説明

倒立用エアゾール製品

【課題】正立状態のときには操作ができず、倒立状態にすると自動的に操作可能になるトリガー式の噴射部材を備えた倒立用エアゾール製品を提供する
【解決手段】倒立状態で使用されるエアゾール容器11と、そのエアゾールバルブに連結されるトリガー型の噴射部材12と、その噴射部材12をエアゾール容器11が正立状態でロックし、エアゾール容器11が倒立状態でアンロックするロック部材13とを備えた倒立用エアゾール製品10。ロック部材13は、エアゾール容器11の上端と噴射部材12の間の空間で揺動し、ロック状態とアンロック状態とを呈する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倒立用エアゾール製品に関する。詳しくは、正立状態では使用することができず、倒立にすることで自動的に使用可能になる倒立用エアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール製品は、エアゾール容器と、その内部に充填される原液および噴射剤からなる内容物とを備えており、噴射剤が液化ガスである場合は、エアゾール容器内において内容物は、原液と液化ガスの液体を含む液相と、液化ガスの気体からなる気相とに分かれている。そして、エアゾール容器のエアゾールバルブを開放することにより噴射剤が押出すようにして、原液と液化ガスの液体を外部に噴射させる。この際、エアゾール製品は、エアゾール容器内の液相を選択的に吸い上げる必要があり、一般的には、エアゾール容器のエアゾールバルブにディップチューブが取り付けられる。
しかし、このようにディップチューブを備えたエアゾール製品は、エアゾール容器を正立状態にして噴射させるものであり、倒立状態で噴射させると気相の噴射剤のみが噴射されてしまう。
また、エアゾール容器を倒立状態にして噴射させるエアゾール製品も知られている。このようなエアゾール容器には、エアゾールバルブにディップチューブが設けられておらず、エアゾールバルブのハウジングにエアゾール容器を倒立状態にしたとき液相と連通する連通孔が形成されている。しかし、このエアゾール製品は、正立状態で噴射操作すると、ハウジングの連通孔から気相の噴射剤のみ導入され、噴射剤のみが噴射される。
【0003】
このように一般的なエアゾール製品は、正立状態または倒立状態の一方でしか使用することができず、使用者の誤使用による噴射剤の減少が問題となっている。
特許文献1には、エアゾール容器を正立状態にして噴射させるエアゾール製品であって、エアゾール容器を倒立状態にしたときに、エアゾール容器に取り付けられた押釦をロックし、操作できないように構成されたエアゾール製品が開示されている。
特許文献2には、エアゾール容器を倒立状態にして噴射させるエアゾール製品であって、エアゾール容器を正立状態にしたときに、エアゾール容器に取り付けられたノズル(噴射部材)をロックし、操作できないように構成されたエアゾール製品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭51−100313号公報
【特許文献2】特表2002−502344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、正立状態のときには操作ができず、倒立にすると自動的に操作可能になるトリガー式の噴射部材を備えた倒立用エアゾール製品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の倒立用エアゾール製品は、倒立状態で使用されるエアゾール容器と、
そのエアゾール容器のエアゾールバルブに取り付けられる噴射部材と、前記噴射部材の作動を妨げるロック状態および前記噴射部材の作動を許すアンロック状態との間で動くロック部材とを有しており、前記噴射部材は、下降することによってエアゾールバルブを開放する噴射部と、その噴射部の後方からエアゾール容器の側面と隙間を形成するように下方に延びるトリガー部とを備えており、前記トリガー部を前記隙間方向に操作することによ
り噴射部を下降させて噴射部材が作動する倒立噴射用のエアゾール製品であって、前記エアゾール容器が正立状態にあるとき、噴射部の下方への動きを妨げるようにロック部材が配置されてロック状態となり、前記エアゾール容器が倒立状態にあるとき、噴射部の下方への動きを許すようにロック部材が配置されてアンロック状態になることを特徴としている。
【0007】
このような倒立用エアゾール製品であって、前記ロック部材が、前記噴射部の下側に設けられており、軸部および係合部を有し、前記係合部が水平方向の軸周りに回動するものであり、前記ロック状態では、前記係合部が前記エアゾール容器の上部と噴射部の下部との間に配置され、前記アンロック状態では、前記係合部が前記ロック状態から回動し、前記エアゾール容器の上部と噴射部の下部との間に噴射部の下方への動きを許すような空間を形成するものが好ましい。
一方、前記ロック部材が、前記トリガー部に沿って上下動するものであり、前記ロック状態では、前記ロック部材が前記隙間を塞ぐように下側に配置され、前記アンロック状態では、前記ロック部材が前記隙間を開放するように上側に配置されるものであってもよい。このようなものであって、前記ロック部材がトリガー部の外周に取り付けられるリング状のものであり、前記トリガー部の下部が、ロック部材の抜け落ちを防止するストッパー部を備えているものが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の倒立用エアゾール製品は、ロック状態では、ロック部材がエアゾール容器の正立状態で噴射部の下方への動きを妨げるように配置され、アンロック状態では、ロック部材がエアゾール容器の倒立状態で噴射部の下方への動きを許すように配置されるため、正立状態においてエアゾール容器のトリガー部を操作することができず、誤使用による噴射剤の減少を防止することができる。
【0009】
本発明の倒立用エアゾール製品であって、ロック部材が、噴射部の下側に設けられており、軸部および係合部を有し、その係合部が水平方向の軸周りに回動するものであり、ロック状態では、係合部がエアゾール容器の上部と噴射部の下部との間に配置され、アンロック状態では、係合部がロック状態から回動し、エアゾール容器の上部と噴射部の下部との間に噴射部の下方への動きを許すような空間を形成する場合、エアゾール容器を正立状態から倒立状態に向きを変えるだけでロック状態からアンロック状態にスムースに移行するため、ロックを手動で解除する手間が不要であり、誤使用がない。
本発明の倒立用エアゾール製品であって、ロック部材が、トリガー部に沿って上下動するものであり、ロック状態では、ロック部材が隙間を塞ぐように下側に配置され、アンロック状態では、ロック部材が隙間を開放するように上側に配置される場合、エアゾール容器を正立状態から倒立状態に向きを変えるだけでロック状態とアンロック状態とをスムースに移行でき、かつ、ロック部材の位置を確認することができるため使用者がどの状態にあるか確認できる。また、前記ロック部材がトリガー部の外周に取り付けられるリング状のものであり、前記トリガー部の下部が、ロック部材の抜け落ちを防止するストッパー部を備えている場合、構成が簡易であり、製造しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のエアゾール製品の一実施形態を示す一部断面側面図である。
【図2】図2aは図1のエアゾール製品の一部を示す一部断面側面図であり、図2bはその平面図であり、図2cは図1のエアゾール製品の噴射部材の一部を示す側面断面図であり、図2d、eは図1のエアゾール製品のロック部材を示す側面図、正面図である。
【図3】図3aは図1のエアゾール製品のロック状態を示す一部断面側面図であり、図3bは図1のエアゾール製品のアンロック状態を示す一部断面側面図であり、図3cは図3bの操作状態を示す一部断面側面図である。
【図4】図4a、bはそれぞれ本発明のエアゾール製品の他の実施形態のロック状態およびアンロック状態を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1のエアゾール製品10は、倒立状態で使用されるエアゾール容器11と、そのエアゾールバルブに連結されるトリガー型の噴射部材12と、その噴射部材12をエアゾール容器11が正立状態でロックし、エアゾール容器11が倒立状態でアンロックするロック部材13とを備えている(図3a、b参照)。ロック部材13は、エアゾール容器11の上端と噴射部材12の間の空間で揺動し、噴射部材12をロック状態およびアンロック状態とする。
【0012】
エアゾール容器11は、耐圧容器15と、その耐圧容器15の開口部を閉じるエアゾールバルブ16とからなる。
耐圧容器15は、底部15aと、その周縁から上方に延びる下胴部15bと、その上端から縮径するように延びるテーパー部15cと、その上端から上方に延びる上胴部15dと、その上端から縮径するように延びる肩部15eと、その上端に形成されるビード部(図示せず)とからなる。この耐圧容器15は、金属スラグをインパクト成型するなどにより有底筒状にし、その上部を絞りしごき加工、ネッキング加工するとにより成形される。なお、耐圧容器は合成樹脂や耐圧ガラスなど、耐圧性を有する他の材質のものを用いてもよい。
エアゾールバルブ16は、ステム16aを下降させることにより、耐圧容器15と大気とを連通させるものである。エアゾールバルブのマウンティングカップ16bを耐圧容器15のビード部を覆わせて固着することにより耐圧容器15の開口部を閉じる。このエアゾールバルブ16は、倒立用のものであり、マウンティングカップ16bに保持されるハウジング16cが、倒立状態のときに内容物の液相と連通する連通孔を備えたものである。
【0013】
噴射部材12は、図2aに示すように、エアゾール容器11に装着されるカバー部材17と、エアゾール容器11のステム16aに連結されるノズル部材18と、カバー部材17に回動自在に連結され、かつ、ノズル部材18を覆うようにしてノズル部材18に連結される操作部材19とからなる。
【0014】
カバー部材17は、エアゾール容器11のマウンティングカップ16bに装着される筒状の装着部21と、装着部21の上に設けられる保護部22とからなる。
装着部21は、マウンティングカップ16bと係合する円筒状の部位であり、下端に半径方向内側に延びる係合突起21aが形成されており、上端に半径方向内側に延び、マウンティングカップ16bを覆うようにフランジ部21bが形成されている。
保護部22は、図2bに示すように、装着部21の後部を除き、装着部の周縁から上方に立ち上がる筒状の外壁部22aと、その内側に前後方向に平行に延びる2つの内壁部22bと、外壁部22aと内壁部22bの上端を覆う上面22cとからなる。内壁部22bの前方下部の内面には、内壁部22bに対して垂直に、かつ、内側に延びる(水平方向に延びる)軸心22dが設けられている(図2a参照)。つまり、保護部22は、図2bのようにエアゾール製品10の上方から見ると操作部材19の周縁を隙間を挟んで覆い、後部が開口したC字状となっている。そして、保護部22および操作部材19により、エアゾール容器11の上端が実質的に覆われる。
【0015】
ノズル部材18は、円筒状のノズル本体18aと、その上端に設けられる噴射チップ18bとからなる。
ノズル本体18aは、下端中央に設けられ、ステム16aと係合するステム係合部18cと、上端中央に設けられた開口部18dと、ステム係合部18cと開口部18dとを連通する連通路18eとからなる。また、ノズル本体18aの下部外周には、下方に向かって拡径する環状の段部18fが形成されている。
噴射チップ18bは、中心に噴射孔18gを有する。噴射チップ18bは、ノズル本体18aの開口部に連結され、内容物の通路を絞り内容物をミスト状に噴霧するためのものである。
【0016】
操作部材19は、略面状の天面部19aと、天面部の前部から下方に延びるヒンジ部19bと、天面部の後部から、エアゾール容器11の側面と隙間を形成するように下方に延びるトリガー部19cとからなる。
天面部19aは、若干上方に湾曲しており、中央には下方に延びる筒状のノズル係合部19dが形成されている。ノズル係合部19dにノズル本体18aの上部を挿入することにより、ノズル部材18と操作部材19とが連結される。このとき、ノズル係合部19dの下端がノズルの段部18fと当接する。これにより、操作部材19の下方への力は、ノズル部材18に伝動される。
また天面部19aの後部下面には、ロック部材13を回動自在に支持する軸受け部24が形成されている。軸受け部24は、図2cに示すように、天面部19aの後部下面から突出する支持部24aと、その下部に形成された水平方向に延びる軸受け孔24bとからなり、ロック部材13の軸を受け入れる切欠き部24cの幅が軸より若干小さくなっている。
【0017】
ヒンジ部19bは、平板状のものであり、下部には、前記軸心22dと係合する軸受け19eが形成されている。
トリガー部19cは、天面部19aの後端から後方、かつ、下方に、エアゾール容器11の側面と隙間S1を形成するように耐圧容器の上胴部15dに沿って延びる。また、トリガー部19cは、下方に向かうにつれて若干エアゾール容器11の側面から離れるように延びる。このトリガー部19cを隙間S1方向に押圧することにより、ヒンジ部19bの軸受け19eを中心に操作部材19は回動し、天面部19aおよびノズル部材18を下方に移動させることができる。
【0018】
ロック部材13は、図2d、eに示すように、円柱状の軸部13aと、その両端を挟む矩形状の挟持部13bと、その下端で両挟持部13bを連結する係合部13cとからなる。このロック部材13を軸受け部24に連結することにより、ロック部材13は水平方向の軸まわりに回動する。軸部13aは、挟持部13bの幅方向前側に偏心しても設けられており、その一部が若干挟持部13bの前方縁部から突出している(図2d参照)。また係合部13cも挟持部13bの前方縁部から突出している。そのため、軸部13aでロック部材13を支持したとき、図2aに示すように、ロック部材13は、挟持部13bの長さ方向の軸の下端が鉛直軸に対して若干前方向に傾く。
【0019】
このように構成されているため、図3aに示すように、エアゾール容器11の正立状態では、ロック部材13は、その長さ方向の軸と鉛直軸とが若干傾くように、かつ、その係合部13cの下端が装着部のフランジ部21bと実質的に当接するように支持される。つまり、ロック部材13が、フランジ部21bを介してエアゾール容器11の周縁上部と、天面部19aの軸受け部24の下部との間に配置される。そのため、操作部材19のトリガー部19cを隙間S1方向に押圧しても、ロック部材13が天面部19aの下方への移動をロックし、操作部材12は操作されない(ロック状態)。
一方、図3bに示すように、エアゾール容器11を倒立状態にすると、重力を受けロック部材13の係合部13cが前方側に自動的に回転し、ロック部材13は横になる。そのため、フランジ部21bと、天面部19aの軸受け部24との間に押圧空間Xが形成され
る。そのため、図3cのように、トリガー部19cを隙間S1方向(矢印方向)に押圧することにより、天面部19aは下側(図3cでは上側)へ移動し、それと伴いノズル部材18およびステム16aも下降(図3cでは上昇)し、エアゾールバルブ16が開放される。
【0020】
図4のエアゾール製品30は、エアゾール容器11と、そのエアゾールバルブ16に連結されるトリガー型の噴射部材31と、その噴射部材31をエアゾール容器11が正立状態でロックし、エアゾール容器11が倒立状態でアンロックするロック部材32とを備えている。ロック部材32は、噴射部材31のトリガー部に沿って移動し、噴射部材31をロック状態およびアンロック状態とする。エアゾール容器11は、図1のエアゾール容器11と実質的に同じものである。
【0021】
噴射部材31は、エアゾール容器11に装着されるカバー部材17と、エアゾール容器11のステム16aに連結されるノズル部材18と、カバー部材17に回動自在に連結され、かつ、ノズル部材18を覆うようにしてノズル部材18に連結される操作部材34とからなる。カバー部材17は、図1のカバー部材17と実質的に同じものであり、ノズル部材18は、その噴射チップ18bが操作部材34から突出している点を除いて図1のノズル部材18と実質的に同じものである。
操作部材34は、略平面状の天面部34aと、天面部の前部から下方に延びるヒンジ部19b、その天面部の後端から湾曲しながら下方に延びるトリガー部34bとからなる。天面部34aは、軸受け部24を備えていないことを除いて図1の天面部19aと実質的に同じものであり、ヒンジ部19bは、図1のヒンジ部19bと実質的に同じものである。
トリガー部34bは、その中央近辺に外周方向に突出したストッパー部36を備えている。ストッパー部36は、トリガー部34bの外周に係止される筒状のものである。しかし、トリガー部34bの中央近辺の太さを太くしてストッパー部を形成してもよい。他の構成は、図1のトリガー部19cと実質的に同じものである。
ロック部材32は、トリガー部34bの外周に取り付けられた筒体32aと、その筒体32aからエアゾール容器方向に突出した柱状の係止部32bとからなる。筒体32aは、トリガー部34bの上部とストッパー部36との間を上下動するように構成されている。
【0022】
このように構成されているため、図4aに示すように、エアゾール容器11の正立状態では、ロック部材32は、トリガー部34bの下側に移動し、ストッパー部36に支持される。そして、係止部32bの先端がエアゾール容器11あるいはカバー部材17の装着部21の側部と実質的に当接するように配置される。つまり、ロック部材32が、エアゾール容器11の側面あるいは装着部21の側面と、トリガー部34bとの間に配置される。そのため、トリガー部34bを隙間S1方向に押圧しても、ロック部材32により動かすことができず、噴射部材12は操作されない(ロック状態)。
一方、図4bに示すように、エアゾール容器11を倒立状態にすると、重力を受けたロック部材32がトリガー部34bの上側(図4bでは下側)に自動的に移動し、係合突起32bの先端がエアゾール容器11あるいは装着部21から離れる。そのため、トリガー部34bの隙間S1方向への押圧が可能となり、ノズル部材18およびステム16aを下側(図4bでは上側)へ移動させ、エアゾールバルブ16を開放することが可能となる。
【符号の説明】
【0023】
10 エアゾール製品
11 エアゾール容器
12 噴射部材
13 ロック部材
13a 軸部
13b 挟持部
13c 係合部
15 耐圧容器
15a 底部
15b 下胴部
15c テーパー部
15d 上胴部
15e 肩部
16 エアゾールバルブ
16a ステム
16b マウンティングカップ
16c ハウジング
17 カバー部材
18 ノズル部材
18a ノズル本体
18b 噴射チップ
18c ステム係合部
18d 開口部
18e 連通路
18f 段部
18g 噴射孔
19 操作部材
19a 天面部
19b ヒンジ部
19c トリガー部
19d ノズル係合部
19e 軸受け
21 装着部
21a 係合突起
21b フランジ部
22 保護部
22a 外壁部
22b 内壁部
22c 上面
22d 軸心
24 軸受け部
24a 支持部
24b 軸受け孔
24c 切欠き部
30 エアゾール製品
31 噴射部材
32 ロック部材
32a 筒体
32b 係止部
34 操作部材
34a 天面部
34b トリガー部
36 ストッパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倒立状態で使用されるエアゾール容器と、
そのエアゾール容器のエアゾールバルブに取り付けられる噴射部材と、
前記噴射部材の作動を妨げるロック状態および前記噴射部材の作動を許すアンロック状態との間で動くロック部材とを有しており、
前記噴射部材は、下降することによってエアゾールバルブを開放する噴射部と、その噴射部の後方からエアゾール容器の側面と隙間を形成するように下方に延びるトリガー部とを備えており、
前記トリガー部を前記隙間方向に操作することにより噴射部を下降させて噴射部材が作動する倒立噴射用のエアゾール製品であって、
前記エアゾール容器が正立状態にあるとき、噴射部の下方への動きを妨げるようにロック部材が配置されてロック状態となり、
前記エアゾール容器が倒立状態にあるとき、噴射部の下方への動きを許すようにロック部材が配置されてアンロック状態になる、
倒立用エアゾール製品。
【請求項2】
前記ロック部材が、前記噴射部の下側に設けられており、軸部および係合部を有し、前記係合部が水平方向の軸周りに回動するものであり、
前記ロック状態では、前記係合部が前記エアゾール容器の上部と噴射部の下部との間に配置され、
前記アンロック状態では、前記係合部が前記ロック状態から回動し、前記エアゾール容器の上部と噴射部の下部との間に噴射部の下方への動きを許すような空間を形成する、
請求項1記載の倒立用エアゾール製品。
【請求項3】
前記ロック部材が、前記トリガー部に沿って上下動するものであり、
前記ロック状態では、前記ロック部材が前記隙間を塞ぐように下側に配置され、
前記アンロック状態では、前記ロック部材が前記隙間を開放するように上側に配置される、
請求項1記載の倒立用エアゾール製品。
【請求項4】
前記ロック部材がトリガー部の外周に取り付けられるリング状のものであり、
前記トリガー部の下部が、ロック部材の抜け落ちを防止するストッパー部を備えている、請求項3記載の倒立用エアゾール製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−236114(P2012−236114A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104770(P2011−104770)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】