説明

値引きサービス処理システム

【課題】集客率を高めることができ、かつ、ブランドイメージを向上できる値引きサービス処理システムを提供する。
【解決手段】利用者は、広告表示部13を有したUSBメモリ1をその広告主の店舗に持参して提示することにより、店舗において料金の値引きサービスを受けることができる。これにより、利用者を店舗へ強力に誘引することができるので、店舗の集客率を向上できる。また、常に手元に置かれるUSBメモリ1の表面に広告が表示されることから、店舗のブランドイメージを着実に向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告によるブランドの強化と集客を兼ねた値引きサービス処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの通信速度が飛躍的に向上し、比較的解像度の高い動画などもインターネット経由でストレスなく視聴できるようになってきている。そのため、インターネットにおける情報の発信が、テレビジョン放送や新聞・雑誌等の紙媒体による広告の効果を凌駕しつつあり、より訴求力のある広告の提供方法について従来型の広告手法が再考を迫られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一過性の流行に乗った商品・サービスの広告と異なり、企業のブランドイメージを確立していくための手法については、インターネットにおける情報の発信だけでは不十分であることが多い。すなわち、需要者が実際に見て手で触れるものを通じた広告・宣伝活動も依然として必要とされている。
【0004】
ところで、需要者が常に身近に所持している物品として、近年爆発的に普及した携帯電話器やUSBメモリなどに代表される小型の携帯機器が挙げられる。携帯機器は、需要者の目に触れる機会が非常に多いにもかかわらず、これまで広告媒体としてはあまり注目されてこなかった。
【0005】
また、需要者を店舗へ誘引するために値引きサービスを提供する手法が従来より用いられているが、携帯機器の広告を利用して値引きサービスを提供することができれば、長期的なブランドイメージの向上を図りつつ、短期的な集客率を上げることが期待できる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯機器を広告媒体として利用することにより、集客率を高めることができ、かつ、ブランドイメージを向上できる値引きサービス処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る値引きサービス処理システムは、広告を表示する広告表示部を備えた携帯機器と、前記広告を提供する広告主の店舗に設置され、前記店舗において客に請求する金額を計算する場合に、前記客が提示する前記携帯機器の前記広告表示部に表示される前記広告に応じて前記請求金額を値引きする処理を行う支払精算装置とを有する。
【0008】
好適に、前記広告表示部は、少なくとも値引きの額、値引き対象の商品若しくはサービスの種類、及び、値引きを実施する期間の何れか1つに関する値引き情報を含んだ図形パターンを前記広告と一体に若しくは分離して表示し、前記支払精算装置は、前記広告表示部において表示される前記図形パターンから前記値引き情報を読み取る図形パターン読み取り部と、前記図形パターン読み取り部において読み取られた前記値引き情報に基づいて値引き額を算出する値引き額算出部と、定価の請求金額から前記値引き額算出部により算出された値引き額を引いた額を算出する請求金額算出部とを含む。
【0009】
好適に、前記広告表示部は、少なくとも値引きの額、値引き対象の商品若しくはサービスの種類、及び、値引きを実施する期間の何れか1つに関する値引き情報を無線通信により読み出し可能に記録したRFIDタグを含んでおり、前記支払精算装置は、前記広告表示部の前記RFIDタグから前記値引き情報を読み出すRFID読み出し部と、前記RFID読み出し部において読み出された前記値引き情報に基づいて値引き額を算出する値引き額算出部と、定価の請求金額から前記値引き額算出部により算出された値引き額を引いた額を算出する請求金額算出部とを含む。
【0010】
好適に、前記広告表示部は、無線通信により識別コードを読み出し可能に記録したRFIDタグを含んでおり、前記支払精算装置は、前記広告表示部の前記RFIDタグから前記識別コードを読み出すRFID読み出し部と、少なくとも値引きの額、値引き対象の商品若しくはサービスの種類、及び、値引きを実施する期間の何れか1つに関する値引き情報と前記識別コードとを関連付けて記憶する記憶部と、前記RFID読み出し部において前記識別コードを読み出した場合、前記読み出した識別コードに関連付けられた前記値引き情報を前記記憶部から取得する値引き情報取得部と、前記値引き情報取得部において取得された前記値引き情報に基づいて値引き額を算出する値引き額算出部と、定価の請求金額から前記値引き額算出部により算出された値引き額を引いた額を算出する請求金額算出部とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者が携帯する機器に広告を表示し、その広告を店舗で提示することにより利用者が値引きサービスを受けられるようにしたので、店舗の集客率を高めることができ、かつ、ブランドイメージを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る値引きサービス処理システムの構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るUSBメモリの一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る値引きサービス処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係る値引きサービス処理システムの構成例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るUSBメモリの一例を示す図である。
【図6】第3の実施形態に係る値引きサービス処理システムの構成例を示す図である。
【図7】値引き情報記憶部に格納される値引き情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】第3の実施形態に係る値引きサービス処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る値引きサービス処理システムの構成例を示す図である。また図2は、本実施形態に係る値引きサービス処理システムの利用者が持つUSBメモリ1の一例を示す図である。
本実施形態に係る値引きサービス処理システムは、広告が表示されたUSBメモリ1と、その広告を提供する広告主の店舗に設置された支払精算装置2を有する。
【0014】
本実施形態では、利用者が電器店等で購入するUSBメモリ1の表面に、店舗の広告が予め表示されている。利用者は、広告に表示された店舗へ行く際、このUSBメモリ1を店舗に持参する。そして利用者は、料金の支払いをするときに会計係の店員にUSBメモリ1を渡す。店員は、USBメモリ1に表示された広告を支払精算装置2に読み込ませる。すると、支払精算装置2は、この広告の表示に応じた値引き額を決定し、この値引き額を定価料金から引いた請求額を算出する。
【0015】
USBメモリ1は、本体11とキャップ12を有し、キャップ12で覆われた本体11の端部に図示しないUSB端子が設けられている。USBメモリ1の本体11の表面には、店舗の広告を表示する広告表示部13が設けられている。広告表示部13は、例えば表面に広告等が印刷されたシールであり、裏面に塗布された粘着物により本体11の表面に貼り付けられている。
【0016】
広告表示部13には、店舗の名前(図2の例では「洋風レストラン○○○」)とともに、例えばQRコードなどの2次元コード131が印刷されている。2次元コード131は、矩形状にまとめられたドットパターンによって情報を記録したものであり、本実施形態では値引き情報を記録する。
値引き情報には、料金から一律に引かれる値引き額や、商品・サービスの種別ごとに引かれる値引き額、値引き対象の商品・サービスの種類(種別)、値引きを実施する期間(値引きサービスの有効期間)などの情報が含まれる。
【0017】
支払精算装置2は、例えば図2に示すように、処理部21と、コード読み取り部22と、表示器23と、キーボード24と、プリンタ25と、記憶部26と、作業メモリ27を有する。
【0018】
コード読み取り部22は、USBメモリ1の広告表示部13に広告とともに表示された2次元コード131の画像を撮像して処理することにより、2次元コード131に含まれる値引き情報を読み取る。コード読み取り部22は、例えば読み取り対象物を照明する光源と、読み取り対象物を撮像する撮像装置と、撮像装置において撮像された画像を処理して2次元コード131をデータ(ビット列)に変換する信号処理回路を含む。
【0019】
表示器23は、処理部21から入力される表示信号に応じて数字や記号等を表示する。例えば表示器23は、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示デバイスと、表示デバイスに供給する画像信号の処理を行う回路を含む。
【0020】
キーボード24は、料金の計算のために数字や記号等のデータを入力する装置である。キーボード24は、キーボタンを備える機械式のキーボードでもよいし、表示器23の画面において指等の物体の接触を検出するタッチパネルセンサーを用いたキーボードでもよい。
【0021】
プリンタ25は、利用者から料金を受領した場合に渡すレシートを印刷するための装置であり、例えば小型の熱転写プリンタなどが用いられる。
【0022】
記憶部26は、処理部21及び周辺ハードウェア(22〜25)の初期化や制御を行うファームウェア(オペレーティング・システム)、デバイス・ドライバなどのプログラムを格納するとともに、各プログラムで利用されるデータなどを格納する。記憶部26には、例えばフラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリやハードディスクなどが用いられる。
【0023】
作業メモリ27は、処理部21のプロセッサがアクセスしてプログラムやデータを一時的に格納する比較的高速なメモリであり、例えばダイナミックRAMやスタティックRAMなどの半導体メモリを含む。
【0024】
処理部21は、支払精算装置2の全体的な動作を制御する。すなわち、コード読み取り部22における2次元の図形コードの読み取りや、表示器23における画面の表示、キーボード24における数字や記号等のデータの入力、プリンタ25におけるレシートの印刷等を、記憶部26や作業メモリ27に格納されるプログラムに基づいて制御する。例えば処理部21は、プログラムに基づいて処理を行うプロセッサ(CPU)や、周辺ハードウェア(22〜25)とデータをやり取りするためのバス、バス制御回路(バスブリッジ回路)、キャッシュメモリなどを含む。
【0025】
処理部21は、値引き処理に関する機能的なブロックとして、値引き額算出部211と請求金額算出部212を有する。
【0026】
値引き額算出部211は、コード読み取り部22において2次元コード131から読み取られた値引き情報に基づいて値引きの総額を算出する。
例えば、値引き額算出部211は、全商品(全サービス)一律の値引き額に関する情報が値引き情報に含まれている場合、その一律の値引き額を値引き総額に加算する。
また、値引き額算出部211は、値引き対象の商品(サービス)の種類とその値引き額に関する情報が値引き情報に含まれている場合、請求対象の商品(サービス)の中に値引き対象の商品が含まれるかどうかを判定し、値引き対象商品が含まれているならば、その商品(サービス)の個数に応じた値引き額を算出して値引き総額に加算する。
更に、値引き額算出部211は、値引き情報に含まれる値引きサービス期間の情報に基づいて、現在サービス期間内にあるか否かを判定し、サービス期間外である場合は、上記の計算に関わらず値引き総額をゼロとする。
【0027】
請求金額算出部212は、請求対象の商品(サービス)の定価を合計した定価の請求金額から、値引き額算出部211において算出した値引きの総額を減算することにより、値引き後の請求金額を算出する。
【0028】
ここで、上述した構成を有する本実施形態に係る値引きサービス処理システムの処理について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0029】
利用者が会計係の店員に支払の精算を求めると、店員は、利用者の注文伝票を参照しながら支払精算装置2のキーボード24に各商品(サービス)の科目と値段を入力する。商品のタグに値段や科目の情報が図形コードとして記録されている場合は、コード読み取り部22によって商品のタグから値段等の情報を読み取るようにしてもよい。支払精算装置2の処理部21は、入力された各商品(サービス)の定価を合計することにより、定価の請求金額を算出する(ステップST100)。
【0030】
ここで店員は、利用者が値引きサービスを受けるためのUSBメモリ1を持っているか確認する。利用者がUSBメモリ1を持っている場合、店員は、そのUSBメモリ1の広告表示部13に表示(印刷)された2次元コード131にコード読み取り部22の撮像面を向けて、読み取り動作を開始させる。コード読み取り部22は、撮像画像から2次元コード131を特定して値引き情報を読み取る(ステップST105)。コード読み取り部22において値引き情報が読み取られない場合、支払精算装置2はステップST115以降の処理を実行する。
【0031】
コード読み取り部22において値引き情報が読み取られると、処理部21の値引き算出部211は、読み取られた値引き情報に基づいて値引き額の合計を算出する(ST110)。
まず値引き算出部211は、値引き情報に含まれる値引きサービスの期間の情報と、処理部21の図示しない時間処理部において管理されている現時点の時間の情報とを参照し、現時点が値引きサービスの期間に含まれているかを確認する。現時点が値引きサービスの期間に含まれていない場合、値引き算出部211は、値引きの総額をゼロとする。
【0032】
他方、現時点が値引きサービスの期間に含まれている場合、値引き算出部211は、値引き情報に含まれる情報に基づいて値引き額を算出する。
例えば、値引き算出部211は、商品・サービスに関わらない一律の値引き額の情報が値引き情報に含まれている場合、この値引き額の情報に基づいて値引き額を決定する。
また、値引き算出部211は、商品やサービスの種類ごとに値引き額の情報が設定されている場合、ステップST100において定価の請求額を算出した際に入力された請求対象の商品・サービスの種類を示す情報の中から、値引き情報に含まれる値引き対象の商品・サービスの種類の情報を検索する。この検索の結果、請求対象の商品・サービスの中に値引き対象が含まれる場合、値引き算出部211は、この商品・サービスについて設定された値引き額を足し合わせることによって値引きの総額を算出する。
【0033】
また、値引き算出部211は、例えば定価の請求額が所定額を超えたときにのみ所定の値引きを適用する等、種々の値引き条件に関する情報が値引き情報に含まれている場合、これらの条件が満たされているか否かを定価の請求額等に基づいて判定する。値引き情報の条件を満たすと判定した場合、値引き算出部211は、その条件に応じた値引き額を決定する。
【0034】
値引き算出部211において値引き額が算出されると、次に請求金額算出部212は、ステップST100において算出された定価の請求金額と、ステップST110において算出された値引き額との差を、値引き後の請求金額として算出する(ステップST115)。ステップST105において値引き情報が読み取られなかった場合、請求金額算出部212は、値引き額がゼロとして値引き後の請求金額を算出する。
【0035】
値引き算出部211は、値引き後の請求金額を算出すると、その算出結果を表示器23の画面に表示する(ステップST120)。
【0036】
店員は、利用者に対して、表示器23の画面に表示される請求金額(若しくはこれに税金を加えた金額)の支払いを求める。利用者から請求金額と等しい金銭を受領すると(ステップST125)、店員は、キーボード24のレシート発行ボタンを押す。レシート発行ボタンが押下されると、処理部21は、受領した金額が印字されたレシートをプリンタ25において印刷する(ステップST130)。また、処理部21は、レシートに記載される受領書の日付、商品・サービスの科目、受領した金額等の情報を記憶部26に構成された帳簿データの記憶部に格納する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、利用者は、広告表示部13を有したUSBメモリ1をその広告主の店舗に持参して提示することにより、店舗において料金の値引きサービスを受けることができる。これにより、利用者を店舗へ強力に誘引することができるので、店舗の集客率を向上できる。また、常に手元に置かれるUSBメモリ1の表面に広告が表示されることから、店舗のブランドイメージを着実に向上できる。
【0038】
しかも、本実施形態によれば、広告表示部13(例えばシール)に表示(印字)された図形コード(2次元コード)に値引き情報が記録されているため、USBメモリ1の本体11から容易に広告表示部13を剥がしてしまわないように利用者を動機づけることができる。
【0039】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、広告表示部13において表示された図形コード(2次元コード)に値引き情報が記録されているが、第2の実施形態では、RFIDタグに値引き情報が記録される。
【0040】
図4は、第2の実施形態に係る値引きサービス処理システムの構成の一例を示す図である。また図5は、本実施形態に係る値引きサービス処理システムの利用者が持つUSBメモリ1の一例を示す図である。
【0041】
図5に示すUSBメモリ1Aは、上述した2次元コード131の替わりにRFIDタグ132を有している。すなわち、本実施形態において広告表示部13は、その内部にRFIDタグ132を有している。例えば広告表示部13は、複数の紙片(フィルム体)を重ね合わせて構成されたシールであり、その紙片の間にRFIDタグ132が挟み込まれている。
【0042】
RFIDタグ132は、例えば無線通信回路、メモリ、及び制御回路等を含んだICチップにアンテナを組み合わせた回路であり、受信信号のキャリアを無線通信回路において整流することにより自らの電源を得て動作する。RFIDタグ132の制御回路は、無線通信回路において所定の通信プロトコルにより通信を行い、通信相手が後述するRFIDリーダ部28であると認証された場合、メモリに格納された値引き情報を無線通信回路からRFIDリーダ部28へ送信する。
【0043】
図4における支払精算装置2Aは、図1における支払精算装置2のコード読み取り部22をRFIDリーダ部28に置き換えたものであり、他の構成要素は支払精算装置2と同様である。
【0044】
RFIDリーダ部28は、RFIDタグ132と所定の通信プロトコルにより無線通信を行い、RFIDタグ132のメモリに格納された情報(値引き情報等)を読み出す。
【0045】
図4に示す値引きサービス処理システムの動作は、コード読み取り部22が図形コードから値引き情報を読み取る替わりに、RFIDリーダ部28がRFIDタグ132から値引き情報を取得する点を除いて、図3に示すフローチャートの動作とほぼ同様である。
【0046】
本実施形態によれば、値引き情報がRFIDタグ132に格納されたるため、値引き情報を図形コードによって記録する方法に比べて、情報の内容が改ざんされるリスクを低減できる。また、広告表示部13の表示面に広告と無関係な図形コードを表示しなくてよいため、見栄えを良くすることができる。
【0047】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第1及び第2の実施形態では、広告表示部13に値引き情報の本体が保持されているが、第3の実施形態では、支払精算装置に値引き情報の本体が保持されており、広告表示部には値引き情報に対応するIDコードが保持される。
【0048】
図6は、第3の実施形態に係る値引きサービス処理システムの構成の一例を示す図である。また図7は、記憶部26の記憶領域に構成される値引き情報記憶部29のデータ構造の一例を示す図である。
【0049】
図6における支払精算装置2Bは、図4に示す支払精算装置2Aの処理部1に値引き情報取得部213を設けるとともに、その記憶部28の記憶領域に値引き情報記憶部29を設けたものであり、他の構成要素は支払精算装置2Aと同様である。
【0050】
値引き情報記憶部29は、例えば図7に示すように、IDコード31と値引き情報32とを関連付けて記憶する。このIDコード31と同じデータが、USBメモリ1のRFIDタグ132にも記録される。
【0051】
値引き情報取得部213は、USBメモリ1のRFIDタグ132に格納されたIDコード31をRFIDリーダ部28において読み出した場合、このIDコード31に関連付けられた値引き情報32を値引き情報記憶部29から取得する。
【0052】
図8は、上述した構成を有する本実施形態に係る値引きサービス処理システムの処理を説明するためのフローチャートである。
【0053】
本実施形態においては、定価の請求金額を算出した後(ステップST100)、上述した第2の実施形態と同様に、RFIDリーダ部28がUSBメモリ1のRFIDタグ132から情報を読み出す。ただし、上述した第2の実施形態と異なり、RFIDタグ132からは値引き情報でなくIDコード31を読み取る(ステップST105)。
値引き情報取得部213は、RFIDリーダ部28においてIDコード31が読み出されると、このIDコード31に関連付けられた値引き情報32を値引き情報記憶部29から検索して取得する(ステップST107)。
値引き情報が取得された後の処理(ステップST110〜ST130)については、図3に示すフローチャートと同様である。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係る値引きサービス処理システムによれば、USBメモリ1のRFIDタグ132にIDコード21が記録されており、値引き情報32自体は支払精算装置2Bの値引き情報記憶部29に格納されている。従って、値引き情報が改ざんされるリスクを更に低減することができる。また、値引き情報記憶部29においてIDコード31と関連付けられている値引き情報32は、店舗の管理者が簡単に変更できるため、利用者に対する値引きサービスの内容を自由に変更できる。
【0055】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0056】
例えば上述の実施形態ではUSBメモリに広告を表示する例が挙げられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば携帯電話機や携帯オーディオプレイヤーなど、任意の携帯機器に広告を表示してもよい。
【0057】
上述の実施形態では広告表示部13に2次元コードを表示させる例を挙げているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、例えばバーコードなどの任意の図形コードを使用してよい。
【0058】
上述した第3の実施形態では、RFIDタグ132にIDコード31を記録しているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、例えば広告表示部13に表示(印刷)する図形コードにおいてIDコード31を記録し、これを支払精算装置において読み取るようにしてもよい。
【0059】
上述した実施形態では、支払精算装置において携帯機器に表示される広告からRFIDリーダ等の機器を用いて値引き情報を読み取っているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、携帯機器に表示される広告の表示を定員が確認し、その広告の表示に従った所定の値引きを行うように店員が支払精算装置のキーボート等に指示を入力してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…USBメモリ端末装置、2,2A,2B…支払精算装置、21…処理部、211…値引き額算出、212…請求金額算出部、213…値引き情報取得部、22…コード読み取り部、23…表示器、24…キーボード、25…プリンタ、26…記憶部、27…作業メモリ、28…RFIDリーダ部、29…値引き情報記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告を表示する広告表示部を備えた携帯機器と、
前記広告を提供する広告主の店舗に設置され、前記店舗において客に請求する金額を計算する場合に、前記客が提示する前記携帯機器の前記広告表示部に表示される前記広告に応じて前記請求金額を値引きする処理を行う支払精算装置と
を有する値引きサービス処理システム。
【請求項2】
前記広告表示部は、少なくとも値引きの額、値引き対象の商品若しくはサービスの種類、及び、値引きを実施する期間の何れか1つに関する値引き情報を含んだ図形パターンを前記広告と一体に若しくは分離して表示し、
前記支払精算装置は、
前記広告表示部において表示される前記図形パターンから前記値引き情報を読み取る図形パータン読み取り部と、
前記図形パターン読み取り部において読み取られた前記値引き情報に基づいて値引き額を算出する値引き額算出部と、
定価の請求金額から前記値引き額算出部により算出された値引き額を引いた額を算出する請求金額算出部と
を含む、
請求項1に記載の値引きサービス処理システム。
【請求項3】
前記広告表示部は、少なくとも値引きの額、値引き対象の商品若しくはサービスの種類、及び、値引きを実施する期間の何れか1つに関する値引き情報を無線通信により読み出し可能に記録したRFIDタグを含んでおり、
前記支払精算装置は、
前記広告表示部の前記RFIDタグから前記値引き情報を読み出すRFID読み出し部と、
前記RFID読み出し部において読み出された前記値引き情報に基づいて値引き額を算出する値引き額算出部と、
定価の請求金額から前記値引き額算出部により算出された値引き額を引いた額を算出する請求金額算出部と
を含む、
請求項1に記載の値引きサービス処理システム。
【請求項4】
前記広告表示部は、無線通信により識別コードを読み出し可能に記録したRFIDタグを含んでおり、
前記支払精算装置は、
前記広告表示部の前記RFIDタグから前記識別コードを読み出すRFID読み出し部と、
少なくとも値引きの額、値引き対象の商品若しくはサービスの種類、及び、値引きを実施する期間の何れか1つに関する値引き情報と前記識別コードとを関連付けて記憶する記憶部と、
前記RFID読み出し部において前記識別コードを読み出した場合、前記読み出した識別コードに関連付けられた前記値引き情報を前記記憶部から取得する値引き情報取得部と、
前記値引き情報取得部において取得された前記値引き情報に基づいて値引き額を算出する値引き額算出部と、
定価の請求金額から前記値引き額算出部により算出された値引き額を引いた額を算出する請求金額算出部と
を含む、
請求項1に記載の値引きサービス処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−221814(P2011−221814A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90791(P2010−90791)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(510089937)株式会社フォースメディア (5)
【Fターム(参考)】