシ−アセチル)−イミダゾリジン−2−カルボン酸、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0021】
特定の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、YはORあるいはNXであり、X′は、
【化18】


であり、Z′、k、E、R、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの実施形態の一部の実施例において、YはOHあるいはNHである。一部の化合物において、Eは、C(O)OR(例、C(O)OH)あるいはC(O)NR(例、C(O)NHRあるいはC(O)NH)である。一部の化合物において、Z′は、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、3−ベンゾイルアミノ−5−(2−ヒドロキシ−アセチルアミド)−安息香酸、3−(2−アミノアセタミド)−5−ベンズアミド安息香酸、3−(2−アミノアセタミド)−5−(4−メチルベンズアミド)安息香酸、3−(2−アミノ−3−カルバモイル−プロピオニルアミノ)−5−ベンゾイルアミノ−安息香酸、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0022】
特定の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、YはORあるいはNXであり、X′は、
【化19】


であり、Z′、k、E、R、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの実施形態の一部の実施例において、YはOHあるいはNHである。一部の化合物において、Eは、C(O)OR(例、C(O)OH)あるいはC(O)NR(例、C(O)NHRあるいはC(O)NH)である。一部の化合物において、Z′は、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、3−(4−ベンゾイルアミノ−フェニル)−2−(2−ヒドロキシ−アセチルアミド)−プロピオン酸、N−{4−[2−カルバモイル−2−(2−ヒドロキシ−アセチルアミド)−エチル]−フェニル}−ベンズアミドならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0023】
一部の実施形態において、本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、YはORあるいはNXであり、Xは、
【化20】


であり、Z′、k、E、R、RおよびRは、上記の通り定義される。これらの実施形態の一部の実施例において、YはOHあるいはNHである。一部の化合物において、Eは、C(O)OR(例、C(O)OH)あるいはC(O)NR(例、C(O)NHRあるいはC(O)NH)である。一部の化合物において、Z′は、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(例、Z′は、ベンゾイルであってもよい)。一部の化合物において、RはHである。別の化合物において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択される。一部の化合物において、kは0であり、別の化合物において、kは1である。本発明のこれらの実施形態による化合物の具体的な実施例は、4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチルアミド)−シクロヘキサンカルボン酸、4−(2−アミノアセタミド)−1−ベンゾイルピペリジン−4−カルボン酸ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグを含むが、これに限定されない。
【0024】
本発明は、本明細書に記載される化合物の全ての立体異性体を含む。例えば、本発明のジペプチドの実施形態における立体化学は、2R4R、2R4S、2S4S、あるいは2S4Rであってもよい。
【0025】
別の態様において、本発明は、式IIを有する化合物、
【化21】


ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、
Aは(CH−Y′であり、
kは、0、1、あるいは2であり、
Y′はORあるいはNRであり、
は、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、およびアミノ酸側鎖から選択され、
あるいは、AおよびRは、これらが結合する炭素原子と共に、N、O、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、5〜20員環のヘテロ環を形成し、
Bは、NR、NR(CHC(O)、NR(CHSOおよびアミドバイオ等量体から選択され、
nは、0、1、あるいは2であり、
Zは、H、1〜5Q基で任意に置換された(CH−C620アリールおよび、1〜5Q基で任意に置換された(CH−5〜20員環ヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、あるいは2であり、
Eは、C(O)OR、C(O)NR、カルボン酸バイオ等量体およびアミドバイオ等量体から選択され、
それぞれの発生において、Qは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、CF、OCF、NO、OR、SR、S、S(O)R、S(O)、S(O)OH、S(O)NR、NRS(O)、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、およびNからそれぞれ独立して選択され、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、S(O)、およびS(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環のヘテロ環を形成し、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、およびC(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、および任意に置換された5〜20員環ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択されるが、
但し、化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする。
【0026】
一部の実施形態において、Aは(CH−Y′であり、Y′は、NRである。これらの実施形態の実施例は、RはHであり、RはH(すなわち、Y′はNHである)、任意に置換されたC110アルキル、C(O)RおよびC(O)ORから選択される化合物を含む。一部の実施例において、Aは(CH−Y′であり、Y′はNRであり、RはHであり、RはC(O)Rであり、RはHあるいは任意に置換されたC110アルキルである。別の実施例において、Aは(CH−Y′であり、Y′はNRであり、RおよびRは、それぞれ独立して、任意に置換されたC110アルキルである。別の実施形態において、Y′はORであり、Rは、Hあるいは任意に置換されたC110アルキルである。これらの実施形態のいずれかにおいて、kは、0、1、あるいは2であってもよい。
【0027】
特定の実施形態において、AおよびRは、これらが結合する炭素原子と共に、N、O、およびSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換される、1〜4環ヘテロ原子を含有する、5〜20員環のヘテロ環を形成する。ヘテロ環基は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール,、ベンゾフラン、およびベンゾチオフェンを含むが、これに限定されず、これらはそれぞれ任意に置換することができる。これらの実施形態の例示的化合物は、4−ベンズアミド−1−(1H−イミダゾール−2−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸,4−ベンズアミド−1−(1H−ピラゾール−5−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸、および4−ベンズアミド−1−(1H−イミダゾール−5−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸を含むが、これに限定されない。
【0028】
一部の実施形態において、BはNR(CHC(O)であり、nは0であり(すなわち、BはNRC(O))であり、Zは1〜5Q基で任意に置換されるC620アリールあるいは1〜5Q基で任意に置換される5〜20員環ヘテロアリールである。これらの実施形態の実施例は、RがHである(すなわち、BはNHC(O)である)、化合物を含む。一部の化合物において、Zは、例えば、F、Cl、Br、I、C110アルキル、CF、OCF、NO、O−C110アルキル、OH、NH、NH(C110アルキル)、N(C110アルキル)2,、あるいはNHC(O)C110アルキルなど、1〜5Q基で任意に置換されるフェニルである。特定の実施形態において、B−Zは、NHC(O)−フェニルである。一部の実施形態において、Zは、1〜5Q基で任意に置換される(CH−5〜20員環ヘテロアリールである。特定の実施形態において、mは0である。これらの実施形態の例示的化合物は、1−(2−アミノアセチル)−4−(ピコリンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(ニコチンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(イソニコチンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(ピリミジン−5−カルボキシアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(2−フルオロベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(3−フルオロベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フルオロベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(2−メチルベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(3−メチルベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(4−メチルベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(4−メトキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(3−メトキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(4−ヒドロキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸、および1−(2−アミノアセチル)−4−(3−ヒドロキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸を含むが、これに限定されない。
【0029】
一部の実施形態において、BはNR(CHC(O)であり、nは0であり(すなわち、BはNRC(O))、Zは1〜5Q基で任意に置換される(CH−C620アリールあるいは1〜5Q基で任意に置換される5〜20員環(CH−ヘテロアリールであり、mは1あるいは2である。これらの実施形態の非限定的な実施例は、1−(2−アミノアセチル)−4−(2−フェニルアセトアミド)ピロリジン−2−カルボン酸である。別の実施形態において、BはNR(CHC(O)であり、式中、nは1あるいは2である。これらの実施形態の非限定的な実施例は、1−(2−アミノアセチル)−4−(2−オキソ−2−フェニルエチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸)である。
【0030】
別の実施形態において、BはNRであり、RはHであり、Zは1〜5のQ基で任意に置換される(CH−C620アリールあるいは1〜5Q基で任意に置換される(CH5〜20員環ヘテロアリールであり、mは0(例、1−(2−アミノアセチル)−4−(フェニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸)あるいは、1(例、1−(2−アミノアセチル)−4−(ベンジルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸)である。さらに別の実施形態において、BはNR(CHS(O)であり、nは0であり(すなわち、BはNRS(O))であり、Zは1〜5Q基で任意に置換される(CH−C620アリールあるいは1〜5Q基で任意に置換される(CH−5〜20員環ヘテロアリールである。これらの実施形態の非限定的な一実施例は、1−(2−アミノアセチル)−4−(フェニルスルホンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸)である。
【0031】
さらに別の実施形態において、Bは、例えば、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、あるいはテトラゾールなどのアミドバイオ等量体であり、これらはそれぞれ任意に置換することができる。これらの実施形態の例示的化合物は、1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸,1−(2−アミノアセチル)−4−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸、1−(2−アミノアセチル)−4−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸、および1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸を含むが、これに限定されない。
【0032】
一部の実施形態において、EはC(O)ORである。実施例は、EがC(O)OHである、化合物を含む。別の実施形態において、EはC(O)NRである。一部の化合物において、EはC(O)NHである。別の化合物において、EはC(O)NRであり、RはHであり、Rは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキルおよび任意に置換された5〜20員環ヘテロアリールから選択される。
【0033】
別の実施形態において、Eは、例えば、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、あるいはテトラゾールなどのカルボン酸バイオ等量体であり、これらはそれぞれ任意に置換することができる。これらの実施形態の例示的化合物は、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(5−イソプロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル[ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(オキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(5−イソプロピルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(3−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(3−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、N−[1−(2−アミノアセチル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミド、およびN−[1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]ベンズアミドを含むが、これに限定されない。
【0034】
Aは(CH−Y′であり、Y′はNHであり、kはOであり、EはC(O)OHであり、BはNHC(O)であり、さらにZはフェニルである、一部の実施形態において、Rはメチルではない。Aは(CH−Y′であり、Y′はNHであり、kはOであり、Rはメチルであり、EはC(O)OHであり、さらにZ′はフェニルである、別の実施形態において、フェニルは、少なくとも1つのQ基で置換される。Aは(CH−Y′であり、Y′はNHであり、kはOであり、Rはメチルであり、BはNHC(O)であり、さらにZはフェニルである、さらに別の実施形態において、EはC(O)OHではない。Aは(CH−Y′であり、Y′はNHであり、Rはメチルであり、EはC(O)OHであり、BはNHC(O)であり、さらにZ′はフェニルである、別の実施形態において、kは1あるいは2である。Aは(CH−Y′であり、kはOであり、Rはメチルであり、EはC(O)OHであり、BはNHC(O)であり、さらにZ′はフェニルである、さらに別の実施形態において、Y′はNHではない。
【0035】
本発明による化合物は、以下の構造を有する化合物、
【化22】


ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを含む。
【0036】
別の態様において、本発明は、式IIIを有する化合物、
【化23】


ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを提供し、式中、
Y′はORあるいはNRであり、
kは、0、1、あるいは2であり、
Z’は、H、(CH−C620アリール、(CH−5〜20員環ヘテロアリール、C(O)(CH−C620アリール、C(O)(CH−5〜20員環ヘテロアリール、(CHC(O)−C620アリール、(CHC(O)−5〜20員環ヘテロアリール、S(O)(CH−C620アリール、およびS(O)(CH−5〜20員環ヘテロアリールから選択され、C620アリールおよび5〜20員環ヘテロアリールのそれぞれは、任意に1〜5Q基で置換され、
mは、0、1、あるいは2であり、
それぞれの発生において、Qは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、CF、OCF、NO、OR、SR、S、S(O)R、S(O)、S(O)OH、S(O)NR、NRS(O)、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、およびNからそれぞれ独立して選択され、
は、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、およびアミノ酸側鎖から選択され、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、S(O)、およびS(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環のヘテロ環を形成し、
は、ORあるいはNRであり、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、およびC(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキル、および任意に置換された5〜20員環ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択されるが、
但し、化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする。
【0037】
一部の実施形態において、kは0であり、その他の実施形態において、kは1である。
一部の実施形態において、Y′はNRであり、RはH(すなわち、Y′はNHRである)であり、RはH(すなわち、Y′はNHである)、任意に置換されたC110アルキル、C(O)RあるいはC(O)ORから選択される。一部の実施形態において、Y′はNRであり、RはHであり、RはC(O)Rであり、RはH(すなわち、RはC(O)Hである)あるいは任意に置換されたC110アルキル(すなわち、RはC(O)CHである)である。別の実施例において、Y′はNRであり、RおよびRは、任意に置換されたC110アルキルである。別の実施形態において、Y′はORであり、RはH(すなわち、YはOHである)あるいは任意に置換されたC110アルキルである。
【0038】
特定の実施形態において、RはHである。別の実施形態において、Rは、アミノ酸側鎖であり、アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンおよびグルタミンから選択されるが、但し、化合物は1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸でないことを条件とする。
【0039】
本発明の別の実施形態は、RはOR(すなわち、OH)である化合物を含む。あるいは、RはNRであってもよく、式中、RはHであり、Rは、H(すなわち、RはNHである)、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環シクロヘテロアルキルおよび任意に置換された5〜20員環ヘテロアリールから選択される。さらに別の代替において、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、およびイミダゾリジンから選択される3〜20員環のヘテロ環を形成し、これらはそれぞれ、1〜5Q基で任意に置換することができる。
【0040】
一部の実施形態において、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、mは0である(すなわち、Zは、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)−C620アリールである)。これらの実施形態の例示的化合物は、Z′がベンゾイルである化合物を含む。別の実施例において、Zは、例えば、F、Cl、Br、I、C110アルキル、CF、OCF、NO、C110アルキル、OH、NH、NH(C110アルキル)、N(C110アルキル)2,、およびNHC(O)C110アルキルなど、1〜5Q基で任意に置換されるベンゾイルである。
【0041】
Y′はNHであり、kはOであり、RはOHであり、RはHであり、さらにZ′はベンゾイルである、一部の実施形態において、Rはメチルではない。Y′はNHであり、kはOであり、Rはメチルあり、RはOHであり、RはHであり、さらにZ′はベンゾイルである、別の実施形態において、ベンゾイルは少なくとも1つのQ基で置換される。Y′はNHであり、kはOであり、Rはメチルあり、RはHであり、さらにZはベンゾイルである、さらに別の実施形態において、RはOHではない。Y′はNHであり、Rはメチルであり、RはOHであり、RはHであり、さらにZ′はベンゾイルである、別の実施形態において、kは、1、あるいは2である。kは0であり、Rはメチルであり、RはOHであり、RはHであり、さらにZ′はベンゾイルである、さらに別の実施形態において、Y′はNHではない。
【0042】
本発明による化合物は、以下の構造を有する化合物、
【化24】


ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグを含む。
【0043】
本発明の化合物のいずれの好適なプロドラックの実施例は、オキサゾリジノンあるいはイミダゾリジノンプロドラッグを含むが、これに限定されない。
別の態様において、本発明は、本発明による化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0044】
さらに別の態様において、本発明は、本発明による化合物あるいは医薬組成物の治療的有効量を必要とする対象(例、ヒト)に投与するステップを含む、病態を予防あるいは治療する方法を提供する。本発明の化合物を利用して、治療あるいは予防する病態の例は、循環器疾患(例、心房(性)細動、心房粗動、心室頻拍あるいは心室細動)、骨粗しょう症、気道上皮の炎症、肺胞組織の疾患、膀胱失禁、蝸牛疾患に起因する難聴、内皮性病変、糖尿病性網膜症および糖尿病性神経障害を含む糖尿病、CNS関連病態、虚血(例、中枢神経系、脊髄、脳あるいは脳幹の虚血)、歯周病を含む歯組織疾患、腎臓病、特に細胞増殖抑制化合物あるいは放射線療法で治療される血液異常(例、貧血、白血球減少症、血小板減少症および汎血球減少症)、外傷に起因する表在性創傷および深在性創傷などの創傷、膀胱失禁、神経因性疼痛、亜慢性および慢性炎症、癌、骨髄不全および幹細胞移植、細胞および組織移植中あるいは外科手術など医療処置中に生じる病態、過剰な活性酸素種、活性酸素あるいは一酸化窒素により引き起こる病態、妊娠病あるいは妊娠障害(例、妊娠高血圧腎症および)、および脳卒中を含むが、これに限定されない。
【0045】
本発明による化合物および医薬組成物は、非経口あるいは経口投与用に製剤することができる。
【0046】
A.定義
特に記載がない限り、以下の定義は、以下の説明で使用される専門用語を解説する。
説明および請求項全体を通して、天然アミノ酸を表す3文字コードおよび、サルコシン(Sar)などその他のα−アミノ酸を示す一般的に認められている3文字コードも使用される。LあるいはD型の特定がされていない場合、対象となるアミノ酸は、LあるいはD型どちらでも可能であることを理解する。DおよびL化合物の等モル量の混合物は、ラセミ化合物と称され、例えばDL−ロイシンなどプレフィックスDLによって指定される。あるいは、プレフィックスrac−(例、rac−ロイシン)によって、またはプレフィックス[+/−]によっても指定することができる。本発明は、式I、IIおよびIIIの化合物ならびに本明細書に示される特定の化合物の全ての立体異性体を含む。
【0047】
本明細書の用語「ペプチド」は、ペプチド結合により結合される2つ以上の分子の鎖を示す。ペプチドは、1つ以上の自然発生的アミノ酸、1つ以上の非天然アミノ酸、アミノ酸ではないが、ペプチド結合を形成可能な1つ以上の分子、あるいはその混合物を含有することができる。
【0048】
用語「アミノ酸」は、同一の一般式を有する1つ以上のその他の分子とペプチド結合を形成することが可能である、一般式NHR−CHR′−COOH(式中、RはHであって、R′はアミノ酸側鎖であって、あるいは、RおよびR′はこれらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、例えばプロリンなど環を形成する)を有する分子を指す。用語は、LおよびD型アミノ酸を含む。
【0049】
「自然発生的アミノ酸」は、以下の20個のアミノ酸の1つを指す。Ala(A)、Cys(C)、Ser(S)、Thr(T)、Asp(D)、Glu(E)、Asn(N)、Gln(Q)、His(H)、Arg(R)、Lys(K)、Ile(I)、Leu(L)、Met(M)、Val(V)、Phe(F)、Tyr(Y)、Trp(W)、Gly(G)、およびPro(P)。通常、これらがL−アミノ酸であるが、本発明ではD−アミノ酸も使用可能である。
【0050】
本明細書で使用される通り、用語「リジン模倣体」は、C56脂肪あるいは芳香環および少なくとも2つの塩基性アミン官能基(すなわち、N−末端アミンに加え、少なくとも1つの塩基性アミン官能基)を含む、非天然アミノ酸を指す。一部の場合において、リジン模倣体は、式NHR−CHR′−COOHを有し、式中、RおよびR′はこれらが結合する炭素原子および窒素原子と共に、5−6員環を形成し、環は、(a)例えば、イミダゾリジン−2−カルボン酸(lca)など少なくとも1つの付加的環窒素を含むか、(b)例えば、アミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(4Amp)あるいはアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(4Ampi)などアミン置換基を有する。その他の場合において、リジン模倣体は、式NHR−CHR′−COOHを有し、式中、RはHであって、R′はC56脂肪あるいは芳香環を含む側鎖であり、(a)この環は、少なくとも1つの環窒素を含むか、アミン置換基を有し、および(b)この環は、1または2原子によりアミノ酸骨格メチレンから分離する。そのようなリジン模倣体の非限定的な例は、1原子が骨格から環を分離する、アミノ−フェニルアラニン(4AmF)である。リジン模倣体はまた、式NHR−CR′R″−COOHを有することが可能であって、式中、RおよびR′は共にC56脂肪あるいは芳香環を形成し、この環は、少なくとも1つの環窒素を含むか、アミン置換基を有する。この種類のリジン模倣体の非限定的な例の1つには、4−アミノ−ピペリジン−4−カルボン酸(Pip)がある。「リジン模倣体」の定義には、C脂肪あるいは芳香環、および3,5−ジアミノ−安息香酸(ダンバ)など上記に記載される少なくとも2つの塩基性アミン官能基を含む、非天然β−およびγ−アミノ酸が含まれる。その他のリジン模倣体は、プロリン環窒素が存在しないか(例、アミノシクロペンタンカルボン酸)、プロリン環の別の配位に位置している(例、3−アミノピロリジン−1−カルボン酸あるいは3−アミノピロリジン−1−カルボキサミド)4−アミノプロリン類似物である。リジン模倣体のいずれかにおいて、塩基性アミン官能基は、1級アミノ基(例、4AmF、ダンバ、4Ampi、および4Amp)あるいは2級アミノ基(例、PipおよびIca)であることが可能である。脂肪族環状アミン基およびアリールアミンを有するリジン模倣体の例は、以下の構造を有するダンバ、4Amp、4Ampi、Ica、Pip、および4AmFを含む。
【化25】

【0051】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、およびIを指す。
本明細書で使用される通り、用語「アルキル」は、アルキルのみあるいは別の基の一部としても、例えば1から10の炭素原子を有し、直鎖または分鎖であることが可能な置換または非置換脂肪族炭化水素鎖を指す。アルキル基の例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)、ペンチル基(例、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などを含む。任意に置換された脂肪族炭化水素鎖は、「アルキル」の定義に明確に含まれる。
【0052】
本明細書で使用される通り、用語「アルケニル」は、アルケニルのみあるいは別の基の一部としても、例えば2から10の炭素原子を有し、直鎖または分鎖であることが可能で、1つ状の炭素−炭素2重結合を含む、置換または非置換脂肪族炭化水素鎖を指す。1つ以上の2重結合は、内部(2−ブテン内など)あるいは末端(1−ブテン内など)であることが可能である。アルケニル構成成分は、1重または2重結合を含むことが望ましい。用語「アルケニル」は、1つ以上の2重結合のそれぞれのEおよびZ異性体を両方含む。任意に置換された脂肪族炭化水素鎖は、「アルケニル」の定義に明確に含まれる。アルケニル構成成分の例は、ビニル、アリル、およびブテニル(例、1−ブテンおよび2−ブテン)を含む。
【0053】
本明細書で使用される通り、用語「アルキニル」は、アルケキルのみあるいは別の基の一部としても、例えば2から10の炭素原子を有し、直鎖または分鎖であることが可能で、1つ以上の3重炭素−炭素結合を含む、置換または非置換脂肪族炭化水素鎖を指す。1つ以上の3重結合は、内部(2−ブチン内など)あるいは末端(1−ブテチ内など)であってもよい。任意に置換された脂肪族炭化水素鎖は、「アルキニル」の定義に明確に含まれる。アルキニル基の例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどを含む。
【0054】
本明細書で使用される通り、用語「シクロアルキル」は、シクロアルキルのみあるいは別の基の一部としても、例えば3から20の環炭素原子を有し、1つ以上の(例、1、2あるいは3)2重あるいは3重結合を任意で含む、置換または非置換非芳香族炭素環族を指し、環化アルキル、アルケニル、およびアルキニル基を含む。シクロアリール基は、炭素原子が環系の内部あるいは外部に配位する、単環式(例、シクロヘキシル)あるいは多環式(融合、架橋、あるいはスピロ環系)であることができる。シクロアルキエル構成成分の好適な環位は、確定化学構造に非共有結合することができる。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカーニル、アダマンチル、スピロ[4.5]デカニル基、同族体、異性体などを含む。シクロアルキル環に融合する(すなわち、この環と同じように結合を有する)1つ以上の芳香族環を含む構成成分は、シクロアルキル基の定義に含まれ、例えば、シクロペンタン(インダニル)、シクロヘキサン(テトラハイドロナフチル)などのベンゾ派生物がある。任意に置換された炭素環は、「シクロアルキル」の定義に明確に含まれる。
【0055】
本明細書で使用される通り、用語「アリール」は、アリールのみあるいは別の基の一部としても、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニルなど、置換または非置換芳香族単環式あるいは多環式炭化水素を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6から約20個の炭素原子を有する。アリール構成成分の好適な環位は、確定化学構造(例、1−ナフチル、2−ナフチルなど)に非共有結合することができる。任意に置換された芳香族炭化水素は、「アリール」の定義に明確に含まれる。
【0056】
用語「アラルキル」は、本明細書に定義されるアルキル構成成分に結合する、本明細書に定義されるアリール構成成分を指す。アラルキル基は、そのアルキル基を介して、確定化学構造に共有結合する。アラルキル基は、アリール構成成分、アルキル構成成分、あるいはその両方で任意に置換されたことができる。
【0057】
本明細書で使用される通り、用語「シクロヘテロアルキル」は、シクロヘテロアルキルのみあるいは別の基の一部としても、例えば3から20の環炭素原子を有し、酸素(O)、窒素(N)および硫黄(S)から独立して選択される1−5環ヘテロ原子を含み、1つ以上の(例、1、2あるいは3)2重あるいは3重結合を任意で含む、置換または非置換非芳香族シクロアルキル基を指す。シクロヘテロアルキエルは、任意のヘテロ原子あるいは炭素原子で、確定化学構造に結合することができ、結果安定構造を有する。シクロヘテロアルキル環の1つ以上のNあるいはS原子は、酸化することができる(例、N−ヒドロキシピペリジン、モルホリンN−酸化物、チオモルホリンS−酸化物、チオモルホリンS,S−二酸化物)。シクロヘテロアルキル基の例は、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジンなどを含む。シクロヘテロアルキル環に融合する(すなわち、この環と同じように結合を有する)1つ以上の芳香族環を含む構成成分は、シクロヘテロアルキル基の定義に含まれ、例えば、ベンズイミダゾリン、クロマン、クロメン、インドーリンテトラヒドロキノリンなどがある。シクロヘテロアルキル基は、フタルイミド、ピペリドン、オキサゾリジノン、ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン、ピリジン−2(1H)−オンなど、1つ以上のオキソ基も含むことができる。安定構造を有することとなる、任意のヘテロ原子および炭素原子で任意に置換された環系は、「シクロヘテロアルキル」の定義に明確に含まれる。
【0058】
本明細書で使用される通り、用語「ヘテロアリール」は、ヘテロアリールのみあるいは別の基の一部としても、例えば5から20の環原子を有し、O、NおよびSから独立して選択される1〜4環ヘテロ原子を含む、単環式あるいは多環式芳香族環系を指す。一般的に、ヘテロアリール環は、O−O、S−S、またはS−O結合を含まない。ヘテロアリール基は、フェニル環に融合する単環式ヘテロアリールを含む。ヘテロアリール基は、任意のヘテロ原子あるいは炭素原子で、確定化学構造に結合することができ、結果安定構造を有する。ヘテロアリール環の1つ以上のNあるいはS原子は、酸化することができる(例、N−ヒドロキシピペリジン、ピリジンN−酸化物、チオフェンS−酸化物、チオフェンS,S−二酸化物)。ヘテロアリール基の例は、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、2−メチルキノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンズテトラゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、シンノリン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、インドリジン、イソベンゾフラン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、プリン、オキサゾールピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピリジン、フロピリジン、チエノピリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、ピリドピリダジン、チエノチアゾール、チエノオキサゾール、およびチエノイミダゾールを含む。安定構造を有することとなる、任意のヘテロ原子および/または炭素原子で任意に置換された芳香族環系は、「ヘテロアリール」の定義に明確に含まれる。
【0059】
用語「ヘテロ環」は、本明細書のヘテロアリールあるいはシクロヘテロアルキルを指す。
本明細書で使用される通り、「カルボン酸バイオ等量体」は、カルボン酸構成成分と類似する化学あるいは物理特性を有し、カルボン酸構成成分と類似する生物学的特性を広く提供する、置換基あるいは基を指す。一般的に、R.B.Silverman,The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action(Academic Press,1992)を参照。カルボン酸バイオ等量体の例は、アミド、スルホンアミド、スルホン酸、ホスホンアミド酸、アルキルホスホン酸塩、N−シアノアセトアミド、3−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、あるいはテトラゾール、を含むがこれに限定されず、これらは任意に置換されたことができる(例、C110アルキル、OHなどにより)。
【0060】
本明細書で使用される通り、「アミドバイオ等量体」は、アミド構成成分と類似する化学あるいは物理特性を有し、アミド構成成分と類似する生物学的特性を広く提供する、置換基あるいは基を指す。一般的に、R.B.Silverman,The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action(Academic Press,1992)を参照。アミドバイオ等量体の例は、カルボン酸、スルホンアミド、スルホン酸、ホスホンアミド酸、アルキルホスホン酸塩、N−シアノアセトアミド、3−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、あるいはテトラゾール、を含むがこれに限定されず、これらは任意に置換されたことができる(例、C110アルキル、OHなどにより)。
【0061】
句「疎水基」は、任意に置換された芳香族炭素環、望ましくは6−から12−員環芳香族炭素環、を指す。「疎水基」は、以下に示す通りに、任意に置換されたことができる。例示的疎水基は、ベンジル、フェニル、およびナフチルを含む。
【0062】
本明細書で使用される通り、用語「任意に置換された」は、基の1つ以上の水素原子(例、1、2、3、4、5、あるいは6水素原子)がそれぞれ、薬化学で広く一般的に使用される置換原子あるいは基に代替することができることを指す。それぞれの置換基は、同一であっても、異なっていてもよい。好適な置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、OR(例、ヒドロキシル、アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、およびプロキシ)、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、エーテル、エステル、カルバメート、など)、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシアルコキシ、パーハロアルキル、パーフルオロアルキ、(例、CF、CFCF)、パーフルオロアルコキシ(例、OCF、OCFCF)、アルコキシアルキル、SR(例、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオなど)、S、S(O)R、SO、NR(例、1級アミン(すなわち、NH)、2級アミン、3級アミン、アミド、カルバメート、尿素、など)、ヒドラジド、ハロゲン化物、ニトリル、ニトロ、スルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホンアミド、チオール、カルボキシ、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、イミン、およびイミドと、そのセレニウムおよびチオ派生物、を含むがこれに限定されず、これらの置換基はそれぞれ任意でさらに置換することができる。本明細書に記載される通り、置換基がQ基である、1〜3の置換基が存在することが望ましい。芳香族炭素環を有する官能基が置換される実施形態において、それらの置換基は典型的に、約10未満の置換基を数え、約1から5の置換基がより望ましいが、特に約1または2の置換基が望ましい。
【0063】
本明細書の定義で使用される炭素数(C110アルキル、C210アルケニル、C210アルキニル、C620アリール、など)は、炭素骨格および炭素分枝を指すが、置換基の炭素原子は含まない。
本明細書全体を通して、本発明の化合物の置換基は、基または範囲別に開示される。本発明は、それらの基および範囲のメンバーの全ての個別副結合を含むことを、明確に意図する。例えば、用語「C16アルキル」は、C1、2、3、4,5、6、−C6、−C5、4、3、2、6、5、4、3、6、5、4、6、5、およびC−Cアルキルを個別に開示することを、明確に意図する。同様に、用語「C110アルキル」は、個別にC1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、9、8、7、6、5、4、3、2、10、9、8、7、6、5、4、3、10、9、、C7、6、5、4、10、9、8、7、6、5、10、9、8、7、6、10、9、8、7、10、9、8、10、9、10アルキルを個別に開示することを、明確に意図する。
【0064】
本発明の化合物は、不斉原子(不斉中心とも称される)を含有し、化合物の一部は、1つ以上の不斉原子あるいは中心を含有するため、光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマーを生じることができる。本発明は、それらのエナンチオマーとジアステレオマー、およびラセミ酸から得られ、分解される、鏡像異性的に純粋な立体異性体RおよびS、ならびに立体異性体RおよびSのその他の混合物とその薬学的に許容される塩を含む。光学異性体は、ジアステレオマー塩法、速度論的光学分割および不斉合成を含むがこれに限定されない、当業者に公知の標準方法により、純粋型で獲得することができる。本発明は、アルケニル構成成分(例、アルケンおよびイミン)を含有する化合物のシスおよびトランス異性体を含む。また本発明は、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーを含むがこれに限定されない、当業者に公知の分離法により、純粋型で獲得することができる、全ての位置異性体、およびその混合物を含むことも理解されるであろう。
【0065】
用語「細胞間伝達モジュレータ」「ギャップ結合促進剤」、「ギャップ結合伝達を促進する化合物」および「ギャップ結合開口薬」など全て、その活動の特定機構に関わらず、ギャップ結合細胞間伝達(GJIC)を促進、あるいは維持、あるいは標準化する化合物を指す。より具体的には、用語「ギャップ結合開口薬」は、細胞外空間と細胞内空間の間にあるギャップ結合を通過可能な分子の交換を標準化(すなわち、増加)し、および/またはGJICを標準化あるいは増加可能な、物質を指すことができる。
【0066】
用語「作用薬」は、AAP、AAP10、あるいはHP5化合物(あるいは、その機能的類似物)の標的である、組織、細胞あるいは細胞分画と相互作用し、AAP、AAP10、あるいはHP5化合物(あるいは、その機能的類似物)と実質上同様の生理学的反応を、組織、細胞あるいは細胞分画で生じることができる化合物を指す。一態様において、生理学的反応は、1つ以上の収縮、応力緩和、分泌、酵素的活性化、などを指す。化合物は、組織、細胞あるいは細胞分画に結合することが望ましい。一態様において、化合物は、AAP、AAP10、あるいはHP5化合物(あるいは、その機能的類似物)に結合する、組織、細胞あるいは細胞分画上の受容体に結合する。
【0067】
一態様において、生理学的反応は、1つ以上の収縮、応力緩和、分泌、酵素的活性化、などを指す。化合物は、組織、細胞あるいは細胞分画に結合することが望ましい。一態様において、化合物は、AAP、AAP10、あるいはHP5化合物(あるいは、その機能的類似物)に結合し、および/または、AAP、AAP10、あるいはHP5化合物(あるいは、その機能的類似物)の受容体への結合を阻害する、組織、細胞あるいは細胞分画上の受容体に結合する。
【0068】
本明細書で使用される通り、「標準化する」とは、生理学的反応が、正常患者で観察される反応と全く異なることがないように、生理学的反応を変化させることを意味する。従って、正常化は、当該の病態により、反応の増加あるいは減少を伴うことがある。
【0069】
B.例示的化合物
本発明の例示的化合物を、以下に列記する。一部の場合において、化合物の別名は、化学名の後の丸括弧に記載される。
化合物1:(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4R)−4Amp(4−ニトロベンゾイル)−OH)
化合物2:(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸((2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸、H−Gly−(2S,4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物3:(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4R)−4Amp(4−メチルベンゾイル)−OH)
化合物4:(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4R)−4Amp(4−メトキシベンゾイル)−OH)
化合物5:(2S,4R)1−(3−アミノ−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Ala−(2S,4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
【0070】
化合物6:(2S,4R)1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチリル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Glu−(2S,4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物7:(2S,4R)1−[2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオニル]−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Trp−(2S,4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物8:(2S,4R)1−(2−アミノ−4−メチル−ペンタノイル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Leu−(2S,4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物9:(2S,4R)1−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Phe−(2S,4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物10:(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4R)−4Amp(4−ヒドロキシベンゾイル)−OH)
【0071】
化合物11:(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4S)−4Amp(4−メトキシベンゾイル)−OH)
化合物12:(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4S)−4Amp(4−メチルベンゾイル)−OH)
化合物13:(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4S)−4Amp(4−ニトロベンゾイル)−OH)
化合物14:(2S4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S,4S)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物15:(2S4S)1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチリル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Glu−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
【0072】
化合物16:(2S4S)1−(2−アミノ−4−メチル−ペンタノイル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Leu−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物17:(2S4S)4−ベンゾイルアミノ−1−(2,6−ジアミノ−ヘキサノイル)−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Lys−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物18:(2S4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物19:(2S4S)1−(3−アミノ−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Ala−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物20:(2S4S)1−[2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオニル]−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Trp−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
【0073】
化合物21:(2S4S)1−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Phe−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物22:1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチロイル)−3−ベンゾイル−イミダゾリジン−2−カルボン酸(H−Glu−Ica(ベンゾイル)−OH)
化合物23:4−(2−アミノ−アセチルアミノ)−1−ベンゾイル−ピペリジン−4−カルボン酸(H−Gly−Pip(ベンゾイル)−OH)
化合物24:3−(2−アミノ−アセチルアミノ)−5−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸(H−Gly−ダンバ(4−メチルベンゾイル)−OH)
化合物25:3−(2−アミノ−3−カルバモイル−プロピオニルアミノ)−5−ベンゾイルアミノ−安息香酸(H−Asn−ダンバ(ベンゾイル)−OH)
【0074】
化合物26:3−(2−アミノ−アセチルアミノ)−5−ベンゾイルアミノ−安息香酸(H−Gly−ダンバ(ベンゾイル)−OH)
化合物27:(2S,4R)3−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオン酸((2S,4R)H−4Amp(ベンゾイル)−betaAla−OH)
化合物28:(2S,4R){[4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸((2S4R)H−4Amp(4−ニトロベンゾイル)−Gly−OH)
化合物29:(2S,4R){[4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸((2S4R)H−4Amp(4−メトキシベンゾイル)−Gly−OH)
化合物30:(2S,4R)2−{[4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸((2S4R)H−4Amp(トルオイル)−Gly−OH)
【0075】
化合物31:(2S,4R)2−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−フェニル−プロピオン酸((2S4R)H−4Amp(ベンゾイル)−Phe−OH)
化合物32:(2S,4R)2−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−4−メチル−ペンタン酸((2S4R)H−4Amp(ベンゾイル)−Leu−OH)
化合物33:(2S,4R)4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(5−アミノ−1−ホルミル−ペンチル)アミド((2S,4R)H−4Amp(ベンゾイル)−Lys−OH)
化合物34:(2S,4R)2−[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−スクシンアミド酸((2S,4R)H−4Amp(ベンゾイル)−Asn−OH)
化合物35:(2S,4S)[(4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−酢酸((2S4S)H−4Amp(ベンゾイル)−Gly−OH)
【0076】
化合物36:(2S,4S)[(4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−酢酸((2S4S)H−4Amp(4−メトキシベンゾイル)−Gly−OH)
化合物37:(2S,4S)[(4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−酢酸((2S4S)H−4Amp(4−ニトロベンゾイル)−Gly−OH)
化合物38:(2S,4S)[(4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボニル)−アミノ]−酢酸((2S4S)H−4Amp(トルオイル)−Gly−OH)
化合物39:[2−アミノ−3−(4−ベンゾイルアミノ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−酢酸(H−4AmF(ベンゾイル)−Gly−OH)
化合物40:[2−アミノ−3−(4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−酢酸(H−4AmF(4−メトキシベンゾイル)−Gly−OH)
【0077】
化合物41:[2−アミノ−3−(4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−酢酸(H−4AmF(4−ニトロベンゾイル)−Gly−OH)
化合物42:[2−アミノ−3−(4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−酢酸(H−4AmF(トルオイル)−Gly−OH)
化合物43:[(1−ベンゾイル−イミダゾリジン−2−カルボニル)−アミノ]酢酸(H−Ica(ベンゾイル)−Gly−OH)
化合物44:{[1−(4−ニトロ−ベンゾイル]−イミダゾリジン−2−カルボニル]−アミノ}酢酸(H−Ica(4−ニトロベンゾイル)−Gly−OH)
化合物45:(2S,4S){[4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボニル]−アミノ}−酢酸((2S4S)H−4Ampi(ベンゾイル)−Gly−OH)
【0078】
化合物46:(2S,4S){[4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸((2S4S)H−4Ampi(ベンゾイル)−betaAla−OH)
化合物47:[(4−アミノ−1−ベンゾイル−ピペリジン−4−カルボニル)−アミノ]−酢酸(H−Pip(ベンゾイル)−Gly−OH)
化合物48:(3−アミノ−5−ベンゾイルアミノ−ベンゾイルアミノ)−酢酸(H−ダンバ(ベンゾイル)−Gly−OH)
化合物49:(3−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ベンゾイルアミノ)−酢酸(H−ダンバ(4−メトキシベンゾイル)−Gly−OH)
化合物50:(3−アミノ−5−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ベンゾイルアミノ)−酢酸(H−ダンバ(トルオイル)−Gly−OH)
【0079】
化合物51:(3,5−ジアミノ−ベンゾイルアミノ)−酢酸(H−ダンバ−Gly−OH)
化合物52:(2S,4R)4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸(HAA−(2S,4R)4−Amp(ベンゾイル)−OH)
化合物53:4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸(HAA−Pip(ベンゾイル)−OH)
化合物54:3−ベンゾイルアミノ−5−(2−ヒドロキシ−アセチルアミノ)−安息香酸(HAA−ダンバ(ベンゾイル)−OH)
化合物55:(2S,4S)4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ピペリジン−2−カルボン酸(HAA−(2S4S)4−Ampi(ベンゾイル)−OH)
【0080】
化合物56:1−ベンゾイル−3−(2−ヒドロキシ−アセチル)−イミダゾリジン−2−カルボン酸アミド(HAA−Ica(ベンゾイル)−NH
化合物57:1−ベンゾイル−3−(2−ヒドロキシ−アセチル)−イミダゾリジン−2−カルボン酸(HAA−Ica(ベンゾイル)−OH)
化合物58:3−(4−ベンゾイルアミノ−フェニル)−2−(2−ヒドロキシ−アセチルアミノ)−プロピオン酸(HAA−4AmF(ベンゾイル)−OH)
化合物59:N−{4−[2−カルバモイル−2−(2−ヒドロキシ−アセチルアミノ)−エチル]−フェニル}−ベンズアミド(HAA−4AmF(ベンゾイル)−NH
化合物60:(2S,4R)4−ベンゾイルアミノ−1−(2−メルカプト−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸(THAA−(2S4R)−4Amp(ベンゾイル)−OH)
【0081】
化合物61:(2S,4S)4−ベンゾイルアミノ−1−(2−メルカプト−アセチル)−ピペリジン−2−カルボン酸(THAA−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物62:(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボン酸(H−Gly−(2S4S)−4Ampi(ベンゾイル)−OH)
化合物63:(2S,4S)[(4−ベンゾイルアミノ−ピペリジン−2−カルボニル)−アミノ]−酢酸((2S4S)H−4Ampi(ベンゾイル)−Gly−OH)
化合物64:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボキサミド
化合物65:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【0082】
化合物66:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−エチルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物67:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−イソプロピルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物68:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロプロピルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物69:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物70:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ペンタン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【0083】
化合物71:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロペンチルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物72:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−イソブチルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物73:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロブチルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物74:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−tert−ブチルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物75:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【0084】
化合物76:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−((R)−3−メチルブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物77:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−((R)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物78:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−フェニルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物79:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−((R)−テトラヒドロフラン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物80:(2S,4R)1−(2−アセトアミドアクリル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸
【0085】
化合物81:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(メチルアミノ)アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸
化合物82:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物83:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物84:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(ジメチルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物85:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−ホルムアミドアセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
【0086】
化合物86:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(1H−イミダゾール−2−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物87:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(1H−ピラゾール−5−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物88:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(1H−イミダゾール−5−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物89:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(ピコリンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物90:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(ニコチンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
【0087】
化合物91:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(イソニコチンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物92:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(ピリミジン−5−カルボキシアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物93:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(2−フルオロベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物94:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(3−フルオロベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物95:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フルオロベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
【0088】
化合物96:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(2−メチルベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物97:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(3−メチルベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物98:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(4−メチルベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物99:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(4−メトキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物100:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(3−メトキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
【0089】
化合物101:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)4−(4−ヒドロキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物102:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(3−ヒドロキシベンズアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物103:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(2−フェニルアセトアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物104:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(2−オキソ−2−フェニルエチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物105:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(フェニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
【0090】
化合物106:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(ベンジルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物107:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(フェニルスルホンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物108:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物109:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物110:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
【0091】
化合物111:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(5−イソプロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物112:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(オキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物113:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(5−イソプロピルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物114:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物115:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
【0092】
化合物116:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物117:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(3−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物118:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物119:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物120:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
【0093】
化合物121:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(3−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物122:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物123:N−((3R,5S)1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド
化合物124:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物125:(2S,4R)1−(2−(1H−イミダゾール−2−イルアミノ)アセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸
【0094】
化合物126:(2S,4R)1−(2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)アセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸
化合物127:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(ピリジン−2−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物128:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(ピリミジン−4−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物129:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(ピリミジン−2−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物130:(2S,4R)1−(2−(1H−イミダゾール−4−イルアミノ)アセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸
【0095】
化合物131:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(3−フェニルウレイド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物132:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(3−メチルウレイド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物133:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(3−イソプロピルウレイド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物134:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(メチルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物135:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(フェニルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
【0096】
化合物136:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(1−メチルエチルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物137:(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(エチルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物138:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物139:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物140:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸
【0097】
化合物141:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸
化合物142:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(フラン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物143:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ピペリジン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物144:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(オキサゾール−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物145:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(イソチアゾール−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【0098】
化合物146:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(オキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物147:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−ベンジルピロリジン−2−カルボキサミド
化合物148:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ピリジン−4−イルメチル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物149:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ピリジン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物150:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
化合物151:(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【0099】
本発明は、上記に列記した化合物の異性体および/またはエナンチオマー(例、2S4S、2S4R、2R4R、2R4S、3S5S、3S5R、3R5R、3R5S)、ならびにその塩、エステル、水和物およびプロドラッグも含む。
【0100】
酸性部分を有する本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、有機塩基および無機塩基を用いて形成することができる。塩基で形成された適した塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、またはマグネシウム塩などのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のような金属塩、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン(例:エチル−tert−ブチル−、ジエチル−、ジイソプロピル−、トリエチル−、トリブチル−またはジメチルプロピルアミン)、またはモノ−、ジ−、あるいはトリヒドロキシ低級アルキルアミン(例:モノ−、ジ−またはトリトリエタノールアミン)で形成された塩などの、アンモニア塩および有機アミン塩を含む。内部塩もまた形成することができる。同様に、本発明の化合物が塩基性部分を含む場合、塩は、有機酸および無機酸を用いて形成することができる。例えば、塩は、以下の酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデリック酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、およびカンファースルホン酸と、さらにその他の既知の薬学的に許容される酸から形成することができる。アミノ酸付加塩は、さらにリジン、グリシン、またはフェニルアラニンなどのアミノ酸で形成することができる。
【0101】
本発明は、本明細書に記載される化合物のプロドラッグをさらに含む。本明細書に使用されるように、「プロドラッグ」とは、哺乳類対象へ投与される場合に、本発明の化合物を生成、発生、または放出する部分を示す。プロドラッグは、修飾が、定期的操作または生体内のいずれかによって、親化合物から分裂されるような方法で、化合物に存在する官能基を修飾することによって、調合することができる。プロドラッグの例としては、少なくとも1つの本化合物のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、またはカルボキシル基に付加される分子部分を含む、本明細書に記載される本発明の化合物、および、哺乳類対象に投与される場合、生体内で分裂され、遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基、遊離スルフヒドリル基、または遊離カルボキシル基をそれぞれ形成する化合物を含む。プロドラッグの例は、アルコール誘導体のアセテート、ギ酸塩および安息香酸エステル、および本発明の化合物におけるアミン官能基を含むが、これらに限定されない。好適なプロドラッグの例は、オキサゾリジノンまたはイミダゾリジノンプロドラッグを含む。エステルプロドラッグは、好ましくは、C16アルコールなどの低級アルコールで形成される。プロドラッグの調合および使用は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro−drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987で論じられる。
【0102】
さらなる態様において、本教示は、該化合物の誘導体を提供し、さらに特別に該化合物の保護形態を提供する。一実施例として、該化合物は、そのN−および/またはC−末端で、および/またはアミノ酸側鎖で(Rはアミノ酸側鎖である化合物において)保護することができる。保護基の例は、tBu、Boc、Fmoc、Fm、ベンジル、DdeおよびZを含み、さらに、例えば、それらが固相合成法によって作成された場合など、固相と共役する場合、該化合物を含む。
【0103】
C.医薬組成物
本発明の化合物は、単一、または組み合わせのいずれかで、当分野において既知のすべての許容しうる方法を通して投与することのできる、その純粋な形での薬剤または医薬組成物としても機能する。本発明に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または添加剤との混合剤において本発明の化合物を含む。該化合物は、経口投与(口腔投与または舌下投与を含む)のため、または非経口的投与(静脈内投与(i.v.)、皮下投与(s.c.)、筋肉内投与(i.m.)、腹腔内投与(i.p.))によって、処方することができる。その他の投与経路は、硬膜外投与、直腸投与、鼻腔内投与または経皮投与、または肺吸入投与を含む。特に好適な製剤は、本発明の化合物の持続放出を提供する。本組成物は、好ましくは、固体剤形または液状製剤の形態であり、それらの調合方法は、概して、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,17th Ed.,Alfonso R.Gennaro(Ed.),Mark Publishing Company,Easton,Pa.,U.S.A.,1985に記載される。
【0104】
該組成物は、一般的に、選択される投与経路に適合する形態での投与量を提供するために、適した担体と共に、少なくとも1つの本発明の活性化合物の有効量を含む。好ましくは、担体は、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、等張調整剤、防腐剤および安定剤の形態である。担体を構成する添加剤は、医薬品有効成分と適合しなくてはならず、好ましくは、処置される対象に無害で、化合物を安定させることができるものである。
【0105】
持続製剤または持続放出製剤の形態は、処方の治療的有効量が血流へ、経皮的注射または沈着によってなどの、化合物または組成物の投与後に長時間または数日間に渡って送達されるように、使用することができる。持続放出に適した製剤は、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、グリコリド、グリコール酸、およびそれらの異性体などの、生分解性高分子を含む。同様に、担体または希釈剤は、単体あるいはワックスと混合されるモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルなどの、当技術において既知のすべての持続放出物質を含むことができる。
【0106】
その他の持続放出製剤は、少なくとも、本明細書に開示されるリポソーム、ミクロスフェア、乳剤またはミセルおよび液状安定剤と結合される化合物の1つを有する製剤を含むことができるが、それらに限定されない。
【0107】
所望の治療効果のために必要とされる本発明の化合物および組成物の投与量は、化合物の効力、使用される特定の組成物、および選択される投与の経路によって決定される。化合物は、通常、1日あたり、1人の患者につき約0.001gから10gの範囲で投与される。例えば、化合物は、1日あたり、1人の患者につき約1mgから約1000mg、1日あたり、1人の患者につき約10mgから約100mg、または、1日あたり、1人の患者につき約50mgの範囲で投与することができる。
【0108】
最も適した投与計画は、医師により、各患者に対して個人的に決定することが最良である。本発明に記載の化合物および医薬組成物の任意の投与計画は、処置される特定の疾患または障害、所望の効果、患者の年齢、体重、または体格指数および一般健康状態などの要素により決定される。投与は、急性症状を緩和するための単一投与量形態で、または長期に渡る複数回投与の形態の持続的療法として行うことができる。別の方法として、持続注入システムまたは徐放性デポ製剤が使用することができる。2つ以上の本発明に記載の化合物または医薬組成物は、いかなる順序でも同時にまたは連続して併用することができる。さらに、化合物および組成物は、同様の方法で、予防目的のために投与することができる。最終的に、最良な投与計画は、主治医によって、各患者に対して個人的に決定されるだろう。
【0109】
D.治療的使用
本発明に記載の化合物は、ギャップ結合によって媒介される細胞間伝達を促進および/または維持することができる。一態様において、本発明に記載の化合物は、AAP、AAP10、HP5、および/またはそれらの機能的類似物により標的にされる同様の細胞を標的にし、すなわち、該化合物は、AAP、AAP10、HP5、および/またはそれらの機能的類似物の機能をアゴナイズまたはアンタゴナイズすることによって、これらの細胞を調節することができる。本発明の範囲は、しかしながら、特定のAAPアゴニスト作用またはアンタゴニスト作用を有する化合物に限定されない。本発明は、例えば、WO02/077017“New Medical Uses of Intercelluer Communication Facilitating Conpounds”に開示されるように、細胞間ギャップ結合伝達障害に関連する病理の治療のための医薬組成物の調合および使用、およびこれらの組成物の使用方法にも関する。
【0110】
本発明は、本発明のすべての化合物の治療上の有効量を投与することを含む、GJIC障害(例:心不整脈または骨粗しょう症)に関連する症状を有する対象を治療する方法、または対象がGJIC障害(例:心不整脈または骨粗しょう症)に関連する症状を発達させる危険性を有することを防ぐための方法をさらに提供する。本発明に記載の化合物で治療することのできる対象としては、動物が含まれ、好ましくは、例えば齧歯類(マウス、ラット、ハムスター、およびウサギなどのウサギ目を含む)、イヌ、ブタ、ヤギ(一般的にはすべての家畜動物)、および霊長類などの哺乳類が含まれるが、それらに限定されない。好適な一態様において、該対象はヒトである。
【0111】
本発明の化合物を使用して治療または予防することできる症状の例としては、循環器疾患、骨粗しょう症、気道上皮の炎症、肺胞組織の障害、膀胱失禁、難聴(例:蝸牛の疾患による)、内皮損傷、糖尿病(タイプIまたはタイプII)および糖尿病性合併症(糖尿病性網膜症および糖尿病性神経障害を含む)、アテローム性動脈硬化、CNS関連症状、発作、虚血(例:中枢神経系、脊髄、脳または脳幹の虚血)、歯組織障害(歯周疾患を含む)、腎臓病、血液学的症状(例:特に細胞増殖抑制化合物または放射線療法での治療後の貧血症、白血球減少症、血小板減少症、および汎血球減少症)、創傷(例:外傷をもたらす表在性創傷および深い創傷)、骨折、勃起障害、膀胱失禁、神経因性疼痛、亜慢性および慢性炎症、癌、骨髄不全および幹細胞移植の失敗、細胞および組織の移植中または外科手術などの医療処置中に生じる症状、活性酸素種および/または遊離基および/または一酸化窒素の過剰により引き起こされる症状、妊娠の疾患または障害(例:子癇前症および早期陣痛)、女性不妊、および脳梗塞が挙げられるが、それらに限定されない。本発明に記載の化合物は、陣痛を誘発するため(例:子宮収縮にいてオキシトシンの効果を促進することによる)にも使用することができる。
【0112】
好適な一態様において、本発明は、急性虚血性心疾患(例:安定狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞症)、うっ血性心不全(例:収縮期心不全、拡張期心不全、高拍出量性心不全、低拍出性心不全、右心不全または左心不全)、先天(性)心疾患、肺性心、心筋症、心筋炎、冠血行再建術中の高血圧性心疾患、および同類のものなどの循環器疾患の間に生じる不整脈および血栓性合併症の治療または予防のための薬理活性抗不整脈化合物を提供する。特定の実施態様において、本発明に記載の化合物は、徐脈性不整脈(例:洞結節、房室結節、ヒス束、右脚または左脚における疾患に起因)、およびリエントリーに関連する頻脈性不整脈(例:心房性期外複合体、房室接合部性複合体、心室性期外複合体、心房(性)細動、心房粗動、近位上室性頻拍症、洞結節リエントリー性頻拍、房室結節リエントリー性頻拍、および非持続性心室頻拍)を治療および/または予防するために使用することができる。さらに、本発明に記載の化合物は、例えば、心室頻拍、心室細動、および心房(性)細動などの伝導速度の低速化が重要な要素である病態の緩和において有用である。本発明に記載の化合物は、単体または、クラスI薬剤(例:リドカイン)、クラスII薬剤(例:メトプロロールまたはプロプラノロール)、クラスIII薬剤(例:アミオダロンまたはソタロール)またはクラスIV薬剤(例:ベラパミル)のようなその他の抗不整脈化合物との組み合わせのいずれかで、投与することができる。
【0113】
本発明に記載の化合物は、さらに1つ以上のリエントリー不整脈、心室リエントリー(例:急性心筋梗塞、慢性心筋梗塞、安定狭心症および不安定狭心症の間に生じる)、感染性または自立性心筋症、心房(性)細動、再分極交互脈、単源性心室頻拍、T波交互脈、徐脈性不整脈、心臓組織の収縮性、血栓症、および同類のものを治療または予防するために使用することができる。
【0114】
内皮ギャップ結合細胞間伝達が関与している追加機能は、損傷後の内皮細胞の移動行動、血管形成、内皮成長および老化、および血管運動反応の調整(Christ et al.Braz.J Med Biol.Res.,33,423−429(2000))である。したがって、本発明に記載の化合物は、増大する代謝要求を現す症状(例:運動、頻拍)の間、および虚血中、伝導血管反応を強化するため、および血液供給を改善するために使用することができる。
【0115】
本発明に記載の化合物は、かかる治療を必要とする哺乳類の組織または臓器の細胞保護作用のために使用することができる。細胞保護作用とは、望ましくない細胞膨張に付随する症候を軽減、予防、緩和することを示す。該方法が有効である特定の組織および/または臓器は、心臓または腎臓のような、線維性被膜によって閉じ込められた、または影響された組織および/または臓器を含む。また、脳、脊髄および骨髄のような、骨に関連する組織が含まれる。本発明の化合物は、例えば、心臓、中枢神経系、腎臓、胃腸管、肝臓、肺、肢などを含む、かかる治療を必要とする哺乳類の臓器における虚血性傷害を予防または治療するために使用することができる。
【0116】
別の態様において、本発明は、細胞増殖抑制化合物または放射線療法での治療後の血液学的症状の治療または予防のための化合物の使用を提供する。造血回復の低下が、5−フルオロウラシル(5−FU)細胞増殖抑制治療後の患者において観察される。このことは、重度の好中球減少症、網状赤血球減少症および異常末梢赤血球の存在を原因とする重度の貧血症および重度の血小板減少症を含む、末梢血球数の回復の欠如を含む。さらに、骨髄における骨髄細胞性および造血系前駆細胞量(顆粒球マクロファージ系コロニー形成単位(CFU−GM)、赤芽球バースト形成単位(BFU−E)、混合コロニー形成単位(CFU−mix)、および全般的コロニー形成単位(CFU−C))の5〜8倍の減少が観察された。(例えば、Montecino−Rodriguez et al.,Blood,96,917−924,(2000)、Presley et al.,Abstract #55,IGJC2005,Whistler,Canada(2005)などを参照)。本発明の本態様に含有されるものは、一般的に医源性汎血球減少症に関連する一般的臨床的症状の治療または予防である。
【0117】
本発明に記載の化合物は、骨粗しょう症の治療または予防に使用することができる。そのGJICが骨形成において重要であることは既知である。化合物の効果は、例えば、該化合物の存在下における骨芽細胞のカルシウム波の形成および/またはアルカリ性ホスファターゼ活性のいずれかを測定する標準骨芽細胞活性測定における骨芽細胞活性の増加によって、評価することができる。アルカリ性ホスファターゼ活性は、標準熱量計測定を用いて、一定の骨芽細胞活性を提供するためにさらに使用することができる。
【0118】
好ましくは、少なくとも1つの本発明に記載の化合物または医薬組成物は、治療的有効量でそれらを必要とする個体へ投与される。本明細書において使用されるように、「治療的有効量」とは、特定の症状または病状の症候を軽減する量、および、好ましくは、該症状または病状を有する対象における生理学的反応を正常化する量を示す。症候の軽減または生理学的反応の正常化は、当技術において所定の方法を用いて決定され、特定の症状または病状によって異なる可能性がある。一態様において、少なくとも1つの化合物または医薬組成物の治療的有効量は、計測可能な生理的パラメータを、実質的に、該症状または病状を伴わない対象におけるパラメーターと同じ値へ(好ましくは、その値の±30%以内へ、さらに好ましくはその値の±20%以内へ、またさらに好ましくはその値の±10%以内へ)回復させる量である。
【0119】
有効量は、当業者により、薬物の効力、年齢および患者の体質、体重、薬物動態プロファイルなどの要素を考慮して決定され、概して薬物は、各患者または患者のグループへ処方される。しかしながら、化合物の有効量は、少なくとも約100μg/kg体重/日、少なくとも約300μg/体重/日、および少なくとも約1000μg/kg体重/日であるような、少なくとも約10μg/kg体重/日であることができる。その一方で、化合物またはニ量体の有効量は、多くとも約50mg/kg体重/日、および多くとも約10mg/kg体重/日であるような、多くとも約100mg/kg体重/日であることができる。化合物の有効量は約100μg/kg体重/日、約300μg/kg体重/日または約1000μg/kg体重になるだろうと期待される。
【0120】
E.生物学的検定法
本発明の好適な化合物は、本明細書において「標準AAP部位結合検査」と称される検査において、組織、細胞または細胞分画への結合、好ましくは特異結合を示す。該検査は、例えばAAP、AAP10、HP5、またはそれらの機能的類似物などの対象化合物の結合を検出および任意に数量化することができる。好適な一実施形態において、該化合物は、そのような組織、細胞または細胞分画の機能のモジュレータとなることができる(つまり、該化合物は、抗不整脈ペプチドの機能をアゴナイズまたはアンタゴナイズする)。別の実施形態において、該化合物は、抗不整脈ペプチドの受容体のモジュレータであることができる(つまり、該化合物は、該受容体のアゴニストまたはアンタゴニストである)。さらに、本発明に記載の好適な化合物は、ギャップ結合伝達のモジュレータとしての良好な機能(例:AAPのアゴニストまたはアンタゴニストとして)を示すことができる。一態様において、該化合物は抗不整脈薬として機能することができる。
【0121】
本発明の好適なアゴニスト化合物は、本明細書において「標準心筋細検定」と称される検定において、AAPのGjと実質的に同様の、またはより大きい細胞内伝導(Gj)を提供することができる。好適なアンタゴニスト化合物は、AAPのGjよりも少ないGj(例:少なくとも約10%、または少なくとも約20%少ない)を提供することができ、および/または虚血細胞のGjを正常化するため、すなわち、Gjを非虚血細胞で見られる値と実質的に同じである値へ戻すためにAAPの機能を阻害することができる。さらに、本発明に記載の好適な化合物は、本明細書において「標準カルシウム誘導性不整脈検定」と称される検定において、CaClの注入後のマウスにおけるAV阻害までの時間を増加することができる。本発明の化合物は、本明細書において「代謝性侵襲誘発的伝導速度の低下の標準単離心房分離モデルの」と称される方法において、代謝性侵襲の種々の形態(虚血症、低血糖症または酸血症)の存在下において、心臓伝導の減速を防ぐことができる。本発明の化合物は、さらに、本明細書において「標準心室リエントリー検定」と称される検定において観察される、リエントリー不整脈の発現または梗塞域の大きさの減少を示すことができる。
【0122】
一部の実施形態において、本発明の化合物は、本明細書において「生体内血漿安定性検定」と称される検定によって、良好な半減期を示すことができる。該検定において良好な安定性を示す化合物は、一実施形態において、約48時間以上、または24時間以上、または12時間以上、または6時間以上、または3時間以上、または1時間以上、または30分以上、または20分以上、または15分以上、または10分以上、または5分以上、または1分以上の、半減期を有する。これらの実施形態において、本発明の化合物は、血流において、強化された安定性を示すことができる。
【0123】
本発明の化合物の活性を識別し、任意に数量化するために有効な特定の検定を、さらに以下に記載する。
【0124】
1.標準血漿安定性検定
本発明は、生体外または生体内で安定性を強化する化合物を提供する。一実施例として、ペプチド結合を含む本発明の化合物は、酵素分解に対して化合物を安定化させるようにアルキル化または修正することができる。代わりとして、または追加として、該化合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含むことができる。標準安定性検定において化合物が安定性を強化したかどうかを検査することが可能である。
【0125】
生体内血漿安定性検定の一実施例において、化合物は、血漿または血清において培養され、サンプルが、一定の間隔で、HPLCまたはLC/MS/MSによって、非分解性化合物の量を定量するために、分析のために取られる(例えば、開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、WO02/077017号を参照)。そのような検定のための適した条件(カラム、溶媒、勾配、および温度)は、化合物のピークおよび血漿のピークが同様の保持時間を有さないことを確実にするように推定される。これは、化合物、血漿の後続注入、および化合物とプラズマの同時注入、その後のLC法パラメータの最適化によって、十分な分離が得られるまで行われる。ペプチド化合物を含まない対照血漿サンプルは、同様の方法で処理され、さらに取られ評価される。該サンプルは、ブランク、適正濃度(例:0.1mg/mL)の化合物、化合物を含まない血漿、最低1つのt=0のサンプル、および最低1つの各一定の間隔でのサンプルを含むことができるが、それらに限定されない。好ましくは、複数のサンプルが、同時に取られる。該サンプル濃度(mAUまたはイオン数でのピークの高度)は、対時間プロットされ、単一指数関数的減衰を示す機能に適合される(例:標準エクセルパッケージを使用)。好ましくは、本発明に記載の化合物は、本検定を使用して決定されるように、約30分間以上(例:約1時間以上、約3時間以上、約6時間以上、約12時間以上、約24時間以上、約48時間)の半減期を有する。
【0126】
血漿安定性は、標準検定を用いて、生体内で検査することができる。例えば、化合物は、i.v.投与およびp.o投与の両方に対して約1ml/kgの量でのボーラス注入によって、ラットのような哺乳類へ投与することができる。好ましくは、化合物は、既知の安定性を伴う緩衝材または抗不整脈ペプチドのような対照サンプルと同時に検査される。血液サンプルは、異なる時間周期(例:B.D.とは「投与前」を示すが、B.D.の5分、15分、30分、60分、90分、120分、180分、および240分)で回収される。サンプルにおける化合物の量は、LC/MS/MSのような、当技術において所定の方法を用いて数量化することができる。例えば、血漿サンプルにおける化合物の濃度は、1.00nMから1000nMの化合物の濃度範囲におよぶ外標準曲線から計算される。血漿濃度対時間のデータは、薬物動態のモデリングのために、WinNonLin3.5(Pharsight,Mountain view,Calif.)で、非コンパートメント解析を用いて使用され、AUC、Fpo、Clb、t1/2、Cmaxおよびtmaxの結果のパラメータは、当技術分野で周知のように決定される。
【0127】
2.標準心筋細胞検定
本発明の化合物は、化合物の投与後ギャップ結機能を測定する心筋細胞検定において検査することができる。一実施例において、心臓細胞は、テンジクネズミの心臓などの哺乳類から、ランゲンドルフ法による、コラゲナーゼの環流よって、単離される。細胞は、化合物へ曝され、当技術分野で既知の方法を用いて、パッチクランプによって、GJICを判断される。細胞間伝導(Gj)は、以下の式、
【数1】

を用いて計算され、
式中、
Ip,pulseおよびIp,restは、パルス中およびパルス前のそれぞれの受動細胞における電流を表し、UpおよびUaは、受動細胞および活性細胞の電圧を表す。化合物投与の際のGj値の変化は、Gjにおける相対的変化を比較することによって分析される。例えば、時間関数としての相対的Gjは、化合物(例:約10−8M)の刺激の前およびその間に測定される。好ましくは、化合物は、AAP、AAP10、HP5およびそれらの機能的類似物などの抗不整脈ペプチドと実質的に同様のGj(±10%)である、Gjを示す。一実施例において、該細胞は、虚血細胞であり、該化合物は、非虚血細胞のGjと実質的に同様(±20%、好ましくは±10%)のGjを示す。心筋細胞検定の実施に関する詳細は、WO02/077017に示される。
【0128】
3.標準カルシウム誘発的不整脈検定
心臓細胞への投与に適したペプチドは、Lynch et al.(1981)J Cardiovasc.Pharmacol.3:4960のモデルに基づく、カルシウム誘導性不整脈の生体内モデルにおいて、特定される。雄CD−1マウスは、ケタミン(75mg/kg)およびメデトミジン(1mg/kg)IPで麻酔される。i.v.カニューレは、尾静脈へ挿入される。主要なIIECG信号は、ステンレスのECG電極を右前肢および左前肢に置くことにより、継続的に記録される。接地電極は、右後肢に配置される。信号は、Gouldのフィジオグラフコンポーネントおよびpo−ne−mahのデータ収集ソフトウェアを使用して、増幅され、フィルタされる。90秒間の平衡期間の検査の後、化合物は、尾静脈へ注射される(30秒間以上)。賦形剤で事前処理されたマウスは、対照動物として検査される。注射量は、すべての実験において、100μl/30gマウスである。CaCl(30mg/mL、0.1mL/分/30gマウス、100mg/kg/分)の注入は、薬物または賦形剤(0.9%生理食塩水)のIV投与の3分後に開始される。心伝導ブロックの開始までの時間差は、CaClの注入開始から第1の不整脈事象が発生するまでの時間として計測される。第1の伝導ブロックは、事前処理の期間からのRRインターバルの3倍に等しいまたはそれ以上である、第1のRRインターバルとして、定義される。第1の不整脈事象の発生は、第2度AVブロック(QRS複合体を付随しないP波を特徴とするAV伝導の間欠性故障)または第2度SAブロック(長期のRRインターバルおよびP波に先行しないQRS−複合体)のいずれかである。反応は、賦形剤で処理されたマウスにおいて発生する第2度AVブロックまでの時間に相対的に現れる。
【0129】
4.代謝性侵襲誘発的伝導速度の低下の標準単離心房分離モデル
心臓細胞への投与に適したペプチドは、Haugan et al.(J.Cardiovasc.Electrophysiol.,16,537−545(2005))によって述べられるように、生体内モデルにおいて特定される。
【0130】
ラット(300〜400g)は、首への鋭い一撃によって殺される。心臓はすぐに摘出され、(mMで)NaCl136、KCl4、MgCl0.8、CaCl1.8HEPES5、MES5、グルコース6、pH7.3を含む、37°の含酸素修飾タイロード緩衝液を含む小皿へ移される。左心房は、慎重に解離され、約2mm×6mmの組織サンプルが左心房付属器から取られ、組織チャンバ(5ml容積)(Steiert Organ Bath,Hugo Sach Electronic,Germany)に置かれる。該チャンバは、研究の間、37℃の含酸素タイロード緩衝液で、10ml/分の速度で環流される。
【0131】
双極刺激電極電極(テフロン加工ステンレス製、直径75μM)を、組織の一末端に置く。1Hzで、方形パルスを用いて、隔離ユニット(Universal Isolated Stimulator Unit type263,Hugo Sachs,Germany)を通じて、刺激装置(Hugo Sachs,Type215)によって送達される2重閾値(刺激0.2msの間)で刺激を与える。
【0132】
純イリジウムの2つの分離した微小電極(World Precision Instruments、tip−impedance 3.5−4.0MΩ)は、心房CVの記録のために、標本の長軸に沿った線上に置かれる。刺激電極から第1および第2の微小電極までの距離は、それぞれ、1.5mm〜2.0mmおよび3.0mm〜4.0mmである。各微小電極は、ヘッドステージ前置増幅器(10×増幅の信号)に接続される。該前置増幅器は、Hugo Sachs PLUGSYSを通じて、データ収集システムへ接続される生体電位増幅器モジュールへ接続される。信号は、1kHzでフィルタされ、10kHzでサンプルされる。
【0133】
30分間の平衡時間に続いて、1Hzでのぺーシングを開始する。最初の20分間の記録時間(基準時間)の間、チャンバは37℃の含酸素タイロード緩衝液で還流され、pH7.3化合物(例:本発明の修飾リジン模倣化合物、AAP、AAP10または対照化合物)は、それから環流緩衝液へ、さらに20分間(事前処理時間)加えられる。20分間の事前処理に続いて、環流を、40分間(代謝性侵襲時間)、37℃のpH7.3の無グルコースの非酸化性タイロード緩衝液(対象の化合物の有無を問わない)へ変更する。
【0134】
代謝性侵襲中の伝達速度の変化は、非処理対象のグループと比較される。未処理標本において、伝導は、40分間の代謝性侵襲の間、15〜45%減少した。一部の実施形態において、本発明に記載の化合物は、40分間、化合物AAP、AAP10、HP5またはそれらの機能的類似物と比較して、代謝性侵襲誘発的伝導の減速を防ぐことができ、該化合物は、代謝性侵襲の発現の間、正常伝導を維持することができる。
【0135】
5.血液検定
本発明の化合物は、骨髄増殖の5−フルオロウラシル(5−FU)誘導的侵襲の後の回復の加速への影響を測定するために検査することができる。雄ラットは、5−FU(75−100nmol/kgi.p.)で4日間治療される。血液サンプルは、尾端から、5−FU治療の前(0日)、および最初の5−FU投与から4、8、12、16、20、24、28日後に回収される。末梢血球数(顆粒球、リンパ球、赤血球、血小板、網状赤血球)および血漿ヘモグロビンの測定が取られる。重度の汎血球減少症の時期の認識後、研究は、本発明化合物での併用治療の間、繰り返される。
【0136】
F.例示的な化合物の調合
以下の非制限的な実施例は、本発明を説明するためにのみ表される。当業者は、例示されないが、本発明の一部を形成する多数の同等物および変更があるということを理解するだろう。
【0137】
本発明のリジン模倣化合物は、固相相合成法または溶液相合成法によって合成することができる。本文脈において、参照は、とりわけ、Fields et al.,“Principles and practice of solid−phase peptide synthesis”,Synthetic Peptides(2002,2nd Edition)へ与えられる。
【0138】
図式1は、Y′はNHRであり、Rは水素ではない、式III((2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸)の化合物の例示的な合成を示す。
図式1
【化26】

【0139】
異なるN−置換アミノ酸誘導体は、Y′はNHRでありRは水素ではない、式IIIのその他の化合物を合成するために使用することができる。例えば、2−クロロ−1H−イミダゾールまたは4−ブロモ−1H−イミダゾールは、水中のグリシンで処理され(例えば、European Journal of Medicinal Chemistry (1989),24(6),623−5に記載される手順に従う)、それぞれ、2−(1H−イミダゾール−2−イルアミノ)酢酸または2−(1H−イミダゾール−4−イルアミノ)酢酸を形成することができ、それらは、その後、図式1と同様の方法で、(2S,4R)−1−(2−(1H−イミダゾール−2−イルアミノ)アセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸または(2S,4R)−1−(2−(1H−イミダゾール−4−イルアミノ)アセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸を合成するために使用することができる。(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(ピリジン−2−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(ピリミジン−4−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、および(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(ピリミジン−2−イルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸などの化合物は、同様に、それぞれ2−(ピリジン−2−イルアミノ)酢酸、2−(ピリミジン−4−イルアミノ)酢酸、および2−(ピリミジン−2−イルアミノ)酢酸から合成することができる。
【0140】
別の方法として、グリシン誘導体は、図式2に従って合成することができる。
図式2
【化27】

【0141】
上述の実施例において、上述のように生成された2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)酢酸は、図式1に示される方法を用いて、(2S,4R)−1−(2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)アセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸を合成するために使用することができる。
【0142】
AおよびRは結合される炭素と共に、1つ以上のN、O、またはS原子を含む520員環ヘテロアリールを形成する式IIの化合物は、図式1に従って、適したカルボン酸出発物質を利用して、合成することができる。例えば、(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(1H−イミダゾール−2−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(1H−ピラゾール−5−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸、または(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(1H−イミダゾール−5−カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸は、1H−イミダゾール−2−カルボン酸、1H−ピラゾール−5−カルボン酸、または1H−イミダゾール−5−カルボン酸をそれぞれ用いて、図式1に従って合成することができる。
【0143】
図式3は、Y′はNHRでありRは水素ではない、式IIIの化合物の別の例示的な合成を示す。(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(3−フェニルウレイド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸の本実施例において、RはC(O)NRである。
【0144】
図式3
【化28】

【0145】
異なるイソシアネート(例:メチルイソシアネートまたはイソプロピルイソシアネート)は、式III(例:(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(3−メチルウレイド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸または(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(3−イソプロピルウレイド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸)の他のウレアーゼを生成するために、図式3の合成において使用することができる。
【0146】
図式4は、Y′はNHRでありRはS(O)Rである式IIIの化合物である、(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(メチルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸の例示的な合成を示す。
【0147】
図式4
【化29】

【0148】
その他の塩化スルホニル(例:塩化エタンスルホニルまたはプロアン2−塩化スルホニル)から始まり、式IIIの異なるスルホンアミド(例:(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(エチルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸または(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(1−メチルエチルスルホンアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸)は、図式4に示される方法を使用して調合することができる。
【0149】
kは1または2である式IIIの化合物(例:(2S,4R)−1−(3−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸)は、例えば、図式5に従って合成することができる。
【0150】
図式5
【化30】

【0151】
図式6は、Z′は(CH−C620アリールでありmは0である、式IIIの例示的な合成である、(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(フェニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸を示す。
【0152】
図式6
【化31】

【0153】
同様に、図式7は、Z′は(CH−C620アリールでありmは1である式IIIの化合物の例示的な合成である、(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(ベンジルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸を示す。
【0154】
図式7
【化32】

【0155】
Z′は(CH−520員環ヘテロアリールでありmは0または1である化合物もまた、図式6または7に従って、適した出発物質を使用して調合することができる。
【0156】
図式8は、Z′はC(O)(CH−C620アリールでありmは1であり、(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(2−フェニルアセトアミド)ピロリジン−2−カルボン酸である、式IIIの化合物の例示的な合成を示す。
【0157】
図式8
【化33】

【0158】
Z′はC(O)(CH−C620アリールでありmは2であり、または、Z′はC(O)(CH−520員環ヘテロアリールでありmは1または2である化合物も、図式8の方法に従って、適した出発物質を使用して調合することができる。
【0159】
Z′はS(O)(CH−C620アリールまたはS(O)(CH−520員環ヘテロアリールである式IIIの化合物は、例えば、(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(フェニルスルホンアミド)ピロリジン−2−カルボン酸の合成を示す図式9に従って合成することができる。
【0160】
図式9
【化34】

【0161】
図式10は、Bはアミドバイオ等量体である式IIの化合物である、(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フェニルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸の例示的な合成を示す(例えば、Tetrahedron:Asymmetry,14(20),3141−3152;2003を参照)。
【0162】
図式10
【化35】

【0163】
図式11は、Bは異なるアミドバイオ等量体である、(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸である、式IIの別の化合物の合成を示す(例えば、Journal of Heterocyclic Chemistry(1998),35(6),1533−1534を参照)。
【0164】
図式11
【化36】

【0165】
(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボン酸である、Bはアミドバイオ等量体である式2のさらに別の化合物の合成は、図式12に示される(例えば、Tetrahedron:Asymmetry,14(20),3141−3152;2003;Journal of Medicinal Chemistry,44(18),2990−3000;2001を参照)。
【0166】
図式12
【化37】

【0167】
図式13は、Eはカルボン酸バイオ等量体である、N−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミドである、式IIの化合物の例示的な合成を示す。
【0168】
図式13
【化38】

【0169】
図式14は、Eはカルボン酸バイオ等量体である、式IIの化合物が合成される別の方法を示す(例えば、Journal of Medicinal Chemistry,44(18),2990−3000;2001を参照)。
【0170】
図式14
【化39】

【0171】
図式14に示されるN−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(5−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミドに加えて、異なるカルボン酸バイオ等量体を有する式IIの化合物は、異なるブロモカルボニル試薬(例:N−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミドまたはN−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(5−イソプロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド)を用いることにより、本方法に従って合成することができる。
【0172】
図式15〜17は、Eはカルボン酸バイオ等量体である式IIの化合物を合成するためのその他の例示的な方法を示す。
【0173】
図式15
【化40】

【0174】
図式16
【化41】

【0175】
図式17
【化42】

【0176】
図式15から17に示される化合物に加えて、異なるカルボンバイオ等量体を有する化合物は、試薬を変えることにより、本方法に従って、合成することができる。例えば異なる臭化物試薬が図式15において使用することができ(例:N−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(オキサゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミドを生成するため)、異なるジメチルアミノケタルが図式16において使用することができ(例:N−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピロリジン−3−イルを生成するため)ベンズアミドまたはN−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(5−イソプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミド)、また、異なるオルトエステルが図式17において使用することができる(例N−((3R,5S)−1−(2−アミノアセチル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)ベンズアミドを生成するため)。
【0177】
1.一般的なペプチド合成
本発明の化合物は、例えば、WO98/11125(開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に開示される合成法を使用して調合することができる。該合成法は、トリフルオロ酢酸塩対イオンを有する第1ペプチドまたはペプチド様物質もたらし、それらは薬剤の調合に適している。しかし、ある症例においては、例えば、イオン交換クロマトグラフィーなどによって、トリフルオロ酢酸塩から薬学的に許容されるまたは好適な陰イオン(例:酢酸塩)への対イオン交換を実行することは、有利である。別の方法として、第1ペプチドまたはペプチド様物質は、繰り返し凍結乾燥され、希釈塩酸で溶解され、精製塩酸を得ることができる。
【0178】
装置および合成戦略
固相法を使用する場合、修飾ペプチドは、バッチ式に、ろ過のためのポリプロピレンフィルタを備えたポリエチレン管において、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)およびtert−ブチルオキシカルボニル基(Boc)、またはN−アミノ基の適した保護基ならびにアリール基、Alloc基、Dde基、Z基などの側鎖官能基を用いて合成することができる。溶液相法を使用する場合、修飾ペプチドは、合成全体で、標準的設備を用いて、合成することができる。
【0179】
溶媒
溶媒DMF(N,N−ジメチルホルムアミド、Riedel de−Ha¨en,Germany)は、強陽イオン交換樹(Lewatit S 100MB/H強酸、Bayer AG Leverkusen,Germany)を含むカラムを通過することにより精製され、遊離アミンが存在する場合に黄色を発生させる(Dhbt−O−陽イオン)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(Dhbt−OH)を追加することにより、使用前の遊離アミンに関して分析された。溶媒DCM(ジクロロメタン、分析グレード、Riedel de−Ha¨en,Germany)は、精製されずに、直接使用された。アセトニトリル(HPLCグレード、Lab−Scan,Dublin Ireland)は、精製せずに直接使用した。
【0180】
アミノ酸
Fmoc−およびBoc−保護アミノは、適した側鎖保護基の形態で、Advanced ChemTech(ACT),Bachem and NeoMPSから購入した。
【0181】
安息香酸誘導体
安息香酸誘導体はAldrichから購入され、さらに精製することなく使用された。
【0182】
結合試薬
結合試薬ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)は(Riedel de−Ha¨en,Germany)から購入した。
【0183】
固相担体
ペプチドは、Advanced ChemTechおよびRappからのTentaGel(例:SRam)およびポリスチレン(例:PAM樹脂)で合成した。
【0184】
結晶およびその他の試薬
ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)は、Aldrich,Germanyから購入され、エチレンジアミンはFlukaから、ヒドラジン、ピペリジンならびにピリジンはRiedel−de Ha¨en,Frankfurt,Germanyから購入した。4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)は、Fluka,Switzerlandから購入され、対称無水物を含む、結合反応のおける触媒として使用された。エタンジチオールおよびチオアニソールは、Riedel−de Ha¨en,Frankfurt,Germanyから購入した。3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(Dhbt−OH)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(HOAt)は、Fluka、Switzerlandから得られた。
【0185】
結合手順
第1のアミノ酸は、適したN−□−保護アミノ酸から生成されたDMFにおいて対称無水物として結合することができ、後続のアミノ酸は、適したN−□−保護アミノ酸から作られるin situ生成のHOBtまたはHOAtエステルとして、およびHOBtまたはHOAtとして、DICの方法によって、DMFにおいて結合することができる。アシル化は、検査の間のFmocの脱保護を防ぐために、80℃で実施されるニンヒドリン試験によって確認された(B.D.Larsen,A.Holm,Int.J.Pept.Protein Res.,43,1−9(1994))。
【0186】
保護基(FmocおよびFm)の脱保護
Fmoc基およびFm基の脱保護は、DMFで20%のピペリジンで処理し(1×5分間および1×10分間)、続いて、乾燥させたDMFへDhbt−OHを追加した後黄色が検出されるまで、DMFを洗浄(5×15ml、各5分間)することにより、実行した。
【0187】
保護基(BocおよびtBu)の脱保護
Boc基およびtBu基の脱保護は、DCMv/vで50%のTFAで処理され(2×2分間、1×30分間)、続いて、DCMで洗浄(6×2分間)され、それからDMFで洗浄(2×2分間)され、DMFv/vで5%のDIEAで処理され(3×2分間)、最終的に、DMFで洗浄(6×2分間)することにより、実行した。
【0188】
Aloc基およびAllイル基の脱保護
15〜20mlのCHCl、AcOH、NMM(37:2:1)で溶解された3eqのPd(PPhの溶液は、ペプチド樹脂へ加えられた。処理は、3時間、室温で、混合液中のNの流れの撹拌しながら、継続した。
【0189】
Hobt−エステルの結合
3eqのN−α−アミノ保護アミノ酸は、3eqのHOBtおよび3eqのDICと共にDMFで溶解され、それから樹脂へ加えた。
【0190】
プリフォーム対称無水物
6eqのN−α−アミノ保護アミノ酸は、DCMで溶解され、0℃まで冷却された。DIC(3eq)を加え、反応は、10分間続いた。溶媒は、真空で除去され、残留物は、DMFで溶解された。溶液をすぐに樹脂へ加え、続いて0.1eqのDMAPを加えた。
【0191】
TFMSAを使用した樹脂からの化合物の分裂
ペプチジル樹脂は、90%トリフルオロ酢酸(TFA,Riedel−de Ha¨en,Frankfurt,Germany)、4%トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA,Aldrich)、2%エタンジチオール、4%チオアニソールv/vで、室温で、30分から60分間処理された。ろ過された樹脂は、TFAで洗浄され、ろ液および洗浄液は、減圧下で蒸発させた。残留物は、エーテルで洗浄され、トリフルオロ酢酸水から凍結乾燥させた。粗凍結乾燥物質は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析され、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESMS)によって同定された。
【0192】
TFAを使用した樹脂からの化合物の分裂
ペプチジル樹脂は、は、95%トリフルオロ酢酸(TFA,Riedel−de Ha¨en,Frankfurt,Germany)水v/v、または95%TFAおよび5%エタンジチオールv/vで、室温で、2時間処理された。ろ過された樹脂は、95%TFA水で洗浄され、ろ液および洗浄液は、減圧下で蒸発させた。残留物は、エーテルで洗浄され、酢酸−水から凍結観想された。粗凍結乾燥物質は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析され、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESMS)より同定された。
【0193】
分取HPLC条件
分取クロマトグラフィーは、AFC2000自動フラクションコレクター/オートサンプラーを備える、VISION Workstation(PerSeptive Biosystem)を使用して実行された。VISION−3ソフトウェアを、測定器制御およびデータ収集のために使用した。
【0194】
カラム
Kromasil(EKA Chemicals)KR100−10−C8 100Å、C−8、10μm、CER2230、250×50,8mm、またはVYDAC218TP101550、300Å、C−18、10μm〜15μm、250mm×50mm。使用された緩衝系は、A:MQVで0.1%のTFAと、B:0.085%TFA、10%MQV、90%MeCNを含んだ。流速は35〜40ml/分であり、カラム温度は、25℃であった。UV検出は215nmおよび280nmで実行された。適した勾配は、個々のペプチドに対して最適化した。
【0195】
分析的HPLC条件
勾配HPLC分析は、HP11004次ポンプ、HP1100オートサンプルラー、HP1100 カラム恒温槽、およびHP1100多波長検出器を備えるHewlett Packard HP1100 HPLCシステムを使用して行われた。LCソフトウェア(rev.A.06.01)のためのHewlett Packard Chemstationは、測定器制御およびデータ収集のために使用された。分析的HPLCに対して、VYDAC 238TP5415、C−18、5μm、300Å、またはJupiter、Phenomenex 00F−4053−E0、または5μmC−18、300Å150mm×4.6mm、およびその他のものなどの異なるカラムが、必要に応じて、使用された。緩衝系は、A:MQVで0.1%のTFAと、B:0.085%TFA、10%MQV、90%MeCNと、を含む。流量は、1ml/分であった。好適なカラム温度は、40℃であった。UV検出は、215nmで実行された。上述のように、適した勾配は、個々のペプチドに対して最適化した。
【0196】
質量分析
ペプチドは、超勾配メタノール(Labscan,Dublin,Ireland)、Milli−Q水(Millipore,Bedford,Mass)、およびギ酸(Merck,Damstadt,Germany)(50:50:0.1v/v/v)で溶媒され、1mg/mlから10mg/mlの間の濃度をもたらした。ペプチド溶液(20ml)は、陽極性モードで、ESI−TOF−MSにより、+/−0.1m/zの精度のLCT質量分析計(Micromass,Manchester,UK)を使用して分析した。
【0197】
固相合成
すべての合成において、乾燥樹脂は、ろ過のためのポリプロピレンフィルタを備えるポリエチレン管に置かれた。樹脂は、DMFで膨潤した。第1のアミノ酸は、上述のように、プリフォーム対称無水物または予備活性化HOBtエステルのいずれかとして結合された。配列に従う以下のアミノ酸は、上述のように、プリフォームHObtエステルとして結合された。すべての結合は、特別の定めのない限り、少なくとも2時間継続された。安息香酸誘導体の側鎖アミノ官能基へのリジン様アミノ酸においての結合は、すべての事例において、プリフォームHObt−エステルを使用して実行された。最終ペプチド物質は、固相担体から分裂され、上述の、HPLCおよびMSによって分析された。
【0198】
すべての場合において、安息香酸誘導体は、カルボン酸として官能化され、THFでDICによってin situ生成HOBtエステルとして結合された。
【0199】
すべての結合は、少なくとも2時間継続された。アシル化は、先述のように、80℃で実施されたニンヒドリン試験によって、確認された。合成完了後に、ペプチド樹脂は、DMF(3×15ml、各1分間)、DCM(3×15ml、各1分間)、ジエチルエーテル(3×15ml、各1分間)で洗浄され、真空で乾燥させた。ペプチドは、それから、上述のように樹脂から分裂させ、凍結乾燥した。
【0200】
上述のような、分取HPLCを使用した精製の後、ペプチド物質を回収し、ペプチドの同定がES−MSにより確認した。
【0201】
例示的な溶液相合成
適した保護アミノ酸または、非保護カルボン酸(1eq)を含むヒドロキシ−あるいはチオヒドロキシ酢酸は、DMFで、DIC(1eq)およびHOBt(1eq)と共に、溶解される。予備活性化の1時間後、適した保護リジン様ビルディングブロック(LM)は、非保護アミノ基(1.1eq)で、TEA(1.3eq)と共に加えられ、混合液は、一晩、室温で撹拌される。
【0202】
反応混合液は、乾燥するまで蒸発させ、残留物は酢酸エチルで溶解される。酢酸エチル相は、(1)塩酸の水溶液(0.1M)と、(2)水酸化ナトリウムの水溶液(0.1M)と、(3)水とで、余分な出発物質を除去するために、抽出される。有機相は、MgSO(乾燥)で処理し、ろ過し、乾燥するまで蒸発させる。
【0203】
LMの残留保護アミノ基は、保護基が、tBu基である場合はTFA/DCMを、ベンジル基である場合はPdシクロヘキセンを、フルオレニル基である場合はピペリジン/DCMを、Dde基である場合はヒドラジンを使用して、脱保護される。脱保護反応の終了後(1時間から2時間)、反応混合液は、乾燥するまで蒸発させる。残留物は、ジエチルエーテルで洗浄し、DMFにおいて、1.3eqのTEAとともに溶解し、最終的に、DMFの、DIC(1eq)およびHOBt(1eq)での処理によって予備活性化した置換安息香酸(1eq)の溶液へ、加えられる。結合反応は一晩継続する。
【0204】
反応混合液を乾燥するまで蒸発し、残留物を酢酸エチルで溶解する。酢酸エチル相は、(1)塩酸の水溶液(0.1M)と、(2)水酸化ナトリウムの水溶液(0.1M)と、(3)水とで、余分な出発物質を除去するために抽出される。有機相は、MgSO(乾燥)で処理し、ろ過し、乾燥するまで蒸発させる。
【0205】
残りの保護基は、保護基が、tBu基である場合はTFA/DCMを、ベンジル基である場合はPdシクロヘキセンを、フルオレニル基である場合はピペリジン/DCMを、Dde基である場合はヒドラジンを使用して、脱保護される。脱保護反応の終了後(1時間〜2時間)、反応混合液は乾燥するまで蒸発させる。残留物は、ジエチルエーテルで洗浄し、TFA/水で溶解し、分取HPLCを使用して精製する。上述のように、分取HPLCを使用して精製した後、ペプチド物質を回収し、ペプチドの同定は、ES−MSによって確認する。
【0206】
2.化合物2の固相合成:(2S4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸
PAM樹脂(Advanced Chemtech)は、DMFで膨潤し、DMFの5%トリエチルアミン(TEA)で洗浄し、Dhbt−OHが乾燥DMFに加えられた後、黄色が検出されなくなるまでDMFで洗浄した。(2S,4R)Boc−4Amp(Fmoc)−OHは、以下の通り、対称無水物として結合した。
【0207】
3eq(2S,4R)Boc−4Amp(Fmoc)−OHは、DCMで溶解し、0℃まで冷却した。DIC(1.5eq)を加え、反応は、10分間継続した。溶媒は、真空で除去し、残留物は、DMFで溶解した。溶液をすぐに樹脂へ加え、続いて0.1eqのDMAPを加えた。結合は一晩継続した。過剰結合試薬は、DMFで洗浄することにより除去した。Fmoc基の脱保護は、20%ピペリジンで、DMFで洗浄(1×5および1×10分間)し、乾燥DMFへDhbt−OHを加えた後、黄色が検出されなくなるまで、DMFで洗浄することにより、実行した。
【0208】
安息香酸の結合は、以下のとおり実行した。3eqの安息香酸は、DMFで、3eqのHOBtおよび3eqのDICと共に溶解し、それから樹脂へ加えられた。結合は、一晩継続した。過剰結合試薬は、DMFで洗浄することにより除去した。Boc基の脱保護の前に、樹脂はDCMで処理した。Boc基の脱保護は、DCMv/vで50%のTFAで処理し(2×2分間、1×30分間)、続いて、DCMで、それからDMFで洗浄し、その後DMFv/vで5%のDIEAで処理し、最終的にDMFで洗浄することにより実行した。
【0209】
Boc−Gly−OHの結合は、以下の通り実行した。3eqのBoc−Gly−OHは、DMFで、3eqのHOBtおよび3eqのDICで溶解し、それから樹脂へ加えられた。結合は、2時間継続した。過剰結合試薬は、DMFで洗浄することにより除去した。結合は、一晩繰り返し継続した。ペプチドを固相担体から分裂させる前に、ペプチド樹脂は、DCMで洗浄し、その後エーテルで洗浄し、最終的に真空下で乾燥した。
【0210】
ジペプチドのPAM樹脂からの分裂は、以下の通り実行した。ペプチド樹脂は、トリフルオロ酢酸(TFA,Riedel−de Ha¨en)で処理し、10分後、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA,Aldrich)のTFA総体積の10%に相当する体積が、室温で加えられ、反応は、2時間継続した。ろ過した樹脂は、TFAで洗浄した。原料は、ジエチルエーテルを加えることにより、TFA−溶液より沈殿させた。原料は、褐色油として回収した。エーテル溶液は、水でさらに抽出し、水相を蒸発させた。原料の総量は、prepを使用して精製した。HPLC(VydacC18−カラム):緩衝液A:水中0.1%のTFA、緩衝液B:90%のAcCN、0.1%のTFA、9.9%の水。流量:35ml/分。勾配:0〜47分で100%のAから75%のA(Linear)。HPLC精製:99%。MS:計算M+H=291.12、結果M+H=291.7。
【0211】
3.化合物2の溶液相合成
水(625mL)中のNaHCOの溶液へ(58.64g、0.698mol)、N−BOC−trans−4−アミノ−L−プロリンメチルエステル塩酸塩(50g、0.1745mol、CNH Technologies、98%)が、部分的に加えられ、続いてEtOAc(500mL)を加えた。混合液は0℃まで冷却した。EtOAc(100mL)中の塩化ベンゾイル溶液(20.26mL、0.1745mol)は25分間に渡って、0℃で加えられた。反応混合液は、0℃で1時間撹拌した。相を分離し、水相は、2×200mLのEtOAcで抽出した。結合有機画分は200mLの1N HCl、100mLの飽和NaHCO溶液、100mLのブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮し、重油として60.67gの(2S,4R)−1−tert−ブチル−2−メチル−4−ベンズアミドピロリジン−1,2−ジカルボン酸塩を得た(収率99.8%;94%は残留EtOAcへ調整)。H NMR(CDCl3,o−、ppm;2つの配座異性体に対して):7.78〜7.7(m,2H)、7.56〜7.4(m,3H)、6.25〜6.1(m,1H)、4.8〜4.67(m,1H)、4.51〜4.41(m,0.4H)、4.34(dd,J=7,7Hz,0.6H)、3.97〜3.84(m,1H)、3.76(s,3H)、3.52(dd,J=11,4Hz,0.6H)、3.39(dd,J=11,4Hz,0.4H)、2.47〜2.21(m2H)、1.46(s,3.6H)、1.43(s,5.4H)。MS(m/z,陽性ESI,M+Naに対して):371。
【0212】
(2S,4R)−1−tert−ブチル−2−メチル−4−ベンズアミドピロリジン−1,2−ジカルボン酸塩(60.19g、5.6%EtOAcを含む;0.1631mol)はEtO(100mL)で溶解し、溶媒は、真空化で蒸発させ、残留EtOAcを除去した。残留油は、EtO(100mL)で溶解した。EtO(700mL)中の2N HCl溶液を加えた(軽度発熱;約5分後に沈殿開始)。混合液は周囲温度で21時間撹拌した。その時点で、EtO中の200mLの2N HCl溶液を加え、混合液は、さらに24時間撹拌した。沈殿物はろ過し、500mLのジエチルエーテルで洗浄し、真空下で周囲温度で24時間乾燥し、46.03gの(2S,4R)−メチル4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸塩酸塩(収率99%)を得た。H NMR(CDOD、o−、ppm):7.91〜7.84(m、2H)、7.6〜7.44(m、3H)、4.78(t、J=8.5Hz、1H)、4.69〜4.59(m、1H)、3.77(dd、J=12、6.6Hz、1H)、3.52(dd、J=12、5Hz、1H)、2.67〜2.5(m、2H)。MS(M+Hに対して、m/z、陽性ESI):249。
【0213】
THF(1.3L)中のBOC−Gly−OH(28.13g、0.1606mol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.1686mol、25.64g;11.12wt%HO含有)の溶液へ、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.1686mol、32.328g)(フラスコA)を加えた。混合液は、周囲温度で4時間撹拌し、それから撹拌を停止し、油性残留物を処理した。別のフラスコ(フラスコB)において、NaOH(0.1606mol;32mLの5N溶液)は、THF(0.52L)中の(2S,4R)−メチル4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸塩酸塩(0.1606mol、45.73g)の懸濁液へ、15分に渡って加えられた。混合液は、周囲温度で10分間撹拌し、その時間に固体はほとんど溶解した。フラスコAで調合したHOBtエステルの溶液は、周囲温度で15分間に渡って、フラスコBへ加えられ、油性残留物を残した。フラスコAの残留物は、250mLのTHFで洗浄し、溶液は、重油からデカントし、フラスコBの混合液へ加えられた。反応混合液は、周囲温度で40分間撹拌した。水(500mL)を加え、混合液は、真空下で濃縮し、THFを除去した(550mL以下の残留量)。EtOAc(500mL)を加え、続いてブライン(300mL)を加えた。相を分離し、水相は2×300mLのEtOAcで抽出した。結合有機画分は、250mLの1N HClで2回、250mLの飽和NaHCO溶液で2回、150mLのブラインで洗浄し、それからMgSOで乾燥させ、濃縮し、48.31gの(2S,4R)メチル−4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキシ酸を、泡状固体として得た(収率74%)。H NMR(CDCl、o−、ppm、2つの配座異性体に対して):7.81〜7.72(m、2H)、7.57〜7.39(m、3H)、6.41(d、J=6Hz、0.8H)、6.25(d、J=6Hz、0.2H)、5.32(br.S、1H)、4.88〜4.74(m、1H)、4.65(t、J=7Hz、1H)、4.11〜3.86(m、2H)、3.83〜3.78(m、1H)、3.76(s、3H)、3.69〜3.56(M、1H)、2.65〜2.3(m、2H)、1.43(s、9H)。MS(M+Naに対して、m/z、陽性ESI):428。
【0214】
メタノール(450mL)中の(2S,4R)メチル−4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキシ酸(23.33g、0.0575mol)の溶液へ、NaOH(0.2875mol、144mLの2N水溶液)が、−1℃から1℃で、15分間に渡って加えられた。混合液は、−5℃から−1℃で、2.5時間、撹拌した。HCl(0.2875mol、144mLの2N水溶液)は、−3℃から1℃で、25分間加えられた。MeOHは、真空下で、抽出し、それから500mLのEtOAcを加えた。水相は、NaClで飽和され、相を分離した。水相は、2×250mLのEtOAcで抽出し、結合EtOAc溶液は、MgSOで乾燥させ、濃縮し、22.54gの(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸を白色泡状固体として得た(6.6wt%tOAc、残留EtOAcへ調整した収率94%を含む)。H NMR(CDOD、o−、ppm):7.87〜7.79(m、2H)、7.58〜7.42(m、3H)、4.81〜4.7(m1H)、4.69〜4.56(m、1H)、4.05〜3.72(m、3H)、3.67〜3.49(m、1H)、2.64〜2.28(m、2H)、1.43(s、9H)。M+HへのMS(m/z、陽性ESI):392、M+NaへのMS(m/z、陽性ESI):414。
【0215】
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸(21.97g、6.6wt%EtOAc含有、残留EtOAcへ調整した0.0524mol)は、ジオキサン(100mL)で溶解した。溶媒は、真空下で蒸発させ、残留EtOAcを除去した。残留物は、無水ジオキサン(200mL)で溶解し、HCl(100mLの新たに調合した3.6以下のジオキサンにおけるN溶液)は10℃から12℃で加えられた。溶液を、周囲温度まで温めた(約2分後に沈殿を開始)。反応混合液は、周囲温度で、30mLの3.6以下のN HCl溶液を加える時間である、21時間撹拌し、混合液は、さらに5.5時間撹拌した。沈殿した固体はN圧力を用いてろ過し、25mLのジオキサンで4回洗浄し、真空下で、室温で、24時間乾燥し、白色固体として18.7gの粗物質を得た。粗物質は、i−PrOH(104mL)で溶解し、210mLのジエチルエーテルは1時間に渡って加えられた(エーテルを追加した後すぐに沈殿物を形成)。混合液を1時間撹拌し、N圧力を使用してろ過し、50mLの3:1EtO−i−PrOH溶液で2回洗浄し、真空下で、室温で、24時間および、40℃で48時間乾燥させ、15.7gの(2S,4R)−1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸塩酸塩を得た。H NMR(DMSO−d6、o−、ppm、2つの配座異性体に対して):8.77(d、J=7Hz、0.8H)、8.71(d、J=7Hz、0.2H)、8.68〜7.95(br、2H)、7.92〜7.83(m、2H)、7.59〜7.43(m、3H)、4.87〜4.79(m、0.2H)、4.68〜4.54(m、0.8H)、4.54〜4.44(m、1H)、4.0〜3.47(m、4H)、2.47〜2.12(m、2H)。C1418(M+H)で計算されたHRMS:292.1297。結果:292.1294。
【0216】
4.化合物64〜68および70〜78の合成
(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸(0.05g、0.1mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(Aldrich、0.021g、0.15mmol、1.2当量)および1−(3,3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(Aldrich、0.029g、0.15mmol、1.2当量)は、アセトニトリル(15mL)で、窒素雰囲気下で、氷冷して溶解した。温度は、徐々に、2時間に渡って室温まで上昇し、混合液は、それから、室温で一晩撹拌した。反応溶液は、再び0℃まで冷却し、25%〜30%の対応するアミンの水溶液(Aldrichから得られた純粋試薬から調合される)(0.1mL)を加え、撹拌は、冷却しながら30分間継続され、それから室温で2時間継続された。アセトニリル(5mL)は、反応混合液へ加えられ、揮発物を真空下で除去した。半固体残留物は、シリカゲル(EMD、0.040〜0.063mm)クロマトグラフィー(展開溶媒:3%〜5%の勾配メタノール−ジクロロメタン)によって精製し、収率80%〜87%の対応するアミドを得た。
【0217】
前ステップからの物質を、乾燥ジクロロメタン(10mL)で窒素雰囲気下において溶解し、塩酸(Aldrich)の1Mエーテル溶液(1mL)が、温度を30℃以下に保ったまま、加えられた。反応混合液は、一晩、窒素雰囲気下で撹拌した。沈殿物は、ろ過し、ジクロロメタン(2mL)およびジエチルエーテル(2mL)で洗浄し、高真空下で乾燥し、収率75%〜84%で、少なくとも98%の純度の、化合物64〜68および70〜78に対応する塩酸塩を得た。
【0218】
5.化合物80の合成:(2S,4R)−1−(2−アセトアミドアクリル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸
アセトン(3mL)中の(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(0.05g、0.17mmol)とトリエチルアミン(Aldrich)(0.19mL、1.37mmol、8当量)の溶液へ、無水酢酸(0.13mL、1.37mmol、8当量)を、撹拌しながら、室温で窒素雰囲気下でゆっくりと加えた。混合液は、LCMSによる観察下で、3時間撹拌した。終了次第、揮発物を真空下で除去し、残留物は、40/60から90/10のメタノール/水勾配(メタノール中の0.1%ギ酸および水中の0.1%ギ酸)を使用して、分取HPLC(カラム:Xterra MSC18 50mm×250mm、10u)によって精製し、有紀溶媒において制限された溶解性を伴う、0.020g(収率35%)の所望の物質を白色固体として得た。
【0219】
6.化合物81の合成:(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(メチルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
無水ジクロロメタン(10mL)中の(2S,4R)−メチル4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボキシ酸(化合物2の合成の中間物質)(0.05g、0.20mmol)、1−(3,3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(Aldrich)(0.043g、0.22mmol、1.1当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(Aldrich)(0.030g、0.22mmol、1.1当量)と2−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)酢酸(Aldrich)(0.038g、0.20mmol)の溶液へ、N−メチルモルホリン(0.05mL)が、窒素雰囲気下で、0℃で加えられた。反応混合液は、室温まで、2時間温め、一晩、周囲温度で撹拌した。揮発物を、真空下で除去し、残留物を、シリカゲル(EMD、0.040mm〜0.063mm)クロマトグラフィー(展開溶媒:3%から5%勾配メタノール/ジクロロメタン)によって精製し、0.064g(収率75%)の結合物質(2S,4R)−メチル4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキシ酸を得た。
【0220】
上記のメタノール(5mL)中のアミド(0.064g、0.15mmol)へ、水酸化ナトリウムの2N水溶液(0.38mL、0.75mmol、5当量)が、0℃で、窒素雰囲気で、5分間に渡って加えられた。反応はLCMSによって観察され、2時間で終了した。2N塩酸水溶液(Aldrich)(0.38mL、0.75mmol、5当量)は、0℃で5分間に渡って加えられた。メタノールを、真空下で抽出した。酢酸エチル(10mL)および水(1mL)を加えた。水相を、塩化ナトリウムで飽和し、相を分離した。水相を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。結合有機画分を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、次のステップにおいて精製せずに使用した、白色泡状物質(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸を得た。
【0221】
前ステップからの酸は、乾燥ジクロロメタン(10mL)で、窒素雰囲気下で溶解し、塩酸(Aldrich)(1mL)の1Mエーテル溶液は、温度を30℃以下に保ったまま加えられた。反応混合液は、一晩、窒素雰囲気下で撹拌した。形成された沈殿物をろ過し、ジクロロメタン(2mL)、ジエチルエーテル(2mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させた。該物質は、さらに、5%から95%のメタノール/水勾配(メタノール中0.1%ギ酸、および水中0.1%ギ酸)を使用して、分取HPLC(カラム:Xterra MSC18 19×150mm)によって精製し、0.026g(3ステップに対して38%)の所望の物質を得た。
【0222】
7.化合物82の合成:(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
アセトン(3mL)中の(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(化合物2、0.05g、0.17mmol)とトリエチルアミン(Aldrich)(0.048mL、0.34mmol、2当量)の溶液へ、トリフルオロ無水酢酸(0.024mL、0.17mmol)が、撹拌しながら、室温で、窒素雰囲気下で、ゆっくりと加えられた。混合液を、LCMSよる慎重な観察下で、1.5時間撹拌した。終了次第、揮発物を真空下で除去し、残留物は、5%から90%のメタノール/水勾配(メタノール中の0.1%ギ酸、および水中の0.1%ギ酸)を使用して、分取HPLC(カラム:Xterra MSC18 50×250mm、10u)により精製し、0.012g(収率18%)の所望の物質を得た。
【0223】
8.化合物84の合成:(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−(ジメチルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
メタノール(3mL)中の(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(化合物2、0.05g、0.17mmol)の溶液へ、室温で、37%の含水ホルムアルデヒド(Aldrich)(0.1mL)を加えた。生じた混合液は、この温度で3時間撹拌され、それから0℃へ冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(Aldrich)(0.043g、0.69mmol、4当量)は、部分的に、5分間に渡って加えられた。室温で1時間撹拌した後、溶媒は、真空下で除去し、固体残留物は、5%から95%のメタノール/水勾配(メタノール中の0.1%ギ酸、および水中の0.1%ギ酸)を使用して、分取HPLC(カラム:XTerra MS C18、5u、19×150mm)により精製し、0.017gの(収率31%)所望の物質を得た。
【0224】
9.化合物85の合成:(2S,4R)−4−ベンズアミド−1−(2−ホルムアミドアセチル)ピロリジン−2−カルボン酸
無水酢酸(Acros)(0.32mL、3.4mmol、10当量)を、液滴で、ギ酸(J.T.Baker)(1mL)中の(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸(化合物2、0.1g、0.34mmol、1当量)の溶液へ、0℃で加えた。追加が完了した後、反応混合液は、室温まで温め、さらに24時間撹拌した。反応混合液は、TLCおよびLCMSによって観察された。追加の無水酢酸(0.32mL、3.4mmol、10当量)を加え、反応混合液を、24時間、室温で撹拌した。氷水(1mL)を加え、揮発物は、HO/MeOH20−40%MeOH中の0.1%ギ酸を使用して、HPLC(カラム:Waters Atlantis19×150mm)によってさらに精製される油性粗物質を生成するために、15分以上の勾配で、真空下で除去し、0.031g(29%)の所望の物質を得た。
【0225】
上述の一般的な手順は、表1に記載される例示的な化合物の合成のために使用した。
【0226】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【0227】
G.生物学的検定データ
1.化合物のカルシウム誘導的不整脈への影響
本発明に記載の化合物の抗不整脈効果は、Lynch et al.,J.Cardiovasc.Pharmacol.(1981),3:49−60のモデルに基づく、カルシウム誘導的不整脈のモデルにおいて検査された。雄CD−1マウスはケタミン(75mg/kg)およびメデトミジン(1mg/kg)IPで麻酔された。i.v.カニューレは、尾静脈へ挿入された。主要なII ECG信号は、ステンレスのECG電極を右前肢および左前肢に置くことにより、継続的に記録された。接地電極は、右後肢に置かれた。信号は、信号は、Gouldのフィジオグラフコンポーネントおよびpo−ne−mahのデータ収集ソフトウェアを使用して、増幅され、フィルタされた。90秒間の平衡期間の検査の後、化合物は、尾静脈へ注射された(30秒間に渡る)。賦形剤(0.9%食塩水)で事前処理されたマウスは、対照動物として検査された。注射量は、すべての実験において、100μl/30gマウスであった。CaCl(30mg/mL、0.1mL/分/30gマウス、100mg/kg/分)の注入は、薬物または賦形剤(0.9%生理食塩水)のIV投与の3分後に開始された。心伝導ブロックの開始までの時間差は、CaClの注入開始から第1の不整脈事象が発生するまでの時間として計測された。第1の伝導ブロックは、事前処理の期間からのRRインターバルの3倍に等しい、またはそれ以上である、第1のRRインターバルとして、定義された。第1の不整脈事象の発生は、第2度AVブロック(QRS複合体を付随しないP波を特徴とするAV伝導の間欠性故障)または第2度SAブロック(長期のRRインターバルおよびP波に先行しないQRS−複合体)のいずれかであった。
【0228】
賦形剤(0.9%食塩水)で事前処理されたマウスは、未処理動物における制御レベルの基準として、検査された。注射量は、すべての実験において、100μLであった。不整脈の開始までの時間差は、CaCl注入の開始から、P波の活性の遅れ(SAブロック)を特徴とするSA伝導の間欠性故障、またはQRS複合体を付随しないP波(AVブロック)を特徴とするAV伝導の間欠性故障、として定義される第1の伝導ブロックの事象までの時間として、計測された。AVブロックの開始までの時間差は、以下の表2に示される。
【0229】
【表2】

【0230】
表2に示されるデータから判断すると、本発明の種々な化合物で事前処理されたマウスは、本発明のCaCl化合物の注入後、マウスにおけるAVブロックまでの時間を継続的に増加させ、抗不整脈特性を示す結果となる。
【0231】
2.化合物の代謝性侵襲誘発的心房伝導速度の低下への影響
代謝性侵襲の間に、伝導を維持する能力は、Haugan et al(J.Cardiovasc.Electrophysiol.,2005:16:537−545)によって示されるように、生体外モデルにおいて、検査された。ラット(300〜400g)を首への鋭い一撃によって殺した。心臓をすぐに摘出し、(mMで)NaCl136、KCl4、MgCl0.8、CaCl1.8HEPES5、MES5、グルコース6、pH7.3を含む、37°の含酸素修飾タイロード緩衝液を含む小皿へ移した。左心房を、慎重に解離し、約2mm×6mmの組織サンプルを左心房付属器から取り、組織チャンバ(5ml容積)、(Steiert Organ Bath、Hugo Sach Electronic、Germany)へ配置した。該チャンバは、研究の間、37℃のタイロード緩衝液で、10ml/分の速度で環流された。
【0232】
双極刺激電極(テフロン加工ステンレス製、直径75μM)は、組織の一末端に置かれた。刺激は、1Hzで、方形パルスを用いて、隔離ユニット(Universal Isolated Stimulator Unit type263,Hugo Sachs,Germany)を通じて、刺激装置(Hugo Sachs,Type215)によって送達される2重閾値(刺激0.2msの間)で、実行された。
【0233】
純イリジウムの2つの分離した微小電極(World Precision Instruments、tip−impedance 3.5〜4.0MΩ)は、心房CVの記録のために、標本の長軸に沿った線上に置かれた。刺激電極から第1および第2の微小電極までの距離は、それぞれ、1.5mm〜2.0mmおよび3.0mm〜4.0mmである。各微小電極は、ヘッドステージ前置増幅器(10×増幅の信号)に接続された。該前置増幅器は、Hugo Sachs PLUGSYSを通じて、データ収集システムへ接続された生体電位増幅器モジュールへ接続された。信号は、1kHzでフィルタされ、10kHzでサンプルされる。
【0234】
30分間の平衡時間に続いて、1Hzでのぺーシングを開始した。最初の20分間の記録時間(基準時間)の間、該チャンバは、pH7.3の、37℃の含酸素タイロード緩衝液で環流された。その後、検査サンプル(化合物2)または対照物が、環流緩衝液へ、さらに20分間(事前処理時間)加えられた。20分間の事前処理に続いて、環流は、40分間(代謝性侵襲時間)、pH7.3の、37℃の無グルコースの非酸化性タイロード緩衝液(対象の化合物の有無を問わない)へ変更した。これらの実験の結果を、図1に図示する。
【0235】
図1を参照すると、対照を含む標本において、伝導速度は、22%減少した。対照的に、化合物2で処理された標本において、心房の伝導速度は、基準と比較して変化しなかった。
【0236】
図1に示されるデータから判断すると、本発明の化合物で事前処理された単離されたラットの心臓剥離は、著しく、代謝性侵襲誘発的心房伝導速度の低下を妨げた。心房(性)細動、心房粗動、心室頻拍および心室細動などの心疾患は、すべて、異常な心臓伝導の低速化の存在を特徴とする。つまり、心臓伝導への効果を通じて、本発明の化合物は抗不整脈効果に影響を及ぼすということが期待される。
【0237】
3.血漿安定性検定
その血漿安定性を予測するため、本発明の化合物は、雄ラットの血漿(1:1血漿:pH7.4緩衝液)で、1μMの濃度で37℃で培養された。3時間後、反応物を冷アセトニトリルで急冷した。溶液は、遠心分離され、浮遊物は、LC−MSによって、以下のHPLC条件:周囲温度でのThermo Hypersil−Keystone Aquasil C18カラム(50mm×2.1mm、5μM)、溶媒A:水中の0.1%ギ酸、溶媒B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸、溶媒勾配:100%のAから、50%のAへ2.5分間、10%のAへ1.5分間、100%のAへの戻り、再平衡1.5分間、流速:0.8mL/分、を用いて分析された。残留化合物の割合は、3時間の培養サンプルLC−MSの信号範囲の数を、時間=0の範囲の数で割ることによって計算した。これらの実験の結果を、下記の表3に要約する。
【0238】
【表3】

【0239】
4.代謝性安定性検定
初回通過(フェーズI)代謝下の化合物の安定性を予測するため、本発明の開示の化合物は、雄ラット肝臓ミクロソームで、1μM濃度、および0.5mg/mLタンパク質濃度で、37℃で培養された。15分後、反応物を冷アセトニトリルで急冷した。溶液は、遠心分離され、浮遊物は、LC−MSによって、上述のセクション3に記載のHPLC条件を用いて分析された。残留物の割合は、15分間の培養サンプルLC−MSの範囲の数を、時間=0の範囲の数で割ることにより計算され、化合物の半減期は、1次反応速度論を用いて得た。検定に基づき、化合物2、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、80、81、82、83および84は、30分間の雄ラット肝臓ミクロソームよりも長い半減期を有した。
【0240】
5.イヌの梗塞サイズおよび再環流不整脈モデル
化合物2は、Hennan et al.(J.Exp.Pharmacol Ther.,317,236−43(2006))によって説明されるように、60分間の冠状動脈閉塞および4時間の再環流を受けるイヌにおいて検査された。化合物2は、ボーラス+IV注入として、0.25μg/kgボーラス+0.19μg/kg/時注入(n=6)、2.5μg/kgボーラス+1.9pg/kg/時注入(n=7)、25μg/kgボーラス+19μg/kg/時注入(n=6)、75μg/kgボーラス+57μg/kg/時注入(n=5)、賦形剤対照(n=7)の投与量で、再環流の10分前にIVで投与された。心室期外収縮複合(PVC’s)は、再環流の間、定量化される。4つ以上の連続PVCは、心室頻拍(VT)として定義された。VTの合計発生率は、対照(23.0±6.1)と比較して、2つの最も高い化合物2の投与量(1.7±0.8;2.2±1.4事象;p<0.05)で、著しく減少した。合計PVCは、2つの最も高い化合物2の投与後、対照動物において11.1%±1.6%から2.0%±0.7%および1.8%±0.8%へ、著しく減少した。左心室の割合で示される梗塞サイズは、化合物2の2つの最も高い投与量で、対照動物において、19.0%±3.5%から7.9%±1.5%および7.1%±0.8%(p<0.05)へ、著しく減少した。これらの結果は、本発明の化合物は、心臓保護作用を伴う有効な抗不整脈化合物であるということを実証する。
【0241】
6.生体内細胞膨張および色素取り込みモデル
細胞保護作用の実証が可能なペプチドは、虚血誘導的細胞膨張および色素取り込みの生体内モデルにおいて、同定することができる。本実験において、化合物2の、コネキシン43を過剰発現する、培養されたC6グリオーマ細胞において、代謝阻害によって誘発されるカルセイン色素取り込みへの影響が研究された。細胞は、制御条件下で、カルセイン(200μM)の存在下における、40分間の模擬虚血(SI)中に培養された。培養に続いて、細胞は、カルセインの取り込みを計測するために落射蛍光顕微鏡法を実施された。SI培地におけるC6細胞の培養は、色素取り込みを、前述の対照値の5倍増加させた。取り込みは、用量依存的に、化合物2によって阻害され、最小取り込みは、100μMの化合物2(SI誘導的反応の32%の相対的減少;p<0.05対賦形剤)で得られた。対照細胞は、化合物2で処理された細胞は示さない、40分間の負荷時間中、細胞膨張を示した。
【0242】
当業者であれば、本発明の基本的な特徴から逸脱することなく、本明細書に記載されるものへの変更、修正、およびその他の実施を行うであろう。したがって、本発明の教示の範囲は、前述の例示的な説明によってではなく、以下の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の意味および等価の範囲内に生じるすべての変更は、その中に包含されることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0243】
【図1】Haugan et al.,J.Cardiovasc.Electrophysiol.,16,537−545(2005)に記載される通り、代謝性侵襲誘発的心房伝導速度の低下および生体外モデルにおける、化合物の効果を研究する試験結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

式I
[式中:
Yは、OX、OR、NXR、およびNRから選択され、
kは、0、1、あるいは2であって、
Xは、Hあるいはリジン模倣体であって、
X′は、OR、NR、およびリジン模倣体から選択され、
は、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、およびアミノ酸側鎖から選択され、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、S(O)、およびS(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、およびC(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、からそれぞれ独立して選択され、
それぞれの発生において、Qは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、CF、OCF、NO、OR、SR、S、S(O)R、S(O)、S(O)OH、S(O)NR、NRS(O)、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、およびNからそれぞれ独立して選択される;
但し、
a)Yは、OXあるいはNXRであり、XはHであり、X′はリジン模倣体であり、
b)Yは、ORあるいはNRであり、X′はリジン模倣体であり、
c)前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸あるいは1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項2】
Yが、OXあるいはNXRである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項3】
X′が、ORあるいはNRである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項4】
X′が、OHあるいはNHである、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項5】
Xが、リジン模倣体であり、前記リジン模倣体が、以下から選択され、
【化2】



式中、
Z′は、H、(CH−C620アリール、(CH−5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)(CH−C620アリール、C(O)(CH−5〜20員環員環ヘテロアリール、(CHC(O)−C620アリール、(CHC(O)−5〜20員環員環ヘテロアリール、S(O)(CH−C620アリール、およびS(O)(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールから選択され、前記C620アリールおよび5〜20員環員環ヘテロアリールのそれぞれは、任意に1〜5Q基で置換され、、
は、H、または、任意に置換されたC110アルキルであり、
mは、0、1、あるいは2である、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項6】
Z′が、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620であり、
mが、Oである、請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項7】
Z′が、ベンゾイルである、請求項5または6に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項8】
が、Hである、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項9】
がアミノ酸側鎖であり、前記アミノ酸が、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、および2,6−ジアミノピメリン酸から選択される、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項10】
kが0である、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項11】
kが1である、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項12】
X′が、リジン模倣体である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項13】
前記リジン模倣体が、以下から選択され、
【化3】


式中、
Z′は、H、(CH−C620アリール、(CH−5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)(CH−C620アリール、C(O)(CH−5〜20員環員環ヘテロアリール、(CHC(O)−C620アリール、(CHC(O)−5〜20員環員環ヘテロアリール、S(O)(CH−C620アリール、およびS(O)(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールから選択され、前記C620アリールおよび5〜20員環員環ヘテロアリールのそれぞれは、任意に1〜5Q基で置換され、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
mは、0、1、あるいは2であり、
Eは、C(O)OR、C(O)NR、およびカルボン酸バイオ等量体から選択されるが、
但し、前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸あるいは1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項14】
Yが、ORあるいはNRである、請求項12または13に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項15】
Yが、OHあるいはNHである、請求項12から14のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項16】
YがNRであり、RがHであり、およびRがC(O)Rである、請求項12または13に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項17】
Eが、C(O)ORである、請求項13から16のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項18】
Eが、C(O)OHである、請求項17に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項19】
Eが、C(O)NRである、請求項13から16のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項20】
Eが、C(O)NHRである、請求項19に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項21】
が、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、および任意に置換された3〜20員環員環シクロへテロアルキルである、請求項19または20に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項22】
Z′が、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620であり、
mが、Oである、請求項13から21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項23】
Z′が、ベンゾイルである、請求項13から22のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項24】
が、Hである、請求項12から23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項25】
がアミノ酸側鎖であり、前記アミノ酸が、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、および2,6−ジアミノピメリン酸から選択されるが、
但し、前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸あるいは1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピペリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする、請求項12から23のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項26】
kが0である、請求項12から25のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項27】
kが1である、請求項12から25のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項28】
式IIを有する化合物、
【化4】

II
またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、あるいはプロドラッグであって、式中、
Aは(CH−Y′であり、
kは、0、1、あるいは2であり、
Y′はORあるいはNRであり、
は、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、およびアミノ酸 側鎖から選択され、
あるいは、AおよびRは、これらが結合する炭素原子と共に、N、O、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、5〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
Bは、NR、NR(CHC(O)、NR(CHSOおよびアミドバイオ等量体から選択され、
nは、0、1、あるいは2であり、
Zは、H、任意に1〜5Q基で置換される(CH−C620アリール、および、1〜5Q基で任意に置換された(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、あるいは2であり、
Eは、C(O)OR、C(O)NR、カルボン酸バイオ等量体およびアミドバイオ等量体から選択され、
それぞれの発生において、Qは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、CF、OCF、NO、OR、SR、S、S(O)R、S(O)、S(O)OH、S(O)NR、NRS(O)、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、およびNからそれぞれ独立して選択され、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、S(O)、およびS(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、およびC(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、および任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択されるが、
但し、前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする、化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項29】
Aが、(CH−Y′であり、Y′が、NRである、請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項30】
が、Hであり、
が、H、任意で置換されたC110アルキル、C(O)RおよびC(O)ORである、請求項29に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項31】
が、Hである、請求項30に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項32】
が、C(O)Rであり、RがHあるいは任意に置換されたC110アルキルである、請求項30に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項33】
Aが(CH−Y′であり、Y′がORであり、およびRがHあるいはC110アルキルである、請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項34】
kが0である、請求項28から33のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項35】
kが1である、請求項28から33のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項36】
がHである、請求項28から35のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項37】
が、アミノ酸側鎖であり、
前記アミノ酸が、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、および2,6−ジアミノピメリン酸から選択されるが、
但し、前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする、請求項28から35のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項38】
AおよびRが、これらが結合する炭素原子と共に、N、O、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、5〜20員環員環のヘテロ環を形成する、請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項39】
前記5〜20員環員環のヘテロ環が、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール,、ベンゾフラン、およびベンゾチオフェンから選択され、それぞれが任意に1〜5Q基で置換される、請求項38に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項40】
BがNR(CHC(O)であり、Zは1〜5Q基で任意に置換された(CH−C620アリール、あるいは1〜5Q基で任意に置換された(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールである、請求項28から39に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項41】
nが0である、請求項40に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項42】
がHである、請求項40または41に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項43】
mが0である、請求項40から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項44】
Zが任意に置換されたフェニルである、請求項40から43のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項45】
mが1あるいは2である、請求項40から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項46】
BがNHC(O)であり、Zが任意に置換されたフェニルである、請求項28から40のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項47】
BがNRであり、RがHであり、Zが1〜5Q基で任意に置換された(CH−C620アリール、あるいは1〜5Q基で任意に置換された(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールであり、mが0または1である、請求項28から39に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項48】
BがNR(CHC(O)であり、Zが1〜5Q基で任意に置換された(CH−C620アリール、あるいは1〜5Q基で任意に置換された(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールである、請求項28から39に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項49】
Bが、アミドバイオ等量体である、請求項28から39のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項50】
Zが1〜5Q基で任意に置換されたフェニルである、請求項49に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項51】
Eが、C(O)ORである、請求項28から50のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項52】
Eが、C(O)OHである、請求項51に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項53】
Eが、C(O)NRである、請求項28から50のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項54】
Eが、C(O)NHである、請求項53に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項55】
がHであり、Rが、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換された3〜20員環員環のシクロへテロアルキル、および任意に置換されたC620アリールである、請求項53に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項56】
Eが、カルボン酸バイオ等量体である、請求項28から50のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項57】
式IIIを有する化合物、
【化5】

III
またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、あるいはプロドラッグであって、式中、
Y′はORあるいはNRであり、
kは、0、1、あるいは2であり、
Z′は、H、(CH−C620アリール、(CH−5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)(CH−C620アリール、C(O)(CH−5〜20員環員環ヘテロアリール、(CHC(O)−C620アリール、(CHC(O)−5〜20員環員環ヘテロアリール、S(O)(CH−C620アリール、およびS(O)(CH−5〜20員環員環ヘテロアリールから選択され、前記C620アリールおよび5〜20員環員環ヘテロアリールのそれぞれは、任意に1〜5Q基で置換され、
mは、0、1、あるいは2であり、
それぞれの発生において、Qは、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、CF、OCF、NO、OR、SR、S、S(O)R、S(O)、S(O)OH、S(O)NR、NRS(O)、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、OC(O)R、NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、およびNから独立して選択され、
は、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、およびアミノ酸側鎖から選択され、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、S(O)、およびS(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
はORあるいはNRであって、
は、H、または任意に置換されたC110アルキルであり、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC320員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、およびC(O)NRからそれぞれ独立して選択され、
あるいは、RおよびRは、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
およびRは、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換されたC210アルケニル、任意に置換されたC210アルキニル、任意に置換されたC620アリール、任意に置換されたC720アラルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキル、および任意に置換された5〜20員環員環ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択されるが、
但し、前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする、化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項58】
kが0である、請求項57に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項59】
kが1である、請求項57に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項60】
Y′が、NRであり、
が、Hであり、
が、H、任意に置換されたC110アルキル、C(O)RおよびC(O)ORである、請求項57から59のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項61】
がHである、請求項60に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項62】
がC(O)Rであり、RがHあるいは任意に置換されたC110アルキルである、請求項60に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項63】
Y′がORである、請求項57から59のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項64】
がHである、請求項63に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項65】
が任意に置換されたC110アルキルである、請求項63に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項66】
がHである、請求項57に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項67】
が、アミノ酸側鎖であり、
前記アミノ酸が、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、リジン、アルゲニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、および2,6−ジアミノピメリン酸から選択されるが、
但し、前記化合物は、1−(2−アミノプロパノイル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸ではないことを条件とする、請求項57に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項68】
がORである、請求項57から67のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項69】
がOHである、請求項68に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項70】
がNRである、請求項57から67のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項71】
がNHである、請求項70に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項72】
が、Hであり、
が、H、任意に置換されたC110アルキル、任意に置換されたC3−20員環シクロアルキル、任意に置換された3〜20員環員環シクロヘテロアルキルおよび任意に置換されたC620アリールから選択される、請求項70に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項73】
およびRが、これらが結合する窒素原子と共に、O、N、またはSから独立して選択され、かつ1〜5Q基で任意に置換された、1〜4環ヘテロ原子を含有する、3〜20員環員環のヘテロ環を形成し、
前記3〜20員環員環のヘテロ環が、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、およびイミダゾリジンから選択される、請求項70に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項74】
Z′が、任意に1〜5Q基で置換されるC(O)(CH−C620アリールであり、
mが、0である、請求項57から73のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項75】
Z’が、ベンゾイルである、請求項57から74のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項76】
以下の構造を有する請求項57から75のいずれか1項に記載の化合物、
【化6】


またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項77】
以下の構造を有する請求項57から75のいずれか1項に記載の化合物、
【化7】


またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項78】
以下の構造を有する請求項57から75のいずれか1項に記載の化合物、
【化8】


またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項79】
以下の構造を有する請求項57から75のいずれか1項に記載の化合物、
【化9】


またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ。
【請求項80】
1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−(3−アミノ−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、および
4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸から選択される請求項1、請求項28、あるいは請求項57に記載の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグ。
【請求項81】
(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−(3−アミノ−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ヒドロキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−(4−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4S)1−(2−アミノ−アセチル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、および
(2S,4R)4−ベンゾイルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸から選択される請求項80に記載の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物、およびプロドラッグ。
【請求項82】
1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチリル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−[2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオニル]−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
1−(2−アミノ−4−メチル−ペンタノイル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、および
1−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸から選択される請求項1、請求項28、あるいは請求項57に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグ。
【請求項83】
(2S,4R)1−(2−アミノ−4−カルボキシ−ブチリル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−[2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオニル]−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)1−(2−アミノ−4−メチル−ペンタノイル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸および
(2S,4R)1−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−4−ベンゾイルアミノ−ピロリジン−2−カルボン酸から選択される請求82に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグ。
【請求項84】
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−エチルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−イソプロピルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロプロピルピロリジン−2−カルボキサミド、
4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ペンタン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロペンチルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−イソブチルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロブチルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−tert−ブチルピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(3−メチルブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(3,3−ジメチルブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−フェニルピロリジン−2−カルボキサミド、および
1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(テトラヒドロフラン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、から選択される請求項1、請求項28、あるいは請求項57に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグ。
【請求項85】
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−エチルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−イソプロピルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロプロピルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(ペンタン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロペンチルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−イソブチルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−シクロブチルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−tert−ブチルピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−((R)−3−メチルブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−((R)−3,3−ジメチルブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−フェニルピロリジン−2−カルボキサミド、および
(2S,4R)1−(2−アミノアセチル)−4−ベンズアミド−N−((R)−テトラヒドロフラン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド、から選択される請求項84に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグ。
【請求項86】
1−(2−アセトアミドアクリル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸、
4−ベンズアミド−1−(2−(メチルアミノ)アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸、
4−ベンズアミド−1−(2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、
4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、
4−ベンズアミド−1−(2−(ジメチルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、および
4−ベンズアミド−1−(2−ホルムアミドアセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、から選択される請求項1、請求項28、あるいは請求項57に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグ。
【請求項87】
(2S,4R)1−(2−アセトアミドアクリル)−4−ベンズアミドピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(メチルアミノ)アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−(ジメチルアミノ)アセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、および
(2S,4R)4−ベンズアミド−1−(2−ホルムアミドアセチル)ピロリジン−2−カルボン酸、から選択される請求項86に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、水和物およびプロドラッグ。
【請求項88】
前記プロドラッグが、オキサゾリジノンあるいはイミダゾリジノンプロドラッグである、請求項1から87のいずれか1項に記載の化合物のプロドラッグ。
【請求項89】
請求項1から88の1ずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、水和物あるいはプロドラッグ、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項90】
請求項1から89のいずれか1項に記載の化合物あるいは医薬組成物の治療的有効量を必要とする対象に投与するステップを含む、病態を治療あるいは予防する方法。
【請求項91】
前記対象がヒトである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記病態が、循環器疾患、骨粗しょう症、気道上皮の炎症、肺胞組織の疾患、膀胱失禁、難聴、内皮性病変、1型あるいは2型糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害;、アテローム性動脈硬化症、CNS関連病態、発作、虚血、歯組織疾患、腎臓病、貧血、白血球減少症、血小板減少症、汎血球減少症、表在性創傷、外傷に起因する深在性創傷、骨折、勃起傷害、膀胱失禁、神経因性疼痛、亜慢性および慢性炎症、癌、骨髄不全、幹細胞移植、細胞および組織移植中に生じる病態、医療処置中に生じる病態、過剰な活性酸素種、活性酸素あるいは一酸化窒素により引き起こる病態、妊娠病あるいは妊娠障害、女性不妊、および脳卒中から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記病態が、循環器疾患である、請求項90あるいは91に記載の方法。
【請求項94】
前記循環器疾患が、心房(性)細動、心房粗動、心室頻拍および心室細動から選択される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記化合物の投与に反応する病体の予防あるいは治療を目的として、薬剤を製造するための請求項1から88のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項96】
前記化合物が、非経口あるいは経口投与用に製剤される、請求項90から95のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−521467(P2009−521467A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547546(P2008−547546)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048790
【国際公開番号】WO2007/078990
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502453045)ジーランド ファーマ アクティーゼルスカブ (13)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】