説明

個包装機

【課題】個包装機の稼働中の外装フィルムのカーブに合わせてカッター等の設置位置や設置角度を自動調整する。
【解決手段】二つ折りにした状態で長尺の外装フィルムを走行させるフィルム送り手段、外装フィルム11に所定間隔でサイドシール3を形成し、外装フィルム11を個包装分の袋12に区分するサイドシール形成手段40、外装フィルム11に形成された袋12に被包装物2を充填する充填装置、被包装物2が充填された袋12にトップシール4を形成するトップシールヘッド60a、及び外装フィルム11に形成された袋12を切り離すカッター80を備えた個包装機1であって、外装フィルム11に形成された袋12のうち、被包装物2が充填されている袋の数に応じて、トップシールヘッド60a、トップシール形成後のフィルム送り手段を構成する引きローラ23及びカッター80の少なくとも一つの設置位置及び/又は設置角度を自動調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティーバッグ等の被包装物の個包装に適した個包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
ティーバッグ等の被包装物を外装フィルムで個包装する個包装機として、長尺の外装フィルムを二つ折にし、所定間隔でサイドシールをすることにより個包装分の袋を形成するとともに各袋に被包装物を充填し、袋の上端の口部をトップシールし、サイドシールの幅内で外装フィルムをカットすることにより個包装分の袋を切り離す動作を繰り返すものがある。このような個包装機において、外装フィルムは被包装物を充填する前は水平に走行するが、被包装物を充填した後には、穏やかなカーブを描いて走行する。これは、テンションを掛けられ、引っ張られて走行している袋の口部に対し、袋の底部は充填した被包装物により膨れるため、外装フィルムの走行方向の見かけの長さが短くなるためである。
【0003】
そこで、トップシールや、サイドシールの幅内でのカットが所期の位置で行われるようにするため、トップシール形成装置の圧着用ロールやサイドシール幅内で外装フィルムをカットするカッターの設置角度や上下方向の設置位置を、外装フィルムのカーブに合わせて調整することが必要とされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−355303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のトップシール形成装置やカッターの、設置角度や上下方向の設置位置の調整は、個包装機の稼働を止め、試行錯誤的に最適な設置角度や上下方向の位置を見出すことによりなされ、さらに、そうして見出された設置角度や設置位置が、被包装物の充填を開始する充填始動期から、充填を終了する充填終了期に至るまで固定的に使用されていたため、充填始動期や充填終了期では、外装フィルムがトップヒートシール用ヘッドやカッターから外れてしまい、不良品が発生するという問題があった。
【0006】
これに対し、本発明は、個包装機の稼働中の外装フィルムのカーブに合わせてトップシール装置やカッターの、設置角度や設置位置を自動調整できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、(i)充填始動期では、当初、被包装物が充填されていないために外装フィルムは水平に走行するが、充填位置から下流にある全ての袋に被包装物が充填されている全実袋状態となると、外装フィルムのパスラインは、被包装物が充填された袋の上端口部の幅と下端の見かけの幅と袋の高さに応じて定まる一定の曲率で円弧を描くこと、(ii)充填始動期の全空袋状態から全実袋状態となるまでの間で、充填時における下流側のサイドシール位置(以下、サイドシール形成位置という)から下流で袋が実袋状態となっている領域では、外装フィルムのパスラインは上述の円弧を描き、袋が空袋状態になっている領域では、その円弧に接する接線を描くと近似できること、(iii)充填終了期の全実袋状態から全空袋状態になるまでの間も同様に、外装フィルムのパスラインは、袋が実袋状態となっている領域では円弧を描き、袋が空袋状態になっている領域では、その円弧に接する接線を描くと近似できること、(iv)したがって、サイドシール形成位置から所定の距離にあるローラやカッターなどがとるべき設置角度や設置位置は、被包装物が充填された袋の個数に応じて定まる外装フィルムのパスラインを求め、そのパスラインに合わせて調整すればよいこと、(v)この調整量は、個包装機の基準時からの稼働量(稼働時間)に応じて計算することができ、ローラ等のとるべき設置位置や設置角度の自動調整が可能となることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、折り山が下向きになるように二つ折りにした状態で長尺の外装フィルムを走行させるフィルム送り手段、
外装フィルムに所定間隔でサイドシールを形成し、外装フィルムを個包装分の袋に区分するサイドシール形成手段、
外装フィルムに形成された袋に被包装物を充填する充填装置、
被包装物が充填された袋にトップシールを形成するトップシールヘッド、及び
外装フィルムに形成された袋を切り離すカッターを備えた個包装機であって、
外装フィルムに形成された袋のうち、被包装物が充填されている袋の数、又はその袋の数に対応する個包装機の稼働量に応じて、トップシールヘッド、トップシール形成後のフィルム送り手段を構成する引きローラ、及びカッターの少なくとも一つの設置角度及び/又は設置位置が自動調整される個包装機を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、個包装機の稼働中の外装フィルムのカーブに合わせて、トップシールヘッド、トップシールが形成された外装フィルムをカッターに搬送する引きローラ、及びカッターの少なくとも一つの設置角度及び/又は設置位置を自動調整することができる。したがって、充填始動期や充填終了期においても外装フィルムがヒートシールやカッターから外れることが無く、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0010】
また、この自動調整においては、個包装機の基準時からの稼働量に応じて行うので、設置位置や設置角度を調整する装置ごとに、それらの稼働中の設置位置や設置角度、あるいは調整すべき量を測定することが不要となり、自動調整を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例の個包装機の模式図である。
【図2】図2は、実施例の個包装機の全体的動作の概略説明図である。
【図3】図3は、カッター等の設置位置と設置角度の調整機構の説明図である。
【図4】図4は、引きローラとカッターの設置角度の調整機構の上面図(a)及び側面図(b)である。
【図5】図5は、引きローラとカッターの設置角度の調整機構の側面図である。
【図6】図6は、引きローラとカッターの設置角度の調整機構の側面図である。
【図7A】図7Aは、充填始動期において一部の袋に被包装物が充填されている状態のパスラインの説明図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの状態から外装フィルムが半ピッチ移動した状態のパスラインの説明図である。
【図7C】図7Cは、充填始動期において実袋状態の袋の列の先頭の上端(点A)に対応する点Cが引きローラベースユニットの回転中心(点B)に達したときのパスラインの説明図である。
【図7D】図7Dは、充填始動期において実袋状態の袋の列の先頭の上端(点A)に対応する点Cが引きローラの中心軸に達したときのパスラインの説明図である。
【図7E】図7Eは、充填始動期において実袋状態の袋の列の先頭の上端(点A)に対応する点Cが引きローラの中心軸を越え、カッターに至る前のパスラインの説明図である。
【図8】図8は、袋の上辺の幅と下辺の見かけの幅の関係図である。
【図9】図9は、充填始動期において実袋状態の袋の列の先頭の上端(点A)が引きローラの中心軸に達したときの角度の関係図である。
【図10】図10は、充填始動期において実袋状態の袋の列の先頭の上端(点A)が引きローラの中心軸を越え、カッターに至る前の角度の関係図である。
【図11】図11は、充填始動期において実袋状態の袋の列の先頭の上端(点A)がカッターのセンターラインに達したときの角度の関係図である。
【図12】図12は、充填終了期において、空袋状態の外装フィルムの先頭(点G)に対応する点G’が引きローラユニットの回転中心(点B)に達する前のパスラインの説明図である。
【図13A】図13Aは、充填終了期において、空袋状態の外装フィルムの先頭(点G)に対応する点G’が引きローラベースユニットの回転中心(点B)を超えて引きローラの中心軸に達するまでの間のパスラインの説明図である。
【図13B】図13Bは、図13Aにおける主要な角度関係の強調図である。
【図14】図14は、外装フィルムが描く円弧の半径rの算出方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または同等の構成要素を表している。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の個包装機1の模式図であり、図2は、個包装機1において充填装置として設けられているホッパー31、予備プッシャ32及びプッシャ33の動作の概略説明図である。
【0014】
この個包装機1は、四面体型ティーバッグ等の被包装物2を、三方シール型の平袋に個包装する機械であり、概略長尺帯状の外装フィルム11を二つ折りにした状態で連続走行させるフィルム送り手段、二つ折りにした外装フィルム11の対向面の間に被包装物2を供給するホッパー31、外装フィルム11にサイドシール3を形成するサイドシール形成手段40、サイドシール3により形成された袋12にトップシール4を形成するトップシール形成手段60、サイドシール3のシール幅内を切断することにより連続していた袋12を個々の個包装品5に切り離すカッター80を備えている。
【0015】
より詳細には、個包装機1の上流側には、長尺帯状の外装フィルム11が巻回されている原反10が設置され、原反10から巻き戻した外装フィルム11を走行させつつその両側縁が重なるように二つ折りにするためにフィルムガイド20とフィルム寄せガイドバー21が設けられている。この場合、外装フィルム11は、折り山が下向きとなり、両側縁側が上向きとなるように二つ折りにされる。
【0016】
なお、外装フィルム11としては、非通気性でヒートシール可能な種々の外装フィルムを使用することができ、例えば、アルミラミネートフィルム等を使用する。
【0017】
また、フィルム送り手段としては、サーボモータ(図示せず)で駆動される送りローラ22と引きローラ23が設けられている。送りローラ22によって、二つ折りにされた外装フィルム11が矢印I方向に繰り出される。
【0018】
送りローラ22の下流では、二つ折りにより重なり合っている外装フィルム11の対向面の間に開きガイド24が設けられ、開きガイド24の下流には、固定カム30の周縁部を矢印IIのように連続的に旋回しながら上下動する複数のホッパー31が設けられ、さらに、予備プッシャ32が設けられている。予備プッシャ32は、固定カム30を用いたカム機構により、外装フィルム11と同方向に水平走行しながら上下動すると共に水平方向の戻り走行を行うというサイクルを個々の被包装物2の充填ごとに繰り返す。予備プッシャ32の下流には、同様にカム機構により、上下動を伴う水平方向の走行と戻り走行を繰り返すプッシャ33が設けられている。
【0019】
ホッパー31としては、その排出口上に被包装物2を安定して受け取れるようにするため、テーパー状の受けを有するテーパー部31bとその下のストレートガイド部31aからなるものが設けられている。このストレートガイド部31aは、横断面が小判型であり、その長径が外装フィルム11の走行方向と平行になるように配置されている。またストレートガイド部31aの内寸は、プッシャ33による押込がないと、ホッパー31に投入された被包装物2が自重だけではストレートガイド部31a内を落下しない程度とされている。これにより、ホッパー31にシャッターを設けることなく、プッシャ33で押し込んだ時点で被包装物2を外装フィルム11上に落とすことを可能としている。
【0020】
予備プッシャ32とプッシャ33は、それぞれホッパーのストレートガイド部31a内に挿入され、上下動可能な大きさの棒状あるいは筒状部材から形成される。予備プッシャ32の外周には、筒状のノックアウト部材34が、予備プッシャ32と独立的に上下動できるように取り付けられており、予備プッシャ32で被包装物2をストレートガイド部31a内に押し込んだ後、予備プッシャ32を引き上げる際の被包装物2の連れ上がりがノックアウト部材34で防止されるようにしている。
【0021】
外装フィルム11の走行方向において、予備プッシャ32とプッシャ33の間には、ヒートシールヘッド41を外装フィルム11に押圧することによりサイドシール3形成部分を溶着するサイドシール形成手段40が設けられ、プッシャ33の下流には、サイドシール形成手段40による押圧部位を冷却板51で冷却しつつ押圧し、接着強度を向上させてサイドシール3の形成を完成させるサイドシール冷却押圧手段50が設けられている。この冷却板51は、低温ヒータから形成することができる。外装フィルム11には、隣り合うサイドシール3によって袋12が形成され、プッシャ33が、その袋12の底部に被包装物2を押し込む。また、ヒートシールヘッド41と冷却板51との間にはクランパー45が設けられており、クランパー45は、プッシャ33によって袋12の底部に押し込まれた被包装物2を、袋12の外側両面からクランプし、プッシャ33の引き上げ時に被包装物2が引き上げられることを防止する。
【0022】
ヒートシールヘッド41とクランパー45と冷却板51は、それぞれ外装フィルム11の押圧時に外装フィルム11と同方向に水平方向に走行し、押圧解除後に水平方向に戻り走行するものであり、この走行と戻り走行を個々の袋12への被包装物2の充填ごとに繰り返す。
【0023】
被包装物2が充填された袋12には、トップシール形成手段60でトップシール4が形成される。トップシール形成手段60としては、例えば、トップシールヘッド60aを備えた熱溶着装置を使用することができる。トップシール形成手段60の下流には、トップシール形成手段60による熱溶着部位を冷却し、トップシール4の接着強度を向上させるトップシール冷却板70が設けられている。ここで、トップシール形成手段60のトップシールヘッド60aとトップシール冷却板70とは、それぞれ、その水平方向のシール幅が、袋12の水平方向の幅を有し、外装フィルム11と同方向に略水平に走行しながら外装フィルム11を押圧し、押圧後には略水平方向に戻り走行を行う。
【0024】
トップシール形成手段60の下流のカッター80は、外装フィルム11の走行方向に連なって形成されている個包装品5を、サイドシール3のシール幅内で切断して一つずつの個包装品5に切り離すものであり、この個包装機1では、所謂ギロチン式カッターが設けられている。このギロチン式カッターは、カム機構により往復運動する。
【0025】
個包装機1において、被包装物2を充填した後の袋12の形状では、袋12の底部に被包装物2が充填されていることにより袋底部では正味の袋幅が厚みにとられるため、袋トップ部に比べて平面視した場合の袋幅が短くなる。そのため、サイドシール形成位置から下流においていずれの袋12にも被包装物2が充填されていない全空袋状態での外装フィルム11の上縁のパスラインL0は水平であり、この場合に引きローラ23及びカッター80がy軸に対してとるべき角度η及びωは0°であるが、全ての袋12が、被包装物2が充填された全実袋状態になっていると、図2に示すように、全空袋状態でのパスラインL0 に対して、引きローラ23及びカッター80がy軸に対してとるべき角度η及びωは大きくなり、引きローラ23及びカッター80がy軸上でとるべき位置も下がる。また、充填始動期や充填終了期において、充填位置から下流で一部の袋12に被包装物2が充填されている部分実袋状態では、カッター80がy軸に対してとるべき角度ωやy軸上でとるべき位置は、全空袋状態のときと、全実袋状態のときの中間となる。被包装物2の充填位置の下流にあるトップシールヘッド60a、トップシール冷却板70及び引きローラ23についても同様に、それらがy軸に対してとるべき角度やy軸上でとるべき位置は、被包装物2が充填されている袋12の個数に応じて異なるが、充填位置に近いトップシールヘッド60aやトップシール冷却板70では、その変動量は小さい。
【0026】
そこで、この個包装機1では、以下に説明するように、トップシールヘッド60aとトップシール冷却板70については、y軸に対してとるべき角度やy軸上でとるべき位置を手動で随時調整可能とし、引きローラ23とカッター80については、y軸に対してとるべき角度η及びωやy軸上でとるべき位置を、外装フィルム11に形成された袋12のうち、被包装物2が充填されている袋12の個数、又はその袋の数に対応する個包装機の稼働量に応じて自動調整し、被包装物2の充填位置から下流にあるこれらの装置の設置角度や設置位置を外装フィルムのカーブに適合させることを特徴としている。
【0027】
図3は、この個包装機1におけるトップシールヘッド60a、トップシール冷却板70、引きローラ23、及びカッター80の設置位置と設置角度の調整機構の説明図であり、図4は、引きローラ23及びカッター80の設置位置と設置角度の調整機構の上面図及び側面図である。なお、図4は、引きローラ23及びカッター80の充填始動当初における設置位置と設置角度を示している。図3に示したように、トップシールヘッド60aとトップシール冷却板70は、それらに共通するトップシールベースユニット600に取り付けられている。トップシールベースユニット600は、本体ベースから起立した支柱601に対し、支点軸602を中心にして矢印IIIの方向に揺動可能に取り付けられており、この揺動角度はネジ604で固定される。また、トップシールベースユニット600は、本体ベースから起立した支柱603に上下可動に取り付けられており、その上下方向の位置はネジ605で固定される。
【0028】
引きローラ23は、図3及び図4に示すように、引きローラベースユニット230に取り付けられ、引きローラベースユニット230は上下可動板231に対し、回転軸232を中心に矢印IVの方向に揺動可能に取り付けられ、上下可動板231は、本体ベースに対し、クランク機構234により上下可動に取り付けられている。
【0029】
カッター80は、カッターベースユニット800に取り付けられており、カッターベースユニット800は、引きローラベースユニット230に対し、回転軸801を中心に矢印V方向に揺動可能に取り付けられている。
【0030】
引きローラベースユニット230を、回転軸232を中心に揺動させる駆動源としては、傾き調整用サーボモータ233が設けられており、上下可動板231を上下方向に移動させる駆動源としては、クランク機構234を介して上下駆動用サーボモータ235 が設けられている。また、カッター80を回転軸801 を中心に傾きを調整できるようにするため、ねじ込み式でカッター80の傾きを調整する傾き調整ネジ802が設けられ、この傾き調整ネジ802のねじ込み度合いを調整するカッター傾き調整用サーボモータ803が設けられている。
【0031】
したがって、引きローラ23とカッター80の設置位置と設置角度の自動調整は、概略傾き調整用サーボモータ233により、引きローラ23が外装フィルム11を引く方向を、充填始動期当初の図4の水平方向に対して図6のように傾け(角度η)、また、上下駆動用サーボモータ235により、引きローラ23とカッター80の上下方向の設置位置を移動させ、さらに、サーボモータ803による傾き調整つまみ802のねじ込みにより、カッターベースユニット800を、引きローラベースユニット230に対して図6のように傾ける(角度δ)ことにより行うが、これらの自動調整は、具体的には次の計算により行うことができる。
【0032】
まず、これらの自動調整の前提として、図7Aに示すように、袋12に被包装物2が充填されていない空袋状態での袋の上辺の幅をa、袋12に被包装物2が充填されている実袋状態での袋の下辺の見かけの幅をb、高さをhとする。また、実袋状態での袋の上辺の幅を、空袋状態での袋の幅aに等しいとする。空袋状態での袋の上辺のパスラインL0は水平となる。これに対し、全実袋状態での袋の上辺のパスラインL1は、a>bであるから、袋12の下辺の長さが送り方向に短くなることにより多角形を描くことになるが、この多角形は半径rの円に近似できる。そこで、充填位置にある袋12の上辺両端の点a1、点a2を通る半径rの中心を座標の原点O(0,0)とする。
【0033】
また、充填始動後に、実袋状態の袋12の列の先頭が引きローラ23に向かって走行していくときのパスラインLxは、図7Aに示すように、実袋状態の袋12の列の先頭の上端を点Aとするとき、サイドシール形成位置から点Aまでは半径rの円となり、点Aから下流では、空袋状態であることにより、半径rの円に接する接線になると考える。なお、図7Aには、一例として、実袋状態の袋12が3個の場合を示した。
【0034】
さらに、一つのサイドシール3が形成された後、次のサイドシール3が形成されるまで外装フィルム11は上流から水平に送り出されてくるので、先に形成されたパスラインLxのカーブ形状がそのまま水平移動した形状が自然な形状である。例えば、図7Bに、図7Aの状態から半ピッチ(a/2)水平移動した状態を示す。図7Aにおいて点Aと原点Oを通る直線がy軸となす角度γは5α/2となるから(αは、後述するように、実袋状態の袋1個分により生じるパスラインの傾き)、点Aを半ピッチ水平移動させた図7Bにおいても、点Aにおける接線に直角な直線(法線)がy軸となす角度γは5α/2のままである。
【0035】
一方、実袋状態の袋12が充填位置から3個分進んだときのパスラインを、原点Oを中心に半径r、中心角3αの円弧とその円弧に接する接線で近似した場合、引きローラベースユニットの回転中心点Bの位置は図7Bにおける点Biiである。このとき傾きγは3αとなり、本来フィルムの自然な形状からくる位置や傾きとの間にズレが生ずる。
【0036】
しかしながら、パスラインLxの半径rは、パスラインLxの長さに対して十分に大きいため、点Biと点Biiの位置のずれは僅かである。また、外装フィルム11は剛体ではないから、点Biと点Biiの位置のずれは外装フィルムの正常な流れの支障とはならない。したがって、以下、パスラインLxは上述の円と接線で描かれ、かつ、その形状が連続的に変化すると考える。
【0037】
ここで、図8に示すように、点a1と原点Oを通る直線と点a2と原点Oを通る直線とが挟む角をαとする。このαは、袋12の1個分の外装フィルムの送りにより生じるパスラインの傾きとなる。図8から、
h*sin(α/2)=(a−b)/2
r*sin(α/2)=a/2 (1)
(式中、a:袋12に被包装物2が充填されていないときの袋の幅
b:袋12の両サイドがシールされ、中に被包装物2が充填されているときの見かけの袋下辺の幅
h:袋12の高さ
r:原点を中心とし、点a1、点a2を通る円の半径
α:点a1と原点Oを通る直線と、点a2と原点Oを通る直線とが挟む角度 )
したがって、
r=ah/(a−b) (2)
【0038】
また、全ての袋12が空袋状態のときのパスラインL0において、引きローラベースユニット230の回転中心である点B(Bx,By)は、上述のように、
x=L
であり、また、図7A、図8から、
y=r*cos(α/2)+f
(式中、f:点BとパスラインL0との距離)
である。
【0039】
さらに、基準位置(y軸)から点Aまでのフィルム長さをsとして、それが半径rの円弧をなす場合、円弧のなす角度γ(γの単位はラジアン)との関係は
γ=s/r (3)
で表わされる。
【0040】
次に、充填始動後に、被包装物2が充填された袋12の列の先頭の上端の点Aがいずれの位置まで走行したかによって、引きローラ23の角度、引きローラ23とカッター80の上下方向の設置位置、及びカッター80の設置角度をどのように調整すべきかを説明する。この調整方法では、以下に詳述するように、まず点Aの走行位置に応じたパスラインの形状を前述の円と接線から求め、次に、その接線の位置と傾きに合わせて引きローラ23の位置と傾きを求め、さらにカッター80の位置と傾きを求める。
【0041】
(1)充填始動後、x軸方向につき、点Aが点Bに達するまで(図7A〜図7C)
(1-1)引きローラ23の上下方向の設置位置
引きローラ23の上下方向の設置位置の調整は、上下可動板231を動かして点Bのy軸方向の位置を調整することによりなされる。
点Aと原点Oとを結ぶ直線と、半径(r+f)の円弧との交点を点Cとすると、点Cのx座標Cxとy座標Cyは、それぞれ
x=(r+f)sinγ (4)
y=(r+f)cosγ (5)
また、このときの点Bは、点Cにおける半径(r+f)の円弧の接線の式
x・x+Cy・y=(r+f)2
と、
x=L
との交点として求まる。この交点の式に上述の式(4)、(5)の関係を使用すると、点Bのy座標として次式(6)を得られる。
y={(r+f)−L・sin(s/r)}/cos(s/r) (6)
したがって、引きローラ23の上下方向の設置位置は、式(6)により自動的に変化させる。
【0042】
(1-2)引きローラ23の角度
引きローラ23の中心軸のy軸に対する角度は、引きローラベースユニット230の回転により調整され、この引きローラベースユニット230がとるべき回転角は、前述の式(3)の角γに等しく、式(3)により自動的に変化させる。
【0043】
(1-3) カッター80の角度
カッター80の角度は、カッターベースユニット800が回転軸801を中心にして引きローラベースユニット230に対して回転することにより調整されるが、点Aが引きローラ23の中心軸に至るまでは、引きローラ23の中心軸とカッターのセンターライン80は平行でよい。即ち、点Aが引きローラ23の中心軸に至るまでは、引きローラ23の中心軸は外装フィルム11の流れに対して直角に設定し、カッター80も外装フィルム11の流れに対して直角に設定する。したがって、引きローラベースユニット230に対するカッターベースユニット800の回転角δは、ゼロとする。
【0044】
(2)充填始動後、点Cが点Bを越えて、引きローラ23の中心軸に至るまで(図7C、図7D)
(2-1)引きローラ23の上下方向の設置位置
x軸方向につき、点Cが点Bに達するまでは、前述の式(6)により点Bがとるべきy座標の値は変化するが、点Bを越えてからは点Bに達したときと同じでよい。そこで、x軸方向につき、点Cが点Bに達したときに点Bがとるべき位置を点BE(BEx,BEy)とし、これを求める。点BEは、原点Oを中心とする半径(r+f)の円弧と直線x=Lとの交点として次のように求められる。
BEy={(r+f)2−L2}0.5 (7)
【0045】
(2-2)引きローラ23の角度
引きローラ23の上下方向の設置位置は、上述のように点Cが点Bを越えてからは、点Bのy座標を式(7)で得られる固定値とすればよいが、引きローラ23の中心軸のy軸に対する角度は、点Cが点Bを越えてからも引きローラ23の中心軸に至るまではさらに大きくしなければならない。なお、カッター80の傾きについては、点Cが引きローラ23の中心軸を越えた後も点Cがカッター80の中心線に達するまでは、更に大きくしなければならない。
【0046】
図9は、点Aが引きローラ23の中心軸の位置まで進んだときの関係を示している。点Bと引きローラ23の中心軸との距離をeとすると、このときの点Cの位置は、点BEを中心とする半径eの円に、原点Oから引いた直線が接する2つの点のうち、y軸から遠い方である。このときの引きローラ23の中心軸とy軸がなす角をηe、点BEと原点Oを通る直線とy軸とがなす角をγ1 、点BEと原点Oを通る直線と点Aと原点Oを通る直線がなす角をγ2とすると、
ηe=γ1+γ2
また、
γ1=sin-1{L/(r+f)}
sinγ2=e/(r+f)
この式を変形してγ2=sin-1{e/(r+f)}
よって、
ηe=γ1+γ2
=sin-1{L/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)} (8)
したがって、引きローラベースユニット230を傾ける角γは、充填始動時のγ=0から、式(8)で求まるηeまで、前述の式(3)
γ=s/r
により連続的に変化させ、式(8)で求まるηeとなった以降、個包装機1の稼働中は、そのηeに維持すればよい。
【0047】
(2-3)カッター80の角度
カッター80の角度は、点Aが引きローラ23の中心軸に至るまでは、引きローラ23の中心軸とカッター80のセンターラインは平行でよい。これは、引きローラ23とカッター80の間の外装フィルム11は直線状態であるため、引きローラ23とカッター80は平行とすればよいからである。したがって、引きローラベースユニット230に対するカッターベースユニット800の回転角δは、ゼロとする。
【0048】
(3)充填始動後、点Aが引きローラ23の中心軸を越えて、カッター80に至るまで(図7E)
(3-1)引きローラ23の上下方向の設置位置
(2-1)で述べたように、点Cが点Bに達した以降は、点Bの上下方向の位置は、式(7)で求まるBEyの固定値である。
【0049】
(3-2)引きローラ23の角度
(2-2)で述べたように、点Aが引きローラ23の中心軸に達するまでは、式(8)で求まるηeまで、式(3)により連続的に変化させるが、点Aが引きローラの中心軸に達した以降は、式(8)で求まるηeを維持する。
【0050】
(3-3)カッター80の角度
点Aが引きローラ23の中心軸を越えてからの点Aの走行量に合わせて、引きローラベースユニット230に対するカッター80の角δを次式により自動的に変化させる。カッタ−80とy軸とのなす角ωは、図10から、
ω=ηe+δ
したがって
δ=ω−ηe
ηeは式(8)で求まるから、
δ=s/r−ηe
=s/r−(sin-1{L/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)}) (9)
よって、式(9)により、引きローラベースユニット230に対するカッター80の角δを変えて行けばよい。
【0051】
なお、図11に示したように、点Aがカッター80のセンターライン上にあって、角δが最大値をとるときの、カッターベースユニットの回転軸801の回転中心点D(DEx,DEy)と、点BEの関係は、次式(10)により求めることができる。
DEx=BEx+gcos(ηe)−isin(ηe) (10)
DEy=BEy−gsin(ηe)−icos(ηe)
(式中、
g:引きローラ23の中心軸に平行で点Bを通る直線と、引きローラ23の中心軸に平行で点Dを通る直線との距離
i:引きローラ23の中心軸に直角に引いた点Bを通る直線と、引きローラ23の中心軸に直角に引いた点Dを通る直線との距離)
【0052】
また、原点Oと点D(DEx、DEy)を通る直線がy軸となす角をλ1、原点Oと点Aを通る直線が原点Oと点D(DEx、DEy)を通る直線となす角をλ2、原点Oと点Aを通る直線がy軸となす角をωeとすると
ωe=λ1+λ2 (11)
原点Oと点D(DEx、DEy)の距離をLDとすると
D={(DEx)2+(DEy)2}0.5 (12)
また、
λ1=sin-1(DEx/LD) (13)
λ2=sin-1(j/LD) (14)
(式中、j:点Dとカッター80との距離)
したがって、式(11)〜(14)から、
δe=ωe−ηe=λ1+λ2−ηe (15)
式(15)と式(8)から
δe=sin-1(DEx/LD)+sin-1(j/LD)−sin-1{L/(r+f)}−sin-1{e/(r+f)} (16)
よって、δeが式(16)の値になるまで、式(9)により連続的により変化させればよい。
【0053】
以上をまとめると、充填始動期においては、(i)引きローラベースユニットの回転角γは、点Aが引きローラの中心軸に達したときの式(8)により求められるηeまで、式(3)により連続的に変化させる。
ηe=γ1+γ2
=sin-1{L/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)} (8)
γ=s/r
【0054】
(ii) 引きローラベースユニットの回転中心の点Bの上下方向の位置は、点Cが点Bに達したときの式(7)により得られるBEyになるまで、式(6)により連続的に変化させる。
y={(r+f)−L・sin(s/r)}/cos(s/r) (6)
BEy={(r+f)2−L2}0.5 (7)
【0055】
(iii) カッターベースユニットの引きローラベースユニットに対する角度δは、点Aが引きローラの中心軸に達するまではゼロとし、点Aが引きローラ23の中心軸を越えてからは、式(16)の値になるまで、式(9)により変化させる。
δ=s/r−(sin-1{L/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)}) (9)
δe=sin-1(DEx/LD)+sin-1(j/LD)−sin-1{L/(r+f)}−sin-1{e/(r+f)} (16)
【0056】
(4)充填終了期の自動調整
(4-1)引きローラ23の角度
図12に示すように、充填終了期において、空袋状態の袋の列の先頭の上端を点G(Gx,Gy)とし、座標(Gx,0)を点O’とおき、点O’と点Gを通る直線と袋12の上端からオフセットした線との交点をG’とおくと、点Gから下流のパスラインは、点O'を中心とする半径rの円と見なせることになる。そこで、点O’を通る軸をy'軸とし、全ての袋が実袋状態の場合に対して、y’軸がx軸のプラス方向に移動していくと考える。
【0057】
空袋状態の外装フィルム11の上辺の先端がy軸からs進んだ位置における引きローラベースユニット230の回転中心の点Bの上下方向の位置、ローラベースユニット230の傾き、及びカッターベースユニット800の傾きを算出する式を求める。
【0058】
まず、点G’が点Bに至るまでは、カーブが始まる点G’から点Bのまで距離をmとおくと、
m=L−s (17)
このときの引きローラベースユニットの角ηeは、前述の式(8)においてLにmの値を代入し、さらに式(18)の関係を用いることにより、次のように求めることができる。
ηe=sin-1{L/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)} (8)
=sin-1{m/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)}
=sin-1{L−s/(r+f)}+sin-1{e/(r+f)} (18)
点G’が点Bの位置においては、m=0であるから、式(18)より
ηe=sin-1{e/(r+f)}
を得る。
【0059】
点G’が点Bを超えて引きローラ23の中心軸に達するまでの間は、図13Aの関係にある。必要部分を強調して見やすく表現した図が図13Bである。
【0060】
点G’が点Bよりm進んだ位置での引きローラユニットの傾きηを求める。
図13Bにおいて点Bを中心にして半径eの円に点O’から引いた接線の接点を点K、点Bを中心にして半径eの円に点O''から引いた接線の接点を点K1とする。
線分O''B=r+fである。
一方、線分O'B=p、
∠BO'K=β1、
∠BO'G'=β2 とおく。
三角形BO'Kより、sinβ1=e/p
よって、β1=sin-1(e/p) (19)
三角形BO'G'より、p={(r+f)2+m2}0.5 (20)
sinβ2=m/p
β2=sin-1(m/p) (21)
よって、求めるηは
η=β1−β2 (22)
またmは
m=s−L (23)
これら式(19)、(20)、(21)、(22)、(23)から
η=sin-1(e/p)− sin-1(m/p)
=sin-1〔e/{(r+f)2+m2}0.5〕−sin-1〔m/{(r+f)2+m2}0.5
=sin-1〔e/{(r+f)2+(s−L)2}0.5〕−sin-1〔(s−L)/{(r+f)2+(s−L)2}0.5
(24)
【0061】
点G’が引きローラの中心軸を過ぎる時点では、引きローラベースユニットのy軸に対する傾きはゼロに戻せばよい。このとき、外装フィルム11の変位量s(即ち、基準位置から点Gまでの距離は
s=L+e
である。
【0062】
(4-2)引きローラ23の上下方向の設置位置
点G’が点Bに至るまでは、点Bの座標は、前述の式(7)においてLにmの値を代入することにより、次のように求めることができる。
BEy={(r+f)2−L2}0.5 (7)
={(r+f)2−m2}0.5 (7)’
={(r+f)2−(L−s)2}0.5 (25)
【0063】
点G’が点Bを超えてからは、点Bに至ったとき(m=0)に対して一定値をとり、式(7)’より
BE=r+f
である。
【0064】
(4-3)カッター80の角度
点G’が引きローラ23の中心軸に達するまではカッター80の傾きは前述の式(16)のδeのままでよい。
δe=sin-1(DEx/LD)+sin-1(j/LD)−sin-1{L/(r+f)}−sin-1{e/(r+f)} (16)
【0065】
点G’が引きローラ23の中心軸を過ぎてからは、引きローラベースユニット230の傾きは一定値をとり変化しないので、引きローラ23から進んだ角度と同じ角度だけ角度を戻し、カッター80のセンターラインに達する時点で引きローラベースユニット230に対するカッターベースユニット800の角δをゼロとする。
したがって、
δ=δe−γ=δe−(s−L−e)/r (26)
【0066】
この式(26)により、δ=0となるまで角度を戻して行けばよい。
なお、δ=0となるとき、外装フィルム11の変位量s(即ち、基準位置から点Gまでの距離)は、
s=L+g+j
である。
【0067】
ところで、上述した引きローラ23とカッター80の自動調整に使用する式(8)等には、f、L、e等の装置構成の寸法の他に、rとαという装置構成外の要素が含まれている。これらは、予めbを実測しておくことにより、式(1)、(1')から求めることができる。
【0068】
また、予め、充填位置以降で全ての袋が実袋状態にあるときに適合するBEy値(式(7))を実測しておくことによりrを算出してもよく、図14に示すように、所定の変位量(例えばs=L)の位置でのパスラインL1のy軸方向の変位量Δyを測定し、式(7)でf=0とおいた式からrを算出してもよい。
【0069】
以上、図1に示した個包装機1に基づいて本発明を具体的に説明したが、本発明は種々の態様をとることができる。例えば、トップシールヘッド60a、トップシール冷却板70、引きローラ23、カッター80の全てについて、設置位置と設置角度が自動調整されるようにしてもよい。この場合、傾きと高さをそれぞれ自動設定できる構造とする。いずれを自動調整するかは被包装物2の充填位置とそれぞれの設置位置との距離、被包装物2の充填量などに応じて適宜変えることができる。
【0070】
なお、被包装物2の充填装置自体については、特に制限はなく、被包装物の種類に応じてシャッター付のホッパー等を使用してもよく、袋内を不活性ガスで置換してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 個包装機
2 被包装物
3 サイドシール
4 トップシール
5 個包装品
10 原反
11 外装フィルム
12 袋
20 フィルムガイド
21 フィルム寄せガイドバー
22 送りローラ
23 引きローラ
230 引きローラベースユニット
231 上下可動板
232 回転軸
233 傾き調整用サーボモータ
234 クランク機構
235 上下駆動用サーボモータ
24 開きガイド
30 固定カム
31 ホッパー
32 予備プッシャ
33 プッシャ
34 ノックアウト部材
40 サイドシール形成手段
41 ヒートシールヘッド
45 クランパー
50 サイドシール冷却押圧手段
51 冷却板
60 トップシール形成手段
60a トップシールヘッド
600 トップシールベースユニット
601 支柱
602 支点軸
603 支柱
604 ネジ
605 ネジ
70 トップシール冷却板
80 カッター
800 カッターベースユニット
801 回転軸
802 傾き調整ネジ
803 カッター傾き調整用サーボモータ
点A 実袋状態の袋の列の先頭の上端
点a、点a 袋の上辺の端点
点B 引きローラベースユニットの回転中心
点b1、点b2 袋の下辺の端点
点BE 点Aが点Bに達したときに点Bがとるべき位置
点C 点Aと原点Oとを結ぶ直線と、半径(r+f)の円弧との交点
点G 充填終了期における、空袋状態の袋の列の先頭の上端(座標(Gx,Gy))
点O 直線a1b1と直線a2b2の交点であり、座標原点を表わす
a 袋の上辺の幅
b 袋の下辺の見かけの幅
x 点Bのx座標
y 点Bのy座標
x 点Cのx座標
y 点Cのy座標
D カッターベースユニットの回転中心点
e 点Bと引きローラの中心軸との距離
f 点Bと袋の上辺のパスラインLとの距離
G' 点O'(Gx,0)と点Gを通る直線と袋の上端からオフセットした線との交点
g 引きローラの中心軸に平行で点Bを通る直線と、引きローラの中心軸に平行で点Dを通る直線との距離
h 袋の高さ
i 原点Oを中心とする半径(r+f)の円と引きローラの中心軸との交点における円の接線Lgと点Dとの距離
j 点Dとカッターとの距離
L 点Bのx座標の数値
L0 空袋状態での袋の上辺のパスライン
L1 実袋状態での袋の上辺のパスライン
Lx 実袋状態の袋の列の先頭が引きローラに向かって走行していくときのパスライン
r 袋の上辺のパスラインが描く円の半径
s 外装フィルムの変位量
α 点a1と原点Oを通る直線と、点a2と原点Oを通る直線とが挟む角
γ 点Aと原点Oを通る直線とy軸がなす角
γ1 点BEと原点Oを通る直線とy軸がなす角
γ2 点BEと原点Oを通る直線と、引きローラの中心軸上にある時の点Aと原点Oを通る直線とがなす角
δ 引きローラベースユニットに対するカッターベースユニットの回転角
δe 点Aがカッター80のセンターライン上にあるときのδ(δの最大値)
η 引きローラベースユニット(又は引きローラ)のy軸に対する角
ηe 点Aが引きローラの中心軸に達したときの引きローラベースユニットのy軸に対する角
ω カッターのセンターラインがy軸に対してとるべき角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り山が下向きになるように二つ折りにした状態で長尺の外装フィルムを走行させるフィルム送り手段、
外装フィルムに所定間隔でサイドシールを形成し、外装フィルムを個包装分の袋に区分するサイドシール形成手段、
外装フィルムに形成された袋に被包装物を充填する充填装置、
被包装物が充填された袋にトップシールを形成するトップシールヘッド、及び
外装フィルムに形成された袋を切り離すカッターを備えた個包装機であって、
外装フィルムに形成された袋のうち、被包装物が充填されている袋の数、又はその袋の数に対応する個包装機の稼働量に応じて、トップシールヘッド、トップシール形成後のフィルム送り手段を構成する引きローラ、及びカッターの少なくとも一つの設置位置及び/又は設置角度が自動調整される個包装機。
【請求項2】
トップシールヘッド、引きローラ、及びカッターの少なくとも一つの設置位置及び/又は設置角度が、次式から算出される外装フィルムのカーブの半径rに基づいて自動調整される請求項1記載の個包装機。
r=ah/(a−b)
(式中、a:袋に被包装物が充填されていないときの袋の幅
b:袋に被包装物が充填されているときの見かけの袋の幅
h:袋の高さ)
【請求項3】
袋に被包装物が充填されている領域の外装フィルムのパスラインが、前記半径rの円弧からなり、袋に被包装物が充填されていない領域の外装フィルムのパスラインが、該円弧の接線からなると近似し、そのパスラインに合わせて引きローラ、及びカッターの少なくとも一つの設置位置及び/又は設置角度を自動調整する請求項2記載の個包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−201546(P2011−201546A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67629(P2010−67629)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(396015057)大紀商事株式会社 (19)
【出願人】(390021669)椿本興業株式会社 (20)
【出願人】(393027121)株式会社ファブリカトヤマ (27)
【Fターム(参考)】