説明

個人情報記入カード、個人情報管理システム、及び個人情報管理方法

【課題】個人情報が記入された用紙を紛失した場合や、用紙が盗難にあった場合においても、個人情報の漏洩を防止できる個人情報記入カード、個人情報管理システム、及び個人情報管理方法を提供すること。
【解決手段】複数の部分情報により構成される個人情報が記入される個人情報記入部9を有する個人情報記入カードであって、個人情報記入部9は、個人情報記入カード1を複数の分割片10に分割可能な分割部2と、複数の分割片10それぞれに設けられ、それぞれに所定の部分情報が記入される複数の情報記入部11と、複数の分割片10それぞれに設けられる複数の識別表示部12と、を備え、複数の識別表示部12それぞれには、複数の分割片10それぞれを互いに関連付ける第1識別情報、及び複数の識別表示部12それぞれが設けられている分割片10に記入される部分情報の種類を識別する第2識別情報が含まれる個人情報記入カード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報の漏洩を防止できる個人情報記入カード、個人情報管理システム、及び個人情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードの発行時や、商品購入の契約時、電気料金の口座振替の申請時等において、顧客は、自己の個人情報を所定の用紙に記入することが求められる。個人情報が記入された用紙は、送付先職員に直接手渡しする方法や、郵便や宅配便等で郵送する方法により、送付先の会社、機関等に届けられる。しかし、送付先に届くまでの間に、個人情報が記入された用紙を紛失した場合や、用紙が盗難に合った場合に、当該用紙に記載されている個人情報が外部に漏洩してしまうおそれがある。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1において、紙媒体を使用した文書情報伝達において、容易な作業で所定の個人情報のセキュリティを確保することができる技術が開示されている。特許文献1で開示された技術によれば、未記入申請書に対して申請者が個人情報を手書き筆記して、記入済申請書を完成させる。次に、この記入済申請書をスキャナで読み取らせ、印刷プログラムにより、氏名を除いてすべて暗号化後のバーコード化された不可視申請書として印刷する。その結果、不可視申請書は、氏名を除く情報については、人が読める形では印刷されていないため、輸送途中において第三者に個人情報が漏洩するおそれはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−256762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示された技術においては、記入済申請書から不可視申請書に変換するまでの時間的負担と作業負担がある。また、スキャナや印刷プログラムが備えられた処理端末が必須であり、これらの処理端末がない状態では、不可視申請書を印刷することができない。そのため、処理端末が存在する場所まで記入済申請書を持参し移動する必要があるが、その移動中に、記入済申請書を、紛失した場合や、記入済申請書が盗難に合った場合は、依然として当該記入済申請書に記載されている個人情報が外部に漏洩するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、個人情報が記入された用紙を紛失した場合や、用紙が盗難にあった場合においても、個人情報の漏洩を防止できる個人情報記入カード、個人情報管理システム、及び個人情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、複数の部分情報により構成される個人情報が記入される個人情報記入部を有する個人情報記入カードであって、前記個人情報記入部は、該個人情報記入カードを複数の分割片に分割可能な分割部と、前記複数の分割片それぞれに設けられ、それぞれに所定の前記部分情報が記入される複数の情報記入部と、前記複数の分割片それぞれに設けられる複数の識別表示部と、を備え、前記複数の識別表示部それぞれには、該複数の分割片それぞれを互いに関連付ける第1識別情報、及び前記複数の識別表示部それぞれが設けられている前記分割片に記入される前記部分情報の種類を識別する第2識別情報が含まれる個人情報記入カードである。
【0008】
(1)に記載の個人情報記入カードは、分割片ごとに送付先に送ることができる。そのため、分割片が送付中に紛失した場合や、分割片が盗難にあった場合でも、個人情報の漏洩防止を図れる。また、第1識別情報に基づいて、多数の分割片の中から、同一の個人情報記入カードより分割された複数の分割片を選択し、第2識別情報に基づいて、分割片に記載された部分情報を特定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【0009】
(2)本発明は、(1)に記載の個人情報記入カードであって、前記複数の識別表示部には、バーコード化された前記第1識別情報及び前記第2識別情報が含まれる個人情報記入カードである。
【0010】
(2)に記載の個人情報記入カードは、バーコードリーダを用いることにより、容易且つ時間をかけずに、数多くの分割片から、分割前の個人情報記入カードに記載された内容を確認できる。
【0011】
(3)本発明は、(1)又は(2)に記載の個人情報記入カードを用いた個人情報管理システムであって、前記複数の分割片における前記情報記入部の画像情報及び前記識別表示部の画像情報を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得された前記識別表示部の画像情報に基づいて前記第1識別情報及び前記第2識別情報を取得する識別情報取得部と、前記情報記入部の画像情報と、該情報記入部が設けられた分割片の識別表示部の画像情報に基づいて取得された前記第1識別情報及び前記第2識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記情報記入部の画像、並びに前記第1識別情報及び前記第2識別情報に基づいて前記個人情報記入部の画像を合成する画像合成部と、を備える個人情報管理システムである。
【0012】
(3)に記載の個人情報管理システムは、第1識別情報に基づいて、多数の分割片の中から、同一の個人情報記入カードより分割された複数の分割片を選択でき、第2識別情報に基づいて、合成される際に、これら選択された複数の分割片の位置を決定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【0013】
(4)本発明は、(1)又は(2)に記載の個人情報記入カードを用いた個人情報管理方法であって、前記複数の分割片における前記情報記入部の画像情報及び前記識別表示部の画像情報を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにおいて取得された前記識別表示部の画像情報に基づいて前記第1識別情報及び前記第2識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記情報記入部の画像情報と、該情報記入部が設けられた分割片の識別表示部の画像情報に基づいて取得された前記第1識別情報及び前記第2識別情報とを関連付けて記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにおいて記憶された前記情報記入部の画像、並びに前記第1識別情報及び前記第2識別情報に基づいて前記個人情報記入部の画像を合成する画像合成ステップと、を備える個人情報管理方法である。
【0014】
(4)に記載の個人情報管理方法は、第1識別情報に基づいて、多数の分割片の中から、同一の個人情報記入カードより分割された複数の分割片を選択し、第2識別情報に基づいて、合成される際に、これら選択された複数の分割片の位置を決定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の個人情報記入カードは、分割片ごとに送付先に送ることができる。そのため、分割片が送付中に紛失した場合や、分割片が盗難にあった場合でも、個人情報の漏洩防止を図れる。また、第1識別情報に基づいて、多数の分割片の中から、同一の個人情報記入カードより分割された複数の分割片を選択し、第2識別情報に基づいて、分割片に記載された部分情報を特定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る個人情報記入カードを示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る個人情報記入カードについて、個人情報を記入後に個人情報記入カードを分割して得られた分割片を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る個人情報管理システムの全体構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る関連付け情報DBに備えられている関連付け情報管理テーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る個人情報記入カードの第1識別情報及び第2識別情報に基づいて分割片の画像を合成する流れを示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係る個人情報管理方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の個人情報管理システムは、複数の分割片に分割可能な個人情報記入カードを用いて、当該個人情報記入カードに記入された個人情報を管理するシステムである。
【0018】
<個人情報記入カード>
初めに、本発明の実施形態に係る個人情報記入カードについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る個人情報記入カードを示す図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る個人情報記入カードについて、個人情報を記入後に個人情報記入カードを分割して得られた分割片を示す図である。
【0019】
個人情報記入カード1は、一方の面に複数の部分情報により構成される個人情報が記入される個人情報記入部9を有する。部分情報としては、例えば、個人の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先、所属、内線番号等の個人の所在地等に関わる情報、会社での査定、年収、健康診断結果や履歴、借入状況等の個人の状態や歴史に関わる情報、取引や経営状態、支払い状況等の個人のみならず法人や会社の情報等、主に個人のプライバシーに関する情報が挙げられる。図1に示す個人情報記入カード1において、部分情報は、氏名、住所、生年月日、電話番号、Eメールアドレス、及び勤務先を指し、個人情報は、これら6つの部分情報より構成される。
【0020】
個人情報記入カード1は、分割部2a〜2c(以下、分割部2、と記す)、複数の情報記入部11a〜11f(以下、情報記入部11、と記す)、及び複数の識別表示部12a〜12f(以下、識別表示部12、と記す)を備える。
【0021】
分割部2は、個人情報記入カード1の所定の位置に形成されたミシン目により構成されている。個人情報記入カード1は、当該分割部2に沿って分割されることにより、複数の分割片10a〜10f(以下、分割片10、と記す)に分割可能となる。
【0022】
分割片10それぞれには、情報記入部11と、識別表示部12と、が設けられる。情報記入部11には、個人情報を構成する複数の部分情報のうち所定の部分情報が記載される。図1に示す個人情報記入カード1において、情報記入部11aには「氏名」、情報記入部11bには「住所」、情報記入部11cには「生年月日」、情報記入部11dには「電話番号」、情報記入部11eには「メールアドレス」、情報記入部11fには「勤務先」、がそれぞれ記載される。
【0023】
識別表示部12のそれぞれは、第1識別情報及び第2識別情報を含む。第1識別情報は、個人情報記入カード1から分割された複数の分割片10それぞれを互いに関連付けるための情報である。同じ個人情報記入カード1から分割された分割片10が有する第1識別情報は、すべて同一の情報となる。分割片10の元となった個人情報記入カード1が異なれば、第1識別情報も異なる。
【0024】
第2識別情報は、識別表示部12が設けられている分割片10に記入される部分情報の種類を識別するための情報である。したがって、同じ部分情報が記載された分割片10が有する第2識別情報は、すべて同一となる。部分情報が異なれば、第2識別情報も異なる。
【0025】
識別表示部12には、バーコード化された第1識別情報及び第2識別情報が表示される。バーコードの種類は、特に限定されず、1次元バーコードに限らず、2次元バーコード(QRコード(登録商標))を用いることができる。
【0026】
<個人情報管理システム>
図3は、本発明の実施形態に係る個人情報管理システム100の全体構成を示す図である。個人情報管理システム100は、個人情報管理サーバ20と、読取部としてのスキャナ21とを備える。
【0027】
スキャナ21は、送付先に送られた分割片10の情報を読み取り、当該情報を、個人情報管理サーバ20に送る。
【0028】
個人情報管理サーバ20は、処理部22と、記憶部23と、表示部24とを備える。処理部22は、個人情報管理サーバ20に係る各機能を統括的に制御する。この処理部22は、本発明に係る各機能として、画像取得部25と、識別情報取得部26と、画像合成部27とを備える。処理部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0029】
画像取得部25は、スキャナ21で読み取られた複数の分割片10の情報を、画像情報として取得する。具体的には、画像取得部25は、分割片10における情報記入部11に記入された部分情報の画像情報、及び識別表示部12に表示された情報の画像情報を取得する。これら画像情報は、分割片10ごとに画像ファイル形式で取得される。画像ファイル形式としては、例えば、GIF、JPEG、BMP、TIFF、PNG、PNM、PS、PDF、PICT、PSD、XBM、XPM、XWD、EPS、EPSI、IRIS RGB等の形式が挙げられる。
【0030】
識別情報取得部26は、画像取得部25により取得された識別表示部12の画像情報に基づいて第1識別情報及び第2識別情報を取得する。具体的には、識別表示部12に、バーコード化された第1識別情報及び第2識別情報が表示されている場合、識別情報取得部26は、後述するバーコード読取プログラムに基づいて、識別表示部12の画像情報から、第1識別情報及び第2識別情報を取得する。識別情報取得部26で取得された第1識別情報及び第2識別情報は、情報記入部11の画像情報と関連付けられ、記憶部23に記憶される(図4参照)。
【0031】
画像合成部27は、記憶部23に記憶された情報記入部11の画像、並びに第1識別情報及び第2識別情報に基づいて個人情報記入部9の画像を合成する。具体的には、第1識別情報により、多数の分割片10の中から、同一の個人情報記入カード1より分割された複数の分割片10が選択される。また、第2識別情報により、これら選択された複数の分割片10が合成される際の位置が決定される。
【0032】
表示部24は、個人情報管理サーバ20の機能に関する各種情報を表示する。表示部24は、例えば、画像合成部27により合成された個人情報記入部9の画像を表示する。表示部24は、例えば、ディスプレイ等で構成される。なお、表示部24に表示された合成画像は、紙媒体に印刷することも可能である。
【0033】
記憶部23は、個人情報管理サーバ20として機能させるための各種プログラム(図示せず)、バーコード読取プログラムを含む本発明の各機能を実行するプログラム(図示せず)、及び関連付け情報データベース(以下、データベースをDBという)28を記憶する。関連付け情報DB28は、関連付け情報に係るデータとして関連付け情報管理テーブル29を備える。記憶部23は、例えば、メインメモリより構成され、補助記憶部として、さらに、ハード・ディスク、半導体メモリ、及び光ディスク・ドライブ等を備えていてもよい。
【0034】
図4は、本発明の実施形態に係る関連付け情報DB28に備えられている関連付け情報管理テーブル29を示す図である。関連付け情報管理テーブル29は、画像取得部25で取得された情報記入部11の画像情報と、情報記入部11が設けられた分割片10の識別表示部12の画像情報に基づいて識別情報取得部26で取得された第1識別情報及び第2識別情報とを関連付けたデータである。関連付け情報管理テーブル29は、画像合成部27により、個人情報記入部9の画像が合成される場合に参照される。
【0035】
関連付け情報管理テーブル29は、情報記入部11の画像情報として取得された画像ファイルのファイル名を示す「画像ファイル名」フィールドと、分割前の個人情報記入カード1ごとに付与されている第1識別情報(例えば、通し番号)を示す「第1識別情報コード」フィールドと、分割片10に記入されている部分情報の種類ごとに付与されている第2識別情報を示す「第2識別情報コード」フィールドとが含まれている。関連付け情報管理テーブル29に示す「第2識別情報コード」は、1=氏名、2=住所、3=生年月日、4=電話番号、5=メールアドレス、6=勤務先、を表している。
【0036】
関連付け情報管理テーブル29によれば、「第1識別情報コード」が「111」である画像ファイルは、同一の個人情報記入カード1から分割された分割片10の画像ファイルであることがわかる。さらに、「第2識別情報コード」から、選択された画像ファイルが有する部分情報を特定することができ、合成する際の位置を決定することができる。
【0037】
<個人情報管理方法>
次に、本発明の実施形態に係る個人情報管理方法について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る個人情報管理方法を示すフロー図である。ステップS11〜S13は、顧客側のステップであり、ステップS21〜S27は、送付先でのステップである。
【0038】
ステップS11では、顧客は、個人情報記入カード1の個人情報記入部9に、自己の個人情報を記入する。ステップS12では、顧客は、個人情報記入カード1を、分割部2に沿って、複数の分割片10に分割する。ステップS13では、顧客は、複数の分割片10を分割片10ごとに送付先へ送付する。送付先へ送付する方法として、例えば、郵送で送付する方法、送付先職員に直接手渡しする方法、FAXにより送信する方法等が挙げられる。
【0039】
ステップS21では、スキャナ21は、顧客より送付先に送られてきた分割片10の情報を読み取る。ステップS22では、画像取得部25は、スキャナ21により読み取られた情報から、分割片10における情報記入部11の画像情報を取得する。同様に、ステップS23でも、画像取得部25は、スキャナ21により読み取られた情報から、分割片10における識別表示部12の画像情報を取得する。
【0040】
ステップS24では、識別情報取得部26は、画像取得部25で取得された識別表示部12の画像情報に基づいて、第1識別情報を取得する。同様に、ステップS25でも、識別情報取得部26は、画像取得部25で取得された識別表示部12の画像情報に基づいて、第2識別情報を取得する。
【0041】
ステップS26では、記憶部23は、画像取得部25で取得された情報記入部11の画像情報と、その情報記入部11が設けられた分割片の識別表示部の画像情報に基づいて、識別情報取得部26で取得された第1識別情報、及び識別情報取得部26で取得された第2識別情報とを関連付けて、関連付け情報として記憶する。記憶部23に記憶される関連付け情報は、図4に示す、関連付け情報管理テーブル29のような形式で、記憶される。
【0042】
ステップS27では、画像合成部27は、記憶された情報記入部11の画像、並びに第1識別情報及び第2識別情報に基づいて、個人情報記入部9の画像を合成する。ステップS28では、表示部24は、画像合成部27で合成された個人情報記入部9の画像を表示する。
【0043】
図5を用いて、ステップS27からステップS28までの流れの詳細を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る個人情報記入部9の画像を合成する流れを示した図である。図5の(a)は、図4の関連付け情報管理テーブル29の第1識別情報コードに基づいて、多数の分割片10の中から、同一の個人情報記入カード1より分割された複数の分割片10が選択された状況を示している。その後、(b)に示すように、これら選択された複数の分割片10は、図4の関連付け情報管理テーブル29の第2識別情報コードに基づいて、合成される際の位置が決定される。そして、(c)に示すように、合成された画像は、表示部24に表示される。
【0044】
以上の個人情報記入カード1、個人情報記入カード1を用いた個人情報管理システム100、及び個人情報記入カード1を用いた個人情報管理方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0045】
本発明の個人情報記入カード1は、分割部2を設けて複数の分割片10に分割可能な構成にした。これにより、分割片10ごとに送付先に送ることができる。そのため、分割片が送付中に紛失した場合や、分割片が盗難にあった場合でも、個人情報の漏洩防止を図れる。
また、分割片10それぞれには、情報記入部11と、第1識別情報及び第2識別情報を含む識別表示部12を備える構成にした。これにより、第1識別情報に基づいて、多数の分割片10の中から、同一の個人情報記入カード1より分割された複数の分割片10を選択し、第2識別情報に基づいて、分割片10に記載された部分情報を特定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【0046】
さらに、識別表示部12に、バーコード化した第1識別情報及び第2識別情報を表示した。これにより、バーコードリーダを用いて、容易且つ時間をかけずに、数多くの分割片から、分割前の個人情報記入カードに記載された内容を確認できる。
【0047】
本発明の個人情報管理システム100は、画像取得部25、識別情報取得部26、画像合成部27を備える処理部22と、関連付け情報DB28を備える記憶部23と、を備える構成にした。これにより、第1識別情報に基づいて、多数の分割片10の中から、同一の個人情報記入カード1より分割された複数の分割片10を選択でき、第2識別情報に基づいて、合成する際に、これら選択された複数の分割片10の位置を決定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【0048】
本発明の個人情報管理方法は、画像取得ステップと、識別情報取得ステップと、記憶ステップと、画像合成ステップと、を備える構成にした。これにより、第1識別情報に基づいて、多数の分割片10の中から、同一の個人情報記入カード1より分割された複数の分割片10を選択し、第2識別情報に基づいて、合成する際に、これら選択された複数の分割片10の位置を決定できる。そのため、送付先に大量の分割片が届けられても、適切に個人情報の取得作業を行える。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく種々の形態で実施できる。例えば、図1において、個人情報記入カード1の分割部2は、3本の直線により構成している。しかし、分割部2の本数及び形状(直線若しくは曲線)は、部分情報の個数、及び情報記入部の位置によって左右されるため、分割部2の本数及び形状等は、限定されない。また、分割部2は、当該分割部の位置が容易に視認できるようにするため、印字されていてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 個人情報記入カード
2、2a、2b、2c 分割部
9 個人情報記入部
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f 分割片
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f 情報記入部
12、12a、12b、12c、12d、12e、12f 識別表示部
20 個人情報管理サーバ
21 スキャナ
22 処理部
23 記憶部
24 表示部
25 画像取得部
26 識別情報取得部
27 画像合成部
28 関連付け情報DB
29 関連付け情報管理テーブル
100 個人情報管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部分情報により構成される個人情報が記入される個人情報記入部を有する個人情報記入カードであって、
前記個人情報記入部は、該個人情報記入カードを複数の分割片に分割可能な分割部と、
前記複数の分割片それぞれに設けられ、それぞれに所定の前記部分情報が記入される複数の情報記入部と、
前記複数の分割片それぞれに設けられる複数の識別表示部と、を備え、
前記複数の識別表示部それぞれには、該複数の分割片それぞれを互いに関連付ける第1識別情報、及び前記複数の識別表示部それぞれが設けられている前記分割片に記入される前記部分情報の種類を識別する第2識別情報が含まれる個人情報記入カード。
【請求項2】
前記複数の識別表示部には、バーコード化された前記第1識別情報及び前記第2識別情報が含まれる請求項1に記載の個人情報記入カード。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の個人情報記入カードを用いた個人情報管理システムであって、
前記複数の分割片における前記情報記入部の画像情報及び前記識別表示部の画像情報を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された前記識別表示部の画像情報に基づいて前記第1識別情報及び前記第2識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記情報記入部の画像情報と、該情報記入部が設けられた分割片の識別表示部の画像情報に基づいて取得された前記第1識別情報及び前記第2識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記情報記入部の画像、並びに前記第1識別情報及び前記第2識別情報に基づいて前記個人情報記入部の画像を合成する画像合成部と、を備える個人情報管理システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の個人情報記入カードを用いた個人情報管理方法であって、
前記複数の分割片における前記情報記入部の画像情報及び前記識別表示部の画像情報を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにおいて取得された前記識別表示部の画像情報に基づいて前記第1識別情報及び前記第2識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記情報記入部の画像情報と、該情報記入部が設けられた分割片の識別表示部の画像情報に基づいて取得された前記第1識別情報及び前記第2識別情報とを関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された前記情報記入部の画像、並びに前記第1識別情報及び前記第2識別情報に基づいて前記個人情報記入部の画像を合成する画像合成ステップと、を備える個人情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−211260(P2010−211260A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53387(P2009−53387)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】