説明

個人関連情報有無表示システム、個人関連情報有無判定装置、個人関連情報有無判定方法およびプログラム

【課題】個人に関する情報が可搬記憶媒体に含まれるか否かをユーザが確認する負担なしに、当該可搬記憶媒体を取り扱う際の注意を喚起できるようにする。
【解決手段】個人関連情報記憶部212が、個人関連情報を予め記憶しておき、個人関連情報照合部240が、可搬記憶媒体100のデータ111の記憶するデータに、個人関連情報記憶部212の記憶する個人関連情報が含まれるか否かを判定する。可搬記憶媒体100の表示部130は、個人関連情報照合部240の判定結果に基づいて、個人関連情報の有無を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人関連情報有無表示システム、個人関連情報有無判定装置、個人関連情報有無判定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人の住所や氏名など、個人に関連する情報の保護への関心が社会的に高まっており、かかる個人に関連する情報の取り扱いには慎重を要する。特に、個人に関連する情報を保存あるいは運搬する際、可搬記憶媒体に当該情報を書き込んで保存・運搬することが考えられるが、これらの可搬記憶媒体、とりわけUSB(Universal Serial Bus)メモリやメモリカード等の小型の可搬記憶媒体は盗難や紛失のおそれが高く、取り扱いに細心の注意を要する。
しかしながら、個人に関連する情報が可搬記憶媒体に書き込まれても、外観からは個人に関連する情報の有無を確認できない。確認のためには、例えば、当該可搬記憶媒体をコンピュータに接続して記憶データを読み出す必要があり、確認を行う者にとって負担となる。特に、当該可搬記憶媒体の記憶するデータ量が多い場合は、全てのデータを読み出して確認することは多大な負担となる。また、数人の個人の氏名または住所が可搬記憶媒体に含まれるか否かのみを確認すればよい場合など、個人に関連する情報として特定少数の情報の有無を確認すればよい場合であれば、ブラウザ等の検索機能を用いて手作業で確認し得るが、個人に関する情報が多数である程、全ての個人に関する情報について可搬記憶媒体に含まれているか否かを手作業で確認することは困難となる。
個人に関連する情報を含み取り扱いに注意を要する可搬記憶媒体が、個人に関する情報を含まない可搬記憶媒体と区別がつかない状態で保管または運搬されることにより、取扱者が当該可搬記憶媒体に充分な注意を払わず、盗難や紛失、あるいは誤廃棄されることが考えられる。
【0003】
これに対して、特許文献1では、タイマを内蔵し、予め設定された時刻になると内部のデータを消去するUSBメモリが開示されている。個人に関する情報に関しても、漏洩防止のためにかかるUSBメモリを使用してタイマをセットし、このUSBメモリに、データ消去までの残り時間を表示(タイマ表示)させることが考えられる。例えば、個人に関する情報がUSBメモリに含まれる場合のみタイマをセットし、個人に関する情報が含まれない場合はタイマをセットせずにタイマ表示されないよう運営する。これにより、取扱者は、タイマ表示有りの場合には当該USBに重要情報が含まれていることを認識でき、当該取扱者が注意を払って保管または運搬することで、盗難や紛失、あるいは誤廃棄のおそれの低減が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−109148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のUSBメモリに対するタイマ設定は、当該USBメモリのユーザが行う必要がある。したがって、上述した運営を行う場合に、USBメモリのタイマ表示の有無により、個人に関する情報が含まれるか否かを表示させるためには、当該USBメモリに個人に関する情報が含まれるか否かをユーザが把握している必要がある。上述したように、USBメモリに個人に関する情報が含まれているか否かを確認することは、ユーザにとって負担となる。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、個人に関する情報が可搬記憶媒体に記憶されているか否かをユーザが確認する負担なしに、当該可搬記憶媒体を取り扱う際の注意を喚起できる個人関連情報有無表示システム、個人関連情報有無判定装置、個人関連情報有無判定方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による個人関連情報有無表示システムは、データを記憶するデータ記憶部と、個人に関連する情報を記憶する個人関連情報記憶部と、前記データ記憶部の記憶する前記データに、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合部と、前記個人関連情報照合部の判定結果を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様による個人関連情報有無判定装置は、個人に関連する情報を記憶する個人関連情報記憶部と、データの通信を行う通信部と、前記通信部が受信するデータに、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様による個人関連情報有無判定方法は、個人に関連する情報を記憶する個人関連情報記憶部を具備する個人関連情報有無判定装置の個人関連情報有無判定方法であって、通信部が、データを受信する受信ステップと、個人関連情報照合部が、前記受信ステップにて受信した前記データに、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合ステップと、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様によるプログラムは、個人に関連する情報を記憶するコンピュータに、データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにて受信した前記データに、前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、個人に関する情報が可搬記憶媒体に記憶されているか否かをユーザが確認する負担なしに、当該可搬記憶媒体を取り扱う際の注意を喚起できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態における個人関連情報表示システムの概略構成を示す構成図である。
【図2】同実施形態における、可搬記憶媒体100の外形図である。
【図3】同実施形態において、個人関連情報記憶部212が記憶する個人関連情報の例を示す図である。
【図4】同実施形態における、個人関連情報表示システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【図5】同実施形態における、可搬記憶媒体100の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態における、個人関連情報有無判定装置200の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態における、図2に示した以外の可搬記憶媒体の外形の例を示す外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における個人関連情報表示システムの概略構成を示す構成図である。同図において、個人関連情報表示システム1は、可搬記憶媒体100と、個人関連情報有無判定装置200とを具備する。可搬記憶媒体100は、記憶部110と、通信部120と、表示部130と、表示用電源部140とを具備する。記憶部110は、データ記憶部111と、識別情報記憶部112と、表示情報記憶部113とを具備する。個人関連情報有無判定装置200は、記憶部210と、通信部220と、対象媒体判定部230と、個人関連情報照合部240と、電源供給部250とを具備する。記憶部210は、識別情報記憶部211と、個人関連情報記憶部212とを具備する。
【0014】
個人関連情報表示システム1は、個人の住所や氏名など個人に関連する情報(以下では、「個人関連情報」という)が可搬記憶媒体100に含まれているか否かを判定し、さらには、可搬記憶媒体100に含まれている個人関連情報の件数を計数して、判定結果および計数結果を可搬記憶媒体100の表示部130に表示する。以下では、個人関連情報が可搬記憶媒体100に含まれているか否かの判定と、可搬記憶媒体100に含まれている個人関連情報の件数の計数とを併せて、「個人関連情報有無・件数判定」という。
可搬記憶媒体100は、USBメモリまたはメモリカードまたは磁気ディスクなど、可搬な記憶媒体であり、個人関連情報有無・件数判定結果を表示する。
データ記憶部111は、コンピュータ等から書き込まれるデータを記憶する。データ記憶部111が記憶するデータが、個人関連情報有無の判定対象となる。識別情報記憶部112は、可搬記憶媒体100の識別情報を予め記憶している。可搬記憶媒体100の識別情報としては、例えば、可搬記憶媒体100の製造番号が用いられる。表示情報記憶部113は、表示部130の表示する、個人関連情報の有無や件数を示す表示情報を記憶する。
【0015】
通信部120は、個人関連情報有無判定装置200の通信部220との間で、データの通信を行う。
表示部130は、個人関連情報有無・件数判定結果に基づいて、個人関連情報の有無や件数を表示する。
表示用電源部140は二次電池(充電式電池)を含み、表示部130に電力を供給する。なお、表示用電源部140は、記憶部110など表示部130以外の各部に電力を供給する電源部と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0016】
個人関連情報有無判定装置200は、可搬記憶媒体100が個人関連情報を記憶するか否かを判定し、判定結果を可搬記憶媒体100に出力する。
識別情報記憶部211は、可搬記憶媒体100の識別情報を予め記憶している。識別情報記憶部211の記憶する識別情報は、個人関連情報有無判定装置200に可搬記憶媒体が接続された際に、当該可搬記憶媒体が個人関連情報有無・件数判定の対象か否かを判定するために用いられる。したがって、識別情報記憶部211は、個人関連情報の有無の判定対象である可搬記憶媒体各々の識別情報を記憶している。個人関連情報記憶部212は、個人の氏名や住所などの個人関連情報を記憶する。
通信部220は、可搬記憶媒体100の通信部120との間で、データの通信を行う。
対象媒体判定部230は、個人関連情報有無判定装置200に接続された可搬記憶媒体が、個人関連情報有無・件数判定の対象か否かを判定する。
個人関連情報照合部240は、個人関連情報有無・件数判定を行う。
電源供給部250は、表示用電源部140に充電用電力を供給する。
【0017】
次に、図2を参照して、可搬記憶媒体100による個人関連情報有無・件数判定結果の表示について説明する。
図2は、可搬記憶媒体100の外形図である。同図は、可搬記憶媒体100がUSBメモリである場合の外形の例を示している。同図の例に示すように、可搬記憶媒体100の表示部130は、個人関連情報の有無を示す表示領域aと、区切り記号の表示領域bと、個人関連情報の件数を示す表示領域cとを含んでいる。
表示部130は、個人関連情報有無・件数判定結果に基づき、個人関連情報有りの場合は、同図に示すように表示領域aに「y」を表示する。一方、個人関連情報無しの場合は、表示領域aに何も表示しない。また、表示部130は、表示領域cに、個人関連情報の件数を10進表示する。同図では、可搬記憶媒体100の記憶するデータに、1万件の個人関連情報が含まれている場合の表示例が示されている。
【0018】
次に、図3を参照して、個人関連情報のデータ構成について説明する。
図3は、個人関連情報記憶部212が記憶する個人関連情報の例を示す図である。個人関連情報は、氏名情報と、住所情報と、電話番号情報と、電子メールアドレス情報とにより構成されている。氏名情報は、同図(a)に示すように、個人の氏名を示す情報である。住所情報は、同図(b)に示すように、個人の住所を示す情報である。電話番号情報は、同図(c)に示すように、個人の電話番号を示す情報である。電子メールアドレス情報は、同図(d)に示すように、個人の電子メールアドレスを示す情報である。
個人関連情報は、例えば、可搬記憶媒体100のユーザが所持する携帯電話等のアドレス帳を個人関連情報有無判定装置200にダウンロードすることにより、個人関連情報記憶部212に予め登録されている。
なお、個人関連情報記憶部212が記憶する個人関連情報は、図3に示すものに限らない。例えば、クレジットカード番号を示す情報をさらに含んでいてもよい。また、個人関連情報記憶部212が、氏名情報と住所情報と電話番号情報と電子メールアドレス情報とを互いに対応付けて個人毎に記憶するようにしてもよい。
【0019】
次に図4〜図6を参照して、個人関連情報表示システム1の動作について説明する。
図4は、個人関連情報表示システム1の動作例を示すシーケンス図である。
個人関連情報有無判定装置200に可搬記憶媒体100が接続されると、個人関連情報有無判定装置200の電源供給部250は、可搬記憶媒体100の表示用電源部140への充電用電力の供給を開始し、表示用電源部140は、内部の二次電池の充電を開始する(シーケンスS1)。個人関連情報有無判定装置200への可搬記憶媒体100の接続は、例えば可搬記憶媒体100がUSBメモリの場合、可搬記憶媒体100のUSBコネクタ(凸側)を個人関連情報有無判定装置200のUSBコネクタ(凹側)に差し込むことにより行われ、電源供給部250は、USBコネクタを介して表示用電源部140に電力を供給する。
【0020】
通信部120は、個人関連情報有無判定装置200に接続されたことを検知すると、識別情報記憶部112から可搬記憶媒体100の識別情報を読み出して通信部220に送信する(シーケンスS2)。通信部220は、通信部120から送信される識別情報を受信して対象媒体判定部230に出力する。対象媒体判定部230は、通信部220から出力される識別情報が、識別情報記憶部211に記憶されているか否かを判定することにより、可搬記憶媒体100の認証を行う(以上、シーケンスS3)。通信部220から出力される識別情報が、識別情報記憶部211に記憶されていると判定した場合、対象媒体判定部230は、可搬記憶媒体100の認証に成功したことを示す信号を、通信部220に出力する。通信部220は、個人関連情報有無・件数判定の対象データの送信要求を、通信部120に送信する(以上、シーケンスS4)。
【0021】
通信部120は、通信部220から送信される送信要求を受信すると、データ記憶部111の記憶するデータを読み出して通信部220に送信する(シーケンスS5)。通信部220は、通信部120から送信されるデータを受信して個人関連情報照合部240に出力する。個人関連情報照合部240は、通信部220から出力されるデータに対して個人関連情報有無・件数判定を行う(以上、シーケンスS6)。個人関連情報照合部240は、判定結果を通信部220に出力し、通信部220は、出力された判定結果を通信部120に送信(転送)する(シーケンスS7)。
【0022】
通信部120は、個人関連情報有無・件数判定結果を受信して表示情報記憶部113に書き込む。次に、表示部130は、表示情報記憶部113が記憶する個人関連情報有無・件数判定結果に基づいて、個人関連情報の有無および件数を表示する(シーケンスS8)。
その後、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断されることにより、電源供給部250から表示用電源部140への充電用電力供給が終了する(シーケンスS9)。個人関連情報有無判定装置200からの可搬記憶媒体100の切断は、例えば可搬記憶媒体100がUSBメモリの場合、可搬記憶媒体100のUSBコネクタ(凸側)を個人関連情報有無判定装置200のUSBコネクタ(凹側)から引き抜くことにより行われる。
表示用電源部140は、二次電池に充電された電力を表示部130に供給し、表示部130は、個人関連情報の有無および件数を表示し続ける(シーケンスS10)。
【0023】
なお、個人関連情報有無判定装置200は、可搬記憶媒体100に個人関連情報が含まれるか否かを判定するための専用装置、すなわち、可搬記憶媒体100のデータ記憶部111へのデータの書込みは行わない装置であってもよいし、あるいは、可搬記憶媒体100との間でデータの読み書きを行うコンピュータであってもよい。特に、個人関連情報有無判定装置200が可搬記憶媒体100にデータを書き込む場合、個人関連情報照合部240は、個人関連情報有無判定装置200が可搬記憶媒体100に書き込むデータに対してシーケンスS6の個人関連情報有無・件数判定を行う。そして、個人関連情報照合部240は、データの書き込み終了後に、通信部220を介してシーケンスS7の判定結果送信を行う。
【0024】
図5は、可搬記憶媒体100の処理手順を示すフローチャートである。
通信部120は、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200に接続されたか否かの判定を行っており(ステップS101)、接続されていないと判定した場合(ステップS101:NO)は、ステップS101に戻って接続を待ち受ける。接続されたと判定した場合(ステップS101:YES)、当該接続により、個人関連情報有無判定装置200から表示用電源部140に充電用電力が供給され、表示用電源部140は、内部の二次電池の充電を開始する。また、表示用電源部140は、表示部130に電力を供給する(以上、ステップS102)。
【0025】
また、通信部120は、ステップS101で個人関連情報有無判定装置200に接続されたと判定すると、可搬記憶媒体100の識別情報を識別情報記憶部112から読み出して、個人関連情報有無判定装置200に送信する(ステップS103)。その後、通信部120は、個人関連情報有無判定装置200からのデータ送信要求を待ち受ける(ステップS104)。データ送信要求を受信したと判定した場合(ステップS104:YES)、通信部120は、データ記憶部111の記憶するデータを読み出して個人関連情報有無判定装置200に送信する(ステップS105)。
【0026】
その後、通信部120は、個人関連情報有無判定装置200からの判定結果の受信を待ち受け(ステップS106)、受信した判定結果を表示情報記憶部113に書き込む。判定結果が表示情報記憶部113に書き込まれると、表示部130は、当該判定結果に基づいて、個人関連情報の有無と件数とを表示する(以上、ステップS107)。その後、通信部120は、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断されたか否かを判定する(ステップS108)。切断されたと判定した場合(ステップS108:YES)、通信部120は、切断を示す信号を表示用電源部140に出力する。表示用電源部140は、切断を示す信号の出力を受けると、内部の二次電池への充電を終了し、充電された電力を表示部130に供給する。表示部130は、この電力を用いて個人関連情報の有無と件数との表示を継続する(以上、ステップS109)。その後、ステップS101に戻る。
【0027】
一方、ステップS104で、個人関連情報有無判定装置200からのデータ送信要求を所定の時間内に受信しなかったと判定した場合は、ステップS108へ進む。また、ステップS108にて、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断されていないと判定した場合(ステップS108:NO)は、ステップS108に戻り切断を待ち受ける。
なお、ステップS102〜S106の途中で、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断された場合は、通信部120が切断を検出して表示情報記憶部113にエラーを示す表示情報を書き込む。表示部130は、表示情報記憶部113に書き込まれた表示情報に基づいて、例えば「Error」等のエラー表示を行う。その後、ステップS109に進む。
【0028】
図6は個人関連情報有無判定装置200の処理手順を示すフローチャートである。通信部220は、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200に接続されたか否かの判定を行っており(ステップS201)、接続されていないと判定した場合(ステップS201:NO)は、ステップS201に戻って接続を待ち受ける。接続されたと判定した場合(ステップS201:YES)、当該接続により、電源供給部250は、表示用電源部140への充電用電力の供給を開始する(ステップS202)。
【0029】
また、ステップS201で、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200に接続されたと判定すると、通信部220は、可搬記憶媒体100の識別情報を待ち受ける(ステップS203)。識別情報を受信したと判定した場合(ステップS203:YES)、通信部220は、受信した識別情報を対象媒体判定部230に出力する。対象媒体判定部230は、識別情報記憶部211の記憶する識別情報を読み出し(ステップS204)、通信部220から出力された識別情報が、識別情報記憶部211から読み出した識別情報と一致するか否かを判定する。識別情報記憶部211に複数の識別情報が記憶されている場合は、対象媒体判定部230は、通信部220から出力された識別情報が、識別情報記憶部211から読み出した識別情報のいずれかと一致する場合に、一致すると判定する(以上、ステップS205)。一致すると判定した場合(ステップS205:YES)、対象媒体判定部230は、可搬記憶媒体100の認証に成功したことを示す信号を、通信部220に出力する。通信部220は、個人関連情報有無・件数判定の対象データの送信要求を、通信部120に送信する(以上、ステップS206)。
【0030】
その後、通信部220は、可搬記憶媒体からのデータの送信を待ち受ける。データを受信すると、通信部220は、受信したデータを個人関連情報照合部240に出力する(以上、ステップS207)。個人関連情報照合部240は、通信部220から出力されるデータに対して個人関連情報有無・件数判定を行う。例えば、個人関連情報照合部240は、通信部220から出力されるデータを、句読点毎に区切り、得られた文字列と、個人関連情報記憶部212が記憶する個人関連情報の各情報とのパターンマッチングを行うことにより、各文字列に含まれる個人関連情報の件数を計数し、文字列毎の計数結果を合計することにより、データ全体に含まれる個人関連情報の件数を計数する。その際、文字列の各々に対するパターンマッチングを並行処理することにより、処理時間の短縮できる。また、1つの文字列に対する個人関連情報毎のパターンマッチングも並列処理することにより、さらに処理時間の短縮できる。個人関連情報照合部240は、データ全体に含まれる個人関連情報の件数が0であれば個人関連情報無しと判定し、1以上であれば、個人関連情報ありと判定する(以上、ステップS208)。
【0031】
個人関連情報照合部240は、個人関連情報有無・件数判定結果として、個人関連情報の有無と、計数した件数とを、通信部220を介して可搬記憶媒体100に送信する(ステップS209)。
その後、通信部220は、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断されたか否かを判定する(ステップS210)。切断されたと判定した場合(ステップS210:YES)、当該切断により、電源供給部250は、表示用電源部140への充電用電力の供給を終了する。その後、ステップS201に戻る。
【0032】
一方、ステップS203で、所定の時間内に識別情報を受信しなかったと判定した場合(ステップS203:NO)は、ステップS210に進む。また、ステップS205で、可搬記憶媒体100から送信された識別情報が識別情報記憶部211に記憶されている識別情報と一致しないと判定した場合(ステップS205:NO)も、ステップS210に進む。また、ステップS210で、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断されていないと判定した場合(ステップS210:NO)は、ステップS210に戻り、切断を待ち受ける。
なお、ステップS202〜S209の途中で、可搬記憶媒体100が個人関連情報有無判定装置200から切断された場合は、可搬記憶媒体100に対する処理を終了してステップS211に進む。
【0033】
以上のように、個人関連情報表示システム1では、個人関連情報照合部240が、可搬記憶媒体100の記憶するデータに、個人関連情報記憶部212の記憶する個人関連情報が含まれるか否かを判定し、可搬記憶媒体100の表示部130が、判定結果を表示する。これにより、個人に関する情報が可搬記憶媒体100に含まれるか否かをユーザが確認する負担なしに、個人に関する情報が可搬記憶媒体100に含まれるか否かを表示でき、可搬記憶媒体100の取扱者に対して当該可搬記憶媒体100を取り扱う際の注意を喚起できる。
【0034】
また、個人関連情報照合部240が、個人関連情報記憶部212の記憶する個人関連情報の件数を計数し、可搬記憶媒体100の表示部130が、計数結果を表示する。表示部130の表示する件数が多い場合は、可搬記憶媒体100の取扱者に対して、より強く注意喚起できることが期待できる。
【0035】
また、対象媒体判定部230が、可搬記憶媒体から送信される識別情報と、識別情報記憶部211の記憶する識別情報とが一致するか否かに基づいて、当該可搬記憶媒体が個人関連情報の有無を表示する対象の可搬記憶媒体か否かを判定し、個人関連情報照合部240は、対象と判定された可搬記憶媒体に対して、個人関連情報有無・件数判定を行う。これにより、個人関連情報の有無を表示しない可搬記憶媒体に対して個人関連情報有無・件数判定を行う無駄を防止し、個人関連情報照合部240の負荷を軽減できる。また、例えば、個人関連情報有無判定装置200を使用する権限を有しない者が、手持ちの可搬記憶媒体に適当な文字列を書き込んで個人関連情報に該当するか否かの確認を繰り返すことにより、個人関連情報記憶部212に記憶されている個人関連情報を盗み出すおそれを軽減できる。
【0036】
なお、個人関連情報記憶部212が、可搬記憶媒体の識別情報と対応付けて、可搬記憶媒体毎に個人関連情報を記憶し、個人関連情報照合部240が、可搬記憶媒体から送信される識別番号に対応付けられた個人関連情報を個人関連情報記憶部212から読み出して、個人関連情報有無・件数判定を行うようにしてもよい。
例えば、10桁の数字が電話番号か否かなど、個人関連情報とそうでない情報との区別は必ずしも明確でない。このため、個人関連情報記憶部212が記憶する個人関連情報の件数が膨大になると、個人関連情報として記載されているのではない情報を個人関連情報であると誤判定するおそれが生じる。また、個人関連情報記憶部212が記憶する個人関連情報の件数が膨大になると、個人関連情報照合部240が個人関連情報有無・件数判定を行う負荷が増大し、判定に要する処理時間も長くなる。
そこで、個人関連情報記憶部212が、可搬記憶媒体毎、すなわち可搬記憶媒体のユーザ毎に、当該ユーザの使用する可能性の高い個人関連情報を記憶し、個人関連情報照合部240が、判定対象の可搬記憶媒体に応じた個人関連情報を用いて個人関連情報有無・件数判定を行うことにより、判定に用いる個人関連情報の件数を減らしつつ、適切に判定を行えることが期待できる。
【0037】
また、個人関連情報記憶部212が、可搬記憶媒体の識別情報と対応付けられた可搬記憶媒体毎に個人関連情報に加えて、各可搬記憶媒体に共通の個人関連情報を記憶するようにしてもよい。例えば、ある企業の社員が個人関連情報有無判定装置200を共用する場合に、個人関連情報記憶部212が、社員毎に異なる顧客の個人関連情報と、各社員の可搬記憶媒体に共通して使用する、当該企業の社員に関する個人関連情報とを、記憶しておくことが考えられる。
このように、個人関連情報記憶部212が、各可搬記憶媒体に共通の個人関連情報を纏めて記憶しておくことで、個人関連情報の入力漏れのおそれを低減できる。また、可搬記憶媒体毎の個人関連情報を入力する際に、各可搬記憶媒体に共通の個人関連情報の入力を省略できるので、入力時間を短縮でき、また、個人関連情報を記憶するために必要な記憶容量を低減できる。
【0038】
なお、可搬記憶媒体が個人関連情報有無・件数判定結果を表示する形式は、図2で説明した、個人関連情報の有無と件数との両方を表示する形式に限らない。
図7は、図2に示した以外の可搬記憶媒体の外形の例を示す外形図である。同図の可搬記憶媒体600の表示部630は、図に示すランプを備え、ランプの点灯により個人関連情報有りを表示し、ランプの消灯により個人関連情報無しを表示する。
このように、表示部が個人関連情報の有無のみを表示することにより、表示部の面積を小さくでき、さらには、可搬記憶媒体も小型化できる。また、個人関連情報有無判定装置200の個人関連情報照合部240は、可搬記憶媒体100から送信されたデータに含まれる個人関連情報の件数を計数する必要がなく、可搬記憶媒体100に含まれる個人関連情報を最初に発見した時点で判定処理を終了できる。従って、個人関連情報照合部240の負荷を軽減できる。
一方、上述したように、個人関連情報の有無のみならず件数も表示することにより、件数が大きい場合に、取扱者に対して特に注意を喚起できる。
【0039】
あるは、可搬記憶媒体が個人関連情報の有無を表示せずに件数のみ表示するようにしてもよい。例えば、可搬記憶媒体の表示部が、図2のcに示す件数の表示領域のみを具備し、件数のみを表示する。
これにより、表示部の面積を小さくでき、さらには、可搬記憶媒体も小型化できる。
一方、件数のみならず個人関連情報の有無も表示することにより、件数の読み誤りによる個人関連情報の有無に関する認識誤りを軽減できる。例えば、表示部が「0008000」と表示している場合に、「00000000」と読み誤ると、個人関連情報の有無の表示と、件数の表示とが矛盾することになる。これにより、取扱者が読み誤りに気づき、件数を読み直すことが期待できる。
【0040】
なお、上述したように、個人関連情報有無判定装置200はコンピュータであってもよい。したがって、個人関連情報有無判定装置200の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0041】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、個人関連情報有無表示システム、個人関連情報有無判定装置、個人関連情報有無判定方法およびプログラムに用いて好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 個人関連情報表示システム
100、600 可搬記憶媒体
110、210 記憶部
111 データ記憶部
112、211 識別情報記憶部
113 表示情報記憶部
120、220 通信部
130、630 表示部
140 表示用電源部
200 個人関連情報有無判定装置
212 個人関連情報記憶部
230 対象媒体判定部
240 個人関連情報照合部
250 電源供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶するデータ記憶部と、
個人に関連する情報を記憶する個人関連情報記憶部と、
前記データ記憶部の記憶する前記データに、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合部と、
前記個人関連情報照合部の判定結果を表示する表示部と、
を具備することを特徴とする個人関連情報有無表示システム。
【請求項2】
前記個人関連情報照合部は、前記データ記憶部の記憶する前記データに含まれる、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報の件数を計数し、
前記表示部は、前記個人関連情報照合部の計数結果を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の個人関連情報有無表示システム。
【請求項3】
前記データ記憶部と前記表示部とを含む可搬記憶媒体と、
前記個人関連情報記憶部と前記個人関連情報照合部とを含む個人関連情報判定装置と、
を具備し、
前記可搬記憶媒体は、当該可搬記憶媒体の識別情報を記憶する識別情報記憶部をさらに具備し、
前記個人関連情報判定装置は、前記識別情報に基づいて、個人関連情報の有無を表示する対象の可搬記憶媒体か否かを判定する対象媒体判定部をさらに具備し、
前記個人関連情報照合部は、前記対象媒体判定部が個人関連情報の有無を表示する対象の可搬記憶媒体であると判定した可搬記憶媒体に対して、前記データに前記個人に関連する情報が含まれるか否かの判定を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の個人関連情報有無表示システム。
【請求項4】
前記個人関連情報記憶部は、前記識別情報毎に前記個人に関連する情報を記憶することを特徴とする請求項3に記載の個人関連情報有無表示システム。
【請求項5】
前記個人関連情報記憶部は、各識別情報に共通の前記個人に関連する情報をさらに記憶することを特徴とする請求項4に記載の個人関連情報有無表示システム。
【請求項6】
個人に関連する情報を記憶する個人関連情報記憶部と、
データの通信を行う通信部と、
前記通信部が受信するデータに、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合部と、
を具備することを特徴とする個人関連情報有無判定装置。
【請求項7】
個人に関連する情報を記憶する個人関連情報記憶部を具備する個人関連情報有無判定装置の個人関連情報有無判定方法であって、
通信部が、データを受信する受信ステップと、
個人関連情報照合部が、前記受信ステップにて受信した前記データに、前記個人関連情報部の記憶する前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合ステップと、
を具備することを特徴とする個人関連情報有無判定方法。
【請求項8】
個人に関連する情報を記憶するコンピュータに、
データを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信した前記データに、前記個人に関連する情報が含まれるか否かを判定する個人関連情報照合ステップと、
を実行させるためのプログラム。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−233074(P2011−233074A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105152(P2010−105152)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】