説明

停止線認識装置、停止線認識方法及びプログラム

【課題】道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止できると共に、停止線の認識率を向上させることが可能となる停止線認識装置を提供する。
【解決手段】自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得手段と、自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出手段と、前記画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識手段と、を備え、前記画像認識手段は、前記検出手段によって検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停止線の画像認識を行う停止線認識装置、停止線認識方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載した撮像装置等により停止線を画像認識する技術に関して種々提案されている。
例えば、自車両の後方の路面を撮像するバックカメラを用いて、一時停止義務のある停止線の手前の路面上に設けられた文字列「とまれ」の文字標示のうち、文字列「まれ」を画像認識した場合には、停止線についての画像認識を開始する。そして、画像情報に停止線が含まれると判定した場合には、当該停止線の位置が一時停止義務のある地点であると判定し、この地点の位置情報を停止義務地点情報として記憶するように構成された画像認識装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−99125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した特許文献1に記載された画像認識装置では、バックカメラで撮像した画像情報に対して2値化処理やエッジ検出処理等を行い、停止線の輪郭画像を抽出し、停止線の形態の特徴量とのパターンマッチングを行って、停止線の画像を抽出する。このため、停止線の輪郭画像内のエッジ成分の許容閾値を低くするに従って、車線幅方向に大きなひび割れ等が発生した停止線も抽出することが可能となり、停止線の認識率を高くすることができる。
【0005】
しかしながら、停止線の輪郭画像内のエッジ成分の許容閾値を低くした場合には、文字列「とまれ」のうち、「と」と「まれ」の間にアスファルト道路等の道路ジョイント部があると、当該道路ジョイント部を停止線として認識する虞がある。このため、図6に示すように、道路ジョイント部73を停止線として誤認識することを防止するために、例えば、輪郭画像内のエッジ成分の許容閾値を高く設定することが考えられる。ところが、一律にエッジ成分の許容閾値を高く設定してしまうと、図6の中央部に示すように、停止線71の車線幅方向に大きな亀裂72がある場合には、これを道路ジョイント部として認識し、停止線71の認識率が低くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止できると共に、停止線の認識率を向上させることが可能となる停止線認識装置、停止線認識方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る停止線認識装置は、自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得手段と、自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出手段と、前記画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識手段と、を備え、前記画像認識手段は、前記検出手段によって検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る停止線認識装置は、請求項1に記載の停止線認識装置において、前記画像認識手段は、前記サスペンションの沈み込み量が第1閾値以下の場合には、前記認識優先モードを選択し、前記サスペンションの沈み込み量が第1閾値よりも大きい第2閾値以下の場合には、前記誤認識防止モードを選択することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る停止線認識装置は、請求項1又は請求項2に記載の停止線認識装置において、前記誤認識防止モードは、前記道路ジョイント部を停止線として認識しないように、前記停止線候補の画像内のエッジ成分の許容閾値を前記認識優先モードにおける許容閾値よりも高く設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る停止線認識装置は、請求項1又は請求項2に記載の停止線認識装置において、前記誤認識防止モードは、前記道路ジョイント部を停止線として認識しないように、前記停止線候補の画像内の幅閾値を前記認識優先モードにおける幅閾値よりも広く設定することを特徴とする。
【0011】
更に、請求項5に係る停止線認識装置は、請求項1又は請求項2に記載の停止線認識装置において、前記誤認識防止モードは、前記道路ジョイント部を停止線として認識しないように、前記停止線候補の画像内の白色閾値を前記認識優先モードにおける白色閾値よりも高く設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る停止線認識方法は、自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得工程と、自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出工程と、前記画像情報取得工程で取得した画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識工程と、を備え、前記画像認識工程では、前記検出工程で検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識することを特徴とする。
【0013】
更に、請求項7に係るプログラムは、コンピュータに、自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得工程と、自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出工程と、前記画像情報取得工程で取得した画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識工程と、を実行させ、前記画像認識工程では、前記検出工程で検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識するように実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る停止線認識装置、請求項6に係る停止線認識方法及び請求項7に係るプログラムでは、サスペンションの沈み込み量が、停止線通過時程度の沈み込み量の場合には、停止線候補は道路ジョイント部を含まない可能性が高いため、認識優先モードを選択することによって、停止線の認識率を高くすることができる。また、サスペンションの沈み込み量が、道路ジョイント部通過時程度の沈み込み量の場合には、停止線候補は停止線及び道路ジョイント部を含む可能性が高いため、誤認識防止モードを選択することによって、道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止し、停止線を正確に認識することができる。
【0015】
また、請求項2に係る停止線認識装置では、サスペンションの沈み込み量が第1閾値以下の場合には、認識優先モードを選択し、サスペンションの沈み込み量が第1閾値よりも大きい第2閾値以下の場合には、誤認識防止モードを選択するため、停止線を認識する認識モードを迅速に決定することができる。例えば、第1閾値を停止線通過時のサスペンションの平均沈み込み量とし、第2閾値を道路ジョイント部通過時のサスペンションの平均沈み込み量とするようにしてもよい。
【0016】
また、請求項3に係る停止線認識装置では、誤認識防止モードは、道路ジョイント部を停止線として認識しないように、停止線候補の画像内のエッジ成分の許容閾値を認識優先モードにおける許容閾値よりも高く設定することによって、道路ジョイント部を停止線として誤認識することを確実に防止し、停止線を正確に認識することが可能となる。尚、認識優先モードは、停止線候補の画像内のエッジ成分の許容閾値を、車線幅方向に亀裂等が発生した停止線候補の輪郭情報も停止線として認識できるように低く設定することによって、車線幅方向に亀裂(ひび割れ)等が発生した停止線の停止線候補も確実に停止線として認識することが可能となる。
【0017】
また、請求項4に係る停止線認識装置では、誤認識防止モードは、道路ジョイント部を停止線として認識しないように、停止線候補の画像内の幅閾値を認識優先モードにおける幅閾値よりも広く設定することによって、幅の狭い道路ジョイント部を停止線として誤認識することを確実に防止し、停止線を正確に認識することが可能となる。尚、認識優先モードは、停止線候補の画像内の幅閾値を、幅の狭い停止線候補の輪郭情報も停止線として認識できるように狭く設定することによって、幅の狭い停止線候補も確実に停止線として認識することが可能となる。
【0018】
更に、請求項5に係る停止線認識装置では、誤認識防止モードは、道路ジョイント部を停止線として認識しないように、停止線候補の画像内のカラー画像又はグレー画像の白色閾値を認識優先モードにおける白色閾値よりも高く設定することによって、色の黒い道路ジョイント部を停止線として誤認識することを確実に防止し、停止線を正確に認識することが可能となる。尚、認識優先モードは、停止線候補の画像内のカラー画像又はグレー画像の白色閾値を、道路ジョイント部に近い色の停止線候補の輪郭情報も停止線として認識できるように低く設定することによって、かすれや汚れなどの経年劣化により道路ジョイント部に近い色となっている停止線候補も確実に停止線として認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成図である。
【図2】車両に搭載されるナビゲーション装置を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】停止線と道路ジョイント部を通過したときのサスペンションの沈み込み量の測定結果の一例を示す図である。
【図4】後方路面の停止線を画像認識して位置情報を記憶する停止線認識処理を示すメインフローチャートである。
【図5】画像認識の一例を示す図である。
【図6】輪郭画像内のエッジ成分の許容閾値を高く設定した場合の画像認識の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る停止線認識装置、停止線認識方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(Electronic Control Unit)51が電気的に接続されている。また、車両2の後端部の車幅方向略中央には、CCDカメラ等により構成されて後方路面上の停止線71等を撮像するバックカメラ53が設置され、カメラECU51に接続されている。
【0022】
また、ナビゲーション制御部13には、左右の各後輪WL、WRのサスペンションのそれぞれに設けられた左側ストロークセンサ62L、右側ストロークセンサ62Rにより、サスペンションの沈み込み量を計測する車両ECU(Electronic Control Unit)61が電気的に接続されている。各ストロークセンサ62L、62Rは、サスペンションの上下動の移動距離を測るストローク式ポテンションメータや、サスペンションの上下動の移動距離をリンク機構等を介して回転角として測定する回転式ポテンションメータ等で構成され、車両ECU61に接続されている。
【0023】
また、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、液晶ディスプレイ(LCD)15に地図や目的地までの探索経路を表示すると共に、スピーカ16によって経路案内に関する音声ガイダンスを出力する。また、ナビゲーション装置1は、カメラECU51に制御信号を送信し、車両2の後方路面上の停止線71等を検出することができる。また、ナビゲーション装置1は、車両ECU61に制御信号を送信し、左右の各後輪WL、WRのサスペンションの沈み込み量を計測することができる。
【0024】
次に、本実施例に係る車両2の制御系に係る構成について特にナビゲーション装置1を中心にして図2に基づき説明する。図2は車両2に搭載されるナビゲーション装置1を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
図2に示すように、車両2の制御系は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に対して電気的に接続されたカメラECU51、車両ECU61を基本にして構成され、各制御装置に対して所定の周辺機器が接続されている。
【0025】
このナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車両の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0026】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車両の現在位置(以下、「自車位置」という。)、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0027】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、停止線データベース(停止線DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバ(図示せず)を備えている。
【0028】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。また、停止線DB27には、後述のように停止線を画像認識する場合に使用するサスペンションの沈み込み量の停止線閾値や停止線閾値よりも大きい道路ジョイント閾値(図3参照)が格納されている。また、停止線DB27には、後述のように後方路面の画像認識によって検出した停止線の地図上の座標位置(例えば、緯度と経度である。)が順次格納されている。
【0029】
ここで、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、ナビ地図情報26には、都道府県庁の所在地や政令都市等のエリア(道路標示情報格納エリア)においては、道路に表示される中央線、路側帯、横断歩道、停止線等の道路標示の座標位置(例えば、緯度と経度である。)が記憶されている。
【0030】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクを特定するリンクID、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始点と終点の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、中央分離帯の有無、リンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。
【0031】
また、施設データとしては、各地域のホテル、遊園地、宮殿、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関する名称や住所、電話番号、地図上の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、地図上に施設の位置を表示する施設アイコン等のデータがPOIを特定するIDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容や停止線DB27に格納される停止線閾値及び道路ジョイント閾値は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0032】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0033】
また、ROM43には、後述の後方路面の停止線を画像認識して位置情報を記憶する停止線認識処理(図4参照)等のプログラムが記憶されている。
更に、ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0034】
この操作部14は、走行開始時の現在位置を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0035】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、目的地周辺の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0036】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0037】
また、通信装置17は、不図示の地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報や更新停止線閾値及び更新道路ジョイント閾値等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0038】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づきバックカメラ53を制御すると共に画像認識を行って出力する画像認識部51Bを備えている。また、車両ECU61は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部61Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき各ストロークセンサ62L、62Rによりサスペンションの沈み込み量を計測して出力する計測部61Bを備えている。
【0039】
ここで、停止線DB27に格納されているサスペンションの沈み込み量の停止線閾値と停止線閾値よりも大きい道路ジョイント閾値とについて図3に基づいて説明する。
尚、車両2は種々の停止線71と道路ジョイント部73をそれぞれ走行する毎に、各ストロークセンサ62L、62Rによって計測したサスペンションの沈み込み量を不図示の情報配信センタへ送信する。そして、情報配信センタは、車両2から受信したサスペンションの沈み込み量を停止線71と道路ジョイント部73にそれぞれ対応付けて記憶する。
【0040】
そして、情報配信センタは、サスペンションの沈み込み量を横軸に取り、各サスペンションの沈み込み量毎の測定数を縦軸に取って、停止線71を走行したときのサスペンションの沈み込み量の分布を表す停止線分布曲線81と、道路ジョイント部73を走行したときのサスペンションの沈み込み量の分布を表す道路ジョイント分布曲線82を所定期間毎に(例えば、3ヶ月毎である。)算出する。
【0041】
そして、情報配信センタは、停止線分布曲線81のサスペンションの沈み込み量の平均値D1を算出して停止線閾値D1として記憶する。また、情報配信センタは、道路ジョイント分布曲線82のサスペンションの沈み込み量の平均値D2を道路ジョイント閾値D2として記憶する。その後、情報配信センタは、ナビゲーション装置1から停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2の配信要求を受信した場合には、この停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2をナビゲーション装置1へ配信する。
【0042】
尚、車両2は種々の停止線71と道路ジョイント部73をそれぞれ走行する毎に、各ストロークセンサ62L、62Rによって計測したサスペンションの沈み込み量と、車速センサ21により計測した走行速度を情報配信センタへ送信するようにしてもよい。そして、情報配信センタは、車両2から受信したサスペンションの沈み込み量と走行速度を停止線71と道路ジョイント部73にそれぞれ対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0043】
そして、情報配信センタは、停止線分布曲線81と道路ジョイント分布曲線82を所定走行速度毎に(例えば、時速約10km毎である。)算出し、停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2を所定走行速度毎に算出して記憶するようにしてもよい。また、情報配信センタは、ナビゲーション装置1から停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2の配信要求を受信した場合には、この所定走行速度毎の停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2をナビゲーション装置1へ配信するようにしてもよい。
【0044】
また、情報配信センタは、ナビゲーション装置1から停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2の配信要求を受信した場合には、基準走行速度(例えば、時速10kmである。)における停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2と、各走行速度に対応する修正係数とをナビゲーション装置1へ配信するようにしてもよい。そして、ナビゲーション装置1は、車速センサ21により検出した走行速度に対応する修正係数を停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2に掛け算して、当該走行速度に対応する停止線閾値D1と道路ジョイント閾値D2を算出するようにしてもよい。
【0045】
[停止線認識処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、後方路面の停止線を画像認識して位置情報を記憶する停止線認識処理について図4及び図5に基づいて説明する。尚、図4にフローチャートで示されるプログラムは、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0046】
図4に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、ナビ地図情報26のリンクデータから、自車位置から前方の交差点まで所定距離以内(例えば、約50m以内である。)になったか否か、つまり、画像認識により停止線の検出を開始するか否かを判定する判定処理を実行する。
【0047】
そして、自車位置から前方の交差点まで所定距離以内になっていないと判定した場合、つまり、停止線の検出を開始しないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、自車位置から前方の交差点まで所定距離以内になったと判定した場合、つまり、画像認識により停止線の検出を開始すると判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、前方の交差点の座標位置(例えば、緯度と経度である。)をRAM42に記憶した後、S12の処理に移行する。
【0048】
S12において、CPU41は、車両ECU61から出力される各ストロークセンサ62L、62Rによって検出されたサスペンションの沈み込み量の計測を開始する。
続いて、S13において、CPU41は、停止線DB27から停止線閾値D1を読み出し、計測したサスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1以下か否かを判定する判定処理を実行する。
【0049】
そして、当該サスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1以下であると判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、カメラECU51に対して画像認識モードを「認識優先モード」に設定するように制御信号を出力する。これにより、当該カメラECU51から「認識優先モード」によって画像認識を行った画像データが所定時間間隔(例えば、約10〜50ms間隔である。)でナビゲーション装置1へ出力される。
【0050】
ここで、「認識優先モード」は、バックカメラ53によって撮像した停止線候補の画像内にある車線幅方向の亀裂(ひび割れ)等の領域をノイズとして除去する程度にエッジ成分の許容閾値を低くして(例えば、幅約20mm程度でほぼ車線幅長さを有する細長い面積を許容閾値とする。)、エッジ検出処理等を行い、停止線候補の輪郭を抽出する画像認識モードである。
【0051】
例えば、図5の左端部分及び中央部分に示すように、サスペンションの各沈み込み量85、86が停止線閾値D1以下の場合には、カメラECU51の画像認識モードが「認識優先モード」に設定される。これにより、カメラECU51は、停止線71の車線幅方向に亀裂72があっても、当該停止線71の輪郭内の亀裂(ひび割れ)72が除去された画像データをナビゲーション装置1へ出力することが可能となり、停止線71の認識率を高くすることができる。
【0052】
続いて、S15において、CPU41は、カメラECU51から受信した画像データ内に停止線が撮像されているか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、画像データ内の停止線候補の輪郭情報と、停止線DB27に予め記憶している停止線の形態の特徴量とのパターンマッチングを行うことにより、停止線が撮像されているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0053】
そして、カメラECU51から受信した画像データ内に停止線が撮像されていないと判定した場合には(S15:NO)、CPU41は、後述のS17の処理に移行する。
一方、カメラECU51から受信した画像データ内に停止線が撮像されていると判定した場合には(S15:YES)、CPU41は、S16の処理に移行する。
【0054】
S16において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、当該自車位置と当該停止線の画像認識結果に基づいて決定される停止線の地図上の座標位置(例えば、緯度と経度である。)を算出し、停止線DB27に記憶する。ここで、停止線の地図上の座標位置は、自車両2へのバックカメラ53の取付位置、取付角度、及び画角等に基づいて予め演算された自車位置と撮像領域との位置関係を用いることで、自車位置に基づいて正確に算出することができる。
【0055】
続いて、S17において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出すると共に、上記S11で記憶した前方の交差点の座標位置を読み出し、自車位置が当該交差点を通過したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車位置が当該交差点を通過していないと判定した場合には(S17:NO)、CPU41は、再度S12以降の処理を実行する。
【0056】
一方、自車位置が当該交差点を通過したと判定した場合には(S17:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0057】
他方、上記S13で、サスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1より大きいと判定した場合には(S13:NO)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、停止線DB27から道路ジョイント閾値D2を読み出し、サスペンションの沈み込み量が道路ジョイント閾値D2以下か否かを判定する判定処理を実行する。
【0058】
そして、当該サスペンションの沈み込み量が道路ジョイント閾値D2以下であると判定した場合には(S18:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、カメラECU51に対して画像認識モードを「誤認識防止モード」に設定するように制御信号を出力する。これにより、当該カメラECU51から「誤認識防止モード」によって画像認識を行った画像データが所定時間間隔(例えば、約10〜50ms間隔である。)でナビゲーション装置1へ出力される。
【0059】
ここで、「誤認識防止モード」は、バックカメラ53によって撮像した停止線候補の画像内にある道路ジョイント部の領域をノイズとして除去しない程度までエッジ成分の許容閾値を高くして(例えば、幅約8mm程度でほぼ車線幅長さを有する細長い面積を許容閾値とする。)、エッジ検出処理等を行い、停止線候補の輪郭を抽出する画像認識モードである。
【0060】
例えば、図5の右端部分に示すように、サスペンションの沈み込み量87が停止線閾値D1よりも大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下の場合には、カメラECU51の画像認識モードが「誤認識防止モード」に設定される。これにより、カメラECU51は、停止線候補として抽出された道路ジョイント部73の輪郭内に、ジョイント領域73Aが車線幅方向全幅に渡って残った画像データをナビゲーション装置1へ出力することが可能となる。
【0061】
そして、図4に示すように、S20において、CPU41は、距離センサ33により自車位置からの走行距離の計測を開始する。つまり、CPU41は、上記S12で、停止線閾値D1より大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下のサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離の計測を開始する。
続いて、S21において、CPU41は、カメラECU51から「誤認識防止モード」により画像認識した画像データを受信し、当該画像データ内に停止線が撮像されているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0062】
そして、カメラECU51から受信した画像データ内に停止線が撮像されていると判定した場合には(S21:YES)、CPU41は、上記S16以降の処理を実行する。
【0063】
一方、カメラECU51から受信した画像データ内に停止線が撮像されていないと判定した場合、つまり、停止線候補として抽出された道路ジョイント部73の輪郭情報と、停止線DB27に予め記憶している停止線の形態の特徴量とのパターンマッチングを行うことにより、ジョイント領域73Aが残った道路ジョイント部73を停止線として認識しない(停止線として未認識)場合には(S21:NO)、CPU41は、S22の処理に移行する。
【0064】
S22において、停止線閾値D1より大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下のサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離が、当該サスペンションの沈み込み量を検出した路面が、バックカメラ53の撮像範囲から外れる一定距離になったか否かを判定する判定処理を実行する。ここで、停止線閾値D1より大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下のサスペンションの沈み込み量を検出した路面が、バックカメラ53の撮像範囲から外れる一定距離は、自車両2へのバックカメラ53の取付位置、取付角度、及び画角等に基づいて予め演算された撮像領域と各後輪WL、WRとの関係を用いることで、正確に算出することができる。
【0065】
そして、停止線閾値D1より大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下のサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離が、当該サスペンションの沈み込み量を検出した路面が、バックカメラ53の撮像範囲から外れる一定距離になっていないと判定した場合には(S22:NO)、CPU41は、再度S21以降の処理を実行する。
【0066】
一方、停止線閾値D1より大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下のサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離が、当該サスペンションの沈み込み量を検出した路面が、バックカメラ53の撮像範囲から外れる一定距離になったと判定した場合、つまり、道路ジョイント部の可能性がある道路の段差が存在する路面部分が、バックカメラ53の撮像範囲外になったと判定した場合には(S22:YES)、CPU41は、S23の処理に移行する。S23において、CPU41は、距離センサ33による距離計測をリセット(停止)して、距離センサ33による走行距離の計測値を初期化した後、上記S17以降の処理を実行する。
【0067】
他方、上記S18で、当該サスペンションの沈み込み量が道路ジョイント閾値D2より大きいと判定した場合、つまり、道路ジョイント部である可能性が非常に高い(停止線がある可能性が非常に低い)と判定した場合には(S18:NO)、CPU41は、S24の処理に移行する。S24において、CPU41は、距離センサ33により自車位置からの走行距離の計測を開始する。つまり、CPU41は、上記S12で道路ジョイント閾値D2より大きいサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離の計測を開始する。
【0068】
続いて、S25において、CPU41は、上記S22の処理を実行する。そして、道路ジョイント閾値D2より大きいサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離が、当該サスペンションの沈み込み量を検出した路面が、バックカメラ53の撮像範囲から外れる一定距離になっていないと判定した場合には(S25:NO)、CPU41は、再度S25の処理を実行する。
【0069】
一方、道路ジョイント閾値D2より大きいサスペンションの沈み込み量を検出してから走行した走行距離が、当該サスペンションの沈み込み量を検出した路面が、バックカメラ53の撮像範囲から外れる一定距離になったと判定した場合、つまり、道路ジョイント部等の可能性が高い道路の段差部が存在する路面部分が、バックカメラ53の撮像範囲外になったと判定した場合には(S25:YES)、CPU41は、上記S23以降の処理を実行する。
【0070】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、サスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1以下の場合には、カメラECU51の画像認識モードを「認識優先モード」に設定する。これにより、CPU41は、停止線候補の画像データから亀裂(ひび割れ)等を除去することができ、停止線の認識率を高くすることができる。
【0071】
また、CPU41は、サスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1よりも大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下の場合には、道路ジョイント部を停止線として認識しないように、カメラECU51の画像認識モードを「誤認識防止モード」に設定する。これにより、CPU41は、停止線候補として抽出された道路ジョイント部の輪郭内に、ジョイント領域を車線幅方向全幅に渡って残すことができ、道路ジョイント部を停止線として誤認識することを確実に防止し、停止線を正確に認識することが可能となる。
【0072】
また、CPU41は、サスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1以下の場合には、カメラECU51の画像認識モードとして「認識優先モード」を選択し、サスペンションの沈み込み量が停止線閾値D1よりも大きく、且つ、道路ジョイント閾値D2以下の場合には、カメラECU51の画像認識モードとして「誤認識防止モード」を選択するため、画像認識モードを迅速に設定することができる。また、CPU41は、サスペンションの沈み込み量が道路ジョイント閾値D2よりも大きい場合には、停止線の画像認識を行わなくすることが可能となり、停止線認識の精度をより向上させることができる。
【0073】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0074】
[他の実施例1]
(A)例えば、「認識優先モード」は、バックカメラ53によって撮像した停止線候補の画像内の車線幅方向に直交する方向の幅閾値を、幅の狭い停止線候補の輪郭情報も停止線として認識できるように狭く設定するようにしてもよい。これにより、CPU41は、幅の狭い停止線候補も確実に停止線として認識することが可能となる。
【0075】
一方、「誤認識防止モード」は、道路ジョイント部を停止線として認識しないように、バックカメラ53によって撮像した停止線候補の画像内の車線幅方向に直交する方向の幅閾値を「認識優先モード」における幅閾値よりも広く設定するようにしてもよい。これにより、CPU41は、幅の狭い道路ジョイント部を停止線として誤認識することを確実に防止し、停止線を正確に認識することが可能となる。
【0076】
[他の実施例2]
(B)また例えば、「認識優先モード」は、バックカメラ53によって撮像した停止線候補の画像内のカラー画像又はグレー画像の白色閾値を、道路ジョイント部に近い色の停止線候補の輪郭情報も停止線として認識できるように低く設定するようにしてもよい。これにより、CPU41は、かすれや汚れなどの経年劣化により道路ジョイント部に近い色となっている停止線候補も確実に停止線として認識することが可能となる。
【0077】
一方、「誤認識防止モード」は、道路ジョイント部を停止線として認識しないように、バックカメラ53によって撮像した停止線候補の画像内のカラー画像又はグレー画像の白色閾値を「認識優先モード」における白色閾値よりも高く設定するようにしてもよい。これにより、CPU41は、色の黒い道路ジョイント部を停止線として誤認識することを確実に防止し、停止線を正確に認識することが可能となる。
【0078】
[他の実施例3]
(C)また例えば、停止線閾値D1及び道路ジョイント閾値D2は、それぞれの分布曲線のサスペンションの沈み込み量の平均値以外の値を採用してもよい。
例えば、道路ジョイント分布曲線82のサスペンションの沈み込み量の最小値を停止線閾値D1として、また、停止線分布曲線81のサスペンションの沈み込み量の最大値を道路ジョイント閾値D2として、それぞれ設定するようにしてもよい。
【0079】
このようにすれば、停止線である可能性が非常に高いサスペンションの沈み込み量である場合には、画像認識モードを「認識優先モード」に設定し、停止線である場合と道路ジョイント部である場合とが混在するようなサスペンションの沈み込み量である場合には、画像認識モードを「誤認識優先モード」に設定し、停止線である可能性が非常に低いサスペンションの沈み込み量である場合には、画像認識自体を行わなくすることが可能となり、停止線認識の精度をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 ナビゲーション装置
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
27 停止線DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 カメラECU
53 バックカメラ
61 車両ECU
62L 左側ストロークセンサ
62R 右側ストロークセンサ
71 停止線
72 亀裂(ひび割れ)
73 道路ジョイント部
73A ジョイント領域
81 停止線分布曲線
82 道路ジョイント分布曲線
D1 停止線閾値
D2 道路ジョイント閾値
85、86、87 サスペンションの沈み込み量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出手段と、
前記画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識手段と、
を備え、
前記画像認識手段は、前記検出手段によって検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識することを特徴とする停止線認識装置。
【請求項2】
前記画像認識手段は、前記サスペンションの沈み込み量が第1閾値以下の場合には、前記認識優先モードを選択し、前記サスペンションの沈み込み量が第1閾値よりも大きい第2閾値以下の場合には、前記誤認識防止モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の停止線認識装置。
【請求項3】
前記誤認識防止モードは、前記道路ジョイント部を停止線として認識しないように、前記停止線候補の画像内のエッジ成分の許容閾値を前記認識優先モードにおける許容閾値よりも高く設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の停止線認識装置。
【請求項4】
前記誤認識防止モードは、前記道路ジョイント部を停止線として認識しないように、前記停止線候補の画像内の幅閾値を前記認識優先モードにおける幅閾値よりも広く設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の停止線認識装置。
【請求項5】
前記誤認識防止モードは、前記道路ジョイント部を停止線として認識しないように、前記停止線候補の画像内の白色閾値を前記認識優先モードにおける白色閾値よりも高く設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の停止線認識装置。
【請求項6】
自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得工程と、
自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出工程と、
前記画像情報取得工程で取得した画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識工程と、
を備え、
前記画像認識工程では、前記検出工程で検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識することを特徴とする停止線認識方法。
【請求項7】
コンピュータに、
自車両後方の路面の画像情報を取得する画像情報取得工程と、
自車両のサスペンションの沈み込み量を検出する検出工程と、
前記画像情報取得工程で取得した画像情報から画像認識により停止線及び道路ジョイント部を含む停止線候補を取得する画像認識工程と、
を実行させ、
前記画像認識工程では、前記検出工程で検出されたサスペンションの沈み込み量に基づいて、前記停止線候補を停止線として認識することを優先する認識優先モードと前記道路ジョイント部を停止線として誤認識することを防止する誤認識防止モードとのいずれかを選択し、当該選択した認識優先モード又は誤認識防止モードによって前記停止線候補から停止線を認識するように実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−211815(P2012−211815A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77431(P2011−77431)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】