説明

個室使用状況報知システム

【課題】トイレ等の個室内に人物が存在する際、その人物が室外に出たにも関わらず誤って室内に人物が居るかのような誤った報知がなされない個室使用状況報知システムを提供すること。
【解決手段】トイレ11のドア13が閉じられた状態で、使用者の存在が一旦検知された場合には、使用者が長時間静止状態となって人物検知センサ16による使用者の存在が検知されない状態となっても、表示ランプ33の点灯が保持されるようにするが、ドア13が閉じられててから1秒間は人物検知センサ16による検出信号はこれを送信側コントローラはキャンセルするようにした。これによって人が急いでトイレ11から飛び出した場合や外から温度差のある空気団がトイレ11内に侵入するようなことがあっても室内に人がいるかのような誤動作が生じる恐れが少なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ等の個室における使用状況を外部から確認することができる個室使用状況報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から個室使用状況報知装置として例えば個室としてトイレ内に赤外線センサ等からなる人体検出センサを設け、使用者がトイレに入室した場合、人体検出センサにより使用者を検出し、その検出信号に基づいてトイレ室外に設けられた報知装置を駆動させて、トイレ室外にいる人たちにトイレの使用中の旨を報知するものが提案されている。
この種のタイプの個室使用状況報知装置ではドアをロックすることで入室を知らせるタイプとは異なり、ドアをロックしなくてもトイレ内に人物がいる場合、トイレ室外の報知装置を点灯させてトイレ使用中の旨を報知できるが、トイレ内で使用者が長時間静止状態(大便時等)の場合、人体検出センサは使用者の検出状態を解除してしまうことがあった。この場合、もちろん、人体検出センサはトイレ内に使用者がいるにもかかわらず、使用者を検出しないことからトイレ室外の報知装置はトイレが非使用状態であることを報知してしまうという問題があった。
そのため、特許文献1のように人体検出センサをドア開閉検出センサ(ドアスイッチ)と連動させ、一旦ドアが閉鎖されてドア開閉検出センサからの検出信号が出力された後に人体検出センサによって人が検出された場合には、その後人体検出センサが人の動きを検出しない場合であっても再度ドアが開放されるまでは報知が継続されるような個室使用状況報知システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−305123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の個室使用状況報知システムにおいては次のような問題があった。特許文献1の個室使用状況報知システムでは通常人体検出センサの検出領域にいる状態からその領域の外側に出てドア方向に向かうため、検出の流れてとしてはまず、移動に伴って人の動きが人体検出センサに検出され、その後ドアが開放される、というものである。
ところが、人体検出センサは検出後検出信号を制御装置としてのコントローラに出力した場合に、検出から処理までに一定の時間が必要であり、その間に入室中の人が急いでドアを開けて出て行ってしまった場合にドアの開放〜閉鎖状態の信号が人体検出センサの検出信号よりも先に認識されてしまうことがあった。この場合には人体検出センサが人の動きを検出した後で閉鎖状態の信号が入力されないこととなるため、入室状態の報知が解除されることがなく、退室したにも関わらず使用しているかの報知状態が継続されてしまうこととがあった。
また、入室中の人がドアを開けて出て行く際に個室内外で温度差が大きい場合に、ドアを開けることで温度差のある外気が室内に導入されると、室内で空気団の対流が発生することがある。従来ではこの温度差のある空気団の対流を人の動きと間違えて人体検出センサが検出してしまうことがあり、その場合も上記と同様ドアの開放〜閉鎖状態の信号が検出された後にこの空気団の対流を人体検出センサが検出してしまうことで退室したにも関わらず使用しているかの報知状態が継続されてしまうことがあった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、トイレ等の個室内に人物が存在する際、その人物が室外に出たにも関わらず誤って室内に人物が居るかのような誤った報知がなされない個室使用状況報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、複数の人間が共同で使用する個室の使用状況を、個室外部に報知する個室使用状況報知システムであって、前記個室外部に設けられた報知手段と、前記個室の出入り口を開閉するドアの開閉状態を検出するドア開閉検出手段と、前記個室内に人物が存在することを検出する人物検出手段と、
前記ドア開閉検出手段及び前記人物検出手段からの検出信号の入力に基づき、前記報知手段に個室の使用状況を報知させる制御手段とを備え、前記ドア開閉検出手段からのドアが閉鎖状態となった旨の検出信号が入力された後に前記人物検出手段による個室内で人物の存在を検出した旨の検出信号が入力された場合には、前記制御手段は前記ドア開閉検出手段からのドアの開放状態となった旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段による人物の存在の検出が行われなくとも前記報知手段に個室外部に個室が使用されている旨の報知をさせるように制御する個室使用状況報知システムにおいて、前記制御手段は前記ドア開閉検出手段からのドアが閉鎖状態となった旨の検出信号が入力された後、所定の第1の時間が経過するまで前記人物検出手段から入力される検出信号をキャンセルするように制御するようにしたことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明では、 請求項1に記載の発明において、前記所定の第1の時間が経過した後に、所定の第2の時間が経過しても前記人物検出手段からの検出信号の入力がない場合には、前記所定の第2の時間が経過した後に前記制御手段は前記ドア開閉検出手段からのドアが開放状態となった旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段からの検出信号をキャンセルするように制御することをその要旨とする。
【0006】
請求項1に記載の発明においては、使用者が個室へ入る際、ドア開閉検出手段によりドアの開放及び閉鎖が検出される。ドア開閉検出手段によりドアの閉鎖状態が検出され、人物検出手段により人物の存在が検出され、それらの検出信号が制御手段に入力されると、ドア開閉検出手段によりドアの開放状態が検出されるまで、個室外部に個室の使用中の旨が報知される。すなわち、使用者が一旦個室へ入室してドアを閉め、一度でも人物検出手段が作動したならば、次にドアが開放されるまでの間、人物検出手段による人物の存在が検出されなくとも報知手段が個室の使用中の旨を個室外部に報知することとなる。
一方、ドア開閉検出手段によりドアの閉鎖状態が検出される際には、その検出信号が制御手段に入力されると所定の第1の時間が経過するまでは前記人物検出手段から入力される検出信号はキャンセルされる。
従って、使用者が個室から出る際にドア開閉検出手段によりドアの閉鎖状態が検出されるが、本発明ではその閉鎖が検出された後に実際には室内に人物がいないにも関わらず人物検出手段から検出信号が出力されるようなことはなく、制御手段が誤って報知手段を報知状態としてしまうことがない。ここに「所定の第1の時間」とは一般に数秒以内のごく短い時間帯である。長さは適宜変更可能である。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明の作用に加え、前記所定の第1の時間が経過した後に、所定の第2の時間が経過しても人物検出手段からの検出信号の入力がない場合には、所定の第2の時間が経過した後に制御手段はドア開閉検出手段からのドアが開放状態となった旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段からの検出信号をキャンセルすることとなる。これによって、個室内にネズミのような小動物が誤って侵入した場合に、それを人と間違えて検出したり、ドア以外の部分からの温度差のある空気団を人と間違えて検出したりする誤動作の可能性を極力減らすことができる。ここに「所定の第2の時間」とは所定の第1の時間よりも長く、数分程度が好ましい。長さは適宜変更可能である。所定の第2の時間のカウント始期は所定の第1の時間の経過後でもよく、ドア開閉検出手段によりドアの閉鎖状態が検出された段階でもよい。
【0007】
また、請求項3に記載の発明では、複数の人間が共同で使用する個室の使用状況を、個室外部に報知する個室使用状況報知システムであって、前記個室外部に設けられた報知手段と、前記個室の出入り口に配設され人間の前記出入り口の通過を検出する出入り口通過検出手段と、前記個室内に人物が存在することを検出する人物検出手段と、前記出入り口通過検出手段及び前記人物検出手段からの検出信号の入力に基づき、前記報知手段に個室の使用状況を報知させる制御手段とを備え、前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力された後に前記人物検出手段による個室内で人物の存在を検出した旨の検出信号が入力された場合には、前記制御手段は次に前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段による人物の存在の検出が行われなくとも前記報知手段に個室外部に個室が使用されている旨の報知をさせるように制御する個室使用状況報知システムにおいて、前記制御手段は前記前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力された後、所定の第1の時間が経過するまで前記人物検出手段から入力される検出信号をキャンセルするように制御することをその要旨とする。
請求項4に記載の発明では、 請求項3に記載の発明において、前記所定の第1の時間が経過した後に、所定の第2の時間が経過しても前記人物検出手段からの検出信号の入力がない場合には、前記所定の第2の時間が経過した後に前記制御手段は前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段からの検出信号をキャンセルするように制御することをその要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明においては、使用者が個室へ入る際、出入り口通過検出手段により人物の出入り口の通過が検出される。出入り口通過検出手段により人物の出入り口の通過が検出され、人物検出手段により人物の存在が検出され、それらの検出信号が制御手段に入力されると、再度出入り口通過検出手段により通過が検出されるまで、個室外部に個室の使用中の旨が報知される。すなわち、使用者が一旦出入り口から個室へ入室し、一度でも人物検出手段が作動したならば、次に出入り口を通過するまでの間、人物検出手段による人物の存在が検出されなくとも報知手段が個室の使用中の旨を個室外部に報知することとなる。
一方、出入り口通過検出手段により入室している状態から外方向への出入り口の通過が検出される際には、その検出信号が制御手段に入力されると所定の第1の時間が経過するまでは前記人物検出手段から入力される検出信号はキャンセルされる。
従って、使用者が個室から出る際に出入り口通過検出手段によりにより出入り口を通過したことが検出されるが、本発明ではその通過が検出された後に実際には室内に人物がいないにも関わらず人物検出手段から検出信号が出力されるようなことはなく、制御手段が誤って報知手段を報知状態としてしまうことがない。ここに「所定の第1の時間」とは上記請求項1の発明と同義である。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の発明の作用に加え、前記所定の第1の時間が経過した後に、所定の第2の時間が経過しても人物検出手段からの検出信号の入力がない場合には、所定の第2の時間が経過した後に制御手段は出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段からの検出信号をキャンセルすることとなる。これによって、個室内にネズミのような小動物が誤って侵入した場合に、それを人と間違えて検出する誤動作の可能性を極力減らすことができる。ここに「所定の第2の時間」とは上記請求項1の発明と同義である。
【発明の効果】
【0009】
上記発明によれば、個室を使用する人がドアをロックするのを忘れた場合等や、個室内の人物の存在が検出されない場合においても、確実に個室の使用状況を判別して、個室外部に個室使用状況を報知することができることとなる。そして、個室を使用した後に使用者が急いで外へ出たり、あるいは外と室内との温度差があってドアの開放に伴って室内と温度差のある空気団が侵入したとしてもこれらが原因でドアを閉鎖した後に人物検出手段が誤って室内に人物が居ると判断することがなく、人が個室内にいないにも関わらず報知状態が継続されてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる実施例1におけるトイレの模式的な斜視図。
【図2】実施例1の電気的構成を示すブロック図。
【図3】実施例1の作用を説明するためのフローチャート図。
【図4】実施例1の作用を説明するためのフローチャート図。
【図5】本発明にかかる実施例2におけるトイレの模式的な斜視図。
【図6】実施例2の電気的構成を示すブロック図。
【図7】本発明にかかる実施例3におけるトイレの模式的な斜視図。
【図8】実施例3の電気的構成を示すブロック図。
【図9】実施例3の作用を説明するためのフローチャート図。
【図10】他の実施例を説明するための回路図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
図1に示すように、個室としてのトイレ11の正面には出入り口12が設けられている。出入り口12はドア13によって開閉される。前記ドア13の側面と対向する出入り口12の部位には、ドア13の開閉状態を検出するドア開閉検出手段としてのドアスイッチ14が装着されている。尚、本実施例では図示はしないがトイレ11内からドア13の開放を遮断する施錠機構が設けられている。トイレ11内のほぼ中央部には便器15が設置されている。出入り口12と対向するトイレ11内の壁面には人物検出手段としての人体検知センサ16が装着されている。トイレ11内の天井中央部には室内灯17が設置されている。また、トイレ11内の天井には後述する送信機MA等を収容した送信機側ケーシング21が設置されている。トイレ11の外部における出入り口12の上方には受信機側ケーシング31が設けられている。同受信機側ケーシング31の前面には半透明樹脂からなる表示パネル32が装着されている。同パネル32には「使用中」の文字が印刷されている。また、受信機側ケーシング31内には表示ランプ33が収容されている。
【0012】
図2は本実施例の電気的構成を説明するブロック図である。同ブロック図に示すように、前記送信機側ケーシング21には中央処理装置(CPU)やメモリ、タイマ等を有する制御手段としての送信機側コントローラCAが内蔵され、同コントローラCAには前記ドアスイッチ14、人体検知センサ16及び送信機MAが接続されている。前記ドアスイッチ14はリミットスイッチ(リミットスイッチに代えて近接スイッチや圧力スイッチ等より構成してもよい)から構成され、ドア13を開放した際にはオフとなり、ドア13が閉鎖された際には、オンとなって送信機側コントローラCAにオン信号を出力する。オン信号を送っていない状態をもってオフ信号出力状態とする。
また、人体検知センサ16は赤外線センサ(赤外線センサに代えて超音波センサやサーモセンサ等で構成してもよい)より構成され、トイレ11内に使用者が入室すると、その使用者を検知して送信機側コントローラCAにオン信号を出力する。
送信機側コントローラCAはドアスイッチ14と人体検知センサ16との両者からオン信号を入力すると、送信機MAを駆動させて入室信号を後述する受信機MBへ送信するようになっている。また、送信機側コントローラCAは送信機MAから入室信号を送信した後、ドアスイッチ14からオフ信号が入力された場合(実際にはオン信号出力が途絶えた状態)には、送信機MAから出室信号を出力するようになっている。
また、口述するように送信機側コントローラCAはドアスイッチ14からのオン信号を入力した直後(あるいは同時)には人体検知センサ16からのオン信号の入力を1秒間フィルタ回路によってキャンセルするようになっている。更に、1秒経過後に人体検知センサ16からのオン信号の入力が1分以上ない場合には、ドアスイッチ14からのオフ信号を解除条件とし人体検知センサ16からのオン信号の入力がキャンセルされる。
【0013】
また、前記受信側ケーシング31には中央処理装置(CPU)やメモリを有する制御手段としての受信機側コントローラCBが内蔵され、同コントローラCBには表示ランプ33、外部出力端子34、受信機M2が接続されている。前記外部出力端子34には外部負荷としての室内灯17が接続されている。受信機MBは前記送信機MAから入室信号を受信した際、受信機側コントローラCBへ入室信号を出力する。受信機側コントローラCBは受信機MBからオン信号を入力すると、表示ランプ33を点灯させるとともに、外部出力端子34を通電させ、室内灯17を点灯させるようになっている。
【0014】
次に、本実施例における作用を図3及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
図3は送信機側コントローラCAの入出室に関する処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは本実施例では2msごとに実行されるものとする。
ステップ(以下、S)101において、送信機側コントローラCAはドアスイッチ14からのオン信号入力を待機する。そして、S101でドアスイッチ14からのオン信号の入力があった、つまりドア13が閉じられた場合には、S102へ移行して、信号の入力から1秒が経過したかどうかを判断する。
ここで、1秒が経過していない場合にはS103において人体検知センサ16からのオン信号入力があったかどうかを判断する。S103においてオン信号入力があればS104でこれをキャンセルしてS102に移行し、一方、オン信号入力がなければ処理はそのままS102に移行する。
このS102〜S104の処理によってトイレ11で用を足してドア13を開けて出て行った場合に急いでトイレ11を出たことによって人体検知センサ16からのオン信号入力がドアスイッチ14からのオン信号入力よりも遅れた場合や、トイレ11内に温度の大きく異なる空気団が侵入した場合にこれを人の動きと間違えて人体検知センサ16がオン信号を出力してしまう場合等の誤動作が防止されることとなる。
【0015】
一方、S102でオン信号の入力があってから1秒が経過したと判断した場合には、S105において人体検知センサ16からのオン信号入力を待機する。S105において人体検知センサ16からオン信号を入力したと判断した場合には、処理はS106へ移行し、送信機MAを駆動させて入室信号を送信する。そしてS107でドアスイッチ14からのオフ信号入力(オン信号入力が途絶えたこと。(ドア13の開放))を待機する。
ここに、S105でオン信号が入力された状態はトイレ11で用を足すために使用者の入室があり、室内で動いている状態が検出されたことを意味する。
これに対してS105でオン信号が入力されていないと判断した場合には、処理は一旦S108へ移行しドアスイッチ14からのオン信号の入力があってから1分が経過したかどうかを判断する。経過していない場合にはS105でオン信号入力を待機する。
S108で1分が経過したと判断した場合、つまりドア13が閉じられてから1分経過しても室内での使用者の動きがない場合には、これは出室の際のドア13の閉鎖(あるいはトイレ11を使用せず単に開け閉めしただけ)であるとして処理はS109に移行し、人体検知センサ16からのオン信号入力をキャンセルするとともに、S110でフラグFを「1」に設定する。次いで、処理はS107へ移行しドアスイッチ14からのオフ信号入力(オン信号入力が途絶えたこと)を待機する。
このS105、S108〜S110、S107の迂回した処理は、ドア13が閉じられた後で1分も室内で動いていなければ使用者の入室ではなく出室であると判断したものであり、そのためにむしろ室内に小動物が侵入したり隙間風が入ったりして人体検知センサ16が誤動作するのを防止する必要から行う処理である。つまり、S105〜S107は使用者の入室があった場合の処理であり、S105、S108〜S110、S107は使用者の入室がなかった(あるいは出て行った)場合の処理である。
【0016】
S107でオフ信号を入力(オン信号入力が途絶えたこと)した場合、つまりドア13が開放された場合には、S111に移行して、フラグFが「1」かどうかを判断し、1であると判断した場合にはS112においてS109の人体検知センサ16のオン信号入力のキャンセルを解除する。同時にフラグFを「0」に設定する。そして、S113で送信機MAから出室信号を送信する。一方、S111 でフラグFが「1」でない場合には直ちにS113に移行する。
【0017】
次に、図4に基づいて受信機側コントローラCBの処理ルーチンについて説明する。受信機側コントローラCBはステップ201において前記送信機MAからの入室信号の受信を待機し、同ステップにおいて入室信号を受信するとステップ202へ移行して表示ランプ33を点灯させるとともに、外部出力端子34を通電させる。続くステップ203においては送信機MAからの出室信号の入力を待機し、同ステップにおいて出室信号を受信した場合にはステップ204へ移行する。そして、ステップ204において、表示ランプ33を消灯させるとともに、外部出力端子34への通電を停止する。
以上のようにして、各コントローラCA,CBの制御が行われる。
続いて、本実施例における具体的な動作について説明する。
まず、トイレ11の非使用時(待機状態)においては、ドア13は閉じられており、ドアスイッチ14はON状態に保持されている。このとき、トイレ11内には使用者がいないことから、人体検知センサ16はOFF状態に保持されている。従って、この状態では送信機MAからは入室信号は送信されないので、表示ランプ33は消灯状態に保持され、トイレ11の室外の表示パネル32も暗い状態に保持される。トイレ11室外にいる人たちは現在の表示パネル11の状況(表示パネル11が暗い状態)を見て、現在トイレ11が使われていないことを判断する。
【0018】
トイレ11を使用する際において、ドア13が開けられ、使用者がトイレ11内に入室してドア13を閉じるとドアスイッチ14はOFF状態からON状態となる。また、人物検知センサ16により使用者の存在が検出されると、送信機MAから受信機MBへ入室信号が送信される。受信機MBが入室信号を受信すると、表示ランプ33が点灯されるとともに、室内灯17が点灯される。表示ランプ33が点灯されることにより表示パネル32に描かれた「使用中」の文字が明るく表示され、トイレ11の室外にいる人たちに現在トイレ11が使用中であることが報知される。また、トイレ11の使用者はトイレ11への入室と同時に室内灯17が自動点灯されるので、トイレ11入室時における室内灯17の電源の投入忘れを防止することができる。
トイレ11の使用中において使用者が長時間静止状態(大便時等において長時間動きが無かったとき等)となった場合、人体検知センサ16により使用者の存在が検知されないことがある。しかし、送信機側コントローラCAは一旦入室信号を送信してからドアスイッチ14がOFF(ドア13が開放)されるまでの間に、人体検知センサ16による使用者の存在が検知されない場合においても、送信機MAから出室信号は送信しないので表示ランプ33及び室内灯17は点灯したままの状態に保持される。使用者がトイレ11の使用を終えてドア13を開けると、送信機MAから出室信号が送信されて表示ランプ33及び室内灯17が消灯される。これにより、トイレ11室外にいる人たちは現在の表示パネル11の状況(表示パネル11が暗い状態)を見て、現在トイレ11が使われていないことを判断する。
【0019】
一方、トイレ11の使用を終わった使用者はドア13を開けて外に出るが、このとき使用者が非常に急いで飛び出したり、あるいはドア13の開放に伴って外気がトイレ11内に侵入することがある。すると、使用者が外に出てドア13が閉まった後から閉まる前のトイレ11内の使用者の動きに基づく人体検知センサ16からのオン信号が送信機側コントローラCAに入力されたり、ドア13が閉まってからであっても外気の温度差のある空気団を人の動きと誤認識してオン信号が送信機側コントローラCAに入力される可能性がある。しかし、上記のようにドア13が閉まってから1秒間は人体検知センサ16からのオン信号がキャンセルされるため、使用者がすでに外に出てドア13が閉まっているにも関わらずその後に人体検知センサ16からのオン信号が送信機側コントローラCAに入力されるという不具合が生じることはなく、誤って送信機MAから入室信号が送信されて表示ランプ33及び室内灯17が点灯されてしまうことがない。
【0020】
上記のように構成することにより本実施例では次のような効果が奏される。
(1)トイレ11のドア13が閉じられた状態で、使用者(人物)の存在が一旦検知された場合には、使用者が長時間静止状態となって人物検知センサ16による使用者の存在が検知されない状態となっても、表示ランプ33の点灯が保持されるようにした。これにより、従来とは異なり、使用者がドア13の施錠をしなかった場合や使用者が長時間静止した状態でも確実にトイレ11室外への人たちへ、トイレ11の使用中の旨を報知することができる。
(2)従来ではトイレ11の使用を終わった使用者が非常に急いで飛び出したり、あるいはドア13の開放に伴って外気がトイレ11内に侵入することがあり、これが原因で使用していないにも関わらず送信機MAから入室信号が送信されて表示ランプ33及び室内灯17が点灯されてしまう可能性があったが、本実施例ではドア13が閉まってから1秒間(ここでは1秒間であるがトイレ11の大きさやその他の条件で任意に設定が可能である)は人体検知センサ16からのオン信号があったとしてもすべてキャンセルされるため、使用者がすでに外に出てドア13が閉まっているにも関わらずその後に人体検知センサ16からのオン信号が送信機側コントローラCAに入力されるという不具合が生じることはなく、誤って送信機MAから入室信号が送信されて表示ランプ33及び室内灯17が点灯されてしまうことがない。
(3)ドア13が閉まってから1分経過しても(ここでは1分間であるが任意に設定が可能である)人体検知センサ16からのオン信号がない場合には人体検知センサ16からのオン信号があったとしてもすべてキャンセルされるため、人が室内にいないにも関わらずなんらかの原因(小動物、隙間風)で入室状態になってしまうことがない。
【0021】
(実施例2)
本発明を例えば病院等のトイレ使用状況報知システムに具体化した実施例2を説明する。尚、図示において実施例1と共通する構成要素については共通する符号としてそれらの詳しい説明は省略する。
図5(a)及び(b)に示すように、個室としてのトイレ11と離れた場所(例えばナースセンター)にはトイレ使用状況を把握するためのパネル50が配設されている。パネル50には1番から5番までのトイレの使用状況がわかる上下2つのランプが配設されている。上側は入室ランプ51とされ、下側は30分経過ランプ52とされている。パネル50上部には受信機側ケーシング53が取付固定されている。トイレ11内には延長スイッチユニット54が配設されている。延長スイッチユニット54には延長スイッチ55が配設されている。延長スイッチ55内にはランプ56が内蔵されている。延長スイッチ55にはスピーカ57が併設されている。
【0022】
図6は本実施例2の電気的構成を説明するブロック図である。同ブロック図に示すように、本実施例2では外部出力端子34は送信機側ケーシング21に設けられ、送信機側コントローラCAに接続され、室内灯17は送信機側ケーシング21において外部出力端子34に接続されている。更に延長スイッチ55,ランプ56及びスピーカ57も送信機側コントローラCAに接続されている。
また、受信機側ケーシング53には、上記実施例1と同様に受信機MB、受信機側コントローラCBが内蔵されている。受信機側コントローラCBには入室(表示)ランプ51及び30分経過ランプ52が接続されている。
送信機側コントローラCAは内蔵されたタイマによって30分を計測し、30分経過するとその旨の出力信号(30分経過信号)を送信機MAから受信機側コントローラCBに送信させる。受信機MBは送信機MAから30分経過信号を受信した際、受信機側コントローラCBへ30分経過信号を出力する。受信機側コントローラCBは30分経過信号に基づいて当該トイレの30分経過ランプ52を点灯させる。尚、送信機側コントローラCAの設定を変更することで30分以外の時間で経過信号を出力することも可能である。
30分の計測開始タイミングは基本的には送信機側コントローラCAの入室信号の出力と同時であるが、延長スイッチ55が押下されることによる入力信号に基づいてタイマのカウントが一旦クリアされ、押下時が新たな30分の計測開始タイミングとされる。尚、本実施例2では延長スイッチ55の2回目以降の押下は無効とされている(つまり、一回だけ延長可能である)。
また、送信機側コントローラCAは29分経過段階でランプ56を点滅させるとともにスピーカ57から「まもなく入室から30分経過します。このまま使用されるなら点滅するボタンを押して下さい。ボタンを押されないとナースセンターに長時間使用されている旨の連絡がされます」とのアナウンスをさせる。
【0023】
本実施例2も上記図3及び図4に示すフローチャートのルーチンに従う。本実施例2では送信機MAから入室信号が送信されると同時に、外部出力端子の通電が行われ、トイレ11内の室内灯17が点灯される。また、送信機側コントローラCBにより入室ランプ51が点灯される。そして、送信機MAから出室信号が送信されると同時に送信機側コントローラCAにより室内灯17が消灯されるとともに、受信機側コントローラCBにより表示ランプ47が消灯される。また、入室から30分経過した場合には基本的に離れた場所にあるパネル50の30分経過ランプ52が点灯される。但し、30分経過前に延長スイッチ55が押下された場合にはその押下の時から30分がカウントされる。
このように、本実施例によれば、トイレ11からナースセンターにおいて各トイレ11の使用状況が報知され使用の有無が確認できる、同時に、あまりに長すぎる使用時間については30分経過ランプ52を点灯させることで個室内におけるトラブルを未然に防止でき、実際にトラブルが生じた場合でも迅速に救済することが可能となる。また、ナースセンターに長時間のトイレ使用の連絡が入る直前に音声と光を目視することによって延長スイッチ55を押下させることを促すようになっているのでトイレ使用者が長時間使用していることを自覚している場合にはナースセンターに長時間使用している旨の連絡が入ることがないので気兼ねなくトイレを使用することができる。
【0024】
(実施例3)
実施例1におけるドアスイッチの代わりに出入り口通過検出手段としての光電センサ71を使用した別例を実施例3として説明する。尚、図示において実施例1と共通する構成要素については共通する符号としてそれらの詳しい説明は省略する。図4は実施例1と共通である。
図7に示すように、光電センサ71はトイレ11の出入り口12に面してドアのノブの高さ付近に配置された投光部71aと受光部71bとから構成されている。光電センサ71は出入り口12を人物が通過する際に投光部71aから投光される赤外線を一旦遮蔽するとともにその遮蔽がなくなり再び受光部71bにおいて受光状態となるON〜OFF状態の状態変化に基づいて通過を検出する。図8は本実施例の電気的構成を説明するブロック図である。実施例1と異なるのは送信側コントローラCAに接続されているのがドアスイッチ14ではなく光電センサ71である点である。
【0025】
次に、本実施例における作用を図9及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
図9は送信機側コントローラCAの入出室に関する処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは本実施例では2msごとに実行されるものとする。
ステップ(以下、S)301において、送信機側コントローラCAは光電センサ71の赤外線のON・OFFの検出、つまり人物の出入り口12の通過を待機する。そして、S301で光電センサ71からのオン信号の入力があった、つまり出入り口12の通過があった場合には、S302へ移行して、信号の入力から1秒が経過したかどうかを判断する。
ここで、1秒が経過していない場合にはS303において人体検知センサ16からのオン信号入力があったかどうかを判断する。S303においてオン信号入力があればS304でこれをキャンセルしてS302に移行し、一方、オン信号入力がなければ処理はそのままS302に移行する。
このS302〜S304の処理によってトイレ11で用を足してドア13を開けて出て行った場合に急いでトイレ11を出たことによって人体検知センサ16からのオン信号入力が光電センサ71からのオン信号入力よりも遅れた場合や、トイレ11内に温度の大きく異なる空気団が侵入した場合にこれを人の動きと間違えて人体検知センサ16がオン信号を出力してしまう場合等の誤動作が防止されることとなる。
【0026】
一方、S302でオン信号の入力があってから1秒が経過したと判断した場合には、S305において人体検知センサ16からのオン信号入力を待機する。S305において人体検知センサ16からオン信号を入力したと判断した場合には、処理はS306へ移行し、送信機MAを駆動させて入室信号を送信する。そしてS307で次の光電センサ71の赤外線のON・OFFの検出(出入り口12の通過)を待機する。
ここに、S305でオン信号が入力された状態はトイレ11で用を足すために使用者の入室があり、室内で動いている状態が検出されたことを意味する。
これに対してS305でオン信号が入力されていないと判断した場合には、処理は一旦S308へ移行しドアスイッチ14からのオン信号の入力があってから1分が経過したかどうかを判断する。経過していない場合にはS305でオン信号入力を待機する。
S308で1分が経過したと判断した場合、つまり出入り口12の通過があったにも関わらず1分経過しても室内での使用者の動きがない場合には、これは出室(あるいは単に出入り口12を行き来しただけ)であるとして処理はS309に移行し、人体検知センサ16からのオン信号入力をキャンセルするとともに、S310でフラグFを「1」に設定する。次いで、処理はS307へ移行し光電センサ71の赤外線のON・OFFの検出(出入り口12の通過)を待機する。
このS305、S308〜S310、S307の迂回した処理は、出入り口を通過してその後1分も室内で動いていなければ使用者の入室ではなく出室であると判断したものであり、そのためにむしろ室内に小動物が侵入したり隙間風が入ったりして人体検知センサ16が誤動作するのを防止する必要から行う処理である。つまり、S305〜S307は使用者の入室があった場合の処理であり、S305、S308〜S310、S307は使用者の入室がなかった(あるいは出て行った)場合の処理である。
【0027】
S307で赤外線のON・OFFの検出した場合、つまり出入り口12の通過があった場合には、S311に移行して、フラグFが「1」かどうかを判断し、1であると判断した場合にはS312においてS309の人体検知センサ16のオン信号入力のキャンセルを解除する。同時にフラグFを「0」に設定する。そして、S313で送信機MAから出室信号を送信する。一方、S311 でフラグFが「1」でない場合には直ちにS313に移行する。
【0028】
次に、図4に基づいて受信機側コントローラCBの処理ルーチンについて説明する。受信機側コントローラCBはステップ201において前記送信機MAからの入室信号の受信を待機し、同ステップにおいて入室信号を受信するとステップ202へ移行して表示ランプ33を点灯させるとともに、外部出力端子34を通電させる。続くステップ203においては送信機MAからの出室信号の入力を待機し、同ステップにおいて出室信号を受信した場合にはステップ204へ移行する。そして、ステップ204において、表示ランプ33を消灯させるとともに、外部出力端子34への通電を停止する。
以上のようにして、各コントローラCA,CBの制御が行われる。
続いて、本実施例における具体的な動作について説明する。
まず、トイレ11の非使用時(待機状態)においては、ドア13は閉じられており、光電センサ71はOFF状態に保持されている。このとき、トイレ11内には使用者がいないことから、人体検知センサ16はOFF状態に保持されている。従って、この状態では送信機MAからは入室信号は送信されないので、表示ランプ33は消灯状態に保持され、トイレ11の室外の表示パネル32も暗い状態に保持される。トイレ11室外にいる人たちは現在の表示パネル11の状況(表示パネル11が暗い状態)を見て、現在トイレ11が使われていないことを判断する。
【0029】
トイレ11を使用する際において、ドア13が開けられ、出入り口12を通過して使用者がトイレ11内に入室すると光電センサ71がこの入室を検出する。また、人物検知センサ16により使用者の存在が検出されると、送信機MAから受信機MBへ入室信号が送信される。受信機MBが入室信号を受信すると、表示ランプ33が点灯されるとともに、室内灯17が点灯される。表示ランプ33が点灯されることにより表示パネル32に描かれた「使用中」の文字が明るく表示され、トイレ11の室外にいる人たちに現在トイレ11が使用中であることが報知される。また、トイレ11の使用者はトイレ11への入室と同時に室内灯17が自動点灯されるので、トイレ11入室時における室内灯17の電源の投入忘れを防止することができる。更に、ドア13の開閉とは無関係に出入り口12を通過することによって入室と出室が検出されるため、自宅のトイレ11であればドア13を必ずしも閉めずに用を足すということも可能となる。
使用者がトイレ11の使用を終えて再度出入り口12を通過して外に出ると、送信機MAから出室信号が送信されて表示ランプ33及び室内灯17が消灯される。これにより、トイレ11室外にいる人たちは現在の表示パネル11の状況(表示パネル11が暗い状態)を見て、現在トイレ11が使われていないことを判断する。
【0030】
一方、トイレ11の使用を終わった使用者はドア13を開けて外に出るが、このとき使用者が非常に急いで飛び出したり、あるいはドア13の開放に伴って外気がトイレ11内に侵入することがある。すると、使用者が外に出てドア13が閉まった後から閉まる前のトイレ11内の使用者の動きに基づく人体検知センサ16からのオン信号が送信機側コントローラCAに入力されたり、ドア13が閉まってからであっても外気の温度差のある空気団を人の動きと誤認識してオン信号が送信機側コントローラCAに入力される可能性がある。しかし、上記のようにドア13が閉まってから1秒間は人体検知センサ16からのオン信号がキャンセルされるため、使用者がすでに外に出てドア13が閉まっているにも関わらずその後に人体検知センサ16からのオン信号が送信機側コントローラCAに入力されるという不具合が生じることはなく、誤って送信機MAから入室信号が送信されて表示ランプ33及び室内灯17が点灯されてしまうことがない。
このような構成では、実施例1と同様の効果が奏される。
【0031】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記各実施例では、ドア開閉検出手段としてのドアスイッチ14及び人物検出手段としての人体検知センサ16からの検出信号は送信機MAから報知手段を構成する受信機MBへ無線により送信されるようにしたが、有線により各検出信号を報知手段へ出力するように構成してもよい。
・報知手段を構成する受信機側ケーシング31は表示ランプ33と一体的に配設されているが、別体として配置するようにしてもよい。
・複数の個室としてのトイレ11に具体化してもよい。
・個室としてトイレ11以外にシャワー室や試着室等の各種個室に具体化してもよい。 ・上記実施例では、各動作はプログラムを組んでコントローラCA,CB内でソフト的に処理させたが、論理回路で構成して具体化してもよい。すなわち、図10に示すように、AND回路75によりドア開閉検出手段としてのドアスイッチ14と、人物検知手段としての人体検知センサ16との信号を入力し、両信号がONのときに表示ランプ33が点灯するようにする。表示ランプ33は一旦点灯したらドアスイッチ14がOFFとなるまで点灯を継続する自己保持機能を備える。
・上記各実施例では、表示ランプ33(51)を点灯させ、個室としてのトイレ11の使用中の旨をトイレ11の外部の人たちが目視により確認できるように構成したが、トイレ11の使用中にアラーム音や音楽を発生させて、聴覚的にトイレ11の使用状況を報知するように構成してもよい。
・上記実施例2では、30分経過ランプ52を点灯させ、長時間使用していることをナースセンターで確認できるように構成したが、アラーム音や音楽を発生させて、聴覚的に報知するように構成してもよい。
・上記実施例2では30分で入室を30分経過ランプ52を点灯させて報知するようにしていたが、使用場所や使用者の傾向等の条件に応じてこの報知時間を適宜変更するようにしてもよい。
・上記実施例2では、延長スイッチ55の2回目以降の押下は無効とする設定であったが、再延長可能に設定することも自由である。
・上記実施例2では、トイレ内に延長スイッチユニット54(延長スイッチ55、ランプ56、スピーカ57)を配設したが、長時間使用の際の外部への報知までの時間の延長をさせないように延長スイッチ自体を配設しないような構成でも構わない。
・上記実施例では、外部負荷としてトイレ11内の照明である室内灯17で具体化したが、外部負荷として換気扇や音響機器で具体化してもよい。
・外部出力端子34を設けずに具体化してもよい。
・実施例1及び2を喫茶店、スナック、カラオケボックス等のトイレに応用することも自由である。
・ドアスイッチ14と光電センサ71の両方を備えるような構成であってもよい。
・出入り口通過検出手段として光電センサ以外を使用することも可能である。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【0032】
本発明の目的を達成するために上記実施例から把握できるその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1) 請求項1又は2に記載の発明において、前記人物検出手段により個室内の人物の存在が検出された後、所定時間内に前記ドア開閉検出手段によりドアの開放状態が検出されない場合にその旨を個室外部に報知する第2の報知手段を備えていることを特徴とする個室使用状況報知システム。
(2)付記1において、前記個室内には前記第2の報知手段により入室から所定時間経過したことを個室外部に報知する際の当該所定時間を延長させるために個室使用者が入力する時間延長スイッチが設けられていることを特徴とする個室使用状況報知システム。
(3)付記2において、前記個室内には前記第2の報知手段により入室から所定時間経過したことを個室外部に報知する直前に前記時間延長スイッチの入力を促がす第3の報知手段を備えていることを特徴とする個室使用状況報知システム。
(4)請求項1及び2並びに付記1〜3のいずれかの発明において、前記ドア開閉検出手段及び前記人物検出手段からの出力信号は、無線により報知手段に送信され、報知手段は前記両検出手段から受信した受信信号に基づいて個室の使用状況を報知することを特徴とする個室使用状況報知システム。
(5) 請求項3又は4に記載の発明において、前記人物検出手段により個室内の人物の存在が検出された後、所定時間内に前記出入り口通過検出手段により出入り口の通過が検出されない場合にその旨を個室外部に報知する第2の報知手段を備えていることを特徴とする個室使用状況報知システム。
(6)付記5において、前記個室内には前記第2の報知手段により入室から所定時間経過したことを個室外部に報知する際の当該所定時間を延長させるために個室使用者が入力する時間延長スイッチが設けられていることを特徴とする個室使用状況報知システム。
(7)請求項1〜4並びに付記1〜3のいずれかの発明において、前記報知手段には、同報知手段と連動して駆動する外部負荷を接続することが可能な外部出力端子を設けたことを特徴とする個室使用状況報知システム。外部負荷としては室内灯17が相当し、外部負荷電源34としては外部出力端子に相当する。
【符号の説明】
【0033】
11…個室としてのトイレ、12…出入り口、13…ドア、14…ドア開閉検出手段としてのドアスイッチ、16…人物検出手段としての人体検知センサ、31,53…報知手段を構成する受信機側ケーシング、32…報知手段を構成する表示パネル、33、51…報知手段を構成する表示ランプ、71…出入り口通過検出手段としての光電センサ、CB…制御手段を構成する受信機側コントローラ、MB…制御手段を構成する受信機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人間が共同で使用する個室の使用状況を、個室外部に報知する個室使用状況報知システムであって、
前記個室外部に設けられた報知手段と、
前記個室の出入り口を開閉するドアの開閉状態を検出するドア開閉検出手段と、
前記個室内に人物が存在することを検出する人物検出手段と、
前記ドア開閉検出手段及び前記人物検出手段からの検出信号の入力に基づき、前記報知手段に個室の使用状況を報知させる制御手段とを備え、
前記ドア開閉検出手段からのドアが閉鎖状態となった旨の検出信号が入力された後に前記人物検出手段による個室内で人物の存在を検出した旨の検出信号が入力された場合には、前記制御手段は前記ドア開閉検出手段からのドアの開放状態となった旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段による人物の存在の検出が行われなくとも前記報知手段に個室外部に個室が使用されている旨の報知をさせるように制御する個室使用状況報知システムにおいて、
前記制御手段は前記ドア開閉検出手段からのドアが閉鎖状態となった旨の検出信号が入力された後、所定の第1の時間が経過するまで前記人物検出手段から入力される検出信号をキャンセルするように制御することを特徴とする個室使用状況報知システム。
【請求項2】
前記所定の第1の時間が経過した後に、所定の第2の時間が経過しても前記人物検出手段からの検出信号の入力がない場合には、前記所定の第2の時間が経過した後に前記制御手段は前記ドア開閉検出手段からのドアが開放状態となった旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段からの検出信号をキャンセルするように制御することを特徴とする請求項1に記載の個室使用状況報知システム。
【請求項3】
複数の人間が共同で使用する個室の使用状況を、個室外部に報知する個室使用状況報知システムであって、
前記個室外部に設けられた報知手段と、
前記個室の出入り口に配設され人間の前記出入り口の通過を検出する出入り口通過検出手段と、
前記個室内に人物が存在することを検出する人物検出手段と、
前記出入り口通過検出手段及び前記人物検出手段からの検出信号の入力に基づき、前記報知手段に個室の使用状況を報知させる制御手段とを備え、
前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力された後に前記人物検出手段による個室内で人物の存在を検出した旨の検出信号が入力された場合には、前記制御手段は次に前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段による人物の存在の検出が行われなくとも前記報知手段に個室外部に個室が使用されている旨の報知をさせるように制御する個室使用状況報知システムにおいて、
前記制御手段は前記前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力された後、所定の第1の時間が経過するまで前記人物検出手段から入力される検出信号をキャンセルするように制御することを特徴とする個室使用状況報知システム。
【請求項4】
前記所定の第1の時間が経過した後に、所定の第2の時間が経過しても前記人物検出手段からの検出信号の入力がない場合には、前記所定の第2の時間が経過した後に前記制御手段は前記出入り口通過検出手段からの出入り口を通過した旨の検出信号が入力されるまで前記人物検出手段からの検出信号をキャンセルするように制御することを特徴とする請求項3に記載の個室使用状況報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−100441(P2011−100441A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209021(P2010−209021)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(503283906)
【Fターム(参考)】