説明

偏光フィルムの貼付方法

【課題】液晶パネルに偏光フィルムを容易に且つ高精度で貼付できる偏光フィルムの貼付方法を提供する。
【解決手段】光源5の前に、液晶パネル10の裏面用の第2の偏光フィルム4と表面用の第1の偏光フィルム3とを向かい合わせて配置し、光源5から出射した照明光を2枚の偏光フィルム4,3に透過させる。そして、一方の偏光フィルム4を固定し、他方の偏光フィルム3を回転させて、透過光の光量を測定し、光量が最大又は最小となった時点で他方の偏光フィルム3の回転を停止させ、両偏光フィルム3,4に位置合わせ用のマーク3a,4aを形成する。そして、このマークを指標として、第1の偏光フィルム3及び第2の偏光フィルム4を夫々液晶パネル10に貼付するので、偏光フィルム3,4相互間で偏光軸の向きが精度よく調節され、偏光フィルムの貼り合わせも容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの表面及び裏面に夫々偏光フィルムを貼付する偏光フィルムの貼付方法に関し、特に、偏光フィルムの貼り合わせ精度を向上させ、液晶パネルの表示コントラストの低下を防止する偏光フィルムの貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、液晶パネルを示す模式的断面図である。なお、図5は、TN型の液晶パネルを示している。図5に示すように、液晶表示装置の液晶パネル10は、1対の透明基板11,12とその間の液晶層13とにより構成されており、透明基板11,12の液晶層側の面には、夫々、配向膜14,15が形成されている。この配向膜14,15は、2枚の透明基板11,12及び液晶層13の積層方向に対して直交する面内で、特定の方向に配向しており、例えばIPS型の液晶パネルにおいては、1対の配向膜14,15は、それらの配向軸が相互に平行となるように設けられており、TN型の液晶パネルにおいては、前記配向軸は、相互に直交するように設けられている。そして、透明基板11,12の表面には、偏光フィルムが貼付され、各偏光フィルムの偏光軸は、夫々、貼付対象の透明基板11,12に形成された配向膜14,15の配向軸と平行となるように調節されている。
【0003】
液晶パネル10に偏光フィルムを貼り合わせる際には、例えば図6に示すように、偏光フィルム3,4を例えばカッター等の裁断機械により液晶パネル10の寸法に応じて裁断し、裁断後の偏光フィルム3,4をそのまま液晶パネル10の外枠に位置合わせして貼付することが行われていた。しかしながら、この方法を採用した場合、偏光フィルム3,4の偏光軸の方向を確認することなく、偏光フィルム3,4を貼付しているため、液晶パネル10の配向膜の配向軸と偏光フィルム3,4の偏光軸との間で方向にずれが生じ、例えば液晶表示装置の白黒コントラストが低下するという問題点があった。
【0004】
この問題点を解決するために、例えば特許文献1には、液晶パネル固定台の下方に、光源を設け、貼付対象の偏光フィルムを保持する保持具に偏光フィルムを透過した光の光量を測定する測光器を設けた偏光フィルムの貼付装置が開示されている。この特許文献1においては、光源から出射された光を液晶パネル(及び裏面側の偏光フィルム)に透過させた後、貼付対象の偏光フィルムを透過させ、透過光の光量を測光器により測定し、透過光の光量が最大又は最小となるように貼付対象の偏光フィルムを光軸に直交する面内で回転させることにより、配向膜の配向軸と偏光フィルムの偏光軸とが平行になったことを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−14347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の偏光フィルムの貼付装置においては、液晶パネルの両面に偏光フィルムを貼付する工程を2工程に分けており、また、各工程で透過光の光量を測定していることから、偏光フィルムの貼付タクトが長くなるという問題点がある。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、液晶パネルに偏光フィルムを容易に且つ高精度で貼付できる偏光フィルムの貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る偏光フィルムの貼付方法は、液晶パネルの表面及び裏面に、夫々第1の偏光軸を備えた第1の偏光フィルム及び第2の偏光軸を備えた第2の偏光フィルムを貼付する偏光フィルムの貼付方法において、照明光を出射する第1の光源の前に、前記第1の偏光フィルムと前記第2の偏光フィルムとを相互に向かい合わせて配置する工程と、前記第1の偏光フィルムの前方から前記第1及び第2の偏光フィルムを観察し、前記第1の光源から照明光を前記第1及び第2の偏光フィルムに向けて照射し、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムのうち、一方の偏光フィルムを固定し、他方の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、これらの2枚の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、前記第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を決める工程と、前記第1及び第2の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小であるときに、前記第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を示すマークを前記第1及び第2の偏光フィルムに付す工程と、前記液晶パネルの表面及び裏面に、前記マークを指標として、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムを貼付する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記2枚の偏光フィルムに位置関係を示すマークを形成する工程は、例えば前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムに、方向性をもつマークを形成するものである。又は、前記2枚の偏光フィルムに位置関係を示すマークを形成する工程は、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムに、夫々点及び/又は円形の複数個のマークを形成するものであり、これらのマーク同士の位置関係からその方向性を認識することができる。
【0010】
本発明に係る他の偏光フィルムの貼付方法は、液晶パネルの表面及び裏面に、夫々第1の偏光軸を備えた第1の偏光フィルム及び第2の偏光軸を備えた第2の偏光フィルムを貼付する偏光フィルムの貼付方法において、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムに、夫々、位置合わせ用のマークを付す工程と、照明光を出射する第1の光源の前に、前記第1の偏光フィルムと前記第2の偏光フィルムとを相互に向かい合わせて配置する工程と、前記第1の偏光フィルムの前方から前記第1及び第2の偏光フィルムを観察し、前記第1の光源から照明光を前記第1及び第2の偏光フィルムに向けて照射し、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムのうち、一方の偏光フィルムを固定し、他方の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、これらの2枚の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、前記第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を決める工程と、前記第1及び第2の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小であるときに、前記第1の偏光フィルムのマークと前記第2の偏光フィルムのマークとの相対的位置関係を検出する工程と、前記液晶パネルの表面及び裏面に、前記第1及び第2の偏光フィルムのマークの相互間が前記検出した相対的位置関係となるように、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムを貼付する工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明において、例えば前記液晶パネルの表面及び裏面に、夫々前記第1の偏光フィルム及び第2の偏光フィルムを貼付する工程は、前記液晶パネルの裏面側の配向膜の配向軸と平行の又は直交する偏光方向を有する照明光を出射する第2の光源の前に、前記第2の偏光フィルムと前記液晶パネルとを相互に向かい合わせに配置する工程と、前記第2の光源から前記照明光を出射し、前記第2の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、前記第2の偏光フィルム及び前記液晶パネルを透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、前記第2の偏光フィルムを前記液晶パネルに対して位置決めする工程と、前記第2の偏光フィルムを前記液晶パネルの裏面に貼付する工程と、前記マークを指標として、前記液晶パネルの表面に前記第1の偏光フィルムを貼付する工程と、を有する。この場合に、例えば前記第1の光源と前記第2の光源として、液晶表示装置のバックライトを使用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、第1の光源から照明光を照射し、この照明光が2枚の偏光フィルムを透過した透過光の光量が最大又は最小になるように、第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を決め、第1及び第2の偏光フィルムに夫々位置関係を示すマークを形成する。よって、このマークを指標として2枚の偏光フィルムを夫々液晶パネルの表面及び裏面に貼付するだけで、偏光フィルム相互間では、偏光軸の向きが精度よく調節され、偏光フィルムの貼り合わせも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、偏光フィルム相互間の位置合わせ工程を示す図、(b)は2枚の偏光フィルムに形成するマークを示す図、(c)は液晶パネルへの偏光フィルムの貼付工程を示す図である。
【図2】(a)乃至(c)は、第1実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、2枚の偏光フィルムに点又は円形のマークを設ける場合を示す図である。
【図3】(a)は、本発明の第2実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、偏光フィルム相互間の位置合わせ工程を示す図、(b)は2枚の偏光フィルムに設けられたマークの相対的位置関係を示す図である。
【図4】(a)は本発明の第3実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、偏光フィルム相互間の位置合わせ工程を示す図、(b)は2枚の偏光フィルムに形成するマークを示す図、(c)は液晶パネルへの偏光フィルムの貼付工程を示す図である。
【図5】液晶パネルの模式的断面図である。
【図6】従来の偏光フィルムの貼付方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は本発明の第1実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、偏光フィルム相互間の位置合わせ工程を示す図、図1(b)は2枚の偏光フィルムに形成するマークを示す図、図1(c)は液晶パネルへの偏光フィルムの貼付工程を示す図である。本発明は、液晶パネル10の表面及び裏面に、夫々第1の偏光軸を備えた第1の偏光フィルム3及び第2の偏光軸を備えた第2の偏光フィルム4を貼付する偏光フィルムの貼付方法において、照明光を出射する光源5の前に、第1の偏光フィルム3及び第2の偏光フィルム4を相互に向かい合わせて配置する工程と、第1の偏光フィルム3の前方から第1及び第2の偏光フィルム3,4を観察し、光源5から照明光を第1及び第2の偏光フィルム3,4に向けて照射し、第1の偏光フィルム3及び第2の偏光フィルム4のうち、一方の偏光フィルムを固定し、他方の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、2枚の偏光フィルム3,4を透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、第1及び第2の偏光フィルム3,4の位置関係を決める工程と、2枚の偏光フィルム3,4を透過した照明光の光量が最大又は最小であるときに、2枚の偏光フィルム3,4に夫々位置関係を示すマークを第1及び第2の偏光フィルム3,4に付す工程と、液晶パネルの表面及び裏面に、マークを指標として、第1の偏光フィルム3及び第2の偏光フィルム4を貼付する工程と、を有するものである。本実施形態においては、偏光フィルムの貼付対象となる液晶パネルがTN型の液晶パネル10である場合について説明する。即ち、本実施形態においては、液晶パネル10の表面に、第1の偏光フィルム3を貼付し、液晶パネル10の裏面に、第1の偏光フィルム3と偏光軸が直交する第2の偏光フィルム3,4を貼付する。
【0015】
偏光フィルムの貼付対象となる液晶パネル10は、図5に示すように、1対の透明基板11,12とその間の液晶層13とにより構成されており、透明基板11,12の液晶層側の面には、夫々、配向膜14,15が形成されている。この配向膜14,15は、2枚の透明基板11,12及び液晶層13の積層方向に対して直交する面内で、特定の方向に配向しており、配向膜14,15は、それらの配向軸が相互に直交するように設けられている。即ち、液晶パネル10の表側に位置する透明基板11には、液晶パネル10の画素の配列の列方向に平行な配向軸を有する配向膜14が形成されており、液晶パネル10の裏側に位置する透明基板12には、液晶パネル10の画素の配列の行方向に平行な配向軸を有する配向膜15が形成されている。
【0016】
第1及び第2の偏光フィルム3,4は、例えばヨウ素又は二色性染料からなる偏光素子を含有する基材がその両面をTAC(トリアセチルセルロース)等からなる保護材で保護されたものであり、保護材の一方の表面には、液晶パネル10に貼付するための粘着剤が塗布されている。各偏光フィルム3,4は、夫々、特定の方向に偏光軸を有し、照明光を照射したときに、その偏光軸と平行な成分の光を透過するものである。本実施形態においては、液晶パネル10の各透明基板11,12に形成された配向膜14,15の各配向軸と平行に偏光フィルム3,4を貼付する。
【0017】
次に、上記構成の液晶パネル10に第1及び第2の偏光フィルムを貼付する方法について説明する。本実施形態においては、先ず、照明光を出射する第1の光源5の前に、第1の偏光フィルム3と第2の偏光フィルム4とを相互に向かい合わせて配置する。この第1の光源5は、図1(a)に示すように、例えば無偏光の照明光を出射する光源であり、例えばLED又は蛍光灯等を使用することができる。第1の光源5としては、例えば第1及び第2の偏光フィルム3,4の全面に照明光を照射できる面光源を使用することができるが、その大きさは特に限定されない。なお、第1の光源5が第2の偏光フィルム4の偏光方向と直交する偏光成分のみを有する照明光を出射する光源の場合には、第1の光源5から出射された照明光を第2の偏光フィルム4に透過させることができないが、それ以外の照明光であれば、第2の偏光フィルム4の偏光方向と平行な偏光成分を有するため、第2の偏光フィルム4に照明光を透過させることができる。よって、第1の光源5としては、LED及び蛍光灯等の無偏光の照明光を出射する光源の他、例えば液晶表示装置のバックライトを使用することもできる。
【0018】
次に、第2の偏光フィルム4はそのままの固定された状態で、第1の光源5から無偏光の照明光を第1及び第2の偏光フィルム3,4に向けて照射し、照明光を第2の偏光フィルム4及び第1の偏光フィルム3に透過させる。この状態で、第1の偏光フィルム3をその表面に垂直な軸のまわりに回転させながら、2枚の偏光フィルム3,4の透過光を、カメラ6等で観察し、その観察画像に基づいて、透過光の光量を測定する。
【0019】
そして、第1及び第2の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最小となったときに、第1の偏光フィルム3の回転を停止する。第1の光源5から出射され、第2の偏光フィルム4を透過した光は、第2の偏光フィルム4の配向軸と平行な直線偏光となり、この光が第1の偏光フィルム3に照射されることにより、第2の偏光フィルム4の透過光のうち、第1の偏光フィルム3の偏光軸と平行な成分のみが第1の偏光フィルム3に透過される。よって、本実施形態においては、第1の偏光フィルム3の偏光軸と第2の偏光フィルム4の偏光軸とが相互に直交する状態になると、2枚の偏光フィルム3,4の双方を透過する照明光の光量は、ほぼゼロとなる。よって、図1(b)に示すように、カメラ側の観察画像は色調が最も黒に近い状態となる。
【0020】
第1の偏光フィルム3の回転を停止した後、2枚の偏光フィルム3,4に夫々位置関係を示すマーク3a,4aを形成する。図1(b)に示すように、これらのマーク3a,4aは、例えば第1及び第2の偏光フィルム3,4の配向軸に対して傾斜して延びる線状のマークであり、第1の偏光フィルム3に形成するマーク3aと第2の偏光フィルム4に形成するマーク4aとは、互いに平行であり、偏光フィルム3,4の表面に垂直の方向からみたときに、距離aだけ離隔している。
【0021】
次に、図1(b)、(c)に示すように、マーク3a,4aを指標として、第1及び第2の偏光フィルム3,4を夫々液晶パネル10の表面及び裏面に貼付する。本実施形態においては、第1及び第2の偏光フィルム3,4には、夫々、位置関係を示すマーク3a,4aが形成されているので、このマーク3a,4aを指標として2枚の偏光フィルム3,4を夫々液晶パネル10の表面及び裏面に容易に貼付することができる。
【0022】
従来の偏光フィルムの貼付工程においては、裁断後の偏光フィルム3,4をそのまま液晶パネル10の外枠に位置合わせして貼付することが行われており、偏光フィルム3,4の偏光軸の方向を確認することなく、偏光フィルム3,4が液晶パネル10に貼付されているため、第1の偏光フィルム3及び第2の偏光フィルム4の相互間で配向軸にずれが生じ、コントラストの低下が発生するという問題点があった。
【0023】
しかし、本実施形態においては、第1及び第2の偏光フィルム3,4の位置関係を示すマーク3a,4aが設けられていることにより、これを指標として偏光フィルム3,4を夫々液晶パネル10の表面及び裏面に貼付するだけで、2枚の偏光フィルム3,4の相互間で配向軸にずれが生じることはなく、コントラストの低下を防止することができる。
【0024】
この貼付工程においては、先ず、第2の偏光フィルム4を液晶パネル10に対して位置決めして貼付し、その後、マーク3a,4aを指標として、第1の偏光フィルム3を液晶パネル10に貼付することが好ましい。この場合においては、先ず、照明光を出射する第2の光源2の前に、第2の偏光フィルム4と液晶パネル10とを相互に向かい合わせに配置し、第2の光源2から照明光を出射し、第2の偏光フィルム4をその表面に垂直な軸のまわりに回転させ、第2の偏光フィルム4及び液晶パネル10を透過した照明光の光量を例えばカメラにより観察する。第2の光源2としては、第2の偏光フィルム4が液晶パネル10の裏面の所定位置に貼付されたときの第2の偏光フィルム4の偏光軸(液晶パネル10の裏面側の配向膜15(図5参照)の配向軸)と平行の又は直交する偏光方向を有する照明光を出射する光源を使用することができ、例えば表示装置を組み立てる際に液晶パネル10の裏面側に固定される液晶表示装置のバックライトを使用することができる。
【0025】
例えば、第2の光源2として、液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸と平行の偏光方向を有する照明光、例えば、図1(c)に示すように、偏光方向が水平方向の照明光を使用する。このような第2の光源2としては、前述のごとく、液晶表示装置のバックライトを使用できる。このような第2の光源2に対し、第2の偏光フィルム4をその表面に垂直の軸の周りに回転させて、第2の偏光フィルム4及び液晶パネル10を透過した照明光の光量が最大になるように、第2の偏光フィルム4の位置を決める。即ち、第2の偏光フィルム4をその表面に垂直な軸のまわりに回転させたときに、第2の偏光フィルム4の偏光軸が照明光の偏光方向に対して平行になるので、第2の偏光フィルム4の透過光の光量が最大となる。また、第2の光源2からの照明光の偏光方向は、液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸と平行であるので、液晶パネル10を透過した照明光の光量も最大となる。よって、カメラにより観察される照明光の光量が最大となる。この位置で、第2の偏光フィルム4を液晶パネル10の裏面に貼付する。
【0026】
なお、液晶パネル10の裏面に貼付される第2の偏光フィルム4の偏光軸が液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸に対して傾斜している場合においては、第2の偏光フィルム4及び液晶パネル10を透過した照明光は、その光量が若干小さくなるが、本実施形態のように、照明光を照射し、第2の偏光フィルム4を回転させながら、透過光の光量を測定することにより、透過光の光量が最大となった時点で、配向膜15の配向軸と第2の偏光フィルム4の偏光軸とが相互に平行になったことを精度よく検出できる。
【0027】
また、第2の光源2として、液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸と直交する偏光方向を有する照明光を使用した場合においては、第2の偏光フィルム4の貼付位置は以下のように決定される。即ち、第2の偏光フィルム4をその表面に垂直な軸のまわりに回転させたときに、第2の偏光フィルム4の偏光軸が照明光の偏光方向に対して直交する位置になると、第2の偏光フィルム4の透過光の光量が最小となる。このとき、第2の偏光フィルム4の偏光軸は、液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸と平行である。そして、カメラにより観察される照明光の光量が最小となる。この位置で、第2の偏光フィルム4を液晶パネル10の裏面に貼付する。この場合においても、配向膜15の配向軸と第2の偏光フィルム4の偏光軸とが相互に平行になったことを、透過光の光量により精度よく検出できる。
【0028】
次に、第1の偏光フィルム3を液晶パネル10の表面に貼付する。なお、本実施形態においては、第2の光源2として、液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸と平行の偏光方向を有する照明光を使用した場合について説明する。このとき、偏光フィルムの表面に垂直の方向からみたときに、第1の偏光フィルム3に設けられたマーク3aが第2の偏光フィルム4に設けられたマーク4aに対して、所定の位置関係となるように、第1の偏光フィルム3を貼付する。この所定の位置関係とは、例えばマーク3a,4aを形成した時点における位置関係であり、図1(b)に示すように、線状のマーク3a,4aが相互に平行となり、偏光フィルム3,4の表面に垂直の方向からみたときに、距離aだけ離隔している状態である。
【0029】
このように、偏光フィルム3,4の貼付工程において、先ず、第2の偏光フィルム4を液晶パネル10に対して位置決めして貼付し、その後、マーク3a,4aを指標として、第1の偏光フィルム3を液晶パネル10に貼付することにより、液晶パネル10の配向膜14、15に対して、第1及び第2の偏光フィルム3,4の偏光軸が高精度で平行となるように調節され、例えば液晶表示装置の白黒コントラストの低下を更に効果的に防止することができる。
【0030】
以上のように、本実施形態においては、2枚の偏光フィルム3,4に夫々マーク3a,4aを形成し、このマーク3a,4aを指標として、偏光フィルム3の貼付を行うだけで、偏光フィルムの表面に垂直の方向からみたときに、第1の偏光フィルム3の偏光軸は、第2の偏光フィルム4の偏光軸に対して直交する向きに調節される。よって、第1の偏光フィルム3の偏光軸と液晶パネル10の表面側の配向膜14の配向軸とを確実に平行にすることができ、偏光フィルムの貼り合わせ精度に起因する液晶パネルの表示コントラストの低下を確実に防止できる。また、第1の偏光フィルム3の貼付は、線状のマーク3a,4aの相互間を平行となるように調節するだけであるから、偏光フィルム3の貼付も容易であり、偏光フィルムの貼付タクトが長期化することもない。
【0031】
次に、本実施形態の貼付方法により偏光フィルムが貼付された液晶パネルの動作について説明する。表面及び裏面に夫々第1及び第2の偏光フィルム3,4が貼付された液晶パネル10は、例えば行方向に複数本の走査電極及び維持電極が交互に配置され、列方向に複数本のデータ電極が配置され、走査電極及び維持電極とデータ電極との交点に1画素が構成されている。液晶パネル10の裏面側には、バックライト等の第2の光源2が配置されており、例えば無偏光の照明光を出射する。そして、各電極に印加される電圧により、液晶層13内の液晶分子が特定の方向に配向し、各画素に応じて、透過させる表示光の光量を調節できるように構成されている。
【0032】
バックライト(第2の光源2)から出射された照明光は、先ず、第2の偏光フィルム4及び液晶パネル10の配向膜15を透過して、偏光フィルム4の偏光方向及び配向膜15の配向方向により、光軸に直交する面内で、特定の方向に偏光した状態で、液晶層13に入射する。本実施形態においては、液晶パネル10の裏面に貼付された第2の偏光フィルム4は、その偏光軸が配向膜15の配向軸に対して高精度で平行となるように貼付されているため、液晶層13に入射する照明光は、その光軸に直交する面内における偏光方向が偏光フィルム4の偏光軸及び配向膜15の配向軸の双方と平行である。
【0033】
液晶層13内の液晶分子は、各画素に応じて、前記電極間に印加される電圧により、特定の方向に配向し、液晶層13に入射した光は、この液晶分子の配向方向によって、偏光方向が変化する。例えば、ある画素において、白表示となる場合においては、液晶分子が液晶パネル10の裏面側から表面側へと90°捻れるような電圧が印加され、黒表示となる場合においては、液晶分子が液晶パネルの厚さ方向に同一の方向に配向するような電圧が印加される。そして、液晶層13を透過した光は、配向膜14及び第1の偏光フィルム3に入射する。そして、この入射光は、配向膜14の配向軸及び第1の偏光フィルム3の偏光軸と夫々平行な成分のみが配向膜14及び第1の偏光フィルム3を透過して、表示装置の表示光となる。よって、このとき、平行膜14の配向軸と第1の偏光フィルム3の偏光軸とが相互に平行でない場合においては、表示光の光量が小さくなり、液晶パネルの表示コントラストが低下する。しかし、本実施形態においては、液晶パネル10の表面に貼付された第1の偏光フィルム3は、その変更軸が配向膜14の配向軸に対して高精度で平行となるように貼付されているため、各画素の表示が白表示及び黒表示のいずれの場合においても、表示コントラストの低下が発生することはない。
【0034】
このように、本実施形態によれば、偏光フィルム3,4を容易に貼付でき、また、液晶パネル10の表面及び裏面に、偏光フィルム3,4を高精度で貼付できるため、液晶パネル10の表示コントラストの低下を確実に防止することができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、マーク3a,4aは、夫々、線状である場合を説明したが、このマークの形状は一例であり、本発明がこの態様に限定されるものではない。例えば、マーク3a,4aの形状は、十字形、矩形等の多角形又は楕円形であってもよい。また、マーク3a,4aの形状は、点又は円形であってもよいが、点又は円形のマークが1個の場合には、第1の偏光フィルム3及び/又は第2の偏光フィルム4が回転した場合においても、第1の偏光フィルム3に設けられたマークと第2の偏光フィルム4に設けられたマークとの相互間の位置関係を維持できるため、第1の偏光フィルム3及び/又は第2の偏光フィルム4が回転したことを認識できず、偏光フィルム3及び/又は4を液晶パネル10の表面に回転した状態で貼付してしまう場合が生じる。よって、点又は円形のマークを設ける場合においては、これらのマークは、第1の偏光フィルム3及び第2の偏光フィルム4に夫々複数個設ければ、これらのマーク同士の位置関係からその方向性を認識することができ、対応するマークの相互間が所定の位置関係となるように第1の偏光フィルム3と第2の偏光フィルム4との位置を調節すれば、本発明の効果を得られる。
【0036】
図2は、第1実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、2枚の偏光フィルム3,4に点又は円形のマーク3b,4bを設ける場合を示す図である。図2(a)に示すように、本変形例においては、2枚の偏光フィルム3,4を設ける工程において、第1の偏光フィルムには円形のマーク3b,3cを設け、第2の偏光フィルム4には点状のマーク4b、4cを夫々、偏光フィルム3,4の対角付近に設ける。このとき、偏光フィルム3,4の表面に垂直な方向からみたときに、第2の偏光フィルム4に設ける点状のマーク4b,4cが夫々第1の偏光フィルム3に設ける円形のマーク3b,3cの中心に位置するように、各マークを設ける。そして、第1の偏光フィルム3を液晶パネル10の表面に貼付する工程において、偏光フィルム3,4の表面に垂直な方向からみて、円形のマーク3b,3cの中心を点状のマーク4b,4cと一致するように、第1の偏光フィルム3の位置を調節して、第1の偏光フィルム3を液晶パネル10の表面に貼付する。このとき、図4(c)に示すように、マーク3bの中心にマーク4bが位置していても、第1の偏光フィルム3が回転した場合においては、マーク3cとマーク4bとの相対的位置関係がずれているから、第1の偏光フィルム3が回転していることを検出できる。よって、第3の偏光フィルム3を回転させて、円形のマーク3b,3cの中心を点状のマーク4b,4cと一致させ、第1の偏光フィルム3を液晶パネル10の表面に貼付することにより、例えば液晶表示装置の白黒コントラストの低下を防止することができる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法について説明する。図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、偏光フィルム相互間の位置合わせ工程を示す図、図3(b)は2枚の偏光フィルムに設けられたマークの相対的位置関係を示す図である。図3(a)に示すように、本実施形態においては、第1の偏光フィルム3と第2の偏光フィルム4との相対的位置合わせの前に、各偏光フィルム3,4に、位置合わせ用の線状のマーク3d,4dを付す。
【0038】
本実施形態においては、第1の偏光フィルム3と第2の偏光フィルム4との相対的位置合わせの際に、予め各偏光フィルム3,4に設けられていたマーク3d,4dの相対的位置関係を例えばカメラにより観察する。即ち、図3(b)に示すように、カメラ側の観察画像の色調が最も黒に近い状態となったときに、例えば第1の偏光フィルム3のマーク3dと第2の偏光フィルム4のマーク4dとは、互いに平行であり、偏光フィルム3,4の表面に垂直の方向からみたときに、距離aだけ離隔している。
【0039】
本実施形態においては、液晶パネル10に各偏光フィルム3,4を貼付する際には、第1の偏光フィルム3のマーク3dと第2の偏光フィルム4のマーク4dとがカメラにより検出した上記相対的位置関係となるように、第1の偏光フィルム3の位置を調節する。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0040】
なお、本実施形態においても、2枚の偏光フィルムに予め形成するマーク3d,4dの形状は、第1実施形態と同様の変形が可能である。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法について説明する。図4(a)は本発明の第3実施形態に係る偏光フィルムの貼付方法において、偏光フィルム相互間の位置合わせ工程を示す図、図4(b)は2枚の偏光フィルムに形成するマークを示す図、図4(c)は液晶パネルへの偏光フィルムの貼付工程を示す図である。第1実施形態においては、偏光フィルムの貼付対象となる液晶パネルがTN型の液晶パネル10である場合について説明したが、本実施形態においては、偏光フィルムの貼付対象となる液晶パネルは、IPS型の液晶パネル100である。即ち、液晶パネル100の表面に貼付される第1の偏光フィルム7は、その偏光軸が裏面に貼付される第2の偏光フィルム4の偏光軸と平行となるように貼付される。それ以外の構成については、第1実施形態と同様である。
【0042】
次に、液晶パネル100に第1及び第2の偏光フィルムを貼付する方法について説明する。本実施形態においても、先ず、照明光を出射する第1の光源5の前に、第1の偏光フィルム7と第2の偏光フィルム4とを相互に向かい合わせて配置する。そして、第2の偏光フィルム4を固定した状態で、第1の光源5から無偏光の照明光を出射し、照明光を第2の偏光フィルム4及び第1の偏光フィルム7に透過させる。この状態で、第1の偏光フィルム7をその表面に垂直な軸のまわりに回転させながら、2枚の偏光フィルム7,4の透過光を、カメラ6等で観察し、その観察画像に基づいて、透過光の光量を測定する。
【0043】
本実施形態においては、第1及び第2の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大となった時点で、第1の偏光フィルム7の回転を停止する。第1の光源5から出射され、第2の偏光フィルム4を透過した光は、第2の偏光フィルム4の配向軸と平行な直線偏光となり、この光が第1の偏光フィルム7に照射されることにより、第2の偏光フィルム4の透過光のうち、第1の偏光フィルム7の配向軸と平行な成分のみが第1の偏光フィルム7に透過される。よって、本実施形態においては、第1の偏光フィルム7の偏光軸と第2の偏光フィルム4の偏光軸とが平行になると、2枚の偏光フィルム7,4の双方を透過する照明光の光量は、最大となり、図4(b)に示すように、カメラ側の観察画像は色調が最も白に近い状態となる。
【0044】
そして、第1の偏光フィルム7の回転を停止した後、2枚の偏光フィルム7,4に夫々位置関係を示すマーク7a,4aを形成する。このマーク7a,4aの形状及び配置は、第1実施形態と同様である。
【0045】
次に、マーク7a,4aを指標として、第1及び第2の偏光フィルム7,4を夫々液晶パネル100の表面及び裏面に貼付する。この貼付工程においては、先ず、第2の偏光フィルム4を液晶パネル100の裏面に貼付する。この第1の偏光フィルム4の貼付工程も第1実施形態と同様である。第2の光源2としては、前述と同様に、液晶パネル10の裏面側の配向膜15の配向軸と平行の又は直交する偏光方向を有する照明光を出射する光源を使用することができ、例えば表示装置を組み立てる際に液晶パネル10の裏面側に固定される液晶表示装置のバックライトを使用することができる。
【0046】
液晶パネル100の裏面に貼付される第2の偏光フィルム4の偏光軸が液晶パネル100の裏面側の配向膜15の配向軸に対して傾斜している場合においては、第2の偏光フィルム4及び液晶パネル100を透過した照明光は、その光量が若干小さくなるが、本実施形態のように、照明光を照射し、第2の偏光フィルム4を回転させながら、透過光の光量を測定することにより、透過光の光量が最大となった時点で、配向膜15の配向軸と第2の偏光フィルム4の偏光軸とが相互に平行になったことを精度よく検出できる。
【0047】
次に、第1の偏光フィルム3を液晶パネル100の表面に貼付する。このとき、偏光フィルムの表面に垂直の方向からみたときに、第1の偏光フィルム7に設けられたマーク7aが第2の偏光フィルム4に設けられたマーク4aに対して、所定の位置関係となるように、第1の偏光フィルム7を貼付する。
【0048】
本実施形態においても、2枚の偏光フィルム7,4に夫々マーク7a,4aを形成し、このマーク7a,4aを指標として、偏光フィルム7の貼付を行うことにより、偏光フィルムの表面に垂直の方向からみたときに、第1の偏光フィルム7の偏光軸は、第2の偏光フィルム4の偏光軸と平行に調節される。よって、第1の偏光フィルム7の偏光軸と液晶パネル10の表面側の配向膜14の配向軸とを確実に平行にすることができる。よって、本実施形態においても、偏光フィルムの貼り合わせ精度に起因する液晶パネルの表示コントラストの低下を防止でき、また、第1の偏光フィルム7の貼付は、線状のマーク7a,4aの相互間を平行となるように調節するだけであるから、偏光フィルム7の貼付も容易であり、偏光フィルムの貼付タクトが長期化することもない。
【0049】
なお、本実施形態においても、2枚の偏光フィルムに設けるマークは、第1及び第2実施形態と同様の種々の変形が可能である。
【0050】
また、第1乃至第3実施形態においては、マーク3a(3b,3c,3d,7a)及びマーク4a(4b,4c,4d)を形成する前の照明光の光量を測定する工程は、第2の偏光フィルム4を固定し、第1の偏光フィルム3,7をその表面に垂直な軸のまわりに回転させたが、第1の偏光フィルム3,7を固定し、第2の偏光フィルム4を回転させてもよい。また、第1及び第2の偏光フィルム3,7,4を液晶パネル10,100に貼付する工程においても、例えば第1の偏光フィルム3,7を先に貼付し、マーク3a(3b,3c,3d,7a)及びマーク4a(4b,4c,4d)を指標として、第2の偏光フィルム4を後から貼付してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、表面及び裏面に夫々偏光フィルムが貼付される液晶パネルの製造において、偏光フィルムに予め相互間の位置関係を示すマークを形成しておくことにより、偏光フィルムの貼付が容易で、その偏光軸を高精度で配向膜の配向方向と平行にすることができ、これにより、液晶表示装置の表示コントラストの低下を確実に防止できる。
【符号の説明】
【0052】
10:液晶パネル、11,12:透明基板、13:液晶層、14,15:配向膜、2:バックライト、3,7:(第1の)偏光フィルム、4:(第2の)偏光フィルム、5:第1の光源、6:カメラ、3a,3b,3c,3d,4a,4b,4c,4d,7a:マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルの表面及び裏面に、夫々第1の偏光軸を備えた第1の偏光フィルム及び第2の偏光軸を備えた第2の偏光フィルムを貼付する偏光フィルムの貼付方法において、
照明光を出射する第1の光源の前に、前記第1の偏光フィルムと前記第2の偏光フィルムとを相互に向かい合わせて配置する工程と、
前記第1の偏光フィルムの前方から前記第1及び第2の偏光フィルムを観察し、前記第1の光源から照明光を前記第1及び第2の偏光フィルムに向けて照射し、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムのうち、一方の偏光フィルムを固定し、他方の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、これらの2枚の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、前記第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を決める工程と、
前記第1及び第2の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小であるときに、前記第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を示すマークを前記第1及び第2の偏光フィルムに付す工程と、
前記液晶パネルの表面及び裏面に、前記マークを指標として、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムを貼付する工程と、
を有することを特徴とする偏光フィルムの貼付方法。
【請求項2】
前記2枚の偏光フィルムに位置関係を示すマークを形成する工程は、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムに、方向性をもつマークを形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルムの貼付方法。
【請求項3】
前記2枚の偏光フィルムに位置関係を示すマークを形成する工程は、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムに、夫々点及び/又は円形の複数個のマークを形成するものであり、これらのマーク同士の位置関係からその方向性を認識することを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルムの貼付方法。
【請求項4】
液晶パネルの表面及び裏面に、夫々第1の偏光軸を備えた第1の偏光フィルム及び第2の偏光軸を備えた第2の偏光フィルムを貼付する偏光フィルムの貼付方法において、
前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムに、夫々、位置合わせ用のマークを付す工程と、
照明光を出射する第1の光源の前に、前記第1の偏光フィルムと前記第2の偏光フィルムとを相互に向かい合わせて配置する工程と、
前記第1の偏光フィルムの前方から前記第1及び第2の偏光フィルムを観察し、前記第1の光源から照明光を前記第1及び第2の偏光フィルムに向けて照射し、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムのうち、一方の偏光フィルムを固定し、他方の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、これらの2枚の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、前記第1及び第2の偏光フィルムの位置関係を決める工程と、
前記第1及び第2の偏光フィルムを透過した照明光の光量が最大又は最小であるときに、前記第1の偏光フィルムのマークと前記第2の偏光フィルムのマークとの相対的位置関係を検出する工程と、
前記液晶パネルの表面及び裏面に、前記第1及び第2の偏光フィルムのマークの相互間が前記検出した相対的位置関係となるように、前記第1の偏光フィルム及び前記第2の偏光フィルムを貼付する工程と、
を有することを特徴とする偏光フィルムの貼付方法。
【請求項5】
前記液晶パネルの表面及び裏面に、夫々前記第1の偏光フィルム及び第2の偏光フィルムを貼付する工程は、
前記液晶パネルの裏面側の配向膜の配向軸と平行の又は直交する偏光方向を有する照明光を出射する第2の光源の前に、前記第2の偏光フィルムと前記液晶パネルとを相互に向かい合わせに配置する工程と、
前記第2の光源から前記照明光を出射し、前記第2の偏光フィルムをその表面に垂直な軸のまわりに回転させて、前記第2の偏光フィルム及び前記液晶パネルを透過した照明光の光量が最大又は最小になるように、前記第2の偏光フィルムを前記液晶パネルに対して位置決めする工程と、
前記第2の偏光フィルムを前記液晶パネルの裏面に貼付する工程と、
前記マークを指標として、前記液晶パネルの表面に前記第1の偏光フィルムを貼付する工程と、
を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の偏光フィルムの貼付方法。
【請求項6】
前記第1の光源と前記第2の光源として、液晶表示装置のバックライトを使用することを特徴とする請求項5に記載のフィルムの貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83784(P2013−83784A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223443(P2011−223443)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(500171707)株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Fターム(参考)】