説明

個人用共有携帯電話の使用を可能にするための方法およびシステム

無線通信ネットワークの中で個人用共有携帯電話の使用を可能にするためのシステムおよび方法が開示され、これは本発明の例示としての応用を含んでいる。それは、新興市場における携帯電話ハンドセットを持つ余裕がない移動加入者に関する。例えば、プリペイド無線加入者は、携帯電話ハンドセットまたはSIMを必要とせずに、個人の電話番号によって、無線ネットワーク上に供給され得る。加入者は、彼のアカウントにアクセスして、借りたハンドセット上で、彼のアカウント番号が後に続く構造化されていない補足サービスデータ(USSD)ショートコードをキー入力することによって、システムを呼び出し、ネットワークを通じてシステムから送信される個人用メニューにアクセスすることができる。開示の主要な特徴は、加入の非常に安い費用と、アプリケーションのいかなる変更またはダウンロードも必要なしに、加入者が、いかなるGSM MAP2+ハンドセットからもシステムにアクセスすることができることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、無線通信およびサービスに関する。より詳細には、個人用(personalised)共有携帯電話の使用を可能にするための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の簡単で低コストでの利用は、巨大な経済的かつ社会的インパクトを有する。GSM協会の調査は、発展途上国における携帯電話の浸透度のたった10%の増加が、経済成長率を1.2%押し上げることを示した。工業関連の会社は、1台当たり30ドル以下の低コストモバイルハンドセットを開発するよう努めてきたが、コストは、まだ世界の6.3百万の人口の多くの範囲外である。最近のノキアでの研究によれば、インドおよびパキスタンでの回答者の50%以上およびベトナムでの回答者のほとんど30%が、彼らは、家族または友人と、彼らの携帯電話を共有するか、または共有するであろうと述べた。新興市場でのますます多くの家族が、家族単位で、または友人グループ間で、共同出資または共有された使用のための携帯電話を購入している。しかし、共有電話の使用における欠点は、個々の加入者が、電話または音声メッセージを受けることができる自分自身の個人の番号を有していないこと、彼は、紙で自分自身の連絡先データベースを持ち運ばなければならないこと、および全ての彼の通話記録は、彼が用いた共有電話上に残ることである。
【0003】
GSMモバイルネットワークにおけるUSSDの使用は、3GPP/ETSI GSM 02.90(USSDステージ1)およびGSM 03.90(USSDステージ2)仕様の中で定められている。USSDは、ほとんど全ての既存のハンドセットである、全ての既存のGSM MAP2+ハンドセット上で、ハンドセットまたはSIMカードのアップグレードの必要なしで、動作する。従って、USSDアプリケーションのためのプレインストールされたユーザベースのポテンシャルは巨大である。それは、蓄積転送(store and forward)であるSMSとは異なり、セッション指向サービスであり、ハンドセットとアプリケーション間での非常に速い通信を可能にする。ユーザは、USSDを用いるサービスにアクセスするために、いかなる特定のハンドセットメニューにもアクセスする必要はない。彼らは、特定の運営者(operator)によって予め定義されたサービスにアクセスするために、ハンドセットから定義済みのUSSDストリング、例えば*#101#を入力する。USSDコードは、家庭用携帯電話のネットワークHLRに返送され、次にMSCに返送され、最後にUSSDゲートウェイに返送される。ゲートウェイは、予め定義された方法でコードに応答する。
【0004】
情報サービスにアクセスするための、またはプリペイドアカウント上でローミングすることを可能にするための、または保証人からの残高(balance)の問い合わせ又はクレジットの再充填を行うことによって、プリペイドアカウントを管理するための、USSDの使用は、工業関連の文献に詳述されているノウハウである。例えば、ZabawskyjらによるMethod and system for international roaming and call bridgingと題された米国特許出願第11/225,636号、およびSoferらによるSystem and method for roaming for prepaid mobile telephone serviceと題された米国特許第6975852号がある。しかし、個人用共有携帯電話の使用を可能にするためのUSSDの使用は、革新的である。
以下の米国特許商標庁の特許文献は、このような従来の背景技術を反映している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】出願番号:12/033,012、Unstructured Supplementary Service Data Call Control Manager、Dorron Mottes、譲受人:Vascode Technologies Ltd.、出願日:2008年2月18日
【特許文献2】出願番号:11/531,865、Circuit Bearer Control、Simon Brueckheimerら、出願日:2006年9月14日
【特許文献3】出願番号:11/395,236、Method and system for international roaming and call bridging、Zabawskyjら、出願日:2006年4月3日
【特許文献4】出願番号:11/211,750、Shared phone, medium having recorded therein program for ...、Katsuaki Akama、出願日:2005年8月25日
【特許文献5】出願番号:11/205,976、Method and device for providing mobile services with virtual、Tae-Hyo Ahn, Hoon-Bae Kim, Ki-Chul Park、譲受人:KTFREETEL Co., Ltd.、出願日:2005年8月17日
【特許文献6】出願番号:10/918,644、Multiple IMSI multiple/single MSISDN (MIMM/MISM) on multiple SIMs、Yue Jun Jiang、出願日:2004年8月13日
【特許文献7】出願番号:10/438,097、Method and system allowing for one mobile phone number (MSISDN) to be ...、Bohdan Konstantyn Zabawskyjら、出願日:2003年5月15日
【特許文献8】特許7330725、Method and system for international roaming and call bridging、Bohdan K. Zabawskyjら、譲受人:Redknee Inc.、発行日:2008年2月12日
【特許文献9】7295659、Method and system for prepaid communications credit、John Ruckartら、譲受人:AT&T BLS Intellectual Property, Inc.、発行日:2007年11月13日
【特許文献10】7181210、Method and system for international roaming and call bridging、Bohdan Konstanjyn Zabawskyjら、譲受人:Redknee Inc.、発行日:2007年2月20日
【特許文献11】7164927、Telecommunication method and suitable system for establishing a ...、Michael Kochら、譲受人:Swisscom Mobile AG、発行日:2007年1月16日
【特許文献12】6975852、System and method for roaming for prepaid mobile telephone service、Soferら、譲受人:StarHome GmbH、発行日:2005年12月13日
【特許文献13】6961412、Method and system for prepaid communications credit、John Ruckart, Rimas Rauba, Jerome Wendell Myers、譲受人:BellSouth Intellectual Property Corporation、発行日:2005年11月1日
【特許文献14】6876860、Method for implementing a call-back service in a mobile radio network、Andreas Berg, Klaus Moneke, Bart Van Ballaer、譲受人:Siemens Aktiengesellschaft、発行日:2005年4月5日
【特許文献15】6792261、Mobile collect call system and method、Lipa Ogmanら、発行日:2004年9月14日
【特許文献16】6757266、Communication system method for setting up connections between terminals of ...、Frank Hundscheidt、譲受人:Telfonaktiebolaget LM Ericsson (publ)、発行日:2004年6月29日
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されている個人用共有携帯電話の使用のための方法およびシステムは、革新的なネットワークアプリケーションであり、携帯電話ハンドセットを持つ余裕がない加入者(subscriber)が、携帯ハンドセットを共有することを可能にし、かつ、彼らが、自分自身のプリペイドアカウントを用いて電話をかけることを可能にし、彼らが、自分自身のハンドセットまたはSIMカードを必要とすることなく、連絡先の個人用アドレス帳およびボイスメールメッセージにアクセスすることを可能にする。
【0007】
加入者は、ハンドセットの所有者に申し入れて、ハンドセットを借りるか又は共有するために交渉する。合意の際には、ハンドセットの所有者は、最初に共有モードを起動させるためのUSSDストリングをキー入力して、ネットワーク上での彼のアカウントを一時的に使用不可にする。通常、USSDストリングは、ネットワーク運営者によって推進され、ネットワーク全体の共有(common)になる。USSDストリングがシステムサーバによって受信されると、サーバは、MSCと対話(interact)して、ハンドセット所有者のアカウントに対するサービスの課金を禁止する。これは、ネットワーク運営者が、彼のネットワークの中で、リアルタイム課金およびサービス供給システムを持つことを必要とする。ハンドセットは、事実上、休止モードになり、ユーザが、共有電話サービスを利用するために、USSDストリングを入力するのを待つ。次に、ハンドセットの所有者は、加入者に電話を渡す。
【0008】
加入者は、共有電話アプリケーションに対するアクセスUSSDストリングを入力し、その後に彼の個人の電話番号を続ける。USSDゲートウェイは、この要請(request)を受信して、それをシステムサーバに渡す。システムサーバは、ユーザを認証して、MSCおよびプリペイド課金システムにユーザのアカウントの状態を問い合わせる。認証されると、加入者は、ハンドセット上で個人用USSDメニューを見ることができる。USSDメニューの内容は、システムサーバによって生成され、ネットワークUSSDブラウザおよびUSSDゲートウェイインフラストラクチャを用いて送信される。メニューは、それが標準国際文字セットを用いている限り、いかなる国際言語でも送信され得る。
【0009】
加入者が利用可能ないくつかの選択肢は、アカウントの状態およびプリペイドアカウントの残高に関する情報を含んでいる。すなわち、プリペイド補充カードの保証人コードを用いてアカウントに補充することができ、連絡先の個人用アドレス帳を利用(access)することができ、個人のボイスメールメッセージおよびアカウント設定、例えば言語の選択を利用することができる。後者は、非常に重要である。なぜなら、ほとんどの標準的なハンドセットは、2、3の主要な言語をサポートするのみであり、通常、ハンドセットをローカライズするために、言語パックの追加のダウンロードを必要とするからである。本発明において、ユーザは、借りた又は共有のハンドセット上での設定がどうであれ、常に彼のローカル言語を利用する。
【0010】
加入者は、彼が電話に直接入力する番号に、または彼の連絡先に電話をかけることができる。番号はMSCに渡され、通話は標準ネットワーク通話としてセットアップされ、前記加入者の仮想的な(virtual)プリペイドアカウントがリアルタイムで減らされることが求められる。ハンドセットの本来の所有者は、通話のために課金されない。本発明の他の利点は、加入者が、もし彼が望むのであれば、通話の間、借りた又は共有のハンドセットのCLIを示す代わりに、彼のCLIを示すことができることである。従って、電話を受けている加入者にとっては、加入者が自分自身の個人の電話番号およびアカウントを持っているように見える。
【0011】
加入者はCLIを持っているので、彼も、人々に無料又は低コストのメッセージを送信するために既にネットワーク上にある未通話通知(Missed Call Alert; MCA)のようなサービスを用いることができる。例えば、番号に電話をかけ、少数回、呼び出し音を鳴らして、電話を切ることは、ネットワークの供給(issue)を電話番号に対する無料または低コストのMCAメッセージにするために、発展途上の市場における加入者にとって、全く一般的である。この簡単なMCA通知は、例えば「私は無事家に着いた」こと、または「全て順調である」ことを示すために、簡単な前もって手はずを整えられたメッセージであってもよい。CLIなしでは、このような技術は、使用不可能である。
【0012】
加入者が彼の通話を終えると、彼は、USSDメニュー上の適切な選択肢を選択することによって、システムを出る。本発明に対してUSSDを用いる他の利点は、セッションの履歴データまたは記録がハンドセットに保存されないということである。一旦USSDセッションが閉じられると、電話は、パスワードのプライバシーを確保しているセッション、および電話の使用の記憶を保存しない。
【0013】
本発明において示されている代替方法は、必要なリアルタイム課金をネットワーク内に設置していなかったネットワーク運営者に適していて、ハンドセットの所有者のアカウントを使用不可にすることができるシステムを提供する。代替方法は、加入者がUSSDメニューの中に電話番号を入力するUSSD折り返し電話サービスを利用することである。従って、番号は、USSDゲートウェイを介してシステムサーバに渡され、サーバは、2つの通話をセットアップする。1つは本来のハンドセットに対するもので、1つは加入者によって入力される電話番号に対するものである。そして、システムは、電話会議のように、これらの2つの通話を橋渡しする。2つの通話のどちらも、ハンドセットの所有者のアカウントには課金されない。両方の通話は、加入者のプリペイドアカウントに課金される。
【0014】
本開示における主要な特徴は、加入者および携帯電話会社に対する加入の非常に安い費用、加入者が、ハンドセットに対するアプリケーションのいかなる変更またはダウンロードも必要なしで、いかなるGSM MAP2+ハンドセットからもシステムにアクセスすることができること、複数の言語をサポートすることができること、加入者が、共有電話の個人用の環境を利用することができること、加入者が、個人用ボイスメールサービスを利用する選択肢、ユーザが、彼の番号に対する電話を受けることができること、システムが、ローミング時にも機能すること、発信者が、借りた又は共有のハンドセットのCLIではなく、自分自身のCLIを示すことができる選択肢、個人のCLIを持つことによって、加入者は、他の人に無料または低コストの情報通知を送信する未通話通知(MCA)のようなサービスを利用することができるということ、および一旦システムに対するアクセスセッションが閉じられたら、履歴又はいかなるデータも、ハンドセット上に残らないということである。
【0015】
開示されている方法およびシステムは、概して、その目的を達成するために、一連の汎用ネットワーク機器、データベース、および課金システムのようなシステムを用いるが、本発明の真の弁別性は、ユーザが経験するリモート環境のセットアップおよび管理にあり、それは、システムサーバによって確立される。それは、主に本発明の機能的で動作する態様の多くを組み込んでいるサーバである。
【0016】
USSDを除く、様々な他のメカニズムは、システムにアクセスするために、加入者によって利用され得る。これらのメッセージングメカニズムは、決して以下のものに限定されるわけではないが、ショートメッセージサービス(SMS)、WAPを用いるインターネットブラウザ、HTTPを用いるインターネットブラウザ、または二重トーン多重周波数(DTMF)双方向音声応答ベースの技術を用いる音声ベースの通話を含み得る。代替案として、システムは、ハンドセットのSIMカード上に常駐しているSIM-ツールキットアプリケーションから起動され得る。
【0017】
システムメッセージは、既存の電話通信プロトコルによって、直接、送られ得る。または、メッセージングゲートウェイを介して、間接的に送られ得る。メッセージングメカニズムによって提供される情報は、通常、発信側の加入者の身分証明および起動されるサービスを含んでいる。
【0018】
前述の本発明の概要は、請求された本発明に関する限定のためではなく、例示のための、以下の好ましい実施形態の詳細な説明と同様に、添付の図面を参照しながら読まれると、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による、通話を処理するための無線通信ネットワークおよびシステムサーバの例示的なアーキテクチャである。
【図2】本発明の一実施形態による、共用アクセス機能の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において、ユーザA 1は、モバイル機器2を所有していて、このモバイル機器の中には、ネットワーク運営者によって供給された個人SIM(加入者識別モジュール)カードがある。このSIMカードは、IMSI(International Mobile Subscriber Identity;国際移動加入者識別番号)及びそれらの携帯電話番号MSISDN(Mobile subscribers integrated services digital network;移動加入者総合デジタル通信網)を用いて、一意に加入者を識別し、モバイル機器2が、ネットワーク上で登録かつ認証されることを可能にする。モバイル機器2自体は、IMEI(International Mobile Equipment Identity;国際移動体装置識別番号)によって識別され、これは、請求に応じてネットワークから得ることができる。電話による通話、および機器によって用いられる他のサービスは、SIMカードのアカウント保有者に課金される。
【0021】
ホームロケーションレジスタ(HLR)5は、加入者に関するデータを格納しているデータベースであり、各SIM用の認証キー(Ki)を含んでいる。移動通信交換局(MSC)6は、ネットワークの電話通信交換機能を実行するネットワーク素子である。MSCは、ネットワークインターフェイシングおよび共通チャネルシグナリングを担っている。ビジターロケーションレジスタ(VLR)7は、ローミングしている加入者に関する一時的な情報を格納するデータベースである。基地局制御装置(BSC)4は、MSCと無線インターフェイス間の全ての制御機能および物理的リンクを提供するネットワーク素子である。BSCは、ハンドオーバー、セルコンフィギュレーションデータ、および無線周波数電力レベルの制御のような機能を提供する。
【0022】
図2において、加入者ユーザBは、ユーザAから借りた又は共有のハンドセット2上で、彼のアカウントにアクセスして、彼のアカウント番号が後に続く構造化されていない補足サービスデータ(Unstructured Supplementary Service Data; USSD)ショートコードをキー入力することによって、システムを呼び出すことができる。借りた又は共有のハンドセットの所有者は、まず、USSDストリングをキー入力して、共有モードを起動させ、ネットワーク上での彼のアカウントを一時的に使用不可にする。次に、彼は、加入者にハンドセットを渡して、彼らが、サービスのためのアクセスコードおよび彼らの個人電話番号を含むUSSDストリングを入力することができるようにする。
【0023】
一旦システムサーバ10によって認証されると、加入者は、ハンドセット上で、システムサーバ10から電気通信ネットワークを通じてハンドセットに送信される個人用USSDメニューを見ることができ、それは、彼が、連絡先の個人用アドレス帳、彼のボイスメールメッセージおよび彼個人のプリペイドアカウントの残高の管理にアクセスすることを可能にする。加入者は、直接番号を入力することによって、または彼の連絡先に、電話をかけることができ、前記加入者のプリペイドアカウントは、リアルタイムで減らされる。加入者が彼の通話を終えると、彼は、USSDメニュー上の適切な選択肢を選択することによって、システムを出る。
【0024】
以上、何が本発明の好ましい実施形態であると考えられるかを説明したが、様々な修正がその中でなされ得ること、および本発明が様々な形および代替の実施形態で実施され得ること、そして実際にそれが多数の応用例に適用され得ること、そのうちのいくつかのみが記載されていることは理解される。請求項は、本発明の正当な範囲内に含まれる全てのこのような修正および変更をカバーすることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の好ましい実施形態において、携帯電話会社は、ハンドセットまたはSIMカードを購入する余裕がない加入者に、以前に可能であったものより低いコストでサービスを提供することを可能にするシステムを実現することができる。システムは、運営者がハンドセットまたはSIMカードの販売に補助金を支給することを必要とせずに、低所得の人々が、個人の電話番号を持って、例えば未通話通知およびボイスメールボックスのような、これがなければ利用できなかったサービスを利用することができるようにする。携帯電話会社は、経済的に利益を得る。なぜなら、携帯電話番号を持たせれば、これらのユーザは、より多くの発信を行い、彼らが費やす無線通話時間(airtime)の量を増加させ、ますますモバイル送金を用いることができるであろうからである。このシステムの実施は、3つの主な社会的利点も有している。1)低所得の人々が、より簡単に情報交換することができる。彼らに電話番号を与えることによって、移動のコストおよびメッセンジャーに費やされる金を減らす。2)彼らと連絡を取ろうとする、またはモバイルバンキングを用いて送金しようとする友人および家族によって費やされるコストを減らす。3)ヴィレッジペイフォンオペレーターズ(Village Payphone Operators)のための仕事および新しい収入の流れを創出する。
【0026】
代替実施形態において、このシステムは、例えば、既にハンドセットおよび携帯電話番号を持っているが、彼らのアカウントおよび彼らの電話番号の使用への仮想的なアクセスを必要とする人々にサービスを提供する携帯電話会社によって、または、ユーザが、複数の電話番号を持っていて、1つの特定のハンドセットからそれらを使うことを望む場合に、用いられ得る。
【符号の説明】
【0027】
1 ユーザA
2 モバイル機器(ハンドセット)
3 ユーザB
4 基地局制御装置(BSC)
5 ホームロケーションレジスタ(HLR)
6 移動通信交換局(MSC)
7 ビジターロケーションレジスタ(VLR)
10 システムサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化されていない補足サービスデータ(USSD)メッセージを用いて、個人用共有携帯電話の使用を可能にする方法において、
ハンドセットの所有者が、USSDメッセージストリングを入力することによって、サービスを使用可能にするステップと、
HLRが、USSDゲートウェイに要請を送り、次に、USSDゲートウェイが、システムサーバに要請を送るステップと、
システムサーバが、MSCと対話して、そのハンドセットからの通常の電話サービスの利用、および彼のアカウントに対するそれらのサービスの課金を一時的に使用不可にするステップと、
所有者が、ハンドセットを加入者と共有するステップと、
加入者が、彼の個人の電話番号を含むハンドセットからのUSSDメッセージストリングを用いて、彼のアカウントに対するアクセスを要請するステップと、
システムが、ハンドセットにアクセスパスワードの要求を送信するステップと、
加入者が、パスワードを入力するステップと、
システムが、ユーザを認証して、ハンドセットにUSSD個人用メニューを送信するステップと、
システムが、MSCと対話して、共有電話およびSIMが使用可能にされて、電話サービスが可能になり、かつ全ての料金が、セッションの間、加入者自身のプリペイド又はポストペイドアカウントから引き落とされることを保証するステップと、
システムが、加入者がUSSDのメニューを用いてダイヤル番号を入力することを許可することによって、加入者が共有ハンドセットから移動電話通信をすることを可能にするステップと、
加入者が通話を要請した場合に、システムが、MSCと対話することによって、ダイヤル番号を接続するステップと、
システムが、セッションが加入者によって閉じられるまで、またはプリペイドアカウントクレジットが切れるまで、ネットワーク通話料金に応じてリアルタイムでプリペイドアカウントの残高を減らすステップと
を有していることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記システムは、最初のプリペイドまたはポストペイドアカウントから引き落とされないことを保証するために、MSCと対話する必要はなく、
加入者が、USSDメニューの中に電話番号を入力するステップと、
要請が、システムに送信されるステップと、
システムが、要請された電話をかけ、かつ加入者に折り返し電話をかけ、2つの通話の橋渡しをするステップと、
システムが、ネットワーク通話料金に応じてリアルタイムでプリペイドアカウントの残高を減らすステップと
を有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加入者は、システムを用いて携帯電話の連絡先の個人用アドレス帳にアクセスして、彼のアドレス帳の中の連絡先に電話をかけ、ネットワーク通話料金に応じて彼のプリペイドアカウントの残高を減らすことができることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
加入者は、電話をかけて、彼のボイスメールメッセージにアクセスし、ネットワーク通話料金に応じて彼のプリペイドアカウントの残高を減らすことができることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークは、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)に基づいていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記要請は、ショートメッセージサービス(SMS)を介して受信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記要請は、二重トーン多重周波数(DTMF)を介して受信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記要請は、WAPを用いるインターネットブラウザを介して受信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記要請は、HTTPを用いるインターネットブラウザを介して受信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記要請は、SIM-ツールキットアプリケーションからなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの交換局との通信のためのネットワークインターフェイスと、
請求項1又は2によるハンドセットからUSSDを用いてなされる通話を可能にするコントローラと
を備えていることを特徴とする共有携帯電話サーバ。
【請求項12】
このサーバは、連絡先の個人用アドレス帳を記憶していることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項13】
このサーバは、個人のボイスメールサービスにアクセスすることができることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項14】
前記ネットワークは、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)および/またはSIGTRANに基づいていることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項15】
前記要請は、ショートメッセージサービス(SMS)を介して受信されることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項16】
前記要請は、二重トーン多重周波数(DTMF)を介して受信されることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項17】
前記要請は、WAPを用いるインターネットブラウザを介して受信されることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項18】
前記要請は、HTTPを用いるインターネットブラウザを介して受信されることを特徴とする請求項11に記載のサーバ。
【請求項19】
前記要請は、SIM-ツールキットアプリケーションからなされることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項20】
共有携帯電話通話サーバのための複数のプログラミング命令を記憶するコンピュータ読み込み可能な媒体において、前記プログラミング命令は、少なくとも1つの交換局との通信のために動作可能な前記サーバ内でネットワークインターフェイスを提供することを特徴とするコンピュータ読み込み可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−517387(P2011−517387A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549195(P2010−549195)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050211
【国際公開番号】WO2009/109775
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510238801)モヴァーチュ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】