説明

偏光装置、偏光フィルタ、制御装置、及びプログラム

【課題】撮影範囲内に複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が存在している場合に、各特定反射面又は特定散乱空間で反射又は散乱した特定反射散乱光を効果的に除去すること。
【解決手段】偏光装置2であって、複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜4と、上記ブロックごとに、該ブロックを構成する上記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御装置7と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光装置、偏光フィルタ、制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スチールカメラやテレビカメラなどのカメラを用いて写真撮影やビデオ撮影を行う際には、ガラス面や水面などの特定反射面で反射した光や、空などの特定散乱空間で散乱した光(以下、特定反射散乱光と総称する。)が明るすぎ、撮影結果に悪影響を及ぼすことがある。そこで、従来、特定反射散乱光のみを効果的に除去するために、偏光フィルタが用いられる。
【0003】
偏光フィルタは、特定方向に直線偏光した光のみを透過させる光学フィルタである。以下では、この特定方向を透過偏光方向と称する。一般に、特定反射散乱光以外の光は直線偏光していない(言い換えれば、あらゆる方向に均等に直線偏光しており)のに対し、特定反射散乱光は特定方向(この特定方向を特定反射散乱光の偏光方向という。)に直線偏光した成分を、他の方向に直線偏光した成分に比べ、多く含んでいる。このため、透過偏光方向と特定反射散乱光の偏光方向とを一致させないようにした状態の偏光フィルタを通して撮影を行えば、特定反射散乱光の明るさに対する、特定反射散乱光以外の光の明るさの割合が大きくなり、視覚的には、特定反射散乱光のみが効果的に除去されることとなるのである。
【0004】
なお、特定反射散乱光の偏光方向は任意であるので、撮影の都度、偏光フィルタの向きを調節し、透過偏光方向と特定反射散乱光の偏光方向とを一致させないようにする必要がある。このため一般に、偏光フィルタは、カメラへの光の入射方向を回転軸として回転可能に取り付けられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−250115号公報
【特許文献2】特開平11−218799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、撮影範囲内に存在する特定反射面や特定散乱空間は一箇所であるとは限らない。複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が撮影範囲内に存在する場合、特定反射散乱光の偏光方向は特定反射面又は特定散乱空間ごとに異なるのが一般的であるが、上記偏光フィルタは全面で一様な透過偏光方向を有しているため、特定反射散乱光を効果的に除去できない場合がある。
【0006】
なお、立体表示用ディスプレイの技術分野では、2方向の透過偏光方向を有する偏光フィルタと偏光メガネとを用いて立体視を実現する技術があり、上記問題を解決するために、この偏光フィルタを用いることも考えられる。しかしながら、この技術は、左眼用の画像と右眼用の画像とを偏光方向の違いにより多重化させるものであり、偏光フィルタは1ドット縦ラインごとに左眼用の透過偏光方向のものと右眼用の透過偏光方向のものとが交互に並んだものとなっている。このような偏光フィルタを用いたとしても、撮影範囲内に複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が存在している場合に、各特定反射面又は特定散乱空間で反射又は散乱した特定反射散乱光を効果的に除去することは、やはり困難である。
【0007】
従って、本発明の課題の一つは、撮影範囲内に複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が存在している場合に、各特定反射面又は特定散乱空間で反射又は散乱した特定反射散乱光を効果的に除去することのできる偏光装置、偏光フィルタ、制御装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明にかかる偏光装置は、複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜と、前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
これによれば、偏光膜が複数ブロックに分割され、しかもブロックごとに、該ブロックを構成する各部分偏光膜の通過光の光量を制御しているので、ブロック単位で局所的に透過偏光方向を変化させることができ、撮影範囲内に複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が存在している場合に、各特定反射面又は特定散乱空間で反射又は散乱した特定反射散乱光を効果的に除去することが可能となる。
【0010】
さらに、この偏光装置において、当該偏光装置は、前記通過光の光軸方向に前記偏光膜と並んで設置される通過光制御用偏光膜と、所定の制御に応じて、前記各部分偏光膜を通過した前記通過光の偏光方向を該部分偏光膜ごとに変更し、前記通過光制御用偏光膜に入射する偏光方向変更手段と、を含み、前記制御手段は、前記部分偏光膜ごとに、該各部分偏光膜の透過変更方向と、前記通過光制御用偏光膜のうち該各部分偏光膜を通過した前記通過光が入射される部分の透過偏光方向と、に応じた変更量の偏光方向変更を施すよう前記偏光方向偏光手段を制御することにより、前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する、こととしてもよい。
【0011】
偏光膜を通過した通過光の偏光方向と、該通過光が入射される通過光制御用偏光膜の部分の透過偏光方向と、の組み合わせによって、通過光の通過光制御用偏光膜の透過率が決まる。上記偏光装置によれば、部分偏光膜ごとに、該各部分偏光膜の透過変更方向と、通過光制御用偏光膜のうち該各部分偏光膜を通過した通過光が入射される部分の透過偏光方向とに応じた変更量の偏光方向変更を通過光に施すので、通過光の通過光制御用偏光膜の透過率を部分偏光膜ごとに制御することができる。すなわち、ブロック単位で各偏光成分の光量を制御することができる。
【0012】
さらに、この偏光装置において、前記偏光方向変更手段は、互いに対向し、対向面に溝を有する2枚の配向膜と、その間に設置される液晶と、により構成され、前記制御手段は、前記各配向膜の間に印加する電圧を前記各部分偏光膜に対応する部分ごとに制御することにより、前記偏光方向偏光手段を制御する、こととしてもよい。
【0013】
配向膜間に設置された液晶は、配向膜の間に電圧が印加されていない状態では、各配向膜の溝の向きの相違に応じて、ねじれて配置される。そして、この状態の液晶を通過する光は、このねじれに応じた偏光量の偏光方向変更を受ける。一方、各配向膜の間に十分大きな電圧が印加されると、このねじれは解消される。この状態の液晶を通過する光は偏光方向変更を受けない。すなわち、配向膜間の印加電圧によって、偏光方向変更手段を通過する光の偏光方向を制御できる。上記偏光装置によれば、制御手段は、各配向膜の間に印加する電圧を制御しているので、印加電圧に応じた変更量の偏光方向変更を与えるよう、偏光方向偏光手段を制御することができる。
【0014】
また、上記各偏光装置において、当該偏光装置は、前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の透過偏光方向ごとの透過率の指示入力を受け付ける透過偏光方向指示入力受付手段、をさらに含み、前記制御手段は、前記透過偏光方向指示入力受付手段により受け付けられた前記指示入力に応じて、前記ブロックごとに前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する、こととしてもよい。
【0015】
これによれば、例えば撮影者は、ブロックごとに、透過偏光方向ごとの透過率を指示することが可能となる。
【0016】
また、本発明にかかる偏光フィルタは、偏光膜を有し、該偏光膜は複数のブロックに分割され、前記各ブロックはさらに互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜に分割され、前記各部分偏光膜の通過光の光量は前記部分偏光膜ごとに制御可能であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる制御装置は、複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜について、前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御手段、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかるプログラムは、複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜について、前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
撮影範囲内に複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が存在している場合に、各特定反射面又は特定散乱空間で反射又は散乱した特定反射散乱光を効果的に除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本実施形態の構成例を示す概念図である。同図に示すように、本実施形態では、ビデオカメラ1及び偏光装置2が用いられる。
【0022】
ビデオカメラ1は、本実施の形態にかかる撮影に使用するビデオカメラである。ここでは、ビデオカメラ1はレンズ、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサ、及びメモリを備えるデジタルビデオカメラである。すなわち、ビデオカメラ1は、レンズを通して入射した光をCCDイメージセンサにより電気信号に変え、連続する複数の画像情報(映像情報)としてメモリに記憶する。
【0023】
撮影者は、後述する偏光フィルタ3を装着した状態で、ビデオカメラ1による撮影を行う。本実施形態では特に、ビデオカメラ1は固定設置され、同じ方向を常時撮影する。具体的には、テレビ局が使用するお天気カメラのようなものである。
【0024】
偏光装置2は、偏光フィルタ3及び制御装置7を含んで構成される。
【0025】
偏光フィルタ3は、偏光膜4と、偏光方向変更部5と、通過光制御用偏光膜6と、をこの順で積層してなる偏光フィルタである。偏光フィルタ3の全体形状は、ビデオカメラ1のレンズに応じた形状(通常は円形)であってもよいし、ビデオカメラ1に備えられるCCDイメージセンサの形状に応じた形状(通常は矩形)であってもよい。この偏光フィルタ3は、ビデオカメラ1の光路上の任意の位置に、被写界側に偏光膜4を向けて装着した状態で用いられる。具体的には、レンズの前方又は後方に、機械的に装着され得る。また、光路上に備えられる絞り羽根の前方もしくは後方に内蔵することにより装着されることも可能である。
【0026】
以下、偏光フィルタ3について、詳細に説明する。図2は、偏光フィルタ3の内部構成を示す斜視図である。同図に示すように、偏光フィルタ3は、偏光膜4、透明電極51、配向膜52、液晶53、配向膜54、透明電極55、及び通過光制御用偏光膜6により構成される。なお、同図では分かりやすさのためにこれらの各構成要素を離して記載しているが、実際には隣接する各要素は密着している。これらの各構成要素のうち、透明電極51、配向膜52、液晶53、配向膜54、及び透明電極55は、偏光方向変更部5を構成する。このような構成は、TN(Twisted Nematic)型液晶ディスプレイに用いられる偏光フィルタと類似したものである。その他にも、偏光フィルタ3としては、偏光膜を利用した透過型のものであればいかなるものでも用いることができる。例えば、STN(Super Twisted Nematic)型液晶ディスプレイに用いるものと類似した構造を有するものも、偏光フィルタ3として用いることができる。
【0027】
偏光膜4は、当該偏光膜4を通過する光波の振動を所定方向(透過偏光方向)に制限する。この偏光膜4は複数のブロックに分割されている。図1及び図2では、このブロックの1つを太い実線で示している。偏光膜4の各ブロックは、互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割されている。図2では、この部分偏光膜の1つを太い一点鎖線で示している。また、同図中、偏光膜4上の点線は、透過偏光方向を示している。図2には、透過偏光方向が同じである部分偏光膜が図面上下方向に整列して配置されている偏光膜4の例を示しており、このような部分偏光膜の配置を、以下では縦縞配置と称する。なお、部分偏光膜の配置は、縦縞配置でなければならないわけではなく、横縞配置や、格子配置となるようにしても構わない。これらの具体的な例については後述する。
【0028】
通過光制御用偏光膜6は、偏光膜4と同様、当該通過光制御用偏光膜6を通過する光波の振動を所定方向(透過偏光方向)に制限する。通過光制御用偏光膜6は、偏光膜4の各ブロックにそれぞれ対応する複数のブロック対応部分に分割されている。また、通過光制御用偏光膜6の各ブロック対応部分は、偏光膜4の各部分偏光膜にそれぞれ対応する複数の部分偏光膜対応部分に分割されている。
【0029】
通過光制御用偏光膜6は、偏光膜4の通過光の光軸方向に、該偏光膜4と並んで設置される。具体的には、偏光膜4と通過光制御用偏光膜6とは、ある部分偏光膜を通過した光が、対応する部分偏光膜対応部分に入射されるよう、配置されている。また、通過光制御用偏光膜6の部分偏光膜対応部分の透過偏光方向は、対応する部分偏光膜の透過偏光方向と、後述する偏光方向変更部5の偏光方向変更量の最大値と、に基づき決定される。本実施形態では、偏光方向変更量の最大値を90度としており(後述)、通過光制御用偏光膜6の部分偏光膜対応部分の透過偏光方向は、対応する部分偏光膜の透過偏光方向と90度ずれている。
【0030】
偏光方向変更部5は、所定の制御に応じて、偏光膜4の各部分偏光膜を通過した通過光の偏光方向を該部分偏光膜ごとに変更し、通過光制御用偏光膜6に入射する。以下、具体的に説明する。
【0031】
透明電極51及び透明電極55は、両透明電極間に任意の電圧(電位差)を印加することができるよう構成される。透明電極51及び透明電極55の材料には、透明度の高い材料(通過光をほとんど遮蔽しない材料)が用いられる。透明電極51も、偏光膜4の各ブロックにそれぞれ対応する複数のブロック対応部分に分割され、各ブロック対応部分はさらに偏光膜4の各部分偏光膜にそれぞれ対応する複数の部分偏光膜対応部分に分割されている。透明電極51と透明電極55は、両透明電極間への印加電圧を、部分偏光膜対応部分単位で制御可能に構成される。
【0032】
配向膜52及び配向膜54は、任意の方向に微細な溝が設けられてなるポリイミド膜である。配向膜52と配向膜54とは互いに対向しており、上記溝は対向面に設けられている。配向膜52及び配向膜54も、偏光膜4の各ブロックにそれぞれ対応する複数のブロック対応部分に分割され、各ブロック対応部分はさらに偏光膜4の各部分偏光膜にそれぞれ対応する複数の部分偏光膜対応部分に分割されている。本実施形態では、配向膜52の部分偏光膜対応部分に設けられる溝の方向は、偏光膜4の透過偏光方向と同じ方向となっている。一方、配向膜54の部分偏光膜対応部分に設けられる溝の方向は、通過光制御用偏光膜6の透過偏光方向と同じ方向となっている。
【0033】
液晶53は、多数の液晶分子から構成されている。この液晶分子は、一方向に長く他方向に短い形状をしており、透明電極51と透明電極55の間に電圧を印加していない状態では、配向膜52及び配向膜54に設けられる溝の方向にその長手方向が沿った状態で整列する性質を有する。本実施形態では、配向膜52の溝の方向と配向膜54の溝の方向とが異なっているため、液晶分子は、配向膜52から配向膜54にかけて徐々にその向きを変えつつ整列する(以下、このような整列状態をねじれ整列状態という。)。一方、透明電極51と透明電極55の間に十分大きな電圧を印加すると、液晶分子は、その長手方向が電気力線に沿った状態で整列する(以下、このような整列状態を直線整列状態という。)。
【0034】
偏光膜4、透明電極51、配向膜52を通過した光の偏光方向は、液晶分子の向きに応じて変更される。具体的には、液晶53がねじれ整列状態にあるとき、上記光の偏光方向は、配向膜52の溝の方向と配向膜54の溝の方向のなす角度(以下、ねじれ角度と称する。以下、このねじれ角度を90度とする。)の分だけ変更される。この場合、上記光は通過光制御用偏光膜6を通過し、CCDイメージセンサに到達する。一方、液晶53が直線整列状態にあるとき、上記光の偏光方向は変更されない。この場合、上記光は通過光制御用偏光膜6を通過できず、CCDイメージセンサに到達しない。
【0035】
なお、液晶53は、透明電極51と透明電極55の間に印加する電圧の大きさによっては、ねじれ整列状態と直線整列状態の中間状態を取りうる。この場合、上記光の偏光方向は0度以上ねじれ角度(=90度)以下の間で変更される。すなわち、偏光方向変更部5の偏光方向変更量の最大値はねじれ角度となる。
【0036】
偏光方向変更部5は、以上のような各構成要素の性質を利用し、部分偏光膜ごとの印加電圧制御により、各部分偏光膜を通過した通過光の偏光方向を該部分偏光膜ごとに変更する。その結果、透明電極51と透明電極55の間に印加する部分偏光膜ごとの電圧の大きさに応じ、上記光の通過光制御用偏光膜6の透過率は、部分偏光膜ごとに0%から100%の間で推移する。ただし、0%や100%の値は理想的なものであって、実際には、ねじれ整列状態と直線整列状態の間で、通過光制御用偏光膜6の透過率の比(コントラスト比)がある程度以上大きければ十分である。具体的な例では、100倍以上のコントラスト比があればよい。
【0037】
ここで、偏光膜4における部分偏光膜の配置について、具体的な例を挙げて説明する。上述のように、偏光膜4は、縦縞配置、横縞配置、格子配置など種々の配置を取り得る。図3は縦縞配置の例、図4は横縞配置の例、図5は格子配置の例、をそれぞれ示している。これらの各図では、ブロックの1つを太い実線で、部分偏光膜の1つを太い一点鎖線で、それぞれ示している。また、透過偏光方向を矢印付の実線で示している。
【0038】
図3に示す縦縞配置の例では、透過偏光方向が図面縦方向(垂直方向)の部分偏光膜と、透過偏光方向が図面横方向(水平方向)の部分偏光膜と、を図面左右方向に隣接して並べて1つのブロックとし、各ブロックを格子状に配置している。なお、この例では各部分偏光膜を長辺:短辺=2:1の長方形とし、各ブロックを正方形としているが、部分偏光膜及びブロックの形状は適宜変更し得る。
【0039】
図4に示す横縞配置の例では、透過偏光方向が図面縦方向(垂直方向)の部分偏光膜と、透過偏光方向が図面横方向(水平方向)の部分偏光膜と、を図面上下方向に隣接して並べて1つのブロックとし、各ブロックを格子状に配置している。なお、この例でも各部分偏光膜を長辺:短辺=2:1の長方形とし、各ブロックを正方形としているが、部分偏光膜及びブロックの形状は適宜変更し得る。
【0040】
図5に示す格子配置の例では、透過偏光方向が図面縦方向(垂直方向)の部分偏光膜と、該透過偏光方向に対し、それぞれ45度、90度(水平方向)、135度傾いた透過偏光方向を有する3つの部分偏光膜と、を格子状に並べて1つのブロックとし、各ブロックを格子状に配置している。なお、この例では各部分偏光膜を正方形とし、各ブロックも正方形としているが、部分偏光膜及びブロックの形状は適宜変更し得る。また、ブロック内での各部分偏光膜の並べ方も適宜変更し得る。
【0041】
次に、制御装置7(図1)について説明する。制御装置7は、図1に示すように、機能的にパターン設定部8及び制御部9を含んで構成される。
【0042】
パターン設定部8は、マウス、ペンタブレット、タッチパネルのような座標入力デバイスやキーボードにより構成される入力手段と、ディスプレイのような出力手段と、を含んで構成される。ここでは特に、ディスプレイ上にタッチパネルを備えたタッチスクリーンAを含んでいるものとして説明する。
【0043】
制御部9は、ケーブル又は無線により、偏光方向変更部5の透明電極51及び透明電極55と電気的に接続されており、パターン設定部8においてされるユーザの入力操作に応じて透明電極51と透明電極55の間に印加する電圧を制御することにより、上記ブロックごとに、該ブロックを構成する各部分偏光膜の通過光の光量を制御する。
【0044】
すなわち、ビデオカメラ1で撮影される映像は、例えば図6のようなものである。同図は風景を遠景で撮影して得られる撮影結果の例を示す図であり、その中には地面、水面、ガラス面(以上、上記特定反射面)、及び空(特定散乱空間)が含まれる。これらの各特定反射面及び特定散乱空間で反射又は散乱されてなる各特定反射散乱光の偏光方向は、一般に互いに異なる。このため、偏光膜4の位置ごとに、除去すべき特定反射散乱光の偏光方向が異なっている。このような特定反射散乱光を効果的に除去するため、制御部9は、ブロックごとに、該ブロックを構成する各部分偏光膜の通過光の光量を制御する。
【0045】
以下、パターン設定部8及び制御部9における処理の詳細について説明する。
【0046】
制御部9は、部分偏光膜ごとに、該各部分偏光膜の透過変更方向と、通過光制御用偏光膜6のうち該各部分偏光膜対応部分の透過偏光方向と、に応じた変更量の偏光方向変更を施すよう偏光方向変更部5を制御することにより、各部分偏光膜の通過光の光量を制御する。具体的には、制御部9は、透明電極51と透明電極55の間に印加する電圧(配向膜52と配向膜54の間に印加する電圧)を部分偏光膜対応部分ごとに制御することにより、偏光方向変更部5を制御する。
【0047】
より具体的な例では、パターン設定部8は、上記ブロックごとに、該ブロックを構成する各部分偏光膜の透過偏光方向ごとの透過率の指示入力を受け付ける。そして、制御部9は、パターン設定部8により受け付けられた上記指示入力に応じて、上記ブロックごとに各部分偏光膜の通過光の光量を制御する。以下、この例について詳細に説明する。
【0048】
図7は、パターン設定部8の内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、パターン設定部8は、入出力処理部81、メモリ82、入力部83、出力部84を含んで構成される。
【0049】
入力部83は、タッチスクリーンAを構成するタッチパネルである。一方、出力部84は、タッチスクリーンAを構成するディスプレイである。
【0050】
メモリ82は、偏光膜4のブロック配置を示す画像情報を記憶している。また、各ブロックに含まれる各部分偏光膜の透過偏光方向を示す透過偏光方向情報を記憶している。
【0051】
入出力処理部81は、メモリ82から上記画像情報を読み出し、出力部84に表示させる。また、メモリ82から上記透過偏光方向情報も読み出し、ユーザが、ブロックごとに、上記透過偏光方向情報により示される透過偏光方向ごとの透過率を指示できるよう、該指示の入力のための操作を案内する操作案内情報を出力部84に表示させる。
【0052】
ユーザは、上記操作案内情報に従い、ブロックごとに、透過偏光方向ごとの透過率の指示を入力部83に入力する。この場合において、ユーザは、スタイラスBを用いることが好適である。
【0053】
具体的な例では、ユーザは、まずタッチスクリーンAに表示されるブロック配置を示す画像上において、透過偏光方向ごとの透過率を指示したいブロックを示す部分をタッチする。そして、タッチしたブロックに関し、操作案内情報に基づき、透過偏光方向ごとの透過率を指示する。こうしてユーザは、ブロックごとに、上記透過偏光方向情報により示される透過偏光方向ごとの透過率を指示を入力する。
【0054】
また、別の例では、ユーザは、操作案内情報に基づき、まず透過偏光方向とその透過率を指定する。そして、該透過偏光方向の透過率を指定したものとしたいブロックを指示する。このようにしても、ユーザは、ブロックごとに、上記透過偏光方向情報により示される透過偏光方向ごとの透過率を指示を入力することができる。
【0055】
入力部83は、以上のようにして入力された指示を受け付け、入出力処理部81に出力する。
【0056】
ここで、ユーザによる指示入力の具体的な態様について、例を挙げて説明する。表1は、図3に示す縦縞配置を採る偏光膜4を使用した場合の例である。表1及び図3に示すように、この例では、透過偏光方向情報により示される透過偏光方向は垂直方向と水平方向の2種類である。ユーザは、ブロックごとに、垂直方向に偏光する光(垂直偏光)の透過率と、水平方向に偏光する光(水平偏光)の透過率と、をそれぞれ指示する。表1には、指示され得る垂直偏光透過率と水平偏光透過率の組み合わせの例を12通り表示している。もちろん、他にも様々な組み合わせが考えられる。
【0057】
【表1】

【0058】
表2は、図5に示す格子配置を採る偏光膜4を使用した場合の例である。表2及び図5に示すように、この例では、透過偏光方向情報により示される透過偏光方向は垂直方向、45度方向、水平方向、135度方向の4種類である。ユーザは、ブロックごとに、各方向に偏光する光の透過率をそれぞれ指示する。表2には、指示され得る透過率の組み合わせの例を5通り表示している。もちろん、他にも様々な組み合わせが考えられる。
【0059】
【表2】

【0060】
入出力処理部81は、入力部83から入力された上記指示入力の内容を示す指示入力内容情報を、一旦メモリ52に格納する。具体的な例では、この指示入力内容情報は、偏光膜4上における各ブロックの位置を示す情報(例えば座標)と、該各ブロックについての透過偏光方向ごとの透過率と、を対応付ける情報である。なお、偏光膜4上における各部分偏光膜の位置を示す情報(例えば座標)と、該部分偏光膜についての透過率と、を対応付ける情報を指示入力内容情報として用いてもよい。入出力処理部81は、メモリ52に格納した指示入力内容情報に基づき、ブロックごとに透過偏光方向ごとの透過率を示すパターン情報を生成し、生成したパターン情報を制御部9に入力する。
【0061】
制御部9は、入出力処理部81から入力された上記パターン情報に応じて、上記ブロックごとに、各部分偏光膜の通過光の光量を制御する。例えば表1の例において、パターン情報により、あるブロックについて、垂直偏光透過率及び水平偏光透過率がそれぞれ75%及び25%であることが示される場合、制御部9は、このブロックを構成する2つの部分偏光膜のうち、その透過偏光方向が垂直方向である部分偏光膜の通過光の光量が75%となるよう、透明電極51の該部分偏光膜に対応する部分偏光膜部分と、透明電極55の該部分偏光膜に対応する部分偏光膜部分と、の間に印加する電圧を制御する。同様に、このブロックを構成する2つの部分偏光膜のうち、その透過偏光方向が水平方向である部分偏光膜の通過光の光量が25%となるよう、透明電極51の該部分偏光膜に対応する部分偏光膜部分と、透明電極55の該部分偏光膜に対応する部分偏光膜部分と、の間に印加する電圧を制御する。この制御の結果、CCDイメージセンサには、垂直偏光が水平偏光に対し優勢である偏光状態を有する光が到達することになる。また、CCDイメージセンサに到達する光の光量と、偏光フィルタ3に入力される光の光量と、の比(全透過率)は、1/2×75%+1/2×25%=50%となる。表1には、指示される垂直偏光透過率と水平方向透過率の組み合わせごとに、CCDイメージセンサに到達する光の偏光状態と、全透過率と、が示されている。
【0062】
なお、上記例では透過偏光方向ごとの透過率を任意の値に設定可能な例を説明したが、より簡易な構成とするために、ブロックごとに、該ブロックを構成する各部分偏光膜のうち、いずれか1つのみ又は全ての透過率を100%、他の透過率を0%、とする指示のみを許容することとしてもよい。
【0063】
このようにする場合、入出力処理部81は、ユーザが、ブロックごとに、上記透過偏光方向情報により示される各透過偏光方向のうちの1つの選択を指示できるよう、該指示の入力するための操作を案内する操作案内情報を出力部84に表示させる。
【0064】
より具体的な例では、入出力処理部81は、ブロックごとに1の偏光方向を示す矢印画像を出力部84に表示させる。そして、入力部83において受け付けられるユーザの操作に応じて該矢印画像の向きを変更可能若しくは該矢印画像を消去可能とすることにより、ユーザに、上記透過偏光方向情報により示される各透過偏光方向のうちの1つの選択の指示、又はいずれの透過偏光方向も選択しない旨の指示(全偏光の指示)を入力させる。
【0065】
図8は、この指示入力の例を示す図である。この例は、図3に示す縦縞配置を採る偏光膜4を使用した場合の例である。同図では、黒地で示した部分偏光膜は透過率0%であり、白地で示した部分偏光膜は透過率100%であることを示している。この例では、ユーザは、図面上半分の各ブロックについて、水平方向の透過偏光方向の選択を指示している。一方、図面下半分の各ブロックについて、垂直方向の透過偏光方向の選択を指示している。
【0066】
図9は、図6に示した撮影結果に対応する指示入力の例を示す図である。この例は、図5に示す格子配置を採る偏光膜4を使用した場合の例である。この例では、ユーザは、水面に対応するブロックについて、垂直方向の透過偏光方向の選択を指示する。同様に、空に対応するブロックについて、垂直方向に比べ135度傾いた方向の透過偏光方向の選択を指示する。また、ガラス面に対応するブロックについて、水平方向の透過偏光方向の選択を指示する。一方、地面に対応するブロックについては、透過偏光方向の選択を指示しない(すなわち、全偏光を指示する。)。
【0067】
入出力処理部81は、ユーザの指示に基づき、ブロックごとに、特定の透過偏光方向若しくは全偏光を示すパターン情報を生成し、制御部9に入力する。
【0068】
制御部9は、入出力処理部81から入力された上記パターン情報に応じて、上記ブロックごとに、各部分偏光膜の通過光の光量を制御する。具体的には、特定の透過偏光方向が示されるブロックについては、該ブロックを構成する各部分偏光膜のうち、該透過偏光方向を有する部分偏光膜の通過光のみがCCDイメージセンサに到達するよう、透明電極51の各部分偏光膜にそれぞれ対応する各部分偏光膜部分と、該各部分偏光部分にそれぞれ対応する透明電極55の各部分偏光膜部分と、の間に印加する電圧を制御する。一方、全偏光が示されるブロックについては、該ブロックを構成する複数の部分偏光膜全てについて、その通過光がCCDイメージセンサに到達するよう、透明電極51の各部分偏光膜にそれぞれ対応する各部分偏光膜部分と、該各部分偏光部分にそれぞれ対応する透明電極55の各部分偏光膜部分と、の間に印加する電圧を制御する。この制御の結果、図8や図9に示したように、ユーザが特定の透過偏光方向の選択を指示したブロックについて、ブロックごとに、特定の方向に偏光した光のみがCCDイメージセンサに到達し、撮影結果に現れることとなる。
【0069】
以上説明したように、偏光装置2によれば、偏光膜4が複数ブロックに分割され、しかもブロックごとに、該ブロックを構成する各部分偏光膜の通過光の光量を制御しているので、ブロック単位で局所的に透過偏光方向を変化させることができ、撮影範囲内に複数箇所の特定反射面又は特定散乱空間が存在している場合に、各特定反射面又は特定散乱空間で反射又は散乱した特定反射散乱光を効果的に除去することが可能となる。
【0070】
また、制御装置7は、偏光膜4の部分偏光膜ごとに、該各部分偏光膜の透過変更方向と、通過光制御用偏光膜6のうち該各部分偏光膜を通過した通過光が入射される部分の透過偏光方向とに応じた変更量の偏光方向変更を通過光に施すことにより、通過光の通過光制御用偏光膜6の透過率を部分偏光膜ごとに制御することができる。
【0071】
さらに、制御装置7は、配向膜52と配向膜54の間に印加する電圧を制御しているので、印加電圧に応じた変更量の偏光方向変更を与えるよう、偏光方向変更部5を制御することができる。
【0072】
また、例えば撮影者は、ブロックごとに、透過偏光方向ごとの透過率を指示することが可能となる。
【0073】
なお、制御装置7の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上記制御装置7の各処理を行ってもよい。
【0074】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、この「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0075】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0076】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0077】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0078】
さらに、上記プログラムは、上述した各機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した各機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0079】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではCCDイメージセンサを備えるビデオカメラ1を使用する例について説明したが、本発明は、CCDイメージセンサに代えてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサや撮像管など種々のイメージセンサを使用したり、ビデオカメラに代えてスチルカメラを使用する場合についても適用可能である。この場合のスチルカメラとしては、ディジタル式や銀塩式など、種々の種類のカメラを使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態の構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる偏光フィルタの内部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる偏光膜において、部分偏光膜を縦縞配置した例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる偏光膜において、部分偏光膜を横縞配置した例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる偏光膜において、部分偏光膜を格子配置した例を示す図である。
【図6】風景を遠景で撮影して得られる撮影結果の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかるパターン設定部の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる入力部においてユーザが入力する指示の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる入力部においてユーザが入力する指示の例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 ビデオカメラ、
2 偏光装置、
3 偏光フィルタ、
4 偏光膜、
5 偏光方向変更部、
6 通過光制御用偏光膜、
7 制御装置、
8 パターン設定部、
9 制御部、
51,55 透明電極、
52,54 配向膜、
53 液晶、
81 入出力処理部、
82 メモリ、
83 入力部、
84 出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜と、
前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする偏光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の偏光装置において、
当該偏光装置は、
前記通過光の光軸方向に前記偏光膜と並んで設置される通過光制御用偏光膜と、
所定の制御に応じて、前記各部分偏光膜を通過した前記通過光の偏光方向を該部分偏光膜ごとに変更し、前記通過光制御用偏光膜に入射する偏光方向変更手段と、
をさらに含み、
前記制御手段は、前記部分偏光膜ごとに、該各部分偏光膜の透過変更方向と、前記通過光制御用偏光膜のうち該各部分偏光膜を通過した前記通過光が入射される部分の透過偏光方向と、に応じた変更量の偏光方向変更を施すよう前記偏光方向偏光手段を制御することにより、前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する、
ことを特徴とする偏光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の偏光装置において、
前記偏光方向変更手段は、互いに対向し、対向面に溝を有する2枚の配向膜と、その間に設置される液晶と、により構成され、
前記制御手段は、前記各配向膜の間に印加する電圧を前記各部分偏光膜に対応する部分ごとに制御することにより、前記偏光方向偏光手段を制御する、
ことを特徴とする偏光装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の偏光装置において、
当該偏光装置は、
前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の透過偏光方向ごとの透過率の指示入力を受け付ける透過偏光方向指示入力受付手段、
をさらに含み、
前記制御手段は、前記透過偏光方向指示入力受付手段により受け付けられた前記指示入力に応じて、前記ブロックごとに前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する、
ことを特徴とする偏光装置。
【請求項5】
偏光膜を有し、該偏光膜は複数のブロックに分割され、前記各ブロックはさらに互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜に分割され、前記各部分偏光膜の通過光の光量は前記部分偏光膜ごとに制御可能であることを特徴とする偏光フィルタ。
【請求項6】
複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜について、前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御手段、
を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項7】
複数のブロックに分割され、該各ブロックは互いに透過偏光方向が異なる複数の部分偏光膜にさらに分割される偏光膜について、前記ブロックごとに、該ブロックを構成する前記各部分偏光膜の通過光の光量を制御する制御手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−96461(P2008−96461A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274321(P2006−274321)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】