健康指導カウンセラー業務支援システム
【課題】評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易とする。
【解決手段】健康診断検査結果入力1Aと基準値2Aから検査結果を判定する検査結果判定手段3と、検査結果および判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段4と、前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段5と、前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段6とを備え、判断評価根拠選択手段5による選択結果としての評価根拠を記録する記憶手段2cを設けた。
【解決手段】健康診断検査結果入力1Aと基準値2Aから検査結果を判定する検査結果判定手段3と、検査結果および判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段4と、前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段5と、前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段6とを備え、判断評価根拠選択手段5による選択結果としての評価根拠を記録する記憶手段2cを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、健康指導カウンセラー業務支援システム、特に、個人の健康づくりのため、健康診断結果等の情報から個人の健康状態における問題点あるいは改善必要項目を見つけ出し、個人ごとに最適な指導を行う健康指導カウンセラー業務支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の業務支援システムでは、予め雛形メッセージを登録しておき、健康診断等で得られる生体情報(血圧、体重、血糖値など)から関連のある雛形メッセージを抽出し、指導者がその中から選択を行い、メッセージを編集することにより、健康づくり実施者への指導メッセージを完成させている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−102756号公報(第5−6頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の業務支援システムは、以上のように健康づくり実施者に対する指導メッセージの作成に重点が置かれているので、指導者が健康づくり実施者の健康状態において、どこに問題点あるいは改善必要項目があると判断して、どういう理由で指導を指示したかの根拠が残らない問題点があった。また、上記のように、指導者が自らの能力や経験により、判断や指示を下すため、指導者の力量により健康指導の内容が変わり、指導の質が一定しないなどの問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る健康指導カウンセラー業務支援システムでは、健康診断検査結果を入力する入力手段と、検査項目に対する基準値を記録する記憶手段と、前記記憶手段に格納された基準値から検査結果を判定する検査結果判定手段と、検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段と、前記検査項目選択手段により前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段と、前記検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果に基づく前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段とを備え、前記判断根拠選択手段による選択結果としての判断根拠を記録することによって、判断のプロセスを再検証可能にして、指導内容を向上させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図9までに基づいて説明する。図1は実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて実行される処理のフローチャートである。図3は実施の形態1における健康診断検査項目基準値の形式例を示す図表である。図4は実施の形態1における健康診断検査結果の判定結果例を示す図表である。図5は実施の形態1における検査項目選択時の根拠集の例を示す図表である。図6は実施の形態1における指導内容集の例を示す図表である。図7は実施の形態1における指導内容評価集の例を示す図表である。図8は実施の形態1における評価根拠集の例を示す図表である。図9は実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、目標値を追加した場合のフローチャートである。
【0009】
図1は、この発明による実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図であり、健康指導カウンセラー業務支援システムは次のように構成される。
入力手段1は健康診断等の受診により得た検査結果を入力する手段である。記憶手段2は健康診断の検査結果や健康指導に用いるデータを格納する手段である。
また、検査結果判定手段3は健康診断の検査結果を正常/異常/境界のいずれかに判定する手段である。検査項目選択手段4は検査結果判定手段3の判定結果から対処が必要であると判定された検査項目を選び出す手段である。検査項目選択根拠選択手段5は検査項目選択手段4によって対処が必要であると判定された検査項目を選び出した際の根拠に相当する根拠項目を記憶手段2に格納された根拠集2Bの根拠項目から選択する手段である。
さらに、指導内容選択手段6は健康指導対象者への指導内容を選択する手段である。検査結果比較手段7は健康指導前後において当該検査項目の変化を比較する手段である。指導内容評価選択手段8は指導内容の効果の有無を評価する手段である。指導内容評価選択根拠選択手段9は当該評価を下した根拠を選択する手段である。
そして、表示手段10は健康指導カウンセラー業務支援システムが所持するデータを表示する手段であり、CRTモニタ等の表示装置によって構成されている。
【0010】
上記構成の中で、入力手段1としては、帳票に出力された検査結果を見ながら、キーボードやマウス等を用いて入力してもよいし、OCR等により光学式に文字を読み取ってもよい。また、健康診断結果を管理するシステムが出力する電子データをフロッピー(登録商標)ディスク(FD)やCD−ROM等の補助記録媒体から入力してもよい。
【0011】
なお、この発明に係る健康指導カウンセラー業務支援システムは、例えば前記の各部を全て備えた1台の装置(例えば、1台のコンピュータ)として実現されていてもよいし、前記の各部を分散して備えた複数台の装置(例えば、複数台のコンピュータ)からなるシステムとして実現されていてもよい。
【0012】
すなわち、健康指導カウンセラー業務支援システムを1台のコンピュータでスタンドアロン方式により構成する場合には、汎用パーソナルコンピュータやサーバを用いることができる。CPUおよびメモリならびにキーボードやマウスなどの入出力手段およびCRTモニタなどの表示装置やハードディスクなどの記憶装置を含む周辺機器で構成されるハードウエアと、これらのハードウエアを健康指導カウンセラー業務支援システムとして動作させるプログラムからなるソフトウエアとを備えた汎用パーソナルコンピュータやサーバで構成することができるものである。
【0013】
次に、動作について説明する。
図2は、図1に示す健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、実行される処理を示すフローチャートである。
まず、健康診断を受診した受診者についての検査結果から問題のある検査項目の判定を行う。健康診断等の受診により得た健康診断検査結果ERを入力手段1(図1)によって健康診断検査結果入力1Aとして健康指導カウンセラー業務支援システムに取り込み、記憶手段2(図1)に格納する。健康診断検査項目基準値2Aは健康診断の検査項目ごとに基準値を示したデータであり、例えば図3のような形式で、記憶手段2(図1)に予め格納されている。検査結果判定手段3は記憶手段2(図1)から取り込んだ健康診断検査結果入力1Aと健康診断検査項目基準値2Aを読み出して比較し、検査結果が正常か異常か判定を行う。
【0014】
表示手段10(図1)に表示される判定結果例を図4に示す。健康指導カウンセラー業務支援システムは検査結果判定手段3による判定結果を導出し、検査項目選択手段4によって検査結果判定手段3の判定結果から問題がある検査項目を選び出す。
ここで、検査結果判定手段3による判定結果は「正常」「境界」「異常」として導出される。「境界」は「正常」と「異常」との間に基準値範囲の20%等の各検査項目の特質に応じた所定の数値幅を持つ境界域として設定される。
図4の例では、全ての検査項目が正常となっているが、この中で最も基準値の限界に近いBMI(Body Mass Index) の検査数値状況に着眼して他の検査項目における検査数値の状況を勘案し各検査項目の重要性も参酌して対処が必要な問題点があるかどうかが判定される。
同様に、複数の検査項目が異常となっている場合もその中で最も基準値から外れている項目に着眼して他の検査項目における検査数値の状況を勘案し各検査項目の重要性も参酌して対処が必要な問題点があるかどうかが判定される。
健康指導カウンセラー業務支援システムは検査項目選択根拠選択手段5により記憶手段2(図1)に格納され予め用意された根拠集2Bの中から検査項目選択手段4によって検査結果判定手段3の判定結果から問題がある検査項目を選び出した際の根拠に相当する根拠項目を選び出す。
【0015】
図5に根拠集2Bの例を示すが、問題と判定した検査項目ごとに「正常」「境界」「異常」のそれぞれの判定結果に対し、根拠記述内容が用意されている。
検査項目選択手段4によって検査結果判定手段3の判定結果から問題がある検査項目を選び出した際の根拠は、BMI(Body Mass Index) の検査数値が最も基準値の限界に近く、このBMIに着眼し他の検査項目における検査数値の状況等も勘案して、BMIに対処が必要であり問題であると判断したものであって、根拠項目として「基準上限に最も近い検査項目である」を選択する。
以上のようにして、検査結果から問題となる検査項目とその根拠の選択が行われる。
そして、検査項目選択根拠選択手段5による根拠選択としての判断結果は、検査結果判定手段3による検査結果判定結果および検査項目選択手段4による検査項目選択結果とともに、検査結果判定結果記録2Cとして記憶手段2(図1)に格納される。
【0016】
次に、上記の結果をもとに、健康指導カウンセラー業務支援システムは健康指導対象者に実施すべき指導内容の選択を行う。
健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容選択手段6により選択された検査項目と根拠に基づき、記憶手段2(図1)に格納され予め用意した指導内容集2Dの中から対象者に最適な指導内容を選択する。図5の例で、対象者の検査結果から「BMI」が「基準上限に最も近い検査項目である」と判定された場合、健康指導カウンセラー業務支援システムは図6に示す指導内容集からカロリー消費増やカロリ摂取減の対策のうち対象者にとって目標が明確で実行し易く対象者に直接的な効果がある「ご飯の量を半分にする」旨の指導内容を選択する。
そして、指導内容選択手段6による指導内容選択としての判断結果は健康指導カウンセラー業務支援システムへ入力する指導内容選択根拠とともに指導内容選択記録2Eとして記憶手段2(図1)に格納される。
【0017】
続いて、健康指導対象者に指導を行った後、一定期間を経過した時に指導内容の評価を実施する。
健康指導カウンセラー業務支援システムは、検査結果比較手段7による検査結果比較出力を基に指導内容評価選択手段8によって検査項目選択手段4が選択した検査項目が指導前後でどのように変化したかを比較し、指導内容に効果があったかどうか評価する。評価の内容は、指導内容評価選択手段8により記憶手段2(図1)に格納された指導内容評価集2Fから選択する。図7に指導内容評価集2Fの例を示す。
さらに、健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容評価選択根拠選択手段9によって記憶手段2(図1)に格納され予め用意された評価根拠集2Gから評価した根拠を選択する。指導内容評価集2Fのそれぞれの指導内容評価ごとに、評価根拠記述内容が用意されている。図8の評価根拠集2Gの例では、「見直し要」という指導内容評価に対し、「検査値に変化無し」という評価根拠が選択されている。
そして、指導内容評価選択根拠選択手段9による根拠選択としての判断結果は、検査結果比較手段7による検査結果比較結果および指導内容評価選択手段8による指導内容評価選択結果とともに、指導内容評価選択結果記録2Hとして記憶手段2(図1)に格納される。
【0018】
以上のように、この発明によれば、健康指導における健康状態の判断および健康指導内容指示時の判断を明らかにし、その判断結果を記録することにより判断のプロセスを再検証することが可能となる。したがって、再検証により、判定や選択のアルゴリズムを容易に見直すことができるため、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【0019】
なお、上記では、指導内容の評価に指導内容評価選択手段7は検査項目選択手段4が選択した検査項目が指導前後でどのように変化したか比較することにより、指導内容に効果があったかどうか評価したが、指導内容を選択する時に、図9に示すように検査項目に対する目標値2Jを設定してもよい。この目標値2Jは健康指導カウンセラーあるいは健康指導対象者が決定し数値を入力してもよいし、検査項目に対する基準値と検査結果から健康指導カウンセラー業務支援システムが設定してもよい。目標値2Jは記憶手段2に格納される。
このように、目標値を定めることにより、指導内容評価選択手段8は指導内容の評価時点での検査結果と目標値を比較することで、指導内容に効果があったかどうか容易に評価することができる。
【0020】
(1A)この発明による実施の形態1によれば、健康診断検査結果を健康診断検査結果入力1Aとして入力する入力手段2と、検査項目に対する基準値を検査項目基準値2Aとして記録し格納する記憶手段2と、前記記憶手段2に記録された検査項目基準値2Aから検査結果を判定する検査結果判定手段3と、前記検査結果および前記検査結果判定手段3により判定された判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段4と、前記検査項目選択手段4により前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段5と、前記検査結果および前記検査結果判定手段3より判定された判定結果に基づく前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段6とを備え、前記判断根拠選択手段5による選択結果としての判断根拠を検査結果判定結果記録2Cとして記憶手段2により記録することによって、判断のプロセスを再検証可能にして、指導内容を向上させるようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【0021】
(1B)この発明による実施の形態1によれば、前記(1A)項における構成において、指導後一定期間を経過したときに指導内容に対する評価を選択する指導内容評価選択手段8と、前記評価を選択した根拠を選択する評価根拠選択手段9を備えたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証を実行して、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【0022】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図10および図11について説明する。図10は実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムのシステム構成を示すブロック図である。図11は実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0023】
この発明による実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムのシステム構成を示す図10は、健康指導カウンセラーが使用するカウンセラー端末1001,1002,…と健康指導カウンセラーが入力あるいは参照するデータを保管するデータベース1012を有するセンターサーバ1011をネットワーク1013で接続したものである。
図10において、カウンセラー端末1001,1002,…はカウンセラーが健康指導を行なう時に使用する端末で、例えばパーソナルコンピュータのように、キーボードやマウス等の入力手段とCRTのような表示手段および通信手段を備える。
また、センターサーバ1011はデータベースにアクセスする手段と通信手段を備え、データベース1012は健康指導に用いるデータを管理しセンターサーバの命令によりデータの読み書きを行う。ネットワーク1013は、例えばインターネットのように、複数の装置からの通信が可能なものとする。
そして、実施の形態1で説明した検査結果判定手段3、検査項目選択手段4、判断根拠選択手段5及び指導内容選択手段6(図2参照)が、それぞれ端末装置1001,1002,…またはセンターサーバ1011の少なくともどちらかに存在するように構成されている。
【0024】
次に、動作について説明する。
図11は、図10に示すように構成した健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、実行される処理を示すフローチャートである。
まず、検査結果から問題のある検査項目の判定を行う。カウンセラー端末1001,1002,…では、健康診断等の受診により得た検査結果ERを健康診断検査結果入力1Aとして入力手段1(図1)により取り込み、ネットワーク1013を介し、センターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバ1011では自らが有する記憶手段としてのデータベース2内に健康診断検査結果2Rとして格納する。カウンセラー端末1001,1002,…は、データベース2内の健康診断検査項目基準値2Aの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼する。検査結果判定手段3は、健康診断検査結果と読み出した健康診断検査項目基準値から検査結果が正常か異常か判定を行う。検査項目選択根拠選択手段5では、根拠集2Bの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼し、読み出した中から適切な根拠を選び出す。そして、問題と判定した検査項目とその根拠について、ネットワーク1013を介し、センターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバは自らが有するデータベース2内に検査結果判定結果2Cとして格納する。
【0025】
次に、健康指導カウンセラー業務支援システムは健康指導対象者に実施すべき指導内容の選択を行う。健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容選択手段6によりデータベース2内の指導内容集2Eの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼する。指導内容選択手段6は選択された検査項目と根拠に基づき、指導内容集2Dの中から対象者に最適な指導内容を選択する。そして、選択した結果を、ネットワーク1013を介しセンターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバ1011は自らが有するデータベース2内に指導内容選択結果2Eとして格納する。
【0026】
続いて、健康指導カウンセラー業務支援システムは、健康指導対象者に指導を行なった後、一定期間を経過した時に指導内容の評価を実施する。健康指導カウンセラー業務支援システムは検査結果比較手段7によって検査項目選択手段4が選択した検査項目が指導前後でどのように変化したかを比較し、指導内容に効果があったかどうか評価する。そして、健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容評価選択手段8によりデータベース2内の指導内容評価集2Fの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼し、評価の内容を選択する。さらに、指導内容評価選択根拠選択手段9によってデータベース2内の評価根拠集2Gの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼し、その中から評価した根拠を選択する。そして、選択した結果を、ネットワーク1013を介しセンターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバ1011は自らが有するデータベース2内に指導内容評価選択結果2Hとして格納する。
【0027】
以上のように、この発明による実施の形態2によれば、データをネットワークを介してアクセスすることを可能としたので、さまざまな場所において健康指導カウンセラー業務支援システムによって健康指導対象者を指導することができるとともに、健康指導対象者自身が自分のデータを自宅等でもアクセスすることができるようになるため、利便性が増す。また、判断のプロセスを再検証する際に、データが一元管理されているため、複数のカウンセラー端末からデータを収集する手間を省くことができる。
【0028】
(2A)この発明による実施の形態2によれば、実施の形態1における前記(1A)項に示す構成において、前記健康指導カウンセラー業務支援システムを構成する健康指導カウンセラーが操作するカウンセラー端末1001,1002,…からなる複数の端末装置をデータベース1012を有するセンターサーバ1011にネットワーク1013を介して接続し、前記カウンセラー端末1001,1002,…からなる端末装置から入力されるデータを前記センターサーバ1011のデータベース2に集中させたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、データを一元管理できる健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0029】
実施の形態3.
この発明による実施の形態2を図12について説明する。図12は実施の形態3における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0030】
図12は、健康診断カウンセラー業務支援システムに健康診断検査項目基準値変更手段11を設けたブロック図である。健康診断検査項目基準値変更手段11は、記憶手段2(図1)に格納されている健康診断検査項目基準値2A(図2)を読み出し、表示手段10に表示する。基準値2Aの変更者は変更したい検査項目の基準値2Aを変更すると、健康診断検査項目基準値変更手段11は変更した値2Aを記憶手段2に格納する。
【0031】
このように、健康診断検査項目の基準値を変更できるようにしたので、学会等で基準値が変更になった場合や健康指導カウンセラー業務支援システムによって重点的に指導したい検査項目の基準値を変更したい場合に、容易に対応することができる。
【0032】
(3A)この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1における前記(1A)項に示す構成または実施の形態2における前記(2A)項に示す構成において、前記記憶手段2(図1)に格納された検査項目の基準値2A(図2)を検査項目基準値変更手段11によって変更できるようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、検査項目についての基準値を的確に設定できる健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0033】
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を図13および図14について説明する。図13は実施の形態4における複数の健康診断検査項目基準値を持つ形式例を示す図表である。図14は実施の形態4におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態3における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。
【0034】
実施の形態1では基準値2A(図2)を一つだけ設けたが、この実施の形態4では、図13のように性別や年齢等により複数の値を持つようにしている。図13の例では、男性と女性で腹囲や年齢により最高/最低血圧を異なる基準値とした。図14に示すような健康指導対象者のパーソナルデータ1400として性別や年齢等の基本データ1401を、入力手段1(図1)から入力し、記憶手段2(図1)に格納しておくことで、検査結果判定手段3(図2)はパーソナルデータを読み出し、パーソナルデータに基づいた検査結果の判定を下す。
【0035】
このように、複数の基準値を設けることで、検査結果の判定をきめ細かく行うことができるため、より正確な健康指導を行なうことができる。
【0036】
(4A)この発明による実施の形態4によれば、実施の形態3における前記(3A)項に示す構成において、前記記憶手段2(図1)に格納された検査項目基準値2A(図2)が、性別,年齢を条件として含む事前に設定した条件により、複数の値を設定するとともに、前記検査結果判定手段3は健康診断受診者について設定された条件に対応する基準値に基づき検査結果を判定するようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、検査結果の判定をきめ細かく行うことができ、より正確な健康指導を行える健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0037】
実施の形態5.
この発明による実施の形態5を図15および図16について説明する。図15は実施の形態5におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。図16は実施の形態5における除外処理のフローチャートである。
この実施の形態5において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態4までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。
【0038】
図15は、パーソナルデータ1400に生活習慣データ1501を追加したものである。
図15の例では、通勤手段として電車,車,徒歩等のいずれかであるか、また、朝食をきちんと食べるかどうかの生活習慣が示されている。
指導内容選択手段6(図2)は指導内容を選択する時、指導内容集2D(図2)を読み出すが、まずパーソナルデータを参考に不適切なものを除外する。図16は上記除外処理を示すフローチャートである。図16に示した例に従い、以下に動作を説明する。指導内容選択手段6(図2)はパーソナルデータ1400から健康指導対象者が「車通勤」であることを読み出す。指導内容集2Dの中から、通勤手段に関わるものとして、「通勤時、一駅余分に歩く」が「車通勤」には不適切なことから指導内容から除外を行う。そして、指導内容選択手段6(図2)は除外処理が完了した後の指導内容集2Dから最適な指導内容を選択する。
【0039】
このように、生活習慣データを設けたので、個人それぞれの生活習慣に見合った指導内容を選択することができるため、より効果的な健康指導を行うことができる。
【0040】
(5A)この発明による実施の形態5によれば、実施の形態1から実施の形態4までにおける前記(1A)項〜(4A)項に示すいずれかの構成において、個人の生活習慣に関わるパーソナルデータをもとに、前記指導内容選択手段6(図2)により選択される指導内容を変更することができるようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、個人それぞれの生活習慣に見合った指導内容を選択して、より効果的な健康指導を行なえる健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0041】
実施の形態6.
この発明による実施の形態6を図17および図18について説明する。図17は実施の形態5における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。図18は実施の形態6における指導内容評価の点数表例を示す図表である。
この実施の形態6において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態5までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0042】
図17は、健康指導カウンセラー業務支援システムに、指導内容に対する評価を集計する手段12と、集計結果から評価の高い指導内容を判定する手段13と、指導内容を選択する時に上記判定結果をもとに優先度を変更する手段14とを追加したものである。
指導内容評価集計手段12は、指導内容選択手段6が選択した指導内容と、その指導に対し指導内容評価選択手段8が選択した評価を、記憶手段2から読み出す。それぞれの評価は、例えば図18に示すような点数表を用いて、それぞれの指導内容に与えられた評価を点数化する。高評価指導内容判定手段13は、上記点数化された指導内容を点数の高いものに並べ替えを行う。指導内容優先度変更手段14は、記憶手段2から指導内容が点数の高い順に並べられる指導内容集2D(図2)を読み出し、並べ替えられた結果に書き換える。
【0043】
このように、指導内容集2D(図2)を見直すことにより、指導内容選択手段6がより評価の高い指導内容を容易に選択することができるため、より効果的な健康指導を行うことができる。
【0044】
なお、上記では、並び替え処理のみを行うこととしたが、評価の点数が低い指導内容や選択されることが少ない指導内容を削除する処理を加えてもよい。不必要な指導内容を無くすことにより、選択処理の高速化を図ることができる。
【0045】
(6A)この発明による実施の形態6によれば、実施の形態1から実施の形態5までにおける前記(1A)項〜(5A)項に示すいずれかの構成において、指導内容に対する評価を集計する指導内容評価集計手段12と、前記指導内容評価集計手段12による集計結果から評価の高い指導内容を判定する指導内容評価判定手段13と、前記指導内容選択手段6により指導内容を選択するときに前記指導内容評価判定手段13による判定結果をもとに優先度を変更する優先度変更手段14を備えるので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、評価の高い指導内容を容易に選択して、より効果的な健康指導を行える健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0046】
この発明による実施の形態においては、次の(1)項から(6)項までに示される構成が提示されている。
【0047】
(1)健康診断検査結果を入力する手段と、検査項目に対する基準値を記録する手段と、基準値から検査結果を判定する手段と、検査結果および判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する手段と、上記検査項目を選択した根拠を選択する根拠選択手段と、上記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段と、指導後一定期間を経過したときに指導内容に対する評価を選択する指導内容評価選択手段と、上記評価を選択した根拠を選択する手段を備えることにより、健康指導における健康状態の判断、健康指導内容指示時の判断を明らかにし、その判断結果を記録することにより判断のプロセスを再検証し、指導内容を向上させることを容易にすることを特徴とする健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0048】
(2)複数の健康指導カウンセラー端末とデータベースを有するセンターサーバとそれらを接続するネットワークを設け、健康指導カウンセラーが入力あるいは参照するデータをデータベースに集中させたことを特徴とする前記(1)項記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0049】
(3)検査項目の基準値を変更できることを特徴とする前記(1)項または前記(2)記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0050】
(4) 検査項目の基準値を性別、年齢等の事前に設定した条件により、複数の値を持つことを特徴とする前記(3)項記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0051】
(5)個人の生活習慣に関わるパーソナルデータをもとに、指導内容を変更することができることを特徴とする前記(1)項または前記(2)記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0052】
(6)指導内容に対する評価を集計する手段と、集計結果から評価の高い指導内容を判定する手段と、指導内容を選択する時に上記判定結果をもとに優先度を変更する手段を備えることを特徴とする前記(1)項または前記(2)項記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明による実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図3】この発明による実施の形態1における健康診断検査項目基準値の形式例を示す図表である。
【図4】この発明による実施の形態1における健康診断検査結果の判定結果例を示す図表である。
【図5】この発明による実施の形態1における検査項目選択時の根拠集の例を示す図表である。
【図6】この発明による実施の形態1における指導内容集の例を示す図表である。
【図7】この発明による実施の形態1における指導内容評価集の例を示す図表である。
【図8】この発明による実施の形態1における評価根拠集の例を示す図表である。
【図9】この発明による実施の形態1を示す健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、目標値を追加した場合のフローチャートである。
【図10】この発明による実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図11】この発明による実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図12】この発明による実施の形態3における健康指導カウンセラー業務支援システムの構成を示すブロック図である。
【図13】この発明による実施の形態4における複数の健康診断検査項目基準値を持つ形式例を示す図表である。
【図14】この発明による実施の形態4におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。
【図15】この発明による実施の形態5におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。
【図16】この発明による実施の形態5における除外処理のフローチャートである。
【図17】この発明による実施の形態6における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図18】この発明による実施の形態6における指導内容評価の点数表例を示す図表である。
【符号の説明】
【0054】
1 入力手段、2 記憶手段、2A 健康診断検査項目基準値、2B 根拠集、2C 検査結果判定結果、2D 指導内容集、2E 指導内容選択結果、2F 指導内容評価集、2G 評価根拠集、2H 指導内容評価選択結果、3 検査結果判定手段、4 検査項目選択手段、5 検査項目選択根拠選択手段、6 指導内容選択手段、7 検査結果比較手段、8 指導内容評価選択手段、9 指導内容評価選択根拠選択手段、10 表示手段、1A 健康診断検査結果入力、4 検査項目選択手段、5 検査項目選択根拠選択手段、6 指導内容選択手段、7 指導内容評価選択手段、8 指導内容評価選択手段、9 指導内容評価選択根拠選択手段、10 表示手段、11 検査項目基準値変更手段、12 指導内容評価集計手段、13 高評価指導内容判定手段、14 指導内容優先度変更手段。
【技術分野】
【0001】
この発明は、健康指導カウンセラー業務支援システム、特に、個人の健康づくりのため、健康診断結果等の情報から個人の健康状態における問題点あるいは改善必要項目を見つけ出し、個人ごとに最適な指導を行う健康指導カウンセラー業務支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の業務支援システムでは、予め雛形メッセージを登録しておき、健康診断等で得られる生体情報(血圧、体重、血糖値など)から関連のある雛形メッセージを抽出し、指導者がその中から選択を行い、メッセージを編集することにより、健康づくり実施者への指導メッセージを完成させている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−102756号公報(第5−6頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の業務支援システムは、以上のように健康づくり実施者に対する指導メッセージの作成に重点が置かれているので、指導者が健康づくり実施者の健康状態において、どこに問題点あるいは改善必要項目があると判断して、どういう理由で指導を指示したかの根拠が残らない問題点があった。また、上記のように、指導者が自らの能力や経験により、判断や指示を下すため、指導者の力量により健康指導の内容が変わり、指導の質が一定しないなどの問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る健康指導カウンセラー業務支援システムでは、健康診断検査結果を入力する入力手段と、検査項目に対する基準値を記録する記憶手段と、前記記憶手段に格納された基準値から検査結果を判定する検査結果判定手段と、検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段と、前記検査項目選択手段により前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段と、前記検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果に基づく前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段とを備え、前記判断根拠選択手段による選択結果としての判断根拠を記録することによって、判断のプロセスを再検証可能にして、指導内容を向上させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図9までに基づいて説明する。図1は実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて実行される処理のフローチャートである。図3は実施の形態1における健康診断検査項目基準値の形式例を示す図表である。図4は実施の形態1における健康診断検査結果の判定結果例を示す図表である。図5は実施の形態1における検査項目選択時の根拠集の例を示す図表である。図6は実施の形態1における指導内容集の例を示す図表である。図7は実施の形態1における指導内容評価集の例を示す図表である。図8は実施の形態1における評価根拠集の例を示す図表である。図9は実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、目標値を追加した場合のフローチャートである。
【0009】
図1は、この発明による実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図であり、健康指導カウンセラー業務支援システムは次のように構成される。
入力手段1は健康診断等の受診により得た検査結果を入力する手段である。記憶手段2は健康診断の検査結果や健康指導に用いるデータを格納する手段である。
また、検査結果判定手段3は健康診断の検査結果を正常/異常/境界のいずれかに判定する手段である。検査項目選択手段4は検査結果判定手段3の判定結果から対処が必要であると判定された検査項目を選び出す手段である。検査項目選択根拠選択手段5は検査項目選択手段4によって対処が必要であると判定された検査項目を選び出した際の根拠に相当する根拠項目を記憶手段2に格納された根拠集2Bの根拠項目から選択する手段である。
さらに、指導内容選択手段6は健康指導対象者への指導内容を選択する手段である。検査結果比較手段7は健康指導前後において当該検査項目の変化を比較する手段である。指導内容評価選択手段8は指導内容の効果の有無を評価する手段である。指導内容評価選択根拠選択手段9は当該評価を下した根拠を選択する手段である。
そして、表示手段10は健康指導カウンセラー業務支援システムが所持するデータを表示する手段であり、CRTモニタ等の表示装置によって構成されている。
【0010】
上記構成の中で、入力手段1としては、帳票に出力された検査結果を見ながら、キーボードやマウス等を用いて入力してもよいし、OCR等により光学式に文字を読み取ってもよい。また、健康診断結果を管理するシステムが出力する電子データをフロッピー(登録商標)ディスク(FD)やCD−ROM等の補助記録媒体から入力してもよい。
【0011】
なお、この発明に係る健康指導カウンセラー業務支援システムは、例えば前記の各部を全て備えた1台の装置(例えば、1台のコンピュータ)として実現されていてもよいし、前記の各部を分散して備えた複数台の装置(例えば、複数台のコンピュータ)からなるシステムとして実現されていてもよい。
【0012】
すなわち、健康指導カウンセラー業務支援システムを1台のコンピュータでスタンドアロン方式により構成する場合には、汎用パーソナルコンピュータやサーバを用いることができる。CPUおよびメモリならびにキーボードやマウスなどの入出力手段およびCRTモニタなどの表示装置やハードディスクなどの記憶装置を含む周辺機器で構成されるハードウエアと、これらのハードウエアを健康指導カウンセラー業務支援システムとして動作させるプログラムからなるソフトウエアとを備えた汎用パーソナルコンピュータやサーバで構成することができるものである。
【0013】
次に、動作について説明する。
図2は、図1に示す健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、実行される処理を示すフローチャートである。
まず、健康診断を受診した受診者についての検査結果から問題のある検査項目の判定を行う。健康診断等の受診により得た健康診断検査結果ERを入力手段1(図1)によって健康診断検査結果入力1Aとして健康指導カウンセラー業務支援システムに取り込み、記憶手段2(図1)に格納する。健康診断検査項目基準値2Aは健康診断の検査項目ごとに基準値を示したデータであり、例えば図3のような形式で、記憶手段2(図1)に予め格納されている。検査結果判定手段3は記憶手段2(図1)から取り込んだ健康診断検査結果入力1Aと健康診断検査項目基準値2Aを読み出して比較し、検査結果が正常か異常か判定を行う。
【0014】
表示手段10(図1)に表示される判定結果例を図4に示す。健康指導カウンセラー業務支援システムは検査結果判定手段3による判定結果を導出し、検査項目選択手段4によって検査結果判定手段3の判定結果から問題がある検査項目を選び出す。
ここで、検査結果判定手段3による判定結果は「正常」「境界」「異常」として導出される。「境界」は「正常」と「異常」との間に基準値範囲の20%等の各検査項目の特質に応じた所定の数値幅を持つ境界域として設定される。
図4の例では、全ての検査項目が正常となっているが、この中で最も基準値の限界に近いBMI(Body Mass Index) の検査数値状況に着眼して他の検査項目における検査数値の状況を勘案し各検査項目の重要性も参酌して対処が必要な問題点があるかどうかが判定される。
同様に、複数の検査項目が異常となっている場合もその中で最も基準値から外れている項目に着眼して他の検査項目における検査数値の状況を勘案し各検査項目の重要性も参酌して対処が必要な問題点があるかどうかが判定される。
健康指導カウンセラー業務支援システムは検査項目選択根拠選択手段5により記憶手段2(図1)に格納され予め用意された根拠集2Bの中から検査項目選択手段4によって検査結果判定手段3の判定結果から問題がある検査項目を選び出した際の根拠に相当する根拠項目を選び出す。
【0015】
図5に根拠集2Bの例を示すが、問題と判定した検査項目ごとに「正常」「境界」「異常」のそれぞれの判定結果に対し、根拠記述内容が用意されている。
検査項目選択手段4によって検査結果判定手段3の判定結果から問題がある検査項目を選び出した際の根拠は、BMI(Body Mass Index) の検査数値が最も基準値の限界に近く、このBMIに着眼し他の検査項目における検査数値の状況等も勘案して、BMIに対処が必要であり問題であると判断したものであって、根拠項目として「基準上限に最も近い検査項目である」を選択する。
以上のようにして、検査結果から問題となる検査項目とその根拠の選択が行われる。
そして、検査項目選択根拠選択手段5による根拠選択としての判断結果は、検査結果判定手段3による検査結果判定結果および検査項目選択手段4による検査項目選択結果とともに、検査結果判定結果記録2Cとして記憶手段2(図1)に格納される。
【0016】
次に、上記の結果をもとに、健康指導カウンセラー業務支援システムは健康指導対象者に実施すべき指導内容の選択を行う。
健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容選択手段6により選択された検査項目と根拠に基づき、記憶手段2(図1)に格納され予め用意した指導内容集2Dの中から対象者に最適な指導内容を選択する。図5の例で、対象者の検査結果から「BMI」が「基準上限に最も近い検査項目である」と判定された場合、健康指導カウンセラー業務支援システムは図6に示す指導内容集からカロリー消費増やカロリ摂取減の対策のうち対象者にとって目標が明確で実行し易く対象者に直接的な効果がある「ご飯の量を半分にする」旨の指導内容を選択する。
そして、指導内容選択手段6による指導内容選択としての判断結果は健康指導カウンセラー業務支援システムへ入力する指導内容選択根拠とともに指導内容選択記録2Eとして記憶手段2(図1)に格納される。
【0017】
続いて、健康指導対象者に指導を行った後、一定期間を経過した時に指導内容の評価を実施する。
健康指導カウンセラー業務支援システムは、検査結果比較手段7による検査結果比較出力を基に指導内容評価選択手段8によって検査項目選択手段4が選択した検査項目が指導前後でどのように変化したかを比較し、指導内容に効果があったかどうか評価する。評価の内容は、指導内容評価選択手段8により記憶手段2(図1)に格納された指導内容評価集2Fから選択する。図7に指導内容評価集2Fの例を示す。
さらに、健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容評価選択根拠選択手段9によって記憶手段2(図1)に格納され予め用意された評価根拠集2Gから評価した根拠を選択する。指導内容評価集2Fのそれぞれの指導内容評価ごとに、評価根拠記述内容が用意されている。図8の評価根拠集2Gの例では、「見直し要」という指導内容評価に対し、「検査値に変化無し」という評価根拠が選択されている。
そして、指導内容評価選択根拠選択手段9による根拠選択としての判断結果は、検査結果比較手段7による検査結果比較結果および指導内容評価選択手段8による指導内容評価選択結果とともに、指導内容評価選択結果記録2Hとして記憶手段2(図1)に格納される。
【0018】
以上のように、この発明によれば、健康指導における健康状態の判断および健康指導内容指示時の判断を明らかにし、その判断結果を記録することにより判断のプロセスを再検証することが可能となる。したがって、再検証により、判定や選択のアルゴリズムを容易に見直すことができるため、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【0019】
なお、上記では、指導内容の評価に指導内容評価選択手段7は検査項目選択手段4が選択した検査項目が指導前後でどのように変化したか比較することにより、指導内容に効果があったかどうか評価したが、指導内容を選択する時に、図9に示すように検査項目に対する目標値2Jを設定してもよい。この目標値2Jは健康指導カウンセラーあるいは健康指導対象者が決定し数値を入力してもよいし、検査項目に対する基準値と検査結果から健康指導カウンセラー業務支援システムが設定してもよい。目標値2Jは記憶手段2に格納される。
このように、目標値を定めることにより、指導内容評価選択手段8は指導内容の評価時点での検査結果と目標値を比較することで、指導内容に効果があったかどうか容易に評価することができる。
【0020】
(1A)この発明による実施の形態1によれば、健康診断検査結果を健康診断検査結果入力1Aとして入力する入力手段2と、検査項目に対する基準値を検査項目基準値2Aとして記録し格納する記憶手段2と、前記記憶手段2に記録された検査項目基準値2Aから検査結果を判定する検査結果判定手段3と、前記検査結果および前記検査結果判定手段3により判定された判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段4と、前記検査項目選択手段4により前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段5と、前記検査結果および前記検査結果判定手段3より判定された判定結果に基づく前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段6とを備え、前記判断根拠選択手段5による選択結果としての判断根拠を検査結果判定結果記録2Cとして記憶手段2により記録することによって、判断のプロセスを再検証可能にして、指導内容を向上させるようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【0021】
(1B)この発明による実施の形態1によれば、前記(1A)項における構成において、指導後一定期間を経過したときに指導内容に対する評価を選択する指導内容評価選択手段8と、前記評価を選択した根拠を選択する評価根拠選択手段9を備えたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証を実行して、指導内容を向上させることを容易にすることができる。
【0022】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図10および図11について説明する。図10は実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムのシステム構成を示すブロック図である。図11は実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0023】
この発明による実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムのシステム構成を示す図10は、健康指導カウンセラーが使用するカウンセラー端末1001,1002,…と健康指導カウンセラーが入力あるいは参照するデータを保管するデータベース1012を有するセンターサーバ1011をネットワーク1013で接続したものである。
図10において、カウンセラー端末1001,1002,…はカウンセラーが健康指導を行なう時に使用する端末で、例えばパーソナルコンピュータのように、キーボードやマウス等の入力手段とCRTのような表示手段および通信手段を備える。
また、センターサーバ1011はデータベースにアクセスする手段と通信手段を備え、データベース1012は健康指導に用いるデータを管理しセンターサーバの命令によりデータの読み書きを行う。ネットワーク1013は、例えばインターネットのように、複数の装置からの通信が可能なものとする。
そして、実施の形態1で説明した検査結果判定手段3、検査項目選択手段4、判断根拠選択手段5及び指導内容選択手段6(図2参照)が、それぞれ端末装置1001,1002,…またはセンターサーバ1011の少なくともどちらかに存在するように構成されている。
【0024】
次に、動作について説明する。
図11は、図10に示すように構成した健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、実行される処理を示すフローチャートである。
まず、検査結果から問題のある検査項目の判定を行う。カウンセラー端末1001,1002,…では、健康診断等の受診により得た検査結果ERを健康診断検査結果入力1Aとして入力手段1(図1)により取り込み、ネットワーク1013を介し、センターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバ1011では自らが有する記憶手段としてのデータベース2内に健康診断検査結果2Rとして格納する。カウンセラー端末1001,1002,…は、データベース2内の健康診断検査項目基準値2Aの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼する。検査結果判定手段3は、健康診断検査結果と読み出した健康診断検査項目基準値から検査結果が正常か異常か判定を行う。検査項目選択根拠選択手段5では、根拠集2Bの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼し、読み出した中から適切な根拠を選び出す。そして、問題と判定した検査項目とその根拠について、ネットワーク1013を介し、センターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバは自らが有するデータベース2内に検査結果判定結果2Cとして格納する。
【0025】
次に、健康指導カウンセラー業務支援システムは健康指導対象者に実施すべき指導内容の選択を行う。健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容選択手段6によりデータベース2内の指導内容集2Eの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼する。指導内容選択手段6は選択された検査項目と根拠に基づき、指導内容集2Dの中から対象者に最適な指導内容を選択する。そして、選択した結果を、ネットワーク1013を介しセンターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバ1011は自らが有するデータベース2内に指導内容選択結果2Eとして格納する。
【0026】
続いて、健康指導カウンセラー業務支援システムは、健康指導対象者に指導を行なった後、一定期間を経過した時に指導内容の評価を実施する。健康指導カウンセラー業務支援システムは検査結果比較手段7によって検査項目選択手段4が選択した検査項目が指導前後でどのように変化したかを比較し、指導内容に効果があったかどうか評価する。そして、健康指導カウンセラー業務支援システムは指導内容評価選択手段8によりデータベース2内の指導内容評価集2Fの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼し、評価の内容を選択する。さらに、指導内容評価選択根拠選択手段9によってデータベース2内の評価根拠集2Gの読み出しをネットワーク1013を介してセンターサーバ1011に依頼し、その中から評価した根拠を選択する。そして、選択した結果を、ネットワーク1013を介しセンターサーバ1011に書き込みを依頼する。センターサーバ1011は自らが有するデータベース2内に指導内容評価選択結果2Hとして格納する。
【0027】
以上のように、この発明による実施の形態2によれば、データをネットワークを介してアクセスすることを可能としたので、さまざまな場所において健康指導カウンセラー業務支援システムによって健康指導対象者を指導することができるとともに、健康指導対象者自身が自分のデータを自宅等でもアクセスすることができるようになるため、利便性が増す。また、判断のプロセスを再検証する際に、データが一元管理されているため、複数のカウンセラー端末からデータを収集する手間を省くことができる。
【0028】
(2A)この発明による実施の形態2によれば、実施の形態1における前記(1A)項に示す構成において、前記健康指導カウンセラー業務支援システムを構成する健康指導カウンセラーが操作するカウンセラー端末1001,1002,…からなる複数の端末装置をデータベース1012を有するセンターサーバ1011にネットワーク1013を介して接続し、前記カウンセラー端末1001,1002,…からなる端末装置から入力されるデータを前記センターサーバ1011のデータベース2に集中させたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、データを一元管理できる健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0029】
実施の形態3.
この発明による実施の形態2を図12について説明する。図12は実施の形態3における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0030】
図12は、健康診断カウンセラー業務支援システムに健康診断検査項目基準値変更手段11を設けたブロック図である。健康診断検査項目基準値変更手段11は、記憶手段2(図1)に格納されている健康診断検査項目基準値2A(図2)を読み出し、表示手段10に表示する。基準値2Aの変更者は変更したい検査項目の基準値2Aを変更すると、健康診断検査項目基準値変更手段11は変更した値2Aを記憶手段2に格納する。
【0031】
このように、健康診断検査項目の基準値を変更できるようにしたので、学会等で基準値が変更になった場合や健康指導カウンセラー業務支援システムによって重点的に指導したい検査項目の基準値を変更したい場合に、容易に対応することができる。
【0032】
(3A)この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1における前記(1A)項に示す構成または実施の形態2における前記(2A)項に示す構成において、前記記憶手段2(図1)に格納された検査項目の基準値2A(図2)を検査項目基準値変更手段11によって変更できるようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、検査項目についての基準値を的確に設定できる健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0033】
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を図13および図14について説明する。図13は実施の形態4における複数の健康診断検査項目基準値を持つ形式例を示す図表である。図14は実施の形態4におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態3における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。
【0034】
実施の形態1では基準値2A(図2)を一つだけ設けたが、この実施の形態4では、図13のように性別や年齢等により複数の値を持つようにしている。図13の例では、男性と女性で腹囲や年齢により最高/最低血圧を異なる基準値とした。図14に示すような健康指導対象者のパーソナルデータ1400として性別や年齢等の基本データ1401を、入力手段1(図1)から入力し、記憶手段2(図1)に格納しておくことで、検査結果判定手段3(図2)はパーソナルデータを読み出し、パーソナルデータに基づいた検査結果の判定を下す。
【0035】
このように、複数の基準値を設けることで、検査結果の判定をきめ細かく行うことができるため、より正確な健康指導を行なうことができる。
【0036】
(4A)この発明による実施の形態4によれば、実施の形態3における前記(3A)項に示す構成において、前記記憶手段2(図1)に格納された検査項目基準値2A(図2)が、性別,年齢を条件として含む事前に設定した条件により、複数の値を設定するとともに、前記検査結果判定手段3は健康診断受診者について設定された条件に対応する基準値に基づき検査結果を判定するようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、検査結果の判定をきめ細かく行うことができ、より正確な健康指導を行える健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0037】
実施の形態5.
この発明による実施の形態5を図15および図16について説明する。図15は実施の形態5におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。図16は実施の形態5における除外処理のフローチャートである。
この実施の形態5において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態4までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。
【0038】
図15は、パーソナルデータ1400に生活習慣データ1501を追加したものである。
図15の例では、通勤手段として電車,車,徒歩等のいずれかであるか、また、朝食をきちんと食べるかどうかの生活習慣が示されている。
指導内容選択手段6(図2)は指導内容を選択する時、指導内容集2D(図2)を読み出すが、まずパーソナルデータを参考に不適切なものを除外する。図16は上記除外処理を示すフローチャートである。図16に示した例に従い、以下に動作を説明する。指導内容選択手段6(図2)はパーソナルデータ1400から健康指導対象者が「車通勤」であることを読み出す。指導内容集2Dの中から、通勤手段に関わるものとして、「通勤時、一駅余分に歩く」が「車通勤」には不適切なことから指導内容から除外を行う。そして、指導内容選択手段6(図2)は除外処理が完了した後の指導内容集2Dから最適な指導内容を選択する。
【0039】
このように、生活習慣データを設けたので、個人それぞれの生活習慣に見合った指導内容を選択することができるため、より効果的な健康指導を行うことができる。
【0040】
(5A)この発明による実施の形態5によれば、実施の形態1から実施の形態4までにおける前記(1A)項〜(4A)項に示すいずれかの構成において、個人の生活習慣に関わるパーソナルデータをもとに、前記指導内容選択手段6(図2)により選択される指導内容を変更することができるようにしたので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、個人それぞれの生活習慣に見合った指導内容を選択して、より効果的な健康指導を行なえる健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0041】
実施の形態6.
この発明による実施の形態6を図17および図18について説明する。図17は実施の形態5における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。図18は実施の形態6における指導内容評価の点数表例を示す図表である。
この実施の形態6において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態5までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0042】
図17は、健康指導カウンセラー業務支援システムに、指導内容に対する評価を集計する手段12と、集計結果から評価の高い指導内容を判定する手段13と、指導内容を選択する時に上記判定結果をもとに優先度を変更する手段14とを追加したものである。
指導内容評価集計手段12は、指導内容選択手段6が選択した指導内容と、その指導に対し指導内容評価選択手段8が選択した評価を、記憶手段2から読み出す。それぞれの評価は、例えば図18に示すような点数表を用いて、それぞれの指導内容に与えられた評価を点数化する。高評価指導内容判定手段13は、上記点数化された指導内容を点数の高いものに並べ替えを行う。指導内容優先度変更手段14は、記憶手段2から指導内容が点数の高い順に並べられる指導内容集2D(図2)を読み出し、並べ替えられた結果に書き換える。
【0043】
このように、指導内容集2D(図2)を見直すことにより、指導内容選択手段6がより評価の高い指導内容を容易に選択することができるため、より効果的な健康指導を行うことができる。
【0044】
なお、上記では、並び替え処理のみを行うこととしたが、評価の点数が低い指導内容や選択されることが少ない指導内容を削除する処理を加えてもよい。不必要な指導内容を無くすことにより、選択処理の高速化を図ることができる。
【0045】
(6A)この発明による実施の形態6によれば、実施の形態1から実施の形態5までにおける前記(1A)項〜(5A)項に示すいずれかの構成において、指導内容に対する評価を集計する指導内容評価集計手段12と、前記指導内容評価集計手段12による集計結果から評価の高い指導内容を判定する指導内容評価判定手段13と、前記指導内容選択手段6により指導内容を選択するときに前記指導内容評価判定手段13による判定結果をもとに優先度を変更する優先度変更手段14を備えるので、評価判断における評価根拠を記録することによって健康指導内容指示時の判断状況を明らかにし、判断のプロセスを再検証可能として、指導内容を向上させることを容易にすることができるとともに、評価の高い指導内容を容易に選択して、より効果的な健康指導を行える健康指導カウンセラー業務支援システムを得ることができる。
【0046】
この発明による実施の形態においては、次の(1)項から(6)項までに示される構成が提示されている。
【0047】
(1)健康診断検査結果を入力する手段と、検査項目に対する基準値を記録する手段と、基準値から検査結果を判定する手段と、検査結果および判定結果から問題であると判断した検査項目を選択する手段と、上記検査項目を選択した根拠を選択する根拠選択手段と、上記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段と、指導後一定期間を経過したときに指導内容に対する評価を選択する指導内容評価選択手段と、上記評価を選択した根拠を選択する手段を備えることにより、健康指導における健康状態の判断、健康指導内容指示時の判断を明らかにし、その判断結果を記録することにより判断のプロセスを再検証し、指導内容を向上させることを容易にすることを特徴とする健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0048】
(2)複数の健康指導カウンセラー端末とデータベースを有するセンターサーバとそれらを接続するネットワークを設け、健康指導カウンセラーが入力あるいは参照するデータをデータベースに集中させたことを特徴とする前記(1)項記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0049】
(3)検査項目の基準値を変更できることを特徴とする前記(1)項または前記(2)記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0050】
(4) 検査項目の基準値を性別、年齢等の事前に設定した条件により、複数の値を持つことを特徴とする前記(3)項記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0051】
(5)個人の生活習慣に関わるパーソナルデータをもとに、指導内容を変更することができることを特徴とする前記(1)項または前記(2)記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【0052】
(6)指導内容に対する評価を集計する手段と、集計結果から評価の高い指導内容を判定する手段と、指導内容を選択する時に上記判定結果をもとに優先度を変更する手段を備えることを特徴とする前記(1)項または前記(2)項記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明による実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による実施の形態1における健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図3】この発明による実施の形態1における健康診断検査項目基準値の形式例を示す図表である。
【図4】この発明による実施の形態1における健康診断検査結果の判定結果例を示す図表である。
【図5】この発明による実施の形態1における検査項目選択時の根拠集の例を示す図表である。
【図6】この発明による実施の形態1における指導内容集の例を示す図表である。
【図7】この発明による実施の形態1における指導内容評価集の例を示す図表である。
【図8】この発明による実施の形態1における評価根拠集の例を示す図表である。
【図9】この発明による実施の形態1を示す健康指導カウンセラー業務支援システムにおいて、目標値を追加した場合のフローチャートである。
【図10】この発明による実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図11】この発明による実施の形態2における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図12】この発明による実施の形態3における健康指導カウンセラー業務支援システムの構成を示すブロック図である。
【図13】この発明による実施の形態4における複数の健康診断検査項目基準値を持つ形式例を示す図表である。
【図14】この発明による実施の形態4におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。
【図15】この発明による実施の形態5におけるパーソナルデータの形式例を示す図表である。
【図16】この発明による実施の形態5における除外処理のフローチャートである。
【図17】この発明による実施の形態6における健康指導カウンセラー業務支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【図18】この発明による実施の形態6における指導内容評価の点数表例を示す図表である。
【符号の説明】
【0054】
1 入力手段、2 記憶手段、2A 健康診断検査項目基準値、2B 根拠集、2C 検査結果判定結果、2D 指導内容集、2E 指導内容選択結果、2F 指導内容評価集、2G 評価根拠集、2H 指導内容評価選択結果、3 検査結果判定手段、4 検査項目選択手段、5 検査項目選択根拠選択手段、6 指導内容選択手段、7 検査結果比較手段、8 指導内容評価選択手段、9 指導内容評価選択根拠選択手段、10 表示手段、1A 健康診断検査結果入力、4 検査項目選択手段、5 検査項目選択根拠選択手段、6 指導内容選択手段、7 指導内容評価選択手段、8 指導内容評価選択手段、9 指導内容評価選択根拠選択手段、10 表示手段、11 検査項目基準値変更手段、12 指導内容評価集計手段、13 高評価指導内容判定手段、14 指導内容優先度変更手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康診断検査結果を入力する入力手段と、検査項目に対する基準値を記録する記憶手段と、前記記憶手段に格納された基準値から検査結果を判定する検査結果判定手段と、検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果から対処が必要であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段と、前記検査項目選択手段により前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段と、前記検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果に基づく前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段とを備え、前記判断根拠選択手段による選択結果としての判断根拠を前記記憶手段に記録することを特徴とする健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項2】
前記指導内容選択手段による選択結果としての指導内容を選択した選択根拠を前記記憶手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項3】
指導後一定期間経過後の健康診断検査結果と指導前の健康診断検査結果とを比較して指導内容に対する評価を選択する指導内容評価選択手段と、前記評価を選択した根拠を選択する評価根拠選択手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項4】
少なくとも前記記憶手段を有するセンターサーバと、該センターサーバにネットワークを介して接続し少なくとも前記入力手段を有する端末装置とを備え、前記検査結果判定手段、前記検査項目選択手段、前記判断根拠選択手段及び前記指導内容選択手段が、それぞれ該端末装置または前記センターサーバの少なくともどちらかに存在することを特徴とする請求項1に記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項5】
前記記憶手段に格納される検査項目の基準値を変更できることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項6】
前記記憶手段に格納される検査項目の基準値として、健康診断受診者の性別,年齢を条件として含む事前に設定した条件により、複数の値を設定するとともに、前記検査結果判定手段は健康診断受診者について設定された条件に対応する基準値に基づき検査結果を判定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項7】
入力手段により入力され記憶手段に記録された個人の生活習慣に関わるパーソナルデータをもとに、前記指導内容選択手段により選択される指導内容を変更することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項8】
指導内容に対する評価を集計する指導内容評価集計手段と、前記指導内容評価集計手段による集計結果から評価の高い指導内容を判定する指導内容評価判定手段と、前記指導内容選択手段により指導内容を選択するときに前記指導内容評価判定手段による判定結果をもとに優先度を変更する優先度変更手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項1】
健康診断検査結果を入力する入力手段と、検査項目に対する基準値を記録する記憶手段と、前記記憶手段に格納された基準値から検査結果を判定する検査結果判定手段と、検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果から対処が必要であると判断した検査項目を選択する検査項目選択手段と、前記検査項目選択手段により前記検査項目を選択した根拠を選択する判断根拠選択手段と、前記検査結果および前記検査結果判定手段により判定された判定結果に基づく前記判断に伴い健康診断受診者に対して行う指導内容を選択する指導内容選択手段とを備え、前記判断根拠選択手段による選択結果としての判断根拠を前記記憶手段に記録することを特徴とする健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項2】
前記指導内容選択手段による選択結果としての指導内容を選択した選択根拠を前記記憶手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項3】
指導後一定期間経過後の健康診断検査結果と指導前の健康診断検査結果とを比較して指導内容に対する評価を選択する指導内容評価選択手段と、前記評価を選択した根拠を選択する評価根拠選択手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項4】
少なくとも前記記憶手段を有するセンターサーバと、該センターサーバにネットワークを介して接続し少なくとも前記入力手段を有する端末装置とを備え、前記検査結果判定手段、前記検査項目選択手段、前記判断根拠選択手段及び前記指導内容選択手段が、それぞれ該端末装置または前記センターサーバの少なくともどちらかに存在することを特徴とする請求項1に記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項5】
前記記憶手段に格納される検査項目の基準値を変更できることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項6】
前記記憶手段に格納される検査項目の基準値として、健康診断受診者の性別,年齢を条件として含む事前に設定した条件により、複数の値を設定するとともに、前記検査結果判定手段は健康診断受診者について設定された条件に対応する基準値に基づき検査結果を判定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項7】
入力手段により入力され記憶手段に記録された個人の生活習慣に関わるパーソナルデータをもとに、前記指導内容選択手段により選択される指導内容を変更することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【請求項8】
指導内容に対する評価を集計する指導内容評価集計手段と、前記指導内容評価集計手段による集計結果から評価の高い指導内容を判定する指導内容評価判定手段と、前記指導内容選択手段により指導内容を選択するときに前記指導内容評価判定手段による判定結果をもとに優先度を変更する優先度変更手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の健康指導カウンセラー業務支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−193714(P2007−193714A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13266(P2006−13266)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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