個人および地域用自動インスタント放射線アラート線量計
X線などの高エネルギー放射線をモニターする自動インスタント放射線量計を記述する。前記線量計は、例えばジアセチレン(R−C≡C−C≡C−R’、ここでRおよびR’は置換基)またはラジオクロミック色素、ポリマーバインダおよび任意で品質保持期間延長剤または活性剤などの、放射線感受性の、色が変化する、指示的な組成物を含む。前記放射線感受性組成物は、高エネルギー放射線にさらされると瞬時に色の強度を変化する。線量は、色を色参照チャートと比較することによって、またはより正確には、分光光度計もしくは光学デンシトメータを用いて見積もられる。前記放射線感受性組成物は、UV吸収剤などの低エネルギー吸収材料の層によって、UV光のような低エネルギー放射線から保護される。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
連邦政府補助金の報告
本発明は一部、政府支援契約第N00024−95−C−4052号、第N00167−03−M−0037号、並びに米国国防総省およびテクニカルサポートワーキンググループ(TSWG)の賞W9lCRB−04−C−0001、並びにTSWGを通して国土安全保障賞、国務省、および司法省から支援を受けて行われた。
【0002】
背景技術
発明の分野
本発明は、ジアセチレンなどの放射線感受性材料を用いて紫外(UV)放射線、電子、X線、陽子、アルファ粒子および中性子などの高エネルギー放射線の線量をモニターするためのフィルム、ステッカー、またはバッジなどの放射線感受性装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術の概要
UV光、X線、ガンマ線、電子、陽子、アルファ粒子、中性子およびレーザー光などの、4eVを超えるエネルギーを有するものを含む高エネルギー放射線は、医薬品および腐敗性物の殺菌、コーティングの硬化およびポリマーの架橋、イメージおよび情報の記録、ラジオグラフィー、非破壊試験、並びに診断的および放射線治療などさまざまな応用に用いられている。これらの照射をモニターする必要がある。放射線をモニターする電子的な装置は高価である。4eVから100MeVのエネルギーを有する放射線の、非常に低い線量から非常に高い線量まで、例えば0.1ラド(rad)から10メガラド(Mrad)までモニターするために用いることができる、簡単な線量計が必要とされている。
【0004】
しばしば「ダーティボム」と呼ばれる放射線物質拡散兵器を持ったテロリストに攻撃された場合、原子力発電所もしくは原子力船/潜水艦での事故の場合、または核爆発の場合、第一応答者およびこれらの影響を受けた人は、「致死量の電離放射線の照射を受けたのか、または無事なのか?」を知りたいと思う。被爆者を治療する医療関係者は、治療を最も必要とする被爆者を最初に治療できるように、各人が受けた放射線量を素早く判断しなければならない。本発明者らはこれらの問題に素早く安価に解答を与えるクレジットカードサイズの放射線量計を開発した。バッジは数か月から数年着用できる。「ダーティボム」または核爆発によって被爆した場合、センシング材料は色を変化して着用者または医療関係者に即座に被爆者の累積放射線被爆の情報を提供する。他の方法ではこれらの情報を得るために数日かかりうる。
【0005】
以下はいくつかの曝露限度および高エネルギー放射線のさまざまな線量による症状のリストである(mRem=ミリレム、およびmSv=ミリシーベルト)。
【0006】
【表1】
【0007】
高い線量の電離放射線が癌を引き起こしうることはよく知られている。高い線量の影響および症状はよく知られている。
【0008】
【表2】
【0009】
放射線が癌を引き起こしうることは疑いの余地がない。問題は、どのレベルの放射線で癌が引き起こされるかである。放射線被爆の危険性は広く研究されている。電離放射線による癌の誘導についての全般的な世論は、線量を短時間で受けた場合、1Svあたり癌発生率は10%増加し、線量が長期間にわたった場合5%に減少する。1Svは1000mSvであり、1mSvは100mRemである。したがって、癌の10%の増加(線量が長期間にわたった場合5%)は100,000mRemの線量に対応する。もし有害なレベルの電離放射線量(例えば1〜1,000ラド)を受けた場合、適切な医療が受けられるように即座に知る必要がある。数千ラドより高い線量を測る線量計が報告されている(Standards on Dosimetry for Radiation Processing,ASTM International,100 Barr Harbor Drive,West Conshohochen,PA,2002)が、バッジの形態ではない。バッジ、包帯、テープ、ステッカー、ラベルなどの形態の、色を瞬時に変化させ、色参照チャートを用いて色の強度から線量を見積もることができる放射線量計が必要とされている。
【0010】
高エネルギー放射線のモニターには、おもに2つの型の線量計バッジが用いられる。1つの型は、ハロゲン化銀のフィルムを含み、フィルム線量計として一般に知られている。他方は、熱発光材料を含み、TLD線量計として一般に知られている。
【0011】
ハロゲン化銀フィルムの主な利点は、最終量子収率が非常に高いことおよび露光を永久に保存できることである。しかしながらハロゲン化銀フィルムは多くの不利な点および欠点がある:(a)ハロゲン化銀のエマルジョンの作製は多段階および高価な工程である、(b)フィルムは定着するまで周辺光から保護する必要がある、(b)現像および定着の工程は「ウェット」な化学ベースの工程であり、それぞれの溶液および化学物質の濃度、現像および定着の時間並びに温度を厳しく制御しなければならない。被爆放射線量の見積もりのためにバッジを現像ラボに送る必要がある。
【0012】
強いエネルギー源(例えば電離放射線)が熱発光(TL)材料に衝突すると、いくつかの原子から電子が解放され、後に正電荷の「ホール」を残して材料の他の部分に移動する。その後、TL材料が加熱されると、電子および「ホール」が再結合し、余剰のエネルギーを光の形態で放出する。光の強度が測定され、はじめにエネルギー源の照射を通して吸収されたエネルギー量と関連づけられる。
【0013】
TLD線量計とフィルム線量計のどちらもインスタントではない。現像または加熱、および線量を読むための高価な装置を必要とする。TDL型線量計は、1回しか読むことができない。TDL線量計を1度読むと、線量の情報は永久に失われる。
【0014】
したがって、周辺環境に影響されない、および線量を確認するために結果の記録を残す、高感度の、自己現像の、ドライフィキシングのフィルムおよび線量計が望ましい。本発明者らはラジオクロミック材料を用いてこのようなフィルムおよび線量計を開発した。
【0015】
色の変化、蛍光、不透明性および磁気共鳴のような、少なくとも1つの検知可能またはモニター可能な変化を受ける、ジアセチレン、ラジオクロミック色素、ロイコおよび/またはpH感受性色素と酸生産性化合物などとの混合物、またはこれらの混合物などの任意の材料を、本明細書中で「放射線感受性化合物」、「放射線感受性材料」、「ラジオクロミック材料」または「放射線感受性製剤」と表す。
【0016】
本システムで用いられうる1つの材料群は、共役アルキンを含み、ジアセチレン、R−C≡C−C≡C−Rと呼ばれる。ここでRは置換基である。ジアセチレンは熱アニーリングまたは高エネルギー放射線の照射によって固体状態で重合する[Adv.Polym.Sci.,vol.63,1(1984)]。本明細書中、ジアセチレンの用語は少なくとも1つの−C≡C−C≡C−官能基を有する化合物群を示す。固体モノマーは無色または白色である。部分的に重合したジアセチレンは青色または赤色である。ポリジアセチレンは金属のように見え、典型的には銅色または金色である。ポリジアセチレンは、共役骨格の「π」電子が非局在化しているために濃い色がつく。部分的に重合したジアセチレンの色の強度はポリマー変換のパーセントに比例する。本明細書中、青色を発色するジアセチレンを青色ジアセチレンと表し、赤色を発色するジアセチレンを赤色ジアセチレンと表す。
【0017】
ジアセチレンは1以上の結晶修飾または相に結晶化することが知られている。速く重合する相は活性相または活性型と表される。重合しない相は不活性相または不活性型と表される。相によっては熱アニーリングによってほとんどまたは全く重合を示さない。このような相は熱不活性相と表される。照射してすぐに重合する相は照射活性相と表される。適当な溶媒系を選択することによって、ジアセチレン-344[R−C≡C−C≡C−R、ここでR=OCONH(CH2)3CH3]のようないくつかのジアセチレンは、長い品質保持期間を与えるための非常に低い熱活性、および検知可能な色の発色によって例えば数ラドの低い線量をモニターするための高い放射線活性を有する相に結晶化しうる。
【0018】
放射線量計、温度モニター、および時間温度インジケータとしての共役ポリアセチレン組成物の合成および使用に関して多くの特許が発行された。
【0019】
ジアセチレンの写真および他の関連技術における使用は、米国特許第3,501,297号および3,679,738号(Cremeansに特許)、米国特許第3,501,302号(Foltzに特許)、米国特許第3,501,303号(Foltzらに特許)、米国特許第3,501,308号(Adelmanに特許)および米国特許第3,743,505号;第3,844,791号および第4,066,676号(これら3つはBloomに特許)などのいくつかの米国特許に開示されている。これらの特許は、光活性組成物の直接的な画像化のために、特定のジアセチレン結晶の樹脂、ゼラチン、またはゴムマトリックスへの分散を開示する。光照射領域は色の変化で明らかになる。
【0020】
ジアセチレンは可視の長波長の放射線には感度がない。LuckeyおよびBoer は、可視光線に対して感受性にするための増感剤として二酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化カドミウム、および硫化カドミウムなどの無機塩を含むジアセチレン感光部材を米国特許第3,772,027号に開示する。FicoおよびMantheyに付与された他の同様の特許(米国特許第3,772,028号)は、チアピリリウム塩およびセレナピリリウム塩を含むピリリウム塩の添加によって可視光線に対して感光性にした感光部材を開示する。結晶性ジアセチレン組成物の不十分な画像化の増幅は、Borsenbergerらに付与された米国特許第3,794,491号に与えられる。かすかな画像が露光後照射によって増強される。これらの特許は、フィルムが可視光の写真フィルムとして用いられうるように、ジアセチレンを可視光線などのより長波長でより低エネルギーの放射線に対して感受性にするための製剤および工程を記載する。米国特許第5,420,000号は、UV、X線、電子およびアルファ粒子などのより短波長でより高エネルギーの放射線に対するジアセチレンの増感を報告する。このようなより高いエネルギーの放射線に対する増感は、例えば診断用X線フィルムの作成に望ましい。
【0021】
Lewis、Moskowitz、およびPurdyは、結晶性ポリアセチレン化合物から作製されたプロセスレス記録フィルムを米国特許第4,734,355号に開示する。彼らはまた、結晶性ポリアセチレン化合物を溶媒和しない媒体に約2%〜50%のポリアセチレン結晶性固体の濃度で分散させ、基板上で乾燥させる前に分散液をエイジングさせる工程を開示した。得られたフィルムの感度は低く、そのため像を製造するために少なくとも10Gyの放射線の照射が必要である。
【0022】
GuevaraおよびBorsenbergerは、光伝導体および光伝導性層に接触させた結晶性ポリアセチレン化合物を用いた印刷部材および印刷方法を米国特許第3,772,011号に記載する。これらの層が電位の供給に接触すると可視像が得られる。供給電位がない場合、前記部材は通常の室内光の取り扱い条件下で安定である。Gueveraらは、米国特許第3,772,011号において、光伝導層に接触した微結晶の層に構成されたとき、直接イメージに沿って光重合を受け濃い色のポリマー生成物になるジアセチレン組成物を提供する。このような重合は、層をはさんで電位が供給されている間の露光によっておこる。場合によっては有機光伝導体が結晶性ポリアセチレンの層の中に含まれてもよい。
【0023】
Patelは、米国特許第4,235,108号;第4,189,399号;第4,238,352号;第4,384,980号にジアセチレンの共結晶化によって重合速度を高める工程を開示している。Patelらは、米国特許第4,228,126号および第4,276,190号に保存のためのジアセチレンの不活性型および使用前に溶媒、蒸気、および/または溶融体での再結晶によってジアセチレンを活性化する方法を記載している。
【0024】
Mong−Jon Junらは米国特許第3,836,368号に短波長UVの照射によって赤色に変化する2,4−ヘキサジイン−1,6−ビス(n−ヘキシルウレタン)(本明細書中で「166」と表す)を記載する。彼らは166のポリビニルピロリドン/メタノールの溶液に水を加えることでコーティング製剤を調製した。米国特許第5,420,000号は、166の高感度コーティングを記載する。166はUV放射線に対して感度が高いが、反応性は診断用X線フィルムなどの応用に用いるには不十分である。
【0025】
低い線量をモニターするためには、比較的厚い、例えば約25ミクロン以上のコーティングが必要である。後者の特許は、例えば(1)個人用線量計、(2)放射線用フィルムおよび(3)放射線源のイメージングなどの放射線のモニタリングおよびイメージングに用いられうる厚いコーティング、フィルム、プラーク(飾り板)および/またはブロックを得るための方法あるいは設計、並びにこれらを作製する工程を記載していない。
【0026】
ハロゲン化銀フィルムは、診断用X線放射線にはあまり感度がよくない。X線画像は、フィルムを増感スクリーンとして知られる2枚の蛍光スクリーンの間に設置することで増幅される。増感スクリーンは発光材料であり、通常少量の不純物を加えた結晶性ホスト材料からなる。無機固体の発光は通常は結晶格子の欠陥で生じる(Thomas F.Soules and Mary V.Hoffman,Encyclopedia of Science and Technology,Vol.14,1987,pp527〜545)。蛍光スクリーンの蛍光体はX線を吸収し、白色光を発光する。タングステン酸カルシウム蛍光体で作製された増感スクリーンはレントゲンの時代から用いられている。1972年ごろ、緑色領域で発光する新しい蛍光体である酸硫化ガドリニウムが開発され、緑色の光の吸収に感光性のフィルムもまた開発された。同じ頃、青色領域で発光するフッ化塩化バリウムおよびオキシ臭化ランタンなどの他の蛍光体が開発された。テルビウム活性化希土類酸硫化物(X2O2S、ここでXはガドリニウム、ランタンまたはイットリウム)蛍光体を含む多数の蛍光体が文献に報告されている(T.F.Soules and M.V.Hoffman Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.14,pp527〜545,1981およびその引用文献)。ガドリニウムおよびタングステンは非常に高い原子番号を有し、また高エネルギーの吸光係数を有する。以下の組み合わせがこの目的に用いられてきた:GdOS:Tb(III)、LaOS:Tb(III)、LaOBr:Tb(III)、LaOBr:Tm(III)、およびBa(FCl)2:Eu(II)。米国特許第5,069,982号;第5,173,611号;第4,387,141号;および第4,205,234号などの多数の特許が代表的であり発行された。文献検索によると、報告された数百の蛍光体の中で、ほとんどがX線励起によって青色、緑色、または長波長UVを発光する蛍光体であることがわかる。例えば米国特許第4,719,033号など、長波長青色光を発光するものもある。これまで、短波長UV(例えば275nmより短波長)を発光する蛍光体を有するX線スクリーンは報告されていない。
【0027】
コンバータまたは蛍光体は通常スクリーンとしてポリマーバインダに分散させた微粉末の形態で用いられる。前記スクリーンはX線照射の間ハロゲン化銀フィルムのエマルジョンに接触させて設置される。従来技術は固溶体である透明なコーティングの形態のコンバータ/蛍光体またはコンバータとポリマーバインダの複合体を記載していない。装置のアンダーコート、放射線感受性コートおよびトップコートにおけるこれらのコンバータの使用についても記載されていない。短波長UV光を発光する蛍光体は放射線画像を増幅するスクリーンとして用いられうる。
【0028】
Sidneyらの米国特許第5,206,118号は、酸感受性ロイコ染料を分散させたハロゲン含有ポリマーから作製された、色が変化するフィルムを記載する。高エネルギ
ー放射線が照射されると、色を発色する。米国特許第5,451,792号は、色参照チャート並びにロイコ染料およびハロゲン化合物を含む放射線感受性コーティングを有する装置を開示する。
【0029】
ラジオクロミックフィルムを有するカード型線量計は、米国特許第6,232,610号に記載される。放射線をモニターする放射線インジケータは米国特許第5,359,200号に記載される。放射線をモニターするTLD型線量計は、米国特許第5,177,363号、第5,508,523号、第6,127,685号、第4,506,157号、第4,975,589号、第5,179,281号、第4,346,511号および第5,083,031号に記載される。
【発明の開示】
【0030】
発明の概要
本発明者らは瞬時に発色する放射線量計を開発した。色は線量にともなって強くなる。周辺光などの通常の周囲条件には数か月間、および太陽光には数日間影響されない。前記線量計は、通常の湿度に数か月間、および蒸気または高温に許容できる耐性を有する。照射温度には最小限の影響しか受けない。非常に広い範囲の照射温度、例えばマイナス40℃からプラス70℃で同じ色を発色する。前記線量計は放射線感受性製剤に依存して数か月から数年の十分な品質保持期間を有する。
【0031】
ラジオクロミック材料でコートされたプラスチックフィルムなどの材料は、しばしば、部材または放射線センシングストリップと表される。線量計またはバッジは、前記部材またはセンシングストリップを含む装置と定義される。前記線量計は線量の見積もりのために色参照チャートを有してもよい。
【0032】
上述のおよび他の利点は後述するように、放射線モニタリング装置において提供される。前記装置は基板およびそれと一体となったイメージング層を含む。前記イメージング層は、5eVを超えるエネルギーを有する電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む。前記装置はバインダおよび保護層をさらに含む。電離放射線の所定のレベルでの検出可能な色の変化に対応する少なくとも1つの色を含む参照チャートが提供される。
【0033】
他の実施形態は、電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料および品質保持期間延長剤を含む放射線感受性材料を含む放射線モニタリング装置において提供される。
【0034】
特に好ましい実施形態は、基板および前記基板にコートされた放射線感受性材料を含む放射線モニタリング装置において提供される。前記放射線感受性材料は電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む。前記装置は品質保持期間延長剤および保護層をさらに含む。
【0035】
基板;5eVを超えるエネルギーを有する電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む少なくとも1つのイメージング層;バインダ;保護層;および電離放射線の所定のレベルでの前記検出可能な色の変化に対応する少なくとも1つの色を含む少なくとも1つの参照チャート;を含む放射線モニタリング装置が提供される。
【0036】
さらに、放射線感受性製剤の品質保持期間を延長するために、例えば熱安定剤、活性種のクエンチャー、ラジカルおよび酸素スカベンジャー、抗酸化剤、活性種の阻害剤、活性種の防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金
属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤などの品質保持期間延長剤が提供される。
【0037】
さらに、偽陽性を示す製剤および装置、並びに長時間UV/太陽光および温度にさらされたとき発色する品質保持期間のインジケータが提供される。
【0038】
さらに、自動読み取り装置が提供される。見積もられる線量がセンシングストリップの下、中、または上に印刷される。所定の線量が照射されたとき、その線量の数字はほとんど見えなくなる。
【0039】
特に、放射線を示す多重検出器およびUV放射線、熱などの望ましくない環境パラメータのインジケータを含む自動読み取り装置が提供される。検出器の組み合わせによって、装置がモニターされ、環境因子が信号を生じる場合または装置の期限が切れた場合は使用から外される。
【0040】
本発明の大きな特徴は、日付、使用者、放射線反応手順、線量レベルなどを示すために装置上にさまざまなロゴおよび指示書を組み込む性能であり、前記装置は平面、四角形、長方形、三角形、六角形を含むさまざまな形状に作製されうる。
【0041】
本発明は、放射線の測定が必要な方法において特に有用性がみられる。特に、本発明は、放射線滅菌、放射線治療および工業的ラジオグラフィーなどの放射線モニタリングにおける使用に適用できる。本発明はまた、レーザーでの標識化;レーザーによる材料の硬化、架橋または重合;などのレーザーモニタリングに適する。本発明はまた、UVモニタリングにおける使用にも適する。特に有利な点は、本発明の3次元イメージングにおいて使用できる性能である。
【0042】
図面の簡単な説明
図lは放射線感受性自立部材の断面図である。
【0043】
図2は保護層を両面に有する放射線感受性自立部材の断面図である。
【0044】
図3は基板の片面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【0045】
図4は基板の両面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【0046】
図5は放射線感受性部材、色参照チャートを放射線感受性部材の片面に、および不透明保護層を放射線感受性部材の一方の端に有する放射線量計の上面図である。
【0047】
図6は放射線感受性部材および色参照チャートを両面に有する放射線量計の上面図である。
【0048】
図7は、青色および赤色のような2つの異なる色を提供する2つの放射線感受性部材を、タイルバッジの異なる位置の色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【0049】
図8は、非常に広い線量の範囲をカバーするために、内部に4個および外部に4個の、8個の放射線感受性部材をそれらの色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【0050】
図9は放射線感受性部材のウェルを有する放射線量計の断面図である。
【0051】
図10は、UV光から保護するためにおよび不正使用を示すために、一方の端がアルミニウムテープなどの不透明な接着テープでカバーされた放射線量計の断面図である。
【0052】
図11は、時間−温度、温度、UVおよび他の所望の機能;例えばバーコード、磁気情報テープ、ホログラム並びに他の安全および識別機能のような;などの、他のさまざまなインジケータを有する放射線量計の上面図である。
【0053】
図12は、実施例3を用いて作製された、両面にUV吸収フィルムの層を有するジアセチレン344の部材の断面図である。
【0054】
図13は、異なる線量のX線を照射したジアセチレン344の部材の代表的な図である。
【0055】
図14は、ジアセチレン344の部材と色参照チャートを有する線量計の図である。
【0056】
図15は、薄い不透明な基板、部材、色参照チャート、高濃度のUV吸収剤および他の添加剤を有する厚い透明な層並びに保護層を有するバッジの断面図である。
【0057】
図16は、UV光から保護するための、線量計バッジのポケットを有するホルダーの、線量計バッジを入れた、および入れていない場合の上面図である。
【0058】
図17は、異なる線量範囲の線量計バッジのための3つのポケットを有するホルダーの上面図である。
【0059】
図18は、太陽光から保護するための、線量計バッジの折りたたみホルダーの断面図(a、bおよびc)並びに上面図(d)である。
【0060】
図19は、コーティング法およびプリンティング法による線量計バッジの作製の工程を表すスキームである。
【0061】
図20は、ジアセチレン344を含む部材の線量に対する光学濃度(OD)のプロットである。
【0062】
図21は、異なった線量の10MeVのX線を照射したジアセチレン344の部材の典型的な一連の可視スペクトルである。
【0063】
図22は、異なる時間UV光を照射したジアセチレン4BCMUの自動読み取り放射線量計を表す図である。
【0064】
図23は、(a)照射していない、(b)低い線量のX線を照射した、および(c)高い線量のX線を照射した、自動読み取り部材を表す図である。
【0065】
図24は、放射線感受性部材の側面に偽陽性および品質保持期間のインジケータを有する放射線量計バッジを表す図である。
【0066】
図25は、「X」の形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【0067】
図26は、バーの形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の
過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【0068】
図27は、60℃で異なる時間アニールした(a)、および短波長UV光(254nm)を異なる時間照射した(b)、偽陽性インジケータである。
【0069】
図28は、「EXPIRED」の語を表示する偽陽性インジケータを有する部材の上面図である。
【0070】
発明の説明
本発明は、図面を参照することで最もよく説明されうる。図1を参照すると、前記部材は、少なくとも1つの放射線感受性組成物10、ポリマーバインダ20、任意で溶媒または可塑剤30、活性剤40並びに他の添加剤および品質保持期間延長剤、例えばUV吸収剤50、UV安定剤51、熱安定剤52、および変換剤53など、をそれぞれ含むフィルム1のような、自立放射線モニタリング装置または層状部材でありうる。図2に示すように、放射線感受性層1は、両面に保護層5を有してもよい。前記保護層はプラスチックフィルムであってもよく、引っかき抵抗性であってもよく、UV吸収剤および/またはUV反射剤コートなどの添加剤を含んでもよい。前記装置は2以上の保護層を有してもよい。
【0071】
図3に示すように、装置は基板2の上面の放射線感受性層1で、または図4に示すように、基板2の両面の部材で作成されうる。放射線感受性層1は、少なくとも1つの放射線感受性組成物10、ポリマーバインダ20、任意で溶媒または可塑剤30、活性剤40、並びに他の添加剤および品質保持期間延長剤;例えばUV吸収剤50、UV安定剤51、熱安定剤52および変換剤53、を含みうる。前記装置は、それぞれ異なった放射線感受性組成物を含む2以上の放射線感受性層を有してもよい。前記放射線感受性層1は、保護層5を有してもよい。図4に示すように、前記部材は、放射線感受性フィルム1を基板2の両面にコーティングすることによって作製されてもよい。
【0072】
図5に示すように、線量計1001は、図1〜4に示したものと同様の放射線感受性部材102および不透明基板301上の色参照チャート201から構成されうる。前記部材は、例えば、UV光などの低エネルギーの光子、および低エネルギー電子の遮蔽のためのアルミホイル、または他の高エネルギー放射線の遮蔽のための鉛およびカドミウムなどの、選択的放射線ブロッカー401を有してもよい。
【0073】
放射線感受性部材101の両面に印刷された色参照チャート202および203を有する線量計の好ましい構造を図6に示す。
【0074】
前記線量計は、さまざまな構造、形状、サイズ、変化およびデザインを有しうる。放射線感受性部材および色参照チャートの異なった位置を有するこのような構造の1つを、図7a〜7dに示す。例えば、図7aから図7cに示すように、一方が低い線量で青色を発色する110、他方が高い線量で赤色を発色する120である2つの放射線感受性部材は、基板301の上の任意の位置にあってよい。図7dに示すように、一方の放射線感受性部材が装置の一面に、他方が基板301の他の面にあってもよい。
【0075】
図8に、非常に広い線量範囲をカバーする他の構造を示す。放射線量計は、広範囲の線量が決定され報告されうる、多重放射線感受性部材111〜118およびそれぞれの対応する色参照チャート121〜128を有しうる。また、前記部材および色参照チャートは円形であってもよい。
【0076】
前記装置は、線量計表面に膨らみをもたらしうる一定の厚さをもつ。膨らみを防ぐために、基板層3010は、図9に模式的に示すようにウェルまたはキャビティ601を部材
101に沿って有する。支持体3012を用いてもよい。色参照チャート201を基板層に埋めてもよい。UV保護層などの保護層3013は装置全体を覆ってもよい。
【0077】
図10は多重放射線感受性部材101を有する放射線量計の断面図である。1つの部材または長い部材の一部分はアルミニウムなどのホイル402でシールされうる。他の部材または長い部材の一部分101’は、不透明なカバー401を有してもよく、さらに他の部材または長い部材の一部分はその隣に少なくとも1つの色参照チャート4003を有してもよい。アルミテープなどの不透明層、不透明コーティングまたは層は、前記部材をUV光から保護し、不正開封防止機能としてはたらく。前記線量計は、他の所望の性質、例えば読まれる情報を電子的に保存するための磁気テープ603、ホログラムなどの安全機能602、およびユーザーのための他の印刷された情報または指示書604を有してもよい。UV吸収層606が好ましく、支持体607はプラスチックまたは金属でありうる。
【0078】
図11に示すように、前記線量計は多重インジケータを有しうる。1個の装置のインジケータには、品質保持期間を示す時間−温度インジケータ701、線量計が一定の温度を超える温度にさらされたとき表示する温度インジケータ702、UV/太陽光の露光を表示するUV光インジケータ703、ホログラムなどの安全インジケータ704、および他の同様のインジケータ705が含まれうる。支持体706は、放射線感受性装置707およびそれにコートされたまたは埋め込まれた色チャート708を含む。好ましくはアルミニウムの金属ホイルまたはフィルター709は、一定の放射線を遮蔽するために用いられうる。これらのインジケータの位置は、図23および24に示すように、放射線感受性部材の上を含めて線量計上で任意である。
【0079】
図12に大きいスケールで作製された部材を示す。接着を高めるためのサブコート22を有するポリエステルフィルム基板2の両面を放射線感受性部材1でフィルムの形態でコートした。バリア層5を、それぞれの放射線感受性部材1に塗布した。引っかき抵抗性層25および感圧層23を有するUV吸収ポリエステルフィルム24を、バリアコート5の上に塗布した。好ましい放射線感受性部材は、ジアセチレン344を含む。好ましい実施形態においては、前記バリアコートは感圧層23の接着を高めるためにポリウレタン層を含む。
【0080】
図13は、異なる線量のX線を照射した実施例3のジアセチレン344の部材の代表的な図である。図13で、階調は色の階調を表し、色密度の増加は照射の増加を示す。
【0081】
図14は、照射前の実施例3のジアセチレン344の部材を前記部材の片面の色参照チャートとともに有する線量計の代表的な図である。図14で、階調は色の階調を表し、色密度の増加は照射の増加を示す。
【0082】
図15に、薄い不透明基板2、放射線感受性部材1、接着層8、厚いUV吸収層7並びにUV反射および引っかき抵抗性層15001を有するバッジの断面図を示す。厚いUV吸収層およびUV吸収層はUV/太陽光下で長い寿命を提供する。
【0083】
UV/太陽光から線量計を保護するために、前記線量計を1以上の不透明または半透明のポケットに入れた不透明層で覆ってもよい。図16aは、ホルダー801に入れた放射線感受性線量計1001を表す。ホルダー801は、放射線感受性線量計を受けるスロット802を含む。任意の透明な面803は、放射線感受性線量計を見えるようにする。図16bは、放射線感受性線量計を入れていない図16aのホルダーを示す。図17に示すように、多重放射線感受性部材101、1011および1012並びに対応するそれぞれの色参照チャート201、203、2021、2031、2022および2023がマルチカードホルダー9のスロットに挿入されうる、異なった線量範囲および/または色の線
量計が準備されうる。図18aから18cの側面図および図18dの上面図に示すように、線量計1001は折りたたみホルダー91の中に入れられてもよい。図18で、放射線感受性部材101および色参照チャート201は、図17に関連した記載の通りである。カバー3011は、好ましくは不透明である。
【0084】
コーティング法およびプリンティング法による線量計バッジの作製の工程を表すスキームを図19の断面図(左)および対応する上面図(右)に示す。図19(a)および図19(a’)に示すように、吸収剤、透明PVC、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンまたはポリエステルフィルムを含む保護シート1902は、接着コート1903とともに調製され、その上に好ましくは引っかき抵抗性層1904が塗布される。色参照チャートは、好ましくは保護シートと一体であり、好ましくは保護シートと引っかき抵抗性層との間である。図19(b)およびl9(b’)に示すように、放射線感受性部材1901は、当業者に知られている任意のコーティング技術で基板1900に塗布される。次に保護シート[図19(a)およびl9(a’)]層が、放射線感受性層[図19(b)およびl9(b’)]の上に塗布され、図19(c)およびl9(c’)に示す線量計が作製される。
【0085】
図20に、実施例3に従ってジアセチレン344から作製された部材の、X線の線量に対する光学濃度(OD)のプロットを示す。データは広範囲の照射がモニターできることを示す。
【0086】
図21は、異なった線量の10MeVのX線を照射した実施例3のジアセチレン344の部材の典型的な一連の可視スペクトルを示す。
【0087】
図22は、aからgまで、時間を増加させてUV光を照射したジアセチレン4BCMUの一連の自動読み取り放射線量計を表す。UV照射が増加するにつれて(図22bから22g)、点はほとんど見えなくなる。
【0088】
図23に模式的に示すように、色参照チャートは、部材にUV光で印刷または露光することによってなくすことができる。図23aに示すように、X線の照射前はすべての数字が見える。図23bに示すように、X線を照射したとき、線量に依存していくつかの数字が消える。線量は読み取り可能な最小の数字から見積もられうる。例えば、図23aでは、線量が記録されていない。図23bでは、約75ラドが記録され、図23cでは約200ラドが記録されている。図23の実施形態では、表示、好ましくは数字の光学濃度は、線量の増加に従って減少する。
【0089】
前記線量計は不正使用を示すことができる。前記線量計はアニーリングの時間および温度並びにUV/太陽光に敏感である。これらの2つのパラメータは、偽陽性信号を提供しうる。したがって、前記線量計は偽陽性インジケータが必要である。これらのインジケータは、アニーリングの時間および温度並びにUV/太陽光で色を変える設計であってもよい。
【0090】
偽陽性信号、不正使用または品質保持期間インジケータとそのための色参照チャートは、図24に模式的に示すように、放射線感受性部材の側面にあってもよく、または、図25および26にUV/太陽光または熱の過剰曝露の前(図25aおよび26a)および後(図25bおよび26b)を示すように、放射線感受性部材に印刷もしくは付着されていてもよい。これらのインジケータは、放射線感受性部材に印刷されていてもよく、UV/太陽光または熱に過剰曝露すると(図25bに示すように)「X」の形状で現れる。基板301上に放射線感受性部材101に含む図25および図26の装置では、色参照チャート403は線量を決定するための比較を与える。見えない偽陽性インジケータは、図25bに示すように「X」97として、または図26bに示すようにバー98として、見える
ようになる。品質保持期間、偽陽性、または不正使用は、「X」またはバー98の発現および色の強度でモニターされ、色参照バー99と比較されうる。
【0091】
ペンタメトキシトリフェニルメタノール(PTM)などのいくつかの化合物は、UV/太陽光(図27b)にさらされたとき、ポリ塩化ビニルなどのハロポリマー中で赤色を発色し、また、保存の時間および温度によって同じ赤色を発色する(図27a)。この型のインジケータは、アニーリングおよびUV露光の両方で同じ色を発色するので好ましい。この型のインジケータは、図28に示すように、メッセージとして(例えば「EXPIRED(期限切れ)」)または簡単に「X」と、部材の上にあるいは部材の側面に印刷されてもよい。色の発色または変化は、偽陽性および/または品質保持期間切れを示す。
【0092】
造形品の作成に用いられうる放射線感受性材料の好ましい群は、一般式R’−C≡C−C≡C−R”を有し、ここでR’およびR”は同じまたは異なった置換基である、ジアセチレンである。この群のジアセチレンが好ましいが、以下の一般式の他のジアセチレンも用いられうる:高級アセチレン:R’−(C≡C)n−R”、ここでn=3〜5;スプリットジアセチレンおよび高級アセチレン:R’−(C≡C)m−Z−(C≡C)o−R”、ここでZは−(CH2)n−および−C6H4−などの任意のジラジカルであり、mおよびoは2以上である;並びにポリマー性ジアセチレンおよび高級アセチレン:[−A−(C≡C)n−B−]X、ここでAおよびBは−(CH2)b−、−OCONH−(CH2)b−NHCOO−、および−OCO(CH2)bOCO−などの同じまたは異なったジラジカルであってよく、ここでR’およびR”は同じまたは異なった基であってよい。
【0093】
好ましいジアセチレンとして、R’およびR”が:(CH2)b−H;(CH2)bOH;(CH2)b−OCONH−R1;(CH2)b−O−CO−R1;(CH2)b−O−R1;(CH2)b−COOH;(CH2)b−COOM;(CH2)b−NH2;(CH2)b−CONHR1;(CH2)b−CO−O−R1;ここでb=1〜10、好ましくは1〜4であり、R1はC4〜C6アルキルまたはフェニルまたは置換フェニルなどの脂肪族あるいは芳香族のラジカルであり、MはNa+または(R1)3N+などのカチオンである:から選択されるものが挙げられる。
【0094】
好ましいジアセチレンは、2,4−ヘキサジインの誘導体、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール並びにトリコサ−10,12−ジイン酸(TC)、ペンタコサ−10,12−ジイン酸(PC)などのジアセチレン脂肪酸、そのエステル、有機および無機塩並びにこれらの共結晶化混合物である。2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールなどのジアセチレンの最も好ましい誘導体は、ウレタンおよびエステル誘導体である。
【0095】
好ましいウレタン誘導体は、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールの、アルキル、アリール、ベンジル、メトキシフェニル、アセト酢酸アルキル、フルオロフェニル、アルキルフェニル、ハロ−フェニル、シクロヘキシル、トイルおよびエトキシフェニル誘導体である。好ましいウレタン誘導体は、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールのメチル、エチル、プロピルおよびブチル誘導体である。
【0096】
以下は2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールのいくつかの好ましい誘導体である:ウレタン(−OCONH−)誘導体、R’CH2−C≡C−C≡C−CH2R’:ヘキシルウレタン:166、R’=OCONH(CH2)5CH3;ペンチルウレタン:155
、R’=OCONH(CH2)4CH3;ブチルウレタン:144、R’=OCONH(CH2)3CH3;エチルウレタン:122、R’=OCONHCH2CH3;メチルウレタン:111、R’=OCONHCH3;を含む:エステル(−OCO−)誘導体、R”’CH2−C≡C−C≡C−CH2R”’:ブチルエステル:144E、R”’=OCO(CH2)3CH3;エチルエステル:122E、R”’=OCOCH2CH3;メチルエステル:1llE、R”’=OCOCH3;を含む:対称ジアセチレン:156:R’−C≡C−C≡C−R”、ここでR’=CH2OCONH(CH2)5CH3およびR”=CH2OCONH(CH2)4CH3;を含む:共結晶化混合物:80重量パーセントまたはそれ以上の166を含む;166と156との85:15混合物;166と156との90:10混合物;およびトリコサジイン酸とペンタコサジイン酸との4:1混合物(TP41)を含む。
【0097】
さらに好ましいジアセチレンは、例えばヘキシルウレタン:R’=OCONH(CH2)5CH3;ペンチルウレタン:R’=OCONH(CH2)4CH3;ブチルウレタン:R’=OCONH(CH2)3CH3;プロピルウレタン:R’=OCONH(CH2)2CH3;エチルウレタン:R’=OCONHCH2CH3;メチルウレタン:R’=OCONHCH3などの、3,5−オクタジイン−1,8−ウレタン、4,6−デカジイン−1,10−ウレタンおよび5,7−ドデカジイン−1,12−ウレタンの誘導体である。
【0098】
最も好ましいジアセチレンは、例えばジアセチレン344[R’−C≡C−C≡C−R’、ここでR’=OCONH(CH2)3CH3]などの、4,6−デカジイン−1,10−ジオールのメチル、エチル、プロピルおよびブチルウレタン誘導体などのウレタン誘導体である。
【0099】
前記ウレタン誘導体は、以下に示すように、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールなどのジアセチレン−ジオールを適当なイソシアネート(例えばn−ヘキシルイソシアネート)と、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、ジ−t−ブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)およびトリエチルアミンのような触媒を用いて反応させることで調製されうる。
【0100】
【化1】
【0101】
エステル誘導体は、例えば2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールを、適当な酸クロリドと、ジクロロメタンなどの溶媒中で、ピリジンなどの塩基を触媒として用いて反応させることで調製されうる;すなわち;
【0102】
【化2】
【0103】
非対称ジアセチレンは、Cadiot−Chodkiewicz型反応法で調製されうる。
【0104】
単一のジアセチレンが用いられうるが、共結晶化によってジアセチレンの反応性を変えることが望ましい。共結晶化は、2以上の好ましくは共役のジアセチレンを成形前に溶解
させることで達成されうる。例えばTCおよびPCを共結晶化するとき、TP41(TC:PCの4:1混合物)などの、得られる共結晶化されたジアセチレン混合物は、より低い融点および有意に高い放射活性を有する。活性はまた、−COOHおよび−NH2官能基を有するジアセチレンに、アミン、NaOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2などの塩基、またはカルボン酸などの酸をそれぞれ加えて部分的に中和することによっても変化しうる。
【0105】
他の好ましいジアセチレンは、TCおよびPCなどの脂肪鎖酸のアミドである。好ましいアミドは:TCAP=CH3(CH2)9−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH(CH2)3CH3;PCAE=CH3(CH2)11−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH−CH2CH3;PCAP=CH3(CH2)11−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH−(CH2)3CH3;PCACH=CH3(CH2)11−C≡C−C≡C(CH2)8−CONH−C6H5;およびTCACH=CH3(CH2)9−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH−C6H5である。
【0106】
放射活性を最大にするために、166を上述した他のジアセチレン、例えば155、157、154および156と共結晶化することができる。155などのある種のジアセチレンは166の活性を増加させるが、部分重合共結晶化ジアセチレンは、融解によって赤色を与える。しかしながら、156は166の放射活性を増加させ、部分重合ジアセチレン混合物の融解により青色を与える。166は異なる量の156と共結晶化されうる。好ましくは166に対して155が5〜40重量%であり、最も好ましくは166:156の重量比がそれぞれ、90:10および85:15である。本明細書中で用いる場合、「9010」および「8515」はこれらの特定の共結晶化混合物を意味する。
【0107】
例えばエステルを一方の置換基として、およびウレタンを他方の置換基として、異なる官能基を含む他の非対称誘導体もまた調製されうる。166および16PAの90:10混合物の合成の手順は米国特許第5,420,000号に与えられる。米国特許第第5,420,000号に与えられる一般的な手順を用いて、他のさまざまな非対称誘導体およびその共結晶化のための混合物を調製することができる。
【0108】
ジアセチレン官能基[例えば{−R’−(C≡C)n−R”−}X、ここでR’およびR”は、−(CH2)n−、−OCONH(CH2)n−NHCOO−および−OCO(CH2)nOCO−などの同じまたは異なったジラジカルであってよい]をその骨格に有するポリマーもまた、ポリマー性でありバインダを必要としないため好ましい。
【0109】
好ましいジアセチレンは、低い(例えば約150℃より低い)融点を有し、低い温度、例えば室温で冷却すると速く結晶化するものである。
【0110】
他の好ましいジアセチレン化合物の群は、組み込み金属原子を有するものであり、ビルトイン変換剤として用いられうる。アミン、エーテル、ウレタンなどの官能基を有するジアセチレンは、無機化合物と錯体を形成しうる。例えばホウ素および水銀、リチウム、銅、カドミウム、および他の金属イオンの共有結合をした内部変換剤を有するジアセチレンを合成することが可能である。例えば、TC、PCおよびTC41の−COOH官能基は、リチウムイオンで中和でき、R−C≡C−C≡C−Hg−C≡C−C≡C−Rの合成が報告されている(M.Steinbach and G.Wegner,Makromol.Chem.,178,1671(1977))。このようにジアセチレンに組み込まれた水銀原子などの金属原子は、光子および電子の照射によって短波長の放射線を放出しうる。
【0111】
以下の用語は、ジアセチレンの反応性(重合性)の定義に用いられる。ジアセチレンの重
合可能な形態を「活性」と表す。ジアセチレンが4eVを超えるエネルギー、300nmより短波長を有する放射線で重合可能な場合、「放射活性」と表される。熱アニーリングによって重合可能な場合、「熱活性」と表される。ほとんど、または全く重合を示さないジアセチレンの形態は「不活性」と表される。放射線(4eVを超えるエネルギーを有する)でほとんど重合を示さない場合、「放射不活性」と表され、熱アニーリングによって有意に重合可能でない場合、「熱不活性」と表される。これらの定義の中間の反応性/重合性の性質を有するジアセチレンは、「中程度の活性」と表される。ジアセチレンの最も好ましい形態は、放射活性が高く、ほとんどまたは全く熱活性を示さないものである。しかしながら、放射活性のジアセチレンは、通常は熱活性も有する。したがって、ジアセチレンの好ましい形態は、高い〜中程度の放射活性で、ほとんどまたは全く熱活性がないものである。共結晶化および分子錯体化によって、熱活性が低下し、放射活性が増大しうる。他の方法として、熱反応性を減速させるために造形品を低い温度で保存してもよい。
【0112】
ジアセチレンの重合、および、その後の発色は、放射線の線量速度およびエネルギーに対して独立であることが知られている。低い線量では、発色は線量に対して線形である。ジアセチレンは、通常毒性がない。多くのジアセチレンは、ほとんどまたは全く放射後効果を示さない。
【0113】
ジアセチレンは最も好ましい放射線感受性材料であるが、他の放射線感受性材料もまた本明細書中に記載された手順および設計を用いて前記装置の作成に用いられうる。Imaging Systems,K.I.Jacobson and P.E.Jacobson,John Wiley and Sons,NY 1976に記載される放射線感受性材料/製剤もまた、放射線感受性造形品の作成に用いられうる。さらに、例えばAgCl、AgBr、AgIなどのハロゲン化銀、モリブデン酸銀、チタン酸銀、銀メルカプチド、安息香酸銀、シュウ酸銀、およびこれらの混合物;鉄、銅、ニッケル、クロム、および遷移金属などの金属の塩並びに有機、無機、および有機金属錯体、例えばシュウ酸水銀、シュウ酸鉄、塩化鉄、重クロム酸カリウム、塩化銅、酢酸銅、ハロゲン化タリウム、ヨウ化鉛、ニオブ酸リチウム、およびこれらの混合物;芳香族ジアゾ化合物、ジアゾニウム塩の縮重合体、ナフトキノンジアジド、フォトポリマー並びに光伝導性材料もまた、前記装置の作成に好ましい放射線感受性組成物である。
【0114】
本発明の成形前の放射線感受性装置に用いられうる放射線感受性材料の他のおもな群は、例えばニューフクシンシアニド、シアン化ヘキサヒドロキシエチルバイオレットおよびシアン化パラローズアニリン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン並びに塩基性マラカイトグリーンおよび塩基性p−ローズアニリンなどのカルビノール色素並びに米国特許第2,877,169号;第3,079,955号;および第4,377,751号に記載されるもののようなラジオクロミック色素である。
【0115】
これらのラジオクロミック色素、およびpHの変化によって(例えば酸などで)色が変化する他の色素は、トリクロロエタン、トリクロロ酢酸エチル、塩素化パラフィンおよび塩素化ポリマーなどの有機ハロ化合物のような、照射によって酸を生成する材料と組み合わせて用いられうる。生成した酸は、pH感受性色素と反応し色を変化させる。ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロヒ酸塩、および塩化ジフェニルヨードニウムなどのある種のヨードニウム塩は、高エネルギー放射線の照射によってHCl、HF、HBF4およびHASF6などのプロトン酸を生成する(J.Crivello,Chemtech,October 1980,page 624,“The Chemistry of Halides,Pseudohalides,and Azides”,S.Patai(Ed.),John Wiley,New York,1983)。本発明者らは、ヨードニウム化合物およびスルホニウム化合物を、ラジオクロミック色素を含むいくつかのpH色素に混合した。スルホニウム、ヨードニウムなどの化合物では、一次光化学反応が
超酸を生成し、この超酸が触媒的に用いられて他の酸を生成する。したがって発色が増幅される。このような系は米国特許第6,242,154号およびその参照文献に記載されている。
【0116】
表1に挙げられた多数の色素は、いくつかの選択されたポリマーバインダ並びにハロ化合物(トリクロロメチルベンジルアセテート)並びにポリ塩化ビニルおよびポリ塩化ビニリデンなどのハロポリマーと混合され、短波長UV光およびX線を照射された。いくつかのpH感受性色素は色を変化させた。
【0117】
【表3−1】
【0118】
【表3−2】
【0119】
これらの色素のいくつかは蛍光色素であり、いくつかは照射によってその蛍光を変化さ
せる。
【0120】
「変換剤」の用語は、他の物質と錯体をつくるまたはドープされうる、高エネルギーの電離放射線および非電離放射線の両方を照射したとき、散乱、減衰、蛍光、リン光、および変換を含む任意の過程を経由して、同じまたは異なった型のより低いエネルギーの放射線を生成する、任意の材料、物質あるいは混合物に用いられる。無機および有機金属化合物は、高エネルギー放射線を、散乱、吸収、蛍光、リン光などの多くの過程を経てより低いエネルギーの放射線に移動/変換する性能を有するため、変換剤として好ましい。変換剤の選択は、モニターする放射線の型およびエネルギーに依存する。例えば、鉛およびバリウム塩は、X線をモニターするのに良い変換剤であり、ホウ素およびリチウム塩は熱中性子を測定するのに良い変換剤である。
【0121】
高エネルギー放射線が金属に衝突すると、二次電子およびより長波長の他の放射線が放出される。高い原子番号の物質ほどこれらの二次放射線の放出は大きくなる。バリウム塩は、無毒なので特に好ましい。高い原子番号(Z)を有する、鉛などの元素もまた好ましい。他の変換剤として、亜鉛、スズ、銀、タングステン、モリブデン、白金、金、ヨウ素、および臭素の合金、塩、並びにフリーの金属が挙げられる。
【0122】
得られる像は、変換剤材料を放射線感受性混合物、アンダーコート、トップコート、および好ましくはこれらすべてに組み込むことによって増幅されうる。変換剤は高エネルギーのX線、放射線、電子、および中性子を吸収し、吸収した放射線を低エネルギーの二次電離放射線に変換する。これらの低エネルギーの二次電離放射線およびアルファ粒子などの変換剤によって放出された核粒子は、放射線感受性材料中で反応を開始しうる。二次放射線は、その放射線源に関係なく変換剤材料に吸収され、次にまた放射線感受性材料中で反応を開始させうる三次電離放射線を放出する。二次放射線が電子の場合、エレクトロルミネセンス材料を変換剤として使用することによって像を増幅できる。
【0123】
フィルムなどの薄い造形品の像は、変換剤材料から作製された1つまたは2つのスクリーンと密着させることによってさらに増幅されうる。前記スクリーンは、最も簡単な形態においては、平らな金属ホイル、および/または、通常はより低エネルギーの放射線を放出するラジオルミネセンス、エレクトロルミネセンスまたは蛍光体材料でコートされてもよい。X線像は、4eVを超えるエネルギーを放出する蛍光体をスクリーン材料として用いることによって増幅されうる。長波長UV光を放出する蛍光体材料は、適当なドーパント、ドーパントの量、ドーピング工程によって、より高いエネルギーの放射線を放出させることができる。次にまた放射線感受性材料中の反応を開始させ、それによってさらに像を増幅しうる二次電子を生成するために、スクリーンに適当な電圧がかけられてもよい。
【0124】
有機、無機、および/または有機金属化合物であり、高エネルギー放射線の照射によって300nmより低い波長(4eVを超えるエネルギー)の放射線を放出する(蛍光およびリン光を放出するものを含む)任意の材料は、アンダーコート、放射線感受性コート、トップコートおよびスクリーンの変換剤として用いられうる。フィルムの感度を最大にするために、適した変換剤の選択が必要である。高エネルギー放射線を吸収する高い性能を有し、十分に低いエネルギーであるが4eVを超えるエネルギーの高い強度の放射線を放出する変換剤が好ましい。
【0125】
通常カソード/エレクトロルミネセンス材料として知られる物質は、電子と接触するとより低いエネルギーの放射線を放出する材料である。UV光を放出する、またはドーピングによってUV光を放出させうる、ピロリン酸ハフニウムなどのエレクトロルミネセンス蛍光体、並びにジルコニウム、ゲルマニウムおよびケイ素で置換されたエレクトロルミネセンス蛍光体は好ましい蛍光体である。これらの材料は、4eVを超えるエネルギーを有
する放射線を放出する場合、二次電子がカソードルミネセンス材料のUVおよびX線放射線の放出を引き起こし、次にジアセチレンの重合を開始させうるため、変換剤としても用いられうる。
【0126】
1nmより短波長の放射線を放出する材料は変換剤として用いられうる。好ましくは300〜1nmの範囲のUV放射線を放出するものである。UV放射線はすみやかにジアセチレン官能基に吸収され、ジアセチレンの重合を引き起こす。したがって、好ましい変換剤は、300から100nmの間のエネルギーの放射線を放出しなければならない。蛍光体として一般に知られている材料として、周期表のII〜VII族からの蛍光体(例えばZnS、ZnCdS)および希土類蛍光体(例えばGd2O2S、Y2O2S)および3元素の酸化物蛍光体(例えばCaWO3、ZnSiO4)が挙げられる。UV光を放出する、バリウム鉛サルフェート、T1、ZrP2O7(リン酸ジルコニウム)でドープしたナフタレン−ヨウ化ナトリウムなどの変換剤が用いられうる。適切にドープされた蛍光体;例えばバリウムフルオロクロリドおよびオキシ臭化ランタン、テルビウム活性化希土類酸硫化物(X2O2S、ここでXはガドリニウム、ランタンまたはイットリウム)、GdOS:Tb(III);LaOS:Tb(III);LaOBr:Tb(III);LaOBr:Tm(III);Ba(FCl)2:Eu(II);SrB4O7:Eu(ホウ酸ストロンチウムユーロピウム);BaSi2O5:Pb(ケイ酸バリウム);(CeBa)MgAl11O19(アルミン酸セリウムバリウム-マグネシウム);ユーロピウムで活性化されたピロリン酸ストロンチウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、ケイ素およびハフニウムのリン酸塩;および、活性化されていないまたは活性化されたタンタル酸イットリウムは、短波長UV光を放出しうる。好ましい蛍光体は、短波長UV光(例えば300〜50nm)を放出するものである。
【0127】
中性子のモニターには、高い中性子断面積を有する化合物が好ましい変換剤である。ホウ素の中性子断面は、中性子のエネルギーが増加するにしたがって減少する。天然のホウ素化合物は約20%のホウ素−10を有する。アミンはホウ酸と錯体を形成する。ホウ酸(BA)は、無毒で安価である。変換剤としてホウ素およびリチウム、とくにホウ素を含む造形品は、熱中性子のモニターおよびホウ素中性子捕捉療法に用いられうる。高い中性子断面積を有し、電子およびガンマ線を放出するガドリニウムなどの元素もまた中性子の変換剤として用いられうる。
【0128】
なめらかな表面を有する任意の固体基板は放射線感受性成形製剤のコーティングおよび製膜に用いられうるが、好ましい基板は柔軟で透明なプラスチックフィルム、並びに天然の(セルロース)および合成の(例えばタイベック(Tyvek)(登録商標)などのスパンボンドポリオレフィン)紙である。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、セロファンおよびセルロースのエステルなどのプラスチックフィルムもまた透明基板として用いられうる。アルミニウムなどの金属ホイルもまた用いられうる。
【0129】
最も好ましい基板は、ポリエチレンテレフタレートの5〜300ミクロンの厚さのフィルムである。図1の自立フィルム、プラークおよびブロックは基板を必要としない。
【0130】
放射線感受性層と基板フィルムの強い接着が必要である。コーティングがベースフィルムに接着していない場合、通常は砕ける。コーティングの基板への接着を高めるために、ポリエステルベースのフィルムなどの基板および放射線感受性コーティングに接着する性能を有するサブコーティング、アンダーコートまたは下層として知られる薄いコーティングがポリエステルフィルムの上に塗布される。下層の性質/組成は、バインダの性質/組成に依存する。
【0131】
放射線感受性材料を含む層は、バリア材料でコートされてもよい。バリア層の目的は、例えば化学物質の接着層からの拡散、並びに酸素、水、および水蒸気を含む環境からの拡散のような望ましくない化学物質の拡散を最小にすること、並びにUV光などの他の望ましくない放射線の影響も最小にすることである。バリア層は、バインダとして用いられ本明細書中に列挙されるポリマーなどのポリマー層であってもよい。バリア層は、UV吸収剤などの添加剤を含んでもよい。ここに挙げたこれらすべての層の間に、層間のよい接着を得るためにプライム層を塗布してもよい。
【0132】
166、344、4BCMU、PC、TCなどのジアセチレン並びにTCおよびPCのエステルおよびアミドを、例えば、ポリブチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート、ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリエチレン/ビニルアセテート、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリステアリン酸ビニル、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・ブチルアクリレート・カーボンモノオキシド共重合体、ポリ(o−クレジルグリシジルエーテル)−ホルムアルデヒド、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン−コ−ビニルアセテート−コ−カーボンモノオキシド、ポリヘキサメチレンアジペート、およびポリヘキサメチレンビニレンなどの溶融ポリマーに溶解した。溶融混合物は、薄膜またはプラークにプレスされて、その後室温まで冷却された。ポリマーおよびジアセチレンに依存して、不透明、半透明、並びに透明の、成形された目的物が得られた。薄膜、プラーク、およびブロックなどの溶融体をキャストした造形品にX線を照射した。ほとんどの造形品は照射によって発色した。ジアセチレンのかわりに他の放射線感受性材料が用いられうる。ほとんどの溶融加工が可能なポリマーは、アセチレンの他の放射線感受性材料として用いられうる。溶融加工のための好ましいポリマーは、半透明または透明の造形品を提供するものである。最も好ましくは、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニルおよびこれらのコポリマーである。このような溶融加工技術によって作製された造形物の品質保持期間は、本明細書中に列挙した品質保持期間延長剤を加えることで延長することができる。
【0133】
市販のポリマーは、しばしば、性能を向上させるために改質されプラスチック添加剤と混合される。可塑剤は、おもなポリマー添加剤である。可塑剤のおもな用途は、ポリ塩化ビニル(PVC)およびそのコポリマーである。可塑剤は、材料(通常プラスチックまたはエラストマー)に、その柔軟性、加工性、または非必須性を向上させるために組み込まれる物質または材料である。一般に、可塑剤は高沸点の有機液体(溶媒)または場合によっては有機固体である。一般的な可塑剤は、フタル酸塩、グリコールエーテル、オレイン酸塩、アジピン酸塩、グルタレート、リン酸塩、安息香酸塩、塩素化パラフィン、レシンオレイン酸塩、アゼライン酸塩、炭化水素油、セバシン酸塩、クエン酸塩、イソ酪酸塩、スルホンアミド、エポキシ、ケトン、アビエチン酸塩、トリメリット酸塩およびポリエステルなどのポリマーである(Sears,J.Kern,Darby,Joseph R.,The Encylopedia of Plasticzers,John Wiley&Sons,New York,1982およびO’Brien,Joseph,Modern Plastics Encyclopedia,1986〜1987,“Plasticizer”,Page 166〜168,McGraw Hill,1986.)。PVCなどのポリマーのマイクロ粒子および可塑剤の混合物を一般にプラスチゾルと表す。
【0134】
多くの溶媒および可塑剤もまた、適切なジアセチレンの結晶化または放射線感受性色素
の溶解のために、並びにブロックの透明度およびバインダの可塑化の温度を調節するために、製剤に加えられうる。溶媒および可塑剤の使用は、放射線感受性材料、バインダ、および添加剤の性質並びに濃度などの、いくつかの因子に依存する。本発明者らは、ブトキシ−2−エチルステアレート、ブチロラクトン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、ジメチルカーボネート、ジオクチルフタレート、エチレングリコールジメチルエーテル、サリチル酸エチル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレンカーボネート、トリアセチン、ベンジルエーテル、ドデシル−1,2−メチルピロリドン、エトキシエチルアセテート、エチレングリコールジアセテート、トリクロロ酢酸エチル、メチルピロリドン、メチルスルホキシド、異なった分子量のポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、p-ジオキサン、テトラヒドロフランおよびp−キシレンなどのいくつかの高沸点溶媒の使用を探索した。好ましい溶媒は、高沸点の溶媒、可塑剤、および液体オリゴマーである。最も好ましい溶媒は、ジオクチルフタレート、エチレングリコールジアセテートおよびサリチル酸エチルである。
【0135】
プラスチゾルの使用は多くの利点を提供する。例えば、プラスチゾルは蒸発させる必要のある溶媒をなくす。プラスチゾルは、部材が溶融加工によって作製される場合、加工温度を下げる。プラスチゾルはまた、プラスチック/バインダをより柔らかく柔軟にする。プラスチゾルはまた、照射の温度の影響を最小にするために役立つ。
【0136】
約0.5〜2ミクロンのトップコート(スーパーコートとしても知られている)は通常コーティングを磨耗に対して耐性にするために塗布される。トップコートは、多くの他の添加剤、例えば(1)変換剤;ヨウ化鉛およびヨウ化ナトリウムなど;高エネルギー放射線を照射されるとより低エネルギーの放射線を生成し、それによって像を強調することができる;および(2)UV吸収剤を含みうる。放射線感受性コート、サブコート、およびトップコート中のポリマーは異なっていてもよいが、変換剤材料およびUV吸収剤は用いられるバインダに依存して、同じであっても異なっていてもよい。フィルム線量計はウェット加工を必要としないので、任意の引っかき抵抗性ポリマーもまたトップコートとして用いられうる。保護コートもまた、帯電防止化合物、引っかき抵抗性および反射防止材料などの他の添加剤を含んでもよい。このトップコートは、堅い保護コートを提供するポリウレタン、ポリエポキシ、ポリシロキサン、およびポリアクリルであってもよい。
【0137】
前記線量計は、数か月から数年の品質保持期間を有しなければならない。放射線モニタリング装置または放射線感受性部材が、周囲条件で1か月間の保存の後、0.05以下の光学濃度を示すことが最も好ましい。ジアセチレンおよび本明細書中に記載される他の放射線感受性材料から作製される、X線のモニターのための部材/フィルム/コーティングの品質保持期間は、おもにUV放射線および熱活性に依存する。ジアセチレンの熱活性およびUV活性を制御する方法についての報告はない。本発明者らは、例えば熱安定剤、(励起状態の)クエンチャー、スカベンジャー、抗酸化剤、(活性種の)阻害剤、酸素スカベンジャー、(活性種の)防止剤、UV安定剤、UV反射剤、およびUV吸収剤などの品質保持期間延長剤をジアセチレンの製剤に加えることによってジアセチレンの品質保持期間が延長されうることを発見した。本明細書中で、熱安定剤、(活性種の)クエンチャー、スカベンジャー(ラジカルおよび酸素スカベンジャーなど)、抗酸化剤、(活性種の)阻害剤、(活性種の)防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤などの化合物が併せてまたは個々に、品質保持期間延長剤として表される。必要な品質保持期間延長剤の量および性質は、ジアセチレン、ジアセチレンの結晶化に用いられる溶媒またはバインダの性質に依存する。品質保持期間延長剤を用いることで、4BCMUなどの多くのジアセチレンの品質保持期間を、室温で数週間から数か月およびほぼ1年まで、並びに太陽光の下では数時間から2,3日まで、延長することができた。
【0138】
必要な品質保持期間延長剤の濃度は、放射線感受性材料の性質、コーティング溶液の作製に用いられる溶媒および非溶媒、分散または溶融混合物、および用いられるバインダなど、多くの因子に依存する。品質保持期間延長剤は、全固体の0.1〜約75%で用いられうる。5〜50%の濃度が非常に効果的であることが明らかになった。好ましい範囲は、品質保持期間延長剤が全固体の5〜30重量%である。
【0139】
ジアセチレンの重合は、ラジカル、ラジカルイオン、およびカルベンなどの活性種による重合開始に起因する。ある種の不純物もまた、しばしばジアセチレンの重合を開始させうる。ジアセチレンの重合を開始させる活性種の生成が、生成が停止された場合、または生成しても破壊された場合、品質保持期間が延長されうる。本発明者らは、フェノール、ポリフェノールおよび置換フェノール、ヒドロキノンおよびそのアルキルヒドロキノン誘導体(メチルヒドロキノンなど)、カテコール、ピロガロールおよびこれらの誘導体(ジ−t−ブチルカテコールなど)、ベンゾキノン、クロラニル、塩化鉄、塩化銅、硫黄、およびラジカル阻害剤(ジフェニルピクリルヒドラジン、ガルバノキシルおよびトリフェニルフェルダジルなど)、芳香族アミン(ジフェニルアミンなど)の重合阻害剤が品質保持期間の延長に用いられうることを見出した。
【0140】
本発明者らはまた、一般に抗酸化剤、酸素スカベンジャー、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、活性種のクエンチャー、金属不安定化剤など、およびこれらの混合物として知られる熱安定剤が、ジアセチレンの品質保持期間の延長に非常に効果的であることを発見した。硫化アルキル、亜リン酸アルキル、芳香族アミン、アルキルフェノール、金属ジチオホスフェート、金属ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジンがジアセチレンの品質保持期間を延長するために用いられうる。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビスフェノリック、チオビスフェノール、有機亜リン酸塩およびチオエステルが、線量計の抗酸化剤として用いられうる。
【0141】
本発明者らはまた、芳香族アミン、とくに第2級芳香族アミン、および立体障害フェノールが良いH−供与体であり、ジアセチレンの品質保持期間延長剤として用いられうることを発見した。このようなH−供与体の例として、m−キシリレンジアミン、ジフェニルアミン、l,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、l,3−ビス(3−アミノメチルフェニル−メチルアミノ)−2−プロパノール、1,3−ビス(N,N−N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンおよびN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンが挙げられる。
【0142】
亜リン酸塩または亜ホスホン酸塩などの三価リンの有機化合物、およびスルフィドなどの硫黄の有機化合物、ジアルキルジチオカルバメートおよびジチオホスフェートの金属塩は、広く用いられるヒドロペルオキシド分解剤である。硫黄ベースのヒドロペルオキシド分解剤の中でも、3,3−チオジプロピオン酸のエステルは重要な役割を果たす。反応の原理は、はじめに生成したスルホキシドのスルフェン酸への熱分解である。スルフェン酸から始まる、後のさまざまな酸化反応はさらなるヒドロペルオキシド分解に貢献し、変換の後の段階では無機スルフェン酸および硫黄酸化物が生成する。生成するすべての酸種は化学量論を超えてROOHを分解しうる。これらのヒドロペルオキシド分解剤もまた、線量計の品質保持期間延長剤として用いられうる。
【0143】
ベンゾフラノンおよびその誘導体のようなラジカルスカベンジャーもまた品質保持期間延長剤として用いられうる。
【0144】
過酸化物の生成を最小にするために、酸素の拡散を最小にすることが重要である。酸素の透過を最小にする高分子材料は、バインダおよび保護コートまたは保護フィルムとして
用いられうる。酸素はまた、アミン、フェノール、キノン、アルデヒド、カルボヒドラジン、不飽和有機化合物および還元剤などの酸素スカベンジャーによって除かれうる。酸素スカベンジャーの例として:アルデヒド、ヒドロキシアルキルヒドロキシルアミン、N,N,−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)ヒドロキシルアミン、1−アミノピロリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、アントロン、エラグ酸、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒドおよびフルフラールなどのアルデヒド、ヒドロキノン、2,3−ジメチル−1,4−ヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン、カテコール、4−tert−ブチルカテコール、ピロガロール、1,2,4−ヒドロキシベンゼン、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、2−アミノフェノール、1,4−ナフトキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトヒドロキノン、1,2−ナフトヒドロキノン、2,6−ナフトキノン、ナフトプルプリン、5,8−ジヒドロ−1,4−ナフトキノン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,4−ナフトキノン、3,4−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、4−アミノ−1,2−ナフトキノン、2−アミノ−1,4−ナフトキノン、シクロヘキシルアミン、2−アミノ−2−メチル−l−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルフォリン、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、およびジメチルプロピルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、モルフォリン、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ジメチルスルホキシド、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルチオジプロピオネート、ビタミンE(アルファ−トコフェロール)、オクタデシル−3,5,−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、タンニン、および、塩化テトラエチルアンモニウムなどの第4級塩化アンモニウムが挙げられる。本発明者らはこのような酸素スカベンジャーが線量計の品質保持期間の向上に効果的であることを発見した。
【0145】
クエンチャーとして知られる材料は、励起された基からエネルギーを吸収し、これらを、いわば緩和し、それによって有害なフリーラジカルとしての発展を遅らせる。広く用いられるUV安定剤群であるHALS(ヒンダードアミン光安定剤)は部分的にクエンチャーとしてはたらくと考えられている。HALSなどのUV安定剤による抗酸化剤作用は、UV劣化耐性を達成するために広く用いられる。UV吸収剤と異なり、この群の化合物は、材料のUV光照射によって生成した過酸化物およびフリーラジカルと反応し、これらを捕捉し、それによってその有害な影響を中和する。本発明者らは、HALSもまた、品質保持期間の延長に効果的であることを見出した。
【0146】
ポリ[4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)−アルト−1,4−ブタンジオール/ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール/ポリカプロラクトン]、ポリ[N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン−コ−2,4−ジクロロ−6−モルフォリノ−1,3,5−トリア、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドードおよび5,5−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などのUV安定剤またはクエンチャーもまた線量計に用いられうる。
【0147】
紫外放射線は波長で3つの群に分けられる。UVC(290nm以下)、UVB(290〜320nm)、およびUVA(320〜400nm)である。ジアセチレンは、置換基に依存して、程度の差はあっても、すべてのUV光を照射されたとき発色する。前記ジアセチレンおよびそれから作製される部材は、UV吸収剤およびUV安定剤を前記部材に
組み込むことによって、またはUV吸収ポリマーを有するコートを塗布することによって、保護されうる。ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリウレタンおよびポリ(ビス−フェノールカルボネート)のような芳香族ポリマーは、よいUV吸収剤である。UV吸収性能は、適当なUV吸収剤を加えることでさらに高められ、広げられうる。例えばベンゾフェノン(ヒドロキシベンゾフェノン)、ベンゾトリアゾール(ヒドロキシベンゾトリアゾール)、安息香酸塩、オキサニリドおよびサリチル酸塩などはUV吸収剤として広く用いられている。本発明者らは、UV吸収ポリマー、UV吸収剤およびUV安定剤の使用が品質保持期間の向上に非常に効果的であることを発見した。微粉末化した(ミクロンからサブミクロンのサイズまで)酸化チタン、酸化鉄、および酸化亜鉛もまたUV吸収剤として用いられうる。本発明者らは、例えば酸化亜鉛、酸化スズおよび二酸化チタンのナノ粒子が非常に効果的なUV吸収剤であることを発見した。
【0148】
UV吸収剤の例として、ベンズアミド、ベンゾフェノンヒドラゾン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾトリアゾール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、ビスフェノールA、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール)、クマリン、p−メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、p−アミノ安息香酸、その誘導体、ナフタレンジカルボン酸のジエステルおよび/またはポリエステル、ケイ皮酸塩(オクチルメトキシケイ皮酸塩およびシノキサート)、サリチル酸塩(サリチル酸メチル)、アントラニル酸メンチルなどのアントラニル酸塩、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸、トリオレイン酸ジガロイル、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、クペロン、サリチル酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシケイ皮酸、スルホサリチル酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フルオレセイン、ファストブルーBB、フェノチアジン、4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、ポリ[2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート]、2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,2−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−フェニル−5−ベンズイミダゾールスルホン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5−オクチルペンチルベンゾトリアゾール)、3,4−ジアミノベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、ジフェニルアミン、ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、没食子酸ラウリル、フェニルヒドロキノン、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール、サリチルアニリド、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、トリメチルヒドロキノン、および1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
【0149】
UV吸収剤およびUV安定剤はジアセチレンを含む活性層に加えられてもよく、活性層はUV吸収剤およびUV安定剤でコートされてもよい。UV吸収剤およびUV安定剤の混
合物を用いてもよい。
【0150】
線量計の品質保持期間は、バインダ、バリア層、およびトップ層にUV反射剤を組み込むことで延長されうる。線量計は、多重UV反射層を有することによってもUV光から保護されうる。本発明者らは、平らなホログラフィックおよびダイクロイックフィルム並びに偏光板もまた、UV光の影響の低減に有効であることを発見した。本発明者らは、これらのアプローチがUV光の影響を最小にするのに有効であることを発見した。ある種の無機材料をスパッタコーティングすることによって表面をUV反射性にすることができる。UV反射層は、有機ケイ素化合物(米国特許第6,486,338号)およびコレステリック液晶ポリマー(米国特許第5,827,449号および第6,159,454号)から得ることができる。a)キラル基としてジアンヒドロヘキシトール誘導体を含む液晶オルガノシロキサン、およびb)対応する液晶オルガノシロキサンと同じらせん性を有するキラルモノマー添加剤を含む、400nm以下のピッチのコレステリック相を有する液晶材料が用いられうる。米国特許第6,498,683号および第6,531,230号に記載される多層ポリマーフィルム並びに他の光学体もまたUV光からの保護を提供する。
【0151】
多くの化合物が蛍光性である。これらは良いUV吸収剤である。これらはUV光を吸収しより長波長の光を放出する。線量計の品質保持期間を延長するためのUV吸収剤として用いられうる、多数の蛍光化合物がある;クマリン、ローダミン、アクリジン、クメストロール、フルオレセイン、ピレン、スチルベン、レゾルフィン、エオシン、キサンタン、ナフタルイミド、およびポリメチンは、線量計をUV/太陽光から保護するために用いられうる蛍光化合物のおもな群である。蛍光プローブとして広く知られる以下の化合物が用いられうる:2−ヒドロキシビフェニル、フルラム、フルオレセインアミン、アントラセン、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸四ナトリウム塩、フェナントレン、アントラセン−9−カルボン酸、フタルジアルデヒド、フタルジアルデヒド、2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテート、1−エチルナフタレン、9−フルオレニルメチルカルバゼート、トリフェニレン、ナフタレン、フェナントリジン、クマリン、ジヒドロフルオレセインジアセテート、p−ターフェニル、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸、1−アルギニン−4−メチル−7−クマリニルアミド塩酸、トリオキサレン、p−クォーターフェニル、5(6)−カルボキシフルオレセインジアセテートN−スクシンイミジルエステル、フルオレセインジアセテート、5(6)−カルボキシフルオレセインジアセテート、5(6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテートn−スクシンイミジルエステル、2−エチルナフタレン、2,5−ジフェニルオキサゾール、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩、5−メトキシソラレン、3,3−ジメチル−2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−オクタデシルインドリウムパークロレート、4−メチルウンベリフェリルパルミテート、4−メチルウンベリフェリルエナンテート、4−メチルウンベリフェリルオレアート、4−メチルウンベリフェリルアセテート、4−メチルウンベリフェリルアセテート、4−メチルウンベリフェリルブチレート、4−メチルウンベリフェリル−n−アセチル−アルファ−d−ノイラミン酸ナトリウム塩二水和物、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−グルクロニド三水和物、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−n−アセチル−ベータ−d−グルコサミニド二水和物、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−d−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−d−ガラクトピラノシド、8−ノナノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、6−(p−トルイジノ)−2−ナフタレンスルホン酸、6−(p−トルイジノ)−2−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、4−メチルウンベリフェリルホスフェート二ナトリウム塩、2−ナフトール、7−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−キノロン、塩酸キニーネ二水和物、カルセインブルー、N−スクシンイミジル−7−ヒドロキシ−4−クマリニルアセテート、塩酸4−メチルウンベリフェリル−4−グアニジノベンゾエート一水和物、7−エトキシクマリン、4−ヘプタデシルウンベリフェロン、グルタリル−l−フェニルアラニン−4−メチル−7−クマリニルアミド、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリル−ベータ−d−グルコピラノシド、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシド、ウンベリフェロン、l−アラニン−4−メチル−7−クマリニルアミドトリフルオロアセテート、3,4−ジメチルウンベリフェロン、塩酸l−ロイシン−4−メチル−7−クマリニルアミド、N−スクシンイミジル−7−ヒドロキシ−4−メチル−3−クマリニルアセテート、ホタルルシフェリンナトリウム塩、ホタルルシフェリン、トランス、トランス−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、4−ベンジルアミノ−7−ニトロベンゾフラザン、4−ブロモメチル−7−メトキシクマリン、1,4−ジアセトキシ−2,3−ジシアノベンゼン、7−メトキシ−4−メチルクマリン、7−エトキシ−4−メチルクマリン、3−カルボキシウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシド、1−ナフトール、2−(1−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール、1,5−ジアミノナフタレン、4−メチルウンベリフェリル−N,N’−ジアセチル−ベータ−d−キトビオシド一水和物、3−カルボキシウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシドN−スクシンイミジルエステル、3−(2−ベンゾチアゾリル)ウンベリフェロン、3−フェニルウンベリフェリルホスフェートヘミピリジン塩、7−エトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、2−(4,4,4−トリフルオロアセトアセチル)ナフタレン、7−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、4−メチルウンベリフェリルサルフェートカリウム塩、ダンシルカダベリン、9,10−ビス−N−(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノメチルアントラセンビス−塩化亜鉛錯体、11−(5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルアミノ)ウンデカン酸、ソラレン、ダンシルヒドラジン、N−(ヨードアセトアミノエチル)−1−ナフチルアミン−5−スルホン酸、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、ダンシル−1−チロシル−1−バリル−グリシントリフルオロアセテート、3−(ダンシルアミノ)フェニルボロン酸、ビスベンズイミド、3−フェニルウンベリフェロン、4−メチルウンベリフェリル−N,N’,N”−トリアセチル−ベータ−キトトリオシド、ビスベンズイミド、7−メトキシクマリン、1−メチルピレン、2−4−(ヨードアセトアミド)フェニル−6−メチルベンゾチアゾール、キサントキシン、6,7−ジエトキシ−4−メチルクマリン、2,3−ジアミノナフタレン、1−ピレン酪酸、4,4’−ジイソチオシアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム塩、6−(1−ピレニル)ヘキサン酸、1−ピレンドデカン酸、1−ピレンデカン酸、7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸、ピレン−1−カルボン酸、4−ジメチルアミノ−1−ナフチルイソチオシアネート、硫酸キニーネ二水和物、6−メトキシ−1−(3−スルホプロピル)キノリニウム一水和物、ピレン−1−スルホン酸ナトリウム塩、ピレン−1−カルボキシアルデヒド、3−ブロモメチル−7−メトキシ−1,4−ベンゾオキサジン−2−オン、キニーネ無水物、2−アミノ−5−(6−カルボキシインドール−2−イル)フェノール−N,N,O−四酢酸カリウム塩、4−(6−メチル−2−ベンゾチアゾリル)フェニルイソシアネート、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−d−マンノピラノシド、3−(2−ベンゾオキサゾリル)ウンベリフェリルオクタノエート、2−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル−6−メトキシ−8−アミノキノリン−N,N,N’,N’−四酢酸テトラキス(アセトキシメチルエステル)、コレステリルピレン−l−カルボキシレート、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン−4’−プロピオン酸、6,7−ジメトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、3−(2−ベンゾオキサゾリル)ウンベリフェリルアセテート、n−ヘキサデシルピレン−1−スルホンアミド、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン、7−アミノ−4−メチル−3−クマリニル酢酸、ピレン、フタロシアニン、フタロシアニン、7−アミノ−4−メチルクマリン、4−ブロモメチル−6,7−ジメトキシクマリン、ジヒドロエチジウム、1−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウムブロミド、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン−4’−トリメチルアンモニウムトシレート、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルフルオリド、1,8−ジアミノナフタレン、8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸二ナトリウム塩、1,4−ビス(5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、N−スクシンイミジル−7−メトキシクマリン−3−カルボキシレート、7−ヒドロキシ−n−オクタデシルクマリン−3−カルボキサミド、4−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−オクタデシルピリジニウムパークロレート、4−クロロ−7−スルホベンゾフラザンアンモニウム塩、3−オクタデカノイルウンベリフェロン、7−メトキシクマリン−3−カルボン酸、7−ヒドロキシ−4−メチル−3−クマリニル酢酸、6,7−ジヒドロキシ−4−メチルクマリン、アントラセン−9−カルボニルシアニド、ヒドロキシスチルバミジン−ビス−メタンスルホネート、N,N−ジメチル−6−プロピオニル−2−ナフチルアミン、フラ−2、N,N−ジメチル−6−ドデカノイル−2−ナフチルアミン、6,8−ジアセトオキシピレン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−オクタデシルベンゾチアゾリウムパークロレート、7−ヒドロキシ−4−クマリニル酢酸、6,7−ジヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、8−ヘキサデカノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ドデカノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、コレステリルアントラセン−9−カルボキシレート、5,6−ベンゾクマリン−3−カルボニルクロリド、3−アセチルウンベリフェロン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルクロリド、8−アニリノナフタレン−1−スルホン酸アンモニウム塩、4−メチルウンベリフェロン(ベータ)、11−(ピレン−1−スルホニルアミノ)ウンデカン酸、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨージド、モノクロロビマン、トランス−4’−ヒドラジノ−2−スチルバゾールジヒドロクロリド、3,6,8−トリス(ジメチルアミノスルホニル)−1−ピレニルホスフェートピリジン塩、1−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルヘキサトリエン、9,10−アントラセンジイル−ビス−(メチレン)−ジマロン酸、12−(アントラセン−9−カルボニルオキシ)ステアリン酸、8−オレオイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−オクタノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ブチリルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ブチリルオキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、12−オキソ−12−(1−ピレニル)ドデカン酸、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェロン、6,7−ジヒドロキシ−4−クマリニル酢酸、3,3’−ジオクチルチアカルボシアニンヨージド、7−オクタデシルオキシ−3−3−(3−スルホプロピル)−2−ベンゾチアゾリリオクマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−オクタデシルオキシクマリン、3−メチル−2−7−オクタデシルオキシ−3−クマリニルベンゾチアゾリウムメトサルフェート、8−テトラデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、ジブロモビマン、8−アセトキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、n−(7−ジメチルアミノ−4−メチル−3−クマリニル)マレイミド、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3,4−ジカルボン酸、モノブロモビマン、N−(l−ロイシル)−2−アミノアクリドン、N−(s−ベンジル−l−システイニル)−2−アミノアクリドン、n−(n−スクシニル−1−フェニルアラニル)−2−アミノアクリドン、n−(n−グルタリル−1−フェニルアラニル)−2−アミノアクリドン、n−(n−トシル−l−フェニルアラニル)−2−アミノアクリドン、ベンゾフルオ
ランテン、ペリレン、オクタデシル−7−ヒドロキシクマリン−3−カルボキシレート、8−ヘキサデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ドデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、7−アセトキシ−1−メチルキノリニウムヨージド、8−オクタデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−デシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−メトキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、1−(4−ニトロフェニル)−6−フェニルヘキサトリエン、6,8−ジヒドロキシピレン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩、7−ヒドロキシ−1−メチルキノリニウムヨージド、プロトポルフィリン、プロトポルフィリン−ジメチルエステル、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボン酸、N−スクシンイミジル−3−(2−ベンゾチアゾリル)ウンベリフェロン−4−カルボキシレート、3−(5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル)−4−シアノウンベリフェリルホスフェートピリジン塩、チオフラビン、10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムベタイン、10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムベタイン、3−(5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル)−4−シアノウンベリフェロン、N−スクシンイミジル−7−ヒドロキシクマリン−3−カルボキシレート、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボヒドラジド、8−(ベータ−d−ガラクトピラノシルオキシ)−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、アクチノマイシン、2−4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾアゾリウムパークロレート、8−アミノピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、2−アミノアクリドン、フェナジン、ルシファーイエロージカリウム塩、ルシファーイエロージリチウム塩、ルシファーイエロージリチウム塩、N−スクシンイミジル−7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボキシレート、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボニルアジド、8−イソチオシアネートピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、9−(2−カルボキシ−2−シアンビニル)−ジュロリジン−N−スクシンイミジルエステル、9−(2,2−ジシアンビニル)−ジュロリジン、9−(2−カルボキシ−2−シアンビニル)−ジュロリジン、4−ニトロ−4’−(オクタデシルアミノ)スチルベン、4−(ジオクタデシルアミノ)−4’−ニトロスチルベン、プロフラビンヘミサルフェート二水和物、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン−4−カルボン酸、ベンゾニンヒドリン一水和物、8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、N,N’−ジメチル−9,9’−ビアクリジニウムジニトレート、N,N’−ジメチル−9,9’−ビアクリジニウムジニトレート、トリス(4,7−ジフェニルフェナントロリン)ルテニウム(ii)ビス−錯体、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−メチルキノリニウムヨージド、11−(7−ニトロベンゾフラザン−4−イルアミノ)ウンデカン酸、6−(7−ニトロベンゾフラザン−4−イルアミノ)ヘキサン酸、12−(7−ニトロベンゾフラザン−4−イルアミノ)ドデカン酸、レゾルフィン−ベータ−d−ガラクトピラノシド、レゾルフィンホスフェートピリジン塩、レゾルフィン−ベータ−d−グルコピラノシド、4−フルオロ−7−ニトロベンゾフラザン、1,3’−ジエチル−4,2’−キノリルチアシアニンヨージド、塩酸ドキソルビシン、4−(4−ジペンタデシルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、2−(4−ジエチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、ジミジウムブロミド、エチジウムブロミド溶液、エチジウムブロミド、エチジウムブロミド、エチジウムブロミド、フルオレセイン−5(6)−カルボキサミドカプロン酸、2’,7’−ビス(2−カルボキシエチル)−5(6)−カルボキシフルオレセイン、プロピジウムヨージド、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、3,3’−ジヘプチルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジペンチルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジオクタデシルオキサカルボシアニンパークロレート、3,3’−ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジブチルオキサカルボシアニンヨージド、4−(4−ジエチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、フルオレセインイソチオシアネートデキストラン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、フルオレセインナトリウム、フルオレセイン(遊離酸)、フルオレセイン−5(6)−カルボキサミドカプロン酸n−スクシンイミジルエステル、フルオレセインイソチオシアネートデキストラン、フルオレセインイソチオシアネートデキストラン、5−カルボキシ−フルオレセインn−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセインN−スクシンイミジルエステル、フルオレセイン−5−チオセミカルバジド、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン、エチジウムホモダイマー、10−ドデシルアクリジンオレンジブロミド、10−オクタデシルアクリジンオレンジブロミド、カルセイン二ナトリウム塩、10−ノニルアクリジンオレンジブロミド、フルオレセイン酢酸第二水銀、ローダミン110クロリド、N’−オクタデシルフルオレセイン−5−チオ尿素、フルオ3、5(6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセイン、3−(2−ベンゾオキサゾリル)−4−シアノウンベリフェロン、9−(2−カルボキシフェニル)−6−ジメチルアミノ−3−キサンテノンサルフェート、ローダミン116パークロレート、エオシン、ローダミン5−3(4)−(アミノカルボニル)−4(3)−カルボキシベンゼンスルホニルフルオリド、ローダミンB 5−3(4)−(アミノカルボニル)−4(3)−カルボキシベンゼンスルホニルフルオリド、エオシンイエローイッシュ、5,10,15,20−テトラキス(1−メチル−4−ピリジニオ)ポルフィリンテトラ(トルエン−4−スルホネート)、エオシン5−イソチオシアネート、ローダミン19パークロレート、ローダミン6G、ローダミン6Gテトラフルオロボレート、ローダミン800、3,3’−ジオクタデシルチアカルボシアニンパークロレート、レゾルフィンブチレート、レゾルフィンアセテート、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンBイソチオシアネート、ローダミンBイソチオシアネート、6−カルボキシ−テトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−テトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、6−カルボキシ−テトラメチルローダミン、5−カルボキシ−テトラメチルローダミン、n−オクタデカノイル−ナイルブルー、ストレプトアビジン−B−フィコエリトリン、ビオチン−B−フィコエリトリン、1,1’−ジオクチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、3,3’−ジヘキシルチアカルボシアニンヨージド、1,1’−ジヘキシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、ベンガルローズb、テトラメチルローダミンメチルエステルパークロレート、1,1’−ジプロピル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、1,1’−ジペンチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、1,1’−ジブチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、テトラメチルローダミンエチルエステルパークロレート、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−オクタデシルピリジニウムパークロレート、1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンパークロレート、ローダミンB、ローダミンBオクタデシルエステルパークロレート、メロシアニン540、3,3’−ジプロピルチアカルボシアニンヨージド、スルホローダミンb 5−酸フルオリド、3,3’−ジペンチルチアカルボシアニンヨージド、1,1’−ジエチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、3,3’−ジブチルチアカルボシアニンヨージド、スルホローダミンB 2−酸フルオリド、3,3’−ジヘプチルチアカルボシアニンヨージド、スルホローダミンB酸クロリド、スルホローダミンBモノナトリウム塩、ローダミン101、5(6)−カルボキシ−x−ローダミン、スルホローダミンQ 5−酸フルオリド、6−カルボキシ−X−ローダミン−N−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−x−ローダミン−n−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−X−ローダミン(5−ROX)、6−カルボキシ−X−ローダミン(6−Rox)、5(6)−カルボキシ−X−ローダミンN−スクシンイミジルエステル、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨージド、スルホローダミンQ 2−酸フルオリド、スルホローダミン101酸クロリド、スルホローダミン101遊離酸、ナフトフルオレセイン、ビオチン−c−フィコシアニン、クレジルバイオレットパークロレート、5(6)−カルボキシナフトフルオレセインN−スクシンイミジルエステル、オクタエチルポルフィン、アズールA、フルオレセントレッド646、フルオレセントレッド646、フルオレセントレッド646、1,
1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドジカルボシアニンパークロレート、メソテトラフェニルポルフィリン、アズールB、3,3’−ジプロピルチアジカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルチアジカルボシアニンヨージド、4,5−ベンゾ−5’−(n−スクシンイミジル−オキシカルボニル−メチル)−1’−エチル−3,3,3’,3’−テトラメチル−1−(4−スルホブチル)インドジカルボシアニン、4,5−ベンゾ−5’−(インドアセトアミノメチル)−1’,3,3,3’,3’−ペンタメチル−l−(4−スルホブチル)インドジカルボシアニン、1,1’−ビス(4−スルホブチル)−11−(4−イソチオシアネートフェニルチオ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−10,12−トリメチレンインドトリカルボシアニンモノナトリウム塩、3,3’−ジエチルオキサトリカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルチアトリカルボシアニンヨージド、2,5−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール、無水1−ナフチル酢酸、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホンアミド、無水ジフェニルマレイン酸、カルバゾール−9−カルボニルクロリド、n−(3−フルオランチル)マレイミド、n−4−(2−ベンズイミダゾリル)フェニルマレイミド、6−ヒドロキシ−2−ナフチルジスルフィド、2−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル−6−メトキシ−8−アミノキノリン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸テトラカリウム塩、1,2−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、1,2−フェニレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、2−(4−マレイミドフェニル)−6−メチルベンゾチアゾール、メソ−1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、N−(l−ピレニル)マレイミド、1,2−ジアセチルベンゼン、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールジヒドロクロリド、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−1−フコピラノシド、イソニコチンヒドラジド、4−ヒドロキシベンズヒドラジド、9−クロロメチル−アントラセン、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−ラクトシド、ジフェニルボリン無水物、4,5−メチレンジオキシ−1,2−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、マロンアミド、Z−グリシル−l−プロリン−4−メチル−7−クマリニルアミド、1,3−シクロヘキサンジオン、8−エトキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルホスフェート二ナトリウム塩、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルエナンテート、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルオレアート、7−フルオロベンゾフラザン−4−スルホン酸アンモニウム塩、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルブチレート、2−メトキシ−2,4−ジフェニル−3(2h)−フラノン、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルアセテート、8−メトキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、8−アセトオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、4−ヒドラジノ−7−ニトロベンゾフラザン、5(6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテート、4’,5’−ビスN,N−ジ(カルボキシメチル)アミノメチルフルオレセイン、2’,7’−ビス(2−カルボキシエチル)−5(6)−カルボキシフルオレセインテトラキス(アセトメチル)エステル、フルオレセインジラウレート、フルオレセインジブチレート、フルオレセインジアセテート−5−イソチオシアネート、5(6)−カルボキシエオシンジアセテート、5−マレイミド−エオシン、ナフトフルオレセインジアセテート、5(6)−カルボキシナフトフルオレセインジアセテートN−スクシンイミジルエステル、4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチルベン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、2−(4−ビフェニリル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−トリル)ベンゾオキサゾール、2−(4−ビフェニリル)−6−フェニルベンゾオキサゾール、4−ヒドロキシクマリンおよび2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール。
【0152】
同様に、蛍光増白剤は、また通常は光増白剤として知られているが、線量計の品質保持期間を延長するためのUV吸収剤として用いられうる。スチルベンおよびベンゾオキサゾールの誘導体などの蛍光増白剤は、みかけの明るさまたは白さを向上させるために紫外放射線を可視光に変換することによって、可視領域のみかけの光反射率を向上させるために布地または紙に加えられる物質である。色指数(C.I.)が、C.I.24、C.I.31、C.I.33、C.I.71、C.I.85、C.I.113、C.I.140、C.I.184、C.I.199、C.I.199、C.I.199:1、C.I.199:1、C.I.199:1、C.I.220、C.I.220、C.I.351、C.I.367、C.I.378の蛍光増白剤が用いられうる。アミノ−アニリノ−トリアジルスチルベン、4−4’−ジアミノスチルベン−2−2’−ジスルホン酸、4−4’−ジニトロスチルベン−2−2’−ジスルホン酸、2,2’−(2,5−チオフェンジイルジイル)ビス[5−tert−ブチルベンゾオキサゾール]、および2,5−チオフェンジイルジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)などの蛍光増白剤は、線量計の品質保持期間を延長するために用いられうる。
【0153】
ジアセチレン/線量計はまた、フォトクロミック材料を、UV吸収剤のかわりにまたはUV吸収剤とともに加えることによってUVおよび太陽光から保護されうる。フォトクロミック化合物は紫外光を照射されると色が変化する。これらの化合物は室内で無色であり、屋外で強い色に変化する。これらの化合物は、直射日光で数秒のうちに強く着色し、室内で数分のうちに無色透明に戻る。空がかなり曇った日でも、約80%のUV光はなお雲を通り、フォトクロミック化合物は非常に有意に変色する。フォトクロミック化合物は、塗料、インク、および、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン酢酸セルロースブチレート、ポリ酢酸ビニル、ウレタン、アクリルのようなプラスチックなど、さまざなな形態で使用され、ほとんどの有機溶媒に可溶である。
【0154】
フォトクロミック化合物は、フォトクロミック特性をもつスピロオキサジン、スピロピラン、およびクロメンの一般的な群から選択されうる。非常に多数のこの型のフォトクロミック色素が文献に記載され、市販されている。中でも、有用なスピロオキサジン色素は、特に米国特許第3,562,172号、第4,634,767号、第4,637,698号、第4,720,547号、第4,756,973号、第4,785,097号、第4,792,224号、第4,816,584号、第4,831,142号、第4,909,963号、第4,931,219号、第4,936,995号、第4,986,934号、第5,114,621号、第5,139,707号、第5,233,038号、第4,215,010号、第4,342,668号、第4,699,473号、第4,851,530号、第4,913,544号、第5,171,636号、第5,180,524号、第5,166,345号、並びに欧州特許出願公開第0,508,219号、第0,232,295号および第0,171,909号に記載される。有用なクロメンは、中でも、米国特許第567,605号、第4,889,413号、第4,931,221号、第5,200,116号、第5,066,818号、第5,244,602号、第5,238,981号、第5,106,998号、第4,980,089号、第5,130,058号、および欧州特許出願公開第0,562,915号に記載される。有用なスピロピランはまた、以下の全般的な研究に記載されている:(1)Photochromism,G.Brown,Editor,Techniques of Chemistry,Wiley Interscience,Vol.III,1971,Chapter
III.page 45〜294,R.C.Bertelson、および、(2)Photochromism,Molecules&Systems,Edited by H.Durr,H.Bouas−Laurent,Elsevier 1990,Chapter8:Spiropyrans,page 314〜455,R.Guglielmetti。すべてのこれらの特許および文献の教示は参照として本明細書に組み込まれる。本発明者らは、カタログ番号33672(無色から青色)、カタログ番号7106(
無色から赤色)、カタログ番号0265(無色から紫色)、カタログ番号749(無色からピンク色)およびカタログ番号5−3(無色から黄色)として入手可能なフォトクロミック材料の混合物の薄いコーティングを調製した。すべてPPG インダストリーズ、ワン PPG プレイス、ピッツバーグ、ペンシルバニア州 15272(PPG Industries,One PPG Place,Pittsburgh,PA 15272)から入手した。フォトクロミック材料の混合物は、ポリエステルフィルム上のポリメチルメタクリレートおよびポリ酢酸ビニル中にコートされた。コーティングはほぼ無色であり、太陽光にさらされると濃い色/黒色に変化する。線量計がフォトクロミック層でコートされている場合、太陽光下での線量計の品質保持期間は延長された。
【0155】
品質保持期間を延長するために、344、166、および4BCMUなどのいくつかのジアセチレンに、以下の品質保持期間延長剤を加えた。これらのほとんどは品質保持期間の延長に効果的であった。いくつかの選択された品質保持期間延長剤は、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオールおよび5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールのアルキル並びに芳香族ウレタン誘導体を含む、50以上の異なったジアセチレンに加えられた。しばしば、品質保持期間延長剤の混合物をジアセチレンの混合物に用いた。
【0156】
【表4−1】
【0157】
【表4−2】
【0158】
市販のほとんどの線量計は、放射線の温度に正または負の効果を有する(Standards on Dosimetry for Radiation Processing,ASTM International,100 Barr Harbor Drive, West Conshohochen,PA,2002)。これらのうちいくつかは、高温でより高い線量を示し、逆に他のものはより低い線量を示す。線量計のユーザーは冬のアラスカにいることも、夏のアリゾナにいることもありうるので、放射線の温度に原則的に影響を受けない色変化線量計が必要である。この型の線量計は、使用しないか、照射温度が既知の場合、温度の補正が必要である。したがって、ある線量に対する発色は、正常な動作、保管または使用温度、例えばマイナス40℃〜プラス70℃、で一定であることが重要である。
【0159】
本発明者らは、例えば、低分子量ポリエステル、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンなどのオリゴマー、アミド、エステル、ウレタン、ビス(エチルヘキシル)セバケートなどの可塑剤および溶媒などの、一定の添加剤を加えることによって、バインダの堅さを変化させることによって、ジアセチレンの共結晶化によって、ジアセチレンの適当な混合物の使用によって、並びに適当なジアセチレンの結晶化方法を用いることによって、照射温度の影響を最小にし、なくすことさえできることを発見した。
【0160】
線量計のうちいくつかは液体を用い、一方、他のものは保存の温度の最大限度を有する(Standards on Dosimetry for Radiation Processing,ASTM International,l00 Barr Harbor Drive,West Conshohochen,PA,2002)。例えば、GAFクロミックフィルム線量計(ニュージャージー州ウェインのインターナショナル
スペシャリティ プロダクツ(International Specialty Products,Wayne,NJ)製)は、50〜60℃以下に保たなければならない。したがって、大気中の最大および最小の温度に影響されない線量計が必要である。個人用線量計の型によっては、洗浄機および/または乾燥機の中の温度が90〜100度の高温に達しうる場所で洗浄されうる。したがって、大気中の保存または予想される高い温度への偶発的な加熱に影響されない線量計が必要である。本発明者らは、100℃を超える融点を有するジアセチレンなどの放射線感受性材料を選択することによって、線量計を洗浄耐性にしうることを発見した。
【0161】
個人用線量計の場合、線量計は周辺光によって数日から数か月、直射日光下で少なくとも一定時間、例えば数時間から数日、影響されてはならず、どんな光の下でもなお、読め
るままでなければならない。線量計のほとんどは、直射日光に影響される。線量計は、不透明材料で保護されなければ、太陽光にさらされたときに色/線量を発色する。したがって、簡単に読めるように、数日から数か月間周辺光に影響されない、または数時間から数日間直射日光に影響されない線量計が必要である。本発明者らは、UVおよび太陽光の影響は、UV吸収ポリマーを活性層に用いてUV吸収剤を添加することによって、および、UV光を吸収もしくは反射するコートまたは層を塗布することによって、UVおよび太陽光の影響を最小にしうることを発見した。
【0162】
また、線量計は大気中の湿度、または通常の洗浄などにおける偶発的な高湿度に影響されてはならない。フィルム線量計のいくつかは、バインダまたは放射線感受性材料としてゼラチンを用いており、湿度および水に影響される。したがって、数か月間、通常の大気中の湿度に影響されず、高温で非常に高い湿度に偶発的に短時間さらされることに影響されない線量計が必要である。湿度の影響は、湿度の透過性がより低い、水に不溶のバインダおよびポリマーバインダを用いることによって最小にできる。
【0163】
例えばニュージャージー州ウェイン(Wayne,NJ)のISP製の線量計のガフクロミック(Gafchromic)フィルムなど、線量計のいくつかは、色のすべてを瞬時に発色しない。これらの線量計は、ある程度の照射後効果を示す。色の残りの10〜20%を発色するのに約1日かかる。ほぼ瞬時に色のすべてを発色する線量計が望ましい。本発明者らは、本明細書に記載した線量計は、ほぼ瞬時に、すなわち1秒〜数分以下のうちに色のすべてを発色することを見出した。
【0164】
本発明者らは、溶媒、可塑剤、および一定の固体添加剤の存在が品質保持期間の延長を助け、放射線の温度の影響を最小にすることをを発見した。コーティングのほとんどは、溶液の蒸発によって得られ、したがって一定の厚さに限られる。ポリ塩化ビニル (PVC)およびそのコポリマーなどの特定のポリマーは、一般に可塑剤として知られる溶媒を保持する性能を有する。可塑剤および添加剤の存在は、放射線感度の向上、照射温度の影響の最小化、並びに品質保持期間の延長を促す。多くのポリマーは、溶融または一定温度以上に加熱されたとき、安定性が比較的低い。PVCはその1つである。PVCは脱塩化水素反応する。多くの熱安定剤は、スズ、亜鉛、およびバリウムなどの有機金属化合物であり、塩酸を中和するために加えられる。
【0165】
PVCのような溶融ポリマーの加工を容易にするために、ホワイトスピリット、ポリ(エチレングリコール)モノラウレート、アルキルフェノール、低分子量パラフィンなどの粘度低下剤が添加される。熱安定剤および粘度低下剤は、ジアセチレンの結晶化並びに性質に影響する。
【0166】
ジアセチレンは固体状態においてのみ重合することが知られている。ジアセチレンは、不活性な形態に結晶化するか、または特定のバインダと固溶体を形成する場合がある。ジアセチレンが放射線活性相、すなわち照射によって重合する相に結晶化するように、結晶化の際に、ジアセチレンの結晶化に適当な条件が用いられなければならない。ジアセチレンの適当な結晶化は、適当な溶媒、熱安定剤、添加剤、バインダを用いることによって、並びに結晶化およびアニーリングに適当な方法を用いることによって達成されうる。例えば、ジアセチレンは、ある溶媒からは活性相に結晶化しうるが、他の溶媒からは不活性相に結晶化しうる。同様に、ジアセチレンは低い温度から高い温度に、十分に長い時間をかけてアニーリングすることによって活性になり、活性相に結晶化しうるが、逆も同様である。
【0167】
ジアセチレンの結晶化は、通常微細分散粒子である核剤を加えることによって向上されうる。同様の核剤は、その高い分子量のためにポリマーバインダの結晶化の防止を助けう
る。
【0168】
ジアセチレンは、重合すると青色、紫色、菫色、赤色、橙色、および黄色などのさまざまな色を発色する。2以上のジアセチレンの混合によって、または2以上のジアセチレンの共結晶化によって、適当な色の部材/線量計が達成されうる。
【0169】
あるジアセチレンは放射線の温度に対して正の係数を示し、一方、他のものは負の係数を示す。照射の温度の影響は、放射線の温度に対して適当な正または負の係数を有する2以上のジアセチレンを選択することによって、最小にする、あるいはなくすことができる。例えば、放射線の温度の影響は、一方が放射線の温度に対して正の係数を有し、他方が放射線の温度に対して負の係数を有する2つの青色ジアセチレンを混合することによって最小にすることができる。
【0170】
放射線感受性部材は、固定されない限り活性なままであり、線量を積算し続けうる。露光/結果を記録するためには、線量計を固定する必要がある。線量計は、例えばジアセチレンが不活性になり、不活性相に結晶化し、またはバインダと固溶体を形成し、もしくは他の添加剤と溶解物を形成し、活性な形態に再結晶化しなくなるまで部材/線量計を加熱することによって固定されうる。例えば、ジアセチレン166は約90℃以上に加熱することによって固定され、多くのジアセチレンは適当なバインダと、例えば4BCMUおよび344はポリ酢酸ビニル並びにポリメチルメタクリレートと、固溶体を形成することによって固定されうる。ジアセチレンを反応および/または溶解させるトリヒドロキシ安息香酸のような多くの添加剤もまた、線量計を固定するために用いられうる。
【0171】
本発明者らは、例えば、低分子量ポリエステル、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンなどのオリゴマー、アミド、エステル、ウレタン、ビス(エチルヘキシル)セバケートなどの可塑剤および溶媒などの一定の化合物は、344並びに4BCMUなどのジアセチレンに添加されたとき、放射線の温度の係数を最小にすることを発見した。
【0172】
本発明者らは、溶媒およびバインダからジアセチレンを結晶化する適当な工程を用いることによって放射線の温度の影響を最小にできることを発見した。用いられる工程は、ジアセチレン、溶媒/可塑剤、添加剤、およびバインダの性質並びに濃度に依存する。
【0173】
ジアセチレンは無色の化合物である。したがって、線量計のはじめの色は、適当な色素または顔料を加えることによって変化させることができる。例えば、青色ジアセチレンでは、黄色色素の添加は、照射によるジアセチレンの重合に伴って黄色→黄緑色→緑色→青緑色→青色の変化を与える。同様に、赤色ジアセチレンでは、青色色素の添加は、照射によるジアセチレンの重合に伴って青色→紫/菫色→赤色の変化を与える。
【0174】
部材/線量計に用いられるジアセチレンは、通常、プラスチックフィルムのコーティングまたは層を有する。このようなコーティングまたは層は、通常光を反射し、そのため分光光度計もしくは光学線量計での色の観察および色密度の読み取りが難しくなる。光の反射は、市販の反射防止、アンチグレアコーティングまたは偏光フィルムを用いることによって最小にすることができる。
【0175】
部材および線量計の異なった層の接着は、部材/線量計の層での適当な接着剤の使用または接着促進剤の使用によって向上されうる。接着剤は粘着剤であってもホットメルト型であってもよい。
【0176】
線量計バッジは、さまざまな方法で組み合わされうる。これらを作製するために用いられる工程は、バッジのデザイン、部材および他の構成物の性質、並びに使用目的に依存す
る。このような工程の段階を図19に示す。
【0177】
部材およびバッジの形状は、用途に依存する。部材およびバッジの形状は四角形、長方形、三角形、六角形など(角が丸いまたは丸くない)であってよく、または楕円形もしくは円形であってよい。多くのデザインおよび形式を有してもよい。例えば、テープ、包帯、パッチ、ステッカー、フィルム、プラーク、およびロッドの形態であってもよい。
【0178】
適当なバインダ、品質保持期間延長剤、および他の添加剤を選択することによって、ジアセチレンはポリマーバインダと固溶体を形成するようにされうる。ジアセチレンは、固溶体の形態では重合しない。したがって、固溶体から作製される部材およびバッジは原則的に永久に保存されうる。ジアセチレンは、上述の部材をジアセチレンの融点もしくは溶解温度を超えるまたは付近の温度でアニーリングすることによって活性にされうる。この条件下で、ジアセチレンは溶融/溶解し、分離した相を形成する。冷却によって、相分離したジアセチレンは結晶化する。結晶性ジアセチレンの活性型は、放射線によって重合しうる。本発明者らは、多くのジアセチレンは特定のバインダ/可塑剤と固溶体を形成し、高温で相分離し、アニーリングまたは冷却によって活性相に結晶化しうることを見出した。
【0179】
部材の作製のために、バインダ溶液または溶融ポリマーの使用は必要ではない。活性層は、UVまたは可視光で重合しうるモノマー、オリゴマー、およびこれらの混合物を用いて調製されうる。紫外線硬化インクおよびコーティング製剤は市販されている。
【0180】
多くのモノマーおよびオリゴマーが、ポリマーを作製するために用いられる。例えば、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、スチレン、アクリル酸、ブタンジオール1,4−ジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオール−1,6−ジメタクリレート、メチルスチレン−アルファペンタエリルスリオールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、4−(ビニルオキシ)ブチルベンゾエート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]スクシネート、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル]、トリス[4−(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、4−(ビニルオキシ)ブチルステアレート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[[4−[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]、ビス[[4−[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]、およびビス[4−(ビニルオキシ)ブチル](4−メチル−1,3−フェニレン)などの、オレフィン、ビニル、アクリレート、およびメタクリレートのような、不飽和のモノマーが挙げられる。過酸化物および紫外光を用いてラジカル重合並びにカチオン重合によって重合しうる、これらの、および他のモノマー並びにオリゴマーは、“Chemistry and Technology of UV and EB Formulations for Coatings,Inks,&Paints”by Oldring,P.K.T.,Ed.;SITA Technology:Londonに記載されている。多数の市販のモノマー、オリゴマー、およびポリマーが、例えばウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチケミカル(Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)などのカタログに列挙されている。
【0181】
ジアセチレンのような放射線感受性材料を、ブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレートおよびジアリルジグリコールカーボネートなどのモノマーおよびオリゴマーに溶解し、過酸化ベンゾイルなどの触媒およびN,N−ジメチル−p−トルイジンなどの促進剤を用いて、並びにベンゾインメチルエーテルを触媒として用いて長波長UV光で重合した。得られた造形品にX線を照射した。造形品は発色した。好ましいモノマーおよびオリゴマーは、オレフィン、ビニル並びにアクリレートである。最も好ましいモノマーおよびオリゴマーは、メチルメタクリレート並びにポリエチレングリコールジメタクリレートである。
【0182】
5,7−ジヨード−3−ブトキシ−6−フルオロンなどの光開始剤を用いた場合、可視光で重合が達成されうる。
【0183】
人は約1000ラドのガンマ線などの高エネルギー放射線を受けると、死亡はほぼ確実である。個人用線量計としては、例えば0〜10、0〜50、0〜100、0〜200、0〜500および0〜1,000ラドのような非常に広い線量範囲にわたる線量を、単に放射線感受性部材によって発色された色を色参照チャートと比較するだけで、例えば全線量の10〜20%などの妥当な正確さで読むことができなければならない。色参照チャートは、異なる線量を照射された放射線感受性部材の色を、色参照チャートと一致させることによって作製されうる。色参照チャートは、線量範囲にわたって、放射線感受性部材によって発色される色と一致する色の階調を有する必要がある。参照チャート上の色は、非常に明るい色(無色)から非常に暗い色まで連続的であっても段階的であってもよい。線量、その線量においてとるべき行動および/または放射線の影響は、色参照チャートに印刷されうる。個人用線量計としては、部材によって発色される色からその使用者に注意または警告をしなければならない。参照チャートの色は、例えば白熱灯、蛍光、太陽光、および影などのすべての通常の光条件の下で、部材の色と一致しなければならない。これは、用いたジアセチレンのスペクトルに一致するまで、色参照チャートに用いる適当な色素および顔料を混合することによって達成されうる。
【0184】
線量値の表示のほかに、例えばその線量の影響およびとるべき行動を表示してもよい。
【0185】
必要に応じて、線量は分光光度計、または光学線量計を用いて正確にモニターされうる。異なる線量の高エネルギー放射線を部材に照射して、線量に対する光学濃度をプロットすることによって検量線が作成されうる。装置は、線量とともにバーコードおよび他の情報を読むように設計されうる。
【0186】
線量計は、線量計を同定するバーコード、線量計の情報を保存する、および読むための磁気ストリップなどの、多くの安全機能および便利機能を有してもよい。線量計は、ホログラムおよびUV蛍光コーティングのような、多くの他の安全機能を有してもよい。
【0187】
線量計は、手引き、線量計の使用方法および読み方、放射線の影響並びに放射線被爆の場合にとるべき行動、販売者、バッチナンバー、ユーザーグループのロゴ、緊急または疑問の場合の連絡先、ユーザーの名前または名前を書くスペースなどの基本的な情報が印刷されていてもよい。
【0188】
任意の、およびすべての光条件の下で、照射された部材の色と一致する色参照チャートを市販のインクから作製することは非常に難しい。しかしながら、X線またはUV光で、色参照チャートを作製するための所望の色に重合する、同じジアセチレンを用いて色参照チャートを作製することが可能である。この方法によって作製された色参照チャートは、任意の、およびすべての光条件の下で、部材の色と一致する。本発明者らは、ジアセチレ
ン344の薄いコーティングから作製された一連の部材を、254nmのUV光で異なる時間露光することによって色参照チャートを作製した。この色参照チャートは、ナトリウム線および水銀線のようないくつかの一般的でない光を含む、任意の、およびすべての光条件の下で、異なる線量のX線を照射されたジアセチレン344の部材の色に一致した。部材を作製するために用いられるジアセチレン(部材ジアセチレンと表す)と同じ色(すなわち、ほとんど同じ可視スペクトルをもつ)に重合する、色参照チャートを作製するためのジアセチレン(色参照チャートジアセチレンと表す)は、(1)X線に対して、有意に(例えば100倍)感度が低くなければならない、および(2)熱活性が最小限でなければならない。このようなジアセチレンから作製された色参照チャートは、X線で発色しないが、任意の、およびすべての光条件の下で照射された部材の色と一致する。
【0189】
本発明者らはまた、色参照チャートを完全になくすことが可能であることを発見した。この概念の実行可能性を示すために、254nmのUV光を強度を増加させて円形のマスクを通して部材に露光した。強度が増加する円形の点が得られた(図22a)。部材の残りは露光されなかった。次に、部材全体にUV光および100keVのX線が異なる時間照射され、部材が撮影された。写真のイメージを図22bから22gに示す。図22bから22gの写真に示したように、放射線量が増加すると、あらかじめ露光された点は消え始めた。
【0190】
この結果は、点のかわりに数字が、モニターされるX線の線量に比例するUV露光強度で、マスクを通してUVランプで、またはUVレーザーで印刷される場合、数字が消えることを示す。線量は、最も低い読める数字から読みとることができる。このような部材の模式的な図を図23に示す。モニターされる線量は、はじめにマスクまたはレーザーで印刷されうる(例えば図23a)。その後部材は、UV/太陽光から保護するためにUV吸収フィルムでカバーされうる。部材にX線が照射されたとき、部材(数字を含む)は発色しはじめる。この点で、UVに露光された数字と周囲の部材との間にほとんど差がない。この点/線量で、UVに露光された数字は、部材の残りとほぼ同じ色強度であり、数字は(例えば、図23bに模式的に示すように)ほとんど見えなくなる。より高い線量では、対応する他の数字が(例えば、図23cに示すように)ほとんど見えなくなる。この型の線量計は自動読み取りであり、色参照チャートが必要ないためサイズがより小さい。
【0191】
線量計を、強い太陽光、UVまたはレーザー光の下から外すことができる。したがって、線量計は、好ましくは、UVインジケータを有することによって、このような偶発的なまたは故意の不正使用を表示する。UVインジケータは、インジケータがUV/太陽光に過剰曝露されると変色する。線量計は、性能に不利な影響を与えないように所定の温度を超えないように想定された場合、温度インジケータがなければならない。したがって、線量計は、好ましくは温度インジケータがなければならない。線量計は、通常、数か月から数年の品質保持期間を有する。線量計は、その有用な寿命がいつ期限切れになるかを示す、通常時間−温度インジケータとして知られる品質保持期間インジケータがなければならない。したがって、線量計は、通常時間−温度インジケータまたは品質保持期間インジケータがなければならない。線量計部材の一部は、薄いアルミニウムホイルで覆われるか、または2枚の薄いアルミニウムホイルの間にはさまれうる。UV光で不正使用された場合、ホイルが外され、線量が読まれうる。
【0192】
線量計を作製するために用いられるジアセチレンおよび多くの他の放射線感受性系は、2つの望ましくない条件、(1)例えば太陽光からのUV露光、および(2)例えば室温での保存などの、熱アニーリングの下で重合/発色する。UV/太陽光インジケータが必要である。部材がUV/太陽光に過剰曝露された場合、色の変化によって表示される。UV/太陽光に敏感で、X線の線量範囲に敏感でない部材の設計は、UV/太陽光インジケータとして用いられうる。室温での保存による発色は、品質保持期間を決定する。期限切
れの日付は線量計に印刷されるが、そのユーザーによって室温に(〜25℃)保存される保証はない。長期間高い温度で保存されると、発色がX線の照射として間違って解釈されうる。したがって、品質保持期間切れを表示する時間−温度インジケータが必要である。時間−温度インジケータは、保存の時間および温度の積算値を決定する。
【0193】
太陽光および保存による発色は、偽陽性と表される。長期間のUV露光(不透明なカバーで保護しないかぎり)および周囲条件下での保存(冷凍庫に保存しないかぎり)の影響をなくすことはできない。したがって、品質保持期間およびUV露光のモニターが必要である。
【0194】
例えば腐敗性物の品質保持期間のモニターのための時間−温度インジケータは、文献(例えば米国特許第5,053,339号)に報告されている。例えばロイコクリスタルバイオレットなどの多くの色素は、UV/太陽光に露光されたとき、色を変化/発色する。ポリ塩化ビニルなどのハロポリマー中のペンタメトキシトリフェニルメタンのような、いくつかの製剤は、UV/太陽光および時間−温度の曝露を受けると色を変化する。
【0195】
「expired」(例えば図28に模式的に示すような)、または単に「X」などのメッセージが、偽陽性インジケータを有する部材に印刷されうる。メッセージは無色(淡黄色)であり、原則的に見えない。メッセージは、(1)部材の品質保持期間が切れている、(2)例えば60℃などの高温に長時間過熱された、および/または(3)UV/太陽光に過剰曝露されたとき、赤色などの色で現れはじめる。これら3つの効果のすべては、放射線の照射と間違って解釈されうる色を部材に発色させる。また、この偽陽性インジケータは部材の上面よりも側面に印刷されてもよい。
【0196】
上に列挙した製剤、装置、および工程に使用できる、可能な変化および選択は:前記部材はくさび形の形態であってよい:適当なジアセチレンまたはジアセチレンの混合物を用いて、例えば青色、紫色、赤色、黄色などの特定の色が得られうる;適当なUV吸収剤またはその混合物を選択することによって、UV/太陽光からのよりよい保護が得られうる;適当なバインダ/ポリマーおよび溶媒/可塑剤を選択することによって、品質保持期間を延長し放射線の温度の影響を最小にすることができる;安定剤、(活性種の)クエンチャー、スカベンジャー(例えばラジカルおよび酸素スカベンジャー)、抗酸化剤、(活性種の)阻害剤、(活性種の)防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤などの適当な品質保持期間延長剤を選択することによって、品質保持期間が数か月から数年に延長されうる;部材/コーティングの厚さおよびジアセチレンの濃度を増加させることによってより低い線量がモニターされうる;部材を溶融およびアニーリングすることによって、適当な結晶の形態が得られうる;前記部材は基板に溶液からコーティングすることによって、または溶融体からキャスティング/モールディングすることによって作製されうる;前記線量計は、同じまたは異なる色の1以上の部材を用いてもよい;前記部材は前記基板に直接コートされてもよく、カットされて前記基板に搭載されてもよい;前記線量計は、さまざまな2以上の、例えばUV/太陽光、温度などの不正使用インジケータおよび品質保持期間インジケータを有してもよい;前記色参照チャートは、必要に応じて「継続/中止」型の1色のもの、または多数のバーであっても、段階的な色の変化であってもよい;前記色参照チャートの前記部材との一致は、スペクトルが重なるまで適当な色素または顔料を混合することによって得られうる;第一層/不透明層およびトップ層/クリア層の厚さは変化しうる;線量計は柔軟であっても非常に硬くてもよい;前記線量計のサイズは、非常に小さいものから非常に大きいものまでであってよい;線量計は、太陽光から保護するための開閉可能な不透明な層を有してもよい;部材はまた、本発明者らの米国仮特許出願第60/403,599号(出願日2002年8月14日)の教示によって作製されてもよく、前記線量計の作製に用いられてもよい;前記線量計は、TLD線量計に用いられる
ものと同様のホルダーを有してもよい;前記線量計は、特定の放射線におよびエネルギー対して選択的であってよく、適当な金属フィルターを用いることによって得ることができる;前記線量計は密閉した不透明な容器に入っていてもよい;機器および装置は部材の色/OD並びに他の情報、例えばバーコードおよび磁気ストリップ、必要に応じて保存、転送、および印刷されたデータなどを読めるように設計されうる。
【0197】
好ましい線量計は、仕様の基準であるべきである。材料は、無毒であり合理的な価格でなければならない。バッジの基板は、好ましくは不透明であるべきであり、壊れやすい、または柔軟すぎてはならない。トップ層は、部材が読まれうるように、および太陽光から保護されるように、透明で5〜200ミクロンの厚さでなければならない。線量計/バッジの厚さは、好ましくは約25〜2,500ミクロンの間であるべきである。線量計のサイズは、数ミリメートルの長さのストリップから任意の大きいサイズまでであってよい。好ましいサイズは、クレジットカードのサイズである。カードは、ポケットに入れて持ち運びできるように、非常に軽くなければならない。品質保持期間は、1週間から数年、好ましくは1〜2年であるべきである。前記線量計は、光、湿度、および温度などの周囲条件に影響されてはならない。前記線量計は、対象の線量が色参照チャートまたは分光光度計もしくは光学線量計などの電子機器から見積もられうるように、合理的な色を発色しなければならない。前記線量計は、X線および中性子、高エネルギー電子、陽子など、すべての種類の放射線をモニターするべきである。
【0198】
本明細書に記載の放射線感受性装置は、他の同様な装置に対して、多くの大きな利点を提供する。前記放射線感受性装置は、最も簡単な装置であり、単にプラスチック片である。前記放射線感受性装置は高価ではない。放射線源は、3次元で画像化されうる。前記放射線感受性装置は組織等価であり、したがって補正は必要ではない。前記放射線感受性装置は自動発色およびインスタント装置である。イメージは、結果を記録するために固定されうる。前記放射線感受性装置は、個人および地域用線量計として用いられうる。前記放射線感受性装置は高感度である。前記放射線感受性装置は、〜1mGyの非常に低い線量をモニターすることができる。線量は、分光光度計/比色計を用いて5%より高い精度で決定されうる。前記放射線感受性装置は、広い線量範囲(1mGy〜100,000Gy)にわたって使用されうる。前記装置の発色は、原則的にエネルギーおよび線量速度に独立である。前記装置は、UV、X線、ガンマ線、陽子、電子、アルファ粒子および中性子などの、すべての種類の高エネルギー放射線をモニターする。前記装置は、有毒な化学物質を使用しない。前記装置は、温度および湿度などの周囲条件に影響されない。
【実施例】
【0199】
実施例
以下の実施例は、特許請求の発明の実施の例示的なものであり、本発明の範囲および思想を制限するものと解されるべきではない。モノマーおよびオリゴマーのラジカル重合またはカチオン重合に関するすべての実験は、無酸素環境下(すなわち窒素雰囲気下)で実施した。
【0200】
実施例1.ジアセチレン−344、4,6−デカジイン−1,10−ビス(n−ブチルウレタン)、R−C≡C−C≡C−R、ここでR=(CH2)3OCONH(CH2)4H、の合成
スターラーおよびさらに漏斗を設置した5,000mlの丸底フラスコに、400g(2.4モル)の4,6−デカジイン−1,10−ジオールおよび1300mlの無水THFを加えた。ジオールを溶解するために混合物を撹拌した。溶液に、1gのジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)および10mlのトリエチルアミンを触媒として加えた。混合物に、500g(5.05モル)のn−ブチルイソシアネートを45分間以上で加えた。反応温度を氷水で〜15℃に保った。混合物をさらに1時間撹拌し、その後温度
を50℃に上げた。反応を約30分間進行させ、その後過剰の未反応のイソシアネートを壊すために40mlのメタノールを加えた。その後内容物を冷凍庫に一晩入れて−20℃に冷却した。ジアセチレン−344をろ過して冷却し、はじめに酢酸エチルから再結晶し、次にイソプロパノールから再結晶した。再結晶後の収量は810g(93%)であった。結晶を真空下で乾燥した。融点112℃。
【0201】
本明細書に記載された手順を用いて、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールの多くのウレタン誘導体を、脂肪族および芳香族のイソシアネートを用いて合成した。
【0202】
実施例2.パイロットプラントコーティングのためのジアセチレン−344のエマルジョンの調製。ポリ酢酸ビニル(PVA)溶液の調製:
10リットルのステンレスのビーカーに、2250gのエタノールおよび750gの脱イオン水を加えて混合した。混合物に、1,000gのPVA(アルドリッチケミカル製、分子量500,000)を、2,3時間激しく撹拌して加えた。その後混合物を定期的に撹拌した。高粘度の澄明な溶液が得られた。
【0203】
エマルジョンの調製:
5リットルのステンレスのビーカーに、1350gの上記のPVAのストック溶液および335gのジアセチレン−344を撹拌して加えた。混合物を〜80℃に加熱した。溶液を、機械的な撹拌器で撹拌しながらゆっくりと3ガロンの液体窒素に注いだ。機械的な撹拌器によって固化したエマルジョンを粉末にした。
【0204】
固体エマルジョンを4つのアルミニウム(60×30×3cm3)トレイに広げ、一晩室温に温めた。トレイを穴の開いたプラスチックフィルムで覆った。次いでエマルジョンを広口のプラスチックジャーに移し、3:1のエタノール:水で希釈し、〜900cPの粘度にした。
【0205】
実施例3.パイロットプラントコーティング:
インディアナ州ブルーミントンのヤスイセイキ(Yasui Seiki Co,Bloomington,IN.)製のパイロットコーティング装置(型番 NRC3−300)を用いて線量計フィルムを調製した。透明で均質なコーティングを得るために、溶液の粘度、コーティングバーのサイズ、コーティング/フィルム速度、コーティング厚さ、および乾燥速度/温度などのコーティング条件を変化させた。その後、同じ条件の下で背面にフィルムをコートした。PVA/ジアセチレン−344コートを、エタノール:水(7:3)溶液中のポリ酢酸ビニルとともに、#60シリンダーを用いてはじめに片面に、次に他の面にトップコートした。均質にコートされたドライフィルムが得られるまで、これらの、および他のパラメータを変化させた。以下は、ヤスイセイキ社の装置でジアセチレン−344の透明なフィルムを作製するために用いた最適化されたパラメータである。
【0206】
【表5】
【0207】
実施例4.線量の効果:
前記線量計に、異なった線量の10MeVのX線、1.25MeVのガンマ線、9MeVの電子および20MeVの中性子を照射した。線量速度およびエネルギーは一定に保った。25ラドで、無色の線量計は非常にかすかな、しかし目に見える青色を発色した。青色は線量の増加に従って強くなった。分光光度計および光学線量計を用いて発色をモニターした。図20に、線量に対するODのプロットを示す。本明細書に報告したODの値は数回の読み取りの平均である。このプロットを、未知の線量を決定するための検量線として用いた。
【0208】
実施例5.X線の線量の効果:
前記線量計に、10、25、50、100、200、400、500、600、800、1,000、2,000、3,000、4,000、および5,000ラドの異なった線量の10MeVのX線を照射した。300ラド/分の線量速度を一定に保った。2.5cm厚さのルーサイト(Lucite)(登録商標)をビルドアップとして用いた。線源から表面の距離は100cmであり、面のサイズは20×20cm2であった。線量計−344を用いると25ラドの線量は検出可能であった。
【0209】
異なった線量の10MeVのX線を照射した線量計の、典型的な一連の可視スペクトルを図21に示す。線量をそれぞれのスペクトルについて示す。分光光度計および高感度光学線量計を用いて、10ラドのX線までモニターすることができる。
【0210】
さらに、前記線量計に、10、25、50、100、200、400、500、600、800、1,000、2,000、3,000、4,000、および5,000ラドのコバルト60からの12.5MeVのガンマ線を照射した。一定の線量では、ガンマ線(1.25MeV)および10MeVのX線を照射した線量計の色は原則的に同じであった
。
【0211】
実施例6.電子の線量の効果:
前記線量計に、10、25、50、100、200、400、500、600、800、1,000、2,000、3,000、4,000および5,000ラドの異なった線量の9MeVの電子を照射した。270ラド/分の線量速度を一定に保った。2.0cm厚さのルーサイト(登録商標)をビルドアップとして用いた。線源から表面の距離は100cmであり、面のサイズは20×20cm2であった。
【0212】
電子を照射した線量計の可視スペクトルもまた、図21にX線について示したものと原則的に一致した。分光光度計および光学線量計を用いて、10ラドの電子までモニターすることができる。
【0213】
実施例7.中性子の線量の効果:
さらに、前記線量計に、25、50、100、200、500、1,000、2000および5000ラドの異なった線量の20MeVの高速中性子を照射した。線量速度は40ラド/分であった。一定の線量では、線量計の色は、X線および電子を照射したものに比べてわすかに薄かった。25ラドの高速中性子まで目視でモニターすることができる。
【0214】
実施例8.検量線のプロット:
図20に、X線、ガンマ線、電子、および中性子の線量に対するODのプロットを示す。中性子のODが低いのは、ジアセチレンが高速中性子に対してわずかに感度が低いことを意味する。図20を、未知の線量が照射された線量計の線量の決定に用いた。
【0215】
実施例9.ブラインド試料の試験:
図20の検量線のプロットを用いて線量計が線量を決定する性能を試験するために、いくつかの試料に異なった線量を照射した。ODを決定し、線量を図20のプロットから見積もった。結果を表3にまとめた。
【0216】
【表6】
【0217】
表3からわかるように、10%より高い精度で線量が決定されうる。
【0218】
実施例10.エネルギーの効果:
異なったX線源を用いて、X線のエネルギーの効果を調べた。前記線量計に、500ラドの(1)100KeVのX線、ヒューレットパッカード(Hewlett−Packard)製のファキシトロン(Faxitron)(登録商標)804を使用、(2)コバルト60からの1.25MeVガンマ線、AECL Theratron−780を使用
、および(3)10MeVのX線、Varian Clinac−18線形加速器、を照射した。照射した試料のODを決定した。表4に、異なったエネルギーのX線を照射した線量計−344のODを示す。全ての試料のODは、0.28±0.02であった。表4のデータは、発色は原則的にX線のエネルギーに独立であることを示している。
【0219】
【表7】
【0220】
実施例11.電子:
前記線量計に、500ラドの6、9、12、および15MeVの電子を照射した。線量速度(280±10ラド/分)をほぼ一定に保った。6、9、12、および15MeVの電子の線量速度は、それぞれ、290、270、290、270ラド/分であった。照射した試料のODを決定した。表5に、異なったエネルギーの電子についてのODを示す。ODは、0.29±0.01であった。表5のデータは、発色は電子のエネルギーに独立であることを示している。
【0221】
【表8】
【0222】
実施例12.中性子:
線量計−344に、500ラドの熱中性子を、ニュージャージー州、ピスカタウェイのラトガーズ大学(Rutgers University,Piscataway,NJ)において照射した。熱中性子を照射した試料のODは、高速中性子を照射したものよりもわずかに(〜5%)低かった。
【0223】
実施例13.線量速度の効果:
前記線量計に、500ラドの、(1)10MeVのX線を、200、300、400、および500ラド/分の線量速度で、並びに(2)9MeVの電子を、160、270、350、および430ラド/分の線量速度で照射した。照射した試料の光学濃度を決定した。電子およびX線についての結果を、それぞれ表6および表7に表す。電子およびX線を照射した試料のODは0.29±0.02であった。結果から、線量の効果がないことがわかった。
【0224】
【表9】
【0225】
【表10】
【0226】
実施例14.検出下限および感度:
前記線量計は、25ラドで、非常にかすかな、しかし目に見える青色を発色した。分光光度計または高感度デンシトメータを用いて、約10ラドの線量がモニターできる。目視での検出下限は〜20ラドである。
【0227】
実施例15.不確実性:
30メートルのフィルムから25の試料をランダムに選択し、500ラドの10MeVのX線を300ラド/分の線量速度で照射した。照射後、ODを決定した。22の試料はODが0.29±0.02であった。コーティングの不均一性による不確実性は〜7%である。3つの試料は、ODが0.32、0.26、および0.25であり、これはいくつかのパッチが不均一なコーティングであることを示す。
【0228】
実施例16.線量モニタリングの精度:
精度を決定するために、前記線量計に、400、450、500、550、および600ラドの10MeVのX線、並びに9MeVの電子、並びに1.25MeVのガンマ線を照射した。それぞれ隣に設置した場合、500ラドの試料は450ラドおよび550ラドの試料と区別できる。さらに、500ラドの試料は400ラドおよび600ラドの試料と、より簡単に区別できる。したがって、目視での不確実性は、10〜20%の間である。
【0229】
実施例17.照射後効果:
放射の間に生成するラジカルなどの活性種は、しばしば結晶性材料中にトラップされたままになり、なんらかの照射後効果を示す。照射後効果を決定するために、前記線量計に500ラドの100keVのX線を照射した。異なった照射後の時間で線量計の光学濃度をモニターした。照射1分後に最初の読み取りを行った。結果を表8に示す。結果から、経時によって線量計の光学濃度はほとんど増加しないことがわかった。
【0230】
【表11】
【0231】
表8の結果から、照射後効果は無視できることがわかった。
【0232】
実施例18.色合わせ参照チャートおよびバッジの発色:
色合わせ参照チャートをローカルプリンタを用いて調製した。異なった線量のX線を照射した線量計−344の小さいストリップを配置し(図13に示す)、カラースキャナを用いてスキャンした。参照チャートを白の光沢紙に印刷した。線量計部材−344(バッジ)の色合わせ参照チャートを図14に示す。
【0233】
実施例19.ジアセチレン−4BCMUの合成:
実施例1に記載された手順を用いて、ジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)およびトリエチルアミンを触媒として用いて、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールをn−ブチルイソシアネートアセテートと反応させることによって、ジアセチレン−4BCMUを合成した。
【0234】
実施例20.ジアセチレン−4BCMUのエマルジョン:
実施例2に記載された手順を用いて、ポリビニルアルコールをバインダとして用いてジアセチレン−4BCMUのエマルジョンを調製した。
【0235】
実施例21.ジアセチレン−4BCMUの部材:
実施例3の手順を用いてジアセチレン−4BCMUの部材を作製した。
【0236】
実施例22.ジアセチレン−4BCMUの部材の感度:
ジアセチレン−4BCMUの部材は、ジアセチレン−344(見積もられる品質保持期間は10年以上である)の部材に比べて、放射線に対してより高感度であるが、品質保持期間が短い(室温で約1年)。
【0237】
実施例23.ジアセチレン−344の照射温度の効果
ジアセチレン−344の部材に、−20℃および+50℃で、450ラドの100KeVのX線を照射した。−20℃で照射した試料の光学濃度の増加は0.22であり、一方、50℃で照射したものは0.03であった。
【0238】
実施例24.品質保持期間延長剤の効果
10mlの試験管に0.5gのジアセチレン−344、0.2gの表2に挙げたおよび他の多くの品質保持期間延長剤、並びに5gのエタノール:水(4:1 w:w)中の20%ポリ酢酸ビニルを加えた。混合物を沸騰近くまで加熱し、その後液体窒素中で冷却し、次いで室温に戻した。ジアセチレン−344の分散液をポリエステルフィルムにコートした。コートしたフィルムを室温、60℃、および70℃でアニールし、短波長UV(254nm)、長波長UV(〜350nm)および太陽光に露光した。以下は品質保持期間の延長に効果的であった:チオシアン酸アンモニウム、アジパミド、アジピン酸、N−アシチルグリシン、アセトンオキシム、アセトアニリド、3−アセトアミドフェノール、アセトアミド、1−アミノ−1−デオキシ−d−ソルビトール、4−tert−アミルフェ
ノール、安息香酸、ベンゾフェノン、ガンマ−ブチロラクトン、ベンゾトリアゾール、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2−エチルヘキシル)マレアート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ブロモベンズアルデヒド、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、ベンズアミド、ベンジル酸、ベンジルエーテル、4−(ベンジルオキシ)フェノール、2−ブタノンオキシム、tert−ブチルアセトアセテート、1−ブチルイミダゾール、ショウノウ、クエン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、マレイン酸ジエチル、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヨードベンゼン、ジフェニルアミン、1−ドデシル−2−ピロリジノン、4−(ジメチルアミノ)−ベンズアルデヒド、サリチル酸エチル、エチレンカーボネート、ミリスチン酸エチル、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、イミダゾール、レシチン、没食子酸ラウリル、メチル−3,5−ジニトロサリチル酸、1−メチル−2−ピロリジノン、メチル−3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、オクタデカンアミド、オキサミド、フェニルエーテル、n−フェニル−2−ナフチルアミン、4−フェニルフェノール、4−ピリジンアルドキシム、ピロガロール、レゾルシノール、レゾルシノール二酢酸、ルチン水和物、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、サリチルアニリド、トランス−スチルベン、スクシジイミド、タンニン酸、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、チオ尿素、1,2,4−トリアゾール、トリベンジルアミン、2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒド、リン酸トリフェニル、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび尿素。
【0239】
2,4−ヘキサジイン−ジオール、3,5−オクタジイン−ジオール、4,6−デカジイン−ジオールおよび5,7−ドデカジイン−ジオールのウレタン誘導体などの、いくつかの他のジアセチレンもまた、本実施例で挙げた多くの品質保持期間延長剤で試験し、本明細書中に挙げた他の物質を、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、硝酸セルロースおよび酢酸セルロースなどの適当なバインダを用いて、例えば水:エタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、シクロヘキサン、ニトロメタンおよびテトラヒドロフランなどの溶媒中で、並びにポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエポキシドおよびポリ塩化ビニルなど市販の水性エマルジョンおよび分散液中で調べた。この結果から、ジアセチレンの品質保持期間は、本明細書中に挙げた品質保持期間延長剤で延長しうることが示された。
【0240】
実施例25.品質保持期間延長剤を用いた4BCMUの品質保持期間の延長:
15gの20%ポリ酢酸ビニルのエタノール:水(3:1 w/w)溶液に、2.5gの4BCMU、品質保持期間延長剤として0.3gのアセトンオキシム、UV吸収剤として0.lgの2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、酸素スカベンジャーとして0.1gの亜硫酸ナトリウム、抗酸化剤として0.05gの2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール、および、光安定剤として0.05gのビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを加えた。混合物を撹拌しながら80℃に加熱した。熱溶液を液体窒素に注いだ。コントロール試料(15gの20%ポリ酢酸ビニル溶液および2.5gの4BCMU)も同様の条件下で調製した。凍結した反応物を約20℃まで温め、#60の巻き線型ロッドを用いて100ミクロンの厚さのポリエステルフィルムにコートした。コーティングを室温で乾燥させ、その後オーブンに入れて40℃で乾燥させた。双方のコーティングの小片を50℃でアニールした。フィルムの光学濃度を異なった期間で測定した。ODの変化を表9に示す。
【0241】
【表12】
【0242】
ロードアイランド州、キングスタウンの東レ プラスチクス インコーポレイテッド(Toray Plastics Inc.,North Kingstown,RI)から入手した、UV吸収剤が含まれる50ミクロンのポリエチレンテレフタレートに、20% w/wの2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノンを含む25ミクロンの厚さのポリスチレンを片面に、エイブリデイ デニソン(Avery Dennison)から入手した10% w/wの2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノンを含む40ミクロンの厚さのアクリル粘着剤を他の面にコートした。このUV吸収フィルムを、コントロールおよび粘着剤の上面のコーティングに品質保持期間延長剤を含むものに塗布した。ラミネートフィルムの小片を太陽光の下に置き、異なった時間での光学濃度の変化を記録した。ODの変化を表10に示す。
【0243】
【表13】
【0244】
実施例26.PVCプラスチゾルの作製
1リットルのガラスジャーに、200gのセバケート[ビス−(2−エチルヘキシルセバケート)]および300gのPVCプラスチゾル粉末(ジョージア州、ケネソーのポリワン コーポレイション(Polyone Corporation,Kennesaw,GA)のGeon 173)を、撹拌しながら分けて加えた。このプラスチゾルを、1:1.5 プラスチゾルと表す。必要に応じて市販の熱安定剤および品質保持期間延長剤を加えた。
【0245】
PVCプラスチゾルを、異なったグレードのPVCおよびそのコポリマー、アジピン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩およびポリエステルなどの可塑剤、粘度低下剤、熱安定剤並びに品質保持期間延長剤を用いて作製した。可塑剤、粘度低下剤、熱安定剤および品質保持期間延長剤の濃度が異なるこれらのプラスチゾルを、ジアセチレン−344およびジアセチレン−4BCMUなどの異なったジアセチレンの放射線部材の作製に用いた。
【0246】
実施例27.PVC中のジアセチレン344の部材の作製
試験管に1gのジアセチレン−344および5gの実施例24に記載した1:1.5プラスチゾルを加え混合した。混合物を110℃に加熱し、#70の巻き線型ロッドを用いてポリエステルフィルムにコートした。その後フィルムを〜140〜150℃のオーブン
に数分間入れた。コーティングは透明になった。ポリエステルフィルムをコーティングの上に、コーティングを挟むように設置し、ゆっくりと室温に冷却した。
【0247】
異なった可塑剤、PVCおよびそのコポリマー並びにポリメチルメタクリレートなどのポリマー、アジピン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩およびポリエステルなどの可塑剤、粘度低下剤、熱安定剤、品質保持期間延長剤の効果、混合、コーティングなどの工程、コーティングの厚さ、ジアセチレンの結晶化速度などの他のパラメータを調べた。さらに、ジアセチレン−344およびジアセチレン−4BCMUなどの異なったジアセチレンの濃度の効果も調べた。
【0248】
実施例28.溶融混合および圧縮成形:
40gの実施例24のプラスチゾルおよび20gのジアセチレン344を、メルトミキサー(ニュージャージー州ハッケンサックのブラベンダー(Brabender,Hackensack,NJ)製)で混合し、140℃で5分間混合した。溶融体を圧縮成形機で160℃で薄膜およびプラークに圧縮し、室温までゆっくりと冷却した。
【0249】
ジアセチレン344および他のジアセチレンの薄膜およびプラークを、PVC並びにポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルポリメチルメタクリレート、ポリスチレンマレイン酸コポリマーおよびPVCのコポリマーなどの他のポリマーに対するジアセチレンの比率を変えて作製した。溶融の時間および温度、成形の温度、フィルムおよびプラークの冷却速度の効果を調べた。
【0250】
実施例29.PVC/ジアセチレン−344の部材の照射:
PVCプラスチゾル中のジアセチレン344のコーティング、フィルム、およびプラークに、500ラドの100keVのX線を、マイナス20℃およびプラス60℃で照射した。両方の試料の色は原則的に同じであった。可視スペクトルも原則的に同じであり、形および強度にはっきりした違いはなかった。太陽光下に置いたとき、部材は1日の間目に見える色を発色しなかった。また、ジアセチレン−344の部材は、60℃のオーブンに1週間置いたとき、目に見える色を発色しなかった。この結果は、このジアセチレン−344の部材が太陽光の下で十分な安定性を有し、照射温度に影響されず、個人用および地域用線量計として用いられるための許容される品質保持期間を有することを示す。
【0251】
実施例30.ジアセチレン−4BCMUの部材の作製:
実施例25に記載される手順を用いて、PVCプラスチゾル(PVC:アジピン酸塩 1:3 w:w)でジアセチレン4BMCUの部材を作製した。4BCMU部材に、−20℃および+50℃で、450ラドの100keVのX線を照射した。両方の試料は同様の発色をした(OD 0.19)。さらに、試料を35℃および50℃でアニールした。光学濃度を異なる時間間隔で決定した。本実施例で作製した試料ではODの増加はなかったが、実施例21で作製した試料は、例えば1か月の間に0.09から0.16のように、ODの増加があった。この結果は、例えばPVCをバインダとして、およびアジピン酸塩を可塑剤として用いるなど、適切な系を用いることによって、品質保持期間を延長できることを示す。
【0252】
実施例31.ホットメルト接着剤のバインダとしての使用:
約2gの接着剤(HRJ−12531樹脂、カナダのスケネクタディー ケミカルズ(Schenectady Chemicals,Canada)製のポリアクリレート粘着剤)を試験管に入れて約120℃で加熱し溶融させた。溶融体に、ジアセチレン−4BCMUなどの異なったジアセチレンを加え、機械的な撹拌器を用いて混合した。約15分後、溶融体をプラークに圧縮し、室温に冷却した。試料に500ラドの100keVのX線を照射した。試料の照射された部分は青色に変化した。
【0253】
実施例32.溶融体からのプラークおよびフィルム線量計のキャスティング:
15×25cm2のガラス板を、コネチカット州ダンバリーのミラー−ステフェンソン(Miller−Stephenson,Danbury,CT)製のウレタン絶縁保護コーティングでスプレーコートした。900ミクロンのマスクを一方の板の上に置き、両方の板を〜95℃のオーブンに入れた。3gのジアセチレン−4BCMUおよび7gのエチレン・アクリル酸共重合体−15%)の混合物を試験管に入れて溶融した。混合物をマスクを置いたガラス板の中央に注ぎ、他方のガラス板でその上からプレスした。過剰の溶融体はマスクのウインドウから流れ出した。ガラス板を室温(RT)に冷却した。板を外してプラークを得た。厚いプラークは半透明であった。試料に500ラドの100keVのX線を照射した。試料の照射された部分は青色に変化した。他の多くのバインダを、可塑剤および溶媒などの添加剤を加えて、および加えずに試験した。
【0254】
実施例33.溶融体からの自立薄膜:
0.1、0.2、0.3、0.4および0.5gのジアセチレン−4BCMUを、5gのエチレン・アクリル酸共重合体 15%)と混合した。混合物を〜150℃に加熱して溶融体にし、機械的な撹拌器で混合した。溶融した混合物を離型剤であらかじめコートした2枚のガラス板の間に150ミクロンのスペーサーを用いて注ぎ、プレスして直径約5センチメートルの円形を作った。試料を室温に冷却し、ほぼ透明なフィルムをガラス板から取り外した。ジアセチレン−4BCMU/ポリマーのフィルムに、250ラドの100keVのX線を照射した。フィルムは青色を発色した。色の強度はジアセチレン−4BCMUの濃度に比例した。
【0255】
ジアセチレン、バインダ、溶媒、可塑剤、およびコ−バインダの性質および濃度、並びに溶融およびアニーリングの時間および温度などの、他の変数の効果を調べた。
【0256】
実施例34.基板上のジアセチレン4BCMUのメルトコーティング:
0.5gのジアセチレン−4BCMUを、5gのエチレン・アクリル酸共重合体、15%)と混合した。混合物を〜150℃に加熱して溶融させ、機械的な撹拌器で混合した。溶融した混合物を、80℃のオーブンに入れたドローダウンコーティングユニットに設置したポリエステルフィルムの上に注いだ。#30の加熱した巻き線型ロッドを用いて混合物をコートした。試料を室温まで冷却した。コーティングはほぼ透明であった。ジアセチレン−4BCMU/ポリマーをコートしたフィルムの小片に250ラドの100keVのX線を照射した。コーティングは青色を発色した。
【0257】
実施例35.バインダとしてのポリ酢酸ビニル:
試験管に2gの低分子量ポリ酢酸ビニルと併せて、異なった量(0.1、0.3、0.6、および0.9g)のジアセチレン−344を取った。混合物を130℃まで加熱し、機械的な撹拌器で混合し、120℃でガラス板上の4ミリのPETフィルムの上に注いだ。別のPETフィルムを溶融混合物の上に置き、その後ガラス板および20ポンド(9.0kg)の加重をかけた。溶融液は円形に広がった。ガラス板を室温に戻し冷却した。フィルムを取り外し、切り出して250ラドの100keVのX線を照射した。フィルムは薄い青色を発色した。
【0258】
実施例36:バインダのUV硬化:
1gのジアセチレン−344を、4gのエンバイロンメンタル インクス アンド コーティング(Environmental Inks and Coating)製のUV硬化インクに溶解させた。#60の巻き線型ロッドを用いて混合物をポリエステルフィルムにコートした。コーティングに長波長UV光を10秒間照射してコーティングを硬化させた。コーティングは固体になった。試料を100℃でアニールして冷却した。アニールした試料に500ラドの100keVのX線を照射した。コーティングは青色を発色した。
【0259】
実施例37:色参照チャートの除去:
紙の上に設置した実施例21のジアセチレン−4BCMUの部材の長方形の小片に、254nmのUV光を、一連の照射で異なった時間、円形のマスクを通して照射した。強度が強くなる円形の点が得られた(図22a)。部材の残りは照射されなかった。その後、部材全体に異なった時間254nmのUV光を照射し、部材を撮影した(図22bから22g)。図22bから図22gに示すように、部材全体の照射が増加するにしたがって、前段階で照射した点が見えなくなり始めた。
【0260】
同様の部材に50〜10,000ラドの100keVのX線を照射したとき、同様の結果が得られた。
【0261】
この結果は、UVランプまたはUVレーザーで点の代わりに数字が印刷され、モニターされるX線の線量に比例する露光によって、数字が見えなくなることを示す。線量は、読み取りが可能な最小の数字から読み取ることができる。UV光で数字を印刷する代わりに、線量に比例して色の強度が変化する数字を、同じ色のインクで基板上に印刷することができ、その上にジアセチレンの製剤をコートすることができる。この型の線量計は、自動読み取り線量計の一種であり、色参照チャートが不要である。この型の線量計は、サイズをより小さくできる。さらに、数字はジアセチレンインクで印刷されてもよい。
【0262】
実施例38:偽陽性インジケータ:
ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液に溶かした2%のペンタメトキシトリフェニルメタノール(PTM)溶液を、#30の巻き線型ロッドを用いてポリエステルにコートし、60℃のオーブンで乾燥させた。この製剤は時間−温度(図27b)およびUV(図27a)の両方に敏感である。この製剤は、少なくともX線が10,000ラドまで目に見える色を発色しない。しかしながら、UV/太陽光にさらされると、無色から赤色に変化する(図27a)。また、この製剤は、保存の時間および温度によって発色する(図27b)。低い温度では、同じ色を発色するのにより長い時間がかかる。この製剤がUV/太陽光にさらされることによる発色に必要な時間、並びに温度は、スズ、亜鉛、およびバリウムの有機金属化合物などの有機金属化合物、およびトリエチルアミンなどの塩基のような熱安定剤を加えることによって変化した。したがって、この製剤は、線量計の品質保持期間およびUV露光のモニターに用いられうる。
【0263】
本発明は、好ましい実施形態に重点をおいて記載されたものであり、本明細書に添付された特許請求の範囲により明確に示された発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0264】
【図1】放射線感受性自立部材の断面図である。
【図2】保護層を両面に有する放射線感受性自立部材の断面図である。
【図3】基板の片面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【図4】基板の両面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【図5】放射線感受性部材、色参照チャートを放射線感受性部材の片面に、および不透明保護層を放射線感受性部材の一方の端に有する放射線量計の上面図である。
【図6】放射線感受性部材および色参照チャートを両面に有する放射線量計の上面図である。
【図7】青色および赤色のような2つの異なる色を提供する2つの放射線感受性部材を、タイルバッジの異なる位置の色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【図8】非常に広い線量の範囲をカバーするために、内部に4個および外部に4個の、8個の放射線感受性部材をそれらの色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【図9】放射線感受性部材のウェルを有する放射線量計の断面図である。
【図10】UV光から保護するためにおよび不正使用を示すために、一方の端がアルミニウムテープなどの不透明な接着テープでカバーされた放射線量計の断面図である。
【図11】時間−温度、温度、UVおよび他の所望の機能;例えばバーコード、磁気情報テープ、ホログラム並びに他の安全および識別機能のような;などの、他のさまざまなインジケータを有する放射線量計の上面図である。
【図12】実施例3を用いて作製された、両面にUV吸収フィルムの層を有するジアセチレン344の部材の断面図である。
【図13】異なる線量のX線を照射したジアセチレン344の部材の代表的な図である。
【図14】ジアセチレン344の部材と色参照チャートを有する線量計の図である。
【図15】薄い不透明な基板、部材、色参照チャート、高濃度のUV吸収剤および他の添加剤を有する厚い透明な層並びに保護層を有するバッジの断面図である。
【図16】UV光から保護するための、線量計バッジのポケットを有するホルダーの、線量計バッジを入れた、および入れていない場合の上面図である。
【図17】異なる線量範囲の線量計バッジのための3つのポケットを有するホルダーの上面図である。
【図18】太陽光から保護するための、線量計バッジの折りたたみホルダーの断面図(a、bおよびc)並びに上面図(d)である。
【図19】コーティング法およびプリンティング法による線量計バッジの作製の工程を表すスキームである。
【図20】ジアセチレン344を含む部材の線量に対する光学濃度(OD)のプロットである。
【図21】異なった線量の10MeVのX線を照射したジアセチレン344の部材の典型的な一連の可視スペクトルである。
【図22】異なる時間UV光を照射したジアセチレン4BCMUの自動読み取り放射線量計を表す図である。
【図23】(a)照射していない、(b)低い線量のX線を照射した、および(c)高い線量のX線を照射した、自動読み取り部材を表す図である。
【図24】放射線感受性部材の側面に偽陽性および品質保持期間のインジケータを有する放射線量計バッジを表す図である。
【図25】「X」の形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【図26】バーの形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【図27】60℃で異なる時間アニールした(a)、および短波長UV光(254nm)を異なる時間照射した(b)、偽陽性インジケータである。
【図28】「EXPIRED」の語を表示する偽陽性インジケータを有する部材の上面図である。
【発明の分野】
【0001】
連邦政府補助金の報告
本発明は一部、政府支援契約第N00024−95−C−4052号、第N00167−03−M−0037号、並びに米国国防総省およびテクニカルサポートワーキンググループ(TSWG)の賞W9lCRB−04−C−0001、並びにTSWGを通して国土安全保障賞、国務省、および司法省から支援を受けて行われた。
【0002】
背景技術
発明の分野
本発明は、ジアセチレンなどの放射線感受性材料を用いて紫外(UV)放射線、電子、X線、陽子、アルファ粒子および中性子などの高エネルギー放射線の線量をモニターするためのフィルム、ステッカー、またはバッジなどの放射線感受性装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術の概要
UV光、X線、ガンマ線、電子、陽子、アルファ粒子、中性子およびレーザー光などの、4eVを超えるエネルギーを有するものを含む高エネルギー放射線は、医薬品および腐敗性物の殺菌、コーティングの硬化およびポリマーの架橋、イメージおよび情報の記録、ラジオグラフィー、非破壊試験、並びに診断的および放射線治療などさまざまな応用に用いられている。これらの照射をモニターする必要がある。放射線をモニターする電子的な装置は高価である。4eVから100MeVのエネルギーを有する放射線の、非常に低い線量から非常に高い線量まで、例えば0.1ラド(rad)から10メガラド(Mrad)までモニターするために用いることができる、簡単な線量計が必要とされている。
【0004】
しばしば「ダーティボム」と呼ばれる放射線物質拡散兵器を持ったテロリストに攻撃された場合、原子力発電所もしくは原子力船/潜水艦での事故の場合、または核爆発の場合、第一応答者およびこれらの影響を受けた人は、「致死量の電離放射線の照射を受けたのか、または無事なのか?」を知りたいと思う。被爆者を治療する医療関係者は、治療を最も必要とする被爆者を最初に治療できるように、各人が受けた放射線量を素早く判断しなければならない。本発明者らはこれらの問題に素早く安価に解答を与えるクレジットカードサイズの放射線量計を開発した。バッジは数か月から数年着用できる。「ダーティボム」または核爆発によって被爆した場合、センシング材料は色を変化して着用者または医療関係者に即座に被爆者の累積放射線被爆の情報を提供する。他の方法ではこれらの情報を得るために数日かかりうる。
【0005】
以下はいくつかの曝露限度および高エネルギー放射線のさまざまな線量による症状のリストである(mRem=ミリレム、およびmSv=ミリシーベルト)。
【0006】
【表1】
【0007】
高い線量の電離放射線が癌を引き起こしうることはよく知られている。高い線量の影響および症状はよく知られている。
【0008】
【表2】
【0009】
放射線が癌を引き起こしうることは疑いの余地がない。問題は、どのレベルの放射線で癌が引き起こされるかである。放射線被爆の危険性は広く研究されている。電離放射線による癌の誘導についての全般的な世論は、線量を短時間で受けた場合、1Svあたり癌発生率は10%増加し、線量が長期間にわたった場合5%に減少する。1Svは1000mSvであり、1mSvは100mRemである。したがって、癌の10%の増加(線量が長期間にわたった場合5%)は100,000mRemの線量に対応する。もし有害なレベルの電離放射線量(例えば1〜1,000ラド)を受けた場合、適切な医療が受けられるように即座に知る必要がある。数千ラドより高い線量を測る線量計が報告されている(Standards on Dosimetry for Radiation Processing,ASTM International,100 Barr Harbor Drive,West Conshohochen,PA,2002)が、バッジの形態ではない。バッジ、包帯、テープ、ステッカー、ラベルなどの形態の、色を瞬時に変化させ、色参照チャートを用いて色の強度から線量を見積もることができる放射線量計が必要とされている。
【0010】
高エネルギー放射線のモニターには、おもに2つの型の線量計バッジが用いられる。1つの型は、ハロゲン化銀のフィルムを含み、フィルム線量計として一般に知られている。他方は、熱発光材料を含み、TLD線量計として一般に知られている。
【0011】
ハロゲン化銀フィルムの主な利点は、最終量子収率が非常に高いことおよび露光を永久に保存できることである。しかしながらハロゲン化銀フィルムは多くの不利な点および欠点がある:(a)ハロゲン化銀のエマルジョンの作製は多段階および高価な工程である、(b)フィルムは定着するまで周辺光から保護する必要がある、(b)現像および定着の工程は「ウェット」な化学ベースの工程であり、それぞれの溶液および化学物質の濃度、現像および定着の時間並びに温度を厳しく制御しなければならない。被爆放射線量の見積もりのためにバッジを現像ラボに送る必要がある。
【0012】
強いエネルギー源(例えば電離放射線)が熱発光(TL)材料に衝突すると、いくつかの原子から電子が解放され、後に正電荷の「ホール」を残して材料の他の部分に移動する。その後、TL材料が加熱されると、電子および「ホール」が再結合し、余剰のエネルギーを光の形態で放出する。光の強度が測定され、はじめにエネルギー源の照射を通して吸収されたエネルギー量と関連づけられる。
【0013】
TLD線量計とフィルム線量計のどちらもインスタントではない。現像または加熱、および線量を読むための高価な装置を必要とする。TDL型線量計は、1回しか読むことができない。TDL線量計を1度読むと、線量の情報は永久に失われる。
【0014】
したがって、周辺環境に影響されない、および線量を確認するために結果の記録を残す、高感度の、自己現像の、ドライフィキシングのフィルムおよび線量計が望ましい。本発明者らはラジオクロミック材料を用いてこのようなフィルムおよび線量計を開発した。
【0015】
色の変化、蛍光、不透明性および磁気共鳴のような、少なくとも1つの検知可能またはモニター可能な変化を受ける、ジアセチレン、ラジオクロミック色素、ロイコおよび/またはpH感受性色素と酸生産性化合物などとの混合物、またはこれらの混合物などの任意の材料を、本明細書中で「放射線感受性化合物」、「放射線感受性材料」、「ラジオクロミック材料」または「放射線感受性製剤」と表す。
【0016】
本システムで用いられうる1つの材料群は、共役アルキンを含み、ジアセチレン、R−C≡C−C≡C−Rと呼ばれる。ここでRは置換基である。ジアセチレンは熱アニーリングまたは高エネルギー放射線の照射によって固体状態で重合する[Adv.Polym.Sci.,vol.63,1(1984)]。本明細書中、ジアセチレンの用語は少なくとも1つの−C≡C−C≡C−官能基を有する化合物群を示す。固体モノマーは無色または白色である。部分的に重合したジアセチレンは青色または赤色である。ポリジアセチレンは金属のように見え、典型的には銅色または金色である。ポリジアセチレンは、共役骨格の「π」電子が非局在化しているために濃い色がつく。部分的に重合したジアセチレンの色の強度はポリマー変換のパーセントに比例する。本明細書中、青色を発色するジアセチレンを青色ジアセチレンと表し、赤色を発色するジアセチレンを赤色ジアセチレンと表す。
【0017】
ジアセチレンは1以上の結晶修飾または相に結晶化することが知られている。速く重合する相は活性相または活性型と表される。重合しない相は不活性相または不活性型と表される。相によっては熱アニーリングによってほとんどまたは全く重合を示さない。このような相は熱不活性相と表される。照射してすぐに重合する相は照射活性相と表される。適当な溶媒系を選択することによって、ジアセチレン-344[R−C≡C−C≡C−R、ここでR=OCONH(CH2)3CH3]のようないくつかのジアセチレンは、長い品質保持期間を与えるための非常に低い熱活性、および検知可能な色の発色によって例えば数ラドの低い線量をモニターするための高い放射線活性を有する相に結晶化しうる。
【0018】
放射線量計、温度モニター、および時間温度インジケータとしての共役ポリアセチレン組成物の合成および使用に関して多くの特許が発行された。
【0019】
ジアセチレンの写真および他の関連技術における使用は、米国特許第3,501,297号および3,679,738号(Cremeansに特許)、米国特許第3,501,302号(Foltzに特許)、米国特許第3,501,303号(Foltzらに特許)、米国特許第3,501,308号(Adelmanに特許)および米国特許第3,743,505号;第3,844,791号および第4,066,676号(これら3つはBloomに特許)などのいくつかの米国特許に開示されている。これらの特許は、光活性組成物の直接的な画像化のために、特定のジアセチレン結晶の樹脂、ゼラチン、またはゴムマトリックスへの分散を開示する。光照射領域は色の変化で明らかになる。
【0020】
ジアセチレンは可視の長波長の放射線には感度がない。LuckeyおよびBoer は、可視光線に対して感受性にするための増感剤として二酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化カドミウム、および硫化カドミウムなどの無機塩を含むジアセチレン感光部材を米国特許第3,772,027号に開示する。FicoおよびMantheyに付与された他の同様の特許(米国特許第3,772,028号)は、チアピリリウム塩およびセレナピリリウム塩を含むピリリウム塩の添加によって可視光線に対して感光性にした感光部材を開示する。結晶性ジアセチレン組成物の不十分な画像化の増幅は、Borsenbergerらに付与された米国特許第3,794,491号に与えられる。かすかな画像が露光後照射によって増強される。これらの特許は、フィルムが可視光の写真フィルムとして用いられうるように、ジアセチレンを可視光線などのより長波長でより低エネルギーの放射線に対して感受性にするための製剤および工程を記載する。米国特許第5,420,000号は、UV、X線、電子およびアルファ粒子などのより短波長でより高エネルギーの放射線に対するジアセチレンの増感を報告する。このようなより高いエネルギーの放射線に対する増感は、例えば診断用X線フィルムの作成に望ましい。
【0021】
Lewis、Moskowitz、およびPurdyは、結晶性ポリアセチレン化合物から作製されたプロセスレス記録フィルムを米国特許第4,734,355号に開示する。彼らはまた、結晶性ポリアセチレン化合物を溶媒和しない媒体に約2%〜50%のポリアセチレン結晶性固体の濃度で分散させ、基板上で乾燥させる前に分散液をエイジングさせる工程を開示した。得られたフィルムの感度は低く、そのため像を製造するために少なくとも10Gyの放射線の照射が必要である。
【0022】
GuevaraおよびBorsenbergerは、光伝導体および光伝導性層に接触させた結晶性ポリアセチレン化合物を用いた印刷部材および印刷方法を米国特許第3,772,011号に記載する。これらの層が電位の供給に接触すると可視像が得られる。供給電位がない場合、前記部材は通常の室内光の取り扱い条件下で安定である。Gueveraらは、米国特許第3,772,011号において、光伝導層に接触した微結晶の層に構成されたとき、直接イメージに沿って光重合を受け濃い色のポリマー生成物になるジアセチレン組成物を提供する。このような重合は、層をはさんで電位が供給されている間の露光によっておこる。場合によっては有機光伝導体が結晶性ポリアセチレンの層の中に含まれてもよい。
【0023】
Patelは、米国特許第4,235,108号;第4,189,399号;第4,238,352号;第4,384,980号にジアセチレンの共結晶化によって重合速度を高める工程を開示している。Patelらは、米国特許第4,228,126号および第4,276,190号に保存のためのジアセチレンの不活性型および使用前に溶媒、蒸気、および/または溶融体での再結晶によってジアセチレンを活性化する方法を記載している。
【0024】
Mong−Jon Junらは米国特許第3,836,368号に短波長UVの照射によって赤色に変化する2,4−ヘキサジイン−1,6−ビス(n−ヘキシルウレタン)(本明細書中で「166」と表す)を記載する。彼らは166のポリビニルピロリドン/メタノールの溶液に水を加えることでコーティング製剤を調製した。米国特許第5,420,000号は、166の高感度コーティングを記載する。166はUV放射線に対して感度が高いが、反応性は診断用X線フィルムなどの応用に用いるには不十分である。
【0025】
低い線量をモニターするためには、比較的厚い、例えば約25ミクロン以上のコーティングが必要である。後者の特許は、例えば(1)個人用線量計、(2)放射線用フィルムおよび(3)放射線源のイメージングなどの放射線のモニタリングおよびイメージングに用いられうる厚いコーティング、フィルム、プラーク(飾り板)および/またはブロックを得るための方法あるいは設計、並びにこれらを作製する工程を記載していない。
【0026】
ハロゲン化銀フィルムは、診断用X線放射線にはあまり感度がよくない。X線画像は、フィルムを増感スクリーンとして知られる2枚の蛍光スクリーンの間に設置することで増幅される。増感スクリーンは発光材料であり、通常少量の不純物を加えた結晶性ホスト材料からなる。無機固体の発光は通常は結晶格子の欠陥で生じる(Thomas F.Soules and Mary V.Hoffman,Encyclopedia of Science and Technology,Vol.14,1987,pp527〜545)。蛍光スクリーンの蛍光体はX線を吸収し、白色光を発光する。タングステン酸カルシウム蛍光体で作製された増感スクリーンはレントゲンの時代から用いられている。1972年ごろ、緑色領域で発光する新しい蛍光体である酸硫化ガドリニウムが開発され、緑色の光の吸収に感光性のフィルムもまた開発された。同じ頃、青色領域で発光するフッ化塩化バリウムおよびオキシ臭化ランタンなどの他の蛍光体が開発された。テルビウム活性化希土類酸硫化物(X2O2S、ここでXはガドリニウム、ランタンまたはイットリウム)蛍光体を含む多数の蛍光体が文献に報告されている(T.F.Soules and M.V.Hoffman Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.14,pp527〜545,1981およびその引用文献)。ガドリニウムおよびタングステンは非常に高い原子番号を有し、また高エネルギーの吸光係数を有する。以下の組み合わせがこの目的に用いられてきた:GdOS:Tb(III)、LaOS:Tb(III)、LaOBr:Tb(III)、LaOBr:Tm(III)、およびBa(FCl)2:Eu(II)。米国特許第5,069,982号;第5,173,611号;第4,387,141号;および第4,205,234号などの多数の特許が代表的であり発行された。文献検索によると、報告された数百の蛍光体の中で、ほとんどがX線励起によって青色、緑色、または長波長UVを発光する蛍光体であることがわかる。例えば米国特許第4,719,033号など、長波長青色光を発光するものもある。これまで、短波長UV(例えば275nmより短波長)を発光する蛍光体を有するX線スクリーンは報告されていない。
【0027】
コンバータまたは蛍光体は通常スクリーンとしてポリマーバインダに分散させた微粉末の形態で用いられる。前記スクリーンはX線照射の間ハロゲン化銀フィルムのエマルジョンに接触させて設置される。従来技術は固溶体である透明なコーティングの形態のコンバータ/蛍光体またはコンバータとポリマーバインダの複合体を記載していない。装置のアンダーコート、放射線感受性コートおよびトップコートにおけるこれらのコンバータの使用についても記載されていない。短波長UV光を発光する蛍光体は放射線画像を増幅するスクリーンとして用いられうる。
【0028】
Sidneyらの米国特許第5,206,118号は、酸感受性ロイコ染料を分散させたハロゲン含有ポリマーから作製された、色が変化するフィルムを記載する。高エネルギ
ー放射線が照射されると、色を発色する。米国特許第5,451,792号は、色参照チャート並びにロイコ染料およびハロゲン化合物を含む放射線感受性コーティングを有する装置を開示する。
【0029】
ラジオクロミックフィルムを有するカード型線量計は、米国特許第6,232,610号に記載される。放射線をモニターする放射線インジケータは米国特許第5,359,200号に記載される。放射線をモニターするTLD型線量計は、米国特許第5,177,363号、第5,508,523号、第6,127,685号、第4,506,157号、第4,975,589号、第5,179,281号、第4,346,511号および第5,083,031号に記載される。
【発明の開示】
【0030】
発明の概要
本発明者らは瞬時に発色する放射線量計を開発した。色は線量にともなって強くなる。周辺光などの通常の周囲条件には数か月間、および太陽光には数日間影響されない。前記線量計は、通常の湿度に数か月間、および蒸気または高温に許容できる耐性を有する。照射温度には最小限の影響しか受けない。非常に広い範囲の照射温度、例えばマイナス40℃からプラス70℃で同じ色を発色する。前記線量計は放射線感受性製剤に依存して数か月から数年の十分な品質保持期間を有する。
【0031】
ラジオクロミック材料でコートされたプラスチックフィルムなどの材料は、しばしば、部材または放射線センシングストリップと表される。線量計またはバッジは、前記部材またはセンシングストリップを含む装置と定義される。前記線量計は線量の見積もりのために色参照チャートを有してもよい。
【0032】
上述のおよび他の利点は後述するように、放射線モニタリング装置において提供される。前記装置は基板およびそれと一体となったイメージング層を含む。前記イメージング層は、5eVを超えるエネルギーを有する電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む。前記装置はバインダおよび保護層をさらに含む。電離放射線の所定のレベルでの検出可能な色の変化に対応する少なくとも1つの色を含む参照チャートが提供される。
【0033】
他の実施形態は、電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料および品質保持期間延長剤を含む放射線感受性材料を含む放射線モニタリング装置において提供される。
【0034】
特に好ましい実施形態は、基板および前記基板にコートされた放射線感受性材料を含む放射線モニタリング装置において提供される。前記放射線感受性材料は電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む。前記装置は品質保持期間延長剤および保護層をさらに含む。
【0035】
基板;5eVを超えるエネルギーを有する電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む少なくとも1つのイメージング層;バインダ;保護層;および電離放射線の所定のレベルでの前記検出可能な色の変化に対応する少なくとも1つの色を含む少なくとも1つの参照チャート;を含む放射線モニタリング装置が提供される。
【0036】
さらに、放射線感受性製剤の品質保持期間を延長するために、例えば熱安定剤、活性種のクエンチャー、ラジカルおよび酸素スカベンジャー、抗酸化剤、活性種の阻害剤、活性種の防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金
属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤などの品質保持期間延長剤が提供される。
【0037】
さらに、偽陽性を示す製剤および装置、並びに長時間UV/太陽光および温度にさらされたとき発色する品質保持期間のインジケータが提供される。
【0038】
さらに、自動読み取り装置が提供される。見積もられる線量がセンシングストリップの下、中、または上に印刷される。所定の線量が照射されたとき、その線量の数字はほとんど見えなくなる。
【0039】
特に、放射線を示す多重検出器およびUV放射線、熱などの望ましくない環境パラメータのインジケータを含む自動読み取り装置が提供される。検出器の組み合わせによって、装置がモニターされ、環境因子が信号を生じる場合または装置の期限が切れた場合は使用から外される。
【0040】
本発明の大きな特徴は、日付、使用者、放射線反応手順、線量レベルなどを示すために装置上にさまざまなロゴおよび指示書を組み込む性能であり、前記装置は平面、四角形、長方形、三角形、六角形を含むさまざまな形状に作製されうる。
【0041】
本発明は、放射線の測定が必要な方法において特に有用性がみられる。特に、本発明は、放射線滅菌、放射線治療および工業的ラジオグラフィーなどの放射線モニタリングにおける使用に適用できる。本発明はまた、レーザーでの標識化;レーザーによる材料の硬化、架橋または重合;などのレーザーモニタリングに適する。本発明はまた、UVモニタリングにおける使用にも適する。特に有利な点は、本発明の3次元イメージングにおいて使用できる性能である。
【0042】
図面の簡単な説明
図lは放射線感受性自立部材の断面図である。
【0043】
図2は保護層を両面に有する放射線感受性自立部材の断面図である。
【0044】
図3は基板の片面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【0045】
図4は基板の両面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【0046】
図5は放射線感受性部材、色参照チャートを放射線感受性部材の片面に、および不透明保護層を放射線感受性部材の一方の端に有する放射線量計の上面図である。
【0047】
図6は放射線感受性部材および色参照チャートを両面に有する放射線量計の上面図である。
【0048】
図7は、青色および赤色のような2つの異なる色を提供する2つの放射線感受性部材を、タイルバッジの異なる位置の色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【0049】
図8は、非常に広い線量の範囲をカバーするために、内部に4個および外部に4個の、8個の放射線感受性部材をそれらの色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【0050】
図9は放射線感受性部材のウェルを有する放射線量計の断面図である。
【0051】
図10は、UV光から保護するためにおよび不正使用を示すために、一方の端がアルミニウムテープなどの不透明な接着テープでカバーされた放射線量計の断面図である。
【0052】
図11は、時間−温度、温度、UVおよび他の所望の機能;例えばバーコード、磁気情報テープ、ホログラム並びに他の安全および識別機能のような;などの、他のさまざまなインジケータを有する放射線量計の上面図である。
【0053】
図12は、実施例3を用いて作製された、両面にUV吸収フィルムの層を有するジアセチレン344の部材の断面図である。
【0054】
図13は、異なる線量のX線を照射したジアセチレン344の部材の代表的な図である。
【0055】
図14は、ジアセチレン344の部材と色参照チャートを有する線量計の図である。
【0056】
図15は、薄い不透明な基板、部材、色参照チャート、高濃度のUV吸収剤および他の添加剤を有する厚い透明な層並びに保護層を有するバッジの断面図である。
【0057】
図16は、UV光から保護するための、線量計バッジのポケットを有するホルダーの、線量計バッジを入れた、および入れていない場合の上面図である。
【0058】
図17は、異なる線量範囲の線量計バッジのための3つのポケットを有するホルダーの上面図である。
【0059】
図18は、太陽光から保護するための、線量計バッジの折りたたみホルダーの断面図(a、bおよびc)並びに上面図(d)である。
【0060】
図19は、コーティング法およびプリンティング法による線量計バッジの作製の工程を表すスキームである。
【0061】
図20は、ジアセチレン344を含む部材の線量に対する光学濃度(OD)のプロットである。
【0062】
図21は、異なった線量の10MeVのX線を照射したジアセチレン344の部材の典型的な一連の可視スペクトルである。
【0063】
図22は、異なる時間UV光を照射したジアセチレン4BCMUの自動読み取り放射線量計を表す図である。
【0064】
図23は、(a)照射していない、(b)低い線量のX線を照射した、および(c)高い線量のX線を照射した、自動読み取り部材を表す図である。
【0065】
図24は、放射線感受性部材の側面に偽陽性および品質保持期間のインジケータを有する放射線量計バッジを表す図である。
【0066】
図25は、「X」の形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【0067】
図26は、バーの形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の
過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【0068】
図27は、60℃で異なる時間アニールした(a)、および短波長UV光(254nm)を異なる時間照射した(b)、偽陽性インジケータである。
【0069】
図28は、「EXPIRED」の語を表示する偽陽性インジケータを有する部材の上面図である。
【0070】
発明の説明
本発明は、図面を参照することで最もよく説明されうる。図1を参照すると、前記部材は、少なくとも1つの放射線感受性組成物10、ポリマーバインダ20、任意で溶媒または可塑剤30、活性剤40並びに他の添加剤および品質保持期間延長剤、例えばUV吸収剤50、UV安定剤51、熱安定剤52、および変換剤53など、をそれぞれ含むフィルム1のような、自立放射線モニタリング装置または層状部材でありうる。図2に示すように、放射線感受性層1は、両面に保護層5を有してもよい。前記保護層はプラスチックフィルムであってもよく、引っかき抵抗性であってもよく、UV吸収剤および/またはUV反射剤コートなどの添加剤を含んでもよい。前記装置は2以上の保護層を有してもよい。
【0071】
図3に示すように、装置は基板2の上面の放射線感受性層1で、または図4に示すように、基板2の両面の部材で作成されうる。放射線感受性層1は、少なくとも1つの放射線感受性組成物10、ポリマーバインダ20、任意で溶媒または可塑剤30、活性剤40、並びに他の添加剤および品質保持期間延長剤;例えばUV吸収剤50、UV安定剤51、熱安定剤52および変換剤53、を含みうる。前記装置は、それぞれ異なった放射線感受性組成物を含む2以上の放射線感受性層を有してもよい。前記放射線感受性層1は、保護層5を有してもよい。図4に示すように、前記部材は、放射線感受性フィルム1を基板2の両面にコーティングすることによって作製されてもよい。
【0072】
図5に示すように、線量計1001は、図1〜4に示したものと同様の放射線感受性部材102および不透明基板301上の色参照チャート201から構成されうる。前記部材は、例えば、UV光などの低エネルギーの光子、および低エネルギー電子の遮蔽のためのアルミホイル、または他の高エネルギー放射線の遮蔽のための鉛およびカドミウムなどの、選択的放射線ブロッカー401を有してもよい。
【0073】
放射線感受性部材101の両面に印刷された色参照チャート202および203を有する線量計の好ましい構造を図6に示す。
【0074】
前記線量計は、さまざまな構造、形状、サイズ、変化およびデザインを有しうる。放射線感受性部材および色参照チャートの異なった位置を有するこのような構造の1つを、図7a〜7dに示す。例えば、図7aから図7cに示すように、一方が低い線量で青色を発色する110、他方が高い線量で赤色を発色する120である2つの放射線感受性部材は、基板301の上の任意の位置にあってよい。図7dに示すように、一方の放射線感受性部材が装置の一面に、他方が基板301の他の面にあってもよい。
【0075】
図8に、非常に広い線量範囲をカバーする他の構造を示す。放射線量計は、広範囲の線量が決定され報告されうる、多重放射線感受性部材111〜118およびそれぞれの対応する色参照チャート121〜128を有しうる。また、前記部材および色参照チャートは円形であってもよい。
【0076】
前記装置は、線量計表面に膨らみをもたらしうる一定の厚さをもつ。膨らみを防ぐために、基板層3010は、図9に模式的に示すようにウェルまたはキャビティ601を部材
101に沿って有する。支持体3012を用いてもよい。色参照チャート201を基板層に埋めてもよい。UV保護層などの保護層3013は装置全体を覆ってもよい。
【0077】
図10は多重放射線感受性部材101を有する放射線量計の断面図である。1つの部材または長い部材の一部分はアルミニウムなどのホイル402でシールされうる。他の部材または長い部材の一部分101’は、不透明なカバー401を有してもよく、さらに他の部材または長い部材の一部分はその隣に少なくとも1つの色参照チャート4003を有してもよい。アルミテープなどの不透明層、不透明コーティングまたは層は、前記部材をUV光から保護し、不正開封防止機能としてはたらく。前記線量計は、他の所望の性質、例えば読まれる情報を電子的に保存するための磁気テープ603、ホログラムなどの安全機能602、およびユーザーのための他の印刷された情報または指示書604を有してもよい。UV吸収層606が好ましく、支持体607はプラスチックまたは金属でありうる。
【0078】
図11に示すように、前記線量計は多重インジケータを有しうる。1個の装置のインジケータには、品質保持期間を示す時間−温度インジケータ701、線量計が一定の温度を超える温度にさらされたとき表示する温度インジケータ702、UV/太陽光の露光を表示するUV光インジケータ703、ホログラムなどの安全インジケータ704、および他の同様のインジケータ705が含まれうる。支持体706は、放射線感受性装置707およびそれにコートされたまたは埋め込まれた色チャート708を含む。好ましくはアルミニウムの金属ホイルまたはフィルター709は、一定の放射線を遮蔽するために用いられうる。これらのインジケータの位置は、図23および24に示すように、放射線感受性部材の上を含めて線量計上で任意である。
【0079】
図12に大きいスケールで作製された部材を示す。接着を高めるためのサブコート22を有するポリエステルフィルム基板2の両面を放射線感受性部材1でフィルムの形態でコートした。バリア層5を、それぞれの放射線感受性部材1に塗布した。引っかき抵抗性層25および感圧層23を有するUV吸収ポリエステルフィルム24を、バリアコート5の上に塗布した。好ましい放射線感受性部材は、ジアセチレン344を含む。好ましい実施形態においては、前記バリアコートは感圧層23の接着を高めるためにポリウレタン層を含む。
【0080】
図13は、異なる線量のX線を照射した実施例3のジアセチレン344の部材の代表的な図である。図13で、階調は色の階調を表し、色密度の増加は照射の増加を示す。
【0081】
図14は、照射前の実施例3のジアセチレン344の部材を前記部材の片面の色参照チャートとともに有する線量計の代表的な図である。図14で、階調は色の階調を表し、色密度の増加は照射の増加を示す。
【0082】
図15に、薄い不透明基板2、放射線感受性部材1、接着層8、厚いUV吸収層7並びにUV反射および引っかき抵抗性層15001を有するバッジの断面図を示す。厚いUV吸収層およびUV吸収層はUV/太陽光下で長い寿命を提供する。
【0083】
UV/太陽光から線量計を保護するために、前記線量計を1以上の不透明または半透明のポケットに入れた不透明層で覆ってもよい。図16aは、ホルダー801に入れた放射線感受性線量計1001を表す。ホルダー801は、放射線感受性線量計を受けるスロット802を含む。任意の透明な面803は、放射線感受性線量計を見えるようにする。図16bは、放射線感受性線量計を入れていない図16aのホルダーを示す。図17に示すように、多重放射線感受性部材101、1011および1012並びに対応するそれぞれの色参照チャート201、203、2021、2031、2022および2023がマルチカードホルダー9のスロットに挿入されうる、異なった線量範囲および/または色の線
量計が準備されうる。図18aから18cの側面図および図18dの上面図に示すように、線量計1001は折りたたみホルダー91の中に入れられてもよい。図18で、放射線感受性部材101および色参照チャート201は、図17に関連した記載の通りである。カバー3011は、好ましくは不透明である。
【0084】
コーティング法およびプリンティング法による線量計バッジの作製の工程を表すスキームを図19の断面図(左)および対応する上面図(右)に示す。図19(a)および図19(a’)に示すように、吸収剤、透明PVC、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンまたはポリエステルフィルムを含む保護シート1902は、接着コート1903とともに調製され、その上に好ましくは引っかき抵抗性層1904が塗布される。色参照チャートは、好ましくは保護シートと一体であり、好ましくは保護シートと引っかき抵抗性層との間である。図19(b)およびl9(b’)に示すように、放射線感受性部材1901は、当業者に知られている任意のコーティング技術で基板1900に塗布される。次に保護シート[図19(a)およびl9(a’)]層が、放射線感受性層[図19(b)およびl9(b’)]の上に塗布され、図19(c)およびl9(c’)に示す線量計が作製される。
【0085】
図20に、実施例3に従ってジアセチレン344から作製された部材の、X線の線量に対する光学濃度(OD)のプロットを示す。データは広範囲の照射がモニターできることを示す。
【0086】
図21は、異なった線量の10MeVのX線を照射した実施例3のジアセチレン344の部材の典型的な一連の可視スペクトルを示す。
【0087】
図22は、aからgまで、時間を増加させてUV光を照射したジアセチレン4BCMUの一連の自動読み取り放射線量計を表す。UV照射が増加するにつれて(図22bから22g)、点はほとんど見えなくなる。
【0088】
図23に模式的に示すように、色参照チャートは、部材にUV光で印刷または露光することによってなくすことができる。図23aに示すように、X線の照射前はすべての数字が見える。図23bに示すように、X線を照射したとき、線量に依存していくつかの数字が消える。線量は読み取り可能な最小の数字から見積もられうる。例えば、図23aでは、線量が記録されていない。図23bでは、約75ラドが記録され、図23cでは約200ラドが記録されている。図23の実施形態では、表示、好ましくは数字の光学濃度は、線量の増加に従って減少する。
【0089】
前記線量計は不正使用を示すことができる。前記線量計はアニーリングの時間および温度並びにUV/太陽光に敏感である。これらの2つのパラメータは、偽陽性信号を提供しうる。したがって、前記線量計は偽陽性インジケータが必要である。これらのインジケータは、アニーリングの時間および温度並びにUV/太陽光で色を変える設計であってもよい。
【0090】
偽陽性信号、不正使用または品質保持期間インジケータとそのための色参照チャートは、図24に模式的に示すように、放射線感受性部材の側面にあってもよく、または、図25および26にUV/太陽光または熱の過剰曝露の前(図25aおよび26a)および後(図25bおよび26b)を示すように、放射線感受性部材に印刷もしくは付着されていてもよい。これらのインジケータは、放射線感受性部材に印刷されていてもよく、UV/太陽光または熱に過剰曝露すると(図25bに示すように)「X」の形状で現れる。基板301上に放射線感受性部材101に含む図25および図26の装置では、色参照チャート403は線量を決定するための比較を与える。見えない偽陽性インジケータは、図25bに示すように「X」97として、または図26bに示すようにバー98として、見える
ようになる。品質保持期間、偽陽性、または不正使用は、「X」またはバー98の発現および色の強度でモニターされ、色参照バー99と比較されうる。
【0091】
ペンタメトキシトリフェニルメタノール(PTM)などのいくつかの化合物は、UV/太陽光(図27b)にさらされたとき、ポリ塩化ビニルなどのハロポリマー中で赤色を発色し、また、保存の時間および温度によって同じ赤色を発色する(図27a)。この型のインジケータは、アニーリングおよびUV露光の両方で同じ色を発色するので好ましい。この型のインジケータは、図28に示すように、メッセージとして(例えば「EXPIRED(期限切れ)」)または簡単に「X」と、部材の上にあるいは部材の側面に印刷されてもよい。色の発色または変化は、偽陽性および/または品質保持期間切れを示す。
【0092】
造形品の作成に用いられうる放射線感受性材料の好ましい群は、一般式R’−C≡C−C≡C−R”を有し、ここでR’およびR”は同じまたは異なった置換基である、ジアセチレンである。この群のジアセチレンが好ましいが、以下の一般式の他のジアセチレンも用いられうる:高級アセチレン:R’−(C≡C)n−R”、ここでn=3〜5;スプリットジアセチレンおよび高級アセチレン:R’−(C≡C)m−Z−(C≡C)o−R”、ここでZは−(CH2)n−および−C6H4−などの任意のジラジカルであり、mおよびoは2以上である;並びにポリマー性ジアセチレンおよび高級アセチレン:[−A−(C≡C)n−B−]X、ここでAおよびBは−(CH2)b−、−OCONH−(CH2)b−NHCOO−、および−OCO(CH2)bOCO−などの同じまたは異なったジラジカルであってよく、ここでR’およびR”は同じまたは異なった基であってよい。
【0093】
好ましいジアセチレンとして、R’およびR”が:(CH2)b−H;(CH2)bOH;(CH2)b−OCONH−R1;(CH2)b−O−CO−R1;(CH2)b−O−R1;(CH2)b−COOH;(CH2)b−COOM;(CH2)b−NH2;(CH2)b−CONHR1;(CH2)b−CO−O−R1;ここでb=1〜10、好ましくは1〜4であり、R1はC4〜C6アルキルまたはフェニルまたは置換フェニルなどの脂肪族あるいは芳香族のラジカルであり、MはNa+または(R1)3N+などのカチオンである:から選択されるものが挙げられる。
【0094】
好ましいジアセチレンは、2,4−ヘキサジインの誘導体、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオール並びにトリコサ−10,12−ジイン酸(TC)、ペンタコサ−10,12−ジイン酸(PC)などのジアセチレン脂肪酸、そのエステル、有機および無機塩並びにこれらの共結晶化混合物である。2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールなどのジアセチレンの最も好ましい誘導体は、ウレタンおよびエステル誘導体である。
【0095】
好ましいウレタン誘導体は、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールの、アルキル、アリール、ベンジル、メトキシフェニル、アセト酢酸アルキル、フルオロフェニル、アルキルフェニル、ハロ−フェニル、シクロヘキシル、トイルおよびエトキシフェニル誘導体である。好ましいウレタン誘導体は、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールのメチル、エチル、プロピルおよびブチル誘導体である。
【0096】
以下は2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールのいくつかの好ましい誘導体である:ウレタン(−OCONH−)誘導体、R’CH2−C≡C−C≡C−CH2R’:ヘキシルウレタン:166、R’=OCONH(CH2)5CH3;ペンチルウレタン:155
、R’=OCONH(CH2)4CH3;ブチルウレタン:144、R’=OCONH(CH2)3CH3;エチルウレタン:122、R’=OCONHCH2CH3;メチルウレタン:111、R’=OCONHCH3;を含む:エステル(−OCO−)誘導体、R”’CH2−C≡C−C≡C−CH2R”’:ブチルエステル:144E、R”’=OCO(CH2)3CH3;エチルエステル:122E、R”’=OCOCH2CH3;メチルエステル:1llE、R”’=OCOCH3;を含む:対称ジアセチレン:156:R’−C≡C−C≡C−R”、ここでR’=CH2OCONH(CH2)5CH3およびR”=CH2OCONH(CH2)4CH3;を含む:共結晶化混合物:80重量パーセントまたはそれ以上の166を含む;166と156との85:15混合物;166と156との90:10混合物;およびトリコサジイン酸とペンタコサジイン酸との4:1混合物(TP41)を含む。
【0097】
さらに好ましいジアセチレンは、例えばヘキシルウレタン:R’=OCONH(CH2)5CH3;ペンチルウレタン:R’=OCONH(CH2)4CH3;ブチルウレタン:R’=OCONH(CH2)3CH3;プロピルウレタン:R’=OCONH(CH2)2CH3;エチルウレタン:R’=OCONHCH2CH3;メチルウレタン:R’=OCONHCH3などの、3,5−オクタジイン−1,8−ウレタン、4,6−デカジイン−1,10−ウレタンおよび5,7−ドデカジイン−1,12−ウレタンの誘導体である。
【0098】
最も好ましいジアセチレンは、例えばジアセチレン344[R’−C≡C−C≡C−R’、ここでR’=OCONH(CH2)3CH3]などの、4,6−デカジイン−1,10−ジオールのメチル、エチル、プロピルおよびブチルウレタン誘導体などのウレタン誘導体である。
【0099】
前記ウレタン誘導体は、以下に示すように、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールなどのジアセチレン−ジオールを適当なイソシアネート(例えばn−ヘキシルイソシアネート)と、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、ジ−t−ブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)およびトリエチルアミンのような触媒を用いて反応させることで調製されうる。
【0100】
【化1】
【0101】
エステル誘導体は、例えば2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールを、適当な酸クロリドと、ジクロロメタンなどの溶媒中で、ピリジンなどの塩基を触媒として用いて反応させることで調製されうる;すなわち;
【0102】
【化2】
【0103】
非対称ジアセチレンは、Cadiot−Chodkiewicz型反応法で調製されうる。
【0104】
単一のジアセチレンが用いられうるが、共結晶化によってジアセチレンの反応性を変えることが望ましい。共結晶化は、2以上の好ましくは共役のジアセチレンを成形前に溶解
させることで達成されうる。例えばTCおよびPCを共結晶化するとき、TP41(TC:PCの4:1混合物)などの、得られる共結晶化されたジアセチレン混合物は、より低い融点および有意に高い放射活性を有する。活性はまた、−COOHおよび−NH2官能基を有するジアセチレンに、アミン、NaOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2などの塩基、またはカルボン酸などの酸をそれぞれ加えて部分的に中和することによっても変化しうる。
【0105】
他の好ましいジアセチレンは、TCおよびPCなどの脂肪鎖酸のアミドである。好ましいアミドは:TCAP=CH3(CH2)9−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH(CH2)3CH3;PCAE=CH3(CH2)11−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH−CH2CH3;PCAP=CH3(CH2)11−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH−(CH2)3CH3;PCACH=CH3(CH2)11−C≡C−C≡C(CH2)8−CONH−C6H5;およびTCACH=CH3(CH2)9−C≡C−C≡C−(CH2)8−CONH−C6H5である。
【0106】
放射活性を最大にするために、166を上述した他のジアセチレン、例えば155、157、154および156と共結晶化することができる。155などのある種のジアセチレンは166の活性を増加させるが、部分重合共結晶化ジアセチレンは、融解によって赤色を与える。しかしながら、156は166の放射活性を増加させ、部分重合ジアセチレン混合物の融解により青色を与える。166は異なる量の156と共結晶化されうる。好ましくは166に対して155が5〜40重量%であり、最も好ましくは166:156の重量比がそれぞれ、90:10および85:15である。本明細書中で用いる場合、「9010」および「8515」はこれらの特定の共結晶化混合物を意味する。
【0107】
例えばエステルを一方の置換基として、およびウレタンを他方の置換基として、異なる官能基を含む他の非対称誘導体もまた調製されうる。166および16PAの90:10混合物の合成の手順は米国特許第5,420,000号に与えられる。米国特許第第5,420,000号に与えられる一般的な手順を用いて、他のさまざまな非対称誘導体およびその共結晶化のための混合物を調製することができる。
【0108】
ジアセチレン官能基[例えば{−R’−(C≡C)n−R”−}X、ここでR’およびR”は、−(CH2)n−、−OCONH(CH2)n−NHCOO−および−OCO(CH2)nOCO−などの同じまたは異なったジラジカルであってよい]をその骨格に有するポリマーもまた、ポリマー性でありバインダを必要としないため好ましい。
【0109】
好ましいジアセチレンは、低い(例えば約150℃より低い)融点を有し、低い温度、例えば室温で冷却すると速く結晶化するものである。
【0110】
他の好ましいジアセチレン化合物の群は、組み込み金属原子を有するものであり、ビルトイン変換剤として用いられうる。アミン、エーテル、ウレタンなどの官能基を有するジアセチレンは、無機化合物と錯体を形成しうる。例えばホウ素および水銀、リチウム、銅、カドミウム、および他の金属イオンの共有結合をした内部変換剤を有するジアセチレンを合成することが可能である。例えば、TC、PCおよびTC41の−COOH官能基は、リチウムイオンで中和でき、R−C≡C−C≡C−Hg−C≡C−C≡C−Rの合成が報告されている(M.Steinbach and G.Wegner,Makromol.Chem.,178,1671(1977))。このようにジアセチレンに組み込まれた水銀原子などの金属原子は、光子および電子の照射によって短波長の放射線を放出しうる。
【0111】
以下の用語は、ジアセチレンの反応性(重合性)の定義に用いられる。ジアセチレンの重
合可能な形態を「活性」と表す。ジアセチレンが4eVを超えるエネルギー、300nmより短波長を有する放射線で重合可能な場合、「放射活性」と表される。熱アニーリングによって重合可能な場合、「熱活性」と表される。ほとんど、または全く重合を示さないジアセチレンの形態は「不活性」と表される。放射線(4eVを超えるエネルギーを有する)でほとんど重合を示さない場合、「放射不活性」と表され、熱アニーリングによって有意に重合可能でない場合、「熱不活性」と表される。これらの定義の中間の反応性/重合性の性質を有するジアセチレンは、「中程度の活性」と表される。ジアセチレンの最も好ましい形態は、放射活性が高く、ほとんどまたは全く熱活性を示さないものである。しかしながら、放射活性のジアセチレンは、通常は熱活性も有する。したがって、ジアセチレンの好ましい形態は、高い〜中程度の放射活性で、ほとんどまたは全く熱活性がないものである。共結晶化および分子錯体化によって、熱活性が低下し、放射活性が増大しうる。他の方法として、熱反応性を減速させるために造形品を低い温度で保存してもよい。
【0112】
ジアセチレンの重合、および、その後の発色は、放射線の線量速度およびエネルギーに対して独立であることが知られている。低い線量では、発色は線量に対して線形である。ジアセチレンは、通常毒性がない。多くのジアセチレンは、ほとんどまたは全く放射後効果を示さない。
【0113】
ジアセチレンは最も好ましい放射線感受性材料であるが、他の放射線感受性材料もまた本明細書中に記載された手順および設計を用いて前記装置の作成に用いられうる。Imaging Systems,K.I.Jacobson and P.E.Jacobson,John Wiley and Sons,NY 1976に記載される放射線感受性材料/製剤もまた、放射線感受性造形品の作成に用いられうる。さらに、例えばAgCl、AgBr、AgIなどのハロゲン化銀、モリブデン酸銀、チタン酸銀、銀メルカプチド、安息香酸銀、シュウ酸銀、およびこれらの混合物;鉄、銅、ニッケル、クロム、および遷移金属などの金属の塩並びに有機、無機、および有機金属錯体、例えばシュウ酸水銀、シュウ酸鉄、塩化鉄、重クロム酸カリウム、塩化銅、酢酸銅、ハロゲン化タリウム、ヨウ化鉛、ニオブ酸リチウム、およびこれらの混合物;芳香族ジアゾ化合物、ジアゾニウム塩の縮重合体、ナフトキノンジアジド、フォトポリマー並びに光伝導性材料もまた、前記装置の作成に好ましい放射線感受性組成物である。
【0114】
本発明の成形前の放射線感受性装置に用いられうる放射線感受性材料の他のおもな群は、例えばニューフクシンシアニド、シアン化ヘキサヒドロキシエチルバイオレットおよびシアン化パラローズアニリン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン並びに塩基性マラカイトグリーンおよび塩基性p−ローズアニリンなどのカルビノール色素並びに米国特許第2,877,169号;第3,079,955号;および第4,377,751号に記載されるもののようなラジオクロミック色素である。
【0115】
これらのラジオクロミック色素、およびpHの変化によって(例えば酸などで)色が変化する他の色素は、トリクロロエタン、トリクロロ酢酸エチル、塩素化パラフィンおよび塩素化ポリマーなどの有機ハロ化合物のような、照射によって酸を生成する材料と組み合わせて用いられうる。生成した酸は、pH感受性色素と反応し色を変化させる。ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロヒ酸塩、および塩化ジフェニルヨードニウムなどのある種のヨードニウム塩は、高エネルギー放射線の照射によってHCl、HF、HBF4およびHASF6などのプロトン酸を生成する(J.Crivello,Chemtech,October 1980,page 624,“The Chemistry of Halides,Pseudohalides,and Azides”,S.Patai(Ed.),John Wiley,New York,1983)。本発明者らは、ヨードニウム化合物およびスルホニウム化合物を、ラジオクロミック色素を含むいくつかのpH色素に混合した。スルホニウム、ヨードニウムなどの化合物では、一次光化学反応が
超酸を生成し、この超酸が触媒的に用いられて他の酸を生成する。したがって発色が増幅される。このような系は米国特許第6,242,154号およびその参照文献に記載されている。
【0116】
表1に挙げられた多数の色素は、いくつかの選択されたポリマーバインダ並びにハロ化合物(トリクロロメチルベンジルアセテート)並びにポリ塩化ビニルおよびポリ塩化ビニリデンなどのハロポリマーと混合され、短波長UV光およびX線を照射された。いくつかのpH感受性色素は色を変化させた。
【0117】
【表3−1】
【0118】
【表3−2】
【0119】
これらの色素のいくつかは蛍光色素であり、いくつかは照射によってその蛍光を変化さ
せる。
【0120】
「変換剤」の用語は、他の物質と錯体をつくるまたはドープされうる、高エネルギーの電離放射線および非電離放射線の両方を照射したとき、散乱、減衰、蛍光、リン光、および変換を含む任意の過程を経由して、同じまたは異なった型のより低いエネルギーの放射線を生成する、任意の材料、物質あるいは混合物に用いられる。無機および有機金属化合物は、高エネルギー放射線を、散乱、吸収、蛍光、リン光などの多くの過程を経てより低いエネルギーの放射線に移動/変換する性能を有するため、変換剤として好ましい。変換剤の選択は、モニターする放射線の型およびエネルギーに依存する。例えば、鉛およびバリウム塩は、X線をモニターするのに良い変換剤であり、ホウ素およびリチウム塩は熱中性子を測定するのに良い変換剤である。
【0121】
高エネルギー放射線が金属に衝突すると、二次電子およびより長波長の他の放射線が放出される。高い原子番号の物質ほどこれらの二次放射線の放出は大きくなる。バリウム塩は、無毒なので特に好ましい。高い原子番号(Z)を有する、鉛などの元素もまた好ましい。他の変換剤として、亜鉛、スズ、銀、タングステン、モリブデン、白金、金、ヨウ素、および臭素の合金、塩、並びにフリーの金属が挙げられる。
【0122】
得られる像は、変換剤材料を放射線感受性混合物、アンダーコート、トップコート、および好ましくはこれらすべてに組み込むことによって増幅されうる。変換剤は高エネルギーのX線、放射線、電子、および中性子を吸収し、吸収した放射線を低エネルギーの二次電離放射線に変換する。これらの低エネルギーの二次電離放射線およびアルファ粒子などの変換剤によって放出された核粒子は、放射線感受性材料中で反応を開始しうる。二次放射線は、その放射線源に関係なく変換剤材料に吸収され、次にまた放射線感受性材料中で反応を開始させうる三次電離放射線を放出する。二次放射線が電子の場合、エレクトロルミネセンス材料を変換剤として使用することによって像を増幅できる。
【0123】
フィルムなどの薄い造形品の像は、変換剤材料から作製された1つまたは2つのスクリーンと密着させることによってさらに増幅されうる。前記スクリーンは、最も簡単な形態においては、平らな金属ホイル、および/または、通常はより低エネルギーの放射線を放出するラジオルミネセンス、エレクトロルミネセンスまたは蛍光体材料でコートされてもよい。X線像は、4eVを超えるエネルギーを放出する蛍光体をスクリーン材料として用いることによって増幅されうる。長波長UV光を放出する蛍光体材料は、適当なドーパント、ドーパントの量、ドーピング工程によって、より高いエネルギーの放射線を放出させることができる。次にまた放射線感受性材料中の反応を開始させ、それによってさらに像を増幅しうる二次電子を生成するために、スクリーンに適当な電圧がかけられてもよい。
【0124】
有機、無機、および/または有機金属化合物であり、高エネルギー放射線の照射によって300nmより低い波長(4eVを超えるエネルギー)の放射線を放出する(蛍光およびリン光を放出するものを含む)任意の材料は、アンダーコート、放射線感受性コート、トップコートおよびスクリーンの変換剤として用いられうる。フィルムの感度を最大にするために、適した変換剤の選択が必要である。高エネルギー放射線を吸収する高い性能を有し、十分に低いエネルギーであるが4eVを超えるエネルギーの高い強度の放射線を放出する変換剤が好ましい。
【0125】
通常カソード/エレクトロルミネセンス材料として知られる物質は、電子と接触するとより低いエネルギーの放射線を放出する材料である。UV光を放出する、またはドーピングによってUV光を放出させうる、ピロリン酸ハフニウムなどのエレクトロルミネセンス蛍光体、並びにジルコニウム、ゲルマニウムおよびケイ素で置換されたエレクトロルミネセンス蛍光体は好ましい蛍光体である。これらの材料は、4eVを超えるエネルギーを有
する放射線を放出する場合、二次電子がカソードルミネセンス材料のUVおよびX線放射線の放出を引き起こし、次にジアセチレンの重合を開始させうるため、変換剤としても用いられうる。
【0126】
1nmより短波長の放射線を放出する材料は変換剤として用いられうる。好ましくは300〜1nmの範囲のUV放射線を放出するものである。UV放射線はすみやかにジアセチレン官能基に吸収され、ジアセチレンの重合を引き起こす。したがって、好ましい変換剤は、300から100nmの間のエネルギーの放射線を放出しなければならない。蛍光体として一般に知られている材料として、周期表のII〜VII族からの蛍光体(例えばZnS、ZnCdS)および希土類蛍光体(例えばGd2O2S、Y2O2S)および3元素の酸化物蛍光体(例えばCaWO3、ZnSiO4)が挙げられる。UV光を放出する、バリウム鉛サルフェート、T1、ZrP2O7(リン酸ジルコニウム)でドープしたナフタレン−ヨウ化ナトリウムなどの変換剤が用いられうる。適切にドープされた蛍光体;例えばバリウムフルオロクロリドおよびオキシ臭化ランタン、テルビウム活性化希土類酸硫化物(X2O2S、ここでXはガドリニウム、ランタンまたはイットリウム)、GdOS:Tb(III);LaOS:Tb(III);LaOBr:Tb(III);LaOBr:Tm(III);Ba(FCl)2:Eu(II);SrB4O7:Eu(ホウ酸ストロンチウムユーロピウム);BaSi2O5:Pb(ケイ酸バリウム);(CeBa)MgAl11O19(アルミン酸セリウムバリウム-マグネシウム);ユーロピウムで活性化されたピロリン酸ストロンチウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、ケイ素およびハフニウムのリン酸塩;および、活性化されていないまたは活性化されたタンタル酸イットリウムは、短波長UV光を放出しうる。好ましい蛍光体は、短波長UV光(例えば300〜50nm)を放出するものである。
【0127】
中性子のモニターには、高い中性子断面積を有する化合物が好ましい変換剤である。ホウ素の中性子断面は、中性子のエネルギーが増加するにしたがって減少する。天然のホウ素化合物は約20%のホウ素−10を有する。アミンはホウ酸と錯体を形成する。ホウ酸(BA)は、無毒で安価である。変換剤としてホウ素およびリチウム、とくにホウ素を含む造形品は、熱中性子のモニターおよびホウ素中性子捕捉療法に用いられうる。高い中性子断面積を有し、電子およびガンマ線を放出するガドリニウムなどの元素もまた中性子の変換剤として用いられうる。
【0128】
なめらかな表面を有する任意の固体基板は放射線感受性成形製剤のコーティングおよび製膜に用いられうるが、好ましい基板は柔軟で透明なプラスチックフィルム、並びに天然の(セルロース)および合成の(例えばタイベック(Tyvek)(登録商標)などのスパンボンドポリオレフィン)紙である。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、セロファンおよびセルロースのエステルなどのプラスチックフィルムもまた透明基板として用いられうる。アルミニウムなどの金属ホイルもまた用いられうる。
【0129】
最も好ましい基板は、ポリエチレンテレフタレートの5〜300ミクロンの厚さのフィルムである。図1の自立フィルム、プラークおよびブロックは基板を必要としない。
【0130】
放射線感受性層と基板フィルムの強い接着が必要である。コーティングがベースフィルムに接着していない場合、通常は砕ける。コーティングの基板への接着を高めるために、ポリエステルベースのフィルムなどの基板および放射線感受性コーティングに接着する性能を有するサブコーティング、アンダーコートまたは下層として知られる薄いコーティングがポリエステルフィルムの上に塗布される。下層の性質/組成は、バインダの性質/組成に依存する。
【0131】
放射線感受性材料を含む層は、バリア材料でコートされてもよい。バリア層の目的は、例えば化学物質の接着層からの拡散、並びに酸素、水、および水蒸気を含む環境からの拡散のような望ましくない化学物質の拡散を最小にすること、並びにUV光などの他の望ましくない放射線の影響も最小にすることである。バリア層は、バインダとして用いられ本明細書中に列挙されるポリマーなどのポリマー層であってもよい。バリア層は、UV吸収剤などの添加剤を含んでもよい。ここに挙げたこれらすべての層の間に、層間のよい接着を得るためにプライム層を塗布してもよい。
【0132】
166、344、4BCMU、PC、TCなどのジアセチレン並びにTCおよびPCのエステルおよびアミドを、例えば、ポリブチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート、ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリエチレン/ビニルアセテート、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリステアリン酸ビニル、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・ブチルアクリレート・カーボンモノオキシド共重合体、ポリ(o−クレジルグリシジルエーテル)−ホルムアルデヒド、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン−コ−ビニルアセテート−コ−カーボンモノオキシド、ポリヘキサメチレンアジペート、およびポリヘキサメチレンビニレンなどの溶融ポリマーに溶解した。溶融混合物は、薄膜またはプラークにプレスされて、その後室温まで冷却された。ポリマーおよびジアセチレンに依存して、不透明、半透明、並びに透明の、成形された目的物が得られた。薄膜、プラーク、およびブロックなどの溶融体をキャストした造形品にX線を照射した。ほとんどの造形品は照射によって発色した。ジアセチレンのかわりに他の放射線感受性材料が用いられうる。ほとんどの溶融加工が可能なポリマーは、アセチレンの他の放射線感受性材料として用いられうる。溶融加工のための好ましいポリマーは、半透明または透明の造形品を提供するものである。最も好ましくは、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニルおよびこれらのコポリマーである。このような溶融加工技術によって作製された造形物の品質保持期間は、本明細書中に列挙した品質保持期間延長剤を加えることで延長することができる。
【0133】
市販のポリマーは、しばしば、性能を向上させるために改質されプラスチック添加剤と混合される。可塑剤は、おもなポリマー添加剤である。可塑剤のおもな用途は、ポリ塩化ビニル(PVC)およびそのコポリマーである。可塑剤は、材料(通常プラスチックまたはエラストマー)に、その柔軟性、加工性、または非必須性を向上させるために組み込まれる物質または材料である。一般に、可塑剤は高沸点の有機液体(溶媒)または場合によっては有機固体である。一般的な可塑剤は、フタル酸塩、グリコールエーテル、オレイン酸塩、アジピン酸塩、グルタレート、リン酸塩、安息香酸塩、塩素化パラフィン、レシンオレイン酸塩、アゼライン酸塩、炭化水素油、セバシン酸塩、クエン酸塩、イソ酪酸塩、スルホンアミド、エポキシ、ケトン、アビエチン酸塩、トリメリット酸塩およびポリエステルなどのポリマーである(Sears,J.Kern,Darby,Joseph R.,The Encylopedia of Plasticzers,John Wiley&Sons,New York,1982およびO’Brien,Joseph,Modern Plastics Encyclopedia,1986〜1987,“Plasticizer”,Page 166〜168,McGraw Hill,1986.)。PVCなどのポリマーのマイクロ粒子および可塑剤の混合物を一般にプラスチゾルと表す。
【0134】
多くの溶媒および可塑剤もまた、適切なジアセチレンの結晶化または放射線感受性色素
の溶解のために、並びにブロックの透明度およびバインダの可塑化の温度を調節するために、製剤に加えられうる。溶媒および可塑剤の使用は、放射線感受性材料、バインダ、および添加剤の性質並びに濃度などの、いくつかの因子に依存する。本発明者らは、ブトキシ−2−エチルステアレート、ブチロラクトン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、ジメチルカーボネート、ジオクチルフタレート、エチレングリコールジメチルエーテル、サリチル酸エチル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレンカーボネート、トリアセチン、ベンジルエーテル、ドデシル−1,2−メチルピロリドン、エトキシエチルアセテート、エチレングリコールジアセテート、トリクロロ酢酸エチル、メチルピロリドン、メチルスルホキシド、異なった分子量のポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、p-ジオキサン、テトラヒドロフランおよびp−キシレンなどのいくつかの高沸点溶媒の使用を探索した。好ましい溶媒は、高沸点の溶媒、可塑剤、および液体オリゴマーである。最も好ましい溶媒は、ジオクチルフタレート、エチレングリコールジアセテートおよびサリチル酸エチルである。
【0135】
プラスチゾルの使用は多くの利点を提供する。例えば、プラスチゾルは蒸発させる必要のある溶媒をなくす。プラスチゾルは、部材が溶融加工によって作製される場合、加工温度を下げる。プラスチゾルはまた、プラスチック/バインダをより柔らかく柔軟にする。プラスチゾルはまた、照射の温度の影響を最小にするために役立つ。
【0136】
約0.5〜2ミクロンのトップコート(スーパーコートとしても知られている)は通常コーティングを磨耗に対して耐性にするために塗布される。トップコートは、多くの他の添加剤、例えば(1)変換剤;ヨウ化鉛およびヨウ化ナトリウムなど;高エネルギー放射線を照射されるとより低エネルギーの放射線を生成し、それによって像を強調することができる;および(2)UV吸収剤を含みうる。放射線感受性コート、サブコート、およびトップコート中のポリマーは異なっていてもよいが、変換剤材料およびUV吸収剤は用いられるバインダに依存して、同じであっても異なっていてもよい。フィルム線量計はウェット加工を必要としないので、任意の引っかき抵抗性ポリマーもまたトップコートとして用いられうる。保護コートもまた、帯電防止化合物、引っかき抵抗性および反射防止材料などの他の添加剤を含んでもよい。このトップコートは、堅い保護コートを提供するポリウレタン、ポリエポキシ、ポリシロキサン、およびポリアクリルであってもよい。
【0137】
前記線量計は、数か月から数年の品質保持期間を有しなければならない。放射線モニタリング装置または放射線感受性部材が、周囲条件で1か月間の保存の後、0.05以下の光学濃度を示すことが最も好ましい。ジアセチレンおよび本明細書中に記載される他の放射線感受性材料から作製される、X線のモニターのための部材/フィルム/コーティングの品質保持期間は、おもにUV放射線および熱活性に依存する。ジアセチレンの熱活性およびUV活性を制御する方法についての報告はない。本発明者らは、例えば熱安定剤、(励起状態の)クエンチャー、スカベンジャー、抗酸化剤、(活性種の)阻害剤、酸素スカベンジャー、(活性種の)防止剤、UV安定剤、UV反射剤、およびUV吸収剤などの品質保持期間延長剤をジアセチレンの製剤に加えることによってジアセチレンの品質保持期間が延長されうることを発見した。本明細書中で、熱安定剤、(活性種の)クエンチャー、スカベンジャー(ラジカルおよび酸素スカベンジャーなど)、抗酸化剤、(活性種の)阻害剤、(活性種の)防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤などの化合物が併せてまたは個々に、品質保持期間延長剤として表される。必要な品質保持期間延長剤の量および性質は、ジアセチレン、ジアセチレンの結晶化に用いられる溶媒またはバインダの性質に依存する。品質保持期間延長剤を用いることで、4BCMUなどの多くのジアセチレンの品質保持期間を、室温で数週間から数か月およびほぼ1年まで、並びに太陽光の下では数時間から2,3日まで、延長することができた。
【0138】
必要な品質保持期間延長剤の濃度は、放射線感受性材料の性質、コーティング溶液の作製に用いられる溶媒および非溶媒、分散または溶融混合物、および用いられるバインダなど、多くの因子に依存する。品質保持期間延長剤は、全固体の0.1〜約75%で用いられうる。5〜50%の濃度が非常に効果的であることが明らかになった。好ましい範囲は、品質保持期間延長剤が全固体の5〜30重量%である。
【0139】
ジアセチレンの重合は、ラジカル、ラジカルイオン、およびカルベンなどの活性種による重合開始に起因する。ある種の不純物もまた、しばしばジアセチレンの重合を開始させうる。ジアセチレンの重合を開始させる活性種の生成が、生成が停止された場合、または生成しても破壊された場合、品質保持期間が延長されうる。本発明者らは、フェノール、ポリフェノールおよび置換フェノール、ヒドロキノンおよびそのアルキルヒドロキノン誘導体(メチルヒドロキノンなど)、カテコール、ピロガロールおよびこれらの誘導体(ジ−t−ブチルカテコールなど)、ベンゾキノン、クロラニル、塩化鉄、塩化銅、硫黄、およびラジカル阻害剤(ジフェニルピクリルヒドラジン、ガルバノキシルおよびトリフェニルフェルダジルなど)、芳香族アミン(ジフェニルアミンなど)の重合阻害剤が品質保持期間の延長に用いられうることを見出した。
【0140】
本発明者らはまた、一般に抗酸化剤、酸素スカベンジャー、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、活性種のクエンチャー、金属不安定化剤など、およびこれらの混合物として知られる熱安定剤が、ジアセチレンの品質保持期間の延長に非常に効果的であることを発見した。硫化アルキル、亜リン酸アルキル、芳香族アミン、アルキルフェノール、金属ジチオホスフェート、金属ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジンがジアセチレンの品質保持期間を延長するために用いられうる。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビスフェノリック、チオビスフェノール、有機亜リン酸塩およびチオエステルが、線量計の抗酸化剤として用いられうる。
【0141】
本発明者らはまた、芳香族アミン、とくに第2級芳香族アミン、および立体障害フェノールが良いH−供与体であり、ジアセチレンの品質保持期間延長剤として用いられうることを発見した。このようなH−供与体の例として、m−キシリレンジアミン、ジフェニルアミン、l,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、l,3−ビス(3−アミノメチルフェニル−メチルアミノ)−2−プロパノール、1,3−ビス(N,N−N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンおよびN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンが挙げられる。
【0142】
亜リン酸塩または亜ホスホン酸塩などの三価リンの有機化合物、およびスルフィドなどの硫黄の有機化合物、ジアルキルジチオカルバメートおよびジチオホスフェートの金属塩は、広く用いられるヒドロペルオキシド分解剤である。硫黄ベースのヒドロペルオキシド分解剤の中でも、3,3−チオジプロピオン酸のエステルは重要な役割を果たす。反応の原理は、はじめに生成したスルホキシドのスルフェン酸への熱分解である。スルフェン酸から始まる、後のさまざまな酸化反応はさらなるヒドロペルオキシド分解に貢献し、変換の後の段階では無機スルフェン酸および硫黄酸化物が生成する。生成するすべての酸種は化学量論を超えてROOHを分解しうる。これらのヒドロペルオキシド分解剤もまた、線量計の品質保持期間延長剤として用いられうる。
【0143】
ベンゾフラノンおよびその誘導体のようなラジカルスカベンジャーもまた品質保持期間延長剤として用いられうる。
【0144】
過酸化物の生成を最小にするために、酸素の拡散を最小にすることが重要である。酸素の透過を最小にする高分子材料は、バインダおよび保護コートまたは保護フィルムとして
用いられうる。酸素はまた、アミン、フェノール、キノン、アルデヒド、カルボヒドラジン、不飽和有機化合物および還元剤などの酸素スカベンジャーによって除かれうる。酸素スカベンジャーの例として:アルデヒド、ヒドロキシアルキルヒドロキシルアミン、N,N,−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)ヒドロキシルアミン、1−アミノピロリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、アントロン、エラグ酸、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒドおよびフルフラールなどのアルデヒド、ヒドロキノン、2,3−ジメチル−1,4−ヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン、カテコール、4−tert−ブチルカテコール、ピロガロール、1,2,4−ヒドロキシベンゼン、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、2−アミノフェノール、1,4−ナフトキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトヒドロキノン、1,2−ナフトヒドロキノン、2,6−ナフトキノン、ナフトプルプリン、5,8−ジヒドロ−1,4−ナフトキノン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,4−ナフトキノン、3,4−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、4−アミノ−1,2−ナフトキノン、2−アミノ−1,4−ナフトキノン、シクロヘキシルアミン、2−アミノ−2−メチル−l−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルフォリン、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、およびジメチルプロピルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、モルフォリン、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ジメチルスルホキシド、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルチオジプロピオネート、ビタミンE(アルファ−トコフェロール)、オクタデシル−3,5,−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、タンニン、および、塩化テトラエチルアンモニウムなどの第4級塩化アンモニウムが挙げられる。本発明者らはこのような酸素スカベンジャーが線量計の品質保持期間の向上に効果的であることを発見した。
【0145】
クエンチャーとして知られる材料は、励起された基からエネルギーを吸収し、これらを、いわば緩和し、それによって有害なフリーラジカルとしての発展を遅らせる。広く用いられるUV安定剤群であるHALS(ヒンダードアミン光安定剤)は部分的にクエンチャーとしてはたらくと考えられている。HALSなどのUV安定剤による抗酸化剤作用は、UV劣化耐性を達成するために広く用いられる。UV吸収剤と異なり、この群の化合物は、材料のUV光照射によって生成した過酸化物およびフリーラジカルと反応し、これらを捕捉し、それによってその有害な影響を中和する。本発明者らは、HALSもまた、品質保持期間の延長に効果的であることを見出した。
【0146】
ポリ[4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)−アルト−1,4−ブタンジオール/ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール/ポリカプロラクトン]、ポリ[N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン−コ−2,4−ジクロロ−6−モルフォリノ−1,3,5−トリア、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドードおよび5,5−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などのUV安定剤またはクエンチャーもまた線量計に用いられうる。
【0147】
紫外放射線は波長で3つの群に分けられる。UVC(290nm以下)、UVB(290〜320nm)、およびUVA(320〜400nm)である。ジアセチレンは、置換基に依存して、程度の差はあっても、すべてのUV光を照射されたとき発色する。前記ジアセチレンおよびそれから作製される部材は、UV吸収剤およびUV安定剤を前記部材に
組み込むことによって、またはUV吸収ポリマーを有するコートを塗布することによって、保護されうる。ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリウレタンおよびポリ(ビス−フェノールカルボネート)のような芳香族ポリマーは、よいUV吸収剤である。UV吸収性能は、適当なUV吸収剤を加えることでさらに高められ、広げられうる。例えばベンゾフェノン(ヒドロキシベンゾフェノン)、ベンゾトリアゾール(ヒドロキシベンゾトリアゾール)、安息香酸塩、オキサニリドおよびサリチル酸塩などはUV吸収剤として広く用いられている。本発明者らは、UV吸収ポリマー、UV吸収剤およびUV安定剤の使用が品質保持期間の向上に非常に効果的であることを発見した。微粉末化した(ミクロンからサブミクロンのサイズまで)酸化チタン、酸化鉄、および酸化亜鉛もまたUV吸収剤として用いられうる。本発明者らは、例えば酸化亜鉛、酸化スズおよび二酸化チタンのナノ粒子が非常に効果的なUV吸収剤であることを発見した。
【0148】
UV吸収剤の例として、ベンズアミド、ベンゾフェノンヒドラゾン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾトリアゾール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、ビスフェノールA、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール)、クマリン、p−メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、p−アミノ安息香酸、その誘導体、ナフタレンジカルボン酸のジエステルおよび/またはポリエステル、ケイ皮酸塩(オクチルメトキシケイ皮酸塩およびシノキサート)、サリチル酸塩(サリチル酸メチル)、アントラニル酸メンチルなどのアントラニル酸塩、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸、トリオレイン酸ジガロイル、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、クペロン、サリチル酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシケイ皮酸、スルホサリチル酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フルオレセイン、ファストブルーBB、フェノチアジン、4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、ポリ[2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート]、2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2,2−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−フェニル−5−ベンズイミダゾールスルホン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5−オクチルペンチルベンゾトリアゾール)、3,4−ジアミノベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、ジフェニルアミン、ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、没食子酸ラウリル、フェニルヒドロキノン、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール、サリチルアニリド、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、トリメチルヒドロキノン、および1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
【0149】
UV吸収剤およびUV安定剤はジアセチレンを含む活性層に加えられてもよく、活性層はUV吸収剤およびUV安定剤でコートされてもよい。UV吸収剤およびUV安定剤の混
合物を用いてもよい。
【0150】
線量計の品質保持期間は、バインダ、バリア層、およびトップ層にUV反射剤を組み込むことで延長されうる。線量計は、多重UV反射層を有することによってもUV光から保護されうる。本発明者らは、平らなホログラフィックおよびダイクロイックフィルム並びに偏光板もまた、UV光の影響の低減に有効であることを発見した。本発明者らは、これらのアプローチがUV光の影響を最小にするのに有効であることを発見した。ある種の無機材料をスパッタコーティングすることによって表面をUV反射性にすることができる。UV反射層は、有機ケイ素化合物(米国特許第6,486,338号)およびコレステリック液晶ポリマー(米国特許第5,827,449号および第6,159,454号)から得ることができる。a)キラル基としてジアンヒドロヘキシトール誘導体を含む液晶オルガノシロキサン、およびb)対応する液晶オルガノシロキサンと同じらせん性を有するキラルモノマー添加剤を含む、400nm以下のピッチのコレステリック相を有する液晶材料が用いられうる。米国特許第6,498,683号および第6,531,230号に記載される多層ポリマーフィルム並びに他の光学体もまたUV光からの保護を提供する。
【0151】
多くの化合物が蛍光性である。これらは良いUV吸収剤である。これらはUV光を吸収しより長波長の光を放出する。線量計の品質保持期間を延長するためのUV吸収剤として用いられうる、多数の蛍光化合物がある;クマリン、ローダミン、アクリジン、クメストロール、フルオレセイン、ピレン、スチルベン、レゾルフィン、エオシン、キサンタン、ナフタルイミド、およびポリメチンは、線量計をUV/太陽光から保護するために用いられうる蛍光化合物のおもな群である。蛍光プローブとして広く知られる以下の化合物が用いられうる:2−ヒドロキシビフェニル、フルラム、フルオレセインアミン、アントラセン、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸四ナトリウム塩、フェナントレン、アントラセン−9−カルボン酸、フタルジアルデヒド、フタルジアルデヒド、2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテート、1−エチルナフタレン、9−フルオレニルメチルカルバゼート、トリフェニレン、ナフタレン、フェナントリジン、クマリン、ジヒドロフルオレセインジアセテート、p−ターフェニル、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸、1−アルギニン−4−メチル−7−クマリニルアミド塩酸、トリオキサレン、p−クォーターフェニル、5(6)−カルボキシフルオレセインジアセテートN−スクシンイミジルエステル、フルオレセインジアセテート、5(6)−カルボキシフルオレセインジアセテート、5(6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテートn−スクシンイミジルエステル、2−エチルナフタレン、2,5−ジフェニルオキサゾール、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩、5−メトキシソラレン、3,3−ジメチル−2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−オクタデシルインドリウムパークロレート、4−メチルウンベリフェリルパルミテート、4−メチルウンベリフェリルエナンテート、4−メチルウンベリフェリルオレアート、4−メチルウンベリフェリルアセテート、4−メチルウンベリフェリルアセテート、4−メチルウンベリフェリルブチレート、4−メチルウンベリフェリル−n−アセチル−アルファ−d−ノイラミン酸ナトリウム塩二水和物、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−グルクロニド三水和物、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−n−アセチル−ベータ−d−グルコサミニド二水和物、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−d−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−d−ガラクトピラノシド、8−ノナノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、6−(p−トルイジノ)−2−ナフタレンスルホン酸、6−(p−トルイジノ)−2−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、4−メチルウンベリフェリルホスフェート二ナトリウム塩、2−ナフトール、7−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−キノロン、塩酸キニーネ二水和物、カルセインブルー、N−スクシンイミジル−7−ヒドロキシ−4−クマリニルアセテート、塩酸4−メチルウンベリフェリル−4−グアニジノベンゾエート一水和物、7−エトキシクマリン、4−ヘプタデシルウンベリフェロン、グルタリル−l−フェニルアラニン−4−メチル−7−クマリニルアミド、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリル−ベータ−d−グルコピラノシド、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシド、ウンベリフェロン、l−アラニン−4−メチル−7−クマリニルアミドトリフルオロアセテート、3,4−ジメチルウンベリフェロン、塩酸l−ロイシン−4−メチル−7−クマリニルアミド、N−スクシンイミジル−7−ヒドロキシ−4−メチル−3−クマリニルアセテート、ホタルルシフェリンナトリウム塩、ホタルルシフェリン、トランス、トランス−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、4−ベンジルアミノ−7−ニトロベンゾフラザン、4−ブロモメチル−7−メトキシクマリン、1,4−ジアセトキシ−2,3−ジシアノベンゼン、7−メトキシ−4−メチルクマリン、7−エトキシ−4−メチルクマリン、3−カルボキシウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシド、1−ナフトール、2−(1−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール、1,5−ジアミノナフタレン、4−メチルウンベリフェリル−N,N’−ジアセチル−ベータ−d−キトビオシド一水和物、3−カルボキシウンベリフェリル−ベータ−d−ガラクトピラノシドN−スクシンイミジルエステル、3−(2−ベンゾチアゾリル)ウンベリフェロン、3−フェニルウンベリフェリルホスフェートヘミピリジン塩、7−エトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、2−(4,4,4−トリフルオロアセトアセチル)ナフタレン、7−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、4−メチルウンベリフェリルサルフェートカリウム塩、ダンシルカダベリン、9,10−ビス−N−(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノメチルアントラセンビス−塩化亜鉛錯体、11−(5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルアミノ)ウンデカン酸、ソラレン、ダンシルヒドラジン、N−(ヨードアセトアミノエチル)−1−ナフチルアミン−5−スルホン酸、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、ダンシル−1−チロシル−1−バリル−グリシントリフルオロアセテート、3−(ダンシルアミノ)フェニルボロン酸、ビスベンズイミド、3−フェニルウンベリフェロン、4−メチルウンベリフェリル−N,N’,N”−トリアセチル−ベータ−キトトリオシド、ビスベンズイミド、7−メトキシクマリン、1−メチルピレン、2−4−(ヨードアセトアミド)フェニル−6−メチルベンゾチアゾール、キサントキシン、6,7−ジエトキシ−4−メチルクマリン、2,3−ジアミノナフタレン、1−ピレン酪酸、4,4’−ジイソチオシアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム塩、6−(1−ピレニル)ヘキサン酸、1−ピレンドデカン酸、1−ピレンデカン酸、7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸、ピレン−1−カルボン酸、4−ジメチルアミノ−1−ナフチルイソチオシアネート、硫酸キニーネ二水和物、6−メトキシ−1−(3−スルホプロピル)キノリニウム一水和物、ピレン−1−スルホン酸ナトリウム塩、ピレン−1−カルボキシアルデヒド、3−ブロモメチル−7−メトキシ−1,4−ベンゾオキサジン−2−オン、キニーネ無水物、2−アミノ−5−(6−カルボキシインドール−2−イル)フェノール−N,N,O−四酢酸カリウム塩、4−(6−メチル−2−ベンゾチアゾリル)フェニルイソシアネート、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−d−マンノピラノシド、3−(2−ベンゾオキサゾリル)ウンベリフェリルオクタノエート、2−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル−6−メトキシ−8−アミノキノリン−N,N,N’,N’−四酢酸テトラキス(アセトキシメチルエステル)、コレステリルピレン−l−カルボキシレート、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン−4’−プロピオン酸、6,7−ジメトキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、3−(2−ベンゾオキサゾリル)ウンベリフェリルアセテート、n−ヘキサデシルピレン−1−スルホンアミド、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン、7−アミノ−4−メチル−3−クマリニル酢酸、ピレン、フタロシアニン、フタロシアニン、7−アミノ−4−メチルクマリン、4−ブロモメチル−6,7−ジメトキシクマリン、ジヒドロエチジウム、1−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウムブロミド、1,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン−4’−トリメチルアンモニウムトシレート、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルフルオリド、1,8−ジアミノナフタレン、8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸二ナトリウム塩、1,4−ビス(5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、N−スクシンイミジル−7−メトキシクマリン−3−カルボキシレート、7−ヒドロキシ−n−オクタデシルクマリン−3−カルボキサミド、4−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−オクタデシルピリジニウムパークロレート、4−クロロ−7−スルホベンゾフラザンアンモニウム塩、3−オクタデカノイルウンベリフェロン、7−メトキシクマリン−3−カルボン酸、7−ヒドロキシ−4−メチル−3−クマリニル酢酸、6,7−ジヒドロキシ−4−メチルクマリン、アントラセン−9−カルボニルシアニド、ヒドロキシスチルバミジン−ビス−メタンスルホネート、N,N−ジメチル−6−プロピオニル−2−ナフチルアミン、フラ−2、N,N−ジメチル−6−ドデカノイル−2−ナフチルアミン、6,8−ジアセトオキシピレン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−オクタデシルベンゾチアゾリウムパークロレート、7−ヒドロキシ−4−クマリニル酢酸、6,7−ジヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)クマリン、8−ヘキサデカノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ドデカノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、コレステリルアントラセン−9−カルボキシレート、5,6−ベンゾクマリン−3−カルボニルクロリド、3−アセチルウンベリフェロン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルクロリド、8−アニリノナフタレン−1−スルホン酸アンモニウム塩、4−メチルウンベリフェロン(ベータ)、11−(ピレン−1−スルホニルアミノ)ウンデカン酸、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨージド、モノクロロビマン、トランス−4’−ヒドラジノ−2−スチルバゾールジヒドロクロリド、3,6,8−トリス(ジメチルアミノスルホニル)−1−ピレニルホスフェートピリジン塩、1−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルヘキサトリエン、9,10−アントラセンジイル−ビス−(メチレン)−ジマロン酸、12−(アントラセン−9−カルボニルオキシ)ステアリン酸、8−オレオイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−オクタノイルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ブチリルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ブチリルオキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、12−オキソ−12−(1−ピレニル)ドデカン酸、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェロン、6,7−ジヒドロキシ−4−クマリニル酢酸、3,3’−ジオクチルチアカルボシアニンヨージド、7−オクタデシルオキシ−3−3−(3−スルホプロピル)−2−ベンゾチアゾリリオクマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−オクタデシルオキシクマリン、3−メチル−2−7−オクタデシルオキシ−3−クマリニルベンゾチアゾリウムメトサルフェート、8−テトラデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、ジブロモビマン、8−アセトキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、n−(7−ジメチルアミノ−4−メチル−3−クマリニル)マレイミド、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3,4−ジカルボン酸、モノブロモビマン、N−(l−ロイシル)−2−アミノアクリドン、N−(s−ベンジル−l−システイニル)−2−アミノアクリドン、n−(n−スクシニル−1−フェニルアラニル)−2−アミノアクリドン、n−(n−グルタリル−1−フェニルアラニル)−2−アミノアクリドン、n−(n−トシル−l−フェニルアラニル)−2−アミノアクリドン、ベンゾフルオ
ランテン、ペリレン、オクタデシル−7−ヒドロキシクマリン−3−カルボキシレート、8−ヘキサデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ドデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、7−アセトキシ−1−メチルキノリニウムヨージド、8−オクタデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−デシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、8−メトキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、1−(4−ニトロフェニル)−6−フェニルヘキサトリエン、6,8−ジヒドロキシピレン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩、7−ヒドロキシ−1−メチルキノリニウムヨージド、プロトポルフィリン、プロトポルフィリン−ジメチルエステル、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボン酸、N−スクシンイミジル−3−(2−ベンゾチアゾリル)ウンベリフェロン−4−カルボキシレート、3−(5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル)−4−シアノウンベリフェリルホスフェートピリジン塩、チオフラビン、10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムベタイン、10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムベタイン、3−(5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル)−4−シアノウンベリフェロン、N−スクシンイミジル−7−ヒドロキシクマリン−3−カルボキシレート、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボヒドラジド、8−(ベータ−d−ガラクトピラノシルオキシ)−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、アクチノマイシン、2−4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾアゾリウムパークロレート、8−アミノピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、2−アミノアクリドン、フェナジン、ルシファーイエロージカリウム塩、ルシファーイエロージリチウム塩、ルシファーイエロージリチウム塩、N−スクシンイミジル−7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボキシレート、7−(ジエチルアミノ)クマリン−3−カルボニルアジド、8−イソチオシアネートピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、9−(2−カルボキシ−2−シアンビニル)−ジュロリジン−N−スクシンイミジルエステル、9−(2,2−ジシアンビニル)−ジュロリジン、9−(2−カルボキシ−2−シアンビニル)−ジュロリジン、4−ニトロ−4’−(オクタデシルアミノ)スチルベン、4−(ジオクタデシルアミノ)−4’−ニトロスチルベン、プロフラビンヘミサルフェート二水和物、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン−4−カルボン酸、ベンゾニンヒドリン一水和物、8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、N,N’−ジメチル−9,9’−ビアクリジニウムジニトレート、N,N’−ジメチル−9,9’−ビアクリジニウムジニトレート、トリス(4,7−ジフェニルフェナントロリン)ルテニウム(ii)ビス−錯体、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−メチルキノリニウムヨージド、11−(7−ニトロベンゾフラザン−4−イルアミノ)ウンデカン酸、6−(7−ニトロベンゾフラザン−4−イルアミノ)ヘキサン酸、12−(7−ニトロベンゾフラザン−4−イルアミノ)ドデカン酸、レゾルフィン−ベータ−d−ガラクトピラノシド、レゾルフィンホスフェートピリジン塩、レゾルフィン−ベータ−d−グルコピラノシド、4−フルオロ−7−ニトロベンゾフラザン、1,3’−ジエチル−4,2’−キノリルチアシアニンヨージド、塩酸ドキソルビシン、4−(4−ジペンタデシルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、2−(4−ジエチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、ジミジウムブロミド、エチジウムブロミド溶液、エチジウムブロミド、エチジウムブロミド、エチジウムブロミド、フルオレセイン−5(6)−カルボキサミドカプロン酸、2’,7’−ビス(2−カルボキシエチル)−5(6)−カルボキシフルオレセイン、プロピジウムヨージド、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、3,3’−ジヘプチルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジプロピルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジペンチルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジオクタデシルオキサカルボシアニンパークロレート、3,3’−ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド、3,3’−ジブチルオキサカルボシアニンヨージド、4−(4−ジエチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウムヨージド、フルオレセインイソチオシアネートデキストラン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、フルオレセインナトリウム、フルオレセイン(遊離酸)、フルオレセイン−5(6)−カルボキサミドカプロン酸n−スクシンイミジルエステル、フルオレセインイソチオシアネートデキストラン、フルオレセインイソチオシアネートデキストラン、5−カルボキシ−フルオレセインn−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセインN−スクシンイミジルエステル、フルオレセイン−5−チオセミカルバジド、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン、エチジウムホモダイマー、10−ドデシルアクリジンオレンジブロミド、10−オクタデシルアクリジンオレンジブロミド、カルセイン二ナトリウム塩、10−ノニルアクリジンオレンジブロミド、フルオレセイン酢酸第二水銀、ローダミン110クロリド、N’−オクタデシルフルオレセイン−5−チオ尿素、フルオ3、5(6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセイン、3−(2−ベンゾオキサゾリル)−4−シアノウンベリフェロン、9−(2−カルボキシフェニル)−6−ジメチルアミノ−3−キサンテノンサルフェート、ローダミン116パークロレート、エオシン、ローダミン5−3(4)−(アミノカルボニル)−4(3)−カルボキシベンゼンスルホニルフルオリド、ローダミンB 5−3(4)−(アミノカルボニル)−4(3)−カルボキシベンゼンスルホニルフルオリド、エオシンイエローイッシュ、5,10,15,20−テトラキス(1−メチル−4−ピリジニオ)ポルフィリンテトラ(トルエン−4−スルホネート)、エオシン5−イソチオシアネート、ローダミン19パークロレート、ローダミン6G、ローダミン6Gテトラフルオロボレート、ローダミン800、3,3’−ジオクタデシルチアカルボシアニンパークロレート、レゾルフィンブチレート、レゾルフィンアセテート、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンBイソチオシアネート、ローダミンBイソチオシアネート、6−カルボキシ−テトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−テトラメチルローダミンN−スクシンイミジルエステル、6−カルボキシ−テトラメチルローダミン、5−カルボキシ−テトラメチルローダミン、n−オクタデカノイル−ナイルブルー、ストレプトアビジン−B−フィコエリトリン、ビオチン−B−フィコエリトリン、1,1’−ジオクチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、3,3’−ジヘキシルチアカルボシアニンヨージド、1,1’−ジヘキシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、ベンガルローズb、テトラメチルローダミンメチルエステルパークロレート、1,1’−ジプロピル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、1,1’−ジペンチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、1,1’−ジブチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、テトラメチルローダミンエチルエステルパークロレート、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−1−オクタデシルピリジニウムパークロレート、1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンパークロレート、ローダミンB、ローダミンBオクタデシルエステルパークロレート、メロシアニン540、3,3’−ジプロピルチアカルボシアニンヨージド、スルホローダミンb 5−酸フルオリド、3,3’−ジペンチルチアカルボシアニンヨージド、1,1’−ジエチル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドカルボシアニンヨージド、3,3’−ジブチルチアカルボシアニンヨージド、スルホローダミンB 2−酸フルオリド、3,3’−ジヘプチルチアカルボシアニンヨージド、スルホローダミンB酸クロリド、スルホローダミンBモノナトリウム塩、ローダミン101、5(6)−カルボキシ−x−ローダミン、スルホローダミンQ 5−酸フルオリド、6−カルボキシ−X−ローダミン−N−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−x−ローダミン−n−スクシンイミジルエステル、5−カルボキシ−X−ローダミン(5−ROX)、6−カルボキシ−X−ローダミン(6−Rox)、5(6)−カルボキシ−X−ローダミンN−スクシンイミジルエステル、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨージド、スルホローダミンQ 2−酸フルオリド、スルホローダミン101酸クロリド、スルホローダミン101遊離酸、ナフトフルオレセイン、ビオチン−c−フィコシアニン、クレジルバイオレットパークロレート、5(6)−カルボキシナフトフルオレセインN−スクシンイミジルエステル、オクタエチルポルフィン、アズールA、フルオレセントレッド646、フルオレセントレッド646、フルオレセントレッド646、1,
1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドジカルボシアニンパークロレート、メソテトラフェニルポルフィリン、アズールB、3,3’−ジプロピルチアジカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルチアジカルボシアニンヨージド、4,5−ベンゾ−5’−(n−スクシンイミジル−オキシカルボニル−メチル)−1’−エチル−3,3,3’,3’−テトラメチル−1−(4−スルホブチル)インドジカルボシアニン、4,5−ベンゾ−5’−(インドアセトアミノメチル)−1’,3,3,3’,3’−ペンタメチル−l−(4−スルホブチル)インドジカルボシアニン、1,1’−ビス(4−スルホブチル)−11−(4−イソチオシアネートフェニルチオ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−10,12−トリメチレンインドトリカルボシアニンモノナトリウム塩、3,3’−ジエチルオキサトリカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルチアトリカルボシアニンヨージド、2,5−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール、無水1−ナフチル酢酸、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホンアミド、無水ジフェニルマレイン酸、カルバゾール−9−カルボニルクロリド、n−(3−フルオランチル)マレイミド、n−4−(2−ベンズイミダゾリル)フェニルマレイミド、6−ヒドロキシ−2−ナフチルジスルフィド、2−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)メチル−6−メトキシ−8−アミノキノリン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸テトラカリウム塩、1,2−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、1,2−フェニレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、2−(4−マレイミドフェニル)−6−メチルベンゾチアゾール、メソ−1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、N−(l−ピレニル)マレイミド、1,2−ジアセチルベンゼン、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールジヒドロクロリド、4−メチルウンベリフェリル−アルファ−1−フコピラノシド、イソニコチンヒドラジド、4−ヒドロキシベンズヒドラジド、9−クロロメチル−アントラセン、4−メチルウンベリフェリル−ベータ−d−ラクトシド、ジフェニルボリン無水物、4,5−メチレンジオキシ−1,2−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、マロンアミド、Z−グリシル−l−プロリン−4−メチル−7−クマリニルアミド、1,3−シクロヘキサンジオン、8−エトキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルホスフェート二ナトリウム塩、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルエナンテート、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルオレアート、7−フルオロベンゾフラザン−4−スルホン酸アンモニウム塩、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルブチレート、2−メトキシ−2,4−ジフェニル−3(2h)−フラノン、4−(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルアセテート、8−メトキシ−N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルピレン−1,3,6−トリスルホンアミド、8−アセトオキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩、4−ヒドラジノ−7−ニトロベンゾフラザン、5(6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテート、4’,5’−ビスN,N−ジ(カルボキシメチル)アミノメチルフルオレセイン、2’,7’−ビス(2−カルボキシエチル)−5(6)−カルボキシフルオレセインテトラキス(アセトメチル)エステル、フルオレセインジラウレート、フルオレセインジブチレート、フルオレセインジアセテート−5−イソチオシアネート、5(6)−カルボキシエオシンジアセテート、5−マレイミド−エオシン、ナフトフルオレセインジアセテート、5(6)−カルボキシナフトフルオレセインジアセテートN−スクシンイミジルエステル、4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチルベン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン、2−(4−ビフェニリル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−トリル)ベンゾオキサゾール、2−(4−ビフェニリル)−6−フェニルベンゾオキサゾール、4−ヒドロキシクマリンおよび2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール。
【0152】
同様に、蛍光増白剤は、また通常は光増白剤として知られているが、線量計の品質保持期間を延長するためのUV吸収剤として用いられうる。スチルベンおよびベンゾオキサゾールの誘導体などの蛍光増白剤は、みかけの明るさまたは白さを向上させるために紫外放射線を可視光に変換することによって、可視領域のみかけの光反射率を向上させるために布地または紙に加えられる物質である。色指数(C.I.)が、C.I.24、C.I.31、C.I.33、C.I.71、C.I.85、C.I.113、C.I.140、C.I.184、C.I.199、C.I.199、C.I.199:1、C.I.199:1、C.I.199:1、C.I.220、C.I.220、C.I.351、C.I.367、C.I.378の蛍光増白剤が用いられうる。アミノ−アニリノ−トリアジルスチルベン、4−4’−ジアミノスチルベン−2−2’−ジスルホン酸、4−4’−ジニトロスチルベン−2−2’−ジスルホン酸、2,2’−(2,5−チオフェンジイルジイル)ビス[5−tert−ブチルベンゾオキサゾール]、および2,5−チオフェンジイルジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)などの蛍光増白剤は、線量計の品質保持期間を延長するために用いられうる。
【0153】
ジアセチレン/線量計はまた、フォトクロミック材料を、UV吸収剤のかわりにまたはUV吸収剤とともに加えることによってUVおよび太陽光から保護されうる。フォトクロミック化合物は紫外光を照射されると色が変化する。これらの化合物は室内で無色であり、屋外で強い色に変化する。これらの化合物は、直射日光で数秒のうちに強く着色し、室内で数分のうちに無色透明に戻る。空がかなり曇った日でも、約80%のUV光はなお雲を通り、フォトクロミック化合物は非常に有意に変色する。フォトクロミック化合物は、塗料、インク、および、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン酢酸セルロースブチレート、ポリ酢酸ビニル、ウレタン、アクリルのようなプラスチックなど、さまざなな形態で使用され、ほとんどの有機溶媒に可溶である。
【0154】
フォトクロミック化合物は、フォトクロミック特性をもつスピロオキサジン、スピロピラン、およびクロメンの一般的な群から選択されうる。非常に多数のこの型のフォトクロミック色素が文献に記載され、市販されている。中でも、有用なスピロオキサジン色素は、特に米国特許第3,562,172号、第4,634,767号、第4,637,698号、第4,720,547号、第4,756,973号、第4,785,097号、第4,792,224号、第4,816,584号、第4,831,142号、第4,909,963号、第4,931,219号、第4,936,995号、第4,986,934号、第5,114,621号、第5,139,707号、第5,233,038号、第4,215,010号、第4,342,668号、第4,699,473号、第4,851,530号、第4,913,544号、第5,171,636号、第5,180,524号、第5,166,345号、並びに欧州特許出願公開第0,508,219号、第0,232,295号および第0,171,909号に記載される。有用なクロメンは、中でも、米国特許第567,605号、第4,889,413号、第4,931,221号、第5,200,116号、第5,066,818号、第5,244,602号、第5,238,981号、第5,106,998号、第4,980,089号、第5,130,058号、および欧州特許出願公開第0,562,915号に記載される。有用なスピロピランはまた、以下の全般的な研究に記載されている:(1)Photochromism,G.Brown,Editor,Techniques of Chemistry,Wiley Interscience,Vol.III,1971,Chapter
III.page 45〜294,R.C.Bertelson、および、(2)Photochromism,Molecules&Systems,Edited by H.Durr,H.Bouas−Laurent,Elsevier 1990,Chapter8:Spiropyrans,page 314〜455,R.Guglielmetti。すべてのこれらの特許および文献の教示は参照として本明細書に組み込まれる。本発明者らは、カタログ番号33672(無色から青色)、カタログ番号7106(
無色から赤色)、カタログ番号0265(無色から紫色)、カタログ番号749(無色からピンク色)およびカタログ番号5−3(無色から黄色)として入手可能なフォトクロミック材料の混合物の薄いコーティングを調製した。すべてPPG インダストリーズ、ワン PPG プレイス、ピッツバーグ、ペンシルバニア州 15272(PPG Industries,One PPG Place,Pittsburgh,PA 15272)から入手した。フォトクロミック材料の混合物は、ポリエステルフィルム上のポリメチルメタクリレートおよびポリ酢酸ビニル中にコートされた。コーティングはほぼ無色であり、太陽光にさらされると濃い色/黒色に変化する。線量計がフォトクロミック層でコートされている場合、太陽光下での線量計の品質保持期間は延長された。
【0155】
品質保持期間を延長するために、344、166、および4BCMUなどのいくつかのジアセチレンに、以下の品質保持期間延長剤を加えた。これらのほとんどは品質保持期間の延長に効果的であった。いくつかの選択された品質保持期間延長剤は、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオールおよび5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールのアルキル並びに芳香族ウレタン誘導体を含む、50以上の異なったジアセチレンに加えられた。しばしば、品質保持期間延長剤の混合物をジアセチレンの混合物に用いた。
【0156】
【表4−1】
【0157】
【表4−2】
【0158】
市販のほとんどの線量計は、放射線の温度に正または負の効果を有する(Standards on Dosimetry for Radiation Processing,ASTM International,100 Barr Harbor Drive, West Conshohochen,PA,2002)。これらのうちいくつかは、高温でより高い線量を示し、逆に他のものはより低い線量を示す。線量計のユーザーは冬のアラスカにいることも、夏のアリゾナにいることもありうるので、放射線の温度に原則的に影響を受けない色変化線量計が必要である。この型の線量計は、使用しないか、照射温度が既知の場合、温度の補正が必要である。したがって、ある線量に対する発色は、正常な動作、保管または使用温度、例えばマイナス40℃〜プラス70℃、で一定であることが重要である。
【0159】
本発明者らは、例えば、低分子量ポリエステル、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンなどのオリゴマー、アミド、エステル、ウレタン、ビス(エチルヘキシル)セバケートなどの可塑剤および溶媒などの、一定の添加剤を加えることによって、バインダの堅さを変化させることによって、ジアセチレンの共結晶化によって、ジアセチレンの適当な混合物の使用によって、並びに適当なジアセチレンの結晶化方法を用いることによって、照射温度の影響を最小にし、なくすことさえできることを発見した。
【0160】
線量計のうちいくつかは液体を用い、一方、他のものは保存の温度の最大限度を有する(Standards on Dosimetry for Radiation Processing,ASTM International,l00 Barr Harbor Drive,West Conshohochen,PA,2002)。例えば、GAFクロミックフィルム線量計(ニュージャージー州ウェインのインターナショナル
スペシャリティ プロダクツ(International Specialty Products,Wayne,NJ)製)は、50〜60℃以下に保たなければならない。したがって、大気中の最大および最小の温度に影響されない線量計が必要である。個人用線量計の型によっては、洗浄機および/または乾燥機の中の温度が90〜100度の高温に達しうる場所で洗浄されうる。したがって、大気中の保存または予想される高い温度への偶発的な加熱に影響されない線量計が必要である。本発明者らは、100℃を超える融点を有するジアセチレンなどの放射線感受性材料を選択することによって、線量計を洗浄耐性にしうることを発見した。
【0161】
個人用線量計の場合、線量計は周辺光によって数日から数か月、直射日光下で少なくとも一定時間、例えば数時間から数日、影響されてはならず、どんな光の下でもなお、読め
るままでなければならない。線量計のほとんどは、直射日光に影響される。線量計は、不透明材料で保護されなければ、太陽光にさらされたときに色/線量を発色する。したがって、簡単に読めるように、数日から数か月間周辺光に影響されない、または数時間から数日間直射日光に影響されない線量計が必要である。本発明者らは、UVおよび太陽光の影響は、UV吸収ポリマーを活性層に用いてUV吸収剤を添加することによって、および、UV光を吸収もしくは反射するコートまたは層を塗布することによって、UVおよび太陽光の影響を最小にしうることを発見した。
【0162】
また、線量計は大気中の湿度、または通常の洗浄などにおける偶発的な高湿度に影響されてはならない。フィルム線量計のいくつかは、バインダまたは放射線感受性材料としてゼラチンを用いており、湿度および水に影響される。したがって、数か月間、通常の大気中の湿度に影響されず、高温で非常に高い湿度に偶発的に短時間さらされることに影響されない線量計が必要である。湿度の影響は、湿度の透過性がより低い、水に不溶のバインダおよびポリマーバインダを用いることによって最小にできる。
【0163】
例えばニュージャージー州ウェイン(Wayne,NJ)のISP製の線量計のガフクロミック(Gafchromic)フィルムなど、線量計のいくつかは、色のすべてを瞬時に発色しない。これらの線量計は、ある程度の照射後効果を示す。色の残りの10〜20%を発色するのに約1日かかる。ほぼ瞬時に色のすべてを発色する線量計が望ましい。本発明者らは、本明細書に記載した線量計は、ほぼ瞬時に、すなわち1秒〜数分以下のうちに色のすべてを発色することを見出した。
【0164】
本発明者らは、溶媒、可塑剤、および一定の固体添加剤の存在が品質保持期間の延長を助け、放射線の温度の影響を最小にすることをを発見した。コーティングのほとんどは、溶液の蒸発によって得られ、したがって一定の厚さに限られる。ポリ塩化ビニル (PVC)およびそのコポリマーなどの特定のポリマーは、一般に可塑剤として知られる溶媒を保持する性能を有する。可塑剤および添加剤の存在は、放射線感度の向上、照射温度の影響の最小化、並びに品質保持期間の延長を促す。多くのポリマーは、溶融または一定温度以上に加熱されたとき、安定性が比較的低い。PVCはその1つである。PVCは脱塩化水素反応する。多くの熱安定剤は、スズ、亜鉛、およびバリウムなどの有機金属化合物であり、塩酸を中和するために加えられる。
【0165】
PVCのような溶融ポリマーの加工を容易にするために、ホワイトスピリット、ポリ(エチレングリコール)モノラウレート、アルキルフェノール、低分子量パラフィンなどの粘度低下剤が添加される。熱安定剤および粘度低下剤は、ジアセチレンの結晶化並びに性質に影響する。
【0166】
ジアセチレンは固体状態においてのみ重合することが知られている。ジアセチレンは、不活性な形態に結晶化するか、または特定のバインダと固溶体を形成する場合がある。ジアセチレンが放射線活性相、すなわち照射によって重合する相に結晶化するように、結晶化の際に、ジアセチレンの結晶化に適当な条件が用いられなければならない。ジアセチレンの適当な結晶化は、適当な溶媒、熱安定剤、添加剤、バインダを用いることによって、並びに結晶化およびアニーリングに適当な方法を用いることによって達成されうる。例えば、ジアセチレンは、ある溶媒からは活性相に結晶化しうるが、他の溶媒からは不活性相に結晶化しうる。同様に、ジアセチレンは低い温度から高い温度に、十分に長い時間をかけてアニーリングすることによって活性になり、活性相に結晶化しうるが、逆も同様である。
【0167】
ジアセチレンの結晶化は、通常微細分散粒子である核剤を加えることによって向上されうる。同様の核剤は、その高い分子量のためにポリマーバインダの結晶化の防止を助けう
る。
【0168】
ジアセチレンは、重合すると青色、紫色、菫色、赤色、橙色、および黄色などのさまざまな色を発色する。2以上のジアセチレンの混合によって、または2以上のジアセチレンの共結晶化によって、適当な色の部材/線量計が達成されうる。
【0169】
あるジアセチレンは放射線の温度に対して正の係数を示し、一方、他のものは負の係数を示す。照射の温度の影響は、放射線の温度に対して適当な正または負の係数を有する2以上のジアセチレンを選択することによって、最小にする、あるいはなくすことができる。例えば、放射線の温度の影響は、一方が放射線の温度に対して正の係数を有し、他方が放射線の温度に対して負の係数を有する2つの青色ジアセチレンを混合することによって最小にすることができる。
【0170】
放射線感受性部材は、固定されない限り活性なままであり、線量を積算し続けうる。露光/結果を記録するためには、線量計を固定する必要がある。線量計は、例えばジアセチレンが不活性になり、不活性相に結晶化し、またはバインダと固溶体を形成し、もしくは他の添加剤と溶解物を形成し、活性な形態に再結晶化しなくなるまで部材/線量計を加熱することによって固定されうる。例えば、ジアセチレン166は約90℃以上に加熱することによって固定され、多くのジアセチレンは適当なバインダと、例えば4BCMUおよび344はポリ酢酸ビニル並びにポリメチルメタクリレートと、固溶体を形成することによって固定されうる。ジアセチレンを反応および/または溶解させるトリヒドロキシ安息香酸のような多くの添加剤もまた、線量計を固定するために用いられうる。
【0171】
本発明者らは、例えば、低分子量ポリエステル、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンなどのオリゴマー、アミド、エステル、ウレタン、ビス(エチルヘキシル)セバケートなどの可塑剤および溶媒などの一定の化合物は、344並びに4BCMUなどのジアセチレンに添加されたとき、放射線の温度の係数を最小にすることを発見した。
【0172】
本発明者らは、溶媒およびバインダからジアセチレンを結晶化する適当な工程を用いることによって放射線の温度の影響を最小にできることを発見した。用いられる工程は、ジアセチレン、溶媒/可塑剤、添加剤、およびバインダの性質並びに濃度に依存する。
【0173】
ジアセチレンは無色の化合物である。したがって、線量計のはじめの色は、適当な色素または顔料を加えることによって変化させることができる。例えば、青色ジアセチレンでは、黄色色素の添加は、照射によるジアセチレンの重合に伴って黄色→黄緑色→緑色→青緑色→青色の変化を与える。同様に、赤色ジアセチレンでは、青色色素の添加は、照射によるジアセチレンの重合に伴って青色→紫/菫色→赤色の変化を与える。
【0174】
部材/線量計に用いられるジアセチレンは、通常、プラスチックフィルムのコーティングまたは層を有する。このようなコーティングまたは層は、通常光を反射し、そのため分光光度計もしくは光学線量計での色の観察および色密度の読み取りが難しくなる。光の反射は、市販の反射防止、アンチグレアコーティングまたは偏光フィルムを用いることによって最小にすることができる。
【0175】
部材および線量計の異なった層の接着は、部材/線量計の層での適当な接着剤の使用または接着促進剤の使用によって向上されうる。接着剤は粘着剤であってもホットメルト型であってもよい。
【0176】
線量計バッジは、さまざまな方法で組み合わされうる。これらを作製するために用いられる工程は、バッジのデザイン、部材および他の構成物の性質、並びに使用目的に依存す
る。このような工程の段階を図19に示す。
【0177】
部材およびバッジの形状は、用途に依存する。部材およびバッジの形状は四角形、長方形、三角形、六角形など(角が丸いまたは丸くない)であってよく、または楕円形もしくは円形であってよい。多くのデザインおよび形式を有してもよい。例えば、テープ、包帯、パッチ、ステッカー、フィルム、プラーク、およびロッドの形態であってもよい。
【0178】
適当なバインダ、品質保持期間延長剤、および他の添加剤を選択することによって、ジアセチレンはポリマーバインダと固溶体を形成するようにされうる。ジアセチレンは、固溶体の形態では重合しない。したがって、固溶体から作製される部材およびバッジは原則的に永久に保存されうる。ジアセチレンは、上述の部材をジアセチレンの融点もしくは溶解温度を超えるまたは付近の温度でアニーリングすることによって活性にされうる。この条件下で、ジアセチレンは溶融/溶解し、分離した相を形成する。冷却によって、相分離したジアセチレンは結晶化する。結晶性ジアセチレンの活性型は、放射線によって重合しうる。本発明者らは、多くのジアセチレンは特定のバインダ/可塑剤と固溶体を形成し、高温で相分離し、アニーリングまたは冷却によって活性相に結晶化しうることを見出した。
【0179】
部材の作製のために、バインダ溶液または溶融ポリマーの使用は必要ではない。活性層は、UVまたは可視光で重合しうるモノマー、オリゴマー、およびこれらの混合物を用いて調製されうる。紫外線硬化インクおよびコーティング製剤は市販されている。
【0180】
多くのモノマーおよびオリゴマーが、ポリマーを作製するために用いられる。例えば、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、スチレン、アクリル酸、ブタンジオール1,4−ジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオール−1,6−ジメタクリレート、メチルスチレン−アルファペンタエリルスリオールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、4−(ビニルオキシ)ブチルベンゾエート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]スクシネート、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル]、トリス[4−(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、4−(ビニルオキシ)ブチルステアレート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[[4−[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]、ビス[[4−[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]、およびビス[4−(ビニルオキシ)ブチル](4−メチル−1,3−フェニレン)などの、オレフィン、ビニル、アクリレート、およびメタクリレートのような、不飽和のモノマーが挙げられる。過酸化物および紫外光を用いてラジカル重合並びにカチオン重合によって重合しうる、これらの、および他のモノマー並びにオリゴマーは、“Chemistry and Technology of UV and EB Formulations for Coatings,Inks,&Paints”by Oldring,P.K.T.,Ed.;SITA Technology:Londonに記載されている。多数の市販のモノマー、オリゴマー、およびポリマーが、例えばウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチケミカル(Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)などのカタログに列挙されている。
【0181】
ジアセチレンのような放射線感受性材料を、ブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレートおよびジアリルジグリコールカーボネートなどのモノマーおよびオリゴマーに溶解し、過酸化ベンゾイルなどの触媒およびN,N−ジメチル−p−トルイジンなどの促進剤を用いて、並びにベンゾインメチルエーテルを触媒として用いて長波長UV光で重合した。得られた造形品にX線を照射した。造形品は発色した。好ましいモノマーおよびオリゴマーは、オレフィン、ビニル並びにアクリレートである。最も好ましいモノマーおよびオリゴマーは、メチルメタクリレート並びにポリエチレングリコールジメタクリレートである。
【0182】
5,7−ジヨード−3−ブトキシ−6−フルオロンなどの光開始剤を用いた場合、可視光で重合が達成されうる。
【0183】
人は約1000ラドのガンマ線などの高エネルギー放射線を受けると、死亡はほぼ確実である。個人用線量計としては、例えば0〜10、0〜50、0〜100、0〜200、0〜500および0〜1,000ラドのような非常に広い線量範囲にわたる線量を、単に放射線感受性部材によって発色された色を色参照チャートと比較するだけで、例えば全線量の10〜20%などの妥当な正確さで読むことができなければならない。色参照チャートは、異なる線量を照射された放射線感受性部材の色を、色参照チャートと一致させることによって作製されうる。色参照チャートは、線量範囲にわたって、放射線感受性部材によって発色される色と一致する色の階調を有する必要がある。参照チャート上の色は、非常に明るい色(無色)から非常に暗い色まで連続的であっても段階的であってもよい。線量、その線量においてとるべき行動および/または放射線の影響は、色参照チャートに印刷されうる。個人用線量計としては、部材によって発色される色からその使用者に注意または警告をしなければならない。参照チャートの色は、例えば白熱灯、蛍光、太陽光、および影などのすべての通常の光条件の下で、部材の色と一致しなければならない。これは、用いたジアセチレンのスペクトルに一致するまで、色参照チャートに用いる適当な色素および顔料を混合することによって達成されうる。
【0184】
線量値の表示のほかに、例えばその線量の影響およびとるべき行動を表示してもよい。
【0185】
必要に応じて、線量は分光光度計、または光学線量計を用いて正確にモニターされうる。異なる線量の高エネルギー放射線を部材に照射して、線量に対する光学濃度をプロットすることによって検量線が作成されうる。装置は、線量とともにバーコードおよび他の情報を読むように設計されうる。
【0186】
線量計は、線量計を同定するバーコード、線量計の情報を保存する、および読むための磁気ストリップなどの、多くの安全機能および便利機能を有してもよい。線量計は、ホログラムおよびUV蛍光コーティングのような、多くの他の安全機能を有してもよい。
【0187】
線量計は、手引き、線量計の使用方法および読み方、放射線の影響並びに放射線被爆の場合にとるべき行動、販売者、バッチナンバー、ユーザーグループのロゴ、緊急または疑問の場合の連絡先、ユーザーの名前または名前を書くスペースなどの基本的な情報が印刷されていてもよい。
【0188】
任意の、およびすべての光条件の下で、照射された部材の色と一致する色参照チャートを市販のインクから作製することは非常に難しい。しかしながら、X線またはUV光で、色参照チャートを作製するための所望の色に重合する、同じジアセチレンを用いて色参照チャートを作製することが可能である。この方法によって作製された色参照チャートは、任意の、およびすべての光条件の下で、部材の色と一致する。本発明者らは、ジアセチレ
ン344の薄いコーティングから作製された一連の部材を、254nmのUV光で異なる時間露光することによって色参照チャートを作製した。この色参照チャートは、ナトリウム線および水銀線のようないくつかの一般的でない光を含む、任意の、およびすべての光条件の下で、異なる線量のX線を照射されたジアセチレン344の部材の色に一致した。部材を作製するために用いられるジアセチレン(部材ジアセチレンと表す)と同じ色(すなわち、ほとんど同じ可視スペクトルをもつ)に重合する、色参照チャートを作製するためのジアセチレン(色参照チャートジアセチレンと表す)は、(1)X線に対して、有意に(例えば100倍)感度が低くなければならない、および(2)熱活性が最小限でなければならない。このようなジアセチレンから作製された色参照チャートは、X線で発色しないが、任意の、およびすべての光条件の下で照射された部材の色と一致する。
【0189】
本発明者らはまた、色参照チャートを完全になくすことが可能であることを発見した。この概念の実行可能性を示すために、254nmのUV光を強度を増加させて円形のマスクを通して部材に露光した。強度が増加する円形の点が得られた(図22a)。部材の残りは露光されなかった。次に、部材全体にUV光および100keVのX線が異なる時間照射され、部材が撮影された。写真のイメージを図22bから22gに示す。図22bから22gの写真に示したように、放射線量が増加すると、あらかじめ露光された点は消え始めた。
【0190】
この結果は、点のかわりに数字が、モニターされるX線の線量に比例するUV露光強度で、マスクを通してUVランプで、またはUVレーザーで印刷される場合、数字が消えることを示す。線量は、最も低い読める数字から読みとることができる。このような部材の模式的な図を図23に示す。モニターされる線量は、はじめにマスクまたはレーザーで印刷されうる(例えば図23a)。その後部材は、UV/太陽光から保護するためにUV吸収フィルムでカバーされうる。部材にX線が照射されたとき、部材(数字を含む)は発色しはじめる。この点で、UVに露光された数字と周囲の部材との間にほとんど差がない。この点/線量で、UVに露光された数字は、部材の残りとほぼ同じ色強度であり、数字は(例えば、図23bに模式的に示すように)ほとんど見えなくなる。より高い線量では、対応する他の数字が(例えば、図23cに示すように)ほとんど見えなくなる。この型の線量計は自動読み取りであり、色参照チャートが必要ないためサイズがより小さい。
【0191】
線量計を、強い太陽光、UVまたはレーザー光の下から外すことができる。したがって、線量計は、好ましくは、UVインジケータを有することによって、このような偶発的なまたは故意の不正使用を表示する。UVインジケータは、インジケータがUV/太陽光に過剰曝露されると変色する。線量計は、性能に不利な影響を与えないように所定の温度を超えないように想定された場合、温度インジケータがなければならない。したがって、線量計は、好ましくは温度インジケータがなければならない。線量計は、通常、数か月から数年の品質保持期間を有する。線量計は、その有用な寿命がいつ期限切れになるかを示す、通常時間−温度インジケータとして知られる品質保持期間インジケータがなければならない。したがって、線量計は、通常時間−温度インジケータまたは品質保持期間インジケータがなければならない。線量計部材の一部は、薄いアルミニウムホイルで覆われるか、または2枚の薄いアルミニウムホイルの間にはさまれうる。UV光で不正使用された場合、ホイルが外され、線量が読まれうる。
【0192】
線量計を作製するために用いられるジアセチレンおよび多くの他の放射線感受性系は、2つの望ましくない条件、(1)例えば太陽光からのUV露光、および(2)例えば室温での保存などの、熱アニーリングの下で重合/発色する。UV/太陽光インジケータが必要である。部材がUV/太陽光に過剰曝露された場合、色の変化によって表示される。UV/太陽光に敏感で、X線の線量範囲に敏感でない部材の設計は、UV/太陽光インジケータとして用いられうる。室温での保存による発色は、品質保持期間を決定する。期限切
れの日付は線量計に印刷されるが、そのユーザーによって室温に(〜25℃)保存される保証はない。長期間高い温度で保存されると、発色がX線の照射として間違って解釈されうる。したがって、品質保持期間切れを表示する時間−温度インジケータが必要である。時間−温度インジケータは、保存の時間および温度の積算値を決定する。
【0193】
太陽光および保存による発色は、偽陽性と表される。長期間のUV露光(不透明なカバーで保護しないかぎり)および周囲条件下での保存(冷凍庫に保存しないかぎり)の影響をなくすことはできない。したがって、品質保持期間およびUV露光のモニターが必要である。
【0194】
例えば腐敗性物の品質保持期間のモニターのための時間−温度インジケータは、文献(例えば米国特許第5,053,339号)に報告されている。例えばロイコクリスタルバイオレットなどの多くの色素は、UV/太陽光に露光されたとき、色を変化/発色する。ポリ塩化ビニルなどのハロポリマー中のペンタメトキシトリフェニルメタンのような、いくつかの製剤は、UV/太陽光および時間−温度の曝露を受けると色を変化する。
【0195】
「expired」(例えば図28に模式的に示すような)、または単に「X」などのメッセージが、偽陽性インジケータを有する部材に印刷されうる。メッセージは無色(淡黄色)であり、原則的に見えない。メッセージは、(1)部材の品質保持期間が切れている、(2)例えば60℃などの高温に長時間過熱された、および/または(3)UV/太陽光に過剰曝露されたとき、赤色などの色で現れはじめる。これら3つの効果のすべては、放射線の照射と間違って解釈されうる色を部材に発色させる。また、この偽陽性インジケータは部材の上面よりも側面に印刷されてもよい。
【0196】
上に列挙した製剤、装置、および工程に使用できる、可能な変化および選択は:前記部材はくさび形の形態であってよい:適当なジアセチレンまたはジアセチレンの混合物を用いて、例えば青色、紫色、赤色、黄色などの特定の色が得られうる;適当なUV吸収剤またはその混合物を選択することによって、UV/太陽光からのよりよい保護が得られうる;適当なバインダ/ポリマーおよび溶媒/可塑剤を選択することによって、品質保持期間を延長し放射線の温度の影響を最小にすることができる;安定剤、(活性種の)クエンチャー、スカベンジャー(例えばラジカルおよび酸素スカベンジャー)、抗酸化剤、(活性種の)阻害剤、(活性種の)防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤などの適当な品質保持期間延長剤を選択することによって、品質保持期間が数か月から数年に延長されうる;部材/コーティングの厚さおよびジアセチレンの濃度を増加させることによってより低い線量がモニターされうる;部材を溶融およびアニーリングすることによって、適当な結晶の形態が得られうる;前記部材は基板に溶液からコーティングすることによって、または溶融体からキャスティング/モールディングすることによって作製されうる;前記線量計は、同じまたは異なる色の1以上の部材を用いてもよい;前記部材は前記基板に直接コートされてもよく、カットされて前記基板に搭載されてもよい;前記線量計は、さまざまな2以上の、例えばUV/太陽光、温度などの不正使用インジケータおよび品質保持期間インジケータを有してもよい;前記色参照チャートは、必要に応じて「継続/中止」型の1色のもの、または多数のバーであっても、段階的な色の変化であってもよい;前記色参照チャートの前記部材との一致は、スペクトルが重なるまで適当な色素または顔料を混合することによって得られうる;第一層/不透明層およびトップ層/クリア層の厚さは変化しうる;線量計は柔軟であっても非常に硬くてもよい;前記線量計のサイズは、非常に小さいものから非常に大きいものまでであってよい;線量計は、太陽光から保護するための開閉可能な不透明な層を有してもよい;部材はまた、本発明者らの米国仮特許出願第60/403,599号(出願日2002年8月14日)の教示によって作製されてもよく、前記線量計の作製に用いられてもよい;前記線量計は、TLD線量計に用いられる
ものと同様のホルダーを有してもよい;前記線量計は、特定の放射線におよびエネルギー対して選択的であってよく、適当な金属フィルターを用いることによって得ることができる;前記線量計は密閉した不透明な容器に入っていてもよい;機器および装置は部材の色/OD並びに他の情報、例えばバーコードおよび磁気ストリップ、必要に応じて保存、転送、および印刷されたデータなどを読めるように設計されうる。
【0197】
好ましい線量計は、仕様の基準であるべきである。材料は、無毒であり合理的な価格でなければならない。バッジの基板は、好ましくは不透明であるべきであり、壊れやすい、または柔軟すぎてはならない。トップ層は、部材が読まれうるように、および太陽光から保護されるように、透明で5〜200ミクロンの厚さでなければならない。線量計/バッジの厚さは、好ましくは約25〜2,500ミクロンの間であるべきである。線量計のサイズは、数ミリメートルの長さのストリップから任意の大きいサイズまでであってよい。好ましいサイズは、クレジットカードのサイズである。カードは、ポケットに入れて持ち運びできるように、非常に軽くなければならない。品質保持期間は、1週間から数年、好ましくは1〜2年であるべきである。前記線量計は、光、湿度、および温度などの周囲条件に影響されてはならない。前記線量計は、対象の線量が色参照チャートまたは分光光度計もしくは光学線量計などの電子機器から見積もられうるように、合理的な色を発色しなければならない。前記線量計は、X線および中性子、高エネルギー電子、陽子など、すべての種類の放射線をモニターするべきである。
【0198】
本明細書に記載の放射線感受性装置は、他の同様な装置に対して、多くの大きな利点を提供する。前記放射線感受性装置は、最も簡単な装置であり、単にプラスチック片である。前記放射線感受性装置は高価ではない。放射線源は、3次元で画像化されうる。前記放射線感受性装置は組織等価であり、したがって補正は必要ではない。前記放射線感受性装置は自動発色およびインスタント装置である。イメージは、結果を記録するために固定されうる。前記放射線感受性装置は、個人および地域用線量計として用いられうる。前記放射線感受性装置は高感度である。前記放射線感受性装置は、〜1mGyの非常に低い線量をモニターすることができる。線量は、分光光度計/比色計を用いて5%より高い精度で決定されうる。前記放射線感受性装置は、広い線量範囲(1mGy〜100,000Gy)にわたって使用されうる。前記装置の発色は、原則的にエネルギーおよび線量速度に独立である。前記装置は、UV、X線、ガンマ線、陽子、電子、アルファ粒子および中性子などの、すべての種類の高エネルギー放射線をモニターする。前記装置は、有毒な化学物質を使用しない。前記装置は、温度および湿度などの周囲条件に影響されない。
【実施例】
【0199】
実施例
以下の実施例は、特許請求の発明の実施の例示的なものであり、本発明の範囲および思想を制限するものと解されるべきではない。モノマーおよびオリゴマーのラジカル重合またはカチオン重合に関するすべての実験は、無酸素環境下(すなわち窒素雰囲気下)で実施した。
【0200】
実施例1.ジアセチレン−344、4,6−デカジイン−1,10−ビス(n−ブチルウレタン)、R−C≡C−C≡C−R、ここでR=(CH2)3OCONH(CH2)4H、の合成
スターラーおよびさらに漏斗を設置した5,000mlの丸底フラスコに、400g(2.4モル)の4,6−デカジイン−1,10−ジオールおよび1300mlの無水THFを加えた。ジオールを溶解するために混合物を撹拌した。溶液に、1gのジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)および10mlのトリエチルアミンを触媒として加えた。混合物に、500g(5.05モル)のn−ブチルイソシアネートを45分間以上で加えた。反応温度を氷水で〜15℃に保った。混合物をさらに1時間撹拌し、その後温度
を50℃に上げた。反応を約30分間進行させ、その後過剰の未反応のイソシアネートを壊すために40mlのメタノールを加えた。その後内容物を冷凍庫に一晩入れて−20℃に冷却した。ジアセチレン−344をろ過して冷却し、はじめに酢酸エチルから再結晶し、次にイソプロパノールから再結晶した。再結晶後の収量は810g(93%)であった。結晶を真空下で乾燥した。融点112℃。
【0201】
本明細書に記載された手順を用いて、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールの多くのウレタン誘導体を、脂肪族および芳香族のイソシアネートを用いて合成した。
【0202】
実施例2.パイロットプラントコーティングのためのジアセチレン−344のエマルジョンの調製。ポリ酢酸ビニル(PVA)溶液の調製:
10リットルのステンレスのビーカーに、2250gのエタノールおよび750gの脱イオン水を加えて混合した。混合物に、1,000gのPVA(アルドリッチケミカル製、分子量500,000)を、2,3時間激しく撹拌して加えた。その後混合物を定期的に撹拌した。高粘度の澄明な溶液が得られた。
【0203】
エマルジョンの調製:
5リットルのステンレスのビーカーに、1350gの上記のPVAのストック溶液および335gのジアセチレン−344を撹拌して加えた。混合物を〜80℃に加熱した。溶液を、機械的な撹拌器で撹拌しながらゆっくりと3ガロンの液体窒素に注いだ。機械的な撹拌器によって固化したエマルジョンを粉末にした。
【0204】
固体エマルジョンを4つのアルミニウム(60×30×3cm3)トレイに広げ、一晩室温に温めた。トレイを穴の開いたプラスチックフィルムで覆った。次いでエマルジョンを広口のプラスチックジャーに移し、3:1のエタノール:水で希釈し、〜900cPの粘度にした。
【0205】
実施例3.パイロットプラントコーティング:
インディアナ州ブルーミントンのヤスイセイキ(Yasui Seiki Co,Bloomington,IN.)製のパイロットコーティング装置(型番 NRC3−300)を用いて線量計フィルムを調製した。透明で均質なコーティングを得るために、溶液の粘度、コーティングバーのサイズ、コーティング/フィルム速度、コーティング厚さ、および乾燥速度/温度などのコーティング条件を変化させた。その後、同じ条件の下で背面にフィルムをコートした。PVA/ジアセチレン−344コートを、エタノール:水(7:3)溶液中のポリ酢酸ビニルとともに、#60シリンダーを用いてはじめに片面に、次に他の面にトップコートした。均質にコートされたドライフィルムが得られるまで、これらの、および他のパラメータを変化させた。以下は、ヤスイセイキ社の装置でジアセチレン−344の透明なフィルムを作製するために用いた最適化されたパラメータである。
【0206】
【表5】
【0207】
実施例4.線量の効果:
前記線量計に、異なった線量の10MeVのX線、1.25MeVのガンマ線、9MeVの電子および20MeVの中性子を照射した。線量速度およびエネルギーは一定に保った。25ラドで、無色の線量計は非常にかすかな、しかし目に見える青色を発色した。青色は線量の増加に従って強くなった。分光光度計および光学線量計を用いて発色をモニターした。図20に、線量に対するODのプロットを示す。本明細書に報告したODの値は数回の読み取りの平均である。このプロットを、未知の線量を決定するための検量線として用いた。
【0208】
実施例5.X線の線量の効果:
前記線量計に、10、25、50、100、200、400、500、600、800、1,000、2,000、3,000、4,000、および5,000ラドの異なった線量の10MeVのX線を照射した。300ラド/分の線量速度を一定に保った。2.5cm厚さのルーサイト(Lucite)(登録商標)をビルドアップとして用いた。線源から表面の距離は100cmであり、面のサイズは20×20cm2であった。線量計−344を用いると25ラドの線量は検出可能であった。
【0209】
異なった線量の10MeVのX線を照射した線量計の、典型的な一連の可視スペクトルを図21に示す。線量をそれぞれのスペクトルについて示す。分光光度計および高感度光学線量計を用いて、10ラドのX線までモニターすることができる。
【0210】
さらに、前記線量計に、10、25、50、100、200、400、500、600、800、1,000、2,000、3,000、4,000、および5,000ラドのコバルト60からの12.5MeVのガンマ線を照射した。一定の線量では、ガンマ線(1.25MeV)および10MeVのX線を照射した線量計の色は原則的に同じであった
。
【0211】
実施例6.電子の線量の効果:
前記線量計に、10、25、50、100、200、400、500、600、800、1,000、2,000、3,000、4,000および5,000ラドの異なった線量の9MeVの電子を照射した。270ラド/分の線量速度を一定に保った。2.0cm厚さのルーサイト(登録商標)をビルドアップとして用いた。線源から表面の距離は100cmであり、面のサイズは20×20cm2であった。
【0212】
電子を照射した線量計の可視スペクトルもまた、図21にX線について示したものと原則的に一致した。分光光度計および光学線量計を用いて、10ラドの電子までモニターすることができる。
【0213】
実施例7.中性子の線量の効果:
さらに、前記線量計に、25、50、100、200、500、1,000、2000および5000ラドの異なった線量の20MeVの高速中性子を照射した。線量速度は40ラド/分であった。一定の線量では、線量計の色は、X線および電子を照射したものに比べてわすかに薄かった。25ラドの高速中性子まで目視でモニターすることができる。
【0214】
実施例8.検量線のプロット:
図20に、X線、ガンマ線、電子、および中性子の線量に対するODのプロットを示す。中性子のODが低いのは、ジアセチレンが高速中性子に対してわずかに感度が低いことを意味する。図20を、未知の線量が照射された線量計の線量の決定に用いた。
【0215】
実施例9.ブラインド試料の試験:
図20の検量線のプロットを用いて線量計が線量を決定する性能を試験するために、いくつかの試料に異なった線量を照射した。ODを決定し、線量を図20のプロットから見積もった。結果を表3にまとめた。
【0216】
【表6】
【0217】
表3からわかるように、10%より高い精度で線量が決定されうる。
【0218】
実施例10.エネルギーの効果:
異なったX線源を用いて、X線のエネルギーの効果を調べた。前記線量計に、500ラドの(1)100KeVのX線、ヒューレットパッカード(Hewlett−Packard)製のファキシトロン(Faxitron)(登録商標)804を使用、(2)コバルト60からの1.25MeVガンマ線、AECL Theratron−780を使用
、および(3)10MeVのX線、Varian Clinac−18線形加速器、を照射した。照射した試料のODを決定した。表4に、異なったエネルギーのX線を照射した線量計−344のODを示す。全ての試料のODは、0.28±0.02であった。表4のデータは、発色は原則的にX線のエネルギーに独立であることを示している。
【0219】
【表7】
【0220】
実施例11.電子:
前記線量計に、500ラドの6、9、12、および15MeVの電子を照射した。線量速度(280±10ラド/分)をほぼ一定に保った。6、9、12、および15MeVの電子の線量速度は、それぞれ、290、270、290、270ラド/分であった。照射した試料のODを決定した。表5に、異なったエネルギーの電子についてのODを示す。ODは、0.29±0.01であった。表5のデータは、発色は電子のエネルギーに独立であることを示している。
【0221】
【表8】
【0222】
実施例12.中性子:
線量計−344に、500ラドの熱中性子を、ニュージャージー州、ピスカタウェイのラトガーズ大学(Rutgers University,Piscataway,NJ)において照射した。熱中性子を照射した試料のODは、高速中性子を照射したものよりもわずかに(〜5%)低かった。
【0223】
実施例13.線量速度の効果:
前記線量計に、500ラドの、(1)10MeVのX線を、200、300、400、および500ラド/分の線量速度で、並びに(2)9MeVの電子を、160、270、350、および430ラド/分の線量速度で照射した。照射した試料の光学濃度を決定した。電子およびX線についての結果を、それぞれ表6および表7に表す。電子およびX線を照射した試料のODは0.29±0.02であった。結果から、線量の効果がないことがわかった。
【0224】
【表9】
【0225】
【表10】
【0226】
実施例14.検出下限および感度:
前記線量計は、25ラドで、非常にかすかな、しかし目に見える青色を発色した。分光光度計または高感度デンシトメータを用いて、約10ラドの線量がモニターできる。目視での検出下限は〜20ラドである。
【0227】
実施例15.不確実性:
30メートルのフィルムから25の試料をランダムに選択し、500ラドの10MeVのX線を300ラド/分の線量速度で照射した。照射後、ODを決定した。22の試料はODが0.29±0.02であった。コーティングの不均一性による不確実性は〜7%である。3つの試料は、ODが0.32、0.26、および0.25であり、これはいくつかのパッチが不均一なコーティングであることを示す。
【0228】
実施例16.線量モニタリングの精度:
精度を決定するために、前記線量計に、400、450、500、550、および600ラドの10MeVのX線、並びに9MeVの電子、並びに1.25MeVのガンマ線を照射した。それぞれ隣に設置した場合、500ラドの試料は450ラドおよび550ラドの試料と区別できる。さらに、500ラドの試料は400ラドおよび600ラドの試料と、より簡単に区別できる。したがって、目視での不確実性は、10〜20%の間である。
【0229】
実施例17.照射後効果:
放射の間に生成するラジカルなどの活性種は、しばしば結晶性材料中にトラップされたままになり、なんらかの照射後効果を示す。照射後効果を決定するために、前記線量計に500ラドの100keVのX線を照射した。異なった照射後の時間で線量計の光学濃度をモニターした。照射1分後に最初の読み取りを行った。結果を表8に示す。結果から、経時によって線量計の光学濃度はほとんど増加しないことがわかった。
【0230】
【表11】
【0231】
表8の結果から、照射後効果は無視できることがわかった。
【0232】
実施例18.色合わせ参照チャートおよびバッジの発色:
色合わせ参照チャートをローカルプリンタを用いて調製した。異なった線量のX線を照射した線量計−344の小さいストリップを配置し(図13に示す)、カラースキャナを用いてスキャンした。参照チャートを白の光沢紙に印刷した。線量計部材−344(バッジ)の色合わせ参照チャートを図14に示す。
【0233】
実施例19.ジアセチレン−4BCMUの合成:
実施例1に記載された手順を用いて、ジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)およびトリエチルアミンを触媒として用いて、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールをn−ブチルイソシアネートアセテートと反応させることによって、ジアセチレン−4BCMUを合成した。
【0234】
実施例20.ジアセチレン−4BCMUのエマルジョン:
実施例2に記載された手順を用いて、ポリビニルアルコールをバインダとして用いてジアセチレン−4BCMUのエマルジョンを調製した。
【0235】
実施例21.ジアセチレン−4BCMUの部材:
実施例3の手順を用いてジアセチレン−4BCMUの部材を作製した。
【0236】
実施例22.ジアセチレン−4BCMUの部材の感度:
ジアセチレン−4BCMUの部材は、ジアセチレン−344(見積もられる品質保持期間は10年以上である)の部材に比べて、放射線に対してより高感度であるが、品質保持期間が短い(室温で約1年)。
【0237】
実施例23.ジアセチレン−344の照射温度の効果
ジアセチレン−344の部材に、−20℃および+50℃で、450ラドの100KeVのX線を照射した。−20℃で照射した試料の光学濃度の増加は0.22であり、一方、50℃で照射したものは0.03であった。
【0238】
実施例24.品質保持期間延長剤の効果
10mlの試験管に0.5gのジアセチレン−344、0.2gの表2に挙げたおよび他の多くの品質保持期間延長剤、並びに5gのエタノール:水(4:1 w:w)中の20%ポリ酢酸ビニルを加えた。混合物を沸騰近くまで加熱し、その後液体窒素中で冷却し、次いで室温に戻した。ジアセチレン−344の分散液をポリエステルフィルムにコートした。コートしたフィルムを室温、60℃、および70℃でアニールし、短波長UV(254nm)、長波長UV(〜350nm)および太陽光に露光した。以下は品質保持期間の延長に効果的であった:チオシアン酸アンモニウム、アジパミド、アジピン酸、N−アシチルグリシン、アセトンオキシム、アセトアニリド、3−アセトアミドフェノール、アセトアミド、1−アミノ−1−デオキシ−d−ソルビトール、4−tert−アミルフェ
ノール、安息香酸、ベンゾフェノン、ガンマ−ブチロラクトン、ベンゾトリアゾール、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2−エチルヘキシル)マレアート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ブロモベンズアルデヒド、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、ベンズアミド、ベンジル酸、ベンジルエーテル、4−(ベンジルオキシ)フェノール、2−ブタノンオキシム、tert−ブチルアセトアセテート、1−ブチルイミダゾール、ショウノウ、クエン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、マレイン酸ジエチル、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヨードベンゼン、ジフェニルアミン、1−ドデシル−2−ピロリジノン、4−(ジメチルアミノ)−ベンズアルデヒド、サリチル酸エチル、エチレンカーボネート、ミリスチン酸エチル、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、イミダゾール、レシチン、没食子酸ラウリル、メチル−3,5−ジニトロサリチル酸、1−メチル−2−ピロリジノン、メチル−3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、オクタデカンアミド、オキサミド、フェニルエーテル、n−フェニル−2−ナフチルアミン、4−フェニルフェノール、4−ピリジンアルドキシム、ピロガロール、レゾルシノール、レゾルシノール二酢酸、ルチン水和物、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、サリチルアニリド、トランス−スチルベン、スクシジイミド、タンニン酸、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、チオ尿素、1,2,4−トリアゾール、トリベンジルアミン、2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒド、リン酸トリフェニル、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび尿素。
【0239】
2,4−ヘキサジイン−ジオール、3,5−オクタジイン−ジオール、4,6−デカジイン−ジオールおよび5,7−ドデカジイン−ジオールのウレタン誘導体などの、いくつかの他のジアセチレンもまた、本実施例で挙げた多くの品質保持期間延長剤で試験し、本明細書中に挙げた他の物質を、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、硝酸セルロースおよび酢酸セルロースなどの適当なバインダを用いて、例えば水:エタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、シクロヘキサン、ニトロメタンおよびテトラヒドロフランなどの溶媒中で、並びにポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエポキシドおよびポリ塩化ビニルなど市販の水性エマルジョンおよび分散液中で調べた。この結果から、ジアセチレンの品質保持期間は、本明細書中に挙げた品質保持期間延長剤で延長しうることが示された。
【0240】
実施例25.品質保持期間延長剤を用いた4BCMUの品質保持期間の延長:
15gの20%ポリ酢酸ビニルのエタノール:水(3:1 w/w)溶液に、2.5gの4BCMU、品質保持期間延長剤として0.3gのアセトンオキシム、UV吸収剤として0.lgの2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、酸素スカベンジャーとして0.1gの亜硫酸ナトリウム、抗酸化剤として0.05gの2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール、および、光安定剤として0.05gのビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを加えた。混合物を撹拌しながら80℃に加熱した。熱溶液を液体窒素に注いだ。コントロール試料(15gの20%ポリ酢酸ビニル溶液および2.5gの4BCMU)も同様の条件下で調製した。凍結した反応物を約20℃まで温め、#60の巻き線型ロッドを用いて100ミクロンの厚さのポリエステルフィルムにコートした。コーティングを室温で乾燥させ、その後オーブンに入れて40℃で乾燥させた。双方のコーティングの小片を50℃でアニールした。フィルムの光学濃度を異なった期間で測定した。ODの変化を表9に示す。
【0241】
【表12】
【0242】
ロードアイランド州、キングスタウンの東レ プラスチクス インコーポレイテッド(Toray Plastics Inc.,North Kingstown,RI)から入手した、UV吸収剤が含まれる50ミクロンのポリエチレンテレフタレートに、20% w/wの2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノンを含む25ミクロンの厚さのポリスチレンを片面に、エイブリデイ デニソン(Avery Dennison)から入手した10% w/wの2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノンを含む40ミクロンの厚さのアクリル粘着剤を他の面にコートした。このUV吸収フィルムを、コントロールおよび粘着剤の上面のコーティングに品質保持期間延長剤を含むものに塗布した。ラミネートフィルムの小片を太陽光の下に置き、異なった時間での光学濃度の変化を記録した。ODの変化を表10に示す。
【0243】
【表13】
【0244】
実施例26.PVCプラスチゾルの作製
1リットルのガラスジャーに、200gのセバケート[ビス−(2−エチルヘキシルセバケート)]および300gのPVCプラスチゾル粉末(ジョージア州、ケネソーのポリワン コーポレイション(Polyone Corporation,Kennesaw,GA)のGeon 173)を、撹拌しながら分けて加えた。このプラスチゾルを、1:1.5 プラスチゾルと表す。必要に応じて市販の熱安定剤および品質保持期間延長剤を加えた。
【0245】
PVCプラスチゾルを、異なったグレードのPVCおよびそのコポリマー、アジピン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩およびポリエステルなどの可塑剤、粘度低下剤、熱安定剤並びに品質保持期間延長剤を用いて作製した。可塑剤、粘度低下剤、熱安定剤および品質保持期間延長剤の濃度が異なるこれらのプラスチゾルを、ジアセチレン−344およびジアセチレン−4BCMUなどの異なったジアセチレンの放射線部材の作製に用いた。
【0246】
実施例27.PVC中のジアセチレン344の部材の作製
試験管に1gのジアセチレン−344および5gの実施例24に記載した1:1.5プラスチゾルを加え混合した。混合物を110℃に加熱し、#70の巻き線型ロッドを用いてポリエステルフィルムにコートした。その後フィルムを〜140〜150℃のオーブン
に数分間入れた。コーティングは透明になった。ポリエステルフィルムをコーティングの上に、コーティングを挟むように設置し、ゆっくりと室温に冷却した。
【0247】
異なった可塑剤、PVCおよびそのコポリマー並びにポリメチルメタクリレートなどのポリマー、アジピン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩およびポリエステルなどの可塑剤、粘度低下剤、熱安定剤、品質保持期間延長剤の効果、混合、コーティングなどの工程、コーティングの厚さ、ジアセチレンの結晶化速度などの他のパラメータを調べた。さらに、ジアセチレン−344およびジアセチレン−4BCMUなどの異なったジアセチレンの濃度の効果も調べた。
【0248】
実施例28.溶融混合および圧縮成形:
40gの実施例24のプラスチゾルおよび20gのジアセチレン344を、メルトミキサー(ニュージャージー州ハッケンサックのブラベンダー(Brabender,Hackensack,NJ)製)で混合し、140℃で5分間混合した。溶融体を圧縮成形機で160℃で薄膜およびプラークに圧縮し、室温までゆっくりと冷却した。
【0249】
ジアセチレン344および他のジアセチレンの薄膜およびプラークを、PVC並びにポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルポリメチルメタクリレート、ポリスチレンマレイン酸コポリマーおよびPVCのコポリマーなどの他のポリマーに対するジアセチレンの比率を変えて作製した。溶融の時間および温度、成形の温度、フィルムおよびプラークの冷却速度の効果を調べた。
【0250】
実施例29.PVC/ジアセチレン−344の部材の照射:
PVCプラスチゾル中のジアセチレン344のコーティング、フィルム、およびプラークに、500ラドの100keVのX線を、マイナス20℃およびプラス60℃で照射した。両方の試料の色は原則的に同じであった。可視スペクトルも原則的に同じであり、形および強度にはっきりした違いはなかった。太陽光下に置いたとき、部材は1日の間目に見える色を発色しなかった。また、ジアセチレン−344の部材は、60℃のオーブンに1週間置いたとき、目に見える色を発色しなかった。この結果は、このジアセチレン−344の部材が太陽光の下で十分な安定性を有し、照射温度に影響されず、個人用および地域用線量計として用いられるための許容される品質保持期間を有することを示す。
【0251】
実施例30.ジアセチレン−4BCMUの部材の作製:
実施例25に記載される手順を用いて、PVCプラスチゾル(PVC:アジピン酸塩 1:3 w:w)でジアセチレン4BMCUの部材を作製した。4BCMU部材に、−20℃および+50℃で、450ラドの100keVのX線を照射した。両方の試料は同様の発色をした(OD 0.19)。さらに、試料を35℃および50℃でアニールした。光学濃度を異なる時間間隔で決定した。本実施例で作製した試料ではODの増加はなかったが、実施例21で作製した試料は、例えば1か月の間に0.09から0.16のように、ODの増加があった。この結果は、例えばPVCをバインダとして、およびアジピン酸塩を可塑剤として用いるなど、適切な系を用いることによって、品質保持期間を延長できることを示す。
【0252】
実施例31.ホットメルト接着剤のバインダとしての使用:
約2gの接着剤(HRJ−12531樹脂、カナダのスケネクタディー ケミカルズ(Schenectady Chemicals,Canada)製のポリアクリレート粘着剤)を試験管に入れて約120℃で加熱し溶融させた。溶融体に、ジアセチレン−4BCMUなどの異なったジアセチレンを加え、機械的な撹拌器を用いて混合した。約15分後、溶融体をプラークに圧縮し、室温に冷却した。試料に500ラドの100keVのX線を照射した。試料の照射された部分は青色に変化した。
【0253】
実施例32.溶融体からのプラークおよびフィルム線量計のキャスティング:
15×25cm2のガラス板を、コネチカット州ダンバリーのミラー−ステフェンソン(Miller−Stephenson,Danbury,CT)製のウレタン絶縁保護コーティングでスプレーコートした。900ミクロンのマスクを一方の板の上に置き、両方の板を〜95℃のオーブンに入れた。3gのジアセチレン−4BCMUおよび7gのエチレン・アクリル酸共重合体−15%)の混合物を試験管に入れて溶融した。混合物をマスクを置いたガラス板の中央に注ぎ、他方のガラス板でその上からプレスした。過剰の溶融体はマスクのウインドウから流れ出した。ガラス板を室温(RT)に冷却した。板を外してプラークを得た。厚いプラークは半透明であった。試料に500ラドの100keVのX線を照射した。試料の照射された部分は青色に変化した。他の多くのバインダを、可塑剤および溶媒などの添加剤を加えて、および加えずに試験した。
【0254】
実施例33.溶融体からの自立薄膜:
0.1、0.2、0.3、0.4および0.5gのジアセチレン−4BCMUを、5gのエチレン・アクリル酸共重合体 15%)と混合した。混合物を〜150℃に加熱して溶融体にし、機械的な撹拌器で混合した。溶融した混合物を離型剤であらかじめコートした2枚のガラス板の間に150ミクロンのスペーサーを用いて注ぎ、プレスして直径約5センチメートルの円形を作った。試料を室温に冷却し、ほぼ透明なフィルムをガラス板から取り外した。ジアセチレン−4BCMU/ポリマーのフィルムに、250ラドの100keVのX線を照射した。フィルムは青色を発色した。色の強度はジアセチレン−4BCMUの濃度に比例した。
【0255】
ジアセチレン、バインダ、溶媒、可塑剤、およびコ−バインダの性質および濃度、並びに溶融およびアニーリングの時間および温度などの、他の変数の効果を調べた。
【0256】
実施例34.基板上のジアセチレン4BCMUのメルトコーティング:
0.5gのジアセチレン−4BCMUを、5gのエチレン・アクリル酸共重合体、15%)と混合した。混合物を〜150℃に加熱して溶融させ、機械的な撹拌器で混合した。溶融した混合物を、80℃のオーブンに入れたドローダウンコーティングユニットに設置したポリエステルフィルムの上に注いだ。#30の加熱した巻き線型ロッドを用いて混合物をコートした。試料を室温まで冷却した。コーティングはほぼ透明であった。ジアセチレン−4BCMU/ポリマーをコートしたフィルムの小片に250ラドの100keVのX線を照射した。コーティングは青色を発色した。
【0257】
実施例35.バインダとしてのポリ酢酸ビニル:
試験管に2gの低分子量ポリ酢酸ビニルと併せて、異なった量(0.1、0.3、0.6、および0.9g)のジアセチレン−344を取った。混合物を130℃まで加熱し、機械的な撹拌器で混合し、120℃でガラス板上の4ミリのPETフィルムの上に注いだ。別のPETフィルムを溶融混合物の上に置き、その後ガラス板および20ポンド(9.0kg)の加重をかけた。溶融液は円形に広がった。ガラス板を室温に戻し冷却した。フィルムを取り外し、切り出して250ラドの100keVのX線を照射した。フィルムは薄い青色を発色した。
【0258】
実施例36:バインダのUV硬化:
1gのジアセチレン−344を、4gのエンバイロンメンタル インクス アンド コーティング(Environmental Inks and Coating)製のUV硬化インクに溶解させた。#60の巻き線型ロッドを用いて混合物をポリエステルフィルムにコートした。コーティングに長波長UV光を10秒間照射してコーティングを硬化させた。コーティングは固体になった。試料を100℃でアニールして冷却した。アニールした試料に500ラドの100keVのX線を照射した。コーティングは青色を発色した。
【0259】
実施例37:色参照チャートの除去:
紙の上に設置した実施例21のジアセチレン−4BCMUの部材の長方形の小片に、254nmのUV光を、一連の照射で異なった時間、円形のマスクを通して照射した。強度が強くなる円形の点が得られた(図22a)。部材の残りは照射されなかった。その後、部材全体に異なった時間254nmのUV光を照射し、部材を撮影した(図22bから22g)。図22bから図22gに示すように、部材全体の照射が増加するにしたがって、前段階で照射した点が見えなくなり始めた。
【0260】
同様の部材に50〜10,000ラドの100keVのX線を照射したとき、同様の結果が得られた。
【0261】
この結果は、UVランプまたはUVレーザーで点の代わりに数字が印刷され、モニターされるX線の線量に比例する露光によって、数字が見えなくなることを示す。線量は、読み取りが可能な最小の数字から読み取ることができる。UV光で数字を印刷する代わりに、線量に比例して色の強度が変化する数字を、同じ色のインクで基板上に印刷することができ、その上にジアセチレンの製剤をコートすることができる。この型の線量計は、自動読み取り線量計の一種であり、色参照チャートが不要である。この型の線量計は、サイズをより小さくできる。さらに、数字はジアセチレンインクで印刷されてもよい。
【0262】
実施例38:偽陽性インジケータ:
ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液に溶かした2%のペンタメトキシトリフェニルメタノール(PTM)溶液を、#30の巻き線型ロッドを用いてポリエステルにコートし、60℃のオーブンで乾燥させた。この製剤は時間−温度(図27b)およびUV(図27a)の両方に敏感である。この製剤は、少なくともX線が10,000ラドまで目に見える色を発色しない。しかしながら、UV/太陽光にさらされると、無色から赤色に変化する(図27a)。また、この製剤は、保存の時間および温度によって発色する(図27b)。低い温度では、同じ色を発色するのにより長い時間がかかる。この製剤がUV/太陽光にさらされることによる発色に必要な時間、並びに温度は、スズ、亜鉛、およびバリウムの有機金属化合物などの有機金属化合物、およびトリエチルアミンなどの塩基のような熱安定剤を加えることによって変化した。したがって、この製剤は、線量計の品質保持期間およびUV露光のモニターに用いられうる。
【0263】
本発明は、好ましい実施形態に重点をおいて記載されたものであり、本明細書に添付された特許請求の範囲により明確に示された発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0264】
【図1】放射線感受性自立部材の断面図である。
【図2】保護層を両面に有する放射線感受性自立部材の断面図である。
【図3】基板の片面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【図4】基板の両面に放射線感受性層がコートされた部材の断面図である。
【図5】放射線感受性部材、色参照チャートを放射線感受性部材の片面に、および不透明保護層を放射線感受性部材の一方の端に有する放射線量計の上面図である。
【図6】放射線感受性部材および色参照チャートを両面に有する放射線量計の上面図である。
【図7】青色および赤色のような2つの異なる色を提供する2つの放射線感受性部材を、タイルバッジの異なる位置の色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【図8】非常に広い線量の範囲をカバーするために、内部に4個および外部に4個の、8個の放射線感受性部材をそれらの色参照チャートとともに有する放射線量計の上面図である。
【図9】放射線感受性部材のウェルを有する放射線量計の断面図である。
【図10】UV光から保護するためにおよび不正使用を示すために、一方の端がアルミニウムテープなどの不透明な接着テープでカバーされた放射線量計の断面図である。
【図11】時間−温度、温度、UVおよび他の所望の機能;例えばバーコード、磁気情報テープ、ホログラム並びに他の安全および識別機能のような;などの、他のさまざまなインジケータを有する放射線量計の上面図である。
【図12】実施例3を用いて作製された、両面にUV吸収フィルムの層を有するジアセチレン344の部材の断面図である。
【図13】異なる線量のX線を照射したジアセチレン344の部材の代表的な図である。
【図14】ジアセチレン344の部材と色参照チャートを有する線量計の図である。
【図15】薄い不透明な基板、部材、色参照チャート、高濃度のUV吸収剤および他の添加剤を有する厚い透明な層並びに保護層を有するバッジの断面図である。
【図16】UV光から保護するための、線量計バッジのポケットを有するホルダーの、線量計バッジを入れた、および入れていない場合の上面図である。
【図17】異なる線量範囲の線量計バッジのための3つのポケットを有するホルダーの上面図である。
【図18】太陽光から保護するための、線量計バッジの折りたたみホルダーの断面図(a、bおよびc)並びに上面図(d)である。
【図19】コーティング法およびプリンティング法による線量計バッジの作製の工程を表すスキームである。
【図20】ジアセチレン344を含む部材の線量に対する光学濃度(OD)のプロットである。
【図21】異なった線量の10MeVのX線を照射したジアセチレン344の部材の典型的な一連の可視スペクトルである。
【図22】異なる時間UV光を照射したジアセチレン4BCMUの自動読み取り放射線量計を表す図である。
【図23】(a)照射していない、(b)低い線量のX線を照射した、および(c)高い線量のX線を照射した、自動読み取り部材を表す図である。
【図24】放射線感受性部材の側面に偽陽性および品質保持期間のインジケータを有する放射線量計バッジを表す図である。
【図25】「X」の形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【図26】バーの形状の偽陽性インジケータを有する線量計バッジの、UV/太陽光の過剰曝露および/または熱の過剰曝露の前(a)並びに後(b)を表す図である。
【図27】60℃で異なる時間アニールした(a)、および短波長UV光(254nm)を異なる時間照射した(b)、偽陽性インジケータである。
【図28】「EXPIRED」の語を表示する偽陽性インジケータを有する部材の上面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;
5eVを超えるエネルギーを有する電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む少なくとも1つのイメージング層;
バインダ;
保護層;および
所定の電離放射線の値での前記検出可能な色の変化に対応する少なくとも1つの色を含む少なくとも1つの参照チャート:
を含む、放射線モニタリング装置。
【請求項2】
前記バインダが有機または無機のポリマーである、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項3】
前記バインダが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルのプラスチゾルまたはそのコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリステアリン酸ビニル、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンビニレン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリブチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリエチレン/ビニルアセテート、ポリ(イソブチルメタクリレート)、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・ブチルアクリレート・カーボンモノオキシド共重合体、ポリ(o−クレジルグリシジルエーテル)−ホルムアルデヒド、エチレン・l−ブテン共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン−コ−ビニルアセテート−コ−カーボンモノオキシド、硝酸セルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、およびこれらのコポリマーまたは混合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項2に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項4】
2以上の前記イメージング層および2以上の参照チャートを含む、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項5】
前記参照チャートが部分的に重合したジアセチレンおよびポリジアセチレンを含む色参照チャートである、請求項1または4に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項6】
それぞれの前記イメージング層が検出可能な色の変化を有する、請求項4に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項7】
それぞれの前記イメージング層が異なった放射線量に対して異なった色または強度を発色する、請求項6に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項8】
前記検出可能な色の変化が、≦5、≦10、≦25、≦100、≦200、≦500、≦1,000および≦10,000ラドから選択される照射で生じる、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項9】
前記検出可能な色の変化が、≦10、≦25、≦100、≦200、≦500、≦1,000および≦10,000キロラドから選択される照射で生じる、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項10】
装置の側面にモニターされる線量が印刷されている、請求項1に記載の放射線モニタリ
ング装置。
【請求項11】
装置に、使用法、使用者名、バーコード、識別番号、前記線量の影響および前記線量によってとるべき行動を記述する必要な情報が印刷された、請求項10に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項12】
電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有する、品質保持期間延長剤およびラジオクロミック材料を含む放射線感受性材料を含む放射線モニタリング装置。
【請求項13】
装置が四角形、三角形、長方形、六角形および円形から選択される形状を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項14】
前記放射線感受性材料が上にコートされた支持材をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項15】
基板;
前記基板にコートされた、品質保持期間延長剤および電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む前記放射線感受性材料;および
保護層:
を含む放射線モニタリング装置。
【請求項16】
前記ラジオクロミック材料が少なくとも1組の共役アルキンを有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項17】
前記ラジオクロミック材料がジアセチレンである、請求項16に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項18】
前記ジアセチレンが、R’−C≡C−C≡C−R”であり、ここでR’およびR”は独立に:(CH2)b−H;(CH2)bOH;(CH2)b−OCONH−Rl;(CH2)b−O−CO−Rl;(CH2)b−O−Rl;(CH2)b−COOH;(CH2)b−COOM;(CH2)b−NH2;(CH2)b−CONHRl;(CH2)b−CO−O−R1またはこれらの混合物であり;この際b=1〜10であり、R1は脂肪族または芳香族のラジカルであり、Mはカチオンまたは(R1)3N+である:から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項19】
R1がC1−C15アルキルである、請求項18に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項20】
R1がフェニルまたは置換フェニルである、請求項18に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項21】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールまたはこれらの混合物のうち1つの誘導体である、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項22】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン、3,5−オクタジイン、4,6−デカジイン、5,7−ドデカジインもしくはこれらの混合物の酸、ウレタン、エステル、エーテル、アミンまたはアミド誘導体である、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項23】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールもしくはこれらの混合物の、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルウレタン誘導体である、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項24】
前記ジアセチレンが、4,6−デカジイン−1,10−ビス(ブチルウレタン)、2,4−ヘキサジイン−1,6−ビス(ヘキシルウレタン)または5,7−ドデカジイン−1,12−ビス(ブトキシカルボニルメチルウレタン)から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項25】
前記ジアセチレンが、Rl−(CH2)n−C≡C−C≡C−(CH2)m−R2の対称もしくは非対称の脂肪酸またはその誘導体であり、ここでR1またはR2のうち少なくとも1つが−COOHであり、nおよびmが独立に1〜10から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項26】
前記脂肪鎖ジアセチレンが、トリコサ−10,12−ジイン酸、ペンタコサ−10,12−ジイン酸、これらのエステル、アミド、有機および無機塩、またはこれらの混合物から選択される、請求項25に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項27】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールのウレタン誘導体、または2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールのエステルおよびエーテル誘導体から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項28】
前記装置が、不活性でありジアセチレンの溶融、相変化、溶解またはアニーリングを含む加熱によって活性化されるジアセチレンを含む、請求項17〜27のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項29】
前記装置が固溶体の形成または溶解によって不活性されたジアセチレンを含む、請求項17〜27のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項30】
前記ジアセチレンがアニーリングによってアモルファス状態または固溶体から結晶化される、請求項17〜27のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項31】
前記ラジオクロミック材料が、ラジオクロミック色素、pH感受性色素およびハロカーボンから選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項32】
前記ラジオクロミック色素がロイコ染料である、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項33】
前記ロイコ染料が、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ニューフクシンシアニド、シアン化ヘキサヒドロキシエチルバイオレット、シアン化パラローズアニリン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、塩基性マラカイトグリーン、塩基性p−ローズアニリンなどのカルビノール色素、またはこれらの混合物である、請求項32に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項34】
前記ラジオクロミック材料がpH感受性色素およびハロ化合物の混合物を含む、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項35】
前記pH感受性色素が、ペンタメトキシトリフェニルメタン、エチルレッド、メチルレッド、エチルオレンジ、ブロモチモールブルーまたはブロモクレゾールパープルまたはこれらの混合物から選択される化合物を含む、請求項34に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項36】
前記ハロ化合物が、トリクロロメチルベンジルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエピクロロヒドリン、塩素化オリゴマー、塩素化ポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物から選択される、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項37】
前記ハロ化合物が、ハロニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロヒ酸塩、塩化ジフェニルヨードニウムまたはこれらの混合物から選択される1つの部材を含む、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項38】
前記ラジオクロミック材料が色を変化させる、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項39】
前記ラジオクロミック材料が青色、紫色、菫色または赤色を発色する、請求項38に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項40】
前記色の変化が、無色から赤色、無色から青色、青色から赤色、赤色から青色、黄色から青色、黄色から赤色、緑色から黄色、または黄色から緑色、から選択される、請求項8、9、12、15および38に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項41】
前記保護層が、透明なプラスチックフィルムまたはコーティングである、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項42】
前記保護層が、フォトクロミック材料、耐湿性材料または蛍光材料から選択される材料を含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項43】
前記基板または前記保護層が、不透明な、または金属蒸着の層を含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項44】
前記金属蒸着の層が金属蒸着ポリエステルである、請求項43に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項45】
前記基板が0.01〜1mmの厚さを有する、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項46】
前記基板が、ポリ塩化ビニルまたはそのコポリマーを含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項47】
前記保護層がUV吸収剤またはUV反射剤を含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項48】
前記UV吸収剤が、芳香族有機化合物または微粉化された有機もしくは無機化合物から選択される、請求項47に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項49】
前記保護層が0.01〜1mmの厚さである、請求項1〜11または15〜40のいず
れか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項50】
前記保護層が、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリビニル誘導体、ポリエステル誘導体、セルロース誘導体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーンまたはシロキサン樹脂、トリエチレングリコールジメタクリレート、エポキシ樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料から作製される、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項51】
前記品質保持期間延長剤が、1以上の熱安定剤、活性種のクエンチャー、ラジカルスカベンジャー、酸素スカベンジャー、抗酸化剤、活性種の阻害剤、活性種の防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤、蛍光物質、蛍光増白剤またはこれらの混合物を含む、請求項12〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項52】
前記阻害剤が、フェノール、ポリフェノール、置換フェノール、ヒドロキノン、芳香族アミン、芳香族ヒドラジン、塩化鉄、塩化銅、硫黄、ラジカル阻害剤またはこれらの混合物から選択され、品質保持期間を延長するために用いられうる、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項53】
前記阻害剤が、ヒドロキノン、アルキルヒドロキノン、ジ−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、クロラニル、カテコール、ピロガロールおよびこれらの誘導体、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、ガルバノキシル、トリフェニルフェルダジルまたはこれらの混合物から選択される、請求項52に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項54】
前記抗酸化剤が、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体またはこれらの混合物から選択される、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項55】
前記抗酸化剤が、硫化アルキル、亜リン酸アルキル、芳香族アミン、アルキルフェノール、金属ジチオホスフェート、金属ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン、ビスフェノール、チオビスフェノール、有機亜リン酸塩、チオエステルまたはこれらの混合物から選択される、請求項54に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項56】
前記H−供与体が、芳香族アミン、フェノール、立体障害フェノール、立体障害アミンまたはこれらの混合物から選択される、請求項51または54に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項57】
前記ヒドロペルオキシド分解剤が、三価リンの有機化合物、硫黄の有機化合物、ジアルキルジチオカルバメート、ジチオホスフェートの金属塩、3,3−チオジプロピオン酸のエステルまたはこれらの混合物から選択される、請求項51または54に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項58】
前記ヒドロペルオキシド分解剤が、硫化物、リン酸塩、亜ホスホン酸塩またはこれらの混合物から選択される、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項59】
前記ラジカルスカベンジャーが、ベンゾフラノン、その誘導体またはこれらの混合物を含む、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項60】
前記品質保持期間延長剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール(BHT)、2,3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−エチルフェノール、m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−アミノメチルフェニル−メチルアミノ)−2−プロパノール、1,3−ビス(N,N−N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)・1,4−ブタンジオール交互共重合体;N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン・2,4−ジクロロ−6−モルフォリノ−1,3,5−トリア共重合体;1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドード、5,5−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンまたはこれらの混合物から選択される化合物を含む、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項61】
前記UV吸収剤が、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリウレタン、ポリ(ビス−フェノールカーボネート)またはこれらの混合物を含む芳香族ポリマーから選択される化合物である、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項62】
前記UV吸収剤が、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、安息香酸塩、オキサニリド、サリチル酸塩、シンマート、クマリン、アントラニル酸塩またはこれらの混合物から選択される化合物である、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項63】
前記UV吸収剤が、ベンズアミド;ベンゾフェノンヒドラゾン;3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;ベンゾトリアゾール、2,2’−ビフェノール;4,4’−ビフェノール;ビスフェノール−A;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール);p−メトキシケイ皮酸エチルヘキシル;サリチル酸2−エチルヘキシル;オキシベンゾン;p−アミノ安息香酸およびその誘導体;ナフタレンジカルボン酸のジエステルまたはポリエステル;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸;トリオレイン酸ジガロイル;3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート;クペロン;サリチル酸エチル;ヒドロキシメトキシベンゾフェノン;ヒドロキシベンゾフェノン;ヒドロキシケイ皮酸;スルホサリチル酸;テトラヒドロキシベンゾフェノン; ファストブルーBB;フェノチアジン;4−ニトロフェノール;7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール;ポリ[2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート];2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール;2,2−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール];2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール;2−フェニル−5−ベンズイミダゾールスルホン酸;2−(2’−ヒドロキシ−5−オクチルペンチルベンゾトリアゾール); 3,4−ジアミノベンゾフェノン;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,5−ジヒドロキシ安息香酸;2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメチルベンゾフェノン;2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2,3−ジヒドロキシナフタレン;ジフェニルアミン;ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;4−ヒドロキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4n−オクチルオキシベンゾフェノン;没食子酸ラウリル;フェニルヒドロキノン;4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール;4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール;サリチルアニ
リド;2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン;2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン;トリメチルヒドロキノン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、オクチルメトキシケイ皮酸、シノキサート、サリチル酸メチルおよびアントラニル酸メンチルまたはこれらの混合物から選択される化合物を含む、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項64】
1〜30重量%の品質保持期間延長剤を含む、請求項12〜15、51〜63のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項65】
フタル酸塩、グリコールエーテル、オレイン酸塩、アジピン酸塩、グルタレート、リン酸塩、安息香酸塩、塩素化パラフィン、レシンオレイン酸塩、アゼライン酸塩、炭化水素油、セバシン酸塩、クエン酸塩、イソ酪酸塩、スルホンアミド、エポキシ、ケトン、アビエチン酸塩、トリメリット酸塩、ポリエステルまたはこれらの混合物から選択される可塑剤をさらに含む、請求項1〜64のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項66】
前記可塑剤が、ブトキシ−2−エチルステアレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(エチルヘキシル)セバケートまたはこれらの混合物から選択される、請求項65に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項67】
前記装置が1〜10,000ミクロンの厚さである、請求項1〜66のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項68】
前記装置が、幅が0.5mm〜1メートル、および長さが1mm〜1メートルのサイズである、請求項1〜67のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項69】
前記装置が、照射に応じて連続的に増大する色の変化を含む、請求項1〜68のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項70】
UV保護層をさらに含む、請求項1〜69のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項71】
引っかき抵抗性層をさらに含む、請求項1〜70のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項72】
溶媒中のジアセチレン、品質保持期間延長剤およびバインダの混合物を冷却することを含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項73】
前記方法が、液体窒素温度まで冷却することを含む、請求項72に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項74】
ジアセチレン、品質保持期間延長剤および溶融ポリマーの混合物を冷却することを含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項75】
前記方法が、溶融プラスチゾル、品質保持期間延長剤およびジアセチレンの混合物を冷却することを含む、請求項74に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項76】
前記方法が、モノマー、オリゴマー、およびジアセチレンの混合物のUVまたは過酸化物による硬化を含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項77】
前記方法が、ジアセチレンを溶解させるために前記混合物を高温で加熱すること;プラスチゾルを溶融するためにさらに高い温度で加熱すること;および、低温まで冷却すること;を含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項78】
前記部材が、溶融体から作製され、その後、ジアセチレンの結晶化のために、ポリマーの融点より低いがジアセチレンの融点または溶解温度を超える温度でアニールされる、請求項77に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項79】
前記装置がステッカーまたはバッジの形態である、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項80】
前記装置が使用者、衣類または機器に取り付け可能である、請求項79に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項81】
前記装置が、放射性物質または放射線源、原子力プラントまたは核爆弾または放射線分散装置からの放射線をモニターするために用いられる、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項82】
偽陽性または不正使用を示すことができるインジケータをさらに含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項83】
UV曝露インジケータをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項84】
温度曝露インジケータをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項85】
セルフキャンセリングまたは時間温度インジケータをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項86】
アルミホイルカバーをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項87】
UV光、電子、陽子、およびアルファ粒子に対して高感度にしうる、または遮蔽しうる金属ホイルをさらに含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項88】
前記部材が、所定の光学濃度の表示を含み、前記装置に放射線が照射されたとき前記装置が前記所定の光学濃度に対応する光学濃度を有する、請求項1〜71のいずれか1項に記載の自動放射線モニタリング装置。
【請求項89】
前記装置が、放射線の照射によって消える表示を含む、請求項88に記載の自動放射線モニタリング装置。
【請求項90】
表示が数字の形態である場合の、請求項89に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項91】
前記表示が、照射後前記装置から区別ができない、請求項88に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項92】
多重表示を含む、請求項88〜91のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項93】
前記多重表示の表示が、異なった所定の光学濃度を示す、請求項92に記載の放射線モ
ニタリング装置。
【請求項94】
放射線滅菌、放射線治療および工業的ラジオグラフィーから選択されるプロセスのための放射線モニターとしての、請求項1〜93のいずれか1項に記載の放射線装置。
【請求項95】
標識化;材料の硬化;材料の架橋;および重合;から選択される、レーザーモニタリングのための放射線モニターとしての、請求項1〜93のいずれか1項に記載の放射線装置。
【請求項96】
3次元イメージングのための放射線モニターとしての、請求項1〜93のいずれか1項に記載の放射線装置。
【請求項1】
基板;
5eVを超えるエネルギーを有する電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む少なくとも1つのイメージング層;
バインダ;
保護層;および
所定の電離放射線の値での前記検出可能な色の変化に対応する少なくとも1つの色を含む少なくとも1つの参照チャート:
を含む、放射線モニタリング装置。
【請求項2】
前記バインダが有機または無機のポリマーである、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項3】
前記バインダが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルのプラスチゾルまたはそのコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリステアリン酸ビニル、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンビニレン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリブチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリエチレン/ビニルアセテート、ポリ(イソブチルメタクリレート)、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・ブチルアクリレート・カーボンモノオキシド共重合体、ポリ(o−クレジルグリシジルエーテル)−ホルムアルデヒド、エチレン・l−ブテン共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン−コ−ビニルアセテート−コ−カーボンモノオキシド、硝酸セルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、およびこれらのコポリマーまたは混合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項2に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項4】
2以上の前記イメージング層および2以上の参照チャートを含む、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項5】
前記参照チャートが部分的に重合したジアセチレンおよびポリジアセチレンを含む色参照チャートである、請求項1または4に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項6】
それぞれの前記イメージング層が検出可能な色の変化を有する、請求項4に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項7】
それぞれの前記イメージング層が異なった放射線量に対して異なった色または強度を発色する、請求項6に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項8】
前記検出可能な色の変化が、≦5、≦10、≦25、≦100、≦200、≦500、≦1,000および≦10,000ラドから選択される照射で生じる、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項9】
前記検出可能な色の変化が、≦10、≦25、≦100、≦200、≦500、≦1,000および≦10,000キロラドから選択される照射で生じる、請求項1に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項10】
装置の側面にモニターされる線量が印刷されている、請求項1に記載の放射線モニタリ
ング装置。
【請求項11】
装置に、使用法、使用者名、バーコード、識別番号、前記線量の影響および前記線量によってとるべき行動を記述する必要な情報が印刷された、請求項10に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項12】
電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有する、品質保持期間延長剤およびラジオクロミック材料を含む放射線感受性材料を含む放射線モニタリング装置。
【請求項13】
装置が四角形、三角形、長方形、六角形および円形から選択される形状を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項14】
前記放射線感受性材料が上にコートされた支持材をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項15】
基板;
前記基板にコートされた、品質保持期間延長剤および電離放射線が照射されたときに検出可能な色の変化を発色する性能を有するラジオクロミック材料を含む前記放射線感受性材料;および
保護層:
を含む放射線モニタリング装置。
【請求項16】
前記ラジオクロミック材料が少なくとも1組の共役アルキンを有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項17】
前記ラジオクロミック材料がジアセチレンである、請求項16に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項18】
前記ジアセチレンが、R’−C≡C−C≡C−R”であり、ここでR’およびR”は独立に:(CH2)b−H;(CH2)bOH;(CH2)b−OCONH−Rl;(CH2)b−O−CO−Rl;(CH2)b−O−Rl;(CH2)b−COOH;(CH2)b−COOM;(CH2)b−NH2;(CH2)b−CONHRl;(CH2)b−CO−O−R1またはこれらの混合物であり;この際b=1〜10であり、R1は脂肪族または芳香族のラジカルであり、Mはカチオンまたは(R1)3N+である:から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項19】
R1がC1−C15アルキルである、請求項18に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項20】
R1がフェニルまたは置換フェニルである、請求項18に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項21】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールまたはこれらの混合物のうち1つの誘導体である、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項22】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン、3,5−オクタジイン、4,6−デカジイン、5,7−ドデカジインもしくはこれらの混合物の酸、ウレタン、エステル、エーテル、アミンまたはアミド誘導体である、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項23】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオール、4,6−デカジイン−1,10−ジオール、5,7−ドデカジイン−1,12−ジオールもしくはこれらの混合物の、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルウレタン誘導体である、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項24】
前記ジアセチレンが、4,6−デカジイン−1,10−ビス(ブチルウレタン)、2,4−ヘキサジイン−1,6−ビス(ヘキシルウレタン)または5,7−ドデカジイン−1,12−ビス(ブトキシカルボニルメチルウレタン)から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項25】
前記ジアセチレンが、Rl−(CH2)n−C≡C−C≡C−(CH2)m−R2の対称もしくは非対称の脂肪酸またはその誘導体であり、ここでR1またはR2のうち少なくとも1つが−COOHであり、nおよびmが独立に1〜10から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項26】
前記脂肪鎖ジアセチレンが、トリコサ−10,12−ジイン酸、ペンタコサ−10,12−ジイン酸、これらのエステル、アミド、有機および無機塩、またはこれらの混合物から選択される、請求項25に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項27】
前記ジアセチレンが、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールのウレタン誘導体、または2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールのエステルおよびエーテル誘導体から選択される、請求項17に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項28】
前記装置が、不活性でありジアセチレンの溶融、相変化、溶解またはアニーリングを含む加熱によって活性化されるジアセチレンを含む、請求項17〜27のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項29】
前記装置が固溶体の形成または溶解によって不活性されたジアセチレンを含む、請求項17〜27のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項30】
前記ジアセチレンがアニーリングによってアモルファス状態または固溶体から結晶化される、請求項17〜27のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項31】
前記ラジオクロミック材料が、ラジオクロミック色素、pH感受性色素およびハロカーボンから選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項32】
前記ラジオクロミック色素がロイコ染料である、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項33】
前記ロイコ染料が、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ニューフクシンシアニド、シアン化ヘキサヒドロキシエチルバイオレット、シアン化パラローズアニリン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、塩基性マラカイトグリーン、塩基性p−ローズアニリンなどのカルビノール色素、またはこれらの混合物である、請求項32に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項34】
前記ラジオクロミック材料がpH感受性色素およびハロ化合物の混合物を含む、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項35】
前記pH感受性色素が、ペンタメトキシトリフェニルメタン、エチルレッド、メチルレッド、エチルオレンジ、ブロモチモールブルーまたはブロモクレゾールパープルまたはこれらの混合物から選択される化合物を含む、請求項34に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項36】
前記ハロ化合物が、トリクロロメチルベンジルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエピクロロヒドリン、塩素化オリゴマー、塩素化ポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物から選択される、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項37】
前記ハロ化合物が、ハロニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロヒ酸塩、塩化ジフェニルヨードニウムまたはこれらの混合物から選択される1つの部材を含む、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項38】
前記ラジオクロミック材料が色を変化させる、請求項31に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項39】
前記ラジオクロミック材料が青色、紫色、菫色または赤色を発色する、請求項38に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項40】
前記色の変化が、無色から赤色、無色から青色、青色から赤色、赤色から青色、黄色から青色、黄色から赤色、緑色から黄色、または黄色から緑色、から選択される、請求項8、9、12、15および38に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項41】
前記保護層が、透明なプラスチックフィルムまたはコーティングである、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項42】
前記保護層が、フォトクロミック材料、耐湿性材料または蛍光材料から選択される材料を含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項43】
前記基板または前記保護層が、不透明な、または金属蒸着の層を含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項44】
前記金属蒸着の層が金属蒸着ポリエステルである、請求項43に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項45】
前記基板が0.01〜1mmの厚さを有する、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項46】
前記基板が、ポリ塩化ビニルまたはそのコポリマーを含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項47】
前記保護層がUV吸収剤またはUV反射剤を含む、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項48】
前記UV吸収剤が、芳香族有機化合物または微粉化された有機もしくは無機化合物から選択される、請求項47に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項49】
前記保護層が0.01〜1mmの厚さである、請求項1〜11または15〜40のいず
れか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項50】
前記保護層が、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリビニル誘導体、ポリエステル誘導体、セルロース誘導体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーンまたはシロキサン樹脂、トリエチレングリコールジメタクリレート、エポキシ樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料から作製される、請求項1〜11または15〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項51】
前記品質保持期間延長剤が、1以上の熱安定剤、活性種のクエンチャー、ラジカルスカベンジャー、酸素スカベンジャー、抗酸化剤、活性種の阻害剤、活性種の防止剤、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体、金属不安定化剤、UV安定剤、UV吸収剤、UV反射剤、蛍光物質、蛍光増白剤またはこれらの混合物を含む、請求項12〜40のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項52】
前記阻害剤が、フェノール、ポリフェノール、置換フェノール、ヒドロキノン、芳香族アミン、芳香族ヒドラジン、塩化鉄、塩化銅、硫黄、ラジカル阻害剤またはこれらの混合物から選択され、品質保持期間を延長するために用いられうる、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項53】
前記阻害剤が、ヒドロキノン、アルキルヒドロキノン、ジ−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、クロラニル、カテコール、ピロガロールおよびこれらの誘導体、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、ガルバノキシル、トリフェニルフェルダジルまたはこれらの混合物から選択される、請求項52に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項54】
前記抗酸化剤が、熱酸化防止剤、光酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、H−供与体またはこれらの混合物から選択される、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項55】
前記抗酸化剤が、硫化アルキル、亜リン酸アルキル、芳香族アミン、アルキルフェノール、金属ジチオホスフェート、金属ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン、ビスフェノール、チオビスフェノール、有機亜リン酸塩、チオエステルまたはこれらの混合物から選択される、請求項54に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項56】
前記H−供与体が、芳香族アミン、フェノール、立体障害フェノール、立体障害アミンまたはこれらの混合物から選択される、請求項51または54に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項57】
前記ヒドロペルオキシド分解剤が、三価リンの有機化合物、硫黄の有機化合物、ジアルキルジチオカルバメート、ジチオホスフェートの金属塩、3,3−チオジプロピオン酸のエステルまたはこれらの混合物から選択される、請求項51または54に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項58】
前記ヒドロペルオキシド分解剤が、硫化物、リン酸塩、亜ホスホン酸塩またはこれらの混合物から選択される、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項59】
前記ラジカルスカベンジャーが、ベンゾフラノン、その誘導体またはこれらの混合物を含む、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項60】
前記品質保持期間延長剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール(BHT)、2,3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−エチルフェノール、m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−アミノメチルフェニル−メチルアミノ)−2−プロパノール、1,3−ビス(N,N−N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)・1,4−ブタンジオール交互共重合体;N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン・2,4−ジクロロ−6−モルフォリノ−1,3,5−トリア共重合体;1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドード、5,5−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンまたはこれらの混合物から選択される化合物を含む、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項61】
前記UV吸収剤が、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリウレタン、ポリ(ビス−フェノールカーボネート)またはこれらの混合物を含む芳香族ポリマーから選択される化合物である、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項62】
前記UV吸収剤が、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、安息香酸塩、オキサニリド、サリチル酸塩、シンマート、クマリン、アントラニル酸塩またはこれらの混合物から選択される化合物である、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項63】
前記UV吸収剤が、ベンズアミド;ベンゾフェノンヒドラゾン;3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;ベンゾトリアゾール、2,2’−ビフェノール;4,4’−ビフェノール;ビスフェノール−A;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチルフェノール);p−メトキシケイ皮酸エチルヘキシル;サリチル酸2−エチルヘキシル;オキシベンゾン;p−アミノ安息香酸およびその誘導体;ナフタレンジカルボン酸のジエステルまたはポリエステル;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸;トリオレイン酸ジガロイル;3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート;クペロン;サリチル酸エチル;ヒドロキシメトキシベンゾフェノン;ヒドロキシベンゾフェノン;ヒドロキシケイ皮酸;スルホサリチル酸;テトラヒドロキシベンゾフェノン; ファストブルーBB;フェノチアジン;4−ニトロフェノール;7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール;ポリ[2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート];2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール;2,2−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール];2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール;2−フェニル−5−ベンズイミダゾールスルホン酸;2−(2’−ヒドロキシ−5−オクチルペンチルベンゾトリアゾール); 3,4−ジアミノベンゾフェノン;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,5−ジヒドロキシ安息香酸;2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメチルベンゾフェノン;2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2,3−ジヒドロキシナフタレン;ジフェニルアミン;ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;4−ヒドロキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4n−オクチルオキシベンゾフェノン;没食子酸ラウリル;フェニルヒドロキノン;4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール;4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリジン)ビスフェノール;サリチルアニ
リド;2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン;2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン;トリメチルヒドロキノン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、オクチルメトキシケイ皮酸、シノキサート、サリチル酸メチルおよびアントラニル酸メンチルまたはこれらの混合物から選択される化合物を含む、請求項51に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項64】
1〜30重量%の品質保持期間延長剤を含む、請求項12〜15、51〜63のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項65】
フタル酸塩、グリコールエーテル、オレイン酸塩、アジピン酸塩、グルタレート、リン酸塩、安息香酸塩、塩素化パラフィン、レシンオレイン酸塩、アゼライン酸塩、炭化水素油、セバシン酸塩、クエン酸塩、イソ酪酸塩、スルホンアミド、エポキシ、ケトン、アビエチン酸塩、トリメリット酸塩、ポリエステルまたはこれらの混合物から選択される可塑剤をさらに含む、請求項1〜64のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項66】
前記可塑剤が、ブトキシ−2−エチルステアレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(エチルヘキシル)セバケートまたはこれらの混合物から選択される、請求項65に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項67】
前記装置が1〜10,000ミクロンの厚さである、請求項1〜66のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項68】
前記装置が、幅が0.5mm〜1メートル、および長さが1mm〜1メートルのサイズである、請求項1〜67のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項69】
前記装置が、照射に応じて連続的に増大する色の変化を含む、請求項1〜68のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項70】
UV保護層をさらに含む、請求項1〜69のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項71】
引っかき抵抗性層をさらに含む、請求項1〜70のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項72】
溶媒中のジアセチレン、品質保持期間延長剤およびバインダの混合物を冷却することを含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項73】
前記方法が、液体窒素温度まで冷却することを含む、請求項72に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項74】
ジアセチレン、品質保持期間延長剤および溶融ポリマーの混合物を冷却することを含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項75】
前記方法が、溶融プラスチゾル、品質保持期間延長剤およびジアセチレンの混合物を冷却することを含む、請求項74に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項76】
前記方法が、モノマー、オリゴマー、およびジアセチレンの混合物のUVまたは過酸化物による硬化を含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項77】
前記方法が、ジアセチレンを溶解させるために前記混合物を高温で加熱すること;プラスチゾルを溶融するためにさらに高い温度で加熱すること;および、低温まで冷却すること;を含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項78】
前記部材が、溶融体から作製され、その後、ジアセチレンの結晶化のために、ポリマーの融点より低いがジアセチレンの融点または溶解温度を超える温度でアニールされる、請求項77に記載の放射線モニタリング装置を形成する方法。
【請求項79】
前記装置がステッカーまたはバッジの形態である、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項80】
前記装置が使用者、衣類または機器に取り付け可能である、請求項79に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項81】
前記装置が、放射性物質または放射線源、原子力プラントまたは核爆弾または放射線分散装置からの放射線をモニターするために用いられる、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項82】
偽陽性または不正使用を示すことができるインジケータをさらに含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項83】
UV曝露インジケータをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項84】
温度曝露インジケータをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項85】
セルフキャンセリングまたは時間温度インジケータをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項86】
アルミホイルカバーをさらに含む、請求項82に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項87】
UV光、電子、陽子、およびアルファ粒子に対して高感度にしうる、または遮蔽しうる金属ホイルをさらに含む、請求項1〜71のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項88】
前記部材が、所定の光学濃度の表示を含み、前記装置に放射線が照射されたとき前記装置が前記所定の光学濃度に対応する光学濃度を有する、請求項1〜71のいずれか1項に記載の自動放射線モニタリング装置。
【請求項89】
前記装置が、放射線の照射によって消える表示を含む、請求項88に記載の自動放射線モニタリング装置。
【請求項90】
表示が数字の形態である場合の、請求項89に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項91】
前記表示が、照射後前記装置から区別ができない、請求項88に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項92】
多重表示を含む、請求項88〜91のいずれか1項に記載の放射線モニタリング装置。
【請求項93】
前記多重表示の表示が、異なった所定の光学濃度を示す、請求項92に記載の放射線モ
ニタリング装置。
【請求項94】
放射線滅菌、放射線治療および工業的ラジオグラフィーから選択されるプロセスのための放射線モニターとしての、請求項1〜93のいずれか1項に記載の放射線装置。
【請求項95】
標識化;材料の硬化;材料の架橋;および重合;から選択される、レーザーモニタリングのための放射線モニターとしての、請求項1〜93のいずれか1項に記載の放射線装置。
【請求項96】
3次元イメージングのための放射線モニターとしての、請求項1〜93のいずれか1項に記載の放射線装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
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【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2006−519383(P2006−519383A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503901(P2006−503901)
【出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/005860
【国際公開番号】WO2004/077097
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505320919)ジェイピー ラボラトリーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/005860
【国際公開番号】WO2004/077097
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505320919)ジェイピー ラボラトリーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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