説明

偏光多重送信装置

【課題】装置の小型化を図りつつタイムアラインド偏光多重を行うこと。
【解決手段】光分割器1120は、LD1110によって生成された光を、入力されるクロック信号と位相同期してパルス化する。偏光調節部は、光分割器1120によってパルス化された強度変化する信号成分の偏光状態を、特定状態と、特定状態と直交する状態と、の合成状態に調節する。特定偏光変調装置1130は、光分割器1120によってパルス化され、偏光調節部によって偏光状態を調節された光のうちの特定状態の強度変化する信号成分を変調する。特定偏光変調部1140は、特定偏光変調装置1130と直列に接続され、光分割器1120によってパルス化され、偏光調節部によって偏光状態を調節された光のうちの直交する状態の強度変化する信号成分を変調する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
偏光状態が互いに直交し、それぞれ変調された各強度変化する信号成分を多重した偏光多重光を生成する偏光多重送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを流れる情報の増大に対応するため、光伝送システムの大容量化が求められている。光伝送システムを大容量化させるための手法として、光がもつ物理量の1つである偏光(Polarization)を用いた多重化(Mux:Multiplexing)が検討されている。偏光多重は、たとえば偏光状態が互いに直交する2つの光成分を結合器によって結合することで行う。
【0003】
図14は、偏光多重された偏光多重光を示す概念図(その1)である。図14において、軸Hおよび軸Vは、互いに直交する水平方向および垂直方向を示している。偏光多重光1400は、水平方向の強度変化する信号成分1410と、垂直方向の強度変化する信号成分1420と、を含んでいる。ここでは、強度変化する信号成分1410および強度変化する信号成分1420のタイミングが同位相であるタイムアラインド(Time−Aligned)偏光多重となっている。なお、「強度変化する信号成分」は「強度変化信号成分」としても呼ぶ。
【0004】
なお、図14ならびに以下の説明では、偏光多重光は互いに直交する直線偏光状態を多重することを想定した記述としている。例えば直線偏光の偏光面を意識して「偏光方向」と記述しているが、実際には直線偏光に限らず、互いに直交する偏光状態であれば、楕円偏光や円偏光であってもよく、この場合、「偏光方向」は「偏光状態」と読み替えるべきものである。
【0005】
図15は、偏光多重された偏光多重光を示す概念図(その2)である。図15に示すように、偏光多重光1400に含まれる強度変化する信号成分1410および強度変化する信号成分1420をパルス繰り返し周期の半分だけ時間的にずらしたタイムインターリーブド偏光多重(Time−Interleaved Polarization Mux)による伝送は、光ファイバのもつ非線形雑音に強いことが知られている(たとえば、下記非特許文献1参照。)。
【0006】
図16は、従来の偏光多重送信装置の構成を示すブロック図(その1)である。図16に示すように、従来の偏光多重送信装置1600は、光送信装置1611および光送信装置1612(OPTICAL SENDER)から出力された各強度変化する信号の偏光方向を、偏光調節部1621および偏光調節部1622によって互いに直交させ、光結合装置1630(OPTICAL ADDER)によって結合することで偏光多重(図14参照)を行う(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0007】
図17は、従来の偏光多重送信装置の構成を示すブロック図(その2)である。図17に示すように、従来の偏光多重送信装置1700は、光送信装置1710(M.L.L:Mode−Locked Laser)から出力されたRZ(Return−to−Zero)光パルス列を分岐部1710によって分岐し、各分岐光を変調装置1731,1732(MOD.)によって変調し、多重部1740(POL.SPLITTER)によって結合することで偏光多重を行う。
【0008】
このとき、変調装置1731および多重部1740の間に遅延調節回路1750を設け、遅延調節回路1750によって分岐光の一方を1パルス分遅延させて各分岐光を時間的にずらすことで、タイムインターリーブド偏光多重(図15参照)を行う。ここでは、遅延調節回路1750は、通過する分岐光を反射させながら迂回させる複数のミラーによって構成されている(たとえば、下記特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6580535号明細書
【特許文献2】米国特許第5111322号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】D.Van Den Borne,Et.Al.,“1.6−B/S/Hz Spectrally Efficient Transmission Over 1700 Km Of Ssmf Using 40 X 85.6−Gb/S Polmux−Rz−Dqpsk”,Jlt,Vol.25,No.1,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図16に示した従来技術では、光送信装置を2台設けるため(光送信装置1611,1612)、連続光を生成するLD(Laser Diode)も2台必要となる。このため、装置が大型化し、製造コストが増加するという問題がある。また、LDによって生成した連続光を光分割器によって強度変化する信号に変換する場合は、強度変化する信号のパワーが連続光の半分に減衰する。このため、必要な偏光多重光のパワーを得るための消費電力が倍増するという問題がある。
【0012】
また、図17に示した従来技術では、機械的可動部品を含んで構成される遅延調節回路1750を設けるため、装置が大型化し、製造コストが増加するという問題がある。また、さまざまな信号フォーマット(例えばSDH(Synchronous Digital Hierarchy)、OTN(Optical Transport Network)、Etherなど)に対応するために、偏光多重光の変調をビットレート可変とする場合には、ビットレートの変化に応じて各分岐光の時間的なずれを調節する必要がある。遅延調節回路1750によって各分岐光の時間的なずれを調節する場合は、遅延調節回路1750の構成および制御が複雑となるという問題がある。
【0013】
本発明は、上述した問題点を解消するものであり、装置の小型化を図りつつタイムアラインド偏光多重を行うことができる偏光多重送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この偏光多重送信装置は、光源によって生成された光を、入力されるクロック信号と位相同期してパルス化するパルス化手段と、前記パルス化手段によってパルス化された強度変化する信号成分の偏光状態を、特定状態と、前記特定状態と直交する状態と、の合成状態に調節する偏光調節手段と、前記パルス化手段によってパルス化され、前記偏光調節手段によって偏光状態を調節された光のうちの前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する第1変調手段と、前記第1変調手段と直列に接続され、前記パルス化手段によってパルス化され、前記偏光調節手段によって偏光状態を調節された光のうちの前記直交する状態の強度変化する信号成分を変調する第2変調手段と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
開示の偏光多重送信装置は、装置の小型化を図りつつタイムアラインド偏光多重を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる偏光多重送信装置の構成の概要を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。
【図4】実施の形態1にかかる偏光多重送信装置の実施例を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。
【図7】実施の形態3にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。
【図9】実施の形態4にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態4にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。
【図11】実施の形態5にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態5にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。
【図13】実施の形態6にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】偏光多重された偏光多重光を示す概念図(その1)である。
【図15】偏光多重された偏光多重光を示す概念図(その2)である。
【図16】従来の偏光多重送信装置の構成を示すブロック図(その1)である。
【図17】従来の偏光多重送信装置の構成を示すブロック図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる偏光多重送信装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
(本発明の概要)
図1は、本発明にかかる偏光多重送信装置の構成の概要を示すブロック図である。本発明にかかる偏光多重送信装置は、偏光方向が互いに直交し、それぞれ変調された各強度変化する信号成分を多重した偏光多重光を生成する偏光多重送信装置である。図1に示すように、本発明にかかる偏光多重送信装置100は、光源110と、変換部120と、変調部130と、偏光調節部140と、を備えている。
【0019】
光源110は、偏光を生成して変換部120へ出力する。この偏光は連続光(CW光:Continuous Wave光)、パルス光などであってよい。以下の説明では、光源110の出力が連続光である場合を例に説明する。光源110は、たとえばLDである。変換部120には、光源110から出力された連続光と、クロック信号(CLK)と、が入力される。変換部120へ入力されるクロック信号は、周期的に「0」と「1」が切り替わる交番の電気信号であり、たとえば正弦波、三角波または矩形波などである。
【0020】
変換部120は、光源110から出力された連続光を、入力されるクロック信号と同期する強度変化信号成分およびクロック信号と反転同期する強度変化信号成分に変換する。クロック信号と同期する強度変化信号成分とは、クロック信号と励起タイミングが一致する強度変化信号成分である。クロック信号と反転同期する強度変化信号成分とは、反転したクロック信号と励起タイミングが一致する強度変化信号成分である。
【0021】
クロック信号と同期する強度変化信号成分およびクロック信号と反転同期する強度変化信号成分は、異なる経路に分岐された2つの強度変化する信号成分である。または、クロック信号と同期する強度変化信号成分およびクロック信号と反転同期する強度変化信号成分は、1つの経路を通過する光に含まれる2つの強度変化する信号成分である。変換部120は、変換した各強度変化する信号成分を変調部130へ出力する。
【0022】
変調部130には、変換部120から出力された各強度変化する信号成分および2つのデータ信号DATA1,DATA2が入力される。変調部130は、変換部120から出力された、クロック信号と同期した強度変化する信号成分をDATA1(第1データ信号)に基づいて変調する。また、変調部130は、変換部120から出力された、クロック信号と反転同期した強度変化する信号成分をDATA2(第2データ信号)に基づいて変調する。
【0023】
たとえば、変調部130は、変換部120へ入力されるクロック信号と同期したクロック信号と、このクロック信号を反転させた反転クロック信号と、に基づいて各強度変化する信号成分を変調するタイミングの同期をとる。変調部130は、変調した各強度変化する信号成分を偏光調節部140へ出力する。変調部130の変調方式には、強度変調、位相変調または周波数変調など、偏光変調以外のあらゆる変調方式を単独または組み合わせて用いることができる。
【0024】
偏光調節部140は、変調部130から出力された各強度変化する信号成分の偏光方向を互いに直交させる。偏光調節部140は、たとえば2本の偏光保持ファイバである。この場合は、一方の偏光保持ファイバが、各強度変化する信号成分の一方を通過させ、通過させる強度変化する信号成分の偏光方向を水平方向に保持した状態で出力する。また、他方の偏光保持ファイバが各強度変化する信号成分の他方を通過させ、通過させる強度変化する信号成分の偏光方向を垂直方向に保持した状態で出力する。
【0025】
また、偏光調節部140は、たとえば2つの偏光素子であってもよい。この場合は、一方の偏光素子が、各強度変化する信号成分の一方を通過させ、通過させる強度変化する信号成分の水平方向の成分のみを通過させて出力する。また、他方の偏光素子が、各強度変化する信号成分の他方を通過させ、通過させる強度変化する信号成分の垂直方向の成分のみを通過させて出力する。
【0026】
また、偏光調節部140は、光の偏光方向を水平方向および垂直方向に変化させる偏光スイッチであってもよい。偏光スイッチとしては、例えばデバイスに電圧をかけることにより入力偏光を特定の角度に、素早く再現性を持って回転させるものが知られている。またこの場合は、偏光調節部140によって偏光方向が水平方向および垂直方向に変化する連続光のうちの水平成分および垂直成分を変換部120によってそれぞれ強度変化する信号成分に変換する。
【0027】
これにより、変調部130から出力された各強度変化する信号成分の偏光方向が互いに直交し、それぞれ変調された各強度変化する信号成分が互いに反転した符号タイミングで出力される。各強度変化する信号成分は互いに反転しているため、各強度変化する信号成分を偏光多重した偏光多重光はタイムインターリーブド偏光多重光となる。なお、ここでは偏光調節部140を変換部120の後段に設ける構成を説明したが、偏光調節部140を変換部120の前段に設けてもよいし、偏光調節部140を変換部120と一体的に構成してもよい。
【0028】
このように、本発明にかかる偏光多重送信装置100によれば、変換部120によって連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLDによって各強度変化する信号成分を生成することができる。また、連続光を互いに反転した2つの強度変化する信号成分に変換することで、遅延調節回路を用いることなく各強度変化する信号成分を時間的にずらすことができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0029】
(実施の形態1)
図2は、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置200は、LD210と、光スイッチ220と、変調装置231,232(Modulator)と、偏光調節部241,242と、偏光ビームコンバイナ250(PBC:Polarization Beam Combiner)と、を備えている。LD210は、図1に示した光源110に対応している。LD210は、連続光を生成して光スイッチ220へ出力する(符号A)。
【0030】
光スイッチ220は、図1に示した変換部120に対応している。光スイッチ220には、LD210から出力された連続光およびクロック信号が入力される。光スイッチ220は、LD210から出力された連続光を、入力されるクロック信号に応じた割合で2つの経路へ配分する。2つの経路は、ここでは、変調装置231へ接続された経路と、変調装置232へ接続された経路である。
【0031】
具体的には、光スイッチ220は、入力された連続光のうちの、クロック信号に応じたパワーの光成分を変調装置231へ出力する(符号B)。また、光スイッチ220は、入力された連続光のうちの、変調装置231へ出力しない光成分を変調装置232へ出力する(符号C)。これにより、LD210から出力された連続光が、クロック信号と同期する強度変化信号成分およびクロック信号と反転同期する強度変化信号成分に変換される。
【0032】
変調装置231および変調装置232は、図1に示した変調部130に対応している。変調装置231には、光スイッチ220から出力された強度変化する信号成分およびDATA1が入力される。変調装置231は、光スイッチ220から出力された強度変化する信号成分をDATA1に基づいて変調する。また、変調装置231は、クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。変調装置231は、変調した強度変化する信号成分を偏光調節部241へ出力する。
【0033】
変調装置232には、光スイッチ220から出力された強度変化する信号成分およびDATA2が入力される。変調装置232は、光スイッチ220から出力された強度変化する信号成分をDATA2に基づいて変調する。また、変調装置232は、クロック信号と反転同期して強度変化する信号成分を変調する。変調装置232は、変調した強度変化する信号成分を偏光調節部242へ出力する。
【0034】
偏光調節部241および偏光調節部242は、図1に示した偏光調節部140に対応している。偏光調節部241および偏光調節部242は、変調装置231および変調装置232から出力された各強度変化する信号成分の偏光方向をそれぞれ調節することで、偏光ビームコンバイナ250へ入力される各強度変化する信号成分の偏光方向を互いに直交させる。以下、偏光方向が水平方向の光成分を水平成分、偏光方向が垂直方向の光成分を垂直成分という。
【0035】
偏光調節部241および偏光調節部242は、偏光方向を調節した各強度変化する信号成分を偏光ビームコンバイナ250へそれぞれ出力する。偏光ビームコンバイナ250は、偏光調節部241から出力された強度変化する信号成分と、偏光調節部242から出力された強度変化する信号成分と、を結合することで、これらの強度変化する信号成分を偏光多重する。偏光ビームコンバイナ250は、偏光多重した偏光多重光を外部へ出力する(符号D)。
【0036】
図3は、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。図3において、横軸(t)は、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置200の各部の光または電気信号に共通の時間を示している。波形310は、光スイッチ220へ入力されるクロック信号(CLK)を示している。また、縦軸のH−pol.は光の水平成分を示している。V−pol.は光の垂直成分を示している。
【0037】
符号Aは、LD210から光スイッチ220へ出力される連続光(図2符号A参照)の波形(321,322)を示している。波形321は、LD210から出力される連続光の水平成分を示している。波形322は、LD210から出力される連続光の垂直成分を示している。波形321および波形322に示すように、LD210から出力される連続光は水平成分のみを含んでおり、垂直成分を含んでいない。
【0038】
符号Bは、光スイッチ220から変調装置231へ出力される強度変化する信号成分(図2符号B参照)の波形(331,332)を示している。波形331は、変調装置231へ出力される強度変化する信号成分の水平成分を示している。波形332は、変調装置231へ出力される強度変化する信号成分の垂直成分を示している。波形331に示すように、変調装置231へ出力される強度変化する信号成分は、クロック信号(符号310参照)と同期する。
【0039】
符号Cは、光スイッチ220から変調装置232へ出力される強度変化する信号成分(図2符号C参照)の波形(341,342)を示している。波形341は、変調装置232へ出力される強度変化する信号成分の水平成分を示している。波形342は、変調装置241へ出力される強度変化する信号成分の垂直成分を示している。波形341に示すように、変調装置232へ出力される強度変化する信号成分は、クロック信号(符号310参照)と反転同期する。
【0040】
波形350は、変調装置231へ入力されるDATA1の波形を示している。波形350に示すように、変調装置231へ入力されるDATA1は、クロック信号(符号310参照)と同期して入力される。波形360は、変調装置232へ入力されるDATA2の波形を示している。波形360に示すように、変調装置232へ入力されるDATA2は、クロック信号(符号310参照)と反転同期して入力される。
【0041】
符号Dは、偏光ビームコンバイナ250から出力される偏光多重光(図2符号D参照)の波形(371,372)を示している。波形371は、偏光ビームコンバイナ250から出力される偏光多重光の水平成分を示している。波形372は、偏光ビームコンバイナ250から出力される偏光多重光の垂直成分を示している。
【0042】
波形371および波形372に示すように、偏光ビームコンバイナ250から出力される偏光多重光の水平成分と垂直成分とは互いに反転した強度変化する信号成分となる。このため、偏光ビームコンバイナ250から出力される偏光多重光は、水平成分と垂直成分とが時間的にずれたタイムインターリーブド偏光多重光になる(図15参照)。
【0043】
図4は、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置の実施例を示すブロック図である。図4において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図4に示すように、偏光多重送信装置400は、LD210と、クロック発振器410と、反転回路411と、光スイッチ420と、DFF回路431,432と、位相変調装置(QPSK Modulator)441,442と、偏光保持ファイバ451,452(PMF)と、偏光ビームコンバイナ250と、を備えている。
【0044】
LD210は、連続光を生成して光スイッチ420へ出力する。クロック発振器410は、クロック信号を生成する。クロック発振器410は、生成したクロック信号を、光スイッチ420、DFF回路431およびDFF回路432へ出力する。反転回路411は、クロック発振器410からDFF回路432の間に設けられ、クロック発振器410からDFF回路432へ出力されるクロック信号を反転させて反転クロック信号にする。
【0045】
光スイッチ420は、図2に示した光スイッチ220に対応している。光スイッチ420は、電気光学基板にマッハツェンダ型の光導波路を設けて構成されたマッハツェンダ型の光スイッチである。マッハツェンダ型の光導波路は、分岐部421と、平行導波路422a,422bと、結合部423と、から構成されている。分岐部421は、LD210から出力された連続光を分岐する。
【0046】
分岐部421は、分岐した各連続光をそれぞれ平行導波路422a,422bへ出力する。平行導波路422a,422bは、分岐部421から出力された連続光をそれぞれ通過させて結合部423へ出力する。平行導波路422aには移相器424が設けられている。移相器424は、クロック発振器410から出力されたクロック信号に応じて、平行導波路422aを通過する連続光の位相を0およびπに変化させる。
【0047】
結合部423は、平行導波路422a,422bから出力された各連続光を結合する。結合部423は出力部425aおよび出力部425bを有している。結合部423によって結合された光は、干渉条件に応じた割合で出力部425aおよび出力部425bへ配分される。結合部423は、たとえば2入力2出力の光カプラである。
【0048】
たとえば、結合部423へ出力される各連続光の位相差が0であり明干渉となるときは、結合部423によって結合された光のすべての成分が出力部425aから出力される。また、結合部423へ出力される各連続光の位相差がπであり暗干渉となるときは、結合部423によって結合された光のすべての成分が出力部425bから出力される。
【0049】
平行導波路422aから結合部423へ出力される連続光の位相は、クロック信号に応じて0およびπに変化する。一方、平行導波路422bから結合部423へ出力される連続光の位相は、クロック信号に応じて変化しない。このため、結合部423へ出力される各連続光の位相差はクロック信号に応じて0およびπに変化する。
【0050】
このため、結合部423によって結合された光は、クロック信号に応じた割合で出力部425aおよび出力部425bへ配分される。クロック信号が「1」のときに各連続光の位相差が0になり、クロック信号が「0」のときに各連続光の位相差がπになる場合は、出力部425aへ配分された光成分は、クロック信号と同期する強度変化信号成分となる。出力部425bへ配分された光成分は、クロック信号と反転同期する強度変化信号成分となる。
【0051】
クロック信号と同期する強度変化信号成分は、位相変調装置441へ出力される。クロック信号と反転同期する強度変化信号成分は、位相変調装置442へ出力される。DFF(Delay Flip Flop)回路431には、クロック発振器410から出力されたクロック信号と、2値のデータ信号であるDATA1(I,Q)と、が入力される。DFF回路431は、入力されるクロック信号と同期してDATA1を位相変調装置441へ出力する。
【0052】
DFF回路432には、クロック発振器410から出力され、反転回路411によって反転した反転クロック信号と、2値のデータ信号であるDATA2(I,Q)と、が入力される。DFF回路432は、入力される反転クロック信号と同期して、DATA2を位相変調装置442へ出力する。すなわち、DFF回路432は、クロック発振器410から出力されたクロック信号と反転同期してDATA2を位相変調装置442へ出力する。
【0053】
位相変調装置441は、図2に示した変調装置231に対応している。位相変調装置441には、光スイッチ420から出力された強度変化する信号成分と、DFF回路431から出力されたDATA1と、が入力される。この強度変化する信号成分およびDATA1はクロック信号と同期している。位相変調装置441は、DATA1に基づいて強度変化する信号成分に対して4値の位相変調を行い、偏光保持ファイバ451へ出力する。
【0054】
位相変調装置442は、図2に示した変調装置232に対応している。位相変調装置442には、光スイッチ420から出力された強度変化する信号成分と、DFF回路432から出力されたDATA2と、が入力される。この強度変化する信号成分およびDATA2は、クロック信号と反転同期している。位相変調装置442は、DATA2に基づいて強度変化する信号成分に対して4値の位相変調を行い、偏光保持ファイバ452へ出力する。
【0055】
4値の位相変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)を行う位相変調装置441は、たとえば、並列に接続され、それぞれ0およびπの位相変調を行う2つのマッハツェンダ型の位相変調装置と、これらの位相変調装置の一方の変調光の位相をπ/2だけ変化させる移相器と、によって構成される。また、位相変調装置442についても、同様の構成により4値の位相変調を行うことができる。
【0056】
ただし、4値の位相変調を行う変調装置の構成はこれ以外にも公知であり、その如何を問わない。また、同様の回路構成で差動4値位相変調(DQPSK:Differential QPSK)に対応することもできる。また、DFF回路431、432をデジタル・アナログ(DA)変換装置とすることにより、4値以上の位相変調や直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)などに対応する構成となる。また、位相変調装置441、442の所要駆動振幅に対してDFF回路431、432の出力振幅が不足する場合には、図示しない駆動用増幅回路を具備してこれを補ってもよい。
【0057】
また、光スイッチ420および位相変調装置441,442は、1つの電気光学基板上に一体的に設けてもよい。偏光保持ファイバ451,452(PMF:Polarization Maintaining Fiber)は、図2に示した偏光調節部241および偏光調節部242にそれぞれ対応している。偏光保持ファイバ451および偏光保持ファイバ452は、それぞれ位相変調装置441および位相変調装置442から出力された各強度変化する信号成分の偏光方向を直交させた状態で保持する。
【0058】
なお、図4に示した実施例では光スイッチ420を構成する平行導波路422a,422bの一方のみに移相器424を具備する場合を示したが、平行導波路422a,422bのそれぞれに移相器を具備し、それぞれクロックと反転クロックで駆動するようにしてもよい。また、上記の実施例では4値の位相変調を行う場合の一例を示したが、強度変調、位相変調、周波数変調、ないしはそれらの組み合わせであってもよく、その場合には位相変調装置の代わりに強度変調装置や周波数変調装置を用いてもよい。
【0059】
偏光保持ファイバ451および偏光保持ファイバ452は、偏光方向を保持した各強度変化する信号成分が偏光ビームコンバイナ250で直交偏光状態をもって合波されるように出力する。偏光ビームコンバイナ250は、偏光保持ファイバ451および偏光保持ファイバ452から出力された各強度変化する信号成分を結合することで、これらの強度変化する信号成分を偏光多重する。偏光ビームコンバイナ250は、偏光多重した偏光多重光を外部へ出力する。
【0060】
このように、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置200によれば、光スイッチ220(光スイッチ420)を用いて連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLD210によって各強度変化する信号成分を生成することができる。また、連続光を2つの反転強度変化する信号成分に変換することで、遅延調節回路(図17符号1750参照)を用いることなく各強度変化する信号成分を時間的にずらすことができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0061】
また、連続光を互いに反転した2つの強度変化する信号成分に分離することで、連続光を減衰させずに2つの強度変化する信号成分に変換することができる。このため、必要な偏光多重光のパワーを得るための消費電力を低下させることができる。たとえば、連続光を光分割器によって減衰させることで強度変化する信号成分に変換する場合と比べて、偏光多重送信装置200によれば消費電力を半分程度に低下させることができる。
【0062】
また、クロック信号のビットレートを可変にすることで、出力される偏光多重光を可変ビットレートにすることができる。このとき、光スイッチ220からは、各強度変化する信号成分が常に互いに反転した状態で出力されるため、ビットレートの変化に応じて各強度変化する信号成分の時間的なずれを調節する必要がない。このため、簡単な構成および制御によって可変ビットレートに対応したタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0063】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。図5に示すように、実施の形態2にかかる偏光多重送信装置500は、LD510と、偏光スイッチ520と、偏光ビームスプリッタ530(PBS:Polarization Beam Splitters)と、変調装置541と、変調装置542と、偏光ビームコンバイナ550と、を備えている。LD510は、図1に示した光源110に対応している。LD510は、連続光を生成して偏光スイッチ520へ出力する(符号A)。
【0064】
偏光スイッチ520および偏光ビームスプリッタ530は、図1に示した変換部120および偏光調節部140に対応している。偏光スイッチ520には、LD510から出力された連続光と、クロック信号と、が入力される。偏光スイッチ520は、LD510から出力された連続光の偏光方向を、入力されるクロック信号に応じて水平方向(特定方向)および垂直方向(特定方向と直交する方向)に変化させる。
【0065】
偏光スイッチ520は、偏光方向を変化させた連続光を偏光ビームスプリッタ530へ出力する(符号B)。偏光ビームスプリッタ530は、偏光スイッチ520から出力された連続光を、水平成分および垂直成分に分離する。偏光ビームスプリッタ530は、分離した水平成分を変調装置541へ出力し(符号C)、分離した垂直成分を変調装置542へ出力する(符号D)。
【0066】
偏光スイッチ520から出力された連続光の偏光方向は、クロック信号に応じて水平方向および垂直方向に変化する。このため、偏光ビームスプリッタ530から出力される各光成分は、互いに反転した強度変化する信号成分になる。また、偏光ビームスプリッタ530によって分離された各強度変化する信号成分の偏光方向は互いに直交する。
【0067】
クロック信号が「1」のときに連続光の偏光方向が水平方向になり、クロック信号が「0」のときに連続光の偏光方向が垂直方向になるとすると、偏光ビームスプリッタ530から変調装置541へ出力された強度変化する信号成分は、クロック信号と同期する強度変化信号成分になる。また、偏光ビームスプリッタ530から変調装置542へ出力された光成分は、クロック信号と反転同期する強度変化信号成分になる。
【0068】
変調装置541および変調装置542は、図1に示した変調部130に対応している。変調装置541には、偏光ビームスプリッタ530から出力された強度変化する信号成分およびDATA1が入力される。変調装置541は、偏光ビームスプリッタ530から出力された強度変化する信号成分をDATA1に基づいて変調する。また、変調装置541は、クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。変調装置541は、変調した強度変化する信号成分を偏光ビームコンバイナ550へ出力する。
【0069】
変調装置542には、偏光ビームスプリッタ530から出力された強度変化する信号成分およびDATA2が入力される。変調装置542は、偏光ビームスプリッタ530から出力された強度変化する信号成分を、DATA2に基づいて変調する。また、変調装置542は、クロック信号と反転同期して強度変化する信号成分を変調する。変調装置542は、変調した強度変化する信号成分を偏光ビームコンバイナ550へ出力する。
【0070】
偏光ビームコンバイナ550へ入力される各強度変化する信号成分の偏光方向は、偏光スイッチ520および偏光ビームスプリッタ530の動作により互いに直交している。偏光ビームコンバイナ550は、変調装置541から出力された強度変化する信号成分と、変調装置542から出力された強度変化する信号成分と、を結合することで、これらの強度変化する信号成分を偏光多重する。偏光ビームコンバイナ550は、偏光多重した偏光多重光を外部へ出力する(符号E)。
【0071】
図6は、実施の形態2にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。図6において、横軸(t)は、実施の形態2にかかる偏光多重送信装置500の各部の光または電気信号に共通の時間を示している。波形610は、偏光スイッチ520へ入力されるクロック信号(CLK)を示している。また、縦軸のH−pol.は光の水平成分を示している。V−pol.は光の垂直成分を示している。
【0072】
符号Aは、LD510から偏光スイッチ520へ出力される連続光(図5符号A参照)の波形(621,622)を示している。波形621は、LD510から出力される連続光の水平成分を示している。波形622は、LD510から出力される連続光の垂直成分を示している。波形621および波形622に示すように、LD510から出力される連続光は水平成分のみを含んでおり、垂直成分を含んでいない。
【0073】
符号Bは、偏光スイッチ520から偏光ビームスプリッタ530へ出力される連続光(図5符号B参照)の波形(631,632)を示している。波形631および波形632は、偏光スイッチ520から出力される連続光の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。波形631および波形632に示すように、偏光スイッチ520から出力される連続光は、クロック信号(符号610参照)と同期した強度変化する信号成分と、クロック信号と反転同期した強度変化する信号成分と、を含んでいる。
【0074】
符号Cは、偏光ビームスプリッタ530から変調装置541へ出力される強度変化する信号成分(図5符号C参照)の波形(641,642)を示している。波形641は、変調装置541へ出力される強度変化する信号成分の水平成分を示している。波形642は、変調装置541へ出力される強度変化する信号成分の垂直成分を示している。波形641に示すように、変調装置541へ出力される強度変化する信号成分は、クロック信号(符号610参照)と同期する。
【0075】
符号Dは、偏光ビームスプリッタ530から変調装置542へ出力される強度変化する信号成分(図5符号D参照)の波形(651,652)を示している。波形651は、変調装置542へ出力される強度変化する信号成分の水平成分を示している。波形652は、変調装置542へ出力される強度変化する信号成分の垂直成分を示している。波形652に示すように、変調装置542へ出力される強度変化する信号成分は、クロック信号(符号610参照)と反転同期する。
【0076】
波形660は、変調装置541へ入力されるDATA1の波形を示している。波形660に示すように、変調装置541へ入力されるDATA1は、クロック信号(符号610参照)と同期して入力される。波形670は、変調装置542へ入力されるDATA2の波形を示している。波形670に示すように、変調装置542へ入力されるDATA2は、クロック信号(符号610参照)と反転同期して入力される。
【0077】
符号Eは、偏光ビームコンバイナ550から出力される偏光多重光(図5符号E参照)の波形(681,682)を示している。波形681は、偏光ビームコンバイナ550から出力される偏光多重光の水平成分を示している。波形682は、偏光ビームコンバイナ550から出力される偏光多重光の垂直成分を示している。
【0078】
波形681および波形682に示すように、偏光ビームコンバイナ550から出力される偏光多重光の水平成分と垂直成分とは互いに反転した強度変化する信号成分となる。このため、偏光ビームコンバイナ550から出力される偏光多重光は、水平成分と垂直成分とが時間的にずれたタイムインターリーブド偏光多重光になる(図15参照)。
【0079】
このように、実施の形態2にかかる偏光多重送信装置500によれば、偏光スイッチ520および偏光ビームスプリッタ530を用いて連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLD510によって各強度変化する信号成分を生成することができる。また、連続光を2つの反転強度変化する信号成分に変換することで、遅延調節回路(図17符号1750参照)を用いることなく各強度変化する信号成分を時間的にずらすことができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0080】
また、連続光を互いに反転した2つの強度変化する信号成分に分離することで、連続光を減衰させずに2つの強度変化する信号成分に変換することができる。このため、必要な偏光多重光のパワーを得るための消費電力を低下させることができる。たとえば、連続光を光分割器によって減衰させることで強度変化する信号成分に変換する場合と比べて、偏光多重送信装置500によれば消費電力を半分程度に低下させることができる。
【0081】
また、クロック信号のビットレートを可変にすることで、偏光多重光を可変ビットレートにすることができる。このとき、偏光ビームスプリッタ530からは、各強度変化する信号成分が常に互いに反転した状態で出力されるため、ビットレートの変化に応じて各強度変化する信号成分の時間的なずれを調節する必要がない。このため、簡単な構成および制御によって可変ビットレートに対応したタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0082】
また、偏光ビームスプリッタ530から出力される各強度変化する信号成分の偏光方向は、常に互いに直交した状態になる。このため、各強度変化する信号成分の偏光方向を調節する偏光調節部を設ける必要がなく、装置のさらなる小型化を図ることができる。また、各強度変化する信号成分の偏光方向を調節する偏光調節部を設け、偏光ビームコンバイナ550へ入力される各強度変化する信号成分の偏光方向を精度よく直交させる構成としてもよい。
【0083】
なお、図示しないが、偏光ビームスプリッタ530から出力される各強度変化する信号成分のうち一方または両方の偏光状態を調整する偏光調整部を具備することによって、例えば一旦二つの強度変化する信号成分の偏光方向を一致させたのちに変調装置541、542へ入射する構成としてもよい。この偏光調整部としては、例えば偏光保持ファイバや、複屈折板などを用いることができる。このような構成をとることによって、変調装置541、542を同一の電気光学効果を有する基板上に構成することが容易になると考えられる。
【0084】
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、実施の形態3にかかる偏光多重送信装置700は、LD710と、分岐部720と、光分割器731,732(Pulse Carver,パルス化手段)と、変調装置741,742と、偏光調節部751,752と、偏光ビームコンバイナ760と、を備えている。LD710は、図1に示した光源110に対応している。
【0085】
LD710は、連続光を生成して分岐部720へ出力する(符号A)。分岐部720、光分割器731および光分割器732は、図1に示した変換部120に対応している。分岐部720は、LD710から出力された連続光を分岐する。分岐部720は、分岐した各連続光の一方を光分割器731へ出力する(符号B)。また、分岐部720は、分岐した各連続光の他方を光分割器732へ出力する(符号D)。
【0086】
光分割器731には、分岐部720から出力された連続光およびクロック信号が入力される。光分割器731は、分岐部720から出力された連続光を、クロック信号に応じてパルス化し、クロック信号と同期した強度変化する信号成分にするパルス化手段である。光分割器731は、パルス化した強度変化する信号成分を変調装置741へ出力する(符号C)。
【0087】
光分割器732には、分岐部720から出力された連続光と、クロック信号に対して反転した反転クロック信号と、が入力される。光分割器732は、分岐部720から出力された連続光を、反転クロック信号に応じてパルス化し、クロック信号に反転同期した強度変化する信号成分にするパルス化手段である。光分割器732は、パルス化した強度変化する信号成分を変調装置742へ出力する(符号E)。
【0088】
変調装置741および変調装置742は、図1に示した変調部130に対応している。変調装置741には、光分割器731から出力された強度変化する信号成分およびDATA1が入力される。変調装置741は、光分割器731から出力された強度変化する信号成分をDATA1に基づいて変調する。また、変調装置741は、クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。変調装置741は、変調した強度変化する信号成分を偏光調節部751へ出力する。
【0089】
変調装置742には、光分割器732から出力された強度変化する信号成分およびDATA2が入力される。変調装置742は、光分割器732から出力された強度変化する信号成分をDATA2に基づいて変調する。また、変調装置742は、クロック信号に対して反転した反転クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。変調装置742は、変調した強度変化する信号成分を偏光調節部752へ出力する。
【0090】
偏光調節部751および偏光調節部752は、図1に示した偏光調節部140に対応している。偏光調節部751および偏光調節部752は、変調装置741および変調装置742からそれぞれ出力された各強度変化する信号成分の偏光方向を調節することで、偏光ビームコンバイナ760へ入力される各強度変化する信号成分の偏光方向を互いに直交させる。
【0091】
偏光調節部751および偏光調節部752は、偏光方向を調節した各強度変化する信号成分を偏光ビームコンバイナ760へそれぞれ出力する。偏光ビームコンバイナ760は、偏光調節部751から出力された強度変化する信号成分と、偏光調節部752から出力された強度変化する信号成分と、を結合することで、これらの強度変化する信号成分を偏光多重する。偏光ビームコンバイナ760は、偏光多重した偏光多重光を外部へ出力する(符号F)。
【0092】
図8は、実施の形態3にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。図8において、横軸(t)は、実施の形態3にかかる偏光多重送信装置700の各部の光または電気信号に共通の時間を示している。波形810は、分岐部720へ入力されるクロック信号(CLK)を示している。また、縦軸のH−pol.は光の水平成分を示している。V−pol.は光の垂直成分を示している。
【0093】
符号Aは、LD710から分岐部720へ出力される連続光(図7符号A参照)の波形(821,822)を示している。波形821は、LD710から出力される連続光の水平成分を示している。波形822は、LD710から出力される連続光の垂直成分を示している。波形821および波形822に示すように、LD710から出力される連続光は水平成分のみを含んでおり、垂直成分を含んでいない。
【0094】
符号B,Cは、分岐部720から光分割器731へ出力される連続光(図7符号B参照)の波形(831,832)と、光分割器731から変調装置741へ出力される強度変化する信号成分(図7符号C参照)の波形(841,842)と、をそれぞれ示している。波形831および波形832は、光分割器731へ出力される連続光の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。
【0095】
波形831に示すように、光分割器731へ出力される連続光は、LD710から出力される連続光(符号821参照)の半分のパワーになる。波形841および波形842は、光分割器731から出力される強度変化する信号成分の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。波形841に示すように、光分割器731から出力される強度変化する信号成分は、クロック信号(符号810参照)と同期する。
【0096】
符号D,Eは、分岐部720から光分割器732へ出力される連続光(図7符号D参照)の波形(851,852)と、光分割器732から変調装置742へ出力される強度変化する信号成分(図7符号E参照)の波形(861,862)と、をそれぞれ示している。波形851および波形852は、光分割器732へ出力される連続光の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。
【0097】
波形852に示すように、光分割器732へ出力される連続光は、LD710から出力される連続光(符号821参照)の半分のパワーになる。波形861および波形862は、光分割器732から出力される強度変化する信号成分の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。波形862に示すように、光分割器761から出力される強度変化する信号成分は、クロック信号(符号810参照)と反転同期する。
【0098】
波形870は、変調装置741へ入力されるDATA1の波形を示している。波形870に示すように、変調装置741へ入力されるDATA1は、クロック信号(符号810参照)と同期して入力される。波形880は、変調装置742へ入力されるDATA2の波形を示している。波形880に示すように、変調装置742へ入力されるDATA2は、クロック信号(符号810参照)と反転同期して入力される。
【0099】
符号Fは、偏光ビームコンバイナ760から出力される偏光多重光(図7符号F参照)の波形(891,892)を示している。波形891は、偏光ビームコンバイナ760から出力される偏光多重光の水平成分を示している。波形892は、偏光ビームコンバイナ760から出力される偏光多重光の垂直成分を示している。
【0100】
波形891および波形892に示すように、偏光ビームコンバイナ760から出力される偏光多重光の水平成分と垂直成分とは互いに反転した強度変化する信号成分となる。このため、偏光ビームコンバイナ760から出力される偏光多重光は、水平成分と垂直成分とが時間的にずれたタイムインターリーブド偏光多重光になる(図15参照)。
【0101】
このように、実施の形態3にかかる偏光多重送信装置700によれば、分岐部720および光分割器731,732を用いて連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLD710によって各強度変化する信号成分を生成することができる。また、連続光を2つの反転強度変化する信号成分に変換することで、遅延調節回路(図17符号1750参照)を用いることなく各強度変化する信号成分を時間的にずらすことができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0102】
また、クロック信号のビットレートを可変にすることで、出力される偏光多重光を可変ビットレートにすることができる。このとき、光分割器731,732からは、各強度変化する信号成分が常に互いに反転した状態で出力されるため、ビットレートの変化に応じて各強度変化する信号成分の時間的なずれを調節する必要がない。このため、簡単な構成および制御によって可変ビットレートに対応したタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0103】
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。図9に示すように、実施の形態4にかかる偏光多重送信装置900は、LD910と、偏光スイッチ920と、特定偏光変調装置930(第1変調手段)と、特定偏光変調部940(第2変調手段)と、を備えている。LD910は、図1に示した光源110に対応している。LD910は、連続光を生成して偏光スイッチ920へ出力する(符号A)。
【0104】
偏光スイッチ920は、図1に示した変換部120および偏光調節部140に対応している。偏光スイッチ920には、LD910から出力された連続光と、クロック信号と、が入力される。偏光スイッチ920は、LD910から出力された連続光の偏光方向を、入力されるクロック信号に応じて水平方向および垂直方向に変化させる。偏光スイッチ920は、偏光方向を変化させた連続光を特定偏光変調装置930へ出力する(符号B)。
【0105】
偏光スイッチ920から出力された連続光の偏光方向は、クロック信号に応じて水平方向および垂直方向に変化する。このため、偏光スイッチ920から出力された連続光は、水平成分および垂直成分と、を含んでいる。また、クロック信号が「1」のときに連続光の偏光方向が水平方向になり、クロック信号が「0」のときに連続光の偏光方向が垂直方向になるとすると、水平成分は、クロック信号と同期した強度変化する信号成分となる。また、偏光方向が垂直成分は、クロック信号に反転同期した強度変化する信号成分となる。
【0106】
特定偏光変調装置930,940は、図1に示した変調部130に対応している。特定偏光変調装置930には、偏光スイッチ920から出力された連続光およびDATA1が入力される。特定偏光変調装置930は、偏光スイッチ920から出力された連続光のうちの、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分のみをDATA1に基づいて変調する。また、特定偏光変調装置930は、クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。
【0107】
特定偏光変調装置930は、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分を変調した連続光を特定偏光変調部940へ出力する。特定偏光変調部940には、特定偏光変調装置930から出力された連続光およびDATA2が入力される。特定偏光変調部940は、特定偏光変調装置930から出力された連続光のうちの、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分のみをDATA2に基づいて変調する。また、特定偏光変調部940は、クロック信号に対して反転した反転クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。
【0108】
特定偏光変調部940は、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分を変調した連続光を外部へ出力する(符号C)。具体的には、特定偏光変調部940は、例えば、λ/2波長板941と、特定偏光変調装置942と、で構成することができる。λ/2波長板941は、特定偏光変調装置930から出力された連続光の直線偏光方向を90°変化させて特定偏光変調装置942へ出力する。これにより、連続光に含まれる水平成分と垂直成分とが入れ替わる。
【0109】
特定偏光変調装置942は、λ/2波長板941から出力された連続光のうちの、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分のみを反転クロック信号と同期して変調する。これにより、偏光スイッチ920から出力された連続光のうちの、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分を特定偏光変調装置930によって変調し、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分を特定偏光変調部940によって変調することができる。
【0110】
また、λ/2波長板941に代えて、特定偏光変調装置930から出力された連続光の偏光方向を90°変化させて特定偏光変調装置942へ出力する偏光保持ファイバを設けてもよい。また、λ/2波長板941および特定偏光変調装置942に代えて、特定偏光変調装置930から出力された連続光のうちの、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分のみを反転クロック信号と同期して変調する特定偏光変調装置を設けてもよい。
【0111】
なお、特定偏光変調装置930から出力された連続光の偏光状態が直線偏光でない、より一般的な場合にも、λ/2波長板941に替えて、適切な複屈折を有する複屈折素子を挿入することによって、上記と同様に連続光の偏光状態を直交状態と入れ替わるように変換することができる。
【0112】
また、特定偏光変調装置930へ入力されるDATA1を分岐して、分岐したDATA1に適切な振幅・遅延調整を施した後に、特定偏光変調部940へ入力してもよい。特定偏光変調部940は、DATA1によってDATA2を補償し、補償したDATA2に基づいて変調を行う。また、特定偏光変調部940へ入力されるDATA2を分岐して、分岐したDATA2適切な振幅・遅延調整を施した後に、特定偏光変調装置930へ入力してもよい。特定偏光変調装置930は、DATA2によってDATA1を補償し、補償したDATA1に基づいて変調を行う。
【0113】
これにより、特定偏光変調装置930の誤差によってDATA1に基づいて垂直成分が変調されても、特定偏光変調部940がDATA1によってDATA2を補償して垂直成分を変調することで誤差を補償することができる。また、特定偏光変調部940の誤差によってDATA2に基づいて水平成分が変調されても、特定偏光変調装置930があらかじめDATA1をDATA2によって補償して水平成分を変調しておくことで誤差を補償することができる。
【0114】
図10は、実施の形態4にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。図10において、横軸(t)は、実施の形態4にかかる偏光多重送信装置900の各部の光または電気信号に共通の時間を示している。波形1010は、偏光スイッチ920へ入力されるクロック信号(CLK)を示している。また、縦軸のH−pol.は光の水平成分を示している。V−pol.は光の垂直成分を示している。
【0115】
符号Aは、LD910から偏光スイッチ920へ出力される連続光(図9符号A参照)の波形(1021,1022)を示している。波形1021は、LD910から出力される連続光の水平成分を示している。波形1022は、LD910から出力される連続光の垂直成分を示している。波形1021および波形1022に示すように、LD910から出力される連続光は水平成分のみを含んでおり、垂直成分を含んでいない。
【0116】
符号Bは、偏光スイッチ920から特定偏光変調装置930へ出力される連続光(図9符号B参照)の波形(1031,1032)を示している。波形1031および波形1032は、偏光スイッチ920から出力される連続光の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。波形1031および波形1032に示すように、偏光スイッチ920から出力される連続光は、クロック信号(符号1010参照)と同期した強度変化する信号成分と、クロック信号と反転同期した強度変化する信号成分と、を含んでいる。
【0117】
波形1040は、特定偏光変調装置930へ入力されるDATA1の波形を示している。波形1040に示すように、特定偏光変調装置930へ入力されるDATA1は、クロック信号(符号1010参照)と同期して入力される。波形1050は、特定偏光変調装置942へ入力されるDATA2の波形を示している。波形1050に示すように、特定偏光変調装置942へ入力されるDATA2は、クロック信号(符号1010参照)と反転同期して入力される。
【0118】
符号Cは、特定偏光変調装置942から外部へ出力される偏光多重光(図9符号C参照)の波形(1061,1062)を示している。波形1061は、特定偏光変調装置942から出力される偏光多重光の水平成分を示している。波形1062は、特定偏光変調装置942から出力される偏光多重光の垂直成分を示している。
【0119】
波形1061および波形1062に示すように、特定偏光変調部940から外部へ出力される偏光多重光の水平成分と垂直成分とは互いに反転した強度変化する信号成分となる。このため、特定偏光変調装置942から出力される偏光多重光は、水平成分と垂直成分とが時間的にずれたタイムインターリーブド偏光多重光になる(図15参照)。
【0120】
このように、実施の形態4にかかる偏光多重送信装置900によれば、偏光スイッチ920を用いて連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLD910によって各強度変化する信号成分を生成することができる。また、連続光を2つの反転強度変化する信号成分に変換することで、遅延調節回路(図17符号1750参照)を用いることなく各強度変化する信号成分を時間的にずらすことができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0121】
また、連続光を互いに反転した2つの強度変化する信号成分に変換することで、連続光を減衰させずに2つの強度変化する信号成分に変換することができる。このため、必要な偏光多重光のパワーを得るための消費電力を低下させることができる。たとえば、連続光を光分割器によって減衰させることで強度変化する信号成分に変換する場合と比べて、偏光多重送信装置900によれば消費電力を半分程度に低下させることができる。
【0122】
また、クロック信号のビットレートを可変にすることで、出力される偏光多重光を可変ビットレートにすることができる。このとき、特定偏光変調部940からは、各強度変化する信号成分が常に互いに反転した状態で出力されるため、ビットレートの変化に応じて各強度変化する信号成分の時間的なずれを調節する必要がない。このため、簡単な構成および制御によって可変ビットレートに対応したタイムインターリーブド偏光多重を行うことができる。
【0123】
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、実施の形態5にかかる偏光多重送信装置1100は、LD1110と、光分割器1120と、特定偏光変調装置1130と、特定偏光変調部1140と、を備えている。LD1110は、連続光を生成して光分割器1120へ出力する(符号A)。
【0124】
光分割器1120には、LD1110から出力された連続光と、クロック信号と、が入力される。光分割器1120は、LD1110から出力された連続光を、クロック信号に応じてパルス化し、クロック信号と同期した強度変化する信号成分にする。光分割器1120は、パルス化した強度変化する信号成分を特定偏光変調装置1130へ出力する。
【0125】
このとき、光分割器1120から出力される強度変化する信号成分の偏光方向を、水平方向と、垂直方向と、の合成方向に調節する偏光調節手段を設ける。たとえば、LD1110から出力する連続光の偏光方向を、水平方向および垂直方向から45°ずれた方向に設定する。これにより、光分割器1120から出力される強度変化する信号成分は、偏光方向が水平方向の光成分と、偏光方向が垂直方向の光成分と、を含む。
【0126】
特定偏光変調装置1130,特定偏光変調部1140は、図1に示した変調部130に対応している。特定偏光変調装置1130には、光分割器1120から出力された連続光およびDATA1が入力される。特定偏光変調装置1130は、光分割器1120から出力された連続光のうちの、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分のみをDATA1に基づいて変調する。また、特定偏光変調装置1130は、クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。
【0127】
特定偏光変調装置1130は、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分を変調した連続光を特定偏光変調部1140へ出力する。特定偏光変調部1140には、特定偏光変調装置1130から出力された連続光およびDATA2が入力される。特定偏光変調部1140は、特定偏光変調装置1130から出力された連続光のうちの、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分のみをDATA2に基づいて変調する。また、特定偏光変調部1140は、クロック信号と同期して強度変化する信号成分を変調する。
【0128】
特定偏光変調部1140は、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分を変調した連続光を外部へ出力する(符号C)。特定偏光変調部1140も、図9に示した特定偏光変調部940と同様に、λ/2波長板1141と、特定偏光変調装置1142と、から構成されている。λ/2波長板1141は、特定偏光変調装置1130から出力された連続光の偏光方向を90°変化させて特定偏光変調装置1142へ出力する。これにより、連続光に含まれる水平方向の光成分と垂直方向の光成分とが入れ替わる。
【0129】
特定偏光変調装置1142は、λ/2波長板1141から出力された連続光のうちの、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分のみをクロック信号と同期して変調する。これにより、光分割器1120から出力された連続光のうちの、偏光方向が水平方向の強度変化する信号成分を特定偏光変調装置1130によって変調し、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分を特定偏光変調部1140によって変調することができる。
【0130】
また、λ/2波長板1141に代えて、特定偏光変調装置1130から出力された連続光の偏光方向を90°変化させて特定偏光変調装置1142へ出力する偏光保持ファイバを設けてもよい。また、λ/2波長板1141および特定偏光変調装置1142に代えて、特定偏光変調装置1130から出力された連続光のうちの、偏光方向が垂直方向の強度変化する信号成分のみを反転クロック信号と同期して変調する特定偏光変調装置を設けてもよい。
【0131】
また、特定偏光変調装置1130へ入力されるDATA1を分岐して、分岐したDATA1を特定偏光変調部1140へ入力してもよい。特定偏光変調部1140は、DATA1によってDATA2を補償し、補償したDATA2に基づいて変調を行う。また、特定偏光変調部1140へ入力されるDATA2を分岐して、分岐したDATA2を特定偏光変調装置1130へ入力してもよい。特定偏光変調装置1130は、DATA2によってDATA1を補償し、補償したDATA1に基づいて変調を行う。
【0132】
これにより、特定偏光変調装置1130の誤差によってDATA1に基づいて垂直成分が変調されても、特定偏光変調部1140がDATA1によってDATA2を補償して垂直成分を変調することで誤差を補償することができる。また、特定偏光変調部1140の誤差によってDATA2に基づいて水平成分が変調されても、特定偏光変調装置1130があらかじめDATA1をDATA2によって補償して水平成分を変調しておくことで誤差を補償することができる。
【0133】
図12は、実施の形態5にかかる偏光多重送信装置のタイムチャートを示す図である。図12において、横軸(t)は、実施の形態5にかかる偏光多重送信装置1100の各部の光または電気信号に共通の時間を示している。波形1210は、光分割器1120へ入力されるクロック信号(CLK)を示している。また、縦軸のH−pol.は光の水平成分を示している。V−pol.は光の垂直成分を示している。
【0134】
符号Aは、LD1110から光分割器1120へ出力される連続光(図11符号A参照)の波形(1221,1222)を示している。波形1221は、LD1110から出力される連続光の水平成分を示している。波形1222は、LD1110から出力される連続光の垂直成分を示している。波形1221および波形1222に示すように、LD1110から出力される連続光は水平成分および垂直成分をほぼ同じ割合で含んでいる。
【0135】
符号Bは、光分割器1120から特定偏光変調装置1130へ出力される連続光(図11符号B参照)の波形(1231,1232)を示している。波形1231および波形1232は、光分割器1120から出力される連続光の水平成分および垂直成分をそれぞれ示している。波形1231および波形1232に示すように、光分割器1120から出力される連続光は、クロック信号(符号1210参照)と同期した強度変化する信号成分になる。
【0136】
波形1240は、特定偏光変調装置1130へ入力されるDATA1の波形を示している。波形1250は、特定偏光変調装置1142へ入力されるDATA2の波形を示している。波形1240および波形1250に示すように、特定偏光変調装置1130へ入力されるDATA1および特定偏光変調装置1142へ入力されるDATA2は、ともにクロック信号(符号1210参照)と同期して入力される。
【0137】
符号Cは、特定偏光変調装置1142から外部へ出力される偏光多重光(図11符号C参照)の波形(1261,1262)を示している。波形1261は、特定偏光変調装置1142から出力される偏光多重光の水平成分を示している。波形1262は、特定偏光変調装置1142から出力される偏光多重光の垂直成分を示している。
【0138】
波形1261および波形1262に示すように、特定偏光変調装置1142から外部へ出力される偏光多重光の水平成分および垂直成分は互いに同期した強度変化する信号成分となる。このため、特定偏光変調装置1142から出力される偏光多重光は、水平成分と垂直成分とが互いに同期したタイムアラインド偏光多重光になる(図14参照)。
【0139】
このように、実施の形態5にかかる偏光多重送信装置1100によれば、光分割器1120を用いて連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLD1110によって各強度変化する信号成分を生成することができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムアラインド偏光多重を行うことができる。
【0140】
(実施の形態6)
図13は、実施の形態6にかかる偏光多重送信装置の構成を示すブロック図である。図13において、図4に示した偏光多重送信装置400の構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、図13において、図4に示したクロック発振器410および反転回路411については図示を省略している。
【0141】
図13に示すように、実施の形態6にかかる偏光多重送信装置1300は、図4に示した偏光多重送信装置400の構成に加えて、受光部1310と、制御部1320と、を備えている。偏光保持ファイバ451および偏光保持ファイバ452は、位相変調装置441および位相変調装置442から出力された各強度変化する信号成分を、後述する偏光ビームコンバイナ250の第1から第4までのすべての入力固有偏光状態成分を励振するような状態で偏光ビームコンバイナ250へ出力する。
【0142】
偏光ビームコンバイナ250は、結合した光を外部へ出力する出力部を2つ有する(出力部1301,1302)。偏光ビームコンバイナ250は、偏光保持ファイバ451から結合した光のうちのある偏光状態(第1の入力固有偏光状態)成分を出力部1301に出力しつつ、第1の入力固有偏光状態と直交する第2の入力固有偏光状態成分は出力部1302に出力する。また、偏光ビームコンバイナ250は、偏光保持ファイバ452から結合した光のうちのある偏光状態(第3の入力固有偏光状態)成分を出力部1301に出力しつつ、第3の入力固有偏光状態と直交する第4の入力固有偏光状態成分は出力部1302に出力する。このとき、出力部1301からは、第1の入力固有偏光状態成分と第3の入力固有偏光状態成分が互いに直交する偏光状態で結合されて出力し、出力部1302からは、第2の入力固有偏光状態成分と第4の入力固有偏光状態成分が互いに直交する偏光状態で結合されてモニタ光として出力する。
【0143】
受光部1310は、偏光ビームコンバイナ250の出力部1302から出力されたモニタ光を受光して電気信号に変換する監視手段である。受光部1310は、変換した電気信号を制御部1320へ出力する。受光部1310は、たとえばPD(Photo Diode)である。制御部1320は、受光部1310から出力された電気信号に基づいて、偏光ビームコンバイナ250の前段の各部の設定の調節制御を行う。
【0144】
たとえば、符号1330に示すように、制御部1320は、受光部1310から出力された電気信号に基づいて、光スイッチ420の移相器424に供給するバイアスを制御する。これにより、結合部423における消光比を調節する自動バイアス制御(ABC:Auto Bias Control)を行うことができる。
【0145】
また、符号1340に示すように、制御部1320は、受光部1310から出力された電気信号に基づいて、位相変調装置441および位相変調装置442へ供給する各信号を制御して変調特性を調節してもよい。たとえば、制御部1320は、位相変調装置441および位相変調装置442のπ/2移相器(不図示)に供給するバイアスを制御し、位相変調装置441および位相変調装置442の消光比を調節する自動バイアス制御を行う。
【0146】
また、偏光多重送信装置1300は、位相変調装置441から偏光保持ファイバ451へ出力される強度変化する信号成分の強度を調節する強度調節部1351と、位相変調装置442から偏光保持ファイバ452へ出力される強度変化する信号成分の強度を調節する強度調節部1352と、を備えていてもよい。強度調節部1351および強度調節部1352は、たとえば、光増幅器や、光減衰器である。
【0147】
この場合は、符号1353に示すように、制御部1320は、受光部1310から出力された電気信号に基づいて強度調節部1351および強度調節部1352を制御し、偏光保持ファイバ451および偏光保持ファイバ452へ出力される各強度変化する信号成分の強度を調節させる自動パワー制御(APC:Auto Power Control)を行う。
【0148】
また、たとえば、制御部1320は、符号1360に示すように、偏光保持ファイバ451および偏光保持ファイバ452のねじれ角度を制御し、偏光ビームコンバイナ250へ出力される各強度変化する信号成分の偏光方向を調節してもよい。これにより、偏光ビームコンバイナ250が結合する光の、出力部1301から出力される強度変化する信号成分と出力部1302から出力されるモニタ光との比率を調節することができる。
【0149】
このように、実施の形態6にかかる偏光多重送信装置1300によれば、実施の形態1にかかる偏光多重送信装置400の効果を奏するとともに、偏光ビームコンバイナ250を2入力2出力の偏光ビームコンバイナとすることで、光カプラなどの分岐部を設けることなくモニタ光を取り出すことができる。これにより、偏光多重送信装置1300の各部の調節をフィードバック制御により行う場合における装置の小型化を図ることができる。
【0150】
なお、ここでは、図4に示した偏光多重送信装置400の構成に実施の形態6を適用する場合について説明したが、実施の形態6は、上述した実施の形態1〜3の各偏光多重送信装置に適用することができる。具体的には、上述した実施の形態1〜3の偏光多重送信装置の偏光ビームコンバイナを2入力2出力の偏光ビームコンバイナとして、受光部1310、制御部1320および強度調節部1351,1352を設ける。
【0151】
以上説明したように、本発明にかかる偏光多重送信装置によれば、装置の小型化を図りつつタイムアラインド偏光多重を行うことができる。
【0152】
なお、上述した各実施の形態においては、偏光多重送信装置によってタイムインターリーブド偏光多重を行う構成について説明したが、各強度変化する信号成分の一方を遅延させる遅延調節回路(図17符号1750参照)をさらに設けることで各強度変化する信号成分を同期させ、タイムアラインド偏光多重(図14符号1400参照)を行う構成としてもよい。
【0153】
この場合も、連続光を2つの強度変化する信号成分に変換することで、1つのLDによって各強度変化する信号成分を生成することができる。このため、装置の小型化を図りつつタイムアラインド偏光多重を行うことができる。また、連続光を互いに反転した2つの強度変化する信号成分に分離することで、連続光を減衰させずに2つの強度変化する信号成分に変換することができる。このため、必要な偏光多重光のパワーを得るための消費電力を低下させることができる。
【0154】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)偏光方向が互いに直交し、それぞれ変調された各強度変化する信号成分を多重した偏光多重光を生成する偏光多重送信装置において、
光源によって生成された光を、入力されるクロック信号と同期する強度変化信号成分および前記クロック信号と反転同期する強度変化信号成分に変換する変換手段と、
前記変換手段によって変換された各強度変化信号成分をそれぞれ変調する変調手段と、
前記各強度変化する信号成分の偏光状態を互いに直交させる偏光調節手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【0155】
(付記2)前記変調手段は、
第1データ信号および前記クロック信号に基づいて、前記クロック信号と同期する強度変化信号成分をデータ変調する第1変調装置と、
第2データ信号および前記クロック信号に対して反転した反転クロック信号に基づいて、前記クロック信号と反転同期する強度変化信号成分を変調する第2変調装置と、
から構成されることを特徴とする付記1に記載の偏光多重送信装置。
【0156】
(付記3)前記第1変調装置および前記第2変調装置は、互いに直交された偏光状態の各強度変化信号成分を、当該強度変化信号成分のパルス繰り返し周期の半分だけ時間的にずらして出力することを特徴とする付記1または2に記載の偏光多重送信装置。
【0157】
(付記4)前記変換手段は、前記光を、前記クロック信号に応じた割合で2つの経路へ配分することで前記各強度変化する信号成分に変換する光スイッチであり、
前記変調手段によってそれぞれ変調され、前記偏光調節手段によって偏光状態が互いに直交した各強度変化する信号成分を偏光多重する多重手段をさらに備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の偏光多重送信装置。
【0158】
(付記5)前記光スイッチは、
前記光を分岐する分岐手段と、
前記分岐手段によって分岐された各光を通過させる平行導波路と、
前記平行導波路の一方を通過する光の位相を前記クロック信号に応じて変化させる移相器と、
前記平行導波路を通過した各光を結合し、結合した光を干渉条件に応じた割合で前記2つの経路へ配分する結合手段と、
から構成されることを特徴とする付記4に記載の偏光多重送信装置。
【0159】
(付記6)前記変換手段および前記偏光調節手段は、
前記光の偏光状態を、前記クロック信号に応じて特定状態および前記特定状態と直交する状態に変化させる偏光スイッチと、
前記偏光スイッチによって偏光状態が変化する光を、前記特定状態の強度変化する信号成分と、前記直交する状態の強度変化する信号成分と、に分離する偏光ビームスプリッタと、
から構成され、
前記偏光ビームスプリッタによって分離され、前記変調手段によってそれぞれ変調された前記各強度変化する信号成分を偏光多重する多重手段をさらに備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の偏光多重送信装置。
【0160】
(付記7)前記変換手段は、
前記光を2つの経路へ分岐する分岐手段と、
前記分岐手段によって分岐された各光成分の一方を前記クロック信号と同期してパルス化し、前記分岐手段によって分岐された各光成分の他方を前記クロック信号と反転同期してパルス化するパルス化手段と、
から構成され、
前記変調手段によってそれぞれ変調され、前記偏光調節手段によって偏光状態が互いに直交した各強度変化する信号成分を偏光多重する多重手段をさらに備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の偏光多重送信装置。
【0161】
(付記8)前記変換手段および偏光調節手段は、前記光の偏光状態を、前記クロック信号に応じて特定状態および前記特定状態と直交する状態に変化させる偏光スイッチであり、
前記偏光スイッチによって偏光状態が変化する光のうちの前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する第1変調手段と、
前記第1変調手段と直列に接続され、前記偏光スイッチによって偏光状態が変化する光のうちの前記直交する状態の強度変化する信号成分を変調する第2変調手段と、
をさらに備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の偏光多重送信装置。
【0162】
(付記9)前記第2変調手段は、
前記第1変調手段によって変調された偏光多重光の偏光状態を直交状態に変換させる複屈折素子と、
前記複屈折素子によって偏光状態が変化した偏光多重光の前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する変調装置と、
から構成されることを特徴とする付記8に記載の偏光多重送信装置。
【0163】
(付記10)前記第1変調手段は、第2データ信号によって第1データ信号を補償し、補償した第1データ信号に基づいて前記特定状態の強度変化する信号成分を変調し、
前記第2変調手段は、前記第1データ信号によって前記第2データ信号を補償し、補償した第2データ信号に基づいて前記特定状態の強度変化する信号成分を変調することを特徴とする付記8または9に記載の偏光多重送信装置。
【0164】
(付記11)前記多重手段は、前記変調手段によってそれぞれ変調され、前記偏光調節手段によって偏光状態が互いに直交した各強度変化する信号成分を結合する偏光ビームコンバイナであることを特徴とする付記4〜7のいずれか一つに記載の偏光多重送信装置。
【0165】
(付記12)前記偏光ビームコンバイナは、第1の入力部と第2の入力部と、互いに相補的な第1の出力部と第2の出力部を備え、さらに第1の入力部から第1の出力部に導かれる第1の入力偏光固有状態と、第1の入力部から第2の出力部に導かれる第2の入力偏光固有状態と、第2の入力部から第1の出力部に導かれる第3の入力偏光固有状態と、第2の入力部から第2の出力部に導かれる第4の入力偏光固有状態とを有し、
前記偏光調節手段は、前記各強度変化する信号成分の偏光状態を、前記偏光ビームコンバイナの上記第1から第4のすべての入力偏光固有状態の成分が0ではない振幅で励振されるように調整し、
前記第2出力部から出力されたモニタ光を監視する監視手段をさらに備えることを特徴とする付記11に記載の偏光多重送信装置。
【0166】
(付記13)前記監視手段の監視結果に基づいて、前記多重手段の前段に設けられた構成の設定の調節制御を行う制御手段をさらに備えることを特徴とする付記12に記載の偏光多重送信装置。
【0167】
(付記14)前記変換手段によって変換された前記各強度変化する信号成分のうちの一方の強度変化する信号成分を他方の強度変化する信号成分に対して遅延させ、前記各強度変化する信号成分を同期させる遅延調節手段をさらに備えることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の偏光多重送信装置。
【0168】
(付記15)光源によって生成された光を、入力されるクロック信号に応じた割合で2つの経路へ配分することで互いに反転した各強度変化する信号成分に変換する光スイッチと、
前記光スイッチによって変換された各強度変化する信号成分をそれぞれ変調する変調手段と、
前記各強度変化する信号成分の偏光状態を互いに直交させる偏光調節手段と、
前記変調手段によってそれぞれ変調され、前記偏光調節手段によって偏光状態が互いに直交した各強度変化する信号成分を偏光多重する多重手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【0169】
(付記16)光源によって生成された光の偏光状態を、入力されるクロック信号に応じて特定状態および前記特定状態と直交する状態に変化させる偏光スイッチと、
前記偏光スイッチによって偏光状態が変化する光を、前記特定状態の強度変化する信号成分と、前記直交する状態の強度変化する信号成分と、に分離する偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタによって分離された各強度変化する信号成分をそれぞれ変調する変調手段と、
前記偏光ビームスプリッタによって分離され、前記変調手段によってそれぞれ変調された前記各強度変化する信号成分を偏光多重する多重手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【0170】
(付記17)光源によって生成された光を2つの経路へ分岐する分岐手段と、
前記分岐手段によって分岐された各光成分の一方を、入力されるクロック信号と同期してパルス化し、前記分岐手段によって分岐された各光成分の他方を、前記クロック信号と反転同期してパルス化するパルス化手段と、
前記パルス化手段によってそれぞれパルス化された各強度変化する信号成分をそれぞれ変調する変調手段と、
前記各強度変化する信号成分の偏光状態を互いに直交させる偏光調節手段と、
前記変調手段によってそれぞれ変調され、前記偏光調節手段によって偏光状態が互いに直交した各強度変化する信号成分を偏光多重する多重手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【0171】
(付記18)光源によって生成された光の偏光状態を、入力されるクロック信号に応じて特定状態および前記特定状態と直交する状態に変化させる偏光スイッチと、
前記偏光スイッチによって偏光状態が変化する光のうちの特定状態の強度変化する信号成分を変調する第1変調手段と、
前記第1変調手段と直列に接続され、前記偏光スイッチによって偏光状態が変化する光のうちの前記直交する状態の強度変化する信号成分を変調する第2変調手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【0172】
(付記19)光源によって生成された光を、入力されるクロック信号と同期してパルス化するパルス化手段と、
前記パルス化手段によってパルス化された強度変化する信号成分の偏光状態を、特定状態と、前記特定状態と直交する状態と、の合成状態に調節する偏光調節手段と、
前記パルス化手段によってパルス化され、前記偏光調節手段によって偏光状態を調節された光のうちの前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する第1変調手段と、
前記第1変調手段と直列に接続され、前記パルス化手段によってパルス化され、前記偏光調節手段によって偏光状態を調節された光のうちの前記直交する状態の強度変化する信号成分を変調する第2変調手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【符号の説明】
【0173】
100,200,400,500,700,900,1100,1300 偏光多重送信装置
410 クロック発振器
411 反転回路
420 光スイッチ
421 分岐部
422a,422b 平行導波路
423 結合部
424 移相器
425a,425b,1301,1302 出力部
1141 λ/2波長板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源によって生成された光を、入力されるクロック信号と位相同期してパルス化するパルス化手段と、
前記パルス化手段によってパルス化された強度変化する信号成分の偏光状態を、特定状態と、前記特定状態と直交する状態と、の合成状態に調節する偏光調節手段と、
前記パルス化手段によってパルス化され、前記偏光調節手段によって偏光状態を調節された光のうちの前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する第1変調手段と、
前記第1変調手段と直列に接続され、前記パルス化手段によってパルス化され、前記偏光調節手段によって偏光状態を調節された光のうちの前記直交する状態の強度変化する信号成分を変調する第2変調手段と、
を備えることを特徴とする偏光多重送信装置。
【請求項2】
前記第2変調手段は、
前記第1変調手段によって変調された光の偏光状態を90°変化させるλ/2波長板と、
前記λ/2波長板によって偏光状態が変化した光のうちの前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する変調部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光多重送信装置。
【請求項3】
前記第2変調手段は、
前記第1変調手段によって変調された光の偏光状態を90°変化させる偏波保持ファイバと、
前記偏波保持ファイバによって偏光状態が変化した光のうちの前記特定状態の強度変化する信号成分を変調する変調部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光多重送信装置。
【請求項4】
前記第2変調手段は、前記第1変調手段によって変調された光のうちの、偏光状態が前記特定状態である強度変化する信号成分のみを前記クロック信号と反転位相同期して変調することを特徴とする請求項1に記載の偏光多重送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−60674(P2012−60674A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266305(P2011−266305)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【分割の表示】特願2007−226940(P2007−226940)の分割
【原出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人情報通信研究機構、「λユーティリティ技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】