説明

修飾iRNA剤

本発明は、好ましくは、リボース部分がリボース以外の構成部分によって置換されているモノマーを含むiRNA剤に関する。このようなモノマーを含めることは、該モノマーが組み込まれるiRNA剤の特性を、例えば、リガンドまたは他の実体、例えば、親油性部分(例えば、コレステロール)が直接的または間接的に連結される部位として非リボース部分を使用することによって調節可能にし得る。本発明はまた、このような修飾iRNA剤を作製する方法および使用する方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1鎖および第2鎖を含んでなるiRNA剤であって、前記鎖の少なくとも一方に、式(I)を有する少なくとも1つのサブユニットが組み込まれていることを特徴とするiRNA剤。
【化1】

(式中、
XはN(CO)R、NR、またはCHであり;
YはNR、O、S、CR10であるか、または存在せず;
ZはCR1112であるか、または存在せず;
、R、R、R、R、およびR10のそれぞれは、独立に、H、OR、OR、(CHOR、または(CHORであり、但し、R、R、R、R、R、およびR10のうち少なくとも1つがORまたはORであり、かつR、R、R、R、R、およびR10のうち少なくとも1つが(CHOR、または(CHORであり;
、R、R11、およびR12のそれぞれは、独立に、H、1〜3個のR13により任意選択で置換されたC〜Cアルキル、もしくはC(O)NHRであるか;またはRとR11が一体となって、R14により任意選択で置換されたC〜Cシクロアルキルをなし;
はRであるか;またはNRもしくはNHC(O)Rで置換されたC〜C20アルキルであり;
はC〜Cアルキルであり;
13はヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、またはハロであり;
14はNRであり;

【化2】

であり;

【化3】

であり;
AおよびCのそれぞれは、独立に、OまたはSであり;
BはOH、O、または
【化4】

であり;
はHまたはC〜Cアルキルであり;
はHまたはリガンドであり;かつ
nは1〜4である)
【請求項2】
XはN(CO)RまたはNRであり;YはCR10であり;かつZは存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRはシス位にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
およびRはトランス位にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
nは1である、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
AはOである、請求項3に記載の化合物。
【請求項8】
AはSである、請求項3に記載の化合物。
【請求項9】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
は(CHNHRまたは(CHNHC(O)Rである、請求項3に記載の化合物。
【請求項12】
は、葉酸基;コレステロール基;糖質基;ビタミンA基;ビタミンE基;ビタミン
K基からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項13】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項16】
およびRはシス位にある、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
およびRはトランス位にある、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
nは1である、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項20】
およびRはシス位にある、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
およびRはトランス位にある、請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
nは1である、請求項19に記載の化合物。
【請求項23】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項24】
およびRはシス位にある、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
およびRはトランス位にある、請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
nは1である、請求項23に記載の化合物。
【請求項27】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項28】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項29】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項30】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項31】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項32】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項33】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項34】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項35】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項36】
はORであり、かつRは(CHORである、請求項2に記載の化合物。
【請求項37】
、R、R、R、R、およびR10のうち1つがORであり、R、R、R、R、R、およびR10のうち1つが(CHORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
、R、R、R、R、およびR10のうち1つが(CHORであり、R、R、R、R、R、およびR10のうち1つがORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
、R、R、R、R、およびR10のうち1つがORであり、R、R、R、R、R、およびR10のうち1つが(CHORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
第1鎖および第2鎖を含んでなるiRNA剤であって、少なくとも1つのサブユニットが細胞への侵入を増強する親油性部分で誘導体化されていることを特徴とするiRNA剤。
【請求項41】
親油性部分は、脂質、コレステロール、オレイル、レチニル、コレステリル残基、コール酸、アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル、またはフェノキサジンからなる群から選択される、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
親油性部分はコレステロールである、請求項40に記載の化合物。
【請求項43】
前記鎖の少なくとも一方に、式(I)を有する少なくとも1つのサブユニットが組み込まれている、請求項40に記載のiRNA剤。
【化5】

(式中、
XはN(CO)R、NR、またはCHであり;
YはNR、O、S、CR10であるか、または存在せず;
ZはCR1112であるか、または存在せず;
、R、R、R、R、およびR10のそれぞれは、独立に、H、OR、OR、(CHOR、または(CHORであり、但し、R、R、R、R、R、およびR10のうち少なくとも1つがORまたはORであり、かつR、R、R、R、R、およびR10のうち少なくとも1つが(CHOR、または(CHORであり;
、R、R11、およびR12のそれぞれは、独立に、H、1〜3個のR13により任意選択で置換されたC〜Cアルキル、もしくはC(O)NHRであるか;またはRとR11が一体となって、R14により任意選択で置換されたC〜Cシクロアルキルをなし;
はRであるか;またはNRもしくはNHC(O)Rで置換されたC〜C20アルキルであり;
はC〜Cアルキルであり;
13はヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、またはハロであり;
14はNRであり;

【化6】

であり;

【化7】

であり;
AおよびCのそれぞれは、独立に、OまたはSであり;
BはOH、O、または
【化8】

であり;
はHまたはC〜Cアルキルであり;
はHまたはリガンドであり;かつ
nは1〜4である)
【請求項44】
は、脂質、コレステロール、オレイル、レチニル、コレステリル残基、コール酸、アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル、またはフェノキサジンからなる群から選択される、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
はコレステロールである、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
XはN(CO)RまたはNRであり;YはCR10であり;かつZは存在しない、請求項43に記載の化合物。
【請求項47】
は(CHORであり、かつRはORである、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
iRNAは21ヌクレオチド長であり、かつ約19対の二本鎖領域が存在する、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項49】
iRNA剤が長さ17〜23対の二本鎖領域を含む、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項50】
第1鎖または第2鎖がセンス鎖であり、かつ親油性部分がセンス鎖に結合している、請求項40に記載の化合物。
【請求項51】
親油性部分が3’末端のサブユニットに結合している、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
親油性部分が5’末端のサブユニットに結合している、請求項50に記載の化合物。
【請求項53】
親油性部分が内部のサブユニットに結合している、請求項50に記載の化合物。
【請求項54】
親油性部分は初代細胞への侵入を増強する、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項55】
親油性部分が、滑膜細胞、筋細胞、ケラチノサイト、肝実質細胞、白血球、内皮細胞、B細胞、T細胞、上皮細胞、中胚葉細胞、骨髄細胞、神経細胞、新生物細胞、および線維芽細胞からなる群から選択される細胞への侵入を増強する、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項56】
筋細胞は平滑筋細胞または心筋細胞である、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項57】
線維芽細胞は真皮線維芽細胞である、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項58】
細胞は線維芽細胞であり、iRNA剤はPTP−1B遺伝子またはMAPキナーゼ遺伝子を標的とする、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項59】
白血球は単球である、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項60】
細胞は上皮細胞または中胚葉細胞であり、iRNA剤は、MDR、Myc、Myb、c−Myc、N−Myc、L−Myc、c−Myb、a−Myb、b−Myb、v−Myb、サイクリンD1、サイクリンD2、サイクリンE、CDK4、cdc25A、CDK2、およびCDK4からなる群から選択される核酸を標的とする、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項61】
細胞は神経細胞であり、かつiRNA剤はG72またはDAAO遺伝子を標的とする、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項62】
細胞はケラチノサイトであり、かつiRNA剤はTERTまたはTR/TERC遺伝子を標的とする、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項63】
細胞はリンパ腫細胞または白血病細胞である、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項64】
iRNA剤はインターロイキン遺伝子またはインターロイキン受容体遺伝子を標的とする、請求項63に記載のiRNA剤。
【請求項65】
iRNA剤は染色体転座を標的とする、請求項63に記載のiRNA剤。
【請求項66】
iRNA剤は、BCR−ABL、TEL−AML−1、EWS−FLI1、EWS−ERG、TLS−FUS、PAX3−FKHR、およびAML−ETOからなる群から選択される染色体転座を標的とする、請求項65に記載のiRNA剤。
【請求項67】
上皮細胞は腎臓上皮細胞である、請求項55に記載のiRNA剤。
【請求項68】
細胞は不死化された細胞株由来である、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項69】
細胞は肥満細胞である、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項70】
iRNA剤はGRB2関連結合タンパク質を標的とする、請求項69に記載のiRNA剤。
【請求項71】
細胞は付着性の腫瘍細胞株由来である、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項72】
付着性の腫瘍細胞株が、膀胱、肺、乳房、子宮頸部、結腸、膵臓、前立腺、腎臓、肝臓、皮膚、および中枢神経系からなる群から選択される組織由来である、請求項71に記載のiRNA剤。
【請求項73】
iRNA剤は成長因子または成長因子受容体をコードする遺伝子を標的とする、請求項72に記載のiRNA剤。
【請求項74】
iRNA剤は、TGFβ、TGFβ受容体、PDGF、PDGFR、VEGF、VEG
Fr1、VEGFr2、VEGFr3、IGF−1R、DAF−2、およびInRからなる群から選択される遺伝子を標的とする、請求項73に記載のiRNA剤。
【請求項75】
iRNA剤は、PRL1、PRL2、PRL3、プロテインキナーゼC(PKC)、PKC受容体、MDR1、TERT、TR/TERC、サイクリンD1、NF−κB、REL−A、REL−B、PCNA、CHK−1、c−fos、jun、またはBCL−2からなる群から選択される遺伝子を標的とする、請求項71に記載のiRNA剤。
【請求項76】
細胞は外来遺伝子を含み、かつiRNA剤は外来遺伝子を標的とする、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項77】
外来遺伝子は肝炎ウイルス遺伝子である、請求項76に記載のiRNA剤。
【請求項78】
細胞は、3T3、DLD2、THP1、Raw264.7、IC21、P388D1、U937、HL60、SEM−K2、WEHI−231、HB56、TIB55、Jurkat、J45.01、K562、EL4、LRMB、Bcl−1、BC−3、TF1、CTLL−2、C1R、Rat6、VERO、MRC5、CV1、Cos7、RPTE、A10、T24、J82、A549、A375、ARH−77、Calu1、SW480、SW620、SKOV3、SK−UT、CaCo2、A375、C8161、CCRF−CEM、MCF−7、MDA−MB−231、MOLT、mIMCD−3、NHDF、HeLa、HeLa−S3、Huh1、Huh4、Huh7、HUVEC、HASMC、HEKn、HEKa、MiaPaCell、Panc1、PC−3、LNCaP、HepG2、およびU87からなる群から選択される細胞株由来である、請求項40に記載のiRNA剤。
【請求項79】
親油性部分と複合体化されているiRNA剤を細胞に供給する工程を包含する、標的遺伝子をサイレンシングする方法。
【請求項80】
iRNA剤が生物に投与される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
iRNA剤を生物の体外にある細胞と接触させる、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
細胞は細胞株の細胞である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
親油性部分と複合体化され、生物に投与されるかまたは生物の一部ではない細胞との接触状態におかれるiRNA剤が、送達を促進もしくは増強する他の試薬の非存在下で、または該試薬の量が低減された状態で投与される、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
他の試薬が存在しないことを特徴とする、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
親油性部分と複合体化されているiRNA剤を含んでなる組成物であって、細胞膜を通過する送達を促進もしくは増強する他の試薬を含まないか、低減された量の該試薬を含むか、または該試薬を本質的に含まないことを特徴とする組成物。
【請求項86】
組成物が、追加の親油性部分;トランスフェクション剤、例えば、iRNA剤の細胞透過性を実質的に変化させる濃度のイオンまたは他の物質を含まないか、その含量が低減されているか、または実質的に含まないことを特徴とする、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
請求項1または40に記載のiRNA剤を対象に投与する工程を包含する、対象における標的遺伝子の発現を調節する方法。
【請求項88】
請求項1または40に記載のiRNA剤および薬剤として許容可能な担体を含んでなる薬剤組成物。
【請求項89】
請求項1または40に記載のiRNA剤、iRNA剤が配される滅菌容器、および取扱説明書を含むキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−525454(P2007−525454A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513077(P2006−513077)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/011829
【国際公開番号】WO2004/094595
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505369158)アルナイラム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】