説明

個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するための方法ならびに上記方法を実行するコンピュータプログラム

【課題】個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するための方法を提供する。
【解決手段】本方法は、測定された特性a1ないしanのうちの1つについて重み係数τ1ないしτnを決定する段階と、式ap11a1; ap22a2; …; apnnanに従って重み付けされた特性を計算する段階であって、ここで、a1ないしanは特性の測定値であり、τ1ないしτnは測定値a1ないしanのそれぞれに適用される重み係数であり、重み係数τ1ないしτnのうちの少なくとも1つは1とは異なり、ap1ないしapnは計算された重み付けされた特性である、段階と、各特性a1ないしanについて比Rn=apn/amnを計算することによって、各特性ap1ないしapnを各特性のあらかじめ記録された平均値am1ないしamnと比較する段階と、その比Rnが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた特性に従って少なくとも1つの化粧品組成物を調製する段階とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個々の顧客に適合させた化粧品を製造するための方法に関する。より詳細には、本開示は、カスタマイズされた化粧品を個々の顧客に提供するための方法およびシステムに関し、上記化粧品は、診断装置によって測定された少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性、ならびに少なくとも1つの環境および/または栄養および/または治療因子に基づいて生産される。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、一般に、例えば、脂質不足(低皮脂)、水分不足(低保湿(low hydration))、または両方が不足する乾燥肌、皮脂腺、アンドロゲンの標的器官によって肌表面に多くの脂質が分泌され、皮脂過剰により特に額、鼻翼、および顎が光った肌となり、にきびなどの肌の不調を引き起こす可能性がある油性肌、滑らかで、目に見える欠陥のない均質の肌である混合または正常肌のような肌のタイプに従って、および/または修復されるべき肌の不調のタイプに従って分類され、製造される。
【0003】
しかしながら、顧客は、顧客の肌の状態にできるだけ適切な製品を必要としているが、製造される多くの化粧品は、個々の顧客の肌の不調および肌の特性に適合していない。
【0004】
この不都合を克服するために、個々の顧客用にカスタマイズされた化粧品を製造するための方法およびシステムがすでに考案されている。具体的には、国際公開2008/035877号(特許文献1)がそうであり、これはカスタマイズされた化粧品を製造するための方法およびシステムならびに上記方法を実行するシステムについて開示している。
【0005】
この方法は、第1のステップにおいて、顧客の肌の状態の診断を行って、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフ(micro-relief)などの1つまたは複数の肌または髪の特性を判断することと、測定された肌の特性の重み付き平均を計算することと、次いで上記の重み付き平均に従って化粧品組成物を調製することとを含む。
【0006】
個々の顧客に適合させた化粧品を製造するための方法は、顧客の年齢群および肌の状態に従って、成分の混合比、および標準的な化粧品の有効な生成物(active products)に関連するデータベースの形式でデータを提供されたマイクロプロセッサを使用する。
【0007】
このような方法により、個々の顧客により良く適合させた化粧品を製造することができるが、この方法により調製される化粧品は、顧客に対して効率が良くないように思われる。実際に、このような方法は、肌を孤立した器官とみなし、一方では肌と外部環境との間の、他方では肌と内部環境との間の相互作用を考慮に入れることなく肌を扱う。現在、肌はその環境と関連して存在している。さらに、肌は、人全体を反映するものであって、上記の人の生活様式(日常の食事、投薬、運動など)の影響を受けるものである。これはまた髪および爪に関しても言えることに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2008/035877号
【特許文献2】韓国特許出願公開第2006/0114881号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開2937853号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Barbara Cravello and Ada Ferri, "Relationships between skin properties and environmental parameters", Skin Research and Technology 2008, 14, 180-186
【非特許文献2】J. Rogers, C. Harding, A. Mayo、J. Banks, A. Rawlings, "Stratum corneum lipids: the effect of ageing and the seasons", Arch Dermatol Res (1996) 288: 765-770
【非特許文献3】Miranda A. Farage, "Perceptions of sensitive skin: changes in perceived severity and associations with environmental causes", contact dermatitis 2008, 59, 226-232
【非特許文献4】F. William Danby, "Nutrition and aging skin: sugar and glycation", Clinics in Dermatology (2010) 28, 409-411
【非特許文献5】Hessefort Y, Holland BT, "True porosity measurement of hair: a new way to study hair damage mechanisms", Cloud RW Nalco Company, IL 60563, USA J Cosmet Sci. 2008 Jul-Aug, 59(4), 303-15
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって本発明の目的の1つは、個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するための方法、ならびに単純かつ費用がかからない設計を有して上記方法を実行するシステムを提供すること、ならびにカスタマイズされた方法で個々の顧客に対してより効率の良い化粧品を製造および/または選択できるようにすることによって、このような不都合を克服することである。
【0011】
この目的のために、本発明によれば、個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するための方法が提供される。上記方法は、データベースの形式でデータを提供されるマイクロプロセッサを使用し、少なくとも、
- 肌および/または髪および/または爪の診断装置により、少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanを測定するステップと、
- マイクロプロセッサにより、かつ一方では上記顧客と上記マイクロプロセッサとの間のグラフィカルインタフェースによって入力された顧客に関連するデータに基づいて、他方では所定の顧客のデータに従ったτnの値を含む第1のデータベースに基づいて、測定された肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanのうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τ1ないしτnを決定するステップと、
- マイクロプロセッサにより、肌および/または髪および/または爪の特性の各測定値の重み付けに対応する、重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapn
ap11a1
ap22a2

apnnan
に従って計算するステップと、
- マイクロプロセッサにより、各肌の特性a1ないしanについて、
【0012】
【数1】

【0013】
に従って比Rnを計算することによって、重み付けされた各肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを、第2のデータベースにあらかじめ記録された各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnと比較するステップと、
- その比Rnが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って、少なくとも1つの化粧品組成物を、製造手段によって製造するおよび/または選択手段によって選択するステップとを有することを特徴とする。
【0014】
肌の特性は、例えば、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフなどを含むこと、髪の特性は、例えば、脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ(hair thickness)、髪密度、落屑、炎症、赤色斑、毛髪繊維の状態、毛球(bulb)の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力(hair resistance)、髪のつやなどを含むこと、ならびに爪の特性は、例えば、保湿、表面の状態、粗さ、硬さなどを含むことに留意されたい。
【0015】
好ましくは、グラフィカルインタフェースによって入力された顧客に関連するデータおよび第1のデータベースの所定の顧客のデータは、上記顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するデータである。
【0016】
従来の技術の方法とは異なり、この比は、肌および/または髪および/または爪の特性の測定値のうちの少なくとも1つを重み付けすることによって計算されることを理解すべきであり、この重み付けは、例えば、皮膚の表層の水分含量と周囲の気温との間に重要な相関関係があって、皮膚表面の保湿は相対湿度および周囲の気温によって強く影響され、これらの2つの特性は時間および空間において可変であるので、顧客の地理的位置に従って行われる、および/または例えば顧客の日常の食事と顧客の皮膚組織の状態との間には重要な相関関係があって、高い糖消費が肌の早期老化を引き起こし、皺の発生が速くなるので、顧客の日常の食事に従って行われる、および/または多くの薬が患者の皮膚の質を変える可能性がある二次的影響を有するので、顧客の考えられる治療に従って行われる。
【0017】
好ましくは、化粧品組成物は、その比Rnが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きい重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って製造および/または選択される。
【0018】
好ましくは、測定された肌および/または髪および/または爪の特性は、特に次の群、すなわち、例えば、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフなどの肌の特性群と、例えば、脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、髪密度、落屑、炎症、赤色斑、毛髪繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、髪のつやなどの髪の特性群と、例えば、保湿、表面の状態、粗さ、硬さなどの爪の特性群とからの1つまたは複数の特性を含む。
【0019】
さらに、重み係数は、ウェブページのフォームまたはソフトウェアのグラフィカルインタフェースのフォームなどのフォームで入力されたデータに基づいて、ならびにデータベースにあらかじめ記録されたデータに基づいて決定される。
【0020】
本発明の別の目的は、上記の方法を実行するためのシステムに関連する。このシステムは、
- 少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanを測定する機能を有した肌および/または髪および/または爪の診断装置と、
- グラフィカルインタフェースと、所定の顧客のデータに従った値τnを含む第1のデータベースと、各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnを含む第2のデータベースとに接続されたマイクロプロセッサであって、
診断装置から少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanの測定の値を受信するとともに、一方では上記顧客と上記マイクロプロセッサとの間の上記グラフィカルインタフェースを介して入力された顧客に関連するデータに基づいて、他方では上記第1のデータベースに基づいて、測定された肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanのうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τ1ないしτnを決定する機能と、
肌および/または髪および/または爪の特性の各測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapn
ap11a1
ap22a2

apnnan
に従って計算する機能と、
各肌の特性a1ないしanについて、
【0021】
【数2】

【0022】
に従って比Rnを計算することによって、重み付けされた各肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを、上記第2のデータベースにあらかじめ記録された各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnと比較する機能とを有する、マイクロプロセッサと、
- その比Rnが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って、少なくとも1つの化粧品組成物を製造および/または選択する機能を有した製造および/または選択する手段とを具備することを特徴とする。
【0023】
好ましくは、本発明によるシステムでは、顧客に関連する入力されたデータおよび第1のデータベースの所定の顧客のデータは、上記顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するデータである。
【0024】
好ましくは、本発明によるシステムでは、製造および/または選択手段は、その比Rnが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きい重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って化粧品組成物を選択する。
【0025】
好ましくは、本発明によるシステムでは、測定された肌および/または髪および/または爪の特性は、特に、次の群、すなわち、例えば、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフなどの肌の特性群と、例えば、脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、髪密度、落屑、炎症、赤色斑、毛髪繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、髪のつやなどの髪の特性群と、例えば、保湿、表面の状態、粗さ、硬さなどの爪の特性群とからの1つまたは複数の特性を含む。
【0026】
本発明の別の目的は、個々の顧客に適合させた化粧品の製造および/または選択のためのコンピュータプログラムに関連する。上記コンピュータプログラムは、コンピュータに、一方では顧客に関連するデータに基づいて、他方では第1のデータベース内の所定の顧客のデータに基づいて、あらかじめ測定された肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanのうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τ1ないしτnを決定する手順と、ap11a1; ap22a2; …; apnnanに従って、肌および/または髪および/または爪の特性の各測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性を計算する手順と、各肌および/または髪および/または爪の特性a1ないしanについて比Rn
【0027】
【数3】

【0028】
に従って計算することによって、重み付けされた各肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを第2のデータベースにあらかじめ記録された各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnと比較する手順と、そのRnが所定の閾値よりも小さいまたは所定の閾値よりも大きい重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性を判断する手順とを実行させることを特徴とする。
【0029】
好ましくは、本発明によるプログラムでは、入力された顧客に関連するデータおよび第1のデータベースの所定の顧客のデータは、上記顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するデータである。
【0030】
好ましくは上記比Rnは、0.8よりも小さく、1.2よりも大きい。
【0031】
好ましくは、本発明によるコンピュータプログラムは、あるフォームで入力されたデータおよびデータベースのデータに基づいて、重み係数τ1ないしτnを決定する手順をさらに実行させる。
【0032】
好ましくは、本発明によるプログラムでは、測定された肌および/または髪および/または爪の特性は、特に次の群、すなわち、例えば、肌の弾力性、保湿、皮質、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフなどの肌の特性群と、例えば、脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、髪密度、落屑、炎症、赤色斑、毛髪繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、髪のつやなどの髪の特性群と、例えば、保湿、表面の状態、粗さ、硬さなどの爪の特性群とからの1つまたは複数の特性を含む。
【0033】
本発明の最後の目的は、データ処理装置に、あらかじめ測定された肌および/または髪および/または爪の特性に基づいて比を計算させる命令を含む、個々の顧客に適合させた化粧品の製造および/または選択のためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。上記記録媒体は、データ処理装置に、上記の方法の各ステップを実行させる命令を記録したことを特徴とする。
【0034】
本発明の上記のおよび他の特徴および利点については、添付の図面と併せて、本発明による化粧品の製造および/または選択方法、ならびに上記方法を実行するシステムのいくつかの代替的実行を、以下の非限定的な説明によって詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するためのシステムを簡単に表す図である。
【図2】本発明による個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するための方法の様々なステップを簡単に表す図である。
【図3】重み付けされない、顧客の肌の測定の結果をグラフで表した図である。
【図4】本発明により重み付けされた肌の特性の測定の結果をグラフで表した図である。
【図5】顧客の肌の測定のそれぞれに対応する比Rnをグラフで表した図である。
【図6】重み付けされない、肌の特性の測定の第2の例の結果をグラフで表した図である。
【図7】本発明による、重み付けされた、肌の特性の測定の第2の例の結果をグラフで表した図である。
【図8】顧客の肌の測定のそれぞれに対応した、第2の例の比Rnをグラフで表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
肌用の化粧品を製造および/または選択するためのシステムおよび方法について以下に説明するが、本発明による方法は、本発明の枠組みを逸脱することなく、例えば髪または付属器官用の化粧品の製造および/または選択にも適合できることは明らかである。
【0037】
図1を参照すると、本発明による個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するためのシステムは、顧客(2)の少なくとも1つの肌の特性を測定するための肌診断製品(1)と、コンピュータ(3)とを備える。上記コンピュータ(3)は、肌診断装置(1)によって測定された顧客(2)の肌の特性に関連するデータを受信するためのマイクロプロセッサと、肌診断装置(1)によって測定された肌の特性のうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τ1ないしτnを決定するための手段と、各肌の特性の測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌の特性を
ap11a1
ap22a2

apnnan
のように計算するための手段であって、ここでa1ないしanは肌の特性の測定値であり、τ1ないしτnは測定値a1ないしanのそれぞれに適用される重み係数であり、重み係数τ1ないしτnのうちの少なくとも1つは1とは異なり、ap1ないしapnはこのように計算された肌の特性である、計算するための手段と、各肌の特性a1ないしanについて、比Rn
【0038】
【数4】

【0039】
のように計算することによって、各重み付けされた肌の特性ap1ないしapnをあらかじめ記録された各肌の特性の平均値amiないしamnと比較するための手段とを備える。
【0040】
システムは、有利にはさらに、その比Rnが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌の特性に従って化粧品(5)を製造するための化粧品製造装置(4)を備えることができ、上記比Rnは、上記比Rnがコンピュータ(3)のマイクロプロセッサによって化粧品製造装置(4)に送信される所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌の特性に対応する。
【0041】
好ましくは、化粧品組成物は、その比Rnが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きい重み付けされた肌の特性に従って製造および/または選択される。
【0042】
変形例として、装置(4)は、計算された比に従って1つまたは複数の化粧品組成物を選択するための装置と置き換えることができ、上記組成物は、測定された肌の特性に従って、および所定の重み係数に従って、コンピュータ(3)によって計算されたいずれかの比に対応する複数のあらかじめ製造された化粧品の中から選択される。
【0043】
肌診断装置(1)は、例えば、韓国特許出願公開第2006/0114881号明細書(特許文献2)または仏国特許出願公開第2937853号明細書(特許文献3)に記載されている肌診断装置、すなわちARAM HUVIS CO. LTD.社から「ARAMO MDS」、「ARAMO SG」、「NEW ARAMO PRO」、「ARAMO DS」(登録商標)という製品名で販売されている肌診断装置、CBS社によりCBS-900(登録商標)という製品名で販売されている肌診断装置、MEDICA社によりSKIN DIAGNOSIS SYSTEM SD-PROという製品名で販売されている肌診断装置、またはBOMTECH ELECTRONICS CO LTD.社によりSKIN DIAGNOSIS SYSTEM SDMという製品名で販売されている肌診断システムのような、当業者に既知のいかなる肌診断装置であってもよい。
【0044】
当然ながら、肌診断装置(1)は、本発明の枠組みを逸脱することなく、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフ、角質含有量など、人の肌の特性を測定することができる、当業者に既知の他の装置であってもよい。
【0045】
通常、肌診断装置(1)は、毛穴の分布、毛穴の大きさ、色素沈着、角質、およびその他の肌の特性の画像を撮影し、上記画像からデータを取得するための第1のカメラと、接触により肌の保湿分布を測定することができるセンサ、肌の弾力性測定センサ、皮脂測定センサ、および角質測定センサから形成された肌の保湿を測定するための手段とを備える。
【0046】
さらに、この装置は、例えば毛穴の数、毛穴の大きさ、色素沈着、皮脂、角質などに関連するデジタル形式の画像、および例えば肌の弾力性および保湿のようなデジタルデータをコンピュータ(3)のプロセッサに送信できるようにするインタフェースを備え、コンピュータのプロセッサが、画像および/またはデジタルデータを分析する。
【0047】
上記肌診断装置(1)は、顧客の所有物であるか、例えば化粧品販売所に導入されるか、皮膚科もしくは診療室、スパ、または美容室に導入されるかしてよい。
【0048】
上記肌診断装置(1)は、図1には示していないが、例えばインターネットのようなネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ「PC」に接続されて、肌の特性の測定データは上記PCに記録され、例えばインターネットを通じてコンピュータ(3)に送信される。
【0049】
当然ながら、肌の特性の測定に関するデータは、本発明の枠組みを逸脱することなく、インターネット網もしくは同様のものを介して、および/またはフラッシュメモリもしくは同様のもののような技術的支援によってなど、当業者に既知の任意の適切な手段によってコンピュータ(3)に送信可能である。さらに、「パーソナルコンピュータ」または「コンピュータ」(3)という用語は、少なくともマイクロプロセッサとメモリとを備えるいかなる装置も示すように使用されることに留意されたい。このようなコンピュータは、本発明の枠組みを逸脱することなく、例えば「スマートフォン」またはタッチパッドであってもよい。
【0050】
上記コンピュータ(3)は、肌診断装置(1)によって測定された肌の特性に関連するデータを受信して、各肌の特性の測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌の特性を次のように再計算する。
ap11a1
ap22a2

apnnan
ここで、a1ないしanは肌の特性の測定値であり、τ1ないしτnは測定値a1ないしanのそれぞれに適用される重み係数であり、重み係数τ1ないしτnのうちの少なくとも1つは1とは異なり、ap1ないしapnはこのように計算された重み付けされた肌の特性である。
【0051】
上記重み係数τ1ないしτnは、顧客(2)の地理的位置および/または顧客(2)の日常の食事および/または上記顧客(2)が採用する可能性のある治療に関連するデータに基づいて、コンピュータ(3)によってあらかじめ決定される。地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するすべてのデータは、例えば顧客がインターネットに接続された顧客のパーソナルコンピュータ上で記入することができるウェブページのフォームのようなグラフィカルインタフェースを用いて顧客(2)によってあらかじめ提供される。
【0052】
地理的位置は、通常スマートフォンに搭載されているGPSを用いて決定し、コンピュータ(3)に送信することができることに留意されたい。この点では、グラフィカルインタフェースは、このすべてに関して本発明の枠組みを逸脱することなく、例えば上記スマートフォンに記録されたアプリケーションであることが可能である。
【0053】
次にコンピュータ(3)は、各肌の特性a1ないしanについて
【0054】
【数5】

【0055】
のように比Rnを計算することによって、重み付けされた各肌の特性ap1ないしapnを各肌の特性のあらかじめ記録された平均値am1ないしamnと比較する。
【0056】
その比Rnが所定の閾値よりも小さくまたは大きく、好ましくは下側の閾値が0.8に等しく、上側の閾値が1.2に等しい、重み付けされた肌の特性に対応する比Rnは、次に化粧品製造装置(4)に送信されて、送信された比Rnに従って少なくとも1つの化粧品(5)を調製する。
【0057】
上記化粧品は、通常、当業者には既知の製造方法に従って有効成分がその中に混合された水中油型の、または油中水型の乳剤である。
【0058】
変形例として、コンピュータ(3)は、上記のあらかじめ計算された比Rnに従ってあらかじめ調製された1つまたは複数の化粧品を選択する。
【0059】
図2を参照すると、本発明による方法は、肌診断装置(1)を用いて少なくとも1つの肌の特性を測定する第1のステップ(100)を含む。
【0060】
この測定のステップは、顧客によって、または肌診断装置が導入されている美容室、病院、もしくは診療室の担当者によって、行われる。
【0061】
顧客または担当者は、測定前に、顧客の性別および年齢を表示する。
【0062】
次に顧客または担当者は、肌診断装置を用いて、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフなどの肌の特性を測定する。
【0063】
ステップ(150)では、測定された肌の特性に関連するデータは、マイクロプロセッサと、コンピュータ(3)のデータベースにあらかじめ記録されたデータとを備えるコンピュータに送信され、上記データは特に、各肌の特性(肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、肌のマイクロレリーフなど)のいわゆる理想的な平均値を含んでいる。
【0064】
一方、ステップ(200)では、少なくとも1つの重み係数τ1ないしτnが、ウェブページタイプのグラフィカルインタフェースに表示されるフォームなどのフォームで入力されたデータ、およびデータベースからのデータに基づいて決定される。上記データベースは、顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に従った重み係数に関連するデータを含む。
【0065】
次に環境および/または栄養および/または治療因子に関連するデータが、ステップ(250)においてコンピュータ(3)に送信される。次に上記コンピュータ(3)は、ステップ(100)であらかじめ測定された肌の特性a1ないしanのそれぞれと関連付けられた重み係数τ1ないしτnのそれぞれの値を決定する。
【0066】
重み係数τ1ないしτnの値を決定するには、コンピュータ(3)は例えば、特に肌の弾力性、保湿、皮脂、および色素沈着に影響を及ぼす環境因子については、文献「Relationships between skin properties and environmental parameters」(非特許文献1)、文献「Stratum corneum lipids: the effect of ageing and the seasons」(非特許文献2)、および文献「Perceptions of sensitive skin: changes in perceived severity and associations with environmental causes」(非特許文献3)の成果を、特に色素沈着、皺の深さおよび数、保湿、ならびに肌のマイクロレリーフに影響を及ぼす栄養因子については、文献「Nutrition and aging skin: sugar and glycation」(非特許文献4)の成果を用いることができる。重み係数τ1ないしτnの値を決定するために、コンピュータ(3)は、治療因子については、薬品の肌への副作用に関して発表された多くの研究の成果を用いることができる。
【0067】
ステップ(300)では、コンピュータ(3)は、次いで、各肌の特性の測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌の特性を次の式のように計算する。
ap11a1
ap22a2

apnnan
ここで、a1ないしanは肌の特性の測定値であり、τ1ないしτnは測定値a1ないしanのそれぞれに適用される重み係数であり、重み係数τ1ないしτnのうちの少なくとも1つは1とは異なり、ap1ないしapnはこのように計算された重み付けされた肌の特性である。
【0068】
次にステップ(400)においてコンピュータ(3)は、各肌の特性a1ないしanについて次の式ように比Rnを計算することによって、重み付けされた各肌の特性ap1ないしapnを各肌の特性のあらかじめ記録された平均値am1ないしamnと比較する。
【0069】
【数6】

【0070】
ステップ(500)において、比Rnが低い閾値および高い閾値と比較される。好ましくは下側の閾値は0.8に等しく、上側の閾値は1.2に等しい。次にコンピュータ(3)のマイクロプロセッサが、比Rnの計算の結果を分析し、顧客に適合させた化粧品組成物によって有効な生成物が含まれているかどうかを判断する。このために、コンピュータのマイクロプロセッサは、その比Rnが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きい肌の特性を判断し、その後、化粧品組成物によって含まれる有効な成分、あるいは場合によってはその割合を判断する。
【0071】
これらのデータは次にステップ(600)において化粧品製造装置(4)に送信され、この化粧品製造装置(4)が、その比Rnが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌の特性に従って適合させた化粧品組成物(5)を調製する。
【0072】
代替的実行によれば、この方法は、コンピュータ(3)のマイクロプロセッサが比の計算の結果および肌の特性の測定の結果を分析して、個々の顧客を対象とした化粧品組成物に含まれるべき有効成分を判断し、その比Rnが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌の特性に従って顧客のニーズに対応するあらかじめ製造された化粧品を選択するステップ(700)を含む。
【0073】
製造および/または選択された化粧品は、次にステップ(800)において個々の顧客に発送される。
【実施例1】
【0074】
高温多湿の気候の地域に住み、糖分の多いおよび/または洗練された食品の食事をする個々の顧客は、例えばウェブページとしてインターネットサイトからアクセスできるグラフィカルインタフェースを介してこれらの要素をすべて示すフォームを埋める。
【0075】
次に、先に記載したような肌診断装置を用いて、肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、および肌のマイクロレリーフのような肌の特性の測定が行われる。
【0076】
こうした肌の特性の測定値、ならびに肌の特性のそれぞれのあらかじめ記録された理想的な平均値を次の表に開示し、また図3にグラフにより示す。
【0077】
【表1】

【0078】
行われた測定の結果に照らして、必要であると思われる処置は、一方では皮脂の割合を、他方では肌の保湿を調節することができる1つまたは複数の化粧品組成物の利用であることに留意されたい。
【0079】
このような組成物は、例えば皮脂専用のアストリンゼントまたは抗酸化有効成分を含むことができる。
【0080】
次いで、システムは、顧客の地理的位置および日常の食事に関連するデータに従って測定された肌の特性のそれぞれの重み係数τ1ないしτnを決定する。
【0081】
あらかじめ測定された肌の特性は、次いで、重み係数τ1ないしτnで重み付けされ、重み付けされた肌の特性の値、ならびに肌の特性のそれぞれのあらかじめ記録された理想的な平均値を、次の表に開示し、図4にグラフにより示す。
【0082】
【表2】

【0083】
重み付けされた測定値および点線で示した平均値のグラフ表現は、ここでは肌の弾力性を増大させ、肌のマイクロレリーフを滑らかにすることができる化粧品組成物の必要性を示しているように思われることに留意されたい。
【0084】
次いで、システムは、次の式に従って、各重み付けされた肌の特性について比Rnを計算する。
【0085】
【数7】

【0086】
次の表に開示し図5にグラフにより示すRnの値は、各肌の特性に対して取得され、比Rnの比較の下側の閾値および上側の閾値もまた表示として示している。
【0087】
【表3】

【0088】
この表および図5に示す対応する図表を分析すると、システムは、各肌の特性についてこのように計算された値Rnを比較し、その比Rnが下側の0.8閾値よりも小さい、または上側の1.2閾値よりも大きい肌の特性を判断する。ここで、肌の弾力性および肌のマイクロレリーフに関連する肌の特性は、下側の0.8閾値よりも小さい比Rnを有し、そこでシステムは1つまたは複数の所定の化粧品組成物を選択する、および/または肌の弾力性を増大させ、肌のマイクロレリーフを滑らかにすることができる1つまたは複数の化粧品組成物の製造に必要なパラメータを判断する。
【0089】
このような組成物は、例えば抗糖化および細胞外皮膚膜保護(extracellular dermal membrane protection)/修復の有効成分含むことができる。
【実施例2】
【0090】
寒冷かつ乾燥気候の地域に住み、ホルモン療法を受けている個々の顧客は、例えばウェブページとしてインターネットサイトからアクセスできるグラフィカルインタフェースを介してこうしたすべての要素を示すフォームを埋める。
【0091】
このとき、肌の弾力性、保湿、皮質、毛穴のサイズ、色素沈着、敏感度、および肌のマイクロレリーフなどの肌の特性の測定は、上述のような肌診断装置を用いて行われる。
【0092】
こうした肌の特性の測定値、ならびに肌の特性のそれぞれのあらかじめ記録された理想的な平均値について、次の表に開示し、図6にグラフにより示す。
【0093】
【表4】

【0094】
行われた測定の結果に照らして、必要であると思われる処置は、肌の弾力性を増大させる、および肌のマイクロレリーフを滑らかにすることができる1つまたは複数の化粧品組成物を使用することであることに留意されたい。
【0095】
このような組成物は、例えばコラーゲン合成を増大させる、または「マトリックスメタロプロテアーゼ」を抑制する有効成分を含むことができる。
【0096】
次いで、システムは、顧客の地理的位置およびホルモン療法に関連するデータに従って測定された肌の特性のそれぞれについて重み係数τ1ないしτnを決定する。
【0097】
あらかじめ測定された肌の特性は、次いで、重み係数τ1ないしτnによって重み付けされ、重み付けされた肌の特性の値、ならびに肌の特性のそれぞれのあらかじめ記録された理想的な平均値を次の表に開示し、図7にグラフにより示す。
【0098】
【表5】

【0099】
重み付けされた測定値および点線で示された平均値のグラフ表現は、ここでは肌の保湿を増やし、その炎症を抑制することができる化粧品組成物の必要性を示しているように思われることに留意されたい。
【0100】
次にシステムは、次の式に従って、各重み付けされた肌の特性について比Rnを計算する。
【0101】
【数8】

【0102】
次の表に開示し、図8にグラフにより示すRnの値は、このとき各肌の特性に対して取得され、比Rnの比較の下側の閾値および上側の閾値もまた表示として示されている。
【0103】
【表6】

【0104】
この表および図8に示す対応する図を分析すると、システムは、各肌の特性についてこのように計算された値Rnを比較し、その比Rnが下側の閾値0.8よりも小さい、または上側の閾値1.2よりも大きい肌の特性を判断する。
【0105】
ここでは、保湿および敏感度に関連する肌の特性は、下側の閾値0.8よりも小さい比Rnを有し、システムはこのとき1つもしくは複数の所定の化粧品組成物を選択する、および/または肌の保湿を増やすことおよびその炎症を抑制することができる1つもしくは複数の化粧品組成物の調合に必要なパラメータを判断する。
【0106】
このような組成物は、例えば表皮の液体(epidermal liquids)の合成および表皮細胞の分化を増やすことができる有効成分を含む化粧品組成物であることが可能である。
【0107】
上記の例はもっぱら、適合した測定装置を用いてあらかじめ測定された肌の特性に基づいた肌用の化粧品の製造および/または選択に関係する。しかしながら、本発明によるシステムおよび方法は、本発明の枠組みを逸脱することなく、髪および/または爪の特性に基づいた髪および/または爪用の化粧品の製造および/選択に適用することもできる。髪の特性は、例えば、脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、毛細管密度、落屑、炎症、赤色斑、毛細管の繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、または髪のつやである可能性があり、爪の特性は、例えば保湿、表面の状態、粗さ、または硬さである可能性がある。このような髪および/または爪の特性は、当業者に既知の適合したいかなる測定装置を用いて測定されてもよい。髪のパラメータの重み係数τ1ないしτnの値を決定するには、コンピュータ(3)は、例えば、文献「True porosity measurement of hair: a new way to study hair damage mechanisms」(引用文献5)の成果を用いることができる。髪および/または爪への、気温、湿度、汚染のような環境、および/または栄養、および/または薬の影響に関連する他の多くの研究の成果を用いて、髪および/または爪のパラメータの重み係数の値τ1ないしτnを決定することも当業者の力量のうちであることに留意されたい。
【0108】
当然ながら、上記の説明は例示にすぎず、これらは決して本発明の適用分野を限定するものではない。
【符号の説明】
【0109】
1 肌診断装置
2 顧客
3 コンピュータ
4 化粧品製造装置
5 化粧品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースの形式でデータを提供されるマイクロプロセッサを使用する、個々の顧客に適合させた化粧品を製造および/または選択するための方法であって、
肌および/または髪および/または爪の診断装置により、少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性aないしaを測定する段階と、
前記マイクロプロセッサにより、かつ一方では前記顧客と前記マイクロプロセッサとの間のグラフィカルインタフェースによって入力された前記顧客に関連するデータに基づいて、他方では所定の顧客のデータに従ったτの値を含む第1データベースに基づいて、前記測定された肌および/または髪および/または爪の特性aないしaのうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τないしτを決定する段階と、
前記マイクロプロセッサにより、
p1=τ
p2=τ

pn=τ
に従って、前記肌および/または髪および/または爪の特性の各測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを計算する段階と、
前記マイクロプロセッサにより、
【数1】

に従って、各肌の特性aないしaについて、比Rを計算することによって、重み付けされた各肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを、第2データベースにあらかじめ記録された各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnと比較する段階と、
その比Rが所定の閾値よりも小さいまたは大きい前記重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って、少なくとも1つの化粧品組成物を、製造手段によって製造するおよび/または選択手段によって選択する段階と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記グラフィカルインタフェースによって入力された前記顧客に関連する前記データおよび前記第1データベース内の前記所定の顧客のデータは、前記顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するデータであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化粧品組成物が、その比Rが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きい前記重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って製造および/または選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定された肌および/または髪および/または爪の特性が、
肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、および肌のマイクロレリーフを含む肌の特性群と、
脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、毛細管の密度、落屑、炎症、赤色斑、毛細管の繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、および髪のつやを含む髪の特性群と、
保湿、表面の状態、粗さ、および硬さを含む爪の特性群と
からの1つまたは複数の特性を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性aないしaを測定する機能を有した肌および/または髪および/または爪の診断装置と、
グラフィカルインタフェースと、所定の顧客のデータに従った値τを含む第1データベースと、各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnを含む第2データベースとに接続された、マイクロプロセッサと、
その比Rが所定の閾値よりも小さいまたは大きい重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って、少なくとも1つの化粧品組成物を製造および/または選択する機能を有した製造および/または選択する手段と
を具備し、
前記マイクロプロセッサは、
前記診断装置の少なくとも1つの肌および/または髪および/または爪の特性aないしaの測定の値を受信するとともに、一方では前記顧客と前記マイクロプロセッサとの間の前記グラフィカルインタフェースを用いて入力された顧客に関連するデータに基づいて、他方では前記第1データベースに基づいて、肌および/または髪および/または爪の特性aないしaのうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τないしτを決定する機能と、
前記肌および/または髪および/または爪の特性の各測定値の重み付けに対応する前記重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapn
p1=τ
p2=τ

pn=τ
に従って計算する機能と、
各肌の特性aないしaについて、
【数2】

に従って比Rを計算することによって、重み付けされた各肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを、前記第2データベースにあらかじめ記録された各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnと比較する機能と
を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法を実行するためのシステム。
【請求項6】
入力された前記顧客に関連する前記データおよび前記第1データベース内の前記所定の顧客のデータが、前記顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するデータであることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記製造および/または選択する手段が、その比Rが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きい前記重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性に従って前記化粧品組成物を製造および/または選択することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記測定された肌および/または髪および/または爪の特性が、
肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、および肌のマイクロレリーフを含む肌の特性群と、
脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、毛細管の密度、落屑、炎症、赤色斑、毛細管の繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、および髪のつやを含む髪の特性群と、
保湿、表面の状態、粗さ、および硬さを含む爪の特性群と
からの1つまたは複数の特性を含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
個々の顧客に適合させた化粧品の製造および/または選択のためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
一方では前記顧客に関連する肌および/または髪および/または爪のデータに基づいて、他方では第1データベース内の所定の顧客データに基づいて、あらかじめ測定された肌および/または髪および/または爪の特性aないしaのうちの少なくとも1つについて少なくとも1つの重み係数τないしτを決定する手順と、
前記肌および/または髪および/または爪の特性の各測定値の重み付けに対応する重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性を、
p1=τ
p2=τ

pn=τ
に従って計算する手順と、
各肌および/または髪および/または爪の特性aないしaについて、
【数3】

に従って比Rを計算することによって、重み付けされた各肌および/または髪および/または爪の特性ap1ないしapnを、第2データベースにあらかじめ記録された各肌および/または髪および/または爪の特性の平均値am1ないしamnと比較する手順と、
その比Rが所定の閾値よりも小さいまたは所定の閾値よりも大きい前記重み付けされた肌および/または髪および/または爪の特性を決定する手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
入力された前記顧客に関連する前記データおよび前記第1データベース内の前記所定の顧客のデータが、前記顧客の地理的位置および/または日常の食事および/または治療に関連するデータであることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
比Rが0.8よりも小さいまたは1.2よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記測定された肌および/または髪および/または爪の特性が、
肌の弾力性、保湿、皮脂、毛穴の大きさ、色素沈着、敏感度、および肌のマイクロレリーフを含む肌の特性群と、
脱毛、毛髪の直径、皮脂、髪の濃さ、毛細管の密度、落屑、炎症、赤色斑、毛細管の繊維の状態、毛球の大きさ、毛髪構造、毛髪の抵抗力、および髪のつやを含む髪の特性群と、
保湿、表面の状態、粗さ、および硬さを含む爪の特性群と
からの1つまたは複数の特性を含むことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
データ処理装置に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法の各段階を実行させる命令を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−114696(P2013−114696A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−261578(P2012−261578)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【出願人】(512309794)デヴェロップメント・インダストリアライゼーション・エ・プロモーション・ドゥ・テクノロジーズ・アヴァンシーズ (1)
【Fターム(参考)】